説明

光導波路用樹脂組成物の製造方法

【課題】 十分な光伝送能力及び十分に高いパターン形成精度を有する光導波路を形成することが可能な光導波路用樹脂組成物の製造方法を提供すること。
【解決手段】 テトラカルボン酸無水物とジアミンとの重合反応により得られる下記一般式(1)で示されるポリイミド前駆体と、光重合開始剤とを含有しており、前記重合反応においてリン酸トリエステルを溶媒として用いることを特徴とする光導波路用樹脂組成物の製造方法。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光導波路用樹脂組成物の製造方法に関し、より詳しくは、可撓性を有する光配線基板や光電気複合配線基板等において好適に用いることができる光導波路用樹脂組成物の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、電子機器の高性能化や高機能化が急速に進んでいることに伴い、電子機器における伝送情報の大容量化や高速化が要求されており、電子機器内部の高集積化や信号の高周波化が進行している。一方、このように電子回路の高集積化や電気信号の高周波化が進行することにより、電気信号のクロストークやノイズが発生すること、特性インピーダンスが調整困難となることや高周波領域において損失が発生することといった問題が生じるが、これらの問題を電気信号による情報伝送に関する技術により改善することが困難であった。そこで、これらの問題を解決し得る情報伝送の手法として、光導波路を用いた光による情報伝送が検討されている。
【0003】
また、携帯用機器や小型機器といった電子機器においては、各種部品が密に配置されているので、部品間の狭い隙間を縫うようにして配線しなければならない。そのため、配線基板としては可撓性を有する配線基板が広く用いられており、このような可撓性を有する光配線基板や光電気複合配線基板等において好適に用いることができる光導波路が要求されている。
【0004】
このような光導波路として、例えば、国際公開第2008/007673号(特許文献1)には、光導波路の材料として特定のシロキサン変性ポリイミド樹脂を用いた光導波路が開示されている。このシロキサン変性ポリイミド樹脂を用いた光導波路は、屈曲性に優れており、さらには現像液での現像が可能なフォトリソグラフィー性能を有しているため、光照射によりコア(光路)のパターン形成が可能であるということを特徴としている。
【0005】
一般に、ポリイミド樹脂はポリイミドの前駆体であるポリアミック酸をイミド化させることにより得ることができ、ポリアミック酸はジアミン化合物とテトラカルボン酸二無水物とを重合反応させることで得ることができる。
【0006】
しかしながら、特許文献1に記載のようにジアミン化合物が脂肪族ジアミンの場合、反応途中で生成するカルボン酸と脂肪族ジアミンとが塩を形成し、この塩が溶媒に不溶化するため重合反応が進行せず溶液が白濁し、さらには重合体の析出が発生する。
【0007】
また、かかる白濁した樹脂組成物を用いてコアを製造した場合には、塩が光の散乱原因となるため、光導波路における伝送損失が大きくなるという問題が実用面において生じていた。
【0008】
さらに、このような樹脂組成物に光照射を行っても光が散乱してしまい、光が底部まで届くのが困難であった。このため、フォトリソグラフィーによって得られるコアの形状は、コア層上部に対して底部が細くなるという逆台形型の形状になり易く、光を伝送する領域が小さくなるため、十分な光伝送能力を有する光導波路が得られにくいという問題も生じていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】国際公開第2008/007673号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、十分な光伝送能力及び十分に高いパターン形成精度を有する光導波路を形成することが可能な光導波路用樹脂組成物の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、光導波路を形成するために用いられる光導波路用樹脂組成物の製造方法において、テトラカルボン酸無水物と、シロキサンジアミン又は芳香族ジアミンとの重合反応においてリン酸トリエステルを溶媒として用いることにより、十分な光伝送能力及び十分に高いパターン形成精度を有する光導波路を形成することが可能な光導波路用樹脂組成物を製造することが可能となることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち、本発明の光導波路用樹脂組成物の製造方法は、光導波路を形成するために用いられる光導波路用樹脂組成物の製造方法であって、
前記光導波路用樹脂組成物は、テトラカルボン酸無水物とジアミンとの重合反応により得られる下記一般式(1)で示されるポリイミド前駆体と、光重合開始剤とを含有しており、前記重合反応においてリン酸トリエステルを溶媒として用いることを特徴とする方法である。
【0013】
【化1】

【0014】
(式(1)中、Arはテトラカルボン酸無水物由来の4価の有機基を示し、Xは下記一般式(2)で示される2価の有機基又は芳香族ジアミン由来の2価の有機基を示し、nは5〜200を示す。なお、Ar及びXは各々同一でも異なっていてもよい。但し、式(1)中のXの少なくとも1つは下記一般式(2)で示される2価の有機基を示す。)
【0015】
【化2】

【0016】
(式(2)中、Rは炭素数1〜5の炭化水素基を示し、R及びRはメチル基、フェニル基及びビニル基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基をそれぞれ独立に示し、mは1〜50を示す。なお、mが2以上の場合には、R及びRは各々同一でも異なっていてもよい。)。
【0017】
また、本発明にかかるポリイミド前駆体は、メチル基及びフェニル基を有する前記一般式(2)で示される2価の有機基と、メチル基及びビニル基を有する前記一般式(2)で示される2価の有機基とを有していることが好ましい。
【0018】
さらに、ポリイミド前駆体が有する前記一般式(2)で示される2価の有機基中のメチル基、フェニル基及びビニル基の合計個数に対して、本発明にかかる該フェニル基の合計個数としては5〜50%であり、本発明にかかる該ビニル基の合計個数としては2〜40%であることが好ましい。
【0019】
また、本発明にかかるポリイミド前駆体が有する前記芳香族ジアミン由来の2価の有機基の合計の含有比率としては、前記ポリイミド前駆体が有する全Xに対して5〜50mol%であることが好ましい。
【0020】
さらに、本発明にかかるリン酸トリエステルの配合量としては、前記重合反応における前記テトラカルボン酸無水物の配合量の2〜80倍mol量であることが好ましい。
【0021】
また、本発明にかかる光導波路用樹脂組成物としては、前記ポリイミド前駆体と更に不飽和結合を有するモノマーとを反応させて得られた架橋ポリイミド前駆体及び前記光重合開始剤を含有し、且つ前記モノマーの配合量が前記ポリイミド前駆体100重量部に対して1〜30重量部であることが好ましい。
【0022】
