説明

加熱装置

【課題】被加熱物を設定温度に高精度で通電加熱し得るようにする。
【解決手段】この加熱装置10aは被加熱物Bをジュール熱により加熱するために、管状部材に対をなして設けられる電極を有する加熱器11a〜11dを有し、加熱器11aの入口温度が入口温度センサ31により測定され、被加熱物の初期電気伝導度および入口温度に基づいて加熱器内における被加熱物の平均電気伝導度を演算し、平均電気伝導度および電極に供給される電圧に基づいて加熱器の発熱量を演算し、発熱量、入口温度および比熱に基づいて被加熱物の出口温度を演算する。被加熱物の目標温度と出口温度とを比較して出口温度が目標温度となるように電極に供給される出力電圧を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は流動性を有する飲食物を被加熱物としてこれを連続的に搬送しながら通電加熱する加熱装置に関する。
【背景技術】
【0002】
流動性を有する被加熱物を連続的に流路内で搬送しながらジュール熱により加熱するために、特許文献1に記載されるような通電加熱装置が開発されている。この通電加熱装置は上流側と下流側の通電加熱部を有しており、上流側の温度偏差に基づいて下流側の通電加熱部の電極に供給される電力をフィードフォワード制御し、上流側の温度偏差が所定値以下のときには下流側の温度偏差に基づいて下流側の通電加熱部の電極に供給される電力をフィードバック制御するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4603932号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ジュースやジャムなどの流動性を有する飲食物を被加熱物としてこれをジュール加熱装置により目標温度に通電加熱するための通電制御方式は、フィードバック制御方式が基本となっており、被加熱物が目標温度となるように電力を制御している。一方、上記特許文献1に記載されるように、加熱装置の立ち上げ時にはフィードフォワード制御を行い、定常状態となったときにはフィードバック制御を行うようにすると、定常状態に迅速に移行させることができる。いずれの制御方式においても、従来では、電力制御を行うために、被加熱物の温度に基づいて電極に供給される電圧を制御している。
【0005】
流動性を有する飲食物を被加熱物としてこれを通電加熱する場合には、被加熱物の物性や加熱条件をプリセット値として定める必要がある。物性値としては被加熱物の電気伝導度、比熱があり、加熱条件としては加熱装置により加熱される前の被加熱物の温度および目標温度と、加熱装置により搬送させる被加熱物の流量がある。被加熱物の電気伝導度については、予め電気伝導度センサにより測定しておき、その値を加熱装置の制御条件値として入力するようにしている。
【0006】
しかしながら、被加熱物の電気伝導度は温度によって変化するので、加熱前の被加熱物の電気伝導度を制御条件として使用すると、加熱されているときの被加熱物の実際の電気伝導度は予め設定された入力値と相違することになる。このため、加熱精度の向上には限度がある。熱交換器を用いて被加熱物を加熱する場合と相違して、ジュール熱により被加熱物を通電加熱する場合には、ジュール加熱器の入口温度が急に変化した場合には、加熱器からの出口温度が大幅に変動することになる。設定温度よりも高く変動した場合には、被加熱物が過加熱されて品質を損なうことになり、設定温度まで加熱されなかった場合には、再加熱する必要がある。
【0007】
ジュール加熱装置が使用される食品製造工場においては、同一の加熱装置によって複数種類の流動性食品が加熱処理されており、加熱装置の操作盤に設けられた入力キーを操作して加熱処理される被加熱物に応じた電気伝導度の値を入力するようにしている。このため、作業者の入力ミスにより実際とは相違した電気伝導度の値が入力されると、加熱熱量が設定値と大きく相違してしまう。例えば、電気伝導度の低い被加熱物を通電加熱する際に、電気伝導度の高い被加熱物の値が入力されると、被加熱物は過加熱されることになり、製品品質を劣化させることになる。
【0008】
本発明の目的は、被加熱物を設定温度に高精度で通電加熱し得るようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の加熱装置は、流動性を有する被加熱物を流路内に連続的に搬送しながらジュール熱により加熱する加熱装置であって、絶縁材料からなり前記流路を形成する管状部材および当該管状部材に対をなして設けられる電極を有する加熱器と、前記加熱器の入口における被加熱物の入口温度を測定する入口温度測定手段と、前記入口における被加熱物の初期電気伝導度および前記入口温度に基づいて前記加熱器内における被加熱物の平均電気伝導度を演算する電気伝導度演算手段と、前記平均電気伝導度および前記電極に供給される電圧に基づいて前記加熱器の発熱量を演算する発熱量演算手段と、前記発熱量、前記入口温度および被加熱物の比熱に基づいて前記加熱器の出口における被加熱物の出口温度を演算する出口温度演算手段と、被加熱物の目標温度と前記出口温度とを比較して前記出口温度が前記目標温度となるように前記電極に供給される出力電圧を制御する電圧制御手段とを有することを特徴とする。
