説明

光酸発生剤およびこれを含むフォトレジスト

【課題】光酸発生剤化合物(PAG)の新規の合成方法、新規の光酸発生剤化合物、およびそのPAG化合物を含むフォトレジスト組成物を提供する。
【解決手段】ポジ型またはネガ型フォトレジスト組成物において使用するための、スルホニウム(>S+)成分を含む新規の光酸発生剤化合物(PAG)。特に好ましいスルホニウムPAGは、ジフルオロスルホン酸カチオン成分(例えば、R−CF2SO3−、ここで、Rは非水素置換基である)を含む。また、スルホニウム含有光酸発生剤を製造するための合成方法は、置換アルキルスルフィドを環化して、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルスルホニウムPAG(例えば、RS+<(CH2)4−6(式中、Rは非水素置換基である))を合成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は光酸発生剤化合物(PAG)の合成方法、新規の光酸発生剤化合物、およびこのPAG化合物を含むフォトレジスト組成物に関する。特に、本発明は、特定のスルホニウム含有(S+)光酸発生剤、およびスルホニウム光酸発生剤の合成方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フォトレジストは基体に像を写すための感光膜である。フォトレジストはネガ型またはポジ型像を形成する。フォトレジストを基体上にコーティングした後、この塗膜はパターン形成されたフォトマスクを通して、紫外光のような活性化エネルギー源に露光されて、フォトレジスト塗膜に潜像を形成する。このフォトマスクは、下にある基体に写されることが望まれる像を画定する活性化放射線に対して不透明および透明な領域を有する。
【0003】
フォトレジスト組成物の組成を変えて、機能特性の性能を改良するために様々な試みがなされてきた。とりわけ、フォトレジスト組成物における使用のために、様々な光活性化合物が報告されてきた。例えば、米国特許第6,664,022号および第6,849,374号を参照。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】米国特許第6,664,022号明細書
【特許文献2】米国特許第6,849,374号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
既知のフォトレジストは、多くの既存の商業的な用途に充分な解像度およびサイズを有するフィーチャーを提供することができる。しかし、多くの他の用途については、サブミクロン寸法の高解像イメージを提供できる新たなフォトレジストについての必要性が存在している。
【課題を解決するための手段】
【0006】
一形態においては、本発明者は、ポジ型またはネガ型フォトレジスト組成物において使用するための、スルホニウム(>S+)成分を含む新規の光酸発生剤化合物(PAG)を提供する。本発明の特に好ましいスルホニウムPAGは、ジフルオロスルホン酸カチオン成分(例えば、R−CFSO、ここで、Rは非水素置換基である)を含む。
別の形態においては、スルホニウム含有光酸発生剤を製造するための合成方法が提供される。好ましい実施形態においては、置換アルキルスルフィドは環化されて、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルスルホニウムPAG(例えば、RS+<(CH4−6(式中、Rは非水素置換基である))を提供する。
さらなる形態においては、スルホンアニオン成分を含むPAGが提供され、ここでは、鎖が、少なくとも4つの飽和非環式原子(典型的には、炭素またはヘテロ、N、OもしくはS、より典型的には、炭素または酸素、さらにより典型的には、その飽和鎖のそれぞれの結合メンバーは炭素である)を(i)スルホン部分(SO)と(ii)(a)非飽和部分(例えば、フェニルまたは他の炭素環式アリール)、ケト(カルボニル)、エステルなど、または(b)脂環式基、例えば、シクロヘキシルなどとの間に有する。典型的なアニオン成分には、以下の式:R(CH(CFSO(式中、nとmとの合計は少なくとも4であり、Rは飽和非環式基以外である(例えば、Rはエステル、フェニル、シクロヘキシルであり得る))のものが挙げられうる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
このような飽和鎖が、乳酸エチル、プロピレングルコールメチルエーテルアセタートなどのような典型的なフォトレジスト溶媒中で、PAG化合物の著しく増大した溶解性を提供しうることを本発明者は見いだした。
【0008】
好ましくは、本発明のPAGはポジ型またはネガ型化学増幅フォトレジスト(すなわち、光酸促進架橋反応を受けて、レジストの塗膜層の露光領域を、未露光領域よりも低い現像剤可溶性にするネガ型レジスト組成物、および1種以上の組成物成分の酸不安定基の光酸促進脱保護反応を受けて、レジストの塗膜層の露光領域を、未露光領域よりも、水性現像剤中でより可溶性にするポジ型レジスト組成物)において使用される。エステルのカルボキシル酸素に共有結合した第三級非環式アルキル炭素または第三級脂環式炭素を含むエステル基は、一般的に、本発明のフォトレジストにおいて使用される樹脂の好ましい光酸不安定基である。アセタール基も好適な光酸不安定基である。
【0009】
本発明のフォトレジストの好ましい像形成波長には、サブ300nm波長、例えば、248nm、およびサブ200nm波長、例えば、193nm、並びにEUVが挙げられる。
【0010】
本発明の特に好ましいフォトレジストは、本明細書において開示されるような像形成有効量の1種以上のPAG、並びに以下の群から選択される樹脂を含む:
1)248nmでの像形成に特に好適な、化学増幅ポジ型レジストを提供できる酸不安定基を含むフェノール系樹脂。この種類の特に好ましい樹脂には以下のものが挙げられる:i)ビニルフェノールおよびアクリル酸アルキルの重合単位を含むポリマー、このポリマーにおいては、重合されたアクリル酸アルキル単位は光酸の存在下でデブロッキング(deblocking)反応を受けうる。典型的には、光酸誘起デブロッキング反応を受けうるアクリル酸アルキルには、例えば、アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、アクリル酸メチルアダマンチル、メタクリル酸メチルアダマンチル、および光酸誘起反応を受けうる他の非環式アルキルおよび脂環式アクリラートが挙げられ、例えば、米国特許第6,042,997号および第5,492,793号(参照により本明細書に組み込まれる)におけるポリマーが挙げられる;ii)ビニルフェノール、場合によって置換された(ただし、ヒドロキシルまたはカルボキシ環置換基を含まない)ビニルフェニル(例えば、スチレン)、および上記ポリマーi)について記載されるデブロッキング基のもののようなアクリル酸アルキルの重合単位を含むポリマー、例えば、米国特許第6,042,997号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているポリマー;並びに、iii)光酸と反応しうるアセタールまたはケタール部分を含む繰り返し単位を含み、および場合によって芳香族繰り返し単位、例えば、フェニルもしくはフェノール性基などを含むポリマー;
2)実質的にまたは完全にフェニルまたは他の芳香族基を含まない樹脂、これは193nmのようなサブ200nm波長での像形成に特に好適な化学増幅ポジ型レジストを提供できる。特に好ましいこの種類の樹脂には以下のものが挙げられる;i)場合によって置換されたノルボルネンのような、非芳香族環式オレフィン(環内二重結合)の重合単位を含むポリマー、例えば、米国特許第5,843,624号(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているポリマー;ii)アクリル酸アルキル単位、例えば、アクリル酸t−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、アクリル酸メチルアダマンチル、メタクリル酸メチルアダマンチル、および他の非環式アルキルおよび脂環式アクリラートを含むポリマー;例えば、米国特許第6,057,083号に記載されているポリマー。
【0011】
本発明のレジストは、区別できるPAGの混合物、典型的には2または3種の異なるPAGの混合物、より典型的には、合計2種類の区別できるPAGからなる混合物を含むこともできる。
【0012】
本発明は、サブ(sub)クオーターミクロン寸法以下の、例えば、サブ0.2またはサブ0.1ミクロン寸法の、高解像でパターン形成されたフォトレジスト像(例えば、本質的に垂直の側壁を有するパターン形成されたライン)を形成する方法をはじめとする、本発明のフォトレジストのレリーフ像を形成する方法も提供する。
【0013】
本発明は、本発明のフォトレジストおよびレリーフ像をその上にコーティングした、マイクロエレクトロニクスウェハまたはフラットパネルディスプレイ基体のような、基体を含む製造物品をさらに提供する。本発明の他の形態は以下に開示される。
【0014】
上述のように、一形態においては、本発明は、アルキルチオ化合物を環化することを含む、スルホニウム化合物を製造することを含む。好適には、アルキルチオ化合物は高温で、例えば、還流下で、アセトニトリル、トルエンなどのような有機溶媒中で、環化されることができる。
【0015】
例えば、式:R−S(CH(CHLG)
(式中、Rは非水素置換基、例えば、場合によって置換された炭素環式アリール、例えば、場合によって置換されたフェニル、場合によって置換されたナフチルもしくは場合によって置換されたアントラセン;または場合によって置換されたヘテロ脂環式またはヘテロ芳香族基、例えば、場合によって置換されたチエニル;または場合によって置換された脂環式基、例えば、場合によって置換されたシクロヘキシル、シクロペンチルであり;
nは3〜6の整数であり;並びに
LGは脱離基、例えば、ハロ、例えば、Br、ClもしくはI;またはスルホン酸エステル、例えば、トシラート、メシラート、または他の好適な脱離基である)
の化合物をはじめとする、様々なアルキルスルフィド化合物が、本発明に従って環化されることができる。
【0016】
特に好ましい形態においては、形成されたスルホニウム化合物はフッ素化スルホン酸と会合(例えば、イオン対)して、それにより、光酸発生剤化合物を提供する。スルホン酸化合物は、環化反応中ずっと、アルキルスルフィド化合物を有する反応混合物中で好適に存在することができ、それにより、複合化イオン対を生じさせることができる。あるいは、スルホニウム化合物は環化プロセス中に形成されることができ、スルホニウム化合物の形成されたサンプルにスルホン酸が添加されることができ、複合化したPAGを提供できる。
【0017】
特に好ましい形態においては、フッ素化スルホン酸は式:R(CH(CFSO(式中、nは1〜5の整数であり(好ましくはnは2または3であり、特に、2である);Rは非水素置換基、例えば、置換されたエステル、例えば、Rは−O(C=O)(場合によって置換されたアダマンチル、例えば、ヒドロキシアダマンチル)である)を有する。本発明のPAGの特に好ましいスルホン酸成分は、(アダマンチル)R(C=O)O(CH(CFSO;(ヒドロキシアダマンチル)R(C=O)O(CH(CFSO;および(シアノアダマンチル)R(C=O)O(CH(CFSOの式から選択される。
【0018】
特に好ましい本発明のスルホニウム化合物には、次のものが挙げられる:
【化1】

