説明

入力装置、電子機器、携帯端末、及び入力制御方法

【課題】本発明は、指先を使って入力可能で、認証情報の入力が容易で、操作性に優れ、セキュリティが高く確実な認証が行える安価な入力装置、及びこの入力装置を備えた電子機器、携帯端末、さらに、認証情報の入力が容易で、セキュリティが高く確実な認証が行える入力制御方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の入力装置は、複数の凸部が形成された操作パネルと、凸部が押圧されたときに割り当てられたキーを判別する判定手段20a2と、判別された情報を暫定情報としてリアルタイムで表示する第1の表示部18aと、この暫定情報の内容を確定するための確定部とを備え、キーロック設定またはキーロック解除時に、凸部の押圧とその確定信号の入力が共に存在する確定情報と、押圧のみが存在する暫定情報、無押圧を判別し、押圧と無押圧、確定部による確定信号の入力の組合せによって得られる文字列を基に認証情報を生成することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、指先を使って入力可能で、認証情報の入力が容易で操作性に優れ、セキュリティが高く確実な認証が行える安価な入力装置と、この入力装置を搭載した電子機器、携帯端末、及び入力が容易でセキュリティが高く確実な認証が行える入力制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話などの携帯端末の普及が目覚しい。携帯端末は小型化が求められるが、ディスプレィに関してはできるだけ大きな方が見易く、また入力するためのキーも操作性のよいものが望まれる。
【0003】
従来の一般的な携帯端末においては、ディスプレィの下に配列されたテンキー等のキーを押下することにより入力を行うことが多い。操作性を考えるとキーのサイズの縮小には限度があり、それでも小型化をする場合にはどうしてもディスプレィが小さくなってしまう。このため本出願人は指先を移動だけで入力できる指先触覚入力装置を提案した(特許文献1)。
【0004】
特許文献1の指先触覚入力装置は、凸部を複数個点在させた入力プレートと、入力用基板、予め入力内容を確認できるチェック手段が設けられている。凸部の所在位置を指先の触覚で探って入力し、この凸部からの入力内容が希望した入力内容であるとしてそのまま確定するのではなく、この内容をチェック手段によって表示部において確認し、確認した内容が期待する入力内容と異なっていた場合には、指先の押圧位置を変えてあらためてチェック手段によってこの内容を確認し、内容が期待する入力内容と合致した時点に、この入力内容を確定するものである。
【0005】
キーが極小サイズの場合、指先の微妙な動きで凸部を押す位置が変って入力内容が変わり、ユーザの認識と実際の入力された情報との間でずれが生じる。このため特許文献1の指先触覚入力装置は、チェック手段によって入力内容を表示部で確認しながら確定している。
【0006】
チェック手段によって行われる処理は、キーと入力結果を1対1で直ちに対応付けるのではなく、指先で探った幾つかの候補を暫定的に表示し、この表示された候補の中から、表示内容が希望するものと一致した候補について確定する方法を採用している。ある意味、この指先触覚入力装置はインタラクティブな性格をもつ入力装置と言うことになる。
【0007】
これにより、携帯端末の表面に表面に占める入力プレートの面積を小さくすることができ、この面積の分だけ携帯端末のディスプレィを大きくすることができる。入力プレートを背面に配置すれば、携帯端末の正面全体をディスプレィに利用することができ、チェック手段による確認はディスプレィだけでなく、スピーカーを使って音声でも行える。
【0008】
ところで、最近、携帯端末の中を他人に不正に覗き見されたり、不正使用されたりする危険が生じている。そこで、これを防止するために、キーロック機能を備えた携帯端末が提案されている。
【0009】
このキーロック機能を備えた携帯端末では、複数桁の数字またはアルファベットを入力し、これらをキーロック機能解除のパスワードとして登録しておき、キーロック機能を設定すると、待ち受け時にパスワード入力を要求する。入力されたパスワードが、登録されているパスワードと一致しない場合には、キーロック機能が解除されず、発信などの機能が利用できない。
【0010】
しかし、このようなキーロック機能の場合、人間の記憶には限界があるため、使い勝手が悪かったり、不正利用する人間が数字やアルファベットの組合せを全部チェックすることにより、キーロック機能を解除したりする危険がある。
【0011】
このような問題を改善する技術として、指紋や目の虹彩等を使った生体認証が知られている(例えば特許文献2)。例えば、携帯端末が操作する者の指紋を読み取り、正当な利用者か否か認識し、正当な利用者と認識された場合のみ、携帯端末の利用を許可する。
【0012】
しかしながら、この生体認証は認証のための高度な処理を行う必要があり、このための専用デバイスは高価で、携帯端末の価格を押し上げる可能性がある。
【0013】
そこで、これを避けるために、タッチパネルから手書き入力された軌跡から生成されたデータを取得し、予めメモリ部にこの方法で登録されたデータと比較して、一致した場合にキーロック状態を解除する携帯電子機器が提案されている(特許文献3参照)。
【0014】
パスワード入力画面には、16個のポイント領域P1〜P16と、これらの間隔となるエリア領域A1〜A5が設けられ、入力ペンで描いた軌跡、例えば起点となるポイント領域P4から終点となるエリア領域A1まで略S字状の軌跡を描くと、領域情報のデータ列、順にP4、A4、P3、A3、・・・・、P10、A2、P9、A1が生成される。この生成された一連のデータ列がメモリ部14に書き込まれ、このデータ列と登録されたデータ列の一致/不一致を検出することでキーロック設定/解除を行う。
【0015】
従って、この携帯電子機器の場合、生体認証のような複雑で高価な認証を行わなくてもよい。
【0016】
【特許文献1】特許第3708508号公報
【特許文献2】特開2003−143290号公報
【特許文献3】特開2007−257140号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
従来のパスワードを利用したキーロック機能は使用可能な数字等の組合せが限られる。また、数字やアルファベットを記憶して、携帯端末を使用するたびにキー操作で入力するのは煩わしい。この点、特許文献2の生体認証はこうした手間が省けるが、携帯端末自体の価格が高くなる。
【0018】
また、特許文献3の携帯電子機器はパスワード入力方式と比較すると使い勝手は増すが、手書き移動の方向は限られている上に、手書き入力された軌跡で確実な入力を行うのはきわめて難しい。誤って入力したとき途中で修正することもできない。このような場合は、入力できるまでこれを繰り返す必要がある。
【0019】
例えば、少しペン先が横ぶれするだけで軌跡を誤って認識するおそれがある。だからと言って、エリア領域A1〜A5の領域を大きくすると、ポイント領域P1〜P16が小さくなり、入力そのものが難しくなる。そして大きな指先を使って入力するのは困難である。また、少しでも筆圧が弱まると誤認識する可能性がある。
【0020】
誤認識があった場合に、キーロックを解除するために何回も入力し直すのは煩わしい。入力が難しいことから解除不能になることすら生じる。キーロック解除のためには入力が簡単で再現性の高い入力装置でなければならない。
【0021】
小さな画面であっても、操作性に優れ、歩きながらや不安定な場所でも入力することができ、生成するパスワードの数が優富であり、かつ幾らでもユニークなパスワードを選べ、ユーザがこれを苦労して記憶する必要がなく、パスワードを入力したとき誤認識したりエラーを起したりしない、再現性に優れた入力装置が望まれる。
【0022】
そこで、本発明は、指先を使って入力可能で、認証情報の入力が容易で、操作性に優れ、セキュリティが高く確実な認証が行える安価な入力装置、及びこの入力装置を備えた電子機器、携帯端末、さらに、認証情報の入力が容易で、セキュリティが高く確実な認証が行える入力制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
