説明

共振点追尾型駆動装置

【課題】 共振周波数を有する負荷の駆動中における該共振周波数の変動検知等を効率的にした共振点追尾型駆動装置を提供する。
【解決手段】 ステップS2及びS3において、共振周波数の変動検知動作開始前の駆動周波数(Fd)の位置より一定値の周波数だけ離れた2つの特定位置(周波数がFd+ΔFとFd−ΔFの位置)での負荷電流を計測し、それらをステップS5で比較して共振周波数の変動を検知し、その上で該変動に応じた追尾動作をするようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気的な共振点即ち共振周波数を有する負荷(例えば、超音波装置の振動子、高周波放電加工の放電部或いは高周波誘導加熱装置の加熱部等)を、当該共振周波数の変動を自動追尾しながら、駆動する共振点追尾型駆動装置に係り、特に駆動中における共振周波数変動の自動追尾が効率的かつ迅速なものに関する。
【背景技術】
【0002】
電気的な共振周波数を有する負荷では、一般に、これを共振周波数で駆動するが、その駆動が長時間に亘る場合、当該共振周波数が刻々と変動する。そこで、このような負荷を駆動する装置では、駆動周波数を自動的に刻々の実際の共振周波数に合わせていく所謂自動追尾をしながら駆動する。そのためには、刻々、その時点の実際の共振周波数を検出する必要があり、駆動中一定時間毎にその時点の実際の共振周波数を検出するタイミングを設け、そのタイミングに該検出を行う構成になっている。
【0003】
上記のような駆動装置において、刻々の実際の共振周波数を検出する際の検出方法は、多くの場合、次のようなものであった。即ち、その時点まで共振周波数であるとして採用してきた周波数即ち駆動周波数を中心とするその前後の周波数を上昇又は降下掃引しながら、各周波数での負荷電流を計測していき、該負荷電流が極大値即ちピーク値となる周波数を求めてその周波数を新たなその時点の共振周波数とするものであった。
【特許文献1】特開昭58−36684号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記のような駆動装置における共振周波数の検出方法、即ち負荷電流がピーク値となる周波数を求める方法では、ピーク位置近傍で周波数の変化に対する負荷電流の変化が小さいために、該変化がノイズに埋没してしまい、該ピーク位置の周波数を求める処理は極めて困難となり、迅速には行うことはできず(ピーク位置を通り越しての上昇及び降下を繰返しながらピーク位置を探すことにもなる)、たとえ求められても、その求めた新たな共振周波数は不正確なものになる可能性が高い。
本願発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、共振周波数を有する負荷の駆動中における共振周波数変動の検知及び変動後の共振周波数への追尾を効率的且つ迅速なものにした共振点追尾型駆動装置の提供を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明では、共振曲線が極大を持ち且つ少なくても当該極大の位置の周波数即ち共振周波数の比較的近傍では当該共振周波数の位置に引かれた垂線を対称軸として左右対称の形状になっている負荷を、駆動中における当該共振周波数の変動を自動追尾しながら、駆動する共振点追尾型駆動装置を以下のように構成した。
すなわち、当該負荷の駆動周波数を上昇又は降下掃引しながら、各駆動周波数での負荷入出力物理量(負荷が共振状態になったときに極値となる諸々の物理量、例えば負荷電流や負荷に印加される電圧等を意味する)を計測することにより、当該負荷の当初の共振曲線を得た上で、当該共振曲線の極大の位置から当該負荷の当初の共振周波数を得る当初状態計測手段と、
上記当初状態計測手段が得た当初の共振周波数を駆動周波数として、当該負荷の駆動を開始し、その後は、後述の変動探り計測手段又は追尾制御手段から新たな周波数での駆動の指示が送られてくる度に、それ以後、当該新たな周波数を駆動周波数として上記負荷を駆動していく駆動手段と、
上記負荷の上記駆動手段による駆動開始より予め定められた所定時間の経過毎に、その時点の駆動周波数よりも予め定められた小さい周波数だけ低い周波数及び高い周波数(以下、この2つの周波数のうち低い周波数側のものを第1探り駆動周波数、高い周波数側のものを第2探り駆動周波数という)での各駆動の指示を順次上記駆動手段を送り、その上で第1探り駆動周波数及び第2探り駆動周波数で上記負荷が駆動されている各時点での各負荷入出力物理量値を計測して下記追尾制御手段に送出する変動探り計測手段と、
上記変動探り計測手段より送出されてきた第1探り駆動周波数及び第2探り駆動周波数での各負荷入出力物理量値を比較し、両負荷入出力物理量値に違いが発生し、第1探り駆動周波数での負荷入出力物理量値の方が高くなったときは、上記変動探り計測手段による計測の開始前の駆動周波数よりも予め定められた極めて小さい一定の周波数(以後、微調整用周波数という)だけ低い周波数での駆動の指示を上記駆動手段に送り、逆に第2探り駆動周波数での負荷入出力物理量値の方が高くなったときは、上記変動探り計測手段による計測の開始前の駆動周波数よりも上記微調整用周波数だけ高い周波数での駆動の指示を上記駆動手段に送る追尾制御手段と、を備える構成にした。
