説明

加熱定着装置及び画像形成装置

【課題】商用交流電源に重畳するノイズや電圧波形歪みの影響を受けず、正確にゼロクロスタイミングを検知する。
【解決手段】交流電源401から電力供給されるセラミックヒータ109cと、交流電源からセラミックヒータへの給電制御を行うエンジンコントローラ126と、交流電源の電流値を検知し、電流検知信号を出力するフォトカプラ510と、交流電源の電圧のゼロクロスを検知し、ゼロクロス検知信号を出力するフォトカプラ518を備え、エンジンコントローラは、電流検知信号に基づいて、ゼロクロス検知信号のエッジの検出を行わないマスキング区間と前記ゼロクロス検知信号のエッジの検出を行う非マスキング区間を有するマスクパターンを生成し、マスクパターンの非マスキング区間におけるゼロクロス検知信号のエッジをゼロクロスタイミングとして、給電制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、記録紙上に転写された未定着トナー画像を、加熱ローラやセラミックヒータ等で記録紙上に熱定着させる加熱定着装置、及びその加熱定着装置を備える複写機やファクシミリ、プリンタ等の画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機やファクシミリ、プリンタ等の電子写真プロセスを用いた画像形成装置における加熱定着装置は、記録紙上に転写された未定着トナー画像を、加熱ローラやセラミックヒータ等で記録紙上に熱定着させるためのものである。そして、加熱定着装置には、ハロゲンヒータを熱源とする熱ローラ式のものや、セラミックヒータを熱源とするフィルム加熱式のものが用いられている。
【0003】
これらの加熱定着装置においては、一般的に、ヒータはトライアック等のスイッチング制御素子を介して商用交流電源に接続されており、この商用交流電源からヒータへ電力が供給されている。そして、このヒータを熱源とする加熱定着装置には温度検知素子、例えばサーミスタが設けられており、この温度検知素子により加熱定着装置の温度が検知される。エンジンコントローラは、この温度検知素子により検知された加熱定着装置の温度情報を基に、スイッチング制御素子を波数制御、又は位相制御により、オン/オフ制御することにより、ヒータへの給電または給電の遮断を行う。これにより、エンジンコントローラは、加熱定着装置の温度が一定の目標温度に保たれるように、温度制御を行う。波数制御とは、ヒータのオン/オフを商用交流電源の半波単位で行う電力制御方式であり、位相制御とは、商用交流電源の1半波内の任意の位相角でヒータをオンすることにより、ヒータに電力を供給する電力制御方式である。
【0004】
商用交流電源の電圧を監視し、ある閾値以下になったタイミングを、商用電源電圧が0Vを通過するタイミング(ゼロクロスポイント)として検知し、このタイミングで信号レベルを変化させて、ゼロクロス信号を生成するゼロクロス検知回路がある。そして、エンジンコントローラは、この出力されるゼロクロス信号を基にして、ヒータに供給される実効電流を検知し、また、このゼロクロス検知信号を基に、ヒータへの電力供給のオン/オフ制御を行う。特に位相制御の場合は、位相角を制御することにより、ヒータに供給する電力を制御するので、ゼロクロスタイミングを正確に検知する必要がある。
【0005】
しかしながら、商用交流電源の電圧波形は、理想的な正弦波形ばかりとは限らず、使用する地域や施設、使用される条件等により様々に変化する。例えば、同一の商用交流電源に大電力を消費する機器が接続された場合、起動時や停止時に高レベルのノイズを発生する機器が接続された場合や、雷等のサージの混入する場合や瞬断が生じる場合など、商用交流電源の電圧波形を歪ませる様々な要因がある。電源ノイズや電圧波形歪みを含む商用交流電源に接続されると、ゼロクロス検知回路がゼロクロスタイミングを正確に検知できず、ゼロクロスタイミングでないポイントでゼロクロス信号を出力してしまう場合がある。その結果、加熱定着装置は、ヒータに供給される電力を正確に検知することができなくなり、更にはヒータに供給する電力を正しく制御できなくなり、制御不能に陥るといったことが発生してしまう場合があった。
【0006】
そこで、例えば、特許文献1には、このような事態に対応するために、次のような回路構成を有したゼロクロス検知回路が例示されている。すなわち、ゼロクロス検知回路における時定数を大きくしたり、ゼロクロス検知回路が検知したエッジタイミングから所定の時間はエッジの検知を無視するマスク領域とすることにより、ノイズの影響を抑える回路構成が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−328869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、ゼロクロス検知回路の時定数を大きくした場合には、時定数以下のパルス幅のノイズは除去することが可能であるが、時定数以上のパルス幅のノイズは除去することができない。更に、時定数を設定することにより、ゼロクロス信号が本来のゼロクロス検知ポイントからずれてしまうといった課題もある。予めこの時定数を考慮して、時定数分の時間を差し引くことにより、ゼロクロスタイミングを補正することも考えられるが、電圧波形の歪みや電圧そのものの変化により、適切な補正時間が変化するので、補正するにも限界がある。
