説明

光学式変位計

【課題】
1次元イメージセンサに2つの出力を設けた時に発生する増幅回路のオフセット量及びゲインの個体ばらつきの影響を低減した光学式変位計を提供することを目的とする。
【解決手段】
1次元イメージセンサ20の奇数画素20aと偶数画素20bの受光量を異なる出力ポートから個別に読み出して、異なる増幅回路15a、15bによって独立して増幅する。増幅された奇数画素20a、偶数画素20bの2つの受光量から形成された2つの受光量分布から、各々受光量のピークとなる画素位置を算出する。算出された2つの画素位置に基づいて、測定対象物までの距離を算出する。。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学式変位計に係り、さらに詳しくは、測定対象物からの反射光を1次元イメージセンサで受光し、測定対象物までの距離又は変位を測定するための光学式変位計の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
光学式変位計は、投光レンズを介して検出光を測定対象物へ照射し、その反射光を受光レンズを介して光センサに集光し、測定対象物までの距離又は変位を計測する装置である。測定対象物までの距離は、投光レンズ及び受光レンズの光軸を交差させ、光センサの受光面上に形成された集光スポットの位置を検出することにより、三角測距法の原理を利用して求められる。従来の光学式変位計は、光センサとしてPSD素子(Position Sensitive Detector)を採用するものが多かったが、最近では、多数の画素を1次元配列させた1次元イメージセンサを採用しているものもある。
【0003】
PSD素子は、受光量に応じた電圧を発生する材料で形成された受光面を有し、その両端の電位を計測することによって、受光面上における集光スポットの重心を求める光センサである。このため、PSD素子では受光量分布を取得することができず、受光面上に理想的な集光スポットが形成されていない場合、例えば、受光面上に2以上の集光スポットが形成されていたり、裾野が非対称に広がるような集光スポットが形成されているような場合には、受光量のピーク位置を高い精度で検出することができないという問題があった。
【0004】
これに対し、1次元イメージセンサは、その受光面が多数の画素で構成され、各画素毎の受光量を検出することができるため、受光面上における受光量分布を取得することができる。従って、上述したような理想的でない集光スポットが形成されている場合であっても、受光面上における受光量のピーク位置を高い精度で検出することができる。
【0005】
しかしながら、1次元イメージセンサは、PSD素子に比べて応答速度が遅いという問題がある。この種の光センサは、多数の画素からの受光量を1つの出力ポートから読み出す必要があり、この読み出し時間が受光時間に比べて長く、1回の検出サイクルが長くなってしまう。このため、応答速度が要求される用途には使用することができないという問題がある。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このような1次元イメージセンサの応答速度を向上させるために、1次元イメージセンサを構成する画素を2つの区分に分割し、分割された各画素群毎に、露光期間中に蓄積した電気信号の積分値を受光量として異なる出力ポートに並行して出力させる構成が考えられる。このような構成によれば、従来の1次元イメージセンサに比べて読み出し時間を半分に短縮することが可能となる。
【0007】
上述した構成によれば、2つの出力ポートのそれぞれに出力された1次元イメージセンサの各画素の受光量がそれぞれ独立して増幅されてから、デジタル値に変換され、2つの受光量分布が得られる。その後、1次元イメージセンサの本来の測定分解能による測定を行う為に、2つの出力ポートのそれぞれから得られた受光量分布を合成して、1つの受光波形を形成し、この受光波形のピーク位置又は重心位置が検出される。
【0008】
一般に増幅回路はゲインとオフセット量に個体ばらつきがある。そのため、2つの出力ポートから得られた受光量分布はそれぞれ異なるゲイン及びオフセット量を持つ増幅回路により処理されることになる。異なる増幅回路により処理された2つの受光量分布を合成し、合成受光量分布を生成すると、2つの画素区分の接続位置において受光量の段差が生じてしまう。このような合成受光量分布からは、測定対象物までの距離を示す受光量のピーク位置又は重心位置を正確に検出することができない。すなわち、1次元イメージセンサを構成する各画素を2つの画素群に分割し、各々の画素群の受光量をそれぞれ異なる出力ポートから並行して出力させることで読出しにかかる時間が半分に短縮される反面、最終的に得られる受光量分布が2つの増幅回路のゲインとオフセット量の個体ばらつきの影響を受けてしまうことにより測定精度が悪化してしまうという問題があった。
【0009】
