説明

光源装置

【課題】 光学特性と安全性とを容易に確保できる光源装置を提供すること。
【解決手段】 光源装置10は、励起光を出射する光源20と、光源20から出射された励起光を導光する光ファイバ40と、光ファイバ40によって導光され光ファイバ40から出射された励起光を受光して、受光した励起光を励起光とは異なる波長の光に変換する波長変換ユニット60と、光ファイバ40と波長変換ユニット60とを光学的に固定する固定部材80と、光ファイバ40と波長変換ユニット60とを一体的に被覆して保護する保護部材100とを有している。保護部材100は、軟性状態から硬性状態へと変化して光ファイバ40と波長変換ユニット60とに密着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光源から出射された励起光を波長変換ユニットによって波長変換して照明する光源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、小型の光源から出射された光を、光ファイバによって導光し、光ファイバの先端部に配設された波長変換部材により波長変換して、光を所望の照射パターンや色へ変化させる発光装置が開発されている。
【0003】
このような発光装置は、例えば特許文献1に開示されている。この発光装置100を図8に示す。発光装置100は、光ファイバ110と、光ファイバ110を保持する光ファイバ保持部材120と、光ファイバ保持部材120を被覆するキャップ130と、光ファイバ110の先端部に配設され、キャップ130によって被覆され、光ファイバ110によって導光された光を波長変換する光変換部材140とを有している。光変換部材140は、光ファイバ110の先端部に配設されており、脱落を防止されている。
【0004】
キャップ130は、光ファイバ保持部材120と光変換部材140とが挿入可能な内孔132と、光変換部材140を係止可能な係止部131とを有している。内孔132は光変換部材140の最大径より小さくなっており、これによりキャップ130から光変換部材140の脱落が防止されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−76798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述した特許文献1において、光ファイバ110は光ファイバ保持部材120によって保持されているのみであり、光ファイバ保持部材120はキャップ130によって被覆されているのみである。そのため発光装置100が組み立てられた後、衝撃などの外力が光ファイバ保持部材120やキャップ130に加わると、光ファイバ110や光変換部材140の位置がずれ、所望の光学特性を得られない虞が生じる。
【0007】
また光ファイバ110や光変換部材140の位置がずれると、光が漏れ、所望な安全性が得られない虞が生じる。
【0008】
このように発光装置100が組み立てられた後、光学特性と安全性とを確保することは容易ではない、
本発明は、これらの事情に鑑みてなされたものであり、光学特性と安全性とを容易に確保できる光源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は目的を達成するために、励起光を出射する光源と、前記光源から出射された前記励起光を導光する導光部材と、前記導光部材によって導光され前記導光部材から出射された前記励起光を受光して、受光した前記励起光を前記励起光とは異なる波長の光に変換する波長変換ユニットと、前記導光部材と前記波長変換ユニットとを光学的に固定する固定部材と、前記導光部材と前記波長変換ユニットとを一体的に被覆して保護する保護部材と、を具備し、前記保護部材は、軟性状態から硬性状態へと変化して前記導光部材と前記波長変換ユニットとに密着することを特徴とする光源装置を提供する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、光学特性と安全性とを容易に確保できる光源装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の第1の実施形態に係る光源装置の概略図である。
【図2】図2は、フェルールと波長変換ユニットとの概略図である。
【図3A】図3Aは、保護部材によって被覆され、固定部材によって固定された図2に示すフェルールと波長変換ユニットとの概略図である。
【図3B】図3Bは、図3Aに示す3B−3B線における図である。
【図4】図4は、第1の実施形態の変形例の保護部材によって被覆されたフェルールと波長変換ユニットとの概略図である。
【図5】図5は、第2の実施形態の保護部材によって被覆されたフェルールと波長変換ユニットとの概略図である。
【図6】図6は、第2の実施形態の変形例の保護部材によって被覆されたフェルールと波長変換ユニットとの概略図である。
【図7】図7は、第3の実施形態の保護部材によって被覆されたフェルールと波長変換ユニットとの概略図である。
【図8】図8は、従来の発光装置を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1と図2と図3Aと図3Bとを参照して第1の実施形態について説明する。
図1に示すように、光源装置10は、例えば励起光を出射する光源20と、光源20から出射された励起光を導光する導光部材である光ファイバ40と、光ファイバ40によって導光され光ファイバ40から出射された励起光を受光して、受光した励起光を励起光とは異なる波長の光(例えば蛍光)に変換する波長変換ユニット60と、光ファイバ40と波長変換ユニット60とを光学的に固定する固定部材80と、光ファイバ40と固定部材80と波長変換ユニット60とを一体的に被覆して保護する保護部材100とを有している。保護部材100は、詳細については後述するが、軟性状態から硬性状態へと変化して光ファイバ40と波長変換ユニット60とに密着する。