【0019】
追加の特に好ましいスルホン酸には次のものが挙げられる:
【化2】

【0020】
特に好ましい本発明のPAGには、次の式(I)および(II)が挙げられる:
【化3】

式(I)および(II)のそれぞれにおいて、Rは水素または非水素置換基、例えば、直鎖、分岐または環式C1−20アルキル基である。特に好ましい形態においては、式(I)および(I)のそれぞれにおいては、Rはtert−ブチルである。
【0021】
追加の好ましい本発明のPAGには、下記式IIIで例示されるような環式ラクトン部分を含むアニオン成分が挙げられる:
【化4】

式中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して、同じかまたは異なっている非水素置換基、例えば、置換もしくは非置換の、直鎖もしくは分岐のC1−10アルキル、アルケニルもしくはオキソアルキル基、または置換もしくは非置換のC6−18炭素環式アリール、アルアルキルもしくはアリールオキソアルキル基であり、または、R1、R2およびR3のいずれか2以上は一緒に結合して硫黄原子を有する環を形成することができる。
【0022】
さらに追加の好ましい本発明のPAGには、下記式(IV)で例示されるような、コール酸(コラート)部分を含むアニオン成分が挙げられる:
【化5】

式中、R1、R2およびR3はそれぞれ独立して、同じかまたは異なっている非水素置換基、例えば、置換もしくは非置換の、直鎖もしくは分岐のC1−20アルキル、アルケニルもしくはオキソアルキル基、または置換もしくは非置換のC6−18炭素環式アリール、アルアルキルもしくはアリールオキソアルキル基であり、または、R1、R2およびR3のいずれか2以上は一緒に結合して硫黄原子を有する環を形成することができる。
【0023】
以下のスキーム1および2は特に好ましい合成方法を例示する。
【化6】

【0024】
【化7】

【0025】
次のスキーム3は追加の特に好ましい合成方法を例示する:
【化8】

【0026】
次のスキーム4は追加の特に好ましい合成方法を例示する。これらの方法は特に、上記式(III)の化合物の様なラクトン部分を含むアニオン成分を含む本発明のPAGを製造するのに有用である。
【化9】

【0027】
次のスキーム5は追加の特に好ましい合成方法を例示する。これらの方法は特に、上記式(IV)の化合物の様なコラート部分を含むアニオン成分を含む本発明のPAGを製造するのに有用である。
【化10】

