説明

制御装置および方法、並びにプログラム

【課題】自動車や列車などにおいて行われる異常な操作を迅速に検出することができるようにする。
【解決手段】列車の開閉部であるドアを制御するドア制御部66は、列車のドアの開動作が禁止されている状態であるときに、列車の外側からドアを開閉するための操作部である外ドア操作部62の開SW62aの操作が検出された場合、異常な操作が行われたことを表す制御信号をメイン制御部64に出力する。本発明は、例えば、列車や車の制御システムに適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、制御装置および方法、並びにプログラムに関し、特に、自動車や列車などにおいて行われる異常な操作を迅速に検出することができるようにする制御装置および方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
人の操作が介在する装置では、操作する人の安全や装置の保護のために、所定の状態において通常では行う必要のない操作、あるいは、通常では行うべきでない操作に対して、予め禁止する制御を行うことがある。
【0003】
例えば、車の制御においては、走行中にドアが開かないように、走行中のドアロックの解除を禁止する制御を行うことがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
列車のドアの制御においても、車掌が列車の全ドアの開閉を行うのではなく、乗客自身がドア付近に個別に設けられている開閉スイッチを操作して、自分の乗降するドアの開閉を行うタイプの列車では、走行中に、開閉スイッチによるドアの開閉ができないようにする制御が行われている。
【特許文献1】特開2003−269028号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
自動車や列車の制御では、人の安全を確保するため、人によって行われる様々な操作のうちの異常な操作を迅速に検出することがより一層要請されている。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、自動車や列車などにおいて行われる異常な操作を迅速に検出することができるようにするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一側面の制御装置は、人を乗せて走行する移動体の制御装置において、前記移動体の外側から開閉部を開閉するための操作部の操作を検出する検出手段と、前記開閉部の開動作が禁止されている状態において、前記移動体の外側から前記開閉部を開くための操作部の操作が検出された場合、異常な操作が行われたことを表す制御信号を出力する出力手段とを備える。
【0008】
本発明の一側面の制御装置においては、開閉部の開動作が禁止されている状態において、移動体の外側から開閉部を開くための操作部の操作が検出された場合、異常な操作が行われたことを表す制御信号が出力される。これにより、自動車や列車などにおいて行われる異常な操作を迅速に検出することができる。
【0009】
前記検出手段は、例えば、論理回路またはCPU(Central Processing Unit)などからなる操作信号検出部により構成され、前記出力手段は、例えば、論理回路またはCPUなどからなる判定部により構成される。
【0010】
前記開閉部の開動作が禁止されている状態とは、前記移動体が走行中の状態であるようにさせることができる。
【0011】
前記出力手段には、前記制御信号として、前記移動体の運転者に報知する動作を行わせる制御信号か、または、走行中の前記移動体を停止させる動作を行わせる制御信号を出力させることができる。
【0012】
前記制御装置は、前記開閉部の制御装置であるようにさせることができる。
【0013】
本発明の一側面の制御方法は、人を乗せて走行する移動体の制御方法において、前記移動体の外側から開閉部を開閉するための操作部の操作を検出し、前記開閉部の開動作が禁止されている状態において、前記移動体の外側から前記開閉部を開くための操作部の操作が検出された場合、異常な操作が行われたことを表す制御信号を出力するステップを含む。
【0014】
本発明の一側面のプログラムは、人を乗せて走行する移動体の制御を行う制御処理を、コンピュータに実行させるプログラムにおいて、前記移動体の外側から開閉部を開閉するための操作部の操作を検出し、前記開閉部の開動作が禁止されている状態において、前記移動体の外側から前記開閉部を開くための操作部の操作が検出された場合、異常な操作が行われたことを表す制御信号を出力するステップを含む。
【0015】
本発明の一側面の制御方法およびプログラムにおいては、開閉部の開動作が禁止されている状態において、移動体の外側から開閉部を開くための操作部の操作が検出された場合、異常な操作が行われたことを表す制御信号が出力される。これにより、自動車や列車などにおいて行われる異常な操作を迅速に検出することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一側面によれば、自動車や列車などにおいて行われる異常な操作を迅速に検出することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は、本発明を適用した制御システムの第1実施の形態の構成例を示している。
【0018】
図1の列車制御システム11は、列車に搭載される制御システムであり、内ドア操作部61、外ドア操作部62、車両制御部63、車掌操作部69、ドアアクチュエータ70、モータ71、ブレーキ72、および通知部73により構成されている。また、車両制御部63は、メイン制御部64、バス65、ドア制御部66、走行制御部67、および通知制御部68により構成されている。なお、本実施の形態における列車は、車掌が列車の全ドアの開閉を行うのではなく、乗客自身がドア付近に個別に設けられている開閉スイッチを操作して、自分の乗降するドアの開閉を行うタイプの列車であるものとする。