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、測定精度を低下させることなく、読出し速度を向上させた光学式変位計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明による光学式変位計の第1の構成は、測定対象物に光を投光する投光手段と、1列に配列した複数の画素で構成され、複数の画素のそれぞれが測定対象物からの反射光の受光量に応じた電気信号を蓄積する1次元イメージセンサと、1次元イメージセンサの奇数画素に蓄積した電気信号を順に出力する第1の出力手段と、1次元イメージセンサの偶数画素に蓄積した電気信号を順に出力する第2の出力手段と、第1の出力手段の出力値に基いて、奇数画素の各画素の受光量により形成された受光波形のピーク位置又は重心位置を検出する第1の検出手段と、第2の出力手段の出力値に基いて、偶数画素の各画素の受光量により形成された受光波形のピーク位置又は重心位置を検出する第2の検出手段と、第1の検出手段及び第2の検出手段により検出されたピーク位置又は重心位置に基づいて、測定対象物までの距離又は変位を計測する計測手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
このような構成によれば、奇数画素の受光量分布と偶数画素の受光量分布がそれぞれ異なる出力手段から従来の半分の読出し時間で出力される。一般に、測定対象物までの距離を示す反射光のスポットはある程度の広がりを有しており、複数の画素に跨る山形状となる。したがって、奇数、偶数という区分で分けられた2つの受光量分布にはそれぞれ測定対象物までの距離を示す受光量のスポット位置が、例えば受光量のピーク位置や重心位置として、互いに近傍の位置に検出される。本発明では、この検出された2つのスポット位置に基づいて、測定対象物までの距離を計測するようにした為、2つの増幅回路のゲインやオフセット量の個体差の影響を一切受けずに、精度の高い測定を行うことが可能となる。
【0012】
本発明による光学式変位計の第2の構成は、上記第1の構成における一実施形態を示すものであり、上記第1の検出手段及び第2の検出手段により検出されたピーク位置又は重心位置の中点位置を算出する算出手段を更に備え、上記計測手段は上記算出手段により算出された中点位置に基いて測定対象物までの距離又は変位を計測することを特徴とする。
【0013】
本発明による光学式変位計の第3の構成は、上記第1の構成における一実施形態を示すものであり、上記第1の検出手段及び第2の検出手段は、奇数画素の受光波形及び偶数画素の受光波形から、画素単位よりも小さい単位でピーク位置又は重心位置を検出することを特徴とする。
【0014】
本発明による光学式変位計の第4の構成は、測定対象物に光を投光する投光手段と、それぞれ複数の画素からなる第1画素群及び第2画素群が一列に配列し、前記第1画素群及び第2画素群を構成する各画素が前記測定対象物からの反射光の受光量に応じた電気信号を蓄積する1次元イメージセンサと、前記第1画素群に蓄積した電気信号を順に出力する第1の出力手段と、前記第2画素群に蓄積した電気信号を順に出力する第2の出力手段と、前記第1の出力手段の出力値を増幅する第1の増幅手段と、前記第2の出力手段の出力値を増幅する第2の増幅手段と、前記第1の増幅手段及び第2の増幅手段により増幅された出力値の少なくとも一方を補正することにより、前記第1の増幅手段と第2の増幅手段のオフセット量及び/又はゲインの個体ばらつきを補正する補正手段と、前記補正手段により少なくとも一方が補正された前記第1の増幅手段の出力値に基づく前記第1画素群の受光量分布と、前記第2の増幅手段の出力値に基づく前記第2画素群の受光量分布を合成する合成手段と、前記合成手段により合成された受光量分布から形成される受光波形のピーク位置又は重心位置を検出する検出手段と、前記検出手段により検出されたピーク位置又は重心位置に基づいて、前記測定対象物までの距離又は変位を計測する計測手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
このような構成によれば、まず1次元イメージセンサを構成する各画素を2つの画素群に分割し、各画素群毎に蓄積した電気信号を異なる出力ポートに出力させるように構成した為、2つの受光量分布が従来の半分の読出し時間で得られる。本発明では、2つの増幅手段のオフセット量やゲインの個体ばらつきを補正する補正手段を備えており、少なくとも奇数画素の受光量分布と偶数画素の受光量分布の一方が補正された後に、2つの受光量分布が合成される。この合成された受光量分布から形成される受光波形から、受光量のピーク位置又は重心位置を検出するようにした為、2つの増幅回路のゲインやオフセット量の個体差の影響を受けずに、精度の高い測定を行うことが可能となる。
【0016】
本発明による光学式変位計の第5の構成は、上記第2の構成の一実施形態を示すものであり、上記検出手段が画素単位よりも細かい単位で前記ピーク位置及び重心位置を検出することを特徴とする。
【0017】
本発明による光学式変位計の第6の構成は、上記第2の構成の一実施形態を示すものであり、上記第1画素群は、1次元イメージセンサの一端部から数えて奇数番目に位置する奇数画素で構成され、第2画素群は、1次元イメージセンサの一端部から数えて偶数番目に位置する偶数画素で構成されていることを特徴とする。
【0018】
本発明による光学式変位計の第7の構成は、上記補正手段が、第1の出力手段及び第2の出力手段から出力される出力値に各々対応した互いに異なる補正値に基づいて補正を行うことを特徴とする。
【0019】
本発明による光学式変位計の第8の構成は、上記補正手段は、1次元イメージセンサを構成する各画素の各々に対応した異なる補正値に基づいて補正を行うことを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
実施の形態1.
