入退室監視方法及び監視システム
【課題】共連れを検知し、共連れによる管理区域への不正入室を警告する入退室監視方法及び入退室監視システムを提供する。
【解決手段】認証領域に設定したエリア1〜5の反応の有無を検知して共連れを検出する入退室監視方法であって、認証領域内を通過する人物の通過段階(時間経過)に応じた適切な画像処理を行い、共連れを検出するため、共連れ検出用カメラから逐次入力されるカメラ映像を画像処理して共連れ検出するときに、次処理が、待機処理、順方向判定処理、順方向適正処理、順方向脱出処理、逆方向判定処理、逆方向適正処理、逆方向脱出処理、共連れ処理の何れであるかを判定し、待機処理、または順方向判定処理、または順方向適正処理、または順方向脱出処理を経て、管理区域へ入室する際の共連れを検出するともに、待機処理、または逆方向判定処理、または逆方向適正処理、または逆方向脱出処理を経て、管理区域から退室する際の共連れを検出する。
【解決手段】認証領域に設定したエリア1〜5の反応の有無を検知して共連れを検出する入退室監視方法であって、認証領域内を通過する人物の通過段階(時間経過)に応じた適切な画像処理を行い、共連れを検出するため、共連れ検出用カメラから逐次入力されるカメラ映像を画像処理して共連れ検出するときに、次処理が、待機処理、順方向判定処理、順方向適正処理、順方向脱出処理、逆方向判定処理、逆方向適正処理、逆方向脱出処理、共連れ処理の何れであるかを判定し、待機処理、または順方向判定処理、または順方向適正処理、または順方向脱出処理を経て、管理区域へ入室する際の共連れを検出するともに、待機処理、または逆方向判定処理、または逆方向適正処理、または逆方向脱出処理を経て、管理区域から退室する際の共連れを検出する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理区域への入退室を監視するセキュリティシステムにおいて、特に、入室許可者に同伴する非許可者の不正入室(共連れ)を検知・警告する入退室監視方法及び監視システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
機密事項を扱う研究施設や情報管理室、高価な財産(高額貨幣、貴金属品など)、および取扱いを制限されたもの(危険物、薬物なと)を保管する部屋(以下、管理区域という)への入退室は厳重に管理する必要があり、様々なセキュリティシステムが導入されている。
例えば管理区域へ入室する際、IDカードや暗証番号による照合や、指紋照合や虹彩照合によって入室許可者本人であるか否かを判定し、その照合結果をもとに管理区域への入退室を管理するセキュリティシステムが知られている。
指紋照合や虹彩照合などによる高度な個人認証装置を使用したセキュリティシステムでは、入室許可者本人であるか否かを厳密に照合することができるため、非許可者による管理区域への不正入室を防止することができる。しかしながら、個人認証装置で照合を行った入室許可者に同伴して非許可者が管理区域へ不正入室すること(以下、「共連れ」という)を検知・警告できなかった。
【0003】
そこで管理区域へ通じる通路に個人認証装置を設置し、当該個人認証装置の照合結果をもとに管理区域への入退室管理を行うとともに、前記個人認証装置を設置した通路に赤外線センサを複数設置し、個人認証装置を設置した通路に複数人が通過したときはアラーム警告するなどして共連れを検知・警告するセキュリティシステムが提案されている。
また管理区域の手前に人間一人のみが存在可能であるスペースの認証室を設け、その認証室に個人認証装置を設置し、当該認証装置で照合された入室許可者のみが管理区域へ入室できるように構成することによって、共連れを不可能とするセキュリティシステムが提案されている(例えば特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2000−315290号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、個人認証装置と赤外線センサを併用したセキュリティシステムでは、例えば、個人認証装置を設置してある通路を入室許可者と非許可者とが前後または左右に密接しながら通過した場合、赤外線センサによる検知能力では密接した入室許可者と非許可者とを複数人と認識することができず、共連れを検出することができなかった。
また、人間一人のみが存在可能なスペースの認証室を通って管理区域に入室するよう構成した場合、例えば、管理区域に大きな荷物を搬入しなければならない場合や、管理区域に大勢の見学者を案内する場合などの例外に対する措置が困難であった。さらに体重センサなどを設置して認証室に人間一人しか存在できないようにするシステムも提案されているが、設備及び調整が大掛かりで、高価だった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明による入退室監視方法は、管理区域へ通じる通路に設置した個人認証装置の照合結果に基づいて管理区域への入退室管理をするとともに、前記個人認証装置周辺の認証領域を上方から撮影したカメラ映像に基づいて共連れを検出する入退室監視方法において、前記認証領域の映像を画像処理するにあたって、認証領域を5つに区画し、個人認証装置周囲に設定されるエリア1と、前記エリア1を囲むように一般区域側に設定されるエリア2と、前記エリア1を囲むように管理区域側に設定されるエリア3と、前記エリア2よりも一般区域側に設定されるエリア4と、前記エリア3よりも管理区域側に設定されるエリア5とを設け、前記各エリアの反応の有無に基づいて、待機処理、または順方向判定処理、または順方向適正処理、または順方向脱出処理をし、管理区域へ入室する際の共連れを検出する入退室監視方法であって、待機処理の状態において、エリア2のみに反応が生じた場合の次処理を順方向判定処理とし、エリア2とともにエリア3にも反応がある場合の次処理を共連れ処理とする工程と、順方向判定処理の状態において、エリア4またはエリア5で反応が生じた場合は当該エリア内の人物に対して認証領域外へ出るよう指示案内をした後、エリア3で反応が生じた場合の次処理を共連れ処理とし、エリア2で反応がある場合の次処理を再び順方向判定処理とし、エリア2の反応がなくなりエリア1で反応が生じた場合の次処理を順方向適正処理とする工程と、順方向適正処理の状態において、エリア4またはエリア5で反応が生じた場合は当該エリア内の人物に対して認証領域外へ出るよう指示案内をした後、エリア3で反応が生じた場合の次処理を順方向脱出処理とし、エリア3の反応がなくエリア2またはエリア1の何れかに反応がある場合の次処理を再び順方向適正処理とする工程と、順方向脱出処理の状態において、エリア4またはエリア5で反応が生じた場合は当該エリア内の人物に対して認証領域外へ出るよう指示案内をした後、エリア2で反応が生じた場合の次処理を共連れ処理とし、エリア2の反応がなくエリア1またはエリア3の何れかに反応がある場合の次処理を再び順方向脱出処理とする工程とを経、共連れを検出する。
【0006】
また本発明による入退室監視システムは、管理区域への入室許可者であるか否かを照合する個人認証装置と、通路に設置された個人認証装置周辺の認証領域を上方から撮影する共連れ検出用カメラと、前記共連れ検出用カメラからの入力映像に基づいて共連れを検出する共連れ検出装置と、前記個人認証装置の照合結果と、共連れ検出装置の検出結果とに基づいて、アラーム警告を制御する制御装置とからなる入退室監視システムであって、認証領域の映像を画像処理して共連れを検出するにあたって、前記認証領域を5つに区画し、個人認証装置周囲に設定されるエリア1と、前記エリア1を囲むように一般区域側に設定されるエリア2と、前記エリア1を囲むように管理区域側に設定されるエリア3と、前記エリア2よりも一般区域側に設定されるエリア4と、前記エリア3よりも管理区域側に設定されるエリア5とを設けるとともに、前記各エリアの反応の有無に基づいて、待機処理と順方向判定処理と順方向適正処理と順方向脱出処理とを経、若しくは待機処理と逆方向判定処理と逆方向適正処理と逆方向脱出処理とを経、共連れを検出するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明による入退室監視方法及び監視システムでは、個人認証装置を使用して管理区域への入退室を管理するセキュリティシステムにおいて、管理区域の手前に非常に小さなスペースの認証室を設けたり、個人認証装置の照合結果に基づいて扉の開閉が制御される認証室を設けたりすることなく、管理区域へと通じる通路に個人認証装置を設置し、当該個人認証装置周辺の所定の範囲(認証領域)を上方から撮影したカメラ映像に基づき共連れを検出することができ、例えば、大きな荷物を搬入する場合や、大勢の見学者を案内する場合などの例外措置に対応することが容易である。また前記認証領域を撮影したカメラ映像をもとに共連れが検出できるため、設備費が安価である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明による入退室監視方法及び監視システムの好適な実施例について、図面を参照して説明する。
本発明による入退室監視方法を利用したセキュリティシステムは、管理区域へ通じる通路に個人認証装置を設置し、当該個人認証装置の照合結果をもとに管理区域への入退室を管理するとともに、前記個人認証装置周辺の所定の範囲を撮影したカメラ映像に基づいて共連れを検出し、共連れが検出された場合はアラーム警告するなどして、共連れによる管理区域への不正入室を検知・警告するものである。
そして例えば、大きな荷物を搬入する場合や、大勢の見学者を案内する場合は、共連れ検出時のアラーム警告をOFFできるよう構築することによって、例外措置に対して容易に対処できる。
【0009】
図1から図4を参照して、この発明の第1実施例による入退室監視方法を利用したセキュリティシステムを説明する。
【0010】
図1は、管理区域へ通じる通路を示す図である。
図1に示す実施例では、管理区域へ通じる通路に一台の個人認証装置SCN1を設置し、当該個人認証装置SCN1の照合結果をもとに管理区域への入退室を管理する。なお個人認証装置SCN1は、通行の妨げにならないよう通路壁面に付けて設置した。
また管理区域へ通じる通路に設置した個人認証装置SCN1の周辺の所定範囲を上方から撮影するカメラ(以下、共連れ検出用カメラC1という)を通路天井に設置し、当該共連れ検出用カメラC1で撮影したカメラ映像を画像処理することによって共連れを検出する。
【0011】
前記共連れ検出用カメラC1によって撮影される個人認証装置周辺の所定の範囲について、以下、「認証領域」という。認証領域は、個人認証装置SCN1が設置されている通路の幅いっぱいに設定され、個人認証装置よりも一般区域側と管理区域側とにそれそれ一定の長さ(距離)を持つよう設定される。
なお認証領域を通って管理区域へ入退室する者に、当該認証領域の範囲が認識できるように通路に停止線を表わす。この実施例では、認証領域の一般区域側境界に第1停止線を設けるとともに、認証領域の管理区域側境界に第2停止線を設けた。
【0012】
さらにこの実施例では、管理区域へ入室しようとする人物が適正に認証領域へ進入することを促すために、認証領域入口(第1停止線)付近に当該認証領域内へ進入する際の指示案内(信号表示や音声出力)をするためのモニタM1やスピーカS1を設置した。また認証領域出口(第2停止線)付近に、当該認証領域を通って管理区域へ入室しようとする人物のクローズアップ映像を撮影する第1監視カメラCM1と、当該人物に対して指示案内(音声出力)やアラーム警報を発報するスピーカS3とを設置した。
同様にして、管理区域から退室しようとする人物が適正に認証領域へ進入することを促すために、認証領域入口(第2停止線)付近に当該認証領域内へ進入する際の指示案内(信号表示や音声出力)をするためのモニタM2やスピーカS2を設置した。また認証領域出口(第1停止線)付近に、当該認証領域を通って管理区域へ入室しようとする人物のクローズアップ映像を撮影する第2監視カメラCM2と、当該人物に対して指示案内(音声出力)やアラーム警報を発報するスピーカS4とを設置した。
また認証領域入口(第1停止線/第2停止線)の手前に説明ボタンを設けた。
そしてこの実施例では、前記共連れ検出用カメラC1のカメラ映像をもとに認証領域内に進入した人物を検出したり、前記認証領域入口の手前に設置された説明ボタンが押されたときは、認証領域入口(第1停止線/第2停止線)付近に設置されたモニタM1,M2やスピーカS1,S2から、認証領域内へ進入する際の指示案内(信号表示や音声出力)を出力するようにに構築した。なお認証領域入口(第1停止線/第2停止線)付近に設置された説明ボタンのかわりに、認証領域内へ進入する際の指示案内を表示した看板やポスターを設置するように構成してもよい。
【0013】
この実施例では、通路中央の天井に設置した一台の共連れ検出用カメラC1で認証領域全体を上方から撮影する。そして当該カメラ映像を共連れ検出装置に入力し、認証領域内の映像を画像処理することによって共連れを検出する。
【0014】
図2は、警備室と管理区域を示す図である。
図2(a)に示すように、認証領域を監視して警備を行う警備室には、管理区域へ通じる通路に設置された個人認証装置SCN1の照合結果をもとに管理区域への入退室管理を行うコンピュータ(制御装置)と、共連れ検出用カメラC1からの入力映像に基づいて共連れを検出する共連れ検出装置と、共連れ検出時に監視カメラの映像(認証領域内に存在する人物のクローズアップ映像)を蓄積(録画)する画像蓄積装置と、当該監視カメラの映像を表示するモニタと、共連れ検出時にアラーム警告(警告音)を発報するスピーカとを設けた。
また図2(b)に示すように、管理区域内にも、共連れ検出時に監視カメラの映像(認証領域内に存在する人物のクローズアップ映像)を表示するモニタと、共連れ検出時にアラーム警告(警告音)を発報するスピーカとを設け、認証領域で共連れが検出されたときには、管理区域内でもアラーム警告を発報することによって管理区域に対して警戒を促すようにした。
なお個人認証装置SCN1による照合結果が不適合な場合も、通路と警備室と管理区域とに設置してあるスピーカからアラーム警告を発報し、かつ警備室と管理区域とに設置してあるモニタに監視カメラの映像を表示するとともに、当該監視カメラの映像を画像蓄積装置に蓄積(録画)するように構築した。
【0015】
図3は、この実施例による入退室監視システムの構成を示す図である。
図3に示す入退室監視システムは、管理区域へ通じる通路に設置され、前記管理区域への入室許可者であるか否かを照合する個人認証装置(例えばカードリーダや個人照合装置など)SCN1と、前記個人認証装置SCN1の周辺の認証領域を上方から撮影する共連れ検出用カメラC1と、前記共連れ検出用カメラC1からの入力映像に基づいて共連れを検出する共連れ検出装置1と、前記個人認証装置SCN1の照合結果と、共連れ検出装置1の検出結果とに基づいて、アラーム警告(警告音)などの出力を制御する制御装置(コンピュータ等)2とを備える。
【0016】
前記制御装置2には、管理区域へ通じる通路に設置されたスピーカS1〜S4や、モニタM1,M2が接続されるとともに、警備室に設置されたスピーカS5や、管理区域に設置されたスピーカS6が接続され、前記個人認証装置SCN1の照合結果と、共連れ検出装置1の検出結果とに基づいて、認証領域を通って管理区域へ入室する人物または、認証領域を通って管理区域から退室する人物に対する指示案内の出力(音声出力・信号表示)を制御し、アラーム警告(警告音)の出力を制御する。
また管理区域へ通じる通路に設置された監視カメラCM1,CM2のカメラ映像(認証領域を通過する入室者のクローズアップ映像、または退室者のクローズアップ映像)は、前記制御装置2の制御によって、画像蓄積装置3に録画されるとともに、警備室に設置されている監視用モニタ4aや管理区域に設置されている監視用モニタ4bに表示される。この実施例では、前記個人認証装置SCN1の照合結果と、共連れ検出装置1の検出結果とに基づいて、非許可者であると判定した場合や共連れを検出した場合に、監視カメラCM1,CM2のカメラ映像を蓄積(録画)するとともに、監視用モニタ4a,4bに表示するように構成した。
【0017】
なお前記共連れ検出装置1によって、共連れ検出用カメラC1で撮影した認証領域の映像に基づいて共連れを検出するにあたって、前記認証領域を5つに区画し、個人認証装置周囲に設定されるエリア1と、前記エリア1を囲むように一般区域側に設定されるエリア2と、前記エリア1を囲むように管理区域側に設定されるエリア3と、前記エリア2よりも一般区域側に設定されるエリア4と、前記エリア3よりも管理区域側に設定されるエリア5とを設けるとともに、前記各エリアの反応の有無に基づいて、待機処理と順方向判定処理と順方向適正処理と順方向脱出処理とを経、若しくは待機処理と逆方向判定処理と逆方向適正処理と逆方向脱出処理とを経、共連れを検出する。