なお、本発明の光導波路用樹脂組成物の製造方法によって、十分な光伝送能力及び十分に高いパターン形成精度を有する光導波路の形成が可能な光導波路用樹脂組成物が提供できるという理由は必ずしも定かではないが、本発明者らは以下のように推察する。すなわち、テトラカルボン酸無水物とシロキサン変性ジアミンとの重合反応において、前記テトラカルボン酸無水物から生成されるカルボン酸と前記シロキサン変性ジアミンとの反応によって生じる塩の析出をリン酸トリエステルは抑制することができるため、かかる塩が要因となる光伝送損失の向上並びにパターン形成精度の低下を光導波路の形成において抑えることができると推察する。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、十分な光伝送能力及び十分に高いパターン形成精度を有する光導波路を形成することが可能な光導波路用樹脂組成物の製造方法を提供することが可能となる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明をその好適な実施形態に即して詳細に説明する。
【0025】
本発明は、光導波路を形成するために用いられる光導波路用樹脂組成物の製造方法であって、
前記光導波路用樹脂組成物は、テトラカルボン酸無水物とジアミンとの重合反応により得られる下記一般式(1)で示されるポリイミド前駆体と、光重合開始剤とを含有しており、前記重合反応においてリン酸トリエステルを溶媒として用いることを特徴とする方法である。
【0026】
【化3】

【0027】
(式(1)中、Arはテトラカルボン酸無水物由来の4価の有機基を示し、Xは下記一般式(2)で示される2価の有機基又は芳香族ジアミン由来の2価の有機基を示し、nは5〜200を示す。なお、Ar及びXは各々同一でも異なっていてもよい。但し、式(1)中のXの少なくとも1つは下記一般式(2)で示される2価の有機基を示す。)
【0028】
【化4】

【0029】
(式(2)中、Rは炭素数1〜5の炭化水素基を示し、R及びRはメチル基、フェニル基及びビニル基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基をそれぞれ独立に示し、mは1〜50を示す。なお、mが2以上の場合には、R及びRは各々同一でも異なっていてもよい。)。
【0030】
先ず、本発明で用いられるポリイミド前駆体について説明する。本発明で用いられるポリイミド前駆体は、リン酸トリエステルを溶媒として用いて、テトラカルボン酸無水物とジアミンとの重合反応により得られる前記一般式(1)で示されるシロキサン変性ポリイミド前駆体であり、後述の現像液に可溶性を有するものである。
【0031】
本発明で用いられるポリイミド前駆体の重量平均分子量としては、1万〜20万であることが好ましく、2万〜10万であることがより好ましい。前記重量平均分子量が、前記下限未満だと、後述の現像液に対する光導波路用樹脂組成物の溶解性が高くなり過ぎるため、フォトリソグラフィーによるパターニング時に露光部が溶解し易くなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると現像液に対する溶解性が悪くなり、フォトリソグラフィーによるパターニング時に未露光部が溶解し難くなる傾向にある。
【0032】
なお、本発明において、重量平均分子量とはポリスチレンを標準としてゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定される分子量のことをいう。
【0033】
また、本発明で用いられるポリイミド前駆体を示す前記一般式(1)において、Arは後述のテトラカルボン酸無水物由来の4価の有機基を示し、Xは前記一般式(2)で示される2価の有機基又は後述の芳香族ジアミン由来の2価の有機基を示す。
【0034】
さらに、前記一般式(1)において、nは5〜200(好ましくは10〜100)の整数を示す。nが前記下限未満だと、後述の現像液に対する光導波路用樹脂組成物の溶解性が高くなるため、フォトリソグラフィーによるパターニング時に露光部が溶解してしまい、他方、nが前記上限を超えると、フォトリソグラフィーによるパターニング時に未露光部が溶解しなくなる。
【0035】
また、前記一般式(1)において、Ar及びXは各々同一でも異なっていてもよいが、本発明で用いられるポリイミド前駆体が後述の現像液に可溶性を有するという観点から、前記一般式(1)中のXの少なくとも1つは前記一般式(2)で示される2価の有機基である必要がある。
【0036】
さらに、前記一般式(1)で示されるポリイミド前駆体が有する、後述の芳香族ジアミン由来の2価の有機基の合計の含有比率は、前記ポリイミド前駆体が有する全Xに対して5〜50mol%であることが好ましく、10〜40mol%であることがより好ましい。前記含有比率が前記下限未満だと、得られる光導波路の屈折率が小さくなり易い傾向にあり、他方、前記上限を超えると、後述の現像液に対する溶解性が悪くなり、フォトリソグラフィーによる光導波路のパターン形成が困難となる傾向にある。
【0037】
さらに、前記一般式(1)で示されるポリイミド前駆体はランダム共重合体又はブロック共重合体でもよいが、得られる光導波路の製造において、非晶質構造を均一に有するコアが得られ易いという観点から、ランダム共重合体であることが好ましい。
【0038】
また、前記一般式(1)中のXを示す前記一般式(2)において、Rは炭素数1〜5の炭化水素基を示すが、合成のしやすさ及び原料入手の容易性の観点から、炭素数1〜5の直鎖アルキレン基を示すことが好ましい。
【0039】
さらに、前記一般式(2)において、mは1〜50(好ましくは1〜20)の整数を示す。mが前記上限を超えると、ポリイミド前駆体は半固形となり、後述の溶媒に溶解し難くなる。また、mが2以上の場合には、R及びRは各々同一でも異なっていてもよく、また、前記一般式(2)で示される2価の有機基はランダム共重合体又はブロック共重合体でもよいが、後述の光導波路の製造において、非晶質構造を均一に有するコアが得られ易いという観点から、ランダム共重合体であることが好ましい。
【0040】
さらに、前記一般式(2)において、R及びRはメチル基、フェニル基及びビニル基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基をそれぞれ独立に示すが、後述の光硬化の反応性を高めると共に、得られる光導波路の屈折率を大きくし易いという観点から、本発明で用いられるポリイミド前駆体は、メチル基及びフェニル基を有する前記一般式(2)で示される2価の有機基と、メチル基及びビニル基を有する前記一般式(2)で示される2価の有機基とを有していることが好ましい。
【0041】
また、本発明で用いられるポリイミド前駆体が有する前記一般式(2)中のメチル基、フェニル基及びビニル基の合計個数に対して、フェニル基の合計個数は5〜50%であり、ビニル基の合計個数は2〜40%であることが好ましく、フェニル基の合計個数は10〜40%であり、ビニル基の合計個数は2〜30%であることがより好ましい。フェニル基の合計個数が前記下限未満だと、後述のリン酸トリエステルに対する相溶性が悪化するため相分離し白濁し易く、また得られる光導波路の屈折率が小さくなり易い傾向にあり、他方、前記上限を超えると、ポリイミド前駆体の後述の溶媒への溶解性が悪くなる傾向となる。また、ビニル基の合計個数が前記下限未満だと後述の光照射によって架橋される部位(架橋点)が少なすぎるため光硬化が十分に進みにくく、現像時にパターン流れが発生し易い傾向にあり、他方、前記上限を超えると、架橋密度が高くなるため、得られるコアが硬くなり、可撓性が悪化する傾向となる。
【0042】