図1は、本発明による光学式変位計の一構成例を示した図である。この光学式変位計1は、測定対象物2へ検出光を照射し、その反射光を検出することによって、測定対象物2までの距離を求める計測装置であり、例えば、FA(Factory Automation)システムを構成する計測装置として、測定対象物の位置を検出し、プログラマブルコントローラへ出力する用途に使用される。
【0021】
投光部10は、測定対象物2へ照射するための検出光を生成する発光手段であり、例えば、レーザダイオード及びその駆動回路によって構成される。投光レンズ11は、投光部10で生成された検出光を測定対象物2の表面に集光させる光学レンズである。
【0022】
1次元イメージセンサ20は、受光面を形成する1次元に配列した多数の画素からなり、光センサチップ13内部に配置されている。光センサチップ13には、1次元イメージセンサ20と、この1次元イメージセンサ20の動作制御や受光量出力を行うための周辺回路とが形成されている。測定対象物2から反射した光は受光レンズ12によって、光センサチップ13内部の1次元イメージセンサ20の受光面上に集光される。
【0023】
受光レンズ12によって1次元イメージセンサ20上に集光された反射光のスポット位置は、投光部10から測定対象物2までの距離に応じて移動する。画素の配列方向をこの移動方向に一致させておくことにより、反射光のスポット位置を1次元イメージセンサ20上における受光量分布に基づいて形成される受光波形のピーク位置として検出し、測定対象物2までの距離を求めることができる。従って、変位計の距離測定精度を向上させるためには、上述した受光波形のピーク位置の検出精度を向上させる必要がある。
【0024】
本実施の形態における光センサチップ13は、1次元イメージセンサ20を構成する奇数画素20aと偶数画素20bがそれぞれ受光した受光量に相当する電気信号を異なる出力ポートP1及びP2に出力するよう構成されている。詳細については後述するが、2つの出力ポートP1及びP2から奇数画素20a及び偶数画素20bの受光量を並行して読み出すことによって、従来の光センサチップ13に比べて半分の時間で、全ての画素の受光量を読み出すことができる。
【0025】
1次元イメージセンサ20を構成する奇数画素20a及び偶数画素20bは、異なるシャッター信号STa、STbに基づいて、独立して露光時間の長さや露光するタイミングを制御することができる。奇数画素20a及び偶数画素20bの露光時間や露光タイミングを個別に制御することで、投受光条件決定の為のフィードバック制御を高速に行うことが可能になる。
【0026】
撮影エリア指定部14は、読み出し速度を更に向上させる為に、1次元イメージセンサ20を構成する画素のうち、一部のエリアの画素の受光量のみを出力させる場合に、出力ポートP1、P2から受光量を出力させる画素を指定する手段であり、1次元イメージセンサ20内の任意のエリアの画素を指定することができる。この撮影エリア指定部14は、受光量を出力させる画素を指定するためのエリア指定信号を生成し、光センサチップ13へ出力している。なお、本実施の形態では、撮影エリア指定部14により全てのエリアを指定し、1次元イメージセンサ20の全ての画素から受光量を出力させた場合の動作について説明する。
【0027】
奇数画素20a及び偶数画素20bの受光量は、それぞれ出力ポートP1、P2から時系列的に順に出力され、それぞれ増幅回路15a、15bにおいて増幅が行われた後、A/D変換回路16a,16bにおいてデジタルデータに変換され、投受光条件演算部17及び測距演算部18に入力される。
【0028】
1次元イメージセンサ20上における受光量のピーク位置を検出するためには、受光量が小さすぎたり、あるいは、飽和していない適切なレベルになっていることが必要となる。しかしながら、一般に、1次元イメージセンサ20の各画素における受光量は、測定対象物2の表面状態、測定対象物2までの距離、その他の周辺環境に応じて変化する。このため、投受光条件演算部17は奇数画素20a、偶数画素20bの受光量が入力される度に受光量が適切なレベルになるように、投受光条件を決定し、この投受光条件を投受光制御部19に出力する。投受光制御部19は投光部10の明るさを制御する発光制御部32、1次元イメージセンサ20の露光時間を制御するシャッター制御部31、増幅回路15a、15bのゲイン(増幅率)を制御するゲイン制御部30とからなり、投受光条件演算部17により決定された投受光条件に基づいてそれらを制御する。
【0029】
測距演算部18は、測定対象物2までの距離を求める測距手段である。詳細については後述するが、測距演算部18は光センサチップ13から出力される奇数画素20aの受光量分布と偶数画素20bの受光量分布に基づいて、測定対象物2までの距離を求めている。
