説明

光断層画像取得システム

【課題】 所望の走査領域の光断層画像を効率良く取得する。
【解決手段】 蛍光画像ユニット11により生成した体腔1内の蛍光診断画像31をモニタ182 上に表示する。観察者は蛍光診断画像31に基づいて、癌等の病変部を探し、ペン状の入力部183 により蛍光診断画像31上で走査開始指定点A1および走査終了指定点A2を指定する。走査領域設定部15は、蛍光診断画像31上に表示されたエイミング光L2の輝点が指定点A1および指定点A2に一致するように、走査制御部176 により、OCTプローブ13の被覆管173 を回転およびスライド移動させる。輝点が指定点A1に一致したときの、エイミング光L2の照射点から、輝点が指定点A2に一致したときの、エイミング光L2の照射点までを走査領域として設定する。信号波L4により、この走査領域の走査を行い、OCT取得部12により光断層画像を取得して、モニタ181 に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走査光により生体観察部内の走査領域を走査し、該走査領域の所定深部からの反射光と、走査光と僅かな周波数差を有する参照光との干渉を用いて、走査領域の光断層画像を取得する光断層画像取得システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、生体などの光断層画像を取得する光断層画像取得装置の開発が進められている。これらの光断層画像の取得方法としては、周波数掃引されたコヒーレンス光による光干渉を用いた方法や、低コヒーレンス光による光干渉を用いた方法等が知られている。
【0003】
特に、低コヒーレンス光干渉光の光強度をヘテロダイン検波により測定することにより、測定部の光断層画像を取得するOCT(Optical Coherence Tomography)装置は、実用化されつつある。
【0004】
このOCT装置は、SLD(Super Luminescent Diode)等から成る光源から出射された低コヒーレンス光を走査光と参照光に分割し、ピエゾ素子等により参照光または走査光の周波数を僅かにシフトさせ、走査光を測定部に入射させて該測定部の所定の深度で反射した反射光と参照光とを干渉させ、その干渉光の光強度をヘテロダイン検波により測定し、断層情報を取得するものであり、参照光の光路上に配置した可動ミラー等を微少移動させ、参照光の光路長を僅かに変化させることにより、参照光の光路長と走査光の光路長が一致した測定部の深度での情報を得ることができる。また走査光の入射点を僅かにずらしながら、測定を繰り返すことにより、所定の走査領域の光断層画像を取得することができる。
【0005】
このようなOCT装置を使用すれば、早期癌の深達度診断なども可能となるため、内視鏡装置の鉗子口に挿入可能なOCTプローブにより走査光および走査光の反射光を導光して、体腔内の光断層画像を取得する方法の開発が進められている(例えば非特許文献1参照)。この非特許文献1には、走査光を導光する光ファイバと、この光ファイバの先端に配設され、走査光を直角に反射するミラーを備えたOCTプローブを内視鏡の鉗子口を介して体腔内に挿入し、先端のミラーを回転させることにより、体腔壁の光断層画像を表示するOCT装置が記載されている。また、本出願人により内視鏡装置と組み合わされたOCT装置も提案されている(特許文献1参照)。
【非特許文献1】OPTICS LETTER Vol.24,No19 P1358〜P1360 by Andrew M Rollins and Rujchai Ung-arunyawee
【特許文献1】特開2002−200037
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、光断層画像を取得するためには所定の時間が必要であり、多数の走査領域において光断層画像を取得することは検査時間の長時間化を招くという問題がある。特に光断層画像取得用のプローブ、例えばOCTプローブを内視鏡装置の鉗子口に挿入し、内視鏡下において検査を行っている場合等には、被検者の体内に長時間内視鏡を挿入することは被験者に苦痛を強いることになり望ましいことではない。
【0007】
本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、所望の走査領域の光断層画像を効率良く取得することのできる光断層画像取得システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の光断層画像取得システムは、励起光を観察部に照射し、該励起光を照射された前記観察部から発せられた蛍光による像を撮像し、該撮像した蛍光による像に基づいた蛍光画像を生成する蛍光画像取得手段と、
前記蛍光画像取得手段により生成された蛍光画像を表示する蛍光画像表示手段と、
走査光により前記観察部内の走査領域を走査し、該走査領域の光断層画像を取得する光断層画像取得手段とを備えたものである。
【0009】