【0019】
内ドア操作部61は、車内のドア部またはドア付近に設けられ、ドアを開けるための開SW(スイッチ)61aとドアを閉めるための閉SW61bを有している。開SW61aは、例えば、車内にいる乗客が列車から降りるためにドアを開ける場合に操作される。閉SW61bは、例えば、乗車した乗客がドアを閉める場合に操作される。内ドア操作部61は、開SW61aまたは閉SW61bが乗客により操作された場合、操作された開SW61aまたは閉SW61bに対応する操作信号をドア制御部66に供給する。
【0020】
外ドア操作部62は、車外のドア部またはドア付近に設けられ、ドアを開けるための開SW62aとドアを閉めるための閉SW62bを有している。外側の開SW62aは、例えば、車外にいる乗客が列車に乗るためにドアを開ける場合に操作される。外側の閉SW62bは、例えば、降車した乗客がドアを閉める場合に操作される。外ドア操作部62は、外側の開SW62aまたは閉SW62bが乗客により操作された場合、操作された開SW62aまたは閉SW62bに対応する操作信号をドア制御部66に供給する。
【0021】
なお、内ドア操作部61では、内側の開SW61aと閉SW61bが物理的に別々の2つのスイッチで設けられている必要はなく、例えば、1つのスイッチ(操作部)で、開く操作と閉じる操作を交互に行うものや、あるいは、操作の仕方を変えるなどで、開く操作と閉じる操作の区別をして行うものでもよい。外ドア操作部62についても同様である。
【0022】
車両制御部63は、メイン制御部64、ドア制御部66、走行制御部67、および通知制御部68が互いの制御信号をバス65を介して送受信することにより、列車全体を制御する。なお、本実施の形態では、車両制御部63は、メイン制御部64、ドア制御部66、走行制御部67、および通知制御部68のみで構成されているが、車両制御部63として、それ以外の制御部が含まれていても勿論良い。
【0023】
メイン制御部64は、ドア制御部66、走行制御部67、または通知制御部68から供給される制御信号に対応して制御することが必要となった制御部に対し、各種の制御信号を供給する。
【0024】
例えば、メイン制御部64は、異常な操作が行われたことを表す制御信号がドア制御部66から供給された場合、通知指示信号を通知制御部68に供給する。
【0025】
ドア制御部66は、内ドア操作部61または外ドア操作部62から供給される、開SW61a、閉SW61b、開SW62a、または閉SW62bに対応する操作信号に応じて、列車の開閉部であるドアの開動作指示信号または閉動作指示信号をドアアクチュエータ70に供給する。即ち、ドア制御部66は、内側の開SW61aまたは外側の開SW62aの操作信号が供給された場合、ドアの開動作指示信号をドアアクチュエータ70に供給し、内側の閉SW61bまたは外側の閉SW62bの操作信号が供給された場合、ドアの閉動作指示信号をドアアクチュエータ70に供給する。ドアアクチュエータ70は、ドアの開閉動作指示信号に応じてドアを開けるまたは閉める動作を実行する。
【0026】
但し、ドア制御部66は、ドアの開動作を禁止する状態(以下、適宜、禁止状態という)であることを表す状態信号が、バス65を介して車掌操作部69から供給されている場合には、内側の開SW61aまたは外側の開SW62aの操作信号が供給されたとしてもドアの開動作指示信号をドアアクチュエータ70には供給しない。
【0027】
走行制御部67は、メイン制御部64から供給される走行指示信号または停止指示信号に応じて、モータ71およびブレーキ72を制御する。即ち、走行制御部67は、モータ71およびブレーキ72を制御して、車輪の回転速度を上げたり、下げたりする。なお、走行制御部67は、モータ71から、車輪の現在の回転速度を表す回転信号を受信して、車輪の回転状態を検出することができる。
【0028】
通知制御部68は、通知部73を制御する。本実施の形態では、通知部73が、例えば、ブザーであるとし、通知制御部68は、メイン制御部64から供給される通知指示信号に応じて、ブザーを鳴動させる制御信号を通知部73に供給する。通知部73は、運転室および車掌室に設けられているブザーであり、制御信号画供給されると鳴動する。
【0029】
車掌操作部69は、マイク、車内の照明スイッチ、エアコンスイッチなどの車掌が操作する各種の操作部を有している。この車掌操作部69には、ドアの制御に関するものとして、列車のドアの開動作が可能な状態(可能状態)であるか、あるいは、列車のドアの開動作を禁止する状態(禁止状態)であるかを設定する操作部が設けられており、車掌がその操作部を操作することにより、車掌操作部69から、禁止状態であることを表す状態信号か、または、可能状態であることを表す状態信号が出力される。車掌は、列車が駅に停車中である場合にのみ、可能状態となるように列車の走行状態を設定する。
【0030】
なお、ドア開動作の禁止状態と可能状態の制御を、車掌による操作ではなく、列車の運行管理を行う運行管理システムからの指令によって行うようにすることも可能である。この場合、運行管理システムは、列車が駅に停車している場合のみ、可能状態であることを表す状態信号を車両制御部63に供給する。
【0031】
図2は、図1のドア制御部66の詳細な構成例を示すブロック図である。
【0032】
ドア制御部66は、例えば、入力される信号を論理演算する論理回路(信号処理回路)などからなる、操作信号検出部81、判定部82、および禁止状態検出部83により構成されている。
【0033】
操作信号検出部81は、内ドア操作部61または外ドア操作部62から供給される、開SW61a、閉SW61b、開SW62a、または閉SW62bの操作信号を受信することにより、開SW61a、閉SW61b、開SW62a、または閉SW62bが操作されたことを検出する。操作信号検出部81は、受信した操作信号を判定部82に供給する。
【0034】
