入力装置
【課題】 押圧操作時に明確なクリック感触が得られ、操作者に、明確な操作感触をフィードバックすることができるタッチ式の入力装置を提供する。
【解決手段】 帯状に延設された押圧操作部4aと、押圧操作部4aの下側に配設された検出手段3、5とを備え、押圧操作部4aの任意位置を押圧することにより、検出手段3、5によって押圧位置に応じた出力が得られる入力装置であって、押圧操作部4aに、帯状の長手方向に延設されると共に、短手方向の断面が押圧面側に突出してアーチ状に湾曲して形成された膨出部3aを有する金属製の板ばね3を配置し、押圧操作により、板ばね3の押圧位置に対応する一部分が反転するようにした。
【解決手段】 帯状に延設された押圧操作部4aと、押圧操作部4aの下側に配設された検出手段3、5とを備え、押圧操作部4aの任意位置を押圧することにより、検出手段3、5によって押圧位置に応じた出力が得られる入力装置であって、押圧操作部4aに、帯状の長手方向に延設されると共に、短手方向の断面が押圧面側に突出してアーチ状に湾曲して形成された膨出部3aを有する金属製の板ばね3を配置し、押圧操作により、板ばね3の押圧位置に対応する一部分が反転するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種電子機器に使用されるタッチ式の入力装置に係り、特に押圧操作した際にクリック感触を有するタッチ式の入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のタッチ式の入力装置としてタッチ式の可変抵抗器がある。このタッチ式の可変抵抗器の構造としては、所定長さの抵抗素子と短絡素子とを有し、抵抗素子と短絡素子とが互いに対向かつ離間して配置され、通常は非接触関係に支持されており、一方は可撓性を有する弾性シートに設けられており、長さ方向の任意の位置で押圧接触させることにより押圧位置に応じた電位が出力されるようにした構成のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この従来のタッチ式の可変抵抗器の構造を図12、図13に示す。図12は従来のタッチ式の可変抵抗器の断面図、図13は従来のタッチ式の可変抵抗器を給湯機の操作パネルに組み込んだ例を示す平面図である。
【0004】
図において、操作パネル110は給湯機のメインコントローラ又は浴室内コントローラとして適宜箇所に設置されるもので、有線又は無線により給湯機を制御するようになっている。操作パネル110には、給湯機の運転と停止を命令するための押釦スイッチ112と、給水と給湯を選択するための押釦スイッチ114及び116と、シャワーへの給湯と浴槽カランへの給湯とを選択するための押釦スイッチ118及び120が設けられている。
【0005】
操作パネル110には、入力装置122と液晶表示装置124が設けられている。入力装置122は操作パネル110の基板を兼ねる絶縁基板126を有し、この基板126には、所定長さの細長い抵抗素子128が操作パネル110の長軸に平行に配置されている。基板126は、電気絶縁と防水機能を備えた弾性シート130によって被覆されている。
【0006】
この弾性シート130と絶縁基板126との間には、電気絶縁スペーサ138が介在させてあり、スペーサ138の細長いスロット140に臨んで抵抗素子128が配置されている。また、弾性シート130の内側には、このスロット140に臨んで、印刷配線などにより導電性短絡素子134が付着されている。抵抗素子128及び短絡素子134は、関連する配線及び端子と共に、抵抗材料及び導電性材料の印刷配線技術によって形成するようにしても良い。
【0007】
短絡素子134は、その全長に沿って均一な微小な間隔をもって抵抗素子128から離間されている。そして、短絡素子134の長さ方向任意の位置において弾性シート130をその弾性に抗して基板126に向かって押圧すると、短絡素子134は弾性シート130と共に弾性変形し、短絡素子134は抵抗素子128に点接触するものとなる。このように、入力装置122は抵抗素子128及び短絡素子134などからなるタッチ式の可変抵抗器で構成されている。
【0008】
【特許文献1】特開平6−53015号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来のタッチ式の入力装置の構造においては、短絡素子は弾性シートに設けられているため、弾性シートを押圧操作した時、弾性変形するのみでクリック感触を得ることができず、例え、得られたとしても弱いものであるため、操作者に、押圧した際の明確な操作感触をフィードバックすることができないという問題があった。
【0010】
従って、本発明は上記した問題点を解決し、押圧操作時に明確なクリック感触が得られ、操作者に、明確な操作感触をフィードバックすることができるタッチ式の入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本発明では第1の解決手段として、帯状に延設された押圧操作部と、この押圧操作部の下側に配設された検出手段とを備え、前記押圧操作部の任意位置を押圧することにより、前記検出手段によって押圧位置に応じた出力が得られる入力装置であって、前記押圧操作部に、帯状の長手方向に延設されると共に、短手方向の断面が押圧面側に突出してアーチ状に湾曲して形成された膨出部を有する金属製の板ばねを配置し、押圧操作により、前記板ばねの押圧位置に対応する一部分が反転するようにした構成とした。
【0012】
また、第2の解決手段として、前記検出手段は、帯状の抵抗体と、この抵抗体と所定の隙間を保持して接離可能に対向して配置された帯状の導電体とからなり、押圧操作により、前記金属製の板ばねの押圧位置に対応する一部分が反転するのに伴って、前記抵抗体と前記導電体とが接触する構成とした。
また、第3の解決手段として、前記抵抗体が配設される絶縁基板を備え、前記導電体を前記金属製の板ばねで構成し、この板ばねを前記絶縁基板上に前記抵抗体と対向させて配置した構成とした。
また、第4の解決手段として、前記絶縁基板には、前記抵抗体に沿って帯状の導電パターンを並設し、前記金属製の板ばねの一部を前記導電パターン上に載置し、前記板ばねが反転するのに伴って、前記導電パターンと前記抵抗体とが導通する構成とした。
【0013】
また、第5の解決手段として、前記絶縁基板には、開口部を有する板状の保持部材が積層されており、この保持部材の前記開口部内に前記金属製の板ばねを収納した構成とした。
また、第6の解決手段として、前記保持部材の上面側には、前記開口部内に収納された前記金属製の板ばねを覆う、弾性を有するシート部材を貼着した構成とした。
また、第7の解決手段として、前記金属製の板ばねは、アーチ状に湾曲した膨出部が長手方向に連続して押圧面側に突出して形成されると共に、前記膨出部下面側の外周縁部が同一平面上に位置するように形成されており、前記板ばねの長手方向の両端に位置する外周縁部と対向する前記抵抗体の長手方向における両端部上面に、絶縁材からなるレジスト層を形成した構成とした。
【発明の効果】
【0014】
上述したように、本発明の入力装置は、帯状に延設された押圧操作部と、押圧操作部の下側に配設された検出手段とを備え、押圧操作部の任意位置を押圧することにより、検出手段によって押圧位置に応じた出力が得られる入力装置であって、押圧操作部に、帯状の長手方向に延設されると共に、短手方向の断面が押圧面側に突出してアーチ状に湾曲して形成された膨出部を有する金属製の板ばねを配置し、押圧操作により、板ばねの押圧位置に対応する一部分が反転するようにしたことから、金属製の板ばねの反転時にクリック感触が得られるので、押圧操作時に、明確なクリック感触を得ることができ、操作者に、明確な操作感触をフィードバックすることができる。
【0015】
また、検出手段は、帯状の抵抗体と、抵抗体と所定の隙間を保持して接離可能に対向して配置された帯状の導電体とからなり、押圧操作により、金属製の板ばねの押圧位置に対応する一部分が反転するのに伴って、抵抗体と導電体とが接触することから、押圧操作時に、互いに接触する抵抗体と導電体とで検出手段を構成したので、押圧位置に対応した抵抗値あるいは抵抗体に印加された電圧の分圧電圧値を検出することで押圧位置を検出することができ、検出手段の構成が簡単となる。
また、抵抗体が配設される絶縁基板を備え、導電体を金属製の板ばねで構成し、板ばねを絶縁基板上に抵抗体と対向させて配置したことから、金属製の板ばねで抵抗体と接離する導電体を構成しているので、押圧位置が入力されるのと同時にクリック感触を生起させることができ、操作性の良好な入力装置を得ることができる。