【0010】
本発明の加熱装置は、前記加熱器に供給される被加熱物の初期電気伝導度を測定する電気伝導度測定手段と、被加熱物の前記比熱の値を記憶する比熱記憶手段とを有し、前記電気伝導度測定手段により測定された前記入口における被加熱物の初期電気伝導度に基づいて前記平均電気伝導度を演算し、前記比熱記憶手段に記憶された比熱値に基づいて前記出口温度を演算することを特徴とする。本発明の加熱装置は、前記加熱器に供給される被加熱物を案内する測定流路を形成する管状部材および当該管状部材に対をなして設けられる測定電極を有する物性測定器と、前記測定電極への測定用印加電圧を測定する電圧測定手段と、前記測定電極への測定用印加電流を測定する電流測定手段と、前記測定用印加電圧、前記測定用印加電流に基づいて前記加熱器の前記入口における被加熱物の前記初期電気伝導度を演算する初期電気伝導度演算手段とを有することを特徴とする。本発明の加熱装置は、前記物性測定器の入口における被加熱物の測定器入口温度を測定する測定器入口温度測定手段と、前記物性測定器の出口における被加熱物の測定器出口温度を測定する測定器出口温度測定手段と、前記測定用印加電圧、前記測定用印加電流、前記測定器入口温度および前記測定器出口温度に基づいて前記比熱を演算する比熱演算手段とを有することを特徴とする。
【0011】
本発明の加熱装置は、流動性を有する被加熱物を流路内に連続的に搬送しながらジュール熱により加熱する加熱装置であって、絶縁材料からなり前記流路を形成する管状部材および当該管状部材に対をなして設けられる電極を有する加熱器と、前記加熱器の入口における被加熱物の入口温度を測定する入口温度測定手段と、前記加熱器に供給される加熱用印加電流を測定出する電流測定手段と、被加熱物の目標温度と前記入口温度との温度差、被加熱物の流量および比熱に基づいて前記加熱器に供給するための目標電力を演算する電力演算手段と、前記加熱器に供給される出力電圧と前記加熱用印加電流との積が前記目標電力となるように加熱用出力電圧を制御する電圧制御手段とを有することを特徴とする。本発明の加熱装置は、前記目標電力の上限値を設定する上限値設定手段を有し、前記加熱用印加電圧と前記加熱用印加電流との積が前記上限値を超えない範囲で前記加熱用出力電圧を制御することを特徴とする。本発明の加熱装置は、前記加熱器の温度を測定する加熱器温度測定手段を有し、前記加熱器を始動させたときには、前記加熱器の温度に応じて出力電圧を補正することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、加熱器内の被加熱物の平均電気伝導度を演算して電極に印加される電圧を制御するようことにより、高精度で設定温度にまで被加熱物を加熱することができる。加熱装置に供給される前の被加熱物の初期電気伝導度を求めることにより、被加熱物の初期電気伝導度を操作盤を用いて予め入力することが不要となる。
【0013】
電気伝導度を求めることなく、通電に必要な電力を求めてその電力となるように電極に印加する電圧を制御することにより、高精度で設定温度にまで被加熱物を加熱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の一実施の形態である加熱装置を示す概略図である。
【図2】図1に示した加熱器の拡大断面図である。
【図3】図1に示された加熱装置の制御部を示すブロック図である。
【図4】被加熱物をジュール加熱する際における加熱制御のアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図5】加熱器の出口温度演算ステップのサブルーチンを示すフローチャートである。
【図6】本発明の他の実施の形態である加熱装置を示す概略図である。
【図7】図6に示した物性測定器の拡大断面図である。
【図8】図6に示された加熱装置の制御部を示すブロック図である。
【図9】物性測定器による被加熱物の物性値決定のアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図10】本発明の他の実施の形態である加熱装置を示す概略図である。
【図11】図10に示した加熱器の拡大断面図である。
【図12】図10に示された加熱装置の制御部を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。図1に示す加熱装置10aは、例えば、ジュースやジャム等のように流動性を有する飲食物を被加熱物としてこれを加熱するために使用される。加熱装置10aは、4つの加熱器11a〜11dを有しており、これらの加熱器11a〜11dは接続配管12により直列に接続されている。第1番目の加熱器11aの入口は、被加熱物Bを収容するホッパ13に対し供給配管14により接続されている。ホッパ13内の被加熱物Bをそれぞれの加熱器11a〜11dに供給するために、供給配管14にはポンプ15が設けられている。第4番目の最終段の加熱器11dの出口には吐出配管16が接続されており、加熱処理された被加熱物Bは図示しない回収タンクに吐出配管16により供給される。
