説明

動画ボケ改善のための信号処理

【課題】画像表示装置で発生する動画ボケを、表示画像の輝度レベルの減衰を抑制しつつ改善する。
【解決手段】画像メモリは入力される複数フレームの入力画像データを順次記憶する。書き込み制御部は前記画像メモリへの書き込みを制御する。読出制御部は前記画像メモリからの読み出しを制御する。駆動画像データ制御部は前記画像メモリから順次読み出された読出画像データから前記駆動画像データを生成する。前記駆動画像データ生成部は、前記読出画像データの少なくとも一部をマスクデータに置き換えて前記駆動画像データを生成る。前記マスクデータの表す画素値は、前記マスクデータに置き換えられる画素に対応する前記読出画像データの表す画素値に応じて決定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、液晶表示装置に代表される蓄積型表示装置における動画像のボケを改善する信号処理技術に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶パネルを用いた液晶表示装置の普及が進んでいる。この液晶表示装置は、各画素が蓄積型の表示素子で構成される画像表示装置(以下、「蓄積型表示装置」と呼ぶ)である。蓄積型表示装置は、信号周波数の高域での応答特性が低下する低域通過型の時間周波数特性を有しているため、例えば、液晶表示装置で動画像を表示する場合、動画像中の物体の移動速度に応じて画像にボケ(以下、「動画像のボケ」あるいは「動画ボケ」と呼ぶ)が発生するという問題がある。また、蓄積型表示装置で動画像を表示する場合、人間の目が蓄積型表示装置上を動く物体を観測した際に網膜上に残像が起こることにより、動画像のボケが発生するという問題がある。
【0003】
この問題を解決する手法として、例えば、下記の特許文献1に記載したものが知られている。
【0004】
【特許文献1】特開2002−132220号公報
【0005】
上記手法では、フレームメモリに順次格納される各フレームの原画像の画像データを、各フレーム周期の2倍速で2回読み出すことにより、それぞれ第1フィールドおよび第2フィールドの2つの映像信号を生成し、第1フィールドの映像信号による画像の表示と第2フィールドの映像信号による画像の表示とにより、各フレームの原画像に対応する画像を表示している。また、第1フィールドでは、複数の水平ラインのうち偶数番目の水平ラインの画像データを黒色の画像データ(黒画像データ)に置き換えた映像信号を生成し、生成した第1フィールドの映像信号に対応する画像を表示する。一方、第2フィールドでは、奇数番目の水平ラインの画像データを黒画像データに置き換えた映像信号を生成し、生成した第2フィールドの映像信号に対応する画像を表示している。このようにして表示される画像のある水平ラインについて着目すると、その水平ライン中の各画素では、あるフィールドにおいて本来の画像データの表す画像を表示する場合に、その前のフィールドにおいて必ず黒画像を表示させることになる。これにより、その水平ライン中の各画素を、先に表示していた画像に対応する状態から、一旦黒画像を表示する状態にリセットしてから、次の画像を表示させることができるので、先に表示していた状態の影響をキャンセルすることができ、動画ボケを改善することができる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記手法の場合、各フィールドにおいて、それぞれ半分の水平ラインの画素が黒画像とされるため、1フレームの表示画像の輝度は、1フレームの原画像の輝度に対して理論的に半分の輝度に減衰することになる。
【0007】
この発明は、従来技術における上述の課題を解決するためになされたものであり、上述した液晶表示装置のような蓄積型表示装置で発生する動画ボケを、表示画像の輝度レベルの減衰を抑制しつつ改善する技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的の少なくとも一部を達成するために、本発明の画像データ処理装置は、
画像表示装置を駆動するための駆動画像データを生成する画像データ処理装置であって、
入力される複数フレームの入力画像データを順次記憶する画像メモリと、
前記画像メモリへの書き込みを制御する書込制御部と、
前記画像メモリからの読み出しを制御する読出制御部と、
前記画像メモリから順次読み出された読出画像データから前記駆動画像データを生成する駆動画像データ生成部と、を備え、
前記駆動画像データ生成部は、前記読出画像データの少なくも一部をマスクデータに置き換えて前記駆動画像データを生成し、
前記マスクデータの表す画素値は、前記マスクデータに置き換えられる画素に対応する前記読出画像データの表す画素値に応じて決定されることを特徴とする。
【0009】
上記画像データ処理装置によれば、読出画像データの少なくとも一部をマスクデータに置き換えて前記駆動画像データを生成することにより、画像表示装置で発生する動画ボケを改善することができる。また、読出画像データに置き換えられるマスクデータの表す画素値は、置き換えられる画素に対応する読出画像データの表す画素値に応じて決定されるため、画像表示装置で表示される画像の輝度レベルの減衰を抑制することができる。
【0010】
特に、前記マスクデータは、前記読出画像データの表す画像全体の動き量に応じて決定される所定のパラメータに基づいて、前記マスクデータに置き換えられる画素に対応する前記読出画像データを演算処理することにより生成されることが好ましい。
【0011】
このようにすれば、画像の動き量に応じてマスクデータを生成することができるので、画像の動き量に応じて効果的に動画ボケを改善することができる。
【0012】
なお、前記所定のパラメータは、前記マスクデータの前記対応する読出画像データの画素値に対する比率が、0から1までの範囲内で、かつ、前記動き量が大きくなるに従って小さく、前記動き量が小さくなるに従って大きくなるように、設定されていることが好ましい。
【0013】
こうすれば、画像の動き量に応じて効果的にマスクデータを生成することができる。
【0014】
ここで、前記動き量が所定量よりも大きい場合には、前記比率が1となるように前記所定のパラメータを設定することを特徴とする画像データ処理装置。
【0015】
こうすれば、所定量よりも大きい動き量の場合には、動画像ではなく静止画像として、画像を表示させることが可能である。
【0016】
なお、前記所定量は、眼球の追従運動の速度限界を示す限界視角速度に相当する大きさであることが好ましい。
【0017】
このようにすれば、動画像ではなく静止画像として画像を表示させる動き量を容易に設定することができる。
【0018】
上記画像データ処理装置において、前記駆動画像データ生成部は、前記画像表示装置で表示される画像のm本(mは1以上の整数)の水平ラインごとに、前記読出画像データと前記マスクデータとが交互に配置された駆動画像データであって、前記読出画像データと前記マスクデータとの配置順が互いに異なる第1と第2の駆動画像データを生成することが好ましい。
【0019】
上記のようにすれば、マスクデータが入力される画素では、マスクデータの表す画像が表示された後に新たな読出画像データの表す画像が表示される。このため、マスクデータが表示される前に表示されていた画像の影響を抑制して、新たな読出画像データの表す画像を表示することができるので、効果的に動画ボケを改善することができる。特に、垂直方向の移動を含む動画像に対して動画ボケを効果的に改善することができる。特に、m=1とすれば最も効果的である。
【0020】
さらに、前記画像表示装置で表示される画像の単位で、前記第1の駆動画像データと前記第2の駆動画像データとを交互に生成することが好ましい。
【0021】
上記のようにすれば、画像表示装置の各画素において、マスクデータの表す画像と読出画像データの表す画像とが交互に表示されることになるため、さらに効果的に動画ボケを改善することができる。
【0022】
また、上記画像データ処理装置において、前記画像データ生成部は、前記画像表示装置で表示される画像のn本(nは1以上の整数)の垂直ラインごとに、前記読出画像データと前記マスクデータとが交互に配置された駆動画像データであって、前記読出画像データと前記マスクデータとの配置順が互いに異なる第1と第2の駆動画像データを生成することが好ましい。
【0023】
上記のようにして駆動画像データを生成しても、効果的に動画ボケを改善することができる。特に、水平方向の移動を含む動画像に対して動画ボケを効果的に改善することができる。特に、n=1とすれば最も効果的である。
【0024】
さらに、前記駆動画像データ生成部は、前記画像表示装置で表示される画像の単位で、前記第1の駆動画像データと前記第2の駆動画像データとを交互に生成することが好ましい。
【0025】
上記のようにすれば、画像表示装置の各画素において、マスクデータの表す画像と読出画像データの表す画像とが交互に表示されることになるため、さらに効果的に動画ボケを改善することができる。
【0026】
また、上記画像データ処理装置において、前記駆動画像データ生成部は、前記画像表示装置で表示される画像の水平方向にp画素(pは1以上の整数)で垂直方向にq画素(qは1以上の整数)のブロック単位で、前記水平方向および前記垂直方向に前記読出画像データと前記マスクデータとが交互に配置された駆動画像データであって、前記読出画像データと前記マスクデータとの配置順が互いに異なる第1と第2の駆動画像データを生成することが好ましい。
【0027】
上記のようにすれば、水平方向だけでなく垂直方向の移動を含む動画像に対しても動画ボケを効果的に改善することができる。特に、p=q=1とすれば最も効果的である。
【0028】
さらに、前記駆動画像データ生成部は、前記画像表示装置で表示される画像の単位で、前記第1の駆動画像データと前記第2の駆動画像データとを交互に生成することが好ましい。
【0029】
上記のようにすれば、画像表示装置のマスクデータが入力される画素では、マスクデータの表す画像と読出画像データの表す画像とが交互に表示されることになるため、さらに効果的に動画ボケを改善することができる。
【0030】
また、上記画像データ処理装置において、前記駆動画像データ生成部は、前記画像表示装置で表示される画像の、各水平ラインに並ぶr個(rは3以上の整数)の画素につき連続するs個(sはrの約数)の画素に前記マスクデータが配置されるとともに、前記r個の画素に対する前記s個の画素の位置はt本(tは1以上の整数)の前記水平ラインごとに交互にずれた位置とされる駆動画像データであって、前記マスクデータの配置位置が互いに異なる第1ないし第(r/s)の駆動画像データを生成することも好ましい。