【0018】
図4は、共連れ検出用カメラC1のカメラ映像をもとに認証領域に設定したエリア1〜5を示す図である。
共連れ検出用カメラC1から入力された映像(認証領域内の映像)を画像処理し、共連れを検出するにあたって、図4に示すように、認証領域を5つに区画し、個人認証装置周囲に設定されるエリア1と、前記エリア1を囲むように一般区域側に設定されるエリア2と、前記エリア1を囲むように管理区域側に設定されるエリア3と、前記エリア2よりも一般区域側に設定されるエリア4と、前記エリア3よりも管理区域側に設定されるエリア5とを設け、前記各エリアの反応の有無に基づいて共連れを検出する。
【0019】
なおこの実施例では、個人認証装置SCN1の周囲に設定されるエリア1を、前記個人認証装置SCN1で照合中の人物(一人)がエリア内におさまるような範囲に設定し、前記エリア1を囲むように設定されるエリア2及びエリア3を、それぞれ通路幅いっぱいに設定した。つまり個人認証装置SCN1の周囲に人間一人がおさまる範囲(矩形形状)のエリア1を設定するとともに、当該エリア1を囲むように通路幅いっぱいに設定したエリア2とエリア3をそれぞれエリア1に隣接して設けた。このときエリア2は、エリア1のサイド側のエリアと、エリア1よりも一般区域側のエリアとからなり、L形状(L字を180°回転させた形状)をなす。またエリア3は、エリア1のサイド側のエリアと、エリア1よりも管理区域側のエリアとからなり、L形状(L字を90°回転させた形状)をなす。
そして前記エリア2外側(エリア2より一般区域側)には、当該エリア2に隣接するようにして認証領域境界(第1停止線)までの範囲に矩形形状のエリア4を通路幅いっぱいに設し、前記エリア3外側(エリア3より)には、当該エリア3に隣接するようにして認証領域境界(第2停止線)までの範囲に矩形形状のエリア5を通路幅いっぱいに設定した。
【0020】
そして共連れ検出装置では、共連れ検出用カメラC1から連続して入力される認証領域内の映像を順次画像処理し、前記認証領域に設定されたエリア1〜5の各エリアにおける反応の有無を検知して共連れを検出するにあたって、認証領域内を通過する人物の通過段階(時間経過)に応じた適切な画像処理を行い、共連れを検出する。つまり認証領域を通過する人物の通過段階に応じ、判定過程の異なる処理工程を経、共連れ検出を行う。
この発明の実施例による入退室監視方法における画像処理について、図5〜図14のフローチャートを参照して説明する。
【0021】
認証領域内を通過する人物の通過段階(時間経過)に応じた適切な画像処理し、認証領域に設定したエリア1〜5の各エリアでの反応の有無を検知して共連れを検出するにあたって、認証領域を通って管理区域へ入室する際の共連れを検出する場合、前記通過段階に応じて、待機処理(図6を参照)、または順方向判定処理(図7を参照)、または順方向適正処理(図8を参照)、または順方向脱出処理(図9を参照)といった、処理工程(判定過程)の異なる画像処理を行い、これらの処理工程を経て共連れを検出する。
また認証領域を通って管理区域から退室する際の共連れを検出する場合、前記通過段階に応じて、待機処理(図6を参照)、または逆方向判定処理(図12を参照)、または逆方向適正処理(図13を参照)、または逆方向脱出処理(図14を参照)といった、処理工程(判定過程)の異なる画像処理を行い、これらの処理工程を経て共連れを検出する。
【0022】
この実施例では、認証領域内を通過する人物の通過段階(時間経過)に応じた適切な画像処理をして共連れを検出するため(共連れ判定処理)、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される認証領域内の映像を順次画像処理するにあたって、次の処理(通過段階に応じた画像処理)が何れの処理であるかを判定し、当該判定結果をもとに画像処理を行って共連れを検出する。
まず、次処理が共連れ処理であるか否かを判定し(ステップS1)、YESの場合は「共連れ処理」(図10を参照)によって共連れを検出し、NOの場合はさらに次処理が何れの処理工程であるかの判定を続ける(ステップS2へ)。
ステップS2では、次処理が逆方向脱出処理であるか否かを判定し、YESの場合は「逆方向脱出処理」(図14を参照)をし、NOの場合は次処理が何れの処理工程であるかの判定を続ける(ステップS3へ)。
ステップS3では、次処理が逆方向適正処理であるか否かを判定し、YESの場合は「逆方向適正処理」(図13を参照)をし、NOの場合は次処理が何れの処理工程であるかの判定を続ける(ステップS4へ)。
ステップS4では、次処置が逆方向判定処理であるか否かを判定し、YESの場合は「逆方向判定処理」(図12を参照)をし、NOの場合は次処理が何れの処理工程であるかの判定を続ける(ステップS5へ)。
ステップS5では、次処理が順方向脱出処理であるか否かを判定し、YESの場合は「順方向脱出処理」(図9を参照)をし、NOの場合は次処理が何れの処理工程であるかの判定を続ける(ステップS6へ)。
ステップS6では、次処理が順方向適正処理であるか否かを判定し、YESの場合は「順方向適正処理」(図8を参照)をし、NOの場合は次処理が何れの処理工程であるかの判定を続ける(ステップS7へ)。
ステップS7では、次処理が順方向判定処理であるか否かを判定し、YESの場合は「順方向判定処理」(図7を参照)をし、NOの場合は次処理として「待機処理」(図6を参照)をする(ステップS8)。
なお初期状態では、次処理が共連れ処理、順方向判定処理、順方向適正処理、順方向脱出処理、逆方向判定処理、逆方向適正処理、逆方向脱出処理の何れでもないため、次処理は待機処理となる。
【0023】
図6のフローチャートを参照して、待機処理における画像処理を説明する。
待機処理では、まず外部インターフェースにより「待機中」という内容を出力し(ステップT1)、その後、エリア2の反応の有無を判定するとともに(ステップT2)、エリア3の反応の有無を判定する(ステップT3,T6)。
「待機中」という内容を共連れ検出装置1から制御装置2へ出力した場合、つまり共連れ検出装置1によって共連れを検出しなかった場合、制御装置2は前記検出結果に基づき、アラーム警告などの出力をしないよう制御する。
なお外部インターフェースにより「待機中」という内容を出力した場合、例えば、管理区域へ通じる通路に設置したモニタM1の信号表示や、スピーカS1の音声出力により、認証領域への進入を促す指示案内をするように構成してもよい。
【0024】
エリア2の反応の有無(ステップT2)と、エリア3の反応の有無(ステップT3,T6)とを判定し、エリア2の反応があり、かつエリア3の反応もある場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を「共連れ処理」として画像処理を続行する(ステップT4)。
エリア2の反応はあるが、エリア3の反応が無い場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を「順方向判定処理」として画像処理を続行する(ステップT5)。一方、エリア2の反応はないが、エリア3の反応がある場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を「逆方向判定処理」として画像処理を続行する(ステップT7)。
さらにエリア2とエリア3の何れのエリアにも反応がない場合、エリア1の反応の有無を判定し(ステップT8)、エリア1に反応がある場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を「共連れ処理」として画像処理を続行する(ステップT9)。
そして、エリア2とエリア3とエリア1の何れのエリアにも反応がない場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を再び「待機処理」として画像処理を続行する(ステップT10)。
【0025】
図7のフローチャートを参照して、順方向判定処理における画像処理を説明する。
順方向判定処理では、外部インターフェースにより「順方向の判定処理中」という内容を出力し(ステップF1)、その後、停止線越え判定処理1と停止線越え判定処理2(図11を参照)との2つの判定処理を経た後(ステップF2,F3)、エリア3の反応の有無(ステップF4)と、エリア2の反応の有無(ステップF6)と、エリア1の反応の有無(ステップF8)とをそれぞれ判定する。
「順方向の判定処理中」という内容を共連れ検出装置1から制御装置2へ出力した場合、つまり共連れ検出装置1によって共連れを検出しなかった場合、制御装置2は前記検出結果に基づき、アラーム警告などの出力をしないよう制御する。
【0026】
順方向判定処理において、エリア3に反応がある場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を「共連れ処理」として画像処理を続行する(ステップF5)。
エリア3に反応はない場合、エリア2の反応の有無を判定し(ステップF6)、エリア2に反応がある場合、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を再び「順方向判定処理」として画像処理を続行する(ステップF7)。一方、エリア3とエリア2の反応がない場合は、エリア1の反応の有無を判定し(ステップF8)、エリア1の反応がある場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を「順方向適正処理」として画像処理を続行する(ステップF9)。またエリア3とエリア2とエリア1の何れのエリアにも反応がない場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を「待機処理」として画像処理を続行する(ステップF10)。
【0027】
図8のフローチャートを参照して、順方向適正処理における画像処理を説明する。
順方向適正処理では、外部インターフェースにより「順方向の判定結果が適正である」という内容を出力し(ステップF11)、その後、停止線越え判定処理1と停止線越え判定処理2(図11を参照)との2つの判定処理を経た後(ステップF12,F13)、エリア3の反応の有無(ステップF14)と、エリア2の反応の有無(ステップF16)と、エリア1の反応の有無(ステップF17)とをそれぞれ判定する。
「順方向の判定処理が適正である」という内容を共連れ検出装置1から制御装置2へ出力した場合、つまり共連れ検出装置1によって共連れを検出しなかった場合、制御装置2は前記検出結果に基づき、アラーム警告などの出力をしないよう制御する。
【0028】
順方向適正処理において、エリア3の反応がある場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を「順方向脱出処理」として画像処理を続行する(ステップF15)。
エリア3に反応がない場合は、エリア2で反応の有無を判定し(ステップF16)、エリア2に反応がある場合、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を再び「順方向適正処理」として画像処理を続行する(ステップF18)。エリア3とエリア2の反応がない場合は、エリア1の反応の有無を判定し(ステップF17)、エリア1の反応がある場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を再び「順方向適正処理」として画像処理を続行し(ステップF18)、エリア3とエリア2とエリア1の何れのエリアにも反応がない場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を「待機処理」として画像処理を続行する(ステップF19)。
【0029】
図9のフローチャートを参照して、順方向脱出処理における画像処理を説明する。
順方向脱出処理では、外部インターフェースにより「順方向の判定結果が適正である」という内容を出力し(ステップF21)、その後、停止線越え判定処理1と停止線越え判定処理2(図11を参照)との2つの判定処理を経た後(ステップF22,F23)、エリア2の反応の有無(ステップF24)と、エリア1の反応の有無(ステップF26)と、エリア3の反応の有無(ステップF27)とをそれぞれ判定する。
「順方向の判定結果が適正である」という内容を共連れ検出装置1から制御装置2へ出力した場合、つまり共連れ検出装置1によって共連れを検出しなかった場合、制御装置2は前記検出結果に基づき、アラーム警告などの出力をしないよう制御する。
【0030】
順方向脱出処理において、エリア2に反応がある場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を「共連れ処理」として画像処理を続行する(ステップF25)。
エリア2に反応がない場合は、エリア1で反応の有無を判定し(ステップF26)、エリア1に反応がある場合、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を再び「順方向脱出処理」として画像処理を続行する(ステップF28)。エリア2とエリア1の反応がない場合は、エリア3の反応の有無を判定し(ステップF27)、エリア3の反応がある場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を再び「順方向脱出処理」として画像処理を続行し(ステップF28)、エリア3とエリア2とエリア1の何れのエリアにも反応がない場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を「待機処理」として画像処理を続行する(ステップF29)。
【0031】
図10のフローチャートを参照して、共連れ処理における画像処理を説明する。
共連れ処理では、外部インターフェースにより「判定結果が共連れである」という内容を出力する(ステップS11)。
外部インターフェースにより「判定結果が共連れである」という内容を出力した場合、つまり共連れ検出装置1において共連れが検出された場合、制御装置2の制御によって、管理区域へ通じる通路に設置してあるスピーカS1,S3や、警備室に設置してあるスピーカS5や,管理区域に設置してあるスピーカS6から、アラーム警告(警告音)などを出力して警戒を促す。また前記制御装置2の制御によって、管理区域へ通じる通路に設置してある監視カメラCM1からのカメラ映像(認証領域内の人物のクローズアップ映像)を画像蓄積装置3によって録画するとともに、警備室や管理区域に設置した監視用モニタ4a,4bに前記監視カメラCM1のカメラ映像を表示する。
【0032】
その後、エリア1〜5の何れかの1つのエリアでの反応の有無を判定し(ステップS12)、何れか1つのエリアでの反応がある場合、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を再び「共連れ処理」として画像処理を続行する(ステップS13)。
一方、何れのエリアにも反応がない場合、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を「待機処理」として画像処理を続行する(ステップS14)
【0033】
なお図11のフローチャートを参照して、停止線越え判定処理1と停止線越え判定処理2における画像処理を説明する。
図11(a)に示すように、停止線越え判定処理1では、エリア4の反応の有無を判定し(ステップS21)、反応が検知された場合は、第1停止線外側(一般区域側)での待機を促すよう、例えば、管理区域へ通じる通路に設置してあるスピーカS1から指示案内を音声出力力する(ステップS22)。
また図11(b)に示すように、停止線越え判定処理2では、エリア5の反応の有無を判定し(ステップS31)、反応が検知された場合は、第2停止線外側(管理区域側)での待機を促すよう、例えば、管理区域へ通じる通路に設置してあるスピーカS2から指示案内を音声出力する(ステップS32)。
【0034】
続いて、図12のフローチャートを参照して、逆方向判定処理における画像処理を説明する。
逆方向判定処理では、外部インターフェースにより「逆方向の判定処理中」という内容を出力し(ステップR1)、その後、停止線越え判定処理1と停止線越え判定処理2(図11を参照)との2つの判定処理を経た後(ステップR2,R3)、エリア2の反応の有無(ステップR4)と、エリア3の反応の有無(ステップR6)と、エリア1の反応の有無(ステップR8)とをそれぞれ判定する。