【0028】
本明細書において上述のように、本発明のPAGの様々な置換基が場合によって置換されうる。置換部分は1以上の利用可能な位置において、例えば、F、Cl、Brおよび/またはIのようなハロゲン、ニトロ、シアノ、スルホノ、アルキル、例えば、C1−16アルキル(C1−8アルキルが好ましい)、ハロアルキル、例えば、フルオロアルキル(例えば、トリフルオロメチル)およびペルハロアルキル、例えば、ペルフルオロC1−4アルキル、アルコキシ、例えば、1以上の酸素結合を有するC1−16アルコキシ(C1−8アルコキシが好ましい)、アルケニル、例えば、C2−12アルケニル(C2−8アルケニルが好ましい)、アルケニル、例えば、C2−12アルケニル(C2−8アルキニルが好ましい)、アリール、例えば、フェニルまたはナフチル、並びに置換アリール、例えば、ハロ、アルコキシ、アルケニル、アルキニルおよび/またはアルキル置換アリール(好ましくは、対応する基についての上記炭素原子数を有する)によって、好適に置換される。好ましい置換アリール基には、置換フェニル、アントラセニルおよびナフチルが挙げられる。
【0029】
本明細書において使用される場合、用語、アルキル、アルケニルおよびアルキニルは、他に修飾されない限りは、環式および非環式基の双方をいうが、もちろん環式基は少なくとも3つの炭素環メンバーを含む。本発明の化合物のアルケニルおよびアルキニル基は1以上の不飽和結合を、典型的には1〜約3または4つの不飽和結合を有する。また、本明細書において使用される場合、用語、アルケニルおよびアルキニルとは、環式および非環式基の双方をいうが、直鎖または分岐非環式基が一般的により好ましい。本発明のPAG化合物のアルコキシ基は1以上の酸素結合を、典型的には1〜約5または6つの酸素結合を有する。本発明のPAGのアルキルチオ基は1以上のチオエーテル結合を、典型的には1〜約5または6つのチオエーテル結合を有する。本発明のPAG化合物のアルキルスルフィニル基は、1以上のスルフィニル(SO)結合を、典型的には1〜約5または6つのスルフィニル結合を有する。本発明のPAG化合物のあるキルスルホニル基は1以上のスルホニル(SO)結合を、典型的には1〜約5または6つのスルホニル結合を有する。本発明のPAG化合物の好ましいアルキルアミノ基には、1以上の第一級、第二級および/または第三級アミン基を、好ましくは1〜約3または4つのアミン基を有する基が挙げられる。好適なアルカノイル基は1以上のカルボニル基、典型的には1〜約4または5つのカルボニル基を有する。アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルカノイルおよび他の基は好適に直鎖または分岐であることができる。本明細書において使用される場合、炭素環式アリールとは、1〜3つの別個のまたは縮合した環を有し、並びに6〜約18の炭素環メンバーを有する非ヘテロ芳香族基をいい、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル、アセナフチル、フェナントラシルなどが挙げられうる。フェニルおよびナフチルが多くの場合好ましい。好適なヘテロ芳香族もしくはヘテロアリール基は、1〜3つの環、それぞれの環に3〜8の環メンバー、並びに1〜約3つのヘテロ原子(N、OまたはS)を有しうる。特に好適なヘテロ芳香族もしくはヘテロアリール基には、例えば、クマリニル、キノリニル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、フリル、ピロリル、チエニル、チアゾリル、オキサゾリル、イミダゾリル、インドリル、ベンゾフラニルおよびベンゾチアゾールが挙げられる。
【0030】
上述のように、本発明のPAGは、ポジ型およびネガ型化学増幅レジスト組成物の双方をはじめとするフォトレジスト組成物中の感放射線成分として有用である。
【0031】
本発明のフォトレジストは典型的には、樹脂バインダーおよび上述のような本発明の光活性成分を含む。好ましくは、樹脂バインダーは、レジスト組成物に水性アルカリ現像可能性を付与する官能基を有する。例えば、好ましいのは、ヒドロキシルまたはカルボキシラートのような極性官能基を有する樹脂バインダーである。好ましくは、樹脂バインダーは、アルカリ水溶液でレジストを現像可能にするのに充分な量でレジスト組成物中に使用される。
【0032】
好ましくは、本発明の光酸発生剤化合物が、化学増幅ポジ型レジストにおいて使用される。このようなレジスト組成物の多くは、例えば、米国特許第4,968,581号;第4,883,740号;第4,810,613号;および第4,491,628号;並びに、カナダ国特許出願公開第2,001,384号に記載されており、これら全ては、化学増幅ポジ型レジストを製造および使用するその教示について、参照により本明細書に組み込まれる。本発明に従って、これら先行技術のレジスト組成物は、感放射線成分としての本発明の光活性成分での置き換えによって改変される。
【0033】
また、本発明のPAGは、1以上の光酸不安定基を有し、かつ実質的に、本質的にまたは完全にフェニルもしくは他の芳香族基を含まないポリマーと共に好ましくは使用される。このような、フォトレジスト組成物は193nm放射線のようなサブ200nm放射線での像形成に特に有用である。
【0034】
例えば、好ましいポリマーは約5モルパーセント未満の芳香族基を、より好ましくは約1または2モルパーセント未満の芳香族基を、より好ましくは約0.1、0.02、0.04および0.08モルパーセント未満の芳香族基を、さらにより好ましくは約0.01モルパーセント未満の芳香族基を含む。特に好ましいポリマーは芳香族基を完全に含まない。芳香族基はサブ200nm放射線を非常に吸収することができ、よって、このような短い波長の放射線で像形成されるフォトレジストに使用されるポリマーには望ましくない。
【0035】
実質的にまたは完全に芳香族基を含まず、かつ本発明のPAGと配合されてサブ200nm像形成のためのフォトレジストを提供することができる好適なポリマーは、シプレイカンパニー(Shipley Company)の欧州特許出願公開第EP930542A1号に開示されている。
【0036】
芳香族基を実質的にまたは完全に含まない好適なポリマーは、アクリル酸メチルアダマンチル、メタクリル酸メチルアダマンチル、アクリル酸エチルフェンキル、メタクリル酸エチルフェンキルなどの重合により提供されうるような光酸不安定アクリラート単位のようなアクリラート単位;ノルボルネン化合物または環内炭素−炭素二重結合を有する他の脂環式化合物の重合により提供されうるような縮合非芳香族脂環式基;無水マレイン酸の重合により提供されうるような酸無水物;などを好適に含む。
【0037】
本発明の好ましいネガ型組成物は、酸への曝露の際に硬化し、架橋しまたは固化しうる物質と、本発明の光活性成分との混合物を含む。
【0038】
