説明

動圧軸受装置

【課題】 高い耐久性と信頼性とを備えた動圧軸受装置を低コストに提供する。
【解決手段】 軸受部材8の内周面に段差17を形成する。大径内周面8a1と対向する軸部材2の外周面2a1にインクジェット法で動圧溝パターンを印刷し、動圧軸受からなる第一軸受部14を形成する。小径内周面8a2と、これに対向する軸部材2の外周面2a1との間にラジアル軸受間を形成し、真円軸受からなる第二軸受部15を形成する。第二軸受部15のラジアル軸受隙間の幅W2は、第一軸受部14のラジアル軸受隙間の幅W1よりも小さくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動圧軸受装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
動圧軸受装置は、軸受部材と、軸受部材の内周に挿入した軸部材との相対回転により軸受隙間に生じた流体の動圧作用で圧力を発生させ、この圧力で軸部材を非接触支持する軸受装置である。この動圧軸受装置は、高速回転、高回転精度、低騒音等の特徴を備えるものであり、情報機器、例えばHDD等の磁気ディスク装置、CD−ROM、CD−R/RW、DVD−ROM/RAM等の光ディスク装置、MD、MO等の光磁気ディスク装置等におけるディスクドライブ用のスピンドルモータ、レーザビームプリンタ(LBP)のポリゴンスキャナモータ、プロジェクタのカラーホイール、あるいは軸流ファンなどの小型モータ用の軸受装置として好適である。
【0003】
上記動圧軸受装置では、通常、ラジアル軸受隙間に生じた流体の動圧作用で、軸部材がラジアル方向に非接触支持される。この種の動圧軸受装置の一例として、軸部材の摺動特性向上を図るため、金属製の軸部材の外周に、動圧溝を有する動圧発生部を樹脂組成物で形成したものが知られている。(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平7−310733号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載された動圧軸受装置は、軸部材を構成する下地金属の表面に、動圧溝を区画する樹脂製の凸状部が接着した形態を有する。この場合、軸部材の外周面とラジアル軸受隙間を介して対向する軸受部材の内周面は、動圧溝のない円筒状の平滑面として形成される。
【0005】
ところで、動圧軸受装置では、その起動・停止時や運転中の軸部材の振れにより、軸部材表面の凸状部が軸受部材と摺動接触することが避けられない。従って、上記特許文献1のように凸状部を樹脂で形成した場合には、これが金属製の軸受部材の内周面と繰り返し摺動・接触することにより、短期間に摩耗するおそれがある。凸状部の摩耗は、軸受性能の低下を来たし、動圧軸受装置の耐久性や信頼性の低下を招く。
【0006】
加えて、上記特許文献1に例示されているスクリーン印刷で動圧発生部を形成する場合、印刷型が軸部材に接触するために硬化前のインクが印刷型と接触して動圧溝形状が崩れやすく、量産時には印刷型の摩耗や変形等による印刷精度の低下が懸念される。さらにインク供給装置から供給されたインクは、印刷型を経て軸部材の外周面に到達し、さらにスキージにより圧迫されて軸部材外周面に到達するから、動圧発生部の成形に関与しない余分なインクが必要であり、インクの使用量が増して不経済である。また、動圧発生部や軸部材の形状等に対応した印刷型を数多く保有する必要があることに加え、印刷後レース加工等の仕上加工を施す必要があるため工程数が増加し、低コスト化が困難である。
【0007】
そこで本発明では、高い耐久性と信頼性とを備える動圧軸受装置を提供し、さらにはその低コストを図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明における動圧軸受装置は、回転側の部材と、固定側の部材と、回転側の部材と固定側の部材との間に軸受隙間を備え、当該軸受隙間に生じた流体の動圧作用で、軸部材をラジアル方向およびスラスト方向の少なくとも何れか一方向で非接触支持する流体軸受部とを有する動圧軸受装置において、流体軸受部に、軸受隙間に動圧作用を生じさせるための樹脂製の動圧発生部を備えた第一軸受部と、第一軸受部よりも軸受隙間の幅を小さくした第二軸受部とを設けた。
【0009】
ここで「動圧発生部」は、軸受隙間に流体の動圧作用で圧力を発生させることができるのものであれば特にその形態は問わず、例えば複数の溝(ヘリングボーン溝、スパイラル溝、軸方向溝等)を有するもの、あるいは、軸受隙間を円周方向の一方または双方にくさび状に縮小させる複数の円弧面を有するもの等が含まれる。
【0010】
