説明

処理実行プログラム、処理実行装置および処理実行方法

【課題】受付部においてユーザに対する操作性を向上することを課題とする。
【解決手段】携帯端末10は、『090−1××4−5××8に発信』という処理内容と、『「1」、「4」、「7」および「※」それぞれが表記された4つのボタンから出力される信号に基づく情報』とを対応付けた対応関係等をテーブル11で記憶する。そして、携帯端末10は、ユーザによって「5」が表記されたボタンを押下されると、当該「5」が表記されたボタンから出力される信号に基づく情報にはテーブル11より「090−2××5−6××9に発信」という処理内容が対応付けられているので、その処理内容のとおり実行する。また、この処理内容には、「5」の他に「2」、「8」および「0」が表記されたボタンから出力される信号に基づく情報も対応付けられているので、携帯端末10は、これらいずれかのボタンを押下された場合には、同じ処理内容を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数の領域からなる受付部においてユーザから押下または接触による指示を受け付け、当該指示された領域に応じた処理を実行する処理実行プログラム、処理実行装置および処理実行方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末や電子機器などの装置あるいはそれらを遠隔操作するリモコンは、ユーザから押下または接触による種々の指示を受け付けるために複数の領域からなる受付部を備えている。従来、この受付部では、一つの領域に対して一つの処理を対応させていた。例えば、携帯端末の受付部では、数字が表記されたボタンが押下されると、その数字を発信電話番号の一部として受け付けるという処理を実行していた。
【0003】
また、この受付部で、一つの領域に対して複数の処理を対応させる技術もある。例えば、携帯端末の受付部では、「電源」などの文字が表記されたボタンがワンタッチで押下された場合には、初期画面を表示するという処理を実行し、同ボタンが所定の時間以上押下された場合には、電源を切るという処理を実行していた。
【0004】
その他、複数の領域からなる受付部に係る技術として、特許文献1では、複数のアプリケーションプログラムを同時に実行できる携帯端末において、当該受付部に対して少ない操作回数でアプリケーションプログラムの起動や切り替えを実現する技術が開示されている。具体的には、携帯端末は、ユーザからボタンを押下されることによってアプリケーションプログラムが起動するようにボタンとアプリケーションプログラムとを対応させた対応関係を予め記憶し、当該対応関係を表示しつつユーザによるボタンの押下があるまで待機する。そして、携帯端末は、ボタンが押下された場合には、対応関係より、対応するアプリケーションプログラムを起動する、もしくは対応するアプリケーションプログラムに切り替える。
【0005】
また、特許文献2では、複数の種類の電子機器を操作可能なリモコンにおける複数の領域からなる受付部に発光手段を備えることで、どの領域がどの電子機器を操作できるかをユーザに対して簡易に認識させる技術が開示されている。具体的には、リモコンは、操作の対象となる電子機器を切り替えるモード切換ボタンと、当該モード切換ボタンによって現に選択されている電子機器を操作するための操作ボタンとを同一色に発光させつつユーザによる操作ボタンの押下があるまで待機する。そして、リモコンは、操作ボタンが押下された場合には、当該操作ボタンに対応する処理を実行する。
【0006】
【特許文献1】特開2006−148316号公報
【特許文献2】特開2002−315080号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記した従来の技術では、ユーザに対する操作性が悪いという課題があった。具体的には、ユーザは、隣接する領域を押下しないように、意図する一つの領域に対して狙いを定める必要があるので、ユーザに対する操作性が悪いという課題があった。最近では特に、装置本体が小型化するなどして受付部における一つ一つの領域が小さくなり、一般的に細かい作業が不得手である高齢者などにおいては、上記の課題は重大である。なお、上記した特許文献1や2で開示されている技術を用いたとしてもこの課題を解決することはできなかった。
【0008】
そこで、この発明は、上述した従来技術の課題を解決するためになされたものであり、ユーザに対する操作性を向上することが可能となる処理実行プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、請求項1に係る発明は、複数の領域からなる受付部においてユーザから押下または接触による指示を受け付け、当該指示された領域に応じた処理を実行する処理実行方法をコンピュータに実行させる処理実行プログラムであって、前記複数の領域を区分けしてなる各領域群のなかで各領域が同一の処理内容となるように、前記複数の領域と処理内容とが対応付けられた対応関係を保持する保持手順と、前記保持手順によって保持された対応関係から、前記ユーザによって指示された領域に対応する処理内容を選択し、当該選択した処理内容を実行する処理実行手順と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0010】
また、請求項2に係る発明は、上記の発明において、前記保持手順によって保持された対応関係をユーザに報知する報知手順をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0011】
また、請求項3に係る発明は、上記の発明において、前記保持手順は、予め想定される状況ごとに予め規定された前記対応関係を保持し、前記処理実行手順は、前記保持手順によって保持された対応関係のうち現状況に該当する対応関係から、前記ユーザによって指示された領域に対応する処理内容を選択し、当該選択した処理内容を実行することを特徴とする。
【0012】
また、請求項4に係る発明は、上記の発明において、現にユーザが選択可能な処理内容の個数に応じて前記複数の領域を区分けし、当該区分けした各領域群のなかで各領域が同一の処理内容となるように、前記複数の領域それぞれに処理内容を割り当てる割当手順をさらにコンピュータに実行させ、前記保持手順は、前記割当手順によって割り当てられた対応関係を保持することを特徴とする。
【0013】
また、請求項5に係る発明は、上記の発明において、前記割当手順は、現にユーザが選択可能な処理内容それぞれの実行頻度に応じて、当該実行頻度が高い処理内容ほど多数の領域が割り当てられるように、前記複数の領域それぞれに処理内容を割り当てることを特徴とする。
【0014】
