説明

動く物体のパラメータを決定する装置

本発明は、動く物体のパラメータを決定するための装置に関し、当該装置は、物体の適応モデルを提供するための適応モデル提供ユニット12を有する。ユーザは、ユーザインタフェース13によって適応モデルの領域を定義することができる。当該装置はさらに、動く物体の空間的及び時間的に依存する画像データセットを提供するための画像データセット提供ユニット14、並びに、定義された領域の空間的及び時間的依存性を決定するために、適応モデルの少なくとも定義された領域を空間的及び時間的に依存する画像データセットに適応させるための適応ユニット15を有する。動く物体のパラメータは、パラメータ決定ユニット16によって、定義された領域の空間的及び時間的依存性に応じて決定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動く物体のパラメータを決定するための装置、方法及びコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
心臓コンピュータ断層撮影(CT)データセットを取得して、取得された心臓CTデータセットから空間的に及び時間的に依存する心臓画像データセットを再構成することが知られている。多面三角形モデルが心臓画像データセットに適応され、そして心臓の安静段階が、多面三角形モデルの壁の事前に定義された部分の動きから決定される。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
この従来技術は、安静段階を決定するための壁の部分が事前に定義されているという短所を持つ。さらに、パラメータの決定は、心臓の安静段階の決定に制限される。しかし、一般に、それぞれの心臓は、異なる解剖学的構造及び異なる症状を持つ。加えて、それぞれのユーザは、一般に異なる作業スタイルを持ち、心臓の異なる部分に関連した異なるパラメータを決定することを好む。従来技術では多様性が制限されているので、動く物体のパラメータを決定するための装置は、解剖学的構造、症状及びユーザの好みの全ての可能な異なる組み合わせに対処することができるというわけではない。
【0004】
したがって、本発明の目的は、多様性が改善された、動く物体のパラメータを決定するための装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の態様において、動く物体のパラメータを決定するための装置が提供され、当該装置は、
- 物体の適応モデルを提供する適応モデル提供ユニット、
- ユーザが適応モデルの領域を定義することを可能にするためのユーザインタフェース、
- 動く物体の空間的及び時間的に依存する画像データセットを提供するための画像データセット提供ユニット、
- 定義された領域の空間的及び時間的依存性を決定するために、適応モデルの少なくとも定義された領域を、空間的及び時間的に依存する画像データセットに適応するための適応ユニット、
- 定義された領域の空間的及び時間的依存性に応じて、動く物体のパラメータを決定するためのパラメータ決定ユニットを有する。
【0006】
本発明は、物体の異なる構造及び条件並びに異なるユーザの好みは主に動く物体上の特定の領域に関連しており、適応モデルの領域の定義は、例えばグラフィカルユーザインタフェースを用いて、ユーザによって容易に定義されることができるとのアイデアに基づく。したがって、ユーザがユーザインタフェースによって適応モデルの領域を定義することを可能にすることによって、物体のパラメータの決定は、物体の異なる構造及び条件並びに異なるユーザの好みに容易に適応されることができ、すなわち、多様性が容易に改善され得る。
【0007】
心臓のパラメータが決定されなければならない場合、適応モデルは、例えば、心臓のモデルである。適応モデルは、動く物体全体のモデル又は動く物体の一部のみのモデルであることができる。心臓の適応モデルは、例えば多面三角形モデルである(このモデルは、J. von Berg et al. , "Multi-surface Cardiac Modelling, Segmentation, and Tracking", in A.F. Frangi, P.I. Radeva, A. Santos、及び、M. Hernandez, editors, LNCS 3504, Functional Imaging and Modelling of the Heart, pages 1-11, Springer Verlag, 2005に開示され、これらの文献は本明細書に参照として組み込まれる)。パラメータ決定ユニットは、例えば、定義された領域の動き、特に定義された領域の実質的に静止した段階を決定するように適応される。特に、パラメータ決定ユニットは、空間的に分解された動きマップ中の物体の動きの最良の位相点を決定するように適応されることができ、最良の位相点は、優先的に、物体が、定義された領域中で、物体の他の領域中よりも少なく動く時点又は期間である。
【0008】
例えば、心臓撮像、CT又は他のモダリティにおいて、最良の位相点は、心臓サイクル間の心臓が静止している時点を表す。通常(低い心拍数では)、この時点は、RRインターバルの50%〜90%の間(いわゆる拡張期領域)に位置するが、一般に、患者RRインターバル中に2〜3の異なる最良の位相点が存在する。それらは、収縮期後の拡張期中に位置し、若干の患者では、静止段階は心房の収縮後に見られる。様々な心拍数、病理学的電気励起パターン又は他の理由に起因して、それらの相対的な位置は大きく変化する場合がある。
【0009】
