説明

光学素子及び光ヘッド装置

【課題】波長により光学的な作用の異なる光学素子の耐久性を高める。
【解決手段】光を透過する光学部材と、前記光学部材の表面に形成された第1の材料層と、前記第1の材料層の上に形成された第2の材料層と、を有し、前記第1の材料層と前記第2の材料層との界面には、フレネルレンズまたは回折構造または凹凸構造が形成されており、前記第1の材料層及び前記第2の材料層は、ともに無機材料により形成されており、前記第1の材料層の屈折率と前記第2の材料層の屈折率との差は、390nmから830nmの波長の光のうち、1の波長λの光における屈折率差Δnは、0.05以上であり、他の波長λの光における屈折率差Δnとした場合、(λΔn/λΔn)≧5を満たすものであり、前記他の波長λの光は1または2の波長の光であって、390nmから830nmまでの波長の光における透過率が50%以上であることを特徴とする光学素子を提供することにより上記課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学素子及び光ヘッド装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
光ディスクとして、Blu−ray(商品名、以下、BD)、DVD、CDが幅広く普及している。これらBD、DVD、CDは、記録及び再生に用いる光の波長等が異なっている。具体的には、BDは、カバー層の厚さが0.1mmの情報記録媒体に、波長405nmの光源から出射された光をNA(開口数)が0.85の対物レンズにより集光させることにより情報の記録及び再生を行う。DVDは、カバー層の厚さが0.6mmの情報記録媒体に、波長660nmの光源から出射された光をNAが0.65の対物レンズにより集光させることにより情報の記録及び再生を行う。CDは、カバー層の厚さが1.2mmの情報記録媒体に、波長785nmの光源から出射された光をNAが、0.45の対物レンズにより集光し、情報の記録及び再生を行う。
【0003】
BD、DVD、CDにおける光ディスクにおいては、現在、低コスト化と省スペース化の要求より、1つの光ピックアップ装置、即ち、光ヘッド装置により各々の光ディスクに使用する波長の光を用いて情報の記録及び再生がなされており、更には、光検出器、コリメータレンズ等の部品の共有化が進んでいる。しかしながら、BD、DVD、CDでは、開口数等が異なることや、サーボ信号の方式が異なること、出射光源の位置が異なることから、同一の光ヘッド装置では、各々の条件を満たす特性を得ることができないため、光学的な作用が波長により異なる光学素子を用いた光ヘッド装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2008−216882号公報
【特許文献2】特開2009−20923号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、特許文献1及び2に開示されている光ヘッド装置に用いられている光学素子は、波長により光学的作用が異なる光学素子であり、樹脂材料により形成されたものや、所望の特性を得るため色素材料を混入したものである。樹脂材料により形成されたものの場合では、長時間光が照射されることにより、光学素子を構成する樹脂材料が変質して光学的な特性が変化し所望の特性を満たさない場合がある。また、色素材料を混入したものの場合では、色素材料が光を吸収してしまい十分な特性を得ることができない。特に、BDでは、波長が405nmの青色光が用いられており、紫外線に近い短波長の光であることから、長時間の使用により光照射による特性の低下が顕著となる。また、色素材料を混入したものの場合では、波長が405nm等の短波長の光においては十分な透過率が得られないといった問題がある。
【0006】
本発明は、上記点を鑑みてなされたものであり、波長により光学的作用が異なる光学素子において、短波長の光に対応した耐久性の高い光学素子を提供することを目的とし、更には、この光学素子を有する複数の種類の光ディスクに対応した耐久性の高い光ヘッド装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、光を透過する光学部材と、前記光学部材の表面に形成された第1の材料層と、前記第1の材料層の上に形成された第2の材料層と、を有し、前記第1の材料層と前記第2の材料層との界面には、フレネルレンズまたは回折構造または凹凸構造が形成されており、前記第1の材料層及び前記第2の材料層は、ともに無機材料により形成されており、前記第1の材料層の屈折率と前記第2の材料層の屈折率との差は、390nmから830nmの波長の光のうち、1の波長λの光における屈折率差Δnは、0.05以上であり、他の波長λの光における屈折率差Δnとした場合、(λΔn/λΔn)≧5を満たすものであり、前記他の波長λの光は1または2の波長の光であって、390nmから830nmまでの波長の光における透過率が50%以上であることを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、前記1の波長λの光は、波長λの光であり、前記他の波長λの光は、波長λの光及び波長λの光であって、λ<λ<λである。
【0009】
また、本発明は、前記1の波長λの光は、波長λの光又は波長λの光であり、前記他の波長λの光は、波長λの光であって、λ<λ<λである。
【0010】
また、本発明は、前記波長λの光は、405nm波長帯の光であって、前記波長λの光は、660nm波長帯の光であって、前記波長λの光は、785nm波長帯の光である。
【0011】
また、本発明は、前記第1の材料層には、酸化チタン、酸化ニオブ、硫化亜鉛、酸化亜鉛、酸化ビスマス、チタン酸バリウム及びチタン酸ストロンチウムのうちから選ばれる1また2以上のものと、酸化シリコン及び酸化アルミニウムのいずれかまたは双方を含む材料もしくはこれらを含まず、酸化チタン、酸化ニオブ、硫化亜鉛、酸化亜鉛、酸化ビスマス、チタン酸バリウム及びチタン酸ストロンチウムがポーラスとなっている材料により形成されている。
【0012】
また、本発明は、前記第2の材料層は、五酸化タンタル、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸窒化シリコン、窒化シリコン、ダイアモンド及びダイアモンドライクカーボンのうちから選ばれる1また2以上のものを含む材料により形成されている。
【0013】
また、本発明は、前記光学素子の両面には、各々反射防止膜が形成されている。
【0014】
また、本発明は、前記光学部材と前記第1の材料層との間には反射防止膜が形成されている。
【0015】
また、本発明は、複数の波長の光を出射する光源と、前記光源から出射された各々の波長帯の光を各々の波長帯の光に対応した光ディスクの情報記録面に集光させる対物レンズと、前記光ディスクの情報記録面において反射された信号光を検出するための光検出器と、前記光ディスクに向かう光と前記光ディスクより反射された光とを分岐するビームスプリッタと、を有する光ヘッド装置において、前記光源から前記光検出器までの光路上に前記記載の光学素子が設置されていることを特徴とする。
【0016】
また、本発明は、前記光源は、3つの異なる波長の光を出射するものであって、前記光検出器は、前記3つの異なる波長の光を検出するものである。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、波長により光学的作用が異なる光学素子において、短波長の光に対応した耐久性の高い光学素子を提供できる。また、この光学素子を用いることにより複数の種類の光ディスクに対応した耐久性の高い光ヘッド装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】第1の実施の形態における光学素子の構造図
