説明

分岐コネクタ

【課題】分岐コネクタ内に配置する抵抗材を基板に実装せずに回路中に設け、実装工程や抵抗器を実装するための基板を不要とする。
【解決手段】幹線から複数の支線を分岐接続する位置に設ける分岐コネクタにおいて、コネクタハウジング内に、前記幹線に圧接される第1圧接端子部と複数の第2圧接端子部を間隔をあけて設けているジョイント用のバスバーと、前記バスバーの第2圧接端子部と対向して配置される圧接端子部を一端に備えると共に、他端に前記支線との接続部を有する端子材と、前記バスバーの各第2圧接端子部と前記各端子材の圧接端子部との間に介在させて圧接接続した抵抗材とを収容している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、分岐コネクタに関し、詳しくは、自動車内に配索されるLAN中に介設され、通信回路の分岐接続部で発生する信号の反射を減衰する機能をコネクタ内に設けたものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車に配索される電線同士の接続にはコネクタが多く用いられており、特開2006−4852号公報(特許文献1)では、電子部品を内蔵したコネクタが提供されている。
特許文献1で提供されたコネクタ1は、図10に示すように、アッパーケース2とロアケース3からなるハウジング4内に複数の電子部品5を実装したプリント基板6を収容して、該プリント基板6に接続した端子7を外部電線(図示せず)の端末の端子と接続している。
【0003】
特許文献1で提供されているコネクタ1は電子部品5を実装したプリント基板6を内蔵しているため、コネクタに様々な機能を持たせることができ、通信回路の分岐点に抵抗器やコイルの電子部品を実装すると、分岐点における信号の反射を減衰することができる。
しかしながら、電子部品5を実装したプリント基板6をコネクタハウジング内に収容したコネクタ1とする場合、その製造工程において煩雑な実装工程が必要となると共に、多数の部品が必要となるためコスト高になり、かつ、コネクタが大型化する問題がある。
【0004】
【特許文献1】特開2006−4852号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前記問題に鑑みてなされたものであり、分岐コネクタにおいて、通信回路の分岐点に信号の反射を低減する抵抗を設ける場合において、抵抗を実装しているプリント基板を不要として、部品点数を削減してコストの低下および分岐コネクタの小型化を図ることを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため、本発明は、幹線から複数の支線を分岐接続する位置に設ける分岐コネクタにおいて、
コネクタハウジング内に、
前記幹線に圧接される第1圧接端子部と複数の第2圧接端子部を間隔をあけて設けているジョイント用のバスバーと、
前記バスバーの第2圧接端子部と対向して配置される圧接端子部を一端に備えると共に、他端に前記支線との接続部を有する端子材と、
前記バスバーの各第2圧接端子部と前記各端子材の圧接端子部との間に介在させて圧接接続した抵抗材と、
を収容していることを特徴とする分岐コネクタを提供している。
【0007】
本発明の分岐コネクタでは、コネクタハウジング内に抵抗を実装したプリント基板を収容して幹線接続回路から分岐する支線接続回路を接続しているのではなく、幹線接続回路側のバスバーの第2圧接端子部と支線接続回路側の端子材の圧接端子部との間に抵抗材を介在させて圧接接続している。
このように、幹線と接続されるバスバーと支線と接続される各端子材との分岐部に抵抗材を圧接接続により介設しているため、抵抗を基板に実装する煩雑な工程が不要となると共に抵抗を実装した基板が不要となる。よって、分岐コネクタを小型化できると共に低コスト化を図ることができる。また、抵抗を実装した基板を用いないため、抵抗を基板に実装する場合に発生する高温化による抵抗への悪影響もない。