【0031】
上記のようにしても、水平方向だけでなく垂直方向の移動を含む動画像に対しても動画ボケを効果的に改善することができる。
【0032】
さらに、前記駆動画像データ生成部は、前記画像表示装置で表示される画像の単位で、前記第1ないし第(r/s)の駆動画像データを順に生成することが好ましい。
【0033】
上記のようにすれば、画像表示装置の各画素において、第1ないし第(r/s)の駆動画像データが生成される(r/s)回に1回の割合で、マスクデータの表す画像が繰り返し表示されることになるため、さらに効果的に動画ボケを改善することができる。
【0034】
また、上記画像データ処理装置において、前記駆動画像データ生成部は、前記駆動画像データとして、前記画像表示装置で表示される画像の全体が前記読出画像データである第1の駆動画像データと、前記画像表示装置で表示される画像の全体が前記マスクデータである第2の駆動画像データとを生成することも好ましい。
【0035】
上記のようにして駆動画像データを生成しても、水平方向だけでなく垂直方向の移動を含む動画像に対しても動画ボケを効果的に改善することができる。
【0036】
なお、上記各画像データ処理装置において、前記読出画像データは、前記複数フレームの入力画像データが入力されるフレームレートの複数倍のレートで前記画像メモリから読み出されるようにすることが好ましい。
【0037】
このようにすれば、フリッカを抑制して効果的に駆動画像データを生成することができる。
【0038】
また画像全体の動き量に応じてマスクデータを生成する場合において、前記駆動画像データ生成部は、前記画像表示装置の射出光量を制御する調光部により前記画像表示装置の射出光量を調整するための調光データを、前記動き量に応じて生成することが好ましい。
【0039】
上記のようにすれば、動画ボケを改善するために発生した表示画像の輝度レベルの減衰を効果的に抑制することができる。
【0040】
なお、上記画像データ処理装置により、前記画像表示装置を備える画像表示システムを構成することができる。
【0041】
特に、上記画像表示システムにおいて、さらに、
前記画像表示装置の射出光量を制御する調光部、を備え、
前記駆動画像データ生成部は、前記調光部により前記画像表示装置の射出光量を調整するための調光データを、前記動き量に応じて生成することが好ましい。
【0042】
上記のようにすれば、動画ボケを改善するために発生した表示画像の輝度レベルの減衰に対して、画像表示装置の射出光量を調整することにより効果的に抑制することができる。
【0043】
なお、前記画像表示装置は、非発光型の表示装置であり、
前記調光部は、
前記画像表示装置を照明する照明光を射出する光源と、
前記光源の射出光量を前記調光データに応じて制御する制御部と、を備えることにより構成することができる。
【0044】
また、前記光源は主光源と副光源とを備えており、
前記制御部は、前記副光源の射出光量を制御することにより実現することもできる。
【0045】
なお、本発明は、上記した画像データ処理装置や画像表示システムなどの装置発明の態様に限ることなく、画像データ処理方法などの方法発明としての態様で実現することも可能である。さらに、方法や装置を構築するためのコンピュータプログラムとしての態様や、そのようなコンピュータプログラムを記録した記録媒体としての態様や、上記コンピュータプログラムを含み搬送波内に具現化されたデータ信号など、種々の態様で実現することも可能である。
【0046】
また、本発明をコンピュータプログラムまたはそのプログラムを記録した記録媒体等として構成する場合には、上記装置の動作を制御するプログラム全体として構成するものとしてもよいし、本発明の機能を果たす部分のみを構成するものとしてもよい。また、記録媒体としては、フレキシブルディスクやCD−ROM、DVD−ROM/RAM、光磁気ディスク、ICカード、ROMカートリッジ、パンチカード、バーコードなどの符号が印刷された印刷物、コンピュータの内部記憶装置(RAMやROMなどのメモリ)および外部記憶装置などコンピュータが読み取り可能な種々の媒体を利用できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下、本発明の実施の形態を実施例に基づいて以下の順序で説明する。
A.第1実施例:
A1.画像表示システムの全体構成:
A2.駆動画像データ生成部の構成および動作
A3.実施例の効果:
A4.駆動画像データ生成動作の変形例:
B.第2実施例:
C.第3実施例:
D.変形例:
【0048】
A.第1実施例:
A1.画像表示システムの全体構成:
図1は、この発明の第1実施例としての画像データ処理装置を適用した画像表示システムの構成を示すブロック図である。この画像表示システムDP1は、画像データ処理装置としての信号変換部10と、フレームメモリ20と、メモリ書込制御部30と、メモリ読出制御部40と、駆動画像データ生成部50と、動き量検出部60と、液晶パネル駆動部70と、CPU80と、メモリ90と、蓄積型表示装置としての液晶パネル100と、を備えるコンピュータシステムである。なお、この画像表示システムDP1は、一般的なコンピュータシステムに備える外部記憶装置やインタフェース等の種々の周辺装置を備えているが、ここでは図示を省略している。
【0049】
また、画像表示システムDP1はプロジェクタであり、光源ユニット110から射出された照明光を、液晶パネル100によって画像を表す光(画像光)に変換し、この画像光を投写光学系120を用いて投写スクリーンSC上で結像させることにより、投写スクリーンSC上に画像を投写する。なお、液晶パネル駆動部70は、画像データ処理装置ではなく、液晶パネル100とともに蓄積型表示装置に含まれるブロックとみることもできる。
【0050】
CPU80は、メモリ90に記憶されている制御プログラムや処理の条件を読み込んで実行することにより、各ブロックの動作を制御する。
【0051】
信号変換部10は、外部から入力される映像信号を、メモリ書込制御部30で処理可能な信号に変換するための処理回路である。例えば、アナログの映像信号の場合には、映像信号に含まれている同期信号に同期して、ディジタルの映像信号に変換する。
【0052】
メモリ書込制御部30は、信号変換部10から出力されたディジタルの映像信号に含まれている各フレームの画像データを、その映像信号に対応する書き込み用の同期信号WSNKに同期して、順にフレームメモリ20に書き込む。なお、書込用同期信号WSNKには、書込垂直同期信号や書込水平同期信号、書込クロック信号が含まれている。
【0053】
メモリ読出制御部40は、CPU80を介してメモリ90から与えられる読出制御条件に基づいて読み出し用の同期信号RSNKを生成するとともに、この読出同期信号RSNKに同期して、フレームメモリ20に記憶された画像データを読み出す。そして、メモリ読出制御部40は、読出画像データ信号RVDSおよび読出同期信号RSNKを駆動画像データ生成部50に向けて出力する。なお、読出同期信号RSNKには、読出垂直同期信号や読出水平同期信号、読出クロック信号が含まれている。また、読出垂直同期信号の周期は、フレームメモリ20に書き込まれる映像信号の書込垂直同期信号の周期(フレーム周期)の2倍速に設定されており、メモリ読出制御部40は、フレームメモリ20に記憶された画像データを、1フレーム周期の間に2回読み出して、駆動画像データ生成部50に向けて出力する。
【0054】
駆動画像データ生成部50は、メモリ読出制御部40から供給される読出画像データ信号RVDSおよび読出同期信号RSNKと、動き量検出部60から供給される動き量データ信号QMDSとに基づいて、液晶パネル駆動部70を介して液晶パネル100を駆動するための駆動画像データ信号DVDSを生成し、生成した駆動画像データ信号DVDSを液晶パネル駆動部70に向けて出力する。
【0055】
動き量検出部60は、フレームメモリ20に順次書き込まれる各フレームの画像データ(以下、「フレーム画像データ」とも呼ぶ)と、フレームメモリ20から読み出される各フレームの読出画像データ(後述する第1フィールドと第2フィールドに相当するフレームの読出画像データ)と、を比較することにより画像の動き量を検出し、検出した動き量を表す動き量データ信号QMDSを駆動画像データ生成部50に向けて出力する。なお、動き量の検出については後述する。
【0056】
液晶パネル駆動部70は、駆動画像データ生成部50から供給された駆動画像データ信号DVDSを液晶パネル100に供給可能な信号に変換して液晶パネル100に供給する。
【0057】
液晶パネル100は、供給された駆動画像データ信号に対応する画像を表す画像光を射出する。これにより、上記したように、液晶パネル100から射出された画像光の表す画像が投写スクリーンSC上に投写表示される。
【0058】
A2.駆動画像データ生成部の構成および動作:
図2は、駆動画像データ生成部50の構成の一例を示す概略ブロック図である。駆動画像データ生成部50は、マスク制御部510と、第1のラッチ部520と、マスクデータ生成部530と、第2のラッチ部540と、マルチプレクサ(MPX)550と、を備えている。
【0059】
マスク制御部510は、メモリ読出制御部40から供給された読出同期信号RSNKに含まれている読出垂直同期信号VS、読出水平同期信号HS、読出クロックDCK、および、フィールド選択信号FIELDに基づいて、第1のラッチ部520および第2のラッチ部540の動作を制御するラッチ信号LTSと、マルチプレクサ550の動作を制御する選択制御信号MXSを出力し、駆動画像データ信号DVDSの生成を制御する。なお、フィールド選択信号FIELDは、フレームメモリ20から2倍速で読出された読出画像データ信号RVDSが、第1フィールドの読出画像データ信号であるか第2フィールドの読出画像データ信号であるか区別するための信号である。
【0060】
第1のラッチ部520は、メモリ読出制御部40から供給された読出画像データ信号RVDSを、マスク制御部510から供給されたラッチ信号LTSに従って順次ラッチし、ラッチ後の読出画像データを読出画像データ信号RVDS1としてマスクデータ生成部530および第2のラッチ部540に出力する。
【0061】
マスクデータ生成部530は、動き量検出部60から供給された動き量データ信号QMDSと、第1のラッチ部520から供給された読出画像データ信号RVDS1とに基づいて、各画素の読出画像データの表す画素値に応じた画素値を表すマスクデータを生成し、生成したマスクデータをマスクデータ信号MDS1として第2のラッチ部540に出力する。