【図2】第1の実施の形態における光学素子の説明図
【図3】(λΔn/λΔn)の値とλにおける透過率との相関図
【図4】第1の実施の形態における他の光学素子の説明図
【図5】第1の実施の形態における光学素子の製造方法の工程図(1)
【図6】第1の実施の形態における光学素子の製造方法の工程図(2)
【図7】第2の実施の形態における光学素子の構造図
【図8】第3の実施の形態における光学素子の構造図
【図9】第4の実施の形態における光学素子の製造方法の工程図
【図10】第5の実施の形態における光学素子の構造図(1)
【図11】第5の実施の形態における光学素子の構造図(2)
【図12】第6の実施の形態における光ヘッド装置の構造図
【図13】第7の実施の形態における光ヘッド装置の構造図
【図14】第8の実施の形態における光ヘッド装置の構造図
【図15】第9の実施の形態における光ヘッド装置の構造図
【図16】第9の実施の形態における光ヘッド装置に用いられる光学素子の構造図
【図17】第10の実施の形態における光学素子の構造図
【図18】第11の実施の形態における光学素子の構造図
【図19】第11の実施の形態における光学素子の上面図
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明を実施するための形態について、以下に説明する。尚、同じ部材等については、同一の符号を付して説明を省略する。
【0020】
〔第1の実施の形態〕
(光学素子の構造)
第1の実施の形態における光学素子について説明する。本実施の形態における光学素子は、透明基板11上に第1の材料層21が形成され、第1の材料層21上に第2の材料層22が形成されたものであって、第1の材料層21の表面にはバイナリの回折格子が形成されており、第2の材料層22は、この回折格子上に形成されているものである。第1の材料層21及び第2の樹脂層22は、ともに無機材料により形成されている。無機材料は、高照度のレーザ光や紫外線等を照射した場合においても材料が変質等することがなく、耐候性に優れ、長期間において安定した光学的特性を得ることができる。本実施の形態においては、無機材料とは、炭素を含まない化合物を意味し、炭素と酸素、窒素等が結合した有機材料を除くものを意味する。具体的には、金属等の酸化物等を意味するものであるが、ダイアモンドまたはダイアモンドライクカーボンは含むものとする。尚、第1の材料層21及び第2の材料層22を形成する工程においては、界面活性剤等の添加剤、溶媒、不純物として有機材料が混入する場合があるが、微量であり、無機材料としての性質が変化するようなものではない。よって、本実施の形態における光学素子の効果に影響を与えない限り、不純物等として有機物が含まれているものも含むものとする。
【0021】
透明基板11は、有機樹脂、有機無機ハイブリッド材料等が利用できるが、無機材料で構成されていることが、耐久性、信頼性の観点から好ましく、加工性、入手性の点でガラスであることがより好ましい。用いることができるガラス材料は、石英等が利用可能であり、BK7、B270等の低価格な光学ガラス材料等も利用できる。また、透明基板11の光学特性には、特に制限は無いが、光学的に等方性であることが好ましい。
【0022】
また、本実施の形態における光学素子は、両面に反射防止膜31及び32が形成されている。即ち、透明基板11において第1の材料層21が形成されている面とは反対側の面には、反射防止膜31が形成されており、第2の材料層22の表面には反射防止膜32が形成されている。反射防止膜31及び32は、屈折率の異なる誘電体材料を所定の膜厚ごとに交互に積層することにより形成されている。
【0023】
図2は、第1の材料層21を構成する材料の屈折率n(λ)と第2の材料層22を構成する材料の屈折率n(λ)との関係を示す。波長λにおいては、第1の材料層21を構成する材料の屈折率n(λ)と第2の材料層22を構成する材料の屈折率n(λ)は異なり、屈折率n(λ)は屈折率n(λ)よりも高い。また、波長λにおいては、第1の材料層21を構成する材料の屈折率n(λ)と第2の材料層22を構成する材料の屈折率n(λ)は略等しく、波長λにおいては、第1の材料層21を構成する材料の屈折率n(λ)と第2の材料層22を構成する材料の屈折率n(λ)は略等しい。尚、本実施の形態では、BD、DVD、CDに対応した光学素子であるため、波長λは約405nmであり、波長λは約660nmであり、波長λは約785nmであるものとする。ここで屈折率が略等しいとは、波長λにおける屈折率差Δnを|n(λ)−n(λ)|とし、波長λにおける屈折率差Δnを|n(λ)−n(λ)|とした場合に、下記(1)に示す式の値が5以上となることを指す。

(λΔn/λΔn)・・・・・(1)

上記(1)に示す式と本実施の形態の光学素子の回折部分を形成する回折格子の透過率の関係を図3に示す。回折格子は、格子深さによって回折効率が異なるが、波長λにて回折効率が最大となり、波長λの透過率が実用上最も小さくなる深さとして計算を行った。図3より、上記(1)に示す式の値が5以上となると、透過率が85%以上となり、透明材料として実用上十分な透過率を確保することができるため、屈折率の略等しい条件として、上記(1)に示す式の値が5以上となることとする。さらに、5.5以上となると、透過率が90%以上となり、8以上となると、透過率が95%以上となるため、このような条件下で素子を作製することができればより好ましい。尚、上記(1)に示す式は、一般的には、波長λ1、λ2、λのいずれか1つを波長λとし、他の1または2を波長λとして考えることができる。この場合、波長λにおける屈折率差Δnを|n(λ)−n(λ)|とし、波長λにおける屈折率差Δnを|n(λ)−n(λ)|とすると、(λΔn/λΔn)となる。
【0024】
第1の材料層21は、酸化チタン(TiO)、酸化ニオブ(Nb)、硫化亜鉛(ZnS)、酸化亜鉛(ZnO)、酸化ビスマス(Bi)、チタン酸バリウム(BaTiO)等と酸化シリコン(SiO)または酸化アルミニウム(Al)等との混合物により形成されている。また、酸化シリコンや酸化アルミニウムを利用せず、ポーラス構造とすることで、屈折率を調整することも可能である。また、第2の材料層22は、五酸化タンタル(Ta)、酸化イットリウム(Y)、酸化ジルコニウム(ZrO)、酸窒化シリコン(SiON)、窒化シリコン(S)、ダイアモンド、ダイアモンドライクカーボン等、またはこれらの材料と酸化シリコン或いは酸化アルミニウム等との混合物により形成されている。
【0025】
第1の材料層21と第2の材料層22を構成する材料は、光学的に均質とみなせる材料とすることが、作成の容易さの点や、任意な回折構造として所望の回折効率に調整する設計の自由度が大幅に高まるため好ましい。回折構造を多層膜にて作製する方法も考えられるが、光学特性や作成上の制約から、現実的には回折構造がバイナリ型に制限されたり、回折効率を変更しようとすると、単純に回折格子深さを変えるだけでなく、多層膜設計等も変更する必要があるため、本発明の材料構成とする方が利点は多い。
【0026】
ここで、第1の材料層21に、TiOとSiOとの混合物を用いた場合について説明する。この場合において、第2の材料層22としてTaを用いた場合では、第1の材料層21におけるTiとSiに対するTiの比率は、70〜80atm%となるように形成される。また、第2の材料層22としてYを用いた場合では、第1の材料層21におけるTiとSiに対するTiの比率は、40〜60atm%となるように形成される。また、第2の材料層22としてZrOを用いた場合では、第1の材料層21におけるTiとSiに対するTiの比率は、40〜60atm%となるように形成される。また、第2の材料層22としてSiONを用いた場合では、第1の材料層21におけるTiとSiに対するTiの比率は、50〜90atm%となるように形成される。