判定部82には、操作信号検出部81から開SW61a、閉SW61b、開SW62a、または閉SW62bの操作信号が供給される。判定部82は、禁止状態検出部83から供給される状態信号に応じて、操作信号検出部81で検出された開SW61a、閉SW61b、開SW62a、または閉SW62bの操作が正常な操作であるか、または、異常な操作であるかを判定し、その判定結果に応じた制御を行う。
【0035】
即ち、禁止状態検出部83から可能状態の状態信号が供給されているときに、内側の開SW61a若しくは閉SW61b、または、外側の開SW62a若しくは閉SW62bの操作が検出された場合、判定部82は、その検出された操作を正常な操作であると判定し、開SW61a、閉SW61b、開SW62a、または閉SW62bの操作信号に対応するドアの開動作指示信号または閉動作指示信号をドアアクチュエータ70に供給する。
【0036】
一方、禁止状態検出部83から禁止状態の状態信号が供給されているときに、操作信号検出部81から外ドア操作部62の開SW62aまたは閉SW62bの操作信号が供給された場合、判定部82は、その検出された操作を異常な操作であると判定し、ドアの開動作指示信号をドアアクチュエータ70に供給せずに、異常な操作が行われたことを表す制御信号を、バス65を介してメイン制御部64(図1)に供給する。
【0037】
また、禁止状態検出部83から禁止状態の状態信号が供給されているときに、操作信号検出部81から内ドア操作部61の開SW61aまたは閉SW61bの操作信号が供給された場合、判定部82は、その検出された操作を禁止された操作であると判定し、ドアの開動作指示信号または閉動作指示信号をドアアクチュエータ70に供給しない。この場合、列車内にいる乗客が誤って内ドア操作部61の開SW61aまたは閉SW61bに触れた、あるいは、いたずらで操作したという程度のことであり、走行中に列車の外側からドアが操作された場合ほど緊急の対応を行う必要はないからである。なお、内側の開SW61aまたは閉SW61bが操作されたことを車掌操作部69に通知して、車掌に認識させるようにしてもよく、そのようにすれば、車掌は、車内放送などにより、走行中の内側の開SW61aまたは閉SW61bの操作を控えるように乗客にアナウンスしたりすることが可能となる。
【0038】
なお、禁止状態検出部83から禁止状態の状態信号が供給されているときに、操作信号検出部81から内ドア操作部61の閉SW61bの操作信号が供給された場合には、判定部82は、その操作信号に対応するドアの閉動作指示信号を、ドアアクチュエータ70に供給しても良い。実質上のドアの開閉状態は変わらず、乗客にも危険がないからである。
【0039】
禁止状態検出部83は、車掌操作部69から禁止状態であることを表す状態信号か、または、可能状態であることを表す状態信号を受信することにより、ドアの開閉可能状態を検出する。禁止状態検出部83は、受信した状態信号を判定部82に供給する。
【0040】
図3のフローチャートを参照して、判定部82の判定処理について説明する。この処理および後述する図4の処理は、例えば、列車の運行開始(エンジンの始動)とともに開始され、並列に実行される。
【0041】
初めに、ステップS11において、判定部82は、ドアの操作が行われたか否かを判定し、ドアの操作が行われたと判定するまで、その処理を繰り返す。
【0042】
ステップS11で、ドアの操作が行われたと判定された場合、即ち、操作信号検出部81から、内側の開SW61a若しくは閉SW61b、または、外側の開SW62a若しくは閉SW62bの操作信号が供給された場合、判定部82は、ステップS12において、ドアの開閉可能状態が禁止状態であるか否かを判定する。
【0043】
ステップS12で、ドアの開閉可能状態が禁止状態ではない(可能状態である)と判定された場合、ステップS13において、判定部82は、ステップS11で検出された操作が内側の開SW61aまたは外側の開SW62aの操作であるかを判定する。
【0044】
ステップS13で、検出された操作が内側の開SW61aまたは外側の開SW62aの操作であると判定された場合、ステップS14において、判定部82は、開SW61aまたは開SW62aの操作信号に対応するドアの開動作指示信号をドアアクチュエータ70に供給して、ステップS18に進む。
【0045】
一方、ステップS13で、検出された操作が内側の閉SW61bまたは外側の閉SW62bの操作であると判定された場合、ステップS15において、判定部82は、閉SW61bまたは閉SW62bの操作信号に対応するドアの閉動作指示信号をドアアクチュエータ70に供給して、ステップS18に進む。
【0046】
一方、ステップS12で、ドアの開閉可能状態が禁止状態であると判定された場合、ステップS16において、判定部82は、ステップS11で検出された操作が車体の外側に設けられている開SW62aまたは閉SW62bの操作であるかを判定する。
【0047】
ステップS16で、検出された操作が車体の外側に設けられている開SW62aまたは閉SW62bの操作ではないと判定された場合、即ち、検出された操作が内側の開SW61aまたは閉SW61bの操作である場合、処理はステップS17をスキップして、ステップS18に進む。
【0048】
一方、ステップS16で、検出された操作が車体の外側に設けられている開SW62aまたは閉SW62bの操作であると判定された場合、判定部82は、ステップS11で検出された外ドア操作部62の開SW62aまたは閉SW61bの操作を、乗客の異常な操作であると判定し、異常な操作が行われたことを表す制御信号を、バス65を介してメイン制御部64に供給(出力)して、ステップS18に進む。
【0049】
ステップS18において、判定部82は、判定処理を終了するか否かを判定し、判定処理を終了しないと判定した場合、処理をステップS11に戻す。これにより、上述したステップS11乃至S18の処理が繰り返し実行される。
【0050】
一方、判定処理を終了すると判定された場合、判定部82は、処理を終了する。判定部82は、例えば、列車が運行終了したとき(運転士が運行を終了する操作を行ったとき)に判定処理を終了すると判定する。
【0051】