【0006】
請求項2の発明では、共振曲線が極大を持ち且つ少なくても当該極大の位置の周波数即ち共振周波数の比較的近傍では当該共振周波数の位置に引かれた垂線を対称軸として左右対称の形状になっている負荷を、駆動中における当該共振周波数の変動を自動追尾しながら、駆動する共振点追尾型駆動装置を以下のように構成した。
すなわち、予め計測して既知になっている当初の共振周波数を駆動周波数として、当該負荷の駆動を開始し、その後は、後述の変動探り計測手段又は追尾制御手段から新たな周波数での駆動の指示が送られてくる度に、それ以後、当該新たな周波数を駆動周波数として上記負荷を駆動していく駆動手段と、
上記負荷の上記駆動手段による駆動開始より予め定められた所定時間の経過毎に、その時点の駆動周波数よりも予め定められた小さい周波数だけ低い周波数及び高い周波数(以下、この2つの周波数のうち低い周波数側のものを第1探り駆動周波数、高い周波数側のものを第2探り駆動周波数という)での各駆動の指示を順次上記駆動手段を送り、その上で第1探り駆動周波数及び第2探り駆動周波数で上記負荷が駆動されている各時点での各負荷入出力物理量値を計測して下記追尾制御手段に送出する変動探り計測手段と、
上記変動探り計測手段より送出されてきた第1探り駆動周波数及び第2探り駆動周波数での各負荷入出力物理量値を比較し、両負荷入出力物理量値に違いが発生し、第1探り駆動周波数での負荷入出力物理量値の方が高くなったときは、上記変動探り計測手段による計測の開始前の駆動周波数よりも予め定められた極めて小さい一定の周波数(以後、微調整用周波数という)だけ低い周波数での駆動の指示を上記駆動手段に送り、逆に第2探り駆動周波数での負荷入出力物理量値の方が高くなったときは、上記変動探り計測手段による計測の開始前の駆動周波数よりも上記微調整用周波数だけ高い周波数での駆動の指示を上記駆動手段に送る追尾制御手段と、を備える構成にした。
【0007】
請求項3の発明では、共振曲線が極大を持ち且つ少なくても当該極大の位置の周波数即ち共振周波数の比較的近傍では当該共振周波数の位置に引かれた垂線を対称軸として左右対称の形状になっている負荷を、駆動中における当該共振周波数の変動を自動追尾しながら、駆動する共振点追尾型駆動装置を以下のように構成した。
すなわち、予め計測されて既知になっている当初の共振周波数を駆動周波数として、当該負荷の駆動を開始し、その後は、後述の変動探り計測手段又は追尾制御手段から新たな周波数での駆動の指示が送られてくる度に、それ以後、当該新たな周波数を駆動周波数として上記負荷を駆動していく駆動手段と、
上記負荷の上記駆動手段による駆動開始より予め定められた所定時間の経過毎に、上記第1探り駆動周波数及び第2探り駆動周波数での各駆動の指示を順次上記駆動手段を送り、その上で第1探り駆動周波数及び第2探り駆動周波数で上記負荷が駆動されている各時点での各負荷入出力物理量値を計測して下記追尾制御手段に送出する変動探り計測手段と、
上記変動探り計測手段より送出されてきた前記第1探り駆動周波数及び第2探り駆動周波数での各負荷入出力物理量値を比較し、
A、第1探り駆動周波数での負荷入出力物理量値の方が高くなり、
A−1、且つこの追尾制御手段による前回のこの駆動周波数変更処理においても、第1探り駆動周波数での負荷入出力物理量値の方が高くなっていたときは、今回の上記変動探り計測手段による計測の開始前の駆動周波数よりも前記微調整用周波数だけ低い周波数での駆動の指示を上記駆動手段に送り、
A−2、他方、上記前回のこの駆動周波数変更処理においては、第2探り駆動周波数での負荷入出力物理量値の方が高くなっていたときは、今回の上記変動探り計測手段による計測における第1探り駆動周波数と前回の変動探り計測手段による計測における第2探り駆動周波数とを加算して2で除して得た商(今回の上記変動探り計測手段による計測における第2探り駆動周波数と前回の変動探り計測手段による計測における第1探り駆動周波数とを加算して2で除して得た商或いは今回の上記変動探り計測手段による計測前における駆動周波数と前回の変動探り計測手段による計測前における駆動周波数とを加算して2で除して得た商でも良い。これらは全て等しい。)になる周波数での駆動の指示を上記駆動手段に送り、
B、逆に第2探り駆動周波数での負荷入出力物理量値の方が高くなり、
B−1、且つこの追尾制御手段による前回のこの駆動周波数変更処理においても、第2探り駆動周波数での負荷入出力物理量値の方が高くなっていたときは、今回の上記変動探り計測手段による計測の開始前の駆動周波数よりも前記微調整用周波数だけ高い周波数での駆動の指示を上記駆動手段に送り、