【0027】
同様に、第1の材料層21に、TiOのポーラス体を用いた場合について説明する。この場合において、第2の材料層22としてTaを用いた場合では、第1の材料層21におけるTiOの密度は、通常のものと比較して、70〜90%となるように形成される。また、第2の材料層22としてYを用いた場合では、第1の材料層21におけるTiOの密度は、通常のものと比較して、60〜80%となるように形成される。また、第2の材料層22としてZrOを用いた場合では、第1の材料層21におけるTiOの密度は、通常のものと比較して、60〜80%となるように形成される。また、第2の材料層22としてSiONを用いた場合では、第1の材料層21におけるTiOの密度は、通常のものと比較して、30〜85%となるように形成される。
【0028】
例えば、第1の材料層21に、TiOが70%となるSiOとの混合物を用い、第2の材料層22としてTaを用いた光学素子の場合において、図2に示されるように、波長λが405nmでは、第1の材料層21の屈折率n(λ)では約2.30であり、第2の材料層22の屈折率n(λ)では約2.21であり、第1の材料層21の屈折率n(λ)と第2の材料層22の屈折率n(λ)との差は、約0.09である。また、波長λが660nmでは、第1の材料層21の屈折率n(λ)と、第2の材料層22の屈折率n(λ)は略等しく約2.11であり、同様に、波長λが785nmでは、第1の材料層21の屈折率n(λ)と、第2の材料層22の屈折率n(λ)は略等しく約2.10である。
【0029】
このように、本実施の形態における光学素子では、波長λでは、第1の材料層21の屈折率n(λ)と第2の材料層22の屈折率n(λ)との差は0.05以上となるように形成されており、波長λでは、第1の材料層21の屈折率n(λ)と第2の材料層22の屈折率n(λ)との差は0.01以下、上記(1)に示す式の値が8以上、波長λでは、第1の材料層21の屈折率n(λ)と第2の材料層22の屈折率n(λ)との差は0.01以下、上記(1)に示す式の値が8以上となるように形成されている。これにより、波長λの光及び波長λの光においては屈折率差が殆どないため、波長λの光及び波長λの光が入射した際には、光の屈折または回折等の光学的な作用がなく、単に透明の基板となるが、波長λの光においては屈折率差が大きいため、波長λの光が入射した場合には、光を屈折または回折等の光学的に作用する光学素子として機能する。
【0030】
本実施の形態における光学素子は、405nmの波長λ、660nmの波長λ、785nmの波長λにおいて使用するものであるため、これらの波長の光を透過することが必要となる。具体的には、本実施の形態における光学素子は、波長が390nmから830nmの全域において、透過率が50%以上であることが好ましく、より好ましくは透過率が70%以上、更には、95%以上であることが好ましい。
【0031】
上記において説明した光学素子は、第1の材料層21を形成する材料と第2の材料層22を形成する材料は、波長λ及び波長λにおいて屈折率が略等しく、波長λにおいて屈折率が異なる材料の組み合わせにより形成されるものである。しかしながら、図1に示す構造の光学素子において、材料を組み合わせることにより、図4に示すように第1の材料層21を形成する材料と第2の材料層22を形成する材料は、波長λ及び波長λにおいて屈折率が異なり、波長λにおいて屈折率が略等しくなるように、光学素子を形成することも可能である。このように形成された光学素子は、波長λの光においては光学的に作用することがなく、波長λ及び波長λにおいて光学的に作用するものとなる。尚、図4においては、第1の材料層21を形成する材料の屈折率をn(λ)で示し、第2の材料層22を形成する材料の屈折率をn(λ)で示す。
【0032】
このような光学素子の作製方法としては、第1の材料層21を形成する材料に屈折率n(λ)の材料と同じ材料を用い(n(λ)=n(λ))、第2の材料層22を形成する材料の組成比等を変えることにより屈折率を全体的に高くして屈折率n(λ)とすることにより作製することができる。また、第2の材料層22を形成する材料に屈折率n(λ)の材料と同じ材料を用い(n(λ)=n(λ))、第1の材料層21を形成する材料の組成比等を変えることにより屈折率を全体的に低くして屈折率n(λ)とすることにより作製することができる。また、第1の材料層21と第2の材料層22の両方の屈折率を変化させて作製することができる。
【0033】
(光学素子の製造方法)
次に、本実施の形態における光学素子の製造方法について説明する。
【0034】
最初に、図5(a)に示すように、透明基板11の一方の面上に第1の材料層21を形成するための無機材料膜21aを形成する。具体的には、透明基板11の一方の面にスパッタリング、真空蒸着、CVD(Chemical Vapor Deposition)により無機材料膜21aを成膜することにより形成する。本実施の形態では、スパッタリングにより膜厚2.0μmのTiOとSiOからなる無機材料膜21aを形成する。この無機材料膜21aは、波長λとなる660nmと波長λとなる785nmとの略中間の波長となる波長730nmにおいて、屈折率が2.00となるようにTiとSiの比率が調節されており、Ti比率が64%となっている。このように波長730nmにおいて屈折率が2.00となるように調整することにより、この波長に近い波長λとなる660nmの光及び波長λとなる785nmの光においても屈折率が2.00となる。
【0035】
具体的に、スパッタリングにより所定の比率でTiとSiとが含まれる無機材料膜21aを形成する方法としては、所定の比率により形成されたTiとSiからなる合金ターゲットを用いて酸素ガスを導入しリアクティブスパッタにより成膜する方法、所定の比率により形成されたTiOとSiOからなる焼結体ターゲットを用いてスパッタリングにより成膜する方法、TiターゲットとSiターゲットを用いて酸素ガスを導入し各々のターゲットに印加されるパワーを調節してリアクティブによるコスパッタリングにより成膜する方法、TiOターゲットとSiOターゲットを用いて各々のターゲットに印加されるパワーを調節してコスパッタリングにより成膜する方法等が挙げられる。
【0036】
次に、図5(b)に示すように、第1の材料層21の表面に形成される回折格子のパターンに対応してレジストパターン41を形成する。具体的には、無機材料膜21aの表面にフォトレジストを塗布し、露光装置による露光及び現像を行うことによりレジストパターン41を形成する。
【0037】
次に、図5(c)に示すように、RIE(Reactive Ion Etching)等によるドライエッチングを行うことにより、レジストパターン41の形成されていない領域の無機材料膜21aを0.5μm〜2.0μmの深さまで除去し、この後、レジストパターン41を有機溶剤等により除去する。これにより、ピッチが4μmのバイナリの回折格子が表面に形成された第1の材料層21が形成される。尚、形成される回折格子のピッチは用途等により定まるものであり、本実施の形態における光学素子においては、0.9μm〜100μm程度のピッチの回折格子が形成される。また、これまでの説明では、回折格子の形状をバイナリ格子としたが、用途によっては所望の回折効率が異なるため、所望の回折効率が所望の回折次数に得られるような回折構造とすることが求められる。本発明では、回折構造においては、その構造上の利点より制約がなく作製できるため、回折構造の形状はバイナリ形状に限定せずに、種々の形状を取ることができ、回折格子の形状をブレーズ形状、擬似ブレーズ形状、特定の周期によって変化する凹凸構造を持った回折構造としてもよい。また、回折像のフーリエ変換によって形成される回折構造としてもよく、その場合は、1周期のピッチが10μm〜50mm程度で、1周期のみの構造としてもよい。