【0062】
図3は、マスクデータ生成部530の構成を示す概略ブロック図である。マスクデータ生成部530は、演算部532と、演算選択部534と、マスクパラメータ参照テーブル536と、を備えている。
【0063】
演算選択部534は、あらかじめ設定されてメモリ90に格納されているマスクデータ生成条件をCPU80からの指示により受け取って、受け取ったマスクデータ生成条件に対応する演算を演算部532に選択設定する。演算部532で実行される演算としては、例えば乗算、ビットシフト演算等の種々の演算が利用可能であり、本実施例では、演算部532で実行される演算として乗算(C=A*B)が選択設定されていることとする。
【0064】
マスクパラメータ参照テーブル536には、あらかじめ、画像の動き量を正規化したものとこれに対応するマスクパラメータの値との関係を示すテーブルデータが、CPU80によってメモリ90から読み出されて供給されることにより格納されている。これにより、マスクパラメータ参照テーブル536は、このテーブルデータを参照して、動き量検出部60から供給された動き量データ信号QMDSの示す動き量に応じたマスクパラメータMPの値を求め、求めたマスクパラメータMPの値を示すデータを演算部532へ出力する。なお、ここではテーブルデータとして説明したが、近似式とした多項式による関数演算とさせても良い。
【0065】
図4は、マスクパラメータ参照テーブル536に格納されているテーブルデータについて示す説明図である。このテーブルデータは、図4に示すように、動き量Vmに対するマスクパラメータMPの値(0〜1)の特性を示すものである。動き量Vmは、フレーム単位で移動する画素数、すなわち、単位を[pixel/frame]とする移動速度で表されている。この動き量Vmが大きいほど、画像の動きが激しくなるため、動画ボケの度合が大きくなると考えられる。そこで、動き量Vmに対するマスクパラメータMPの値は、0〜1の範囲で動き量Vmが大きいほど小さく、動き量Vmが小さいほど大きくなるように設定されている。
【0066】
図3の演算部532は、入力される読出画像データ信号RVDS1中の読出画像データを演算パラメータAとし、マスクパラメータ参照テーブル536から供給されるマスクパラメータMPを演算パラメータBとし、演算選択部534によって選択された演算(A?B:?は選択された演算を示す演算子)を実行する。その演算結果C(=A?B)であるマスクデータをマスクデータ信号MDS1として出力する。これにより、入力された読出画像データRVDS1の表す画像の各画素に対して、その画像の動き量に応じたマスクデータが、各画素の読出画像データに基づいて生成される。
【0067】
例えば、上記したように、演算部532で実行される演算として乗算(C=A*B)が選択設定されており、マスクパラメータ参照テーブル536により、マスクパラメータMPの値として「0.3」が演算パラメータBとして設定されたとする。このとき、演算パラメータAとして入力される読出画像データ信号RVDS1中の読出画像データの値が「00h」、「32h」、「FFh」であるとすると、演算部532は、それぞれ、「00h」、「0Fh」、「4Ch」の値を有するマスクデータをマスクデータ信号MDS1として出力する。すなわち、マスクパラメータMPの値は、読出画像データの画素値に対するマスクデータの比率(減衰比)を示している。
【0068】
なお、動き量Vmは、動き量検出部60において、種々の一般的な動きベクトルの算出手法を用いて容易に求めることができる。例えば、以下のようにして求めることができる。すなわち、1フレームの画像を、m画素×n画素(m,nは2以上の整数)を1ブロックとする複数のブロック群に分割し、各ブロックについて、それぞれ、2つのフレーム間での動きベクトルを求めることにより、その動き量を求める。そして、求めた各ブロックの動き量の総和を求める。1つのブロックの動きベクトルは、ブロックに含まれる画素データ(輝度データ)の重心座標の移動量を求めることにより容易に求めることができる。以上のようにして求めた各ブロックの動き量の総和が、2つのフレーム間での画像の動き量Vmに相当する。
【0069】
図2の第2のラッチ部540は、第1のラッチ部520から出力された読出画像データ信号RVDS1およびマスクデータ生成部530から出力されたマスクデータ信号MDS1を、ラッチ信号LTSに従って順次ラッチし、ラッチ後の読出画像データを読出画像データ信号RVDS2として、また、ラッチ後のマスクデータをマスクデータ信号MDS2としてマルチプレクサ550に出力する。
【0070】
マルチプレクサ550は、読出画像データ信号RVDS2とマスクデータ信号MDS2の一方を、マスク制御部510から出力される選択制御信号MXSに従って選択することによって、駆動画像データ信号DVDSを生成し、液晶パネル駆動部70に出力する。
【0071】
選択制御信号MXSは、読出画像データに挿入されるマスクデータのパターンが所定のマスクパターンとなるように、フィールド信号FIELDと、読出垂直同期信号VSと、読出水平同期信号HSと、読出クロックDCKとに基づいて生成される。
【0072】
図5は、生成される駆動画像データについて示す説明図である。図5(a)に示すように、各フレームのフレーム画像データは、一定の周期(フレーム周期)Tfrの間にメモリ書込制御部30(図1)によって、フレームメモリ20に格納される。図5(a)は、Nフレーム(Nは1以上の整数)のフレーム画像データFR(N)と、(N+1)フレームのフレーム画像データFR(N+1)が順にフレームメモリ20に格納される場合を例に示している。
【0073】
そして、図5(b)に示すように、メモリ読出制御部40(図1)によって、フレームメモリ20に格納されているフレーム画像データが、フレーム周期Tfrの2倍速の周期(フィールド周期)Tfiで2回読み出されて、第1フィールドに対応する読出画像データFI1および第2フィールドに対応する読出画像データFI2として順に出力される。図5(b)は、Nフレームにおける第1フィールドの読出画像データFI1(N)および第2フィールドの読出画像データFI2(N)と、(N+1)フレームにおける第1フィールドの読出画像データFI1(N+1)および第2フィールドの読出画像データFI2(N+1)が順に出力される場合を例に示している。
【0074】
そして、図5(c)に示すように、駆動画像データ生成部50では、第1フィールドの読出画像データFI1の偶数番目の水平ライン(2,4,6,8,...)をマスクデータ(クロスハッチで示される領域)に置き換えた第1の駆動画像データが生成される。また、第2フィールドの読出画像データFI2の奇数番目の水平ライン(1,3,5,7,...)をマスクデータに置き換えた第2の駆動画像データが生成される。
【0075】
なお、第1フィールドの読出画像データFI1の奇数番目の水平ラインをマスクデータに置き換え、第2フィールドの読出画像データFI2の偶数番目の水平ラインをマスクデータに置き換えるようにしてもよい。
【0076】
また、図5に示した駆動画像データの表す画像は、説明を容易にするために1フレームの画像を水平8ラインで垂直10ラインの画像としているため、離散した画像に見えるが、実際の画像は、数百本以上の水平および垂直ラインを有しているので、人間の視覚の性質上ほとんど目立たない。
【0077】
図6は、駆動画像データ信号の生成動作について示すタイミングチャートである。フィールド信号FIELD(図6(a))、読出垂直同期信号VS(図6(b))、読出水平同期信号HS(図6(c))、および、読出クロックDCK(図6(d))に同期して、読出画像データ信号RVDS(図6(e))が駆動画像データ生成部50に入力される。フィールド信号FIELDがハイ(以下、「H」と記す)レベルである期間は、読出画像データ信号RVDSに含まれている画像データが第1フィールドの読出画像データFI1とされ、フィールド信号FIELDがロウ(以下、「L」と記す)レベルである期間は、第2フィールドの読出画像データFI2とされる。すなわち、各フレームの読出画像データ信号RVDSとして、第1フィールドの読出画像データFI1と第2フィールドの読出画像データFI2とが読出垂直同期信号VSに同期して交互に駆動画像データ生成部50に入力される。図6には、(N−1)フレーム、Nフレーム、および(N+1)フレーム(Nは2以上の整数)の各フレームにおける第1フィールドおよび第2フィールドの読出画像データFI1(N−1),FI2(N−1)、FI1(N),FI2(N)、およびFI1(N+1),FI2(N+1)が読出画像データ信号RVDSとして駆動画像データ生成部50に入力されている例が示されている。
【0078】
第1フィールドの読出画像データ信号が入力されている期間(以下、「第1フィールド期間」と呼ぶ)では、選択制御信号MXS(図6(f1))は、奇数番目の水平ライン(Odd Hline)に対応する水平走査期間(読出水平同期信号HSの奇数番目の周期(図6(c1))においてHレベルとなり、偶数番目の水平ライン(Even Hline)に対応する水平走査期間(読出水平同期信号HSの偶数番目の周期)においてLレベルとなる。これにより、図2のマルチプレクサ550は、駆動画像データ信号DVDS(図6(g1))として、奇数番目の水平ラインに対応する水平走査期間において読出画像データを出力し、偶数番目の水平ラインに対応する水平走査期間においてマスクデータを出力する。
【0079】
一方、第2フィールドの読出画像データ信号が入力されている期間(以下、「第2フィールド期間」と呼ぶ)では、選択制御信号MXS(図6(f2))は、奇数番目の水平ラインに対応する水平走査期間(読出水平同期信号HSの奇数番目の周期(図6(c2))においてLレベルとなり、偶数番目の水平ラインに対応する水平走査期間(読出水平同期信号HSの偶数番目の周期)においてHレベルとなる。これにより、図2のマルチプレクサ550は、駆動画像データ信号DVDS(図6(g2))として、奇数番目の水平ラインに対応する水平走査期間においてマスクデータを出力し、偶数番目の水平ラインに対応する水平走査期間において読出画像データを出力する。
【0080】
以上説明したように、本実施例の駆動画像データ生成部50では、第1フィールド期間では読出画像データ信号の偶数番目の水平ラインに対応する水平走査期間において、読出画像データをマスクデータに置き換えることにより第1の駆動画像データ信号が生成され、第2フィールド期間では奇数番目の水平ラインに対応する水平走査期間において、読出画像データをマスクデータに置き換えることにより第2の駆動画像データ信号が生成される。