【0009】
また、マスク領域を設けてエッジの検知を無視する方法では、そもそもどのタイミングのエッジを真のゼロクロスタイミングかを判断することができない。そのため、ノイズのタイミングをゼロクロスタイミングと誤検知したり、真のゼロクロスタイミングをノイズとして無視してしまうといった課題が生じる。
【0010】
本発明は、このような状況のもとでなされたもので、商用交流電源に重畳するノイズや電圧波形歪みの影響を受けず、正確にゼロクロスタイミングを検知することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前述の課題を解決するために、本発明は以下の構成を備える。
【0012】
(1)交流電源から電力供給される発熱体と、前記交流電源から前記発熱体への給電制御を行う制御手段と、前記交流電源の電流値を検知し、電流検知信号を出力する電流検知手段と、前記交流電源の電圧のゼロクロスを検知し、ゼロクロス検知信号を出力するゼロクロス検知手段と、を備え、前記制御手段は、前記電流検知信号に基づいて、前記ゼロクロス検知信号のエッジの検知を行わないマスキング区間と、前記ゼロクロス検知信号のエッジの検知を行う非マスキング区間を有するマスクパターンを生成し、前記マスクパターンの非マスキング区間における前記ゼロクロス検知信号のエッジをゼロクロスタイミングとして、前記給電制御を行う加熱定着装置。
【0013】
(2)交流電源から電力供給される発熱体と、前記交流電源から前記発熱体への給電制御を行う制御手段と、交流電源の電流値を検知し、電流検知信号を出力する電流検知手段と、を備え、前記制御手段は、前記電流検知信号に基づいて、ゼロクロスタイミングを設定しないマスキング区間と、前記ゼロクロスタイミングを設定する非マスキング区間を有するマスクパターンを生成し、前記マスクパターンの非マスキング区間にゼロクロスタイミングを設定し、前記給電制御を行う加熱定着装置。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、商用交流電源に重畳するノイズや電圧波形歪みの影響を受けず、正確にゼロクロスタイミングを検知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施例1の画像形成装置の概略構成を示す図
【図2】実施例1のヒータの断面構成と、定着装置の断面構成を示した図
【図3】実施例1のヒータ制御回路の回路構成を示した図
【図4】実施例1のゼロクロス検知回路及び電源電流検知回路を示した図
【図5】実施例1の電源電流検知回路の電圧・電流波形を示した図
【図6】実施例1のゼロクロス検知回路の電圧・電流波形を示した図
【図7】実施例1の検知回路における電圧・電流波形を示した図
【図8】実施例2のヒータ制御回路の回路構成と、ゼロクロス検知回路を示した図
【図9】実施例2の検知回路における電圧・電流波形を示した図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
【実施例1】
【0017】
[画像形成装置の概要]
図1は、例えばレーザービームプリンタのような、電子写真プロセスを用いて、記録紙に画像形成を行う画像形成装置の概略構成を示した図である。図1を用いて、画像形成装置の概要について、以下に説明する。レーザービームプリンタ101(以下、本体101という)は、記録紙Sを収納する給紙カセット102を有している。給紙カセット102には、給紙カセット102内に記録紙Sがあるかどうかを検知するカセット有無センサ103、給紙カセット102内の記録紙Sのサイズを検知するサイズセンサ104が設けられている。給紙カセット102内の記録紙Sは、給紙ローラ105aによって繰り出され、搬送ローラ対105b、105c、105dによって、記録紙Sを同期搬送するレジストローラ対106に搬送される。また、レジストローラ対106の下流には、記録紙Sの先端と後端を検知し、画像書き込みタイミングをとるための給紙センサ124、記録紙S上にトナー像を形成するプロセスカートリッジ108が設けられている。更に、プロセスカートリッジ108の下流には、記録紙S上に形成されたトナー像を熱定着する定着器109が設けられている。定着器109内の熱定着部下流には、排紙部の搬送状態を検知する排紙センサ110が、定着器の下流には、記録紙Sを搬送する搬送ローラ対111、記録紙Sを排紙する排紙ローラ対140、記録の完了した記録紙Sを積載する積載トレイ112が設けられている。
【0018】