図4は、ドア制御部66から異常な操作が行われたことを表す制御信号が供給された場合のメイン制御部64の処理である異常操作対応処理を説明するフローチャートである。
【0052】
初めに、ステップS21において、メイン制御部64は、異常操作が通知されたか否か、即ち、ドア制御部66の判定部82から異常な操作が行われたことを表す制御信号が供給されたか否かを判定する。ステップS21では、異常操作が通知されたと判定されるまで、処理が繰り返される。
【0053】
そして、ステップS21で、異常操作が通知されたと判定された場合、即ち、ドア制御部66の判定部82から異常な操作が行われたことを表す制御信号が供給された場合、ステップS22において、メイン制御部64は、通知指示信号を通知制御部68に供給する。これにより、通知部73は、ブザーを鳴動する。
【0054】
ステップS23において、メイン制御部64は、停止指示信号を走行制御部67に供給する。走行制御部67は、モータ71およびブレーキ72を制御して、列車を停止させ、処理を終了する。
【0055】
なお、列車を緊急停止させる制御は、通知部73により異常な操作を認識した運転者によって行われることとした場合、ステップS23の処理は、省略することができる。しかしながら、上述したように、メイン制御部64からの制御信号により列車を停止させるようにした方が乗客の異常な操作に対する迅速な処置が可能となる。
【0056】
以上のように、列車が駅に停車しているとき以外は、ドアの開動作を禁止する禁止状態を表す状態信号が車掌操作部69からドア制御部66に供給されており、ドア制御部66の判定部82は、列車が禁止状態である場合に、外ドア操作部62の開SW62aが操作されたことが検出されると、その操作を異常な操作であると判定して、異常な操作が行われたことを表す制御信号をメイン制御部64に通知する。これにより、異常な操作を迅速に検出することができる。
【0057】
さらに、メイン制御部64は、異常な操作が行われたことを表す制御信号を受信した場合、通知部73としてのブザーを鳴動させる。これにより、運転者または車掌が即座に異常な操作を認識することができる。また、メイン制御部64は、異常な操作が行われたことを表す制御信号を受信した場合、列車を緊急停止させる停止指示信号を出力する。これにより、乗客の安全を確保するための処理を迅速に行うことができる。
【0058】
なお、上述した実施の形態では、通知部73をブザーであるとして説明したが、通知部73は、その他の、例えば、スピーカなどとすることが可能である。この場合、メイン制御部64から通知指示信号が供給された通知制御部68は、通知部73に『何両目のドア操作スイッチ(外側の開SW62a)が操作されました!』のような音声メッセージを出力させる。これにより、運転者は、異常の有無だけでなく、異常の内容も瞬時に把握することができる。また、通知部73をブザーとスピーカの両方であるとして、ブザーの鳴動と音声メッセージの両方を行ってもよい。さらに、異常の内容を運転席の表示装置(LED(Light Emitting Diode)などのインジケータやLCD(Liquid Crystal Display))に表示させても良い。
【0059】
次に、本発明を適用した制御システムの第2実施の形態について説明する。
【0060】
図5では、車の制御システムに本発明を適用した場合の自動車制御システム111の構成例を示している。
【0061】
自動車制御システム111は、内ドア操作部161、外ドア操作部162、車両制御部163、ドアアクチュエータ170、モータ171、ブレーキ172、および通知部173により構成されている。また、車両制御部163は、メイン制御部164、バス165、ドア制御部166、走行制御部167、および通知制御部168により構成されている。
【0062】
図1の列車制御システム11と比較して、図5の自動車制御システム111では、車掌が存在しないので車掌操作部69が設けられていない点で相違し、それ以外の、内ドア操作部161、外ドア操作部162、車両制御部163、メイン制御部164、バス165、ドア制御部166、走行制御部167、通知制御部168、ドアアクチュエータ170、モータ171、ブレーキ172、および通知部173については同様に構成されている。
【0063】
図5の内ドア操作部161、外ドア操作部162、車両制御部163、メイン制御部164、バス165、ドア制御部166、走行制御部167、通知制御部168、ドアアクチュエータ170、モータ171、ブレーキ172、および通知部173は、図1の内ドア操作部61、外ドア操作部62、車両制御部63、メイン制御部64、バス65、ドア制御部66、走行制御部67、通知制御部68、ドアアクチュエータ70、モータ71、ブレーキ72、および通知部73と、それぞれ同様の処理を行う。
【0064】
但し、図5の自動車制御システム111では、図1の列車制御システム11で車掌操作部69から供給されていた、可能状態または禁止状態を表す状態信号の代わりに、走行制御部167が車輪の回転状態に基づいて判定した、車が走行中であるのか、または停車中であるのかを表す状態信号が、走行制御部167からバス165を介してドア制御部166に供給される。
【0065】
図6は、図5のドア制御部166の詳細な構成例を示すブロック図である。
【0066】
ドア制御部166は、例えば、入力される信号を論理演算する論理回路(信号処理回路)などからなる、操作信号検出部181、判定部182、および走行状態検出部183により構成されている。
【0067】
操作信号検出部181は、内ドア操作部161または外ドア操作部162から供給される、開SW161a、閉SW161b、開SW162a、または閉SW162bの操作信号を受信することにより、開SW161a、閉SW161b、開SW162a、または閉SW162bが操作されたことを検出する。操作信号検出部181は、受信した操作信号を判定部182に供給する。
【0068】