また、請求項6に係る発明は、複数の領域からなる受付部においてユーザから押下または接触による指示を受け付け、当該指示された領域に応じた処理を実行する処理実行装置であって、前記複数の領域を区分けしてなる各領域群のなかで各領域が同一の処理内容となるように、前記複数の領域と処理内容とが対応付けられた対応関係を記憶する記憶手段と、前記記憶手段によって記憶された対応関係から、前記ユーザによって指示された領域に対応する処理内容を選択し、当該選択した処理内容を実行する処理実行手段と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
また、請求項7に係る発明は、複数の領域からなる受付部においてユーザから押下または接触による指示を受け付け、当該指示された領域に応じた処理を実行する処理実行方法であって、前記複数の領域を区分けしてなる各領域群のなかで各領域が同一の処理内容となるように、前記複数の領域と処理内容とが対応付けられた対応関係を保持する保持工程と、前記保持工程によって保持された対応関係から、前記ユーザによって指示された領域に対応する処理内容を選択し、当該選択した処理内容を実行する処理実行工程と、を含んだことを特徴とする。
【0016】
また、請求項8に係る発明は、複数の操作部と、前記複数の操作部に対して処理内容を対応づけるとともに、前記複数の操作部のいずれかが操作された際に当該操作部に対応した処理を実行する処理部と、選択肢となる処理内容の個数に応じて、前記操作部を複数の領域に分割し、前記処理内容のそれぞれに対応させるべき前記領域を決定する割り当て部と、を備えることを特徴とする。
【0017】
また、請求項9に係る発明は、前記端末装置はさらに、前記操作部を、対応付けられた処理内容に応じて視覚的に区別される対応で表示させる制御部を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1、6または7の発明によれば、複数の領域を区分けしてなる各領域群のなかで各領域が同一の処理内容となるように、複数の領域と処理内容とが対応付けられた対応関係を保持し、当該対応関係からユーザによって指示された領域に対応する処理内容を選択し、当該選択した処理内容を実行するので、ユーザに対する操作性を向上することが可能となる。つまり、同じ領域群に属する複数の領域(例えば、複数の操作ボタン、複数の操作キー、タッチパネルの複数領域など)のいずれかをユーザが指示すれば意図する処理が実行される結果、例えば、複数の操作ボタンのなかから意図する処理に対応する一つの操作ボタンを探す必要はなく、また、一つの操作ボタンのみに狙いを定めて押下する必要もなくなるので、ユーザに対する操作性を向上することが可能となる。
【0019】
また、請求項2の発明によれば、対応関係をユーザに報知するので、ユーザに対する操作性を一層向上することが可能となる。例えば、ユーザは操作ボタンと処理との対応関係を把握した上で誤りなく操作ボタンを押下することができ、ユーザに対する操作性を一層向上することが可能となる。
【0020】
また、請求項3の発明によれば、予め想定される状況ごとに予め規定された対応関係を保持し、当該対応関係のうち現状況に該当する対応関係から、ユーザによって指示された領域に対応する処理内容を選択し、当該選択した処理内容を実行するので、処理の個数に応じて領域を動的に割り当てる手法と比較して、処理速度を速くすることが可能となる。
【0021】
また、請求項4または8の発明によれば、現にユーザが選択可能な処理内容の個数に応じて複数の領域を区分けし、当該区分けした各領域群のなかで各領域が同一の処理内容となるように、複数の領域それぞれに処理内容を割り当てるので、ユーザが選択可能な処理内容の個数が変化するような状況においても、ユーザに対する操作性を向上することが可能となる。
【0022】
また、請求項5の発明によれば、現にユーザが選択可能な処理内容それぞれの実行頻度に応じて、当該実行頻度が高い処理内容ほど多数の領域が割り当てられるように、複数の領域それぞれに処理内容を割り当てるので、ユーザに対する操作性を一層向上することが可能となる。例えば、実行頻度が高い処理内容ほど多数の操作ボタンによってユーザは押下し易くなる結果、ユーザに対する操作性を一層向上することが可能となる。
【0023】
また、請求項9の発明によれば、操作部を、対応付けられた処理内容に応じて視覚的に区別される対応で表示させるので、ユーザーは同じ領域に属する複数の操作部を直感的に把握することができ、ユーザーに対する操作性を一層向上することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下の実施例では、本発明に係る処理実行プログラムを携帯電話としての携帯端末に適用した場合を説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、PHS(Personal Handy-phone System)、PDA(Personal Digital Assistant)、パソコン、リモコン等、少なくとも複数の領域からなる受付部を備えてユーザから押下または接触による指示を受け付け、当該指示された領域に応じた処理を実行する電子機器であれば、同様に適用できる。
【0025】
以下に添付図面を参照して、実施例1に係る携帯端末の概要および特徴、実施例1に係る携帯端末の構成および処理の流れ、実施例1の効果を順に説明し、引き続き、他の実施例を説明する。
【実施例1】
【0026】
[実施例1に係る携帯端末の概要および特徴]
まず、図1を用いて、実施例1に係る携帯端末の概要および特徴を説明する。図1は、実施例1に係る携帯端末の概要および特徴を説明するための図である。
【0027】
実施例1に係る携帯端末の概要を以下に説明する。携帯端末10は、複数の領域からなる受付部を備える。例えば、図1に示すように、携帯端末10は、「1」や「♯」などの記号が表記されたそれぞれのボタンが規則正しく配置された受付部20を備える。そして、携帯端末10は、当該受付部においてユーザから押下または接触による指示を受け付けると、当該指示された領域に応じた処理を実行する。例えば、図1に示すように、携帯端末10は、数字が表記されたボタンをユーザによって押下されることで、当該数字を発信電話番号の一部として受け付けるなどの処理を実行する。以上が携帯端末の概要であり、この携帯端末は、ユーザに対する操作性を向上することを可能としている点に主たる特徴がある。
【0028】
この主たる特徴について説明すると、携帯端末10は、複数の領域を区分けしてなる各領域群のなかで各領域が同一の処理内容となるように、複数の領域と処理内容とが対応付けられた対応関係を保持する。
【0029】
具体的に例を挙げて説明すると、図1に示すように、携帯端末10は、『090−1××4−5××8に発信』という処理内容と、『「1」、「4」、「7」および「※」それぞれが表記された4つのボタンから出力される信号に基づく情報』とを対応付け、並びに、『090−2××5−6××9に発信』という処理内容と、『「2」、「5」、「8」および「0」それぞれが表記された4つのボタンから出力される信号に基づく情報』とを対応付け、並びに、『090−3××6−7××1に発信』という処理内容と、『「3」、「6」、「9」および「♯」それぞれが表記された4つのボタンから出力される信号に基づく情報』とを対応付けたテーブル11を記憶する。