【0081】
A3.実施例の効果:
以上説明したように、上記実施例では、1フレームの画像データを第1フィールドと第2フィールドの画像データとして読み出し、第1フィールドの読出画像データに対しては、偶数番目の水平ラインに対応する読出画像データをマスクデータに置き換えて第1の駆動画像データを生成し、第2フィールドの読出画像データに対しては、奇数番目の水平ラインに対応する読出画像データをマスクデータに置き換えて第2の駆動画像データを生成する。これにより、1つの水平ラインについて着目すると、液晶パネルの各画素に対してマスクデータと画像データとがフィールド周期Tfiで交互に入力されることになるため、各画素では、読出画像データに対応する画像を表示する前に、一旦マスクデータの表す画像を表示することによって、その前に表示された画像の影響を抑制して、新たな画像データの表す画像を表示する。これにより、従来と同様に動画ボケを改善することができる。
【0082】
また、従来例の場合、動画ボケを改善するために、第1フィールドの画像データに対しては偶数番目の水平ラインを黒の画像データ(黒画像データ)とし、第2フィールドの画像に対しては奇数番目の水平ラインを黒画像データとしていた。このため、表示される画像の実質的な輝度は、1フレームの画像の理論的な輝度に対して約半分に減衰してしまう。一方、本実施例の場合、第1フィールドの画像の偶数番目の水平ラインは、本来表示されるべき画像データではなく、その画像データの表す画像の動き量(動きの度合)に応じて、所定の演算処理を施すことにより生成されるマスクデータとされる。また、第2フィールドの画像の奇数番目の水平ラインも、同様にして生成されるマスクデータとされる。この第1フィールドの画像データおよび第2フィールドの画像データとして置き換えられるマスクデータは、黒画像データではなく、画像の動き量に応じて、対応する画像データに所定の演算処理を施した画像データであるので、表示される画像の実質的な輝度の減衰を抑制することが可能である。
【0083】
A4.駆動画像データ生成動作の変形例:
A4.1.変形例1:
図7は、生成される駆動画像データの第1の変形例について示す説明図である。図5に示した第1実施例の場合と同様に、図7(a)は、Nフレームのフレーム画像データFR(N)と、(N+1)フレームのフレーム画像データFR(N+1)が順にフレームメモリ20に格納される場合を例に示し、図7(b)は、Nフレームにおける第1フィールドの読出画像データFI1(N)および第2フィールドの読出画像データFI2(N)と、(N+1)フレームにおける第1フィールドの読出画像データFI1(N+1)および第2フィールドの読出画像データFI2(N+1)が、フレームメモリ20から順に読出されて出力される場合を例に示している。
【0084】
液晶パネル100を駆動する場合、液晶の劣化を防止するために、通常、液晶パネルの各画素に与える信号の極性を、垂直同期信号周期(フレーム周期あるいはフィールド周期)で反転する処理が実行される。図5に示す第1実施例の場合には、第1フィールド期間においては、偶数番目の水平ラインに対して読出画像データがマスクデータに置き換えられ、第2フィールド期間においては、奇数番目の水平ラインに対して読出画像データがマスクデータに置き換えられるため、液晶パネルの対応する各画素に与えられるマスクデータ信号の極性は常に同じ極性となり液晶駆動に好ましくない直流駆動となってしまう。
【0085】
そこで、図7(c)に示すように、Nフレームの駆動画像データとして、第1フィールドの読出画像データFI1(N)に対応する第1の駆動画像データと、第2フィールドの読出画像データFI2(N)に対応する第2の駆動画像データとを順に生成した後、次の(N+1)フレームの駆動画像データとしては、まず、第2フィールドの読出画像データFI2(N+1)に対応する第2の駆動画像データを生成し、次に、第1フィールドの読出画像データFI1(N+1)に対応する第1の駆動画像データを生成するようにしてもよい。こうすれば、同じ水平ラインの各画素に与えられるマスクデータに対応して、液晶パネルの対応する各画素に与えられる信号の極性を交互に反転させることにより液晶駆動に良い交流駆動が可能となる。
【0086】
A4.2.変形例2:
図8は、生成される駆動画像データの第2の変形例について示す説明図である。
【0087】
上記第1実施例では、図5に示すように、フレームメモリ20から1フレームの画像データをフレーム周期Tfrの間に2倍速のフィールド周期Tfiで2回読み出して、2つのフィールド画像データにより1つのフレーム画像データを表す場合を例に説明している。しかしながら、これに限定されるものではなく、図8に示すように、1フレームの画像データをフレーム周期の間で3回以上読み出すようにして、駆動画像データを生成するようにしてもよい。
【0088】
図8(b)は、フレームメモリ20に格納されている画像データが、各フレーム周期の間に3倍速のフィールド周期で3回読み出されて順に出力される場合例に示している。また、Nフレームのフレーム画像データFR(N)に対してフレームメモリ20から読み出された3つのフレーム画像データのうち、1番目および3番目の読出画像データが第1フィールドの読出画像データFI1(N)とされ、2番目の画像データが第2フィールドの読出画像データFI2(N)とされる。そして、図8(c)に示すように、第1フィールドの読出画像データFI1(N)に対しては、偶数番目の水平ラインの読出画像データがマスクデータ(クロスハッチで示される領域)に置き換えられて第1の駆動画像データが生成される。また、第2フィールドの読出画像データFI2(N)に対しては、奇数番目の水平ラインの読出画像データがマスクデータに置き換えられて第2の駆動画像データが生成される。
【0089】
また、図8(b)に示すように、(N+1)フレームのフレーム画像データFR(N+1)に対して読み出された3つの画像データのうち、1番目および3番目の画像データが第2フィールドの読出画像データFI2(N+1)とされ、2番目の画像データが第1フィールドの読出画像データFI1(N+1)とされる。そして、図8(c)に示すように、第1フィールドの読出画像データFI1(N+1)に対しては、偶数番目の水平ラインの読出画像データがマスクデータ(クロスハッチで示される領域)に置き換えられて第1の駆動画像データが生成される。また、第2フィールドの読出画像データFI2(N+1)に対しては、奇数番目の水平ラインの読出画像データがマスクデータに置き換えられて第2の駆動画像データが生成される。
【0090】
ここで、Nフレームのフレーム周期における1番目の読出画像データは第1フィールドの読出画像データFI1(N)であり、2番目の読出画像データは第2フィールドの読出画像データFI2(N)であるので、これら2つの読出画像データに対応する第1および第2の駆動画像データにより、Nフレームのフレーム画像FR(N)が表されることになる。
【0091】
また、(N+1)フレームのフレーム周期における2番目の読出画像データは第1フィールドの読出画像データFI1(N+1)であり、3番目の読出画像データは第2フィールドの読出画像データFI2(N)であるので、これら2つの読出画像データに対応する第1および第2の駆動画像データにより、(N+1)フレームのフレーム画像FR(N+1)が表されることになる。
【0092】
そして、Nフレームのフレーム周期における3番目の読出画像データは第1フィールドの読出画像データFI1(N)であり、(N+1)フレームのフレーム周期における1番目の読出画像データは第2フィールドの読出画像データFI2(N+1)であるので、これら2つの読出画像データに対応する第1および第2の駆動画像データにより、人間の視覚上の性質を利用して、Nフレームと(N+1)フレームの間を実効的に補間する1つのフレーム画像が表されることになる。この補間フレーム画像により、Nフレームから(N+1)フレームに画像が急激に変化することによって発生する、画像変化の非連続性によるフリッカ等の種々の画質劣化を抑制することができる。
【0093】
A4.3.変形例3:
図9は、生成される駆動画像データの第3の変形例について示す説明図である。図5に示した第1実施例の場合と同様に、図9(a)は、Nフレームのフレーム画像データFR(N)がフレームメモリに格納される場合を例に示している。
【0094】
そして、図9(b)に示すように、フレームメモリ20に格納されている画像データは、各フレーム周期Tfrの間に2倍速のフィールド周期Tfiで2回読み出されて、第1フィールドに対応する読出画像データFI1および第2フィールドに対応する読出画像データFI2として順に出力される。
【0095】
そして、図9(c)に示すように、変形例における駆動画像データ生成部では、第1フィールドの読出画像データFI1の偶数番目の垂直ラインを形成する画素(2,4,6,8,...:Even Pixel)をマスクデータ(クロスハッチで示される領域)に置き換えた第1の駆動画像データが生成される。また、第2フィールドの読出画像データFI2の奇数番目の垂直ラインを形成する画素(1,3,5,7,...:Odd Pixel)をマスクデータに置き換えた第2の駆動画像データが生成される。
【0096】
なお、第1フィールドの読出画像データFI1の奇数番目の垂直ラインをマスクデータに置き換え、第2フィールドの読出画像データFI2の偶数番目の垂直ラインをマスクデータに置き換えるようにしてもよい。
【0097】
なお、図9に示した画像データの表す画像も、説明を容易にするために1フレームの画像を水平8ラインで垂直10ラインの画像としているため、離散した画像に見えるが、実際の画像は、数百本以上の水平および垂直ラインを有しているので、人間の視覚の性質上ほとんど目立たない。
【0098】
図10は、上記第3の変形例としての駆動画像データ信号の生成動作について示すタイミングチャートである。フィールド信号FIELD(図10(a))、読出垂直同期信号VS(図10(b))、読出水平同期信号HS(図10(c))、および、読出クロックDCK(図10(d))に同期して、読出画像データ信号RVDS(図10(e))が駆動画像データ生成部50に入力される。フィールド信号FIELDがHレベルである期間は、読出画像データ信号RVDSに含まれている画像データが第1フィールドの読出画像データFI1とされ、フィールド信号FIELDがLレベルである期間は、第2フィールドの読出画像データFI2とされる。すなわち、各フレームの読出画像データ信号RVDSとして、第1フィールドの読出画像データFI1と第2フィールドの読出画像データFI2とが読出垂直同期信号VSに同期して交互に変形例の駆動画像データ生成部に入力される。図10には、(N−1)フレーム、Nフレーム、および(N+1)フレーム(Nは2以上の整数)の各フレームにおける第1フィールドおよび第2フィールドの読出画像データFI1(N−1),FI2(N−1)、FI1(N),FI2(N)、およびFI1(N+1),FI2(N+1)が読出画像データ信号RVDSとして、変形例における駆動画像データ生成部に入力されている例が示されている。
