説明

光学式米粒選別機

【課題】原料(原料米粒K)に混入した着色粒、異物及び胴割粒を一回通しの処理で効率よく選別できるマルチ光選別機の提供。
【解決手段】光学検出手段に第1波長(緑色光)、第2波長(赤色光)及び第3波長(近赤外光)の光照射部7とそれぞれに対応した第1,第2及び第3のCCDセンサ(CCDカメラ8中)センサを用い、第1波長光の受光量に基づいて着色粒と異物を判別し、第1波長光と第2波長光の受光量に基づいて胴割粒を判別し、さらに、第3波長光の受光量に基づいて色彩上良品と区別できない異物を判別する。光学検出位置Pにおける原料がこれらのいずれかに判別されたとき、噴風装置により、良品から分離される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原料(精白米)に混入する不良品(不良米粒)や異物を光学的手段によって選別し、除去する米粒選別機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、米、穀類、豆類等に混入する不良品(緑粒、しらた、褐色粒などの着色粒)や異物(小石、ガラス片、プラスチック片、金属片、陶器片、磁器片等)を選別するものとして、光学的手段による色彩選別装置が知られている(特許文献1)。この装置は、白熱灯又は蛍光管等を光源とした可視光で米粒と背景板(基準色板)を照射し、米粒からの反射光と背景板からの反射光の光量差を複数波長帯に分割してそれぞれ受光素子により検出し、良品に対する不良品あるいは異物が呈する色彩の相違を利用してこれらを選別除去するものである。しかしこの装置は判別の基準を色彩にのみよっているため混入している異物が陶器片のように良品と同色系の異物、すなわち、色彩上良品と区別できない異物である場合、これらを選別除去することができなかった。
【0003】
また、良品の反射率が可視光域から近赤外光域へと変化する様子と陶器片など異物の反射率が変化する様子は異なり、この両者の波長の差を利用して、良品から色彩上良品と区別できない異物を判定する異物検出装置及びこの機構を組み込んだ米粒選別装置が存在している(特許文献2、3)。これによれば、良品と同色若しくは透明の異物を検出することができる。
一方、精米中の不良品である胴割米(内部に亀裂を有する米粒)を選別しようとする光学式胴割選別機も存在する(特許文献4,5)。
【0004】
【特許文献1】特開平1―258781号公報
【特許文献2】特開平5−200365号公報
【特許文献3】特許第3079932号公報
【特許文献4】特開2005−265519号公報
【特許文献5】特許第3642172号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の光学式胴割選別機は、受光データに基づいて各米粒の全体像(全体画像)を特定し、その画像中に線状の暗い影のデータ部分が検出されると胴割粒と判定するものであるが、胴割れによる暗い影は胚芽部分が原因の影や肌擦れ(表面の傷)が原因の影と紛らわしく、誤判別のために選別精度が悪い。このため、前記色彩選別と異物検出及び胴割れ選別の機能を備えたマルチ光選別機ともいえる光学式米粒選別機を完成させる場合の支障となっている。
この発明は、優れた胴割選別機能を備えるとともに、色彩選別、異物検出の機能を一体に備えたマルチ光選別機である光学式米粒選別機の提供を課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
移送手段と光学検出手段と判別手段及び選別手段とで光学式米粒選別機を構成する。
移送手段により、原料の各米粒を整列させて移送する。
光学検出手段は、照射部と検出部を設ける。照射部は、移送手段から放出された原料の落下軌跡における光学検出位置に対して光を照射する。検出部は、CCDセンサを備えたCCDカメラとし、光学検出位置を通過する各米粒からの反射光及び/又は透過光を検出する。
判別手段は、光学検出手段が検出した反射光及び/又は透過光に基づいて原料における着色粒、異物及び胴割粒を判別する。異物には色彩上良品と区別できない異物も含まれる。
そして、選別手段は、判別手段が判別した着色粒、異物及び胴割粒をエアジェットなどの手段により分離して選別する。
【0007】
検出部のCCDカメラは、原料が落下する軌跡の光学検出位置において、原料からの反射光・透過光を検出できるように、原料と対面する位置に配置する。このとき、それぞれにカメラの光軸が落下軌跡とほぼ直交する配置とする。検出精度を上げるため、反射光を原料の背側、腹側(表裏)から受光できる配置、すなわち、CCDカメラは落下軌跡と直交する光軸上に光学検出位置を中心にして対向して配置することもある。
【0008】
CCDカメラは、内部に可視光域に高い感度を有する第1CCDセンサと第2CCDセンサ及び近赤外域に高い感度を有する第3CCDセンサを備えたものとする。これらのセンサはラインセンサであり、カラーセンサとすることもある。また、これらのセンサは個別に1個のCCDカメラに収められることもあれば、ダイクロイックプリズムのような分光手段を備えた1個のカメラに収められることもある。いずれにしても、第1CCDセンサと第2CCDセンサは、可視光域において複数の波長域を個別に受光できる配置とされる。