また、本発明で用いられるテトラカルボン酸無水物としては、後述のリン酸トリエステル中で後述のジアミンと重合反応することができ、前記一般式(1)中のArで示される有機基を有しているテトラカルボン酸無水物であればよく、例えば、ピロメリット酸二無水物、2,3,5,6−シクロヘキサン二無水物、2,2’,3,3’−、2,3,3’,4’−又は3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物(BTDA)、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA)、2,3’,3,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルスルホンテトラカルボン酸二無水物、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物(ODPA)、2,3’,3,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物、ビス(2,3−ジカルボキシフェニル)エーテル二無水物、3,3’’,4,4’’−、2,3,3’’,4’’−又は2,2’’,3,3’’−p−テルフェニルテトラカルボン酸二無水物、2,2−ビス(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェニル)−プロパン二無水物、ビス(2,3−又は3.4−ジカルボキシフェニル)メタン二無水物、ビス(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェニル)スルホン二無水物、1,1−ビス(2,3−又は3,4−ジカルボキシフェニル)エタン二無水物が挙げられる。また、これらのテトラカルボン酸無水物は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのテトラカルボン酸無水物の中では、ポリイミド前駆体の後述の溶媒への溶解性と得られるコアの可撓性の観点から、3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物(ODPA)を用いることが好ましい。
【0043】
さらに、本発明で用いられるジアミンとしては、後述のリン酸トリエステル中で前記テトラカルボン酸無水物と重合反応することができ、前記一般式(2)で示される2価の有機基を分子中に含有するジアミン又は芳香族ジアミンであればよい。
【0044】
このような前記一般式(2)を分子中に含有するジアミンは、下記一般式(3)で示されるシロキサン変性ジアミンであり、例えば、ω,ω'−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、ω,ω'−ビス(3−アミノプロピル)ポリメチルビニルシロキサン、ω,ω'−ビス(3−アミノプロピル)ポリジフェニルシロキサン、フェニル変性ω,ω'−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン、ビニル変性ω,ω'−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサンが挙げられ、これらのシロキサン変性ジアミンは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。また、これらのシロキサン変性ジアミンの中では、後述の溶媒への溶解性を有し、また重合反応によって得られるポリイミド前駆体がフェニル基及びビニル基を有するようになるという観点から、フェニル変性ω,ω'−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサン及びビニル変性ω,ω'−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサンを用いることが好ましい。
【0045】
【化5】

【0046】
さらに、前記一般式(3)で示されるシロキサン変性ジアミンとしては、数平均分子量500〜2000のものを用いることが好ましい。前記数平均分子量が前記下限未満のものを用いると、十分な可撓性を有するコアが得られ難い傾向にあり、他方、前記上限を超えるものを用いると、後述の溶媒に溶解(相溶)しにくくなる傾向にある。
【0047】
なお、本発明において、数平均分子量とはポリスチレンを標準としてゲルパーミエーションクロマトグラフィーによって測定される分子量のことをいう。
【0048】
さらに、このような芳香族ジアミンとしては、例えばm−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,6−ジアミノピリジン、1,4−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−アミノフェノキシ)ベンゼン、4,4'−[1,4−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスアニリン、4,4'−[1,3−フェニレンビス(1−メチルエチリデン)]ビスアニリン、ビス(p−アミノシクロヘキシル)メタン、ビス(p−β−アミノ−t−ブチルフェニル)エーテル、ビス(p−β−メチル−δ−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビス(2−メチル−4−アミノペンチル)ベンゼン、p−ビス(1,1−ジメチル−5−アミノペンチル)ベンゼン、1,5−ジアミノナフタレン、2,6−ジアミノナフタレン、2,4−ビス(β−アミノ−t−ブチル)トルエン、2,4−ジアミノトルエン、m−キシレン−2,5−ジアミン、p−キシレン−2,5−ジアミン、m−キシリレンジアミン、p−キシリレンジアミン、2,6−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノピリジン、2,5−ジアミノ−1,3,4−オキサジアゾール、ピペラジン、2,2−ビス−[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、2,2−ビス−[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]プロパン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]スルホン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)]ビフェニル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)ビフェニル、ビス[1−(4−アミノフェノキシ)]ビフェニル、ビス[1−(3−アミノフェノキシ)]ビフェニル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]メタン、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]エーテル、ビス[4−(4−アミノフェノキシ)]ベンゾフェノン、ビス[4−(3−アミノフェノキシ)]ベンゾフェノン、ビス[4,4'−(4−アミノフェノキシ)]ベンズアニリド、ビス[4,4'−(3−アミノフェノキシ)]ベンズアニリド、9,9−ビス[4−(4−アミノフェノキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(3−アミノフェノキシ)フェニル]フルオレン、4,4'−メチレンジ−o−トルイジン、4,4'−メチレンジ−2,6−キシリジン、4,4'−メチレン−2,6−ジエチルアニリン、4,4'−ジアミノジフェニルプロパン、3,3'−ジアミノジフェニルプロパン、4,4'−ジアミノジフェニルエタン、3,3'−ジアミノジフェニルエタン、4,4'−ジアミノジフェニルメタン、3,3'−ジアミノジフェニルメタン、4,4'−ジアミノジフェニルスルフィド、3,3'−ジアミノジフェニルスルフィド、4,4'−ジアミノジフェニルスルホン、3,3'−ジアミノジフェニルスルホン、4,4'−ジアミノジフェニルエーテル、3,3−ジアミノジフェニルエーテル、3,4'−ジアミノジフェニルエーテル、ベンジジン、3,3'−ジアミノビフェニル、3,3'−ジメチル−4,4'−ジアミノビフェニル、3,3'−ジメトキシベンジジン、4,4''−ジアミノ−p−テルフェニル、3,3''−ジアミノ−p−テルフェニル、2,2’−ジビニル−4,4’−ジアミノ−ビフェニル(VAB)、9,9−ビス(4−アミノフェノキシ)−9H−フルオレン(BAFL)が挙げられる。