B−2、他方、上記前回のこの駆動周波数変更処理においては、第1探り駆動周波数での負荷入出力物理量値の方が高くなっていたときは、今回の上記変動探り計測手段による計測における第2探り駆動周波数と前回の変動探り計測手段による計測における第1探り駆動周波数とを加算して2で除して得た商(今回の上記変動探り計測手段による計測における第1探り駆動周波数と前回の変動探り計測手段による計測における第2探り駆動周波数とを加算して2で除して得た商或いは今回の上記変動探り計測手段による計測前における駆動周波数と前回の変動探り計測手段による計測前における駆動周波数とを加算して2で除して得た商でも良い。これらは全て等しい。)になる周波数での駆動の指示を上記駆動手段に送る駆動周波数変更処理を実行する追尾制御手段と、を備える構成にした。
【0008】
請求項4の発明では、共振曲線が極小を持ち且つ少なくても当該極小の位置の周波数即ち共振周波数の比較的近傍では当該共振周波数の位置に引かれた垂線を対称軸として左右対称の形状になっている負荷を、駆動中における当該共振周波数の変動を自動追尾しながら、駆動する共振点追尾型駆動装置を以下のように構成した。
すなわち、予め計測されて既知になっている当初の共振周波数を駆動周波数として、当該負荷の駆動を開始し、その後は、後述の変動探り計測手段又は追尾制御手段から新たな周波数での駆動の指示が送られてくる度に、それ以後、当該新たな周波数を駆動周波数として上記負荷を駆動していく駆動手段と、
上記負荷の上記駆動手段による駆動開始より予め定められた所定時間の経過毎に、前記第1探り駆動周波数及び第2探り駆動周波数での各駆動の指示を順次上記駆動手段を送り、その上で第1探り駆動周波数及び第2探り駆動周波数で上記負荷が駆動されている各時点での各負荷入出力物理量値を計測して下記追尾制御手段に送出する変動探り計測手段と、
上記変動探り計測手段より送出されてきた第1探り駆動周波数及び第2探り駆動周波数での各負荷入出力物理量値を比較し、両負荷入出力物理量値に違いが発生し、第1探り駆動周波数での負荷入出力物理量値の方が高くなったときは、上記変動探り計測手段による計測の開始前の駆動周波数よりも前記微調整用周波数だけ高い周波数での駆動の指示を上記駆動手段に送り、逆に第2探り駆動周波数での負荷入出力物理量値の方が高くなったときは、上記変動探り計測手段による計測の開始前の駆動周波数よりも上記微調整用周波数だけ低い周波数での駆動の指示を上記駆動手段に送る追尾制御手段と、を備える構成にした。
【0009】
請求項5の発明では、共振曲線が極小を持ち且つ少なくても当該極小の位置の周波数即ち共振周波数の比較的近傍では当該共振周波数の位置に引かれた垂線を対称軸として左右対称の形状になっている負荷を、駆動中における当該共振周波数の変動を自動追尾しながら、駆動する共振点追尾型駆動装置を以下のように構成した。
すなわち、予め計測し既知になっている当初の共振周波数を駆動周波数として、当該負荷の駆動を開始し、その後は、後述の変動探り計測手段又は追尾制御手段から新たな周波数での駆動の指示が送られてくる度に、それ以後、当該新たな周波数を駆動周波数として上記負荷を駆動していく駆動手段と、
上記負荷の上記駆動手段による駆動開始より予め定められた所定時間の経過毎に、上記第1探り駆動周波数及び第2探り駆動周波数での各駆動の指示を順次上記駆動手段を送り、その上で第1探り駆動周波数及び第2探り駆動周波数で上記負荷が駆動されている各時点での各負荷入出力物理量値を計測して下記追尾制御手段に送出する変動探り計測手段と、
上記変動探り計測手段より送出されてきた前記第1探り駆動周波数及び第2探り駆動周波数での各負荷入出力物理量値を比較し、
A、第1探り駆動周波数での負荷入出力物理量値の方が高くなり、
A−1、且つこの追尾制御手段による前回のこの駆動周波数変更処理においても、第1探り駆動周波数での負荷入出力物理量値の方が高くなっていたときは、今回の上記変動探り計測手段による計測の開始前の駆動周波数よりも前記微調整用周波数だけ高い周波数での駆動の指示を上記駆動手段に送り、
A−2、他方、上記前回のこの駆動周波数変更処理においては、第2探り駆動周波数での負荷入出力物理量値の方が高くなっていたときは、今回の上記変動探り計測手段による計測における第1探り駆動周波数と前回の変動探り計測手段による計測における第2探り駆動周波数とを加算して2で除して得た商(今回の上記変動探り計測手段による計測における第2探り駆動周波数と前回の変動探り計測手段による計測における第1探り駆動周波数とを加算して2で除して得た商或いは今回の上記変動探り計測手段による計測前における駆動周波数と前回の変動探り計測手段による計測前における駆動周波数とを加算して2で除して得た商でも良い。これらは全て等しい。)になる周波数での駆動の指示を上記駆動手段に送り、
B、逆に第2探り駆動周波数での負荷入出力物理量値の方が高くなり、
B−1、且つこの追尾制御手段による前回のこの駆動周波数変更処理においても、第2探り駆動周波数での負荷入出力物理量値の方が高くなっていたときは、今回の上記変動探り計測手段による計測の開始前の駆動周波数よりも前記微調整用周波数だけ低い周波数での駆動の指示を上記駆動手段に送り、