【0009】
照射部は第1波長の光照射部と第2波長の光照射部及び第3波長の光照射部とを備える。例えば、第1波長の光照射部は420nm〜520nmの青色光あるいは500nm〜580nmの緑色光を照射し、第2波長の光照射部は600nm〜710nmの赤色光を照射し、第3波長の光照射部は800nm〜1000nmの近赤外光を照射する。なお、第1波長の光照射部と第2波長の光照射部は基本的に波長領域として分離されたものであればよく、第1波長の光が赤色であれば第2波長の光は緑色又は青色のように、前記の逆であってもよい。ただし、第3波長の光は、近赤外光でなければならない。これらの照射部はいずれもLEDで構成することができる。
【0010】
第1波長の光照射部と第3波長の光照射部は、光検出位置における原料からの反射光及び/又は透過光がCCDカメラに受光されるようにする。具体的には、第1波長の光照射部と第3波長の光照射部は対として扱われ、落下軌跡に対して前記CCDカメラと反対側に2対が配置される。一方の対は第1照射部、他方の対は第2照射部である。そして、第1照射部と第2照射部は、前記CCDカメラの光軸を挟んだ一方側と他方側にこれらの各光軸が前記CCDカメラの光軸となす内角度が略同一となる位置に配設する。この内角度は70度以下が好ましい。
【0011】
CCDカメラが落下軌跡を中心に対向して配置されている場合は、これら光照射部も落下軌跡を挟んだ対称位置に配置される。なお、第1波長の光照射部と第3波長の光照射部に対しては、これらと落下軌跡を挟んだ対向位置に良品の反射率と同程度の反射率に設定した背景板が配置される。
第2波長の光照射部は、前記CCDカメラの光軸と重合しない位置に配設する。
【0012】
判別手段は、着色粒・異物判別手段と色彩上良品と区別できない異物判別手段及び胴割粒判別手段とで構成される。
着色粒・異物判別手段は、第1CCDセンサが検出した反射光及び/又は透過光の光量に基づいて判別する。例えば、第1CCDセンサが検出した反射光及び/又は透過光の光量を設定した着色判定閾値と比較して判別する。これにより、良品に対して明度又は色相が異なる粒子(片)が判別される。ただし、明度又は色相が良品と同等である異物を判別することができない。
【0013】
色彩上良品と区別できない異物判別手段は、第1CCDセンサ又は第2CCDセンサのいずれか一方の検出光量信号と第3CCDセンサの検出光量信号とを基にこれら検出光量の比率又は差を演算し、これを異物判定用の閾値と比較して判別する。この判別法は、良品と異物からの反射率が、可視光の場合には大きな差異があるのに対して、近赤外光の場合には差が少ないという特性を利用する。すなわち、近赤外光を検出する第3CCDセンサの検出光量と、緑色や赤色の可視光を検出する第1CCDセンサ又は第2CCDセンサの検出光量とを基にこれらの比率又は差を算出し、その結果をそれぞれの場合の閾値と比較する演算を行う。
【0014】
胴割判別手段は、第1CCDセンサが検出した反射光及び/又は透過光から第1の米粒画像を作成するとともに、前記第2CCDセンサが検出した透過光から第2の米粒画像を作成し、第1の米粒画像と第2の米粒画像との光量差を演算(例えば、引き算)する。
第1の米粒画像は、第1波長の光照射部からの反射光及び/又は透過光であるが、前記のように、第1波長の光照射部は、CCDカメラの光軸を挟んだ一方側と他方側に対称に配置されているので、胴割れが原因で生じる一方の照射部による影が他方の照射部による明部や透過光によって打ち消される結果となり、結局、第1CCDセンサが検出した反射光・透過光から形成される第1の米粒画像に胴割れの影は現れない。胚芽部分や肌擦れ部分が原因の他の影は現れる。
【0015】
一方、第2の米粒画像は、CCDカメラの光軸と重合しない、すなわち、光検出位置の原料からの透過光がCCDカメラに受光される位置に配設した第2波長の光照射部からの光(透過光)によって基づいて作成されたものなので、胴割面が原因の影が明瞭に現れる。
CCDカメラの光軸と重合しない位置から照射された第2波長の光は、米粒の表面で反射光と透過光に分かれるが、反射光は対向して配置されている例えば背面側のCCDカメラの受光範囲から外れ、透過光だけが腹面側のCCDカメラに検出される。そして、透過光を受光するCCDカメラには、胴割面によって光が別方向に屈折されたり、散乱されることにより胴割相当箇所に明瞭な影が現れる。なお、胚芽部分や肌擦れ部分が原因の他の影も現れる。
したがって、第1の米粒画像と第2の米粒画像との光量差を演算(例えば、引き算)することで、胴割粒を判別することができる。
【発明の効果】
【0016】
マルチ光選別機であることにより、一台で着色粒、異物(色彩上良品と区別できないものを含む)及び胴割粒の選別を効率よく行える。この結果、いわゆる一回通しで、良品から着色粒、異物及び胴割粒を選別除去でき、効率のよい米粒選別を行える。