判定部182には、操作信号検出部181から開SW161a、閉SW161b、開SW162a、または閉SW162bの操作信号が供給される。判定部182は、走行状態検出部183から供給される状態信号に応じて、操作信号検出部181で検出された開SW161a、閉SW161b、開SW162a、または閉SW162bの操作が正常な操作であるか、異常な操作であるかを判定し、その判定結果に応じた制御を行う。
【0069】
即ち、走行状態検出部183から停車中を表す状態信号が供給されているときに、内側の開SW161a若しくは閉SW161b、または、外側の開SW162a若しくは閉SW162bの操作が検出された場合、判定部182は、その検出された操作を正常な操作であると判定し、開SW161a、閉SW161b、開SW162a、または閉SW162bの操作信号に対応するドアの開動作指示信号または閉動作指示信号をドアアクチュエータ170に供給する。
【0070】
一方、走行状態検出部183から走行中を表す状態信号が供給されているときに、操作信号検出部181から外側の開SW162aの操作信号が供給された場合、判定部182は、その検出された操作を異常な操作であると判定し、ドアの開動作指示信号をドアアクチュエータ170に供給せずに、異常な操作が行われたことを表す制御信号を、バス165を介してメイン制御部164(図5)に供給する。
【0071】
また、走行状態検出部183から走行中を表す状態信号が供給されているときに、操作信号検出部181から内ドア操作部161の開SW161aまたは閉SW161bの操作信号が供給された場合、判定部182は、その検出された操作を禁止された操作であると判定し、ドアの開動作指示信号または閉動作指示信号をドアアクチュエータ170に供給しない。この場合、車内の同乗者が誤って内ドア操作部161の開SW161aまたは閉SW161bに触れた、あるいは、いたずらで操作したという程度のことであり、走行中に車の外側からドアが操作された場合ほど緊急の対応を行う必要はない。なお、メータパネルに開SW161aまたは閉SW161bが操作されたことを表す表示を行うようにすれば、運転者は、ドアの開閉操作が行われたことを知ることができて、同乗者に走行中の開SW161aまたは閉SW161bの操作を控えるように注意することが可能となる。
【0072】
なお、走行状態検出部183から走行中を表す状態信号が供給されているときに、操作信号検出部181から外側の閉SW162bの操作信号が供給された場合にも、異常な操作が行われたことを表す制御信号を、バス165を介してメイン制御部164に供給するようにしてもよい。
【0073】
上述した判定部182の処理は、車に設けられている開閉部としてのドアが、人が車のドアハンドルにタッチ(接触)したことをセンサ等により検出したり、運転席などに設けられたスイッチの操作を検出して、電動により開閉動作させることが可能なタイプのドア(電動スライドドア)である場合の処理である。
【0074】
ドアを電動により開閉動作させることができない場合(人が手動でドアを開閉させる場合)には、判定部182は、車の走行状態が走行中であるのか停車中であるのかに基づいて、操作信号検出部181で検出された操作が異常な操作であるのか、または正常な操作であるのかの判定とメイン制御部164への制御信号の出力のみを行い、ドアアクチュエータ170への開閉動作指示信号の供給を行わない。
【0075】
走行状態検出部183は、走行制御部167から車が走行中であることを表す状態信号か、または、車が停車中であることを表す状態信号を受信することにより、車の走行状態を検出する。走行状態検出部183は、受信した状態信号を判定部182に供給する。
【0076】
次に、図7のフローチャートを参照して、自動車制御システム111における判定部182の判定処理について説明する。この処理および後述する図8の処理は、例えば、車のエンジンの始動とともに開始され、並列に実行される。
【0077】
初めに、ステップS41において、判定部182は、ドアの操作が行われたか否かを判定し、ドアの操作が行われたと判定するまで、その処理を繰り返す。
【0078】
ステップS41で、ドアの操作が行われたと判定された場合、即ち、操作信号検出部181から、内側の開SW161a若しくは閉SW161b、または、外側の開SW162a若しくは閉SW162bの操作信号が供給された場合、判定部182は、ステップS42において、車が走行中であるか否かを判定する。
【0079】
ステップS42で、車が走行中ではない(停止中である)と判定された場合、ステップS43において、判定部182は、ステップS41で検出された操作が内側の開SW161aまたは外側の開SW162aの操作であるかを判定する。
【0080】
ステップS43で、検出された操作が内側の開SW161aまたは外側の開SW162aの操作であると判定された場合、ステップS44において、判定部182は、開SW161aまたは開SW162aの操作信号に対応するドアの開動作指示信号をドアアクチュエータ170に供給して、ステップS48に進む。
【0081】
一方、ステップS43で、検出された操作が内側の閉SW161bまたは外側の閉SW162bの操作であると判定された場合、ステップS45において、判定部182は、閉SW161bまたは閉SW162bの操作信号に対応するドアの閉動作指示信号をドアアクチュエータ170に供給して、ステップS48に進む。
【0082】
一方、ステップS42で、車が走行中であると判定された場合、ステップS46において、判定部182は、ステップS41で検出された操作が車体の外側に設けられている開SW162aの操作であるかを判定する。
【0083】
ステップS46で、検出された操作が車体の外側に設けられている開SW162aの操作ではないと判定された場合、例えば、検出された操作が内側の開SW161aや閉SW161bの操作である場合、処理はステップS47をスキップして、ステップS48に進む。
【0084】
一方、ステップS46で、検出された操作が車体の外側に設けられている開SW162aの操作であると判定された場合、ステップS47において、判定部182は、ステップS41で検出された外ドア操作部162の開SW162aの操作を、異常な操作であると判定し、異常な操作が行われたことを表す制御信号を、バス165を介してメイン制御部164に供給(出力)して、ステップS48に進む。