B−2、他方、上記前回のこの駆動周波数変更処理においては、第1探り駆動周波数での負荷入出力物理量値の方が高くなっていたときは、今回の上記変動探り計測手段による計測における第2探り駆動周波数と前回の変動探り計測手段による計測における第1探り駆動周波数とを加算して2で除して得た商(今回の上記変動探り計測手段による計測における第1探り駆動周波数と前回の変動探り計測手段による計測における第2探り駆動周波数とを加算して2で除して得た商或いは今回の上記変動探り計測手段による計測前における駆動周波数と前回の変動探り計測手段による計測前における駆動周波数とを加算して2で除して得た商でも良い。これらは全て等しい。)になる周波数での駆動の指示を上記駆動手段に送る駆動周波数変更処理を実行する追尾制御手段と、を備える構成にした。
【0010】
請求項6の発明では、請求項3、4又は5記載の共振点追尾型駆動装置に、負荷の駆動周波数を上昇又は降下掃引しながら、各駆動周波数での前記負荷入出力物理量を計測することにより、当該負荷の当初の共振曲線を得た上で、当該共振曲線の極値の位置から当該負荷の当初の共振周波数を得る当初状態計測手段を追加し、上記駆動手段は当該当初状態計測手段が計測した当初の共振周波数を既知の当初の共振周波数の代わりに利用するように構成した。
【0011】
請求項7の発明では、請求項1、2、3、4、5又は6記載の共振点追尾型駆動装置において、変動探り計測手段は、第1探り駆動周波数及び第2探り駆動周波数での各駆動の指示を順次上記駆動手段を送る際に、これら2つの指示の内の一方の指示を送った後で、他方の指示を送る前に、今回の当該変動探り計測手段による処理開始直前の駆動周波数での駆動の指示を駆動手段を送るようにして、これを受けて上記駆動手段は、一方の探り駆動周波数、上記直前の駆動周波数、他方の探り駆動周波数の順序で、順次これら周波数での負荷の駆動を実行するように構成した。
【0012】
請求項8の発明では、請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の共振点追尾型駆動装置における上記第1探り駆動周波数及び第2探り駆動周波数での負荷の駆動時間を他の駆動周波数での負荷の駆動時間に比較して十分に短くした。
【0013】
請求項9の発明では、請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の共振点追尾型駆動装置における第1探り駆動周波数及び第2探り駆動周波数での負荷の駆動時には、他の駆動周波数での負荷の駆動時に比較して、負荷に与える電力を小さいものにした。
【発明の効果】
【0014】
以上詳述したように、本願発明は、共振周波数の変動検知を所謂ピーク位置等ではなく該位置よりも若干裾野に近い側の部分の特定位置(周波数の変化に対する負荷電流等の変化がピーク位置等近傍よりも大きいところ)に着目して行うものであるから、共振周波数を有する負荷の駆動中における該共振周波数の変動検知及び変動後の共振周波数への追尾を効率的且つ迅速なものにした共振点追尾型駆動装置の提供を可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、図面に基づいて本発明を実施するための最良の実施の形態を説明する。図1は、本実施の形態の構成を、駆動される超音波振動子10との関係で示すものである。なお、該超音波振動子10は、共振曲線が少なくても共振周波数の比較的近傍では当該共振周波数の位置に引かれた垂線を対称軸として左右対称の形状になっているものである。
当該図1において増幅器2は外部から電力供給を受けて後述のDDS(Direct Digital Synthsizer)1からの交流出力(信号)を電力増幅して送出する回路部である。電流センサ3は上記増幅器2から送出されてきて超音波振動子10に与えられる交流電源の電流値を検出し、当該電流値に対応する検出出力をADコンバータ8に送出する回路部である。ADコンバータ8は上記電流センサ3より送出されてきた上記検出出力(即ちアナログ出力)を入力し、この検出出力をデジタル値に変換して、これをデジタル検出出力としてマイクロコンピュータ9に送出する回路部である。
【0016】
マイクロコンピュータ9はメモリ9aを備え、上記ADコンバータ8からの上記デジタル検出出力の内の特定のものを当該メモリ9aに記憶した後、内蔵プログラムに従った演算を行い、その演算結果に従い所定の周波数を指定する周波数指定デジタル信号をDDS1に送出する等の各種動作を実行する回路部である。DDS1は、上記マイクロコンピュータ9から送られてくる周波数指定デジタル信号を受け、この信号により指定された高い周波数の前記交流出力(信号)を安定に送出する回路部である。
【0017】