【0016】
図1に示す加熱装置10aにより、流動性の飲食物を加熱処理するときには、特許文献1に記載されるように、ホッパ13と第1番目の加熱器11aの間に熱交換式の予熱器を配置し、第4番目の加熱器11dと回収タンクとの間に冷却器を配置しても良い。
【0017】
図2は図1に示した加熱器11aの拡大断面図であり、他の加熱器11b〜11dも加熱器11aと同様の構造となっている。加熱器11aは、図2に示されるように、被加熱物Bを案内する流路21が形成された断面円形の加熱パイプつまり管状部材22を有している。管状部材22は複数のリング状の電極23とこれらの間に配置される複数の円筒体24とにより構成されている。このように、それぞれの加熱器つまり加熱ユニットは電極23と円筒体24とにより構成される管状部材22を有し、管状部材22にはこれに対をなして電極23が設けられている。それぞれの電極23はチタンやステンレス等の導体により形成され、それぞれの円筒体24は樹脂等の絶縁性材料により形成されている。管状部材22の両端部には流入側と流出側のジョイント部25,26が取り付けられている。それぞれの電極23には電源ユニット27がケーブルを介して接続されており、被加熱物Bの流れる方向に隣り合って対をなす電極23が相互に逆極性となるように電源ユニット27から高周波電流が供給される。なお、図1に示されたそれぞれの加熱器11a〜11dに設けられる電極23の数は加熱温度等に応じて任意に設定される。
【0018】
供給配管14には、図1に示すように、加熱器11aの入口における被加熱物Bの温度つまり入口温度T0を測定するための入口温度センサ31が入口温度測定手段として設けられている。供給配管14にはさらに、ホッパ13から加熱装置10aに供給される被加熱物Bの流量Qを測定するための流量センサ32が流量測定手段として設けられ、加熱器11aの入口における被加熱物Bの電気伝導度つまり初期電気伝導度C0を測定するための電気伝導度センサ33が初期伝導度測定手段として設けられている。
【0019】
図3は加熱装置10aの制御部を示すブロック図であり、制御部はコントロールユニット40を有している。このコントロールユニット40には、4台の加熱器11a〜11dのそれぞれの電源ユニット27が接続されており、コントロールユニット40からの信号によりそれぞれの加熱器11a〜11dの電源ユニット27が制御され、電極23に供給される出力電圧Eが制御される。第1段目の加熱器11aの電極には出力電圧E1が供給され、それぞれの加熱器11a〜11dにはそれぞれ所定の出力電圧E1〜E4が供給される。ただし、加熱装置10aの形態によっては、4台全てあるいは2台の加熱器の電極23に単一の電源ユニット27から電力を供給するものもある。
【0020】
コントロールユニット40には操作盤34が接続されており、被加熱物の物性値である比熱の値は操作盤34のキー操作により入力される。同様に、加熱器11a〜11dの特性データについても操作盤34のキー操作により入力される。加熱器の特性データとしては、それぞれの加熱器の口径J、電極間距離K、および加熱セクション数Lがある。加熱器の口径Jは加熱器の流路21の内径であり、電極間距離Kは図2に示される電極23相互間の距離であり、加熱セクション数Lは隣り合う電極23により形成される電極対の数である。図2に示されるように、6つの電極23を有する加熱器においては、加熱セクション数Lは5つとなる。加熱装置10aにより最終的に加熱される被加熱物の温度の目標値つまり目標温度TEの値も操作盤34のキー操作により入力される。それぞれの入力値はコントロールユニット40内に記憶部に格納される。上述した口径J、電極間距離K、セクション数Lは、図1において第1番目の加熱器11aから第4番目の加熱器11dに、添え字1〜4を付して示されている。ただし、4つの加熱器の全てが同一サイズであれば、これらの値は同一である。
【0021】
コントロールユニット40には、図1に示した入口温度センサ31,流量センサ32および電気伝導度センサ33が接続されており、それぞれのセンサからの測定信号つまり検出信号がコントロールユニット40に入力される。コントロールユニット40には、制御信号を演算するマイクロプロセッサCPUと、制御プログラム、演算式およびデータが格納されるROMと、一時的にデータを格納するRAMとが設けられている。コントロールユニット40は、電気伝導度演算部41、発熱量演算部42、出口温度演算部43、電圧制御部44および比熱記憶部45を有している。
【0022】