また、幹線をバスバーの第1圧接端子部に圧接する作業と、抵抗材をバスバーの第2圧接端子部に圧接する作業とを同一工程で行うことができるため、さらに作業工数を低減することができる。
【0008】
前記抵抗材は、両端にリード線を備えた抵抗器からなり、前記リード線を前記バスバーの第2圧接端子部と前記支線に接続される端子材の圧接端子部とに圧接接続されていることが好ましい。
前記抵抗器の抵抗値を通信回路の幹線のインピーダンス(Zo)の6%〜50%、好ましくは10%〜22%とすることが好ましい。
前記6%以上であれば抵抗器をフィルタ回路として機能させて、通信回路の分岐部における信号の反射を減衰させることができる。一方、50%を越えると受信側の電圧低下を招き通信エラーとなる。
【0009】
また、前記抵抗材は、電気抵抗率が4.25×10−2μΩm〜200×10−2μΩm、より好ましくは100×10−2μΩm〜200×10−2μΩm、の高抵抗線材からなり、該高抵抗線材は前記バスバーの第2圧接端子部と前記支線に接続される端子材の圧接端子部とに圧接接続され、
前記高抵抗線材が導体の単線あるいは撚り線がそれぞれ絶縁被覆された複数本の線材、あるいは導体を並列させて絶縁材で被覆されたフラットケーブルとされていてもよい。
【0010】
前記構成によれば、前記高抵抗線材の太さおよび長さを適宜調節して所要の抵抗値に設定することができ、抵抗値を前記抵抗器と同様、通信回路の幹線のインピーダンス(Zo)の6%〜50%、好ましくは10%〜22%とすることが好ましい。
【0011】
前記幹線および支線が差動伝送線路を構成する第1通信線と第2通信線からなるペア電線からなる場合には、
前記コネクタハウジング内に、前記幹線の第1通信線と第2通信線とにそれぞれ圧接接続させる一対の第1通信線用の前記バスバーと第2通信線用の前記バスバーが対向して収容され、
これら第1通信線用と第2通信線線用のバスバーとそれぞれ対向して前記支線の第1通信線と接続される端子材、第2通信線と接続される端子材が配置され、対向した前記バスバーの第2圧接端子部と前記端子材の圧接端子部とが夫々前記抵抗材を介して接続されていることが好ましい。
【0012】
前記構成によれば、通信回路の幹線から支線が分岐する分岐部近傍の支線側に前記抵抗材からなるフィルタ回路を容易に形成することができ、該フィルタ回路により分岐部で生じる信号の反射を早期に減衰させることができる。
【0013】
また、前記端子材に2つの圧接端子部を設け、一方の圧接端子部とバスバーの第2圧接端子部との間に前記抵抗材を圧接接続すると共に、他方の圧接端子部とバスバーの第2圧接端子部との間にコイルを圧接接続して、バスバーと端子材との間に抵抗材とコイルを並列接続していることが好ましい。
前記構成によれば、フィルタ回路としての機能を向上させることができ、該フィルタ回路により分岐部で生じる信号の反射をさらに早期に減衰させることができる。
【発明の効果】
【0014】
前述したように、本発明によれば、幹線と接続したバスバーと支線と接続される各端子材との間に圧接接続により抵抗材を介設しているため、抵抗材を基板に実装する工程が不要となると共に抵抗材を実装した基板が不要となり、分岐コネクタを小型化できると共に低コスト化を図ることができる。
また、幹線をバスバーの第1圧接端子部に圧接する作業と、抵抗材をバスバーの第2圧接端子部に圧接する作業とを同一工程で行うことができるため、さらに作業工数を低減することができる。
さらに、通信回路の幹線から支線の接続分岐位置に抵抗からなるフィルタ回路を容易に設けることができ、該フィルタ回路により分岐部で生じる信号の反射を早期に減衰させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の実施形態を図面を参照して説明する。
図1乃至図5は、本発明の第1実施形態を示し、分岐コネクタ10は、CAN通信(差動伝送方式)を行う車載LAN100において、幹線101から支線102が分岐する分岐部103を形成するものである。