【0085】
ステップS48において、判定部182は、判定処理を終了するか否かを判定し、判定処理を終了しないと判定した場合、処理をステップS41に戻す。これにより、上述したステップS41乃至S48の処理が繰り返し実行される。
【0086】
一方、判定処理を終了すると判定された場合、判定部182は、処理を終了する。判定部182は、例えば、車のエンジンが停止したときに判定処理を終了すると判定する。
【0087】
上述した判定処理に従い、ドア制御部166から異常な操作が行われたことを表す制御信号が供給された場合の、メイン制御部164が行う異常操作対応処理は、図4を参照して説明した処理と同様であるので、その説明を省略する。
【0088】
以上のように、ドア制御部166の判定部182は、車が走行中である場合に、外ドア操作部162の開SW162aが操作されたことが検出されると、その操作を異常な操作であると判定して、異常な操作が行われたことを表す制御信号をメイン制御部164に通知する。これにより、異常な操作を迅速に検出することができる。
【0089】
さらに、メイン制御部164は、異常な操作が行われたことを表す制御信号を受信した場合、通知部173としてのブザーを鳴動させる。これにより、運転者または同乗者が即座に異常な操作を認識することができる。また、メイン制御部164は、異常な操作が行われたことを表す制御信号を受信した場合、車を緊急停止させる停止指示信号を出力するので、車外で操作している人の安全を確保するための処理を迅速に行うことができる。
【0090】
なお、自動車制御システム111においても、通知部173をブザー以外のスピーカなどとすることができる。この場合、メイン制御部164から通知指示信号が供給された通知制御部168は、通知部73に『走行中に左後部座席のドア操作が行われました』のような音声メッセージを出力させる。これにより、運転者や同乗者は、異常の有無だけでなく、異常の内容や操作が行われたドアの場所をも瞬時に把握することができる。
【0091】
また、通知部173がスピーカである場合には、ドアロックされていない状態において手動で開けるドアのドアハンドルが操作されたときに『左後部座席のドアが開きます』の音声メッセージを出力させるようにすることができる。
【0092】
音声メッセージを出力する場合には、操作されたドア付近に取り付けられているスピーカから出力させるようにすれば、音の発生している方向からも操作されたドアを認識することができる。
【0093】
さらに、通知部73をブザーとスピーカの両方であるとして、ブザーの鳴動と音声メッセージの両方を行っても良い。
【0094】
また、通知部73を、メータパネル内の警告ランプ(インジケータ)などとして、異常な操作を視覚的に運転者に通知するものでもよい。あるいは、ドアが開いた状態を表示するメータパネル内のインジケータを用いて、正常時のドア開を表す表示(点灯方式)と異なる表示をさせることによって、異常な操作を視覚的に通知するのでもよい。
【0095】
なお、車が走行中であるのか、または停車中であるのかについては、車輪の回転状態以外の、例えば、運転者の運転操作などを検出することにより、判定することが可能である。例えば、トランスミッションのシフトノブがパーキングからドライブやリバースなどの走行可能な位置にあるときに、車が走行中であると判定することができる。
【0096】
また、例えば、停止中の車において補助ブレーキが解除された(されている)ときや、アクセルペダルが踏み込まれた(踏み込まれている)ときに、車が走行中であると判定することができる。このように判定することで、車が動き出す直前の異常な操作を検出することができる。さらに、エンジンの状態やステアリングの状態など、その他の状態を用いて車が停止中から走行中に移行する要因を検出して判定することができる。
【0097】
上述した図5の自動車制御システム111においては、ドア制御部166が、いま検出された操作が異常な操作であるか、または、正常な操作であるかを判定し、異常な操作であると判定した場合に、異常な操作が行われたことを表す制御信号をメイン制御部164に供給し、メイン制御部164が、通知制御部168に通知指示信号を供給したり、走行制御部167に停止指示信号を供給するようにしたが、ドア制御部166が、直接、走行制御部167に停止指示信号を供給したり、通知制御部68に通知指示信号を供給するようにしてもよい。
【0098】
図8は、そのようにした場合の、図5の自動車制御システム111の異常操作判定処理のフローチャートを示している。
【0099】
初めに、ステップS61において、判定部182は、ドアの操作が行われたか否かを判定し、ドアの操作が行われたと判定するまで、その処理を繰り返す。
【0100】
ステップS61で、ドアの操作が行われたと判定された場合、即ち、操作信号検出部181から、内側の開SW161a若しくは閉SW161b、または、外側の開SW162a若しくは閉SW162bの操作信号が供給された場合、判定部182は、ステップS62において、車が走行中であるか否かを判定する。
【0101】
ステップS62で、車が走行中ではない(停止中である)と判定された場合、ステップS63において、判定部182は、ステップS61で検出された操作が内側の開SW161aまたは外側の開SW162aの操作であるかを判定する。
【0102】
ステップS63で、検出された操作が内側の開SW161aまたは外側の開SW162aの操作であると判定された場合、ステップS64において、判定部182は、開SW161aまたは開SW162aの操作信号に対応するドアの開動作指示信号をドアアクチュエータ170に供給して、ステップS69に進む。
【0103】
一方、ステップS63で、検出された操作が内側の閉SW161bまたは外側の閉SW162bの操作であると判定された場合、ステップS65において、判定部182は、閉SW161bまたは閉SW162bの操作信号に対応するドアの閉動作指示信号をドアアクチュエータ170に供給して、ステップS69に進む。
