加熱調理器
【課題】調理開始時に発生する臭いや水蒸気を効率よく排出することができ、赤外線信号が減衰したり遮断されるおそれがなく、その上赤外線投光手段が熱の影響を受けにくい換気装置との連動機能を備えた加熱調理器を提供する。
【解決手段】赤外線投光手段を有し、この赤外線投光手段からの赤外線信号により上方に設けた換気装置を制御するようにした加熱調理器1において、換気装置を、加熱部に通電して調理を開始する前に駆動するようにした。
【解決手段】赤外線投光手段を有し、この赤外線投光手段からの赤外線信号により上方に設けた換気装置を制御するようにした加熱調理器1において、換気装置を、加熱部に通電して調理を開始する前に駆動するようにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、換気装置を無線で連動させる機能を備えた加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
換気装置を無線により連動させるようにした加熱調理器に、トッププレートの下方に、4個の赤外線LEDを各鍋載置部を避けるように配設し、加熱調理器の使用に伴い赤外線LEDが発光すると、赤外線の光信号がトッププレートを通して上方のレンジフードファンのフォトダイオードに向けて発信され、フォトダイオードがその光信号を受信すると、レンジフードファンのファン装置が駆動制御されるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、調理容器を載置するトッププレートの下方に赤外線を発光する送信手段と、加熱量を設定する操作スイッチと、送信手段の信号を受けて調理器本体と連動して動作する受光機器(換気扇)とを設け、送信手段が発光した赤外線をトッププレートを介して受信機器へ送信して遠隔制御するようにした加熱調理器がある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2003−114028号公報(第4−6頁、図1−2)
【特許文献2】特開2003−229240号公報(第3−4頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
調理鍋等に入れられた被調理物は、加熱装置によって加熱すると、加熱直後に臭いや水蒸気が発生するが、特許文献1,2の加熱調理器においては、被調理物の加熱を開始すると同時に換気装置が動作するようになっているので、調理の初期においては上昇気流が十分に生成されていないため、調理初期に発生した臭いや水蒸気が確実に排出されないおそれがある。
【0006】
また、赤外線LEDは、制御基板の組立時のバラツキなどにより傾いたり倒れたりすることがあるが、特許文献1,2においては、トッププレートに設けた赤外線の透過窓が円形に形成されているため、赤外線LEDから発信した赤外線の一部又は全部が透過窓からずれることがあり、このため換気装置の赤外線の受信効率が低下するおそれがある。
【0007】
さらに、赤外線LEDは周囲温度の上昇により照射強度が低下するという特性を有するが、特許文献1,2においては、赤外線LEDがトッププレートの下でかつ加熱コイルの近傍に配置されているため、加熱コイルや加熱された調理鍋からの輻射熱により照射強度が低下するという問題がある。
【0008】
また、トッププレートに赤外線の透過窓を設けているため、トッププレートに大きな調理鍋等を載置すると、透過窓の一部又は全部が遮蔽されたり、調理鍋から吹き出した煮汁などにより透過窓が汚れたり一部又は全部が塞がれたりすることがある。このため、赤外線LEDからの赤外線が減衰したり遮断されたりするおそれがある。
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、調理開始時に発生する臭いや水蒸気を効率よく排出することができ、赤外線信号が減衰したり遮断されるおそれがなく、その上赤外線投光手段が熱の影響を受けにくい換気装置との連動機能を備えた加熱調理器を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る加熱調理器は、赤外線投光手段を有し、該赤外線投光手段からの赤外線信号により上方に設けた換気装置を制御するようにした加熱調理器において、前記換気装置を、加熱部に通電して調理を開始する前に駆動するようにしたものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、被調理物の調理(加熱)を開始する前に換気装置を作動させてあらかじめ上昇気流を生成するようにしたので、調理開始直後から発生する臭いや水蒸気を効率よく排出することができ、また、調理終了後所定時間経過したのち換気装置を停止するようにしたので、調理場に残存する臭いや水蒸気を確実に排気することができるため、調理場を好ましい環境に維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1に係る一部を断面で示した加熱調理器の斜視図、図2は一部を省略して示した図1の天板を取外した状態を示す斜視図、図3は同じく図2の平面図である。
加熱調理器1は、上面及び前面が開口されて上面開口部の周縁にフランジ部3が設けられた本体ケース2と、保持枠26及び例えば板ガラスの如き非磁材からなり、外周縁が保持枠26に取付けられたトッププレート27から構成され、本体ケース2のフランジ部3に上面開口部を覆って装着された天板25とからなっている。
【0013】
そして、本体ケース2内の前面側には、電磁誘導加熱コイルからなる第1の加熱部4と第2の加熱部5が設けられており、後面側には電気抵抗線(ヒータ)からなる第3の加熱部6が設けられている。なお、図には3個の加熱部4〜6を設けた場合を示したが、加熱部は1台以上であればよい。また、加熱部はすべてが電磁誘導加熱コイルであってもよく、あるいは2台又は全部が電気抵抗線からなるヒータであってもよい。
7は第1〜第3の加熱部4〜6の出力(火力)を制御する制御部、8は後面側に設けた吸気口9から外気を吸引し、第1〜第3の加熱部4〜6や制御部7などの発熱要素を冷却する送風機である。
【0014】
11は本体ケース2の前面側の設けられ、前記の発熱要素を冷却した空気が排出される前面排気穴である。本体ケース2の前面側には、段部12を介して設けられた前面開口部の一方の側に、扉14にハンドル14aが設けられた引出し式のロースター13が設けられており、ロースター13からの排気は後面側に設けた排気口10から排出される。また、前面開口部の他方の側には前面操作部15が設けられており、この前面操作部15には、電源をON−OFFするメインスイッチ16、第1〜第3の加熱部4〜6の出力をそれぞれ調整する火力調整ダイヤルスイッチ17a,17b,17c、タイマーを設定するタイマー設定ダイヤルスイッチ18a,18b,18cなどが設けられている。
【0015】
20は本体ケース2内の前部側に設けられた発光制御基板で、第1〜第3の加熱部4〜6の火力を表示する複数の光源からなる火力表示部21a,21b,21c、第1,第2の加熱部4,5のタイマーや天ぷら調理などの使用状況を表示する使用状況表示部22a,22b、操作手順やロースター13、第3の加熱部6のタイマーなどの使用状況を表示する中央表示部22cが設けられている。
23a,23b,23cは発光制御基板20に搭載され、後述の換気装置の受光部に赤外線信号を発信する赤外線発光手段(以下、赤外線LEDという)であり、かつこれらを制御する制御部が設けられている(以下の説明では、発光制御基板20を発光制御部と記すことがある)。
【0016】
天板25を構成する保持枠26の前面側には、第1〜第3の加熱部4〜6の火力調整、タイマーの設定、ロースター13への通電等の複数のタッチスイッチ28aを有する上面操作部28が設けられており、また、トッププレート27の上面には、第1〜第3の加熱部4〜6に対応して、調理容器である調理鋼40(図5参照)等の載置位置を示すリング状の載置部30a,30b,30cが印刷により設けられている。
【0017】
31a,31b,31cは火力表示部21a〜21cに対応してトッププレート27に設けた火力観察窓、32a,32bは同じく使用状況表示部22a,22bの観察窓、32cは中央表示部22cの中央監察窓である。
33a,33b,33cは発光制御基板20に設けた赤外線LED23a〜23cに対応してトッププレート27に設けられた赤外線通光部で、これは透明又は半透明の通過窓にしてもよく、あるいは赤外線が通過しうる程度にこの部分を薄くしてもよい。
【0018】
前記した前面操作部15に設けられ、発光制御部20に接続された火力調整ダイヤル17a〜17c、及びタイマー設定ダイヤル18a〜18cは、図4に示すように、押し込んでその先端部が前面操作部15の表面とほぼ同一平面上に位置するとき(17b,17c)はOFFであり、この状態で先端部を押すと17a,18aに示すように飛び出して(前面操作部15の表面から突出して)ONになるように構成されている(以下、この操作を押し出しという)。