特に好ましいネガ型組成物は、樹脂バインダー、例えば、フェノール系樹脂、架橋剤成分および本発明の光活性成分を含む。このような組成物およびその使用は欧州特許出願公開第0164248号および第0232972号、並びにThackeray(タケレイ)らへの米国特許第5,128,232号に開示されている。樹脂バインダー成分として使用するのに好ましいフェノール系樹脂には、上で論じられたもののような、ノボラック、およびポリ(ビニルフェノール)が挙げられる。好ましい架橋剤には、アミンベースの物質、例えば、メラミン、グリコールウリル、ベンゾグアナミンベースの物質および尿素ベースの物質が挙げられる。メラミン−ホルムアルデヒド樹脂が概して最も好ましい。このような架橋剤は商業的に入手可能であり、例えば、メラミン樹脂はアメリカンシアナミド(American Cyanamid)によって、商品名サイメル(Cymel)300、301および303で販売されている。グリコールウリル樹脂は、アメリカンシアナミドによって、商品名サイメル1170、1171、1172で販売されており、尿素ベースの樹脂はビートル(Beetle)60、65および80の商品名で販売されており、ベンゾグアナミン樹脂はサイメル1123および1125の商品名で販売されている。
【0039】
本発明のフォトレジストは他の物質を含むこともできる。例えば、他の任意の添加剤には、化学線(actinic)およびコントラスト(contrast)染料、抗ストリエーション剤(anti−striation agent)、可塑剤、速度向上剤、増感剤などが挙げられる。比較的高濃度、例えば、レジストの乾燥成分の合計重量の5〜30重量パーセントの量で存在することができる充填剤および染料を除いて、このような任意の添加剤は、典型的には、フォトレジスト組成物中に低濃度で存在する。
【0040】
本発明のレジストの好ましい任意の添加剤は追加塩基、特にテトラブチルアンモニウムヒドロキシド(TBAH)であり、これは現像されたレジストレリーフ像の解像度を向上させることができる。追加塩基は好適には比較的少量で、例えば、PAGに対して約1〜10重量パーセント、より典型的には1〜約5重量パーセントで使用される。他の好適な塩基性添加剤には、スルホン酸アンモニウム塩、例えば、p−トルエンスルホン酸ピペリジニウム、およびp−トルエンスルホン酸ジシクロヘキシルアンモニウム;アルキルアミン、例えば、トリプロピルアミンおよびドデシルアミン;アリールアミン、例えば、ジフェニルアミン、トリフェニルアミン、アミノフェノール、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパンなどを挙げることができる。
【0041】
本発明のレジストの樹脂バインダー成分は、典型的には、レジストの露光された塗膜層を、アルカリ水溶液などを用いて現像可能にするのに充分な量で使用される。より詳細には、樹脂バインダーは好適に、レジストの全固形分の50〜約90重量%を構成しうる。光活性成分は、レジストの塗膜層中の潜像の形成を可能にするのに充分な量で存在すべきである。より詳細には、光活性成分は、好適には、レジストの全固形分の約1〜40重量%の量で存在しうる。典型的には、より少ない量の光活性成分が化学増幅型レジストに好適であり得る。
【0042】
本発明のフォトレジストは、このようなフォトレジストの配合において使用される先行技術の光活性化合物を本発明のPAGと置き換えることを除いて、既知の手順に従って一般的に製造される。例えば、本発明のレジストは、フォトレジストの成分を好適な溶媒に溶解することによりコーティング組成物として製造されることができ、この好適な溶媒には、例えば、グリコールエーテル、例えば、2−メトキシエチルエーテル(ジグライム)、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル;乳酸エステル、例えば、乳酸エチルまたは乳酸メチル、乳酸エチルが好ましい;プロピオン酸エステル、特にプロピオン酸メチルおよびプロピオン酸エチル;セロソルブエステル、例えば、メチルセロソルブアセタート;芳香族炭化水素、例えば、トルエンもしくはキシレン;またはケトン、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンおよび2−ヘプタノンが挙げられる。フォトレジストの固形分量は、典型的には、フォトレジスト組成物の全重量の5〜35重量パーセントで変化する。
【0043】
本発明のフォトレジストは既知の手順に従って使用されうる。本発明のフォトレジストは乾燥膜として適用されうるが、本発明のフォトレジストは液体コーティング組成物として基体上に好ましくは適用され、加熱して乾燥させ、好ましくは塗膜層が粘着性でなくなるまで溶媒を除去し、フォトマスクを通して活性化放射線に露光し、場合によって露光後ベークして、レジスト塗膜層の露光領域と未露光領域との間の溶解度の違いを作り出すか、または増大させて、次いでアルカリ水性現像剤で好ましくは現像されて、レリーフ像を形成させる。本発明のレジストが適用され、処理される基体は、好適には、マイクロエレクトロニクスウェハのようなフォトレジストを伴うプロセスにおいて使用されるあらゆる基体でありうる。例えば、この基体はケイ素、二酸化ケイ素、またはアルミニウム−酸化アルミニウムマイクロエレクトロニクスウェハであることができる。ガリウムヒ素、セラミック、石英または銅基体も使用されうる。液晶ディスプレイおよび他のフラットパネルディスプレイ用途に使用される基体、例えばガラス基体、インジウムスズ酸化物コーティング基体なども好適に使用される。液体コーティングレジスト組成物はあらゆる標準的な手段、例えば、スピニング、ディッピングまたはローラーコーティングによって適用されうる。露光エネルギーは感放射線システムの光活性成分を効果的に活性化し、レジスト塗膜層にパターン形成された像を生じさせるのに充分であるべきである。好適な露光エネルギーは、典型的には約1〜300mJ/cmの範囲である。上述のように、好ましい露光波長には、サブ200nm、例えば、193nmが挙げられる。好適な露光後ベーク温度は、約50℃以上、より具体的には約50℃〜140℃である。酸硬化型ネガ型レジストについては、現像により形成されたレリーフ像をさらに硬化させるために、所望の場合には、約100〜150℃の温度で数分以上、現像後ベークが使用されうる。現像および現像後の任意の硬化の後で、現像により露出した基体表面は、次いで、例えば、当該技術分野で知られている手順に従ってフォトレジストが除かれた基体領域を化学的にエッチングまたはめっきすることにより、選択的に処理されることができる。好適なエッチング剤には、フッ化水素酸エッチング溶液、およびプラズマガスエッチング剤、例えば、酸素プラズマエッチング剤が挙げられる。
以下の非限定的な実施例は本発明の例示である。
【実施例】
【0044】
実施例1:TBPTMS 3OH−Ad TFBSの合成
TBPTMS 3OH−Ad TFBSの3工程合成がスキームAに記載される。各工程についての詳細な合成手順は以下に概説される。
【化11】