電気伝導度演算部41はそれぞれの加熱器11a〜11dにおける被加熱物Bの平均電気伝導度を、それぞれの加熱器の入口における電気伝導度と入口温度に基づいて演算する。発熱量演算部42は平均電気伝導度と電極に供給される電圧に基づいてそれぞれの加熱器の発熱量を演算する。出口温度演算部43は発熱量、入口温度および比熱に基づいて加熱器の出口における被加熱物の温度つまり出口温度を演算する。電圧制御部44は被加熱物の目標温度TEと出口温度とを比較して出口温度が目標温度となるように電極に供給される出力電圧を制御する。図3においては、コントロールユニット40が有する機能を電気伝導度演算部41等のようにブロックにより表示している。
【0023】
図1に示す加熱装置10aにおいては、第1番目の加熱器11aにおける平均電気伝導度C1は、電気伝導度センサ33により測定された被加熱物Bの初期電気伝導度C0と、加熱器11aの入口温度T0とに基づいて以下の式(1)により算出される。
【0024】
1=C0/(1+((T0−25))・S)・(1+((T0+T1)・0.5−25)・S) …式(1)
式(1)において、符号Sは被加熱物の電気伝導度の温度勾配を示し、その値は予め測定されて記憶部に記憶されている。温度T1は加熱器11aにより加熱された被加熱物の出口温度を示す。式(1)により平均電気伝導度C1を演算する際には、出口温度が不明であるので、出口温度を入口温度と仮定して、T0=T1として計算する。
【0025】
式(1)により第1番目の加熱器11aの平均電気伝導度C1が求められると、平均電気伝導度C1と加熱器11aの電極に供給される電圧E1とに基づいて加熱器11aによる発熱量W1が以下の式(2)により算出される。
【0026】
1=(E1・X)2・C1/(πJ12/4)/K1・L1 …式(2)
式(2)において、符号Xは出力係数を示しており、通常の通電加熱において電極に印加される電圧の最大値に対する出力率を100で除した値である。例えば、電極に印加される最大値が800Vとすると、出力係数が1であれば、電極には800Vの電圧が印加され、出力係数か0.5であれば、400Vの電圧が印加される。符号J1は加熱器11aの口径、符号K1は電極間距離、符号L1は加熱のセクション数をそれぞれ示す。
【0027】
式(2)により第1番目の加熱器11aの発熱量W1が求められると、第1番目の加熱器11aにおける出口温度T1は、発熱量W1と入口温度T0と比熱Cpに基づいて以下の式(3)により算出される。
【0028】
=T0+W1/(Q・Cp・D) …式(3)
式(3)において、符号Dは被加熱物の密度であり、単位はkg/m3である。符号Qは図1に示した流量センサ32により得られる被加熱物の体積流量であり、単位はm3/hである。流量センサ32としては体積流量を測定する体積流量センサに代えて、質量流量を測定する質量流量センサを使用することにより、式(3)における(Q・D)の代わりに質量流量(kg/h)を使用しても良い。
【0029】
式(1)により第1番目の加熱器11aの平均電気伝導度C1を演算するには、出口温度T1の値が必要であり、まずは、上述のように入口温度T0を出口温度T1として用いて平均電気伝導度C1を演算している。入口温度T0を出口温度T1として演算した出口温度の値は正確ではないので、式(3)により演算された出口温度T1を再度式(1)の出口温度として入力して、発熱量W1と出口温度T1とを演算する。このようにして演算された出口温度T1の値を使用して出口温度を再度演算する。この演算を複数回繰り返し、出口温度の演算値と、出口温度として仮定した温度との差が判定値よりも小さくなったときには、そのときの出口温度T1を第1番目の加熱器11aの出口温度とし、その出口温度として式(1)で演算した平均電気伝導度C1を加熱器11a内の被加熱物の平均電気伝導度とする。
【0030】
次いで、第2番目の加熱器11bから第4番目の加熱器11dについて同様にして出口温度を演算する。第k番目の加熱器についての式(1)〜(3)は以下の通りである。
【0031】
第k番目の加熱器における被加熱物の平均電気伝導度Ckは、
k=C0/(1+((Tk-1+Tk)・0.5)−25)・S)・(1+((Tk-1+Tk)・0.5−25)・S) …式(1k)であり、発熱量Wkは、
k=(Ek・X)2・Ck/(πJk2/4)/Kk・Lk …式(2k)であり、出口温度Tkは、
k=Tk-1+Wk/(Q・Cp・D) …式(3k)である。
【0032】
したがって、第2番目の加熱器11bについて、上記式(1k)により加熱器11b内の被加熱物の平均電気伝導度C2を演算し、式(2k)により加熱器11bの発熱量W2を演算し、式(3k)により加熱器11bの出口温度T2を演算する。加熱器11bについて上述した値を演算するときには、式(1k)〜式(3k)におけるKを2として演算する。加熱器11bについても、出口温度T2の演算を複数回繰り返し、出口温度T2の演算値と、出口温度T2として仮定した温度と差が判定値よりも小さくなったときには、そのときの出口温度T2を第2番目の加熱器11bの出口温度T2とし、その出口温度として演算した平均電気伝導度C2を加熱器11b内の被加熱物の平均電気伝導度とする。
【0033】