【0030】
そして、携帯端末10は、ユーザによって指示された領域に対応する処理内容を対応関係から選択し、当該選択した処理内容を実行する。
【0031】
具体的に例を挙げて説明すると、図1に示すように、携帯端末10は、ユーザによって「5」が表記されたボタンを押下されると、当該「5」が表記されたボタンから出力される信号に基づく情報にはテーブル11より「090−2××5−6××9に発信」という処理内容が対応付けられているので、その処理内容のとおり実行する(図1の(1)参照)。
【0032】
また、この処理内容には、「5」の他に「2」、「8」および「0」が表記されたボタンから出力される信号に基づく情報も対応付けられているので、携帯端末10は、これらいずれかのボタンを押下された場合には、同じ処理内容を実行する。
【0033】
なお、通常、携帯端末10は、所定の数字が表記されたボタンを押下された場合には、当該数字を発信電話番号の一部として受け付けるという処理を実行するが、ここでは、携帯端末10は、所定のボタンを押下されることによって既に登録された電話番号に発信するという携帯端末10固有の機能(以下、「スピードダイヤル機能」と呼称)を所有し、このスピードダイヤル機能について上記の処理を実行する場合を例に挙げて説明する。
【0034】
したがって、この携帯端末によれば、上記した主たる特徴のとおり、ユーザに対する操作性を向上することが可能となる。つまり、同じ領域群に属する複数の領域(図1では、複数のボタン)のいずれかをユーザが指示すれば意図する処理が実行される結果、例えば、複数のボタンのなかから意図する処理に対応する一つのボタンを探す必要はなく、また、一つの操作ボタンのみに狙いを定めて押下する必要もなくなるので、ユーザに対する操作性を向上することが可能となる。
【0035】
[実施例1に係る携帯端末の構成]
次に、図2を用いて、図1に示した実施例1に係る携帯端末の構成を説明する。図2は、携帯端末の構成を示すブロック図である。
【0036】
図2に示すように、携帯端末10は、受付部20と、記憶部30と、処理部40と、出力部50を備える。
【0037】
受付部20は、ユーザから押下または接触による指示を受付ける。具体的には、受付部20は、図2に示すように、「1」ボタン20a〜「0」20jボタンと、「※」ボタン20kと、「♯」ボタン20lとを備え、それぞれのボタンが押下されると、所定の信号を処理部40に出力する。例えば、受付部20は、ユーザによって「1」ボタンを押下されると、「1」を意味する所定の信号を処理部40に出力する。また、各ボタンは、3原色のLED(Light Emitting Diode)を備え、後述する発光制御部43によって当該LEDを制御されることで、所定の色の光を発光する。なお、受付部20は、これらのボタンの他に、電源の入/切を制御するボタンなどを備えるがここでは省略する。
【0038】
記憶部30は、処理部40による各種処理に必要なデータおよびプログラムを記憶し、特に本発明に密接に関連するものとしては、対応関係記憶部31を備える。なお、対応関係記憶部31は、特許請求の範囲に記載の「保持手順」に対応する。
【0039】
対応関係記憶部31は、隣接する領域同士が同じ領域群に属するように複数の領域を区分けしてなる各領域群について、各領域群のなかで各領域が同一の処理内容となるように、複数の領域と処理内容とが対応付けられた対応関係を記憶する。具体的には、図3に示すように、対応関係記憶部31は、携帯端末10が所有するスピードダイヤル機能に係る処理内容と、受付部20が備える各ボタンから出力される信号に基づく情報と、後述する発光制御部43が各ボタンを一意に識別するためのボタン識別情報と、同じく発光制御部43がボタンを発光させるかを示す発光色情報とを対応付けて記憶する。なお、上記した「情報」については、その情報の元になる信号を出力するボタンにおいて、隣接するボタン同士が同じボタン群に属するように処理内容と対応付けて記憶する。
【0040】
例えば、図3に示すように、対応関係記憶部31は、『090−1××4−5××8に発信』という処理内容に対して『「1」、「4」、「7」および「※」』といった、「1」、「4」、「7」および「※」が表記されたそれぞれ4つのボタンから出力される信号に基づく情報を対応付け、さらに上記した「情報」に対して『「11」、「12」、「13」および「14」』といったボタン識別情報と、『B(blue)』といった発光色情報を対応付けて記憶する。なお、図3は、対応関係記憶部31が記憶する情報の例を示す図である。
【0041】
処理部40は、OS(Operating System)などの制御プログラム、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有して種々の処理(例えば、通話のための発着信処理やメール送受信のための処理やWebページを閲覧するためのWeb処理など)を実行し、特に本発明に密接に関連するものとしては、処理実行部41と、ディスプレイ制御部42と、発光制御部43を備える。なお、処理実行部41は、特許請求の範囲に記載の「処理実行手順」に対応し、ディスプレイ制御部42は、同じく「報知手順」に対応し、発光制御部43は、同じく「発光手順」に対応する。
【0042】
処理実行部41は、対応関係記憶部31によって記憶された対応関係から、ユーザによって指示された領域に対応する処理内容を選択し、当該選択した処理内容を実行する。具体的には、上述した受付部20の所定のボタンから出力された信号を受け取ると、その信号が意味する情報に変換して対応関係記憶部31によって記憶された対応関係から当該情報に対応する処理内容を選択し、当該選択した処理内容を実行する。例えば、処理実行部41は、ユーザが「1」ボタンが押下することによって出力された信号を受け取ると、対応関係記憶部31によって記憶された対応関係から「090−1××4−5××8に発信」という処理内容を選択して実行する。
【0043】
ディスプレイ制御部42は、対応関係記憶部31によって記憶された対応関係をユーザに報知する。具体的には、ディスプレイ制御部42は、所定の操作によってスピードダイヤル機能が開始されると、記憶部30に予め格納された画像情報を記憶部30から読み出して後述する出力部50に出力する。例えば、図4に示すように、ディスプレイ制御部42は、ディスプレイ12に「A子 青色ボタン」などと表示される画像情報を出力部50に出力する。
【0044】