本発明の入力装置は、複数の凸部が形成された操作パネルと、凸部が押圧されたときに位置情報を取得して該凸部に割り当てられた情報を判別する判定手段と、判別された情報を暫定情報としてリアルタイムで表示する表示部と、この暫定情報の内容を確定するための確定信号を入力する確定部とを備えた入力装置であって、キーロック設定またはキーロック解除時に、制御部が、凸部の押圧とその確定信号の入力が共に存在する確定情報と、押圧のみが存在する暫定情報、さらに無押圧の状態を判別すると共に、所定の軌跡で凸部が順になぞられて一部の凸部で確定信号が入力されたとき、前後する確定情報の間に暫定情報が存在する場合は該暫定情報を確定する処理を行って情報列を生成し、前後する確定情報の間が無押圧の場合又は確定情報が1点のみの場合は次に押圧と確定信号が入力されるまで情報列を生成せず、確定情報と確定処理された情報列を基に認証情報を生成することを特徴とする。
【0024】
また、本発明の電子機器は、第1乃至第5の何れかの形態の入力装置を備えた電子機器であって、筐体表面に操作パネルが設けられると共に、該筐体表面の別の位置に暫定情報をリアルタイムで表示する表示部が設けられ、機器制御部が、入力装置が生成した認証情報でキーロック設定またはキーロック解除を行うことを特徴とする
そして、本発明の携帯端末は、通信回路と第1乃至第3の何れかの形態の入力装置を備えた携帯端末であって、筐体表面に操作パネルが設けられると共に、該筐体表面の別の位置に暫定情報をリアルタイムで表示する表示部を備え、入力装置が生成した認証情報でキーロック設定またはキーロック解除行うことを特徴とする。
【0025】
さらに、本発明の入力制御方法は、操作パネルの複数の凸部を順に押圧して、この凸部に割り当てられた情報を判別し、判別された情報を暫定情報としてリアルタイムで表示すると共に、この暫定情報の内容を確定して確定情報にする処理を行う入力制御方法であって、キーロック設定またはキーロック解除時には、所定の軌跡で凸部を順になぞって一部の凸部で確定の入力を行わせ、凸部の押圧と共に確定がなされた確定情報と、押圧のみなされた暫定情報、さらに無押圧の状態とに入力情報を分け、前後する確定情報の間に暫定情報が存在する場合は該暫定情報を確定する処理を行って情報列を生成し、前後する確定情報の間が無押圧の場合又は確定情報が1点のみの場合は次に押圧と確定信号が入力されるまで情報列を生成せず、確定情報と確定処理された情報列を基にキーロック設定またはキーロック解除のための認証情報を生成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0026】
本発明の入力装置によれば、認証情報の入力が容易で、操作性に優れ、セキュリティが高く確実な認証が行え、第三者の不正使用が防止できる。認証情報を何桁もの文字列として記憶する必要がなく、図形を記憶しておき、文字列として再現することができる。入力装置を追加的に搭載するだけで、コンパクトな入力装置となり、大きなディスプレィを利用することが可能になる。
【0027】
また、本発明の電子機器、携帯端末によれば、認証情報の入力が容易で、操作性に優れ、セキュリティが高く確実な認証が行え、第三者の不正使用が防止でき、小型の装置でありながら大きなディスプレィを備えた電子機器、携帯端末とすることができる。認証情報を何桁もの文字列として記憶する必要がなく、図形を記憶しておき、文字列として再現することができる。
【0028】
さらに本発明の入力制御方法によれば、認証情報の入力が容易で、セキュリティが高く確実な認証が行える。認証情報を何桁もの文字列として記憶する必要がなく、図形を記憶しておいて文字列として再現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明の第1の形態は、複凸部が押圧されたときに位置情報を取得して該凸部に割り当てられた情報を判別する判定手段と、判別された情報を暫定情報としてリアルタイムで表示する表示部と、この暫定情報の内容を確定するための確定信号を入力する確定部とを備えた入力装置であって、キーロック設定またはキーロック解除時に、制御部が、凸部の押圧とその確定信号の入力が共に存在する確定情報と、押圧のみが存在する暫定情報、さらに無押圧の状態を判別すると共に、所定の軌跡で凸部が順になぞられて一部の凸部で確定信号が入力されたとき、前後する確定情報の間に暫定情報が存在する場合は該暫定情報を確定する処理を行って情報列を生成し、前後する確定情報の間が無押圧の場合又は確定情報が1点のみの場合は次に押圧と確定信号が入力されるまで情報列を生成せず、確定情報と確定処理された情報列を基に認証情報を生成することを特徴とする入力装置である。
【0030】
この構成によって、認証情報の入力が容易で、操作性に優れ、セキュリティが高く確実な認証が行え、第三者の不正使用が防止できる。認証情報を何桁もの文字列として記憶する必要がなく、図形を記憶しておき、文字列として再現することができる。コンパクトな入力装置となり、大きなディスプレィを利用することが可能になる。
【0031】
本発明の第2の形態は、第1の形態の入力装置において、前後する確定情報の間に暫定情報が存在する場合に、該暫定情報を確定する処理を行って情報列を生成するのに代えて、該暫定情報を確定情報と関係付けられた一義的な情報列に置換して確定することを特徴とする入力装置である。
【0032】
この構成によって、暫定情報が安定した軌跡で入力されていなくとも、2つの確定情報の間を一義的な情報列により安定した情報列とすることができ、セキュリティが高く確実な認証が行え、第三者の不正使用が防止できる。
【0033】
本発明の第3の形態は、第2の形態に従属する形態であって、一義的な情報列が、2つの確定情報に対応する凸部を結んだ直線上に存在する凸部の情報列であることを特徴とする入力装置である。
【0034】
この構成によって、2つの確定情報に対応する2つの凸部間を最短距離で押圧することが、そのまま2つの凸部をつなぐ情報列に置換され、物理面での動きと情報列が対応するものとなり、認証情報の入力が容易で、分かり易く操作性に優れたものになる。
【0035】
本発明の第4の形態は、第1乃至3の何れかの形態に従属する形態であって、操作パネルにはマトリクス状に配列された凸部が設けられ、かつ所定の軌跡によって順に押圧される凸部が直交二方向にのみ並ぶ凸部から構成され、対角方向の凸部が押圧されて確定信号が入力されたときには、制御部はこれに対応した暫定情報を確定処理しないことを特徴とする入力装置である。
【0036】
この構成によって、ユーザが記憶しておく図形は、対角成分を有さない直交二方向だけからなる図形となり、軌跡は直交二方向のラインと点から構成され、ライン端を特定すればラインの軌跡は一義的に定まる。ライン端だけを確定すれば多数の暫定情報を確定する処理が行え、自動で多数桁の情報列を生成することができるだけでなく、ライン途中の不安定な指の操作でユーザの意識とは異なって入力されたような暫定情報をラインの軌跡で一義的に定まる確実な情報列に置換することができる。
【0037】
本発明の第5の形態は、第4の形態に従属する形態であって、一方向に並んだ凸部が順に押圧され、ある凸部において軌跡を描く向きが方向転換されるときに、該凸部が押圧されながら確定信号が入力された場合は、制御部がこの凸部とつながる凸部に対応する暫定情報を確定処理することを特徴とする入力装置である。
【0038】
この構成によって、対角成分を有さない直交二方向だけからなる図形において、曲がった軌跡で入力したり方向を反転させたりしたときに、確定信号を入力するだけでこの凸部を挟んで連続する情報列を生成することができる。多数の暫定情報を確定情報に処理することができ、自動で多数桁の情報列を生成することができる。
【0039】
本発明の第6の形態は、第1乃至第5の何れかの形態の入力装置を備えた電子機器であって、筐体表面に操作パネルが設けられると共に、該筐体表面の別の位置に暫定情報をリアルタイムで表示する表示部が設けられ、機器制御部が、入力装置が生成した認証情報でキーロック設定またはキーロック解除を行うことを特徴とする電子機器である。
【0040】
この構成によって、認証情報の入力が容易で、操作性に優れ、セキュリティが高く確実な認証が行え、第三者の不正使用が防止でき、小型の装置でありながら大きなディスプレィを備えた電子機器とすることができる。認証情報を何桁もの文字列として記憶する必要がなく、図形を記憶しておき、文字列として再現することができる。