排紙センサ110は、定着器109内部に設けられており、記録紙Sが熱定着部を通過したタイミングを検知する。記録紙Sは、搬送ローラ対111を通過した後、排紙ローラ対140を介して積載トレイ112へ排出される。この排紙部に設けられた満載検知センサ142は、積載トレイ112上の記録紙Sが満載であるかを検知すると共に、排紙部の記録紙Sの動きを検知するセンサである。
【0019】
そして、プロセスカートリッジ108は、感光ドラム117、一次帯電ローラ119、現像器120、転写ローラ121、感光ドラム上のトナー像を除去するクリーナ122等から構成されている。感光ドラム117は、図1中、時計回り方向に所定の周速度(プロセススピード)にて回転駆動される。感光ドラム117は、一次帯電ローラ119により一様に帯電された後、レーザスキャナ部107からのレーザ光118により静電潜像が形成され、静電潜像は現像器120により可視化されてトナー像となり、転写ローラ121により記録紙Sに転写される。転写後の感光ドラム117は、クリーニング装置であるクリーナ122により、記録紙Sに転写されずに残ったトナー等の付着汚染物の除去処理を受けて清浄され、帯電処理から始まる画像形成プロセス処理に供される。また、レーザスキャナ部107は、画像信号に基づいて変調されたレーザ光を発光するレーザユニット113、レーザ光を感光ドラム117上に走査するためのスキャナモータ114、結像レンズ115、折り返しミラー116等により構成されている。レーザユニット113から発したレーザ光118は、レーザスキャナ部107のスキャナモータ114の回転によって、直線状の走査に変換され、結像レンズ115、折り返しミラー116によって、感光ドラム117に照射される。
【0020】
定着器109は定着フィルム109a、加圧ローラ109b、定着フィルム内部に設けられたセラミックヒータ109c、セラミックヒータ109cの表面温度を検知するサーミスタ109dから構成されている。メインモータ123は、給紙ローラ105aには給紙ローラクラッチ125を介して、搬送ローラ対105b、105c、105d、及びレジストローラ対106にはレジストローラクラッチ129を介して駆動力を与えている。更に、メインモータ123は、感光ドラム117を含むプロセスカートリッジ108の各構成品、定着器109、搬送ローラ対111、排紙ローラ対140にも駆動力を与えている。
【0021】
エンジンコントローラ126は、レーザスキャナ部107、プロセスカートリッジ108、定着器109による電子写真プロセスの制御、本体101内の記録紙Sの搬送制御を行っている。ビデオコントローラ127は、パーソナルコンピュータ等の外部装置131と、セントロニクス、RS232C、USB等の汎用インタフェース130で接続されている。そして、ビデオコントローラ127は、この汎用インタフェース130から送られてくる画像情報をビットデータに展開し、そのビットデータを/VDO信号として、エンジンコントローラ126へ送出する。エンジンコントローラ126は、ビデオコントローラ127からの/VDO信号に応じて、レーザユニット113を駆動する。
【0022】
エンジンコントローラ126とビデオコントローラ127を結ぶ信号線128は、コマンド/ステータス信号線、クロック信号線、/VDO信号線、同期信号線などで構成されている。
【0023】
[セラミックヒータの概要]
本実施例におけるセラミックヒータ109c、及びその周辺装置の構成について、図2に示す。図2(a)はセラミックヒータ109cの断面図であり、図2(b)は定着装置の断面を示す模式図である。図2(a)に示すように、セラミックヒータ109cは、セラミックス系の絶縁基板201と、絶縁基板201面上にペースト印刷等で形成された発熱体203と、発熱体203を保護するガラス等の保護層202から構成されている。そして、不図示であるが、セラミックヒータ109cの温度を検知するサーミスタ109dと、過昇温防止装置であるサーモスイッチ302が、絶縁基板201裏面の、通紙可能な最小の記録紙幅よりも内側の位置に配設されている。
【0024】
図2(b)に示すように、セラミックヒータ109cは、フィルムガイド301によって支持されている。定着フィルム109aは、耐熱材製の高熱伝導性フィルムであり、セラミックヒータ109cを下面側に支持させたフィルムガイド301に外嵌させてある。そして、セラミックヒータ109cと、弾性加圧部材としての加圧ローラ109bを、定着フィルム109aを挟んで、加圧ローラ109bの所定の加圧力で圧接することにより、加熱部としての所定幅の定着ニップ部が形成される。
【0025】
[加熱定着装置の概要]