次に、以上のように構成された上記実施の形態の動作について、動作の概要を示す図2のフローチャートに基づいて、共振周波数の変動を示す図3(同図において実線は当初の共振曲線、点線は低い周波数側に変動した場合の共振曲線、一点鎖線は高い周波数側に変動した場合の共振曲線)を参照しながら説明する。
電源投入と共にステップS1の初期計測の処理が行われる。即ちDDS1への周波数指定デジタル信号を順次切替えて、超音波振動子10の駆動周波数を上昇掃引しながら、各駆動周波数での負荷電流を計測することにより、当該負荷の当初の共振曲線(図3の実線)を得た上で、この当初の共振曲線のピークの位置(同図の点P)から当該負荷の当初の共振周波数(同図のFro)を得る。次いでステップS2では、マイクロコンピュウータ9内の駆動周波数メモリFd(図1に図示せず)に、ステップS1で得た上記当初の共振周波数を駆動周波数としてセットして、DDS1に該駆動周波数の交流出力を送出させ、超音波振動子10を一定時間だけ駆動する。
【0018】
上記一定時間の経過後は、ステップS3に進み、駆動周波数メモリFdにセットしてあるその時点の駆動周波数よりも予め定められている小さい周波数ΔFだけ低い周波数即ち第1探り駆動周波数(図3の点aにおける周波数)で負荷を極短い時間駆動して該周波数での負荷電流値(例えば、共振周波数が低い方に変動し、共振曲線が図3の実線から点線に変わったときは、点a1における電流値)を計測する。次のステップS4では、駆動周波数メモリFdにセットしてあるその時点の駆動周波数よりも上記周波数ΔFだけ高い周波数即ち第2探り駆動周波数(図3の点bにおける周波数)で負荷を極短い時間駆動して該周波数での負荷電流値(例えば、上記のように共振周波数が低い方に変動し、共振曲線が図3の実線から点線に変わったときは、点b1における電流値)を計測する。
【0019】
次いでステップS5に進み、計測した上記両負荷電流値が等しいままになっているかを判断し、等しいままになっているときはステップS2に戻るが、両者が異なるものになっているときは(共振曲線が図3の実線で示されるものから点線又は一点鎖線で示されるようなものに変わっているときは)、ステップS6に進む。そして、ステップS6では、上記第1探り駆動周波数での負荷電流値の方が大きくなっているか(即ち上記第2探り駆動周波数での負荷電流値の方が小さくなっているか)を判断し、第1探り駆動周波数での負荷電流値の方が大きくなっているときは(このとき共振曲線は、図3の実線で示されるものから点線で示されるもののようなものに変わっている)、ステップS7で上記駆動周波数メモリFdの駆動周波数を極めて小さい一定の周波数即ち微調整用周波数Δfだけ低いものに更新する(図3の点Pの周波数から点P1の周波数に近いものにする)。
逆に、第2探り駆動周波数での負荷電流値の方が大きくなっているときは(このとき共振曲線は、図3の実線で示されるものから一点鎖線で示されるもののようなものに変わっている)、ステップS8で上記駆動周波数メモリFdの駆動周波数を上記微調整用周波数Δfだけ高いものに更新する(図3の点Pの周波数から点P2の周波数に近いものにする)。
駆動周波数を更新する上記ステップS7或いはS8の処理を終えた後はステップS2に戻り、以後はステップS2〜S7又はS8の処理が電源切断まで繰返される。
本実施の形態では、上記のように共振周波数の変動検知(ステップS2〜S6)及び変動後の共振周波数への追尾(ステップS7又はS8)を効率的且つ迅速に行える。
【0020】
上記の実施の形態は当初の共振周波数が既知でない超音波振動子を駆動するタイプの共振点追尾型駆動装置に係るものであるが、当初の共振周波数が既知である超音波振動子を駆動するタイプのものでは、上記初期計測(ステップS1)は不用になり、最初から既知のその共振周波数でのステップS2の処理から開始される。
【0021】
上記の実施の形態における図2のステップS3、S4の処理の間に、ステップS2での処理と同様の処理を短時間行うステップを設けても良い。またステップS3、S4の処理における第1及び第2探り駆動周波数での負荷の駆動は負荷に与える電力を小さいものにしても良い。
また、図2のステップS6以後に図4に示すようにステップS61、S62、S63を加えても良い。即ち、ステップS61では前回のステップS6の判断でも今回同様に第1探り駆動周波数での負荷電流の方が大であると判断したかを判断する。またステップS62では前回のステップS6の判断でも今回同様に第1探り駆動周波数での負荷電流の方が小であると判断したかを判断する。そしてステップS63では、現時点の駆動周波数メモリFdの駆動周波数と前回のステップS61またはS62の判断時における駆動周波数メモリFdの駆動周波数(同図においてfzと記載)との平均の周波数で駆動周波数メモリFdの駆動周波数を更新する。上記各ステップの処理で、共振点の変動を追尾中に駆動周波数の方が共振点を追い越して駆動周波数が共振点の前後を振動する状態を大幅に低減する。
なお、本願発明の範囲は、上記実施の形態に限定されず、種々変形応用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本願発明の一実施の形態の構成を示す図である。