【0045】
工程1:3OH−Ad TFBSNaの合成
窒素(N)スイープ下で、250mlのフラスコに、15gの3−ヒドロキシアダマンタン−1−カルボン酸および150mlの無水テトラヒドロフラン(THF)を入れた。この混合物に、1’,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI、13.65g)を数回に分けて30分間にわたって添加した。この添加完了後に、反応は室温で3時間保持された。この混合物は、還流で加熱され、次いで、4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロ−ブタン−1−オール(18g)が5分間にわたって添加された。この混合物は、さらに15時間還流に維持された。この反応は25℃に冷却されて、分離漏斗に移され、次いで4〜5倍の体積の水を加えた。下層を厚め、上層を酢酸エチル300mlで洗浄した。琥珀色のオイルおよび酢酸エチル溶液が一緒にされて、次いで、4回×200mlの脱イオン水で洗浄された。洗浄水のpHが〜9から〜6.5になる。酢酸エチルはMgSOで乾燥させられて、減圧下で除去されて、オイルを得て、これはさらなる精製なしに使用された。上記オイル(想定100%収率)は26.6gのチオ亜硫酸ナトリウム、19.3gの重炭酸ナトリウム、150mlのアセトニトリルおよび150mlの脱イオン水と一緒にされた。この混合物を60℃で一晩(16時間)保持した。この混合物を室温に冷却した。アセトニトリル層を集め、別の500mlフラスコに入れて、100mlの脱イオン水を添加し、次いで、30%過酸化水素13gおよび60mgの触媒(NaWO・2HO)を添加した。この溶液は2〜3時間室温で攪拌された。反応が完了した後、13gの亜硫酸水素ナトリウムがゆっくりと添加され、残りのHを中和した。薄黄色の1相系に30gの塩化ナトリウムを添加し、結果的に2相系になった。上層が集められ、MgSOで乾燥させられ、次いで1.4Lのメチルt−ブチルエーテルに攪拌しつつゆっくりと添加され、薄黄色固体を生じさせた。この固体を乾燥させて、13.5g(42%)の分析的に純粋な3OH−Ad TFBSNaを生じさせた。
【0046】
工程2:1−(4−ブロモ−ブチルスルファニル)−4−tert−ブチル−ベンゼンの合成
窒素スイープ下で、500mlのフラスコに、19gのトリエチルアミン、65gの1,4−ジブロモブタンおよび255mlのメチルt−ブチルエーテルを入れた。この混合物に、25gのt−ブチルベンゼンチオールおよび70mlのメチルt−ブチルエーテルの溶液を7時間にわたって添加した。この反応溶液を一晩攪拌した。この混合物はろ過されて、塩を除去した。濾液は1.2N HCl 2回×100mlで洗浄され、次いで、脱イオン水4回×100mlで洗浄された。メチルt−ブチルエーテルをMgSOで乾燥させて、次いで、真空下30℃で除去して、オイル状の化合物を生じさせた。過剰の1,4−ジブロモブタンは減圧(1.5Torr)下、35〜40℃で留去させられた。H−NMRはこの物質は、純度95%であり、84%のインポット(in−pot)収率であることを示した。この物質は、1.5Torr、150℃でさらに蒸留されて生成物である、純粋な1−(4−ブロモ−ブチルスルファニル)−4−tert−ブチル−ベンゼンを最終収率56%で回収した。
【0047】
工程3:TBPTMS 3OH−Ad TFBSの合成
温度計、オーバーヘッド攪拌装置、凝縮器、窒素ガス入口を備えた3リットルの丸底フラスコに、1−(4−ブロモ−ブチルスルファニル)−4−tert−ブチル−ベンゼン(204g、677mmol)、3OH−Ad TFBSNa(144g、338.5mmol)および2リットルのアセトニトリルを入れた。この反応混合物を還流下16時間加熱した。反応を室温まで冷却した。この塩(臭化ナトリウム)をろ別し、アセトニトリルを減圧下で除去して、橙色のオイルを生じさせた。このオイルを1Lの酢酸エチルに熔解し、次いで、脱イオン水1L×4回で洗浄した。酢酸エチル溶液をMgSOで乾燥させて、次いで、5gの活性炭を添加した。混合物全体を2〜3時間攪拌した。この混合物をろ過して、非常に薄い黄色の溶液を得た。酢酸エチルの体積を減らし(400〜500ml)、次いでゆっくりと、5Lのメチルt−ブチルエーテルに添加して、油状物質を生じさせた。H−NMRは幾分かのチオブロモブタンが依然として存在していることを示す。沈殿を繰り返し、PAGを400mlの酢酸エチル中に溶解し、次いで、4Lのメチルt−ブチルエーテル中で沈殿させ、これは再び、ほぼ無色のオイルを生じさせた。酢酸エチル/メチルt−ブチルエーテルをデカントで除き、オイルを再び溶解させ、2Lの1NRBフラスコに入れ、溶媒を真空によってゆっくり除去して、127.5gの分析的に純粋なTBPTMS 3OH−Ad TFBS(60%収率)を得た。
【0048】
実施例2:TPS DHC TFBSの合成
TBPTMS 3OH−Ad TFBSの3工程合成はスキームBに記載される。各工程についての詳細な合成手順は以下に概説される。
【化12】