発光制御部43は、対応関係記憶部31によって記憶された対応関係で同一の処理内容が対応付けられている各領域を同一色で発光させる。具体的には、発光制御部43は、所定の操作によってスピードダイヤル機能が開始されると、対応関係記憶部31によって記憶されたボタン識別情報と発光色情報とを対応関係記憶部31から読み出し、上記した各ボタンのLEDを制御して所定の色の光を発光させる。例えば、発光制御部43は、ボタン識別情報「11」と発光色情報「B」とを対応関係記憶部31から読み出し、ボタン識別情報「11」が示す「1」ボタン20aが青色に発光するように制御する。なお、対応関係記憶部31では、隣接するボタン同士が同じボタン群に属するように複数のボタンを区分けしてなる各ボタン群について、各ボタン群のなかで各ボタンが同一の処理内容となるように、複数のボタンと処理内容とが対応付けてされているので、図4に示すように、発光制御部43は、各ボタンを列ごとに同一色で発光する。
【0045】
出力部50は、各種処理の結果を出力し(例えば、処理部40の発着信処理によって「通話」などの文字を表示する)、ディスプレイで構成され、特に本発明に密接に関連するものとしては、上述したディスプレイ制御部42から画像情報を受け取ると、所定の画面をディスプレイに表示出力する(図4参照)。
【0046】
[実施例1に係る携帯端末による処理]
次に、図5を用いて、実施例1における携帯端末による処理を説明する。図5は、携帯端末10による処理実行の流れを示すフローチャートである。
【0047】
携帯端末10は、所定の操作によってスピードダイヤル機能が開始されると(ステップS501肯定)、発光制御部43によって各ボタンを発光し(ステップS502)、記憶部30に予め格納された画像情報をディスプレイ制御部42によって出力部50に出力し(ステップS503)、出力部50のディスプレイに所定の画面を表示する(ステップS504)。
【0048】
そして、携帯端末10は、受付部20の各ボタンが押下されるか監視し(ステップS505)、受付部20の所定のボタンが押下されると(ステップS505肯定)、処理実行部41によって当該ボタンに対応する処理を実行し(ステップS506)、処理を終了する。
【0049】
[実施例1の効果]
上記したように、実施例1によれば、複数のボタンを区分けしてなる各ボタン群のなかで各ボタンが同一の処理内容となるように、複数のボタンと処理内容とが対応付けられた対応関係を記憶し、当該対応関係からユーザによって押下されたボタンに対応する処理内容を選択し、当該選択した処理内容を実行するので、ユーザに対する操作性を向上することが可能となる。つまり、同じボタン群に属する複数のボタンのいずれかをユーザが指示すれば意図する処理が実行される結果、例えば、複数のボタンのなかから意図する処理に対応する一つのボタンを探す必要はなく、また、一つのボタンのみに狙いを定めて押下する必要もなくなるので、ユーザに対する操作性を向上することが可能となる。
【0050】
また、実施例1によれば、予め想定される状況ごとに予め規定された対応関係を保持し、当該対応関係のうち現状況に該当する対応関係から、ユーザによって押下されたボタンに対応する処理内容を選択し、当該選択した処理内容を実行するので、処理の個数に応じてボタンを動的に割り当てる手法と比較して、処理速度を速くすることが可能となる。
【0051】
また、実施例1によれば、ディスプレイに所定の画面を表示して対応関係をユーザに報知するので、ユーザに対する操作性を一層向上することが可能となる。
【0052】
また、実施例1によれば、受付部において、同一の処理内容が対応付けられている各ボタンを同一色で発光させるので、ユーザは同じボタン群に属する複数のボタンを直感的に把握することができ、ユーザに対する操作性を一層向上することが可能となる。
【0053】
また、実施例1によれば、隣接するボタン同士が同じボタン群に属するように複数のボタンを区分けしてなる各ボタン群について、各ボタン群のなかで各ボタンが同一の処理内容となるように、複数のボタンと処理内容とが対応付けられた対応関係を保持するので、ユーザに対する操作性を一層向上することが可能となる。つまり、同じボタン群に属する複数のボタンが擬似的に一つの大きなボタンとなる結果、例えば、ボタンが小さくなった場合においても、擬似的にボタンを大きくすることが可能となるので、ユーザに対する操作性を一層向上することが可能となる。
【実施例2】
【0054】
実施例1では、予めスピードダイヤル機能に係る電話番号が登録されている場合を説明したが、実施例2では、スピードダイヤル機能に係る新たな電話番号を新規に登録する場合を説明する。
【0055】
図6を用いて、実施例2に係る携帯端末を説明する。図6は、実施例2に係る携帯端末を説明するための図である。
【0056】
携帯端末10は、スピードダイヤル機能に係る電話番号が新規に登録されると、現にユーザが選択可能なスピードダイヤル機能に係る処理内容の個数に応じて受付部20が備える各ボタンを均等に、かつ、隣接するボタン同士が同じボタン群に属するように区分けし、当該区分けした各ボタン群のなかで各ボタンが同一の処理内容となるように、各ボタンに処理内容を割り当てる。
【0057】
例えば、図6に示すように、携帯端末10は、スピードダイヤル機能に係る電話番号が新規に登録され、当該電話番号に発信する処理内容を含めて4つの処理内容が選択可能となった場合には(矢印13参照)、「1」、「2」、「3」が表記されたボタンを一つのボタン群に、「4」、「5」、「6」が表記されたボタンを一つのボタン群に、「7」、「8」、「9」が表記されたボタンを一つのボタン群に、そして、「※」、「0」、「♯」が表記されたボタンを一つのボタン群に区分けして、スピードダイヤル機能に係る電話番号に発信する処理内容に対して各ボタン群を割り当てる。なお、選択可能な処理内容が4つのほか、図6に示すように、携帯端末10は、選択可能な処理内容が2つ、3つ、5つ、そして6つの場合においても同様に受付部20が備える各ボタンを均等に、かつ、隣接するボタン同士が同じボタン群に属するように区分けし、当該区分けした各ボタン群のなかで各ボタンが同一の処理内容となるように、各ボタンに処理内容を割り当てる。
【0058】
[実施例2に係る携帯端末の構成]
次に、図7を用いて、図6に示した実施例2に係る携帯端末の構成を説明する。図7は、実施例2に係る携帯端末の構成を示すブロック図である。
【0059】
図7に示すように、携帯端末10は、受付部20と、記憶部30と、処理部40と、出力部50とを備える。また、受付部20は、「1」ボタン20a〜「0」ボタン20jと、「※」ボタン20kと、「♯」ボタン20lとを備え、記憶部30は、対応関係記憶部32を備え、処理部40は、処理実行部41と、割り当て処理部44と、画面生成部45とを備える。なお、実施例1と同じ動作をするものについては同じ番号を付して説明を省略し、以下では、対応関係記憶部32と、割り当て処理部44と、画面生成部45のみ説明を行う。また、対応関係記憶部32は、特許請求の範囲に記載の「保持手順」に対応し、割り当て処理部44は、同じく「割当手順」に対応し、画面生成部45は、同じく「報知手順」に対応する。
【0060】
