説明

光画像計測装置及び光アッテネータ

【課題】精緻な光量調整を可能にすることで干渉光の検出の好適化を図った光画像計測装置を提供する。
【解決手段】カム303のカム面303aは参照光LRの断面における光量分布に応じた形状を有する。ステッピングモータ302によりカム303が回転されると、当接部312はカム303の回転に伴うカム面302aの変位に追従して移動する。遮光リンク310は、当接部312の移動とともに回転軸311を中心に回転する。遮蔽部313は、遮光リンク310の回転とともに第1の方向に移動して参照光LRの遮蔽領域を変更する。遮光板400は、アッテネータ300による遮蔽方向(第1の方向)とは異なる第2の方向から参照光LRを遮蔽可能である。遮光板400は駆動機構410により移動されて遮蔽領域を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、光画像計測装置及び光アッテネータに関する。光画像計測装置は、光コヒーレンストモグラフィ(Optical Coherence Tomography:OCT)を用いて被測定物体の画像を形成する装置である。光アッテネータは、光の減衰量を変更するデバイスである。
【背景技術】
【0002】
近年、レーザ光源等からの光ビームを用いて被測定物体の表面形態や内部形態を表す画像を形成するOCTが注目を集めている。OCTは、X線CTのような人体に対する侵襲性を持たないことから、特に医療分野や生物学分野における応用の展開が期待されている。たとえば眼科分野においては、眼底や角膜等の画像を形成する装置が実用化段階に入っている。
【0003】
特許文献1にはOCTを適用した装置が開示されている。この装置は、測定腕が回転式転向鏡(ガルバノミラー)により物体を走査し、参照腕に参照ミラーが設置されており、その出口に計測腕及び参照腕からの光束の干渉光の強度を分光器で分析する干渉器が設けられている。更に、参照腕は、参照光光束位相を不連続な値で段階的に変えるように構成されている。
【0004】
特許文献1の装置は、いわゆる「フーリエドメインOCT(Fourier Domain OCT)」の手法を用いるものである。すなわち、被測定物体に対して低コヒーレンス光のビームを照射し、その反射光と参照光とを重ね合わせて干渉光を生成し、この干渉光のスペクトル強度分布を取得してフーリエ変換を施すことにより被測定物体の深度方向(z方向)の形態を画像化するものである。なお、このタイプの手法は、特にスペクトラルドメイン(Spectral Domain)とも呼ばれる。
【0005】
更に、特許文献1に記載の装置は、光ビーム(信号光)を走査するガルバノミラーを備え、それにより被測定物体の所望の測定対象領域の画像を形成するようになっている。この装置においては、z方向に直交する1方向(x方向)にのみ光ビームを走査するように構成されているので、この装置により形成される画像は、光ビームの走査方向(x方向)に沿った深度方向(z方向)の2次元断層像となる。
【0006】
特許文献2には、信号光を水平方向(x方向)及び垂直方向(y方向)に走査(スキャン)することにより水平方向の2次元断層像を複数形成し、これら複数の断層像に基づいて測定範囲の3次元の断層情報を取得して画像化する技術が開示されている。この3次元画像化としては、たとえば、複数の断層像を垂直方向に並べて表示させる方法や(スタックデータなどと呼ばれる)、複数の断層像にレンダリング処理を施して3次元画像を形成する方法などが考えられる。
【0007】
特許文献3、4には、他のタイプのOCT装置が開示されている。特許文献3には、被測定物体に照射される光の波長を走査し、各波長の光の反射光と参照光とを重ね合わせて得られる干渉光に基づいてスペクトル強度分布を取得し、それに対してフーリエ変換を施すことにより被測定物体の形態を画像化するOCT装置が記載されている。このようなOCT装置は、スウェプトソース(Swept Source)タイプなどと呼ばれる。スウェプトソースタイプはフーリエドメインタイプの一種である。
【0008】
また、特許文献4には、所定のビーム径を有する光を被測定物体に照射し、その反射光と参照光とを重ね合わせて得られる干渉光の成分を解析することにより、光の進行方向に直交する断面における被測定物体の画像を形成するOCT装置が記載されている。このようなOCT装置は、フルフィールド(full−field)タイプ、或いはインファス(en−face)タイプなどと呼ばれる。
【0009】
特許文献5には、OCTを眼科分野に適用した構成が開示されている。なお、OCTが応用される以前から、被検眼を観察するための装置として眼底カメラやスリットランプなどが使用されている(たとえば特許文献6、特許文献7を参照)。眼底カメラは被検眼に照明光を照射し、その眼底反射光を受光することで眼底を撮影する装置である。スリットランプは、スリット光を用いて角膜の光切片を切り取ることにより角膜の断面の画像を取得する装置である。
【0010】
OCTを用いた装置は、高精細の画像を取得できる点、更には断層像や3次元画像を取得できる点などにおいて、眼底カメラ等に対して優位性を持つ。
【0011】
OCTを適用した光画像計測装置には、光量(強度)を調整するための光アッテネータ(単に「アッテネータ」と呼ぶことがある)を設けたものがある。たとえば特許文献8には、光量が均一になるように各波長帯域を異なる減衰率で減衰するアッテネータが記載されている。このアッテネータは回転可能な減光フィルタを用いて減衰率を調整している。
【0012】
なお、アッテネータは遮光物で光を遮蔽するものが一般的である(たとえば特許文献9を参照)。また、特許文献9には、平行ビームを挟んで対向配置された2つのアッテネータを用いる構成が開示されている。この構成の目的は、光ビームの進行方向の制限を無くすこと、そして光ビームの遮蔽を均一に行うことである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開平11−325849号公報
【特許文献2】特開2002−139421号公報
【特許文献3】特開2007−24677号公報
【特許文献4】特開2006−153838号公報
【特許文献5】特開2008−73099公報
【特許文献6】特開平9−276232号公報
【特許文献7】特開2008−259544号公報
【特許文献8】特開2008−145376号公報
【特許文献9】特開2002−131659号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
OCTにおいては、干渉光を好適に検出するために、光量調整を精緻に行うことが必要である。しかし、従来のアッテネータではこの要望を満たすのは困難であった。その理由として、光源の出力光量は経時劣化や環境によって変動するため、常に同じ光量の光を使用できるとは限らないことがある。更に、光量の調整対象となる光ビームを平行光束にするコリメータの位置ずれによって、干渉光の光量が変動するおそれもある。
【0015】
また、従来のアッテネータでは、好適なOCT計測を行うために必要な動作精度を達成できないことも多々あった。たとえば、使用される光の光量が大きい場合、その光の大部分を遮蔽して適性光量とするが、この状態で光量調整を高精度で行うためには精緻な制御が必要となる。すなわち、アッテネータを通過する光は元の光のほんの一部であるから、この通過光の光量をたとえば数パーセント変更するには、極めて微小な距離だけ遮蔽物を移動させなければならない。
【0016】
また、所定量だけ光量を変更するときの遮蔽板の移動量は、元の光の光量に依存する(光量の増加に伴い移動量は少なくなる)が、元の光の光量に応じた移動量の制御を従来のアッテネータで実現するには精緻な制御が必要であった。
【0017】