【0038】
次に、図6(a)に示すように、第1の材料層21の回折格子が形成されている面上に、第2の材料層22を形成するための無機材料膜22aを形成する。具体的には、第1の材料層21の回折格子が形成されている面に、スパッタリング、真空蒸着、CVDにより無機材料膜22aを成膜することにより形成する。本実施の形態では、スパッタリングにより膜厚3.0μmのTaとSiOからなる無機材料膜21aを成膜する。尚、SiOは、屈折率を調節するために混入されており、この無機材料膜22aは、波長730nmにおいて、屈折率が2.0となるようにTaとSiの比率が調節されており、Taが85%となっている。このように波長730nmにおいて屈折率が2.00となるように調整することにより、波長の近い波長λとなる660nmの光及び波長λとなる785nmの光においても屈折率が2.00となる。これにより、波長λの光において第1の材料層21の屈折率と第2の材料層22の屈折率を略同じとすることができ、また、波長λの光において第1の材料層21の屈折率と第2の材料層22の屈折率を略同じとすることができる。
【0039】
このように所定の比率でTaとSiとが含まれる無機材料膜22aをスパッタリングにより形成する方法としては、無機材料膜21aを形成する場合と同様の方法により形成することができる。また、無機材料膜22aを形成する方法としてはゾルゲル法等であってもよい。
【0040】
次に、図6(b)に示すように、無機材料膜22aの表面を研磨することにより平坦化し、平坦な表面を有する第2の材料層22を形成する。尚、無機材料膜22aをゾルゲル法等の塗布等することにより形成する場合には、表面が比較的平坦に形成されるため、無機材料膜22aの表面の平坦化を要しない場合がある。
【0041】
平坦化を要しない場合とは、凹凸構造の高さが50nm以下であることを言い、この状態を略平坦とする。また、平坦度に関しては、50nm以下であれば、90%以上の透過率が得られるが、好ましくは、95%以上の透過率が得られる20nm以下であり、さらに好ましくは、透過率劣化をほぼ抑制可能な10nm以下である。
【0042】
次に、図6(c)に示すように、透明基板11の他方の面に反射防止膜31を形成し、第2の材料層22の平坦化された面に反射防止膜32を形成する。
【0043】
これにより本実施の形態における光学素子を作製することができる。このように形成された光学素子は、波長が405nmの光を入射させた場合には1次回折光効率が38%となり、波長が660nmの光を入射させた場合には0次回折効率が90%となり、波長が785nmの光を入射させた場合には0次回折効率が90%となる。即ち、405nmの波長λの光においては回折格子として作用し、660nmの波長λの光及び785nmの波長λの光においては、光学的には作用しない光学素子を得ることができる。
【0044】
また、無機材料膜21aを成膜する際に、Tiの比率を58%となるようにすることで、405nmの屈折率を2.21、730nmの屈折率を2.02とすることができ、図4のような屈折率の関係を得ることができる。
【0045】
〔第2の実施の形態〕
次に、第2の実施の形態について説明する。本実施の形態における光学素子は、第1の実施の形態における光学素子と構造が異なるものである。図7に基づき本実施の形態における光学素子について説明する。
【0046】
本実施の形態における光学素子は、基板13の表面に回折格子を形成したものであり、具体的には、第1の実施の形態における第1の材料層21を形成する材料により、基板13が形成されているものである。基板13としては、株式会社住田光学ガラス製商品名K−PSFn214やK−PSFn203等や、酸化チタン、酸化ニオブ、ニオブ酸リチウム等を主成分とした材料を用いることができる。基板13の表面には、回折格子が形成されているが、この回折格子は、図5(b)に示す方法と同様に、基板13となるものの表面にレジストパターン41を形成し、ドライエッチングによりレジストパターンの形成されていない領域を所定の深さまで除去することにより形成することができる。これにより、より低コストで光学素子を形成することができる。尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
【0047】
〔第3の実施の形態〕
次に、第3の実施の形態について説明する。本実施の形態における光学素子は、第1の実施の形態における光学素子と構造が異なるものである。図8に基づき本実施の形態における光学素子について説明する。
【0048】
本実施の形態における光学素子は、透明基板11と第1の材料層21との間に反射防止膜34を設けた構造のものである。第1の材料層21及び第2の材料層22は無機材料により形成されているが、これらの無機材料は透明基板11との屈折率差が大きく、透明基板11と第1の材料層21との界面における反射率は高くなる。このため、透明基板11と第1の材料層21との間に反射防止膜34を設けることにより、この界面における反射を防ぎ、光学素子における光の透過率を高くすることができる。反射防止膜34に関しては、高屈折率膜と低屈折率膜からなる多層膜の構成や中間屈折率膜を用いた構成等が利用できる。多層膜の構成例を表1に示す。また、中間屈折率膜の構成例を表2に示す。
【0049】
【表1】

【0050】
【表2】

材料A、材料Bは、共に、TiとSiの混合酸化物であり、材料Aは、Tiの比率が43%であり、d線の屈折率は1.94であり、材料Bは、Tiの比率が22%であり、d線の屈折率は1.71である。
【0051】
また、ARを構成する材料は、特に制限は無いが、回折格子材料と接する界面に、TiとSiの複合酸化物のエッチングレートに対して、大きな選択比を持つ材料であるチタニア、ジルコニア、フッ化マグネシウム等の光学膜を利用すると格子高さを一定することが容易となり、歩留まりが向上するといったメリットがあるため好ましい。
【0052】
また、別の側面として、中間屈折率を利用すると、反射防止膜34の厚み、または、層数を薄くすることができ、スループット向上や作成コストの低減等が行いやすくなるメリットがある。
【0053】
この結果、波長が405nmの光を入射させた場合には1次回折光効率が39%となり、波長が660nmの光を入射させた場合には0次回折効率が95%となり、波長が785nmの光を入射させた場合には0次回折効率が95%となる。
尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
【0054】
〔第4の実施の形態〕
次に、第4の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態における光学素子の製造方法とは異なる方法により、第1の実施の形態における光学素子を製造する光学素子の製造方法である。
【0055】
図9に基づき、本実施の形態における光学素子の製造方法について説明する。最初に、ケイ酸ソーダに適量の水を加え、この後、TiO微粒子を加えて屈折率が所望の値となるように調節し、第1の水ガラスを作製する。この際、イオン交換によりNaの量を調節してもよい。この第1の水ガラスをスピンコートにより、透明基板11の一方の面上に塗布し、インプリントにより表面に回折格子を形成した後、焼成する。これにより、図9(a)に示すように、透明基板11の一方の面上には、表面に回折格子が形成された第1の材料層21が形成される。
【0056】
次に、ケイ酸ソーダに適量の水を加え、この後、ZrO微粒子を加えて屈折率が所望の値となるように調節し、第2の水ガラスを作製する。この際、イオン交換によりNaの量を調節してもよい。この第2の水ガラスをスピンコートにより、表面に回折格子が形成された第1の材料層21上に塗布した後、焼成する。これにより、図9(b)に示すように、表面に回折格子が形成された第1の材料層21上には、第2の材料層22が形成される。本実施の形態では、第2の材料層22はスピンコートにより形成されているため、第2の材料層22の表面は略平坦に形成されているが、必要に応じて研磨等を行ってもよい。