【0019】
そして、火力調整ダイヤルスイッチ17a〜17cをONにすると、赤外線LED23a〜23cに通電して点灯する。この状態で火力調整ダイヤル17a〜17cを回転することにより、第1〜第3の加熱部4〜6の火力(出力)が調整され、調整された火力は火力表示部21a〜21cで表示され、火力観察窓31a〜31cで観察される。
また、タイマー設定ダイヤルスイッチ18a〜18cは、押し出すことによりONになり、ついで、これを回転することによりタイマー時間が設定され、設定された時間は観察窓32a,32b又は中央観察窓32cで観察される。
【0020】
上記のように構成した加熱調理器1は、図5,図6に示すように、例えば、後部が壁面60に当接し又は近接して設置された流し台50に組込まれ、あるいは流し台等の上に載置される。そして、加熱調理器1の上方には、壁面60に取付けられた換気装置55が庇状に設けられている。
【0021】
この換気装置55は、フード部56と、フード部56に設けた換気扇57とからなり、フード部56の上部先端部には、加熱調理器1の赤外線LED23a〜23cからの赤外線信号を受光する赤外線の受光部58が設けられており、フード56の下部中央部には照明部59が設けられている。そして、受光部58が赤外線信号を受光すると、換気扇57の駆動回路及び照明部59の点灯回路がONするようになっている。
【0022】
次に、本実施の形態に係る加熱調理器により、被調理物の調理手順の概要について説明する。
先ず、図5に示すように、被調理物が入れられた調理鍋40をトッププレート27のいずれかの載置部30a〜30c上に載置する。なお、以下の説明では調理鍋40を載置部30a(第1の加熱部4)上に載置した場合について述べる。ついで、前面操作部15のメインスイッチ16を投入し、火力調整ダイヤルスイッチ17aを押し出してON状態で保持し、待機状態にする。
【0023】
これにより、発光制御部20から赤外線LED23aに制御信号が送られて点灯し、図7に示すように、赤外線LED23aから赤外線信号を出力する。この赤外線信号はトッププレート27の赤外線通光部33aを経て換気装置55の受光部58で受光され、換気扇58が駆動されると共に、照明部59が点灯し、換気扇58が作動したことが確認される。
【0024】
その後、火力調整ダイヤルスイッチ17aを時計回り方向又は反時計回り方向に回動し、好みの火力(例えば、弱、中、強)に設定し、調理を行う。このとき、第1の加熱部4の火力(出力)は、火力表示部31aに表示される。なお、火力調整ダイヤルスイッチ17a〜17cは、回動することにより順次火力が弱、中、強、切に切り換わるようになっている。
調理が終わったときは、火力調整ダイヤルスイッチ17aを押し込んでOFFにし、第1の加熱部4の出力を停止する。このとき、換気装置55は第1の加熱部4の出力が停止した後も運転を続け、所定時間(例えば3分間、以下同様)経過すると赤外線LED23aから赤外線信号が発信され、停止する。
【0025】
調理中にタイマーを使用する場合は、前面操作部15のタイマー設定ダイヤルスイッチ18aを押し出し、タイマー機能を作動状態とする。そして、タイマー設定ダイヤルスイッチ18aを時計回り方向又は反時計回り方向に回動して時間を設定する。このとき、タイマー時間は使用状態表示窓32aに表示される。タイマー時間が経過したときは自動的に出力が停止し、その後所定時間経過したのち換気装置55が停止する。
【0026】
次に、本実施の形態に係る加熱調理器のいくつかの異なる例について説明する。
[例−1]
図1の加熱調理器においては、トッププレート27に設けた赤外線通光部33a〜33cを円形に形成した場合を示したが、発光制御基板20に搭載した赤外線LED23a〜23cが組立時のバラツキなどにより傾いたり倒れたりして、トッププレート27により赤外線信号の一部が遮断されて送信効率が低下したり、全部が遮断されて換気装置55の受光部58が受光できなくなるおそれがある。
本例はこのような場合にも対応しうるように、図8に示すように、トッププレート27に設けた赤外線通光部33a〜33cを前後方向に長い長方形状に形成したものである。
【0027】
すなわち、図9(a)に示すように、赤外線通光部33a〜33c(以下、単に33と記すことがある)の前後方向の長さYを、左右方向の幅Xに対して1.2〜2倍程度に大きくすると共に、赤外線LED23の倒れ易い方向(図9(a)の下方の図のような場合は、赤外線LED23は前後方向には傾いたり倒れたりし易いが、左右方向には傾いたり倒れたりしにくい)を、本体ケース1の前後方向と一致させたものである。なお、図9(b)に示すように、同様の条件で赤外線通光部33を楕円形状に形成してもよい。
【0028】
本例によれば、若し赤外線LED23が前後方向に傾いたり倒れたりしても、赤外線通光部33が前後方向に長いため、赤外線信号の一部又は全部がトッププレート27によって遮断されることがないので、換気装置55の受光部58が赤外線信号を確実に受信することができ、受信効率を向上することができる。
【0029】
[例−2]
本実施の形態において、メインスイッチ16を投入し、第1〜第3のいずれかの加熱部(例えば、加熱部6)の火力調整ダイヤルスイッチ17cを押し出したとき(ONになったとき)に、換気装置55が処理(排気)能力「中」で動作を開始し、火力調整ダイヤルスイッチ17cを回動して第3の加熱部6の火力を調整し、調理が開始されると換気装置55の処理能力が「強」に変わる。
調理が終わって火力調整ダイヤルスイッチ17cを押し込んで第3の加熱部6への通電がOFFされると、換気装置55の処理能力が再び「中」に戻り、所定時間経過すると換気装置55が停止するようにしたものである。
【0030】
本例によれば、調理中は換気装置55の処理能力を「強」にし、調理によって発生する煙や水蒸気を効率よく排出して、快適な調理環境を提供することができ、さらに、換気装置55の受光部58への結露やオイルミストの付着を防止し、受光部58の赤外線信号の受信性能を向上することができる。
また、換気装置55の適切な処理能力を提供することにより、調理中以外の換気装置55の不要な運転音を低減することができる。
【0031】
[例−3]
本例は、実施の形態1において、先ず、メインスイッチ16を投入すると各火力表示部21a〜21cが発光し、ついで、上面操作部28に設けた複数個のロースターキーのいずれか(例えば、調理メニュー選択キー)を押すと、中央の火力表示部21cが別の色で発光し、同時に赤外線LED23cが赤外線信号を出力して換気装置55が作動し、ついで、例えばロースターキーを押すと、ロースター13の加熱部(図示せず)に通電され、調理が開始されるようにしたものである。
調理が終わったときは、上面操作部28のロースター停止キーを押すと加熱部への通電がOFFし、その後所定時間経過すると換気装置55が停止する。
【0032】
本例によれば、ロースター13による被調理物の加熱を開始する前に換気装置55が作動して上昇気流が生成されるので、調理開始の直後から発生する臭いや水蒸気を排出することができる。また、調理終了後、加熱を停止したのちも所定時間換気装置55が作動しているので、調理後に調理物に残った臭いや水蒸気を排出することができる。
さらに、ロースターキーを押すことにより、中央の火力表示部21cが別の色で発光するので、使用者に換気装置55の運転が始まったことを知らせることができる。
【0033】
[例−4]
本例は、実施の形態1において、本体ケース1とロースター13の扉14との接触面に、発光制御部20に接続され、扉14の開閉によりON−OFFするスイッチ(図示せず)を設けたものである。
先ず、ロースター13の庫内に被調理物を入れて、メインスイッチ16を投入し、ついで、上面操作部28の例えばロースターの調理メニュー選択キーを押して被調理物に合ったメニューを選び、ロースタースタートキーを押して加熱部に通電し、調理(加熱)を開始する。このとき、換気装置55は、赤外線LED23cからの赤外線信号により例えば処理能力「中」で運転される。
【0034】
調理中に、被調理物の焼け具合などを確認するためにロースター13を引き出すと、スイッチがON(又はOFF)し、赤外線LED23からの赤外線信号が制御されて換気装置55の処理能力が「中」から「強」に変わり、ロースター13の庫内から大量に放出された煙や水蒸気を効率よく排出する。調理が終了したときは、ロースタースタートキーを押して加熱部への通電を停止し、換気装置55は処理能力「中」に代わってさらに所定時間運転を続ける。
そして、調理が終わった被加熱物を取出すためにロースター13を引き出すと、換気装置55の処理能力が「中」から「強」に変わり、ロースター13の庫内から大量に放出された煙や水蒸気を排出する。ロースター13を再度押し込むと換気装置55の処理能力は「中」に戻り、所定時間経過すると停止する。
【0035】