【0016】
分岐コネクタ10のコネクタハウジング11は、図2に示すように、上部側に複数の端子収容室12をZ方向の2列で並設しており、これら端子収容室12のZ方向の両側には端子収容室12を跨いでX方向に延在するバスバー収容部13を設けている。端子収容室12は上下方向Yに延在すると共に上端開口を後述する端子材20の挿入口とする一方、バスバー収容部13はコネクタハウジング11の上端面に設けた浅い溝状としている。
【0017】
一方、コネクタハウジング11の下部側には、図5に示すように、コネクタ嵌合部16を設け、該コネクタ嵌合部16と各端子収容室12とを連通させている。
また、端子収容室12およびコネクタ嵌合部16には、それぞれ端子収容室12、コネクタ嵌合部16に挿入する端子材20、コネクタ40を係止するための係止突起12a、係止溝16aをコネクタハウジング11の内面に設けている。さらに、コネクタハウジング11の外面には、所要箇所にコネクタハウジング11に取り付けるカバー17を係止固定するための係止突起11aを突設している。
【0018】
前記コネクタハウジング11の端子収容室12に収容する端子材20は、図5に示すように、一端に先端から圧接スロットを切り欠いた圧接タブを対向させて一対設け、該一対の圧接タブを1つの圧接端子部20aとする一方、他端を電線端末に接続された雌形状の端子53と接続する雄タブ状の接続部20bとしている。
前記端子材20をコネクタハウジング11の端子収容室12に挿入し、端子材20を端子収容室12側の係止突起12aに係止させて、端子材20を端子収容室12内に係止固定している。このとき、端子材20の接続部20bはコネクタハウジング11のコネクタ嵌合部16内に突出している。
【0019】
前記コネクタハウジング11のバスバー収容部13に収容するジョイント用のバスバー21は、図2に示すように、X方向に延在するジョイント部21aと、該ジョイント部21aの幅方向(Z方向)の両端から上方に向けて突出する圧接端子部21b、21cとからなる。幹線101に圧接接続される第1圧接端子部21bと後述する抵抗器30のリード線30aに圧接接続される第2圧接端子部21cは、それぞれジョイント部21aの幅方向両端から対向させて突出させた一対の圧接タブからなり、各バスバー21に1組の第1圧接端子部21bと複数組(本実施形態では6組)の第2圧接端子部21cを設けている。なお、各バスバー21の第1圧接端子部21bはX方向に互いに位置ズレさせている。
前記バスバー21をコネクタハウジング11のバスバー収容部13に収容しており、第1圧接端子部21bは密集配置した端子材20のX方向の一側部に配置される一方、第2圧接端子部21cは端子材20の圧接端子部20aとそれぞれ対向する位置に配置されている。
【0020】
バスバー21と端子材20との間に介在される抵抗器30は抵抗値を10Ωとしており、両端にリード線30a、30bを備え、図3に示すように、該リード線30a、30bをコ字状に折り返している。
一方のリード線30aの折り返した先端側にバスバー21の第2圧接端子部21cを圧接接続する一方、他方のリード線30bの折り返した先端側に端子材20の圧接端子部20aを圧接接続し、抵抗器30をバスバー21の第2圧接端子部21cと端子材20の圧接端子部20aの側方位置に配置している。これにより、バスバー21の第2圧接端子部21cと端子材20の圧接端子部20aとを狭ピッチで配置できるようにしている。
また、図3に示すように、一方のバスバー21Aの第1圧接端子部21bを幹線101の第1通信線101A(CAN_H)に圧接接続する一方、他方のバスバー21Bの第1圧接端子部21bを幹線101の第2通信線101B(CAN_L)に圧接接続している。
【0021】
前記コネクタハウジング11の上面を閉鎖するカバー17は、該上面を閉鎖する上壁17aと該上壁17aの周縁から突出した周壁17bからなり、図4及び図5に示すように、上壁17aに、端子材20の圧接端子部20a及びバスバー21の第1、第2圧接端子部21b、21cの先端部を挿入する貫通孔17cを設けている。また、カバー17の周壁17b内面の所要箇所には、コネクタハウジング11の外面に設けた係止突起11aを係止するための係止凹部(図示せず)を設けている。