図1に示す加熱装置10aは4つの加熱器11a〜11dを有しているので、上述した演算を最終の第4番目の加熱器11dについてまで行う。加熱器11dの被加熱物の出口温度T4は加熱装置10aの被加熱物の出口温度である。この出口温度T4が予め設定された目標温度TEとなっているか否かを判定し、出口温度T4が目標温度TEとなるように、各加熱器11a〜11dに印加される電圧が制御される。電圧の制御は出力係数Xを変化させることにより行われる。それぞれの加熱器11a〜11dに対する出力係数の制御は、同じ係数を変化させるようにしても良く、それぞれの加熱器によって出力係数を変化させるようにしても良い。
【0034】
図1には4つの加熱器を有する加熱装置10aが示されているが、加熱器の数は任意に設定することができ、加熱装置10aの形態としては、1つの加熱器のみからなるものと複数の加熱器を有するものがある。1つの加熱器11aのみの場合には、その加熱器11aの出口温度が加熱装置10aの出口温度となる。
【0035】
図4は図1に示した加熱装置10aにより被加熱物をジュール加熱する際における加熱制御のアルゴリズムを示すフローチャートである。
【0036】
ステップS1においては被加熱物の物性値を決定する。加熱制御に必要な被加熱物の物性値は、ホッパ13から加熱装置10aに供給される被加熱物の初期電気伝導度C0と、比熱Cpである。初期電気伝導度C0は図1に示された電気伝導度センサ33により測定され、比熱Cpは予め被加熱物を測定して格納されている比熱の値を比熱記憶部45から呼び出すことにより決定される。次いで、加熱器11aの入口温度つまり加熱器11aにより加熱が開始される前の被加熱物の温度が入口温度センサ31により測定され、さらに、加熱装置10aに送られる被加熱物の流量Qが流量センサ32により測定される(ステップS2,S3)。ステップS4においては電圧の出力係数Xが初期値に設定され、ステップS5においては、第1番目の加熱器11aの出口温度T1が演算される。
【0037】
図5はステップS5の加熱器の出口温度を演算するためのサブルーチンを示フローチャートである。
【0038】
出口温度T1を演算するには、まず、ステップS22において式(1)により加熱器11a内における被加熱物の平均電気伝導度を演算することになるが、その際にはステップS21に示すように、式(1)の出口温度T1としては入口温度T0の値と仮定し、この値を式(1)に代入する。次いで、式(2)により加熱器11aの発熱量W1を演算し、式(3)により出口温度T1を演算する(ステップS23,S24)。ステップS25においては、ステップS24で演算された出口温度T1が加熱器11aの昇温幅の値に十分に近いか否かが判定される。昇温幅が所定値以内であると判定されると、その出口温度T1が出口温度として設定される。これに対し、ステップS25において昇温幅が所定値よりも大きくなっていると判定されたときには、出口温度の仮定値を増加してステップS22に戻る。
【0039】
出口温度の演算を第1番目の加熱器11aから順次第4番目の加熱器11dについて行う。図1に示すように、加熱装置10aが4台の加熱器により構成されている場合には、加熱器の数Nは4となる。第4番目の加熱器の出口温度T4の演算が終了して、K=NがステップS7において判定されると、ステップS8においては加熱装置10aの出口温度Tnが目標温度TEとなっているか否かが判定される。目標温度であると判定されると、その目標温度となる出力係数Xが決定される。これに対し、ステップS8において目標温度TEとなっていないと判定されたときには、出力係数Xが1つまり電圧出力が100%となっているか否かがステップS10で判定される。電圧出力が100以下であれば、ステップS11において出力係数Xを例えば0.1程度つまり10%増加させる。一方、ステップS10において、電圧出力が100%であっても目標温度に到達していないと判定された場合には、ステップS12において警報を出力する。
【0040】
上述のように、電気伝導度センサ33により加熱装置10aに供給される被加熱物Bの電気伝導度つまり初期電気伝導度C0を測定し、この値に基づいて加熱装置10aによる最終的な被加熱物の加熱温度が演算される。最終的な加熱温度が目標温度TEとなっているか否かに基づいて、出力係数Xを変化させて電源ユニット27から電極23に印加させる電圧Eが制御される。これにより、被加熱物Bの初期電気伝導度C0を測定してそのデータを入力することなく、被加熱物Bの電気伝導度に応じた電圧が電極に自動的に印加されることになり、被加熱物の加熱操作を容易に行うことができる。しかも、加熱器内における平均電気伝導度を演算して電圧制御を行うので、被加熱物Bを高精度で通電加熱することができる。
【0041】
図6は本発明の他の実施の形態である加熱装置10bを示す概略図であり、図7は図6に示された物性測定器の拡大断面図である。
【0042】
加熱装置10bは図1に示したものと同様に4つの加熱器11a〜11dを有しており、それぞれは図2に示した構造となっている。ホッパ13と第1番目の加熱器11aとを接続する供給配管14には、被加熱物Bの物性を測定する物性測定器17が配置されている。この物性測定器17により被加熱物Bの初期電気伝導度C0と比熱Cpが求められる。