対応関係記憶部32は、隣接する領域同士が同じ領域群に属するように複数の領域を区分けしてなる各領域群について、各領域群のなかで各領域が同一の処理内容となるように、複数の領域と処理内容とが対応付けられた対応関係を記憶する。具体的には、図8に示すように、対応関係記憶部32は、後述する割り当て処理部44から出力されたスピードダイヤル機能に係る処理内容と、各ボタン群から出力される信号に基づく情報とを対応付けた対応関係を受け取って記憶する。
【0061】
例えば、図8に示すように、対応関係記憶部32は、『090−1××4−5××8に発信』という処理内容に対して『「1」、「4」、「7」および「※」』といった、「1」、「4」、「7」および「※」が表記されたそれぞれ4つのボタンから出力される信号に基づく情報を対応付けた対応関係を割り当て処理部44から受け取って記憶する。
【0062】
割り当て処理部44は、現にユーザが選択可能な処理内容の個数に応じて複数の領域を区分けし、当該区分けした各領域群のなかで各領域が同一の処理内容となるように、複数の領域それぞれに処理内容を割り当てる。
【0063】
具体的には、割り当て処理部44は、所定の操作でスピードダイヤル機能に係る電話番号が新規に登録されると、現にユーザが選択可能なスピードダイヤル機能に係る処理内容の個数に応じて受付部20の各ボタンが均等な数のボタン群に区分けされ、かつ、隣接するボタン同士が同じボタン群に属するように区分けを算出し、当該算出した区分けに基づいて、スピードダイヤル機能に係る処理内容と、各ボタン群から出力される信号に基づく情報とを対応付けて対応関係記憶部32に格納する。なお、スピードダイヤル機能に係る電話番号が新規に登録される所定の操作としては、例えば、電話帳機能に電話番号や名前などが登録された後、当該電話番号をスピードダイヤル機能に係る電話番号として登録するか否かをユーザに選択させるなどしてもよい。
【0064】
例えば、割り当て処理部44は、スピードダイヤル機能に係る電話番号が新規に登録され、現にユーザが選択可能なスピードダイヤル機能に係る処理内容の個数が4つであった場合には、受付部20の12個のボタンが3個のボタンからなるボタン群で4つに区分けされるように区分けを算出し、スピードダイヤル機能に係るそれぞれ4つの処理内容に対して、「1」ボタン20a〜「3」ボタン20cから出力される信号に基づく3つの情報と、「4」ボタン20d〜「6」ボタン20fから出力される信号に基づく3つの情報と、「7」ボタン20g〜「9」ボタン20iから出力される信号に基づく3つの情報と、「0」ボタン20j〜「♯」ボタン20lから出力される信号に基づく3つの情報とを対応付けて対応関係記憶部32に格納する。
【0065】
画面生成部45は、対応関係記憶部32によって記憶された対応関係をユーザに報知する。具体的には、画面生成部45は、所定の操作によってスピードダイヤル機能が開始されると、対応関係記憶部32によって記憶された対応関係や記憶部30によって記憶された種々のデータに基づいて所定の画像情報を生成し、当該生成した画像情報を後述する出力部50に出力する。例えば、画面生成部45は、「090−1××4−5××8に発信」という処理内容と、「1」ボタン20a〜「3」ボタン20cから出力される信号に基づく3つの情報とからなる対応関係から、「A子→1,2,3」といった文字列からなる画像情報を生成し、当該生成した画像情報を出力部50に出力する。なお、出力部50は、画面生成部45から受け取った画像情報に基づいてディスプレイに所定の画面を出力する(図9参照)。
【0066】
[実施例2に係る携帯端末による処理]
次に、図10や図11を用いて、実施例2における携帯端末による処理を説明する。図10は、携帯端末による処理実行の流れを示すフローチャートであり、図11は、携帯端末による割り当て処理の流れを示すフローチャートである。
【0067】
図10に示すように、携帯端末10は、所定の操作によってスピードダイヤル機能が開始されると(ステップS1001肯定)、画面生成部45によって所定の画像情報を生成し(ステップS1002)、出力部50によって当該画像情報に基づいた所定の画面を出力表示する(ステップS1003)。
【0068】
そして、携帯端末10は、受付部20の各ボタンが押下されるか監視し(ステップS1004)、所定のボタンが押下されると(ステップS1004肯定)、処理実行部41によって当該ボタンから出力された信号に基づく情報に対応する処理内容を実行し(ステップS1005)、処理を終了する。
【0069】
また、図11に示すように、携帯端末10は、所定の操作でスピードダイヤル機能に係る電話番号が新規に登録されると(ステップS1101肯定)、割り当て処理部44によって現にユーザが選択可能なスピードダイヤル機能に係る処理内容の個数に応じて受付部20の各ボタンに対して均等に、かつ、隣接するボタン同士が同じボタン群に属するように区分けがなされるように区分けを算出し(ステップS1102)、当該算出した区分けに基づいて、スピードダイヤル機能に係る処理内容と、受付部20が備える各ボタンから出力される信号に基づく情報とを対応付けて対応関係記憶部32に格納する(ステップS1103)。そして、携帯端末10は、対応関係記憶部32によってスピードダイヤル機能に係る処理内容と、受付部20が備える各ボタンから出力される信号に基づく情報とを対応付けた対応関係を記憶し(ステップS1104)、処理を終了する。
【0070】
[実施例2の効果]
上記したように、実施例2によれば、現にユーザが選択可能な処理内容の個数に応じて複数のボタンを区分けし、当該区分けした各ボタン群のなかで各ボタンが同一の処理内容となるように、複数のボタンそれぞれに処理内容を割り当てるので、ユーザが選択可能な処理内容の個数が変化するような状況においても、ユーザに対する操作性を向上することが可能となる。
【実施例3】
【0071】
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下に示すように、(1)〜(8)にそれぞれ区分けして異なる実施例を説明する。
【0072】
(1)受付部の形態
上記の実施例1では、受付部が複数のボタンからなり、当該ボタンに対するユーザの押下による指示を受け付ける場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の領域からなる受付部ならばいかなる形態であってもよく、例えば、受付部がタッチパネルからなり、当該タッチパネルに対するユーザの押下または接触による指示を受け付けてもよいし、受付部が複数のキーが配置されたものであり、当該キーに対するユーザの押下による指示を受け付けてもよい。
【0073】
(2)ボタン群
また、上記の実施例1では、同一の処理内容に対応付けられたボタン群を隣接するボタン同士からなるボタン群として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、隣接しないボタン同士からなるボタン群としてもよく、この場合においても複数のボタンのなかから意図する処理に対応する一つのボタンを探す必要はなく、また、一つのボタンのみに狙いを定めて押下する必要もなくなるので、ユーザに対する操作性を向上することが可能となる。