また、絶縁基板には、抵抗体に沿って帯状の導電パターンを並設し、金属製の板ばねの一部を導電パターン上に載置し、板ばねが反転するのに伴って、導電パターンと抵抗体とが導通することから、構成が簡単で、金属製の板ばねと導電パターンとの導通を確実にとることができるので、接触の信頼性が向上される。
【0016】
また、絶縁基板には、開口部を有する板状の保持部材が積層されており、保持部材の開口部内に金属製の板ばねを収納したことから、保持部材により金属製の板ばねの位置を規制できるので、板ばねのへたりを抑制して、長期間に渡って良好なクリック感触を得ることができる。
また、保持部材の上面側には、開口部内に収納された金属製の板ばねを覆う、弾性を有するシート部材を貼着したことから、シート部材により防塵性と防滴性が図れると共に、押圧位置の操作領域の表示ができるので、不所望な位置を押されることがなく、板ばねの不所望な変形を防止できる。
また、金属製の板ばねは、アーチ状に湾曲した膨出部が長手方向に連続して押圧面側に突出して形成されると共に、膨出部下面側の外周縁部が同一平面上に位置するように形成されており、板ばねの長手方向の両端に位置する外周縁部と対向する抵抗体の長手方向における両端部上面に、絶縁材からなるレジスト層を形成したことから、板ばねの外周縁部と抵抗体の両端部とが接触することがなく、誤動作を防止できると共に、板ばねの反転ストロークがレジスト層の厚さ分、大きく取れるので、良好なクリック感触が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図1乃至図11に示す。図1は本発明の入力装置を示す組立斜視図、図2は本発明の入力装置を示す分解斜視図、図3は本発明の入力装置を示す短手方向の断面図、図4は同じく長手方向の部分断面図、図5は本発明の入力装置の動作状態を示す説明図、図6は本発明の入力装置の金属製板ばねの変形例を示す斜視図、図7は本発明の入力装置の他の実施例を示す組立斜視図、図8は本発明の入力装置の他の実施例を示す分解斜視図、図9は本発明の入力装置の他の実施例を示す短手方向の断面図、図10は同じく長手方向の部分断面図、図11は同じくフィルム基板を示す展開図である。
【0018】
図1乃至図5は本発明の入力装置の1実施例の構成を示しており、図において、本発明の入力装置は、フェノール樹脂積層板等の絶縁材で長方形の平板状に形成された絶縁基板1と、この絶縁基板1上に積層される開口部を有する板状の保持部材2と、この保持部材2の開口部内に収納される金属製の板ばね3と、保持部材2の上面側に貼着される弾性を有するシート部材4とから主に構成されている。
【0019】
絶縁基板1は、フェノール樹脂積層板等の絶縁材で長方形の平板状に形成されており、一面側のその略中央には、長手方向に沿って帯状にカーボンペースト等を印刷して形成された抵抗体5が設けられている。また、この抵抗体5の両端には銀ペースト等の導電材からなる電極部5a、5bがそれぞれ設けられており、これら電極部5a、5bには導電性の金属材からなる接続端子6が、かしめ等の方法で接続されて絶縁基板1の他面側に導出されている。また、抵抗体5の長手方向における両端部に設けられた各電極部5a、5bの上面には、絶縁材からなるレジスト層7が印刷などの方法により積層されて形成されている。
【0020】
また、前記絶縁基板1には、前記抵抗体5の両側に、該抵抗体5に沿って帯状に銀ペースト等の導電材からなる一対の導電パターン8a、8bが印刷等により形成されている。また、これら導電パターン8a、8bのそれぞれの両端部には、導電性の金属材からなる接続端子9が、同じくかしめ等の方法で接続されて絶縁基板1の他面側に導出されている。また、絶縁基板1の四角部には、上面側に積層される保持部材2を位置決めするガイド用の孔1aが設けられている。
【0021】
保持部材2は、合成樹脂等の絶縁材で長方形の平板状に形成されており、その略中央には、長手方向に沿って長尺状の開口部2aが設けられている。また、保持部材2の下面側の四角部には、複数のガイド用の突起2bが設けられており、これら突起2bが、前記絶縁基板1の四角部に形成された前記孔1aに挿入され係合することにより、保持部材2が絶縁基板1の上面側に積層されている。この時、前記開口部2aからは、絶縁基板1の略中央に設けられた抵抗体5とレジスト層7、及び一対の導電パターン8a、8bが露出するようになっている。
【0022】
板ばね3は、弾性を有する導電性の薄板金属板からなり、方形の帯状に細長く延設されており、その両端側が円弧状に形成されている。また、図3に示すように、短手方向の断面が、押圧面側である上方に突出してアーチ状に湾曲して形成された膨出部3aを有すると共に、このアーチ状に湾曲した膨出部3aが長手方向に連続して押圧面側である上方に突出した状態で形成されており(図4参照)、押圧操作により、板ばね3の押圧位置に対応する膨出部3aの一部分が反転するようになっている(図5参照)。また、長手方向に連続した前記膨出部3aの下面側の外周縁部3bが、全外周部に渡って同一平面上に位置するように形成されている。
【0023】
前記板ばね3は、前記保持部材2の開口部2a内に収納され、前後左右方向が位置決めされガイドされると共に、外周縁部3bのうち、短手方向に対向する外周縁部3bAが、前記絶縁基板1の一面側に形成された一対の導電パターン8a、8b上に接触した状態で載置されている。また、この時、長手方向の両端の円弧状の外周縁部3bBは、前記絶縁基板1の抵抗体5の両端の各電極部5a、5bの上面に設けられたレジスト層7上に載置されるものとなるが、この場合、円弧状の外周縁部3bBは各電極部5a、5bとは絶縁された状態となっている。
【0024】
すなわち、前記板ばね3は、その外周縁部3bAが、前記絶縁基板1上に設けられた一対の導電パターン8a、8bと電気的に接触すると共に、長手方向に連続してアーチ状に湾曲した膨出部3aが、前記絶縁基板1の中央に沿って帯状に設けられた抵抗体5と対向して離間した状態で、前記絶縁基板1の一面側に載置されるものとなっている。
【0025】
このように、前記絶縁基板1には、開口部2aを有する板状の前記保持部材2が積層されており、この保持部材2の開口部2a内に金属製の前記板ばね3を収納することにより、前記保持部材2により前記板ばね3の位置を規制できるので、前記板ばね3のへたりを抑制して、長期間に渡って良好なクリック感触を得ることができるものとなっている。
【0026】
また、金属製の前記板ばね3は、アーチ状に湾曲した膨出部3aが長手方向に連続して押圧面側に突出して形成されると共に、膨出部3a下面側の外周縁部3bが同一平面上に位置するように形成されているが、上記実施例では、前記板ばね3の長手方向の両端に位置する外周縁部3bBと対向する前記抵抗体5の両端に設けられた電極部5a、5bの上面に、絶縁材からなる前記レジスト層7を形成してあるので、前記板ばね3の外周縁部3bと前記抵抗体5とが接触することがなく、誤動作を防止できるものとなっている。
また、前記板ばね3が反転する時に、この反転ストロークを前記レジスト層7の厚さ分だけ大きく(長く)設定できるので、反転時に良好なクリック感触が得られるものとなっている。
【0027】
シート部材4は、弾性を有する合成樹脂等の樹脂フィルムからなり、長方形のシート状に形成されている。このシート部材4は、前記保持部材2の開口部2aに収納された前記板ばね3の上面を覆うように保持部材2の上面側に貼着されている。また、このシート部材4には、帯状に延設された押圧操作部4aが設けられており、この押圧操作部4aが、前記板ばね3の帯状に細長く延設された膨出部3aに対応して配設されている。また、前記押圧操作部4aには、各押圧位置に対応する複数の指標4b、4bが設けられている。
【0028】
そして、これら指標4bの任意位置が、操作者の指等で押圧操作されることにより、下方に配設された板ばね3が押圧されることとなり、その押圧位置に対応する膨出部3aの一部が反転して、前記絶縁基板1の中央に沿って対向して設けられた前記抵抗体5と電気的に接続するものとなっている(図5参照)。この時、前記板ばね3の膨出部3aの反転により、押圧操作時の明確なクリック感触が操作者に伝わるものとなっている。
【0029】
このように、前記保持部材2の上面側には、開口部2a内に収納された金属製の前記板ばね3を覆う、弾性を有する前記シート部材4を貼着したことから、前記シート部材2により防塵性と防滴性が図れると共に、前記押圧操作部4aに指標4bを設けることにより押圧位置の操作領域の表示ができるので、不所望な位置を押されることがなく、前記板ばね3の不所望な変形を防止できるものとなっている。