ここで、撮像した蛍光による像に基づいた蛍光画像とは、撮像した蛍光による像に基づいた画像であれば、如何なる画像であってもよい。例えば、撮像した蛍光による像の蛍光強度を反映させた蛍光画像や、あるいは撮像した蛍光による像の各画素毎に異なる波長帯域の光強度の比率に基づいた擬似カラーを設定した蛍光診断画像等がある。さらに、近赤外光を観察部に照射して得られた反射像の光強度と組み合わせて生成した蛍光診断画像等も用いることができる。なお、このような蛍光画像は、通常の内視鏡システムで撮影した通常画像へ重畳させてもよく、例えば白黒の通常画像へ擬似カラーによる蛍光診断画像を重畳させることができる。また、特殊画像処理を施して、異常組織を強調した半透明の蛍光画像を、カラーの通常画像へ重畳させてもよい。
【0010】
また、「走査領域」とは、走査可能な領域であれば、その形状は如何なるものでもよく、例えば、観察部上のライン状の領域や、面上の領域等がある。
【0011】
また、「走査領域を走査」する際には、その走査方式は如何なるものでもよく、例えば、光源から射出された、あるいは導光部の先端端から射出された走査光を反射方向が制御可能なミラー等により反射させることにより走査を行う方式や、走査光の出射端を移動させることにより走査を行う方式等、走査光により光断層画像を取得できる走査方式であればよい。
【0012】
前記光断層画像取得手段は、低コヒーレンス光である走査光により前記観察部内の走査領域を走査し、該走査領域の所定深部からの反射光と、前記走査光と僅かな周波数差を有する参照光との干渉を用いて、前記走査領域の光断層画像を取得するOCT手段であってもよい。なお、「低コヒーレンス光」とはコヒーレンス長が50μm以下であることを意味している。またコヒーレンス長は25μm以下であることが好ましく、10μm以下であることがより好ましい。
【0013】
また、前記蛍光画像表示手段に表示された蛍光画像上で、任意の1つ以上の指定点を指定する位置指定手段と、
該位置指定手段により指定された指定点に基づいて、前記走査光の走査領域を設定する走査領域設定手段とを備えてもよい。
【0014】
例えば、指定点が1つであれば、その指定点に対応する観察部上の点を通る所定長の1本の直線を走査領域として設定してもよいし、あるいはその指定点に対応する観察部上の点を通る2本以上の直線や、その指定点に対応する観察部上の点を中心とする所定面積の多角形領域あるいは円領域などを走査領域として指定してもよい。また、2点が指定点として指定された場合であれば、その指定点に対応する観察部上の2点間の直線を走査領域として設定してもよい。
【0015】
また、前記位置指定手段が、3つ以上の指定点を指定するものであれば、
前記走査領域設定手段は、位置指定手段により指定された3つ以上の指定点に対応する観察部上の点に囲まれた領域を走査領域として設定するものであり、
前記光断層画像取得手段は、前記走査領域内の複数枚の光断層画像を取得するものであり、
前記光断層画像取得手段により取得された複数枚の光断層画像に基づいて、3次元光断層画像を生成する3次元光断層画像生成手段をさらに備えてもよい。
【0016】
また、「3つ以上の指定点に対応する観察部上の点に囲まれた領域を走査領域として設定する」とは、例えば位置指定手段により3つ点が指定された場合であれば、位置指定手段により指定された3つの指定点に対応する観察部上の3点により囲まれた領域を走査領域として設定すればよい。
【0017】
前記蛍光画像を前記光断層画像に重畳した重畳画像を生成する重畳画像生成手段と、
該重畳画像を表示する重畳画像表示手段とを有してもよい。
【0018】
前記観察部が、異常組織に対する親和性を有する蛍光試薬を投与された生体観察部であれば、前記蛍光は前記蛍光試薬から発せられるものであってもよい。
【0019】
なお、上記の位置指定手段および3次元位置指定手段としては、任意の点を指定できるものであれば如何なるものでもよく、例えばペンにより画面をタッチすることにより点を指定するものや、点の座標位置を入力するものあるいはカーソルを操作するマウスを用いて点を入力するものなどがある。
【発明の効果】
【0020】
本発明による光断層画像取得システムにおいては、撮像した蛍光による像に基づいた蛍光画像が蛍光画像表示手段に表示されているため、観察者はこの蛍光画像を観察して、癌等の病変部位あるいは癌等の疑いのある部位等、所望の部位を効率よく見つけ、それらの部位へ走査領域を設定することにより、所望の走査領域の光断層画像を効率良く取得することができる。観察者は取得した光断層画像に基づいて、癌等の病変部位あるいは癌等の疑いのある部位等の所望の断面全体において、癌の深達度等を観察することができる。
【0021】
前記光断層画像取得手段が、低コヒーレンス光である走査光により前記観察部内の走査領域を走査し、該走査領域の所定深部からの反射光と、前記走査光と僅かな周波数差を有する参照光との干渉を用いて、前記走査領域の光断層画像を取得するOCT手段であれば、低コヒーレンス光のコヒーレンス長に対応する高い空間分解能を有する光断層画像を取得できる。
【0022】
蛍光画像上で指定された指定点に基づいて、走査領域を設定することにより、手動操作により走査光を走査領域へ誘導する煩わしさが無く、所望の走査領域の断層画像をさらに効率良く取得することができる。また、容易に所望の走査領域を設定することができる。
【0023】
また、蛍光画像上で指定された3つ以上の指定点に対応する観察部上の点に囲まれた領域を走査領域として設定し、前記走査領域内の複数枚の光断層画像を取得し、この複数枚の光断層画像に基づいて、3次元光断層画像を生成する場合には、簡単な手動操作のみで所望の走査領域の3次元光断層画像を取得することができる。観察者は取得した3次元光断層画像に基づいて、癌等の病変部位全体あるいは癌等の疑いのある部位全体の断面において、癌の深達度等を観察することができる。