なお、高分解能のステッピングモータを使用して動作精度の向上を図ることは可能であるが、機構の大型化や複雑化、更にはコストの増加などのデメリットが伴う。
【0018】
この発明は、以上のような問題を解決するためになされたもので、その目的は、簡単な構成で精緻な光量調整を行うことが可能な光アッテネータを提供するとともに、この光アッテネータを用いることで干渉光の検出を好適に行うことが可能な光画像計測装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、低コヒーレンス光を信号光と参照光とに分割し、被測定物体に向かう信号光路を経由した前記信号光と参照光路を経由した参照光とを重畳させて干渉光を生成して検出する光学系と、前記干渉光の検出結果に基づいて前記被測定物体の画像を形成する画像形成手段と、を有する光画像計測装置であって、前記低コヒーレンス光の光路、前記信号光路、前記参照光路及び前記干渉光の光路のうちの少なくとも1つの対象光路にそれぞれ設けられ、当該対象光路を進行する対象光を遮蔽可能な光アッテネータを備え、前記光アッテネータは、ステッピングモータと、前記対象光の断面における光量分布に応じた形状のカム面を有し、かつ、前記ステッピングモータにより回転されるカムと、前記カム面に当接する当接部と、前記当接部から所定距離だけ離れて設けられた回転軸と、前記回転軸から所定距離だけ離れて設けられ、前記対象光を第1の方向から遮蔽可能な第1の遮蔽部とを含む遮蔽機構と、前記第1の方向とは異なる第2の方向から前記対象光を遮蔽可能な第2の遮蔽部と、を備え、前記ステッピングモータによる前記カムの回転に対応して、前記当接部は、当該カムの回転に伴う前記カム面の変位に追従して移動し、前記遮蔽機構は、当該当接部の移動とともに前記回転軸を中心に回転し、前記第1の遮蔽部は、当該遮蔽機構の回転とともに前記第1の方向に移動して前記対象光の遮蔽領域を変更し、前記光学系は、前記第1の遮蔽部及び前記第2の遮蔽部によって一部が遮蔽された前記対象光に基づく前記干渉光を検出し、前記画像形成手段は、該干渉光の検出結果に基づいて前記被測定物体の画像を形成する、ことを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の光画像計測装置であって、前記カム面は、前記光量分布としてのガウス分布に基づいて、かつ、前記第1の遮蔽部による前記対象光の遮蔽領域の増大とともに、前記ステッピングモータの単位回転量に対応する前記第1の遮蔽部の前記第1の方向への移動量が小さくなるように、形成されている、ことを特徴とする。
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の光画像計測装置であって、前記光アッテネータは、前記第2の遮蔽部を移動させて前記対象光の遮蔽領域を変更させる駆動機構を備える、ことを特徴とする。
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の光画像計測装置であって、前記第1の遮蔽部の先端の辺は、前記回転軸を中心とする前記遮蔽機構の回転方向に対する径方向に沿って略直線状に形成され、前記第2の遮蔽部の先端の辺は、前記第1の遮蔽部の前記辺が前記対象光を遮蔽する位置に配置された状態において前記径方向に対して斜交する略直線状に形成され、前記駆動機構は、当該径方向に略直交する方向に前記第2の遮蔽部を移動させて前記対象光の遮蔽領域を変更する、ことを特徴とする。
また、請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の光画像計測装置であって、前記第2の遮蔽部は、前記対象光の断面の中央領域のみを遮蔽する、ことを特徴とする。
また、請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の光画像計測装置であって、前記第1の遮蔽部及び/又は前記第2の遮蔽部は、前記対象光の断面に対して傾斜して配置される、ことを特徴とする。
また、請求項7に記載の発明は、光ビームを遮蔽可能な光アッテネータであって、ステッピングモータと、前記光ビームの断面における光量分布に応じた形状のカム面を有し、かつ、前記ステッピングモータにより回転されるカムと、前記カム面に当接する当接部と、前記当接部から所定距離だけ離れて設けられた回転軸と、前記回転軸から所定距離だけ離れて設けられ、前記光ビームを第1の方向から遮蔽可能な第1の遮蔽部とを含む遮蔽機構と、前記第1の方向とは異なる第2の方向から前記光ビームを遮蔽可能な第2の遮蔽部と、
を備え、前記ステッピングモータによる前記カムの回転に対応して、前記当接部は、当該カムの回転に伴う前記カム面の変位に追従して移動し、前記遮蔽機構は、当該当接部の移動とともに前記回転軸を中心に回転し、前記第1の遮蔽部は、当該遮蔽機構の回転とともに前記第1の方向に移動して前記光ビームの遮蔽領域を変更する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
この発明に係る光画像計測装置によれば、互いに異なる二つの方向から対象光を遮蔽する光アッテネータを備えているので、単一の方向のみから遮蔽する場合と比較して光量調整を精緻に行うことができる。更に、カム面の形状を工夫したことで、対象光の遮蔽領域に関わらず精緻な光量調整が可能である。それにより、干渉光の検出を好適に行うことが可能となる。
【0021】
この発明に係る光アッテネータによれば、互いに異なる二つの方向から対象光を遮蔽するよう構成されているので、単一の方向のみから遮蔽する場合と比較して光量調整を精緻に行うことができる。更に、カム面の形状を工夫したことで、高分解能のステッピングモータを使用しなくても、対象光の遮蔽領域に関わらず精緻な光量調整が可能である。したがって、簡単な構成で精緻な光量調整を行うことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】この発明に係る光画像計測装置(眼底観察装置)の実施形態の構成の一例を表す概略図である。
【図2】この発明に係る光画像計測装置(眼底観察装置)の実施形態の構成の一例を表す概略図である。
【図3】この発明に係る光画像計測装置(眼底観察装置)の実施形態に設けられた光アッテネータの構成の一例を表す斜視図である。
【図4】この発明に係る光画像計測装置(眼底観察装置)の実施形態に設けられた光アッテネータの動作の一例を表す側面図である。
【図5】この発明に係る光画像計測装置(眼底観察装置)の実施形態に設けられた光アッテネータの動作の一例を表す側面図である。
【図6A】この発明に係る光画像計測装置(眼底観察装置)の実施形態に設けられた光アッテネータによる遮光態様を説明するための概略図である。
【図6B】この発明に係る光画像計測装置(眼底観察装置)の実施形態に設けられた光アッテネータによる遮光態様を説明するための概略図である。
【図7A】この発明に係る光画像計測装置(眼底観察装置)の実施形態に設けられた光アッテネータによる遮光態様を説明するための概略図である。
【図7B】この発明に係る光画像計測装置(眼底観察装置)の実施形態に設けられた光アッテネータによる遮光態様を説明するための概略図である。
【図8】この発明に係る光画像計測装置(眼底観察装置)の実施形態に設けられた光アッテネータによる遮光態様を説明するための概略図である。
【図9】この発明に係る光画像計測装置(眼底観察装置)の実施形態の制御系の構成の一例を表す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
この発明に係る光画像計測装置の実施形態の一例について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0024】