前記カバー17をコネクタハウジング11の前記上面側に被せ、コネクタハウジング11の係止突起11aをカバー17の係止凹部に係止して、カバー17をコネクタハウジング11に取り付けている。このとき、端子材20の圧接端子部20a及びバスバー21の第1、第2圧接端子部21b、21cの先端部がカバー17の上壁17aに設けた貫通孔17cに挿入され、圧接端子部20a、21b、21cの幅方向(X方向)の両端が貫通孔17cの内面に当接し、圧接スロットの開きが防止された状態となる。
【0022】
前記コネクタハウジング11のコネクタ嵌合部16に嵌合するコネクタ40のコネクタハウジング41には、図5に示すように、Z方向に2つの端子収容室42を並設している。該コネクタ40は差動伝送線路の支線102を構成するツイストペア電線の一端末に接続されるものであり、一方の端子収容室42Aには、支線102の第1通信線102A(CAN_H)の端末に接続した端子53Aが挿入係止されている一方、他方の端子収容室42Bには、ツイストペア電線の第2通信線102B(CAN_L)の端末に接続した端子53Bが挿入係止されている。
また、コネクタハウジング41の挿入側先端から弾性片43を折り返して設けており、該弾性片43の外面に分岐コネクタ10のコネクタ嵌合部16に設けた係止溝16aに係止させる係止突起44を設けている。
なお、支線102の他端には電子制御ユニット等の電子機器が接続されている。
【0023】
前記ツイストペア電線端末のコネクタ40を分岐コネクタ10のコネクタ嵌合部16に所要の複数個(本実施形態では6個)挿入し、コネクタ40の係止突起44を分岐コネクタ10の係止溝16aに係止させてコネクタ40を分岐コネクタ10のコネクタ嵌合部16内に嵌合している。このとき、分岐コネクタ10の一方のバスバー21Aに対向させて配置した端子材20Aの接続部20bとコネクタ40の端子53Aがそれぞれ雌雄嵌合接続されると共に、他方のバスバー21Bに対向させて配置した端子材20Bの接続部20bとコネクタ40の端子53Bがそれぞれ雌雄嵌合接続される。これにより、支線102の第1通信線102Aがそれぞれ端子53A、端子材20A、抵抗器30、バスバー21Aを介して幹線101の第1通信線101Aと接続される一方、支線102の第2通信線102Bがそれぞれ端子53B、端子材20B、抵抗器30、バスバー21Bを介して幹線101の第2通信線101Bと接続され、分岐コネクタ10によって幹線101から支線102が分岐した分岐部が形成される。
【0024】
次に、前記分岐コネクタ10の組立方法および該分岐コネクタ10による通信回路の分岐部の形成方法について説明する。
まず、分岐コネクタ10のコネクタハウジング11の端子収容室12に端子材20を挿入係止した後、バスバー収容部13にバスバー21を挿入して収容する。
次いで、バスバー21A、21Bの第1圧接端子部21bを幹線101の第1、第2通信線101A、101Bにそれぞれ圧接接続すると共に、対向配置されたバスバー21の第2圧接端子部21cと端子材20の圧接端子部20aを抵抗器30の両端のリード線30a、30bにそれぞれ圧接接続する。
次いで、コネクタハウジング11の上面にカバー17を取り付ける。
最後に、ワイヤハーネスの配索工程において、支線102の端末に接続されたコネクタ40を分岐コネクタ10のコネクタ嵌合部16に嵌合して、各支線102の第1、第2通信線102A、102Bをそれぞれ幹線101の第1、第2通信線101A、101Bに接続して分岐部103を形成する。
【0025】
前記構成によれば、通信回路の幹線から分岐する支線回路上に抵抗器30を設けて、フィルタ回路を形成することができ、該フィルタ回路により分岐部で生じる信号の反射を早期に減衰させることができる。