図3は、本実施例のセラミックヒータの駆動及び制御を行う加熱定着装置の回路の模式図である。図3において、商用交流電源401から、ACフィルタ402、リレー413、トライアック404、サーモスイッチ302を介してセラミックヒータ109cへ電力が供給されることにより、セラミックヒータ109cは発熱する。セラミックヒータ109cへの電力の供給/供給遮断は、トライアック404のオン/オフにより行われる。サーモスイッチ302は、トライアック404とセラミックヒータ109cの間に配設され、通常時は電力供給を行うようにオン状態となっている。ところが、セラミックヒータ109cが何らかの異常で高熱に達した場合には、サーモスイッチ302はオフ状態となり、セラミックヒータ109cへの電力供給を遮断し、一旦、オフ状態となると、オン状態に復帰することなく、オフ状態が継続される。エンジンコントローラ126は、トランジスタ423をオン/オフすることにより、リレー413内の24V電源の給電、給電遮断を制御し、リレー413は、24V電源の給電、給電遮断により、セラミックヒータ109cへ電力の供給/供給遮断を行う。トランジスタ423は、エンジンコントローラ126により、定着器の給電時にはオンされ、定着器が停止するとオフされる。抵抗405、406は、トライアック404のためのバイアス抵抗である。
【0026】
エンジンコントローラ126は、抵抗410を介して、ON/OFF(オン/オフ)信号をトランジスタ409の制御端子に出力することにより、トランジスタ409のオン/オフを行う。フォトトライアックカプラ407は、一次側と二次側を電気的に絶縁するためのデバイスである。そして、トランジスタ409がオンすると、フォトトライアックカプラ407の一次側の発光ダイオードに電流が流れてオンし、その結果、トライアック404はオン状態となる。抵抗408は、フォトトライアックカプラ407の発光ダイオードに流れる電流を制限するための抵抗である。
【0027】
また、サーミスタ109dは、セラミックヒータ109cの温度を検知するための温度検知素子であり、検知される温度は、抵抗415とサーミスタ109dとの分電圧として検知され、エンジンコントローラ126にTH信号として入力される。セラミックヒータ109cの温度を示すTH信号を入力したエンジンコントローラ126は、TH信号の電圧からセラミックヒータ109cの温度を算出し、セラミックヒータ109cの目標設定温度と比較する。そして、セラミックヒータ109cに供給すべき電力を算出し、位相制御の場合には、供給すべき電力に対応した位相角に換算し、エンジンコントローラ126は、トランジスタ409をオン状態にするために、オン信号を送出し、給電制御を行う。
【0028】
[ゼロクロス検知回路と電源電流検知回路の概要]
図4は、本実施例のゼロクロスポイントの検知を行うゼロクロス検知回路と、電源の電流値の検知を行う電源電流検知回路を示した図である。また、図5、図6は、図4の回路における電圧、電流波形を示した図であり、縦軸は電圧・電流の大きさを、横軸は時間の経過を示す。商用交流電源401のHot(ホット)、Neutral(ニュートラル)ラインは、全波整流を行う整流ブリッジ501、電源電流検知抵抗504を介して平滑コンデンサ503により平滑化され、コンデンサ入力型電源502へ入力される。
【0029】
電源電流検知回路は、図4中の回路素子505〜511から構成されている。整流ブリッジ501には、図5(a)に示す波形の商用交流電圧が入力される。そして、電源電流検知抵抗504には、整流ブリッジ501により全波整流された後の図5(b)に示す波形の電源電流が流れるため、電源電流検知抵抗504の両端には、電源電流と相似な波形の電圧が生じる。そして、その電圧は、コンデンサ入力型電源502に流れる電流の大きさにより変化する。電源電流検知抵抗504の両端に生じた電圧は、抵抗505、506により分圧され、コンデンサ507によってノイズを除去された後、トランジスタ508の制御端子に印加される。図5(b)に示す電源電流閾値より大きな電流が電源電流検知抵抗504に流れたときに生じる電圧により、トランジスタ508はオン状態となる。その結果、コンデンサ入力型電源502で生成された補助巻線電圧Vccを電源として、制限抵抗509を介して、フォトカプラ510の発光ダイオードに電流が流れ、オン状態となる。フォトカプラ510の発光ダイオードがオン状態になると、出力側のフォトトランジスタもオン状態となり、図5(c)に示す電源電流検知信号が出力される。図4の電源電流検知回路では、ノイズを除去するために、抵抗520とコンデンサ521によってフィルタが構成されており、そのため、図5(b)の電源電流波形に比べて、図5(c)に示す電源電流検知信号では、時間遅延が発生している。
【0030】