軸受隙間の幅は、軸受隙間を介して対向する二面間の距離をいう。第一軸受部においては、この二面のうち、何れか一方の面(固定側、回転側を問わない)に動圧発生部が形成されるが、この場合、動圧発生部の表面とこれに対向する面との間の最小距離が「軸受隙間の幅」となる。
【0011】
上記構成によれば、例えば動圧軸受装置の起動・停止時等には、第一軸受部よりも軸受隙間の幅の小さい第二軸受部で回転側の部材が固定側の部材と接触する。そのため、第一軸受部の樹脂製の動圧発生部は相手側の部材と接触せず、これにより金属に比べて耐摩耗性に劣る樹脂製動圧発生部の摩耗を回避して長期間安定して動圧発生部の機能を維持することができる。
【0012】
動圧発生部は、例えば微量インクの集合体を硬化させて形成することができる。この場合、動圧発生部はインクに含まれるベース樹脂を主成分として形成される。
【0013】
微量インクの供給方法は特に問わず、例えば素材表面にインクを細孔ノズルから着弾または滴下させるいわゆるインクジェット法を代表例として挙げることができる。この他、電気泳動を利用してインクを誘導する方法、ノズルではなく、インク液面からインク液滴を飛ばすノズルレスタイプのインクジェット法(ノズルレスインクジェット法)、マイクロピペットを介してインクを液滴の状態ではなく連続的に吐出する方法、あるいは定着面までの距離を短縮し、インクを吐出と同時に定着面に着弾させる方法等も使用することができる。
【0014】
以上に例示した微量インクの供給方法では、微量インクの供給量が精密に制御可能であるから、動圧発生部の形状パターンを予めプログラミングし、そのプログラムに沿ってインクの供給部(例えば、ノズル)の位置およびインクの供給・停止を制御することにより、任意かつ高精度の形状パターンを印刷することができ、しかも形状パターンの各部を任意の厚さに形成することができる。従って、硬化したインク自体で必要な動圧発生部形状を確保することができ、硬化後にはそのまま動圧発生部として利用することが可能となる。
【0015】
また、微量インクは、素材に対して非接触の状態でインク供給部から供給されるため、高精度の印刷が可能となる一方、従来方法で問題となる接触部での摩耗による精度低下を回避することができる。また、印刷型にインクを余分に供給してから、スキージにより余分なインクを除去する必要がなく、必要箇所のみにインクが使用されるので、インクは動圧発生部の形成に関与するだけの使用量で足り、インクの使用量を削減することができる。さらに印刷型は不要で、かつ軸部材の回転に応じて印刷型を移動させる機構も不要となるので、成形装置を簡略化できる。
【0016】
なお、インクの硬化方法は特に問わず、熱硬化の他、例えば電子線や光線等の照射で硬化させることもできる。特にコスト面や作業環境等を考慮すると、インクとして光硬化性のものを使用し、光線の照射でインクを硬化させるのが望ましい。光硬化性のインクとしては、紫外線硬化タイプや赤外線硬化タイプの他、可視光硬化タイプのインクも使用することができるが、低コストでかつ短時間で硬化させることができる紫外線硬化タイプが特に望ましい。
【0017】
第二軸受部の軸受隙間は、回転側の平滑面と固定側の平滑面との間に形成される。この場合、回転側の平滑面と固定側の平滑面との間には流体の潤滑膜が形成され、この潤滑膜で固定側の部材に対して回転側の部材が非接触支持される。一方、回転側の部材に振れが生じると、軸受隙間の流体潤滑膜が破断して平滑面同士が摺動接触する。なお、ここでいう平滑面は、流体の動圧作用を発生させるための凹凸のない滑らかな面を意味し、例えば上記流体軸受部がラジアル方向で回転側の部材を非接触支持する場合には、上記平滑面は真円状の円筒面となり、スラスト方向で回転側の部材を非接触支持する場合には、上記平滑面は軸方向と直交する方向の平面となる。
【0018】
第一軸受部と第二軸受部における軸受隙間の幅の差は、第一軸受部と第二軸受部との間で、回転側および固定側のうち、何れか一方(または双方)の部材に段差を形成することによって簡単に与えることができる。段差部分は当該部材と一体形成する他、別部材で形成することもできる。後者の場合、個々の軸受部で求められる機能に適合した別種の素材(例えば金属と樹脂等)で第一軸受部と第二軸受部の各軸受面を構成することができ、軸受性能のさらなる向上を図ることができる。
【0019】
動圧軸受装置は、軸部材と、内周に軸部材を挿入可能なスリーブ状部分を有する軸受部材とを最低限の構成要素とし、かつ両者を相対回転させるものである。この場合、例えば軸部材を回転側の部材として、軸受部材を固定側の部材として使用する他、これとは逆に、軸部材を固定側の部材として、軸受部材を回転側の部材として使用することもできる。何れの構成でも、動圧発生部を形成する際の作業性を考えると、軸部材の外周に動圧発生部を形成するのが望ましい。
【0020】