【0013】
光源20は、所定の駆動電流や点灯間隔により励起光を出射する図示しない半導体レーザと、励起光を光ファイバ40に集光する図示しない集光レンズとを有している。励起光は、半導体レーザと集光レンズとによって、効率的に光ファイバ40に入射する。
【0014】
光ファイバ40は、中心部に配設されている図示しないコアと、コアの外周に配設され、コアを被覆する図示しないクラッドとによって形成されている。コアの屈折率は、クラッドにて励起光を全反射しコアにて効率良く励起光を導光するために、クラッドの屈折率よりも高くなっている。クラッドとコアとは、ガラスやプラスチックによって形成される。
【0015】
図2に示すように、光ファイバ40は、光ファイバ40が折れることを防止し、光ファイバ40が傷つくことを防止し、外力に対する光ファイバ40の耐性の劣化を防止するために、樹脂性の被覆層40aによって被覆されている。被覆層40aは、所望な厚さを有しており、光ファイバ40を、図1に示す光ファイバ40の基端部40bから光ファイバ40の先端部40c側まで被覆している。
【0016】
このような光ファイバ40は、導光した励起光を前方に向かって出射する出射端面40gを先端部40cに有している。図2に示すように、光源装置10は、この出射端面40g側を保持する保持部材であるフェルール41をさらに有している。フェルール41は、出射端面40gがフェルール41の一端面41gと略同一平面に配設されるように、光ファイバ40を保持している。フェルール41は、ジルコニアを主成分とするセラミックスによって形成されている。一端面41gは、例えば平面となっている。
【0017】
フェルール41は、例えば円筒形状を有している。詳細には、図2に示すように、フェルール41は、光ファイバ40の先端部40cが嵌合または接着し、先端部40cを保持する保持孔41jを、フェルール41の中心に有している。保持孔41jは、フェルール41の軸方向において、フェルール41を貫通している。また図2に示すように、フェルール41は、保持孔41jと連通し、光ファイバ40が保持孔41jに挿入され嵌合するように、先端部40cを保持孔41jにガイドするガイド口41kを有している。ガイド口41kは、フェルール41の他端面41hからフェルール41の一端面41gに向かって縮径している円錐台形状を有しており、傾斜しているテーパとなっている。なお上述した被覆層40aは、フェルール41の他端面41h側、言い換えるとガイド口41k付近にまで配設されているのみであり、保持孔41jには挿入されない。そのため光ファイバ40の先端部40c側は、被覆層40aから露出している。
【0018】
ガイド口41kには、被覆層40aを含む光ファイバ40の先端部40c側をフェルール41に接着する接着部材43が配設される。接着部材43は、被覆層40aにも配設される。接着部材43は、例えば、光学用の接着剤や、シリコンやエポキシ等の透明な接着剤などである。
【0019】
図2に示すように、波長変換ユニット60は、励起光の出射(進行)方向において、出射端面40gの前方に配設されている。このような波長変換ユニット60は、励起光を受光して、励起光を励起光とは異なる波長の光に変換する波長変換部材である蛍光部材61と、蛍光部材61を被覆するように保持するホルダ67とを有している。
【0020】
蛍光部材61は、蛍光体63と光透過部材65とを有している。蛍光体63と光透過部材65とを組み合わせた蛍光部材61は、励起光の出射方向に向かって拡径する図2に示すように円錐台形状を有している。
【0021】
蛍光体63は、光ファイバ40の出射端面40gから出射される励起光を吸収して、励起光とは異なる波長の光、例えば蛍光を照明光として出射する。このような蛍光体63は、出射端面40gから出射され光透過部材65を透過した励起光を受光する受光面63gと、照明光を出射する出射面63hとを有している。受光面63gは出射端面40gに対向するように出射端面40g側に配設され、出射面63hは受光面63gよりも励起光の出射方向において前方に配設されている。蛍光体63は、粉末状の蛍光体がシリコン樹脂やガラス等の封止材料に分散されて、封止材料が固化することで、形成される。蛍光体63は、例えば円柱形状を有している。
【0022】
光透過部材65は、出射端面40gから出射された励起光が入射する一端面である入射面65gと、励起光と蛍光とを出射する他端面である出射面65hとを有している。この入射面65gは蛍光部材61(波長変換ユニット60)における入射面でもあり、出射面65hは蛍光部材61(波長変換ユニット60)における出射面でもある。
【0023】
光透過部材65は、例えば、蛍光体63の受光面63gと側面とを取り囲み、蛍光体63の出射面63hと光透過部材65の出射面65hとが同一平面に配設されるように、蛍光体63を内部に有している。なお光透過部材65は、出射方向における光透過部材65の中心軸と蛍光体63の中心軸とが一致するように、蛍光体63を内部に有していればよい。光透過部材65は、光ファイバ40の出射端面40gから出射される励起光と、蛍光体63から出射される蛍光とを透過する。
【0024】