【0030】
そして、前記板ばね3が反転するのに伴って、前記導電パターン8a、8bと前記抵抗体5とが板ばね3を介して電気的に接続して、検出手段が機能するものとなっている。この場合、検出手段は、帯状の抵抗体5と、この抵抗体5と所定の隙間を保持して接離可能に対向して配置された導電体を構成する帯状の板ばね3とから構成されており、押圧操作により、金属製の板ばね3の押圧位置に対応する一部分が反転するのに伴って、抵抗体5と板ばね3とが接触して、この検出手段によって押圧位置に応じた出力が得られるものとなっている。
【0031】
そして、押圧位置に対応した板ばね3と抵抗体5とが接触したとき、一方の電極部5a(又は電極部5b)から前記押圧位置の板ばね3に接触した抵抗体5までの間の抵抗値と、抵抗体5の両側の電極部5a、5b間の抵抗値との比に基づいて導電パターン8a、8bから出力される電圧値を検出して、押圧位置に対応した出力値の設定や選択を行うものとなっている。
【0032】
このように、本発明の検出手段は、帯状の抵抗体5と、この抵抗体5と所定の隙間を保持して接離可能に対向して配置された導電体を構成する帯状の板ばね3とから構成されており、押圧操作により、金属製の板ばね3の押圧位置に対応する一部分が反転するのに伴って、前記抵抗体5と板ばね3とが接触することから、押圧位置に対応した抵抗値あるいは抵抗体5に印加された電圧の分圧電圧値を検出することで押圧位置を検出することができるものとなり、検出手段の構成が簡単となっている。
【0033】
また、導電体を金属製の前記板ばね3で構成し、この板ばね3を前記絶縁基板1上に前記抵抗体5と対向させて配置したことから、金属製の前記板ばね3で前記抵抗体5と接離する導電体を構成しているので、押圧位置が入力されるのと同時にクリック感触を生起させることができ、操作性の良好な入力装置を得ることができるものとなっている。
【0034】
また、前記絶縁基板1には、前記抵抗体5に沿って帯状の前記導電パターン8a、8bを並設し、金属製の前記板ばね3の外周縁部3bAを前記導電パターン8a、8b上に接触させて載置し、前記板ばね3が反転するのに伴って、板ばね3を介して前記導電パターン8a、8bと前記抵抗体5とが導通するようにしたので、構成が簡単で、金属製の前記板ばね3と前記導電パターン8a、8bが常時導通されているため、接触の信頼性が向上されるものとなっている。
【0035】
図6は、本発明の板ばねの変形例を示しており、この場合、板ばね10の形状は、弾性を有する導電性の薄板金属板からなり、方形の帯状に細長く延設されており、その両端側が円弧状ではなく、直線状に形成されている。そして、短手方向の断面が、押圧面側である上方に突出してアーチ状に湾曲して形成された膨出部10aを有すると共に、このアーチ状に湾曲した膨出部10aが長手方向に連続して押圧面側である上方に突出した状態で形成されている。
【0036】
そして、同じく、押圧操作により、板ばね10の押圧位置に対応する膨出部10aの一部分が反転するようになっている。また、長手方向に連続した前記膨出部10aの下面側の対向する外縁部10bが、同一平面上に位置するように形成されている。この板ばね10も、前記保持部材2の開口部2aに収納されて、対向する外縁部10bが前記絶縁基板1の一対の導電パターン8a、8bに接触した状態で載置され、アーチ状に湾曲した膨出部10aが、前記絶縁基板1の中央に沿って帯状に設けられた抵抗体5と対向して離間した状態で、前記絶縁基板1の一面側に載置されて使用されるものとなっている。
【0037】
尚、上記実施例においては、前記絶縁基板1には、前記抵抗体5の両側に、該抵抗体5に沿って帯状に銀ペースト等の導電材からなる一対の導電パターン8a、8bを印刷等により形成するようにしたが、これに限らず、導電パターンは8a、8bのどちらか一方でも良く、また、導電パターンを帯状に形成するのではなく、前記板ばね3の外周縁部3bAの何れか一部(一部分)に接触するように小さく形成するようにしても良い。
【0038】
また、上記実施例では、前記板ばね3を位置決めしてガイドする前記保持部材2を設けて、前記絶縁基板1と前記シート部材4との間に積層するようにしたが、シート部材4を、下面側に粘着層を有する粘着シート等で形成し、この粘着シートに板ばね3の膨出部3a上面側を貼着させて保持した状態で、この粘着シートを前記絶縁基板1の上面側に積層(貼着)するようにしても良い。
【0039】
図7乃至図11は、本発明の入力装置の他の実施例を示している。この場合、本実施例の入力装置は、平板状の金属板からなる長方形状の基台11と、この基台11上に係合される、第1及び第2の絶縁基板13、14を有する樹脂フィルムからなるフィルム基板12と、フィルム基板12上に積層される合成樹脂からなる保持部材15と、この保持部材15の開口部内に収納される金属製の板ばね16と、保持部材15の上面側に貼着される弾性を有するシート部材17とから主に構成されている。
【0040】
基台11は、平板状の金属板で長方形状に形成されており、その四角部にはバーリング等の絞り出し加工によって上方へ突出した円筒状のボス部11aが形成されている。このボス部11aに後述するフイルム基板12、保持部材15の各ガイド孔が挿入され位置決めされて取り付けられるものとなっている。
【0041】
フィルム基板12は、可撓性を有するPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂等の樹脂フィルムからなり、図11に示すように、長方形状をした第1の絶縁基板13と、この第1の絶縁基板13に一対の桟部12aで連設された同じく長方形状をした第2の絶縁基板14とから構成されている。
【0042】
第1の絶縁基板13には、一面側(図11の表面側)の略中央に長手方向に沿って帯状にカーボンペースト等を印刷して形成された抵抗体18が設けられている。また、この抵抗体18の両端には銀ペースト等の導電材からなる電極部18a、18bがそれぞれ設けられており、これら電極部18a、18bから同じく銀ペースト等の導電材からなる導電リード18c、18dが導出されている。また、第1の絶縁基板13の四角部には、丸孔からなるガイド孔13aが設けられている。
【0043】
第2の絶縁基板14には、一面側(図11の表面側)の略中央に長手方向に沿って同じく帯状に銀ペースト等を印刷して形成された導電体19が設けられている。尚、この導電体19は前記第1の絶縁基板13に形成された前記抵抗体18に対応した位置に形成されている。また、この導電体19の一端側から同じく銀ペースト等の導電材からなる導電リード19aが導出されている。また、第2の絶縁基板14の四角部には、同じく丸孔からなるガイド孔14aが設けられている。
【0044】
また、第1の絶縁基板13の一端側には、やや幅狭の長方形状をした接続片13bが一体に延設されており、この接続片13bに導電リード18c、18dが引き回されて配設されている。また、この接続片13bには、前記第2の絶縁基板14から導出された前記導電リード19aが、前記桟部12aを介して引き回されて配設されている。これら導電リード18c、18d、19aの先端側が接続端子部18e、18f、19bとなっている。
【0045】
また、図11に示すように、前記第1の絶縁基板13の一面側(図11の表面側)には、図示ハッチングで示すようにエポキシ樹脂等の絶縁材からなるレジスト層20が塗布されて形成されている。このレジスト層20は前記抵抗体18の形成された領域と各導電リードの接続端子部を除く全域に形成されている。
そして、前記第1の絶縁基板13と前記第2の絶縁基板14とは、前記一対の桟部12aを介して折り畳まれることにより、前記レジスト層20を介して前記抵抗体18と前記導電体19とが接離可能なように一定の間隔を維持して離間した状態で対向して配置されるものとなっている。
【0046】
保持部材15は、合成樹脂等の絶縁材で長方形の平板状に形成されており、その略中央には、長手方向に沿って長尺状の開口部15aが設けられている。また、保持部材15の四角部には、同じく丸孔からなるガイド孔15bが設けられている。これらガイド孔15b、13a、14aが、前記基台11の四角部に形成された前記ボス部11aに挿入され係合することにより、保持部材15がフィルム基板12の上面側に積層されている。この時、前記開口部15aに対応して、第1の絶縁基板13及び第2の絶縁基板14の略中央に設けられた抵抗体18及び導電体19が位置するようになっている。