また、これらの芳香族ジアミンは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの芳香族ジアミンの中では、重合反応によって得られるポリイミド前駆体の後述の現像液への溶解性の観点から、9,9−ビス(4−アミノフェノキシ)−9H−フルオレン(BAFL)を用いることが好ましい。
【0049】
また、本発明で用いられるリン酸トリエステルとしては、前記テトラカルボン酸無水物と前記ジアミンとの重合反応の溶媒として用いることができ、また、前記テトラカルボン酸無水物から生成されるカルボン酸と前記シロキサン変性ジアミンとの反応によって生じる塩の析出を抑制できるものであればよく、例えば、リン酸トリメチル、リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、リン酸トリフェニルが挙げられる。これらの中でもポリイミド前駆体をイミド化させる際に行う後述の加熱処理によって除去することが可能であるという観点から、リン酸トリメチル、リン酸トリエチルを用いることが好ましい。
【0050】
さらに、前記テトラカルボン酸無水物と前記ジアミンとの重合反応における、本発明で用いられるリン酸トリエステルの配合量としては、前記重合反応における前記テトラカルボン酸無水物の配合量の2〜80倍mol量であることが好ましく、2〜40倍mol量であることがより好ましい。前記配合量が前記下限未満だと、前記テトラカルボン酸無水物から生成されるカルボン酸と前記シロキサン変性ジアミンとの反応によって生じる塩の析出が抑制しにくくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、重合時の固形分が低く、十分に前記重合反応が進行しにくくなる傾向にある。
【0051】
また、前記重合反応において用いられる溶媒として、前記リン酸トリエステルに他の溶剤を添加して用いてもよいが、かかる溶媒における前記リン酸トリエステルの配合量としては、前記重合反応における前記テトラカルボン酸無水物の配合量の2〜80倍mol量以上であることが好ましい。前記配合量が前記下限未満だと、前記テトラカルボン酸無水物から生成されるカルボン酸と前記シロキサン変性ジアミンとの反応によって生じる塩の析出が抑制しにくくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、重合時の固形分が低く、十分に前記重合反応が進行しにくくなる傾向にある。
【0052】
このような他の溶剤としては前記一般式(1)で示されるポリイミド前駆体を溶解することができるものであればよく、特に制限されないが、例えば、トリエチレングリコールジメチルエーテル(トリグライム)、ジエチレングリコールジメチルエーテル(ジグライム)、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)、N−メチルピロリドン(NMP)、N,N−ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(ペグミア)、乳酸エチルを用いることができ、1種又は2種以上のこれら溶剤を前記リン酸トリエステルに添加して用いてもよい。これら溶剤の中では、溶剤の沸点と前記重合反応によって得られるポリイミド前駆体の溶解性の観点から、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)を前記リン酸トリエステルに添加して用いることが好ましい。
【0053】
また、かかる溶媒中の本発明のポリイミド前駆体の固形分濃度としては、20〜55重量%であることが好ましく、30〜45重量%であることがより好ましい。前記固形分濃度が前記下限未満だと、粘度が低くなり過ぎるため、塗布や乾燥の際にポリイミド前駆体がはじかれてしまい、塗膜を得ることができにくくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えるとポリイミド前駆体の粘度が高くなり過ぎるため、後述のコア層等を均一の厚みをもって形成することが困難になる傾向にある。
【0054】
次に、本発明にかかる光導波路用樹脂組成物について説明する。本発明の光導波路用樹脂組成物は、光導波路を形成するために用いられる樹脂組成物であって、前記ポリイミド前駆体と、光重合開始剤とを少なくとも含有し、また後述の現像液に対する溶解性を有することを特徴とする。
【0055】
本発明で用いられる光重合開始剤としては、光導波路のパターンを形成するために、後述の光照射によってラジカルを生成することができ、本発明の光導波路用樹脂組成物の重合を開始させることが可能なものであればよい。このような光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、2,2−ジメトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、ミヒラーケトン、ベンジル、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−プロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインn−ブチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、チオキサソン、2−クロロチオキサソン、2−メチルチオキサソン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−1−オン、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、メチルベンゾイルフォーメート、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)−2−(o−ベンゾイルオキシム)](チバ・ジャパン社製の「IRGACURE OXE−01」)、エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−[o−アセチルオキシム]が挙げられる。また、これらの光重合開始剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの光重合開始剤の中では、光導波路用樹脂組成物の硬化速度と得られるコアの光透過性の観点から、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)−2−(o−ベンゾイルオキシム)]を用いることが好ましい。
【0056】