動きマップとして、優先して、動き強度の空間的及び時間的変動が定められる。心臓撮像の例として、好ましい動きマップが、Manzke et al., Med. Phys. 31 (12) 2004, pp. 3345-3362に記載されている(この文献は本明細書に参照として組み込まれる)。
【0010】
さらに好ましい実施の形態において、パラメータ決定ユニットは、モデルの定義された領域内の濃淡値(gray value)の強度変動を決定するように適応されることができ、これは、パラメータとして、空間的及び時間的に依存するデータセット中を優先して伝達される。パラメータ決定ユニットは、周期的に動く物体の場合に多数の運動サイクルにわたって(例えば心臓の場合に多数の心臓サイクルにわたって)、又は非周期的に動く物体では時間軸に沿って、データセットが取得されたならば、動きのばらつきを決定するように適応されることができる。
【0011】
適応モデル提供ユニットが、異なる領域が定義されたいくつかの適応モデルを提供するように適応されて、ユーザインタフェースが、ユーザがいくつかの適応モデルのうちの少なくとも一つを選択することを可能にすることによって、ユーザが適応モデルの領域を定義することを可能にするように適応されていることが好ましい。これは、いくつかの適応モデルのうちの少なくとも一つを単に選択することによってユーザが適応モデルの領域を定義することを可能にし、領域の定義が単純化される。
【0012】
好ましい実施の形態において、異なる領域が定義されたいくつかの適応モデルが、いくつかの条件に割り当てられ、ユーザインタフェースは、ユーザがいくつかの条件のうちの一つを選択することを可能にすることによって、ユーザが適応モデルの領域を定義することを可能にするように適応されている。
【0013】
それぞれの条件は、例えば、動く物体が心臓のような人の器官の場合、その動く物体の異なる構造又は症状である。人の器官のそれぞれの構造又は症状は、例えば、画像データセットや、心電図などの医療検査からの情報のような従来技術において周知の他の専用の情報から読み出されることができる。条件が知られている場合、ユーザは、物体上の領域を直接定義することなく、現在の条件を選択することによって動く物体上の領域を容易に定義することができる。
【0014】
例えば、大部分の患者にとって、異なる冠状動脈による血液によって提供される心筋の領域が相当する。しかしながら、例えば、いわゆる左心室血液供給型又は心臓解剖学的構造の他のバリエーションとして、心筋上の冠状動脈の異なる位置的分布(すなわち条件)が存在する可能性がある。そのような異常な位置的分布が知られている又は予想される場合、定義される領域は、冠状動脈の近くの領域に対応する心臓モデルの領域であることができる。特定の条件は、左心房の形状の異常及び肺静脈に対するその接続である場合もある。条件がモデルの特定の領域に関連している場合、優先して、ユーザは、対応する条件を選択することによって、その特定の領域を定義することができる。
【0015】
ユーザインタフェースは、ユーザが適応モデルの領域を定義して、適応モデル提供ユニット中に、定義された領域と共に適応モデルを保存することを可能にするように、優先して適応される。これは、ユーザが、所望の領域が既に定義された適応モデルを生成し、更なるステップにおいて、特定の条件における適応モデル上の領域を定義するために、領域が既に定義された適応モデルを選択することを可能にする。したがって、ユーザは、各々の適応モデル上で別の領域が定義された一セットの適応モデルを生成することができる。
【0016】
領域が定義された適応モデルにユーザが条件を割り当てることを可能にするようにユーザインタフェースが適応され、割り当てられた条件を保存するように適応モデル提供ユニットが適応されることがさらに好ましい。これは、ユーザが、適応モデルが異なる条件に割り当てられた一セットの適応モデルを生成することを可能にする。
【0017】
好ましい実施の形態において、適応ユニットは、適応モデル全体を、空間的及び時間的に依存する画像データセットに適応させるように適応される。適応モデル全体が画像データセットにモデルを適応させるために用いられる場合、多くのデータが適応プロセスのために利用可能であるので、適応及びパラメータの決定が改善される。
【0018】
ある時点において最初に、定義された領域より広い領域を空間的及び時間的に依存する画像データセットに適応し、時間的に隣接した時点に適応された、適応モデルから始まる更なる時点のうちのある時点では、定義された領域のみを空間的及び時間的に依存する画像データセットに適応するように、適応ユニットが適応されることが好ましい。更なる時点のうちのある時点のための適応では、定義された領域のみが、空間的及び時間的に依存する画像データセットに適応されるので、適応の計算コスト及び時間は低減される。さらに、最初にある時点において、定義された領域より広い領域が空間的及び時間的に依存する画像データセットに適応されるので、特に優先して、最初にある時点において、適応モデル全体が空間的及び時間的に依存する画像データセットに適応されるので、初めの適応の品質は改善される。
【0019】
さらに、定義された領域中の適応モデルの分解能(特に空間分解能)が、適応モデルの残りの部分中よりも高いことが好ましい。定義された領域中の適応モデルの分解能が適応モデルの残りの部分中よりも高いので、定義された領域に依存して決定されるパラメータは高品質で決定されることができ、適応モデルの残りの部分が低い分解能を持つので、適応の計算コスト及び時間は低減される。
【0020】
本発明の更なる態様において、動く物体のパラメータを決定するための方法が示され、当該方法は、
- 適応モデル提供ユニットにより物体の適応モデルを提供するステップ、
- ユーザが適応モデルの領域を定義することを可能にするためのユーザインタフェースを提供するステップ、