【0030】
図2は、図1の光センサチップ13内の一構成例を示したブロック図である。この光センサチップ13は、1次元イメージセンサ20、2つのシリアル出力部21a、21b、露光制御部22及び出力エリア制御部23により構成される。
【0031】
シリアル出力部21a、21bは、1次元イメージセンサ20から受光量を読み出すための読出回路であり、多数の画素の受光量が同時に入力され、これらの受光量を時系列的に順に出力させるためのシフトレジスタからなる。シリアル出力部21aは、各奇数画素20aの受光量が入力され、これらの受光量を出力ポートP1へ順に出力する。同様にして、シリアル出力部21bは、各偶数画素20bの受光量が入力され、これらの受光量を出力ポートP2へ順に出力する。このような構成により、奇数画素20a及び偶数画素20bの受光量は、互いに独立して読み出すことができ、また同時に読み出すことも可能である。
【0032】
露光制御部22は、シャッター制御部31からのシャッター信号に基づいて、1次元イメージセンサ20の露光時間の制御を行っている。シャッター制御部31では、奇数画素20a及び偶数画素20b用のシャッター信号STa、STbがそれぞれ生成されており、露光制御部22は、シャッター信号STaに基づいて奇数画素20aの露光時間の制御を行い、シャッター信号STbに基づいて偶数画素20bの露光時間の制御を行っている。従って、奇数画素20a及び偶数画素20bの露光制御を互いに独立して行うことができる。
【0033】
出力エリア制御部23は、撮像エリア指定部14からのエリア指定信号に基づいて、出力ポートP1及びP2のそれぞれに受光量を読み出すべき画素の受光量を順に出力するように制御している。
【0034】
図3は、図2の1次元イメージセンサ20及びシリアル出力部21a、21bの詳細構成例を示したブロック図である。図3に示すように、1次元イメージセンサ20の奇数画素20aで検出された受光量はシリアル出力部21aへ出力され、偶数画素20bで検出された受光量はシリアル出力部21bへ出力されるように構成されている。
【0035】
シリアル出力部21aは、多数のレジスタa1〜a128によって構成されるシフトレジスタであり、各レジスタa1〜a128は奇数画素20aのそれぞれの画素に対応している。また、各奇数画素20aの受光量は露光終了時にシリアル出力部内の対応するレジスタa1〜a128へ同時に書き込まれ、その後、レジスタa1〜a128間で受光量を一方向に移動させていくことにより、全ての受光量が出力ポートP1から順に出力される。同様に、シリアル出力部21bも、多数のレジスタb1〜b128によって構成されるシフトレジスタであり、各レジスタb1〜b128が偶数画素20bの各画素に対応している。
【0036】
以上のように構成された光センサチップ13の受光量の読出し動作を図4に従って説明する。図4は、光センサチップ13からの受光量の読出し動作の一例を示したタイミングチャートであり、図中の(a)はクロック信号、(b)はシャッター信号STa及びSTb、(c)は出力ポートP1からの出力データ、(d)は出力ポートP2からの出力データである。また、(e)には、比較例として、従来の光センサチップ13において出力ポートから出力されるデータが示されている。シャッター信号STa、STbはそれぞれ奇数画素20a、偶数画素20bの露光時間を制御するための信号であり、ハイレベルの期間において奇数画素20a、偶数画素20bの露光を行い、ローレベルになると露光を終了する。
【0037】
光センサチップ13は、シャッター信号STa及びSTbがローレベルになると、クロック信号に同期して各画素の受光量を順に出力する。このとき、奇数画素20a及び偶数画素20bの受光量は、出力ポートP1及びP2からそれぞれ同時に出力される。ここでは、1次元イメージセンサ20が256個の画素で構成されているものとし、図中の(c)~(e)に記載された数値は、各受光量が何番目の画素によって検出された値であるのかを示している。
【0038】
出力ポートP1からは1、3、5、‥、253、255番目の奇数画素20aの受光量が順に出力され、出力ポートP2からは2、4、6、‥、254、256番目の偶数画素20bの受光量が順に出力されている。一方、図中の(e)に示した通り、従来の光センサチップ13では、全ての受光量が1つのシフトレジスタから順に出力されるため、同一の出力ポートから256個の受光量が順に出力される。従って、本実施の形態による光センサチップ13では、2つの出力ポートP1及びP2から受光量を並行して出力させることによって、従来の光センサチップ13に比べて半分の時間で、全ての受光量を読み出すことができる。