「逆方向の判定処理中」という内容を共連れ検出装置1から制御装置2へ出力した場合、つまり共連れ検出装置1によって共連れを検出しなかった場合、制御装置2は前記検出結果に基づき、アラーム警告などの出力をしないよう制御する。
【0035】
逆方向判定処理において、エリア2に反応がある場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を「共連れ処理」として画像処理を続行する(ステップR5)。
エリア2に反応はない場合、エリア3の反応の有無を判定し(ステップR6)、エリア3に反応がある場合、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を再び「逆方向判定処理」として画像処理を続行する(ステップR7)。一方、エリア2とエリア3の反応がない場合は、エリア1の反応の有無を判定し(ステップR8)、エリア1の反応がある場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を「逆方向適正処理」として画像処理を続行する(ステップR9)。またエリア2とエリア3とエリア1の何れのエリアにも反応がない場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を「待機処理」として画像処理を続行する(ステップR10)。
【0036】
図13のフローチャートを参照して、逆方向適正処理における画像処理を説明する。
逆方向適正処理では、外部インターフェースにより「逆方向の判定結果が適正である」という内容を出力し(ステップR11)、その後、停止線越え判定処理1と停止線越え判定処理2(図11を参照)との2つの判定処理を経た後(ステップR12,R13)、エリア2の反応の有無(ステップR14)と、エリア3の反応の有無(ステップR16)と、エリア1の反応の有無(ステップR17)とをそれぞれ判定する。
「逆方向の判定結果が適正である」という内容を共連れ検出装置1から制御装置2へ出力した場合、つまり共連れ検出装置1によって共連れを検出しなかった場合、制御装置2は前記検出結果に基づき、アラーム警告などの出力をしないよう制御する。
【0037】
逆方向適正処理において、エリア2の反応がある場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を「逆方向脱出処理」として画像処理を続行する(ステップR15)。
エリア2に反応がない場合は、エリア3で反応の有無を判定し(ステップR16)、エリア3に反応がある場合、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を再び「逆方向適正処理」として画像処理を続行する(ステップR18)。エリア2とエリア3の反応がない場合は、エリア1の反応の有無を判定し(ステップR17)、エリア1の反応がある場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を再び「逆方向適正処理」として画像処理を続行し(ステップR18)、エリア2とエリア3とエリア1の何れのエリアにも反応がない場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を「待機処理」として画像処理を続行する(ステップR19)。
【0038】
図14のフローチャートを参照して、逆方向脱出処理における画像処理を説明する。
逆方向脱出処理では、外部インターフェースにより「逆方向の判定結果が適正である」という内容を出力し(ステップR21)、その後、停止線越え判定処理1と停止線越え判定処理2(図11を参照)との2つの判定処理を経た後(ステップR22,R23)、エリア3の反応の有無(ステップR24)と、エリア1の反応の有無(ステップR26)と、エリア2の反応の有無(ステップR27)とをそれぞれ判定する。
「逆方向の判定結果が適正である」という内容を共連れ検出装置1から制御装置2へ出力した場合、つまり共連れ検出装置1によって共連れを検出しなかった場合、制御装置2は前記検出結果に基づき、アラーム警告などの出力をしないよう制御する。
【0039】
逆方向脱出処理において、エリア3に反応がある場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を「共連れ処理」として画像処理を続行する(ステップR25)。
エリア3に反応がない場合は、エリア1で反応の有無を判定し(ステップR26)、エリア1に反応がある場合、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を再び「逆方向脱出処理」として画像処理を続行する(ステップR28)。エリア3とエリア1の反応がない場合は、エリア2の反応の有無を判定し(ステップR27)、エリア2の反応がある場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を再び「逆方向脱出処理」として画像処理を続行し(ステップR28)、エリア2とエリア3とエリア1の何れのエリアにも反応がない場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を「待機処理」として画像処理を続行する(ステップR29)。
【0040】
続いて図15乃至図17を参照して、この発明の第2実施例による入退室監視方法を利用したセキュリティシステムを説明する。
この実施例では、図15に示すように、管理区域へ通じる通路を中央で左右2つに隔て、左側通路を、主に管理区域へ入室するときに通行する通路とし、右側通路を、主に管理区域から退室するときに通行する通路とし、前記左右通路にそれぞれ、管理区域の入退室管理をする個人認証装置SCN1,SCN2を設置した。また認証領域境界に、それぞれ第1停止線と第2停止線とを設けた。
なおこの実施例では、通路を左右に隔て、各通路にそれぞれ個人認証装置を設置する以外は、第1実施例と同様な構成とした。
【0041】
図15に示すように、一般区域から管理区域へ向かうときの認証領域入口(左側通路の第1停止線)付近には、管理区域へ入室する人物に対する指示案内を出力(信号表示・音声出力)するためのモニタM1とスピーカS1とが設置され、認証領域出口付近(左側通路の第2停止線)付近には認証領域を通過する人物のクローズアップ映像を撮影する監視カメラCM1と、認証領域内の人物に対する指示案内やアラーム警告を出力するためのスピーカS3とが設置されているとともに、管理区域から一般区域へ向かうときの認証領域入口(右側通路の第2停止線)付近には、管理区域から退室する人物に対する指示案内を出力(信号表示・音声出力)するためのモニタM2とスピーカS2とが設置され、認証領域出口付近(右側通路の第1停止線)付近には認証領域を通過する人物のクローズアップ映像を撮影する監視カメラCM2と、認証領域内の人物に対する指示案内やアラーム警告を出力するためのスピーカS4が設置されている。
【0042】
図16は、第2実施例による入退室監視システムの構成を示す図である。
管理区域へ通じる通路を左右2つに隔て、左側通路(主に管理区域へ入室するときに通行する通路)と、右側通路(主に管理区域から退室するときに通行する通路)とにそれぞれ個人認証装置SCN1,SCN2を設置した第2実施例では、管理区域への入室許可者であるか否かを照合する個人認証装置(例えばカードリーダや個人照合装置など)SCN1の周辺の認証領域(左側通路の認証領域)と,個人認証装置SCN2の周辺の認証領域(右側通路の認証領域)とを上方から撮影する共連れ検出用カメラC1と、前記共連れ検出用カメラC1からの入力映像に基づいて共連れを検出する共連れ検出装置1と、前記個人認証装置SCN1,SCN2の照合結果と、共連れ検出装置1の検出結果とに基づいて、アラーム警告(警告音)などの出力を制御する制御装置(コンピュータ等)2とを備える。
【0043】
また第1実施例と同様に、前記制御装置2には、管理区域へ通じる通路に設置されたスピーカS1〜S4や、モニタM1,M2が接続されるとともに、警備室に設置されたスピーカS5や、管理区域に設置されたスピーカS6が接続され、前記個人認証装置SCN1の照合結果と、共連れ検出装置1の検出結果とに基づいて、認証領域を通って管理区域へ入室する人物または、認証領域を通って管理区域から退室する人物に対する指示案内の出力(音声出力・信号表示)を制御し、アラーム警告(警告音)の出力を制御する。
また管理区域へ通じる通路に設置された監視カメラCM1,CM2のカメラ映像(認証領域を通過する入室者のクローズアップ映像、または退室者のクローズアップ映像)は、前記制御装置2の制御によって、画像蓄積装置3に録画されるとともに、警備室に設置されている監視用モニタ4aや管理区域に設置されている監視用モニタ4bに表示される。この実施例では、前記個人認証装置SCN1,SCN2の照合結果と、共連れ検出装置1の検出結果とに基づいて、非許可者であると判定した場合や共連れを検出した場合に、監視カメラCM1,CM2のカメラ映像を蓄積(録画)するとともに、監視用モニタ4a,4bに表示するように構成した。
【0044】
なおこの実施例では、通路中央の天井に設置した一台の共連れ検出用カメラC1によって、左側通路の認証領域と右側通路の認証領域とを同時に撮影し、前記右側通路及び左側通路の双方の認証領域を含むカメラ映像を取得した。
【0045】
図17(a)に、共連れ検出用カメラC1のカメラ映像をもとに左側通路の認証領域に設定したエリア1〜5(1L〜5L)を示すとともに、図17(b)に、右側通路の認証領域に設定したエリア1〜5(1R〜5R)を示す。
共連れ検出用カメラC1から入力された映像(認証領域内の映像)を画像処理し、共連れを検出するにあたって、図17(a)に示すように、左側通路の認証領域を5つに区画し、個人認証装置周囲に設定されるエリア1Lと、前記エリア1Lを囲むように一般区域側に設定されるエリア2Lと、前記エリア1Lを囲むように管理区域側に設定されるエリア3Lと、前記エリア2Lよりも一般区域側に設定されるエリア4Lと、前記エリア3Lよりも管理区域側に設定されるエリア5Lとを設け、前記各エリアの反応の有無に基づいて共連れを検出する。
同様にして、共連れ検出用カメラC1から入力された映像(認証領域内の映像)を画像処理し、共連れを検出するにあたって、図17(b)に示すように、右側通路の認証領域を5つに区画し、個人認証装置周囲に設定されるエリア1Rと、前記エリア1Rを囲むように一般区域側に設定されるエリア2Rと、前記エリア1Rを囲むように管理区域側に設定されるエリア3Rと、前記エリア2Rよりも一般区域側に設定されるエリア4Rと、前記エリア3Rよりも管理区域側に設定されるエリア5Rとを設け、前記各エリアの反応の有無に基づいて共連れを検出する。
【0046】
そしてこの実施例では、左側通路の認証領域に設定したエリア1L〜5Lの各エリアにおける反応の有無を検知し、認証領域内を通って管理区域へ入室する人物の通過段階(認証領域の通過段階)に応じた適切な画像処理を行い、左側通路の認証領域における共連れを検出し、右側通路の認証領域に設定したエリア1R〜5Rの各エリアにおける反応の有無を検知し、認証領域内を通って管理区域から退室する人物の通過段階(認証領域の通過段階)に応じた適切な画像処理を行い、右側通路における共連れを検出した。
【0047】
つまり、左側通路の認証領域を通って管理区域へ入室する際の共連れを検出する場合、左側通路の認証領域に設定したエリア1〜5(エリア1L〜5L)の反応の有無を検知し、待機処理(図6を参照)、または順方向判定処理(図7を参照)、または順方向適正処理(図8を参照)、または順方向脱出処理(図9を参照)といった、処理工程(判定過程)の異なる画像処理を行い、これらの処理工程を経て共連れを検出する。
また右側通路の認証領域を通って管理区域から退室する際の共連れを検出する場合、右側通路の認証領域に設定したエリア1〜5(エリア1R〜5R)の反応の有無を検知し、前記通過段階に応じて、待機処理(図6を参照)、または逆方向判定処理(図12を参照)、または逆方向適正処理(図13を参照)、または逆方向脱出処理(図14を参照)といった、処理工程(判定過程)の異なる画像処理を行い、これらの処理工程を経て共連れを検出する。
【0048】
さらに図18及び図19を参照し、図15に示す実施例(第2実施例)における共連れ検出用カメラの設置例と、認証領域の区画例(左側通路の認証領域に設定されるエリア1L〜5L)の設定例について、他の例を説明する。
【0049】
図18に示す実施例では、通路中央の天井に設置した一台の共連れ検出用カメラC1で認証領域を撮影し、当該共連れ検出用カメラC1のカメラ映像をもとに共連れ検出装置1で共連れを検出するにあたって、通路に設置した個人認証装置SCN1から通路中心線に向かって延びる垂線と、通路中心線とが交差する地点の天井に共連れ検出用カメラC1を設定した。(図18(a)を参照)
また前記カメラ映像をもとに左側通路の認証領域を5つに区画するにあたって(図18(b)を参照)、左側通路の通路壁面に付けて設置された個人認証装置SCN1の周囲に、1人の人物が納まる程度のエリア1(1L)を設定した。つまり個人認証装置SCN1で照合中の人物は充分おさまるが、その他の人物はおさまらない程度の範囲にエリア1(1L)を設定した。
なおエリア1(1L)は通路幅いっぱいに設定せず、当該エリア1(1L)を囲むようにエリア2(2L)とエリア3(3L)をそれぞれエリア1に隣接して設けた。このときエリア2(2L)は、エリア1(1L)のサイド側のエリアと、エリア1(1L)よりも一般区域側のエリアとからなり、L形状(L字を180°回転させた形状)をなす。またエリア3(3L)は、エリア1(1L)のサイド側のエリアと、エリア1(1L)よりも管理区域側のエリアとからなり、L形状(L字を90°回転させた形状)をなす。
そして前記エリア2(2L)外側に、当該エリア2に隣接するようにして認証領域境界(第1停止線)までの範囲に、矩形形状のエリア4(4L)を通路幅いっぱいに設定し、前記エリア3(3L)外側に、当該エリア3に隣接するようにして認証領域境界(第2停止線)までの範囲に、矩形形状のエリア5(5L)を通路幅いっぱいに設定した。
【0050】
共連れ検出用カメラのカメラ映像をもとに共連れを検出する場合、カメラの設置(台数・配置・傾ける角度(撮影方向))によっては認証領域全体を撮影することができなかったり、認証領域内に存在する人物の映像の陰(死角)によって、認証領域に設定した各エリアでの反応を検知できない虞がある。
そこで通路天井に共連れ検出用カメラ設置するにあたって、(1)認証領域の全体の映像を取得できることが望まれるとともに、(2)認証領域を通過する人物の映像の陰となって反応の有無を検知できない範囲(死角)が狭いこと、特に個人認証装置SCN1で照合中の人物の立ち位置(エリア1の範囲)において、エリア1内での反応の有無を検知できない範囲(死角)を狭くすることが望まれる。
【0051】
そこで図19に示す実施例では、通路中央の天井に設置した二台の共連れ検出用カメラC2,C3で認証領域を撮影し、これら二台の共連れ検出用カメラC2,C3のカメラ映像をもとに共連れ検出装置1で共連れを検出するにあたって、通路に設置した個人認証装置SCN1で照合中の人物のつま先に沿って延びる水平線と、通路中心線とが交差する地点の天井に共連れ検出用カメラC2を設定するとともに、通路に設置した個人認証装置SCN1で照合中の人物の後頭部に沿って延びる水平線と、通路中心線とが交差する地点の天井に共連れ検出用カメラC3を設置した(図19(a)を参照)。
【0052】
また前記カメラ映像をもとに左側通路の認証領域を5つに区画するにあたって(図19(b)を参照)、左側通路の通路壁面に付けて設置された個人認証装置SCN1の周囲に、当該個人認証装置SCN1で照合中の人物のつま先に沿って延びる水平線と、照合中の人物の後頭部に沿って延びる水平線とに囲まれ、個人認証装置SCN1で照合中の人物一人がおさまるような比較的小さな範囲のエリア1(1L)を設定した。
なおエリア1(1L)は通路幅いっぱいに設定せず、当該エリア1(1L)を囲むようにエリア2(2L)とエリア3(3L)をそれぞれエリア1に隣接して設けた。このときエリア2(2L)は、エリア1(1L)のサイド側のエリアと、エリア1(1L)よりも一般区域側のエリアとからなり、L形状(L字を180°回転させた形状)をなす。またエリア3(3L)は、エリア1(1L)のサイド側のエリアと、エリア1(1L)よりも管理区域側のエリアとからなり、L形状(L字を90°回転させた形状)をなす。
そして前記エリア2(2L)外側には、当該エリア2に隣接するようにして認証領域境界(第1停止線)までの範囲に矩形形状のエリア4(4L)を通路幅いっぱいに設定し、前記エリア3(3L)外側には、当該エリア3に隣接するようにして認証領域境界(第2停止線)までの範囲に、矩形形状のエリア5(5L)を通路幅いっぱいに設定した。