- 画像データセット提供ユニットによって、動く物体の空間的及び時間的に依存する画像データセットを提供するステップ、
- 適応ユニットによって、定義された領域の空間的及び時間的依存性を決定するために、適応モデルの少なくとも定義された領域を空間的及び時間的に依存する画像データセットに適応させるステップ、
- パラメータ決定ユニットによって、定義された領域の空間的及び時間的依存性に応じて、動く物体のパラメータを決定するステップを有する。
【0021】
本発明の更なる態様において、動く物体のパラメータを決定するためのコンピュータプログラムが示され、当該コンピュータプログラムは、請求項1に記載の装置を制御するコンピュータ上で実行された場合に、請求項1に記載の装置に請求項9に記載の方法のステップを実行させるプログラムコードを有する。
【0022】
請求項1の装置、請求項9の方法及び請求項10のコンピュータプログラムは、従属請求項に記載の同様の及び/又は同一の好ましい実施の形態を持つことが理解されるべきである。
【0023】
本発明の好ましい実施の形態は、それぞれの独立請求項との従属請求項の任意の組み合わせでもよいことが理解されるべきである。
【0024】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に記載される実施の形態から明らかであり、以下に記載される実施の形態を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】動く物体のパラメータを決定するための装置の実施の形態を概略的に一例として示す図。
【図2】画像データセット提供ユニットの実施の形態を概略的に一例として示す図。
【図3】動く物体のパラメータを決定するための方法のフローチャートを一例として示す図。
【図4】定義された領域を有する一セットの適応モデルを生成するためのフローチャートを一例として示す図。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、本発明による動く物体のパラメータを決定するための装置の実施の形態を概略的に一例として示す。装置20は、物体の適応モデルを提供するための適応モデル提供ユニット12及びユーザが適応モデルの領域を定義することを可能にするためのユーザインタフェース13を有する。装置20はさらに、動く物体の空間的及び時間的に依存する画像データセットを提供するための画像データセット提供ユニット14、及び、定義された領域の空間的及び時間的依存性を決定するために、適応モデルの少なくとも定義された領域を空間的及び時間的に依存する画像データセットに適応させるための、適応モデル提供ユニット12及び画像データセット提供ユニット14に接続された適応ユニット15を有する。装置20はさらに、定義された領域の空間的及び時間的依存性に応じて、動く物体のパラメータを決定するための、適応ユニット15に接続されたパラメータ決定ユニット16を有する。
【0027】
適応モデル提供ユニットは、動く物体に対応する少なくとも一つの適応モデルを提供する。動く物体は、例えば、人の心臓のような人の器官である。適応モデルは、優先して、特に心臓の適応形状モデルであり、適応形状モデルの表面は、優先して三角形で構成される。適応モデルは、優先して、"Multi-surface cardiac modelling, segmentation, and tracking", J. von Berg and C. Lorenz, , in A. F. Frangi, P. I. Radeva, A. Santos、及び、M. Hernandez, editors, LNCS 3504, Functional Imaging and Modelling of the Heart, pages 1-11, Springer-Verlag, 2005といった論文に開示されるモデルであり、これらの文献は本明細書に参照として組み込まれる。適応形状モデルは、胸郭及び肺モデル、脊椎骨モデル又は動脈瘤モデルの様な別の物体のモデルでもよい。適応モデルは全身モデルでもよく、このモデルは、人の解剖学的構造の一部のみではなく、完全体系又は完全体系のうちのユーザが定めた部分を分析することを可能にする。さらに、適応モデルはボリュームモデルでもよく、このモデルは、物体の表面を示すだけではない。
【0028】
適応モデル提供ユニット12は、いくつかの適応モデルを提供するように優先して適応され、それらのモデルは同じ構造を持つが、それらの上に異なる領域が定義されており、すなわち優先して、これらのいくつかの適応モデルの唯一の違いは、異なる定義された領域である。好ましい実施の形態において、適応モデル提供ユニット12は、人の心臓のいくつかの適応モデルを提供し、それらの上には異なる領域が定義されており、すなわち、例えば、それらの上では表面上の異なる三角形がラベル付けされている。例えば、心腔に関するモデルの領域が、この心腔に関する最良の位相点の様なパラメータを決定するために定義されることができ、あるいは、優先して統計学的に冠状動脈に近い領域が、定義された領域に関する及び/又は冠状動脈に関する、最良の位相点のようなパラメータを決定するために定義されることができる。定義される領域は表面領域である必要は無い。ボリュームモデルが用いられる場合、モデルのボリューム領域が定義されることができる。例えば、モデルが心臓である場合、心筋のパラメータ、特に心筋の最良の位相点、又は心筋の一時性の挙動に関する別のパラメータを決定するために、心筋の領域が定義される(例えばマークされる)ことができる。
【0029】
