説明

光ファイバケーブル及び情報配線システム

【課題】テンションメンバの細径化が可能で、且つ余剰スペースがない場所での光ファイバケーブルの配線を容易に行うことが可能になり、さらに配線作業の作業性を向上することが可能となる光ファイバケーブルを提供する。
【解決手段】本発明に光ファイバケーブルは、ケーブル内に円柱状のテンションメンバ7が収容される。このテンションメンバ7は、長手方向の周面に沿って、例えば複数の溝をスパイラル状に形成することでプロペラ型の形状となっている。溝を形成するフィン7A間の空間は、ホーリーファイバ構造の光ファイバ素線6を収容するテンションメンバスペース12として機能する。上記テンションメンバ7を収容する光ファイバケーブルは、多数の光ファイバ素線6がそれぞれテンションメンバスペース12による溝に沿ってスパイラル状に配置され、その周囲には動摩擦係数の低い材質よりなるケーブル外被8が被覆される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばオフィスビルやマンションビル等の複数階よりなる建物において、光ファイバを用いた情報通信のための配線に利用する光ファイバケーブル及び情報配線システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ビルやマンションの構内の情報通信においては、VDSL(Very high-bit-rate Digital Subscriber Line)形式が広く利用されている。このVDSL形式は、オフィスビルやマンションビル内の主配電盤や中間配電盤にメディアコンバータを配置し、このメディアコンバータによって電話会社などの収容局から配線された光ファイバによる情報通信光信号を電気信号に変換し、その電気信号をビルやマンションの構内に既に配線されているメタリック線を利用して各加入者宅へ情報通信するようにしたものである。
【0003】
近年では、高度情報社会の高まりを受けて、ビルやマンションの構内の情報通信に対して、メディアコンバータとメタリック線を併用するのではなく、光ファイバケーブルを直接配線することが実施され始めている。特にオフィスビルやマンションビルの構内の縦系配線に対しては、光ファイバケーブルを直接配線するために、主にSM(Single Mode Fiber)型構内光ファイバケーブル(例えば、特許文献1参照)やSM(Single Mode Fiber)型インドア光ケーブル(例えば、特許文献2参照)が現在利用されている。
【0004】
【特許文献1】実開平5−30817号公報
【0005】
【特許文献2】特開2003−161867公報
【0006】
【特許文献3】特開平8−184728号公報
【0007】
【特許文献4】特開平6−148464号公報
【0008】
【特許文献5】特開2007−121398号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、現在、オフィスビルやマンションビルの構内の光ファイバケーブルの配線に利用する縦系の配管はその内径が様々である。小さいものでは14mm径のものも存在し、径の大きな50mmの配管であっても、既にその配管内に電気ケーブルやメタリックケーブル、同軸ケーブルが配線されているため、常に配管内の余剰スペースが狭く、縦系の配管内における光ファイバケーブルの配線の制約が大きい。
【0010】
また、オフィスビルやマンションビルの形状は様々であり、縦系の配管を設置するため、その配管そのものを蛇行させたりして構内に設置することがある。これに対し、SM型構内光ファイバケーブルでは、スロットロッド及びテンションメンバが硬質であり、それらテンションメンバの径が大きく(1.4〜2.8mm)、全方向に曲げにくい。一方、SM型インドア光ケーブルのテンションメンバは比較的径が小さいが(0.4mm程度)、ケーブルの両端に2本入っており、やはり全方向に曲げにくい。
【0011】
また、SM型構内光ファイバケーブルでは、ケーブル外径が10mm以上と縦系配管の径に対して大きいことから、柔軟性に欠き、配線時に配管内の余剰スペースや蛇行が原因で、配管内を通過させることができないなどの問題がある。一方、SM型インドア光ケーブルは、SM型構内光ファイバケーブルと比較して、その外径が2×3.7mm程度と細径のため、縦系の配管径や既に配線されているケーブル類による余剰スペースの問題はSM型構内光ファイバケーブルと比較して少なくなる。しかしながら、その断面が長方形という形状から、配管内に配線する時に撚りが生じてしまいやすく、ケーブル内部の光ファイバを破壊するおそれがあるため、配管内に配線する作業に注意が必要となる。そのため、現在利用されている光ファイバケーブルにおいて、縦系の配管内での配線作業には、一定の経験や知識といった特定の技術が必要となっている。
【0012】