【0017】
米粒の背側と腹側からの反射光・透過光を同時に検出する構成とすることも容易であり、一層、選別精度を向上することができる。
色彩選別、異物選別、胴割粒選別機能を一体にまとめた構造であるので、これらの機能を個々に備えた選別機を合体した装置や組み合わせた施設などに比べて光学式米粒選別機全体が無駄のない、小型化されたものとなる。また、メンテナンスも容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1、図2は、本発明の光学式米粒選別機1に関する実施例の縦側断面図であり、実施例1(図1)ではCCDカメラ8が原料(大部分が、原料米粒K)の落下軌跡Gの腹面側にだけ配置され、実施例2(図2)では落下軌跡Gの両側にほぼ対称に配置されている。
【0019】
実施例1(図1)において、前記光学式米粒選別機1は、原料を貯留する原料タンク2と、該原料タンク2から排出された原料を後述する傾斜シュート3に順次送り出す振動フィーダ4と、下方傾斜させた前記傾斜シュート3とからなる移送手段5を構成する。本実施例においては、前記傾斜シュート3の下方傾斜角度は60度とした。前記傾斜シュート3の傾斜面には流下方向に沿って溝3a(図3(a))を複数隣接して構成し、各原料米粒Kを、米粒の長さ方向に整列させて流下させるようにしてある。本実施例においては、前記溝3aの幅Wは、米粒Kの幅寸法に相当する、3.3ミリメートルとした。前記傾斜シュート3の下端部近傍には、米粒の落下軌跡Gに沿った位置に、光学検出手段6と選別手段6aを順次配設してある。
【0020】
前記光学検出手段6は、前記落下軌跡G上における光学検出位置Pを中心として、その一方側に照射部7を構成し、他方側にCCDカメラ8を構成する(図1)。光学検出位置Pはシュート3における溝3aの配列に対応して横一線に連続したものとなる。前記照射部7は、前記光学検出位置Pに第1波長の光(本実施例では緑色光)を照射する第1波長の光照射部9aと、該第1波長の光照射部9aとは異なる色の光(本実施例では赤色光)を照射する第2波長の光照射部9b及び近赤外光を照射する第3波長の光照射部10とで構成する。前記第1波長の光照射部9aと第3波長の照射部10は対として第1照射部12と第2照射部13を構成し、これらは、前記CCDカメラ8の光軸11を挟み、対称に配置され、さらに、この実施例では、原料の落下軌跡Gを挟んで反対側にも配置されている。したがって、原料の背部と腹部の双方を照射する配置としてある。
【0021】
第1照射部12の光軸(光路)12aと前記CCDカメラ8の光軸11とがなす内角度α1と、第2照射部13の光軸(光路)13aと前記CCDカメラ8の光軸11とがなす内角度α2とが略同一角度になる位置にそれぞれ配設する。本実施例においては、前記内角度α1及び内角度α2は共に25度とした。この角度は70度以下が好ましい。なお、前記内角度α1,α2において、記CCDカメラ8や照射部7の組み付け誤差によって前記内角度α1,α2が多少異なったとしても、両角度は前記略同一角度の範囲に含まれる。一方、前記第2波長の光照射部9bについては、配設する位置を、当該第2波長の光照射部9bの照射光の光軸9baが前記CCDカメラ8の光軸11と重合しない位置とする。なお、前記CCDは、「Charge Coupled Devices」の略である。
【0022】
実施例2(図2)は、CCDカメラ8を落下軌跡Gの両側にほぼ対称に配置し、光学検出位置Pの原料を背面側と腹面側の双方から測定できるようにしたものでありCCDカメラ8以外の構成は実施例1(図1)と共通するので、同じ構成部分に同じ符号を付してこれまでの説明を援用し、また、以下も同様とし、必要な場合にのみ区別するものとして説明を進める。
【0023】
第1照射部12及び第2照射部13、並びに、前記第2波長の光照射部9bは、それぞれ、前記光学検出位置Pに対して指向性のある光を照射できるものとする。例えば、ラインレーザー発光器を用いてもよいが、より好ましくは、左右方向の照射光のばらつきが少ないLED(発光ダイオード)を用いるのがよい。LEDを使用する場合にはそれぞれ、図1に引き出して示すようにLED素子13bと集光レンズ13cとから構成し、LED素子13bが放った光が前記集光レンズ13cによって図2に示す破線のように集光されて光学検出位置Pに対して横一線状に照射されるようにする。
【0024】
LEDを用いた前記第1波長の光照射部9aは、500nm〜580nmの緑色光を用い、本実施例で用いたLED素子は中心波長を520nmで半値幅が50nmのものを使用した。また、同じくLEDを用いた前記第2波長の光照射部9bは、600nm〜710nmの赤色光を用い、本実施例で用いたLED素子は中心波長を630nmで半値幅が18nmのものを使用した。第3波長の光照射部10は、800nm〜1000nmの近赤外光を用い、本実施例で用いたLED素子は中心波長を850nmで半地幅が30nmのものを使用した。
【0025】