【0047】
板ばね16は、弾性を有する導電性の薄板金属板からなり、方形の帯状に細長く延設されており、その両端側が円弧状に形成されている。また、図9に示すように、短手方向の断面が、押圧面側である上方に突出してアーチ状に湾曲して形成された膨出部16aを有すると共に、このアーチ状に湾曲した膨出部16aが長手方向に連続して押圧面側である上方に突出した状態で形成されており(図10参照)、押圧操作により、板ばね16の押圧位置に対応する膨出部16aの一部分が反転するようになっている。
【0048】
前記板ばね16は、前記保持部材15の開口部15a内に収納され、前後左右方向が位置決めされガイドされると共に、前記フィルム基板12の上面側に載置されている。すなわち、前記板ばね16は、その外周縁部16bが、前記フィルム基板12上に載置されると共に、長手方向に連続してアーチ状に湾曲した膨出部16aが、前記フィルム基板12の中央に沿って帯状に設けられた抵抗体18及び導電体19の上面側の対向した位置に対応して載置されるものとなっている。
【0049】
シート部材17は、弾性を有する合成樹脂等の樹脂フィルムからなり、略長方形のシート状に形成されている。このシート部材17は、前記保持部材15の開口部15aに収納された前記板ばね16の上面を覆うように保持部材15の上面側に貼着されている。また、このシート部材17には、帯状に延設された押圧操作部(図示せず)が設けられており、この押圧操作部が、前記板ばね16の帯状に細長く延設された膨出部16aに対応して配設されている。また、前記押圧操作部には、各押圧位置に対応する複数の指標(図示せず)が設けられている。
【0050】
そして、保持部材15のガイド孔15bに挿入されたボス部11aの先端がプレス等で鳩目状にかしめられることにより、基台11と保持部材15との間に、前記フィルム基板12が積層されると共に、フィルム基板12とシート部材17との間に保持部材15の開口部15aに収納された状態で板ばね16が保持されるものとなっている。
【0051】
そして、これら指標の任意位置が、操作者の指等で押圧操作されることにより、下方に配設された板ばね16が押圧されることとなり、その押圧位置に対応する膨出部16aの一部が反転して、前記フィルム基板12の中央に沿って対応して設けられた前記導電体19を下方へ押圧し、押圧位置の導電体19と対向して配設された前記抵抗体18とが電気的に接触するものとなっている。この時、前記板ばね16の膨出部16aの反転により、押圧操作時の明確なクリック感触が操作者に伝わるものとなっている。
【0052】
そして、前記板ばね16が反転するのに伴って、前記導電体19と前記抵抗体18とが電気的に接触して、検出手段が機能するものとなっている。この場合、検出手段は、帯状の抵抗体18を有する第1の絶縁基板13と、この抵抗体18と一定の隙間を保持して接離可能に対向して配置された帯状の導電体19を有する第2の絶縁基板14とから構成されたフイルム基板12で構成されており、このフィルム基板12がいわゆるメンブレンスイッチと類似する構成をしている。
【0053】
そして、押圧箇所に対応した導電体19と抵抗体18とが接触したとき、この押圧位置に応じて導電リード19aから出力される電圧値を検出して、押圧位置に対応した出力値の設定や選択を行うものとなっている。
【0054】
尚、上記した各実施例においては、押圧操作時の検出手段として、導電体及び抵抗体等を使用した抵抗体式の可変抵抗器で構成したが、これに限らず、検出手段として静電容量式の構成を用いても良い。この場合にも、押圧操作部に反転可能な金属製の板ばねを使用することにより明確なクリック感触を得ることが可能となる。
【0055】
上記した本発明の実施例によれば、帯状に延設された押圧操作部の任意位置を押圧することにより、下側に配設された検出手段によって押圧位置に応じた出力が得られる入力装置であって、この押圧操作部に、帯状の長手方向に延設されると共に、短手方向の断面が押圧面側に突出してアーチ状に湾曲して形成された膨出部3a、10a、16aを有する金属製の板ばね3、10、16を配置し、押圧操作により、前記板ばね3、10、16の押圧位置に対応する一部分が反転するようにしたことから、金属製の前記板ばね3、10、16の反転時にクリック感触が得られるので、押圧操作時に、明確なクリック感触を得ることができ、操作者に、明確な操作感触をフィードバックすることができるものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の入力装置を示す組立斜視図である。
【図2】本発明の入力装置を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の入力装置を示す短手方向の断面図である。
【図4】本発明の入力装置を示す長手方向の部分断面図である。
【図5】本発明の入力装置の動作状態を示す説明図である。
【図6】本発明の入力装置の金属性板ばねの変形例を示す斜視図である。
【図7】本発明の入力装置の他の実施例を示す組立斜視図である。
【図8】本発明の入力装置の他の実施例を示す分解斜視図である。
【図9】本発明の入力装置の他の実施例を示す短手方向の断面図である。
【図10】本発明の入力装置の他の実施例を示す長手方向の部分断面図である。
【図11】本発明の入力装置の他の実施例のフィルム基板を示す展開図である。
【図12】従来のタッチ式の可変抵抗器を示す断面図である。
【図13】従来のタッチ式の可変抵抗器を給湯機の操作パネルに組み込んだ例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0057】
1:絶縁基板
1a:孔
2:保持部材
2a:開口部
2b:突起
3:板ばね
3a:膨出部
3b:外周縁部
4:シート部材
4a:押圧操作部
4b:指標
5:抵抗体
5a:電極部
5b:電極部
6:接続端子
7:レジスト層
8a:導電パターン
8b:導電パターン
9:接続端子
10:板ばね
10a:膨出部
10b:外縁部
11:基台
11a:ボス部
12:フィルム基板
12a:桟部
13:第1の絶縁基板
13a:ガイド孔
13b:接続片
14:第2の絶縁基板
14a:ガイド孔
15:保持部材
15a:開口部
15b:ガイド孔
16:板ばね
16a:膨出部
16b:外周縁部
17:シート部材
18:抵抗体
18a:電極部
18b:電極部
18c:導電リード
18d:導電リード
18e:接続端子部
18f:接続端子部
19:導電体
19a:導電リード
19b:接続端子部
20:レジスト層
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種電子機器に使用されるタッチ式の入力装置に係り、特に押圧操作した際にクリック感触を有するタッチ式の入力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のタッチ式の入力装置としてタッチ式の可変抵抗器がある。このタッチ式の可変抵抗器の構造としては、所定長さの抵抗素子と短絡素子とを有し、抵抗素子と短絡素子とが互いに対向かつ離間して配置され、通常は非接触関係に支持されており、一方は可撓性を有する弾性シートに設けられており、長さ方向の任意の位置で押圧接触させることにより押圧位置に応じた電位が出力されるようにした構成のものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
この従来のタッチ式の可変抵抗器の構造を図12、図13に示す。図12は従来のタッチ式の可変抵抗器の断面図、図13は従来のタッチ式の可変抵抗器を給湯機の操作パネルに組み込んだ例を示す平面図である。
【0004】
図において、操作パネル110は給湯機のメインコントローラ又は浴室内コントローラとして適宜箇所に設置されるもので、有線又は無線により給湯機を制御するようになっている。操作パネル110には、給湯機の運転と停止を命令するための押釦スイッチ112と、給水と給湯を選択するための押釦スイッチ114及び116と、シャワーへの給湯と浴槽カランへの給湯とを選択するための押釦スイッチ118及び120が設けられている。
【0005】
操作パネル110には、入力装置122と液晶表示装置124が設けられている。入力装置122は操作パネル110の基板を兼ねる絶縁基板126を有し、この基板126には、所定長さの細長い抵抗素子128が操作パネル110の長軸に平行に配置されている。基板126は、電気絶縁と防水機能を備えた弾性シート130によって被覆されている。