ゼロクロス検知回路は、図4中の回路素子512〜519から構成されている。図6(a)に示すACフィルタ402からの商用交流電源401の電圧信号のうち、Neutral側の電圧がダイオード512を介して抵抗器513、514にて分圧され、コンデンサ515によってノイズを除去し、トランジスタ516の制御端子に入力される。商用交流電源の電圧が0V(ボルト)以上の場合にはトランジスタ516はオン状態となり、電圧がマイナス(負電圧)になると、トランジスタ516はオフ状態となる。コンデンサ入力型電源502で生成された補助巻線電圧Vccを電源として、制限抵抗517を介して流れる電流は、トランジスタ516がオン状態のときにはトランジスタ516側に流れ、フォトカプラ518の発光ダイオードはオフ状態となる。逆に、トランジスタ516がオフ状態のときには、制限抵抗517を介して流れる電流は、フォトカプラ518に流れ、発光ダイオードはオン状態となる。その結果、トランジスタ516がオン状態のときには、フォトカプラ518の発光ダイオードはオフ状態、フォトトランジスタもオフ状態となるので、ゼロクロス検知信号はハイレベルとなる。逆に、トランジスタ516がオフ状態のときには、フォトカプラ518の発光ダイオードはオン状態、フォトトランジスタもオン状態となるので、ゼロクロス検知信号はローレベルとなり、図6(b)に示すゼロクロス検知信号が出力される。
【0031】
[ゼロクロスタイミングの検知方法]
次に、ゼロクロス検知方法について、図7を用いて説明する。図7は、図4の回路における電圧、電流波形を示した図であり、縦軸は電圧・電流の大きさを、横軸は時間の経過を示す。図7(a)は、商用交流電圧波形に外部からのノイズ(正弦波中の垂直波形を指す)が重畳した場合の波形を示している。このような波形が入力されたゼロクロス検知回路は、図7(b)のゼロクロス検知信号に示すように、図7(a)中のノイズと同じ位置に、ノイズ波形がそのままエッジとして現れている。また、図7(c)に示す電源電流波形にもこれらノイズの影響により、図7(a)中のノイズと同じ位置に、ノイズ波形が現れている。しかし、電源電流検知回路では、コンデンサ507、及び抵抗520とコンデンサ521の組合せによるフィルタによってノイズが除去されるので、図7(d)のように、ノイズのない電源電流検知信号の波形が得られる。そして、図7(b)、(d)に示す、ノイズの重畳したゼロクロス検知信号とノイズの除去された電源電流検知信号は、ゼロクロス検知を行うために、エンジンコントローラ126へ入力される。ここでは、ノイズ除去のために、一般的な抵抗、コンデンサでフィルタを構成した例を示しているが、インダクタを用いたり、デジタルフィルタ、プログラムを介在させた多数決回路等を設けて、ノイズ除去を行っても差し支えない。
【0032】
エンジンコントローラ126は、まず、入力された電源電流検知信号において、信号レベルが“Low(ロー)”レベルになる周期を検知し、その周期が動作可能な周波数範囲か判定する。例えば、検知した周期が、商用交流電源周波数に近い45〜65Hz(ヘルツ)の周波数範囲に収まっていれば、検知した周期は正常であると判断する。そして、次に、エンジンコントローラ126は、図7(e)に示す、ゼロクロス検知信号のエッジ検知を行わないマスキング区間(ハッチングされた区間)と、エッジ検知を行う非マスキング区間(ハッチングされていない区間)を有するマスクパターンを生成する。電源電流は、図7(c)に示すように、商用交流電源の電圧が最も高くなる位相90度付近を中心に、平滑コンデンサ503への充電電流が流れる。そのため、商用交流電源のゼロクロスポイントは、図7(d)に示す電源電流検知信号の、電源電流の電流値が閾値以下のときに出力される“High(ハイ)”レベルの中心付近となる。そこで、エンジンコントローラ126は、この電源電流検知信号の“High”レベルの中心近傍の前後に設けた所定時間の区間、例えば2msec(ミリ秒)間を、ゼロクロスのエッジ検知を行わないマスキング区間から除外する。そして、エンジンコントローラ126は、この除外された区間内、すなわち非マスキング区間で、図7(b)に示すゼロクロス検知信号のエッジを検知した場合には、そのエッジを正しいゼロクロスタイミングとみなすことができる。更に、エンジンコントローラ126は、フィルタの時定数に応じて、マスキング区間をずらす等の補正を行ったり、マスキング区間を少し狭くすることを行ったりすることにより、最適なマスキング区間を設けることが可能である。
【0033】
また、電源電流検知信号にフィルタで除去できないノイズが重畳する場合は、例えば100μsec(マイクロ秒)周期で電源電流検知信号のレベルをサンプリングする。そして、所定時間、すなわち電源電流が流れる時間以内、例えば2msec(ミリ秒)以内で、電源電流検知信号のレベルが、多数決で“Low(ロー)”レベルになるタイミングの有無を監視する。その結果、“Low”レベルと判断できる場合には、そのタイミングは電源電流が検知されたタイミングとして、上記制御を行えば良い。ゼロクロス検知信号のマスキング区間を設けることにより、マスキングがされているタイミングでゼロクロス検知信号のエッジが検知されても無視されるので、図7(f)に示すように、正しいゼロクロス検知結果が得られる。そして、エンジンコントローラ126は、このゼロクロスタイミングに応じて正しいタイミングで定着器の制御を行うことができる。
【0034】
[画像形成装置の立ち上げ動作]