適応モデル提供ユニット12によって提供されるいくつかの適応モデルは、優先して、異なる条件に(例えば異なる症状に)割り当てられる。優先して、物体が人の心臓又は別の器官のような生きた物体である場合、条件は物体の症状に関する。しかし、条件は、技術的物体であることもできる物体に関する任意の条件であることができる。例えば、条件は、対象の年齢又は解剖学的構造であることができる。それぞれの条件は、物体の特定の領域に関する。例えば、技術的物体の特定の部分が摩耗部品として知られている場合、技術的物体の特定の使用期間(すなわち特定の条件)の後、定義される領域は、摩耗部品に対応するモデルの領域であることができる。
【0030】
ユーザインタフェース13は、優先して、適応モデル提供ユニット12によって提供される適応モデルが表示されるディスプレイユニット、及び、ユーザが表示された適応モデル上の領域を定義することを可能にするための入力ユニットを有する。入力ユニットは、優先して、ユーザがディスプレイユニットに表示された適応モデルの領域を定義することを可能にするためのマウス及びマウスポインタを含む。例えば、適応モデルの領域は、マウスポインタ又はキーボードを用いることにより、適応モデルを構成する三角形のうちの一つ又は三角形のグループを選択することによって定義されることができる。
【0031】
ユーザインタフェース13は、優先して、ユーザがいくつかの適応モデル上の領域を定義することができるように適応され、定義された領域は適応モデル提供ユニット12中に保存されることができる。したがって、ユーザインタフェース13及び適応モデル提供ユニット12は、異なる領域が定義された一セットの適応モデルをユーザが生成することができるように適応される。いくつかの適応物体のそのようなセットが適応モデル提供ユニット12中に保存されている場合、ユーザは、ユーザインタフェース13を用いることにより所望の保存された適応モデルを選択することができ、したがって適応モデルの領域をこのようにして定義することができる。適応モデル提供ユニット12中に保存されるいくつかのモデルは、同じ構造を持ち、定義された異なる領域によってのみ区別されることができるか、あるいは、代わりに又は加えて、同じ又は他の領域が定義される別の構造を有する適応モデルが、適応モデル提供ユニット12中に保存されることができる。
【0032】
ユーザインタフェース13は、領域が定義された適応モデルにユーザが条件を割り当てることを可能にするように適応され、適応モデル提供ユニット12は、割り当てられた条件を保存するように適応される。この割当ては例えば、ディスプレイユニットに表示される定義された領域を有する適応モデルに対応する条件を、例えばキーボードを用いることによりユーザインタフェース13に入力することによって、実行されることができる。条件は優先して、動く物体が人の心臓である場合、人の心臓の特定の領域に関する症状である。したがって、ユーザは、それらの上に定義された異なる領域を持つ適応モデルのセットを生成することができ、その上に領域が定義された少なくとも一つの適応モデルに対して、条件(すなわち、優先して症状)が割り当てられている。その上に領域が定義されて条件(特に症状)が割り当てられた適応モデルのそのようなセットが適応モデル提供ユニット12に保存されている場合、条件(すなわち優先して症状)を知っている又は知っていると考えるユーザは、その上に定義された領域を持つ、現在の条件に対応する適応モデルを選択することによって、適応モデル上の領域を定義することができる。これは、それぞれの条件を選択することによって、容易に実行されることができる。症状は、例えば、心電図又は他の医療検査から既知でありえる。
【0033】
画像データセット提供ユニット14は、この実施の形態において、コンピュータ断層撮影システムであり、コンピュータ断層撮影画像を生成し、以下でさらに詳細に説明される。他の実施の形態において、画像データセット提供ユニットは、例えば、動く物体の空間的及び時間的に依存する画像データセットが保存される記憶ユニットであることができる。画像データセット提供ユニットはさらに、撮像システムによって取得される取得データに応じて動く物体の空間的及び時間的に依存する画像データセットを再構成するコンピュータであることができる。この撮像システムは、コンピュータ断層撮影システムである必要はない。それは、任意の他の撮像システム(例えば、磁性共鳴撮像システム、超音波撮像システム又は核撮像システム)であってもよい。
【0034】
この実施の形態において使用される画像データセット提供ユニット14は、図2に概略的に示される。
【0035】
図2に概略的に示される画像データセット提供ユニット14は、コンピュータ断層撮影装置である。コンピュータ断層撮影装置は、z方向に平行に伸びる回転軸Rのまわりの回転が可能であるガントリー1を含む。この実施の形態においてX線管である放射源2は、ガントリー1に取り付けられる。放射源2はコリメータ3を備えており、コリメータ3は、この実施の形態において、放射源2によって生成される放射から円錐形放射ビーム4を形成する。放射は、この実施の形態において、円柱状である検査領域5中の関心領域において、患者のような物体(図示せず)を横断する。検査領域5を横断した後、放射ビーム4は、二次元検出面を有する検出装置6に入射する。他の実施の形態において、放射ビームは、別の形状(例えばファン形状) を持つことができる。さらにまた、他の実施の形態において、検出装置6は、放射ビームのそれぞれの形状に対応するように形成される。例えば、放射ビームがファンビームである場合、検出装置は、優先して、ファン形状に対応する一次元の検出面を有する。検出装置6は、この実施の形態において、非エネルギー分解(non-energy-resolving)検出装置である。他の実施の形態において、検出装置は、例えば、取得されたデータを用いることにより検査領域のスペクトル再構成を可能にするために、エネルギー分解型であることができる。