【0099】
第1フィールド期間では、読出水平同期信号HS(図10(c1)の各周期において、読出水平同期信号HSがHレベルに変化する水平走査期間の先頭から、読出クロックDCK(図10(d1))の周期ごとに、選択制御信号MXS(図10(f1))は、HレベルとLレベルとに交互に変化する。具体的には、奇数番目の画素(Odd Pixel)に対応するクロック周期ではHレベルとなり、偶数番目の画素(Even Pixel)に対応するクロック周期ではLレベルとなる。これにより、図2のマルチプレクサ550は、駆動画像データ信号DVDS(図10(g1))として、奇数番目の画素のクロック周期において読出画像データを出力し、偶数番目の画素のクロック周期においてマスクデータを出力することができる。
【0100】
一方、第2フィールド期間では、読出水平同期信号HS(図10(c2)の各周期において、読出水平同期信号HSがHレベルに変化する水平走査期間の先頭から、読出クロックDCK(図10(d2))の周期ごとに、選択制御信号MXS(図10(f2))は、LレベルとHレベルとに交互に変化する。具体的には、奇数番目の画素(Odd Pixel)に対応するクロック周期ではLレベルとなり、偶数番目の画素(Even Pixel)に対応するクロック周期ではHレベルとなる。これにより、図2のマルチプレクサ550は、駆動画像データ信号DVDS(図10(g2))として、奇数番目の画素のクロック周期においてマスクデータを出力し、偶数番目の画素のクロック周期において読出画像データを出力することができる。
【0101】
以上説明したように、本変形例の場合、駆動画像データ生成部では、第1フィールドの各水平ラインの画像データのうち偶数番目の画素に対応する読出画像データがマスクデータに置き換えられ、第2フィールドの各水平ラインの画像データのうち奇数番目の画素に対応する読出画像データがマスクデータに置き換えられる。この結果、第1フィールドの読出画像データに対しては、奇数番目の垂直ラインに対応する読出画像データがマスクデータに置き換えられて第1の駆動画像データが生成され、第2フィールドの読出画像データに対しては、偶数番目の垂直ラインに対応する読出画像データがマスクデータに置き換えられて第2の駆動画像データが生成される。これにより、1つの垂直ラインについて着目すると、液晶パネルに対してマスクデータと画像データとがフィールド周期で交互に入力されることになるため、各画素では、読出画像データに対応する画像を表示する前に、一旦マスクデータの表す画像を表示することによって、その前に表示された画像の影響を抑制して、新たな画像データの表す画像を表示することが可能となり、従来と同様に動画ボケを改善することができる。
【0102】
特に、本変形例のように垂直ラインを形成する画素に対する読出が画像データがマスクデータに置き換えられる場合には、第1実施例のように水平ラインに対する読出画像データがマスクデータに置き換えられる場合に比べて、水平方向の移動を含む動画像に対する動画ボケの改善をより効果的に実施することができる。ただし、垂直方向の移動を含む動画像に対する動画ボケの改善は第1実施例の方が本実施例よりも効果的である。
【0103】
また、第1実施例でも説明したように、本変形例においても、黒画像データではなく、画像の動き量に応じて、対応する画像データに所定の演算処理を施した画像データをマスクデータとして用いているので、表示される画像の実質的な輝度の減衰を抑制することが可能である。
【0104】
なお、本変形例においては、上記第1の変形例や第2の変形例を組み合わせて適用することも可能である。
【0105】
A4.4.変形例4:
図11は、生成される駆動画像データの第4の変形例について示す説明図である。図6に示した第1実施例の場合と同様に、各フレーム画像データは、フレーム周期でフレームメモリ20に格納される。図11(a)は、Nフレームのフレーム画像データFR(N)がフレームメモリに格納される場合を例に示している。
【0106】
そして、図11(b)に示すように、フレームメモリ20に格納されている画像データが、各フレーム周期Tfrの間に2倍速のフィールド周期Tfiで2回読み出されて、第1フィールドに対応する読出画像データFI1および第2フィールドに対応する読出画像データFI2として順に出力される。
【0107】
そして、図11(c)に示すように、変形例における駆動画像データ生成部では、第1フィールドの読出画像データFI1の奇数番目の水平ライン(1,3,5,7,...)における偶数番目の垂直ラインを形成する画素(2,4,6,8,...)をマスクデータ(クロスハッチで示される領域)に置き換えるとともに、偶数番目の水平ライン(2,4,6,8,...)における奇数番目の垂直ラインを形成する画素(1,3,5,7,...)をマスクデータに置き換えた第1の駆動画像データが生成される。すなわち、チェッカフラグ状にマスクデータを有する駆動画像データが生成される。また、第2フィールドの読出画像データFI2の奇数番目の水平ライン(1,3,5,7,...)における奇数番目の垂直ラインを形成する画素(1,3,5,7,...)をマスクデータに置き換えるとともに、偶数番目の水平ライン(2,4,6,8,...)における偶数番目の垂直ラインを形成する画素(2,4,6,8,...)をマスクデータに置き換えた第2の駆動画像データが生成される。すなわち、第1フィールドにおけるマスクデータの位置とは異なった画素で、チェッカフラグ状にマスクデータを有する駆動画像データが生成される。また、図11(b)のFI1(N)とFI2(N)には、(+)極性を印加し、次のFI1(N+1)とFI2(N+1)に極性反転した(−)極性を印加することで交流駆動を実現することもできる。
【0108】
なお、第1フィールドの読出画像データFI1の奇数番目の水平ラインの奇数番目の画素および偶数番目の水平ラインの偶数番目の画素をマスクデータに置き換え、第2フィールドの読出画像データFI2の奇数番目の水平ラインの偶数番目の画素および偶数番目の水平ラインの奇数番目の水平ラインをマスクデータに置き換えるようにしてもよい。
【0109】
また、図11に示した画像データの表す画像も、説明を容易にするために1フレームの画像を水平8ラインで垂直10ラインの画像としているため、離散した画像に見えるが、実際の画像は、数百本以上の水平および垂直ラインを有しているので、人間の視覚の性質上ほとんど目立たない。
【0110】
以上説明したように、本変形例の場合、第1フィールドの画像データに対しては奇数番目の水平ラインにおける偶数番目の垂直ラインを形成する画素および偶数番目の水平ラインにおける奇数番目の垂直ラインを形成する画素に対応する読出画像データがマスクデータに置き換えられ、第2フィールドの画像データに対しては奇数番目の水平ラインにおける奇数番目の垂直ラインを形成する画素および偶数番目の水平ラインにおける偶数番目の垂直ラインを形成する画素に対応する読出画像データがマスクデータに置き換えられる。これにより、ある画素について着目すると、液晶パネルに対してマスクデータと画像データとがフィールド周期で交互に入力されることになるため、各画素では、新たな画像データに対応する画像を表示する前に、一旦マスクデータの表す画像を表示することによって、その前に表示された画像の影響を抑制して、新たな画像データの表す画像を表示することが可能となり、従来と同様に動画ボケを改善することができる。
【0111】
特に、本変形例のように、チェッカフラグ状にマスクデータを有する場合には、第1実施例のように垂直方向の移動を含む動画像に対する動画ボケの改善効果と、第3の変形例のように水平方向の移動を含む動画像に対する動画ボケの改善効果の両方を得ることが可能である。また、本変形例のようにチェッカフラグ状にマスクデータを有する場合には、第1実施例の水平ラインや第3の変形例の垂直ラインと比較して、マスクデータが表示されるパターンが細かくなるため、網膜上に起こる残像現象を低減させることができ、動画ボケをより改善することができる。
【0112】
また、第1実施例でも説明したように、本変形例においても、黒画像データではなく、画像の動き量に応じて、対応する画像データに所定の演算処理を施した画像データをマスクデータとして用いているので、表示される画像の実質的な輝度の減衰を抑制することが可能である。
【0113】
なお、本変形例においても、上記第1の変形例や第2の変形例を組み合わせて適用することが可能である。
【0114】
A4.5.変形例5:
図12は、生成される駆動画像データの第5の変形例について示す説明図である。図6に示した第1実施例の場合と同様に、各フレーム画像データは、フレーム周期でフレームメモリ20に格納される。図12(a)は、Nフレームのフレーム画像データFR(N)がフレームメモリに格納される場合を例に示している。
【0115】
そして、図12(b)に示すように、フレームメモリ20に格納されている画像データが、各フレーム周期Tfrの間に2倍速のフィールド周期Tfiで2回読み出されて、第1フィールドに対応する読出画像データFI1および第2フィールドに対応する読出画像データFI2として順に出力される。
【0116】
そして、図12(c)に示すように、変形例における駆動画像データ生成部では、Nフレームにおける第1フィールドの読出画像データFI1(N)の奇数番目の水平ライン(1,3,5,7,...)における(3l+1)番目(lは0以上の整数)の垂直ラインを形成する画素(1,4,7,10,...)をマスクデータ(クロスハッチで示される領域)に置き換えるとともに、偶数番目の水平ライン(2,4,6,8,...)における(3l+2)番目の垂直ラインを形成する画素(2,5,8,11,...)をマスクデータに置き換えた第1の駆動画像データが生成される。
【0117】