成形コスト、強度等を考慮すると、軸受部材は焼結金属で形成するのが望ましい。このように軸受部材を焼結金属で形成し、樹脂製の動圧発生部を軸部材の表面に形成する場合、焼結金属と摺動する樹脂製の動圧発生部の耐摩耗性が特に問題となるが、本発明によれば、上述のように樹脂製動圧発生部が焼結金属製の軸受部材内周面と摺動接触することはほとんどなく、この種の問題を回避することができる。
【0021】
上記構成の動圧軸受装置は、高い回転精度と耐久性を具備し、ロータマグネットとステータコイルとを有するモータ、例えばHDD用のスピンドルモータ等に好ましく用いることができる。
【発明の効果】
【0022】
以上より、本発明によれば、高い耐久性と信頼性とを具備する動圧軸受装置を低コストに提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0024】
図1は、情報機器用スピンドルモータの一構成例を概念的に示している。この情報機器用スピンドルモータは、HDD等のディスク駆動装置に用いられるもので、動圧軸受装置1と、動圧軸受装置1の軸部材2に取り付けられたディスクハブ3と、例えば半径方向のギャップを介して対向させたステータコイル4およびロータマグネット5と、ブラケット6とを備えている。ステータコイル4はブラケット6の外周に取り付けられ、ロータマグネット5は、ディスクハブ3の内周に取り付けられている。ディスクハブ3は、その外周に磁気ディスク等のディスクDを一枚または複数枚保持する。ブラケット6の内周にハウジング7が装着されている。ステータコイル4に通電すると、ステータコイル4とロータマグネット5との間に発生する電磁力でロータマグネット5が回転し、それに伴ってディスクハブ3、軸部材2が回転する。
【0025】
図2は、上記スピンドルモータで使用される動圧軸受装置1の一例を示すものである。この動圧軸受装置1は、回転中心に軸部2aを有する軸部材2と、軸部2aをその内周に挿入可能なスリーブ状の軸受部材8と、軸受部材8を内周に固定した有底筒状のハウジング7と、ハウジング7の一端開口をシールするシール部材9とを主な構成部材として備えている。なお、以下では、説明の便宜上、シール部材9によってシールされる側を上側、その軸方向反対側を下側として説明を行う。
【0026】
軸部材2は、ステンレス鋼等の金属材料で形成される軸部2aと、その一端に一体または別体に設けられた同じくステンレス鋼等の金属材料で形成されるフランジ部2bとで構成される。軸部2aの外周面2a1には、動圧発生部として、例えば、ヘリングボーン形状に配列された動圧溝Abと、動圧溝Abを区画形成する区画部Aaとを含むラジアル軸受面Aが軸方向に離隔して2箇所形成される。上側のラジアル軸受面Aでは、動圧溝Abが軸方向中心mに対して軸方向非対称に形成されており、軸方向中心mより上側領域の軸方向寸法X1が下側領域の軸方向寸法X2よりも大きくなっている。そのため、軸部材2の回転時、動圧溝Abによる潤滑油の引き込み力(ポンピング力)は下側の対称形のラジアル軸受面Aに比べ上側のラジアル軸受面で相対的に大きくなる。また、図示は省略するが、フランジ部2bの上側端面2b1にはスパイラル形状に配列された複数の動圧溝を有する第1スラスト軸受面Bが、下側端面2b2にはスパイラル形状に配列された複数の動圧溝を有する第2スラスト軸受面Cがそれぞれ、例えばプレス加工により形成されている。
【0027】
本発明において、ラジアル軸受面Aの動圧溝パターンは、インクジェット法による印刷後、インクを硬化させて形成される。図3は動圧溝パターンの印刷・硬化を行う印刷装置の概要を示す。この印刷装置は、回転駆動される素材2a’の外周面2a1と対向させた一又は複数のノズルヘッド20と、ノズルヘッド20に対してその円周方向位置を異ならせて配置した硬化部21とを具備する。ノズルヘッド20には、インク22の微小液滴を吐出する複数のノズル24が軸方向に配設されている。硬化部21は、インク22を硬化させるための光を照射する光源で、例えば紫外線ランプが使用される。
【0028】
インク22は、例えば光硬化性樹脂、好ましくは紫外線硬化樹脂をベース樹脂とし、これに光重合開始材等を添加し、さらに必要に応じて有機溶媒を配合して調製される。紫外線硬化樹脂としては、ラジカル重合性モノマーやラジカル重合性オリゴマー、カチオン重合系モノマーの他、イミドアクリレート、あるいは環状ポリエン化合物やポリチオール化合物に代表されるエン・チオール化合物が挙げられるが、この中でもラジカル重合性モノマーやラジカル重合性オリゴマー、カチオン重合系モノマーを好ましく使用することができる。
【0029】