なお、本発明において前記第1波長の光照射部9aと第2波長の光照射部9bとは、前述のように異なる色の光(異なる波長領域)を照射できるようにすればよく、上記実施例のように緑色光と赤色光の組合せ以外に、420nm〜520nmの青色光と組み合わせるようにしてもよい。前記第1波長の光照射部9aと第2波長の光照射部9bの光量調整については、後述する。
【0026】
前記CCDカメラ8の内部には、図4に示したように、入光方向から順に、レンズ14、ダイクロイックプリズム(分光手段)15、カラーCCDラインセンサ(第1CCDセンサ)16aとカラーCCDラインセンサ(第2CCDセンサ)16b及び近赤外CCDセンサ(第3CCDセンサ)17が配設してある。
【0027】
第1CCDセンサ16aには、ダイクロイックプリズム(分光手段)15の分光作用によって光学検出位置Pの米粒Kから受光した光のうち第1波長の光(緑色光)が到達し、第2CCDセンサ16bには同米粒Kから受光した光のうち第2波長の光(赤色光)が到達する。第2波長の光は米粒Kを透過した光である。また、第3CCDセンサ17には、同米粒Kから受光した光のうち第3波長の光(近赤外光)が到達する。
第1、第2及び第3のCCDセンサ16a、16b及び17の出力はそれぞれ判別手段18に接続してあり、出力(検出信号)に基づいた信号処理が行われる。
【0028】
第1、第2及び第3のCCDセンサ16a、16b及び17は、図3(b)に概念的に示したように、それぞれがライン状(横一列状)に連接した複数の受光素子から構成され、前記傾斜シュート3の複数の各溝(チャンネル)3aごとに受光素子を複数個ずつ割り当ててピクセルとし、各溝(チャンネル)3aから落下する米粒Kからの反射光・透過光をピクセル単位で受光することができるようにしてある。また、前記レンズ14、ダイクロイックプリズム15、カラーCCDラインセンサ16a、16b、17らを一体型にすることにより、同一の米粒Kから検出した3色光(3波長)の反射光及び/又は透過光に基づいた判別処理にて米粒画像を形成する際に互いの米粒画像にズレが生じない。
【0029】
選別手段6aは、本実施例においては、高圧エアーを空気銃のように噴風させる高圧空気噴風手段としたが、これ以外に、ソレノイドを使った板ばね式のものを使用してもよい。高圧空気噴風手段は、前記光学検出位置Pよりも下方位置の落下軌跡Gに向かって高圧エアーを噴風するように、前記各溝(チャンネル)3aごとに一つの噴風口を配設した複数の噴風口6cが連接してなるノズル6bを備える(図3(b))。該ノズル6bの各噴風口6cは管路を介してそれぞれの電磁弁と接続し、該各電磁弁は高圧エアー源と連通している。
【0030】
前記各電磁弁は前記エジェクタバルブ駆動回路25(図5)と接続し、該エジェクタバルブ駆動回路25からの噴風信号を受けて瞬間的に弁の開閉を行う。これにより、空気銃のような高圧エアーが瞬間的に噴風されて不良粒が落下軌跡Gから除去されて選別される。
図1,2において符号25aは背景板であり、CCDカメラ8の光軸11上で落下軌跡に対しCCDカメラ8と反対側に対向してそれぞれ配置され、その表面は原料米粒K中の良品と同程度の反射率を備える。
【0031】
判別手段18は、図5に示すように、CCDカメラ8に内蔵した第1、第2及び第3のCCDセンサ16a,16b及び17のそれぞれに接続した入出力回路(I/O)19と、該入出力回路(I/O)19に接続した信号処理回路20と、該信号処理回路20に接続した中央演算部(CPU)21及び読み出し書き込み用記憶部(RAM)22と、前記中央演算部21に接続した読み出し専用記憶部(ROM)23及び入出力回路(I/O)24とから構成する。また、入出力回路24は、前記エジェクタバルブ駆動回路25に接続する。本実施例において、判別部18aとは、前記信号処理回路20、中央演算部21、読み出し書き込み用記憶部22及び読み出し専用記憶部23を指す。
【0032】
次に、本発明の作用を説明する。
原料(原料米粒K)は、前記移送手段5である振動フィーダ4の振動作用によって原料タンク2から、順次、傾斜シュート3の上流側に供給される。該傾斜シュート3に供給された各原料米粒Kは、前記溝3aに入り、米粒の向き(姿勢)をその長さ方向に整列させながら流下して終端部から放出される。放出された各原料米粒Kは、前記落下軌跡Gに沿って前記姿勢の状態で落下し、光学検出位置Pを通過する際に、常時点灯されている第1波長の光照射部9aからの緑色光と第2波長の光照射部9bからの赤色光及び第3波長の光照射部17からの近赤外光が照射される。
【0033】
前記CCDカメラ8は光学検出位置Pにおける原料からの反射光・透過光を受光する。このうち第1波長の光(緑色光)と第3波長の光(近赤外光)は第1照射部12、第2照射部13として、前記のように、CCDカメラ8の両側に近接して対称に配置されていることから、反射光と透過光を受光する。反射光は落下軌跡Gに対してCCDカメラ8と同じ側にある照射部からの光によるものであり、透過光は落下軌跡に対してCCDカメラ8と反対側にある照射部からの光によるものである。
【0034】