また、第2フィールドの読出画像データFI2(N)の奇数番目の水平ライン(1,3,5,7,...)における(3l+2)番目の垂直ラインを形成する画素(2,5,8,11,...)をマスクデータに置き換えるとともに、偶数番目の水平ライン(2,4,6,8,...)における(3l)番目の垂直ラインを形成する画素(3,6,9,12,...)をマスクデータに置き換えた第2の駆動画像データが生成される。
【0118】
さらに、(N+1)フレームの第1フィールドの読出画像データFI1(N+1)の奇数番目の水平ライン(1,3,5,7,...)における(3l)番目の垂直ラインを形成する画素(3,6,9,12,...)をマスクデータに置き換えるとともに、偶数番目の水平ライン(2,4,6,8,...)の(3l+1)番目の垂直ラインを形成する画素(1,4,7,10,...)をマスクデータに置き換えた第3の駆動画像データが生成される。
【0119】
そして、(N+1)フレームの第2フィールドの読出画像データFI2(N+1)に対しては、再び、奇数番目の水平ライン(1,3,5,7,...)における(3l+1)番目の垂直ラインを形成する画素(1,4,7,10,...)をマスクデータに置き換えるとともに、偶数番目の水平ライン(2,4,6,8,...)における(3l+2)番目の垂直ラインを形成する画素(2,5,8,11,...)をマスクデータに置き換えた第1の駆動画像データが生成される。
【0120】
なお、第1ないし第3の駆動画像データの生成の順番は一例であって、特に限定されるものではなく、第1、第3、第2や、第2、第1、第3等の種々の順番で生成されるようにしてもよい。
【0121】
また、図12に示した画像データの表す画像も、説明を容易にするために1フレームの画像を水平8ラインで垂直10ラインの画像としているため、離散した画像に見えるが、実際の画像は、数百本以上の水平および垂直ラインを有しているので、人間の視覚の性質上ほとんど目立たない。
【0122】
以上説明したように、本変形例の場合、各画素について着目すると、3フィールドに1フィールドの割合で、マスクデータが入力されることになる。これにより、マスクデータが入力された後の読出画像データの表す画像に対して、その前に表示されていた画像の影響を抑制することができるので、動画ボケを改善することができる。
【0123】
特に、本変形例の場合、第4の変形例のようなチェッカフラグ状にマスクデータを有する場合に比べると動画ボケ改善の効果は減少するものの、第1実施例のように垂直方向の移動を含む動画像に対する動画ボケの改善効果と、第3の変形例のように水平方向の移動を含む動画像に対する動画ボケの改善効果の両方を得ることが可能である。
【0124】
また、第1実施例でも説明したように、本変形例においても、黒画像データではなく、画像の動き量に応じて、対応する画像データに所定の演算処理を施した画像データをマスクデータとして用いているので、表示される画像の実質的な輝度の減衰を抑制することが可能である。特に、本変形例では、3画素に1画素の割合で読出画像データがマスクデータとされるため、第1実施例および第1ないし第4の変形例に比べて、表示される画像の実質的な輝度の減衰を抑制する効果が高い。
【0125】
A4.6.変形例6:
図13は、生成される駆動画像データの第6の変形例について示す説明図である。図6に示した第1実施例の場合と同様に、各フレーム画像データは、フレーム周期でフレームメモリ20に格納される。図13(a)は、Nフレームのフレーム画像データFR(N)がフレームメモリに格納される場合を例に示している。
【0126】
そして、図示は省略されているが、フレームメモリ20に格納されている画像データが、各フレーム周期の間に2倍速のフィールド周期で2回読み出されて、第1フィールドに対応する読出画像データFI1および第2フィールドに対応する読出画像データFI2として順に出力される。
【0127】
そして、図13(b)に示すように、変形例における駆動画像データ生成部では、第1フィールドの読出画像データFI1に対しては、マスクデータの置き換えは行われず、第2フィールドの読出画像データFI2の全画素に対してマスクデータの置き換えが行われる。
【0128】
以上説明したように、本変形例の場合、第1フィールドの画像データに対してはマスクデータの置き換えは行われず、第2フィールドの画像データの全画素に対して読出画像データのマスクデータへの置き換えが行われる。そして、各画素について着目すると、液晶パネルに対してマスクデータと画像データとがフィールド周期で交互に入力されることになるため、各画素では、新たな画像データに対応する画像を表示する前に、一旦マスクデータの表す画像を表示することによって、その前に表示された画像の影響を抑制して、新たな画像データの表す画像を表示することが可能となり、従来と同様に動画ボケを改善することができる。
【0129】
また、第1実施例でも説明したように、本変形例においても、黒画像データではなく、画像の動き量に応じて、対応する画像データに所定の演算処理を施した画像データをマスクデータとして用いているので、表示される画像の実質的な輝度の減衰を抑制することが可能である。
【0130】
なお、本変形例においても、上記第1の変形例や第2の変形例を組み合わせて適用することが可能である。
【0131】
A4.7.変形例7:
上記実施例の駆動画像データでは、1本の水平ライごとに読出画像データとマスクデータとが交互に配置される場合を例に示しているが、m本(mは1以上の整数)の水平ラインごとに、読出画像データとマスクデータとが交互に配置されるようにしてもよい。
【0132】
また、変形例3の駆動画像データでは、1本の垂直ラインごとに読出画像データとマスクデータとが交互に配置される場合を例に示しているが、n本(nは1以上の整数)の垂直ラインごとに、読出画像データとマスクデータとが交互に配置されるようにしてもよい。
【0133】
さらに、また、変形例4の駆動画像データでは、1画素ごとに、水平方向および垂直方向に読出画像データとマスクデータとが交互に配置される場合を例に示しているが、水平方向にp画素(pは1以上の整数)で垂直方向にq画素(qは1以上の整数)のブロック単位で、水平方向および垂直方向に読出画像データとマスクデータとが交互に配置されるようにしてもよい。
【0134】
また、変形例5の駆動画像データでは、水平ラインに並ぶ3個の画素につき1個の画素にマスクデータが配置されるとともに、1本の水平ラインごとに、マスクデータと読出画像データとが交互に配置される場合を例に示しているが、各水平ラインに並ぶr個(rは3以上の整数)の画素につき連続するs個(sはrの約数)の画素に前記マスクデータが配置されるとともに、前記r個の画素に対する前記s個の画素の位置はt本(tは1以上の整数)の前記水平ラインごとに交互にずれた位置とされるようにしてもよい。
【0135】
B.第2実施例:
図14は、第2実施例としての画像データ処理装置を適用した画像表示システムの構成を示すブロック図である。この画像表示システムDP2は、第1実施例の画像表示システムDP1(図1)の光源ユニット110に換えて調光光源ユニット110Fを備え、さらに、駆動画像データ生成部50に換えて、調光光源ユニット110Fの動作を制御するための調光データを出力可能な駆動画像データ生成部50Fを備えている点を除いて、第1実施例の画像表示システムDP1と同じである。そこで、以下では、この相違点についてのみ説明を加えることとする。
【0136】
図15は、駆動画像データ生成部50Fの構成を示す概略ブロック図である。この駆動画像データ生成部50Fは、第1実施例の駆動画像データ生成部50のマスクデータ生成部530(図2)が、調光光源ユニット110Fの動作を制御する調光データQLDSを出力することが可能なマスクデータ生成部530Fに置き換えられている点を除いて同じである。
【0137】
図16は、マスクデータ生成部530Fの構成を示す概略ブロック図である。このマスクデータ生成部530Fの構成は、調光パラメータ参照テーブル538を備えている点を除いて、第1実施例のマスクデータ生成部530(図3)と同じである。
【0138】
調光パラメータ参照テーブル538には、画像の動き量とこれに対応する調光パラメータの値との関係を示すテーブルデータが、CPU80によってあらかじめメモリ90から読み出されて供給されることにより格納されている。これにより、調光パラメータ参照テーブル538は、マスクパラメータ参照テーブル536と同様に、このテーブルデータを参照して、動き量検出部60から供給された動き量データ信号QMDSの示す動き量に応じた調光パラメータKLの値を求めて、調光データ信号QLDSとして調光光源ユニット110Fへ出力する。
【0139】
図17は、調光パラメータ参照テーブル538に格納されているテーブルデータについて示す説明図である。図17(A)は、マスクパラメータ参照テーブル536に格納されているテーブルデータの特性、すなわち、動き量Vmに対するマスクパラメータMPの値(0〜1)の特性を示すものである。また、図17(B)は、調光パラメータ参照テーブル538に格納されているテーブルデータの特性、すなわち、マスクパラメータ参照テーブル536のテーブルデータと同じ、動き量Vmに対する調光パラメータKLの値(1〜0)の特性を示している。動き量Vmが大きいほど、画像の動きが激しくなって、動画ボケの度合が大きくなると考えられる。このため、マスクパラメータ参照テーブル536のテーブルデータは、図17(A)に示すように、マスクパラメータMPの値は、0〜1の範囲で動き量Vmが大きいほど小さくなり、動き量Vmが小さいほど大きくなるように設定されている。従って、動き量Vmが大きいほど、マスクパラメータMPの値が小さくなって、生成されるマスクデータの値が小さくなり、表示される画像の輝度が理論的な輝度に対して減衰することになる。これに対して、図17(B)に示すように、調光パラメータ参照テーブル538のテーブルデータの特性は、調光パラメータKLの値が、マスクパラメータMPとは逆に、1〜0の範囲で動き量Vmが大きいほど大きくなり、動き量Vmが小さいほど小さくなるように設定されている。そして、調光光源ユニット110では、調光データQLDSとして供給された調光パラメータKLに従って、光源ユニットの輝度ELを下式に従って決定する。
【0140】
EL=EA+EB×KL ...(1)
ELmax=EA+EB ...(2)
ここで、ELmaxはこの調光光源ユニット110Fで出力可能な最大輝度を示し、EAは最大輝度ELmaxのうち調光パラメータKLの値に係わらず出力される固定成分としての基準輝度成分を示し、EBは調光パラメータKLの値に応じて調整される調整成分としての調光輝度成分を示している。
【0141】