【0057】
この後、図9(c)に示すように、透明基板11の他方の面に反射防止膜31を形成し、第2の材料層22の表面に反射防止膜32を形成する。
【0058】
これにより、本実施の形態における光学素子の形成方法により、第1の実施の形態における光学素子を作製することができる。尚、本実施の形態における光学素子の製造方法の一部または全部は、第2の実施の形態及び第3の実施の形態における光学素子を作製する場合にも適用することができる。
【0059】
また、本実施の形態においては、図9(a)に示す工程に代えて、図5(a)〜(c)に示す工程を行うものであってもよい。即ち、図5(a)〜(c)に示す工程を行なった後、図9(b)、図9(c)に示す工程を行うものであってもよい。また、図9(b)に示す工程に代えて、図6(a)、(b)に示す工程を行うものであってもよい。即ち、図9(a)に示す工程を行なった後、図6(a)、(b)に示す工程を行い、更に、図9(c)に示す工程を行うものであってもよい。尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態と同様である。
【0060】
〔第5の実施の形態〕
次に、第5の実施の形態について説明する。本実施の形態における光学素子は、第1の材料層の表面にフレネルレンズ形状のブレーズ、擬似ブレーズ等が形成されているものである。
【0061】
本実施の形態における光学素子は、図10に示すように、透明基板11の一方の面に表面にフレネルレンズ形状のブレーズ等が形成された第1の材料層23が形成されており、第1の材料層23のフレネルレンズ形状のブレーズ等が形成されている面の全体を覆うように、第2の材料層24が形成されている。第1の材料層23は第1の実施の形態における第1の材料層21を形成する材料と同一の材料が用いられており、第2の材料層24は第1の実施の形態における第2の材料層22を形成する材料と同一の材料が用いられている。
【0062】
本実施の形態における光学素子の製造方法において第1の材料層23の表面にフレネルレンズ形状のブレーズ等を形成する際は、図5(b)と図5(c)に示す工程を繰り返し行うことにより、多段の擬似ブレーズを形成することができる。また、また、第4の実施の形態における製造方法におけるインプリントによりブレーズ等の形状に形成することができる。
【0063】
また、本実施の形態における光学素子は、図11に示すように、透明基板11と第1の材料層23との間に反射防止膜34を形成したものであってもよい。尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態から第3の実施の形態と同様である。
【0064】
〔第6の実施の形態〕
次に、第6の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態における光学素子を有する光ヘッド装置である。本実施の形態における光ヘッド装置は、図12に示すように、3種類の異なる光ディスク、例えば、BD、DVD、CDの光ディスクに対応したものであり、1つの光ヘッド装置により3種類の異なる光ディスクの記録及び再生を行うことができるものである。即ち、この光ヘッド装置は、405nm波長帯、660nm波長帯、785nm波長帯の光に対応したものである。
【0065】
本実施の形態における光ヘッド装置では、光源111、第1の光学素子112、偏光ビームスプリッタ113、コリメータレンズ115、第1の立ち上げミラー116、1/4波長板117、対物レンズ118、第2の立ち上げミラー119、1/4波長板120、第2の対物レンズ121、第2の光学素子122、シリンドリカルレンズ123、光検出器124を有している。
【0066】
光源111は、3つの波長の光を出射することのできる3波長レーザであり、具体的には、405nm波長帯である波長λの光、660nm波長帯である波長λの光、785nm波長帯である波長λの光の3つの波長の光を対応する光ディスクに応じて出射することができる。
【0067】
第1の光学素子112は、光源111より出射された波長λ及び波長λの光をトラッキング信号用とデータ読み取り用の信号に分離するものである。具体的には、波長λの光においては光学的に作用することなく、波長λの光及び波長λの光においては回折格子として作用する光学素子であり、この光学素子における第1の材料層21を形成する材料と第2の材料層22を形成する材料は、図4に示すような屈折率の特性を有している。
【0068】
偏光ビームスプリッタ113は、所定の偏光の光を透過し、所定の偏光に対し垂直方向の偏光の光を偏向するものである。
【0069】
コリメータレンズ115は、光源111から出射された各々の波長の光を略平行光となるようにコリメートするものである。略平行光とは、ピックアップの再生、記録が可能な程度の収差を対物レンズ入射時に維持できる程度に光軸と平行であることを示す。
【0070】
第1の立ち上げミラー116は、ダイクロイックミラーであり、波長λの光は偏向されて分岐され、波長λ及び波長λの光は偏向されることなくそのまま透過するように形成されている。具体的には、第1の立ち上げミラー116は、所定の膜厚の高屈折率と低屈折率の誘電体材料を交互に積層することにより形成されている。
【0071】
1/4波長板117及び120は、入射した直線偏光の光を円偏光に、円偏光の光を直線偏光に変換する機能を有している。
【0072】
第1の対物レンズ118は、光ディスク131の情報記録面に光を集光するためのものである。尚、本実施の形態では、光ディスク131はBDである。
【0073】
第2の立ち上げミラー119は、波長λ及び波長λの光を偏向するものであり、例えば、ダイクロイックミラー等により形成されている。具体的には、第2の立ち上げミラー119は、所定の膜厚の高屈折率と低屈折率の誘電体材料を交互に積層形成することにより形成されている。
【0074】
第2の対物レンズ121は、光ディスク132の情報記録面に光を集光するためのものである。尚、本実施の形態では、光ディスク132はDVDまたはCDである。
【0075】
第2の光学素子122は、波長λの光をトラッキング信号用とデータ読み取り用の信号に分離するものである。具体的には、波長λの光及び波長λの光においては光学的に作用することなく、波長λの光においては回折格子として作用する光学素子である。この光学素子における第1の材料層21を形成する材料と第2の材料層22を形成する材料は、図2に示すような屈折率の特性を有している。
【0076】
シリンドリカルレンズ123は、波長λ、波長λ及び波長λの光を光検出器124に入射させるためのものである。
【0077】
光検出器124は、入射した波長λ、波長λ及び波長λの光の光量に応じた電気信号を出力するものである。
【0078】