動圧溝パターンの印刷は、図3に示すように、素材2a’を支持部23で両端支持しつつ回転させながら、ノズルヘッド20のノズル24からインク22を吐出することによって行われる。これにより、インク22の微小液滴が素材2a’の外周面2a1の所定位置に着弾し、この微小液滴の集合体で凸状の区画部Aaが形成されると共に、インクで被覆されていない部分で動圧溝Abが形成される。印刷された動圧溝パターンは素材2a’の回転に伴って硬化部21の対向領域(硬化工程)に達し、紫外線の照射を受けたインク22の重合反応により順次硬化する。動圧溝パターンの印刷および硬化は、素材2’を1回転させる間に完了させる他、2回転〜数十回転させる間に徐々に進行させる形で行うこともできる。この際、ノズルヘッド20を固定位置に配して動圧溝パターンを印刷する他、軸方向にスライドさせながら印刷してもよい。また、図4に示すように複数の素材2a’を直列に結合し、これらを同時回転させながら一または複数のノズルヘッド20を軸方向にスライドさせて各素材2a’に動圧溝パターンを印刷することもできる。この場合、素材2a’同士の同軸度の確保は、例えば一方の軸端に設けた凸部2a2を他方に設けた凹部に嵌合させることにより行われる。
【0030】
このようにインクジェット法による印刷およびその硬化を経て形成された動圧溝パターンは、レース加工等の後加工を経ることなく、そのままラジアル軸受面Aとして使用することが可能となる。
【0031】
ハウジング7は、略円筒状の側部7bと、側部7bの一端開口を封口する略円盤状の底部7cとで構成されている。側部7bと底部7cは、例えば、ステンレス鋼や黄銅等の金属材料、あるいは樹脂材料で一体又は別体に形成される。この実施形態で側部7bと底部7cとは金属材料で別体として形成され、底部7cは側部7bの下端部に接着、圧入、レーザ溶接等の適宜の手段で固定されている。
【0032】
軸受部材8は、黄銅、アルミニウム合金、ステンレス鋼等の非孔質金属、多孔質の焼結金属、あるいは樹脂材料を用いて、内周面に段差17を有する略円筒形状に一体形成される。特に摺動特性を重視する場合、軸受部材8は軸部材2の軸部2aと同じ材料(軸部材2がステンレス鋼製であればステンレス鋼で製作する)で形成するのが望ましい。図示例の段差17は軸受部材8の上端一箇所に形成され、軸受部材8の内周面はこの段差17を境として、小径内周面8a2と大径内周面8a1とに区画される。小径内周面8a2、および大径内周面8a1は、何れも凹凸のない真円状の円筒面として形成されている。なお、図2では、理解の容易化のため、段差17の大きさを誇張して描いているが、段差の大きさは2μm〜20μm程度が適当である。この数値範囲の下限値は、必要となる動圧溝深さから定められ、上限値は、動圧溝Abをインクジェット印刷する場合の印刷・硬化作業性、描画パターン精度等から定められる。段差17は、軸方向と直交する方向の平面とする他、テーパ面状に形成することもできる。
【0033】
ハウジング7の開口部7aの内周には、金属材料あるいは樹脂材料で形成された環状のシール部材9が圧入、接着等の手段で固定されている。シール部材9の内周面9aは、軸方向上方に向かって漸次拡径するテーパ状をなし、軸部2aの外周面と所定容積のシール空間Sを介して対向する。また、シール部材9の下側端面9bは軸受部材8の上側端面8cと当接している。動圧軸受装置の組立後、シール部材9で密封された動圧軸受装置1の内部空間には、流体として例えば潤滑油(散点模様で示す)が充満され、この状態では、潤滑油の油面はシール空間Sの範囲内に維持される。なお、部品点数の削減および組立工数の削減のため、シール部材9をハウジング7と一体形成することもできる。あるいは、シール部材9を省略して、軸受部材8の内周面の上端部側領域をわずかに大径に形成し、この大径に形成した領域の内径側に所定容積のシール空間が形成されるようにしても良い。
【0034】
上記構成の動圧軸受装置1において、回転側の部材、例えば軸部材2が回転すると、軸部2aの外周面2a1に形成された二つのラジアル軸受面Aは、それぞれ軸受部材8の大径内周面12aとラジアル軸受隙間を介して対向する。軸部材2の回転に伴い、各ラジアル軸受隙間に満たされた潤滑油が動圧作用を発生し、その圧力によって軸部材2がラジアル方向に回転自在に非接触支持される。これにより、軸部材2をラジアル方向に回転自在に非接触支持するラジアル軸受部R1、R2が形成される。このラジアル軸受部R1、R2は、軸方向に離隔した二つの動圧軸受からなる第一軸受部14を構成する。
【0035】
同時に、軸受部材8の小径内周面8a2とこれに対向する軸部2aの外周面2a1との間のラジアル軸受隙間に潤滑油膜が形成され、この潤滑油膜によって軸部材2がラジアル方向に回転自在に非接触支持される。これにより、真円軸受からなる第二軸受部15が構成される。軸部2aの外周面2a1は、軸受部材8の小径内周面8a2および大径内周面8a1との対向領域を問わず同径であるので、上記段差17の存在により、第二軸受部15でのラジアル軸受隙間の幅W2は、第一軸受部14のラジアル軸受隙間の幅W1(凸状の区画部Aaの外周面と大径内周面8a1との間の距離)よりも小さくなる(W2<W1)。