【0036】
コンピュータ断層撮影装置は、2つのモーター7, 8を備える移動ユニットを有する。ガントリー1は、好ましくは一定だが調整可能な角速度でモーター7によって駆動される。モーター8は、検査領域5中の患者テーブルに配置される物体(例えば患者)を、回転軸R又はz軸の方向に平行に変位させるために設けられている。これらのモーター7, 8は、例えば、放射源2、検査領域5ひいては検査領域5中の関心領域がヘリカル軌道に沿って互いに対して動くように、制御ユニット9によって制御される。しかしながら、物体又は検査領域5が移動しないことも可能であるが、放射源2のみが回転する、すなわち放射源2が物体又は検査領域5に対して円形軌道に沿って動くことも可能である。他の実施の形態では、放射源2及び検査領域5が、別の軌道に沿って互いに対して移動することができる。
【0037】
検出装置6は、検出装置6に入射する放射に依存する検出値を生成し、この検出値は、人の心臓のような動く物体である物体の空間的及び時間的に依存する画像データセットを生成するために画像生成装置10に提供される。動く物体は、部分的に又は完全に、検査領域5内の関心領域中に位置する。
【0038】
検出値の取得の間、この実施の形態において、患者に接続された心電計17が、人の心臓の異なる動き位相に対応する値を含む心電図を生成する。心電図は画像生成装置10にも提供される。さらに、心電計17は、優先して、制御ユニット9によって制御される。
【0039】
画像生成ユニット10は、当業者に周知の再構成方法によって、動く物体の空間的及び時間的に依存する画像データセットであるコンピュータ断層撮影画像データセットを生成する。例えば、物体が心臓である場合、心臓サイクルの異なる位相で心臓の画像が再構成されることができ、そして、等距離の位相点での再構成によって心臓サイクル全体を網羅することによって、心臓の空間的及び時間的に依存するデータセットが生成される。特に異なる位相の再構成のための空間的及び時間的に依存するデータセットの再構成の更なる詳細な説明は、Manzke等による上述の論文及びその中の参考文献において与えられる。
【0040】
再構成された画像は、最終的に、コンピュータ断層撮影装置14のディスプレイユニット11に提供されることができる。
【0041】
他の実施の形態において、装置14は、心電計ではない、物体の動き位相に対応する動き値を決定する動き値決定ユニットを有することができる。例えば、動き値決定ユニットは、特に、例えばM. Kachelriess et al. Med. Phys., 29 (7), 2002, pp. 1489-1503に開示されるような所謂キモグラム法によって、取得された検出値のみに基づいて動き値を決定することができる。
【0042】
適応モデル並びに空間的及び時間的に依存する画像データセットは、適応モデルを空間的及び時間的に依存する画像データセットに適応させるための適応ユニット15に提供される。この実施例において、適応モデル全体が、空間的及び時間的に依存する画像データセットに適応される。他の実施の形態において、適応ユニット15は、最初にある時点で、定義された領域より広い領域を空間的及び時間的に依存する画像データセットに適応させるように適応されることができ、特に、最初にある時点において、適応モデル全体が空間的及び時間的に依存する画像データセットに適応されることができ、そして、適応ユニット15は、時間的に隣接した時点に適応された、適応モデルから始まる更なる時点のうちのある時点では、定義された領域のみを空間的及び時間的に依存する画像データセットに適応するように適応される。例えば、四次元画像データセットが画像データセット提供ユニット14によって提供された場合、それぞれの時点t0,...,tNに対して三次元画像データセットの異なるセットが存在し、すなわち、各々の時点t0,...,tNにおいて三次元画像データセットが存在する。初めの時点t0において、定義された領域より広い領域、特に適応モデル全体が、対応する三次元画像データセットに適応され、そして更なる時点t1,...,tNにおいて伝達が実行され、時点tiでの適応のために、この時点tiの三次元画像データセットへの定義された領域のみの適応が実行され、それは適応モデルで始まり、それは時間的に隣接した時点ti-1及び/又はti+1において適応される。
【0043】
適応ユニット15は、優先して、定義された領域のみが空間的及び時間的に依存する画像データセットに適応されるわけではない場合に、適応が、定義された領域において、適応物体の残りの部分よりも高い分解能で実行されるように適応される。例えば、多面三角形モデルが適応モデルとして用いられる場合、定義された領域において適応モデルを空間的及び時間的に依存する画像データセットに適応させるために、適応モデルの他の部分を空間的及び時間的に依存する画像データセットに適応させるためよりも多くの三角形表面ユニット及び/又は小さい三角形が用いられることができる。
【0044】