ホルダ67は、例えばセラミックやステンレスなどである。ホルダ67は、例えば円柱形状を有している。ホルダ67は、励起光の出射方向に沿って拡径する円錐台形状の中空部67aをさらに有している。出射方向において、中空部67aの中心軸は、ホルダ67の中心軸と一致する。中空部67aは、ホルダ67を貫通している。そのためホルダ67は、出射端面40g側に対向するホルダ67の一端面67gに配設され、出射端面40gから励起光が入射する入射開口部67jと、ホルダ67の他端面67hに配設され励起光と蛍光とが出射する出射開口部67kとを有している。入射開口部67jは、光ファイバ40の出射端面40gよりも大きく、出射開口部67kよりも小さい。中空部67aには、出射方向におけるホルダ67(中空部67a)の中心軸が光透過部材65の中心軸と蛍光体63の中心軸とに一致し、光透過部材65の入射面65gが入射開口部67jに嵌合し、光透過部材65の出射面65hが出射開口部67kに嵌合するように、蛍光部材61が嵌め込まれる。このとき、光透過部材65の入射面65gとホルダ67の一端面67gとが同一平面上に配設され、蛍光体63の受光面63gと光透過部材65の出射面65hとホルダ67の他端面67hとが同一平面上に配設される。一端面67gと他端面67hと側面67lとは、例えば平面となっている。
【0025】
ホルダ67の内周面には、蛍光体63から内周面に向かって出射された蛍光を前方(出射面63h)に向かって反射する図示しない反射部材が配設されている。この内周面の一部と、蛍光部材61(光透過部材65)の外周面の一部とは、図示しない接着剤によって接着されている。
【0026】
このようにホルダ67と蛍光部材61とによって形成される波長変換ユニット60において、光ファイバ40の出射端面40gから出射された励起光は、入射面65gから入射して光透過部材65を透過する。透過した励起光の一部は、蛍光体63の受光面63gによって受光され、蛍光体63によって蛍光に変換される。蛍光に変換されなかった励起光と、蛍光とは、蛍光体63の出射面63hと光透過部材65の出射面65hとから前方へ照明光として出射される。
【0027】
なお本実施形態ではホルダ67は、フェルール41とは別体である。またホルダ67の外径は、フェルール41の外径よりも大きい。フェルール41における光ファイバ40の出射端面40gと、ホルダ67における光透過部材65(蛍光部材61)の入射面65gとは、例えば出射端面40gから出射された励起光が入射開口部67jに入射するように、固定部材80によって光学的に間接的にまたは直接的に固定されている。固定部材80は、UV光を照射されることで硬化し、硬化することにより、光ファイバ40の出射端面40gと光透過部材65(蛍光部材61)の入射面65gとを光学的に固定する。このような固定部材80は、例えば接着剤である。
図3Aに示すように、本実施形態では、固定部材80は、例えば、出射端面40g側のフェルール41の一端面41gと、入射開口部67j側のホルダ67の一端面67gとに塗布されている。固定部材80は、上述したようにUV光を照射されることで硬化し、硬化することによりフェルール41とホルダ67とを固定する。これにより固定部材80は、光ファイバ40の出射端面40gと、光透過部材65(蛍光部材61)の入射面65gとを間接的に固定している。
なお固定部材80は、光ファイバ40の出射端面40gと、光透過部材65(蛍光部材61)の入射面65gとに直接塗布され、これにより光ファイバ40の出射端面40gと、光透過部材65(蛍光部材61)の入射面65gとを直接的に固定してもよい。
【0028】
図3Aに示すように、固定部材80によって固定されるフェルール41とホルダ67とは、例えば円筒形状の保護部材100によって密着するように被覆されており、外力から保護されている。保護部材100は、所望の厚みと弾性とを有しており、外力を緩衝(緩和)し、フェルール41とホルダ67と、さらに被覆層40aも保護する。外力は、衝撃などを含み、光源装置100が他の部材とぶつかったりした際に生じる。
【0029】
保護部材100は、少なくとも光軸40eの軸回りに沿って固定部材80を被覆するように、フェルール41の側面41lとホルダ67の側面67lとに密着するように配設されている。本実施形態では、保護部材100は、フェルール41とホルダ67とを被覆するように一体的に配設されている。また保護部材100は、励起光の出射方向において、フェルール41とホルダ67とに沿って配設されている。詳細には、保護部材100は、フェルール41の一端面41gと他端面41hとを除き、フェルール41の側面41lを全周に渡って密着するように配設されている。また保護部材100は、ホルダ67の一端面67gを除き、ホルダ67の側面67lを全周に渡って及びホルダ67の他端面67hに密着するように配設されている。フェルール41側における保護部材100とホルダ67側における保護部材100とは、連続しており一体である。
これにより保護部材100は、光ファイバ40とフェルール41と波長変換ユニット60とが外力によって変形及び破損することを防止する。また保護部材100は、固定部材80によって固定している光ファイバ40の出射端面40gと光透過部材65の入射面65gとの固定状態が外力によって変形及び破損することを防止する。また保護部材100は、外力によって、光ファイバ40とフェルール41とが分解し、波長変換ユニット60が分解し、固定部材80によって固定されている光ファイバ40の出射端面40gと光透過部材65の入射面65gとが分解することを防止する。また保護部材100は、このような分解を防止することで、ホルダ67とフェルール41との位置ずれ、つまり出射端面40gと入射面65gとの位置ずれを防止する。また保護部材100は、フェルール41と、波長変換ユニット60と、固定部材80によって固定している光ファイバ40の出射端面40gと光透過部材65の入射面65gと、において、変形と破損と分解とを防止することで、変形と破損と分解とによって、変形と破損と分解とが生じた部分から励起光が外部に漏れることを防止する。
【0030】
なお保護部材100は、ホルダ67の他端面67h側において、波長変換ユニット60が保護部材100から脱落することを防止するために、ホルダ67の他端面67hのみに密着するように折れ曲がっている。このとき保護部材100は、蛍光体63の出射面63hから出射される蛍光と、光透過部材65の出射面65hから出射される励起光とを遮光しないように、出射面63h,65hを除く他端面67hのみに密着するように配設されている。