【0074】
(3)対応関係の報知
また、上記の実施例1では、携帯端末のディスプレイにボタンと処理内容との対応関係を表示する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、必ずしもボタンと処理内容との対応関係をユーザに報知する手段を設けなくてもよい。
【0075】
(4)ボタンの発光
また、上記の実施例1では、同一の処理内容に対応付けられたボタンを同一色に発光させる場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものでなく、必ずしも上記した規定でボタンを発光させる手段を設けなくてもよい。
【0076】
また、上記の実施例2では、ボタンを発光させないものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものでなく、実施例1と同様、同一の処理内容に対応付けられたボタンを同一色に発光させてもよい。具体的には、携帯端末10は、各ボタンにLEDを、処理部40に発光制御手段をさらに備える。そして、割り当て処理部44は、算出した区分けに基づいて、スピードダイヤル機能に係る処理内容に対して各ボタン群から出力される信号に基づく情報を対応付けるほか、さらにボタンの識別情報と、発光色情報とを対応付けて対応関係記憶部32に格納する。そして、処理部40の発光制御手段は、対応関係記憶部32に格納された対応関係に基づいて各ボタンのLEDを制御して各ボタンを発光させる。
【0077】
(5)ユーザの指示
また、上記の実施例1では、ユーザの指による押下または接触で指示を受け付けるものとして説明したが、本発明はこれに限定されるものでなく、ユーザから結果的に指示を受け付けるものであればいかなる手法であってもよく、例えば、受付部を操作するためのペン状の棒などによる押下または接触で指示を受け付けてもよい。
【0078】
(6)区分けの算出
また、上記の実施例2では、現にユーザが選択可能なスピードダイヤル機能に係る処理内容の個数に応じて、受付部20の各ボタンが均等な数のボタン群に区分けされるように区分けを算出する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、現にユーザが選択可能な処理内容それぞれの実行頻度に応じて、当該実行頻度が高い処理内容ほど多数のボタンが割り当てられるように区分けを算出してもよい。
【0079】
例えば、図12に示すように、割り当て処理部42は、スピードダイヤル機能に係る電話番号が新規に登録され、現にユーザが選択可能なスピードダイヤル機能に係る処理内容の個数が4つであり、一つの処理内容が他の3つと比較して実行頻度が高い場合には、受付部20の12個のボタンが6個のボタンからなるボタン群一つと、2個のボタンからなるボタン群3つに区分けされるように区分けを算出するようにしてもよい。
【0080】
こうすることによって、現にユーザが選択可能な処理内容それぞれの実行頻度に応じて、当該実行頻度が高い処理内容ほど多数のボタンが割り当てられるように、複数のボタンそれぞれに処理内容を割り当てるので、ユーザに対する操作性を一層向上することが可能となる。例えば、実行頻度が高い処理内容ほど多数の操作ボタンによってユーザは押下し易くなる結果、ユーザに対する操作性を一層向上することが可能となる。なお、処理内容の実行頻度に応じた重み付けで区分けを算出するのではなく、処理が実行された時間が現時点に近い処理内容ほど多数のボタンが割り当てられるように区分けを算出してもよい。
【0081】
(7)対応関係の報知
また、上記の実施例2では、ボタンに表記された記号や発信する相手の名前などを出力部50に出力表示させることによってユーザに対応関係を報知する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ユーザに対応関係が報知されるものであればいかなる手法であってもよく、例えば、携帯端末が備える所定のスピーカから音声を発することによってユーザに対応関係を報知するようにしてもよいし、タッチパネル式の受付部において、受付部のパネル上に対応関係を直接表示するようにしてもよい。
【0082】
(8)処理内容
また、上記の実施例1では、本実施例で想定した携帯端末固有のスピードダイヤル機能における処理内容を実行する場合を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、複数の領域からなる受付部においてユーザから押下または接触による指示を受け付けることで実行される処理内容であればいかなるものであってもよく、例えば、電話帳機能において電話番号に対応する名前の入力を受け付ける際、所定の漢字変換にて複数の候補をディスプレイに表示してユーザによる選択を待つという処理内容に適用してもよい。
【0083】
(9)ところで、複数の操作部と、複数の操作部に対して処理内容を対応づけるとともに、複数の操作部のいずれかが操作された際に当該操作部に対応した処理を実行する処理部と、選択肢となる処理内容の個数に応じて、操作部を複数の領域に分割し、処理内容のそれぞれに対応させるべき領域を決定する割り当て部と、を備えるように携帯端末を構成してもよい。
【0084】
具体的に例を挙げれば、携帯端末において、割り当て部は、4行3列にボタンが並んでおり、選択肢となる処理内容が4とおりであった場合には、ボタンを行ごとに一つの領域として分割して各行とその行に対応させるべき処理内容との対応関係を決定する。そして、携帯端末において、処理部は、割り当て部によって決定された対応関係で複数のボタンに対して処理内容を対応づけ、複数のボタンのいずれかが押下された際に当該ボタンに対応した処理を実行するようにしてもよい。
【0085】
(10)また、携帯端末は、さらに、操作部を、対応付けられた処理内容に応じて視覚的に区別される対応で表示させる制御部を備えるように構成してもよい。
【0086】
具体的に例を挙げれば、携帯端末において、制御部は、上記の4行3列のボタンについて、1行目のボタンを赤色、2行目のボタンを緑色、3行目のボタンを青色、4行目のボタンを黄色に発光させるなどして、対応付けられた処理内容に応じて視覚的に区別するようにしてもよい。
【0087】
(11)また、複数の操作部と、複数の操作部に対して処理内容を対応づけるとともに、複数の操作部のいずれかが操作された際に当該操作部に対応した処理を実行する処理部と、選択肢となる処理内容の個数に応じて、処理内容のそれぞれに対応させるべき操作部の個数を決定する割り当て部と、を備えるように携帯端末を構成してもい。
【0088】