【0049】
工程1:DHC−TFBBrの合成
3Lのフラスコに、窒素スイープ下で、120gのデヒドロコール酸(298.12mmol)、50.7gの1,1’−カルボニルジイミダゾール(CDI)および1800mLのトルエンを入れた。この混合物を室温で2〜3時間保持した。この混合物は還流加熱され、次いで、70.40gの4−ブロモ−3,3,4,4−テトラフルオロ−ブタン−1−オール(312.9mmol)を5分間にわたって添加した。この混合物は、一晩加熱して、ゆっくりと琥珀色の溶液になった。反応物は25℃に冷却されて、分離漏斗に入れられ、次いで、pHがDI水のpHに等しくなるまで、水(10回×800ml)で洗浄された。上部トルエン層(琥珀色)にMgSOおよび15gの活性炭が添加された。この混合物を2時間攪拌し、次いでろ過した。濾液(トルエン)を減圧下で除去し、白色固体を得た。この固体は70℃で18時間真空乾燥させて、136gの生成物(75%収率)を得た。生成物であるDHC−TFBBrは工程2で使用された。
【0050】
工程2:DHC−TFBSNaの合成
工程1からの生成物であるDHC−TFBBr(136g)は3Lのフラスコ中で78gのチオ亜硫酸ナトリウム、56.8gの重炭酸ナトリウム、1300mlのアセトニトリルおよび650mlの脱イオン水と一緒にされた。この混合物を60℃で16時間保持した。この混合物を室温に冷却した。アセトニトリル層を集め、2Lフラスコに入れて、アセトニトリルの〜50%を除去することにより水を共沸除去した。沈殿した何らかの塩が除去され、濾液を10Lのメチルt−ブチルエーテルに注いだ。ろ過により固体が集められ、乾燥させられた。138.5gのスルフィン酸塩が得られ、これが750mlのアセトニトリルおよび350mlのDI水の混合物に添加された。この混合物に、150mgのNaWO・2HOおよび38.2gの30%過酸化水素を添加した。この溶液は室温で2〜3時間攪拌された。生成物であるDHC−TFBSNaは通常の仕上げの後で無色の固体として得られた。収率100g(71%)。生成物は第3の工程において使用された。
【0051】
工程3:TPS DHC−TFBSの合成
111gのDHC−TFBSNa、750mlの塩化メチレン中の60.50gの臭化トリフェニルスルホニウム、および100mlの脱イオン水から製造された混合物が室温で18時間攪拌された。層が分離させられ、下部有機層は10回×500mlの脱イオン水で洗浄された。塩化メチレンはMgSOで乾燥させられ、次いで体積が40%減少させられた。塩化メチレン溶液はゆっくりと10Lのメチルt−ブチルエーテルに添加された。固体が集められ、乾燥させられて、139gのTPS DHC−TFBSが得られた。この生成物は500mlのMTBE中で一晩還流させられて、集められ、乾燥させられて、131gの分析的に純粋な生成物を得た。
【0052】
実施例3:フォトレジスト調製およびリソグラフィプロセス
本発明のフォトレジストは、レジスト組成物の全重量基準にした重量パーセントで表される量で、以下の成分を混合することにより調製される:
【表1】