次に、画像形成装置を電源オンしたときの立ち上げ動作について説明する。まず、本体101のメインスイッチ(不図示)がオンされると、コンデンサ入力型電源502が起動される。これにより、エンジンコントローラ126、ビデオコントローラ127へ供給される、例えば、3.3Vや5V等といった比較的低圧な電圧と、リレーやモータ等の主に駆動系を動作させるための、例えば24V等といった比較的高い電圧の供給が開始される。そして、エンジンコントローラ126が起動され、本体101のウォームアップのための前多回転動作を開始する。まず、エンジンコントローラ126は、トランジスタ423をオンして、電圧24Vをリレー413の駆動コイルへ供給する。これにより、リレー413がオンされ、セラミックヒータ109cへの電力供給が開始される。エンジンコントローラ126は、前述した方法により、正しいゼロクロスタイミングを検知した後、ゼロクロスタイミングを基に、トランジスタ409をオン/オフするタイミングを決定する。そして、エンジンコントローラ126は、トランジスタ409のオン/オフによりトライアック404を制御して、セラミックヒータ109cへ電力供給し、所定の予熱制御を行う。セラミックヒータ109cが予熱された後、エンジンコントローラ126は、メインモータ123の駆動を開始し、感光ドラム117を含むプロセスカートリッジ108の各構成品、定着器109、搬送ローラ対111、排紙ローラ対140が回転駆動される。更に、エンジンコントローラ126により、トライアック404が制御され、定着器109内のセラミックヒータ109cの駆動制御も行われ、所定のプロセス機器の準備動作が実行される。エンジンコントローラ126は、その後、セラミックヒータ109cを所定の温度まで昇温させた後、各プロセス機器の準備動作を終え、スタンバイ状態に入る。このとき、エンジンコントローラ126は、トランジスタ409をオフすることによって、トライアック404の駆動を停止し、セラミックヒータ109cへの電力供給を停止する。
【0035】
[画像形成装置の画像形成動作]
次に、画像形成装置における画像形成動作について説明する。エンジンコントローラ126は、ビデオコントローラ127からプリント動作開始命令を受けると、画像形成動作を開始する。エンジンコントローラ126は、リレー413をオンした後、前述した方法によりゼロクロスタイミングを検知し、そのゼロクロスタイミングを基にトランジスタ409を制御し、セラミックヒータ109cへ電力を供給して、所定の予熱制御を行う。セラミックヒータ109cが予熱された後、エンジンコントローラ126は、メインモータ123を駆動し、トランジスタ409を制御してセラミックヒータ109cの立ち上げ、スキャナモータ114の駆動を開始する。メインモータ123の駆動によって、感光ドラム117、及び転写ローラ121、定着器109の定着フィルム109a、及び加圧ローラ109b、搬送ローラ対111、排紙ローラ対140は、各々、回転を開始する。この後、エンジンコントローラ126は、レーザユニット113の光量制御を開始すると共に、一次帯電ローラ119、現像器120、転写ローラ121の高圧駆動を順次行う。エンジンコントローラ126は、レーザ光検知センサより送られる/BD信号のパルス間隔から、スキャナモータ114の回転が定常状態になったことを検知すると、給紙ローラクラッチ125をオンして給紙ローラ105aを駆動する。これにより、給紙カセット102内の記録紙Sが一枚ずつ繰り出され、前述した記録紙Sへの画像形成動作が開始される。
【0036】
そして、画像形成動作を終えると、エンジンコントローラ126は、トランジスタ423をオフして、セラミックヒータ109cへの電力供給を止めると共に、メインモータ、及びレーザスキャナを止め、一連の画像形成プロセス処理を停止させる。
【0037】
以上説明したように、本実施例によれば、商用交流電源に重畳するノイズや電圧波形歪みの影響を受けず、正確にゼロクロスタイミングを検知することができる。すなわち、簡素な低コストの回路構成で、マスキング区間を構成するマスクパターンを用いて、ゼロクロス検知信号をマスクすることにより、商用交流電源に重畳するノイズや電圧波形歪みの影響を受けず、正確にゼロクロスタイミングを検知することができる。本実施例では、商用交流電源の電圧波形からゼロクロスタイミングを検知するゼロクロス検知回路を設けた例について説明したが、このゼロクロス検知回路を設けず、電源電流検知信号のみからゼロクロスタイミングを設定するように構成してもよい。その場合には、ゼロクロスタイミングは、前述した電源電流検知信号の“High(ハイ)”レベルの中心付近とすればよく、この方法は、ゼロクロスタイミングに精度が不要な波数制御などに有効である。
【実施例2】
【0038】
[定着電流検知回路の概要]