次に、本実施の形態における光ヘッド装置において、光ディスク131における情報を再生等する場合について説明する。本実施の形態では、光ディスク131はBDであり、光源111よりBDに対応した波長λの光が出射される。光源111より出射された波長λの光は、第1の光学素子112を光学的な作用を受けることなく透過し、偏光ビームスプリッタ113に入射する。偏光ビームスプリッタ113に入射した光はそのまま透過し、コリメータレンズ115により略平行光にコリメートされ、第1の立ち上げミラー116により反射され偏向される。第1の立ち上げミラー116により偏向された光は、1/4波長板117に入射し左回りの円偏光の光となって出射され、第1の対物レンズ118により、光ディスク131、即ち、BDの情報記録面に集光されて照射される。光ディスク131に照射された光は、光ディスク131の情報記録面において反射され、第1の対物レンズ118を介し、1/4波長板117に入射する。1/4波長板117では入射の際の偏光方向と直交する偏光方向の光に変換され、第1の立ち上げミラー116において偏向され、コリメータレンズ115を介し、偏光ビームスプリッタ113に入射する。偏光ビームスプリッタ113に入射した光は、偏光ビームスプリッタ113において偏向され、第2の光学素子122に入射する。第2の光学素子122に入射した光は第2の光学素子122によりトラッキング信号用とデータ読み取り用の信号とに分離されて、シリンドリカルレンズ123により集光され、光検出器124に入射する。光検出器124からは入射した光の光量に応じた電気信号が出力されるため、この電気信号に基づき光ディスク131であるBDに記録されていた情報が再生される。
【0079】
次に、本実施の形態における光ヘッド装置において、光ディスク132における情報を再生等する場合について説明する。本実施の形態では、光ディスク132はDVDまたはCDであり、光源111よりDVDに対応した波長λの光、または、CDに対応した波長λの光が出射される。光源111より出射された波長λまたは波長λの光は、第1の光学素子112によりトラッキング信号用とデータ読み取り用の信号とに分離され、この後、偏光ビームスプリッタ113を透過し、コリメータレンズ115に入射する。コリメータレンズ115に入射した光は、コリメータレンズ115により略平行光にコリメートされ、第1の立ち上げミラー116を透過し、第2の立ち上げミラー119により反射され偏向される。第2の立ち上げミラー119により偏向された光は、1/4波長板120に入射し左回りの円偏光の光となって出射され、第2の対物レンズ121により、光ディスク132、即ち、DVDまたはCDの情報記録面に集光されて照射される。光ディスク132に照射された光は、光ディスク132の情報記録面において反射され、第2の対物レンズ121を介し、1/4波長板120に入射する。1/4波長板120では入射の際の偏光方向と直交する偏光方向の光に変換され、第2の立ち上げミラー119において偏向され、第1の立ち上げミラー116を透過し、コリメータレンズ115を介し、偏光ビームスプリッタ113に入射する。偏光ビームスプリッタ113に入射した光は、偏光ビームスプリッタ113において偏向され、第2の光学素子122において光学的な作用を受けることなく透過し、シリンドリカルレンズ123により集光され、光検出器124に入射する。光検出器124からは入射した光の光量に応じた電気信号が出力されるため、この電気信号に基づき光ディスク132であるDVDまたはCDに記録されていた情報が再生される。
【0080】
本実施の形態における光ヘッド装置では、第1の光学素子112及び第2の光学素子122は、第1の実施の形態における光学素子を用いているため、耐久性が高い。
【0081】
また、第1の光学素子112、第2の光学素子122を同時に利用せずに光ヘッド装置を構成してもよい。
【0082】
また、第1の光学素子112では、波長λの光においては光学的に作用することなく、波長λ及び波長λの光をトラッキング信号用とデータ読み取り用の信号に分離するものとし、第2の光学素子122では、波長λの光をトラッキング信号用とデータ読み取り用の信号に分離し、波長λ及び波長λの光においては光学的に作用しないとしたが、波長に対する作用を逆転させてもよい。
【0083】
また、波長λの光をトラッキング信号用とデータ読み取り用の信号に分離する素子を通常の回折素子としても、回折効率が小さいような素子とすれば、より波長の長い波長λ及び波長λの光の透過率は高くなる。よって、第1の光学素子112、第2の光学素子122のいずれかを通常の回折素子として、利用することも可能である。
【0084】
また、第2の光学素子122を利用せず、第1の光学素子112の構成を、波長λの光においては光学的に作用することなく、波長λ及び波長λの光をトラッキング信号用とデータ読み取り用の信号に分離する回折素子と、波長λの光をトラッキング信号用とデータ読み取り用の信号に分離し、波長λ及び波長λの光においては光学的に作用しない素子を積層した構成としてもよい。このとき、上記と同様に、通常の回折素子と波長によって作用が異なる本発明の回折素子を積層する構成としてもよい。
【0085】
また、第1の光学素子112を利用せず、第2の光学素子122の構成を、波長λの光においては光学的に作用することなく、波長λ及び波長λの光をトラッキング信号用とデータ読み取り用の信号に分離する回折素子と、波長λの光をトラッキング信号用とデータ読み取り用の信号に分離し、波長λ及び波長λの光においては光学的に作用しない素子を積層した構成としてもよい。このとき、上記と同様に、通常の回折素子と波長によって作用が異なる本発明の回折素子を積層する構成としてもよい。
【0086】
尚、本実施の形態における光ヘッド装置には、第2から第4の実施の形態における光学素子を用いることも可能である。
【0087】
〔第7の実施の形態〕
次に、第7の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第6の実施の形態における光ヘッド装置の光源111を異なる構造のものに置き換えたものである。即ち、本実施の形態における光ヘッド装置は、図13に示すように、光源111に代えて、第1の光源151、第2の光源152、レンズ153、ダイクロイックプリズム154が設けられているものである。
【0088】
第1の光源151は、波長λの405nmの光を出射する半導体レーザであり、第2の光源152は、波長λの660nmの光及び波長λの785nmの光を出射する半導体レーザである。レンズ153は、第1の光源より出射された波長λの光を所定のRIM強度となるようにRIM強度補正を行うものであり、レンズ153に入射した所定の倍率に変換される。ダイクロイックプリズム154は、波長λの光を透過し、波長λの光及び波長λの光を偏向する機能を有するものである。
【0089】
本実施の形態では、第1の光源151より出射された波長λの光は、レンズ153に入射し所定の倍率に変換された後、ダイクロイックプリズム154を透過し、第1の光学素子112に入射する。また、第2の光源152より出射された波長λの光及び波長λの光は、ダイクロイックプリズム154において偏向された後、第1の光学素子112に入射する。
【0090】
本実施の形態では、ダイクロイックプリズム154を出射した光が、第1の光学素子112に入射する構造であるため、一般的に多層膜層数が多いこと等によって高価になり易いダイクロイックプリズム154の大きさを小さくすることができ、より一層光ヘッド装置を小型化することができ、また低コストなものとすることができる。尚、上記以外の内容については、第6の実施の形態と同様である。
【0091】
〔第8の実施の形態〕
次に、第8の実施の形態について説明する。図14に基づき。本実施の形態における光ヘッド装置について説明する。本実施の形態における光ヘッド装置は、第6の実施の形態における光ヘッド装置の偏光ビームスプリッタ113とコリメータレンズ115との間に波長選択レンズ114を設けた構造のものである。
【0092】
波長選択レンズ114は、波長λ及び波長λの光に対しては、レンズとして作用することなく、そのまま光を透過し、波長λの光に対しては、レンズとして作用するものである。このような波長選択レンズ114としては、第5の実施の形態における光学素子を用いることができる。
【0093】