この発明に係る光画像計測装置は、光コヒーレンストモグラフィを用いて被測定物体の断層像を形成する。この光画像計測装置には任意のタイプのOCTが適用される。なお、OCTによって取得される画像をOCT画像と呼ぶことがある。また、OCT画像を形成するための計測動作をOCT計測と呼ぶことがある。
【0025】
以下の実施形態では、たとえば特許文献5に記載された装置と同様に、フーリエドメインタイプのOCTを適用して眼底の計測を行う装置について詳しく説明する。
【0026】
[構成]
図1及び図2に示すように、眼底観察装置1は、眼底カメラユニット2、OCTユニット100及び演算制御ユニット200を含んで構成される。眼底カメラユニット2は、従来の眼底カメラとほぼ同様の光学系を有する。OCTユニット100には、眼底のOCT画像を取得するための光学系が設けられている。演算制御ユニット200は、各種の演算処理や制御処理等を実行するコンピュータを具備している。
【0027】
〔眼底カメラユニット〕
図1に示す眼底カメラユニット2には、被検眼Eの眼底Efの表面形態を表す2次元画像(眼底像)を形成するための光学系が設けられている。眼底像には、観察画像や撮影画像などが含まれる。観察画像は、たとえば、近赤外光を用いて所定のフレームレートで形成されるモノクロの動画像である。撮影画像は、たとえば、可視光をフラッシュ発光して得られるカラー画像である。なお、眼底カメラユニット2は、これら以外の画像、たとえばフルオレセイン蛍光画像やインドシアニングリーン蛍光画像や自発蛍光画像などを取得可能に構成されていてもよい。
【0028】
眼底カメラユニット2には、従来の眼底カメラと同様に、被検者の顔が動かないように支えるための顎受けや額当てが設けられている。更に、眼底カメラユニット2には、従来の眼底カメラと同様に照明光学系10と撮影光学系30が設けられている。照明光学系10は眼底Efに照明光を照射する。撮影光学系30は、この照明光の眼底反射光を撮像装置(CCDイメージセンサ35、38)に導く。また、撮影光学系30は、OCTユニット100からの信号光を眼底Efに導くとともに、眼底Efを経由した信号光をOCTユニット100に導く。
【0029】
照明光学系10の観察光源11は、たとえばハロゲンランプにより構成される。観察光源11から出力された光(観察照明光)は、曲面状の反射面を有する反射ミラー12により反射され、集光レンズ13を経由し、可視カットフィルタ14を透過して近赤外光となる。更に、観察照明光は、撮影光源15の近傍にて一旦集束し、ミラー16により反射され、リレーレンズ17、18、絞り19及びリレーレンズ20を経由する。そして、観察照明光は、孔開きミラー21の周辺部(孔部の周囲の領域)にて反射され、対物レンズ22を経由して眼底Efを照明する。
【0030】
観察照明光の眼底反射光は、対物レンズ22により屈折され、孔開きミラー21の中心領域に形成された孔部を通過し、ダイクロイックミラー55を透過し、合焦レンズ31を経由し、ダイクロイックミラー32により反射される。更に、この眼底反射光は、ハーフミラー40を透過し、ダイクロイックミラー33により反射され、集光レンズ34によりCCDイメージセンサ35の受光面に結像される。CCDイメージセンサ35は、たとえば所定のフレームレートで眼底反射光を検出する。表示装置3には、CCDイメージセンサ35により検出された眼底反射光に基づく画像(観察画像)Kが表示される。
【0031】
撮影光源15は、たとえばキセノンランプにより構成される。撮影光源15から出力された光(撮影照明光)は、観察照明光と同様の経路を通って眼底Efに照射される。撮影照明光の眼底反射光は、観察照明光のそれと同様の経路を通ってダイクロイックミラー33まで導かれ、ダイクロイックミラー33を透過し、ミラー36により反射され、集光レンズ37によりCCDイメージセンサ38の受光面に結像される。表示装置3には、CCDイメージセンサ38により検出された眼底反射光に基づく画像(撮影画像)Hが表示される。なお、観察画像Kを表示する表示装置3と撮影画像Hを表示する表示装置3は、同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。
【0032】
LCD(Liquid Crystal Display)39は、固視標や視力測定用視標を表示する。固視標は被検眼Eを固視させるための視標であり、眼底撮影時やOCT計測時などに使用される。
【0033】
LCD39から出力された光は、その一部がハーフミラー40にて反射され、ダイクロイックミラー32に反射され、合焦レンズ31及びダイクロイックミラー55を経由し、孔開きミラー21の孔部を通過し、対物レンズ22により屈折されて眼底Efに投影される。
【0034】
LCD39の画面上における固視標の表示位置を変更することにより、被検眼Eの固視位置を変更できる。被検眼Eの固視位置としては、たとえば従来の眼底カメラと同様に、眼底Efの黄斑部を中心とする画像を取得するための位置や、視神経乳頭を中心とする画像を取得するための位置や、黄斑部と視神経乳頭との間の眼底中心を中心とする画像を取得するための位置などがある。
【0035】
更に、眼底カメラユニット2には、従来の眼底カメラと同様にアライメント光学系50とフォーカス光学系60が設けられている。アライメント光学系50は、被検眼Eに対する装置光学系の位置合わせ(アライメント)を行うための視標(アライメント視標)を生成する。フォーカス光学系60は、眼底Efに対してフォーカス(ピント)を合わせるための視標(スプリット視標)を生成する。
【0036】
アライメント光学系50のLED(Light Emitting Diode)51から出力された光(アライメント光)は、絞り52、53及びリレーレンズ54を経由してダイクロイックミラー55により反射され、孔開きミラー21の孔部を通過し、対物レンズ22により被検眼Eの角膜に投影される。
【0037】
アライメント光の角膜反射光は、対物レンズ22及び上記孔部を経由し、その一部がダイクロイックミラー55を透過し、合焦レンズ31を通過し、ダイクロイックミラー32により反射され、ハーフミラー40を透過し、ダイクロイックミラー33に反射され、集光レンズ34によりCCDイメージセンサ35の受光面に投影される。CCDイメージセンサ35による受光像(アライメント視標)は、観察画像Kとともに表示装置3に表示される。ユーザは、従来の眼底カメラと同様の操作を行ってアライメントを実施する。また、演算制御ユニット200がアライメント視標の位置を解析して光学系を移動させることによりアライメントを行ってもよい。
【0038】
フォーカス調整を行う際には、照明光学系10の光路上に反射棒67の反射面が斜設される。フォーカス光学系60のLED61から出力された光(フォーカス光)は、リレーレンズ62を通過し、スプリット視標板63により二つの光束に分離され、二孔絞り64を通過し、ミラー65に反射され、集光レンズ66により反射棒67の反射面に一旦結像されて反射される。更に、フォーカス光は、リレーレンズ20を経由し、孔開きミラー21に反射され、対物レンズ22により眼底Efに結像される。
【0039】
フォーカス光の眼底反射光は、アライメント光の角膜反射光と同様の経路を通ってCCDイメージセンサ35により検出される。CCDイメージセンサ35による受光像(スプリット視標)は、観察画像とともに表示装置3に表示される。演算制御ユニット200は、従来と同様に、スプリット視標の位置を解析して合焦レンズ31及びフォーカス光学系60を移動させてピント合わせを行う。また、スプリット視標を視認しつつ手動でピント合わせを行ってもよい。
【0040】
ダイクロイックミラー32の後方には、ミラー41、コリメータレンズ42、及びガルバノミラー43、44を含む光路が設けられている。この光路はOCTユニット100に導かれている。
【0041】