【0104】
一方、ステップS62で、車が走行中であると判定された場合、ステップS66において、判定部182は、ステップS61で検出された操作が車体の外側に設けられている開SW162aの操作であるかを判定する。
【0105】
ステップS66で、検出された操作が車体の外側に設けられている開SW162aの操作ではないと判定された場合、例えば、検出された操作が内側の開SW161aや閉SW161bの操作である場合、処理はステップS67およびS68をスキップして、ステップS69に進む。
【0106】
一方、ステップS66で、検出された操作が車体の外側に設けられている開SW162aの操作であると判定された場合、ステップS67において、判定部182は、ステップS61で検出された外ドア操作部162の開SW162aの操作を、異常な操作であると判定し、通知指示信号を通知制御部168に供給する。これにより、通知部173は、ブザーを鳴動する。
【0107】
ステップS67の処理後、ステップS68において、判定部182は、停止指示信号を走行制御部167に供給する。これにより、走行制御部167は、モータ171およびブレーキ172を制御して、車を停止させる。
【0108】
ステップS69において、判定部182は、異常操作判定処理を終了するか否かを判定し、異常操作判定処理を終了しないと判定した場合、処理をステップS61に戻す。これにより、上述したステップS61乃至S69の処理が繰り返し実行される。
【0109】
一方、異常操作判定処理を終了すると判定された場合、判定部182は、処理を終了する。
【0110】
以上のように、ドア制御部166の判定部182は、車が走行中である場合に、外ドア操作部162の開SW162aが操作されたことが検出されると、その操作を異常な操作であると判定して、通知部173としてのブザーを鳴動させたり、車を緊急停止させるので、異常な操作を迅速に検出することができ、かつ、車外で操作している人の安全を確保するための処理を迅速に行うことができる。
【0111】
自動車制御システム111が搭載された車では、例えば、次のような場面における危険な状況を回避することができる。
【0112】
[場面1]
後部座席の乗客(同乗者)が車から外に出ていて乗車していなかったが、運手者は、外に出ていた同乗者が車内に戻ったと勘違いして発車した。外にいた同乗者は、後部左の電動スライドドアハンドルを操作するが、走行開始を検出したオートドアロック機構によってドアはロックされていて開かず、車が走行したまま、同乗者が電動スライドドアハンドルを操作している危険な状況となった。
【0113】
[場面2]
エンジンをかけて停車していた車から運転者が降りて作業をしているとき、サイドブレーキのひき方が不十分であったために車が動き出した。運転者は、車を止めるためドアを開けようとしたがドアがロックされていて開けられず、危険な状況が発生した。
【0114】
[場面1]および[場面2]のいずれも、車の走行状態が走行中であるときに、車の外側からドアを開くための開SW162aの操作が検出されるので、それを、異常な操作として迅速に検出することができ、運転者に車外の操作者の存在を報知する通知部173としてのブザーを鳴動させたり、モータ171およびブレーキ172を制御して車を緊急停止させることが可能となる。その結果、危険な状況を回避することができる。
【0115】
上述した一連の処理は、ハードウエアにより実行させることもできるし、ソフトウエアにより実行させることもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行させる場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウエアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで各種の機能を実行することが可能なコンピュータに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0116】
図9は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータの構成の例を示すブロック図である。CPU(Central Processing Unit)201は、ROM(Read Only Memory)202、または記憶部208に記憶されているプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM(Random Access Memory)203には、CPU201が実行するプログラムやデータなどが適宜記憶される。これらのCPU201、ROM202、およびRAM203は、バス204により相互に接続されている。
【0117】
CPU201にはまた、バス204を介して入出力インタフェース205が接続されている。入出力インタフェース205には、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部206、CRT(Cathode Ray Tube)、LCD(Liquid Crystal display)などよりなるディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部207が接続されている。CPU201は、入力部206から入力される指令に対応して各種の処理を実行する。そして、CPU201は、処理の結果を出力部207に出力する。
【0118】
入出力インタフェース205に接続されている記憶部208は、例えばハードディスクからなり、CPU201が実行するプログラムや各種のデータを記憶する。通信部209は、インターネットやローカルエリアネットワークなどのネットワークを介して、または直接に接続された外部の装置と通信する。
【0119】