【0006】
この弾性シート130と絶縁基板126との間には、電気絶縁スペーサ138が介在させてあり、スペーサ138の細長いスロット140に臨んで抵抗素子128が配置されている。また、弾性シート130の内側には、このスロット140に臨んで、印刷配線などにより導電性短絡素子134が付着されている。抵抗素子128及び短絡素子134は、関連する配線及び端子と共に、抵抗材料及び導電性材料の印刷配線技術によって形成するようにしても良い。
【0007】
短絡素子134は、その全長に沿って均一な微小な間隔をもって抵抗素子128から離間されている。そして、短絡素子134の長さ方向任意の位置において弾性シート130をその弾性に抗して基板126に向かって押圧すると、短絡素子134は弾性シート130と共に弾性変形し、短絡素子134は抵抗素子128に点接触するものとなる。このように、入力装置122は抵抗素子128及び短絡素子134などからなるタッチ式の可変抵抗器で構成されている。
【0008】
【特許文献1】特開平6−53015号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来のタッチ式の入力装置の構造においては、短絡素子は弾性シートに設けられているため、弾性シートを押圧操作した時、弾性変形するのみでクリック感触を得ることができず、例え、得られたとしても弱いものであるため、操作者に、押圧した際の明確な操作感触をフィードバックすることができないという問題があった。
【0010】
従って、本発明は上記した問題点を解決し、押圧操作時に明確なクリック感触が得られ、操作者に、明確な操作感触をフィードバックすることができるタッチ式の入力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために本発明では第1の解決手段として、帯状に延設された押圧操作部と、この押圧操作部の下側に配設された検出手段とを備え、前記押圧操作部の任意位置を押圧することにより、前記検出手段によって押圧位置に応じた出力が得られる入力装置であって、前記押圧操作部に、帯状の長手方向に延設されると共に、短手方向の断面が押圧面側に突出してアーチ状に湾曲して形成された膨出部を有する金属製の板ばねを配置し、押圧操作により、前記板ばねの押圧位置に対応する一部分が反転するようにした構成とした。
【0012】
また、第2の解決手段として、前記検出手段は、帯状の抵抗体と、この抵抗体と所定の隙間を保持して接離可能に対向して配置された帯状の導電体とからなり、押圧操作により、前記金属製の板ばねの押圧位置に対応する一部分が反転するのに伴って、前記抵抗体と前記導電体とが接触する構成とした。
また、第3の解決手段として、前記抵抗体が配設される絶縁基板を備え、前記導電体を前記金属製の板ばねで構成し、この板ばねを前記絶縁基板上に前記抵抗体と対向させて配置した構成とした。
また、第4の解決手段として、前記絶縁基板には、前記抵抗体に沿って帯状の導電パターンを並設し、前記金属製の板ばねの一部を前記導電パターン上に載置し、前記板ばねが反転するのに伴って、前記導電パターンと前記抵抗体とが導通する構成とした。
【0013】
また、第5の解決手段として、前記絶縁基板には、開口部を有する板状の保持部材が積層されており、この保持部材の前記開口部内に前記金属製の板ばねを収納した構成とした。
また、第6の解決手段として、前記保持部材の上面側には、前記開口部内に収納された前記金属製の板ばねを覆う、弾性を有するシート部材を貼着した構成とした。
また、第7の解決手段として、前記金属製の板ばねは、アーチ状に湾曲した膨出部が長手方向に連続して押圧面側に突出して形成されると共に、前記膨出部下面側の外周縁部が同一平面上に位置するように形成されており、前記板ばねの長手方向の両端に位置する外周縁部と対向する前記抵抗体の長手方向における両端部上面に、絶縁材からなるレジスト層を形成した構成とした。
【発明の効果】
【0014】
上述したように、本発明の入力装置は、帯状に延設された押圧操作部と、押圧操作部の下側に配設された検出手段とを備え、押圧操作部の任意位置を押圧することにより、検出手段によって押圧位置に応じた出力が得られる入力装置であって、押圧操作部に、帯状の長手方向に延設されると共に、短手方向の断面が押圧面側に突出してアーチ状に湾曲して形成された膨出部を有する金属製の板ばねを配置し、押圧操作により、板ばねの押圧位置に対応する一部分が反転するようにしたことから、金属製の板ばねの反転時にクリック感触が得られるので、押圧操作時に、明確なクリック感触を得ることができ、操作者に、明確な操作感触をフィードバックすることができる。
【0015】
また、検出手段は、帯状の抵抗体と、抵抗体と所定の隙間を保持して接離可能に対向して配置された帯状の導電体とからなり、押圧操作により、金属製の板ばねの押圧位置に対応する一部分が反転するのに伴って、抵抗体と導電体とが接触することから、押圧操作時に、互いに接触する抵抗体と導電体とで検出手段を構成したので、押圧位置に対応した抵抗値あるいは抵抗体に印加された電圧の分圧電圧値を検出することで押圧位置を検出することができ、検出手段の構成が簡単となる。
また、抵抗体が配設される絶縁基板を備え、導電体を金属製の板ばねで構成し、板ばねを絶縁基板上に抵抗体と対向させて配置したことから、金属製の板ばねで抵抗体と接離する導電体を構成しているので、押圧位置が入力されるのと同時にクリック感触を生起させることができ、操作性の良好な入力装置を得ることができる。
また、絶縁基板には、抵抗体に沿って帯状の導電パターンを並設し、金属製の板ばねの一部を導電パターン上に載置し、板ばねが反転するのに伴って、導電パターンと抵抗体とが導通することから、構成が簡単で、金属製の板ばねと導電パターンとの導通を確実にとることができるので、接触の信頼性が向上される。
【0016】
また、絶縁基板には、開口部を有する板状の保持部材が積層されており、保持部材の開口部内に金属製の板ばねを収納したことから、保持部材により金属製の板ばねの位置を規制できるので、板ばねのへたりを抑制して、長期間に渡って良好なクリック感触を得ることができる。
また、保持部材の上面側には、開口部内に収納された金属製の板ばねを覆う、弾性を有するシート部材を貼着したことから、シート部材により防塵性と防滴性が図れると共に、押圧位置の操作領域の表示ができるので、不所望な位置を押されることがなく、板ばねの不所望な変形を防止できる。
また、金属製の板ばねは、アーチ状に湾曲した膨出部が長手方向に連続して押圧面側に突出して形成されると共に、膨出部下面側の外周縁部が同一平面上に位置するように形成されており、板ばねの長手方向の両端に位置する外周縁部と対向する抵抗体の長手方向における両端部上面に、絶縁材からなるレジスト層を形成したことから、板ばねの外周縁部と抵抗体の両端部とが接触することがなく、誤動作を防止できると共に、板ばねの反転ストロークがレジスト層の厚さ分、大きく取れるので、良好なクリック感触が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図1乃至図11に示す。図1は本発明の入力装置を示す組立斜視図、図2は本発明の入力装置を示す分解斜視図、図3は本発明の入力装置を示す短手方向の断面図、図4は同じく長手方向の部分断面図、図5は本発明の入力装置の動作状態を示す説明図、図6は本発明の入力装置の金属製板ばねの変形例を示す斜視図、図7は本発明の入力装置の他の実施例を示す組立斜視図、図8は本発明の入力装置の他の実施例を示す分解斜視図、図9は本発明の入力装置の他の実施例を示す短手方向の断面図、図10は同じく長手方向の部分断面図、図11は同じくフィルム基板を示す展開図である。
【0018】
図1乃至図5は本発明の入力装置の1実施例の構成を示しており、図において、本発明の入力装置は、フェノール樹脂積層板等の絶縁材で長方形の平板状に形成された絶縁基板1と、この絶縁基板1上に積層される開口部を有する板状の保持部材2と、この保持部材2の開口部内に収納される金属製の板ばね3と、保持部材2の上面側に貼着される弾性を有するシート部材4とから主に構成されている。
【0019】
絶縁基板1は、フェノール樹脂積層板等の絶縁材で長方形の平板状に形成されており、一面側のその略中央には、長手方向に沿って帯状にカーボンペースト等を印刷して形成された抵抗体5が設けられている。また、この抵抗体5の両端には銀ペースト等の導電材からなる電極部5a、5bがそれぞれ設けられており、これら電極部5a、5bには導電性の金属材からなる接続端子6が、かしめ等の方法で接続されて絶縁基板1の他面側に導出されている。また、抵抗体5の長手方向における両端部に設けられた各電極部5a、5bの上面には、絶縁材からなるレジスト層7が印刷などの方法により積層されて形成されている。