【0024】
さらに、蛍光画像を前記光断層画像に重畳した重畳画像を表示することにより、所望の走査領域の蛍光画像および光断層画像を、同時に視認することができる。例えば走査領域が早期癌部位である場合等には、この早期癌の伸展度および深達度を1枚の画像を観察するのみで視認できる。
【0025】
観察部が、異常組織に対する親和性を有する蛍光試薬を投与された生体観察部であり、蛍光が蛍光試薬から発せられるものであれば、蛍光画像を観察する際に、観察者は容易に異常組織を見つけることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、本発明の具体的な実施の形態について図面を用いて説明する。まず本発明の第1の実施の形態について図1を用いて説明する。図1は、本発明の光断層画像取得システムの実施の形態の全体を示す概略構成図である。光断層画像取得システムは内視鏡に組み込まれた装置であり、被検者の体腔1内の観察部へ励起光L6を照射して、観察部から発せられた蛍光L7を、CCD撮像素子で撮像し、撮像した蛍光像から、所定波長帯域の信号強度の相対的比率に応じた蛍光診断画像を生成し、モニタ上に表示し、蛍光診断画像上で指定された走査領域の光断層画像をOCT手段を用いて取得し、この光断層画像を蛍光診断画像と並べて表示するものである。
【0027】
なお、本光断層画像取得システムは、光断層画像を取得する際には、指定された2つの指定点間の直線走査領域の光断層画像を取得するものである。
【0028】
本光断層画像取得システムは、被検者の体腔1内に挿入される内視鏡の挿入部10と、体腔1内の観察部の蛍光診断画像31を取得する蛍光画像ユニット11と、体腔1内の走査領域の光断層画像を取得するOCT取得部12と、挿入部10に設けられた鉗子口71に挿入されるOCTプローブ13と、蛍光診断画像31と走査領域の光断層画像を表示する表示部22と、蛍光診断画像31上で指定された指定点に基づいて、光断層画像を取得する走査領域を設定する走査領域設定部15とを備えている。
【0029】
挿入部10は、挿入部10内を貫通する鉗子口71と、内部に先端まで延びるCCDケーブル201 とライトガイド202 とを備えている。CCDケーブル201 の先端には、微少な帯域フィルタがモザイク状に組み合わされたモザイクフィルタ204 がオンチップされたCCD撮像素子205 が接続され、該CCD撮像素子205 には、プリズム206 が取り付けられている。モザイクフィルタ204 は、図5に示すように、430nm〜530nmの波長帯域の光を透過させる狭帯域フィルタ204aと、430nm〜700nmの波長帯域の光を透過させる広帯域フィルタ204bが交互に組み合わされ、各帯域フィルタはCCD撮像素子205 の画素に一対一で対応している。
【0030】
ライトガイド202は多成分ガラスファイバからなり、その先端部、すなわち挿入部10の先端部には、照明レンズ75が備えられている。ライトガイド202 の他端は、蛍光画像ユニット11へ接続されている。また、挿入部10の先端部には撮像レンズ76 が備えられ、この撮像レンズ76の内側に前述のプリズム206 が設けられている。プリズム206は、観察部から発せられ、撮像レンズ76で集光された蛍光L7を反射させ、CCD撮像素子205に入射させるものである。
【0031】
CCDケーブル201 は、CCD撮像素子205 から信号電荷を読み出す出力ラインであり、その一端は、後述する画像処理ユニット230 へ接続されている。
【0032】
蛍光画像ユニット11は、蛍光像撮像用の励起光を発する光源を備える励起光ユニット210 と、蛍光像を所定波長帯域の信号強度の相対的比率に応じた疑似カラー画像として表示するための画像処理を行う画像処理ユニット230 とを有している。
【0033】
励起光ユニット210 は、蛍光像撮像用の励起光L6を発するGaN系半導体レーザ211該半導体レーザ211 から出射された励起光L6を集光するレンズ212 とを備えている。
【0034】
画像処理ユニット230 は、CCD撮像素子205 で撮像された信号のプロセス処理を行う信号処理回路231 、該信号処理回路231 で得られた画像信号をデジタル化するA/D 変換回路232、該A/D 変換回路232から出力された画像信号をモザイクフィルタ204の対応する光学フィルタ毎に保存する画像メモリ233 、該画像メモリ233 に記憶された狭帯域蛍光像の画像信号と広帯域蛍光像の画像信号から疑似カラー画像信号である蛍光診断画像信号を作成する蛍光画像生成回路234、この蛍光画像生成回路から出力された蛍光診断画像信号をビデオ信号に変換して出力するビデオ信号処理回路235 を備えている。
【0035】
OCT取得部12は、中心波長800nmで、コヒーレンス長が10μmである低コヒーレンス光L1を出射する光源部100 と、可視光であるエイミング光L2を出射するエイミング光源部110 と、低コヒーレンス光L1とエイミング光L2の合波と、低コヒーレンス光L1の参照光L3および走査光L4への分割および合波を行うファイバ結合光学系120 と、参照光L3の光路上に配され、参照光L3の光路長を変化させる光路遅延部130 と、走査領域の所定の深部で反射された走査光L4aと参照光L3との干渉光L5の強度を検出するバランス差分検出部150 と、バランス差分検出部150 で検出された干渉光L5の光強度から走査領域の所定の面で反射された走査光L4aの強度を求めるヘテロダイン検出を行い、光断層画像データを生成する信号処理部160 とを備えている。