ガルバノミラー44は、OCTユニット100からの信号光LSをx方向に走査する。ガルバノミラー43は、信号光LSをy方向に走査する。これら二つのガルバノミラー43、44により、信号光LSをxy平面上の任意の方向に走査することができる。
【0042】
〔OCTユニット〕
OCTユニット100には、眼底Efの断層像を取得するための光学系が設けられている(図2を参照)。この光学系は、従来のフーリエドメインタイプのOCT装置と同様の構成を有する。すなわち、この光学系は、低コヒーレンス光を参照光と信号光に分割し、眼底Efを経由した信号光と参照光路を経由した参照光とを干渉させて干渉光を生成し、この干渉光のスペクトル成分を検出するように構成されている。この検出結果(検出信号)は演算制御ユニット200に送られる。
【0043】
光源ユニット101は広帯域の低コヒーレンス光L0を出力する。低コヒーレンス光L0は、たとえば、近赤外領域の波長帯(約800nm〜900nm程度)を含み、数十マイクロメートル程度の時間的コヒーレンス長を有する。なお、人眼では視認できない波長帯、たとえば1050〜1060nm程度の中心波長を有する近赤外光を低コヒーレンス光L0として用いてもよい。
【0044】
光源ユニット101は、スーパールミネセントダイオード(Super Luminescent Diode:SLD)や、LEDや、SOA(Semiconductor Optical Amplifier)等の光出力デバイスを含んで構成される。
【0045】
光源ユニット101から出力された低コヒーレンス光L0は、光ファイバ102によりファイバカプラ103に導かれて信号光LSと参照光LRに分割される。なお、ファイバカプラ103は、光を分割する手段(スプリッタ;splitter)、及び、光を合成する手段(カプラ;coupler)の双方の作用を有するが、ここでは慣用的に「ファイバカプラ」と称する。
【0046】
信号光LSは、光ファイバ104により導光され、コリメータレンズユニット105により平行光束となる。更に、信号光LSは、各ガルバノミラー44、43により反射され、コリメータレンズ42により集光され、ミラー41により反射され、ダイクロイックミラー32を透過し、LCD39からの光と同じ経路を通って眼底Efに照射される。信号光LSは、眼底Efにおいて散乱、反射される。この散乱光及び反射光をまとめて信号光LSの眼底反射光と称することがある。信号光LSの眼底反射光は、同じ経路を逆向きに進行してファイバカプラ103に導かれる。
【0047】
参照光LRは、光ファイバ106により導光され、コリメータレンズユニット107により平行光束となる。更に、参照光LRは、ミラー108、109、110により反射され、遮光板400及びアッテネータ(attenuator)300を通過し、ND(Neutral Density)フィルタ111により減光され、ミラー112に反射され、コリメータレンズ113により参照ミラー114の反射面に結像される。参照ミラー114に反射された参照光LRは、同じ経路を逆向きに進行してファイバカプラ103に導かれる。なお、分散補償用の光学素子(ペアプリズム等)や、偏光補正用の光学素子(波長板等)を参照光LRの光路(参照光路)に設けてもよい。
【0048】
ファイバカプラ103は、信号光LSの眼底反射光と、参照ミラー114に反射された参照光LRとを合波する。これにより生成された干渉光LCは、光ファイバ115により導光されて出射端116から出射される。更に、干渉光LCは、コリメータレンズ117により平行光束とされ、回折格子118により分光(スペクトル分解)され、集光レンズ119により集光されてCCDイメージセンサ120の受光面に投影される。図2に示す回折格子118は透過型であるが、反射型の回折格子を用いてもよい。
【0049】
CCDイメージセンサ120は、たとえばラインセンサであり、分光された干渉光LCの各スペクトル成分を検出して電荷に変換する。CCDイメージセンサ120は、この電荷を蓄積して検出信号を生成する。更に、CCDイメージセンサ120は、この検出信号を演算制御ユニット200に送る。
【0050】
この実施形態ではマイケルソン型の干渉計を採用しているが、たとえばマッハツェンダー型など任意のタイプの干渉計を適宜に採用することが可能である。また、CCDイメージセンサに代えて、他の形態のイメージセンサ、たとえばCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどを用いることが可能である。
【0051】
〔アッテネータについて〕
ここでアッテネータ300及び遮光板400について説明する。前述のように、アッテネータ300及び遮光板400を通過する参照光LRは平行光束である。アッテネータ300と遮光板400の組み合わせは、この発明の「光アッテネータ」の一例である。この実施形態では、光アッテネータの遮蔽対象となる光(対象光)は参照光LRである。
【0052】
図3〜図8を参照し、アッテネータ300及び遮光板400の具体例を説明する。なお、この実施形態の遮光板400は、参照光路において、アッテネータ300のファイバカプラ103側に配置されているが、参照ミラー114側に配置するようにしてもよい。
【0053】
アッテネータ300の保持板301は、たとえばOCTユニット100の筺体(図示せず)に取り付けられている。保持板301は後述する様々な部材を保持している。保持板301の一面側にはステッピングモータ302が装着されている。ステッピングモータ302は、演算制御ユニット200からパルス信号(駆動パルス)を受けて、そのパルス数に応じた回転量だけ回転軸302aを回転させる。回転軸302aは、保持板301を貫いて他面側に突出している。
【0054】
回転軸302aにはカム303が装着されている。カム303は回転軸302aと一体的に回転する。カム303は次のような特徴的な形状のカム面303aを有する。カム面303aはカム303の周縁の面である。
【0055】
ところで、参照光LRの断面(進行方向に対する直交断面)は所定の光量分布を有している。この光量分布はガウス分布で近似される。そこで、参照光LRの光量分布をガウス分布と仮定してカム曲線を求める。このカム曲線は、カム303に発生させるべき運動を規定する形状の曲線である。
【0056】
更に、このカム曲線は、アッテネータ300による参照光LRの遮蔽領域の増大とともに、ステッピングモータ302の単位回転量に対応する遮蔽部313(後述)の移動量が小さくなるように設定される。ここで、ステッピングモータ302の単位回転量とは、ステッピングモータ302による最小回転角度(たとえば1パルス分に相当する回転角度)を意味する。単位回転量はステップ角などと呼ばれる。また、遮蔽部313の移動量とは、ステッピングモータ302が単位回転量だけ駆動したときの、遮蔽部313の移動距離を意味する。この移動量は、アッテネータ300の位置決め精度を表し、分解能などと呼ばれる。このカム曲線は、すなわち、参照光LRが大きく遮蔽されればされるほど分解能が高くなるように設定される。
【0057】
カム面303aは、このようにして設定されたカム曲線に沿ってカム303の原型の周縁を削るなどして形成される。図3に示すように、カム303は、あたかも勾玉のような形状を有する。回転軸302aは、カム303の一端側に偏心して配置される。
【0058】
保持板301におけるカム303と同じ側の面には、回転軸311を介して遮光リンク310が取り付けられている。遮光リンク310は、カム303の動作を受けて参照光LRの遮蔽領域を変更する部材である。遮光リンク310は、この発明の「遮蔽機構」の一例である。回転軸311は、遮光リンク310の参照光路(の光軸A)寄りの位置に配設されている。遮光リンク310は回転軸311を中心に回転(揺動)する。遮光リンク310の回転方向を符号Bで示す(図3等を参照)。
【0059】