【0039】
このようにして1次元イメージセンサ20から読み出された奇数画素20a及び偶数画素20bの受光量は、それぞれ時系列的に増幅回路15a、15bによって増幅され、A/D変換回路16a、16bによってデジタル値に変換された後に測距演算部18に個別に入力される。
【0040】
図5は、測距演算部18に入力される奇数画素20aの受光量分布と、偶数画素20bの受光量分布を模式的に示した図である。同図の黒丸のプロット点は奇数画素20aの受光量、白抜きのプロット点は偶数画素20bの受光量を示している。横軸は1次元イメージセンサ20上での画素位置を示し、縦軸は各画素位置における受光量を示している。また、図6は1次元イメージセンサ20上における実際の輝度分布の例を比較例として示したものである。図6に示すように、1次元イメージセンサ20上の実際の輝度分布は、集光スポットの中心で最も輝度が高くなり、中心から離れるに従い滑らかに輝度が小さくなるように分布する。
【0041】
上述したように、一般に増幅回路にはゲインとオフセット量に個体ばらつきがある。したがって、図5に示すように奇数画素20aと偶数画素20bの2つの受光量分布はその個体ばらつきの影響を受けて、互いに異なる形状の受光量分布となる。図5の例では、増幅回路15aのオフセット量が増幅回路15bのオフセット量よりも大きく、増幅回路15bのゲインが増幅回路15aのゲインよりも大きい場合の例を示している。したがって、奇数画素20aの受光量分布は偶数画素20bの受光量分布よりも全体的に受光量の大きい方向にシフトしている一方、偶数画素20bの受光量が最も大きくなるピーク位置の受光量は、奇数画素20aのピーク位置の受光量よりも大きくなっている。
【0042】
1次元イメージセンサ20の本来の測定分解能で測定を行うために、このような奇数画素20aの受光量分布と偶数画素20bの受光量分布を合成すると、図5の一点鎖線に示すような凸凹な合成受光量分布となってしまう。このことからも分かるように、奇数画素20aと偶数画素20bに分割し、異なる増幅回路により処理された2つの受光量分布を合成しても、増幅回路の個体ばらつきが原因で図6に示す凸凹の無い実際の輝度分布を再現することはできない。当然のことながら、このような凸凹のある合成受光量分布からは精度良く受光量のピーク位置を検出することはできない。
【0043】
そこで、本実施の形態では、奇数画素20aの受光量分布と偶数画素20bの受光量分布を合成するのではなく、2つの受光量分布の各々から受光量のピークとなる画素位置を検出し、検出された2つの画素位置に基づいて、測定対象物2までの距離を計測するようにしている。奇数画素20a、偶数画素20bという区分で1次元イメージセンサ20を分割すると、得られた2つの受光量分布にはそれぞれ測定対象物2までの距離を示す受光量のピークが出現する。この2つの受光量分布のピークとなる画素位置は、増幅回路15a、15bのオフセット量やゲインが変化しても位置が変わらない為、増幅回路15a、15bのオフセット量やゲインに個体ばらつきがあったとしても、これら2つの受光量のピークとなる画素位置は理論上はほぼ一致する。したがって、奇数画素20aの受光量分布のピークとなる画素位置と偶数画素20bの受光量分布のピークとなる画素位置の中点位置を算出し、算出された中点位置に基づいて測定対象物2までの距離を計測するようにすれば、2つの受光量分布を合成する必要が無いので上述した増幅回路15a、15bの個体ばらつきに起因する問題が発生しない上、理論上一致する2つの受光量分布のピークとなる画素位置の中点を取ることにより、ピーク検出精度のばらつきが軽減され、安定した測定が可能となる。
【0044】
以下、測距演算部18の詳細な構成について説明する。図7は測距演算部18の構成を示すブロック図である。測距演算部18はピーク検出部41a、ピーク検出部41b、中点算出部42、距離計測部43により構成されている。ピーク検出部41aは出力ポートP1から出力され、増幅回路15aにより増幅された奇数画素20aの受光量分布に基づいて受光量のピークとなる画素位置F1を検出する。同様にして、ピーク検出部41bは出力ポートP2から出力され、増幅回路15bにより増幅された偶数画素20bの受光量分布に基づいて受光量のピークとなる画素位置F2を検出する。
【0045】
ピーク検出部41aは奇数画素20aの受光量分布に近似曲線をフィッティングすることにより奇数画素の受光波形W1を生成する。同様にしてピーク検出部41bは偶数画素20bの受光量分布に近似曲線をフィッティングすることにより偶数画素の受光波形W2を生成する。なお、近似曲線としてはガウス曲線、二次曲線などを求める精度や応答性によって適宜採用することができるが、本実施の形態では二次曲線を近似曲線として採用している。