さらに、本発明で用いられる光重合開始剤の配合量としては、前記ポリイミド前駆体100重量部に対して、0.5〜20重量部であることが好ましく、0.5〜10重量部であることがより好ましい。前記配合量が前記下限未満では、光導波路用樹脂組成物の感光性が不十分となるため、後述の光導波路のパターンが形成しにくくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、光導波路用樹脂組成物の光透過性が悪化するため、後述のコア層の底部にまで光が届きにくくなり、底部の光硬化が不十分となり易い傾向にある。
【0057】
また、本発明にかかる光導波路用樹脂組成物としては、前記ポリイミド前駆体と更に不飽和結合を有するモノマーとを反応させて得られた架橋ポリイミド前駆体及び前記光重合開始剤を含有し、且つ前記モノマーの配合量が前記ポリイミド前駆体100重量部に対して1〜30重量部であることが好ましく、1〜20重量部であることがより好ましい。前記配合量が前記下限未満だと、光導波路用樹脂組成物の感光性が不十分となるため、後述の光導波路のパターンが形成しにくくなる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、不飽和結合を有するモノマーの架橋体による不均一構造が光導波路用樹脂組成物中に生成され、光散乱の原因となるため、十分な光伝送能力を有する光導波路が得られにくくなる傾向にある。
【0058】
本発明で用いられる不飽和結合を有するモノマーとしては、前記ポリイミド前駆体の架橋剤として機能するものであればよく特に限定されないが、前記ポリイミド前駆体との反応性の観点からアクリレートモノマーであることが好ましい。このようなアクリレートモノマーとしては、例えば、2−エチルヘキシルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、2−メトキシエトキシエチルアクリレート、2−エトキシエトキシエチルアクリレート、テトラヒドロフルフリールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、イソデシルアクリレート、ステアリルアクリレート、ラウリルアクリレート、グリシジルアクリレート、アリルアクリレート、エトキシアクリレート、メトキシアクリレート、N,N'−ジメチルアミノエチルアクリレート、ベンジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェート、ジシクロペンタジエニルアクリレート、ジシクロペンタジエンエトキシアクリレート等のモノアクリレート;ジシクロペンテニルアクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチルアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ブタンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリエチレングリコール200ジアクリレート、ポリエチレングリコール400ジアクリレート、ポリエチレングリコール600ジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸エステルネオペンチルグリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ビス(アクリロキシエトキシ)ビスフェノールA、ビス(アクリロキシエトキシ)テトラブロモビスフェノールA、トリプロピレングリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアネート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート等の多官能アクリレートが挙げられる。また、これらのアクリレートモノマーは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのアクリレートモノマーの中では、前記ポリイミド前駆体との反応性の観点から、ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートとの混合物を用いることが好ましく、これらの混合比率(ペンタエリスリトールトリアクリレート:ペンタエリスリトールテトラアクリレート)としてはモル比で1:9〜4:6であることが好ましい。
【0059】
さらに、本発明にかかる前記光導波路用樹脂組成物としては、前記ポリイミド前駆体、前記光重合開始剤、前記不飽和結合を有するモノマーとを反応させて得られた架橋ポリイミド前駆体の他に、増感剤を含有してもよい。このような増感剤としては特に制限はなく、例えば、ベンゾフェノン等の種々の芳香族化合物を用いることができる。
【0060】
また、このような増感剤の配合量は、シロキサン変性ポリイミド樹脂又はその前駆体100重量部に対して、前記ポリイミド前駆体100重量部に対して0.01〜2重量部であることが好ましく、0.05〜0.5重量部であることがより好ましい。
【0061】
さらに、本発明にかかる前記光導波路用樹脂組成物を後述の光導波路の製造において、ワニスとして用いる場合は、チクソトロピ−剤、消泡剤等を配合してもよい。
【0062】
次に、本発明によって得られる光導波路用樹脂組成物を用いた光導波路の製造方法について説明する。本発明によって得られる光導波路用樹脂組成物を用いた光導波路の製造方法としては、例えば、以下に示す工程
(i)アンダークラッド層を形成する工程
(ii)コア層を形成する工程
(iii)光導波路のパターンを形成する工程
(iv)オーバークラッド層を形成する工程
を含む方法が挙げられる。
【0063】
(i)の工程においては、クラッド材料からなるアンダークラッド層を基板の表面上に積層する。クラッド材料としては、硬化して得られるクラッド層と後述のコア層との屈折率の差(コア層の屈折率差−クラッド層の屈折率差)が0.02以上となるものであればよい。この屈折率差が0.02未満の場合、コアとクラッド層の界面から光が漏れやすくなり、得られる光導波路の伝送損失が悪化しやすくなるからである。
【0064】
さらに、このようなクラッド材料としては、硬化して得られるクラッド層が柔軟性を有し、屈折率の小さいものであることが好ましく、例えば特許文献1に記載されているシロキサン変性ポリイミド樹脂を含有するものが挙げられる。また、このようなクラッド材料に前記光重合開始剤や前記不飽和結合を有するモノマー等が配合されていてもよい。
【0065】
また、基板としては、特に制限されることなく、例えば、銅張り積層板、銅箔、ステンレス鋼(SUS)箔等の金属板、ポリイミドフィルム、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリプロピレン(OPP)フィルム等の樹脂フィルム、シリコンウェハーを用いることができる。
【0066】
前記クラッド材料からなるアンダークラッド層を前記基板の表面上に積層する方法としては特に制限されないが、例えば、クラッド材料をキャストする方法や、フィルム状態にしたクラッド材料をラミネートする方法を採用することができる。
【0067】
このような方法において、クラッド材料を塗工する方法としては、アンダークラッド層が所定の厚みや形状となるように塗工できればよく、公知の塗工方式を適宜選択して用いることができる。例えば、バーコート、グラビアコート、ロールコート、リバースコート、ナイフコート、ダイコート、リップコート、ドクターコート、エクストルージョンコート、スライドコート、カーテンコート、押出コート、スピナーコートを用いることができる。