【0053】
さらに、この発明の第3実施例による入退室監視方法における画像処理について、図20及び図21を参照して説明する。
【0054】
図20及び図21に示す実施例では、共連れ検出用カメラから逐次入力されるカメラ映像を共連れ検出装置1で画像処理し、認証領域内に設定したエリア1〜5の各エリアの反応の有無を検知し、認証領域を通過する人物の通過段階に対応した適切な共連れ検出を行うにあたって、エリア1の反応の有無を検知する際に、エリア1内の画像を処理して縦方向の射影パターンと横方向の射影パターンとを検出し、当該射影パターンの分布に基づいてエリア1内の人数を判定した。
例えば、エリア1を画像処理して縦方向の射影の山の数と横方向の射影の山の数とを検出し、射影の山の数が多く検出された方(縦方向若しくは横方向)の射影の数に基づいてエリア1内の人数を判定し、複数の射影の山が検出された場合(つまり縦方向または横方向の何れかの射影の山の数が複数の場合)、エリア1内に複数人が存在すると判断して、次処理を共連れ処理とする。また例えば、エリア1を画像処理して検出した縦方向及び横方向の射影の山の大きさに基づき、何れかの射影の山の大きさが予め設定してある閾値よりも大きい場合、エリア1内に複数人が密着して存在すると判断して、次処理を共連れ処理とする。
なお同様にして、エリア2(またはエリア3)の反応の有無を検知する際も、エリア2(またはエリア3)内の画像を処理して縦方向の射影パターンと横方向の射影パターンとを検出し、当該射影パターンの分布に基づいてエリア2(またはエリア3)内の人数を判定し、エリア2(またはエリア3)内に複数の人物が検出された場合、次処理を共連れ処理とするものである。
【0055】
図20は、この実施例による共連れ検出装置1のブロック図を示すものである。
図20に示す共連れ検出装置は、共連れ検出用カメラC1のカメラ映像を画像処理するにあたって、認証領域を通過する人物の通過段階に対応した適切な処理工程(次処理)を判定し共連れを検出する処理判定部11と、共連れ検出用カメラC1のカメラ映像をもとに、認証領域を5つに区画するエリア1〜5を設定するエリア設定部12と、共連れ検出用カメラのカメラ映像を表示するモニタに、前記エリア設定部12で設定した各エリア(エリア1〜5)の設定範囲や、処理判定部11の判定結果を合成表示する映像合成表示部13と、処理判定部11による判定結果を制御装置2に出力する外部インターフェース部14とを備え、処理判定部11の画像センサ機能によって、認証領域に設定した各エリア(エリア1〜5)の反応の有無を検知し、当該検知結果に基づいて、待機処理、または順方向判定処理、または順方向適正処理、または順方向脱出処理を経て共連れを検出するとともに、待機処理、または逆方向判定処理、または逆方向適正処理、または逆方向脱出処理を経て共連れを検出する。
【0056】
図20に示す共連れ検出装置は、処理判定部11として、各エリア(エリア1〜5)の反応の有無を検知するため、認証領域内(各エリア内)が無人であるときの映像を背景画像として予め保存する背景メモリと、当該背景メモリに保存されている背景画像と、共連れ検出用カメラC1から入力された認証領域(各エリア)の映像とを比較し、背景画像と異なる映像のみを抽出し差分画像を生成する差分画像生成部と、差分画像生成部で生成された差分画像について、オペレータが予め設定した閾値に基づいて2値化処理するしきい値処理部と、2値化処理された画像データ(差分画像を2値化処理した画像データ)から、オペレータが予め設定したエリア1〜5の設定範囲に基づき、画像センス領域(エリア1〜5)の画像データのみを取得する判定領域限定部と、エリア1の画像データ、またはエリア2の画像データ、またはエリア3の画像データについて縦方向の射影を計算する縦射影計算部及び横方向の射影を計算する横射影計算部と、前記各射影計算部から入力された射影データをそれぞれ平滑化する縦射影平滑部及び横射影平滑部と、前記各射影平滑部から入力された平滑データをもとに、「無人」「一人のみ検知」「複数人検知」を判定して共連れを検出する共連れ判定処理部とを備える。
【0057】
縦射影計算部及び縦射影平滑部では、図21に示すように、例えばエリア1(若しくはエリア2、若しくはエリア3)の画像データ(差分画像を2値化処理した2値画像のエリア該当部分)を縦方向に走査して、輝度分布によるピークの数(以下、縦方向の射影の山の数という)を取得するとともに(縦方向の走査による輝度分布のグラフを参照)、エリア1(若しくはエリア2、若しくはエリア3)の画像データ(差分画像を2値化処理した2値画像のエリア該当部分)を横方向に走査して、当該走査方向による輝度分布のピークの数(以下、横方向の射影の山の数という)を取得する(横方向の走査による輝度分布のグラフを参照)。
【0058】
図21において、縦方向の走査による輝度分布を示すグラフは、縦方向に走査した画像データの座標位置(X座標系)をx軸にとり、その輝度分布をz軸にとってグラフ化し、縦方向の射影の山を検出したものである。横方向の走査による輝度分布を示すグラフは、横方向に走査した画像データの座標位置(Y座標系)をy軸にとり、輝度分布をz軸にとってグラフ化し、横方向の射影の山を検出したものである。
そして前記縦方向及び横方向の射影の山の数と、縦方向及び横方向の射影の山の大きさとに基づいて、エリア1(若しくはエリア2、若しくはエリア3)内に存在する人物を検出し、当該エリア内について「無人」「一人のみ検知」「複数人検知」の何れかを判定する。
前記縦方向または縦方向の何れか射影の山の数が複数であるか、または前記縦方向または縦方向の何れかの射影の山の大きさが予め設定してある閾値よりも大きく、エリア内で複数の人物が検知されたと判定した場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を「共連れ処理」として画像処理を続行する(図10を参照)。
【0059】
なお図20に示す共連れ検出装置は、処理判定部11において判定処理を行う画像センス領域(認証領域を5つに区画するエリア1〜5)を設定するため、グラフィックメモリを備えたエリア設定部12を有する。また、共連れ検出用カメラC1から入力されたカメラ映像と、オペレータが設定した画像センス領域(認証領域を5つに区画するエリア1〜5)の表示を合成する映像合成部を備える映像合成表示部13を有する。
またこの実施例では、画像センス領域(認証領域を5つに区画するエリア1〜5)を設定するにあたって、共連れ検出用カメラC1のカメラ映像を表示する映像表示手段(モニタ)と、オペレータの操作によって前記モニタに表示された映像上に任意の座標を指定する座標指定手段(カーソル表示部)と、前記座標指定手段によって指定した座標に基づき任意の矩形、若しくは任意の多角形(例えば、L形状)、若しくは任意の曲線図形を合成表示する手段(映像合成部)とを設けたことによって、モニタに表示された認証領域の映像をもとに、オペレータは目視しながら当該モニタ映像上に画像センス領域(認証領域を5つに区画するエリア1〜5)を設定することができる。
さらに、装置フロントパネルに、認証領域内に設定したエリア1〜5の座標値や、当該各エリアの反応の有無を検知する感度の閾値など各種設定を行うための操作部が設けられ、オペレータは当該操作部を操作して各種設定値の設定を行う。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】この発明の第1実施例による入退室監視方法を利用したセキュリティシステムの説明図(通路)である。
【図2】この発明の第1実施例による入退室監視方法を利用したセキュリティシステムの説明図(警備室,管理区域)である。
【図3】この発明の第1実施例による入退室監視システムの構成図である。
【図4】認証領域を区画する5つのエリア(エリア1〜5)を示す説明図である。
【図5】入退室監視方法における画像処理を説明するフローチャートである。
【図6】待機処理における処理工程を説明するフローチャートである。
【図7】順方向判定処理における処理工程を説明するフローチャートである。
【図8】順方向適正処理における処理工程を説明するフローチャートである。
【図9】順方向脱出処理における処理工程を説明するフローチャートである。
【図10】共連れ処理における処理工程を説明するフローチャートである。
【図11】停止線越え判定処理における処理工程を説明するフローチャートである。
【図12】逆方向判定処理における処理工程を説明するフローチャートである。
【図13】逆方向適正処理における処理工程を説明するフローチャートである。
【図14】逆方向脱出処理における処理工程を説明するフローチャートである。
【図15】この発明の第2実施例による入退室監視方法を利用したセキュリティシステムの説明図(通路)である。
【図16】この発明の第2実施例による入退室監視システムの構成図である。
【図17】第2実施例において、認証領域を区画する5つのエリア(エリア1〜5)を示す説明図である。
【図18】共連れ検出用カメラの設置例と、エリア1〜5の設定例を示す図である。
【図19】図18の他の例を示す図である。
【図20】この発明の第3実施例による入退室監視方法で使用する共連れ検出装置のブロック図である。
【図21】第3実施例における共連れ検出を説明する図である。
【符号の説明】
【0061】
SCN1,SCN2 個人認証装置
C1,C2,C3 共連れ検出用カメラ
M1,M2 モニタ
S1〜S6 スピーカ
CM1,CM2 監視カメラ
S1〜S6 スピーカ
1 共連れ検出装置
2 制御装置
3 画像蓄積装置
4a,4b 監視用モニタ
11 処理判定部
12 エリア設定部
13 映像合成表示部
14 外部インターフェース部
【技術分野】
【0001】
本発明は、管理区域への入退室を監視するセキュリティシステムにおいて、特に、入室許可者に同伴する非許可者の不正入室(共連れ)を検知・警告する入退室監視方法及び監視システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
機密事項を扱う研究施設や情報管理室、高価な財産(高額貨幣、貴金属品など)、および取扱いを制限されたもの(危険物、薬物なと)を保管する部屋(以下、管理区域という)への入退室は厳重に管理する必要があり、様々なセキュリティシステムが導入されている。
例えば管理区域へ入室する際、IDカードや暗証番号による照合や、指紋照合や虹彩照合によって入室許可者本人であるか否かを判定し、その照合結果をもとに管理区域への入退室を管理するセキュリティシステムが知られている。
指紋照合や虹彩照合などによる高度な個人認証装置を使用したセキュリティシステムでは、入室許可者本人であるか否かを厳密に照合することができるため、非許可者による管理区域への不正入室を防止することができる。しかしながら、個人認証装置で照合を行った入室許可者に同伴して非許可者が管理区域へ不正入室すること(以下、「共連れ」という)を検知・警告できなかった。
【0003】
そこで管理区域へ通じる通路に個人認証装置を設置し、当該個人認証装置の照合結果をもとに管理区域への入退室管理を行うとともに、前記個人認証装置を設置した通路に赤外線センサを複数設置し、個人認証装置を設置した通路に複数人が通過したときはアラーム警告するなどして共連れを検知・警告するセキュリティシステムが提案されている。
また管理区域の手前に人間一人のみが存在可能であるスペースの認証室を設け、その認証室に個人認証装置を設置し、当該認証装置で照合された入室許可者のみが管理区域へ入室できるように構成することによって、共連れを不可能とするセキュリティシステムが提案されている(例えば特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2000−315290号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、個人認証装置と赤外線センサを併用したセキュリティシステムでは、例えば、個人認証装置を設置してある通路を入室許可者と非許可者とが前後または左右に密接しながら通過した場合、赤外線センサによる検知能力では密接した入室許可者と非許可者とを複数人と認識することができず、共連れを検出することができなかった。
また、人間一人のみが存在可能なスペースの認証室を通って管理区域に入室するよう構成した場合、例えば、管理区域に大きな荷物を搬入しなければならない場合や、管理区域に大勢の見学者を案内する場合などの例外に対する措置が困難であった。さらに体重センサなどを設置して認証室に人間一人しか存在できないようにするシステムも提案されているが、設備及び調整が大掛かりで、高価だった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで本発明による入退室監視方法は、管理区域へ通じる通路に設置した個人認証装置の照合結果に基づいて管理区域への入退室管理をするとともに、前記個人認証装置周辺の認証領域を上方から撮影したカメラ映像に基づいて共連れを検出する入退室監視方法において、前記認証領域の映像を画像処理するにあたって、認証領域を5つに区画し、個人認証装置周囲に設定されるエリア1と、前記エリア1を囲むように一般区域側に設定されるエリア2と、前記エリア1を囲むように管理区域側に設定されるエリア3と、前記エリア2よりも一般区域側に設定されるエリア4と、前記エリア3よりも管理区域側に設定されるエリア5とを設け、前記各エリアの反応の有無に基づいて、待機処理、または順方向判定処理、または順方向適正処理、または順方向脱出処理をし、管理区域へ入室する際の共連れを検出する入退室監視方法であって、待機処理の状態において、エリア2のみに反応が生じた場合の次処理を順方向判定処理とし、エリア2とともにエリア3にも反応がある場合の次処理を共連れ処理とする工程と、順方向判定処理の状態において、エリア4またはエリア5で反応が生じた場合は当該エリア内の人物に対して認証領域外へ出るよう指示案内をした後、エリア3で反応が生じた場合の次処理を共連れ処理とし、エリア2で反応がある場合の次処理を再び順方向判定処理とし、エリア2の反応がなくなりエリア1で反応が生じた場合の次処理を順方向適正処理とする工程と、順方向適正処理の状態において、エリア4またはエリア5で反応が生じた場合は当該エリア内の人物に対して認証領域外へ出るよう指示案内をした後、エリア3で反応が生じた場合の次処理を順方向脱出処理とし、エリア3の反応がなくエリア2またはエリア1の何れかに反応がある場合の次処理を再び順方向適正処理とする工程と、順方向脱出処理の状態において、エリア4またはエリア5で反応が生じた場合は当該エリア内の人物に対して認証領域外へ出るよう指示案内をした後、エリア2で反応が生じた場合の次処理を共連れ処理とし、エリア2の反応がなくエリア1またはエリア3の何れかに反応がある場合の次処理を再び順方向脱出処理とする工程とを経、共連れを検出する。
【0006】
また本発明による入退室監視システムは、管理区域への入室許可者であるか否かを照合する個人認証装置と、通路に設置された個人認証装置周辺の認証領域を上方から撮影する共連れ検出用カメラと、前記共連れ検出用カメラからの入力映像に基づいて共連れを検出する共連れ検出装置と、前記個人認証装置の照合結果と、共連れ検出装置の検出結果とに基づいて、アラーム警告を制御する制御装置とからなる入退室監視システムであって、認証領域の映像を画像処理して共連れを検出するにあたって、前記認証領域を5つに区画し、個人認証装置周囲に設定されるエリア1と、前記エリア1を囲むように一般区域側に設定されるエリア2と、前記エリア1を囲むように管理区域側に設定されるエリア3と、前記エリア2よりも一般区域側に設定されるエリア4と、前記エリア3よりも管理区域側に設定されるエリア5とを設けるとともに、前記各エリアの反応の有無に基づいて、待機処理と順方向判定処理と順方向適正処理と順方向脱出処理とを経、若しくは待機処理と逆方向判定処理と逆方向適正処理と逆方向脱出処理とを経、共連れを検出するものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明による入退室監視方法及び監視システムでは、個人認証装置を使用して管理区域への入退室を管理するセキュリティシステムにおいて、管理区域の手前に非常に小さなスペースの認証室を設けたり、個人認証装置の照合結果に基づいて扉の開閉が制御される認証室を設けたりすることなく、管理区域へと通じる通路に個人認証装置を設置し、当該個人認証装置周辺の所定の範囲(認証領域)を上方から撮影したカメラ映像に基づき共連れを検出することができ、例えば、大きな荷物を搬入する場合や、大勢の見学者を案内する場合などの例外措置に対応することが容易である。また前記認証領域を撮影したカメラ映像をもとに共連れが検出できるため、設備費が安価である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明による入退室監視方法及び監視システムの好適な実施例について、図面を参照して説明する。