本例によれば、ロースター13で調理中に被調理物の焼け具合などを確認するときや、調理終了後にロースター13を引き出したときに、換気装置55の処理能力を自動的に「強」に変えるようにしたので、ロースター13の庫内から大量に出てくる煙や水蒸気を効率よく排出することができる。また、これにより、換気装置55の受光部58への結露やオイルミストの付着を防止することができる。
さらに、必要に応じて換気装置55の処理能力を変えるようにしたので、必要時以外の換気装置55の運転音を低減することができる。
【0036】
[例−5]
本例は、実施の形態1において、火力調整ダイヤルスイッチ17a〜17cを押し出してONすることにより、使用状態の表示部22a,22b又は中央表示部22cを点灯させ、換気装置55が火力調整ダイヤルスイッチ17a〜17cと連動して動作するタイミングを使用者に知らせるようにしたものである。
本例によれば、換気装置55の動作開始のタイミングを視覚的に確認できるので、例えば、周囲の騒音が大きい場合にも、換気装置55の動作開始を目視により知ることができる。
【0037】
上記のように構成した本実施の形態によれば、被調理物の調理(加熱)を開始する前に換気装置55を作動させてあらかじめ上昇気流を生成するようにしたので、調理開始直後から発生する臭いや水蒸気を効率よく排出することができ、また、調理終了後所定時間経過したのち換気装置55を停止するようにしたので、調理場に残存する臭いや水蒸気を確実に排気することができ、調理場を好ましい環境に維持することができる。なお、前記の本実施の形態の他の例1〜5については、それぞれ前述のような効果を得ることができる。
【0038】
[実施の形態2]
図10は本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の平面図及びA−A拡大断面図である。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
実施の形態1においては、天板25のトッププレート27の前面側に赤外線通光部33a〜33cを設けたが、本実施の形態においては、トッププレート27を保持する保持枠26に赤外線通光部33a,33bを設けたものである。
【0039】
すなわち、図10に示すように、本体ケースの前面側のフランジ部3の左右(上面操作部28の両側)に、赤外線LED23a,23bが搭載された基板20aを配置すると共に、これに対応して天板25の保持枠26に赤外線通光部33a,33b(本実施の形態においては「窓」となり、透明又は半透明の材料で覆われる)を設け、赤外線LED23a,23bを発光制御部20に接続したものである。
【0040】
図11,図12は本実施の形態の他の例を示すものである。図11は、本体ケース1の左右のフランジ部3上に赤外線LED23a,23bを設けると共に、保持枠26にこれに対応して赤外線通光部33a,33bに設けたものであり、図12は本体ケース1の後面側のフランジ部3上の左右に赤外線LED23a,23bを設けると共に、保持枠26にこれに対応して赤外線通光部33a,33bを設けたものである。
【0041】
図10〜図12においては、赤外線LED23a,23b及びこれに対応した赤外線通光部33a,33bを2箇所に設けた場合を示したが、実施の形態1のように3箇所に設けてもよく、この場合は、本体ケース1の前面側又は後面側のフランジ部3の中央部近傍、あるいはトッププレート27などに適宜設ければよい。
また、図10〜図12には、赤外線通光部33a,33bが円形の場合を示したが、図9で説明したように、前後方向に長い長方形状又は橋円形状に形成してもよい。
【0042】
本実施の形態に係る加熱調理器の上記以外の構成及び作用、効果、実施の形態1の場合とほぼ同様であるが、本実施の形態においては、さらに次のような効果を得ることができる。
【0043】
赤外線信号を発信する赤外線LEDは、一般に、温度上昇により照射強度が低下することが知られている。本実施の形態においては、本体ケース1の前面側、左右又は後面側のフランジ部3上に赤外線LED23a,23bを配置したので、第1〜第3の加熱部4〜6や、これらによって発熱した調理鍋40からの輻射熱の影響を受けにくくなり、このため照射強度の低下を防止することができ、換気装置55の受光部58の受光効率を向上することができる。
【0044】
また、トッププレート27より一段高い位置に赤外線通光部33a,33bが設けられているので、赤外線通光部33a,33bが調理鍋40等によって遮蔽されたり、調理鍋40からのふきこぼれなどによって汚れたり塞がれたりすることがない。
さらに、赤外線通光部33a,33bを保持枠26の左右又は後面側に設けた場合は、使用者の手などによって赤外線信号が遮断されるおそれがなく、これらにより、換気装置55の受光部58の受光効率を高めることができる。
【0045】
[実施の形態3]
図13は本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の要部の説明図及びそのB−B断面図である。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態は、実施の形態1又は2の天板25の保持枠26の前面側に設けた上面操作部28の一方の端部(図には左端部の場合が示してある)に、換気扇・照明操作スイッチ29(以下、換気扇スイッチという)を設け、この換気扇スイッチ29を発光制御部20に接続したもので、そのタッチ部29aは円弧状のエンボス加工が施されている。
【0046】
図14〜図16は本実施の形態の他の例を示すものである。
図14は換気扇スイッチ29のタッチ部29aの中央部に突起部29bを設けたもので、これにより換気扇スイッチ29の位置がわかり易く、調理中でも被調理物から目を離すことなく、換気扇57の処理能力の切換えや照明部59のON−OFF操作を行うことができる。
また、図15は換気扇スイッチ29をほぼ四角形状に形成したもので、目視し又は手を触れることにより他のスイッチ類と容易に区別することができ、上記と同様の効果を得ることができる。
さらに、図16は換気扇スイッチ29の上面に、換気扇及び照明の図柄を表示したもので、これにより、視覚的に換気扇スイッチ29の位置が分かるようにしたもので、上記と同様の効果を得ることができる。
【0047】
このように構成した本実施の形態においては、換気扇スイッチ29を順次押すことにより、赤外線LED23a〜23cからの赤外線信号により、換気装置55の換気扇57の処理能力を、例えば、中→強→弱→切に手動により切換えることができ、また、換気扇スイッチ29を長押し(例えば、1〜2秒間)することにより、換気装置55に設けた照明部59をON−OFFすることができる。
【0048】
本実施の形態は、上面操作部28に換気扇スイッチ29を設けたので、調理中に調理鍋40や被調理物から目を外すことなく、被調理物の状態に応じて換気扇57の処理能力を切換えたり、照明部59のON−OFFの操作を行ったりすることができる。このため換気扇スイッチ29の操作中においても被調理物の突沸等に素早く対応することができ、使い勝手の良い加熱調理器を得ることができる。
また、換気扇57の処理能力の切換えと照明部59のON−OFFを1個の切換スイッチ29で構成したので、構造が簡単で使用者の他のスイッチの選択が容易である。
【0049】
次に、実施の形態1〜3に係る加熱調理器1と換気装置55の連動作用の一例について、図17のフローチャートにより説明する。なお、ここでは、第1の加熱部17aにより被調理物を調理する場合を例にとり説明する。
【0050】
先ず、天板25のトッププレート27に設けた第1の加熱部4上の載置部30aに、被調理物が入れられた調理鍋40を載置し、前面操作部15のメインスイッチ16を投入する(ステップS−1)。ついで、火力調整ダイヤルスイッチ17aを押し出して第1の加熱部4を待機状態にすると(ステップS−2)、赤外線LED23aから処理能力「中」の動作記号(赤外線信号)が発信される(ステップS−3)。次に、火力調整ダイヤルスイッチ17aを回動して第1の加熱部4の火力(出力)を設定することにより、被調理物の調理が開始される。
【0051】
また、メインスイッチ16を投入したが、ステップS−2で火力調整ダイヤルスイッチ17aを操作しない場合は、上面操作部28の換気扇スイッチ29を操作する(ステップS−4)。この場合、換気扇スイッチ29を1回押すと、赤外線LED23aから換気扇装置55に処理能力「中」の動作信号(赤外線信号)が発信される(ステップS−3参照)。調理中は換気扇スイッチ29を2回以上順次押して(ステップS−5)、換気装置55の処理能力「中」、「強」、「弱」及び「切」の動作モードが設定されると、赤外線LED23aから換気装置55に対して動作モードに対応した動作信号が発信される(ステップS−7)。
【0052】