第2波長の光(赤色光)は、照射部9bがCCDカメラの光軸と重合しない位置から照射されるので、米粒表面での反射光と透過光のうち反射光はCCDカメラ8の受光範囲から外れ、透過光だけが受光される。この意味で、第2波長の光照射部9bは落下軌跡Gを挟んで透過光を受光するCCDカメラ8と反対側に配置される必要がある(図1,2)。
【0035】
第1、第2及び第3のCCDセンサ16a、16b、17が受光して生じた検出信号は、順次、判別手段18の前記I/O19を介して信号処理回路20に送られ、該信号処理回路20は、順次検出された反射光・透過光に基づいて、前記光学検出位置P(横一線上)における光量の演算あるいは米粒イメージ(画像)を形成する。
【0036】
〔色彩判別〕
第1CCDセンサ16aが受光した第1波長に関する検出信号に基づいて、原料の通過ごとにそれぞれの受光量が演算され、これとRAM22にあらかじめ記録乃至設定された閾値、すなわち、背景板25aからの第1波長に関する受光量とともにCPU21に送られ、二つの受光量が比較される(図6)。そして、第1CCDセンサ16aからの受光量が閾値よりも小さいとき、光学検出位置Pを通過した原料(粒、片)を着色粒・異物と判別する。
なお、この判別法は色彩(明度)によるので、良品と同じ色彩(明度)の異物は判別できない。この判別には、次のように、第3波長の光(近赤外光)を利用した判別法を活用する。
【0037】
〔色彩上良品と区別できない異物の判別〕
図7に示すように、波長領域が800〜1000nmの近赤外光域では、陶磁器や白いペレットなどの反射率は0.65程度で、米粒とほぼ同じである。一方、波長領域が450〜500nmの青色光や緑色光域では米粒の反射率が0.4〜0.5程度で低いのに対し、陶磁器の反射率は0.9程度、白いペレットの反射率は0.7程度の高い反射率である。色彩上良品と区別できない異物の検出は、この特性を利用する。
すなわち、第1、第2のラインセンサ16a、16bのいずれかの検出信号と第3CCDラインセンサ17の検出信号を順次判別手段18のI/O19を介して信号処理回路20に送り、ここで原料の通過ごとにそれぞれの受光量をデータ化して順次RAMに一時的に記憶させる。ついで、CPU21は所定のタイミングでRAMから前記の受光量データを取り出してROM23に格納した演算プログラムにより、第1、第2のラインセンサ16a、16bのいずれかの受光量と第3CCDラインセンサ17の受光量との比率(図8、Y値)又は差を算出し、その結果をあらかじめ設定しRAM又はROMに記憶させた判別用の閾値と比較し、良品であるのか異物であるのかを判別する(図9)。
【0038】
〔胴割粒の判別〕
第2CCDセンサ16bが受光した第2波長(赤色光)に関する検出信号に基づいて、前記光学検出位置P(横一線上)における第1の米粒イメージ(画像)を形成する。一方、同様に、第1CCDセンサ16aが受光した第1波長(緑色光)に関する検出信号に基づいて、前記光学検出位置P(横一線上)における第2の米粒イメージを形成する。
第2波長(赤色)の透過光に基づいて作成された各米粒イメージは、米粒の全体形状の中に亀裂部分、胚芽部分及び肌ずれ部分の各画像が現れた、図10(a)に示した第1の米粒画像(亀裂部分、胚芽部分及び肌ずれ部分あり)となる。この第1の米粒画像は順次前記RAM22に記憶する。
【0039】
一方、第1CCDセンサ16aが走査した第1波長の光(緑色光)も同様に、検出信号に基づいて、前記光学検出位置P(横一線上)における米粒イメージを形成する。
第1波長の反射光・透過光に基づいて作成された各米粒イメージは、図10(b)に示すように、米粒の全体形状の中に、亀裂部分が現れないで、胚芽部分と肌ずれ部分のみの画像が現れた第2の米粒画像となる。この第2の米粒画像2も順次前記RAM22に記憶する。
【0040】
このように、第2の米粒画像において亀裂部分が現れない(検出されない)のは、前記第1照射部12及び第2照射部13からの照射光が、CCDカメラ8の光軸11を中心に前記光学検出位置Pの米粒(胴割粒)Kに対して同じ角度(前記内角度α1=内角度α2)から当たり、亀裂部分で光が屈折して生じる暗い影が互いに打ち消し合うためであり、一方、これが米粒(胴割粒)Kに対して一方の斜め方向のみから光を照射した場合には、亀裂部分で光が屈折して米粒表面に暗い影が現れるためである。
【0041】
次に、前記RAM22から上記第1の米粒画像及び第2の米粒画像を読み出し、第1の米粒画像(亀裂部分、胚芽部分及び肌ずれ部分)の光量から第2の米粒画像(胚芽部分及び肌ずれ部分のみ)の光量を差し引く引き算処理を行う(図11)。この引き算処理により、胚芽部分及び肌ずれ部分はともに打ち消されてキャンセルされるため、得られた画像には亀裂部分のみが残ることになる。これによって、胴割部分だけの亀裂画像を取り出す(特定する)ことができる。
【0042】