適応ユニットは、特に多面モデルをCT画像に適応させるために、例えばJ. von Berg et al., "Multi-surface Cardiac Modelling, Segmentation, and Tracking", in A.F. Frangi, P.I. Radeva, A. Santos、及び、M. Hernandez, editors, LNCS 3504, Functional Imaging and Modelling of the Heart, pages 1-11, Springer Verlag, 2005に開示されているような形状限定変形可能面モデルアプローチを用いるように適応されることができる。所与の頂点位置を有するこのモデルは、初期メッシュの初期化に役立ち、そしてその適応の間の制約として機能するトレーニング画像から取得される。三角形の数は、このプロセスにおいて変化しない。最適化スキームにおいて、三角形表面メッシュの頂点位置は、変化するパラメータである。メッシュ変形は、エネルギー項E=Eext +αEintを最小化することによって実行される。外部エネルギーEextは、面検出ステップにおいて得られる面ポイントの方へメッシュを駆動する。内部エネルギーEintは、形状モデルの頂点構造を維持することによって、可動性を制限する。パラメータαは、両方の項の影響に重み付けする。一定の数nのそのような最小化ステップがメッシュに関して実行される。更なる詳細な説明は、J. von Berg et al.による上述の引用文献中に与えられる(この文献は本明細書に参照として組み込まれる)。
【0045】
適応ユニット15によって適応モデルが空間的及び時間的に依存する画像データセットに適応された後、適応されたモデルは、パラメータ決定ユニット16に提供される。
【0046】
パラメータ決定ユニット16は、定義された領域の空間的及び時間的依存性に応じて、動く物体のパラメータを決定する。例えば、パラメータ決定ユニット16は、心臓でもよい物体の特定の下位構造の静止段階(最良の段階)を決定するように適応されることができる。例において、モデルが三角形で構成される面モデルである場合、この決定は、時間に関する定義された領域内のモデルの三角形の全ての頂点の変位を決定することによって、そして例えば各々の位相点に対する平均絶対変位を決定することによって実行されることができ、最小の平均絶対変位を有する位相点が、最良の位相点として決定される。モデルの定義された領域の平均絶対変位は、優先して、この定義された領域の一部である隣接する位相点間の面メッシュの全ての頂点の平均絶対変位を計算することで計算される。さらに、この曲線から、心臓サイクルに沿った最大若しくは最小変位、又は時間軸に沿った標準偏差が計算されることができる。
【0047】
代わりに又は加えて、定義されたモデル領域中の強度変動を決定するために、モデルの(優先してボリューム領域である)定義された領域によって囲まれる全てのボクセルの平均絶対差が計算される。定義された領域の強度変化の測度として、隣接するタイムスタンプ間の定義された領域内の濃淡値の平均差が計算されることができる。加えて、この曲線から、時間軸に沿った勾配が計算されることができ、又は心臓サイクル全体の最大及び最小変動が計算されることができる。
【0048】
以下において、本発明による動く物体のパラメータを決定するための方法の例示的な実施の形態が、図3に示されるフローチャートを参照して説明される。
【0049】
ステップ101において、適応モデル提供ユニット12によって、物体の適応モデルが提供される。ステップ102において、ユーザは、提供されたユーザインタフェース13を用いることにより、適応モデル上の領域を定義する機会を持つ。適応モデルの領域のこの定義は例えば、適応モデルが多面三角形モデルである場合、例えばユーザインタフェースのマウスポインタを用いて一つ或いは複数の三角形を選択することによって、実行されることができる。あるいは、ユーザは、領域が既に定義されているいくつかの適応モデルのうちの一つを選択することができ、又は、ユーザは、定義された領域を有する特定の適応モデルが割り当てられた特定の条件(例えば特定の症状)を選択することができ、それによって、適応モデル上の領域を定義する。
【0050】
適応モデル提供ユニット12は、定義された領域及び優先していくつかの適応モデルに割り当てられた条件(特に症状)を有するいくつかの適応モデルのセットを既に有することができる。代わりに又は加えて、定義された領域及び割り当てられた条件を有する一セットのこれらの適応モデルは、ユーザインタフェース13を用いてユーザによって生成されることができる。これは以下で図4に示されるフローチャートに関してさらに詳細に説明される。
【0051】
ステップ201において、動く物体のモデル(例えば人の心臓の多面三角形モデル)が、ユーザインタフェース13のディスプレイユニットに表示される。ユーザは、ステップ202において、ユーザインタフェース13を用いることで、例えば多面三角形モデルの一つ又は複数の三角形を選択することによって、適応モデル上の領域を定義することができる。さらに、ステップ203において、ユーザは、ステップ202で定義された領域を有するモデルに条件を割り当てることができ、そして、割り当てられた条件と共に定義された領域を有するモデルは、ステップ204において適応モデル提供ユニット12中に保存される。ステップ205において、ユーザは、定義された領域及び割り当てられた条件を有する更なる適応モデルを適応モデル提供ユニット12中に保存することを望むか否かを質問される。ユーザが更なる適応モデルを保存することを望む場合、ステップ201が再度実行される。さもなければ、定義された領域及び割り当てられた条件を有する適応モデルを適応モデル提供ユニット12中に保存することは、ステップ206で終わる。
【0052】
他の実施例において、ユーザインタフェース13は、ユーザが、割り当てられた条件と共に定義された領域を有するいくつかの適応物体を保存することを望むかどうか選択することができるように適応される。定義された領域を有するいくつかの適応物体は条件への割当てなしで保存されるべきであるとユーザが選択する場合、ステップ203は省略されることができる。
【0053】
図3を再度参照して、ステップ103において、画像データセット提供ユニット14は、動く物体の空間的及び時間的に依存する画像データセットを提供する。この実施例において、画像データセット提供ユニット14は、コンピュータ断層撮影装置である。コンピュータ断層撮影装置によって実行される動く物体の空間的及び時間的に依存する画像データセットの提供は、以下で説明される。