調理が終了したときは、火力調整ダイヤルスイッチ17aを押し込み、第1の加熱部17aへの通電を停止する(ステップS−8)。このとき、赤外線LED23aから換気装置55へタイマー(遅延動作)信号が発信され、所定時間経過したのち換気扇57が停止する(ステップS−9)。
【0053】
また、最初から火力調整ダイヤルスイッチ17aを押し出し出さなかったり、ステップS−8で火力調整ダイヤルスイッチ17aを押し込まなかった場合は、換気扇スイッチ29を押して「切」の運転モードを選択する(ステップS−10)。これにより、赤外線LED23aから換気装置55へ動作停止の赤外線信号が発信され、換気扇57が停止する。この場合は、タイマー(遅延動作)は動作しない。
上記の説明では、第1の加熱部4で調理を行う場合について説明したが、第2の加熱部17b及び第3の加熱部17cで調理を行う場合も同様である。
【0054】
[実施の形態4]
実施の形態1〜3では、メインスイッチ16を投入し、火力調整ダイヤルスイッチ17a〜17c又は換気扇スイッチ29を操作することにより、赤外線LED23a〜23cから赤外線信号を出力して換気装置55を駆動する場合を示したが、本実施の形態は、メインスイッチ16を投入すると、赤外線LED23a〜23cから赤外線信号を出力して換気装置55を駆動するようにしたものである。
【0055】
本実施の形態においては、メインスイッチ16と赤外線LED23a〜23cとが、発光制御部20に接続されており、メインスイッチ16を投入すると赤外線LED23a〜23cが点灯して赤外線信号を出力し、換気装置55の受光部58がこれを受光して運転を開始すると共に、照明部59が点灯する。
【0056】
そして、火力調整ダイヤルスイッチ17a〜17cを押し出し、第1〜第3の加熱部4〜6に通電して回動し、所望の火力に設定して調理を開始する。調理が終わったときは、火力調整ダイヤルスイッチ17a〜17cを押し込んで第1〜第3の加熱部4〜6への通電を停止し、メインスイッチ16をOFFする。これにより、赤外線LED23a〜23cは消灯するが、換気装置55は所定時間運転を続けたのち停止する。
なお、本実施の形態においても、前述の実施の形態2,3を実施することができる。
【0057】
本実施の形態においても、実施の形態1の場合とほぼ同様の効果を得ることができるが、さらに、メインスイッチ16の投入と同時に換気装置55が運転を開始するので、被調理物を加熱する前から上昇気流が発生し、加熱直後から発生する臭いや水蒸気を排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の一部を断面で示したの斜視図である。
【図2】一部を省略して示した図1の天板を外した状態を示す斜視図である。
【図3】同じく図2の平面図である。
【図4】図1の前面操作部の斜視図及びその断面拡大図である。
【図5】図1の加熱調理器を流し台に設置した状態を示す正面図である。
【図6】図5の側面図である。
【図7】図5の加熱調理器による換気装置の駆動系を示すブロック図である。
【図8】実施の形態1の加熱調理器の他の例を示す平面図である。
【図9】図8の赤外線通光部の説明図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の平面図及びそのA−A断面拡大図である。
【図11】実施の形態2の他の例の平面図である。
【図12】実施の形態2の他の例の平面図である。
【図13】本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の要部の説明図及びそのB−B断面図である。
【図14】実施の形態3の他の例の要部の説明図及びそのC−C断面図である。
【図15】実施の形態3の他の例の要部の説明図である。
【図16】実施の形態3の他の例の要部の説明図である。
【図17】実施の形態1〜3に係る加熱調理器と換気装置との連動作用を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0059】
1 加熱調理器、2 本体ケース、3 フランジ部、4〜6 第1〜第3の加熱部、13 ロースター、15 前面操作部、16 メインスイッチ、17a〜17c 火力調整ダイヤルスイッチ、18a〜18c タイマー設定ダイヤルスイッチ、20 発光制御基板(発光制御部)、23a〜23c 赤外線投光手段(赤外線LED)、25 天板、26 保持枠、27 トッププレート、28 上面操作部、33a〜33c 赤外線通光部、50 流し台、55 換気装置、56 フード、57 換気扇、58 受光部、59 照明部。
【技術分野】
【0001】
本発明は、換気装置を無線で連動させる機能を備えた加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
換気装置を無線により連動させるようにした加熱調理器に、トッププレートの下方に、4個の赤外線LEDを各鍋載置部を避けるように配設し、加熱調理器の使用に伴い赤外線LEDが発光すると、赤外線の光信号がトッププレートを通して上方のレンジフードファンのフォトダイオードに向けて発信され、フォトダイオードがその光信号を受信すると、レンジフードファンのファン装置が駆動制御されるようにしたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、調理容器を載置するトッププレートの下方に赤外線を発光する送信手段と、加熱量を設定する操作スイッチと、送信手段の信号を受けて調理器本体と連動して動作する受光機器(換気扇)とを設け、送信手段が発光した赤外線をトッププレートを介して受信機器へ送信して遠隔制御するようにした加熱調理器がある(例えば、特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2003−114028号公報(第4−6頁、図1−2)
【特許文献2】特開2003−229240号公報(第3−4頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
調理鍋等に入れられた被調理物は、加熱装置によって加熱すると、加熱直後に臭いや水蒸気が発生するが、特許文献1,2の加熱調理器においては、被調理物の加熱を開始すると同時に換気装置が動作するようになっているので、調理の初期においては上昇気流が十分に生成されていないため、調理初期に発生した臭いや水蒸気が確実に排出されないおそれがある。
【0006】
また、赤外線LEDは、制御基板の組立時のバラツキなどにより傾いたり倒れたりすることがあるが、特許文献1,2においては、トッププレートに設けた赤外線の透過窓が円形に形成されているため、赤外線LEDから発信した赤外線の一部又は全部が透過窓からずれることがあり、このため換気装置の赤外線の受信効率が低下するおそれがある。
【0007】
さらに、赤外線LEDは周囲温度の上昇により照射強度が低下するという特性を有するが、特許文献1,2においては、赤外線LEDがトッププレートの下でかつ加熱コイルの近傍に配置されているため、加熱コイルや加熱された調理鍋からの輻射熱により照射強度が低下するという問題がある。
【0008】
また、トッププレートに赤外線の透過窓を設けているため、トッププレートに大きな調理鍋等を載置すると、透過窓の一部又は全部が遮蔽されたり、調理鍋から吹き出した煮汁などにより透過窓が汚れたり一部又は全部が塞がれたりすることがある。このため、赤外線LEDからの赤外線が減衰したり遮断されたりするおそれがある。
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、調理開始時に発生する臭いや水蒸気を効率よく排出することができ、赤外線信号が減衰したり遮断されるおそれがなく、その上赤外線投光手段が熱の影響を受けにくい換気装置との連動機能を備えた加熱調理器を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る加熱調理器は、赤外線投光手段を有し、該赤外線投光手段からの赤外線信号により上方に設けた換気装置を制御するようにした加熱調理器において、前記換気装置を、加熱部に通電して調理を開始する前に駆動するようにしたものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、被調理物の調理(加熱)を開始する前に換気装置を作動させてあらかじめ上昇気流を生成するようにしたので、調理開始直後から発生する臭いや水蒸気を効率よく排出することができ、また、調理終了後所定時間経過したのち換気装置を停止するようにしたので、調理場に残存する臭いや水蒸気を確実に排気することができるため、調理場を好ましい環境に維持することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
[実施の形態1]
図1は本発明の実施の形態1に係る一部を断面で示した加熱調理器の斜視図、図2は一部を省略して示した図1の天板を取外した状態を示す斜視図、図3は同じく図2の平面図である。