本発明による入退室監視方法を利用したセキュリティシステムは、管理区域へ通じる通路に個人認証装置を設置し、当該個人認証装置の照合結果をもとに管理区域への入退室を管理するとともに、前記個人認証装置周辺の所定の範囲を撮影したカメラ映像に基づいて共連れを検出し、共連れが検出された場合はアラーム警告するなどして、共連れによる管理区域への不正入室を検知・警告するものである。
そして例えば、大きな荷物を搬入する場合や、大勢の見学者を案内する場合は、共連れ検出時のアラーム警告をOFFできるよう構築することによって、例外措置に対して容易に対処できる。
【0009】
図1から図4を参照して、この発明の第1実施例による入退室監視方法を利用したセキュリティシステムを説明する。
【0010】
図1は、管理区域へ通じる通路を示す図である。
図1に示す実施例では、管理区域へ通じる通路に一台の個人認証装置SCN1を設置し、当該個人認証装置SCN1の照合結果をもとに管理区域への入退室を管理する。なお個人認証装置SCN1は、通行の妨げにならないよう通路壁面に付けて設置した。
また管理区域へ通じる通路に設置した個人認証装置SCN1の周辺の所定範囲を上方から撮影するカメラ(以下、共連れ検出用カメラC1という)を通路天井に設置し、当該共連れ検出用カメラC1で撮影したカメラ映像を画像処理することによって共連れを検出する。
【0011】
前記共連れ検出用カメラC1によって撮影される個人認証装置周辺の所定の範囲について、以下、「認証領域」という。認証領域は、個人認証装置SCN1が設置されている通路の幅いっぱいに設定され、個人認証装置よりも一般区域側と管理区域側とにそれそれ一定の長さ(距離)を持つよう設定される。
なお認証領域を通って管理区域へ入退室する者に、当該認証領域の範囲が認識できるように通路に停止線を表わす。この実施例では、認証領域の一般区域側境界に第1停止線を設けるとともに、認証領域の管理区域側境界に第2停止線を設けた。
【0012】
さらにこの実施例では、管理区域へ入室しようとする人物が適正に認証領域へ進入することを促すために、認証領域入口(第1停止線)付近に当該認証領域内へ進入する際の指示案内(信号表示や音声出力)をするためのモニタM1やスピーカS1を設置した。また認証領域出口(第2停止線)付近に、当該認証領域を通って管理区域へ入室しようとする人物のクローズアップ映像を撮影する第1監視カメラCM1と、当該人物に対して指示案内(音声出力)やアラーム警報を発報するスピーカS3とを設置した。
同様にして、管理区域から退室しようとする人物が適正に認証領域へ進入することを促すために、認証領域入口(第2停止線)付近に当該認証領域内へ進入する際の指示案内(信号表示や音声出力)をするためのモニタM2やスピーカS2を設置した。また認証領域出口(第1停止線)付近に、当該認証領域を通って管理区域へ入室しようとする人物のクローズアップ映像を撮影する第2監視カメラCM2と、当該人物に対して指示案内(音声出力)やアラーム警報を発報するスピーカS4とを設置した。
また認証領域入口(第1停止線/第2停止線)の手前に説明ボタンを設けた。
そしてこの実施例では、前記共連れ検出用カメラC1のカメラ映像をもとに認証領域内に進入した人物を検出したり、前記認証領域入口の手前に設置された説明ボタンが押されたときは、認証領域入口(第1停止線/第2停止線)付近に設置されたモニタM1,M2やスピーカS1,S2から、認証領域内へ進入する際の指示案内(信号表示や音声出力)を出力するようにに構築した。なお認証領域入口(第1停止線/第2停止線)付近に設置された説明ボタンのかわりに、認証領域内へ進入する際の指示案内を表示した看板やポスターを設置するように構成してもよい。
【0013】
この実施例では、通路中央の天井に設置した一台の共連れ検出用カメラC1で認証領域全体を上方から撮影する。そして当該カメラ映像を共連れ検出装置に入力し、認証領域内の映像を画像処理することによって共連れを検出する。
【0014】
図2は、警備室と管理区域を示す図である。
図2(a)に示すように、認証領域を監視して警備を行う警備室には、管理区域へ通じる通路に設置された個人認証装置SCN1の照合結果をもとに管理区域への入退室管理を行うコンピュータ(制御装置)と、共連れ検出用カメラC1からの入力映像に基づいて共連れを検出する共連れ検出装置と、共連れ検出時に監視カメラの映像(認証領域内に存在する人物のクローズアップ映像)を蓄積(録画)する画像蓄積装置と、当該監視カメラの映像を表示するモニタと、共連れ検出時にアラーム警告(警告音)を発報するスピーカとを設けた。
また図2(b)に示すように、管理区域内にも、共連れ検出時に監視カメラの映像(認証領域内に存在する人物のクローズアップ映像)を表示するモニタと、共連れ検出時にアラーム警告(警告音)を発報するスピーカとを設け、認証領域で共連れが検出されたときには、管理区域内でもアラーム警告を発報することによって管理区域に対して警戒を促すようにした。
なお個人認証装置SCN1による照合結果が不適合な場合も、通路と警備室と管理区域とに設置してあるスピーカからアラーム警告を発報し、かつ警備室と管理区域とに設置してあるモニタに監視カメラの映像を表示するとともに、当該監視カメラの映像を画像蓄積装置に蓄積(録画)するように構築した。
【0015】
図3は、この実施例による入退室監視システムの構成を示す図である。
図3に示す入退室監視システムは、管理区域へ通じる通路に設置され、前記管理区域への入室許可者であるか否かを照合する個人認証装置(例えばカードリーダや個人照合装置など)SCN1と、前記個人認証装置SCN1の周辺の認証領域を上方から撮影する共連れ検出用カメラC1と、前記共連れ検出用カメラC1からの入力映像に基づいて共連れを検出する共連れ検出装置1と、前記個人認証装置SCN1の照合結果と、共連れ検出装置1の検出結果とに基づいて、アラーム警告(警告音)などの出力を制御する制御装置(コンピュータ等)2とを備える。
【0016】
前記制御装置2には、管理区域へ通じる通路に設置されたスピーカS1〜S4や、モニタM1,M2が接続されるとともに、警備室に設置されたスピーカS5や、管理区域に設置されたスピーカS6が接続され、前記個人認証装置SCN1の照合結果と、共連れ検出装置1の検出結果とに基づいて、認証領域を通って管理区域へ入室する人物または、認証領域を通って管理区域から退室する人物に対する指示案内の出力(音声出力・信号表示)を制御し、アラーム警告(警告音)の出力を制御する。
また管理区域へ通じる通路に設置された監視カメラCM1,CM2のカメラ映像(認証領域を通過する入室者のクローズアップ映像、または退室者のクローズアップ映像)は、前記制御装置2の制御によって、画像蓄積装置3に録画されるとともに、警備室に設置されている監視用モニタ4aや管理区域に設置されている監視用モニタ4bに表示される。この実施例では、前記個人認証装置SCN1の照合結果と、共連れ検出装置1の検出結果とに基づいて、非許可者であると判定した場合や共連れを検出した場合に、監視カメラCM1,CM2のカメラ映像を蓄積(録画)するとともに、監視用モニタ4a,4bに表示するように構成した。
【0017】
なお前記共連れ検出装置1によって、共連れ検出用カメラC1で撮影した認証領域の映像に基づいて共連れを検出するにあたって、前記認証領域を5つに区画し、個人認証装置周囲に設定されるエリア1と、前記エリア1を囲むように一般区域側に設定されるエリア2と、前記エリア1を囲むように管理区域側に設定されるエリア3と、前記エリア2よりも一般区域側に設定されるエリア4と、前記エリア3よりも管理区域側に設定されるエリア5とを設けるとともに、前記各エリアの反応の有無に基づいて、待機処理と順方向判定処理と順方向適正処理と順方向脱出処理とを経、若しくは待機処理と逆方向判定処理と逆方向適正処理と逆方向脱出処理とを経、共連れを検出する。
【0018】
図4は、共連れ検出用カメラC1のカメラ映像をもとに認証領域に設定したエリア1〜5を示す図である。
共連れ検出用カメラC1から入力された映像(認証領域内の映像)を画像処理し、共連れを検出するにあたって、図4に示すように、認証領域を5つに区画し、個人認証装置周囲に設定されるエリア1と、前記エリア1を囲むように一般区域側に設定されるエリア2と、前記エリア1を囲むように管理区域側に設定されるエリア3と、前記エリア2よりも一般区域側に設定されるエリア4と、前記エリア3よりも管理区域側に設定されるエリア5とを設け、前記各エリアの反応の有無に基づいて共連れを検出する。
【0019】
なおこの実施例では、個人認証装置SCN1の周囲に設定されるエリア1を、前記個人認証装置SCN1で照合中の人物(一人)がエリア内におさまるような範囲に設定し、前記エリア1を囲むように設定されるエリア2及びエリア3を、それぞれ通路幅いっぱいに設定した。つまり個人認証装置SCN1の周囲に人間一人がおさまる範囲(矩形形状)のエリア1を設定するとともに、当該エリア1を囲むように通路幅いっぱいに設定したエリア2とエリア3をそれぞれエリア1に隣接して設けた。このときエリア2は、エリア1のサイド側のエリアと、エリア1よりも一般区域側のエリアとからなり、L形状(L字を180°回転させた形状)をなす。またエリア3は、エリア1のサイド側のエリアと、エリア1よりも管理区域側のエリアとからなり、L形状(L字を90°回転させた形状)をなす。
そして前記エリア2外側(エリア2より一般区域側)には、当該エリア2に隣接するようにして認証領域境界(第1停止線)までの範囲に矩形形状のエリア4を通路幅いっぱいに設し、前記エリア3外側(エリア3より)には、当該エリア3に隣接するようにして認証領域境界(第2停止線)までの範囲に矩形形状のエリア5を通路幅いっぱいに設定した。
【0020】
そして共連れ検出装置では、共連れ検出用カメラC1から連続して入力される認証領域内の映像を順次画像処理し、前記認証領域に設定されたエリア1〜5の各エリアにおける反応の有無を検知して共連れを検出するにあたって、認証領域内を通過する人物の通過段階(時間経過)に応じた適切な画像処理を行い、共連れを検出する。つまり認証領域を通過する人物の通過段階に応じ、判定過程の異なる処理工程を経、共連れ検出を行う。
この発明の実施例による入退室監視方法における画像処理について、図5〜図14のフローチャートを参照して説明する。
【0021】
認証領域内を通過する人物の通過段階(時間経過)に応じた適切な画像処理し、認証領域に設定したエリア1〜5の各エリアでの反応の有無を検知して共連れを検出するにあたって、認証領域を通って管理区域へ入室する際の共連れを検出する場合、前記通過段階に応じて、待機処理(図6を参照)、または順方向判定処理(図7を参照)、または順方向適正処理(図8を参照)、または順方向脱出処理(図9を参照)といった、処理工程(判定過程)の異なる画像処理を行い、これらの処理工程を経て共連れを検出する。
また認証領域を通って管理区域から退室する際の共連れを検出する場合、前記通過段階に応じて、待機処理(図6を参照)、または逆方向判定処理(図12を参照)、または逆方向適正処理(図13を参照)、または逆方向脱出処理(図14を参照)といった、処理工程(判定過程)の異なる画像処理を行い、これらの処理工程を経て共連れを検出する。
【0022】
この実施例では、認証領域内を通過する人物の通過段階(時間経過)に応じた適切な画像処理をして共連れを検出するため(共連れ判定処理)、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される認証領域内の映像を順次画像処理するにあたって、次の処理(通過段階に応じた画像処理)が何れの処理であるかを判定し、当該判定結果をもとに画像処理を行って共連れを検出する。
まず、次処理が共連れ処理であるか否かを判定し(ステップS1)、YESの場合は「共連れ処理」(図10を参照)によって共連れを検出し、NOの場合はさらに次処理が何れの処理工程であるかの判定を続ける(ステップS2へ)。
ステップS2では、次処理が逆方向脱出処理であるか否かを判定し、YESの場合は「逆方向脱出処理」(図14を参照)をし、NOの場合は次処理が何れの処理工程であるかの判定を続ける(ステップS3へ)。
ステップS3では、次処理が逆方向適正処理であるか否かを判定し、YESの場合は「逆方向適正処理」(図13を参照)をし、NOの場合は次処理が何れの処理工程であるかの判定を続ける(ステップS4へ)。
ステップS4では、次処置が逆方向判定処理であるか否かを判定し、YESの場合は「逆方向判定処理」(図12を参照)をし、NOの場合は次処理が何れの処理工程であるかの判定を続ける(ステップS5へ)。
ステップS5では、次処理が順方向脱出処理であるか否かを判定し、YESの場合は「順方向脱出処理」(図9を参照)をし、NOの場合は次処理が何れの処理工程であるかの判定を続ける(ステップS6へ)。
ステップS6では、次処理が順方向適正処理であるか否かを判定し、YESの場合は「順方向適正処理」(図8を参照)をし、NOの場合は次処理が何れの処理工程であるかの判定を続ける(ステップS7へ)。
ステップS7では、次処理が順方向判定処理であるか否かを判定し、YESの場合は「順方向判定処理」(図7を参照)をし、NOの場合は次処理として「待機処理」(図6を参照)をする(ステップS8)。
なお初期状態では、次処理が共連れ処理、順方向判定処理、順方向適正処理、順方向脱出処理、逆方向判定処理、逆方向適正処理、逆方向脱出処理の何れでもないため、次処理は待機処理となる。
【0023】
図6のフローチャートを参照して、待機処理における画像処理を説明する。
待機処理では、まず外部インターフェースにより「待機中」という内容を出力し(ステップT1)、その後、エリア2の反応の有無を判定するとともに(ステップT2)、エリア3の反応の有無を判定する(ステップT3,T6)。
「待機中」という内容を共連れ検出装置1から制御装置2へ出力した場合、つまり共連れ検出装置1によって共連れを検出しなかった場合、制御装置2は前記検出結果に基づき、アラーム警告などの出力をしないよう制御する。
なお外部インターフェースにより「待機中」という内容を出力した場合、例えば、管理区域へ通じる通路に設置したモニタM1の信号表示や、スピーカS1の音声出力により、認証領域への進入を促す指示案内をするように構成してもよい。
【0024】
エリア2の反応の有無(ステップT2)と、エリア3の反応の有無(ステップT3,T6)とを判定し、エリア2の反応があり、かつエリア3の反応もある場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を「共連れ処理」として画像処理を続行する(ステップT4)。
エリア2の反応はあるが、エリア3の反応が無い場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を「順方向判定処理」として画像処理を続行する(ステップT5)。一方、エリア2の反応はないが、エリア3の反応がある場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を「逆方向判定処理」として画像処理を続行する(ステップT7)。
さらにエリア2とエリア3の何れのエリアにも反応がない場合、エリア1の反応の有無を判定し(ステップT8)、エリア1に反応がある場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を「共連れ処理」として画像処理を続行する(ステップT9)。
そして、エリア2とエリア3とエリア1の何れのエリアにも反応がない場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を再び「待機処理」として画像処理を続行する(ステップT10)。
【0025】
図7のフローチャートを参照して、順方向判定処理における画像処理を説明する。
順方向判定処理では、外部インターフェースにより「順方向の判定処理中」という内容を出力し(ステップF1)、その後、停止線越え判定処理1と停止線越え判定処理2(図11を参照)との2つの判定処理を経た後(ステップF2,F3)、エリア3の反応の有無(ステップF4)と、エリア2の反応の有無(ステップF6)と、エリア1の反応の有無(ステップF8)とをそれぞれ判定する。
「順方向の判定処理中」という内容を共連れ検出装置1から制御装置2へ出力した場合、つまり共連れ検出装置1によって共連れを検出しなかった場合、制御装置2は前記検出結果に基づき、アラーム警告などの出力をしないよう制御する。
【0026】