【0031】
また保護部材100は、光軸40eの軸回りに沿って接着部材43を被覆するように、フェルール41から露出している光ファイバ40の先端部40c側(接着部材43)に密着するように配設されている。また保護部材100は、フェルール41と、励起光の出射方向において、フェルール41から露出している光ファイバ40とに沿って配設されている。詳細には、保護部材100は、ガイド口41kと接着部材43とを除いて、フェルール41の側面41lに密着するように配設され、光ファイバ40の被覆層40aの一部に密着するように配設されている。このようにフェルール41側における保護部材100と被覆層40a側における保護部材100とは、連続しており一体である。
これにより保護部材100は、光ファイバ40と被覆層40aとが外力によって変形及び破損することを防止する。また保護部材100は、接着部材43によって接着している光ファイバ40とフェルール41との接着状態が外力によって変形及び破損することを防止する。また保護部材100は、外力によって、光ファイバ40と被覆層40aとが分解し、接着部材43によって接着されている光ファイバ40とフェルール41とが分解することを防止する。また保護部材100は、このような分解を防止することで、光ファイバ40とフェルール41との位置ずれを防止する。また保護部材100は、光ファイバ40と被覆層40aと接着部材43によって接着している光ファイバ40とフェルール41とにおいて、変形と破損と分解とを防止することで、変形と破損と分解とによって、変形と破損と分解とが生じた部分から励起光が外部に漏れることを防止する。
【0032】
なおフェルール41は、フェルール41から露出している光ファイバ40よりも太い。このとき、上述したように、保護部材100は、フェルール41と、フェルール41から露出している光ファイバ40に沿って配設され、フェルール41の側面41lと被覆層40aとの両方を全周に渡って配設されている。そのため保護部材100は、出射方向において、フェルール41から光ファイバ40(被覆層40a)に向かって縮径している(絞られている)。これにより保護部材100は、フェルール41が保護部材100の被覆層40a側から脱落することを防止している。
【0033】
上述した保護部材100は、フェルール41とホルダ67と被覆層40aとに密着して固定するために、熱によって軟性状態から硬性状態へと変化する熱収縮性を有する材料によって形成される。保護部材100は、熱によって径方向において収縮し、被覆層40aとフェルール41とホルダ67との形状に合わせて変形し、被覆層40aとフェルール41とホルダ67とに密着する。
【0034】
また保護部材100は、励起光が光ファイバ40とフェルール41と波長変換ユニット60とから外部に漏れることを防止するために、励起光を遮光する性質を有している。そのため例えば、保護部材100には、励起光を吸収して励起光を遮光する遮光材料が添加されている。この遮光材料には、例えば有機系や無機系の黒色顔料が用いられている。また遮光材料には、励起光や蛍光に対して吸収する性質をもつ着色材料が用いられても良い。
【0035】
また、保護部材100には、熱伝導性を高め、保護部材100の耐熱性と耐光性とを向上させるために、励起光が遮光される際に発生する熱に対して劣化し難い材料と、熱伝導性を有するアルミ粉や銅粉などの金属粉と、粉状のグラファイトとの少なくとも1つが添付されている。
【0036】
次に本実施形態における光ファイバ40の出射端面40gと、光透過部材65(蛍光部材61)の入射面65gとの固定方法について説明する。
光ファイバ40の先端部40cは、ガイド口41kによってガイドされて保持孔41jに挿入され、保持孔41jに嵌合または接着する。このとき、出射端面40gは、フェルール41の一端面41gと略同一平面に配設される。そして先端部40c側は、被覆層40aも含めて接着部材43によってガイド口41kに接着される。
【0037】
蛍光部材61は、出射方向におけるホルダ67(中空部67a)の中心軸が光透過部材65の中心軸と蛍光体63の中心軸とに一致し、光透過部材65の入射面65gが入射開口部67jに嵌合し、光透過部材65の出射面65hが出射開口部67kに嵌合するように、中空部67aに嵌め込まれる。
【0038】
光ファイバ40を保持するフェルール41と、波長変換ユニット60と、のどちらか一方が、出射端面40gが入射面65gと対向し、光ファイバ40の光軸40eと蛍光部材61の中心軸とが一致するように、他方に向かって移動する。移動する方向は、図2に示すように、例えば励起光の出射方向(光軸40e方向)であるX方向や、X方向に直交するY方向、X方向とY方向とに直交するZ方向などである。
【0039】
出射端面40gから出射され、波長変換ユニット60に入射される励起光において、励起光は、光ファイバ40の開口数NAによって決まる広がり角度で出射端面40gから射出され、波長変換ユニット60に入射する。
【0040】
このとき、フェルール41と波長変換ユニット60とのどちらか一方が他方に向かって移動すると、光学特性が、移動前と比べて変化する。この光学特性には、例えば、波長変換ユニット60(蛍光体63と光透過部材65)から出射される蛍光量や励起光透過量などが含まれる。
【0041】
そのためフェルール41と波長変換ユニット60とのどちらか一方が他方に向かって移動した状態で、光学特性が図示しないモニタで観察されながら調整される。光学特性が所望な状態を有するとき、フェルール41と波長変換ユニット60との位置が設定される。所望な状態とは、例えば照明光の蛍光成分が所望な値以上の時であったり、または照明光の励起光成分が所望な値以下の時である。