【0036】
OCT取得部12の光源部100 は、低コヒーレンス光L1を射出するSLD(Super Luminescent Diode) 101 と、該SLD101 から射出された低コヒーレンス光L1を集光するレンズ102 とを備えている。
【0037】
エイミング光源部110 は、エイミング光L2として緑色のレーザ光を射出する半導体レーザ111 と、該半導体レーザ111 から出射されたエイミング光L2を集光するレンズ112 とを備えている。
【0038】
ファイバ結合光学系120 は、光源部100 から出射された低コヒーレンス光L1を走査光L4と参照光L3とに分割し、また、走査光L4の走査領域からの反射光である走査光L4aと参照光L3を合波し、干渉光L5を得るファイバカプラ121 と、光源部100 とファイバカプラ121 の間に設けられるファイバカプラ122 およびファイバカプラ123 と、参照光L3に僅かな周波数シフトを生じさせるピエゾ素子124 と、光源部100 とファイバカプラ122 を繋ぐファイバ125 と、エイミング光源部110 とファイバカプラ123 とを繋ぐファイバ126 と、ファイバカプラ121 および122 を介して光路遅延部130 とバランス差分検出部150 を繋ぐファイバ127 と、ファイバカプラ121 を介してOCTプローブ130 とバランス差分検出部150 を繋ぐファイバ128 とを備えている。なお、ファイバ125 、127 および128 はシングルモード光ファイバである。
【0039】
光路遅延部130 は、ファイバ127 から射出された参照光L3を平行光に変換し、また反射された参照光L3をファイバ127 へ入射させるレンズ131 と、図1における水平方向への移動により参照光L3の光路長を変化させるプリズム132 と、該プリズムを水平方向へ移動させる駆動部133 とを備えている。
【0040】
バランス差分検出部150 は、干渉光L5の光強度を測定する光検出器151 および152 と、光検出器151 の検出値と光検出器152 の検出値の入力バランスを調整し、ノイズ成分やドリフト成分を相殺した上で、差分を増幅する差動増幅器153 とを備えている。
【0041】
OCTプローブ13は、挿入部10の鉗子口71に挿入可能な被覆管173と該被覆管173 の中を貫通するファイバ172を備えている。ファイバ172 の先端部には、ファイバ172 から射出された走査光L4を集光し、またファイバ172 から射出された走査光L4の走査領域からの反射光である走査光L4aをファイバ172 に帰還させるレンズ174が備えられ、該レンズ174のさらに先端部、すなわちOCTプローブ13の先端部には、走査光L4および走査光L4aを直角に反射するプリズム175 が備えられている。ファイバ172 の後端部、すなわちファイバ128 との接続部には、ファイバ128 から射出された走査光L4を集光してファイバ172 に導入し、また走査光L4aをファイバ128 に帰還させるレンズ171 を備えている。ファイバ172 、レンズ174 およびプリズム175 は、被覆管173 内に固定された状態で組み込まれている。また被覆管173 の根本部分には、被覆管173 を回転およびスライドさせる走査制御部176 が取り付けられている。走査制御部176 は、走査領域設定部15に接続され、該走査領域設定部15に設定された走査領域に基づいて、被覆管173 をスライド移動および回転移動させて、走査光L4による走査を行う。
【0042】
表示部22は、OCT取得部12から出力された光断層画像を表示するモニタ181 と、蛍光画像ユニット11から出力された蛍光診断画像31を表示するモニタ182 と、蛍光診断画像31上の所望の画素位置を指定する位置指定手段としてのペン型の入力部183 とを備えている。なお、各部位は、図示省略されたコントローラに接続され、動作タイミングが制御されている。
【0043】
次に本発明のOCT装置の動作について説明する。観察者はまず挿入部10を被験者の体腔内に挿入し、蛍光診断画像31をモニタ182 に表示する。
【0044】
以下、蛍光診断画像の取得動作について説明する。まず、GaN系半導体レーザ211 から波長410nmの励起光L6が射出される。励起光L6は、レンズ212 を透過し、ライトガイド202 に入射され、挿入部10の先端まで導光された後、照明レンズ75 から観察部へ照射される。
【0045】
励起光L6を照射されることにより、観察部から蛍光L7が発せられる。蛍光L7は、集光レンズ76 により集光され、プリズム206 で反射して、モザイクフィルタ204 を透過して、CCD撮像素子205 上に蛍光像として結像される。
【0046】