【図2】上記実施の形態の動作の概要を示すフローチャートである。
【図3】上記実施の形態の動作を説明するための図である。
【図4】上記実施の形態の変形態様の動作を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0023】
1 DDS
2 増幅器
3 電流センサ
10 超音波振動子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共振曲線が極大を持ち且つ少なくても当該極大の位置の周波数即ち共振周波数の比較的近傍では当該共振周波数の位置に引かれた垂線を対称軸として左右対称の形状になっている負荷を、駆動中における当該共振周波数の変動を自動追尾しながら、駆動する共振点追尾型駆動装置であって、
当該負荷の駆動周波数を上昇又は降下掃引しながら、各駆動周波数での負荷入出力物理量(負荷が共振状態になったときに極値となる諸々の物理量、例えば負荷電流や負荷に印加される電圧等を意味する)を計測することにより、当該負荷の当初の共振曲線を得た上で、当該共振曲線の極大の位置から当該負荷の当初の共振周波数を得る当初状態計測手段と、
上記当初状態計測手段が得た当初の共振周波数を駆動周波数として、当該負荷の駆動を開始し、その後は、後述の変動探り計測手段又は追尾制御手段から新たな周波数での駆動の指示が送られてくる度に、それ以後、当該新たな周波数を駆動周波数として上記負荷を駆動していく駆動手段と、
上記負荷の上記駆動手段による駆動開始より予め定められた所定時間の経過毎に、その時点の駆動周波数よりも予め定められた小さい周波数だけ低い周波数及び高い周波数(以下、この2つの周波数のうち低い周波数側のものを第1探り駆動周波数、高い周波数側のものを第2探り駆動周波数という)での各駆動の指示を順次上記駆動手段を送り、その上で第1探り駆動周波数及び第2探り駆動周波数で上記負荷が駆動されている各時点での各負荷入出力物理量値を計測して下記追尾制御手段に送出する変動探り計測手段と、
上記変動探り計測手段より送出されてきた第1探り駆動周波数及び第2探り駆動周波数での各負荷入出力物理量値を比較し、両負荷入出力物理量値に違いが発生し、第1探り駆動周波数での負荷入出力物理量値の方が高くなったときは、上記変動探り計測手段による計測の開始前の駆動周波数よりも予め定められた極めて小さい一定の周波数(以後、微調整用周波数という)だけ低い周波数での駆動の指示を上記駆動手段に送り、逆に第2探り駆動周波数での負荷入出力物理量値の方が高くなったときは、上記変動探り計測手段による計測の開始前の駆動周波数よりも上記微調整用周波数だけ高い周波数での駆動の指示を上記駆動手段に送る追尾制御手段と、
を備えることを特徴とする共振点追尾型駆動装置。
【請求項2】
共振曲線が極大を持ち且つ少なくても当該極大の位置の周波数即ち共振周波数の比較的近傍では当該共振周波数の位置に引かれた垂線を対称軸として左右対称の形状になっている負荷を、駆動中における当該共振周波数の変動を自動追尾しながら、駆動する共振点追尾型駆動装置であって、
予め計測されて既知になっている当初の共振周波数を駆動周波数として、当該負荷の駆動を開始し、その後は、後述の変動探り計測手段又は追尾制御手段から新たな周波数での駆動の指示が送られてくる度に、それ以後、当該新たな周波数を駆動周波数として上記負荷を駆動していく駆動手段と、
上記負荷の上記駆動手段による駆動開始より予め定められた所定時間の経過毎に第1探り駆動周波数及び第2探り駆動周波数での各駆動の指示を順次上記駆動手段を送り、その上で第1探り駆動周波数及び第2探り駆動周波数で上記負荷が駆動されている各時点での各負荷入出力物理量値を計測して下記追尾制御手段に送出する変動探り計測手段と、
上記変動探り計測手段より送出されてきた第1探り駆動周波数及び第2探り駆動周波数での各負荷入出力物理量値を比較し、両負荷入出力物理量値に違いが発生し、第1探り駆動周波数での負荷入出力物理量値の方が高くなったときは、上記変動探り計測手段による計測の開始前の駆動周波数よりも微調整用周波数だけ低い周波数での駆動の指示を上記駆動手段に送り、逆に第2探り駆動周波数での負荷入出力物理量値の方が高くなったときは、上記変動探り計測手段による計測の開始前の駆動周波数よりも上記微調整用周波数だけ高い周波数での駆動の指示を上記駆動手段に送る追尾制御手段と、
を備えることを特徴とする共振点追尾型駆動装置。
【請求項3】
共振曲線が極大を持ち且つ少なくても当該極大の位置の周波数即ち共振周波数の比較的近傍では当該共振周波数の位置に引かれた垂線を対称軸として左右対称の形状になっている負荷を、駆動中における当該共振周波数の変動を自動追尾しながら、駆動する共振点追尾型駆動装置であって、
予め計測されて既知になっている当初の共振周波数を駆動周波数として、当該負荷の駆動を開始し、その後は、後述の変動探り計測手段又は追尾制御手段から新たな周波数での駆動の指示が送られてくる度に、それ以後、当該新たな周波数を駆動周波数として上記負荷を駆動していく駆動手段と、