遮光リンク310には、カム面303aに当接する当接部312が形成されている。当接部312は、回転軸311を挟んで参照光路と反対側の位置に設けられている。当接部312は、カム面303aに接する面を有している。遮光リンク310は、ばね320の弾性力によって、当接部312をカム面303aに押し付ける方向に付勢されている。それにより、カム303が回転したときに、当接部312はカム面303aの変位に対して追従する。すなわち、カム303の回転とともに、カム面303aにおいて当接部312に対向する部分の回転軸302aからの距離が変位するが、当接部312は、ばね320の作用により、カム面303aに対する当接状態を維持したままカム面303aとともに変位する。この当接部312の変位により、遮光リンク310は回転軸311を中心に揺動する。
【0060】
遮光リンク310における当接部312と反対側の端部には遮蔽部313が設けられている。遮蔽部313は、この発明の「第1の遮光部」の一例である。遮蔽部313は、遮光リンク310の揺動によって参照光路に対して挿脱される。遮蔽部313は、遮光リンク310において、参照光路への挿脱方向に延びる板状の部位である。遮蔽部313において参照光路に挿入される側の先端の辺313aは、遮光リンク310の回転方向Bに対する径方向Cに沿って略直線状に形成されている。それにより、遮光リンク310は、図3における右方向から参照光路に挿入され、その遮蔽領域は円盤を直線で切断して得られる一方の領域となる(図6A、図6Bにおいて斜線で示す遮蔽領域URを参照)。
【0061】
遮蔽部313における参照光LRが照射される面(照射面)は、参照光LRの上記断面に対して傾斜している。つまり、遮蔽部313は、その照射面の法線方向が参照光路の光軸Aに対して傾斜するように配設されている。それにより、照射面による参照光LRの反射光が干渉光LCに混入する事態を回避できる。遮光板400についても同様に、その照射麺が光軸Aに対して傾斜配置されている。
【0062】
図4は、遮蔽部313が参照光路を完全に遮蔽している状態、つまり参照光LRが全く通過しない状態を表している。また、図5は、遮蔽部313が参照光路を完全に開放している状態、つまり参照光LRが全て通過する場合(より詳しくは、遮光板400により遮光されていればその通過光が全て通過する場合)を表している。遮光リンク310は、カム303の回転に応じてこのような回転動作(揺動動作)を行うことで参照光路を遮蔽/開放する。なお、これらの図に示すように、遮光リンク310の回転動作とともに、遮蔽部313の先端の辺313aの向き(つまり径方向C)は変化する。
【0063】
図6A及び図6Bは、アッテネータ300による参照光LRの遮蔽領域URの変更状態を表している。図6Aは、アッテネータ300により参照光LRの多く(遮蔽領域UR)が遮蔽され、その残りの僅かな部分に相当する光が通過する状態を表している。一方、図6Bは、アッテネータ300により参照光LRの僅かな部分(遮蔽領域UR)が遮蔽され、その残りの多くの部分に相当する光が通過する状態を表している。
【0064】
なお、カム面303aは上記のような形状を有するので、図6Aに示す状態では遮蔽動作の分解能は高く、図6Bに示す状態では分解能は低い。それにより、参照光LRの遮蔽領域URのサイズ(つまりOCT計測に使用される参照光LRの光量)に応じた精度で光量を調整することが可能である。
【0065】
続いて、遮光板400について説明する。遮光板400は、図3に示すように、参照光路(の光軸A)に対して挿脱可能とされる。遮光板400は後述の駆動機構410により移動され、アッテネータ300とは異なる方向から参照光LRを遮蔽する。遮光板400の移動方向を符合Dで示す(図3等を参照)。遮光板400は、この発明の「第2の遮蔽部」の一例である。なお、アッテネータ300による遮蔽方向(第1の方向)は遮光リンク310の回転方向Bであり、遮光板400による遮蔽方向(第2の方向)は遮光板400の移動方向Dに直交する方向である。
【0066】
図7A等に示すように、遮光板400は、参照光LRが照射される面が台形状に形成された板状部材である。遮光板400は、この台形状の斜辺に相当する先端部400a側の領域が参照光LRを遮蔽する。遮光板400の移動方向Dは、この斜辺に対向する辺(底辺)の延びる方向である。よって、遮光板400が方向Dに移動されると、あたかも斜辺が参照光路を上下するよう変位する。
【0067】
更に、遮光板400の先端の辺(先端部400a)は、遮蔽部313の先端の辺313aが参照光LRを遮蔽する位置に配置された状態において、径方向Cに対して斜交する略直線状に形成されている。すなわち、前述したように径方向Cは遮光リンク310の回転とともにその向きを変えるが、遮蔽部313が参照光LRの少なくとも一部を遮蔽している場合において、遮光板400の先端部400a(略直線状に形成されている)は、このときの径方向Cに対して斜交するようになっている。それにより、アッテネータ300と遮光板400は、互いに異なる方向から参照光LRを遮蔽することができる。また、駆動機構410は、このときの径方向Cに略直交する方向Dに遮光板400を移動させて参照光LRの遮蔽領域を変更するようになっている。
【0068】
図7A及び図7Bは、遮光板400による参照光LRの遮蔽領域VRの変更状態を表している。図7Aは、遮光板400により参照光LRの半分弱(遮蔽領域VR)が遮蔽され、その残りの半分強に相当する光が通過する状態を表している。一方、図7Bは、遮光板400により参照光LRの僅かな部分(遮蔽領域VR)が遮蔽され、その残りの多くの部分に相当する光が通過する状態を表している。
【0069】
アッテネータ300と遮光板400とを組み合わせて使用したときの参照光LRの遮蔽状態の一例を図8に示す。図8に示す遮蔽領域WRは、参照光LRをアッテネータ300で紙面右側から半分程度遮蔽し、更に遮光板400で紙面上方から半分程度遮蔽することによって得られる。
【0070】
〔演算制御ユニット〕
演算制御ユニット200の構成について説明する。演算制御ユニット200は、CCDイメージセンサ120から入力される検出信号を解析して眼底EfのOCT画像を形成する。そのための演算処理は、従来のフーリエドメインタイプのOCT装置と同様である。
【0071】
また、演算制御ユニット200は、眼底カメラユニット2、表示装置3及びOCTユニット100の各部を制御する。たとえば演算制御ユニット200は、眼底Efの断層像G(図2を参照)等のOCT画像を表示装置3に表示させる。
【0072】
眼底カメラユニット2の制御として、演算制御ユニット200は、観察光源11、撮影光源15及びLED51、61の動作制御、LCD39の動作制御、合焦レンズ31の移動制御、反射棒67の移動制御、フォーカス光学系60の移動制御、各ガルバノミラー43、44の動作制御などを行う。
【0073】
また、OCTユニット100の制御として、演算制御ユニット200は、光源ユニット101の動作制御、参照ミラー114及びコリメータレンズ113の移動制御、CCDイメージセンサ120の動作制御、アッテネータ300の動作制御、遮光板400の動作制御などを行う。
【0074】
演算制御ユニット200は、たとえば、従来のコンピュータと同様に、マイクロプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、通信インターフェイスなどを含んで構成される。ハードディスクドライブ等の記憶装置には、眼底観察装置1を制御するためのコンピュータプログラムが記憶されている。演算制御ユニット200は、CCDイメージセンサ120からの検出信号に基づいてOCT画像を形成する専用の回路基板を備えていてもよい。また、演算制御ユニット200は、キーボードやマウス等の操作デバイス(入力デバイス)や、LCD等の表示デバイスを備えていてもよい。