【0020】
また、前記絶縁基板1には、前記抵抗体5の両側に、該抵抗体5に沿って帯状に銀ペースト等の導電材からなる一対の導電パターン8a、8bが印刷等により形成されている。また、これら導電パターン8a、8bのそれぞれの両端部には、導電性の金属材からなる接続端子9が、同じくかしめ等の方法で接続されて絶縁基板1の他面側に導出されている。また、絶縁基板1の四角部には、上面側に積層される保持部材2を位置決めするガイド用の孔1aが設けられている。
【0021】
保持部材2は、合成樹脂等の絶縁材で長方形の平板状に形成されており、その略中央には、長手方向に沿って長尺状の開口部2aが設けられている。また、保持部材2の下面側の四角部には、複数のガイド用の突起2bが設けられており、これら突起2bが、前記絶縁基板1の四角部に形成された前記孔1aに挿入され係合することにより、保持部材2が絶縁基板1の上面側に積層されている。この時、前記開口部2aからは、絶縁基板1の略中央に設けられた抵抗体5とレジスト層7、及び一対の導電パターン8a、8bが露出するようになっている。
【0022】
板ばね3は、弾性を有する導電性の薄板金属板からなり、方形の帯状に細長く延設されており、その両端側が円弧状に形成されている。また、図3に示すように、短手方向の断面が、押圧面側である上方に突出してアーチ状に湾曲して形成された膨出部3aを有すると共に、このアーチ状に湾曲した膨出部3aが長手方向に連続して押圧面側である上方に突出した状態で形成されており(図4参照)、押圧操作により、板ばね3の押圧位置に対応する膨出部3aの一部分が反転するようになっている(図5参照)。また、長手方向に連続した前記膨出部3aの下面側の外周縁部3bが、全外周部に渡って同一平面上に位置するように形成されている。
【0023】
前記板ばね3は、前記保持部材2の開口部2a内に収納され、前後左右方向が位置決めされガイドされると共に、外周縁部3bのうち、短手方向に対向する外周縁部3bAが、前記絶縁基板1の一面側に形成された一対の導電パターン8a、8b上に接触した状態で載置されている。また、この時、長手方向の両端の円弧状の外周縁部3bBは、前記絶縁基板1の抵抗体5の両端の各電極部5a、5bの上面に設けられたレジスト層7上に載置されるものとなるが、この場合、円弧状の外周縁部3bBは各電極部5a、5bとは絶縁された状態となっている。
【0024】
すなわち、前記板ばね3は、その外周縁部3bAが、前記絶縁基板1上に設けられた一対の導電パターン8a、8bと電気的に接触すると共に、長手方向に連続してアーチ状に湾曲した膨出部3aが、前記絶縁基板1の中央に沿って帯状に設けられた抵抗体5と対向して離間した状態で、前記絶縁基板1の一面側に載置されるものとなっている。
【0025】
このように、前記絶縁基板1には、開口部2aを有する板状の前記保持部材2が積層されており、この保持部材2の開口部2a内に金属製の前記板ばね3を収納することにより、前記保持部材2により前記板ばね3の位置を規制できるので、前記板ばね3のへたりを抑制して、長期間に渡って良好なクリック感触を得ることができるものとなっている。
【0026】
また、金属製の前記板ばね3は、アーチ状に湾曲した膨出部3aが長手方向に連続して押圧面側に突出して形成されると共に、膨出部3a下面側の外周縁部3bが同一平面上に位置するように形成されているが、上記実施例では、前記板ばね3の長手方向の両端に位置する外周縁部3bBと対向する前記抵抗体5の両端に設けられた電極部5a、5bの上面に、絶縁材からなる前記レジスト層7を形成してあるので、前記板ばね3の外周縁部3bと前記抵抗体5とが接触することがなく、誤動作を防止できるものとなっている。
また、前記板ばね3が反転する時に、この反転ストロークを前記レジスト層7の厚さ分だけ大きく(長く)設定できるので、反転時に良好なクリック感触が得られるものとなっている。
【0027】
シート部材4は、弾性を有する合成樹脂等の樹脂フィルムからなり、長方形のシート状に形成されている。このシート部材4は、前記保持部材2の開口部2aに収納された前記板ばね3の上面を覆うように保持部材2の上面側に貼着されている。また、このシート部材4には、帯状に延設された押圧操作部4aが設けられており、この押圧操作部4aが、前記板ばね3の帯状に細長く延設された膨出部3aに対応して配設されている。また、前記押圧操作部4aには、各押圧位置に対応する複数の指標4b、4bが設けられている。
【0028】
そして、これら指標4bの任意位置が、操作者の指等で押圧操作されることにより、下方に配設された板ばね3が押圧されることとなり、その押圧位置に対応する膨出部3aの一部が反転して、前記絶縁基板1の中央に沿って対向して設けられた前記抵抗体5と電気的に接続するものとなっている(図5参照)。この時、前記板ばね3の膨出部3aの反転により、押圧操作時の明確なクリック感触が操作者に伝わるものとなっている。
【0029】
このように、前記保持部材2の上面側には、開口部2a内に収納された金属製の前記板ばね3を覆う、弾性を有する前記シート部材4を貼着したことから、前記シート部材2により防塵性と防滴性が図れると共に、前記押圧操作部4aに指標4bを設けることにより押圧位置の操作領域の表示ができるので、不所望な位置を押されることがなく、前記板ばね3の不所望な変形を防止できるものとなっている。
【0030】
そして、前記板ばね3が反転するのに伴って、前記導電パターン8a、8bと前記抵抗体5とが板ばね3を介して電気的に接続して、検出手段が機能するものとなっている。この場合、検出手段は、帯状の抵抗体5と、この抵抗体5と所定の隙間を保持して接離可能に対向して配置された導電体を構成する帯状の板ばね3とから構成されており、押圧操作により、金属製の板ばね3の押圧位置に対応する一部分が反転するのに伴って、抵抗体5と板ばね3とが接触して、この検出手段によって押圧位置に応じた出力が得られるものとなっている。
【0031】
そして、押圧位置に対応した板ばね3と抵抗体5とが接触したとき、一方の電極部5a(又は電極部5b)から前記押圧位置の板ばね3に接触した抵抗体5までの間の抵抗値と、抵抗体5の両側の電極部5a、5b間の抵抗値との比に基づいて導電パターン8a、8bから出力される電圧値を検出して、押圧位置に対応した出力値の設定や選択を行うものとなっている。
【0032】
このように、本発明の検出手段は、帯状の抵抗体5と、この抵抗体5と所定の隙間を保持して接離可能に対向して配置された導電体を構成する帯状の板ばね3とから構成されており、押圧操作により、金属製の板ばね3の押圧位置に対応する一部分が反転するのに伴って、前記抵抗体5と板ばね3とが接触することから、押圧位置に対応した抵抗値あるいは抵抗体5に印加された電圧の分圧電圧値を検出することで押圧位置を検出することができるものとなり、検出手段の構成が簡単となっている。
【0033】
また、導電体を金属製の前記板ばね3で構成し、この板ばね3を前記絶縁基板1上に前記抵抗体5と対向させて配置したことから、金属製の前記板ばね3で前記抵抗体5と接離する導電体を構成しているので、押圧位置が入力されるのと同時にクリック感触を生起させることができ、操作性の良好な入力装置を得ることができるものとなっている。
【0034】
また、前記絶縁基板1には、前記抵抗体5に沿って帯状の前記導電パターン8a、8bを並設し、金属製の前記板ばね3の外周縁部3bAを前記導電パターン8a、8b上に接触させて載置し、前記板ばね3が反転するのに伴って、板ばね3を介して前記導電パターン8a、8bと前記抵抗体5とが導通するようにしたので、構成が簡単で、金属製の前記板ばね3と前記導電パターン8a、8bが常時導通されているため、接触の信頼性が向上されるものとなっている。
【0035】
図6は、本発明の板ばねの変形例を示しており、この場合、板ばね10の形状は、弾性を有する導電性の薄板金属板からなり、方形の帯状に細長く延設されており、その両端側が円弧状ではなく、直線状に形成されている。そして、短手方向の断面が、押圧面側である上方に突出してアーチ状に湾曲して形成された膨出部10aを有すると共に、このアーチ状に湾曲した膨出部10aが長手方向に連続して押圧面側である上方に突出した状態で形成されている。
【0036】