CCD撮像素子205 では、蛍光像が受光されて、光電変換され、光の強弱に応じた画像信号に変換され、蛍光画像ユニット11へ出力される。画像信号は、画像処理ユニット230 の信号処理回路231 で、プロセス処理を施され、A/D 変換回路232でデジタル信号に変換されて、狭帯域フィルタ204aを透過した狭帯域の画像信号と広帯域フィルタ204bを透過した広帯域の画像信号に分けて、画像メモリ233 の記憶領域へ記憶される。蛍光画像生成回路234 では、隣接する画素毎に狭帯域画像信号と広帯域画像信号の信号強度の比を算出し、その比に基づいた疑似カラーを当てはめた蛍光診断画像信号を作成し、表示タイミングに合わせてビデオ信号処理回路235 へ出力する。ビデオ信号処理回路235 では、蛍光診断画像信号をビデオ信号に変換し、表示部22のモニタ182 へ出力する。モニタ182には、疑似カラー画像である蛍光診断画像31が表示される。
【0047】
なお、蛍光診断画像31は、広波長帯域の信号強度と狭波長帯域の信号強度の相対的比率の変化に応じて表示色が変化する疑似カラーで表示されている。正常組織から発せられた蛍光と、病変組織から発せられた蛍光の表示色の差異が明らかになるような疑似カラーを設定することが好ましく、例えば正常組織から発せられた蛍光は白色となり、病変組織から発せられた蛍光はピンクあるいは他の色となるように、疑似カラー表示することにより、観察者は病変組織を容易に認識することができる。
【0048】
観察者は、モニタ182に表示された蛍光診断画像31を観察しながら、挿入部10の位置を手動操作により移動させ所望の部位に誘導し、所望の部位の観察を行う。また表示された蛍光診断画像31内に病変組織を認識した場合には、走査領域を指定し、光断層画像を取得する。
【0049】
以下、光断層画像33を取得する際の動作について説明する。光断層画像取得の際には、観察者は、予め、OCTプローブ13を挿入部10の鉗子口71へ挿入しておく。モニタ182 に表示された蛍光診断画像31を観察しながら、光断層画像を取得する走査開始指定点A1および走査終了指定点A2をペン型の入力部183 を用いて、モニタ182 に表示された蛍光診断画像31上で指定する。
【0050】
このとき、同時にエイミング光源部110 の半導体レーザ111 から、緑色のエイミング光L2が射出され、レンズ112 により集光されファイバ126 に導入される。エイミング光L2は、ファイバ126 、ファイバカプラ123 、ファイバ125 、ファイバカプラ122 、ファイバ127 、ファイバカプラ121 およびファイバ128 を介して導光され、レンズ171 により、ファイバ172 に導入される。ファイバ172 から射出したエイミング光L2は、レンズ174 により集光され、プリズム175 で反射されて、体腔1内に緑色のスポット光として照射される。このエイミング光L2の反射光は、モニタ182 に表示された蛍光診断画像31にも輝点として表示される。
【0051】
走査領域設定部15では、まず、蛍光診断画像31上で指定された走査開始指定点A1と、エイミング光L2の反射光を撮像した輝点の相対位置を算出し、走査制御部176 により被覆管173 をスライド移動および回転移動させ、エイミング光L2の輝点を指定点A1と一致させる。上記の動作により光断層画像を取得する際の体腔1内の走査開始点が設定される。その後同様に、エイミング光L2の輝点を走査終了指定点A2と一致させる。上記の動作により光断層画像を取得する際の体腔1内の走査終了点が設定される。この後、後述する動作により、走査開始点から走査終了点の間の光断層画像が取得される。
【0052】
走査開始点が設定されると、光断層画像取得用の中心波長が約800nm、コヒーレンス長が10μmの低コヒーレンス光L1がSLD101 から射出され、この低コヒーレンス光L1は、レンズ102 により集光され、ファイバ125 に導入される。
【0053】
ファイバ125 を透過した低コヒーレンス光L1は、ファイバカプラ122 で、ファイバ127 に導入され、さらに、ファイバカプラ121 で、ファイバ127 内を光路遅延部130 の方向へ進行する参照光L3と、ファイバ128 内をOCTプローブ13の方向へ進行する走査光L4とに分割される。
【0054】
参照光L3は光路上に設けられたピエゾ素子124 により変調され、参照光L3と走査光L4には、僅かな周波数差△fが生じる。
【0055】
走査光L4はOCTプローブ13のレンズ171 、ファイバ172 、レンズ174 およびプリズム175 を経て体腔1内の走査開始点へ入射される。走査開始点へ入射された走査光L4のうち走査開始点の所定の深度で反射された走査光L4aは、プリズム175 、レンズ174 、ファイバ172 およびレンズ171 を経て、ファイバ128 に帰還せしめられる。ファイバ128 に帰還せしめられた走査光L4aは、ファイバカプラ121 において、後述するファイバ127 に帰還せしめられた参照光L3と合波される。
【0056】
一方、ピエゾ素子124 で変調された後の参照光L3は、ファイバ127 を通過し光路遅延部130 のレンズ131 を介して、プリズム132 に入射し、このプリズム132 で反射され再度レンズ131 を透過して、ファイバ127 に帰還せしめられる。ファイバ127 に帰還せしめられた参照光L3はファイバカプラ121 で、上述した走査光L4aと合波される。
【0057】
ファイバカプラ121 で合波された走査光L4aおよび参照光L3は、再び同軸上に重なることになり所定の条件の時に走査光L4aと参照光L3が干渉し、干渉光L5となり、ビート信号を発生する。