なお、前記第1波長の光照射部9aと第2波長の光照射部9bの光量は、前記図11に示したように引き算処理により、第1の米粒画像と第2の米粒画像の間で、胚芽部分の画像、肌ずれ部分の画像及び米粒輪郭が互いに打ち消されてできるだけ画像に残らないようにして、亀裂画像だけが残るように予め調整しておく必要がある。万一、胚芽部分の画像、肌ずれ部分の画像及び米粒輪郭の画像が薄っすら残った場合には、例えば、亀裂画像の光量と区別する閾値によって2値化処理を行い、亀裂画像だけを明確にする。
【0043】
図12、図13を参照して図11に示した引き算処理を更に詳しく説明する。説明の便宜上、図12に示した、上記第1の米粒画像(亀裂部分、胚芽部分及び肌ずれ部分)及び第2の米粒画像(胚芽部分及び肌ずれ部分のみ)の各米粒断面(連続した撮像データの列)における光量(波形)をグラフにとり、この光量(波形)を使って前記引き算処理を具体的に説明する。
【0044】
まず、図13(1)には、前記上記第1の米粒画像及び第2の米粒画像の各米粒断面における前記光量(波形)を示し、図示のように波形中に亀裂部分、胚芽部分及び肌ずれ部分が検出されている。
次に、上記(1)に示した二つの波形の差を演算し、この結果、図13(2)に示した波形が得られる。これにより、互いの米粒画像における胚芽部分と肌ずれ部分とが互いに打ち消し合い亀裂部分に相当する落ち込み波形が検出される。
【0045】
次に、上記(2)に示した亀裂部分の波形レベルをマイナス域からプラス域に上昇させる処理を行い、この処理による波形を図13(3)に示す。
さらに、上記(3)に示した波形を微分処理して亀裂部分の波形を明確にする処理を行い、この処理による波形を図13(4)に示す。このようにして、上記第1の米粒画像と第2の米粒画像における光量の引き算処理を各米粒断面(連続した撮像データの列)単位で行い、亀裂画像だけを残す。
【0046】
次いで、前記CPU21は、前述のようにして残された亀裂画像の画素数をカウントする。カウント数は前記ROM23に予め設定した胴割判別用の閾値、すなわち、胴割部分と判定するための連続した画素数と対比し、対比結果が、閾値以上であれば胴割粒と判定(特定)する。一方、カウント数が前記閾値未満であれば、前記胴割部分をキャンセルし、これを胴割粒と判定しない。
【0047】
以上のようにして、光学検出位置Pにおける原料に関して、着色粒、異物(色彩上良品と区別できない異物を含む)あるいは胴割粒のいずれかが判別されると、前記CPU21はI/O24を介して前記エジェクタバルブ駆動回路25に信号を出力し、前記エジェクタバルブ駆動回路25は、当該着色粒や異物を検出した前記各溝(チャンネル)3aに対応した前記選別手段6a(高圧空気噴風手段)における電磁弁に所定の遅延時間を置いて噴風信号を出して前記電磁弁を作動させ、これに対応したノズル6bの噴風口6cから噴風(空気銃)によって前記落下軌跡Gから着色粒、異物及び胴割粒を選別する。
このとき、胴割粒等における中心位置等を公知の方法(例えば、特許第3722354号公報など)によって検出し、検出した中心位置に対応する電磁弁に信号を出力して胴割粒の中心位置を噴風し、より確実に胴割粒を選別するようにしてもよい。
【0048】
以上、本発明はいわゆるマルチ光選別の米粒選別機として優れた性能を発揮する。特に胴割粒の判別は、亀裂部分のほかに胚芽部分や肌ずれ部分が米粒にあっても、胚芽部分や肌ずれ部分の画像をキャンセルして亀裂部分だけの亀裂画像を得ることができるので、胴割粒の判別を行う際に、胚芽部分や肌ずれ部分の画像によって亀裂部分を有さない正常粒を誤って胴割粒と判別することがなく、胴割粒の選別が大きく改善され、製品歩留まりが向上する。
【0049】
以上、実施例について説明した。
CCDラインセンサは、実施例において、使用する波長域ごとに分離したものを利用しているが、1個のCCDラインセンサに対して、第1波長、第2波長及び第3波長をパスさせるフィルターを順次切り替えて受光させたり、図14(イ)のように、CCDラインセンサにおける受光素子(ピクセル)の列に対して前記3種のフィルターを受光素子ごとに配置して第1波長、第2波長及び第3波長の光をそれぞれの単位受光素子に受光させる構造のものとすることができる。あるいは、図14(ロ)のように、CCDラインセンサを3列の受光素子列を備えたものとし、3種のフィルターを受光素子列ごとに割り当て、第1波長、第2波長及び第3波長の光をそれぞれの単位受光素子列に受光させる構造のものとすることができる。
さらに、CCDラインセンサは1個として、照射部7の側で、第1、第2及び第3波長の光を交互に照射し、各点灯による光をそれぞれ受光し、この受光データに基づいて前記の判別処理を行う構成とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】光学式米粒選別機の模式的に示した縦側断面図(実施例1)。
【図2】光学式米粒選別機の模式的に示した縦側断面図(実施例2)。
【図3】(a)は傾斜シュートの断面図、(b)は光学検出位置を模式的に示した正面図。
【図4】CCDカメラ内の概略構成を示す側面図。
【図5】判別手段のブロック図。
【図6】着色粒の判別原理を示した図。
【図7】可視光領域から波長800〜1000nm付近の近赤外光領域における米粒と異物との反射率を示した図。