【0068】
また、クラッド材料の乾燥条件としては、乾燥温度を80〜140℃の範囲内とし、乾燥時間を5〜30分間の範囲内とすることが好ましい。さらに、前記光重合開始剤をクラッド材料に配合している場合において、形成したアンダークラッド層の表面を硬化させる目的で光照射を行うことも可能である。この場合、露光量は50mJ/cm〜2000mJ/cmの範囲であることが好ましい。
【0069】
さらに、形成したアンダークラッド層の厚みは5〜40μmであることが好ましく、5〜35μmであることがより好ましく、5〜30μmであることが特に好ましい。アンダークラッド層の厚みが前記下限未満では、得られる光導波路のパターン形成精度が不十分となる傾向にあり、他方、前記上限を超えると、得られる光導波路の総厚みが厚くなるために、光導波路を用いた光配線基板の可撓性が低下する傾向にある。
【0070】
(ii)の工程においては、前記アンダークラッド層の表面上に前記光導波路用樹脂組成物からなるコア層を積層する。コア層を積層する方法としては特に制限されないが、例えば、前記光導波路用樹脂組成物をキャストする方法や、フィルム状態にした前記光導波路用樹脂組成物をラミネートする方法を採用することができる。
【0071】
このような方法において、前記光導波路用樹脂組成物を塗工する方法としては、コア層が所定の厚みや形状となるように塗工できればよく、公知の塗工方式を適宜選択して用いることができる。例えば、バーコート、グラビアコート、ロールコート、リバースコート、ナイフコート、ダイコート、リップコート、ドクターコート、エクストルージョンコート、スライドコート、カーテンコート、押出コート、スピナーコートを用いることができる。
【0072】
また、前記光導波路用樹脂組成物の乾燥条件としては、乾燥温度を80〜140℃の範囲内とし、乾燥時間を5〜30分間の範囲内とすることが好ましい。
【0073】
さらに、形成したコア層の厚みは10〜80μmであることが好ましく、45〜60μmであることがより好ましい。コア層の厚みが前記下限未満では、得られる光導波路における光伝送能力が不足する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、光導波路におけるコアのパターンが形成しにくくなる傾向にある。
【0074】
(iii)の工程においては、前記コア層に光導波路のパターンを形成する。光導波路のパターンを形成する方法としては特に制限はないが、例えば、所定のマスクパターンが形成されたフォトマスクを用いて前記コア層に選択的に光照射を行い、前記光導波路用樹脂組成物を光硬化させた後、前記コア層の未照射部(未露光部)を現像液にて除去する(現像する)ことで、コアのパターンを形成する方法が挙げられる。
【0075】
このような方法における光照射の光源としては200〜600nmの紫外線〜可視光が好ましく、また、これらの光を照射する装置としては、例えば、メタルハライド灯、高圧水銀灯、低圧水銀灯、キセノン灯が挙げられる。光照射の条件はランプの種類等に応じて適宜設定することができ、特に制限されないが、照射露光量は50〜2000mJ/cmの範囲であることが好ましい。
【0076】
また、このような方法で用いられる現像液としては、前記コア層(前記光導波路用樹脂組成物)の未照射部を溶解せしめることができるものであればよく、前記現像液の成分としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム等の無機アルカリ類、エチルアミン、n-プロピルアミン等の1級アミン、ジエチルアミン、ジ−n-プロピルアミン等の2級アミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン等の3級アミン、ジメチルエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルコールアミン類、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の4級アンモニウム塩等の有機アルカリ類の水溶液が用いられる。また、これらにメタノール、エタノール、1-プロパノール、2−プロパノール等の水溶性アルコールや界面活性剤、消泡剤を適量添加した現像液も好適に使用することができる。また、前記現像液中のアルカリ性化合物の濃度は0.5〜5重量%の範囲内とすることが好ましい。これらの現像液の中でも、作業性の観点から、炭酸ナトリウム1重量%水溶液を用いることが好ましい。現像の条件としては、コア層の厚みや現像液の種類等に応じて温度や時間を適宜設定することができる。
【0077】
また、コアに含まれる前記リン酸トリエステル等を除去すると共に、コア等に含有されているポリイミド前駆体をイミド化するという観点から、前記現像を行った後に温度120〜220℃にて1〜120分間の加熱処理を行うことが好ましい。
【0078】
(iv)の工程においては、前記アンダークラッド層及び前記コアの表面上にオーバークラッド層を積層する。オーバークラッド層を積層する方法としては特に制限されないが、前記(i)の工程と同様の方法を用いることができ、例えば、前記クラッド材料をキャストする方法や、フィルム状態にした前記クラッド材料をラミネートする方法を採用することができる。
【0079】
このような方法において、前記光導波路用樹脂組成物を塗工する方法としては、オーバークラッド層が所定の厚みや形状となるように塗工できればよく、公知の塗工方式を適宜選択して用いることができる。例えば、バーコート、グラビアコート、ロールコート、リバースコート、ナイフコート、ダイコート、リップコート、ドクターコート、エクストルージョンコート、スライドコート、カーテンコート、押出コート、スピナーコートを用いることができる。
【0080】
また、クラッド材料の乾燥条件としては、乾燥温度を80〜140℃の範囲内とし、乾燥時間を5〜30分間の範囲内とすることが好ましい。さらに、前記光重合開始剤をクラッド材料に配合している場合において、形成したアンダークラッド層の表面を硬化させる目的で光照射を行うことも可能である。この場合、露光量は50mJ/cm〜2000mJ/cmの範囲であることが好ましい。
【0081】
さらに、形成したオーバークラッド層の厚みは1〜40μmであることが好ましく、5〜25μmであることがより好ましい。オーバークラッド層の厚みが前記下限未満では、形成したコアを十分に覆うことが出来にくくなり、得られる光導波路の光伝送損失が悪化する傾向にあり、他方、前記上限を超えると、得られる光導波路の総厚みが厚くなるために、得られる光導波路を用いた光配線基板の可撓性が低下する傾向にある。
【0082】
また、コアに含まれる前記リン酸トリエステルを除去すると共に、前記オーバークラッド層等に含有されているポリイミド前駆体をイミド化するという観点から、前記オーバークラッド層を形成した後に温度120〜220℃にて1〜120分間の加熱処理を行うことが好ましい。
【0083】
このような製造方法によって作製された光導波路は、コア層中に光の散乱要因となりうる塩の形成が抑えられており、十分に高いフォトリソグラフィーによるパターン形成精度及び十分な光伝送能力を有している。
【実施例】
【0084】
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。また、実施例、比較例及び調製例においては、テトラカルボン酸無水物、ジアミン、溶媒、不飽和結合を有するモノマー(架橋剤)、光重合開始剤としてそれぞれ以下のものを、表1及び表2に示す分量で用いた。