【0058】
参照光L3および走査光L4aは、可干渉距離の短い低コヒーレンス光L1であるため、低コヒーレンス光L1が走査光L4と参照光L3に分割されたのち、走査光L4a がファイバカプラ121に到達するまでの光路長が、参照光L3がファイバカプラ121 に到達するまでの光路長に略等しい場合に両光が干渉し、この干渉する両光の周波数差(△f)で強弱を繰り返すビート信号が発生する。
【0059】
干渉光L5は、ファイバカプラ121 で分割され、一方は、ファイバ127 を経てバランス差分検出部150 の光検出器151 に入力され、他方はファイバ128 を経て光検出器152 に入力される。
【0060】
光検出器151 および152 では、干渉光L5から上記ビート信号の光強度を検出し、差動増幅器153 で、光検出器151 の検出値と光検出器152 の検出値の差分を求め、信号処理部160 へ出力する。なお、差動増幅器153 は、その入力値の直流成分のバランスを調整する機能を備えているため、たとえ光源部100 から出射された低コヒーレンス光L1にドリフトが生じている場合でも、直流成分のバランスを調整した上で差分を増幅することにより、ドリフト成分は相殺され、ビート信号成分のみが検出される。
【0061】
なおこのときに、プリズム132 は、駆動部133 により、その光軸方向(図中水平方向)に移動される。このため参照光L3がファイバカプラ121 に到達するまでの光路長が変化する。参照光L3と干渉する走査光L4の光路長も変化するため、断層情報を取得する深度も変化する。
【0062】
上記の動作により、体腔1内の走査開始点における表面から所望の深度、例えば2mmまでの断層情報が取得される。また走査制御部176 は、走査開始点における測定が終了すると、被覆管173 を僅かに回転またはスライドさせ、走査開始点から走査終了点方向へ僅かにずれた点において、同様に所定の深度までの断層情報を取得する。このような動作を、微少な移動を繰り返しながら、走査点が走査終了点へ達するまでで繰り返す。
【0063】
信号処理部160 では、バランス差分検出部150 で検出された干渉光L5の光強度から各走査点の所定の面で反射された走査光L4aの強度を求めるヘテロダイン検出を行い、光断層画像に変換し、モニタ181に出力する。
【0064】
モニタ181では、信号処理部160から出力された光断層画像33を表示する。このような動作により、走査開始点から走査終了点の間の走査領域の光断層画像33を表示することができる。
【0065】
上記のような動作により、蛍光診断画像31上で、走査開始指定点A1および走査終了指定点A2を指定し、この2つの指定点に対応する体腔1内の走査開始点および走査終了点の間を走査領域として設定し、走査光L4によりこの走査領域の走査を行って光断層画像を取得するため、手動操作により走査光L4を所望の走査領域まで誘導する煩わしさが無く、迅速に光断層画像が取得できるので、所望の走査領域の光断層画像を効率良く取得することができる。また正確に所望の部位の光断層画像を取得することができる。
【0066】
また、観察者は取得した光断層画像に基づいて、例えば走査領域が癌等の部位であれば、所望の断面全体において、癌の深達度を観察することができる。
【0067】
また、コヒーレンス長10μmの低コヒーレンス光である走査光L4により走査領域を走査し、光断層画像を取得したため、空間分解能が約10μmである光断層画像を取得することができ、組織の断層形状を容易に視認することができる。
【0068】
次に、本発明の第2の具体的な実施の形態について図3および図4を用いて説明する。図3は、本発明のOCT装置の第2の実施の形態の全体を示す概略構成図であり、図4は表示された画像の説明図である。このOCT装置も第1の実施の形態と同様に、内視鏡装置に組み込まれたものであり、被検者の体腔1内の画像である蛍光診断画像31上で指定された4つの指定点に囲まれた領域の3次元光断層画像35を取得して、表示するものである。
【0069】
本OCT装置は、被検者の体腔内に挿入される挿入部10と、生体の体腔1内の蛍光診断画像31を取得する蛍光画像ユニット11と、体腔1内の光断層画像を取得するOCT取得部12と、挿入部10に設けられた鉗子口71に挿入されるOCTプローブ13と、蛍光診断画像31上で指定された指定点に基づいて、走査領域を設定する走査領域設定部20と、複数枚の光断層画像から3次元光断層画像を生成する3次元光断層画像生成部21と、蛍光診断画像31と体腔1内の3次元光断層画像35とを表示する表示部22と、蛍光診断画像31を3次元光断層画像35へ重畳した重畳画像36を生成する重畳画像生成部23とを備えている。なお図1に示す第1の具体的な実施の形態と同等の要素については同番号を付し、特に必要のない限りその説明は省略する。
【0070】
走査領域設定部20は、3次元光断層画像を取得する際に、指定された4つの指定点に対応する観察部上の点により囲まれた領域を走査領域として設定する。
【0071】
3次元光断層画像生成部21は、OCT取得部12から出力された複数枚の光断層画像を記憶する不図示の記憶部を有し、該記憶部に記憶された複数枚の光断層画像に基づいて、3次元光断層画像を生成し表示部22へ出力する。
【0072】