【0042】
次に固定部材80が、例えばフェルール41の一端面41gとホルダ67の一端面67gとに塗布される。固定部材80は、UV光を照射されることで硬化する。これによりフェルール41とホルダ67とは、固定される。そしてフェルール41における光ファイバ40の出射端面40gと、ホルダ67における光透過部材65(蛍光部材61)の入射面65gとは、間接的に固定され、位置決めされる。
【0043】
次に本実施形態における保護部材100の配設方法について説明する。
円筒形状を有し軟性状態の保護部材100は、出射方向において、被覆層40aから波長変換ユニット60までを被覆する長さを有するように形成される。この保護部材100は、固定部材80と接着部材43とを被覆するように、被覆層40a側から波長変換ユニット60側に向かって、被覆層40aと波長変換ユニット60とを被覆する。なお保護部材100は、ホルダ67の他端面67hに向かって折れ曲がっている。
【0044】
保護部材100は、所望の温度を有する熱風を受けて、径方向において収縮する。これにより、保護部材100は、硬性状態に変化し、被覆層40aとフェルール41とホルダ67との形状に合わせて変形し、被覆層40aとフェルール41の側面41lとホルダ67の側面67lとに密着する。
【0045】
次に本実施形態における保護部材100の動作方法について説明する。
光源装置10が上述したように組み立てられ、衝撃などの外力が加わる際、外力は最初に保護部材100に掛かる。このとき保護部材100は、所望の厚みと弾性を有しており、被覆層40aからホルダ67に向かって連続して配設されている。また保護部材100は、接着部材43と固定部材80と被覆層40aとフェルール41とホルダ67とを被覆し、熱収縮によって被覆層40aとフェルール41の側面41lとホルダ67の側面67lとに密着している。そのため保護部材100は、外力を緩衝し、被覆層40aとフェルール41とホルダ67とを保護する。
【0046】
このとき保護部材100は、光ファイバ40とフェルール41と波長変換ユニット60とが外力によって変形及び破損することを防止する。また保護部材100は、固定部材80によって固定している光ファイバ40の出射端面40gと光透過部材65の入射面65gとの固定状態が外力によって変形及び破損することを防止する。また保護部材100は、外力によって、光ファイバ40とフェルール41とが分解し、波長変換ユニット60が分解し、固定部材80によって固定されている光ファイバ40の出射端面40gと光透過部材65の入射面65gとが分解することを防止する。また保護部材100は、このような分解を防止することで、出射端面40gと入射面65gとが上述したように位置決めされた後に、ホルダ67とフェルール41との位置決めがずれること、つまり出射端面40gと入射面65gとの位置決めがずれることを防止する。
【0047】
また保護部材100は、光ファイバ40と被覆層40aとが外力によって変形及び破損することを防止する。また保護部材100は、接着部材43によって接着している光ファイバ40とフェルール41との接着状態が外力によって変形及び破損することを防止する。また保護部材100は、外力によって、光ファイバ40と被覆層40aとが分解し、接着部材43によって接着されている光ファイバ40とフェルール41とが分解することを防止する。また保護部材100は、このような分解を防止することで、光ファイバ40とフェルール41と位置決めされた後に、光ファイバ40とフェルール41との位置決めがずれることを防止する。
【0048】
また保護部材100は、被覆層40aとフェルール41とホルダ67とに密着しているため、固定部材80の固定力と接着部材43の接着力とが弱まっても、出射端面40gと入射面65g(ホルダ67とフェルール41)の固定状態と、光ファイバ40の先端部40c側とフェルール41との接着状態とを維持する。
【0049】
これにより光学特性が確保される。
【0050】
なお光ファイバ40と被覆層40aとフェルール41と波長変換ユニット60とが外力によって変形及び破損すると、励起光が変形及び破損した箇所から外部に漏れる虞が生じる。また出射端面40gと入射面65gとの固定状態と、光ファイバ40とフェルール41との接着状態とが外力によって変形及び破損すると、励起光が変形及び破損した箇所から外部に漏れる虞が生じる。例えばガイド口41kにおいて光ファイバ40が折れ、光ファイバ40にひび等が発生し、光ファイバ40が断線し、または接着部材43が剥離すると、折れた部分やひびが発生した部分や断線部分から励起光が不特定方向に出射される虞が生じる。
また外力によって、光ファイバ40とフェルール41とが分解し、波長変換ユニット60が分解し、固定部材80によって固定されている光ファイバ40の出射端面40gと光透過部材65の入射面65gとが分解し、光ファイバ40と被覆層40aとが分解し、接着部材43によって接着されている光ファイバ40とフェルール41とが分解する虞が生じる。これにより励起光が分解した箇所から外部に漏れる虞が生じる。
また外力によって、出射端面40gと入射面65gとが上述したように位置決めされた後に、ホルダ67とフェルール41との位置ずれ、つまり出射端面40gと入射面65gとの位置ずれと、光ファイバ40とフェルール41との位置ずれとが生じると、励起光が位置ずれした箇所から外部に漏れる虞が生じる。このとき例えば出射端面40gから出射された励起光は、入射面65gに入射せず、不特定方向に進行する虞が生じる。
【0051】
しかしながら本実施形態では、保護部材100は、上述したように光学特性を確保するように、光ファイバ40と被覆層40aとフェルール41と波長変換ユニット60とを保護している。