また、前記抵抗器30の両端のリード線30a、30bにバスバー21の第2圧接端子部21c、端子材20の圧接端子部20aをそれぞれ圧接接続しているため、抵抗器30を基板に実装する煩雑な工程が不要となると共に基板をコネクタハウジング内に収容する必要もなくなり、分岐コネクタを小型化できると共に低コスト化を図ることができる。
また、電子部品を基板に実装しないため、実装工程における高温化による電子部品の悪影響もない。
【0026】
なお、本実施形態では、分岐コネクタ10に差動伝送線路を構成するツイストペア電線を接続しているため、端子材20およびバスバーを2組設けているが、ペア電線以外の電線を接続する場合には、端子材20とバスバー21を1組あるいは3組以上設けてもよい。
また、分岐コネクタ10に接続するペア電線はツイストペア電線に限らず、シールドツイストペア電線等であってもよい。
【0027】
図6は、第1実施形態の変形例を示す。
本変形例では、各端子材20に、対向させた一対の圧接タブからなる圧接端子部20aを2組ずつ設けている。
一方の圧接端子部20a−1とバスバー21の第2圧接端子部21c−1を第1実施形態と同様の抵抗器30のリード線30b、30aにそれぞれ圧接接続する一方、他方の圧接端子部20a−2とバスバー21の第2圧接端子部21c−2をコイル31のリード線31b、31aに圧接接続して、端子材20とバスバー21との間に抵抗器30とコイル31を並列接続で介在させている。
【0028】
前記構成によれば、幹線から支線が分岐する分岐部近傍に設けたフィルタ回路を抵抗器だけでなく、抵抗器とコイルを並列接続した回路により構成することができるため、フィルタ回路としての機能を向上させることができ、該フィルタ回路により分岐部で生じる信号の反射をさらに早期に減衰させることができる。
なお、他の構成及び作用効果は第1実施形態と同様のため、同一の符号を付して説明を省略する。
【0029】
図7及び図8は、本発明の第2実施形態を示す。
本実施形態では、バスバー21と端子材20との間に介在させる抵抗材を第1実施形態と相違させており、抵抗材を抵抗器30に替えて、電気抵抗率が100×10−2μΩmの高抵抗の導体32を並列させて絶縁材33で被覆したフラットケーブルからなる高抵抗線材34としている。なお、高抵抗線材34の抵抗値は第1実施形態の抵抗器と同一としている。
バスバー21の第2圧接端子部21cと端子材20の圧接端子部20aをフラットケーブルからなる高抵抗線材34に貫通させて、高抵抗線材34の導体32に圧接端子部21c、20aを圧接接続している。
【0030】
また、コネクタハウジング11の周壁上端にバスバー21の圧接端子部21b、21cと対向する位置に円弧状の溝部11bを設ける一方、カバー17の周壁17bの下端にも円弧状の溝部17dを設けており、これら溝部11bと17dで高抵抗線材34の導体32を上下両側から挟持している。
【0031】
前記構成によれば、バスバー21と端子材20との間に介在させる抵抗材としてフラットケーブルからなる高抵抗線材34を用いているため、さらに低コスト化を図ることができ、高抵抗線材34の導体32の太さや長さを適宜調節することにより所要の抵抗値に設定することができる。
なお、他の構成及び作用効果は第1実施形態と同様のため、同一の符号を付して説明を省略する。
【0032】
図9は、本発明の第3実施形態を示す。
本実施形態では、抵抗材を、電気抵抗率が100×10−2μΩmの高抵抗の導体32の単線あるいは撚り線を絶縁材33で絶縁被覆した複数本の線材からなる高抵抗線材35としている。
バスバー21の第2圧接端子部21cと端子材20の圧接端子部20aの圧接刃で高抵抗線材35の絶縁材33を切断し、前記圧接端子部21c、20aを導体32に圧接接続している。
なお、他の構成及び作用効果は第1実施形態と同様のため、同一の符号を付して説明を省略する。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の分岐コネクタにより形成した分岐部を示す概略図である。