【0043】
物性測定器17は加熱器11a〜11dと同様のジュール加熱器により形成されている。物性測定器17は、図7に示されるように、被加熱物Bを案内する流路51が形成された断面円形の加熱パイプつまり管状部材52を有している。管状部材52は3つのリング状の電極53とこれらの間に配置される複数の円筒体54とにより構成されている。このように、物性測定器17は電極53と円筒体54とにより構成される管状部材52を有し、管状部材52にはこれに対をなして電極53が設けられている。それぞれの電極53はチタンやステンレス等の導体により形成され、それぞれの円筒体54は樹脂等の絶縁性材料により形成されている。管状部材52の両端部には流入側と流出側のジョイント部55,56が取り付けられている。それぞれの電極53には電源ユニット57がケーブルを介して接続されており、被加熱物Bの流れる方向に隣り合って対をなす電極53が相互に逆極性となるように電源ユニット57から高周波電流が供給される。なお、図7に示される物性測定器17としては、上述した加熱器11a〜11dの電極数が同一のものを使用することもできる。
【0044】
第1番目の加熱器11aの入口における被加熱物Bの温度を測定するため、供給配管14には入口温度センサ31が設けられており、流量を測定するために流量センサ32が設けられている。さらに、供給配管14には物性測定器17の入口側の温度つまり測定器入口温度Tmを測定するための測定器入口温度センサ35が温度測定手段として設けられている。
【0045】
物性測定器17には、図7に示されるように電極53に供給される測定用印加電圧を測定する電圧測定器36と、電極53に供給される測定用印加電流を測定する電流測定器37とがそれぞれ測定手段として設けられている。
【0046】
ジュール加熱器の構造となっている物性測定器17を用いることにより、これに供給される測定用印加電圧Emと測定用印加電流Imとに基づいて、被加熱物Bの初期電気伝導度C0が求められる。さらに、測定用印加電圧Emと測定用印加電流Imとに基づいて被加熱物Bの比熱Cpをも求めることができる。
【0047】
初期電気伝導度C0は、測定用印加電圧Emと測定用印加電流Imに対して以下の式(4)に示す関係があり、比熱Cpは以下の式(5)に示す関係がある。
【0048】
0=Im・Km/Em/(Jm2π/4) …式(4)
p=Em・Im/1000/(T0−Tm)/D/Q・3600 …式(5)
式(4)(5)において、符号Kmは物性測定器17における電極間距離(m)であり、符号Jmは物性測定器17の口径(m)である。
【0049】
したがって、物性測定器17を使用してこれに供給される測定用印加電圧Emと測定用印加電流Imとを測定すれば、物性測定器17内の被加熱物Bの電気伝導度C0が式(4)により演算される。この電気伝導度は加熱装置10bに供給される被加熱物Bの初期電気伝導度となる。また、物性測定器17に流入する被加熱物Bの温度を測定器入口温度センサ35により測定し、物性測定器17により加熱された被加熱物Bの温度T0を測定すると、式(5)により比熱Cpを演算することができる。ただし、比熱Cpは被加熱物Bの温度が変化しても変動が少ないので、図1に示した場合と同様に、予め記憶部に比熱Cpの値を記憶させておくようにしても良い。
【0050】
図8は図6に示された加熱装置の制御部を示すブロック図であり、図9は物性測定器による被加熱物の物性値決定のアルゴリズムを示すフローチャートである。
【0051】
図6に示す加熱装置10bを制御するための図8に示したコントロールユニット40には、図7に示した電圧測定器36と電流測定器37からの信号が送られ、図6に示した測定器入口温度センサ35からの信号が送られる。コントロールユニット40は測定用印加電圧Emと測定用印加電流Imとに基づいて、被加熱物Bの初期電気伝導度C0を演算する初期伝導度演算部46を有している。
【0052】
図6に示すように、物性測定器17をホッパ13と加熱器11aとの間に配置すると、加熱器11aに供給される被加熱物Bの初期電気伝導度C0を検出することができる。しかも、物性測定器17は加熱器11a〜11dと同様の構造のジュール加熱器であり、物性測定器17により電気伝導度を検出することができるだけでなく、被加熱物を加熱することになるので、これを1つの加熱器としても利用することができる。したがって、物性測定器17と1つの加熱器11aとにより加熱装置10bを構成することも可能である。
【0053】
次に、物性測定器17を用いて被加熱物の物性値である電気伝導度C0と比熱Cpとを求める手順について図9を参照して説明する。物性測定器17の電極53に供給される測定用印加電圧Emを電圧測定器36により測定し、測定用印加電流Imを電流測定器37により測定し、それぞれの測定信号がコントロールユニット40に送られる(ステップS31,S32)。さらに、流量センサ32により測定された被加熱物Bの流量Qと物性測定器17に流入する前の測定器の入口温度Tmとが測定されてそれぞれコントロールユニット40に送られる(ステップS33,S34)。加熱器11aに流入する被加熱物Bの温度を測定する入口温度センサ31は物性測定器17を通過した被加熱物Bの温度を測定する。