【0085】
<実施例、比較例及び調製例で用いた材料>
BPDA:3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸二無水物
BTDA:3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
ODPA:3,3’,4,4’−ジフェニルエーテルテトラカルボン酸二無水物
BAFL:9,9−ビス(4−アミノフェノキシ)−9H−フルオレン
VAB:2,2’−ジビニル−4,4’−ジアミノビフェニル
KF−8010:数平均分子量約830のポリジメチルシロキサンジアミン(信越化学工業社製、商品名「KF−8010」)
X−22−9409:数平均分子量約1290のフェニル変性ポリジメチルシロキサンジアミン(信越化学工業社製、商品名「X−22−9409」)
X−22−9412:数平均分子量約860のビニル変性ポリジメチルシロキサンジアミン(信越化学工業社製、商品名「X−22−9412」)
DMAc:ジメチルアセトアミド
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
TEP:リン酸トリエチル
ジグライム:ジエチレングリコールジメチルエーテル
PET−30:ペンタエリスリトールトリアクリレートとペンタエリスリトールテトラアクリレートとの混合物(日本化薬社製、商品名「PET−30」)
OXE−01:光重合開始剤(チバ・ジャパン社製、商品名「IRGACURE OXE−01」)
【0086】
【表1】

【0087】
【表2】

【0088】
(調製例1)
窒素注入管を装備した反応器中で29.1g(0.035mol)のKF−8010及び2.1g(0.009mol)のVABを、73.5gのNMP及び31.5gのジグライム混合溶媒に溶解させた。得られた溶解液に2.6g(0.009mol)のBPDA及び11.3g(0.035mol)のBTDAを窒素雰囲気下で攪拌しながら加えた。その後、攪拌を5時間行うことでシロキサン変性ポリイミド前駆体を得た。得られた溶液の重量平均分子量で約5.0万であった。また、得られた樹脂は薄い褐色の濁りのない溶液であった。
【0089】
次いで、得られたシロキサン変性ポリイミド前駆体に、前記シロキサン変性ポリイミド前駆体の固形分100重量部に対して、30重量部のPET−30及び3重量部のOXE−01を添加して、室温で攪拌を1時間行うことで光導波路のクラッド層を形成するために用いる樹脂組成物(クラッド材料)を調製した。
【0090】
なお、得られたクラッド材料を用いて、ポリイミドフィルム(クラッド層)を作製し、得られたポリイミドフィルムの屈折率を測定した。すなわち、得られたクラッド材料をガラス基板の表面上に硬化後の厚みが10μmになるようにバーコーターにて塗布し、温度110℃にて10分間乾燥した後、露光機(ハイテック社製、ランプ:高圧水銀灯)を用いて1000mJ/cmの紫外線を照射し、さらに温度180℃にて1時間の熱処理を行い、クラッド材料を硬化させることでフィルム状のサンプルを得た。得られたフィルムの波長850nmにおける屈折率を屈折率測定装置(メトリコン社製、商品名「モデル2010 プリズムカプラ」)を用いて測定したところ、1.50であった。
【0091】
(実施例1)
窒素注入管を装備した反応器中で14.4g(0.017mol)のX−22−9412、21.4g(0.017mol)のX−22−9409、及び5.0g(0.014mol)のBAFLを75.6gのDMAcに溶解させた。得られた溶解液に18.9gのTEPを加えた後、14.7g(0.0.048mol)のODPAを窒素雰囲気下で攪拌しながら加えた。その後、攪拌を5時間行うことでシロキサン変性ポリイミド前駆体を得た。得られたシロキサン変性ポリイミド前駆体は、重量平均分子量が約7.0万のものであり、薄い褐色の濁りのない溶液であった。
【0092】
次いで、得られたシロキサン変性ポリイミド前駆体に、前記シロキサン変性ポリイミド前駆体の固形分100重量部に対して、9重量部のPET−30及び2重量部のOXE−01を添加して、室温で攪拌を1時間行うことで光導波路用樹脂組成物を調製した。
【0093】
また、調製例1と同様にして、得られた光導波路用樹脂組成物を用いて、ポリイミドフィルム(コア層)を作製し、得られたポリイミドフィルムの屈折率を測定したところ、1.54であった。
【0094】
(実施例2)
75.6gのDMAc及び18.9gのTEPの代わりに94.5gのTEPを溶媒として用いた以外は実施例1と同様にして光導波路用樹脂組成物を調製した。
【0095】
なお、調製例1と同様にして、得られた光導波路用樹脂組成物を用いて、ポリイミドフィルム(コア層)を作製し、得られたポリイミドフィルムの屈折率を測定したところ、1.54であった。また、得られたシロキサン変性ポリイミド前駆体は、重量平均分子量が約6.8万のものであり、薄い褐色の濁りのない溶液であった。
【0096】
(比較例1)
75.6gのDMAc及び18.9gのTEPの代わりに47.3gのNMP及び47.3gのジグライムを溶媒として用いた以外は実施例1と同様にして光導波路用樹脂組成物を調製した。
【0097】
なお、調製例1と同様にして、得られた光導波路用樹脂組成物を用いて、ポリイミドフィルム(コア層)を作製し、得られたポリイミドフィルムの屈折率を測定したところ、1.54であった。また、得られたシロキサン変性ポリイミド前駆体は、重量平均分子量が約5.0万のものであり、白色の濁りのある溶液であった。
【0098】
(比較例2)
75.6gのDMAc及び18.9gのTEPの代わりに94.5gのNMPを溶媒として用いた以外は実施例1と同様にして光導波路用樹脂組成物を調製した。
【0099】
なお、調製例1と同様にして、得られた光導波路用樹脂組成物を用いて、ポリイミドフィルム(コア層)を作製し、得られたポリイミドフィルムの屈折率を測定したところ、1.54であった。また、得られたシロキサン変性ポリイミド前駆体は、重量平均分子量が約4.5万のものであり、白色の濁りのある溶液であった。
【0100】
(比較例3)
75.6gのDMAc及び18.9gのTEPの代わりに94.5gのDMAcを溶媒として用いた以外は実施例1と同様にして光導波路用樹脂組成物を調製した。
【0101】
なお、調製例1と同様にして、得られた光導波路用樹脂組成物を用いて、ポリイミドフィルム(コア層)を作製し、得られたポリイミドフィルムの屈折率を測定したところ、1.54であった。また、得られたシロキサン変性ポリイミド前駆体は、重量平均分子量が約4.0万のものであり、白色の濁りのある溶液であった。
【0102】
(比較例4)
75.6gのDMAc及び18.9gのTEPの代わりに94.5gのジグライムを溶媒として用いた以外は実施例1と同様にして光導波路用樹脂組成物を調製した。
【0103】
なお、調製例1と同様にして、得られた光導波路用樹脂組成物を用いて、ポリイミドフィルム(コア層)を作製し、得られたポリイミドフィルムの屈折率を測定したところ、1.54であった。また、得られたシロキサン変性ポリイミド前駆体は、重量平均分子量が約4.1万のものであり、白色の濁りのある溶液であった。
【0104】
このようにして得られたクラッド材料及び光導波路用樹脂組成物を用いて、下記に示す方法にて、光導波路を作製し、得られた光導波路の光伝送損失を評価した。また、得られた光導波路におけるコアの断面形状を観察し、コアのパターン形成精度を評価した。得られた結果を表3に示す。