【0046】
図8は受光波形W1と受光波形W2を拡大したイメージ図である。ピーク検出部41a、41bはそれぞれ奇数画素20aの受光波形W1のピークとなる画素位置F1と、偶数画素20bの受光波形W2のピークとなる画素位置F2を画素単位よりも小さなサブピクセル単位で検出する。上述したように画素位置F1、F2は増幅回路のオフセット量やゲインのばらつきの影響を受けて位置が移動することがないため、2つの画素位置F1とF2は理論上は一致する。したがって、増幅回路15a、15bに個体ばらつきがあったとしても検出される2つの画素位置F1とF2は共に、僅かな誤差の範囲内に検出される。
【0047】
中点算出部42は互いに近傍の位置に検出される2つの画素位置F1、F2の中点Mとなる画素位置を算出する。距離計測部43はこの時算出された中点Mを測定対象物2までの距離に変換して出力する。2つのピーク位置F1とF2の中点Mを算出し、最終的にはこの中点Mに基づいて測定対象物2までの距離を計測するようにしたことで、上述した2つのピーク検出部41a、41bのピーク検出精度のバラツキを軽減し、安定した測定が可能となる。
【0048】
なお、近似曲線のフィッティングは受光量がピークとなる画素位置をサブピクセル単位で検出することが目的である。したがって、近似曲線は全ての画素の受光量に基づいて生成される必要はない。例えば、予め定められたあるしきい値以上の受光量を示すプロット点のみを抽出し、抽出されたプロット点の受光量分布に従って近似曲線を生成してもよい。又は、受光量の大きい順に複数のプロット点を抽出し、抽出されたプロット点の受光量分布に従って近似曲線を生成するようにしてもよい。この場合にはプロット点は生成する近似曲線の種類によって、必要な点数だけ抽出されればよい。例えば、生成する近似曲線が二次曲線又はガウス曲線の場合は最低でも3点を抽出する必要がある。このように近似曲線の生成に用いるプロット点を限定することで、近似曲線の生成にかかる時間を短縮することができる。
【0049】
また、本実施の形態では、受光量のピーク位置をサブピクセル単位で検出するようにしたが、処理の簡素化が求められる場合には単純に受光量が最大となるピーク位置をピクセル単位で検出するようにしてもよい。また、本実施の形態では各画素の受光量が最大となるピーク位置を検出するようにしたが、受光量分布の各プロット点から重心位置を検出するようにしてもよい。上記の場合には近似曲線のフィッティングは必ずしも必要としない。
【0050】
更に、本実施の形態ではピーク検出部41a、41bにより検出されたピーク位置の中点となる画素位置を算出するようにしたが、必ずしも中点である必要は無く、受光波形の形状に応じて、2つのピーク位置間を所定の比率で分割した内分点を算出し、算出された内分点に基づいて測定対象物2までの距離を算出するようにしてもよい。
【0051】
以下に2つのピーク位置間を所定の比率で分割した内分点に基づいて測定対象物2までの距離を算出する1例を示す。図9は裾野が非対称に広がる受光波形を模式的に示した図である。受光波形の形状は、例えば以下のようにして定量的に示すことが出来る。まず、得られた受光波形に対して所定のしきい値を設定する。検出されたピーク位置よりも右側に存在し、且つ上記しきい値以上の受光量を示すプロット点の数と、検出されたピーク位置よりも左側に存在し、且つ上記しきい値以上の受光量を示すプロット点の数の比率を算出する。例えば図9の例ではしきい値以上の受光量を有するプロット点が、ピーク位置に対して左側に4点、右側に1点となる。この点数の比率が受光波形の非対称性を示す1つの指標となる。ピーク位置よりも右側の裾野が重い図9の受光波形では、真の受光量のピーク位置が2つのピーク位置間の中点よりもやや右に位置する可能性が高くなる。したがって上述した受光波形の形状を示す比率に応じて分割した内分点を算出し、この内分点に基づいて測定対象物2までの距離を算出することで更に精度よく受光量のピーク位置を算出することが出来る。
【0052】
以上のように、本実施の形態によれば、奇数画素20aの受光量分布に基づいて検出されたピーク位置F1と、偶数画素20bの受光量分布に基づいて検出されたピーク位置F2に基づいて測定対象物2までの距離を計測するようにしたので、通常の2倍の読出し速度を維持しつつ、2つの増幅回路15a,15bのゲイン及びオフセット量のばらつきの影響を受けずに測定対象物2までの距離が精度良く計測できる。
【0053】
実施の形態2.