順方向判定処理において、エリア3に反応がある場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を「共連れ処理」として画像処理を続行する(ステップF5)。
エリア3に反応はない場合、エリア2の反応の有無を判定し(ステップF6)、エリア2に反応がある場合、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を再び「順方向判定処理」として画像処理を続行する(ステップF7)。一方、エリア3とエリア2の反応がない場合は、エリア1の反応の有無を判定し(ステップF8)、エリア1の反応がある場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を「順方向適正処理」として画像処理を続行する(ステップF9)。またエリア3とエリア2とエリア1の何れのエリアにも反応がない場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を「待機処理」として画像処理を続行する(ステップF10)。
【0027】
図8のフローチャートを参照して、順方向適正処理における画像処理を説明する。
順方向適正処理では、外部インターフェースにより「順方向の判定結果が適正である」という内容を出力し(ステップF11)、その後、停止線越え判定処理1と停止線越え判定処理2(図11を参照)との2つの判定処理を経た後(ステップF12,F13)、エリア3の反応の有無(ステップF14)と、エリア2の反応の有無(ステップF16)と、エリア1の反応の有無(ステップF17)とをそれぞれ判定する。
「順方向の判定処理が適正である」という内容を共連れ検出装置1から制御装置2へ出力した場合、つまり共連れ検出装置1によって共連れを検出しなかった場合、制御装置2は前記検出結果に基づき、アラーム警告などの出力をしないよう制御する。
【0028】
順方向適正処理において、エリア3の反応がある場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を「順方向脱出処理」として画像処理を続行する(ステップF15)。
エリア3に反応がない場合は、エリア2で反応の有無を判定し(ステップF16)、エリア2に反応がある場合、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を再び「順方向適正処理」として画像処理を続行する(ステップF18)。エリア3とエリア2の反応がない場合は、エリア1の反応の有無を判定し(ステップF17)、エリア1の反応がある場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を再び「順方向適正処理」として画像処理を続行し(ステップF18)、エリア3とエリア2とエリア1の何れのエリアにも反応がない場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を「待機処理」として画像処理を続行する(ステップF19)。
【0029】
図9のフローチャートを参照して、順方向脱出処理における画像処理を説明する。
順方向脱出処理では、外部インターフェースにより「順方向の判定結果が適正である」という内容を出力し(ステップF21)、その後、停止線越え判定処理1と停止線越え判定処理2(図11を参照)との2つの判定処理を経た後(ステップF22,F23)、エリア2の反応の有無(ステップF24)と、エリア1の反応の有無(ステップF26)と、エリア3の反応の有無(ステップF27)とをそれぞれ判定する。
「順方向の判定結果が適正である」という内容を共連れ検出装置1から制御装置2へ出力した場合、つまり共連れ検出装置1によって共連れを検出しなかった場合、制御装置2は前記検出結果に基づき、アラーム警告などの出力をしないよう制御する。
【0030】
順方向脱出処理において、エリア2に反応がある場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を「共連れ処理」として画像処理を続行する(ステップF25)。
エリア2に反応がない場合は、エリア1で反応の有無を判定し(ステップF26)、エリア1に反応がある場合、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を再び「順方向脱出処理」として画像処理を続行する(ステップF28)。エリア2とエリア1の反応がない場合は、エリア3の反応の有無を判定し(ステップF27)、エリア3の反応がある場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を再び「順方向脱出処理」として画像処理を続行し(ステップF28)、エリア3とエリア2とエリア1の何れのエリアにも反応がない場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を「待機処理」として画像処理を続行する(ステップF29)。
【0031】
図10のフローチャートを参照して、共連れ処理における画像処理を説明する。
共連れ処理では、外部インターフェースにより「判定結果が共連れである」という内容を出力する(ステップS11)。
外部インターフェースにより「判定結果が共連れである」という内容を出力した場合、つまり共連れ検出装置1において共連れが検出された場合、制御装置2の制御によって、管理区域へ通じる通路に設置してあるスピーカS1,S3や、警備室に設置してあるスピーカS5や,管理区域に設置してあるスピーカS6から、アラーム警告(警告音)などを出力して警戒を促す。また前記制御装置2の制御によって、管理区域へ通じる通路に設置してある監視カメラCM1からのカメラ映像(認証領域内の人物のクローズアップ映像)を画像蓄積装置3によって録画するとともに、警備室や管理区域に設置した監視用モニタ4a,4bに前記監視カメラCM1のカメラ映像を表示する。
【0032】
その後、エリア1〜5の何れかの1つのエリアでの反応の有無を判定し(ステップS12)、何れか1つのエリアでの反応がある場合、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を再び「共連れ処理」として画像処理を続行する(ステップS13)。
一方、何れのエリアにも反応がない場合、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を「待機処理」として画像処理を続行する(ステップS14)
【0033】
なお図11のフローチャートを参照して、停止線越え判定処理1と停止線越え判定処理2における画像処理を説明する。
図11(a)に示すように、停止線越え判定処理1では、エリア4の反応の有無を判定し(ステップS21)、反応が検知された場合は、第1停止線外側(一般区域側)での待機を促すよう、例えば、管理区域へ通じる通路に設置してあるスピーカS1から指示案内を音声出力力する(ステップS22)。
また図11(b)に示すように、停止線越え判定処理2では、エリア5の反応の有無を判定し(ステップS31)、反応が検知された場合は、第2停止線外側(管理区域側)での待機を促すよう、例えば、管理区域へ通じる通路に設置してあるスピーカS2から指示案内を音声出力する(ステップS32)。
【0034】
続いて、図12のフローチャートを参照して、逆方向判定処理における画像処理を説明する。
逆方向判定処理では、外部インターフェースにより「逆方向の判定処理中」という内容を出力し(ステップR1)、その後、停止線越え判定処理1と停止線越え判定処理2(図11を参照)との2つの判定処理を経た後(ステップR2,R3)、エリア2の反応の有無(ステップR4)と、エリア3の反応の有無(ステップR6)と、エリア1の反応の有無(ステップR8)とをそれぞれ判定する。
「逆方向の判定処理中」という内容を共連れ検出装置1から制御装置2へ出力した場合、つまり共連れ検出装置1によって共連れを検出しなかった場合、制御装置2は前記検出結果に基づき、アラーム警告などの出力をしないよう制御する。
【0035】
逆方向判定処理において、エリア2に反応がある場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を「共連れ処理」として画像処理を続行する(ステップR5)。
エリア2に反応はない場合、エリア3の反応の有無を判定し(ステップR6)、エリア3に反応がある場合、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を再び「逆方向判定処理」として画像処理を続行する(ステップR7)。一方、エリア2とエリア3の反応がない場合は、エリア1の反応の有無を判定し(ステップR8)、エリア1の反応がある場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を「逆方向適正処理」として画像処理を続行する(ステップR9)。またエリア2とエリア3とエリア1の何れのエリアにも反応がない場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を「待機処理」として画像処理を続行する(ステップR10)。
【0036】
図13のフローチャートを参照して、逆方向適正処理における画像処理を説明する。
逆方向適正処理では、外部インターフェースにより「逆方向の判定結果が適正である」という内容を出力し(ステップR11)、その後、停止線越え判定処理1と停止線越え判定処理2(図11を参照)との2つの判定処理を経た後(ステップR12,R13)、エリア2の反応の有無(ステップR14)と、エリア3の反応の有無(ステップR16)と、エリア1の反応の有無(ステップR17)とをそれぞれ判定する。
「逆方向の判定結果が適正である」という内容を共連れ検出装置1から制御装置2へ出力した場合、つまり共連れ検出装置1によって共連れを検出しなかった場合、制御装置2は前記検出結果に基づき、アラーム警告などの出力をしないよう制御する。
【0037】
逆方向適正処理において、エリア2の反応がある場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を「逆方向脱出処理」として画像処理を続行する(ステップR15)。
エリア2に反応がない場合は、エリア3で反応の有無を判定し(ステップR16)、エリア3に反応がある場合、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を再び「逆方向適正処理」として画像処理を続行する(ステップR18)。エリア2とエリア3の反応がない場合は、エリア1の反応の有無を判定し(ステップR17)、エリア1の反応がある場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を再び「逆方向適正処理」として画像処理を続行し(ステップR18)、エリア2とエリア3とエリア1の何れのエリアにも反応がない場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を「待機処理」として画像処理を続行する(ステップR19)。
【0038】
図14のフローチャートを参照して、逆方向脱出処理における画像処理を説明する。
逆方向脱出処理では、外部インターフェースにより「逆方向の判定結果が適正である」という内容を出力し(ステップR21)、その後、停止線越え判定処理1と停止線越え判定処理2(図11を参照)との2つの判定処理を経た後(ステップR22,R23)、エリア3の反応の有無(ステップR24)と、エリア1の反応の有無(ステップR26)と、エリア2の反応の有無(ステップR27)とをそれぞれ判定する。
「逆方向の判定結果が適正である」という内容を共連れ検出装置1から制御装置2へ出力した場合、つまり共連れ検出装置1によって共連れを検出しなかった場合、制御装置2は前記検出結果に基づき、アラーム警告などの出力をしないよう制御する。
【0039】
逆方向脱出処理において、エリア3に反応がある場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を「共連れ処理」として画像処理を続行する(ステップR25)。
エリア3に反応がない場合は、エリア1で反応の有無を判定し(ステップR26)、エリア1に反応がある場合、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を再び「逆方向脱出処理」として画像処理を続行する(ステップR28)。エリア3とエリア1の反応がない場合は、エリア2の反応の有無を判定し(ステップR27)、エリア2の反応がある場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を再び「逆方向脱出処理」として画像処理を続行し(ステップR28)、エリア2とエリア3とエリア1の何れのエリアにも反応がない場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を「待機処理」として画像処理を続行する(ステップR29)。
【0040】
続いて図15乃至図17を参照して、この発明の第2実施例による入退室監視方法を利用したセキュリティシステムを説明する。
この実施例では、図15に示すように、管理区域へ通じる通路を中央で左右2つに隔て、左側通路を、主に管理区域へ入室するときに通行する通路とし、右側通路を、主に管理区域から退室するときに通行する通路とし、前記左右通路にそれぞれ、管理区域の入退室管理をする個人認証装置SCN1,SCN2を設置した。また認証領域境界に、それぞれ第1停止線と第2停止線とを設けた。
なおこの実施例では、通路を左右に隔て、各通路にそれぞれ個人認証装置を設置する以外は、第1実施例と同様な構成とした。
【0041】
図15に示すように、一般区域から管理区域へ向かうときの認証領域入口(左側通路の第1停止線)付近には、管理区域へ入室する人物に対する指示案内を出力(信号表示・音声出力)するためのモニタM1とスピーカS1とが設置され、認証領域出口付近(左側通路の第2停止線)付近には認証領域を通過する人物のクローズアップ映像を撮影する監視カメラCM1と、認証領域内の人物に対する指示案内やアラーム警告を出力するためのスピーカS3とが設置されているとともに、管理区域から一般区域へ向かうときの認証領域入口(右側通路の第2停止線)付近には、管理区域から退室する人物に対する指示案内を出力(信号表示・音声出力)するためのモニタM2とスピーカS2とが設置され、認証領域出口付近(右側通路の第1停止線)付近には認証領域を通過する人物のクローズアップ映像を撮影する監視カメラCM2と、認証領域内の人物に対する指示案内やアラーム警告を出力するためのスピーカS4が設置されている。
【0042】
図16は、第2実施例による入退室監視システムの構成を示す図である。
管理区域へ通じる通路を左右2つに隔て、左側通路(主に管理区域へ入室するときに通行する通路)と、右側通路(主に管理区域から退室するときに通行する通路)とにそれぞれ個人認証装置SCN1,SCN2を設置した第2実施例では、管理区域への入室許可者であるか否かを照合する個人認証装置(例えばカードリーダや個人照合装置など)SCN1の周辺の認証領域(左側通路の認証領域)と,個人認証装置SCN2の周辺の認証領域(右側通路の認証領域)とを上方から撮影する共連れ検出用カメラC1と、前記共連れ検出用カメラC1からの入力映像に基づいて共連れを検出する共連れ検出装置1と、前記個人認証装置SCN1,SCN2の照合結果と、共連れ検出装置1の検出結果とに基づいて、アラーム警告(警告音)などの出力を制御する制御装置(コンピュータ等)2とを備える。
【0043】
また第1実施例と同様に、前記制御装置2には、管理区域へ通じる通路に設置されたスピーカS1〜S4や、モニタM1,M2が接続されるとともに、警備室に設置されたスピーカS5や、管理区域に設置されたスピーカS6が接続され、前記個人認証装置SCN1の照合結果と、共連れ検出装置1の検出結果とに基づいて、認証領域を通って管理区域へ入室する人物または、認証領域を通って管理区域から退室する人物に対する指示案内の出力(音声出力・信号表示)を制御し、アラーム警告(警告音)の出力を制御する。
また管理区域へ通じる通路に設置された監視カメラCM1,CM2のカメラ映像(認証領域を通過する入室者のクローズアップ映像、または退室者のクローズアップ映像)は、前記制御装置2の制御によって、画像蓄積装置3に録画されるとともに、警備室に設置されている監視用モニタ4aや管理区域に設置されている監視用モニタ4bに表示される。この実施例では、前記個人認証装置SCN1,SCN2の照合結果と、共連れ検出装置1の検出結果とに基づいて、非許可者であると判定した場合や共連れを検出した場合に、監視カメラCM1,CM2のカメラ映像を蓄積(録画)するとともに、監視用モニタ4a,4bに表示するように構成した。