次に、図8、図9を用いて、本実施例について説明する。図8において、実施例1の図3、図4と同一の回路素子については、同一符号を付し、回路動作等についての説明は省略する。本実施例では、実施例1の電源電流検知信号の代わりに、定着電流検知信号を用いる。図8(a)は、本実施例のセラミックヒータの駆動及び制御を行う加熱定着装置の回路の模式図である。図8(a)が実施例1の図3と異なるのは、リレー413とセラミックヒータ109c間の電力供給経路に、抵抗1002、ダイオード1003、1004から構成される定着電流検知回路を設けている点である。図8(a)において、定着電流検知トランス1001は、セラミックヒータ109cに流れる定着電流を検知する。不図示であるが、定着電流検知トランス1001の二次側は、抵抗1002、及びダイオード1003、1004を介して、エンジンコントローラ126に接続されている。定着電流検知トランス1001の二次側両端には、セラミックヒータ109cに流れる定着電流に応じた電圧が抵抗1002により生じ、抵抗1002を流れる電流はダイオード1003、1004により整流される。そのため、本実施例での定着電流検知は、一方向の正電流のみにより生じる正電圧を検知することで行われ、生成された定着電流検知信号は、エンジンコントローラ126に入力される。エンジンコントローラ126は、入力された定着電流検知信号を積分し、セラミックヒータ109cに流れる定着電流の実効値を算出し、適宜、定着制御に使用する。また、実施例1の図4は、電源電流検知回路とゼロクロス検知回路を設けていたが、本実施例の場合には、電源電流検知信号として定着電流検知信号を使用するので、図8(b)に示すようにゼロクロス検知信号を出力するゼロクロス検知回路のみで良い。
【0039】
[ゼロクロスタイミングの検知方法]
図9は、図8の回路における電圧、電流波形を示した図であり、縦軸は電圧・電流の大きさを、横軸は時間の経過を示す。図9に示す波形は、図9(c)に示すように、位相制御を行った場合の波形を示している。位相制御を行う場合は、所望の導通角にのみ電力が供給されるため、実際にセラミックヒータ109cには、図9(c)に示すような電圧波形のヒータ印加電圧が印加され、その電圧に応じた定着電流が流れる。定着電流検知トランス1001では、定着電流が電圧に変換され、ダイオード1003、及びダイオード1004により整流されることによって、図9(d)のような正の電流値の電流波形を示す定着電流検知信号が出力される。
【0040】
定着制御を行う際は、まず、図8(b)のゼロクロス検知回路によってゼロクロスタイミングの検知が行われ、図9(b)に示すようなゼロクロス検知信号がエンジンコントローラ126に入力される。この場合のゼロクロスタイミングは、ノイズにより、真のゼロクロスタイミングからずれている場合もある。次に、ゼロクロス検知信号のゼロクロスタイミングに基づいて、エンジンコントローラ126は、位相制御により定着制御を開始する。すると、定着電流検知回路から定着電流検知信号が出力され、エンジンコントローラ126に入力される。エンジンコントローラ126は、定着電流検知信号において、検知信号が立ち下がり、ゼロとなるタイミングを真のゼロクロスタイミングとし、ゼロクロスタイミングの時間間隔から、ゼロクロスタイミングの周期を算出する。エンジンコントローラ126は、算出されたゼロクロスタイミングの周期から、入力の商用交流電源の周波数を算出することができる。そして、次に、エンジンコントローラ126は、図9(e)に示す、ゼロクロス検知信号のエッジ検知を行わないマスキング区間(ハッチングされた区間)と、エッジ検知を行う非マスキング区間(ハッチングされていない区間)を有するマスクパターンを生成する。エンジンコントローラ126は、ゼロクロスタイミング付近の所定時間、例えば2msec(ミリ秒)間の区間を非マスキング区間とし、それ以外の区間をゼロクロス検知信号のエッジを検知しないマスキング区間としている。そして、エンジンコントローラ126は、このマスクパターンによって、ゼロクロス検知信号の非マスキング区間におけるエッジをゼロクロスタイミングとし、このゼロクロスタイミングを基に定着制御を行う。
【0041】
以上説明したように、本実施例によれば、商用交流電源に重畳するノイズや電圧波形歪みの影響を受けず、正確にゼロクロスタイミングを検知することができる。すなわち、簡素な低コストの回路構成で、マスキング区間を構成するマスクパターンを用いて、ゼロクロス検知信号をマスクすることにより、商用交流電源に重畳するノイズや電圧波形歪みの影響を受けず、正確にゼロクロスタイミングを検知することができる。本実施例では、図8(b)のようなゼロクロス検知回路を設けた例について説明しているが、このゼロクロス検知回路を設けず、定着電流検知信号のみからゼロクロスタイミングを検知するように構成してもよい。その場合、例えば、商用交流電源の周波数が50Hz(ヘルツ)であれば、1周期分に相当する20msec(ミリ秒)間、定着ヒータをオンし続ける。定着器が回転していても、定着ヒータのオン状態がごく短時間であれば、過昇温等の状態にはならない。