加熱調理器1は、上面及び前面が開口されて上面開口部の周縁にフランジ部3が設けられた本体ケース2と、保持枠26及び例えば板ガラスの如き非磁材からなり、外周縁が保持枠26に取付けられたトッププレート27から構成され、本体ケース2のフランジ部3に上面開口部を覆って装着された天板25とからなっている。
【0013】
そして、本体ケース2内の前面側には、電磁誘導加熱コイルからなる第1の加熱部4と第2の加熱部5が設けられており、後面側には電気抵抗線(ヒータ)からなる第3の加熱部6が設けられている。なお、図には3個の加熱部4〜6を設けた場合を示したが、加熱部は1台以上であればよい。また、加熱部はすべてが電磁誘導加熱コイルであってもよく、あるいは2台又は全部が電気抵抗線からなるヒータであってもよい。
7は第1〜第3の加熱部4〜6の出力(火力)を制御する制御部、8は後面側に設けた吸気口9から外気を吸引し、第1〜第3の加熱部4〜6や制御部7などの発熱要素を冷却する送風機である。
【0014】
11は本体ケース2の前面側の設けられ、前記の発熱要素を冷却した空気が排出される前面排気穴である。本体ケース2の前面側には、段部12を介して設けられた前面開口部の一方の側に、扉14にハンドル14aが設けられた引出し式のロースター13が設けられており、ロースター13からの排気は後面側に設けた排気口10から排出される。また、前面開口部の他方の側には前面操作部15が設けられており、この前面操作部15には、電源をON−OFFするメインスイッチ16、第1〜第3の加熱部4〜6の出力をそれぞれ調整する火力調整ダイヤルスイッチ17a,17b,17c、タイマーを設定するタイマー設定ダイヤルスイッチ18a,18b,18cなどが設けられている。
【0015】
20は本体ケース2内の前部側に設けられた発光制御基板で、第1〜第3の加熱部4〜6の火力を表示する複数の光源からなる火力表示部21a,21b,21c、第1,第2の加熱部4,5のタイマーや天ぷら調理などの使用状況を表示する使用状況表示部22a,22b、操作手順やロースター13、第3の加熱部6のタイマーなどの使用状況を表示する中央表示部22cが設けられている。
23a,23b,23cは発光制御基板20に搭載され、後述の換気装置の受光部に赤外線信号を発信する赤外線発光手段(以下、赤外線LEDという)であり、かつこれらを制御する制御部が設けられている(以下の説明では、発光制御基板20を発光制御部と記すことがある)。
【0016】
天板25を構成する保持枠26の前面側には、第1〜第3の加熱部4〜6の火力調整、タイマーの設定、ロースター13への通電等の複数のタッチスイッチ28aを有する上面操作部28が設けられており、また、トッププレート27の上面には、第1〜第3の加熱部4〜6に対応して、調理容器である調理鋼40(図5参照)等の載置位置を示すリング状の載置部30a,30b,30cが印刷により設けられている。
【0017】
31a,31b,31cは火力表示部21a〜21cに対応してトッププレート27に設けた火力観察窓、32a,32bは同じく使用状況表示部22a,22bの観察窓、32cは中央表示部22cの中央監察窓である。
33a,33b,33cは発光制御基板20に設けた赤外線LED23a〜23cに対応してトッププレート27に設けられた赤外線通光部で、これは透明又は半透明の通過窓にしてもよく、あるいは赤外線が通過しうる程度にこの部分を薄くしてもよい。
【0018】
前記した前面操作部15に設けられ、発光制御部20に接続された火力調整ダイヤル17a〜17c、及びタイマー設定ダイヤル18a〜18cは、図4に示すように、押し込んでその先端部が前面操作部15の表面とほぼ同一平面上に位置するとき(17b,17c)はOFFであり、この状態で先端部を押すと17a,18aに示すように飛び出して(前面操作部15の表面から突出して)ONになるように構成されている(以下、この操作を押し出しという)。
【0019】
そして、火力調整ダイヤルスイッチ17a〜17cをONにすると、赤外線LED23a〜23cに通電して点灯する。この状態で火力調整ダイヤル17a〜17cを回転することにより、第1〜第3の加熱部4〜6の火力(出力)が調整され、調整された火力は火力表示部21a〜21cで表示され、火力観察窓31a〜31cで観察される。
また、タイマー設定ダイヤルスイッチ18a〜18cは、押し出すことによりONになり、ついで、これを回転することによりタイマー時間が設定され、設定された時間は観察窓32a,32b又は中央観察窓32cで観察される。
【0020】
上記のように構成した加熱調理器1は、図5,図6に示すように、例えば、後部が壁面60に当接し又は近接して設置された流し台50に組込まれ、あるいは流し台等の上に載置される。そして、加熱調理器1の上方には、壁面60に取付けられた換気装置55が庇状に設けられている。
【0021】
この換気装置55は、フード部56と、フード部56に設けた換気扇57とからなり、フード部56の上部先端部には、加熱調理器1の赤外線LED23a〜23cからの赤外線信号を受光する赤外線の受光部58が設けられており、フード56の下部中央部には照明部59が設けられている。そして、受光部58が赤外線信号を受光すると、換気扇57の駆動回路及び照明部59の点灯回路がONするようになっている。
【0022】
次に、本実施の形態に係る加熱調理器により、被調理物の調理手順の概要について説明する。
先ず、図5に示すように、被調理物が入れられた調理鍋40をトッププレート27のいずれかの載置部30a〜30c上に載置する。なお、以下の説明では調理鍋40を載置部30a(第1の加熱部4)上に載置した場合について述べる。ついで、前面操作部15のメインスイッチ16を投入し、火力調整ダイヤルスイッチ17aを押し出してON状態で保持し、待機状態にする。
【0023】
これにより、発光制御部20から赤外線LED23aに制御信号が送られて点灯し、図7に示すように、赤外線LED23aから赤外線信号を出力する。この赤外線信号はトッププレート27の赤外線通光部33aを経て換気装置55の受光部58で受光され、換気扇58が駆動されると共に、照明部59が点灯し、換気扇58が作動したことが確認される。
【0024】
その後、火力調整ダイヤルスイッチ17aを時計回り方向又は反時計回り方向に回動し、好みの火力(例えば、弱、中、強)に設定し、調理を行う。このとき、第1の加熱部4の火力(出力)は、火力表示部31aに表示される。なお、火力調整ダイヤルスイッチ17a〜17cは、回動することにより順次火力が弱、中、強、切に切り換わるようになっている。
調理が終わったときは、火力調整ダイヤルスイッチ17aを押し込んでOFFにし、第1の加熱部4の出力を停止する。このとき、換気装置55は第1の加熱部4の出力が停止した後も運転を続け、所定時間(例えば3分間、以下同様)経過すると赤外線LED23aから赤外線信号が発信され、停止する。
【0025】
調理中にタイマーを使用する場合は、前面操作部15のタイマー設定ダイヤルスイッチ18aを押し出し、タイマー機能を作動状態とする。そして、タイマー設定ダイヤルスイッチ18aを時計回り方向又は反時計回り方向に回動して時間を設定する。このとき、タイマー時間は使用状態表示窓32aに表示される。タイマー時間が経過したときは自動的に出力が停止し、その後所定時間経過したのち換気装置55が停止する。
【0026】
次に、本実施の形態に係る加熱調理器のいくつかの異なる例について説明する。
[例−1]
図1の加熱調理器においては、トッププレート27に設けた赤外線通光部33a〜33cを円形に形成した場合を示したが、発光制御基板20に搭載した赤外線LED23a〜23cが組立時のバラツキなどにより傾いたり倒れたりして、トッププレート27により赤外線信号の一部が遮断されて送信効率が低下したり、全部が遮断されて換気装置55の受光部58が受光できなくなるおそれがある。
本例はこのような場合にも対応しうるように、図8に示すように、トッププレート27に設けた赤外線通光部33a〜33cを前後方向に長い長方形状に形成したものである。
【0027】
すなわち、図9(a)に示すように、赤外線通光部33a〜33c(以下、単に33と記すことがある)の前後方向の長さYを、左右方向の幅Xに対して1.2〜2倍程度に大きくすると共に、赤外線LED23の倒れ易い方向(図9(a)の下方の図のような場合は、赤外線LED23は前後方向には傾いたり倒れたりし易いが、左右方向には傾いたり倒れたりしにくい)を、本体ケース1の前後方向と一致させたものである。なお、図9(b)に示すように、同様の条件で赤外線通光部33を楕円形状に形成してもよい。
【0028】
本例によれば、若し赤外線LED23が前後方向に傾いたり倒れたりしても、赤外線通光部33が前後方向に長いため、赤外線信号の一部又は全部がトッププレート27によって遮断されることがないので、換気装置55の受光部58が赤外線信号を確実に受信することができ、受信効率を向上することができる。
【0029】