表示部22は、3次元光断層画像生成部21から出力された3次元光断層画像35、または3次元光断層画像に蛍光診断画像の一部を重畳した重畳画像36を表示するモニタ181 と、蛍光診断画像31を表示するモニタ182 と、蛍光診断画像31上の所望の画素位置を指定するペン型の入力部183 とを備えている。なお、各部位は、図示省略されたコントローラに接続され、動作タイミングが制御されている。
【0073】
次に本発明の第2の具体的な実施の形態である内視鏡装置の動作について説明する。第1の実施の形態と同様に、先ず蛍光診断画像31が取得され、表示部22のモニタ182 に表示される。観察者は、モニタ182 に表示された蛍光診断画像31を観察しながら、挿入部10の位置を手動操作により移動させ所望の部位に誘導し、所望の部位の観察を行う。
【0074】
3次元光断層画像を取得する際の動作について説明する。観察者は、モニタ182 に表示された蛍光診断画像31を観察しながら、図3に示すように、3次元光断層画像を取得する走査領域を指定する4つの指定点A3、A4、A5およびA6をペン型の入力部183 を用いて、モニタ182 に表示された蛍光診断画像31上で指定する。
【0075】
エイミング光L2が体腔1内に照射され、モニタ182 に表示された蛍光診断画像31にも輝点として表示される。
【0076】
走査領域設定部20では、まず蛍光診断画像31上で指定された指定点A3と、エイミング光L2の輝点の相対位置を算出し、走査制御部176 により被覆管173 をスライド移動および回転移動させ、エイミング光L2の輝点を指定点A1と一致させる。走査制御部176 では、その時のエイミング光L2の照射位置に対応する被覆管173 の角度やスライド位置を記憶する。同様に指定点A4、A5およびA6とエイミング光L2の輝点が一致するときの、被覆管173 の角度やスライド位置を記憶し、その後、各指定点と対応する点に囲まれた体腔1内の領域を走査領域として設定する。
【0077】
次に、走査制御部176 は、走査領域の一端で、被覆管173 を走査領域内でスライド移動させ、OCT取得部12により、光断層画像を取得し、3次元光断層画像生成部21に記憶する。次に、走査制御部176 は僅かに被覆管173 を回転移動させ、再度被覆管173 を走査領域内でスライド移動させ、OCT取得部12により、光断層画像を取得し、3次元光断層画像生成部21に記憶する。同様の動作を走査領域の他端に達するまで繰り返す。3次元光断層画像生成部21では、記憶されたこれらの光断層画像から3次元光断層画像35を生成し、表示部22のモニタ181 に出力する。モニタ182 は、図3に示すように、3次元光断層画像35を表示する。
【0078】
観察者は表示された3次元光断層画像35を観察することにより、癌等の病変部位全体あるいは癌等の疑いのある部位全体の断面において、癌の深達度等を観察することができる。なお、3次元光断層画像35としては、通常の3次元光断層画像の代わりに、ボリュームレンダリング処理等を施した擬似3D画像等を用いてもよい。このように光断層画像を3次元化すれば、画像を回転させることにより任意の方向から所望の部位を観察することができる。
【0079】
観察者が重畳画像表示を選択した場合には、重畳画像生成部23において、蛍光診断画像31を3次元光断層画像35へ重畳した重畳画像36が生成されモニタ182 に表示される。この重畳画像36は、図4に示すように、3次元光断層画像35の表面部分に、蛍光診断画像31において指定点A3、A4、A5およびA6により囲まれた領域の画像が重畳された画像である。
【0080】
本実施の形態における光断層画像取得システムにおいては、簡単な手動操作のみで所望の走査領域の3次元光断層画像を取得することができる。また、重畳画像36を表示することにより、所望の走査領域の蛍光診断画像および光断層画像を、同時に視認することができる。例えば走査領域が早期癌部位である場合等には、この早期癌の伸展度および深達度を1枚の画像を観察するのみで視認できる。
【0081】
また、上記各実施の形態のように、内視鏡の鉗子口71へOCTプローブ13を挿入して使用する場合、観察部の動きや、被検者の呼吸等の影響でOCTプローブ13の先端の位置がぶれてしまう場合ある。OCTプローブ13を走査する際に、走査領域設定部において、常時エイミング光L2の輝点の位置を検出し、設定された走査領域と一致させるように走査制御部によりOCTプローブ13の位置制御を行えば、OCTプローブ13の先端位置ぶれによる影響を低減し、正確に所望の走査領域の光断層画像を取得することができる。
【0082】
なお、上記各実施の形態においては、低コヒーレンス光の波長が、800nmであるため、走査光L4が、走査領域において望ましい透過性および散乱性を有するので、所望の光断層画像を取得することができる。
【0083】
また、エイミング光L2として緑色の可視光を使用したが、CCD撮像素子205として、波長800nmの光を撮像可能な撮像素子を使用すれば、走査光L4をエイミング光として使用することができ、エイミング光源部が不要になり、OCT取得部12の構成が簡素化できる。
【0084】