次に第2の実施の形態について説明する。測距演算部18以外の構成については第1の実施の形態と同一である為、説明を省略し、また、実施の形態1と対応する構成については実施の形態1と同一の符号を与えている。図5に示したように奇数画素20aの受光量分布と偶数画素20bの受光量分布をそのまま合成すると、凸凹の合成受光量分布となってしまうことがある。そこで、本実施の形態では奇数画素20aの受光量分布と偶数画素20bの受光量分布をそれぞれ補正した上で合成し、合成された受光量分布の受光量のピーク位置を検出し、検出されたピーク位置に基づいて測定対象物2までの距離を計測する。
【0054】
図10は第2の実施の形態における測距演算部18の構成を示すブロック図である。測距演算部18は補正部45a、補正部45b、合成部46、ピーク検出部41c、距離計測部43により構成される。補正部45aには奇数画素20aの受光量分布が入力され、補正部45bには偶数画素20bの受光量分布が入力される。各補正部45a,45bにはそれぞれ異なる2つの補正値が格納されており、これらは増幅回路15a、15bのオフセット量及びゲインのばらつき量を補正するためのものである。補正部45aに入力された奇数画素20aの受光量分布は補正部45aに格納された補正値によって補正され、補正された受光量分布を出力する。同様にして補正部45bに入力された偶数画素20bの受光量分布は補正部45bに格納された補正値によって補正され、補正された受光量分布を出力する。
【0055】
補正された奇数画素20aの受光量分布並びに偶数画素20bの受光量分布は、合成部47に入力されて合成受光量分布が生成される。奇数画素20aと偶数画素20bの受光量分布が増幅回路15a、15bのゲイン及びオフセット量の個体ばらつきが補正されたものである為、合成された受光量分布は図6に示したような凸凹の無い受光量分布が得られる。
【0056】
ピーク検出部41cは合成部46によって合成された受光量分布から受光量のピーク位置をサブピクセル単位で検出する。距離計測部43はこの時に検出された合成受光量分布のピーク位置を測定対象物2までの距離に変換して出力する。
【0057】
本実施の形態は、実施の形態1とは異なり、得られた2つの受光量分布の合成受光量分布のピーク位置を検出するものである為、測定対象物2からの反射光の集光スポットが一方の受光量分布のみに存在するように1次元イメージセンサ20を分割する構成でもよい。図11は実施の形態2に用いられる1次元イメージセンサ20の変形例を示す図である。この変形例では、1次元イメージセンサ20の中央位置から左側の第1画素群5aと右側の第2画素群5bが各々別々の出力ポートP1、P2に出力されるように構成されている。この場合、第1画素群5aにより形成された受光量分布と、第2画素群5bにより形成された受光量分布の少なくとも一方を補正した上で合成することにより、第1画素群5aと第2画素群5bの分割位置において段差の無い合成受光量分布を得ることができる。
【0058】
なお、本実施の形態では補正部を2つ設け、2つの出力ポートから出力された受光量分布の双方を補正して、増幅回路1,2のオフセット量並びにゲインのばらつきを補正するようにしたが、ばらつきを補正するには必ずしも補正部を2つ設ける必要は無く、一方の増幅回路のゲイン及びオフセット量を他方の増幅回路のゲイン及びオフセット量に一致させるように、一方の受光量分布のみを補正するようにしてもよい。
【0059】
次に各補正部45a及び45bに格納された補正値の詳細について説明する。各補正部45a、45bはそれぞれ異なるゲイン補正値αならびにオフセット補正値βを有しており、補正受光量は以下の式によって求められる。
(補正受光量)=α×{(得られた受光量)−β}
オフセット補正値βは1次元イメージセンサ20に光を一切入光させない状態の時に出力される増幅回路15a、15bの出力値の差分に基づいて算出することができる。一方ゲイン補正値αは1次元イメージセンサ20に一様な光を入光させた時に出力される増幅回路15a、15bの出力値の差分から算出することができる。これらは出荷時に各光学式変位計ごとに算出され、各補正部45a、45bに格納される。
【0060】
また、一般に1次元イメージセンサ20を構成する各画素が出力する電気信号は、増幅回路15a、15bによって増幅される前に、各画素ごとに設けられた増幅器によってプレ増幅されてから出力ポートP1、P2から出力される。したがって、各画素に対応した異なる補正値を上述した補正部45a、45bに格納し、増幅回路15a、15bの個体ばらつきだけではなく、各画素間の個体ばらつきを補正するようにしてもよい。このような構成により更に測定精度を向上させることができる。
【0061】
以上示したように、本実施の形態では1次元イメージセンサ20を構成する各画素を第1画素群と第2画素群に分割し、各画素群の受光量分布をそれぞれ補正した上で合成することにより、本来得られるべき受光量分布に極めて近い受光量分布が得られる。このような構成により、通常の2倍の読出し速度を維持しつつ、2つの増幅回路15a,15bのゲイン及びオフセット量のばらつきの影響を一切受けずに測定対象物2までの距離が精度良く計測できる。
【0062】
以上、本発明の実施例と変形例について説明したが、本発明はこれらの実施例及び変形例に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない程度に種々の形態で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明による光学式変位計の一構成例を示した図である。
【図2】図1の光センサチップ13内の一構成例を示したブロック図である。
【図3】図2の1次元イメージセンサ20及びシリアル出力部21a、21bの詳細構成例を示したブロック図である。
【図4】光センサチップ13からの受光量の読出し動作の一例を示したタイミングチャートである。