尚、BD、DVD、CDでは、必要となるRIM強度や、光源から出射されるレーザ光の利用効率等が異なるため、光源とコリメータレンズの位置関係が異なり、同じ光検出器に集光できないという問題や、また、BD、DVD、CDに対応した各々の波長の光を出射できる3波長レーザを光源として用いることができるが、BDではRIM強度を大きくしたいことから、焦点距離を長くすることが求められており、DVD、CDでは、レーザ光の利用効率を高めるため、焦点距離を短くすることが求められており、相互の要求が相反するといった問題などを解決すために、波長選択レンズは用いられる。
【0094】
次に、本実施の形態における光ヘッド装置において、光ディスク131における情報を再生等する場合について説明する。本実施の形態では、光ディスク131はBDであり、光源111よりBDに対応した波長λの光が出射される。光源111より出射された波長λの光は、第1の光学素子112及び偏光ビームスプリッタ113を透過し、波長選択レンズ114に入射する。波長選択レンズ114は、波長λの光については、レンズとして作用するため、入射した波長λの光は屈折する。この後、波長選択レンズ114を出射した光は、コリメータレンズ115により略平行光にコリメートされ、第1の立ち上げミラー116により反射され偏向される。第1の立ち上げミラー116により偏向された光は、1/4波長板117に入射し左回りの円偏光の光となって出射され、第1の対物レンズ118により、光ディスク131、即ち、BDの情報記録面に集光されて照射される。光ディスク131に照射された光は、光ディスク131の情報記録面において反射され、第1の対物レンズ118を介し、1/4波長板117に入射する。1/4波長板117では入射の際の偏光方向と直交する偏光方向の光に変換され、第1の立ち上げミラー116において偏向され、コリメータレンズ115を介し、波長選択レンズ114に入射する。波長選択レンズ114に入射した光は、波長選択レンズ114により屈折し、偏光ビームスプリッタ113において偏向され第2の光学素子122に入射する。第2の光学素子122に入射した光は、第2の光学素子122によりトラッキング信号用とデータ読み取り用の信号とに分離されて、シリンドリカルレンズ123により集光され、光検出器124に入射する。光検出器124からは入射した光の光量に応じた電気信号が出力されるため、この電気信号に基づき光ディスク131であるBDに記録されていた情報が再生される。
【0095】
次に、本実施の形態における光ヘッド装置において、光ディスク132における情報を再生等する場合について説明する。本実施の形態では、光ディスク132はDVDまたはCDであり、光源111よりDVDに対応した波長λの光、または、CDに対応した波長λの光が出射される。光源111より出射された波長λまたは波長λの光は、第1の光学素子112によりトラッキング信号用とデータ読み取り用の信号とに分離され、この後、偏光ビームスプリッタ113を透過し、波長選択レンズ114に入射する。波長選択レンズ114は、波長λ及び波長λの光については、レンズとして作用することなく、そのまま透過する。この後、波長選択レンズ114を出射した光は、コリメータレンズ115により略平行光にコリメートされ、第1の立ち上げミラー116を透過し、第2の立ち上げミラー119により反射され偏向される。第2の立ち上げミラー119により偏向された光は、1/4波長板120に入射し左回りの円偏光の光となって出射され、第2の対物レンズ121により、光ディスク132、即ち、DVDまたはCDの情報記録面に集光されて照射される。光ディスク132に照射された光は、光ディスク132の情報記録面において反射され、第2の対物レンズ121を介し、1/4波長板120に入射する。1/4波長板120では入射の際の偏光方向と直交する偏光方向の光に変換され、第2の立ち上げミラー119において偏向され、第1の立ち上げミラー116を透過し、コリメータレンズ115を介し、波長選択レンズ114に入射する。波長選択レンズ114に入射した光は、そのまま透過し、偏光ビームスプリッタ113において偏向され、第2の光学素子122を透過し、シリンドリカルレンズ123により集光され、光検出器124に入射する。光検出器124からは入射した光の光量に応じた電気信号が出力されるため、この電気信号に基づき光ディスク132であるDVDまたはCDに記録されていた情報が再生される。
【0096】
本実施の形態における光ヘッド装置では、波長選択レンズ114を、偏光ビームスプリッタ113とコリメータレンズ115との間に設置することにより、光ディスク131を照射する光と光ディスク131により反射された光との双方においてレンズとして作用させることができる。
【0097】
尚、波長選択レンズ114は、コリメータレンズ115と第1の立ち上げミラー116との間に設置した場合においても同様の効果を得ることができる。また、上記以外の内容については、第6の実施の形態と同様である。
【0098】
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。
【0099】
〔第9の実施の形態〕
次に、第9の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態における光学素子を有する光ヘッド装置である。本実施の形態における光ヘッド装置は、図15に示すように、3種類の異なる光ディスク、例えば、BD、DVD、CDの光ディスクに対応したものであり、1つの光ヘッド装置により3種類の異なる光ディスクの記録及び再生を行うことができるものである。即ち、この光ヘッド装置は、405nm波長帯、660nm波長帯、785nm波長帯の光に対応したものである。
【0100】
本実施の形態における光ヘッド装置では、光源111、第1の光学素子112、第3の光学素子125、偏光ビームスプリッタ113、コリメータレンズ115、第1の立ち上げミラー116、1/4波長板117、対物レンズ118、第2の立ち上げミラー119、1/4波長板120、第2の対物レンズ121、第2の光学素子122、シリンドリカルレンズ123、光検出器124を有している。
【0101】
光源111は、3つの波長の光を出射することのできる3波長レーザであり、具体的には、405nm波長帯である波長λの光、660nm波長帯である波長λの光、785nm波長帯である波長λの光の3つの波長の光を対応する光ディスクに応じて出射することができる。ただし、3波長レーザは、作成上の問題から、同一の出射位置から全ての波長のレーザ光を出射できない場合がある。
【0102】
光源111から出射される光線の実線で表したものを660nmと785nm波長帯の光とし、破線にて表したものを405nm波長帯の光とし、実線の光線と破線の光線の光軸は一致していないとする。
【0103】
第3の光学素子125は、405nm波長帯の光のみを回折し、660nmと785nm波長帯の光と同様の光軸が一致するようにする作用を持つ。ただし、第3の光学素子125は、光軸を一致させる作用だけでなく、光軸方向の発光点位置を調整する機能や光軸を補正する際に発生する光量分布を補正する機能を付随させてもよく、また、複数枚の組み合わせによって機能を発現しても良い。
【0104】
第3の光学素子125の構造の1例を、図16に示す。図16に示すように、透明基板11の一方の面に表面にブレーズ等が形成された第1の材料層23が形成されており、第1の材料層23のブレーズ等が形成されている面の全体を覆うように、第2の材料層24が形成されている。第1の材料層23は第1の実施の形態における第1の材料層21を形成する材料と同一の材料が用いられており、第2の材料層24は第1の実施の形態における第2の材料層22を形成する材料と同一の材料が用いられている。
【0105】
第1の光学素子112と第2の光学素子122、その他の光学部材、ピックアップの機能については、実施の形態7と同様である。
【0106】
〔第10の実施の形態〕