なお、通信部209は、無線または有線による通信を行うものでもよいし、無線と有線の両方の通信が可能なものでもよい。さらに、その通信方式も特に限定されず、例えば、無線の場合、IEEE(The Institute of Electrical and Electronic Engineers)802.11a,802.11b、および802.11gなどの無線LAN(Local Area Network)、またはBluetooth等様々な無線通信方式が利用可能である。同様に、有線の場合も、IEEE1394,Ethernet(登録商標)やUSB(Universal Serial Bus)等様々な有線通信方式が利用可能である。
【0120】
入出力インタフェース205に接続されているドライブ210は、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア221が装着されたとき、それらを駆動し、そこに記録されているプログラムやデータなどを取得する。取得されたプログラムやデータは、必要に応じて記憶部208に転送され、記憶される。また、プログラムやデータは、通信部209を介して取得され、記憶部208に記憶されてもよい。
【0121】
コンピュータにインストールされ、コンピュータによって実行可能な状態とされるプログラムを格納するプログラム記録媒体は、図9に示すように、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)を含む)、光磁気ディスクを含む)、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア221、または、プログラムが一時的もしくは永続的に格納されるROM202や、記憶部208を構成するハードディスクなどにより構成される。プログラム記録媒体へのプログラムの格納は、必要に応じてルータ、モデムなどのインタフェースである通信部209を介して、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の通信媒体を利用して行われる。
【0122】
なお、本明細書において、フローチャートに記述されたステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0123】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置により構成される装置全体を表すものである。
【0124】
なお、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0125】
【図1】本発明を適用した制御システムの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図2】図1のドア制御部の詳細な構成例を示すブロック図である。
【図3】判定処理について説明するフローチャートである。
【図4】異常操作対応処理について説明するフローチャートである。
【図5】本発明を適用した制御システムのその他の実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【図6】図5のドア制御部の詳細な構成例を示すブロック図である。
【図7】その他の判定処理について説明するフローチャートである。
【図8】異常操作判定処理について説明するフローチャートである。
【図9】本発明を適用したコンピュータの一実施の形態の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0126】
11 列車制御システム
66 ドア制御部
81 操作信号検出部
82 判定部
83 禁止状態検出部
111 自動車制御システム
166 ドア制御部
181 操作信号検出部
182 判定部
183 走行状態検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
人を乗せて走行する移動体の制御装置において、
前記移動体の外側から開閉部を開閉するための操作部の操作を検出する検出手段と、
前記開閉部の開動作が禁止されている状態において、前記移動体の外側から前記開閉部を開くための操作部の操作が検出された場合、異常な操作が行われたことを表す制御信号を出力する出力手段と
を備える制御装置。
【請求項2】
前記開閉部の開動作が禁止されている状態とは、前記移動体が走行中の状態である
請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記出力手段は、前記制御信号として、前記移動体の運転者に報知する動作を行わせる制御信号か、または、走行中の前記移動体を停止させる動作を行わせる制御信号を出力する
請求項2に記載の制御装置。
【請求項4】
前記制御装置は、前記開閉部の制御装置である
請求項1に記載の制御装置。
【請求項5】
人を乗せて走行する移動体の制御方法において、
前記移動体の外側から開閉部を開閉するための操作部の操作を検出し、
前記開閉部の開動作が禁止されている状態において、前記移動体の外側から前記開閉部を開くための操作部の操作が検出された場合、異常な操作が行われたことを表す制御信号を出力する
ステップを含む制御方法。
【請求項6】
人を乗せて走行する移動体の制御を行う制御処理を、コンピュータに実行させるプログラムにおいて、
前記移動体の外側から開閉部を開閉するための操作部の操作を検出し、
前記開閉部の開動作が禁止されている状態において、前記移動体の外側から前記開閉部を開くための操作部の操作が検出された場合、異常な操作が行われたことを表す制御信号を出力する
ステップを含むプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−291796(P2007−291796A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−122971(P2006−122971)
【出願日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】