また、各実施の形態では、走査領域を設定するための指定点を指定するためにペン状の入力部183を用いたが、これに限定されるものではない。例えば蛍光診断画像31を観察しながら、マウス操作等の手動操作によりエイミング光の照射位置を移動させ、蛍光診断画像31に表示されたエイミング光の輝点が所望の位置に来た時に、クリック等の手動操作によって走査領域を設定する指定点を指定してもよい。
【0085】
また、各実施の形態では、予め被験者へ異常組織に対する親和性を有する蛍光試薬を投与すれば、この蛍光試薬から発せられる蛍光を撮像した蛍光画像を観察することにより、容易に異常組織を見つけることができる。この際には、CCD撮像素子205 と、プリズム206 の間に、モザイクフィルタの変わりに励起光をカットする励起光カットフィルタを設ければよい。
【0086】
なお、各実施の形態においては、撮像した蛍光による像の画素毎に異なる波長帯域の光強度の比率に基づいた擬似カラーを設定した蛍光診断画像を蛍光画像として用いた画これに限定あれるものではない。例えば、上記擬似カラーを近赤外光を観察部に照射して得られた反射像の光強度と組み合わせて生成した蛍光診断画像等も用いることができる。また、上記蛍光試薬を用いた場合等には、撮像した蛍光による像の蛍光強度を反映させた蛍光画像を用いることもできる。さらに、このような蛍光画像は、通常の内視鏡システムで撮影した通常画像へ重畳させてもよく、例えば白黒の通常画像へ擬似カラーによる蛍光診断画像を重畳させてもよい。あるいは、特殊画像処理を施して、異常組織を強調した半透明の蛍光画像を、カラーの通常画像へ重畳させてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明による第1の実施の形態である光断層画像取得システムの概略構成図
【図2】モザイクフィルタの説明図
【図3】本発明による第2の実施の形態である光断層画像取得システムの概略構成図
【図4】重畳画像の説明図
【符号の説明】
【0088】
1 体腔
10 挿入部
11 蛍光画像ユニット
12 OCT取得部
13 OCTプローブ
15,20 走査領域設定部
21 3次元光断層画像生成部
22 表示部
23 重畳画像生成部
71 鉗子口
100 低コヒーレンス光源部
110 エイミング光源部
120 ファイバ結合光学系
130 光路遅延部
150 バランス差分検出部
160 信号処理部
176 走査制御部
181,182 モニタ
183 入力部
201 CCDケーブル
202 ライトガイド
205 CCD撮像素子
210 励起光ユニット
230 画像処理ユニット
L1 低コヒーレンス光
L2 エイミング光
L3 参照光
L4 走査光
L5 干渉光
L6 励起光
L7 蛍光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
励起光を観察部に照射し、該励起光を照射された前記観察部から発せられた蛍光による像を撮像し、該撮像した蛍光による像に基づいた蛍光画像を生成する蛍光画像取得手段と、
前記蛍光画像取得手段により生成された蛍光画像を表示する蛍光画像表示手段と、
走査光により前記観察部内の走査領域を走査し、該走査領域の光断層画像を取得する光断層画像取得手段とを備えたことを特徴とする光断層画像取得システム。
【請求項2】
前記光断層画像取得手段が、低コヒーレンス光である走査光により前記観察部内の走査領域を走査し、該走査領域の所定深部からの反射光と、前記走査光と僅かな周波数差を有する参照光との干渉を用いて、前記走査領域の光断層画像を取得するOCT手段であることを特徴とする請求項1記載の光断層画像取得システム。
【請求項3】
前記蛍光画像表示手段に表示された蛍光画像上で、任意の1つ以上の指定点を指定する位置指定手段と、
該位置指定手段により指定された指定点に基づいて、前記走査光の走査領域を設定する走査領域設定手段とを備えたことを特徴とする請求項1または2記載の光断層画像取得システム。
【請求項4】
前記位置指定手段が、3つ以上の指定点を指定するものであり、
前記走査領域設定手段が、位置指定手段により指定された3つ以上の指定点に対応する観察部上の点に囲まれた領域を走査領域として設定するものであり、
前記光断層画像取得手段が、前記走査領域内の複数枚の光断層画像を取得するものであり、
前記光断層画像取得手段により取得された複数枚の光断層画像に基づいて、3次元光断層画像を生成する3次元光断層画像生成手段をさらに備えたことを特徴とする請求項3記載の光断層画像取得システム。
【請求項5】
前記蛍光画像を前記光断層画像に重畳した重畳画像を生成する重畳画像生成手段と、
該重畳画像を表示する重畳画像表示手段とを有することを特徴とする請求項1から4いずれか1項記載の光断層画像取得システム。
【請求項6】
前記観察部が、異常組織に対する親和性を有する蛍光試薬を投与 された生体観察部であり、前記蛍光が前記蛍光試薬から発せられるものであることを特徴とする請求項1から5いずれか1項記載の光断層画像取得システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2006−26015(P2006−26015A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−207766(P2004−207766)
【出願日】平成16年7月14日(2004.7.14)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】