【図8】異物判別のフロー図。
【図9】米粒と色彩では区別できない異物を判別する原理を示した図。
【図10】胴割粒判別における画像取得の概要を示した図。
【図11】胴割粒判別における亀裂検出の概要を示した図。
【図12】胴割粒判別における取得画像を説明するための図。
【図13】亀裂信号取得の手順を示した図。
【図14】(イ)、(ロ)共に、CCDセンサの他の構成を示した正面図。
【符号の説明】
【0051】
1 光学式米粒選別機
2 原料タンク
3 傾斜シュート
3a 溝
4 振動フィーダ
5 移送手段
6 光学検出手段
6a 選別手段
6b ノズル
6c 噴風口
7 照射部
8 CCDカメラ
9a 第1波長の光照射部
9b 第2波長の光照射部
10 第3波長の光照射部
11 CCDカメラの光軸
12 第1照射部
12a 第1照射部の光軸
13 第2照射部
13a 第2照射部の光軸
13b LED素子
13c 集光レンズ
14 レンズ
15 ダイクロイックプリズム(分光手段)
16a 第1CCDセンサ
16b 第2CCDセンサ
17 第3CCDセンサ
18 判別手段
18a 判別部
19 入出力回路(I/O)
20 信号処理回路
21 中央演算部(CPU)
22 読み出し書き込み用記憶部(RAM)
23 読み出し専用記憶部(ROM)
24 入出力回路(I/O)
25 エジェクタバルブ駆動回路
25a 背景板
K 原料米粒
P 光学検出位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料の各米粒を整列させて移送する移送手段と、
該移送手段から放出された前記米粒の落下軌跡における光学検出位置に対して光を照射する照射部及び前記光学検出位置を通過する各米粒からの透過光及び反射光を検出するCCDセンサを備えたCCDカメラを設けて光学検出する検出部とからなる光学検出手段と
該光学検出手段が検出した透過光及び反射光に基づいて原料における着色粒、異物及び胴割粒を判別する判別手段と、
該判別手段が判別した着色粒、異物及び胴割粒を選別する選別手段と、
を有する光学式米粒選別機であって、
CCDカメラは、複数の波長領域の光を個別に受光する可視光域に高い感度を有する第1CCDセンサと第2CCDセンサ及び近赤外域に高い感度を有する第3CCDセンサを備えるものとし、
照射部は、可視光域における第1波長の光照射部と第2波長の光照射部及び近赤外光域における第3波長の光照射部とを備え、これらの照射部による各波長の光がCCDカメラに対し反射光及び/又は透過光がそれぞれ到達する配置とされており、
第1CCDセンサ又は第2CCDセンサが検出する光量に基づいて原料から着色粒、異物を判別し、
第1CCDセンサと第2CCDセンサの検出値に基づくそれぞれの画像を演算処理することにより胴割粒を判別し、
第3CCDセンサの検出値に基づいて色彩上良品と区別できない異物を判別する手段を備えていることを特徴とした光学式米粒選別機。
【請求項2】
原料の各米粒を整列させて移送する移送手段と、
該移送手段から放出された前記米粒の落下軌跡における光学検出位置に対して光を照射する照射部及び前記光学検出位置を通過する各米粒からの透過光及び反射光を検出するCCDセンサを備えたCCDカメラを設けて光学検出する検出部とからなる光学検出手段と、
該光学検出手段が検出した透過光及び反射光に基づいて原料における着色粒、異物及び胴割粒を判別する判別手段と、
該判別手段が判別した着色粒、異物及び胴割粒を選別する選別手段と、
を有する光学式米粒選別機であって、
前記CCDカメラは、複数の波長領域の光を個別に受光する可視光域に高い感度を有する第1CCDセンサと第2CCDセンサ及び近赤外域に高い感度を有する第3CCDセンサを備え、そのカメラ光軸を原料が落下する落下軌跡上の光学検出位置において落下軌跡とほぼ直交させて配置してあり、
前記照射部は、可視光域における第1波長の光照射部と第2波長の光照射部及び近赤外光域における第3波長の光照射部を備え、前記第1波長の光照射部と第3波長の光照射部は対をなし、落下軌跡に対して同じ側で二対が第1照射部及び第2照射部として前記CCDカメラの光軸を挟んだ一方側と他方側に一対ずつ配置され、前記光学検出位置を照射する第1照射部と第2照射部の各光軸と前記CCDカメラの光軸とがなす内角度を略同一としてあり、さらに、第1照射部及び第2照射部を落下軌跡を挟んだ反対側に配設し、これらと落下軌跡を挟んだ対向位置に良品の反射率と同程度の反射率に設定した背景板を配置し、前記第2波長の光照射部は、前記CCDカメラの光軸と重合しない位置に配設した構成であり、
前記判別手段は、着色粒・異物判別手段と色彩上良品と区別できない異物判別手段及び胴割粒判別手段とからなり、
着色粒・異物判別手段は、第1CCDセンサが検出した反射光・透過光の光量を設定した着色判定閾値と比較して着色粒・異物を判別する判別部を備え、
色彩上良品と区別できない異物判別手段は、第1CCDセンサ又は第2CCDセンサのいずれか一方の検出光量信号と第3CCDセンサの検出光量信号とを基に演算し、これを異物判定用の閾値を比較して良品と色彩上良品と区別できない異物とを判別する判別部を備え、