【0075】
眼底カメラユニット2、表示装置3、OCTユニット100及び演算制御ユニット200は、一体的に(つまり単一の筺体内に)構成されていてもよいし、それぞれ別体として構成されていてもよい。
【0076】
〔制御系〕
眼底観察装置1の制御系の構成について図9を参照しつつ説明する。
【0077】
(制御部)
眼底観察装置1の制御系は、演算制御ユニット200の制御部210を中心に構成される。制御部210は、たとえば、前述のマイクロプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、通信インターフェイス等を含んで構成される。
【0078】
制御部210には、主制御部211と記憶部212が設けられている。主制御部211は、前述の各種制御を行う。特に、主制御部211は、眼底カメラユニット2の走査駆動部70及び合焦駆動部80、更にOCTユニット100の光源ユニット101、参照駆動部130、ステッピングモータ302及び駆動機構410を制御する。
【0079】
走査駆動部70は、たとえばサーボモータを含んで構成され、ガルバノミラー43、44の向きを各々独立に変更する。
【0080】
合焦駆動部80は、たとえばステッピングモータを含んで構成され、合焦レンズ31を光軸方向に移動させる。それにより、眼底Efに向かう光の合焦位置が変更される。
【0081】
参照駆動部130は、たとえばステッピングモータを含んで構成され、参照光LRの進行方向に沿って、コリメータレンズ113及び参照ミラー114を一体的に移動させる。
【0082】
駆動機構410は遮光板400を方向Dに移動させる。駆動機構410は、たとえば、ステッピングモータと、このステッピングモータの駆動力を伝達して遮光板400を移動させる機構とを含んで構成される。
【0083】
また、主制御部211は、記憶部212にデータを書き込む処理や、記憶部212からデータを読み出す処理を行う。
【0084】
記憶部212は、各種のデータを記憶する。記憶部212に記憶されるデータとしては、たとえば、OCT画像の画像データ、眼底像の画像データ、被検眼情報などがある。被検眼情報は、患者IDや氏名などの被検者に関する情報や、左眼/右眼の識別情報などの被検眼に関する情報を含む。
【0085】
(画像形成部)
画像形成部220は、CCDイメージセンサ120からの検出信号に基づいて、眼底Efの断層像の画像データを形成する。この処理には、従来のフーリエドメインタイプの光コヒーレンストモグラフィと同様に、ノイズ除去(ノイズ低減)、フィルタ処理、FFT(Fast Fourier Transform)などの処理が含まれている。
【0086】
画像形成部220は、たとえば、前述の回路基板や通信インターフェイス等を含んで構成される。なお、この明細書では、「画像データ」と、それに基づいて呈示される「画像」とを同一視することがある。
【0087】
(画像処理部)
画像処理部230は、画像形成部220により形成された画像に対して各種の画像処理や解析処理を施す。たとえば、画像処理部230は、画像の輝度補正や分散補正等の各種補正処理を実行する。
【0088】
また、画像処理部230は、画像形成部220により形成された断層像の間の画素を補間する補間処理を実行するなどして、眼底Efの3次元画像の画像データを形成する。
【0089】
なお、3次元画像の画像データとは、3次元座標系により画素の位置が定義された画像データを意味する。3次元画像の画像データとしては、3次元的に配列されたボクセルからなる画像データがある。この画像データは、ボリュームデータ或いはボクセルデータなどと呼ばれる。ボリュームデータに基づく画像を表示させる場合、画像処理部230は、このボリュームデータに対してレンダリング処理(ボリュームレンダリングやMIP(Maximum Intensity Projection:最大値投影)など)を施して、特定の視線方向から見たときの擬似的な3次元画像の画像データを形成する。表示部240等の表示デバイスには、この擬似的な3次元画像が表示される。
【0090】
また、3次元画像の画像データとして、複数の断層像のスタックデータを形成することも可能である。スタックデータは、複数の走査線に沿って得られた複数の断層像を、走査線の位置関係に基づいて3次元的に配列させることで得られる画像データである。すなわち、スタックデータは、元々個別の2次元座標系により定義されていた複数の断層像を、一つの3次元座標系により表現する(つまり一つの3次元空間に埋め込む)ことにより得られる画像データである。
【0091】
画像処理部230は、3次元画像の画像データに基づいて、任意の断面における断層像を形成することができる。この処理は、たとえば、手動又は自動で指定された断面に対し、この断面上に位置する画素(ボクセル等)を特定し、特定された画素を2次元的に配列させて当該断面における眼底Efの形態を表す画像データを形成することにより実行される。このような処理により、元の断層像の断面(信号光LSの走査線の位置)だけでなく、所望の断面における画像を取得することが可能となる。
【0092】
画像処理部230は、たとえば、前述のマイクロプロセッサ、RAM、ROM、ハードディスクドライブ、回路基板等を含んで構成される。
【0093】
画像形成部220及び画像処理部230(特に3次元画像を形成する部分)は、この発明の「画像形成手段」の一例である。
【0094】
(表示部、操作部)
表示部240は、前述した演算制御ユニット200の表示デバイスを含んで構成される。操作部250は、前述した演算制御ユニット200の操作デバイスを含んで構成される。また、操作部250には、眼底観察装置1の筐体や外部に設けられた各種のボタンやキーが含まれていてもよい。たとえば眼底カメラユニット2が従来の眼底カメラと同様の筺体を有する場合、操作部250は、この筺体に設けられたジョイスティックや操作パネル等を含んでいてもよい。また、表示部240は、眼底カメラユニット2の筺体に設けられたタッチパネルモニタなどの各種表示デバイスを含んでいてもよい。
【0095】
なお、表示部240と操作部250は、それぞれ個別のデバイスとして構成される必要はない。たとえばタッチパネルモニタのように、表示機能と操作機能とが一体化されたデバイスを用いることも可能である。
【0096】
〔信号光の走査及びOCT画像について〕
ここで、信号光LSの走査及びOCT画像について説明しておく。
【0097】
眼底観察装置1による信号光LSの走査態様としては、たとえば、水平スキャン、垂直スキャン、十字スキャン、放射スキャン、円スキャン、同心円スキャン、螺旋(渦巻)スキャンなどがある。これらの走査態様は、眼底の観察部位、解析対象(網膜厚など)、走査に要する時間、走査の精密さなどを考慮して適宜に選択的に使用される。
【0098】
水平スキャンは、信号光LSを水平方向(x方向)に走査させるものである。水平スキャンには、垂直方向(y方向)に配列された複数の水平方向に延びる走査線に沿って信号光LSを走査させる態様も含まれる。この態様においては、走査線の間隔を任意に設定することが可能である。また、隣接する走査線の間隔を十分に狭くすることにより、前述の3次元画像を形成することができる(3次元スキャン)。垂直スキャンについても同様である。
【0099】
十字スキャンは、互いに直交する2本の直線状の軌跡(直線軌跡)からなる十字型の軌跡に沿って信号光LSを走査するものである。放射スキャンは、所定の角度を介して配列された複数の直線軌跡からなる放射状の軌跡に沿って信号光LSを走査するものである。なお、十字スキャンは放射スキャンの一例である。
【0100】