そして、同じく、押圧操作により、板ばね10の押圧位置に対応する膨出部10aの一部分が反転するようになっている。また、長手方向に連続した前記膨出部10aの下面側の対向する外縁部10bが、同一平面上に位置するように形成されている。この板ばね10も、前記保持部材2の開口部2aに収納されて、対向する外縁部10bが前記絶縁基板1の一対の導電パターン8a、8bに接触した状態で載置され、アーチ状に湾曲した膨出部10aが、前記絶縁基板1の中央に沿って帯状に設けられた抵抗体5と対向して離間した状態で、前記絶縁基板1の一面側に載置されて使用されるものとなっている。
【0037】
尚、上記実施例においては、前記絶縁基板1には、前記抵抗体5の両側に、該抵抗体5に沿って帯状に銀ペースト等の導電材からなる一対の導電パターン8a、8bを印刷等により形成するようにしたが、これに限らず、導電パターンは8a、8bのどちらか一方でも良く、また、導電パターンを帯状に形成するのではなく、前記板ばね3の外周縁部3bAの何れか一部(一部分)に接触するように小さく形成するようにしても良い。
【0038】
また、上記実施例では、前記板ばね3を位置決めしてガイドする前記保持部材2を設けて、前記絶縁基板1と前記シート部材4との間に積層するようにしたが、シート部材4を、下面側に粘着層を有する粘着シート等で形成し、この粘着シートに板ばね3の膨出部3a上面側を貼着させて保持した状態で、この粘着シートを前記絶縁基板1の上面側に積層(貼着)するようにしても良い。
【0039】
図7乃至図11は、本発明の入力装置の他の実施例を示している。この場合、本実施例の入力装置は、平板状の金属板からなる長方形状の基台11と、この基台11上に係合される、第1及び第2の絶縁基板13、14を有する樹脂フィルムからなるフィルム基板12と、フィルム基板12上に積層される合成樹脂からなる保持部材15と、この保持部材15の開口部内に収納される金属製の板ばね16と、保持部材15の上面側に貼着される弾性を有するシート部材17とから主に構成されている。
【0040】
基台11は、平板状の金属板で長方形状に形成されており、その四角部にはバーリング等の絞り出し加工によって上方へ突出した円筒状のボス部11aが形成されている。このボス部11aに後述するフイルム基板12、保持部材15の各ガイド孔が挿入され位置決めされて取り付けられるものとなっている。
【0041】
フィルム基板12は、可撓性を有するPET(ポリエチレンテレフタレート)樹脂等の樹脂フィルムからなり、図11に示すように、長方形状をした第1の絶縁基板13と、この第1の絶縁基板13に一対の桟部12aで連設された同じく長方形状をした第2の絶縁基板14とから構成されている。
【0042】
第1の絶縁基板13には、一面側(図11の表面側)の略中央に長手方向に沿って帯状にカーボンペースト等を印刷して形成された抵抗体18が設けられている。また、この抵抗体18の両端には銀ペースト等の導電材からなる電極部18a、18bがそれぞれ設けられており、これら電極部18a、18bから同じく銀ペースト等の導電材からなる導電リード18c、18dが導出されている。また、第1の絶縁基板13の四角部には、丸孔からなるガイド孔13aが設けられている。
【0043】
第2の絶縁基板14には、一面側(図11の表面側)の略中央に長手方向に沿って同じく帯状に銀ペースト等を印刷して形成された導電体19が設けられている。尚、この導電体19は前記第1の絶縁基板13に形成された前記抵抗体18に対応した位置に形成されている。また、この導電体19の一端側から同じく銀ペースト等の導電材からなる導電リード19aが導出されている。また、第2の絶縁基板14の四角部には、同じく丸孔からなるガイド孔14aが設けられている。
【0044】
また、第1の絶縁基板13の一端側には、やや幅狭の長方形状をした接続片13bが一体に延設されており、この接続片13bに導電リード18c、18dが引き回されて配設されている。また、この接続片13bには、前記第2の絶縁基板14から導出された前記導電リード19aが、前記桟部12aを介して引き回されて配設されている。これら導電リード18c、18d、19aの先端側が接続端子部18e、18f、19bとなっている。
【0045】
また、図11に示すように、前記第1の絶縁基板13の一面側(図11の表面側)には、図示ハッチングで示すようにエポキシ樹脂等の絶縁材からなるレジスト層20が塗布されて形成されている。このレジスト層20は前記抵抗体18の形成された領域と各導電リードの接続端子部を除く全域に形成されている。
そして、前記第1の絶縁基板13と前記第2の絶縁基板14とは、前記一対の桟部12aを介して折り畳まれることにより、前記レジスト層20を介して前記抵抗体18と前記導電体19とが接離可能なように一定の間隔を維持して離間した状態で対向して配置されるものとなっている。
【0046】
保持部材15は、合成樹脂等の絶縁材で長方形の平板状に形成されており、その略中央には、長手方向に沿って長尺状の開口部15aが設けられている。また、保持部材15の四角部には、同じく丸孔からなるガイド孔15bが設けられている。これらガイド孔15b、13a、14aが、前記基台11の四角部に形成された前記ボス部11aに挿入され係合することにより、保持部材15がフィルム基板12の上面側に積層されている。この時、前記開口部15aに対応して、第1の絶縁基板13及び第2の絶縁基板14の略中央に設けられた抵抗体18及び導電体19が位置するようになっている。
【0047】
板ばね16は、弾性を有する導電性の薄板金属板からなり、方形の帯状に細長く延設されており、その両端側が円弧状に形成されている。また、図9に示すように、短手方向の断面が、押圧面側である上方に突出してアーチ状に湾曲して形成された膨出部16aを有すると共に、このアーチ状に湾曲した膨出部16aが長手方向に連続して押圧面側である上方に突出した状態で形成されており(図10参照)、押圧操作により、板ばね16の押圧位置に対応する膨出部16aの一部分が反転するようになっている。
【0048】
前記板ばね16は、前記保持部材15の開口部15a内に収納され、前後左右方向が位置決めされガイドされると共に、前記フィルム基板12の上面側に載置されている。すなわち、前記板ばね16は、その外周縁部16bが、前記フィルム基板12上に載置されると共に、長手方向に連続してアーチ状に湾曲した膨出部16aが、前記フィルム基板12の中央に沿って帯状に設けられた抵抗体18及び導電体19の上面側の対向した位置に対応して載置されるものとなっている。
【0049】
シート部材17は、弾性を有する合成樹脂等の樹脂フィルムからなり、略長方形のシート状に形成されている。このシート部材17は、前記保持部材15の開口部15aに収納された前記板ばね16の上面を覆うように保持部材15の上面側に貼着されている。また、このシート部材17には、帯状に延設された押圧操作部(図示せず)が設けられており、この押圧操作部が、前記板ばね16の帯状に細長く延設された膨出部16aに対応して配設されている。また、前記押圧操作部には、各押圧位置に対応する複数の指標(図示せず)が設けられている。
【0050】
そして、保持部材15のガイド孔15bに挿入されたボス部11aの先端がプレス等で鳩目状にかしめられることにより、基台11と保持部材15との間に、前記フィルム基板12が積層されると共に、フィルム基板12とシート部材17との間に保持部材15の開口部15aに収納された状態で板ばね16が保持されるものとなっている。
【0051】
そして、これら指標の任意位置が、操作者の指等で押圧操作されることにより、下方に配設された板ばね16が押圧されることとなり、その押圧位置に対応する膨出部16aの一部が反転して、前記フィルム基板12の中央に沿って対応して設けられた前記導電体19を下方へ押圧し、押圧位置の導電体19と対向して配設された前記抵抗体18とが電気的に接触するものとなっている。この時、前記板ばね16の膨出部16aの反転により、押圧操作時の明確なクリック感触が操作者に伝わるものとなっている。
【0052】
そして、前記板ばね16が反転するのに伴って、前記導電体19と前記抵抗体18とが電気的に接触して、検出手段が機能するものとなっている。この場合、検出手段は、帯状の抵抗体18を有する第1の絶縁基板13と、この抵抗体18と一定の隙間を保持して接離可能に対向して配置された帯状の導電体19を有する第2の絶縁基板14とから構成されたフイルム基板12で構成されており、このフィルム基板12がいわゆるメンブレンスイッチと類似する構成をしている。
【0053】
そして、押圧箇所に対応した導電体19と抵抗体18とが接触したとき、この押圧位置に応じて導電リード19aから出力される電圧値を検出して、押圧位置に対応した出力値の設定や選択を行うものとなっている。