上記負荷の上記駆動手段による駆動開始より予め定められた所定時間の経過毎に、上記第1探り駆動周波数及び第2探り駆動周波数での各駆動の指示を順次上記駆動手段を送り、その上で第1探り駆動周波数及び第2探り駆動周波数で上記負荷が駆動されている各時点での各負荷入出力物理量値を計測して下記追尾制御手段に送出する変動探り計測手段と、
上記変動探り計測手段より送出されてきた前記第1探り駆動周波数及び第2探り駆動周波数での各負荷入出力物理量値を比較し、
第1探り駆動周波数での負荷入出力物理量値の方が高くなり、且つこの追尾制御手段による前回のこの駆動周波数変更処理においても、第1探り駆動周波数での負荷入出力物理量値の方が高くなっていたときは、今回の上記変動探り計測手段による計測の開始前の駆動周波数よりも前記微調整用周波数だけ低い周波数での駆動の指示を上記駆動手段に送り、他方、上記前回のこの駆動周波数変更処理においては、第2探り駆動周波数での負荷入出力物理量値の方が高くなっていたときは、今回の上記変動探り計測手段による計測における第1探り駆動周波数と前回の変動探り計測手段による計測における第2探り駆動周波数とを加算して2で除して得た商(今回の上記変動探り計測手段による計測における第2探り駆動周波数と前回の変動探り計測手段による計測における第1探り駆動周波数とを加算して2で除して得た商或いは今回の上記変動探り計測手段による計測前における駆動周波数と前回の変動探り計測手段による計測前における駆動周波数とを加算して2で除して得た商でも良い。これらは全て等しい。)になる周波数での駆動の指示を上記駆動手段に送り、
逆に第2探り駆動周波数での負荷入出力物理量値の方が高くなり、且つこの追尾制御手段による前回のこの駆動周波数変更処理においても、第2探り駆動周波数での負荷入出力物理量値の方が高くなっていたときは、今回の上記変動探り計測手段による計測の開始前の駆動周波数よりも前記微調整用周波数だけ高い周波数での駆動の指示を上記駆動手段に送り、他方、上記前回のこの駆動周波数変更処理においては、第1探り駆動周波数での負荷入出力物理量値の方が高くなっていたときは、今回の上記変動探り計測手段による計測における第2探り駆動周波数と前回の変動探り計測手段による計測における第1探り駆動周波数とを加算して2で除して得た商(今回の上記変動探り計測手段による計測における第1探り駆動周波数と前回の変動探り計測手段による計測における第2探り駆動周波数とを加算して2で除して得た商或いは今回の上記変動探り計測手段による計測前における駆動周波数と前回の変動探り計測手段による計測前における駆動周波数とを加算して2で除して得た商でも良い。これらは全て等しい。)になる周波数での駆動の指示を上記駆動手段に送る駆動周波数変更処理を実行する追尾制御手段と、
を備えることを特徴とする共振点追尾型駆動装置。
【請求項4】
共振曲線が極小を持ち且つ少なくても当該極小の位置の周波数即ち共振周波数の比較的近傍では当該共振周波数の位置に引かれた垂線を対称軸として左右対称の形状になっている負荷を、駆動中における当該共振周波数の変動を自動追尾しながら、駆動する共振点追尾型駆動装置であって、
予め計測されて既知になっている当初の共振周波数を駆動周波数として、当該負荷の駆動を開始し、その後は、後述の変動探り計測手段又は追尾制御手段から新たな周波数での駆動の指示が送られてくる度に、それ以後、当該新たな周波数を駆動周波数として上記負荷を駆動していく駆動手段と、
上記負荷の上記駆動手段による駆動開始より予め定められた所定時間の経過毎に、前記第1探り駆動周波数及び第2探り駆動周波数での各駆動の指示を順次上記駆動手段を送り、その上で第1探り駆動周波数及び第2探り駆動周波数で上記負荷が駆動されている各時点での各負荷入出力物理量値を計測して下記追尾制御手段に送出する変動探り計測手段と、
上記変動探り計測手段より送出されてきた第1探り駆動周波数及び第2探り駆動周波数での各負荷入出力物理量値を比較し、両負荷入出力物理量値に違いが発生し、第1探り駆動周波数での負荷入出力物理量値の方が高くなったときは、上記変動探り計測手段による計測の開始前の駆動周波数よりも前記微調整用周波数だけ高い周波数での駆動の指示を上記駆動手段に送り、逆に第2探り駆動周波数での負荷入出力物理量値の方が高くなったときは、上記変動探り計測手段による計測の開始前の駆動周波数よりも上記微調整用周波数だけ低い周波数での駆動の指示を上記駆動手段に送る追尾制御手段と、
を備えることを特徴とする共振点追尾型駆動装置。
【請求項5】
共振曲線が極小を持ち且つ少なくても当該極小の位置の周波数即ち共振周波数の比較的近傍では当該共振周波数の位置に引かれた垂線を対称軸として左右対称の形状になっている負荷を、駆動中における当該共振周波数の変動を自動追尾しながら、駆動する共振点追尾型駆動装置であって、