【0054】
したがって、これらの測定値に基づいて、式(4)により電気伝導度つまり加熱器11aに流入する前の初期電気伝導度C0が演算される。また式(5)により比熱Cpが演算される。
【0055】
上述の加熱装置10bにおいてはこの加熱装置10bを構成する加熱器11a〜11dと同様のジュール加熱器からなる物性測定器17を用いて自動的に被加熱物Bの電気伝導度つまり初期電気伝導度C0を演算し、この値に基づいて加熱装置10aによる最終的な被加熱物の加熱温度が演算される。最終的な加熱温度が目標温度TEとなっているか否かに基づいて、出力係Xを変化させて電源ユニット27から電極23に印加させる電圧Eが制御される。これにより、被加熱物Bの初期電気伝導度C0を測定してそのデータを入力することなく、被加熱物Bの電気伝導度に応じた電圧が電極に自動的に印加されることになり、被加熱物の加熱操作を容易に行うことができる。しかも、加熱器内における平均電気伝導度を演算して電圧制御を行うので、被加熱物Bを高精度で通電加熱することができる。
【0056】
また、加熱装置10bにおいては、物性測定器17はジュール加熱器により形成されており、被加熱物を加熱することにより物性を測定するようにしているので、物性測定器17を第1段目の加熱器としても機能させることができる。これにより、加熱器の数を増加させることなく、設定温度まで被加熱物を加熱することができる。
【0057】
図10は本発明の他の実施の形態である加熱装置を示す概略図であり、図11は図10に示された加熱器を示す拡大断面図であり、図12は10に示された加熱装置の制御部を示すブロック図である。
【0058】
この加熱装置10cは上述した加熱装置10a,10bと同様に4つの加熱器11a〜11dを有している。加熱器11aは図11に示す構造となっており、他の加熱器11b〜11dも加熱器11aと同様の構造となっている。供給配管14には図1に示した加熱装置10aと同様に入口温度センサ31と流量センサ32が設けられている。加熱器11aには、図11に示されるように電極23に供給される加熱用印加電圧Iを測定する電流測定器28が電流測定手段として設けられている。
【0059】
図12に示すように、コントロールユニット40には、加熱ユニット11aに供給される被加熱物Bの温度を測定する入口温度センサ31と被加熱物の体積流量Qを測定する流量センサ32からの信号が送られる。さらに、図11に示した電流測定器28からの信号もコントロールユニット40に送られる。コントロールユニット40の記憶部47には予め被加熱物Bの比熱Cpと、密度Dのデータと、目標温度TEのデータが格納されている。
【0060】
電力演算手段としての電力演算部48は、入口温度T0と目標温度TEとの温度差、流量Q、比熱Cpおよび密度Dに基づいて、被加熱物を目標温度に加熱するための必要電力つまり目標電力W(KW)を演算する。目標電力Wは以下の式(6)により求められる。
【0061】
W=Q・Cp・D(TE−T0) …式(6)
必要電力Wは電圧Eと電流Iの積により求められるので、コントロールユニット40の電圧制御部44は、E・X・I=W …式(7)となるように、電圧係数Xを調節する。
【0062】
このように、被加熱物を目標温度に加熱するための目標電力Wを演算し、目標電力Wから印加電圧Eを制御するようにしたので、被加熱物の電気伝導度を求めることなく、被加熱物を設定温度にまで高い精度で加熱することができる。
【0063】
図10に示す加熱装置10cにおいては、目標電力Wを演算する際には、出力上限値の余裕を10%として、E・X・I=1.1Wとなるように、出力Xの上限値を設定する。このように、印加電圧に上限値を設定することにより、加熱装置10cの作動を安定させることができる。
【0064】
それぞれの加熱装置10a〜10cにおいては、加熱器11a〜11cにそれぞれの加熱器の温度を測定する加熱器温度測定器を設け、加熱器の温度に応じて出力係数Xを補正するようにする。このように出力係数Xを加熱器の温度に応じて補正するようにすると、加熱装置10a〜10cを始動させたときのように、加熱器の温度が高くなっていないときには、電圧を高めてより迅速に被加熱物を定常温度まで高めることができる。そのための補正後の出力係数X’は以下の式(8)により求められる。
【0065】
X’=X・((T0+TE)・0.5−ΣTEK/n)・Y …式(8)
この式において、TEKは第k番目の加熱器の温度を示す。
【0066】
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。たとえば、加熱器11a〜11cの構造は図示したように、環状電極23を用いた形態に限られず、特許文献1に示された他の形態の加熱器を使用することができる。その場合には、上述した各式における電極間距離や加熱セクション数等が相違するが、基本式は同様である。