【0036】
以上に述べた第一軸受部14および第二軸受部15により、軸部材2をラジアル方向に非接触支持するラジアル方向の流体軸受部Frが構成される。
【0037】
また、フランジ部2bの上側端面2b1に形成されたスラスト軸受面Bは、スラスト軸受隙間を介して軸受部材8の下側端面8bと対向し、フランジ部2bの下側端面2b2に形成された第2スラスト軸受面Cは、第2スラスト軸受隙間を介して底部材7cの上側端面7c1と対向する。軸部材2の回転に伴い、両スラスト軸受隙間に満たされた潤滑油が動圧作用を発生し、その圧力によって軸部材2がスラスト方向に回転自在に非接触支持される。これにより、軸部材2をスラスト両方向に回転自在に非接触支持するスラスト軸受部T1、T2がスラスト方向の流体軸受部Ftとして形成される。
【0038】
なお、この動圧軸受装置1では、軸部材2の回転中は潤滑油がハウジング7の底部側に押し込まれるため、このままではスラスト軸受部T1、T2のスラスト隙間隙間での圧力が極端に高まり、これに起因して潤滑油中での気泡の発生や潤滑油の漏れ、あるいは振動の発生が懸念される。この場合、軸受部材8の外周面8d及びシール部材9の下側端面9bにスラスト軸受隙間(特にスラスト軸受部T1のスラスト軸受隙間)とシール空間Sを連通する循環路13a、13bを設ければ、この循環路13a、13bを通って潤滑油がスラスト軸受隙間とシール空間Sとの間で流動するため、かかる圧力差が早期に解消され、上記の弊害を防止することができる。なお、循環路13aをハウジング7の内周面に、循環路13bを軸受部材8の上側端面8cに形成することもできる。
【0039】
本発明においては、上述のように真円軸受からなる第二軸受部15でのラジアル軸受隙間の幅W2が、動圧軸受からなる第一軸受部14でのラジアル軸受隙間の幅W1よりも小さい。そのため、軸受装置の起動・停止時、あるいは軸受装置運転中における軸部材2の振れ回りの際には、軸受隙間幅の小さい第二軸受部15で軸部材2と軸受部材8の摺動接触が生じ、第一軸受部14での両部材の摺動接触は回避される。従って、第一軸受部14のラジアル軸受面Aに形成した樹脂製区画部Aaの摩耗を抑制することができ、これによりラジアル軸受面Aでの動圧作用の低下を防止して、長期間所期の軸受性能を維持することが可能となる。特に軸受部材8を焼結金属で形成した場合、焼結金属との摺動接触による樹脂製区画部Aaの摩耗の進行が問題となるが、本発明によればかかる不具合を解消することもできる。
【0040】
また、インクジェット法による印刷では、従来のスクリーン印刷機のように印刷型と素材2a’との接触部分を持たないから、接触部分での摩耗による印刷精度の低下を回避することができ、量産時にも安定して動圧溝精度を確保することができる。さらに印刷型や印刷型を保持するための印刷用スクリーン等が不要であり、かつ素材2a’の回転に応じて印刷型を移動させる機構も不要となるので、成形装置の構造を簡素化することができる。また、インクは動圧溝パターンの形成に関与するだけの使用量で足りるので、スキージを必要とする従来装置に比べ、インクの使用量を削減して低コスト化を図ることもできる。
【0041】
また、印刷工程と硬化工程とがタイムラグなく連続して行われるため、効率良く動圧発生部が形成できることに加え、最初の印刷部分は硬化部21からの紫外線照射で硬化された上でノズルヘッド20の対向位置に戻るので、硬化不十分なインクが重なって動圧溝パターンをくずすような事態も回避することができる。さらにノズルヘッド20と硬化部21とを軸部材2を挟む対向位置に配置しているので、硬化部21から照射される紫外線は素材2a’に遮蔽されているため、紫外線の硬化作用がノズル24におよぶことはなく、従って照射紫外線によるノズル24の目詰まり等を防止することができる。
【0042】
以上の作用効果から、本発明によれば、高い回転精度と耐久性を備えた動圧軸受装置1を低コストに提供することが可能となる。
【0043】
以上の説明では、ラジアル軸受面Aのみをインクジェット法を用いて印刷成形する場合を例示しているが、フランジ部2bに形成された第1スラスト軸受面Bおよび第2スラスト軸受面Cを同じくインクジェット法を用いて印刷成形することもできる。なお、第1スラスト軸受面Bを軸受スリーブ8の下側端面8bに、第2スラスト軸受面Cをハウジング7の底部7cの上側端面7c1に形成することもできる。
【0044】
本発明は、上記構成を有する動圧軸受装置に限らず、他の構成を有する動圧軸受装置にも同様に適用することができる。以下、図5〜図7に基づき、かかる観点から本発明の他の実施形態を説明するが、図2に示す実施形態と同一機能を奏する部材および要素には、同一記号を付与し、重複説明を省略する。なお、以下に説明する何れの実施形態においても、軸部材2の軸部2aの外周面2a1には、上記インクジェット法による印刷工程および硬化工程を経て動圧発生部を有するラジアル軸受面Aが形成されている。