[例−2]
本実施の形態において、メインスイッチ16を投入し、第1〜第3のいずれかの加熱部(例えば、加熱部6)の火力調整ダイヤルスイッチ17cを押し出したとき(ONになったとき)に、換気装置55が処理(排気)能力「中」で動作を開始し、火力調整ダイヤルスイッチ17cを回動して第3の加熱部6の火力を調整し、調理が開始されると換気装置55の処理能力が「強」に変わる。
調理が終わって火力調整ダイヤルスイッチ17cを押し込んで第3の加熱部6への通電がOFFされると、換気装置55の処理能力が再び「中」に戻り、所定時間経過すると換気装置55が停止するようにしたものである。
【0030】
本例によれば、調理中は換気装置55の処理能力を「強」にし、調理によって発生する煙や水蒸気を効率よく排出して、快適な調理環境を提供することができ、さらに、換気装置55の受光部58への結露やオイルミストの付着を防止し、受光部58の赤外線信号の受信性能を向上することができる。
また、換気装置55の適切な処理能力を提供することにより、調理中以外の換気装置55の不要な運転音を低減することができる。
【0031】
[例−3]
本例は、実施の形態1において、先ず、メインスイッチ16を投入すると各火力表示部21a〜21cが発光し、ついで、上面操作部28に設けた複数個のロースターキーのいずれか(例えば、調理メニュー選択キー)を押すと、中央の火力表示部21cが別の色で発光し、同時に赤外線LED23cが赤外線信号を出力して換気装置55が作動し、ついで、例えばロースターキーを押すと、ロースター13の加熱部(図示せず)に通電され、調理が開始されるようにしたものである。
調理が終わったときは、上面操作部28のロースター停止キーを押すと加熱部への通電がOFFし、その後所定時間経過すると換気装置55が停止する。
【0032】
本例によれば、ロースター13による被調理物の加熱を開始する前に換気装置55が作動して上昇気流が生成されるので、調理開始の直後から発生する臭いや水蒸気を排出することができる。また、調理終了後、加熱を停止したのちも所定時間換気装置55が作動しているので、調理後に調理物に残った臭いや水蒸気を排出することができる。
さらに、ロースターキーを押すことにより、中央の火力表示部21cが別の色で発光するので、使用者に換気装置55の運転が始まったことを知らせることができる。
【0033】
[例−4]
本例は、実施の形態1において、本体ケース1とロースター13の扉14との接触面に、発光制御部20に接続され、扉14の開閉によりON−OFFするスイッチ(図示せず)を設けたものである。
先ず、ロースター13の庫内に被調理物を入れて、メインスイッチ16を投入し、ついで、上面操作部28の例えばロースターの調理メニュー選択キーを押して被調理物に合ったメニューを選び、ロースタースタートキーを押して加熱部に通電し、調理(加熱)を開始する。このとき、換気装置55は、赤外線LED23cからの赤外線信号により例えば処理能力「中」で運転される。
【0034】
調理中に、被調理物の焼け具合などを確認するためにロースター13を引き出すと、スイッチがON(又はOFF)し、赤外線LED23からの赤外線信号が制御されて換気装置55の処理能力が「中」から「強」に変わり、ロースター13の庫内から大量に放出された煙や水蒸気を効率よく排出する。調理が終了したときは、ロースタースタートキーを押して加熱部への通電を停止し、換気装置55は処理能力「中」に代わってさらに所定時間運転を続ける。
そして、調理が終わった被加熱物を取出すためにロースター13を引き出すと、換気装置55の処理能力が「中」から「強」に変わり、ロースター13の庫内から大量に放出された煙や水蒸気を排出する。ロースター13を再度押し込むと換気装置55の処理能力は「中」に戻り、所定時間経過すると停止する。
【0035】
本例によれば、ロースター13で調理中に被調理物の焼け具合などを確認するときや、調理終了後にロースター13を引き出したときに、換気装置55の処理能力を自動的に「強」に変えるようにしたので、ロースター13の庫内から大量に出てくる煙や水蒸気を効率よく排出することができる。また、これにより、換気装置55の受光部58への結露やオイルミストの付着を防止することができる。
さらに、必要に応じて換気装置55の処理能力を変えるようにしたので、必要時以外の換気装置55の運転音を低減することができる。
【0036】
[例−5]
本例は、実施の形態1において、火力調整ダイヤルスイッチ17a〜17cを押し出してONすることにより、使用状態の表示部22a,22b又は中央表示部22cを点灯させ、換気装置55が火力調整ダイヤルスイッチ17a〜17cと連動して動作するタイミングを使用者に知らせるようにしたものである。
本例によれば、換気装置55の動作開始のタイミングを視覚的に確認できるので、例えば、周囲の騒音が大きい場合にも、換気装置55の動作開始を目視により知ることができる。
【0037】
上記のように構成した本実施の形態によれば、被調理物の調理(加熱)を開始する前に換気装置55を作動させてあらかじめ上昇気流を生成するようにしたので、調理開始直後から発生する臭いや水蒸気を効率よく排出することができ、また、調理終了後所定時間経過したのち換気装置55を停止するようにしたので、調理場に残存する臭いや水蒸気を確実に排気することができ、調理場を好ましい環境に維持することができる。なお、前記の本実施の形態の他の例1〜5については、それぞれ前述のような効果を得ることができる。
【0038】
[実施の形態2]
図10は本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の平面図及びA−A拡大断面図である。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
実施の形態1においては、天板25のトッププレート27の前面側に赤外線通光部33a〜33cを設けたが、本実施の形態においては、トッププレート27を保持する保持枠26に赤外線通光部33a,33bを設けたものである。
【0039】
すなわち、図10に示すように、本体ケースの前面側のフランジ部3の左右(上面操作部28の両側)に、赤外線LED23a,23bが搭載された基板20aを配置すると共に、これに対応して天板25の保持枠26に赤外線通光部33a,33b(本実施の形態においては「窓」となり、透明又は半透明の材料で覆われる)を設け、赤外線LED23a,23bを発光制御部20に接続したものである。
【0040】
図11,図12は本実施の形態の他の例を示すものである。図11は、本体ケース1の左右のフランジ部3上に赤外線LED23a,23bを設けると共に、保持枠26にこれに対応して赤外線通光部33a,33bに設けたものであり、図12は本体ケース1の後面側のフランジ部3上の左右に赤外線LED23a,23bを設けると共に、保持枠26にこれに対応して赤外線通光部33a,33bを設けたものである。
【0041】
図10〜図12においては、赤外線LED23a,23b及びこれに対応した赤外線通光部33a,33bを2箇所に設けた場合を示したが、実施の形態1のように3箇所に設けてもよく、この場合は、本体ケース1の前面側又は後面側のフランジ部3の中央部近傍、あるいはトッププレート27などに適宜設ければよい。
また、図10〜図12には、赤外線通光部33a,33bが円形の場合を示したが、図9で説明したように、前後方向に長い長方形状又は橋円形状に形成してもよい。
【0042】
本実施の形態に係る加熱調理器の上記以外の構成及び作用、効果、実施の形態1の場合とほぼ同様であるが、本実施の形態においては、さらに次のような効果を得ることができる。
【0043】
赤外線信号を発信する赤外線LEDは、一般に、温度上昇により照射強度が低下することが知られている。本実施の形態においては、本体ケース1の前面側、左右又は後面側のフランジ部3上に赤外線LED23a,23bを配置したので、第1〜第3の加熱部4〜6や、これらによって発熱した調理鍋40からの輻射熱の影響を受けにくくなり、このため照射強度の低下を防止することができ、換気装置55の受光部58の受光効率を向上することができる。
【0044】
また、トッププレート27より一段高い位置に赤外線通光部33a,33bが設けられているので、赤外線通光部33a,33bが調理鍋40等によって遮蔽されたり、調理鍋40からのふきこぼれなどによって汚れたり塞がれたりすることがない。
さらに、赤外線通光部33a,33bを保持枠26の左右又は後面側に設けた場合は、使用者の手などによって赤外線信号が遮断されるおそれがなく、これらにより、換気装置55の受光部58の受光効率を高めることができる。
【0045】
[実施の形態3]
図13は本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の要部の説明図及びそのB−B断面図である。なお、実施の形態1と同じ部分にはこれと同じ符号を付し、説明を省略する。