また、上記のような既存の光ファイバケーブルをビルやマンションの構内の主配電盤や各階の中間配電盤に接続する場合、光ファイバケーブルの外被を除去し、その内部から取り出した光ファイバ素線の余長処理、分岐、スプリッタ接続のためのメカニカルスプライス、光コネクタとの融着接続作業が行われる。このような接続部を保護するため、通常、ビルやマンションの主配電盤や各階の中間配電盤の内部に接続部分を収容するためのキャビネットを設置する。このとき、そのキャビネットへ光ファイバケーブルから取り出した光ファイバ素線を収納し、各階の加入者宅へ情報通信するためにビルやマンションの主配電盤や各階の中間配電盤から加入者宅への横系の配管を通じて配線した光ファイバケーブルをメカニカルスプライスや光コネクタと融着接続することが必要となる。このため、これら接続作業に関しても一定の経験や知識といった特定の技術が必要となっている。
【0013】
以上事から、オフィスビルやマンションビルの構内の光ファイバケーブルの配線作業においては、これら特定の技術を有した作業者しか実施することができず、実施した際にも多くの作業時間が必要となる問題を抱えている。
このほかにも、既存の2つの光ファイバケーブルをビルやマンションに合わせて併用したり工作したりして使用しているが、ビルやマンションの構内における情報通信のための配線手段は一定ではないため、それに対応する技術が必要となる。このように、特定の技術を有した作業者に依存する結果となり、高度情報社会のための情報配線システムの構築を阻害している問題がある。
【0014】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、テンションメンバの細径化が可能で、且つ余剰スペースがない場所での光ファイバケーブルの配線を容易に行うことが可能になり、さらに配線作業の作業性を向上することが可能となる光ファイバケーブル及び情報配線システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するために、本発明の光ファイバケーブルは、以下の特徴的な構成を有する。
(1)柱状で長手方向に溝または空間を形成してなるテンションメンバと、前記テンションメンバの溝または空間に配置される光ファイバ素線と、前記光ファイバ素線及びテンションメンバの周囲に被覆されるケーブル外被とを具備することを特徴とする。
【0016】
(2)(1)において、さらに、前記テンションメンバの溝または空間を埋設するように設けられるフッ素樹脂、ケイ素樹脂、ウレタン樹脂の少なくともいずれかを用いたスペーサを備えることを特徴とする。
(3)(1)または(2)において、前記テンションメンバは、断面が長方形形状又はプロペラ型であることを特徴とする。
【0017】
(4)(1)〜(3)のいずれかにおいて、前記ケーブル外被は、表面に凹凸を有することを特徴とする。
(5)(1)〜(4)のいずれかにおいて、前記テンションメンバは、周面長手方向に沿って周期的に切り欠きを形成してなることを特徴とする。
【0018】
(6)(1)〜(5)のいずれかにおいて、前記テンションメンバは、周囲がフッ素樹脂、ケイ素樹脂、ウレタン樹脂もしくは紫外線硬化性樹脂で被覆されることを特徴とする。
(7)(1)〜(6)のいずれかにおいて、前記テンションメンバは、正方形、長方形、円形もしくは雲形の個別のパーツを組み合わせ、それらを接着、寄り合わせ若しくは被覆することによって一体化したものであることを特徴とする。
【0019】
(8)(1)〜(7)のいずれかにおいて、両端若しくは片側に予め前記光ファイバ素線が接続された光コネクタを備えることを特徴とする。
(9)(1)〜(8)のいずれかにおいて、前記光ファイバ素線は、ホーリーファイバ構造よりなる光ファイバ素線を用いることを特徴とする。
【0020】
また、本発明の情報配線システムは、以下の特徴的な構成を有する。
(10)(1)〜(9)のいずれかに記載の光ファイバケーブルを建物の縦系の配管内を通して任意の階の配電盤配置部に配線する情報配信システムであって、前記光ファイバケーブルの端部には光コネクタが装着され、前記配電盤配置部に配置されるスプリッタモジュール側の光コネクタ若しくはキャビネット側の光コネクタと前記光ファイバケーブルの光コネクタとをアダプタを介して接続するようにしたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明の光ファイバケーブル及び情報配線システムは、テンションメンバの長手方向に例えば長方形又はプロペラ型の溝または空間を形成することで、スロットロッドを用いずに光ファイバ素線を分離して収納することができるため、細径化が可能になる。また、動摩擦係数の低いケーブル外被を利用することで、余剰スペースがない場所での光ファイバケーブルの配線を容易に行うことが可能になる。さらに、光コネクタ付光ファイバケーブルとすることで、配線作業の作業性を向上することが可能となる。
【0022】