【0041】
本発明の第7の形態は、第6の形態に従属する形態であって、登録する認証情報を格納するメモリを備え、機器制御部が、キーロック設定時には生成された記認証情報をメモリに登録し、キーロック解除時には登録された認証情報とこのとき生成された認証情報を比較してキーロック解除または解除無効の処理を行うことを特徴とする電子機器である。
【0042】
この構成によって、電子機器はキーロック設定とキーロック解除の機能を奏することができ、電子機器を使用する者が電源を入れたとき第三者の不正使用が防止できる。
【0043】
本発明の第8の形態は、第6の形態に従属する形態であって、認証情報が生成されたとき、機器制御部が表示部または第2の表示部にこの認証情報を表示することを特徴とする電子機器である。
【0044】
この構成によって、表示部ではリアルタイムの表示とキーロック設定またはキーロック解除時の認証情報生成処理の表示を行い、表示部または第2の表示部に生成後の認証情報を表示することができ、使い易い電子機器になる。
【0045】
本発明の第9の形態は、通信回路と第1乃至第5の何れかの形態の入力装置を備えた携帯端末であって、筐体表面に操作パネルが設けられると共に、該筐体表面の別の位置に暫定情報をリアルタイムで表示する表示部を備え、入力装置が生成した認証情報でキーロック設定またはキーロック解除行うことを特徴とする携帯端末である。
【0046】
この構成によって、認証情報の入力が容易で、操作性に優れ、セキュリティが高く確実な認証が行え、第三者の不正使用が防止でき、小型の装置でありながら大きなディスプレィを備えた携帯端末とすることができる。認証情報を何桁もの文字列として記憶する必要がなく、図形を記憶しておき、文字列として再現することができる。
【0047】
本発明の第10の形態は、第9の形態に従属する形態であって、登録する認証情報を格納するメモリを備え、機器制御部が、キーロック設定時には生成された記認証情報をメモリに登録し、キーロック解除時には登録された認証情報とこのとき生成された認証情報を比較してキーロック解除または解除無効の処理を行うことを特徴とする携帯端末である。
【0048】
この構成によって、携帯端末はキーロック設定とキーロック解除の機能を奏することができ、携帯端末を使用する者が電源を入れたとき第三者の不正使用が防止できる。
【0049】
本発明の第11の形態は、第9の形態に従属する形態であって、認証情報が生成されたとき、機器制御部が表示部または第2の表示部にこの認証情報を表示することを特徴とする携帯端末である。
【0050】
この構成によって、表示部ではリアルタイムの表示とキーロック設定またはキーロック解除時の認証情報生成処理の表示を行い、表示部または第2の表示部に生成後の認証情報を表示することができ、使い易い携帯端末になる。
【0051】
本発明の第12の形態は、操作パネルの複数の凸部を順に押圧して、この凸部に割り当てられた情報を判別し、判別された情報を暫定情報としてリアルタイムで表示すると共に、この暫定情報の内容を確定して確定情報にする処理を行う入力制御方法であって、キーロック設定またはキーロック解除時には、所定の軌跡で凸部を順になぞって一部の凸部で確定の入力を行わせ、凸部の押圧と共に確定がなされた確定情報と、押圧のみなされた暫定情報、さらに無押圧の状態とに入力情報を分け、前後する確定情報の間に暫定情報が存在する場合は該暫定情報を確定する処理を行って情報列を生成し、前後する確定情報の間が無押圧の場合又は確定情報が1点のみの場合は次に押圧と確定信号が入力されるまで情報列を生成せず、確定情報と確定処理された情報列を基にキーロック設定またはキーロック解除のための認証情報を生成することを特徴とする入力制御方法である。
【0052】
この構成によって、認証情報の入力が容易で、セキュリティが高く確実な認証が行える。認証情報を何桁もの文字列として記憶する必要がなく、図形を記憶しておいて文字列として再現することができる。
【0053】
本発明の第13の形態は、第12の形態の入力制御方法において、前後する確定情報の間に暫定情報が存在する場合に、該暫定情報を確定する処理を行って情報列を生成するのに代えて、該暫定情報を確定情報と関係付けられた一義的な情報列に置換して確定することを特徴とする入力制御方法である。
【0054】
この構成によって、暫定情報が安定した軌跡で入力されていなくとも、2つの確定情報の間を一義的な情報列により安定した情報列とすることができ、セキュリティが高く確実な認証が行え、第三者の不正使用が防止できる。
【0055】
本発明の第14の形態は、第13の形態に従属する形態であって、一義的な情報列が2つの確定情報に対応する凸部を結んだ直線上に存在する凸部の情報列であることを特徴とする入力制御方法である。
【0056】
この構成によって、2つの確定情報に対応する2つの凸部間を最短距離で押圧することが、そのまま2つの凸部をつなぐ情報列に置換され、物理面での動きと情報列が対応するものとなり、認証情報の入力が容易で、分かり易く操作性に優れたものになる。
【0057】
本発明の第15の形態は、第12乃至14の何れかの形態に従属する形態であって、操作パネルにマトリクス状に配列した凸部を設け、所定の軌跡によって順に押圧する凸部を直交二方向にのみ並ぶ凸部から構成し、対角方向の凸部を押圧して確定の入力が行われたときには、暫定情報を確定処理しないことを特徴とする入力制御方法である。
【0058】
この構成によって、ユーザが記憶しておく図形は、対角成分を有さない直交二方向だけからなる図形となり、軌跡は直交二方向のラインと点から構成され、ライン端を特定すればラインの軌跡は一義的に定まる。ライン端だけを確定すれば多数の暫定情報を確定する処理が行え、自動で多数桁の情報列を生成することができるだけでなく、ライン途中の不安定な指の操作でユーザの意識とは異なって入力されたような暫定情報をラインの軌跡で一義的に定まる確実な情報列に置換することができる。
【0059】
本発明の第16の形態は、第15の形態に従属する形態であって、一方向に並んだ凸部を順に押圧し、ある凸部において軌跡を描く向きを方向転換するときに押圧しながら確定した場合は、この凸部とつながる凸部と対応する暫定情報を確定処理することを特徴とする入力制御方法である。
【0060】
この構成によって、対角成分を有さない直交二方向だけからなる図形において、曲がった軌跡で入力したり方向を反転させたりしたときに、確定信号を入力するだけでこの凸部を挟んで連続する情報列を生成することができる。多数の暫定情報を確定情報に処理することができ、自動で多数桁の情報列を生成することができる。
【0061】
(実施の形態1)
以下、本発明の実施の形態1における入力装置、この入力装置を備えた電子機器、携帯端末、及びキーロック設定またはキーロック解除時の入力制御方法について説明する。以下、実施の形態1においては携帯端末について説明するが、携帯端末だけでなく指先入力可能な入力装置を搭載することができる電子機器であればよい。例えば小型パソコンやPDA(Personal Digital Assistant)等がある。
【0062】
図1(a)(b)は本発明の実施形態1における携帯端末の正面側と背面側からの外観を示す斜視図、図2は本発明の実施形態1における携帯端末の内部構成図、図3は本発明の実施形態1における入力装置の操作部の要部断面図、図4は本発明の実施形態1における入力装置の操作部の分解図、図5(a)は本発明の実施形態1における携帯端末の認証登録モードまたは認証入力モード下での入力の表示の説明図、図5(b)は(a)の表示において重複するラインと点を個別に表示する場合の説明図、図6(a)は本発明の実施形態1における入力装置の信号の説明図、図6(b)は本発明の実施形態1における入力装置のタッチ信号のタイムチャート、図6(c)は本発明の実施形態1における入力装置からのキーの出力信号のタイムチャート、図6(d)は本発明の実施形態1における入力装置からの確定信号のタイムチャートである。
【0063】