このとき保護部材100は、フェルール41と波長変換ユニット60と固定部材80によって固定している光ファイバ40の出射端面40gと光透過部材65の入射面65gとにおいて、変形と破損と分解とを防止することで、変形と破損と分解とによって、変形と破損と分解とが生じた部分から励起光が外部に漏れることを防止している。
また保護部材100は、光ファイバ40と被覆層40aと接着部材43によって接着している光ファイバ40とフェルール41とにおいて、変形と破損と分解とを防止することで、変形と破損と分解とによって、変形と破損と分解とが生じた部分から励起光が外部に漏れることを防止している。
また保護部材100は、励起光を遮光する性質を有しており、励起光を遮光し、励起光が外部へ漏れることを防止している。
【0052】
このように励起光が外部へ漏れることを防止されているため、安全性が確保される。
【0053】
なお保護部材100は、出射方向において、フェルール41から光ファイバ40(被覆層40a)に向かって縮径している。これにより保護部材100は、フェルール41が保護部材100の被覆層40a側から脱落することを防止している。
また保護部材100は、ホルダ67の他端面67hに密着するように折れ曲がっており、波長変換ユニット60が保護部材100から脱落することを防止している。
【0054】
このように本実施形態では、保護部材100が、被覆層40aとフェルール41とホルダ67とを、被覆層40aからホルダ67に向かって連続して、軟性状態から硬性状態へと変化して密着するように被覆している。そのため本実施形態では、外力が加わっても保護部材100によって被覆層40aとフェルール41とホルダ67とを保護できる。
これにより本実施形態では、光ファイバ40と被覆層40aとフェルール41と波長変換ユニット60と、出射端面40gと入射面65gとの固定状態と、光ファイバ40とフェルール41との接着状態とが外力によって変形及び破損することを防止できる。
また本実施形態では、外力によって、光ファイバ40とフェルール41とが分解し、波長変換ユニット60が分解し、固定部材80によって固定されている光ファイバ40の出射端面40gと光透過部材65の入射面65gとが分解し、光ファイバ40と被覆層40aとが分解し、接着部材43によって接着されている光ファイバ40とフェルール41とが分解することを防止できる。
また本実施形態では、外力によって、出射端面40gと入射面65gとが上述したように位置決めされた後に、出射端面40gと入射面65gとの位置ずれと、光ファイバ40とフェルール41との位置ずれとを防止できる。
このように本実施形態では、保護部材100によって、変形と破損と分解と位置ずれとを防止できるため、光学特性を容易に確保できる。
【0055】
また本実施形態では、保護部材100によって上述した変形と破損と分解とを防止し、保護部材100が励起光を遮光する性質を有している。よって本実施形態では、変形と破損と分解とが生じた部分から励起光が外部に漏れることを防止でき、保護部材100によって励起光が外部に漏れることをさらに防止できる。このように、本実施形態では、励起光が外部に漏れることを防止でき、安全性を容易に確保できる。
【0056】
また本実施形態では、上述したように出射端面40gと入射面65gとが上述したように位置決めされた後であっても、光学特性と安全性とを容易に確保できる。
【0057】
また本実施形態では、保護部材100を、固定部材80と接着部材43との周辺にも、具体的には、光軸40eの軸回りに沿って固定部材80と接着部材43とを被覆するように配設しているために、固定状態における固定強度と接着状態における接着強度とを高めることができる。
【0058】
また本実施形態では、保護部材100を熱によって軟性状態から硬性状態へと変化する熱収縮性を有する材料によって形成することで、保護部材100を被覆層40aとフェルール41とホルダ67とに隙間無く密着させることができ、光学特性を確保できる。
【0059】
また本実施形態では、保護部材100が励起光を遮光する性質を有することで、確実に励起光を遮光でき、安全性をより確実に確保できる。
【0060】
また本実施形態では、保護部材100を、ホルダ67の他端面67hのみに密着するように折り曲げ、光透過部材65の出射面63hには配設されていない。そのため本実施形態では、保護部材100によって、蛍光体63の出射面63hから出射される蛍光と、光透過部材65の出射面65hから出射される励起光とを遮光することを防止でき、照明光の光量を確保できる。
【0061】
また本実施形態では、保護部材100によって、フェルール41が保護部材100の被覆層40a側から脱落することを防止でき、波長変換ユニット60が保護部材100から脱落することを防止できる。
【0062】
なお本実施形態では、光ファイバ40の出射端面40gから出射された励起光が蛍光体63に効率良く入射できれば、蛍光体63を円柱形状に限定する必要は無い。例えば蛍光体63は、励起光の照射効率や、励起光と蛍光との割合、照明光の照明パターンなどに応じて、さまざまな形状を有していてもよい。この場合、蛍光体63は、例えば、角柱形状や球形状などの立体構造を有していてもよい。
【0063】
または、蛍光体63は、光透過部材65の中心軸と蛍光体63の中心軸とが一致すれば、光透過部材65の内部に埋没されてもよい。
【0064】
次に本実施形態の変形例について図4を参照して説明する。
本変形例の保護部材100は、伸縮性を有するフィルム状の材料によって形成されている。また保護部材100は、遮光性を有するために、例えば黒色PETフィルムによって形成されている。保護部材100の片面には、被覆層40aとフェルール41とホルダ67とに接着するために、接着剤が塗布されている。
【0065】