【0054】
まず、検出値及び心電図が取得される。検出値を取得するために、放射源2が回転軸Rのまわりを回転し、物体は移動せず、すなわち放射源2は物体の周囲の円形軌道に沿って移動する。他の実施例では、放射源は、物体に対して別の軌道(例えばヘリカル軌道)に沿って移動することができる。放射源は、例えば人の患者の心臓を含む少なくとも関心領域において物体を横断する放射(特に多色放射)を放射する。放射は物体を通過して検出装置6によって検出され、検出器は検出値を生成する。検出値の取得と同時に、心電計17によって心電図が取得される。検出値及び心電図は画像生成装置に提供され、画像生成装置は、取得された検出値及び心電図から、空間的及び時間的に依存する画像データセットを生成する。
【0055】
ステップ104において、定義された領域を有する適応モデル及び提供された画像データセットが適応ユニット15に提供され、適応ユニット15は、定義された領域の空間的及び時間的依存性を決定するために、適応モデルの少なくとも定義された領域を空間的及び時間的に依存する画像データセットに適応させる。優先して、適応モデル全体が、空間的及び時間的に依存する画像データセットに適応される。あるいは、適応モデルの一部(特に定義された領域のみ)が、空間的及び時間的に依存する画像データセットに適応されることができる。
【0056】
ステップ105において、適応モデルはパラメータ決定ユニット16に提供され、パラメータ決定ユニット16は、定義された領域の空間的及び時間的依存性に応じて、動く物体のパラメータを決定する。
【0057】
上述の実施の形態においては一つの領域のみが適応モデル上で定義されたが、他の実施の形態では、一つより多くの領域が適応モデル上で定義されることも可能である。
【0058】
上述の説明では、適応モデルの表面は三角形で構成されると述べられたが、適応モデルは、例えば、四角形のような他の形状を持つ領域の他の要素で構成されることもできる。
【0059】
パラメータ決定ユニットによって決定される上述のパラメータは定義された領域に直接関係するが、パラメータ決定ユニットは、適応モデルの一部ではないが適応モデルの定義された領域に関連する物体の要素のパラメータを決定するように適応されることもできる。そのような要素は、例えば、定義された領域の近傍に位置し、したがって実質的に定義された領域と共に動く要素である。例えば、心臓モデルは冠状動脈自体を含まないはずであるが、外側の心臓面がモデルの一部であり、面メッシュの三角形で構成されることができる定義された領域がモデルの近傍である場合、それらが解剖学的に接続されるので、定義された領域の動きは冠状動脈の動きも表す。したがって、冠状動脈の動きに関する最良の位相点のようなパラメータは、定義された領域の動きから決定されることができる。
【0060】
上述の実施の形態では一つのパラメータのみが決定されたが、他の実施の形態では、適応モデルの定義された領域に関するいくつかのパラメータが決定されることができる。
【0061】
動く物体のパラメータを決定するための方法の上述の実施の形態において、ステップ102及び103は、ステップ101を実行する前に実行されることもでき、すなわち、画像データセットは、適応モデルを提供する前及び適応モデルの領域を定義する前に提供されることもできる。さらに、上述のステップ102は、ステップ103が実行された後で実行されることができ、すなわち、適応モデルへの条件の割当ては、適応モデルの領域を定義する前に実行されることができる。さらに、適応モデルの予め定義された部分又は適応モデル全体が空間的及び時間的に依存する画像データセットに適応される場合、決定されるべきパラメータは定義された領域の空間的及び時間的依存性によって決まるので、適応モデルの領域の定義は、動く物体のパラメータを決定する前にいつでも実行されることができる。さらに、空間的及び時間的に依存する画像データセットへの適応モデルの適応がすでに実行された場合、そしてこの適応が定義された領域から独立して実行される場合、パラメータ決定ユニットは、適応物体を空間的及び時間的に依存する画像データセットに再度適応させることなく動く物体のパラメータを決定することができる。
【0062】
上述の実施の形態において、心電計がコンピュータ断層撮影装置によって用いられたが、空間的及び時間的に依存するコンピュータ断層撮影画像データセット(すなわち4次元画像データセット)は、心電図を取得せずに再構成されることもできる。例えば、物体の動きに関する動き値は、検出値から読み出されることもでき、又は他の手段によって測定されることもできる。
【0063】
上述の実施の形態では、動く物体は優先して人の心臓であるが、動く物体はさらに、任意の他の動く物体(例えば人の別の器官又は技術上の物体)であることができる。ユーザインタフェース13のディスプレイユニットとコンピュータ断層撮影装置のディスプレイユニット11は同じものでもよい。
【0064】
空間的及び時間的に依存する画像データセットは、二次元又は三次元空間的依存性を有する時間的に依存する画像データセットであることができる。
【0065】
請求された発明を実施する際に、図面の検討から、開示から、そして添付の請求の範囲から、開示された実施の形態に対する他のバリエーションが、当業者によって理解されて成し遂げられることができる。
【0066】
請求の範囲において、「有する」は、他の要素又はステップを除外せず、単数形は複数を除外しない。
【0067】
単一のユニット又は装置が、請求項中に列挙されるいくつかのアイテムの機能を成し遂げることができる。特定の手段が相互に異なる従属請求項中に挙げられるからといって、そのような手段の組み合わせを利用できないわけではない。