【図2】本発明の第1実施形態の分岐コネクタのコネクタハウジングにバスバー及び端子材を収容した状態を示し、(A)は斜視図、(B)は平面図である。
【図3】第1実施形態の分岐コネクタに幹線を接続した状態を示し、(A)は斜視図、(B)は平面図である。
【図4】第1実施形態の分岐コネクタにより形成した分岐部を示す図面である。
【図5】分岐コネクタに支線端末に接続されたコネクタを嵌合した状態を示す断面図である。
【図6】第1実施形態の変形例を示す図面である。
【図7】第2実施形態の分岐コネクタに幹線を接続した状態を示し、(A)は斜視図、(B)は要部拡大断面図である。
【図8】第2実施形態の分岐コネクタにより形成した分岐部を示す図面である。
【図9】第3実施形態の分岐コネクタに幹線を接続した状態を示し、(A)は平面図、(B)は要部拡大断面図である。
【図10】従来例を示す図面である。
【符号の説明】
【0034】
10 分岐コネクタ
11 コネクタハウジング
12 端子収容室
13 バスバー収容部
20 端子材
20a 圧接端子部
20b 接続部
21 バスバー
21a ジョイント部
21b 第1圧接端子部
21c 第2圧接端子部
30 抵抗器
30a、30b リード線
40 コネクタ
53 端子
100 車載LAN
101A 幹線の第1通信線
101B 幹線の第2通信線
102A 支線の第1通信線
102B 支線の第2通信線
103 分岐部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
幹線から複数の支線を分岐接続する位置に設ける分岐コネクタにおいて、
コネクタハウジング内に、
前記幹線に圧接される第1圧接端子部と複数の第2圧接端子部を間隔をあけて設けているジョイント用のバスバーと、
前記バスバーの第2圧接端子部と対向して配置される圧接端子部を一端に備えると共に、他端に前記支線との接続部を有する端子材と、
前記バスバーの各第2圧接端子部と前記各端子材の圧接端子部との間に介在させて圧接接続した抵抗材と、
を収容していることを特徴とする分岐コネクタ。
【請求項2】
前記抵抗材は、両端にリード線を備えた抵抗器からなり、前記リード線を前記バスバーの第2圧接端子部と前記支線に接続される端子材の圧接端子部とに圧接接続されている請求項1に記載の分岐コネクタ。
【請求項3】
前記抵抗材は、電気抵抗率が4.25×10−2μΩm以上の高抵抗線材からなり、該高抵抗線材は前記バスバーの第2圧接端子部と前記支線に接続される端子材の圧接端子部とに圧接接続され、
前記高抵抗線材は導体の単線あるいは撚り線がそれぞれ絶縁被覆された複数本の線材、あるいは導体を並列させて絶縁材で被覆されたフラットケーブルとされている請求項1に記載の分岐コネクタ。
【請求項4】
前記幹線および支線は、差動伝送線路を構成する第1通信線と第2通信線からなるペア電線とされ、
前記コネクタハウジング内に、前記幹線の第1通信線と第2通信線とにそれぞれ圧接接続させる一対の第1通信線用の前記バスバーと第2通信線用の前記バスバーが対向して収容され、
これら第1通信線用と第2通信線線用のバスバーとそれぞれ対向して前記支線の第1通信線と接続される端子材、第2通信線と接続される端子材が配置され、対向した前記バスバーの第2圧接端子部と前記端子材の圧接端子部とが夫々前記抵抗材を介して接続されている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の分岐コネクタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−66157(P2008−66157A)
【公開日】平成20年3月21日(2008.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−243593(P2006−243593)
【出願日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】