そして、定着ヒータをオンすることにより、定着電流検知信号には、半波の正弦波が現れ、その正弦波の両端のゼロクロスをゼロクロスタイミングとすることにより、正確なゼロクロス検知を行うことができる。それ以降は、前述したように、定着電流検知信号の立ち下がりタイミングを基準に、位相制御等を行うこともできる。また、本実施例では、位相制御時の定着電流を用いて説明を行ったが、波数制御の場合、又は位相制御において半波・全波の定着電流を流す場合は、定着電流検知信号のゼロからの立ち上がりタイミングもゼロクロスタイミングとして使用することができる。そして、前述した方法により、ゼロクロスタイミングの周期を算出する。算出されたゼロクロスタイミングの周期は、入力の交流電源の2分の1の周期なので、2倍の周期となる周波数を算出することにより、入力の商用交流電源の周波数を算出することができる。そして、算出された周波数に基づいて、ゼロクロス検知信号のエッジを検知しないマスキング区間を有するマスクパターンを生成できる。このマスクパターンによって、ゼロクロス検知信号の非マスキング区間におけるエッジをゼロクロスタイミングとし、このゼロクロスタイミングを基に定着制御を行うことができる。また、位相制御の場合と同様に、波数制御においても、ゼロクロス検知回路を設けず、定着電流検知信号のみからゼロクロスタイミングを設定して、定着制御を行うことができる。
【符号の説明】
【0042】
109c セラミックヒータ
126 エンジンコントローラ
401 商用交流電源
510、518 フォトカプラ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源から電力供給される発熱体と、
前記交流電源から前記発熱体への給電制御を行う制御手段と、
前記交流電源の電流値を検知し、電流検知信号を出力する電流検知手段と、
前記交流電源の電圧のゼロクロスを検知し、ゼロクロス検知信号を出力するゼロクロス検知手段と、を備え、
前記制御手段は、前記電流検知信号に基づいて、前記ゼロクロス検知信号のエッジの検知を行わないマスキング区間と、前記ゼロクロス検知信号のエッジの検知を行う非マスキング区間を有するマスクパターンを生成し、前記マスクパターンの非マスキング区間における前記ゼロクロス検知信号のエッジをゼロクロスタイミングとして、前記給電制御を行うことを特徴とする加熱定着装置。
【請求項2】
交流電源から電力供給される発熱体と、
前記交流電源から前記発熱体への給電制御を行う制御手段と、
交流電源の電流値を検知し、電流検知信号を出力する電流検知手段と、を備え、
前記制御手段は、前記電流検知信号に基づいて、ゼロクロスタイミングを設定しないマスキング区間と、前記ゼロクロスタイミングを設定する非マスキング区間を有するマスクパターンを生成し、前記マスクパターンの非マスキング区間にゼロクロスタイミングを設定し、前記給電制御を行うことを特徴とする加熱定着装置。
【請求項3】
前記電流検知手段は、前記交流電源を全波整流した電流値を検知し、前記電流値が閾値以下の場合には、前記電流検知信号を出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱定着装置。
【請求項4】
前記マスクパターンは、前記電流検知信号が出力されている区間の中心近傍の前後の所定時間を前記非マスキング区間とすることを特徴とする請求項3に記載の加熱定着装置。
【請求項5】
前記電流検知手段は、前記交流電源から前記発熱体に供給される正電圧に応じた電流値を検知して、前記電流検知信号を出力することを特徴とする請求項1又は2に記載の加熱定着装置。
【請求項6】
前記制御手段が位相制御による前記給電制御を行う場合には、
前記マスクパターンは、前記電流検知信号の立ち下がりをゼロクロスタイミングとし、前記ゼロクロスタイミングの周期を有する前記交流電源の電圧がゼロクロスするときを中心に、前後の所定の時間を前記非マスキング区間とすることを特徴とする請求項5に記載の加熱定着装置。
【請求項7】
前記制御手段が波数制御による前記給電制御を行う場合には、
前記マスクパターンは、前記電流検知信号の立ち上がり及び立ち下がりをゼロクロスタイミングとし、前記ゼロクロスタイミングの2倍の周期を有する前記交流電源の電圧がゼロクロスするときを中心に、前後の所定の時間を前記非マスキング区間とすることを特徴とする請求項5に記載の加熱定着装置。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の加熱定着装置を備えたことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2013−68803(P2013−68803A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−207389(P2011−207389)
【出願日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】