【0054】
尚、上記した各実施例においては、押圧操作時の検出手段として、導電体及び抵抗体等を使用した抵抗体式の可変抵抗器で構成したが、これに限らず、検出手段として静電容量式の構成を用いても良い。この場合にも、押圧操作部に反転可能な金属製の板ばねを使用することにより明確なクリック感触を得ることが可能となる。
【0055】
上記した本発明の実施例によれば、帯状に延設された押圧操作部の任意位置を押圧することにより、下側に配設された検出手段によって押圧位置に応じた出力が得られる入力装置であって、この押圧操作部に、帯状の長手方向に延設されると共に、短手方向の断面が押圧面側に突出してアーチ状に湾曲して形成された膨出部3a、10a、16aを有する金属製の板ばね3、10、16を配置し、押圧操作により、前記板ばね3、10、16の押圧位置に対応する一部分が反転するようにしたことから、金属製の前記板ばね3、10、16の反転時にクリック感触が得られるので、押圧操作時に、明確なクリック感触を得ることができ、操作者に、明確な操作感触をフィードバックすることができるものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の入力装置を示す組立斜視図である。
【図2】本発明の入力装置を示す分解斜視図である。
【図3】本発明の入力装置を示す短手方向の断面図である。
【図4】本発明の入力装置を示す長手方向の部分断面図である。
【図5】本発明の入力装置の動作状態を示す説明図である。
【図6】本発明の入力装置の金属性板ばねの変形例を示す斜視図である。
【図7】本発明の入力装置の他の実施例を示す組立斜視図である。
【図8】本発明の入力装置の他の実施例を示す分解斜視図である。
【図9】本発明の入力装置の他の実施例を示す短手方向の断面図である。
【図10】本発明の入力装置の他の実施例を示す長手方向の部分断面図である。
【図11】本発明の入力装置の他の実施例のフィルム基板を示す展開図である。
【図12】従来のタッチ式の可変抵抗器を示す断面図である。
【図13】従来のタッチ式の可変抵抗器を給湯機の操作パネルに組み込んだ例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0057】
1:絶縁基板
1a:孔
2:保持部材
2a:開口部
2b:突起
3:板ばね
3a:膨出部
3b:外周縁部
4:シート部材
4a:押圧操作部
4b:指標
5:抵抗体
5a:電極部
5b:電極部
6:接続端子
7:レジスト層
8a:導電パターン
8b:導電パターン
9:接続端子
10:板ばね
10a:膨出部
10b:外縁部
11:基台
11a:ボス部
12:フィルム基板
12a:桟部
13:第1の絶縁基板
13a:ガイド孔
13b:接続片
14:第2の絶縁基板
14a:ガイド孔
15:保持部材
15a:開口部
15b:ガイド孔
16:板ばね
16a:膨出部
16b:外周縁部
17:シート部材
18:抵抗体
18a:電極部
18b:電極部
18c:導電リード
18d:導電リード
18e:接続端子部
18f:接続端子部
19:導電体
19a:導電リード
19b:接続端子部
20:レジスト層
【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状に延設された押圧操作部と、この押圧操作部の下側に配設された検出手段とを備え、前記押圧操作部の任意位置を押圧することにより、前記検出手段によって押圧位置に応じた出力が得られる入力装置であって、前記押圧操作部に、帯状の長手方向に延設されると共に、短手方向の断面が押圧面側に突出してアーチ状に湾曲して形成された膨出部を有する金属製の板ばねを配置し、押圧操作により、前記板ばねの押圧位置に対応する一部分が反転するようにしたことを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記検出手段は、帯状の抵抗体と、この抵抗体と所定の隙間を保持して接離可能に対向して配置された帯状の導電体とからなり、押圧操作により、前記金属製の板ばねの押圧位置に対応する一部分が反転するのに伴って、前記抵抗体と前記導電体とが接触することを特徴とする請求項1記載の入力装置。
【請求項3】
前記抵抗体が配設される絶縁基板を備え、前記導電体を前記金属製の板ばねで構成し、この板ばねを前記絶縁基板上に前記抵抗体と対向させて配置したことを特徴とする請求項2記載の入力装置。
【請求項4】
前記絶縁基板には、前記抵抗体に沿って帯状の導電パターンを並設し、前記金属製の板ばねの一部を前記導電パターン上に載置し、前記板ばねが反転するのに伴って、前記導電パターンと前記抵抗体とが導通することを特徴とする請求項3記載の入力装置。
【請求項5】
前記絶縁基板には、開口部を有する板状の保持部材が積層されており、この保持部材の前記開口部内に前記金属製の板ばねを収納したことを特徴とする請求項3、又は4記載の入力装置。
【請求項6】
前記保持部材の上面側には、前記開口部内に収納された前記金属製の板ばねを覆う、弾性を有するシート部材を貼着したことを特徴とする請求項5記載の入力装置。
【請求項7】
前記金属製の板ばねは、アーチ状に湾曲した膨出部が長手方向に連続して押圧面側に突出して形成されると共に、前記膨出部下面側の外周縁部が同一平面上に位置するように形成されており、前記板ばねの長手方向の両端に位置する外周縁部と対向する前記抵抗体の長手方向における両端部上面に、絶縁材からなるレジスト層を形成したことを特徴とする請求項3乃至6の何れかに記載の入力装置。
【請求項1】
帯状に延設された押圧操作部と、この押圧操作部の下側に配設された検出手段とを備え、前記押圧操作部の任意位置を押圧することにより、前記検出手段によって押圧位置に応じた出力が得られる入力装置であって、前記押圧操作部に、帯状の長手方向に延設されると共に、短手方向の断面が押圧面側に突出してアーチ状に湾曲して形成された膨出部を有する金属製の板ばねを配置し、押圧操作により、前記板ばねの押圧位置に対応する一部分が反転するようにしたことを特徴とする入力装置。
【請求項2】
前記検出手段は、帯状の抵抗体と、この抵抗体と所定の隙間を保持して接離可能に対向して配置された帯状の導電体とからなり、押圧操作により、前記金属製の板ばねの押圧位置に対応する一部分が反転するのに伴って、前記抵抗体と前記導電体とが接触することを特徴とする請求項1記載の入力装置。
【請求項3】
前記抵抗体が配設される絶縁基板を備え、前記導電体を前記金属製の板ばねで構成し、この板ばねを前記絶縁基板上に前記抵抗体と対向させて配置したことを特徴とする請求項2記載の入力装置。
【請求項4】
前記絶縁基板には、前記抵抗体に沿って帯状の導電パターンを並設し、前記金属製の板ばねの一部を前記導電パターン上に載置し、前記板ばねが反転するのに伴って、前記導電パターンと前記抵抗体とが導通することを特徴とする請求項3記載の入力装置。
【請求項5】
前記絶縁基板には、開口部を有する板状の保持部材が積層されており、この保持部材の前記開口部内に前記金属製の板ばねを収納したことを特徴とする請求項3、又は4記載の入力装置。
【請求項6】
前記保持部材の上面側には、前記開口部内に収納された前記金属製の板ばねを覆う、弾性を有するシート部材を貼着したことを特徴とする請求項5記載の入力装置。
【請求項7】
前記金属製の板ばねは、アーチ状に湾曲した膨出部が長手方向に連続して押圧面側に突出して形成されると共に、前記膨出部下面側の外周縁部が同一平面上に位置するように形成されており、前記板ばねの長手方向の両端に位置する外周縁部と対向する前記抵抗体の長手方向における両端部上面に、絶縁材からなるレジスト層を形成したことを特徴とする請求項3乃至6の何れかに記載の入力装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−302526(P2006−302526A)
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−118431(P2005−118431)
【出願日】平成17年4月15日(2005.4.15)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年4月15日(2005.4.15)
【出願人】(000010098)アルプス電気株式会社 (4,263)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]