【0045】
図5に示す動圧軸受装置1は、シール空間Sがハウジング7の外径側に形成されている点、および第2のスラスト軸受部T2がハウジング側部7bの上側端面7b1と、ディスクハブ3の下側端面3a1との間に形成されている点で、図2に示す実施形態と異なる。
【0046】
この動圧軸受装置1においても、ラジアル方向の流体軸受部Frとして、二つの動圧軸受R1、R2からなる第一軸受部14と真円軸受からなる第二軸受部15とが形成される。軸受部材8の内周面8aに段差17を形成して、第二軸受部15の軸受隙間を第一軸受部14の軸受隙間よりも小さくすることにより、図2に示す実施形態と同様に、軸部2aの外周面2a1に形成された樹脂製の区画部Aaの摩耗を防止または抑制することができる。
【0047】
図6に示す動圧軸受装置1は、軸部材2のフランジ部2bが軸受部材8の上方に配置されている点、軸部材2を一つのスラスト軸受部Tでスラスト方向に非接触支持する点で図2に示す実施形態と異なる。スラスト軸受部Tのスラスト軸受隙間は、フランジ部2bの下側端面2b2と軸受部材8の上側端面8cとの間に形成され、動圧溝を有するスラスト軸受面Bは、例えば軸受部材8の上側端面8cに形成される。シール部材9の下側端面9bはフランジ部2bの上側端面2b1と軸方向隙間を介して対向しており、軸部材2が上方へ変位した際には、フランジ部2bの上側端面2b1がシール部材9の下側端面9bと係合し、軸部材2の抜け止めがなされる。
【0048】
この動圧軸受装置1においても、ラジアル方向の流体軸受部Frとして、二つの動圧軸受R1、R2からなる第一軸受部14と真円軸受からなる第二軸受部15とが形成される。軸受部材8の内周面に段差17を形成して、第二軸受部15の軸受隙間を第一軸受部14の軸受隙間よりも小さくすることにより、図2に示す実施形態と同様に、軸部2aの外周面2a1に形成された樹脂製の区画部Aaの摩耗を防止または抑制することができる。
【0049】
図7は、動圧軸受装置の他の実施形態を示すものである。この実施形態に示す動圧軸受装置が上記のものと大きく異なる点は、上記何れの動圧軸受装置1でも用いられていたハウジング7を軸受部材8と一体化することで、部品点数および組立工数の削減を通じて更なる低コスト化を図った点にある。この軸受部材8の外周面は、大径外周面8d1と、その上下の小径外周面8d2、8d3とからなり、大径外周面8d1が図1に示すブラケット6の内周面に固定される。下側の小径外周面8d2には軸受部材8の下端開口を閉塞する蓋部材17が固定され、上側の小径外周面8d3にはシール部材9が固定されている。第二スラスト軸受部T2のスラスト軸受隙間は、蓋部材18の上側端面181とフランジ部2bの下側端面2b2との間に形成される。
【0050】
この動圧軸受装置1においても、ラジアル方向の流体軸受部Frとして、二つの動圧軸受R1、R2からなる第一軸受部14と真円軸受からなる第二軸受部15とが形成される。軸受部材8の内周面に段差17を形成して、第二軸受部15の軸受隙間を第一軸受部14の軸受隙間よりも小さくすることにより、図2に示す実施形態と同様に、軸部2aの外周面2a1に形成された樹脂製の区画部Aaの摩耗を防止または抑制することができる。
【0051】
図8は、図2に示す実施形態において、段差17を軸受部材8の内周面ではなく、軸部材2の軸部2aの外周面2a1に形成した例である。軸部2aの外周面には、段差21を介して小径外周面2a11と大径外周面2a12とが形成される。小径外周面2a11に動圧溝Abを有するラジアル軸受面Aが形成され、この小径外周面2a11とこれに対向する軸受部材8の内周面との間に第一軸受部14(動圧軸受)のラジアル軸受隙間が形成される。大径外周面2a12は真円状の円筒面に形成され、この大径外周面2a12とこれに対向する軸受部材8の内周面との間に第二軸受部15(真円軸受)のラジアル軸受隙間が形成される。軸受部材の内周面は、均一径である。以上の構成から、図2に示す実施形態と同様に、第二軸受部15のラジアル軸受隙間の幅W2が、第一軸受部14のラジアル軸受隙間の幅W1よりも小さくなり(W2<W1)、これにより、軸部2aの小径外周面2a11に形成された樹脂製の区画部Aaの摩耗を防止または抑制することが可能となる。
【0052】
この他、軸受部材8の内周面および軸部材2の外周面の双方に段差17を形成して上記ラジアル軸受隙間の幅W1、W2の差を形成することもできる。
【0053】