【0044】
なおこの実施例では、通路中央の天井に設置した一台の共連れ検出用カメラC1によって、左側通路の認証領域と右側通路の認証領域とを同時に撮影し、前記右側通路及び左側通路の双方の認証領域を含むカメラ映像を取得した。
【0045】
図17(a)に、共連れ検出用カメラC1のカメラ映像をもとに左側通路の認証領域に設定したエリア1〜5(1L〜5L)を示すとともに、図17(b)に、右側通路の認証領域に設定したエリア1〜5(1R〜5R)を示す。
共連れ検出用カメラC1から入力された映像(認証領域内の映像)を画像処理し、共連れを検出するにあたって、図17(a)に示すように、左側通路の認証領域を5つに区画し、個人認証装置周囲に設定されるエリア1Lと、前記エリア1Lを囲むように一般区域側に設定されるエリア2Lと、前記エリア1Lを囲むように管理区域側に設定されるエリア3Lと、前記エリア2Lよりも一般区域側に設定されるエリア4Lと、前記エリア3Lよりも管理区域側に設定されるエリア5Lとを設け、前記各エリアの反応の有無に基づいて共連れを検出する。
同様にして、共連れ検出用カメラC1から入力された映像(認証領域内の映像)を画像処理し、共連れを検出するにあたって、図17(b)に示すように、右側通路の認証領域を5つに区画し、個人認証装置周囲に設定されるエリア1Rと、前記エリア1Rを囲むように一般区域側に設定されるエリア2Rと、前記エリア1Rを囲むように管理区域側に設定されるエリア3Rと、前記エリア2Rよりも一般区域側に設定されるエリア4Rと、前記エリア3Rよりも管理区域側に設定されるエリア5Rとを設け、前記各エリアの反応の有無に基づいて共連れを検出する。
【0046】
そしてこの実施例では、左側通路の認証領域に設定したエリア1L〜5Lの各エリアにおける反応の有無を検知し、認証領域内を通って管理区域へ入室する人物の通過段階(認証領域の通過段階)に応じた適切な画像処理を行い、左側通路の認証領域における共連れを検出し、右側通路の認証領域に設定したエリア1R〜5Rの各エリアにおける反応の有無を検知し、認証領域内を通って管理区域から退室する人物の通過段階(認証領域の通過段階)に応じた適切な画像処理を行い、右側通路における共連れを検出した。
【0047】
つまり、左側通路の認証領域を通って管理区域へ入室する際の共連れを検出する場合、左側通路の認証領域に設定したエリア1〜5(エリア1L〜5L)の反応の有無を検知し、待機処理(図6を参照)、または順方向判定処理(図7を参照)、または順方向適正処理(図8を参照)、または順方向脱出処理(図9を参照)といった、処理工程(判定過程)の異なる画像処理を行い、これらの処理工程を経て共連れを検出する。
また右側通路の認証領域を通って管理区域から退室する際の共連れを検出する場合、右側通路の認証領域に設定したエリア1〜5(エリア1R〜5R)の反応の有無を検知し、前記通過段階に応じて、待機処理(図6を参照)、または逆方向判定処理(図12を参照)、または逆方向適正処理(図13を参照)、または逆方向脱出処理(図14を参照)といった、処理工程(判定過程)の異なる画像処理を行い、これらの処理工程を経て共連れを検出する。
【0048】
さらに図18及び図19を参照し、図15に示す実施例(第2実施例)における共連れ検出用カメラの設置例と、認証領域の区画例(左側通路の認証領域に設定されるエリア1L〜5L)の設定例について、他の例を説明する。
【0049】
図18に示す実施例では、通路中央の天井に設置した一台の共連れ検出用カメラC1で認証領域を撮影し、当該共連れ検出用カメラC1のカメラ映像をもとに共連れ検出装置1で共連れを検出するにあたって、通路に設置した個人認証装置SCN1から通路中心線に向かって延びる垂線と、通路中心線とが交差する地点の天井に共連れ検出用カメラC1を設定した。(図18(a)を参照)
また前記カメラ映像をもとに左側通路の認証領域を5つに区画するにあたって(図18(b)を参照)、左側通路の通路壁面に付けて設置された個人認証装置SCN1の周囲に、1人の人物が納まる程度のエリア1(1L)を設定した。つまり個人認証装置SCN1で照合中の人物は充分おさまるが、その他の人物はおさまらない程度の範囲にエリア1(1L)を設定した。
なおエリア1(1L)は通路幅いっぱいに設定せず、当該エリア1(1L)を囲むようにエリア2(2L)とエリア3(3L)をそれぞれエリア1に隣接して設けた。このときエリア2(2L)は、エリア1(1L)のサイド側のエリアと、エリア1(1L)よりも一般区域側のエリアとからなり、L形状(L字を180°回転させた形状)をなす。またエリア3(3L)は、エリア1(1L)のサイド側のエリアと、エリア1(1L)よりも管理区域側のエリアとからなり、L形状(L字を90°回転させた形状)をなす。
そして前記エリア2(2L)外側に、当該エリア2に隣接するようにして認証領域境界(第1停止線)までの範囲に、矩形形状のエリア4(4L)を通路幅いっぱいに設定し、前記エリア3(3L)外側に、当該エリア3に隣接するようにして認証領域境界(第2停止線)までの範囲に、矩形形状のエリア5(5L)を通路幅いっぱいに設定した。
【0050】
共連れ検出用カメラのカメラ映像をもとに共連れを検出する場合、カメラの設置(台数・配置・傾ける角度(撮影方向))によっては認証領域全体を撮影することができなかったり、認証領域内に存在する人物の映像の陰(死角)によって、認証領域に設定した各エリアでの反応を検知できない虞がある。
そこで通路天井に共連れ検出用カメラ設置するにあたって、(1)認証領域の全体の映像を取得できることが望まれるとともに、(2)認証領域を通過する人物の映像の陰となって反応の有無を検知できない範囲(死角)が狭いこと、特に個人認証装置SCN1で照合中の人物の立ち位置(エリア1の範囲)において、エリア1内での反応の有無を検知できない範囲(死角)を狭くすることが望まれる。
【0051】
そこで図19に示す実施例では、通路中央の天井に設置した二台の共連れ検出用カメラC2,C3で認証領域を撮影し、これら二台の共連れ検出用カメラC2,C3のカメラ映像をもとに共連れ検出装置1で共連れを検出するにあたって、通路に設置した個人認証装置SCN1で照合中の人物のつま先に沿って延びる水平線と、通路中心線とが交差する地点の天井に共連れ検出用カメラC2を設定するとともに、通路に設置した個人認証装置SCN1で照合中の人物の後頭部に沿って延びる水平線と、通路中心線とが交差する地点の天井に共連れ検出用カメラC3を設置した(図19(a)を参照)。
【0052】
また前記カメラ映像をもとに左側通路の認証領域を5つに区画するにあたって(図19(b)を参照)、左側通路の通路壁面に付けて設置された個人認証装置SCN1の周囲に、当該個人認証装置SCN1で照合中の人物のつま先に沿って延びる水平線と、照合中の人物の後頭部に沿って延びる水平線とに囲まれ、個人認証装置SCN1で照合中の人物一人がおさまるような比較的小さな範囲のエリア1(1L)を設定した。
なおエリア1(1L)は通路幅いっぱいに設定せず、当該エリア1(1L)を囲むようにエリア2(2L)とエリア3(3L)をそれぞれエリア1に隣接して設けた。このときエリア2(2L)は、エリア1(1L)のサイド側のエリアと、エリア1(1L)よりも一般区域側のエリアとからなり、L形状(L字を180°回転させた形状)をなす。またエリア3(3L)は、エリア1(1L)のサイド側のエリアと、エリア1(1L)よりも管理区域側のエリアとからなり、L形状(L字を90°回転させた形状)をなす。
そして前記エリア2(2L)外側には、当該エリア2に隣接するようにして認証領域境界(第1停止線)までの範囲に矩形形状のエリア4(4L)を通路幅いっぱいに設定し、前記エリア3(3L)外側には、当該エリア3に隣接するようにして認証領域境界(第2停止線)までの範囲に、矩形形状のエリア5(5L)を通路幅いっぱいに設定した。
【0053】
さらに、この発明の第3実施例による入退室監視方法における画像処理について、図20及び図21を参照して説明する。
【0054】
図20及び図21に示す実施例では、共連れ検出用カメラから逐次入力されるカメラ映像を共連れ検出装置1で画像処理し、認証領域内に設定したエリア1〜5の各エリアの反応の有無を検知し、認証領域を通過する人物の通過段階に対応した適切な共連れ検出を行うにあたって、エリア1の反応の有無を検知する際に、エリア1内の画像を処理して縦方向の射影パターンと横方向の射影パターンとを検出し、当該射影パターンの分布に基づいてエリア1内の人数を判定した。
例えば、エリア1を画像処理して縦方向の射影の山の数と横方向の射影の山の数とを検出し、射影の山の数が多く検出された方(縦方向若しくは横方向)の射影の数に基づいてエリア1内の人数を判定し、複数の射影の山が検出された場合(つまり縦方向または横方向の何れかの射影の山の数が複数の場合)、エリア1内に複数人が存在すると判断して、次処理を共連れ処理とする。また例えば、エリア1を画像処理して検出した縦方向及び横方向の射影の山の大きさに基づき、何れかの射影の山の大きさが予め設定してある閾値よりも大きい場合、エリア1内に複数人が密着して存在すると判断して、次処理を共連れ処理とする。
なお同様にして、エリア2(またはエリア3)の反応の有無を検知する際も、エリア2(またはエリア3)内の画像を処理して縦方向の射影パターンと横方向の射影パターンとを検出し、当該射影パターンの分布に基づいてエリア2(またはエリア3)内の人数を判定し、エリア2(またはエリア3)内に複数の人物が検出された場合、次処理を共連れ処理とするものである。
【0055】
図20は、この実施例による共連れ検出装置1のブロック図を示すものである。
図20に示す共連れ検出装置は、共連れ検出用カメラC1のカメラ映像を画像処理するにあたって、認証領域を通過する人物の通過段階に対応した適切な処理工程(次処理)を判定し共連れを検出する処理判定部11と、共連れ検出用カメラC1のカメラ映像をもとに、認証領域を5つに区画するエリア1〜5を設定するエリア設定部12と、共連れ検出用カメラのカメラ映像を表示するモニタに、前記エリア設定部12で設定した各エリア(エリア1〜5)の設定範囲や、処理判定部11の判定結果を合成表示する映像合成表示部13と、処理判定部11による判定結果を制御装置2に出力する外部インターフェース部14とを備え、処理判定部11の画像センサ機能によって、認証領域に設定した各エリア(エリア1〜5)の反応の有無を検知し、当該検知結果に基づいて、待機処理、または順方向判定処理、または順方向適正処理、または順方向脱出処理を経て共連れを検出するとともに、待機処理、または逆方向判定処理、または逆方向適正処理、または逆方向脱出処理を経て共連れを検出する。
【0056】
図20に示す共連れ検出装置は、処理判定部11として、各エリア(エリア1〜5)の反応の有無を検知するため、認証領域内(各エリア内)が無人であるときの映像を背景画像として予め保存する背景メモリと、当該背景メモリに保存されている背景画像と、共連れ検出用カメラC1から入力された認証領域(各エリア)の映像とを比較し、背景画像と異なる映像のみを抽出し差分画像を生成する差分画像生成部と、差分画像生成部で生成された差分画像について、オペレータが予め設定した閾値に基づいて2値化処理するしきい値処理部と、2値化処理された画像データ(差分画像を2値化処理した画像データ)から、オペレータが予め設定したエリア1〜5の設定範囲に基づき、画像センス領域(エリア1〜5)の画像データのみを取得する判定領域限定部と、エリア1の画像データ、またはエリア2の画像データ、またはエリア3の画像データについて縦方向の射影を計算する縦射影計算部及び横方向の射影を計算する横射影計算部と、前記各射影計算部から入力された射影データをそれぞれ平滑化する縦射影平滑部及び横射影平滑部と、前記各射影平滑部から入力された平滑データをもとに、「無人」「一人のみ検知」「複数人検知」を判定して共連れを検出する共連れ判定処理部とを備える。
【0057】
縦射影計算部及び縦射影平滑部では、図21に示すように、例えばエリア1(若しくはエリア2、若しくはエリア3)の画像データ(差分画像を2値化処理した2値画像のエリア該当部分)を縦方向に走査して、輝度分布によるピークの数(以下、縦方向の射影の山の数という)を取得するとともに(縦方向の走査による輝度分布のグラフを参照)、エリア1(若しくはエリア2、若しくはエリア3)の画像データ(差分画像を2値化処理した2値画像のエリア該当部分)を横方向に走査して、当該走査方向による輝度分布のピークの数(以下、横方向の射影の山の数という)を取得する(横方向の走査による輝度分布のグラフを参照)。
【0058】
図21において、縦方向の走査による輝度分布を示すグラフは、縦方向に走査した画像データの座標位置(X座標系)をx軸にとり、その輝度分布をz軸にとってグラフ化し、縦方向の射影の山を検出したものである。横方向の走査による輝度分布を示すグラフは、横方向に走査した画像データの座標位置(Y座標系)をy軸にとり、輝度分布をz軸にとってグラフ化し、横方向の射影の山を検出したものである。
そして前記縦方向及び横方向の射影の山の数と、縦方向及び横方向の射影の山の大きさとに基づいて、エリア1(若しくはエリア2、若しくはエリア3)内に存在する人物を検出し、当該エリア内について「無人」「一人のみ検知」「複数人検知」の何れかを判定する。
前記縦方向または縦方向の何れか射影の山の数が複数であるか、または前記縦方向または縦方向の何れかの射影の山の大きさが予め設定してある閾値よりも大きく、エリア内で複数の人物が検知されたと判定した場合は、共連れ検出用カメラC1から逐次入力される映像の次処理を「共連れ処理」として画像処理を続行する(図10を参照)。
【0059】
なお図20に示す共連れ検出装置は、処理判定部11において判定処理を行う画像センス領域(認証領域を5つに区画するエリア1〜5)を設定するため、グラフィックメモリを備えたエリア設定部12を有する。また、共連れ検出用カメラC1から入力されたカメラ映像と、オペレータが設定した画像センス領域(認証領域を5つに区画するエリア1〜5)の表示を合成する映像合成部を備える映像合成表示部13を有する。
またこの実施例では、画像センス領域(認証領域を5つに区画するエリア1〜5)を設定するにあたって、共連れ検出用カメラC1のカメラ映像を表示する映像表示手段(モニタ)と、オペレータの操作によって前記モニタに表示された映像上に任意の座標を指定する座標指定手段(カーソル表示部)と、前記座標指定手段によって指定した座標に基づき任意の矩形、若しくは任意の多角形(例えば、L形状)、若しくは任意の曲線図形を合成表示する手段(映像合成部)とを設けたことによって、モニタに表示された認証領域の映像をもとに、オペレータは目視しながら当該モニタ映像上に画像センス領域(認証領域を5つに区画するエリア1〜5)を設定することができる。
さらに、装置フロントパネルに、認証領域内に設定したエリア1〜5の座標値や、当該各エリアの反応の有無を検知する感度の閾値など各種設定を行うための操作部が設けられ、オペレータは当該操作部を操作して各種設定値の設定を行う。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】この発明の第1実施例による入退室監視方法を利用したセキュリティシステムの説明図(通路)である。
【図2】この発明の第1実施例による入退室監視方法を利用したセキュリティシステムの説明図(警備室,管理区域)である。
【図3】この発明の第1実施例による入退室監視システムの構成図である。
【図4】認証領域を区画する5つのエリア(エリア1〜5)を示す説明図である。
【図5】入退室監視方法における画像処理を説明するフローチャートである。
【図6】待機処理における処理工程を説明するフローチャートである。
【図7】順方向判定処理における処理工程を説明するフローチャートである。
【図8】順方向適正処理における処理工程を説明するフローチャートである。
【図9】順方向脱出処理における処理工程を説明するフローチャートである。
【図10】共連れ処理における処理工程を説明するフローチャートである。
【図11】停止線越え判定処理における処理工程を説明するフローチャートである。
【図12】逆方向判定処理における処理工程を説明するフローチャートである。
【図13】逆方向適正処理における処理工程を説明するフローチャートである。
【図14】逆方向脱出処理における処理工程を説明するフローチャートである。
【図15】この発明の第2実施例による入退室監視方法を利用したセキュリティシステムの説明図(通路)である。
【図16】この発明の第2実施例による入退室監視システムの構成図である。