保護部材100は、固定部材80を被覆するように、段差が形成されるホルダ67の側面67lとフェルール41の側面41lとに密着し、ホルダ67の側面67lとフェルール41の側面41lとを一体的に複数回、光軸40eの軸周りに沿って券回するように配設される。保護部材100は、複数回券回するような所望な長さと、ホルダ67の側面67lとフェルール41の側面41lとに接触できる所望な幅を有している。
【0066】
また保護部材100は、接着部材43を被覆するように、段差が形成されるフェルール41の側面41lと被覆層40aとに密着し、フェルール41の側面41lと被覆層40aとを一体的に複数回、光軸40eの軸周りに沿って券回するように配設される。そのため保護部材100は、複数回券回するような所望な長さと、フェルール41の側面41lと被覆層40aとに接触できる所望な幅を有している。
【0067】
なお接着部材43側の保護部材100と、固定部材80側の保護部材100とは、一体となっていても良い。つまり保護部材100は、接着部材43と固定部材80とを被覆するように、段差が形成される被覆層40aとフェルール41の側面41lとホルダ67の側面67lとに密着し、被覆層40aとフェルール41の側面41lとホルダ67の側面67lとを一体的に複数回、光軸40eの軸周りに沿って券回するように配設されていてもよい。
【0068】
また、蛍光部材61は、光透過部材65を使用せずに、蛍光体63のみで形成されている。この場合、蛍光体63は、中空部67aに配設されるように円錐台形状を有している。また受光面63gは入射開口部67jに嵌合し、出射面63hは出射開口部67kに嵌合する。
【0069】
このように本変形例では、フィルム状の保護部材100によって、保護部材100自体の厚みを薄くでき、全体を細くすることができる。
【0070】
また本変形例では、蛍光部材61を蛍光体63のみで形成することで、励起光の照射効率や蛍光体63の波長変換効率などから、蛍光部材61をさまざまな形状に変形することができる。
【0071】
なお蛍光部材61は例えば円柱形状を有していてもよく、円柱形状の蛍光部材61内部で蛍光体63の濃度勾配が設けられることで、蛍光体63の波長変換効率を向上させることができる。
【0072】
次に、本発明に係る第2の実施形態について図5を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同一の構成については、第1の実施形態と同一の参照符号を付すことにより説明を省略する。
本実施形態の保護部材100は、液状で粘性を有する状態から光または熱によって硬化する樹脂材料によって形成されている。保護部材100は、硬化剤を有している。保護部材100は、液状の樹脂材料を脱泡によって内部から気泡を取り除いた後に、ピペット等を用いて接着部材43と固定部材80とに隙間無く密着するように、被覆層40aとフェルール41の側面41lとホルダ67の側面67lとに一体に塗布される。保護部材100は、第1の実施形態と同様に、ホルダ67の他端面67hにも塗布される。保護部材100は、接着部材43と固定部材80とにおける保護部材100の強度を維持するために、所望な厚みと弾性とを有している。保護部材100は、例えばUV光を照射されることで硬化する。
【0073】
このように本実施形態では、保護部材100を樹脂材料によって形成することで、保護部材100を接着部材43と固定部材80とに隙間無く密着させることができる。これにより本実施形態では、接着部材43と固定部材80とから励起光が漏れても、漏れの発生箇所に近い場所で遮光することができ、より安全性を確保することができる。
【0074】
なお本実施形態では、保護部材100によって被覆された接着部材43と固定部材80との一方に対して、保護部材100とは異なる液状の樹脂材料を、保護部材100を被覆するように保護部材100に塗布して、この樹脂材料を硬化させてもよい。これにより本実施形態では、接着部材43と固定部材80とにおける保護部材100の強度を調整できる。
【0075】
また硬化した保護部材100の弾性係数は、フェルール41の弾性係数とホルダ67の弾性係数とよりも小さいことが好適である。
【0076】
次に本実施形態の変形例について図6を参照して説明する。
本変形例の接着部材43は、ガイド口41kにおいて、被覆層40aから露出している光ファイバ40の先端部40c側をフェルール41に直接接着している。またこの場合、被覆層40aと接着部材43との間において、光ファイバ40はさらに露出している。保護部材100は、接着部材43と、被覆層40aの先端部側と、被覆層40aから露出している光ファイバ40と被覆するように密着している。
【0077】
このように本変形例では、ガイド口41kにおける光ファイバ40の状態に係らず、保護部材100によって励起光を遮光でき、より安全性を確保することができる。
【0078】
次に、本発明に係る第3の実施形態について図7を参照して説明する。なお、第1の実施形態と同一の構成については、第1の実施形態と同一の参照符号を付すことにより説明を省略する。
本実施形態の保護部材100は、励起光を吸収し、吸収した励起光を可視光に変換し、可視光を出射する可視光変換材料103と、可視光変換材料103を有し、液状で粘性を有する状態から光または熱によって硬化する図示しない樹脂材料とによって形成されている。保護部材100は、硬化剤を有している。
【0079】
可視光変換材料103は、保護部材100が硬化する前に樹脂材料に添付されている。このとき可視光変換材料103が樹脂材料に均一に添付されるように、樹脂材料は攪拌されて脱泡される。この後、保護部材100は、ピペット等を用いて接着部材43と固定部材80とに隙間無く密着して被覆するように、被覆層40aとフェルール41の側面41lとホルダ67の側面67lとに塗布される。保護部材100は、接着部材43と固定部材80とにおける保護部材100の強度を維持するために、所望な厚みと弾性とを有している。保護部材100は、例えばUV光を照射されることで硬化する。