【0105】
(光導波路の作製方法)
調製例1で得られたクラッド材料をPET基板の表面上に乾燥後の厚みが20μmになるようにバーコーターにて塗布し、温度110℃にて10分間乾燥し、フィルム状のサンプルにした。得られたPET基板付きフィルム(PET基板付きアンダークラッド層)を、シリコンウェハーの表面上に、真空ラミネーターにて積層して貼り合わせた後、PET基板を剥離し、さらに温度130℃にて1時間加熱することで、シリコンウェハー付きアンダークラッド層を得た。
【0106】
実施例1〜2及び比較例1〜4で得られた光導波路用樹脂組成物を各々PET基板の表面上に乾燥後の厚みが50μmになるようにバーコーターにて塗布し、温度110℃にて10分間乾燥し、フィルム状のサンプルにした。得られたPET基板付きフィルム(PET基板付きコア層)を、シリコンウェハー付きアンダークラッド層のアンダークラッド層の表面上に、真空ラミネーターにて積層して貼り合わせ、積層体(コアのパターン形成前の光導波路)を得た。
【0107】
得られた積層体に対し、所定のマスクパターンが形成されているフォトマスクを介し、露光機(ハイテック社製、ランプ:高圧水銀灯)を用いて、700mJ/cmの紫外線を照射し、さらにPET基板を剥離した。その後、積層体中の未露光部を1重量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて、温度30℃にて100〜480秒間の現像を行うことにより除去し、さらに、温度180℃にて1時間の加熱処理により硬化させて、コアのパターンが形成された積層体を得た。コアのパターンが形成された積層体におけるコアの厚みは50μmであり、幅は80μmであった。
【0108】
次いで、他のPET基板の表面上に調製例1で得られたクラッド材料をバーコーターにて乾燥後の厚みが70μmとなるように塗布し、温度110℃にて10分間乾燥してフィルム状にした。得られたPET基板付きフィルム(PET基板付きオーバークラッド層)を、コアのパターンが形成された積層体の表面上にフィルム面(オーバークラッド層)を対向させて積層し、真空ラミネーターにて貼り合わせた後、PET基板を剥離し、さらに温度180℃にて1時間の加熱処理を行い、フィルムを硬化させることで、光導波路を得た。
【0109】
(光導波路の光伝送損失の評価方法)
光伝送損失はJIS C 6823の「光ファイバー損失試験方法」に記載のカットバック法に準拠した方法で、以下に示すようにして測定した。すなわち、光源として、波長850nm、照度1mW/cmのVCSELを用い、モードスクランブラーを通して口径φ50μmのGIファイバーにて光導波路に入射させ、出射光は口径φ200μmのPCSファイバーを用いて受光した。そして、検出は赤外線用フォトダイオードを用いて行った。
【0110】
【表3】

【0111】
表3に示した結果から明らかなように、本発明の製造方法によって作製された光導波路用樹脂組成物(実施例1〜2)は濁りのないものだった。また、これら光導波路用樹脂組成物(実施例1〜2)を用いて作製された光導波路は、矩形の形状のコアを有しており、光伝送損失が小さく、光伝送能力において優れたものであった。一方、本発明の製造方法を用いずに作製された光導波路用樹脂組成物(比較例1〜4)には白濁が生じており、これら光導波路用樹脂組成物(比較例1〜4)を用いて作製された光導波路のコアは、比較例1では矩形の形状のコアを有しているものの、比較例2〜4では逆台形の形状のコアを有しており、パターン形成の精度の低いものであった。そして、これら光導波路用樹脂組成物(比較例1〜4)を用いて作製された光導波路は、光導波路用樹脂組成物が白濁していた比較例1では光伝送損失が0.6dB/cmと大きく、光導波路用樹脂組成物の白濁とコアの形状が逆台形になっていた比較例2〜4では光伝送損失が1.0dB/cm以上とより大きく、いずれの光導波路の光伝送能力は実用するのに不十分なものであった。
【産業上の利用可能性】
【0112】
以上説明したように、本発明によれば、十分な光伝送能力及び十分に高いパターン形成精度を有する光導波路を形成することが可能な光導波路用樹脂組成物の製造方法を提供することが可能となる。
【0113】
したがって、本発明の光導波路用樹脂組成物の製造方法は、可撓性を有する光配線基板や光電気複合配線基板等において用いられる光導波路用樹脂組成物の製造方法として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光導波路を形成するために用いられる光導波路用樹脂組成物の製造方法であって、
前記光導波路用樹脂組成物は、テトラカルボン酸無水物とジアミンとの重合反応により得られる下記一般式(1)で示されるポリイミド前駆体と、光重合開始剤とを含有しており、前記重合反応においてリン酸トリエステルを溶媒として用いることを特徴とする光導波路用樹脂組成物の製造方法。
【化1】

(式(1)中、Arはテトラカルボン酸無水物由来の4価の有機基を示し、Xは下記一般式(2)で示される2価の有機基又は芳香族ジアミン由来の2価の有機基を示し、nは5〜200を示す。なお、Ar及びXは各々同一でも異なっていてもよい。但し、式(1)中のXの少なくとも1つは下記一般式(2)で示される2価の有機基を示す。)
【化2】

(式(2)中、Rは炭素数1〜5の炭化水素基を示し、R及びRはメチル基、フェニル基及びビニル基からなる群から選択される少なくとも一つの置換基をそれぞれ独立に示し、mは1〜50を示す。なお、mが2以上の場合には、R及びRは各々同一でも異なっていてもよい。)
【請求項2】
前記ポリイミド前駆体は、メチル基及びフェニル基を有する前記一般式(2)で示される2価の有機基と、メチル基及びビニル基を有する前記一般式(2)で示される2価の有機基とを有することを特徴とする請求項1に記載の光導波路用樹脂組成物の製造方法。
【請求項3】
前記ポリイミド前駆体が有する前記一般式(2)で示される2価の有機基中のメチル基、フェニル基及びビニル基の合計個数に対して、フェニル基の合計個数が5〜50%であり、ビニル基の合計個数が2〜40%であることを特徴とする請求項1又は2に記載の記載の光導波路用樹脂組成物の製造方法。
【請求項4】
前記ポリイミド前駆体が有する前記芳香族ジアミン由来の2価の有機基の合計の含有比率が、前記ポリイミド前駆体が有する全Xに対して5〜50mol%であることを特徴とする請求項1〜3のうちのいずれか一項に記載の光導波路用樹脂組成物の製造方法。
【請求項5】
前記重合反応における前記リン酸トリエステルの配合量が、前記重合反応における前記テトラカルボン酸無水物の配合量の2〜80倍mol量であることを特徴とする請求項1〜4のうちのいずれか一項に記載の光導波路用樹脂組成物の製造方法。
【請求項6】
前記光導波路用樹脂組成物が、前記ポリイミド前駆体と更に不飽和結合を有するモノマーとを反応させて得られた架橋ポリイミド前駆体及び前記光重合開始剤を含有し、且つ前記モノマーの配合量が前記ポリイミド前駆体100重量部に対して1〜30重量部であることを特徴とする請求項1〜5のうちのいずれか一項に記載の光導波路用樹脂組成物の製造方法。

【公開番号】特開2011−202097(P2011−202097A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−72563(P2010−72563)
【出願日】平成22年3月26日(2010.3.26)
【出願人】(000006644)新日鐵化学株式会社 (747)
【Fターム(参考)】