図1(a)(b)は電子機器としての携帯端末1の正面側と背面側からの外観を示す斜視図である。携帯端末1の筐体の正面には大きなLCD等のディスプレィ2が設けられ、ユーザは携帯端末1の筐体の背面側から下部を把持して利用する。筐体の背面には全体で縦横50mm程度以下の大きさの入力装置の操作パネル3が配置される。この操作パネル3には高さ0.5mm、直径2.0mm程度以下の凸部が4mm〜5mm程度の間隔で縦横に整然と配置されている。
【0064】
これらの凸部は「1」〜「9」、「0」、「*」、「#」のテンキーに対応付けられるだけでなく、電源キー、送話キー、終話キーやモード切換えなどのファンクションキーにも対応付けられる。正面には受話口4、送話口5が設けられており、ディスプレィ2には第1の表示部18aと第2の表示部18bが設けられている。第1の表示部18aはリアルタイムで暫定的な表示を行う領域であり、第2の表示部18bは確定的な内容を表示する領域である。第1の表示部18aと第2の表示部18bはそれぞれ独立した表示部であってもよいが、1つのディスプレィ2を領域Aと領域Bに分割して、領域Aを第1の表示部18a、領域Bを第2の表示部18bとして使うこともできる。むしろ、1つのディスプレィ2とし、このように2つの表示部として共用するほうが現実的である。さらには1つのディスプレィ2の画面を領域ではなく、時間的に切換えて使用することもできる。以下、第1の表示部18aと第2の表示部18bと分けたもので説明するが、1つのディスプレィ2をこのように領域的あるいは時間的に使い分ける実施の形態がきわめて有力である。
【0065】
この携帯端末1を使用するときユーザは、携帯端末1の筐体の背面側に手のひらを当てて、親指と他の指で筐体下部を把持し、手首を固定して指先が動く範囲で操作パネル3の凸部に触れて操作する。指先で一番強く接触している凸部をユーザが認識できるように暫定的にディスプレィ2に表示する。なお、操作パネル3の位置はこのような指先操作が行えれば背面だけに限られない。
【0066】
次に、図2は本発明の実施形態1の携帯端末1の内部構成を示している。実施形態1の携帯端末1では、アンテナ12を介して送受信を行い、通信回路13は送受信信号の変復調を行う。受信したデータが通話データの場合、この通話データはデータラインdを介して音声処理部14へ送られ、それ以外に受信したデータは制御部11(本発明における機器制御部)へ送られて、その後各部で処理される。
【0067】
音声処理部14は通信回路13から通話データ信号が供給されたときには、この信号を復号化し、復号化された通話データをスピーカー15へ出力し音声として出力する。また、マイクロホン16を介して入力された音声信号は増幅された後、A/D変換されて音声処理部14へ送られて符号化された後、通信回路13で変調され、アンテナ12から送信される。
【0068】
画像処理部17は、圧縮符号化されている画像データが供給された時には、その画像データの伸張復号化等の再生処理を行い、その伸張復号後の画像データをデータラインd経由で表示部へ送る。
【0069】
表示部18は第1の表示部18aと第2の表示部18bから構成されるディスプレィ2とその表示駆動回路から構成され、第1の表示部18aではそのとき使用されるモードにおいて入力可能なキーの一覧と現在タッチされていることを示すカーソルの表示(本発明における暫定情報の表示)をリアルタイムに行い、第2の表示部18bでは入力が確定した文字や画像等の確定後の表示を行う。なお、実施の形態1では第1の表示部18aを駆動するのは、入力装置20に搭載された入力処理専用の第2プロセッサである。これに対し第2の表示部18bは以下説明する制御部11のプロセッサによって駆動される。
【0070】
制御部11はハードウェアとしてのプロセッサにプログラムが読み込まれて機能実現手段として構成されるもので、制御ラインs経由で、通信回路13における通信の制御、音声処理部14や画像処理部17の制御、さらに携帯端末1のその他の各部の制御や演算処理を行う。メモリ19はこのプログラムなどを記憶するROM(Read Only Memory)、及びRAM(Random Access Memory)から構成される。
【0071】
第1の表示部18aと第2の表示部18bはそのそれぞれの目的のために独立しているが、図1に示すように1つのディスプレィ2を共用し、2つの領域A,Bに分割して表示することもできる。さらに、分割に代えて、1つのディスプレィ2を切換えによって時間的に分けて利用することもできる。
【0072】
さて、図3、図4に基づいて実施の形態1における携帯端末1の入力装置20について説明する。入力装置20は、筐体表面に配置された操作パネル3に指先が触れたときに、その位置をx−y座標上の位置として検出することができるデジタイザ21と、このデジタイザの21の下方に設けられて確定的な入力を行うための確定スイッチ30(本発明における確定部)を備えたものである。
【0073】
デジタイザ21は2枚のITO(Indium Tin Oxide)等から構成された抵抗膜を備えたもので、図示はしないが絶縁性のレジスト及びスペーサを介して2枚の抵抗膜がある空間をもって対向されている。この抵抗膜の一方はx座標を特定するためのものであり、対向する1組の辺に一対の電極が設けられている。また、抵抗膜の他方はy座標を特定するためのものであって、対向する1組の辺に一対の電極が設けられている。この各電極にそれぞれ電圧を印加し、デジタイザ21が押圧されると、x座標の抵抗膜とy座標の抵抗膜が接触して導通し、x座標の抵抗膜はy座標側を通じて検出を行い、y座標の抵抗膜はx座標側を通じて検出をして、分圧によりそれぞれの座標を割り出す。
【0074】
ところで、実施の形態1のデジタイザ21はフレーム23の上側に設けられた開口部より小さく、図3、図4のように上面側(押圧する側)が上面シート22によって被覆され、剛性を有するステンレス製のアクチュエータ板25に取り付けられている。デジタイザ21の出力はフラットケーブル24から出力される。
【0075】
上面シート22の表面にはキー対応エリアを指先で探って入力し易いように例えば高さ0.5mm以下に膨出した凸部が形成されている。なお、上面シート22は例えば0.2mm程度、アクチュエータ板25は例えば0.2mm程度の厚さを有している。ただ、これらのサイズは一例であり、適宜選択可能である。
【0076】
デジタイザ21の下方の確定スイッチ30は、アクチュエータ板25の下面(デジタイザとは反対側)に設けられた突起状の作用部25aと、確定信号を出力するためのスイッチ回路パターンが形成されたフィルム基板26と、クリック感を与えるために弾発力が付与された金属製のドームスプリング27から構成される。ドームスプリング27は、上面シート22の凸部が所定の圧力より強く押圧されてアクチュエータ板25が押し下げられ、作用部25aによって押圧されると、フィルム基板26の接点パターンのスイッチ回路を接触により導通させる。
【0077】
この導通信号はフラットケーブル28(FPC等)を経て入力制御部20aに出力され、これが入力制御部20aから確定信号として携帯端末1の制御部11に出力される。このとき確定スイッチ30がオンされたと判断される。スイッチ回路が導通しなければ確定スイッチ30はオフ状態である。
【0078】
ところで、フィルム基板26のスイッチ回路が導通していない場合でも、入力装置20の凸部を指先で触るか軽く押すと、その圧力がデジタイザ21に加わることによりその位置情報が入力制御部20a(本発明の制御部)によって電気的に検出される。入力制御部20aは常時デジタイザ21の変化を監視し、ユーザが指先で凸部に触れたことによる電圧変化は入力制御部20aがA/Dコンバータでデジタル情報にし、イベント待ちの状態にあった入力制御部20aの判定手段20a2がタッチされた旨のイベントを取得すると、デジタイザ21での入力に基づいてタッチのあった凸部がどのキーに該当するか判定する。この判断のため使用中のモードを参照し、モードとキーの対応テーブルを参照して現在押されているキーが何かを判定する。
【0079】
入力制御部20aは不安定データを排除しチャタリング処理を行った上で、タッチがあった旨のフラグを立て、判定したキーの情報(本発明における暫定情報)を内部のメモリに時系列的に記憶する。また、制御ラインs経由で第1の表示部18aを制御し、この情報でカーソル表示を行う。さらに、制御部11に対して確定信号の入力のあったキーの情報(本発明における確定情報)を通知する。これは操作の間継続して行われる。制御部11では通知されたキーの情報をメモリ19保存すると同時に、表示が必要な場合は第2の表示部18bに表示を行う。なお、上述したように1つのディスプレィ2を共用することもできるし、制御部11のプロセッサに入力処理まで含めて処理させることもできる。