また、複数階等の建物内の縦系の配管内への光ファイバケーブルの配線や主配電盤や各階の中間配電盤における接続作業が特定の技術を利用せずに作業することが可能となる。このため、特定の技術を有した作業者以外にも作業が可能になり、その結果として複数階建物内における光ファイバケーブルを利用した情報配線システムの構築の作業時間も短縮することが可能になる。さらに、複数階建物において情報配線システムの構築が一定の手段に固定されることとなり、複数階建物内における光ファイバケーブルを利用した情報システムの構築が容易となる。
【0023】
したがって、本発明によれば、テンションメンバの細径化が可能で、しかも余剰スペースがない場所での光ファイバケーブルの配線を容易に行うことが可能になり、さらに配線作業の作業性を向上することが可能となる光ファイバケーブル及び情報配線システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は本発明が適用可能とする光ファイバケーブルの構成例を示す概念図である。図1に示すように、光ファイバケーブル1の一端には多芯光コネクタ2(例えば、特許文献3参照)が設けられると共に、光ファイバケーブル1の他端には分岐部4で分岐された複数のコード部5のそれぞれ先端に単芯光コネクタ3が設けられる。上記多芯光コネクタ2及び単芯光コネクタ3は、光ファイバケーブル1及びコード部5中に通線された複数の光ファイバ素線の両端に接続される。この場合、分岐部4やコード部5に関しては、本発明の実施形態の機能を損なわないのならば、利用しなくともよいし、どちらか一方のみ利用しても構わない。
【0025】
図2は本発明が適用可能とする光ファイバケーブルの他の構成例を示す概念図である。図2に示すように、光ファイバケーブル1の両端にはそれぞれ多芯光コネクタ2が設けられ、多芯光コネクタ2は光ファイバケーブル1中に通線された複数の光ファイバ素線の両端に接続される。
【0026】
尚、光ファイバケーブル1の両端にそれぞれ単芯光コネクタ3を設け、光ファイバケーブル1中に通線された複数の光ファイバ素線それぞれの両端に接続するようにしてもよい。
図3〜図10はそれぞれ上記図1または図2に適用される本発明の第1乃至第8の実施形態に係る光ファイバケーブルの構成を示す断面図である。尚、図3乃至第10において、同一部分には同一符号を付して示し、重複する説明を省略する。
【0027】
図3に示す第1の実施形態の光ファイバケーブルは、ケーブル内に円柱状のテンションメンバ7が収容される。このテンションメンバ7は、長手方向の周面に沿って、例えば複数の溝をスパイラル状に形成することでプロペラ型の形状となっている。このプロペラ型のテンションメンバ7は、溝を形成するために、中心から延設された4つのフィン7Aを備える。このフィン間の空間は、ホーリーファイバ構造の光ファイバ素線6を収容するテンションメンバスペース12として機能する。
【0028】
テンションメンバ7は、その材質に、例えば鋼線、ステンレス鋼などの金属、若しくはFRPなどの樹脂が用いられ、最小曲げ半径5mm以上で曲げることが可能になっている。また、その抗張力は縦系の配管を通線するために200N以上に耐えることが可能になっている。
【0029】
上記テンションメンバ7を収容する光ファイバケーブルは、多数(図では8本)の光ファイバ素線6がそれぞれテンションメンバスペース12による溝に沿ってスパイラル状に配置され、その周囲には動摩擦係数の低い材質よりなるケーブル外被8が被覆される。動摩擦係数が低い材質としては、フッ素樹脂の1種であるテフロン(登録商標)のPTFE、フッ素系PTE(熱可塑性エラストマー)又はカーボン等がある。
【0030】
尚、テンションメンバ7は、本発明の実施形態の機能を満たすならばスパイラル状にしなくともよい。また、光ファイバ素線6も本発明の実施形態の機能を満たすならばスパイラル状に配置されなくとも構わない。
上記光ファイバケーブル1は既存インドア光ケーブルと異なり、略円柱状であるため、配管内を配線する際の撚りが生じない。そのため、上記光ファイバケーブル1は、既存インドア光ケーブルと比較して、複数階建物の蛇行した縦系配管の形状に沿って容易に配線することが可能である。
【0031】
図4に示す第2の実施形態の光ファイバケーブルは、基本的に第1の実施形態と同様のプロペラ型のテンションメンバ7を採用するが、そのフィン7Aの枚数を増やしている。すなわち、テンションメンバスペース12が光ファイバ素線6の外径よりも大きい限り、フィン7Aの数量や形状を任意に変更することが可能である。この場合、光ファイバ素線6をテンションメンバスペース12へ1つずつ収納することも可能であり、光ファイバ素線6同士の接触を防ぐ効果がある。
【0032】