本実施の形態は、実施の形態1又は2の天板25の保持枠26の前面側に設けた上面操作部28の一方の端部(図には左端部の場合が示してある)に、換気扇・照明操作スイッチ29(以下、換気扇スイッチという)を設け、この換気扇スイッチ29を発光制御部20に接続したもので、そのタッチ部29aは円弧状のエンボス加工が施されている。
【0046】
図14〜図16は本実施の形態の他の例を示すものである。
図14は換気扇スイッチ29のタッチ部29aの中央部に突起部29bを設けたもので、これにより換気扇スイッチ29の位置がわかり易く、調理中でも被調理物から目を離すことなく、換気扇57の処理能力の切換えや照明部59のON−OFF操作を行うことができる。
また、図15は換気扇スイッチ29をほぼ四角形状に形成したもので、目視し又は手を触れることにより他のスイッチ類と容易に区別することができ、上記と同様の効果を得ることができる。
さらに、図16は換気扇スイッチ29の上面に、換気扇及び照明の図柄を表示したもので、これにより、視覚的に換気扇スイッチ29の位置が分かるようにしたもので、上記と同様の効果を得ることができる。
【0047】
このように構成した本実施の形態においては、換気扇スイッチ29を順次押すことにより、赤外線LED23a〜23cからの赤外線信号により、換気装置55の換気扇57の処理能力を、例えば、中→強→弱→切に手動により切換えることができ、また、換気扇スイッチ29を長押し(例えば、1〜2秒間)することにより、換気装置55に設けた照明部59をON−OFFすることができる。
【0048】
本実施の形態は、上面操作部28に換気扇スイッチ29を設けたので、調理中に調理鍋40や被調理物から目を外すことなく、被調理物の状態に応じて換気扇57の処理能力を切換えたり、照明部59のON−OFFの操作を行ったりすることができる。このため換気扇スイッチ29の操作中においても被調理物の突沸等に素早く対応することができ、使い勝手の良い加熱調理器を得ることができる。
また、換気扇57の処理能力の切換えと照明部59のON−OFFを1個の切換スイッチ29で構成したので、構造が簡単で使用者の他のスイッチの選択が容易である。
【0049】
次に、実施の形態1〜3に係る加熱調理器1と換気装置55の連動作用の一例について、図17のフローチャートにより説明する。なお、ここでは、第1の加熱部17aにより被調理物を調理する場合を例にとり説明する。
【0050】
先ず、天板25のトッププレート27に設けた第1の加熱部4上の載置部30aに、被調理物が入れられた調理鍋40を載置し、前面操作部15のメインスイッチ16を投入する(ステップS−1)。ついで、火力調整ダイヤルスイッチ17aを押し出して第1の加熱部4を待機状態にすると(ステップS−2)、赤外線LED23aから処理能力「中」の動作記号(赤外線信号)が発信される(ステップS−3)。次に、火力調整ダイヤルスイッチ17aを回動して第1の加熱部4の火力(出力)を設定することにより、被調理物の調理が開始される。
【0051】
また、メインスイッチ16を投入したが、ステップS−2で火力調整ダイヤルスイッチ17aを操作しない場合は、上面操作部28の換気扇スイッチ29を操作する(ステップS−4)。この場合、換気扇スイッチ29を1回押すと、赤外線LED23aから換気扇装置55に処理能力「中」の動作信号(赤外線信号)が発信される(ステップS−3参照)。調理中は換気扇スイッチ29を2回以上順次押して(ステップS−5)、換気装置55の処理能力「中」、「強」、「弱」及び「切」の動作モードが設定されると、赤外線LED23aから換気装置55に対して動作モードに対応した動作信号が発信される(ステップS−7)。
【0052】
調理が終了したときは、火力調整ダイヤルスイッチ17aを押し込み、第1の加熱部17aへの通電を停止する(ステップS−8)。このとき、赤外線LED23aから換気装置55へタイマー(遅延動作)信号が発信され、所定時間経過したのち換気扇57が停止する(ステップS−9)。
【0053】
また、最初から火力調整ダイヤルスイッチ17aを押し出し出さなかったり、ステップS−8で火力調整ダイヤルスイッチ17aを押し込まなかった場合は、換気扇スイッチ29を押して「切」の運転モードを選択する(ステップS−10)。これにより、赤外線LED23aから換気装置55へ動作停止の赤外線信号が発信され、換気扇57が停止する。この場合は、タイマー(遅延動作)は動作しない。
上記の説明では、第1の加熱部4で調理を行う場合について説明したが、第2の加熱部17b及び第3の加熱部17cで調理を行う場合も同様である。
【0054】
[実施の形態4]
実施の形態1〜3では、メインスイッチ16を投入し、火力調整ダイヤルスイッチ17a〜17c又は換気扇スイッチ29を操作することにより、赤外線LED23a〜23cから赤外線信号を出力して換気装置55を駆動する場合を示したが、本実施の形態は、メインスイッチ16を投入すると、赤外線LED23a〜23cから赤外線信号を出力して換気装置55を駆動するようにしたものである。
【0055】
本実施の形態においては、メインスイッチ16と赤外線LED23a〜23cとが、発光制御部20に接続されており、メインスイッチ16を投入すると赤外線LED23a〜23cが点灯して赤外線信号を出力し、換気装置55の受光部58がこれを受光して運転を開始すると共に、照明部59が点灯する。
【0056】
そして、火力調整ダイヤルスイッチ17a〜17cを押し出し、第1〜第3の加熱部4〜6に通電して回動し、所望の火力に設定して調理を開始する。調理が終わったときは、火力調整ダイヤルスイッチ17a〜17cを押し込んで第1〜第3の加熱部4〜6への通電を停止し、メインスイッチ16をOFFする。これにより、赤外線LED23a〜23cは消灯するが、換気装置55は所定時間運転を続けたのち停止する。
なお、本実施の形態においても、前述の実施の形態2,3を実施することができる。
【0057】
本実施の形態においても、実施の形態1の場合とほぼ同様の効果を得ることができるが、さらに、メインスイッチ16の投入と同時に換気装置55が運転を開始するので、被調理物を加熱する前から上昇気流が発生し、加熱直後から発生する臭いや水蒸気を排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0058】
【図1】本発明の実施の形態1に係る加熱調理器の一部を断面で示したの斜視図である。
【図2】一部を省略して示した図1の天板を外した状態を示す斜視図である。
【図3】同じく図2の平面図である。
【図4】図1の前面操作部の斜視図及びその断面拡大図である。
【図5】図1の加熱調理器を流し台に設置した状態を示す正面図である。
【図6】図5の側面図である。
【図7】図5の加熱調理器による換気装置の駆動系を示すブロック図である。
【図8】実施の形態1の加熱調理器の他の例を示す平面図である。
【図9】図8の赤外線通光部の説明図である。
【図10】本発明の実施の形態2に係る加熱調理器の平面図及びそのA−A断面拡大図である。
【図11】実施の形態2の他の例の平面図である。
【図12】実施の形態2の他の例の平面図である。
【図13】本発明の実施の形態3に係る加熱調理器の要部の説明図及びそのB−B断面図である。
【図14】実施の形態3の他の例の要部の説明図及びそのC−C断面図である。
【図15】実施の形態3の他の例の要部の説明図である。
【図16】実施の形態3の他の例の要部の説明図である。
【図17】実施の形態1〜3に係る加熱調理器と換気装置との連動作用を説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
【0059】
1 加熱調理器、2 本体ケース、3 フランジ部、4〜6 第1〜第3の加熱部、13 ロースター、15 前面操作部、16 メインスイッチ、17a〜17c 火力調整ダイヤルスイッチ、18a〜18c タイマー設定ダイヤルスイッチ、20 発光制御基板(発光制御部)、23a〜23c 赤外線投光手段(赤外線LED)、25 天板、26 保持枠、27 トッププレート、28 上面操作部、33a〜33c 赤外線通光部、50 流し台、55 換気装置、56 フード、57 換気扇、58 受光部、59 照明部。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
赤外線投光手段を有し、該赤外線投光手段からの赤外線信号により上方に設けた換気装置を制御するようにした加熱調理器において、
前記換気装置を、加熱部に通電して調理を開始する前に駆動するようにしたことを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
加熱部、該加熱部の出力を制御する制御部、赤外線投光手段及び該赤外線投光手段の制御部等を有し、前面側にロースター及びメインスイッチや火力調整ダイヤルスイッチ等を有する前面操作部が設けられた本体ケースと、