さらに段差17は、図2〜図8に示すように軸受部材8または軸部材2の一箇所のみに設ける他、例えば軸方向に離隔した二箇所以上に設け、これにより第二軸受部15を軸方向の二箇所以上に形成することもできる。具体例として、例えば第一軸受部14の軸方向両側に第二軸受部15を配置した構成が考えられる(図示省略)。
【0054】
軸受部材8に段差17を設ける場合、図9(a)(b)に示すように、段差17を軸受部材8とは別部材(段差形成部材19)で形成することもできる。このうち、図9(a)は、段差形成部材19を軸受部材8の内径側に固定した例であり、図9(b)は、軸受部材8の外径側に固定した例である。何れの構成でも、軸受部材8と段差形成部材19とを別材料で形成することができるため、第一および第二軸受部14、15を、それぞれで求められる機能に適合した素材、例えば第一軸受部14のラジアル軸受隙間と対向する軸受部材8を樹脂製とし、第二軸受部15のラジアル軸受隙間と対向する段差形成部材19をステンレス鋼等の金属製とすることもできる。この場合、軸受部材8は金属と樹脂の複合品となるが、これはインサート成形(アウトサート成形も含む)により精度よくかつ低コストに量産することができる。
【0055】
図10は、本発明をスラスト方向の流体軸受部Ftに適用した実施形態を示すものである。例えば図示のように、ハウジング7の底部7cにスラスト軸受面Cが形成され、このスラスト軸受面Cとフランジ部2bの下側端面2b2との間にスラスト軸受部T2のスラスト軸受隙間が形成される場合、底部7cの外径部に段差17が形成される。この段差17により、底部7cの上側端面7c1は、段差17の内径側の第一端面71と段差17の外径側の第二端面72とに区画され、かつ第二端面72は第一端面71よりもフランジ部2bへの接近方向側に配置される。第一端面71には、例えばスパイラル形に配列した動圧溝Cbを有するスラスト軸受面Cが形成され、このスラスト軸受面Cとこれに対向するフランジ部2bの下側端面2b2との間に第一軸受部14のスラスト軸受隙間が形成される。また、第二端面72は凹凸のない平面(平滑面)として形成され、この第二端面72とこれに対向するフランジ部2bの下側端面2b2(平滑面)との間に第二軸受部15のスラスト軸受隙間が形成される。
【0056】
この時、第二軸受部15のスラスト軸受隙間の幅W2は、第一軸受部14のスラスト軸受隙間の幅W1よりも小さくなるので(W2<W1)、図2に示す実施形態と同様に、スラスト軸受面Cの樹脂製区画部Caの摩耗を防止または抑制することができ、スラスト軸受面Cでの動圧作用を長期間維持して軸受装置の耐久性・信頼性の向上を図ることが可能となる。
【0057】
もちろんフランジ部2bの上側端面と軸受部材8の下側端面8bとの間にスラスト軸受隙間を有するスラスト軸受部T1についても、同様の構成を採用することができる。また、スラスト軸受面B、Cをフランジ部2bの端面2b1、2b2に形成する場合にも同様の構成を採用することができる。
【0058】
ところで、以上に示した軸受面A、B、Cに形成される動圧発生部の形状は一例にすぎず、インクジェット法により印刷可能な形状であれば、これ以外の動圧溝形状(例えばスパイラル形やヘリングボーン形)に対応した動圧溝パターンを動圧発生部として形成することができる。ラジアル軸受面Aには、この他にも、軸方向の動圧溝を円周方向の複数箇所に形成したいわゆるステップ状の動圧発生部、さらには、円周方向に複数の円弧面を形成したいわゆる多円弧状の動圧発生部を形成することもできる。また、スラスト軸受面には、動圧発生部として、上記のスパイラル形状等に配列された動圧溝を有する動圧発生部の他、例えばステップ状の動圧発生部、いわゆる波型状(ステップ型が波型になったもの)の動圧発生部を形成することもできる。
【0059】
一例として、ラジアル軸受面Aに多円弧状の動圧発生部を形成した第一軸受部14の構造を図11〜図13に例示する。この場合、軸部材2の軸部2a外周面に上記インクジェット法による印刷工程、およびその硬化工程を経て複数の円弧面2a3および軸方向の分離溝2a4が形成される。各円弧面2a3は、回転軸心Oからそれぞれ等距離オフセットした点を中心とする偏心円弧面であり、円周方向で等間隔に形成される。この軸部2aを軸受部材8の内周面8aに挿入することにより、軸部2aの偏心円弧面2a3および分離溝2a4との間に、ラジアル軸受部R1、R2の各ラジアル軸受隙間がそれぞれ形成される。ラジアル軸受隙間のうち、偏心円弧面2a3と対向する領域は隙間幅を円周方向の一方向で漸次縮小させたくさび状隙間となる。軸部材2をくさび状隙間の縮小方向に回転させると、くさび状隙間の縮小側に押し込まれた潤滑油の圧力が上昇するため、この動圧作用によって動圧軸受からなるラジアル軸受部R1、R2が構成される。
【0060】
この場合、第二軸受部15のラジアル軸受隙間の幅W2(図2参照)を、くさび状隙間の最小幅よりも小さくすることにより、図2に示す実施形態と同様の効果が得られる。