上記構成によれば、動きがない場合における光源ユニットの輝度ELは基準輝度EAであるのに対して、動きがある場合における光源ユニットの輝度ELは動き量に応じて大きくなる調光パラメータKLに応じて(EB×KL)分だけ高くすることができる。これにより、上記した動き量に応じて発生する画像の輝度成分の減衰を補償することが可能である。
【0142】
なお、調光光源ユニット110Fの構成は、1つの光源ランプの出力可能な輝度のうち、一部を調光パラメータKLの値に拘わらず出力される固定成分としての基準輝度成分EAとし、残りの輝度成分EBを調整輝度成分として利用する場合を例に説明しているが、これに限定されるものではない。例えば、固定成分としての基準輝度成分EAを出力する主光源と、調光輝度成分EBを出力する補助光源とを備える構成とし、調光パラメータKLの値に応じて補助光源の輝度を調整するようにしてもよい。
【0143】
なお、本実施例において、駆動画像データ生成部50Fで生成される駆動画像データについて特に説明を省略したが、第1実施例および第1実施例の変形例で説明したいずれの駆動画像データとすることも可能である。
【0144】
C.第3実施例:
図18は、第3実施例としての画像データ処理装置を適用した画像表示システムの構成を示すブロック図である。この画像表示システムDP3は、第1実施例の画像表示システムDP1(図1)の動き量検出部60を省略し、これに応じて、駆動画像データ生成部50を駆動画像データ生成部50Gに置き換えた点を除いて、第1実施例の画像表示システムDP1と同じである。そこで、以下では、この相違点についてのみ説明を加えることとする。
【0145】
図19は、駆動画像データ生成部50Gの構成を示す概略ブロック図である。この駆動画像データ生成部50Gは、第1実施例の駆動画像データ生成部50(図2)のマスクデータ生成部530を、動き量データ信号QMDSが入力されないマスクデータ生成部530Gに置き換えられている点を除いて同じである。
【0146】
図20は、マスクデータ生成部530Gの構成を示す概略ブロック図である。このマスクデータ生成部530Gの構成は、第1実施例のマスクデータ生成部530(図3)におけるマスクパラメータ参照テーブル536に代えてマスクパラメータ記憶部536Gを備えている点を除いて、第1実施例のマスクデータ生成部530と同じである。
【0147】
第1実施例のマスクデータ生成部530のマスクパラメータ参照テーブル536にはCPU80によりテーブルデータが設定されており、マスクパラメータ参照テーブル536では、このテーブルデータを参照してマスクパラメータMPの値が求められるのに対して、マスクデータ生成部530Gのマスクパラメータ記憶部536GにはCPU80からマスクパラメータMPの値が直接設定される。例えば、メモリ90には、画像の動き量VmとマスクパラメータMPとの関係を示したテーブルデータが格納されており、ユーザが所望する動き量を指定すると、CPU80によってこのテーブルデータが参照されて、対応するマスクパラメータMPの値が求められ、求められたマスクパラメータMPの値がマスクパラメータ記憶部536Gに設定される。
【0148】
なお、画像の動き量の指定は、例えば、動き優先モードとした動き量(大),(中),(小)のように、ユーザが所望の動き量を指定することができればどのような方法であっても構わない。このとき、テーブルデータにはこれらの動き量に対応するマスクパラメータMPの値が関係付けられているようにすればよい。
【0149】
本実施例においても、第1実施例の場合と同様に、動画ボケを改善することができる。また、表示される画像の実質的な輝度の減衰を抑制することが可能である。
【0150】
なお、本実施例において、駆動画像データ生成部50Gで生成される駆動画像データについて特に説明を省略したが、第1実施例で説明したいずれの駆動画像データとすることも可能である。また、第2実施例で説明したように調光光源ユニットを備えて、動き量に応じて調光光源ユニットによる輝度の調整を行うようにすることも可能である。
【0151】
D.変形例:
なお、この発明は上記の実施例や実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能である。
【0152】
D1.変形例1:
図21は、テーブルデータの表す動き量Vmに対するマスクパラメータMPの特性の変形例について示す説明図である。
【0153】
上記実施例では、図4に示したように、テーブルデータは、動き量Vmに対するマスクパラメータMPの値が、0〜1の範囲で、動き量Vmが小さいほど大きく、動き量Vmが大きいほど小さくなり、動き量Vmが所定量以下となった場合には1、動き量Vmが所定量以上となった場合には0となるように設定されている。
【0154】
ここで、画像の観視者が動画像を知覚するための眼球の追従運動は視角速度(単位は、[degree/second])で定義される。そして、眼球の短時間での追従の最高速度(限界視角速度)θmaxは30[degree/second]であると言われており、この限界視角速度以上では動画像を認識することは困難と考えられる。
【0155】
そこで、図21に示すように、動き量Vmがこの限界視角速度に相当する量Vmmax以上となった場合には、動画像ではなく映像シーンが変化したものとして静止画像と同様に扱うこととし、マスクパラメータMPを1とするようにしてもよい。
【0156】
なお、限界視角速度θmaxを動き量Vmmax[pixel/frame]に換算すると、下式で表される。
fv・Vmmax・(W/Xn)=2・3H・tan(θmax/2)
Vmmax=2・(1/fv)・(3H/W)・Xn・tan(θmax/2) ...(1)
fvはフレーム周波数、Hは表示画像の縦方向の長さ、Wは表示画像の横方向の長さ、Xnは横方向の解像度を示している。また、3Hは社団法人映像情報メディア学会による「HDTV標準観視条件」で定められている観視距離を示している。
【0157】
D2.変形例2:
上記第1実施例や第1の変形例ないし第5の変形例では、フレームメモリに順次書き込まれるフレーム画像データを2倍速以上の速度で読み出して、各フレーム画像データを複数フィールドの読出画像データに変換する場合を例に説明しているが、フレームメモリに順次書き込まれるフレーム画像データを等倍速で読み出して、順次読み出される読出画像データの奇数番目のフレーム画像データを、第1実施例や第1の変形例ないし第5の変形例における第1フィールドの読出画像データとし、偶数番目のフレーム画像データを第1実施例や第1の変形例ないし第5の変形例における第2フィールドの読出画像データとして、それぞれ対応するマスクデータを挿入することにより駆動画像データ信号を生成するようにしてもよい。
【0158】
D3.変形例3:
また、上記実施例では、液晶パネルを適用したプロジェクタを例に説明しているが、プロジェクタではなく直視型の表示装置にも適用可能である。また、液晶パネルの他にPDP(Plasma Display Panel)やELD(Electro Luminescence Display)等の種々の蓄積型表示装置を適用することも可能である。なお、PDP等の自発光型の表示装置を適用する場合において、第2実施例のように画像の動き量に応じて輝度を調整する際には、表示装置自身の発光輝度を制御する発光制御ユニットを備えて、その発光輝度を調整するようにすればよい。
【0159】
D4.変形例4:
上記第1および第2実施例の駆動画像データ生成部50や第3実施例の駆動画像データ生成部50Gでは、フレームメモリ20から読み出された読出画像データ信号RVDSを順次第1のラッチ部520でラッチする構成としているが、第1のラッチ部520の前段に新たなフレームメモリを備える構成として、読出画像データ信号RVDSを一旦、新たなフレームメモリに書き込み、新たなフレームメモリから出力される新たな読出画像データ信号を第1のラッチ部520で順次ラッチするようにしてもよい。この場合、動き量検出部60に入力される画像データ信号としては、新たなフレームメモリに書き込まれる画像データ信号および新たなフレームメモリから読み出される画像データ信号とすればよい。
【0160】
D5.変形例5:
上記各実施例では、マスクデータの生成を読出画像データの各画素について実行する場合を例に説明しているが、置き換えを実行する画素についてのみマスクデータの生成を実行する構成としてもよい。ようするに、置き換えを実行する画素に対応するマスクデータを生成することができ、マスクデータの置き換えを実行することができれば、どのような構成であってもよい。
【0161】
D6.変形例6:
上記各実施例では、駆動画像データを生成するための、メモリ書込制御部、メモリ読出制御部、駆動画像データ生成部、動き量検出部の各ブロックをハードウェアにより構築した場合を例に説明しているが、少なくとも一部のブロックをCPUがコンピュータプログラムを読み出して実行することによって実現するように、ソフトウェアにより構築するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0162】
【図1】この発明の第1実施例としての画像データ処理装置を適用した画像表示システムの構成を示すブロック図である。
【図2】駆動画像データ生成部50の構成の一例を示す概略ブロック図である。
【図3】マスクデータ生成部530の構成を示す概略ブロック図である。
【図4】マスクパラメータ参照テーブル536に格納されているテーブルデータについて示す説明図である。
【図5】生成される駆動画像データについて示す説明図である。
【図6】駆動画像データ信号の生成動作について示すタイミングチャートである。
【図7】生成される駆動画像データの第1の変形例について示す説明図である。
【図8】生成される駆動画像データの第2の変形例について示す説明図である。
【図9】生成される駆動画像データの第3の変形例について示す説明図である。
【図10】第3の変形例としての駆動画像データ信号の生成動作について示すタイミングチャートである。
【図11】生成される駆動画像データの第4の変形例について示す説明図である。
【図12】生成される駆動画像データの第5の変形例について示す説明図である。
【図13】生成される駆動画像データの第6の変形例について示す説明図である。
【図14】第2実施例としての画像データ処理装置を適用した画像表示システムの構成を示すブロック図である。
【図15】駆動画像データ生成部50Fの構成を示す概略ブロック図である。
【図16】マスクデータ生成部530Fの構成を示す概略ブロック図である。