予め計測されて既知になっている当初の共振周波数を駆動周波数として、当該負荷の駆動を開始し、その後は、後述の変動探り計測手段又は追尾制御手段から新たな周波数での駆動の指示が送られてくる度に、それ以後、当該新たな周波数を駆動周波数として上記負荷を駆動していく駆動手段と、
上記負荷の上記駆動手段による駆動開始より予め定められた所定時間の経過毎に、上記第1探り駆動周波数及び第2探り駆動周波数での各駆動の指示を順次上記駆動手段を送り、その上で第1探り駆動周波数及び第2探り駆動周波数で上記負荷が駆動されている各時点での各負荷入出力物理量値を計測して下記追尾制御手段に送出する変動探り計測手段と、
上記変動探り計測手段より送出されてきた前記第1探り駆動周波数及び第2探り駆動周波数での各負荷入出力物理量値を比較し、
第1探り駆動周波数での負荷入出力物理量値の方が高くなり、且つこの追尾制御手段による前回のこの駆動周波数変更処理においても、第1探り駆動周波数での負荷入出力物理量値の方が高くなっていたときは、今回の上記変動探り計測手段による計測の開始前の駆動周波数よりも前記微調整用周波数だけ高い周波数での駆動の指示を上記駆動手段に送り、他方、上記前回のこの駆動周波数変更処理においては、第2探り駆動周波数での負荷入出力物理量値の方が高くなっていたときは、今回の上記変動探り計測手段による計測における第1探り駆動周波数と前回の変動探り計測手段による計測における第2探り駆動周波数とを加算して2で除して得た商(今回の上記変動探り計測手段による計測における第2探り駆動周波数と前回の変動探り計測手段による計測における第1探り駆動周波数とを加算して2で除して得た商或いは今回の上記変動探り計測手段による計測前における駆動周波数と前回の変動探り計測手段による計測前における駆動周波数とを加算して2で除して得た商でも良い。これらは全て等しい。)になる周波数での駆動の指示を上記駆動手段に送り、
逆に第2探り駆動周波数での負荷入出力物理量値の方が高くなり、且つこの追尾制御手段による前回のこの駆動周波数変更処理においても、第2探り駆動周波数での負荷入出力物理量値の方が高くなっていたときは、今回の上記変動探り計測手段による計測の開始前の駆動周波数よりも前記微調整用周波数だけ低い周波数での駆動の指示を上記駆動手段に送り、他方、上記前回のこの駆動周波数変更処理においては、第1探り駆動周波数での負荷入出力物理量値の方が高くなっていたときは、今回の上記変動探り計測手段による計測における第2探り駆動周波数と前回の変動探り計測手段による計測における第1探り駆動周波数とを加算して2で除して得た商(今回の上記変動探り計測手段による計測における第1探り駆動周波数と前回の変動探り計測手段による計測における第2探り駆動周波数とを加算して2で除して得た商或いは今回の上記変動探り計測手段による計測前における駆動周波数と前回の変動探り計測手段による計測前における駆動周波数とを加算して2で除して得た商でも良い。これらは全て等しい。)になる周波数での駆動の指示を上記駆動手段に送る駆動周波数変更処理を実行する追尾制御手段と、
を備えることを特徴とする共振点追尾型駆動装置。
【請求項6】
負荷の駆動周波数を上昇又は降下掃引しながら、各駆動周波数での前記負荷入出力物理量を計測することにより、当該負荷の当初の共振曲線を得た上で、当該共振曲線の極値の位置から当該負荷の当初の共振周波数を得る当初状態計測手段を備え、上記駆動手段は当該当初状態計測手段が計測した当初の共振周波数を既知の当初の共振周波数の代わりに利用することを特徴とする請求項3、4又は5記載の共振点追尾型駆動装置。
【請求項7】
上記変動探り計測手段は、第1探り駆動周波数及び第2探り駆動周波数での各駆動の指示を順次上記駆動手段を送る際に、これら2つの指示の内の一方の指示を送った後で、他方の指示を送る前に、今回の当該変動探り計測手段による処理開始直前の駆動周波数での駆動の指示を駆動手段を送るようにして、これを受けて上記駆動手段は、一方の探り駆動周波数、上記直前の駆動周波数、他方の探り駆動周波数の順序で、順次これら周波数での負荷の駆動を実行するようにしたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5又は6記載の共振点追尾型駆動装置。
【請求項8】
上記第1探り駆動周波数及び第2探り駆動周波数での負荷の駆動時間は、他の駆動周波数での負荷の駆動時間に比較して十分に短くなっていることを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6又は7記載の共振点追尾型駆動装置。
【請求項9】
上記第1探り駆動周波数及び第2探り駆動周波数での負荷の駆動時は、他の駆動周波数での負荷の駆動時に比較して、負荷に与える電力を小さいものにしたことを特徴とする請求項1、2、3、4、5、6、7又は8記載の共振点追尾型駆動装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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