図5に示す第3の実施形態の光ファイバケーブルは、基本的に第1の実施形態と同様のプロペラ型のテンションメンバ7を採用するが、このテンションメンバ7はその中心軸となる主テンションメンバ部7Bとフィンとなる副テンションメンバ部7Cから構成される。この構成の場合、例えば、主テンションメンバ部7Bに金属を用い、副テンションメンバ部7Cに樹脂を用いるというように、異なる材料を用いることも可能である。この場合、例えば主テンションメンバ部7Bに金属を用い、副テンションメンバ部7Cに弾性のある樹脂を用いるものとすると、光ファイバ素線6が副テンションメンバ部7Cと接触した時の破損を防止する低減する効果がある。
【0033】
図6に示す第4の実施形態の光ファイバケーブルは、基本的に第1の実施形態と同様のプロペラ型のテンションメンバ7を採用するが、このテンションメンバ7の周囲全体をテンションメンバカバー7Dによって被覆するようにしている。この場合、例えば、そのテンションメンバカバー7Dが弾性のある樹脂や紫外線硬化性樹脂などで構成されるとすると、テンションメンバ7のファン7Aの間に存在するテンションメンバスペース12に収納された光ファイバ素線6がテンションメンバ7に接触したときの破損を防止する効果がある。
【0034】
図7に示す第5の実施形態の光ファイバケーブルは、基本的に第1の実施形態と同様のプロペラ型のテンションメンバ7を採用するが、テンションメンバ7及び光ファイバ素線6の周囲を押さえ巻き10で全体を包むように把持するようにしている。この場合、その外径は押さえ巻き10の分、例えば0.1mm程度大きくなるが、テンションメンバ7のフィン7Aの間のテンションメンバスペース12に収納された光ファイバ素線6をテンションメンバスペース12に把持することが可能であり、光ファイバ素線6のずれなどを防止する効果がある。
【0035】
図8に示す第6の実施形態の光ファイバケーブルは、基本的に第1の実施形態と同様のプロペラ型のテンションメンバ7を採用するが、このテンションメンバ7のフィン7Aの周囲に光ファイバ素線6を収納した後、スペーサ11を充填する。このスペーサ11には、例えばケイ素樹脂もしくはウレタン樹脂を用いる。ケイ素樹脂の一例であるシリコーンゴムは、ヤング率が2〜100MPaである。また、ウレタン樹脂の一例であるポリウレタンは、ヤング率が約17.9MPaである。このため、既存のインドア光ケーブルなどに利用されているポリエチレン(ヤング率:0.4〜1.3GPa)、ポリオレフィン(ヤング率:約370MPa)、PVC(ポリ塩化ビニル)(ヤング率:2.4〜3.4GPa)と比較して柔軟であり、曲がりやすい。スペーサ11のような充填材を封入した場合、インドア光ケーブルのように光ファイバ素線6が保護されるため、側圧や衝撃に強くなる効果がある。
【0036】
尚、テンションメンバ7は、プロペラ型の溝のように断面が正n角形(nは3以上)で、中心から各頂点に線分を引いたような形状に限定されるものではない。図9に示す第7の実施形態の光ファイバケーブルは、断面が長方形形状のテンションメンバ7を採用した場合、図10に示す第8の実施形態の光ファイバケーブルは、錨型のような不定形のテンションメンバ7を採用したものである。ただし、長方形の場合は側圧や衝撃に対して効果が薄くなる。ここで、テンションメンバ7の形状は、本発明の機能を満たすならば、上記以外でも特にかまわず、さまざまな形状が考えられる。
【0037】
例えば、図3、図5、図9に示した光ファイバケーブルの構造として、それぞれ図11(a)〜(c)に示すように、正方形、長方形の個別のパーツを組み合わせ、それらを接着、寄り合わせ若しくは紫外線硬化樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、ウレタン樹脂のような樹脂を用いたテンションメンバカバー7Dで被覆することによって一体化するようにしてもよい。パーツの形状は、円形もしくは雲形であってもよい。
【0038】
図12は、第1の実施形態の場合を例にして、本発明の寸法を示した断面図である。距離Aは本発明の外径、距離Bは本発明のケーブル外被8の厚み、距離Cはテンションメンバ7の長辺の長さ、距離Dはテンションメンバ7の短辺の長さとなる。ここで、距離Bを0.2mm、距離Cを0.45mm、距離Dを0.2mmとすると距離Aは1.5mmとなる。また、これに第5の実施形態(図7)の押さえ巻き10を加えると0.1mm厚みが増すため、距離Aは1.6mmとなる。このとき、抗張力200N及び曲げ半径5mmは維持される。
【0039】
また、上記距離Aは1つのテンションメンバスペース12に光ファイバ素線6を2本ずつ収納する場合であり、例えば、1つの1つのテンションメンバスペース12に光ファイバ素線6を4本ずつ収納する場合、距離Cは0.6mmとなり距離Aは2.0mmとなる。
【0040】
図13は本発明の第9の実施形態に係る光ファイバケーブルのケーブル外被8の構成を示す外観図である。図13に示すように、ケーブル外被8の動摩擦力を減少させる方法として、ケーブル外被8の表面に楕円状の凹凸部8Aを設けることで配管の内壁に対する接触面積が小さくなり、そのため動摩擦力を低減させることが可能である。