【図5】奇数画素の受光量分布、偶数画素の受光量分布を示した分布図である。
【図6】1次元イメージセンサ20上の実際の輝度分布を示した分布図である。
【図7】測距演算部18の詳細構成例を示した図である。
【図8】奇数側受光波形W1及び偶数側受光波形W2の拡大イメージ図である。
【図9】非対称な受光波形の1例を示した図である。
【図10】第2の実施の形態の測距演算部18の詳細構成例を示した図である。
【図11】第2の実施の形態の光センサチップ13の変形例を示した図である。
【符号の説明】
【0064】
1 光学式変位計
10 投光手段
11 投光レンズ
12 受光レンズ
13 光センサチップ
14 撮像エリア指定部
15a 増幅回路(奇数側)
15b 増幅回路(偶数側)
16a A/D変換回路(奇数側)
16b A/D変換回路(偶数側)
17 投受光条件演算部
18 測距演算部
19 投受光制御部
20 1次元イメージセンサ
20a 奇数画素
20b 偶数画素
21a シリアル出力部(奇数側)
21b シリアル出力部(偶数側)
22 露光制御部
23 出力エリア制御部
30 ゲイン制御部
31 シャッター制御部
32 発光制御部
41a ピーク検出部(奇数側)
41b ピーク検出部(偶数側)
42 中点算出部
43 距離計測部
45a 補正部(奇数側)
45b 補正部(偶数側)
46 合成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測定対象物に光を投光する投光手段と、
前記投光手段により投光され、前記測定対象物による反射光を受光する複数の画素からなる1次元イメージセンサと、
前記1次元イメージセンサの奇数番目の画素の受光量を順に出力する第1の出力手段と、
前記1次元イメージセンサの偶数番目の画素の受光量を順に出力する第2の出力手段と、
前記第1の出力手段により出力された前記奇数番目の画素の受光量を増幅する第1の増幅手段と、
前記第2の出力手段により出力された前記偶数番目の画素の受光量を増幅する第2の増幅手段と、
前記第1の増幅手段により増幅された前記奇数番目の各画素の受光量に基づいて形成された受光波形から前記反射光の第1のスポット位置を検出する第1の検出手段と、
前記第2の増幅手段により増幅された前記偶数番目の各画素の受光量に基づいて形成された受光波形から前記反射光の第2のスポット位置を検出する第2の検出手段と、
前記第1の検出手段及び第2の検出手段により検出された第1及び第2のスポット位置に基づいて、前記測定対象物までの距離又は変位を計測する計測手段とを備えることを特徴とする光学式変位計。
【請求項2】
前記第1の検出手段及び第2の検出手段により検出された前記反射光の第1及び第2のスポット位置の中点位置を算出する算出手段を更に備え、
前記計測手段は前記算出手段により算出された中点位置に基いて前記測定対象物までの距離又は変位を計測することを特徴とする請求項1に記載の光学式変位計。
【請求項3】
前記第1の検出手段及び第2の検出手段は、前記奇数番目の画素の受光波形及び前記偶数番目の画素の受光波形から、画素単位よりも小さい単位で前記反射光のスポット位置を検出することを特徴とする請求項1又は2に記載の光学式変位計。
【請求項4】
測定対象物に光を投光する投光手段と、
前記投光手段により投光され、前記測定対象物により反射された光を受光する複数の画素からなる1次元イメージセンサと、
前記1次元イメージセンサを所定の複数の画素からなる第1画素群及び第2画素群に群分けし、前記第1画素群の受光量を順に出力する第1の出力手段、及び前記第2画素群の受光量を順に出力する第2の出力手段と、
前記第1の出力手段から出力された前記第1画素群の受光量を増幅する第1の増幅手段と、
前記第2の出力手段から出力された前記第2画素群の受光量を増幅する第2の増幅手段と、
前記第1の増幅手段及び第2の増幅手段により増幅された出力値の少なくとも一方を補正することにより、前記第1の増幅手段と第2の増幅手段のオフセット量及び/又はゲインの個体ばらつきを補正する補正手段と、
前記補正手段により少なくとも一方が補正された前記第1の増幅手段の出力値に基づく前記第1画素群の受光量分布と、前記第2の増幅手段の出力値に基づく前記第2画素群の受光量分布を合成する合成手段と、
前記合成手段により合成された受光量分布から形成される受光波形から前記反射光のスポット位置を検出する検出手段と、
前記検出手段により検出されたスポット位置に基づいて、前記測定対象物までの距離又は変位を計測する計測手段とを備えることを特徴とする光学式変位計。
【請求項5】
前記検出手段は、画素単位よりも小さい単位で前記反射光のスポット位置を検出することを特徴とする請求項4に記載の光学式変位計。
【請求項6】
前記第1画素群は、
前記1次元イメージセンサの一端部から数えて奇数番目の画素で構成され、
前記第2画素群は、
前記1次元イメージセンサの一端部から数えて偶数番目の画素で構成されていることを特徴とする請求項4又は5に記載の光学式変位計。
【請求項7】
前記補正手段は、前記第1の出力手段及び第2の出力手段から出力される出力値に各々対応した互いに異なる補正値に基づいて補正を行うことを特徴とする請求項4から6のいずれか1項に記載の光学式変位計。
【請求項8】
前記補正手段は、前記複数の画素の各々に対応した出力値毎に異なる補正値に基づいて補正を行うことを特徴とする請求項7に記載の光学式変位計。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−186336(P2009−186336A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−26969(P2008−26969)
【出願日】平成20年2月6日(2008.2.6)
【出願人】(000129253)株式会社キーエンス (681)
【Fターム(参考)】