【符号の説明】
【0067】
10a〜10c 加熱装置
11a〜11d 加熱器
13 ホッパ
14 供給配管
15 ポンプ
16 吐出配管
17 物性測定器
21 流路
22 管状部材
23 電極
27 電源ユニット
31 入口温度センサ
32 流量センサ
33 電気伝導度センサ
35 測定器入口温度センサ
36 電圧測定器
37 電流測定器
40 コントロールユニット
41 電気伝導度演算部
42 発熱量演算部
43 出口温度演算部
44 電圧制御部
45 比熱記憶部
46 初期伝導度演算部
48 電力演算部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
流動性を有する被加熱物を流路内に連続的に搬送しながらジュール熱により加熱する加熱装置であって、
絶縁材料からなり前記流路を形成する管状部材および当該管状部材に対をなして設けられる電極を有する加熱器と、
前記加熱器の入口における被加熱物の入口温度を測定する入口温度測定手段と、
前記入口における被加熱物の初期電気伝導度および前記入口温度に基づいて前記加熱器内における被加熱物の平均電気伝導度を演算する電気伝導度演算手段と、
前記平均電気伝導度および前記電極に供給される電圧に基づいて前記加熱器の発熱量を演算する発熱量演算手段と、
前記発熱量、前記入口温度および被加熱物の比熱に基づいて前記加熱器の出口における被加熱物の出口温度を演算する出口温度演算手段と、
被加熱物の目標温度と前記出口温度とを比較して前記出口温度が前記目標温度となるように前記電極に供給される出力電圧を制御する電圧制御手段とを有することを特徴とする加熱装置。
【請求項2】
請求項1記載の加熱装置において、
前記加熱器に供給される被加熱物の初期電気伝導度を測定する電気伝導度測定手段と、
被加熱物の前記比熱の値を記憶する比熱記憶手段とを有し、
前記電気伝導度測定手段により測定された前記入口における被加熱物の初期電気伝導度に基づいて前記平均電気伝導度を演算し、前記比熱記憶手段に記憶された比熱値に基づいて前記出口温度を演算することを特徴とする加熱装置。
【請求項3】
請求項1記載の加熱装置において、
前記加熱器に供給される被加熱物を案内する測定流路を形成する管状部材および当該管状部材に対をなして設けられる測定電極を有する物性測定器と、
前記測定電極への測定用印加電圧を測定する電圧測定手段と、
前記測定電極への測定用印加電流を測定する電流測定手段と、
前記測定用印加電圧、前記測定用印加電流に基づいて前記加熱器の前記入口における被加熱物の前記初期電気伝導度を演算する初期電気伝導度演算手段とを有することを特徴とする加熱装置。
【請求項4】
請求項3記載の加熱装置において、
前記物性測定器の入口における被加熱物の測定器入口温度を測定する測定器入口温度測定手段と、
前記物性測定器の出口における被加熱物の測定器出口温度を測定する測定器出口温度測定手段と、
前記測定用印加電圧、前記測定用印加電流、前記測定器入口温度および前記測定器出口温度に基づいて前記比熱を演算する比熱演算手段とを有することを特徴とする加熱装置。
【請求項5】
流動性を有する被加熱物を流路内に連続的に搬送しながらジュール熱により加熱する加熱装置であって、
絶縁材料からなり前記流路を形成する管状部材および当該管状部材に対をなして設けられる電極を有する加熱器と、
前記加熱器の入口における被加熱物の入口温度を測定する入口温度測定手段と、
前記加熱器に供給される加熱用印加電流を測定出する電流測定手段と、
被加熱物の目標温度と前記入口温度との温度差、被加熱物の流量および比熱に基づいて前記加熱器に供給するための目標電力を演算する電力演算手段と、
前記加熱器に供給される出力電圧と前記加熱用印加電流との積が前記目標電力となるように加熱用出力電圧を制御する電圧制御手段とを有することを特徴とする加熱装置。
【請求項6】
請求項5記載の加熱装置において、前記目標電力の上限値を設定する上限値設定手段を有し、前記加熱用印加電圧と前記加熱用印加電流との積が前記上限値を超えない範囲で前記加熱用出力電圧を制御することを特徴とする加熱装置。
【請求項7】
請求項1〜6に記載の加熱装置において、前記加熱器の温度を測定する加熱器温度測定手段を有し、前記加熱器を始動させたときには、前記加熱器の温度に応じて出力電圧を補正することを特徴とする加熱装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−187077(P2012−187077A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−55347(P2011−55347)
【出願日】平成23年3月14日(2011.3.14)
【出願人】(000136642)株式会社フロンティアエンジニアリング (30)
【Fターム(参考)】