【0080】
ところで、認証登録モード(本発明のキーロック設定時)と認証入力モード(本発明のキーロック解除時)においては、入力制御部20aに設けられた認証情報生成手段20a1が次の処理を行う。すなわち、記憶された時系列的の暫定的なキーの情報と確定スイッチ30による確定信号とを基に、フラグによって現在のタッチ(本発明における押圧)の有無を参照しながら、タッチとその確定信号の入力があったことを示す確定的なキーの情報と、タッチのみがある暫定的なキーの情報、さらに無タッチ(本発明における無押圧)を判別する。
【0081】
そして、認証情報生成手段20a1は確定信号が入力されたキー同士の間に暫定的なキーの入力が存在する場合は暫定的なキーの情報を確定する処理を行う。確定信号が入力された直後が無タッチの場合はこのような処理を行わない。そして確定信号が入力されたキーを暫定的なキーの情報で補完して多数の文字列を生成する。
【0082】
さらに、実施の形態1は、押圧の途中に両端を結ぶ最短ライン(マトリクスの縦横のライン)から外れた凸部が押圧された場合に、これを最短ライン(両端の凸部を結んだ直線)上のキーの情報(本発明の一義的な情報列)として自動的に修正する。すなわち、補完だけでなく修正された文字列を生成することができる。不安定な入力であっても、2つの確定情報の間を一義的な情報列により安定した情報列とすることができる。この場合、指先の物理面上で想定される動き(観念上のキーの順)と、入力装置によって修正される情報列(修正されるキーの文字列)が一致するものとなる。
【0083】
また、実施の形態1においては、ある凸部で軌跡が方向転換されたときに確定信号が入力された場合は、この凸部とつながる凸部のキーの情報を一連で続けて確定する処理を行う。これにより、確定信号を入力するだけでこの凸部を挟んで連続する文字列を生成することができる。
【0084】
確定信号を入力することにより入力制御部20aで生成された文字列は、その後ユーザによって確認される(決定キー18cが押される)と、制御部11によって第2の表示部18bにおいて明示的に文字列として表示されたり、内容を伏せて「***」などとして表示されたりする。図形のまま(例えばラインのまま)の表示も行える。認証登録モードではこの文字列をパスワードとしてメモリ19に登録し、認証入力モードにおいてはこの文字列と、既に登録されている文字列を認証手段11aが比較してキーロック解除を行う。
【0085】
なお、入力制御部20aと制御部11での処理や、第1の表示部18aと第2の表示部18bでの表示は、入力制御部20aと制御部11間で適宜分担して処理が行える。入力制御部20aを省いた構成とし、これらの処理をすべて制御部11において処理させることもできる。
【0086】
以上の機能により、ユーザは携帯端末1の操作パネル3に触れて、第1の表示部18aのカーソル表示をみて、現在タッチしているキーが何であるかを確認し、これが期待していたキーであれば確定スイッチ30によって確定し、期待するキーと違っていれば更に指先を動かしてカーソルの位置を変更し、一致するまで続ければよい。これによりモードに対応したキーを入力することができる。
【0087】
従来のように入力と確定を1対1で確定しながら固定的な入力を繰り返すのではなく、触れているキーをリアルタイムに表示しながら、確定してよいと判断されるとき確定スイッチ30で確定する。従来のように1キー、1キーごとに順に入力をする場合と比較すると、携帯端末1や入力装置を大幅に小型化できる上に、リアルタイムにディスプレィ2に表示される大きな表示に基づいた入力が可能になる。
【0088】
操作パネル3が小さくなると、凸部間の間隔が狭く、1個の凸部を押すつもりでも指先の位置や力の入れ具合で隣接する別の凸部を押したり、2個以上の凸部を同時に押してしまったりする。しかし、実施の形態1の入力装置20はインタラクティブな操作でこのような問題は解消する。なお、視覚的フィードバックでなく、スピーカー15を使ってアナウンスによるフィードバックも容易である。
【0089】
さて、実施の形態1の携帯端末1にはキーロック機能が施されている。キーロック設定時には、携帯端末1を認証登録モードに設定し、凸部の上をなぞって第1の表示部18aにカーソルで軌跡を描いてこれを登録情報として入力する。携帯端末1はこれを自動的に文字列(パスワード)に変換して登録する。
【0090】
携帯端末1のキーロックを解除したいときには、認証入力モードにおいて、凸部を押圧して第1の表示部18aにカーソルの移動による軌跡を描いて入力する。携帯端末1はこれを自動的に文字列に変換してパスワードを再現する。従って、ユーザは文字列でなく、軌跡(指先の動き)を記憶しておくだけでよく、携帯端末1が自動的に軌跡を文字列に置換する。
【0091】
実施の形態1によれば、接触した指先の動きに同期して第1の表示部18aにおけるカーソルも移動する。各凸部の暫定的なキーの情報を確定的なキーの情報にするには、その表示が行われている凸部を押込むことで行える(確定スイッチ30をオンする)。この状態でタッチあり確定信号ありになる。接触したことが検知できる約30g/cmより大きい押し圧で、かつ確定スイッチ30がオンしない程度の接触(ドームスプリング27の弾発力よりは小さな押し圧)で、タッチありかつ確定信号なしと判断する。また、凸部から指先を離すか、あるいは、接触したという表示が消える押し圧を約30g/cm以下にすることで無タッチの状態にすることができる。
【0092】
認証のため所定の軌跡で操作パネル3の凸部が順になぞられて、どこか2点の位置の凸部で確定信号が入力されたとき、確定信号が入力されたキー同士の間に暫定的なキーの情報が存在する場合は、実施の形態1では認証情報生成手段20a1がこの暫定的なキーの情報をそのまま確定するか、若しくは2つの確定情報の間を一義的な情報列により自動的に修正した情報列に置換して確定する処理を行う。
【0093】
また、実施の形態1においては、確定信号が入力されたキーの直後が無タッチの場合は次にタッチされ、確定信号が入力されるまで情報列生成の処理を行わない。確定信号が入力されたキーが1点のみの場合も同様である。
【0094】
これにより確定信号が入力されたキーの情報を暫定的なキーの情報で補完した文字列を生成することができる。また、自動で修正した一義的な多数桁の文字列を生成することができる。
【0095】
そして、操作パネル3にはマトリクス状に配列された凸部が設けられ、対角方向の凸部が選択されたり位置がずれた凸部から確定信号が入力されたりしたときには、認証情報生成手段20a1が確定を拒否する。
【0096】
これにより不安定な指の動きが行われても、常に確定信号が入力されたキーの間の一義的に定まる文字列に置換することができる。
【0097】
さらに、一方向に並んだ凸部を順に押圧し、ある凸部で凸部を押す向き(軌跡を描く向き)を方向転換するときは、前後で押圧を継続しながら最後に確定を行うと、始めに確定入力を行った凸部と、方向転換した凸部と、これにつながる部分の凸部に対応する暫定情報を一連で確定することができる。これにより、この凸部を挟んで連続する文字列を生成することができる。
【0098】
このように実施の形態1では、指先で上面シートの凸部の上を押圧してラインを描く動作と、確定スイッチ30による確定動作、凸部へのタッチの有無を組み合わせることにより、長短のラインあるいは点を描くだけで、複雑なパスワードを生成し再現することができる。指のふらつきは確定の過程で吸収され、確実に一定の文字列を軌跡で再現できる。このとき確定スイッチ30を押す回数は自動生成される文字数より格段に少ない。
【0099】
ここで、入力装置20の凸部の操作の特徴について説明する。代表的なポインティングデバイスとしてマウスがあるが、マウスではクリック、確定動作をダブルクリックで入力を行う。これに対し、タッチパネルなどでは指でつつくだけの動作(タップ)が行われ、確定操作を入力する方法がないため、ペン先を一旦離す操作が行われている。軌跡を入力する場合は途中で修正できない。
【0100】