【0041】
尚、ケーブル外被8はケイ素樹脂、フッ素樹脂、ウレタン樹脂のみで成形すること、凹凸部8Aを設けることのどちらかの方法を用いてもよいし、これらを組み合わせてもよい。このように、ケーブル外被8の動摩擦力を減少させることにより、複数階建物の縦系配管への光ファイバケーブル1の配線が容易になる。
【0042】
ところで、上記光ファイバケーブル1は、図1または図2に示すように、両端に光コネクタ2,3を備えているため、主配電盤や各階の中問配電盤における光電変換による接続作業を排除することができるため、集合住宅における配線作業が容易になる。
ここで、光ファイバケーブル1の両端に光コネクタを備えるため、配管内に通す際に光コネクタの大きさが問題となる。この場合、MTコネクタ(Mechanical Transferable Splicing Connector)(例えば、特許文献4参照)のような小型多芯光コネクタを配管に応じて、多芯光コネクタ2として利用することによって、この問題を解決することが可能である。
【0043】
上記のように、本発明の光ファイバケーブルは細径にできるため、例えば本発明の光ファイバケーブルのうち外径が大きい2.0mmのものであっても、同一の配管に従来の例えばインドア光ケーブルの(2×3.7mm)の場合と比較して3倍の本数を配線することができる。尚、光コネクタ付き光ファイバケーブル、例えばMPOコネクタ(5.5×9×10mm)を備えた光コネクタ付き光ファイバケーブルとした場合、光コネクタの部分が太いので2倍程度となるが、この場合は現場での光コネクタの装着作業の必要がなくなる。
【0044】
図14は本発明の第10の実施形態に係る光ファイバケーブルのテンションメンバ構造を示す概略構成図である。この場合、図14に示すように、テンションメンバ7の周囲に切り欠き7Eを周期的に形成することで、テンションメンバ自体が硬質であったとしても、曲げ易くすることが可能である。このテンションメンバ7の切り欠きは、三角形だけではなく、テンションメンバ7の形状に合わせて自在に形成することが可能である。また、数量や大きさも任意でよい。
【0045】
図15は本発明の実施形態に係る光ファイバケーブルを従来の光ファイバケーブルと比較した説明図であり、16mm径のCD管へ1本ずつ2種類の光ファイバケーブルを通線した場合の実験データである。このデータからわかるように、本発明に係る光ファイバケーブルを用いた場合には、従来のインドア光ケーブルの場合に比して飛躍的に通線数を増加させることができる。
【0046】
図16〜図19は本発明の情報配線システムの概略構成を示す模式図である。
図16は本発明の第11の実施形態に係る情報配線システムの構成を示すブロック図である。図16に示すように、4階の建物27において、1階には主配電盤(MDF)25が設置され、2階、3階、及び4階にはそれぞれ中間配電盤(IDF)26が設置される。上記主配電盤25と2階の中間配電盤26との間、2階の中間配電盤26と3階の中間配電盤26との間、3階の中間配電盤26と4階の中間配電盤26との間にはそれぞれ縦系配管15が設けられる。また、上記主配電盤25、中間配電盤26にはそれぞれ各部屋の端末口との間に横系配管16が設けられる。
【0047】
上記建物構造において、4階の横系配管16には、図2に示したタイプの横系配線光ファイバケーブル17が通線され、上記横系配線光ファイバケーブル17の中間配電盤26側の端部にはスプリッタモジュール19を介して単芯光コネクタ2が設けられる。一方、上記縦系配管15には、図1に示したタイプの光ファイバケーブル1が4階の中間配電盤26から1階の主配電盤25まで多芯光コネクタ3側から挿入されて通線される。この結果、光ファイバケーブル1の端部に設けられた分岐部4及び単芯光コネクタ2は4階の中間配電盤26側に残される。4階の中間配電盤26において、上記横系配線光ファイバケーブル17の単芯光コネクタ2と上記縦系配線光ファイバケーブル1の単芯光コネクタ2をそれぞれアダプタ18に差し込むことで、縦系配線の光ファイバケーブル1を横系配線光ファイバケーブル17に接続することができる。
【0048】
上記のシステム構成によれば、従来の配線システムと比較して、中間配電盤26での接続処理が不要になり、縦系配管15に光ファイバケーブル1を配線し、容易な光コネクタ接続のみで構築できる。このため、従来のように配管に合わせて光ファイバケーブルを選択し、各階の中間配電盤26などで光ファイバ素線の分岐処理を行い、それをキャビネットやスプリッタモジュールなどで光ファイバ心線の被覆を除去し、メカニカルスプライスや融着などの一定の経験や技術の必要な接続処理が不要となる。このように、本発明のシステムによれば、情報配線システムの構築手段が一定となり、且つ容易になるため、一定の技術を有した作業者以外でも情報配線システムの構築が可能となる。
【0049】