【0053】
樹脂バインダーは、ターポリマー(メタクリル酸2−メチル−2−アダマンチ/メタクリル酸ベータ−ヒドロキシ−ガンマ−ブチロラクトン/メタクリル酸シアノ−ノルボルニル)である。光酸発生剤は、上記実施例2において製造される化合物TPS DHC−TFBSである。これらの樹脂およびPAG成分は乳酸エチル溶媒中で混合される。
配合されたレジスト組成物はHMDS蒸気処理された4インチシリコンウェハ上にスピンコーティングされ、真空ホットプレートで90℃、60秒間ソフトベークされる。レジスト塗膜層はフォトマスクを通して193nmで露光され、次いで、露光された塗膜層は110℃で露光後ベークされる。コーティングされたウェハは次いで0.26Nのテトラブチルアンモニウムヒドロキシド水溶液で処理され、像形成されたレジスト層を現像する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アルキルチオ化合物を環化することを含む、スルホニウム化合物を製造する方法。
【請求項2】
アルキルスルフィドが式:R−S(CH(CHLG)
(式中、Rは非水素置換基であり;
nは3〜6の整数であり;並びに、
LGは脱離基である)
を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
スルホニウム化合物がフッ素化スルホン酸と会合している、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
フッ素化スルホン酸が式:R(CH(CFSO(式中、nは2〜8の整数であり、Rは非水素置換基である)を有する、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
下記式(I)および(II):
【化1】