これに対し、実施の形態1によれば、凸部に指先を触れる動作、あるいはなぞる動作でリアルタイム表示しながら入力を行い、確定操作は凸部に指先を触れたまま強く押込む動作になる。リアルタイム表示は暫定的なもので、修正しながらの入力が可能である。従って、この衆力装置は、タッチパネルなどの使い易さと、タッチパネルなどではできない正確、簡単な入力の機能をあわせもつ。しかも、極限まで小型化でき、操作が容易で、安価に製造でき、従来の電子機器に搭載するのも無理なく行える。
【0101】
図5(a)は、携帯端末1が電源オンとされ、認証登録モードまたは認証入力モード下で、所定の凸部を起点としてラインあるいは点の軌跡を描いて確定スイッチを押し、この動作を繰り返してパスワードを生成し再現する具体例を示す。図5(b)は、重複するラインや点を個別の画面で表示する場合を示している。
【0102】
起点となる点の入力を行い第1の表示部18aにこれを表示した状態で指先を移動すると、カーソルがこの指の動きと同期して移動し、その軌跡(移動の状況)が表示される。ライン単位で確定操作が行われると、図5(a)(b)のように確定した軌跡を暫定的な表示であるカーソル表示から確定したラインの表示に変えるのがよい。すなわち、現在の状態を示す暫定的なカーソル表示と、既に確定した部分のラインが混在した表示となる。なお、点としてのカーソルの移動による軌跡でなく、起点から終点までの伸長可能なラインで表示するのもよい。
【0103】
このように実施の形態1では、各ラインの中間に存在する凸部に該当するキーに対して個々に確定スイッチ30を押すようなことはしていないが、認証情報生成手段20a1が両端を結ぶ最短ライン上のキーの情報に補完し、自動的に修正する。修正されたキーの情報が軌跡の表示として表示される。
【0104】
すべての軌跡の入力を終えたと思ったとき、第1の表示部18aに表示された決定キー18cの位置の凸部を強く押すと、実施の形態1では制御部11にキーロック設定またはキーロック解除を要求する。なお、これを入力制御部20aに処理させることもできる。
【0105】
これに対し制御部11は、認証登録モードの場合にメモリ19に登録し、認証入力モードの場合には登録されている文字列を読み出して自動生成された文字列と比較する。両者が一致した場合のみキーロック機能を解除する。その他の場合はキーロック機能を継続する。
【0106】
続いて、図5(a)、図5(b)を基にして認証登録モードまたは認証入力モードの具体的な入力例を説明する。
【0107】
図5(a)は入力装置20の第1の表示部18aでラインを表示した一例を示す。図5(a)(b)では数字「1」「2」「3」「4」「5」「6」「7」「8」「9」「0」と記号「*」「#」からなる12のキーがそれぞれ凸部に対応付けられている数字と凸部は3×4のマトリクス状の配列で縦、横にそれぞれで適正なピッチで整然と配置されている。これらの数字と記号の位置は図1のこれらの位置に対応する。「1」「2」「3」が1行目、「4」「5」「6」が2行目、「7」「8」「9」が3行目、「*」「0」「#」が4行目に配置されている。最下行には入力を中止する場合の入力中止キー18dと入力内容を決定するための決定キー18cが設けられている。なお、同じ操作パネル3を使って「かな」入力を行ったり、「ローマ字」入力を行ったりする場合は、モードごとに凸部とキーの対応テーブルが異なり、別のキーの情報に変換される。
【0108】
図5(a)は、第1の表示部18aのキー「1」を起点として確定した後に、操作パネル3から指先を離さず、「1」から「3」へ指先を移動させ、この「3」において確定動作をし、さらにここで折れて「#」まで動かして再び確定操作をして、最後にこの一連の動作とは別に「7」で点としての入力を行った場合の軌跡を示している。なお、起点を確定するまでの指先は変動しているが、これらの動きは暫定的で表示されていない。
【0109】
ここで、例えば「x」がキーxに対応した凸部に触れたことを示し、“・”が「x」を確定する操作とすると、「x」・→「y」・は、「x」で確定して「y」まで操作パネル3をなぞって確定されたラインであることを示す。確定なしに指先を凸部から離すと、確定されたラインではなく、起点と終点が同一の点と判断される。また、「x」から「y」の間で指先が不安定に様々なルートを移動しても、認証情報生成手段20a1は最短ライン上にある文字列を生成する。
【0110】
すなわち、確定されたラインは1つの文字列に一義的に置換される。「x」・→「y」・の「y」を確定した後に、更にこのまま指先を移動して「z」を確定すると、「x」から「z」までがつながり1つの文字列して認識され、文字列に置換される。なお、このとき「x」と「y」は縦横何れかのライン上にあり、「y」と「z」も縦横何れかのライン上に存在しなければならない。これは対角方向の凸部を結ぶラインだと、凸部の位置がラインと一致しない場合があり、文字列が一義的に定まらないためである。
【0111】
このため認証情報生成手段20a1は、起点が決まると、これに対する縦横のライン上で終点としての資格がある候補のリスト(メモリにテーブルとして記憶されている)を参照し、確定操作した点がこの候補の中に含まれていなければ、終点とするのを拒否する。これにより、電車内の不安定な姿勢や歩きながらの操作でも安定したパスワード入力が行える。縦、横のラインだけから構成される軌跡は記憶し易く、操作し易い。一義的な文字列の生成が行え、不安定な指先のブレを吸収することができる。
【0112】
図5(a)の場合、「1」・→「3」・→「#」・、「7」・であるが、ユーザは操作パネル3の表面に指先を触れ、第1の表示部18aのカーソルをみて、ユーザは自分の指先が例えば「4」の位置の凸部にあると知り、指先を入力の起点とする「1」にまで移動する。第1の表示部18a上ではカーソルが「4」から「1」に移動し、この「1」にカーソルが移動したことを確認して凸部を押込む。
【0113】
この時点に「1」での押込みで確定スイッチ30がオンとなり、起点として認識される。ここで指先を「1」から離すとラインではなく点としての入力となる。これに対し、操作パネル3に指先をタッチしたまま横一線あるいは縦一線に移動させると、カーソルが移動あるいは伸長する。カーソルの現在位置が「3」になったのを確認して確定スイッチを押すと、「3」と「1」とを結ぶラインと判断され、「2」は確定スイッチ30が押されていないが、文字列「123」の入力があったと認識される。
【0114】
さらに「3」において凸部を押して確定動作を行い、そのまま指先を凸部から離さないで「3」から折れて縦一線に指先を移動させると、カーソルも「3」から「#」側へ移動し、折れ線を描く。指先が「#」に到達した時点に、カーソルの現在の位置が「#」であることを確認して確定スイッチ30をオンにすると、ラインが「3」から引き続いて描かれていると判断される。その後指先を離すと、「1」から「3」、更に「#」に至る軌跡に相当する文字列に変換される。「2」「6」「9」は確定スイッチ30が押されていないが、文字列「12369#」の入力があったと認識される。もし、「#」で確定した後、さらに指先を離さないで「3」の側や「*」の側に移動すると、文字数を増加させることができる。
【0115】
図5(a)では、「1」・→「3」・→「#」・を入力した後、「#」から一旦指先を離し、あらためて「7」にタッチして、ここで確定スイッチを押している。ここで指を離すと、「7」が点(1文字)として入力されたことになる。この一連の操作により、「1」から「3」、更に「#」に至る軌跡の部分文字列と、その後の「7」の部分文字列が1つにつながった文字列「12369#7」に変換される。「12369#7」がパスワードになる。「2」「6」「9」の文字が自動的に補完される。
【0116】
また、「2」「6」「9」が少しずれて押圧されていても、「12369#7」に修正して文字列を生成する。指先が誤って、例えば「2」ではなく「4」や「5」を押したり、あるいは「2」と「4」,「5」を2個あるいは3個同時に押したりしても、あるいは完全に「2」でなく「5」を経由して「3」に到達しても、最終的に「3」において確定すれば修正される。途中の不安定な軌跡は確定動作で吸収できる。
【0117】