また本情報配線システムにおいては4階の中間配電盤26において、収容局から導通された光信号をスプリッタモジュール19にて分岐することにより、本発明のケーブル1本に導通された光信号を複数に分岐(例えば、128分岐)することが可能であり、そのため本発明のケーブル1本で導通される光信号で多数の住戸に光サービスを提供することが可能になり、配管内に通線する本発明のケーブルの本数を低減することが可能になっている。
【0050】
図17は本発明の第12の実施形態に係る情報配線システムの概略構成を示す概念図である。図17中、図14と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。図17は主配電盤25にスプリッタモジュール19を備え、各階の中間配電盤26にスプリッタモジュールを備えない場合である。このシステムでは、横系配線光ファイバケーブル17の中間配電盤26のキャビネット側の端部には単芯光コネクタ2が設けられる。図17では、4階の中間配電盤26において、上記横系配線光ファイバケーブル17の単芯光コネクタ2と上記縦系配線光ファイバケーブル1の単芯光コネクタ2をそれぞれアダプタ18に差し込むことで、縦系配線の光ファイバケーブル1を横系配線光ファイバケーブル17に接続することができる。
【0051】
図17では、1階の主配電盤25において、縦系配線光ファイバケーブル1の多芯光コネクタ3が多芯/単芯変換アダプタ23及びアダプタ22を介してスプリッタモジュール19側の単芯光コネクタ21に接続される。また本情報配線システムにおいては、1階の主配電盤において、収容局から導通された光信号をスプリッタモジュール19にて分岐することにより、本集合住宅に導通された光信号を複数に分岐(例えば、128分岐)することが可能である。そのため、中間配電盤においてスプリッタモジュールを設置できない時などにおいて、主配電盤25においてスプリッタモジュール19で多数の住戸に光サービスを提供することが可能になり、集合住宅の形態によらず光サービスを提供することが可能になっている。
【0052】
図18は本発明の第13の実施形態に係る情報配線システムの概略構成を示す概念図である。図18中、図16と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。図18は主配電盤25及び各階の中間配電盤26にスプリッタモジュールを備えない場合であり、横系配線光ファイバケーブル17の中間配電盤26のキャビネット側の端部には単芯光コネクタ2が設けられる。4階の中間配電盤26において、上記横系配線光ファイバケーブル17の単芯光コネクタ2と上記縦系配線光ファイバケーブル1の単芯光コネクタ2をそれぞれアダプタ18に差し込むことで、縦系配線の光ファイバケーブル1を横系配線光ファイバケーブル17に接続することができる。
【0053】
図18では、1階の主配電盤25において、縦系配線の光ファイバ1の多芯光コネクタ2が多芯/単芯変換アダプタ23及びアダプタ22を介して、専用線やダークファイバなどのスプリッタモジュールを介さずにピグテイルコード24側の単芯光コネクタ21に接続されている。本情報配線システムでは、スプリッタモジュールを利用しない光サービス、例えば収容局から集合住宅の各住戸へ光信号を1対1で導通する専用線サービスのようなSS(Single Star)サービスを提供することが可能になっている。
【0054】
図19は本発明の第14の実施形態に係る情報配線システムの概略構成を示す概念図である。図19中、図14と同一部分には同一符号を付してその説明を省略する。図19は主配電盤25及び各階の中間配電盤26にスプリッタモジュールを備えた場合であり、横系配線光ファイバケーブル17の中間配電盤26側の端部にはスプリッタモジュール19を介して単芯光コネクタ20が設けられる。4階の中間配電盤26において、上記横系配線光ファイバケーブル17のスプリッタモジュール19が介在された単芯光コネクタ20と上記縦系配線光ファイバケーブル1の単芯光コネクタ2をそれぞれアダプタ18に差し込むことで、縦系配線の光ファイバケーブル1を横系配線光ファイバケーブル17に接続することができる。
【0055】
図19では、1階の主配電盤25において、縦系配線の光ファイバケーブル1の多芯光コネクタ2が多芯/単芯変換アダプタ23及びアダプタ22を介して、スプリッタモジュール19に接続される。また、本情報配線システムにおいては、1階の主配電盤25及び各階の中間配電盤26において、収容局から導通された光信号をスプリッタモジュール19にて分岐することにより、本集合住宅に導通された光信号を複数に分岐(例えば、32分岐)することが可能であり、例えば主配電盤25において4分岐することができ、ここで4分岐された光信号を任意の階でさらに8分岐することができ、各階で多数の住戸に光サービスを提供することができる。そのため、図16〜図18において実現される情報配線システムと比較して、各階に柔軟に光サービスを提供することが可能となっている。