(式(I)および(II)のそれぞれにおいて、Rは水素または、直鎖、分岐もしくは環式C1−20アルキル基のような非水素置換基である)
から選択される光酸発生剤化合物が製造される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
Rがtert−ブチルである請求項5に記載の方法。
【請求項7】
下記:
【化2】

から選択されるアニオン成分を含む光酸発生剤化合物。
【請求項8】
下記:
【化3】

(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立して、同じかまたは異なっている非水素置換基である)
【化4】

(式中、R1、R2およびR3は、それぞれ独立して、同じかまたは異なっている非水素置換基である)
から選択される光酸発生剤化合物。
【請求項9】
下記式(I)および(II):
【化5】

(式(I)および(II)のそれぞれにおいて、Rは水素または、直鎖、分岐もしくは環式C1−20アルキル基のような非水素置換基である)
から選択される光酸発生剤化合物。
【請求項10】
Rがtert−ブチルである、請求項8に記載の光酸発生剤化合物。
【請求項11】
光酸発生剤化合物が下記式(I)および(II):
【化6】

(式(I)および(II)のそれぞれにおいて、Rは水素または、直鎖、分岐もしくは環式C1−20アルキル基のような非水素置換基である)
から選択される、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法によって得られうる光酸発生剤化合物。
【請求項12】
Rがtert−ブチルである、請求項11に記載の光酸発生剤化合物。
【請求項13】
樹脂成分、および請求項7〜12のいずれか1項の光酸発生剤化合物を含むフォトレジスト組成物。
【請求項14】
(a)請求項13のフォトレジスト組成物の塗膜層を基体上に適用し;
(b)フォトレジスト塗膜層をパターン形成された活性化放射線に露光し、露光されたフォトレジスト層を現像してレリーフ像を提供する;
ことを含む、フォトレジストレリーフ像を形成する方法。

【公開番号】特開2011−173863(P2011−173863A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−275272(P2010−275272)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【出願人】(591016862)ローム・アンド・ハース・エレクトロニック・マテリアルズ,エル.エル.シー. (270)
【Fターム(参考)】