円スキャンは、円形状の軌跡に沿って信号光LSを走査させるものである。同心円スキャンは、所定の中心位置の周りに同心円状に配列された複数の円形状の軌跡に沿って信号光LSを走査させるものである。円スキャンは同心円スキャンの一例である。螺旋スキャンは、回転半径を次第に小さく(又は大きく)させながら螺旋状(渦巻状)の軌跡に沿って信号光LSを走査するものである。
【0101】
ガルバノミラー43、44は互いに直交する方向に信号光LSを走査するように構成されているので、信号光LSをx方向及びy方向にそれぞれ独立に走査できる。更に、ガルバノミラー43、44の向きを同時に制御することにより、xy面上の任意の軌跡に沿って信号光LSを走査することが可能である。それにより、上記のような各種の走査態様を実現できる。
【0102】
上記のような態様で信号光LSを走査することにより、走査線(走査軌跡)に沿った深度方向(z方向)の断層像を形成することができる。また、特に走査線の間隔が狭い場合には、前述の3次元画像を形成することができる。
【0103】
上記のような信号光LSの走査対象となる眼底Ef上の領域、つまりOCT計測の対象となる眼底Ef上の領域を走査領域と呼ぶ。3次元スキャンにおける走査領域は、複数の水平スキャンが配列された矩形の領域である。また、同心円スキャンにおける走査領域は、最大径の円スキャンの軌跡により囲まれる円盤状の領域である。また、放射スキャンにおける走査領域は、各スキャンラインの両端位置を結んだ円盤状(或いは多角形状)の領域である。
【0104】
[作用・効果]
以上のような眼底観察装置1の作用及び効果について説明する。
【0105】
眼底観察装置1には、CCDイメージセンサ120により検出される干渉光LCの光量を調整するための光アッテネータが設けられている。この実施形態の光アッテネータは参照光路に設けられているが、低コヒーレンス光L0の光路、信号光路、干渉光LCの光路に光アッテネータを設けてもよい。また、これらの光路のうちの任意の2つ以上の光路にそれぞれ光アッテネータを設けることも可能である。光アッテネータが設けられる光路、つまり光量調整の対象となる光を導く光路を対象光路と呼ぶことがある。
【0106】
光アッテネータはアッテネータ300、遮光板400及び駆動機構410を含んで構成される。アッテネータ300と駆動機構410は、演算制御ユニット200によってそれぞれ制御される。
【0107】
アッテネータ300は、ステッピングモータ302、カム303、遮光リンク310を含んで構成される。カム303は、参照光LRの断面における光量分布に応じた形状のカム面303aを有する。カム303はステッピングモータ302により回転される。遮光リンク310は、回転軸311、当接部312及び遮蔽部313を有する。当接部312はカム面303aに当接する。回転軸311は当接部312から所定距離だけ離れて設けられている。遮蔽部313は、回転軸311から所定距離だけ離れて設けられ、参照光LRを第1の方向から遮蔽可能とされる。これらの所定距離は、それぞれ、ステッピングモータ302の単位回転量、カム303のサイズ(カム面303aのサイズ)、遮光リンク310のサイズ、参照光LRの断面径、遮蔽動作の分解能といった様々なファクタを考慮して設定される。
【0108】
遮光板400は、アッテネータ300による遮蔽方向(第1の方向)とは異なる第2の方向から参照光LRを遮蔽可能とされる。遮光板400は駆動機構410により移動されて遮蔽領域を変更する。
【0109】
ステッピングモータ302によりカム303が回転されると、当接部312はカム303の回転に伴うカム面303aの変位に追従して移動する。遮光リンク310は、当接部312の移動とともに回転軸311を中心に回転する。遮蔽部313は、遮光リンク310の回転とともに第1の方向(方向D)に移動して参照光LRの遮蔽領域を変更する。
【0110】
なお、操作部250に対する操作に応じてアッテネータ300や遮光板400を動作制御するように構成することもできるし、CCDイメージセンサ120による受光量を参照して自動的にアッテネータ300や遮光板400を動作制御するように構成することも可能である。
【0111】
アッテネータ300と遮光板400は、たとえば次のようにして使用される。まず、アッテネータ300及び遮光板400をともに開放した状態とし、CCDイメージセンサ120で干渉光LCを受光する。この受光量の適否を確認する。受光量が大き過ぎるようであれば遮光板400を移動させて干渉光LCの受光量をラフに合わせる。
【0112】
次に、干渉光LCの受光量を確認しながらアッテネータ300による遮蔽領域を変更することで、受光量を精密に調整する。カム面303aは前述のような形状を有するので、遮蔽部313による参照光LRの遮蔽領域の大小に関わらず精密な調整が可能である。
【0113】
このようにして参照光LRの遮蔽領域を変更した後、つまりCCDイメージセンサ120による干渉光LCの受光量が調整された後、眼底観察装置1は、アッテネータ300や遮光板400によって一部が遮蔽されたLRと、信号光LSとを重畳して得られる干渉光LCを検出する。更に、眼底観察装置1は、この干渉光LCの検出結果に基づいて眼底EfのOCT画像を形成する。
【0114】
このような眼底観察装置1によれば、光源ユニット101の出力光量の変動や、コリメータレンズユニット107の位置ずれが発生して、干渉光LCの光量が変動した場合であっても、アッテネータ300や遮光板400を用いて光量調整を精緻に行うことができる。それにより、干渉光LCの検出を好適に行うことができ、良好なOCT画像が得られる。
【0115】
また、カム面303aを上記形状にするなどの工夫により、特に高分解能の(つまりステップ角の小さな)ステッピングモータを用いずとも、OCT計測において必要な動作精度を達成することが可能である。特に、使用される光の光量が大きく、その光の大部分を遮蔽して得られる干渉光を検出する場合であっても、光量調整を高精度で行うことが可能である。
【0116】
更に、互いに異なる二つの方向から参照光LRを遮蔽するよう構成されているので、精緻な光量調整が可能である。なお、互いに異なる三つ以上の方向から対象光を遮蔽するように構成することも可能である。この構成は(少なくとも)二つの方向から遮蔽するものであるから、この発明の範疇に含まれる。
【0117】
加えて、アッテネータ300や遮光板400は複雑な構成を必要としない。したがって、この実施形態に係る光アッテネータは、簡単な構成で精緻な光量調整を行うことが可能である。
【0118】
[変形例]
以上に説明した構成は、この発明を好適に実施するための一例に過ぎない。よって、この発明の要旨の範囲内における任意の変形を適宜に施すことが可能である。
【0119】
上記の実施形態における台形状の遮光板400とは異なる第2の遮蔽部を使用することが可能である。たとえば、第2の遮蔽部は、駆動機構により平行移動可能な矩形状の遮光板を対象光路に抜き差しする構成であってもよい。また、第2の遮蔽部は、対象光路外の回転軸を中心として回転移動可能な矩形状の遮光板を対象光路に抜き差しする構成であってもよい。
【0120】
また、第2の遮蔽部は、対象光の断面において光量が大きい領域、つまり当該断面の中央領域のみを遮蔽するように構成されていてもよい。このそのような遮光板としては、透明な板状部材の中央部分に遮光部を設けたものを用いることが可能である。また、遮光部のみからなる板状部材を糸状部材などで吊って参照光路の中央領域に配置させるようにしてもよい。これらの遮光部はたとえば円盤状に形成される。この変形例の遮光部のサイズを変更可能に構成してもよい。その一例として、異なるサイズの遮光部を選択的に使用することができる。また、多数枚の羽根を重ねてなるシャッタ羽根と類似の構造を用いて、遮光部のサイズを連続的に変更することも可能である。
【0121】