【図17】調光パラメータ参照テーブル538に格納されているテーブルデータについて示す説明図である。
【図18】第3実施例としての画像データ処理装置を適用した画像表示システムの構成を示すブロック図である。
【図19】駆動画像データ生成部50Gの構成を示す概略ブロック図である。
【図20】マスクデータ生成部530Gの構成を示す概略ブロック図である。
【図21】テーブルデータの表す動き量Vmに対するマスクパラメータMPの特性の変形例について示す説明図である。
【符号の説明】
【0163】
10...信号変換部
20...フレームメモリ
30...メモリ書込制御部
40...メモリ読出制御部
50...駆動画像データ生成部
50F...駆動画像データ生成部
50G...駆動画像データ生成部
60...動き量検出部
70...液晶パネル駆動部
80...CPU
90...メモリ
100...液晶パネル
110...光源ユニット
110F...調光光源ユニット
120...投写光学系
510...マスク制御部
520...ラッチ部
530...マスクデータ生成部
530F...マスクデータ生成部
530G...マスクデータ生成部
532...演算部
534...演算選択部
536...マスクパラメータ参照テーブル
536G...マスクパラメータ記憶部
538...調光パラメータ参照テーブル
540...ラッチ部
550...マルチプレクサ(MPX)
DP1...画像表示システム
DP2...画像表示システム
DP3...画像表示システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示装置を駆動するための駆動画像データを生成する画像データ処理装置であって、
入力される複数フレームの入力画像データを順次記憶する画像メモリと、
前記画像メモリへの書き込みを制御する書込制御部と、
前記画像メモリからの読み出しを制御する読出制御部と、
前記画像メモリから順次読み出された読出画像データから前記駆動画像データを生成する駆動画像データ生成部と、を備え、
前記駆動画像データ生成部は、前記読出画像データの少なくとも一部をマスクデータに置き換えて前記駆動画像データを生成し、
前記マスクデータの表す画素値は、前記マスクデータに置き換えられる画素に対応する前記読出画像データの表す画素値に応じて決定されることを特徴とする画像データ処理装置。
【請求項2】
前記マスクデータは、前記読出画像データの表す画像全体の動き量に応じて決定される所定のパラメータに基づいて、前記マスクデータに置き換えられる画素に対応する前記読出画像データを演算処理することにより生成されることを特徴とする請求項1記載の画像データ処理装置。
【請求項3】
前記所定のパラメータは、前記マスクデータの前記対応する読出画像データの画素値に対する比率が、0から1までの範囲内で、かつ、前記動き量が大きくなるに従って小さく、前記動き量が小さくなるに従って大きくなるように、設定されていることを特徴とする請求項2記載の画像データ処理装置。
【請求項4】
請求項3記載の画像データ処理装置であって、
前記動き量が所定量よりも大きい場合には、前記比率が1となるように前記所定のパラメータを設定することを特徴とする画像データ処理装置。
【請求項5】
前記所定量は、眼球の追従運動の速度限界を示す限界視角速度に相当する大きさであることを特徴とする請求項4記載の画像データ処理装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の画像データ処理装置であって、
前記駆動画像データ生成部は、前記画像表示装置で表示される画像のm本(mは1以上の整数)の水平ラインごとに、前記読出画像データと前記マスクデータとが交互に配置された駆動画像データであって、前記読出画像データと前記マスクデータとの配置順が互いに異なる第1と第2の駆動画像データを生成することを特徴とする画像データ処理装置。
【請求項7】
m=1であることを特徴とする請求項6記載の画像データ処理装置。
【請求項8】
請求項6または請求項7記載の画像データ処理装置であって、
前記駆動画像データ生成部は、前記画像表示装置で表示される画像の単位で、前記第1の駆動画像データと前記第2の駆動画像データとを交互に生成することを特徴とする画像データ処理装置。
【請求項9】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の画像データ処理装置であって、
前記画像データ生成部は、前記画像表示装置で表示される画像のn本(nは1以上の整数)の垂直ラインごとに、前記読出画像データと前記マスクデータとが交互に配置された駆動画像データであって、前記読出画像データと前記マスクデータとの配置順が互いに異なる第1と第2の駆動画像データを生成することを特徴とする画像データ処理装置。
【請求項10】
n=1であることを特徴とする請求項9記載の画像データ処理装置。
【請求項11】
請求項9または請求項10記載の画像データ処理装置であって、
前記駆動画像データ生成部は、前記画像表示装置で表示される画像の単位で、前記第1の駆動画像データと前記第2の駆動画像データとを交互に生成することを特徴とする画像データ処理装置。
【請求項12】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の画像データ処理装置であって、
前記駆動画像データ生成部は、前記画像表示装置で表示される画像の水平方向にp画素(pは1以上の整数)で垂直方向にq画素(qは1以上の整数)のブロック単位で、前記水平方向および前記垂直方向に前記読出画像データと前記マスクデータとが交互に配置された駆動画像データであって、前記読出画像データと前記マスクデータとの配置順が互いに異なる第1と第2の駆動画像データを生成することを特徴とする画像データ処理装置。
【請求項13】
p=q=1であることを特徴とする請求項12記載の画像データ処理装置。
【請求項14】
請求項12または請求項13記載の画像データ処理装置であって、
前記駆動画像データ生成部は、前記画像表示装置で表示される画像の単位で、前記第1の駆動画像データと前記第2の駆動画像データとを交互に生成することを特徴とする画像データ処理装置。
【請求項15】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の画像データ処理装置であって、
前記駆動画像データ生成部は、前記画像表示装置で表示される画像の、各水平ラインに並ぶr個(rは3以上の整数)の画素につき連続するs個(sはrの約数)の画素に前記マスクデータが配置されるとともに、前記r個の画素に対する前記s個の画素の位置はt本(tは1以上の整数)の前記水平ラインごとに交互にずれた位置とされる駆動画像データであって、前記マスクデータの配置位置が互いに異なる第1ないし第(r/s)の駆動画像データを生成することを特徴とする画像データ処理装置。
【請求項16】
請求項15記載の画像データ処理装置であって、
前記駆動画像データ生成部は、前記画像表示装置で表示される画像の単位で、前記第1ないし第(r/s)の駆動画像データを順に生成することを特徴とする画像データ処理装置。
【請求項17】
請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の画像データ処理装置であって、
前記駆動画像データ生成部は、前記駆動画像データとして、前記画像表示装置で表示される画像の全体が前記読出画像データである第1の駆動画像データと、前記画像表示装置で表示される画像の全体が前記マスクデータである第2の駆動画像データとを生成することを特徴とする画像データ処理装置。
【請求項18】
請求項1ないし請求項17のいずれかに記載の画像データ処理装置であって、
前記読出画像データは、前記複数フレームの入力画像データが入力されるフレームレートの複数倍のレートで前記画像メモリから読み出されることを特徴とする画像データ処理装置。
【請求項19】
請求項2記載の画像データ処理装置であって、
前記駆動画像データ生成部は、前記画像表示装置の射出光量を制御する調光部により前記画像表示装置の射出光量を調整するための調光データを、前記動き量に応じて生成することを特徴とする画像データ処理装置。
【請求項20】
請求項1ないし請求項19のいずれかに記載の画像データ処理装置と、前記画像表示装置とを備える画像表示システム。
【請求項21】
請求項20記載の画像表示システムであって、さらに、
前記画像表示装置の射出光量を制御する調光部、を備え、
前記駆動画像データ生成部は、前記調光部により前記画像表示装置の射出光量を調整するための調光データを、前記動き量に応じて生成することを特徴とする画像表示システム。
【請求項22】
請求項21記載の画像表示システムであって、
前記画像表示装置は、非発光型の表示装置であり、
前記調光部は、
前記画像表示装置を照明する照明光を射出する光源と、
前記光源の射出光量を前記調光データに応じて制御する制御部と、を備えることを特徴とする画像表示システム。
【請求項23】
請求項22記載の画像表示システムであって、
前記光源は主光源と副光源とを備えており、
前記制御部は、前記副光源の射出光量を制御することを特徴とする画像表示システム。
【請求項24】
画像表示装置を駆動するための駆動画像データを生成する画像データ処理方法であって、
複数フレームの入力画像データを画像メモリへ順次書き込む工程と、
前記画像メモリに順次書き込まれる前記入力画像データごとに、前記入力画像データを順次読み出す工程と、
前記画像メモリから順次読み出された読出画像データから前記駆動画像データを生成する工程と、を備え、
前記駆動画像データを生成する工程は、前記読出画像データの少なくとも一部をマスクデータに置き換えて前記駆動画像データを生成し、
前記マスクデータの表す画素値は、前記マスクデータに置き換えられる画素に対応する前記読出画像データの表す画素値に応じて決定されることを特徴とする画像データ処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2006−309252(P2006−309252A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−145247(P2006−145247)
【出願日】平成18年5月25日(2006.5.25)
【分割の表示】特願2005−236529(P2005−236529)の分割
【原出願日】平成17年8月17日(2005.8.17)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】