【0056】
以上のように、本発明の光ファイバケーブル1は、そのテンションメンバ7を既存の構内光ファイバケーブルのスロットロッドとテンションメンバの組み合わせではなく、テンションメンバ7をスロットロッドの代わりとしている。このように、スロットロッドを利用せずに光ファイバ素線6を分離して収納できるだけでなく、テンションメンバ7の溝に収納するため、本発明の光ファイバケーブル1では、側圧や衝撃を受けたとき、テンションメンバ7が側圧や衝撃を受け止めることができるため、側圧や衝撃から光ファイバ素線6を保護することもできる。そのため、本発明の光ファイバケーブル1は既存の構内光ファイバケーブルと比較しても細径化が可能である。
【0057】
また、ケーブル外被にフッ素樹脂やウレタン樹脂といった動摩擦係数の低い材料を利用することや、配管・内壁との接触面積を減少させるために凹凸形状をつけることによって、ケーブル外被表面の動摩擦係数を低減することが可能になり、他の既存ケーブル類へ重ねて配線する際に、それらのケーブル類のケーブル被覆や縦系の配管内壁に対する動摩擦力を低減することが可能になる。このため、余剰スペースの無い揚合やすでに配管内に他のケーブル類が配線されている場合でも、動摩擦力による抵抗力を低減するようになり、引張り力が少なくなって、光ファイバケーブルを容易に配管内へ通線することが可能となっている。
【0058】
また、細径のテンションメンバを利用することや、テンションメンバの周囲に収納した光ファイバ素線が単芯であり、従来のスロットロッド型光ファイバケーブルを用いないことなどから、従来のスロットロッド型光ファイバケーブルである構内光ファイバケーブルと比較して細径にすることが可能である。さらに、ケーブル外被も薄くて丈夫なものを利用していることから、本発明のケーブル外径を細径化することが可能になり、ビル内の縦系の配管内に多数配線することやすでに配管内に配線されたケーブル類へ重ねて配線することが従来の光ファイバケーブルと比較して容易になっている。
【0059】
一方、光ファイバケーブルの両端に光コネクタを備えた場合には、複数階建物の構内の主配電盤や各階の中間配電盤における接続作業は備えられた光コネクタを容易に接続できるスプリッタモジュール(例えば、特許文献5)や光コネクタのアダプタ等へ差し込むのみになるため、接続作業を容易にすることが可能となっている。
【0060】
これらの点からも、特定の技術を利用せずに複数階建物の構内への光ファイバケーブルを配線することが可能であるため、特定の技術を有した作業者以外の作業者でも複数階建物の構内への光ファイバケーブルの配線が可能になり、かつ、作業が容易になるため、従来の光ファイバケーブルの配線工事と比較して作業時間を短縮することも可能になる。また、どのような複数階建物においても、情報配線システムの構築が一定の手段になり、作業が容易になることから、複数階建物の構内における光ファイバケーブルを利用した情報システムの構築が容易となる。
【0061】
なお、本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより種々の発明を形成することができる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよい。さらに更なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明が適用可能とする光ファイバケーブルの構成例を示す概念図である。
【図2】本発明が適用可能とする光ファイバケーブルの他の構成例を示す概念図である。
【図3】上記図1または図2に適用される本発明の第1の実施形態に係る光ファイバケーブルの構成を示す断面図である。
【図4】上記図1または図2に適用される本発明の第2の実施形態に係る光ファイバケーブルの構成を示す断面図である。
【図5】上記図1または図2に適用される本発明の第3の実施形態に係る光ファイバケーブルの構成を示す断面図である。
【図6】上記図1または図2に適用される本発明の第4の実施形態に係る光ファイバケーブルの構成を示す断面図である。
【図7】上記図1または図2に適用される本発明の第5の実施形態に係る光ファイバケーブルの構成を示す断面図である。
【図8】上記図1または図2に適用される本発明の第6の実施形態に係る光ファイバケーブルの構成を示す断面図である。
【図9】上記図1または図2に適用される本発明の第7の実施形態に係る光ファイバケーブルの構成を示す断面図である。
【図10】上記図1または図2に適用される本発明の第8の実施形態に係る光ファイバケーブルの構成を示す断面図である。
【図11】図3、図5、図9に示した光ファイバケーブルの他の構造を示す断面図である。
【図12】第1の実施形態の場合を例にして、本発明の寸法を示した断面図である。
【図13】本発明の第9の実施形態に係る光ファイバケーブルのケーブル外被の構成を示す外観図である。