次に、第10の実施の形態について説明する。本実施の形態は、第1の実施の形態における光学素子と第6の実施の形態から第8の実施の形態におけるコリメータレンズ115とを一体化した構造の波長選択コリメータレンズである。
【0107】
具体的には、図17に示すように、本実施の形態における波長選択コリメータレンズ310は、第6の実施の形態等におけるコリメータレンズ115と同様の構造のコリメータレンズ本体315の一方の面に、表面がフレネルレンズ形状の第1の材料層321を形成し、この第1の材料層321上に第2の材料層322を形成したものである。これにより本実施の形態における波長選択コリメータレンズ310は、波長によって焦点距離の異なるコリメータレンズとなる。本実施の形態では、コリメータレンズ本体315は、ガラス材料BK7により形成されており、第1の材料層321は水ガラスとチタニア微粒子コンポジットにより形成されるシリカ−チタニアコンポジット材料により形成されており、第2の材料層322は水ガラスとジルコニア微粒子コンポジットにより形成されるシリカ−ジルコニアコンポジット材料により形成されている。尚、本実施の形態は、他の実施の形態を適用したものであってもよい。
【0108】
〔第11の実施の形態〕
次に、第11の実施の形態について説明する。本実施の形態における光学素子は、第1の材料層の表面に凹凸構造が形成されているものである。凹凸形状は、各種収差形状等にすることにより光学系の残留収差を波長によって取り除いたり、または、特定の波長に対して選択的に付与することができる。
【0109】
本実施の形態における光学素子400は、図18に示すように、透明基板11の一方の面に表面に凹凸形状が形成された第1の材料層23が形成されており、第1の材料層23の凹凸形状が形成されている面の全体を覆うように、第2の材料層24が形成されている。第1の材料層23は第1の実施の形態における第1の材料層21を形成する材料と同一の材料が用いられており、第2の材料層24は第1の実施の形態における第2の材料層22を形成する材料と同一の材料が用いられている。
【0110】
図19に、本実施の形態における光学素子400を光線の入射方向から見た図を示しており、領域401、領域402、領域403、領域404の順に第1の材料層が薄くなるようになっている。このような形状とすることで、本素子に入射した光線のうち、BD波長にて選択的に非点収差(AS)の収差を付与するような機能を得ることができる。本実施の形態では、ASの形状としたが、任意の形状のものを作成することができる。
【0111】
本実施の形態における光学素子の製造方法において第1の材料層23の表面に凹凸形状を形成する際は、図5(b)と図5(c)に示す工程を繰り返し行うことにより、多段の擬似ブレーズを形成することができる。また、また、第4の実施の形態における製造方法におけるインプリントによりブレーズ等の形状に形成することができる。
【0112】
また、本実施の形態における光学素子は、図11に示すように、透明基板11と第1の材料層23との間に反射防止膜34を形成したものであってもよい。尚、上記以外の内容については、第1の実施の形態から第3の実施の形態と同様である。
【0113】
以上、本発明の実施に係る形態について説明したが、上記内容は、発明の内容を限定するものではない。
【符号の説明】
【0114】
11 透明基板
21 第1の材料層
22 第2の材料層
31 反射防止膜
32 反射防止膜
111 光源
112 第1の光学素子(回折光学素子)
113 偏光ビームスプリッタ
114 波長選択レンズ
115 コリメータレンズ
116 第1の立ち上げミラー
117 1/4波長板
118 第1の対物レンズ
119 第2の立ち上げミラー
120 1/4波長板
121 第2の対物レンズ
122 第2の光学素子(回折光学素子)
123 シリンドリカルレンズ
124 光検出器
131 光ディスク
132 光ディスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光を透過する光学部材と、
前記光学部材の表面に形成された第1の材料層と、
前記第1の材料層の上に形成された第2の材料層と、を有し、
前記第1の材料層と前記第2の材料層との界面には、フレネルレンズまたは回折構造または凹凸構造が形成されており、
前記第1の材料層及び前記第2の材料層は、ともに無機材料により形成されており、
前記第1の材料層の屈折率と前記第2の材料層の屈折率との差は、390nmから830nmの波長の光のうち、1の波長λの光における屈折率差Δnは、0.05以上であり、他の波長λの光における屈折率差Δnとした場合、(λΔn/λΔn)≧5を満たすものであり、前記他の波長λの光は1または2の波長の光であって、
390nmから830nmまでの波長の光における透過率が50%以上であることを特徴とする光学素子。
【請求項2】
前記1の波長λの光は、波長λの光であり、
前記他の波長λの光は、波長λの光及び波長λの光であって、
λ<λ<λである請求項1に記載の光学素子。
【請求項3】
前記1の波長λの光は、波長λの光又は波長λの光であり、
前記他の波長λの光は、波長λの光であって、
λ<λ<λである請求項1に記載の光学素子。
【請求項4】
前記波長λの光は、405nm波長帯の光であって、
前記波長λの光は、660nm波長帯の光であって、
前記波長λの光は、785nm波長帯の光である請求項2または3に記載の光学素子。
【請求項5】
前記第1の材料層には、酸化チタン、酸化ニオブ、硫化亜鉛、酸化亜鉛、酸化ビスマス、チタン酸バリウム及びチタン酸ストロンチウムのうちから選ばれる1また2以上のものと、酸化シリコン及び酸化アルミニウムのいずれかまたは双方を含む材料もしくはこれらを含まず、酸化チタン、酸化ニオブ、硫化亜鉛、酸化亜鉛、酸化ビスマス、チタン酸バリウム及びチタン酸ストロンチウムがポーラスとなっている材料により形成されている請求項1から4のいずれかに記載の光学素子。
【請求項6】
前記第2の材料層は、五酸化タンタル、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸窒化シリコン、窒化シリコン、ダイアモンド及びダイアモンドライクカーボンのうちから選ばれる1また2以上のものを含む材料により形成されている請求項1から5のいずれかに記載の光学素子。
【請求項7】
前記光学素子の両面には、各々反射防止膜が形成されている請求項1から6のいずれかに記載の光学素子。
【請求項8】
前記光学部材と前記第1の材料層との間には反射防止膜が形成されている請求項1から7のいずれかに記載の光学素子。
【請求項9】
複数の波長の光を出射する光源と、
前記光源から出射された各々の波長帯の光を各々の波長帯の光に対応した光ディスクの情報記録面に集光させる対物レンズと、
前記光ディスクの情報記録面において反射された信号光を検出するための光検出器と、
前記光ディスクに向かう光と前記光ディスクより反射された光とを分岐するビームスプリッタと、
を有する光ヘッド装置において、
前記光源から前記光検出器までの光路上に請求項1から8のいずれかに記載の光学素子が設置されていることを特徴とする光ヘッド装置。
【請求項10】
前記光源は、3つの異なる波長の光を出射するものであって、
前記光検出器は、前記3つの異なる波長の光を検出するものである請求項9に記載の光ヘッド装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−243378(P2012−243378A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−116137(P2011−116137)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(000000044)旭硝子株式会社 (2,665)
【Fターム(参考)】