【0068】
一つ又は複数のユニット又は装置によって実行される計算及び決定は、いかなる数のユニット又は装置によっても実行されることができる。例えば、上述の実施の形態において、画像データセットに対する適応物体の適応は適応ユニットによって実行され、動く物体のパラメータの決定はパラメータ決定ユニットによって実行されたが、この適応及び決定は単一のユニット又は装置によって実行されることができる。本発明による方法、特に計算、決定並びに/又は異なるユニット及び装置の制御は、コンピュータプログラムのプログラムコード手段として及び/又は専用のハードウェアとして実装されることができる。
【0069】
コンピュータプログラムは、他のハードウェアと共に若しくはその一部として供給される光学記憶メディア又は固体メディアのような適切なメディア上で保存/配布されることができるが、インターネット又は他の有線若しくは無線通信システムを介してのような他の形態で配布されることもできる。
【0070】
請求項中の任意の参照符号は、範囲を限定するように解釈されてはならない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動く物体のパラメータを決定するための装置であって、
物体の適応モデルを提供する適応モデル提供ユニット、
ユーザが前記適応モデルの領域を定義することを可能にするユーザインタフェース、
動く物体の空間的及び時間的に依存する画像データセットを提供する画像データセット提供ユニット、
定義された領域の空間的及び時間的依存性を決定するために、適応モデルの少なくとも定義された領域を、前記空間的及び時間的に依存する画像データセットに適応させる適応ユニット、
定義された領域の前記空間的及び時間的依存性に応じて、動く物体のパラメータを決定するパラメータ決定ユニット、
を有する装置。
【請求項2】
前記適応モデル提供ユニットが、異なる領域が定義されたいくつかの適応モデルを提供し、前記ユーザインタフェースは、ユーザが前記いくつかの適応モデルのうちの少なくとも一つを選択することを可能にすることによって、ユーザが適応モデルの領域を定義することを可能にする、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
異なる領域が定義された前記いくつかの適応モデルは、いくつかの条件に割り当てられ、前記ユーザインタフェースは、ユーザが前記いくつかの条件のうちの一つを選択することを可能にすることによって、ユーザが適応モデルの領域を定義することを可能にする、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ユーザインタフェースは、ユーザが適応モデルの領域を定義して、前記適応モデル提供ユニット中に、定義された領域と共に適応モデルを保存することを可能にする、請求項2に記載の装置。
【請求項5】
前記ユーザインタフェースは、ユーザが、領域が定義されている適応モデルに条件を割り当てることを可能にし、前記適応モデル提供ユニットが割り当てられた条件を保存する、請求項2に記載の装置。
【請求項6】
前記適応ユニットが、適応モデル全体を前記空間的及び時間的に依存する画像データセットに適応させる、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記適応ユニットが、最初にある時点において、定義された領域より広い領域を前記空間的及び時間的に依存する画像データセットに適応させ、
時間的に隣接する時点に適応された、適応モデルで始まる更なる時点のうちのある時点では、定義された領域のみを前記空間的及び時間的に依存する画像データセットに適応させる、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
定義された領域における適応モデルの分解能が、適応モデルの残りの部分中よりも高い、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
動く物体のパラメータを決定する方法であって、
適応モデル提供ユニットによって物体の適応モデルを提供し、
ユーザが前記適応モデルの領域を定義することを可能にするユーザインタフェースを提供し、
画像データセット提供ユニットによって、動く物体の空間的及び時間的に依存する画像データセットを提供し、
適応ユニットによって、定義された領域の空間的及び時間的依存性を決定するために、適応モデルの少なくとも定義された領域を前記空間的及び時間的に依存する画像データセットに適応させ、
パラメータ決定ユニットによって、定義された領域の前記空間的及び時間的依存性に応じて、動く物体のパラメータを決定する方法。
【請求項10】
動く物体のパラメータを決定するためのコンピュータプログラムであって、請求項1に記載の装置に、当該装置を制御するコンピュータ上で実行されるときに、請求項9に記載の方法を実行させるプログラムコードを含むコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2011−504758(P2011−504758A)
【公表日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−532692(P2010−532692)
【出願日】平成20年11月4日(2008.11.4)
【国際出願番号】PCT/IB2008/054573
【国際公開番号】WO2009/063352
【国際公開日】平成21年5月22日(2009.5.22)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】