従って、ユーザは具体的な文字列を記憶する代わりに、操作パネル3上で上左端から上右端へ指先を移動させ、上右端から下右端まで指先を移動させる手順と、「7」で点を描くことを記憶しておけばよい。折れ線と点だけで7数桁のパスワードを入力することができる。1文字1文字入力しなくても、認証情報を描画として記憶し、軌跡として描けば、自動的に文字列を生成することができる。そして、例えば操作パネル3上で描画として「H」を描けば、「1474563369」などがパスワードとして採用できる。記憶するのは「H」の1字だけでよい。
【0118】
以上説明した入力装置20で出力する信号のイメージを図6(a)(b)(c)(d)に示す。図6(a)はすべての信号を重畳してイメージした説明図であり、図6(b)はタッチ信号のタイムチャート、図6(c)は判別されたキーの出力信号のタイムチャート、図6(d)は確定信号のタイムチャートである。
【0119】
図6(b)で示すように、操作パネル3にタッチ信号が生成されると、図6(c)で示すようなタイミングでキーの情報が第1の表示部18aにカーソル表示される。タッチされた状態でなくなると表示は停止される。さらに確定スイッチ30が押されたときは、図6(d)のようなタイミングで確定信号が出力される。
【0120】
なお、図5(b)は、第1の表示部18aの軌跡をラインごとに分けて全ラインをサムネールに表示するものである。この表示を行うと、同じラインを重複してカーソルを移動させる場合に、その重複したラインを別々に表示できるので分かり易い。
【0121】
続いて、本発明の実施の形態1における携帯端末で行うキーロック設定処理とキーロック解除処理について説明する。図7は本発明の実施の形態1における携帯端末で行うキーロック設定処理のフローチャート、図8は本発明の実施の形態1における携帯端末で行うキーロック解除処理のフローチャートである。
【0122】
まずキーロック設定処理について説明する。図7において、携帯端末1のスタートボタンを押して認証登録モードを設定する(step1)。このとき第1の表示部18aではキーの一覧を表示し、認証情報生成手段20a1は指先でタッチされるのを待つ入力待機状態となる(step2)。この状態で凸部がタッチされると(step3)、第1の表示部18aにタッチされたキーがカーソル表示される(step4)。
【0123】
認証情報生成手段20a1は後続する処理を決定するために、まずタッチが継続しているか確認する(step5)。操作パネル3へのタッチがなくなっていればstep14に進んで処理を中止する。
【0124】
次に確定信号の入力があるか否かを確認する(step6)。確定信号がない場合はstep5に戻り、確定信号があったときはタッチがあるか確認する(step7)。タッチがあれば、確定信号が押されたキーが対角方向のラインではないことを確認するため、起点に対する許容可能なキーの候補の1つに該当するか否かを判定する(step8)。step7においてタッチが無ければstep10に進む。
【0125】
step8において、許容可能なキーの候補に該当する場合、再びタッチがあるか確認する(step9)。候補に該当しない場合はstep5へ戻る。step9においてタッチがあればstep5に戻り、タッチが無ければ部分文字列を生成する(step10)。確定信号が1回のときは点となり、2回以上のときは1つにつながったラインの部分文字列を生成する。
【0126】
認証情報生成手段20a1は決定キー18cが押されるまで第1の表示部18aにこれまでの経過のラインを表示する(step11)。
【0127】
決定キー18cが押されるまでに中止キー18dの入力があった場合は(step12)、中止処理を行い(step13)、中止キー18dの入力がなかった場合は、決定キー18cが押されたか否かを判定する(step14)。決定キー18cが押されていない場合はstep5へ戻って入力が終わるまで以上の手順を繰り返し、決定キー18cの入力があった場合はこの文字列をメモリ19に登録処理する(step15)。これによりキーロック設定は終了する。
【0128】
次に、キーロック解除処理について説明する。図8において、携帯端末1のスタートボタンを押して認証登録モードを設定する(step21)。このとき第1の表示部18aではキーの一覧を表示し、認証情報生成手段20a1は指先でタッチされるのを待つ入力待機状態となる(step22)。この状態で凸部がタッチされると(step23)、第1の表示部18aにタッチされたキーがカーソル表示される(step24)。
【0129】
認証情報生成手段20a1は後続する処理を決定するために、まずタッチが継続しているか確認する(step25)。操作パネル3へのタッチがなくなっていればstep33に進んで処理を中止する。
【0130】
次に確定信号の入力があるか否かを確認する(step26)。確定信号がない場合はstep25に戻り、確定信号があったときはタッチがあるか確認する(step27)。タッチがあれば、確定信号が押されたキーが対角方向のラインではないことを確認するため、起点に対する許容可能なキーの候補の1つに該当するか否かを判定する(step28)。step27においてタッチが無ければstep30に進む。
【0131】
step28において、許容可能なキーの候補に該当する場合、再びタッチがあるか確認する(step29)。候補に該当しない場合はstep25へ戻る。step29においてタッチがあればstep25に戻り、タッチが無ければ部分文字列を生成する(step30)。確定信号が1回のときは点となり、2回以上のときは1つにつながったラインの部分文字列を生成する。
【0132】
認証情報生成手段20a1は決定キー18cが押されるまで第1の表示部18aにこれまでの経過のラインを表示する(step31)。
【0133】
決定キー18cが押されるまでに中止キー18dの入力があった場合は(step32)、中止処理を行い(step33)、中止キー18dの入力がなかった場合は、決定キー18cが押されたか否かを判定する(step34)。決定キー18cが押されていない場合はstep25へ戻って入力が終わるまで以上の手順を繰り返し、決定キー18cの入力があった場合はメモリ19に格納されている登録文字列を読み出す。そして、読み出した文字列と入力されたキーロック解除情報の文字列とを比較し、両者が一致するか判定する(step35)。
【0134】
両者が一致した場合は携帯端末1のキーロック機能を解除し(step36)、両者が不一致の場合はキーロック解除動作を無効処理して(step37)、キーロック解除処理を終了する。
【0135】
このように本発明の実施の形態1における入力装置によれば、膨大な桁数のパスワードでもその入力が容易で、セキュリティが高く確実な認証が行え、第三者の不正使用が防止できる。パスワードを多数桁の文字列として記憶する必要がなく、図形を記憶しておき、文字列として再現することができる。文字列を覚えないでよいパスワードになる。入力装置を追加的に搭載するだけで、凸部による操作パネルとリアルタイム表示の組合せであるから、コンパクトなサイズの入力装置となり、大きなディスプレィを利用することが可能になる。
【0136】
図形としての記憶は繰り返しによりパターン化されて記憶され、入力ミスは少なく、キーロック解除時には本人だけきわめて容易に解除できる。なお、図形の属性として色彩を取り込むこともできる。図形の色彩を指定することで、ユーザが苦にしないで色の種類だけデータ種の追加が簡単に行える。入力装置は操作パネルと制御基板からなる構成で、きわめて安価である。
【0137】
また、本発明の実施の形態1における電子機器、携帯端末、入力制御方法によれば、膨大な桁数のパスワードでもその入力が容易で、セキュリティが高く確実な認証が行え、第三者の不正使用が防止でき、凸部による操作パネルとリアルタイム表示の組合せからなる入力装置を使用するから、小型で大きなディスプレィを備えた電子機器、携帯端末とすることができる。パスワードを多数桁の文字列として記憶する必要がなく、図形を記憶しておき、文字列として再現することができる。文字列を覚えないでよいパスワードになる。
【0138】
図形としての記憶は人間の脳に繰り返しによりパターン化されて記憶され、入力ミスは少なく、キーロック解除時には本人だけきわめて容易に解除できる。なお、図形の属性として色彩を取り込むこともできる。図形の色彩を指定することで、ユーザが苦にしないで色の種類だけデータ種の追加が簡単に行える。
【産業上の利用可能性】
【0139】