【0061】
図12は、図11に示す構成において、各偏心円弧面2a3の最小隙間側の所定領域θをそれぞれ回転軸心Oを中心とする同心の円弧で構成したものであり、テーパ・フラット軸受と称されることもある。この場合、各所定領域θにおいてラジアル軸受隙間の幅が一定となるので、第二軸受部15の軸受隙間の幅W2をこの幅よりも小さくすることにより、図2に示す実施形態と同様の効果が得られる。
【0062】
図13は、軸部2aの外周面のラジアル軸受面を複数の円弧面2a3で形成したものである。各円弧面2a3の中心は、回転軸心Oから等距離オフセットされている。この場合、ラジアル軸受隙間は円周方向の両方向でそれぞれ漸次縮小した形状を有している。この場合も、第二軸受部15のラジアル軸受隙間の幅W2を、くさび状隙間の最小幅よりも小さくすることにより、図2に示す実施形態と同様の効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】動圧軸受装置を組み込んだモータの一例を示す断面図である。
【図2】本発明の構成を有する動圧軸受装置の断面図である。
【図3】インクジェット方式の印刷装置の一例を示す正面図である。
【図4】インクジェット方式の印刷装置の他形態を示す正面図である。
【図5】動圧軸受装置の他の形態を示す断面図である。
【図6】動圧軸受装置の他の形態を示す断面図である。
【図7】動圧軸受装置の他の形態を示す断面図である。
【図8】動圧軸受装置の他の形態を示す断面図である。
【図9】軸受部材の他の実施形態を示す断面図である。
【図10】本発明の構成を有する動圧軸受装置の断面図である。
【図11】ラジアル軸受部の他の形態を示す断面図である。
【図12】ラジアル軸受部の他の形態を示す断面図である。
【図13】ラジアル軸受部の他の形態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0064】
1 動圧軸受装置
2 軸部材
2a 軸部
2a’ 素材
2b フランジ部
7 ハウジング
8 軸受部材
8a1 大径内周面
8a2 小径内周面
9 シール部材
11 小径部
12 大径部
13a、13b 循環路
14 第一軸受部
15 第二軸受部
17 段差
19 段差形成部材
20 ノズルヘッド
21 硬化部
22 インク
24 ノズル
A ラジアル軸受面
B スラスト軸受面
C スラスト軸受面
Aa 区画部
Ab 動圧溝
Ca 区画部
Cb 動圧溝
R1、R2 ラジアル軸受部
T、T1、T2 スラスト軸受部
S シール空間
Fr ラジアル方向の流体軸受部
Ft スラスト方向の流体軸受部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転側の部材と、固定側の部材と、回転側の部材と固定側の部材との間に軸受隙間を備え、当該軸受隙間に生じた流体の動圧作用で、軸部材をラジアル方向およびスラスト方向の少なくとも何れか一方向で非接触支持する流体軸受部とを有する動圧軸受装置において、
流体軸受部が、軸受隙間に動圧作用を生じさせるための樹脂製の動圧発生部を備えた第一軸受部と、第一軸受部よりも軸受隙間の幅を小さくした第二軸受部とを有する動圧軸受装置。
【請求項2】
動圧発生部が、微量インクの集合体を硬化させて形成されている請求項1記載の動圧軸受装置。
【請求項3】
第二軸受部の軸受隙間が、回転側の平滑面と固定側の平滑面との間に形成されている請求項1記載の動圧軸受装置。
【請求項4】
第一軸受部と第二軸受部における軸受隙間の幅の差を、回転側の部材および固定側の部材のうち、少なくとも何れか一方の部材に設けた段差で与えた請求項1記載の動圧軸受装置。
【請求項5】
前記段差が別部材によって形成されている請求項4記載の動圧軸受装置。
【請求項6】
回転側および固定側の部材のうち、何れか一方が軸部材で、他方が内周に軸部材を挿入可能のスリーブ状の軸受部材であり、軸部材の外周に上記動圧発生部を形成した請求項1記載の動圧軸受装置。
【請求項7】
軸受部材が焼結金属で形成されている請求項6記載の動圧軸受装置。
【請求項8】
請求項1〜7の何れかに記載した動圧軸受装置と、ステータコイルと、ロータマグネットとを有するモータ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−226365(P2006−226365A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−39384(P2005−39384)
【出願日】平成17年2月16日(2005.2.16)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】