【0080】
可視光変換材料103は、操作者が少量の可視光の発光で励起光の漏れを感知できるように、人間の視感度が高い波長555nm付近を含むような緑色の光を発光する。
【0081】
このように本実施形態では、可視光変換材料103によって、励起光を吸収し可視光に変換できる。これにより本実施形態では、励起光が漏れた場合、励起光は可視光変換材料103によって可視光に変換されて外部に漏れる。そのため本実施形態では、励起光の漏れの部分を目視によって特定でき、より安全性を確保できる。
【0082】
なお可視光変換材料103は、励起光成分に対して吸収率が高い赤色の光を発光してもよい。これにより本実施形態では、励起光の漏れの低減を重視するように可視光変換材料103の比率を調整できる。
【0083】
なお本実施形態は、第2の実施形態の変形例を組み込むこともできる。
【0084】
本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。
【符号の説明】
【0085】
10…光源装置、20…光源、40…光ファイバ、40a…被覆層、40g…出射端面、41…フェルール、41g…一端面、41h…他端面、41j…保持孔、41k…ガイド口、41l…側面、43…接着部材、60…波長変換ユニット、61…蛍光部材、63…蛍光体、63g…受光面、63h…出射面、65…光透過部材、65g…入射面、65h…出射面、67…ホルダ、67g…一端面、67h…他端面、67j…入射開口部、67k…出射開口部、67l…側面、80…固定部材、100…保護部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
励起光を出射する光源と、
前記光源から出射された前記励起光を導光する導光部材と、
前記導光部材によって導光され前記導光部材から出射された前記励起光を受光して、受光した前記励起光を前記励起光とは異なる波長の光に変換する波長変換ユニットと、
前記導光部材と前記波長変換ユニットとを光学的に固定する固定部材と、
前記導光部材と前記波長変換ユニットとを一体的に被覆して保護する保護部材と、
を具備し、
前記保護部材は、軟性状態から硬性状態へと変化して前記導光部材と前記波長変換ユニットとに密着することを特徴とする光源装置。
【請求項2】
前記励起光を出射する前記導光部材の出射端面側を保持する保持部材をさらに具備し、
前記波長変換ユニットは、前記励起光を受光して、前記励起光を前記励起光とは異なる波長の光に変換する波長変換部材と、前記波長変換部材を覆うように保持するホルダとを有し、
前記波長変換部材は、前記出射端面から出射された前記励起光が入射する入射面を有し、
前記ホルダは、前記入射面が嵌合する入射開口部を有し、
前記固定部材は、前記出射端面から出射された前記励起光が前記入射開口部に入射するように、前記出射端面側の前記保持部材の一端面と、前記入射開口部側の前記ホルダの一端面とに配設されて前記出射端面と前記入射面とを間接的に固定する、または前記出射端面と前記入射面とに配設されて前記出射端面と前記入射面とを直接的に固定し、
前記保護部材は、前記光軸の軸回りに沿って前記固定部材を被覆するように、前記保持部材の側面と前記ホルダの側面とに配設されていることを特徴とする請求項1に記載の光源装置。
【請求項3】
前記保持部材は、前記導光部材の先端部が嵌合し前記先端部を保持する保持孔と、前記保持孔と連通し、前記保持孔に嵌合するように前記先端部を前記保持孔にガイドするガイド部とを有し、
前記ガイド部には、前記導光部材の先端部側を前記保持部材に固定する接着部材が配設され、
前記保護部材は、前記光軸の軸回りに沿って前記接着部材をさら被覆するように、前記保持部材から露出している前記先端部側にさら配設されていることを特徴とする請求項2に記載の光源装置。
【請求項4】
前記保護部材は、熱によって軟性状態から硬性状態へと変化する熱収縮性を有する材料によって形成されていることを特徴とする請求項3に記載の光源装置。
【請求項5】
前記保護部材は、前記励起光を遮光する性質を有していることを特徴とする請求項4に記載の光源装置。
【請求項6】
前記保護部材は、伸縮性を有するフィルム状の材料によって形成されていることを特徴とする請求項3に記載の光源装置。
【請求項7】
前記保護部材は、前記励起光を遮光する性質を有していることを特徴とする請求項6に記載の光源装置。
【請求項8】
前記保護部材は、前記励起光を吸収し、吸収した前記励起光を可視光に変換し、前記可視光を出射する可視光変換材料を有することを特徴とする請求項6に記載の光源装置。
【請求項9】
前記保護部材は、液状で粘性を有する状態から光または熱によって硬化する樹脂材料によって形成されていることを特徴とする請求項3に記載の光源装置。
【請求項10】
前記保護部材は、前記励起光を遮光する性質を有していることを特徴とする請求項9に記載の光源装置。
【請求項11】
前記保護部材は、前記励起光を吸収し、吸収した前記励起光を可視光に変換し、前記可視光を出射する可視光変換材料を有することを特徴とする請求項9に記載の光源装置。
【請求項12】
前記導光部材は、被覆層によって被覆され、
前記保護部材は、前記被覆層に、または前記被覆層と前記被覆層から露出している前記導光部材とに密着していることを特徴とする請求項9に記載の光源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−185318(P2012−185318A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−48224(P2011−48224)
【出願日】平成23年3月4日(2011.3.4)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】