保持枠に保持されたトッププレートに前記赤外線投光手段に対応して赤外線通光部が設けられ、前記本体ケースの上面開口部に装着された天板とからなり、
前記火力調整ダイヤルスイッチをONすると前記赤外線投光手段からの赤外線信号が上方に設けた換気装置に受光されて該換気装置が駆動され、次に前記火力調整ダイヤルスイッチにより前記加熱部の出力を設定するように構成したことを特徴とする加熱調理器。
【請求項3】
加熱部、該加熱部の出力を制御する制御部、赤外線投光手段及び該赤外線投光手段の制御部等を有し、前面側にロースター及びメインスイッチや火力調整ダイヤルスイッチ等を有する前面操作部が設けられた本体ケースと、
保持枠に保持されたトッププレートに前記赤外線投光手段に対応して赤外線通光部が設けられ、前記本体ケースの上面開口部に装着された天板とからなり、
前記メインスイッチをONすると前記赤外線投光手段からの赤外線信号が上方に設けた換気装置に受光されて該換気装置が駆動され、次に前記火力調整ダイヤルスイッチにより善意加熱部の出力を設定するように構成したことを特徴とする加熱調理器。
【請求項4】
前記トッププレートを保持する保持枠の前面側に上面操作部を設け、該上面操作部に前記赤外線投光手段を制御する換気扇スイッチを設けたことを特徴とする請求項2又は3記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記火力調整ダイヤルスイッチ、メインスイッチ又は換気扇スイッチのいずれかをONすることにより前記換気装置が駆動されることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項6】
加熱部、該加熱部の出力を制御する制御部、上端部外周に設けたフランジ部上に配設された赤外線投光手段、該赤外線投光手段の制御部等を有し、前面側にロースター及びメインスイッチや火力調整ダイヤルスイッチ等を有する前面操作部が設けられた本体ケースと、
トッププレートの保持部に前記赤外線投光手段に対応して赤外線通光部が設けられ、前記本体ケースの上面開口部に装着された天板とからなり、
前記火力調整ダイヤルスイッチ又はメインスイッチをONすると前記赤外線投光手段からの赤外線信号が上方に設けた換気装置に受光されて該換気装置が駆動され、次に前記火力調整ダイヤルスイッチにより前記加熱部の出力を設定するように構成したことを特徴とする加熱調理器。
【請求項7】
前記赤外線投光手段を、本体ケースの前面側のフランジ部上に設けたことを特徴とする請求項6記載の加熱調理器。
【請求項8】
前記赤外線投光手段を、本体ケースの左右のフランジ部上に設けたことを特徴とする請求項6記載の加熱調理器。
【請求項9】
前記赤外線投光手段を、本体ケースの後面側のフランジ部上に設けたことを特徴とする請求項6記載の加熱調理器。
【請求項10】
前記火力調整ダイヤルスイッチを、押すと突出してONし、突出後に回動することにより前記加熱部の出力を調整しうるように構成したことを特徴とする請求項2〜9のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項11】
前記赤外線通光部を、前記赤外線投光手段が傾き又は倒れる方向に長い長方形状又は楕円形状に形成したことを特徴とする請求項2〜10のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項12】
前記ロースターと本体ケースとの間に、該ロースターの出し入れにより前記赤外線投光手段を制御するスイッチ手段を設けたことを特徴とする請求項2〜11のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項1】
赤外線投光手段を有し、該赤外線投光手段からの赤外線信号により上方に設けた換気装置を制御するようにした加熱調理器において、
前記換気装置を、加熱部に通電して調理を開始する前に駆動するようにしたことを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
加熱部、該加熱部の出力を制御する制御部、赤外線投光手段及び該赤外線投光手段の制御部等を有し、前面側にロースター及びメインスイッチや火力調整ダイヤルスイッチ等を有する前面操作部が設けられた本体ケースと、
保持枠に保持されたトッププレートに前記赤外線投光手段に対応して赤外線通光部が設けられ、前記本体ケースの上面開口部に装着された天板とからなり、
前記火力調整ダイヤルスイッチをONすると前記赤外線投光手段からの赤外線信号が上方に設けた換気装置に受光されて該換気装置が駆動され、次に前記火力調整ダイヤルスイッチにより前記加熱部の出力を設定するように構成したことを特徴とする加熱調理器。
【請求項3】
加熱部、該加熱部の出力を制御する制御部、赤外線投光手段及び該赤外線投光手段の制御部等を有し、前面側にロースター及びメインスイッチや火力調整ダイヤルスイッチ等を有する前面操作部が設けられた本体ケースと、
保持枠に保持されたトッププレートに前記赤外線投光手段に対応して赤外線通光部が設けられ、前記本体ケースの上面開口部に装着された天板とからなり、
前記メインスイッチをONすると前記赤外線投光手段からの赤外線信号が上方に設けた換気装置に受光されて該換気装置が駆動され、次に前記火力調整ダイヤルスイッチにより善意加熱部の出力を設定するように構成したことを特徴とする加熱調理器。
【請求項4】
前記トッププレートを保持する保持枠の前面側に上面操作部を設け、該上面操作部に前記赤外線投光手段を制御する換気扇スイッチを設けたことを特徴とする請求項2又は3記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記火力調整ダイヤルスイッチ、メインスイッチ又は換気扇スイッチのいずれかをONすることにより前記換気装置が駆動されることを特徴とする請求項2〜4のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項6】
加熱部、該加熱部の出力を制御する制御部、上端部外周に設けたフランジ部上に配設された赤外線投光手段、該赤外線投光手段の制御部等を有し、前面側にロースター及びメインスイッチや火力調整ダイヤルスイッチ等を有する前面操作部が設けられた本体ケースと、
トッププレートの保持部に前記赤外線投光手段に対応して赤外線通光部が設けられ、前記本体ケースの上面開口部に装着された天板とからなり、
前記火力調整ダイヤルスイッチ又はメインスイッチをONすると前記赤外線投光手段からの赤外線信号が上方に設けた換気装置に受光されて該換気装置が駆動され、次に前記火力調整ダイヤルスイッチにより前記加熱部の出力を設定するように構成したことを特徴とする加熱調理器。
【請求項7】
前記赤外線投光手段を、本体ケースの前面側のフランジ部上に設けたことを特徴とする請求項6記載の加熱調理器。
【請求項8】
前記赤外線投光手段を、本体ケースの左右のフランジ部上に設けたことを特徴とする請求項6記載の加熱調理器。
【請求項9】
前記赤外線投光手段を、本体ケースの後面側のフランジ部上に設けたことを特徴とする請求項6記載の加熱調理器。
【請求項10】
前記火力調整ダイヤルスイッチを、押すと突出してONし、突出後に回動することにより前記加熱部の出力を調整しうるように構成したことを特徴とする請求項2〜9のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項11】
前記赤外線通光部を、前記赤外線投光手段が傾き又は倒れる方向に長い長方形状又は楕円形状に形成したことを特徴とする請求項2〜10のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項12】
前記ロースターと本体ケースとの間に、該ロースターの出し入れにより前記赤外線投光手段を制御するスイッチ手段を設けたことを特徴とする請求項2〜11のいずれかに記載の加熱調理器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2007−198613(P2007−198613A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−13919(P2006−13919)
【出願日】平成18年1月23日(2006.1.23)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000176866)三菱電機ホーム機器株式会社 (1,201)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年1月23日(2006.1.23)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000176866)三菱電機ホーム機器株式会社 (1,201)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]