【図17】第2実施例において、認証領域を区画する5つのエリア(エリア1〜5)を示す説明図である。
【図18】共連れ検出用カメラの設置例と、エリア1〜5の設定例を示す図である。
【図19】図18の他の例を示す図である。
【図20】この発明の第3実施例による入退室監視方法で使用する共連れ検出装置のブロック図である。
【図21】第3実施例における共連れ検出を説明する図である。
【符号の説明】
【0061】
SCN1,SCN2 個人認証装置
C1,C2,C3 共連れ検出用カメラ
M1,M2 モニタ
S1〜S6 スピーカ
CM1,CM2 監視カメラ
S1〜S6 スピーカ
1 共連れ検出装置
2 制御装置
3 画像蓄積装置
4a,4b 監視用モニタ
11 処理判定部
12 エリア設定部
13 映像合成表示部
14 外部インターフェース部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
管理区域へ通じる通路に設置した個人認証装置の照合結果に基づいて管理区域への入退室管理をするとともに、前記個人認証装置周辺の認証領域を上方から撮影したカメラ映像に基づいて共連れを検出する入退室監視方法において、
前記認証領域の映像を画像処理するにあたって、認証領域を5つに区画し、個人認証装置周囲に設定されるエリア1と、前記エリア1を囲むように一般区域側に設定されるエリア2と、前記エリア1を囲むように管理区域側に設定されるエリア3と、前記エリア2よりも一般区域側に設定されるエリア4と、前記エリア3よりも管理区域側に設定されるエリア5とを設け、
前記各エリアの反応の有無に基づいて、待機処理、または順方向判定処理、または順方向適正処理、または順方向脱出処理を経て、管理区域へ入室する際の共連れを検出する入退室監視方法であって、
待機処理の状態において、エリア2のみに反応が生じた場合の次処理を順方向判定処理とし、エリア2とともにエリア3にも反応がある場合の次処理を共連れ処理とする工程と、
順方向判定処理の状態において、エリア4またはエリア5で反応が生じた場合は当該エリア内の人物に対して認証領域外へ出るよう指示案内をした後、エリア3で反応が生じた場合の次処理を共連れ処理とし、エリア2で反応がある場合の次処理を再び順方向判定処理とし、エリア2の反応がなくなりエリア1で反応が生じた場合の次処理を順方向適正処理とする工程と、
順方向適正処理の状態において、エリア4またはエリア5で反応が生じた場合は当該エリア内の人物に対して認証領域外へ出るよう指示案内をした後、エリア3で反応が生じた場合の次処理を順方向脱出処理とし、エリア3の反応がなくエリア2またはエリア1の何れかに反応がある場合の次処理を再び順方向適正処理とする工程と、
順方向脱出処理の状態において、エリア4またはエリア5で反応が生じた場合は当該エリア内の人物に対して認証領域外へ出るよう指示案内をした後、エリア2で反応が生じた場合の次処理を共連れ処理とし、エリア2の反応がなくエリア1またはエリア3の何れかに反応がある場合の次処理を再び順方向脱出処理とする工程とを経、
共連れを検出することを特徴とする入退室監視方法。
【請求項2】
前記各エリアの反応の有無に基づいて、待機処理、または逆方向判定処理、または逆方向適正処理、または逆方向脱出処理を経て、管理区域から退室する際の共連れを検出する入退室監視方法であって、
待機処理の状態において、エリア3のみに反応が生じた場合の次処理を逆方向判定処理とし、エリア3とともにエリア2にも反応がある場合の次処理を共連れ処理とする工程と、
逆方向判定処理の状態において、エリア4またはエリア5で反応が生じた場合は当該エリア内の人物に対して認証領域外へ出るよう指示案内をした後、エリア2で反応が生じた場合の次処理を共連れ処理とし、エリア3で反応がある場合の次処理を再び逆方向判定処理とし、エリア3の反応がなくなりエリア1で反応が生じた場合の次処理を逆方向適正処理とする工程と、
逆方向適正処理の状態において、エリア4またはエリア5で反応が生じた場合は当該エリア内の人物に対して認証領域外へ出るよう指示案内をした後、エリア2で反応が生じた場合の次処理を逆方向脱出処理とし、エリア2の反応がなくエリア3またはエリア1の何れかに反応がある場合の次処理を再び逆方向適正処理とする工程と、
逆方向脱出処理の状態において、エリア4またはエリア5で反応が生じた場合は当該エリア内の人物に対して認証領域外へ出るよう指示案内をした後、エリア3で反応が生じた場合の次処理を共連れ処理とし、エリア3の反応がなくエリア1またはエリア2の何れかに反応がある場合の次処理を再び逆方向脱出処理とする工程と経、
共連れを検出することを特徴とする請求項1に記載の入退室監視方法。
【請求項3】
順方向判定処理、順方向適正処理、順方向脱出処理、逆方向判定処理、逆方向適正処理、逆方向脱出処理の状態において、エリア1,2,3の何れも反応がない場合の次処理を待機処理とするとともに、
共連れ処理の状態において、認証領域内の全エリアで反応がない場合の次処理を待機処理とすることを特徴とする請求項1または2に記載の入退室監視方法。
【請求項4】
個人認証装置周囲に照合中の人物一人がおさまる範囲のエリア1を設定するとともに、前記エリア1を囲むように通路幅いっぱいにエリア2とエリア3をそれぞれ設定し、
前記エリア2またはエリア3の外側に設定されるエリア4またはエリア5を、認証領域境界まで通路幅いっぱいに設定したことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の入退室監視方法。
【請求項5】
順方向判定処理、順方向適正処理、順方向脱出処理、逆方向判定処理、逆方向適正処理、逆方向脱出処理の状態において、エリア4またはエリア5で反応が生じた場合、当該エリア内の人物に対する指示案内をスピーカから出力し、
共連れ処理の状態において、認証領域の何れかのエリアで反応があるまでの間、アラーム警告をスピーカから出力して警戒を促すことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の入退室監視方法。
【請求項6】
エリア1の反応の有無を検知するにあたって、エリア1内の画像を処理して縦方向の射影パターンと横方向の射影パターンとを検出し、当該射影パターンの分布に基づいてエリア1内の人数を判定し、
エリア1内に複数の人物が検出された場合、次処理を共連れ処理とすることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の入退室監視方法。
【請求項7】
エリア2の反応の有無を検知するにあたって、エリア2内の画像を処理して縦方向の射影パターンと横方向の射影パターンとを検出し、当該射影パターンの分布に基づいてエリア2内の人数を判定し、
エリア2内に複数の人物が検出された場合、次処理を共連れ処理とすることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の入退室監視方法。
【請求項8】
エリア3の反応の有無を検知するにあたって、エリア3内の画像を処理して縦方向の射影パターンと横方向の射影パターンとを検出し、当該射影パターンの分布に基づいてエリア3内の人数を判定し、
エリア3内に複数の人物が検出された場合、次処理を共連れ処理とすることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の入退室監視方法。
【請求項9】
管理区域への入室許可者であるか否かを照合する個人認証装置と、
通路に設置された個人認証装置周辺の認証領域を上方から撮影する共連れ検出用カメラと、
前記共連れ検出用カメラからの入力映像に基づいて共連れを検出する共連れ検出装置と、
前記個人認証装置の照合結果と、共連れ検出装置の検出結果とに基づいて、アラーム警告を制御する制御装置とからなる入退室監視システムであって、
認証領域の映像を画像処理して共連れを検出するにあたって、前記認証領域を5つに区画し、個人認証装置周囲に設定されるエリア1と、前記エリア1を囲むように一般区域側に設定されるエリア2と、前記エリア1を囲むように管理区域側に設定されるエリア3と、前記エリア2よりも一般区域側に設定されるエリア4と、前記エリア3よりも管理区域側に設定されるエリア5とを設けるとともに、前記各エリアの反応の有無に基づいて、待機処理と順方向判定処理と順方向適正処理と順方向脱出処理とを経、若しくは待機処理と逆方向判定処理と逆方向適正処理と逆方向脱出処理とを経、共連れを検出することを特徴とする入退室監視システム。
【請求項1】
管理区域へ通じる通路に設置した個人認証装置の照合結果に基づいて管理区域への入退室管理をするとともに、前記個人認証装置周辺の認証領域を上方から撮影したカメラ映像に基づいて共連れを検出する入退室監視方法において、
前記認証領域の映像を画像処理するにあたって、認証領域を5つに区画し、個人認証装置周囲に設定されるエリア1と、前記エリア1を囲むように一般区域側に設定されるエリア2と、前記エリア1を囲むように管理区域側に設定されるエリア3と、前記エリア2よりも一般区域側に設定されるエリア4と、前記エリア3よりも管理区域側に設定されるエリア5とを設け、
前記各エリアの反応の有無に基づいて、待機処理、または順方向判定処理、または順方向適正処理、または順方向脱出処理を経て、管理区域へ入室する際の共連れを検出する入退室監視方法であって、
待機処理の状態において、エリア2のみに反応が生じた場合の次処理を順方向判定処理とし、エリア2とともにエリア3にも反応がある場合の次処理を共連れ処理とする工程と、
順方向判定処理の状態において、エリア4またはエリア5で反応が生じた場合は当該エリア内の人物に対して認証領域外へ出るよう指示案内をした後、エリア3で反応が生じた場合の次処理を共連れ処理とし、エリア2で反応がある場合の次処理を再び順方向判定処理とし、エリア2の反応がなくなりエリア1で反応が生じた場合の次処理を順方向適正処理とする工程と、
順方向適正処理の状態において、エリア4またはエリア5で反応が生じた場合は当該エリア内の人物に対して認証領域外へ出るよう指示案内をした後、エリア3で反応が生じた場合の次処理を順方向脱出処理とし、エリア3の反応がなくエリア2またはエリア1の何れかに反応がある場合の次処理を再び順方向適正処理とする工程と、
順方向脱出処理の状態において、エリア4またはエリア5で反応が生じた場合は当該エリア内の人物に対して認証領域外へ出るよう指示案内をした後、エリア2で反応が生じた場合の次処理を共連れ処理とし、エリア2の反応がなくエリア1またはエリア3の何れかに反応がある場合の次処理を再び順方向脱出処理とする工程とを経、
共連れを検出することを特徴とする入退室監視方法。
【請求項2】
前記各エリアの反応の有無に基づいて、待機処理、または逆方向判定処理、または逆方向適正処理、または逆方向脱出処理を経て、管理区域から退室する際の共連れを検出する入退室監視方法であって、
待機処理の状態において、エリア3のみに反応が生じた場合の次処理を逆方向判定処理とし、エリア3とともにエリア2にも反応がある場合の次処理を共連れ処理とする工程と、
逆方向判定処理の状態において、エリア4またはエリア5で反応が生じた場合は当該エリア内の人物に対して認証領域外へ出るよう指示案内をした後、エリア2で反応が生じた場合の次処理を共連れ処理とし、エリア3で反応がある場合の次処理を再び逆方向判定処理とし、エリア3の反応がなくなりエリア1で反応が生じた場合の次処理を逆方向適正処理とする工程と、
逆方向適正処理の状態において、エリア4またはエリア5で反応が生じた場合は当該エリア内の人物に対して認証領域外へ出るよう指示案内をした後、エリア2で反応が生じた場合の次処理を逆方向脱出処理とし、エリア2の反応がなくエリア3またはエリア1の何れかに反応がある場合の次処理を再び逆方向適正処理とする工程と、
逆方向脱出処理の状態において、エリア4またはエリア5で反応が生じた場合は当該エリア内の人物に対して認証領域外へ出るよう指示案内をした後、エリア3で反応が生じた場合の次処理を共連れ処理とし、エリア3の反応がなくエリア1またはエリア2の何れかに反応がある場合の次処理を再び逆方向脱出処理とする工程と経、
共連れを検出することを特徴とする請求項1に記載の入退室監視方法。
【請求項3】
順方向判定処理、順方向適正処理、順方向脱出処理、逆方向判定処理、逆方向適正処理、逆方向脱出処理の状態において、エリア1,2,3の何れも反応がない場合の次処理を待機処理とするとともに、
共連れ処理の状態において、認証領域内の全エリアで反応がない場合の次処理を待機処理とすることを特徴とする請求項1または2に記載の入退室監視方法。
【請求項4】
個人認証装置周囲に照合中の人物一人がおさまる範囲のエリア1を設定するとともに、前記エリア1を囲むように通路幅いっぱいにエリア2とエリア3をそれぞれ設定し、
前記エリア2またはエリア3の外側に設定されるエリア4またはエリア5を、認証領域境界まで通路幅いっぱいに設定したことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の入退室監視方法。
【請求項5】
順方向判定処理、順方向適正処理、順方向脱出処理、逆方向判定処理、逆方向適正処理、逆方向脱出処理の状態において、エリア4またはエリア5で反応が生じた場合、当該エリア内の人物に対する指示案内をスピーカから出力し、
共連れ処理の状態において、認証領域の何れかのエリアで反応があるまでの間、アラーム警告をスピーカから出力して警戒を促すことを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の入退室監視方法。
【請求項6】
エリア1の反応の有無を検知するにあたって、エリア1内の画像を処理して縦方向の射影パターンと横方向の射影パターンとを検出し、当該射影パターンの分布に基づいてエリア1内の人数を判定し、
エリア1内に複数の人物が検出された場合、次処理を共連れ処理とすることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の入退室監視方法。
【請求項7】
エリア2の反応の有無を検知するにあたって、エリア2内の画像を処理して縦方向の射影パターンと横方向の射影パターンとを検出し、当該射影パターンの分布に基づいてエリア2内の人数を判定し、
エリア2内に複数の人物が検出された場合、次処理を共連れ処理とすることを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載の入退室監視方法。
【請求項8】
エリア3の反応の有無を検知するにあたって、エリア3内の画像を処理して縦方向の射影パターンと横方向の射影パターンとを検出し、当該射影パターンの分布に基づいてエリア3内の人数を判定し、
エリア3内に複数の人物が検出された場合、次処理を共連れ処理とすることを特徴とする請求項1から7の何れか1項に記載の入退室監視方法。
【請求項9】
管理区域への入室許可者であるか否かを照合する個人認証装置と、
通路に設置された個人認証装置周辺の認証領域を上方から撮影する共連れ検出用カメラと、
前記共連れ検出用カメラからの入力映像に基づいて共連れを検出する共連れ検出装置と、
前記個人認証装置の照合結果と、共連れ検出装置の検出結果とに基づいて、アラーム警告を制御する制御装置とからなる入退室監視システムであって、
認証領域の映像を画像処理して共連れを検出するにあたって、前記認証領域を5つに区画し、個人認証装置周囲に設定されるエリア1と、前記エリア1を囲むように一般区域側に設定されるエリア2と、前記エリア1を囲むように管理区域側に設定されるエリア3と、前記エリア2よりも一般区域側に設定されるエリア4と、前記エリア3よりも管理区域側に設定されるエリア5とを設けるとともに、前記各エリアの反応の有無に基づいて、待機処理と順方向判定処理と順方向適正処理と順方向脱出処理とを経、若しくは待機処理と逆方向判定処理と逆方向適正処理と逆方向脱出処理とを経、共連れを検出することを特徴とする入退室監視システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2007−115188(P2007−115188A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−308634(P2005−308634)
【出願日】平成17年10月24日(2005.10.24)
【出願人】(000210964)中央電子株式会社 (81)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年10月24日(2005.10.24)
【出願人】(000210964)中央電子株式会社 (81)
【Fターム(参考)】
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