【図14】本発明の第10の実施形態に係る光ファイバケーブルのテンションメンバ構造を示す概略構成図である。
【図15】本発明の第1乃至第10実施形態に係る光ファイバケーブルを従来の光ファイバケーブルと比較した説明図である。
【図16】本発明の第11の実施形態に係る情報配線システムの構成を示すブロック図である。
【図17】本発明の第12の実施形態に係る情報配線システムの構成を示すブロック図である。
【図18】本発明の第13の実施形態に係る情報配線システムの構成を示すブロック図である。
【図19】本発明の第14の実施形態に係る情報配線システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0063】
1:光ファイバケーブル、2:多芯光コネクタ、3:単芯光コネクタ、4:分岐部、5:コード部、6:光ファイバ素線、7:テンションメンバ、7A:フィン、7B:主テンションメンバ部、7C:副テンションメンバ部、7D:テンションメンバカバー、7E:切り欠き、8:ケーブル外被、8A:凹凸部、10:押さえ巻き、11:スペーサ、12:テンションメンバスペース、14:ケーブル内部、15:縦系配管、16横系配管、17:横系配線光ファイバケーブル、18:アダプタ、19:スプリッタモジュール、20:単芯光コネクタ、21:単芯光コネクタ、22:アダプタ、23:多芯/単芯変換アダプタ、24:ピグテイルコード、25:主配電盤(MDF)、26:副配電盤(ID:F)、27:建物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柱状で長手方向に溝または空間を形成してなるテンションメンバと、
前記テンションメンバの溝または空間に配置される光ファイバ素線と、
前記光ファイバ素線及びテンションメンバの周囲に被覆されるケーブル外被と
を具備することを特徴とする光ファイバケーブル。
【請求項2】
さらに、前記テンションメンバの溝または空間を埋設するように設けられるフッ素樹脂、ケイ素樹脂、ウレタン樹脂の少なくともいずれかを用いたスペーサを備えることを特徴とする請求項1記載の光ファイバケーブル。
【請求項3】
前記テンションメンバは、断面が長方形形状又はプロペラ型であることを特徴とする請求項1又は2に記載の光ファイバケーブル。
【請求項4】
前記ケーブル外被は、表面に凹凸を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の光ファイバケーブル。
【請求項5】
前記テンションメンバは、周面長手方向に沿って周期的に切り欠きを形成してなることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の光ファイバケーブル。
【請求項6】
前記テンションメンバは、周囲がフッ素樹脂、ケイ素樹脂、ウレタン樹脂もしくは紫外線硬化性樹脂で被覆されることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか記載の光ファイバケーブル。
【請求項7】
前記テンションメンバは、正方形、長方形、円形もしくは雲形の個別のパーツを組み合わせ、それらを接着、寄り合わせ若しくは被覆することによって一体化したものであることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか記載の光ファイバケーブル。
【請求項8】
両端若しくは片側に予め前記光ファイバ素線が接続された光コネクタを備えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか記載の光ファイバケーブル。
【請求項9】
前記光ファイバ素線は、ホーリーファイバ構造よりなる光ファイバ素線を用いることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか記載の光ファイバケーブル。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載の光ファイバケーブルを建物の縦系の配管内を通して任意の階の配電盤配置部に配線する情報配線システムであって、
前記光ファイバケーブルの端部には光コネクタが装着され、
前記配電盤配置部に配置されるスプリッタモジュール側の光コネクタ若しくはキャビネット側の光コネクタと前記光ファイバケーブルの光コネクタとをアダプタを介して接続するようにしたことを特徴とする情報配線システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−211017(P2009−211017A)
【公開日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−56900(P2008−56900)
【出願日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】