具体的に例を挙げれば、携帯端末において、割り当て部は、4行3列にボタンが並んでおり、選択肢となる処理内容が4とおりであった場合には、全部で12個のボタンのうち、一つの処理内容をボタン2個に、もう一つの処理内容をボタン3個に、もう一つの処理内容をボタン4個に、もう一つの処理内容をボタン3個に対応付ける対応関係を決定する。そして、携帯端末において、処理部は、割り当て部によって決定された対応関係で複数のボタンに対して処理内容を対応づけ、複数のボタンのいずれかが押下された際に当該ボタンに対応した処理を実行するようにしてもよい。
【0089】
(12)また、携帯端末において、割り当て部は、複数の処理内容のそれぞれに対応する操作部の数が均等になるように、処理内容のそれぞれと複数の操作部とを対応させるようにしてもよい。
【0090】
具体的に例を挙げれば、携帯端末において、割り当て部は、上記の全部で12個のボタンのうち、4つの処理内容を均等にボタン3個ずつに対応付ける対応関係を決定してもよい。
【0091】
(13)また、複数の操作部と、複数の操作部に対して処理内容を対応づけるとともに、複数の操作部のいずれかが操作された際に当該操作部に対応した処理を実行する処理部と、選択肢となる処理内容が複数存在する場合、操作部を複数の領域に分割し、処理内容のそれぞれに対応させるべき領域を決定する割り当て部と、を備えるように携帯端末を構成してもよい。
【0092】
具体的に例を挙げれば、携帯端末において、割り当て部は、4行3列にボタンが並んでおり、選択肢となる処理内容が4とおり、複数あった場合には、ボタンを行ごとに一つの領域として分割して各行とその行に対応させるべき処理内容との対応関係を決定する。そして、携帯端末において、処理部は、割り当て部によって決定された対応関係で複数のボタンに対して処理内容を対応づけ、複数のボタンのいずれかが押下された際に当該ボタンに対応した処理を実行するようにしてもよい。
【0093】
(付記1)複数の領域からなる受付部においてユーザから押下または接触による指示を受け付け、当該指示された領域に応じた処理を実行する処理実行方法をコンピュータに実行させる処理実行プログラムであって、
前記複数の領域を区分けしてなる各領域群のなかで各領域が同一の処理内容となるように、前記複数の領域と処理内容とが対応付けられた対応関係を保持する保持手順と、
前記保持手順によって保持された対応関係から、前記ユーザによって指示された領域に対応する処理内容を選択し、当該選択した処理内容を実行する処理実行手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする処理実行プログラム。
【0094】
(付記2)前記保持手順によって保持された対応関係をユーザに報知する報知手順をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする付記1に記載の処理実行プログラム。
【0095】
(付記3)前記保持手順は、予め想定される状況ごとに予め規定された前記対応関係を保持し、
前記処理実行手順は、前記保持手順によって保持された対応関係のうち現状況に該当する対応関係から、前記ユーザによって指示された領域に対応する処理内容を選択し、当該選択した処理内容を実行することを特徴とする付記1または2に記載の処理実行プログラム。
【0096】
(付記4)現にユーザが選択可能な処理内容の個数に応じて前記複数の領域を区分けし、当該区分けした各領域群のなかで各領域が同一の処理内容となるように、前記複数の領域それぞれに処理内容を割り当てる割当手順をさらにコンピュータに実行させ、
前記保持手順は、前記割当手順によって割り当てられた対応関係を保持することを特徴とする付記1または2に記載の処理実行プログラム。
【0097】
(付記5)前記割当手順は、現にユーザが選択可能な処理内容それぞれの実行頻度に応じて、当該実行頻度が高い処理内容ほど多数の領域が割り当てられるように、前記複数の領域それぞれに処理内容を割り当てることを特徴とする付記4に記載の処理実行プログラム。
【0098】
(付記6)前記受付部において、前記保持手順によって保持された対応関係で同一の処理内容が対応付けられている各領域を同一色で発光させる発光手順をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする付記1〜5のいずれか一つに記載の処理実行プログラム。
【0099】
(付記7)前記保持手順は、隣接する領域同士が同じ領域群に属するように前記複数の領域を区分けしてなる各領域群について、各領域群のなかで各領域が同一の処理内容となるように、前記複数の領域と処理内容とが対応付けられた対応関係を保持することを特徴とする付記1〜6のいずれか一つに記載の処理実行プログラム。
【0100】
(付記8)複数の領域からなる受付部においてユーザから押下または接触による指示を受け付け、当該指示された領域に応じた処理を実行する処理実行装置であって、
前記複数の領域を区分けしてなる各領域群のなかで各領域が同一の処理内容となるように、前記複数の領域と処理内容とが対応付けられた対応関係を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段によって記憶された対応関係から、前記ユーザによって指示された領域に対応する処理内容を選択し、当該選択した処理内容を実行する処理実行手段と、
を備えたことを特徴とする処理実行装置。
【0101】
(付記9)複数の領域からなる受付部においてユーザから押下または接触による指示を受け付け、当該指示された領域に応じた処理を実行する処理実行方法であって、
前記複数の領域を区分けしてなる各領域群のなかで各領域が同一の処理内容となるように、前記複数の領域と処理内容とが対応付けられた対応関係を保持する保持工程と、
前記保持工程によって保持された対応関係から、前記ユーザによって指示された領域に対応する処理内容を選択し、当該選択した処理内容を実行する処理実行工程と、
を含んだことを特徴とする処理実行方法。
【0102】
(付記10)複数の操作部と、
前記複数の操作部に対して処理内容を対応づけるとともに、前記複数の操作部のいずれかが操作された際に当該操作部に対応した処理を実行する処理部と、
選択肢となる処理内容の個数に応じて、前記操作部を複数の領域に分割し、前記処理内容のそれぞれに対応させるべき前記領域を決定する割り当て部と、
を備えることを特徴とする処理実行装置。
【0103】
(付記11)前記端末装置は、さらに、
前記操作部を、対応付けられた処理内容に応じて視覚的に区別される対応で表示させる制御部を備えることを特徴とする付記10に記載の処理実行装置。
【0104】
(付記12)複数の操作部と、
前記複数の操作部に対して処理内容を対応づけるとともに、前記複数の操作部のいずれかが操作された際に当該操作部に対応した処理を実行する処理部と、
選択肢となる処理内容の個数に応じて、前記処理内容のそれぞれに対応させるべき前記操作部の個数を決定する割り当て部と、
を備えることを特徴とする処理実行装置。
【0105】
(付記13)前記端末装置において、