胴割判別手段は、第1CCDセンサが検出した反射光・透過光から第1の米粒画像を作成するとともに、前記第2CCDセンサが検出した第2波長の照射部からの透過光から第2の米粒画像を作成し、第1の米粒画像と第2の米粒画像との引き算によって米粒における亀裂部分を特定することにより胴割粒を判別する判別部を設けたことを特徴とする光学式米粒選別機。
【請求項3】
原料の各米粒を整列させて移送する移送手段と、
該移送手段から放出された前記米粒の落下軌跡における光学検出位置に対して横一線状の光を照射する照射部及び前記光学検出位置を通過する各米粒からの透過光及び反射光を検出するCCDセンサを備えたCCDカメラを設けて光学検出する検出部とからなる光学検出手段と、
該光学検出手段が検出した透過光及び反射光に基づいて原料における着色粒、異物及び胴割粒を判別する判別手段と、
該判別手段が判別した着色粒、異物及び胴割粒を選別する選別手段と、
を有する光学式米粒選別機であって、
前記CCDカメラは、原料が落下する軌跡の光学検出位置において、原料の背面側と腹面側のそれぞれに対面する位置であって、かつ、CCDカメラの光軸が、落下軌跡とほぼ直角に交差する位置に配設するとともに、複数の波長領域の光を個別に受光する可視光域に高い感度を有する第1CCDセンサと第2CCDセンサ及び近赤外域に高い感度を有する第3CCDセンサを備えるものとし、
前記照射部は、420nm〜520nmの青色光又は500nm〜580nmの緑色光及び600nm〜710nmの赤色光の中から互いに異なる色の光を照射する第1波長の光照射部と第2波長の光照射部及び800nm〜1000nmの近赤外光を照射する第3波長の光照射部とを備え、前記第1波長の光照射部と第3波長の光照射部は、落下軌跡に対して同じ側で前記CCDカメラの光軸を挟んだ一方側と他方側に1対ずつ、前記光学検出位置を照射するこれらの各光軸と前記CCDカメラの光軸とがなす内角度が略同一となる位置に、第1照射部と第2照射部として配設するとともに、これらを設けた側と落下軌跡を挟んだ対向側にも第1波長の光照射部と第3波長の光照射部を配置し、第1波長の光照射部と第3波長の光照射部と落下軌跡を挟んだ対向位置には良品の反射率と同程度の反射率に設定した背景板を配置し、前記第2波長の光照射部は、前記CCDカメラの光軸と重合しない位置に配設し、
前記判別手段は、着色粒・異物判別手段と色彩上良品と区別できない異物判別手段及び胴割粒判別手段とからなり、
着色粒・異物判別手段は、第1CCDセンサが検出した反射光・透過光の光量を設定した着色判定閾値と比較して着色粒・異物を判別する判別部を備え、
色彩上良品と区別できない異物判別手段は、第1CCDセンサ又は第2CCDセンサのいずれか一方の検出光量信号と第3CCDセンサの検出光量信号とを基に演算し、これを異物判定用の閾値と比較して良品と色彩上良品と区別できない異物を判別する判別部を備え、
胴割判別手段は、第1CCDセンサが検出した反射光・透過光から第1の米粒画像を作成するとともに、前記第2CCDセンサが検出した第2波長の照射部からの透過光から第2の米粒画像を作成し、第1の米粒画像と第2の米粒画像との引き算により米粒における亀裂部分を特定することにより胴割粒を判別する判別部を設けたことを特徴とする光学式米粒選別機。
【請求項4】
色彩上良品と区別できない異物判別手段において、第1CCDセンサ又は第2CCDセンサのいずれか一方の検出光量信号と第3CCDセンサの検出光量信号とを基にする演算は、前記両信号の検出光量の比率あるいは差を求めて対応する閾値と比較するものであることを特徴とした請求項2又は3に記載の光学式米粒選別機。
【請求項5】
前記内角度を70度以下とする請求項3又は4に記載の光学式米粒選別機。
【請求項6】
前記第1CCDセンサ及び第2CCDセンサをカラーCCDラインセンサとするとともに、前記CCDカメラには、前記光学検出位置から検出した反射光・透過光を前記第1波長の光と第2波長の光及び第3波長の光とに分光して個別に第1CCDセンサ、第2CCDセンサ及び第3CCDセンサへ入光させる分光手段を設けた前記請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の光学式米粒選別機。
【請求項7】
前記第1波長の照射部及び第2波長の照射部及び第3波長の照射部をLEDによって構成する前記請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の光学式米粒選別機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2008−302314(P2008−302314A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−152793(P2007−152793)
【出願日】平成19年6月8日(2007.6.8)
【出願人】(000001812)株式会社サタケ (223)
【Fターム(参考)】