本発明は、入力装置とこれを搭載した携帯端末などの電子機器に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】図1(a)(b)は本発明の実施形態1における携帯端末の正面側と背面側からの外観を示す斜視図
【図2】本発明の実施形態1における携帯端末の内部構成図
【図3】本発明の実施形態1における入力装置の操作部の要部断面図
【図4】本発明の実施形態1における入力装置の操作部の分解図
【図5】(a)本発明の実施形態1における携帯端末の認証登録モードまたは認証入力モード下での入力の表示の説明図、(b)(a)の表示において重複するラインと点を個別に表示する場合の説明図
【図6】(a)本発明の実施形態1における入力装置の信号の説明図、(b)本発明の実施形態1における入力装置のタッチ信号のタイムチャート、(c)本発明の実施形態1における入力装置からのキーの出力信号のタイムチャート、(d)本発明の実施形態1における入力装置からの確定信号のタイムチャート
【図7】本発明の実施の形態1における携帯端末で行うキーロック設定処理のフローチャート
【図8】本発明の実施の形態1における携帯端末で行うキーロック解除処理のフローチャート
【符号の説明】
【0141】
1 携帯端末
2 ディスプレィ
3 操作パネル
4 受話口
5 送話口
11 制御部
11a 認証手段
12 アンテナ
13 通信回路
14 音声処理部
15 スピーカー
16 マイクロホン
17 画像処理部
18 表示部
18a 第1の表示部
18b 第2の表示部
19 メモリ
20 入力装置
20a 入力制御部
20a1 認証情報生成手段
20a2 判定手段
21 デジタイザ
22 上面シート
23 フレーム
24,28 フラットケーブル
25 アクチュエータ板
25a 作用部
26 フィルム基板
27 ドームスプリング
30 確定スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の凸部が形成された操作パネルと、前記凸部が押圧されたときに位置情報を取得して該凸部に割り当てられた情報を判別する判定手段と、判別された情報を暫定情報としてリアルタイムで表示する表示部と、この暫定情報の内容を確定するための確定信号を入力する確定部とを備えた入力装置であって、
キーロック設定またはキーロック解除時に、制御部が、凸部の押圧とその確定信号の入力が共に存在する確定情報と、押圧のみが存在する暫定情報、さらに無押圧の状態を判別すると共に、所定の軌跡で凸部が順になぞられて一部の凸部で確定信号が入力されたとき、前後する確定情報の間に前記暫定情報が存在する場合は該暫定情報を確定する処理を行って情報列を生成し、前後する確定情報の間が無押圧の場合又は前記確定情報が1点のみの場合は次に押圧と確定信号が入力されるまで情報列を生成せず、前記確定情報と確定処理された情報列を基に認証情報を生成することを特徴とする入力装置。
【請求項2】
請求項1の入力装置において、前後する確定情報の間に前記暫定情報が存在する場合に、該暫定情報を確定する処理を行って情報列を生成するのに代えて、該暫定情報を前記確定情報と関係付けられた一義的な情報列に置換して確定することを特徴とする入力装置。
【請求項3】
前記一義的な情報列が、2つの確定情報に対応する凸部を結んだ直線上に存在する凸部の情報列であることを特徴とする請求項2記載の入力装置。
【請求項4】
前記操作パネルにはマトリクス状に配列された凸部が設けられ、かつ前記所定の軌跡によって順に押圧される凸部が直交二方向にのみ並ぶ凸部から構成され、対角方向の凸部が押圧されて確定信号が入力されたときには、前記制御部はこれに対応した暫定情報を確定処理しないことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載された入力装置。
【請求項5】
一方向に並んだ凸部が順に押圧され、ある凸部において軌跡を描く向きが方向転換されるときに、該凸部が押圧されながら確定信号が入力された場合は、前記制御部がこの凸部とつながる凸部に対応する暫定情報を確定処理することを特徴とする請求項4記載の入力装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか1項に記載された入力装置を備えた電子機器であって、筐体表面に操作パネルが設けられると共に、該筐体表面の別の位置に暫定情報をリアルタイムで表示する表示部が設けられ、機器制御部が、前記入力装置が生成した認証情報でキーロック設定またはキーロック解除を行うことを特徴とする電子機器。
【請求項7】
登録する認証情報を格納するメモリを備え、前記機器制御部が、キーロック設定時には生成された記認証情報を前記メモリに登録し、キーロック解除時には登録された認証情報とこのとき生成された認証情報を比較してキーロック解除または解除無効の処理を行うことを特徴とする請求項6記載の電子機器。
【請求項8】
前記認証情報が生成されたとき、前記機器制御部が前記表示部または第2の表示部にこの認証情報を表示することを特徴とする請求項6記載の電子機器。
【請求項9】
通信回路と請求項1乃至5の何れか1項に記載された入力装置を備えた携帯端末であって、筐体表面に操作パネルが設けられると共に、該筐体表面の別の位置に暫定情報をリアルタイムで表示する表示部を備え、前記入力装置が生成した認証情報でキーロック設定またはキーロック解除行うことを特徴とする携帯端末。
【請求項10】
登録する認証情報を格納するメモリを備え、前記機器制御部が、キーロック設定時には生成された記認証情報を前記メモリに登録し、キーロック解除時には登録された認証情報とこのとき生成された認証情報を比較してキーロック解除または解除無効の処理を行うことを特徴とする請求項9記載の携帯端末。
【請求項11】
前記認証情報が生成されたとき、前記機器制御部が前記表示部または第2の表示部にこの認証情報を表示することを特徴とする請求項9記載の携帯端末。
【請求項12】
操作パネルの複数の凸部を順に押圧して、この凸部に割り当てられた情報を判別し、判別された情報を暫定情報としてリアルタイムで表示すると共に、この暫定情報の内容を確定して確定情報にする処理を行う入力制御方法であって、
キーロック設定またはキーロック解除時には、所定の軌跡で凸部を順になぞって一部の凸部で確定の入力を行わせ、
前記凸部の押圧と共に確定がなされた確定情報と、押圧のみなされた暫定情報、さらに無押圧の状態とに入力情報を分け、
前後する確定情報の間に前記暫定情報が存在する場合は該暫定情報を確定する処理を行って情報列を生成し、前後する確定情報の間が無押圧の場合又は前記確定情報が1点のみの場合は次に押圧と確定信号が入力されるまで情報列を生成せず、前記確定情報と確定処理された情報列を基にキーロック設定またはキーロック解除のための認証情報を生成することを特徴とする入力制御方法。
【請求項13】
請求項12の入力制御方法において、前後する確定情報の間に前記暫定情報が存在する場合に、該暫定情報を確定する処理を行って情報列を生成するのに代えて、該暫定情報を前記確定情報と関係付けられた一義的な情報列に置換して確定することを特徴とする入力制御方法。
【請求項14】
前記一義的な情報列が2つの確定情報に対応する凸部を結んだ直線上に存在する凸部の情報列であることを特徴とする請求項13記載の入力制御方法。
【請求項15】
前記操作パネルにマトリクス状に配列した凸部を設け、前記所定の軌跡によって順に押圧する凸部を直交二方向にのみ並ぶ凸部から構成し、対角方向の凸部を押圧して確定の入力が行われたときには、暫定情報を確定処理しないことを特徴とする請求項12乃至14の何れか1項に記載された入力制御方法。
【請求項16】
一方向に並んだ凸部を順に押圧し、ある凸部において軌跡を描く向きを方向転換するときに押圧しながら確定した場合は、この凸部とつながる凸部と対応する暫定情報を確定処理することを特徴とする請求項15記載の入力制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−26604(P2010−26604A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−184257(P2008−184257)
【出願日】平成20年7月15日(2008.7.15)
【出願人】(393012161)株式会社アイム (8)
【Fターム(参考)】