前記割り当て部は、前記複数の処理内容のそれぞれに対応する前記操作部の数が均等になるように、前記処理内容のそれぞれと前記複数の操作部とを対応させることを特徴とする付記12に記載の処理実行装置。
【0106】
(付記14)複数の操作部と、
前記複数の操作部に対して処理内容を対応づけるとともに、前記複数の操作部のいずれかが操作された際に当該操作部に対応した処理を実行する処理部と、
選択肢となる処理内容が複数存在する場合、前記操作部を複数の領域に分割し、前記処理内容のそれぞれに対応させるべき前記領域を決定する割り当て部と、
を備えることを特徴とする処理実行装置。
【産業上の利用可能性】
【0107】
以上のように、本発明に係る処理実行プログラムは、複数のボタンからなる受付部においてユーザから押下または接触による指示を受け付け、当該指示されたボタンに応じた処理を実行する場合に有用であり、特に、ユーザに対する操作性を向上することに適する。
【図面の簡単な説明】
【0108】
【図1】実施例1に係る携帯端末の概要および特徴を説明するための図である。
【図2】実施例1に係る携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図3】対応関係記憶部が記憶する情報の例を示す図である。
【図4】実施例1に係る携帯端末の概観を示す図である。
【図5】携帯端末による処理実行の流れを示すフローチャートである。
【図6】実施例2に係る携帯端末を説明するための図である。
【図7】実施例2に係る携帯端末の構成を示すブロック図である。
【図8】対応関係記憶部が記憶する情報の例を示す図である。
【図9】出力部が表示する画面の例を示す図である。
【図10】携帯端末による処理実行の流れを示すフローチャートである。
【図11】携帯端末による割り当て処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】区分けの算出を説明するための図である。
【符号の説明】
【0109】
10 携帯端末
11 テーブル
12 ディスプレイ
13 矢印
20 受付部
20a 「1」ボタン
20b 「2」ボタン
20c 「3」ボタン
20d 「4」ボタン
20e 「5」ボタン
20f 「6」ボタン
20g 「7」ボタン
20h 「8」ボタン
20i 「9」ボタン
20j 「0」ボタン
20k 「※」ボタン
20l 「♯」ボタン
30 記憶部
31 対応関係記憶部
32 対応関係記憶部
40 処理部
41 処理実行部
42 ディスプレイ制御部
43 発光制御部
44 割り当て処理部
45 画面生成部
50 出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の領域からなる受付部においてユーザから押下または接触による指示を受け付け、当該指示された領域に応じた処理を実行する処理実行方法をコンピュータに実行させる処理実行プログラムであって、
前記複数の領域を区分けしてなる各領域群のなかで各領域が同一の処理内容となるように、前記複数の領域と処理内容とが対応付けられた対応関係を保持する保持手順と、
前記保持手順によって保持された対応関係から、前記ユーザによって指示された領域に対応する処理内容を選択し、当該選択した処理内容を実行する処理実行手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする処理実行プログラム。
【請求項2】
前記保持手順によって保持された対応関係をユーザに報知する報知手順をさらにコンピュータに実行させることを特徴とする請求項1に記載の処理実行プログラム。
【請求項3】
前記保持手順は、予め想定される状況ごとに予め規定された前記対応関係を保持し、
前記処理実行手順は、前記保持手順によって保持された対応関係のうち現状況に該当する対応関係から、前記ユーザによって指示された領域に対応する処理内容を選択し、当該選択した処理内容を実行することを特徴とする請求項1または2に記載の処理実行プログラム。
【請求項4】
現にユーザが選択可能な処理内容の個数に応じて前記複数の領域を区分けし、当該区分けした各領域群のなかで各領域が同一の処理内容となるように、前記複数の領域それぞれに処理内容を割り当てる割当手順をさらにコンピュータに実行させ、
前記保持手順は、前記割当手順によって割り当てられた対応関係を保持することを特徴とする請求項1または2に記載の処理実行プログラム。
【請求項5】
前記割当手順は、現にユーザが選択可能な処理内容それぞれの実行頻度に応じて、当該実行頻度が高い処理内容ほど多数の領域が割り当てられるように、前記複数の領域それぞれに処理内容を割り当てることを特徴とする請求項4に記載の処理実行プログラム。
【請求項6】
複数の領域からなる受付部においてユーザから押下または接触による指示を受け付け、当該指示された領域に応じた処理を実行する処理実行装置であって、
前記複数の領域を区分けしてなる各領域群のなかで各領域が同一の処理内容となるように、前記複数の領域と処理内容とが対応付けられた対応関係を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段によって記憶された対応関係から、前記ユーザによって指示された領域に対応する処理内容を選択し、当該選択した処理内容を実行する処理実行手段と、
を備えたことを特徴とする処理実行装置。
【請求項7】
複数の領域からなる受付部においてユーザから押下または接触による指示を受け付け、当該指示された領域に応じた処理を実行する処理実行方法であって、
前記複数の領域を区分けしてなる各領域群のなかで各領域が同一の処理内容となるように、前記複数の領域と処理内容とが対応付けられた対応関係を保持する保持工程と、
前記保持工程によって保持された対応関係から、前記ユーザによって指示された領域に対応する処理内容を選択し、当該選択した処理内容を実行する処理実行工程と、
を含んだことを特徴とする処理実行方法。
【請求項8】
複数の操作部と、
前記複数の操作部に対して処理内容を対応づけるとともに、前記複数の操作部のいずれかが操作された際に当該操作部に対応した処理を実行する処理部と、
選択肢となる処理内容の個数に応じて、前記操作部を複数の領域に分割し、前記処理内容のそれぞれに対応させるべき前記領域を決定する割り当て部と、
を備えることを特徴とする処理実行装置。
【請求項9】
前記端末装置はさらに、
前記操作部を、対応付けられた処理内容に応じて視覚的に区別される対応で表示させる制御部を備えることを特徴とする請求項8に記載の処理実行装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−187358(P2008−187358A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−18051(P2007−18051)
【出願日】平成19年1月29日(2007.1.29)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】