上記の実施形態では、第1の遮蔽部を有するアッテネータ300と、第2の遮蔽部としての遮光板400とを別々に設けている。これに対し、第2の遮蔽部としての機能をアッテネータ300に持たせることが可能である。その一例として、アッテネータ300自体若しくは遮光リンク310を、図3の径方向Cに移動可能に構成することで、径方向Cの遮蔽動作を遮蔽部313に行わせることができる。回転方向Bの遮蔽動作は上記の実施形態と同様にして実施される。なお、アッテネータ300自体若しくは遮光リンク310は、図示しない駆動機構によって径方向Cに移動される。
【0122】
上記の実施形態においては、参照ミラー114の位置を変更して信号光LSの光路と参照光LRの光路との光路長差を変更しているが、光路長差を変更する手法はこれに限定されるものではない。たとえば、被検眼Eに対して眼底カメラユニット2やOCTユニット100を移動させて信号光LSの光路長を変更することにより光路長差を変更することができる。また、特に被測定物体が生体部位でない場合などには、被測定物体を深度方向(z方向)に移動させることにより光路長差を変更することも有効である。
【0123】
上記の実施形態におけるコンピュータプログラムを、コンピュータによって読み取り可能な任意の記録媒体に記憶させることができる。この記録媒体としては、たとえば、光ディスク、光磁気ディスク(CD−ROM/DVD−RAM/DVD−ROM/MO等)、磁気記憶媒体(ハードディスク/フロッピー(登録商標)ディスク/ZIP等)などを用いることが可能である。また、ハードディスクドライブやメモリ等の記憶装置に記憶させることも可能である。
【0124】
また、インターネットやLAN等のネットワークを通じてこのプログラムを送受信することも可能である。
【符号の説明】
【0125】
1 眼底観察装置
2 眼底カメラユニット
3 表示装置
10 照明光学系
11 観察光源
15 撮影光源
30 撮影光学系
31 合焦レンズ
35、38 CCDイメージセンサ
39 LCD
43、44 ガルバノミラー
50 アライメント光学系
60 フォーカス光学系
70 走査駆動部
80 合焦駆動部
100 OCTユニット
101 光源ユニット
114 参照ミラー
118 回折格子
120 CCDイメージセンサ
130 参照駆動部
200 演算制御ユニット
210 制御部
211 主制御部
212 記憶部
220 画像形成部
230 画像処理部
240 表示部
250 操作部
300 アッテネータ
302 ステッピングモータ
303 カム
303a カム面
310 遮光リンク
311 回転軸
312 当接部
313 遮蔽部
400 遮光板
410 駆動機構
E 被検眼
Ef 眼底
G 断層像

【特許請求の範囲】
【請求項1】
低コヒーレンス光を信号光と参照光とに分割し、被測定物体に向かう信号光路を経由した前記信号光と参照光路を経由した参照光とを重畳させて干渉光を生成して検出する光学系と、
前記干渉光の検出結果に基づいて前記被測定物体の画像を形成する画像形成手段と、
を有する光画像計測装置であって、
前記低コヒーレンス光の光路、前記信号光路、前記参照光路及び前記干渉光の光路のうちの少なくとも1つの対象光路にそれぞれ設けられ、当該対象光路を進行する対象光を遮蔽可能な光アッテネータを備え、
前記光アッテネータは、
ステッピングモータと、
前記対象光の断面における光量分布に応じた形状のカム面を有し、かつ、前記ステッピングモータにより回転されるカムと、
前記カム面に当接する当接部と、前記当接部から所定距離だけ離れて設けられた回転軸と、前記回転軸から所定距離だけ離れて設けられ、前記対象光を第1の方向から遮蔽可能な第1の遮蔽部とを含む遮蔽機構と、
前記第1の方向とは異なる第2の方向から前記対象光を遮蔽可能な第2の遮蔽部と、
を備え、
前記ステッピングモータによる前記カムの回転に対応して、
前記当接部は、当該カムの回転に伴う前記カム面の変位に追従して移動し、
前記遮蔽機構は、当該当接部の移動とともに前記回転軸を中心に回転し、
前記第1の遮蔽部は、当該遮蔽機構の回転とともに前記第1の方向に移動して前記対象光の遮蔽領域を変更し、
前記光学系は、前記第1の遮蔽部及び前記第2の遮蔽部によって一部が遮蔽された前記対象光に基づく前記干渉光を検出し、
前記画像形成手段は、該干渉光の検出結果に基づいて前記被測定物体の画像を形成する、
ことを特徴とする光画像計測装置。
【請求項2】
前記カム面は、前記光量分布としてのガウス分布に基づいて、かつ、前記第1の遮蔽部による前記対象光の遮蔽領域の増大とともに、前記ステッピングモータの単位回転量に対応する前記第1の遮蔽部の前記第1の方向への移動量が小さくなるように、形成されている、
ことを特徴とする請求項1に記載の光画像計測装置。
【請求項3】
前記光アッテネータは、前記第2の遮蔽部を移動させて前記対象光の遮蔽領域を変更させる駆動機構を備える、
ことを特徴とする請求項1に記載の光画像計測装置。
【請求項4】
前記第1の遮蔽部の先端の辺は、前記回転軸を中心とする前記遮蔽機構の回転方向に対する径方向に沿って略直線状に形成され、
前記第2の遮蔽部の先端の辺は、前記第1の遮蔽部の前記辺が前記対象光を遮蔽する位置に配置された状態において前記径方向に対して斜交する略直線状に形成され、
前記駆動機構は、当該径方向に略直交する方向に前記第2の遮蔽部を移動させて前記対象光の遮蔽領域を変更する、
ことを特徴とする請求項3に記載の光画像計測装置。
【請求項5】
前記第2の遮蔽部は、前記対象光の断面の中央領域のみを遮蔽する、
ことを特徴とする請求項1に記載の光画像計測装置。
【請求項6】
前記第1の遮蔽部及び/又は前記第2の遮蔽部は、前記対象光の断面に対して傾斜して配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載の光画像計測装置。
【請求項7】
光ビームを遮蔽可能な光アッテネータであって、
ステッピングモータと、
前記光ビームの断面における光量分布に応じた形状のカム面を有し、かつ、前記ステッピングモータにより回転されるカムと、
前記カム面に当接する当接部と、前記当接部から所定距離だけ離れて設けられた回転軸と、前記回転軸から所定距離だけ離れて設けられ、前記光ビームを第1の方向から遮蔽可能な第1の遮蔽部とを含む遮蔽機構と、
前記第1の方向とは異なる第2の方向から前記光ビームを遮蔽可能な第2の遮蔽部と、
を備え、
前記ステッピングモータによる前記カムの回転に対応して、
前記当接部は、当該カムの回転に伴う前記カム面の変位に追従して移動し、
前記遮蔽機構は、当該当接部の移動とともに前記回転軸を中心に回転し、
前記第1の遮蔽部は、当該遮蔽機構の回転とともに前記第1の方向に移動して前記光ビームの遮蔽領域を変更する、
ことを特徴とする光アッテネータ。

【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7A】
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【図7B】
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【図8】
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【図9】
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【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−133387(P2011−133387A)
【公開日】平成23年7月7日(2011.7.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−293978(P2009−293978)
【出願日】平成21年12月25日(2009.12.25)
【出願人】(000220343)株式会社トプコン (904)
【Fターム(参考)】