説明

動画像再生装置

【課題】記録媒体に記録されているシリーズのある動画像データを再生して視聴しようとしたときに、前回の動画像データの番組内容を短時間で十分に把握できる動画像再生装置を提供する。
【解決手段】記録媒体に記録されている複数の動画像データのうちから再生対象の動画像データを指定する。記録媒体に記録されている動画像データを検索し、指定された動画像データと同一タイトルでその動画像データよりも記録日時の古い動画像データを選定する。選定された動画像データのうちから記録日時の最も新しい前回の動画像データを特定する。前回の動画像データより、部分動画像データを複数個、順に間引いて読み出し、読み出した部分動画像データに基づく部分動画像を順に再生する。その後、指定された動画像データを読み出してその動画像データに基づく動画像を再生する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、HDD(Hard Disk Drive)レコーダやDVD(Digital Versatile Disk)レコーダやこれらの複合機といったように、記録媒体に動画像のデータを記録し、記録されたそのデータを読み出して動画像を再生する動画像再生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般の動画像再生装置は、アナログ放送やデジタル放送によって送信された放送番組を予約録画機能や録画操作に従って記録媒体であるHD(ハードディスク)やDVD等に動画像データとして記録し、後に、その動画像データを再生操作に従ってモニタ装置に送出して番組を表示(再生)させる。
【0003】
ここで、記録媒体に記録されている動画像データ(番組)の中には、複数回にわたって放送される連続ドラマや連続アニメといったように、ストーリーにつながりのあるシリーズの動画像データが含まれることが多い。このようなシリーズの動画像データは、一般には、予約録画機能に従って一定の周期で順に記録され、同一の番組タイトル名が付与される。
【0004】
ところで、使用者がそのようなシリーズの動画像データをいざ再生して視聴しようとしたとき、再生対象にした動画像データよりも記録日時の古い動画像データ、特にその中でも記録日時の最も新しい前回の動画像データが存在していて、その前回の動画像データを未だ視聴していなかったり、視聴済みであってもその内容を忘れてしまっていたりする場合がある。このような場合、使用者は、再生対象の動画像データをいきなり視聴してもストーリーのつながりが理解できず十分に楽しめないことから、再生対象の動画像データよりも先ず前回の動画像データを視聴して前回の番組内容を把握したいと思うのが常であり、先に前回の動画像データについて、通常の再生で視聴したり、1.5倍速等の早送り再生で視聴したりしていた。
【0005】
また、例えば特許文献1には、ある動画像データを記録媒体に記録しながら視聴しているときに、記録媒体からその動画像データと同じシリーズでその動画像データよりも記録日時の古い動画像データを検出し、検出した動画像データをダイジェストで再生するテレビに関する技術が開示されている。
【0006】
また、特許文献2には、途中まで再生したある動画像データを別途あらためて再生して視聴しようとしたときに、既に再生した途中までをダイジェストで再生する情報再生装置に関する技術が開示されている。
【特許文献1】特開2005−159579号公報
【特許文献2】特開2002−25235号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、通常再生で前回の動画像データを視聴した場合、視聴時間が大いにかかるため、時間に余裕がないときなどでは視聴を諦めてしまうことが多く、その結果として、未視聴の動画像データが次第に記録媒体に溜まっていき、結局は視聴されずに整理(記録媒体から削除)されてしまう事態が往々にしてあった。一方、早送り再生で前回の動画像データを視聴した場合、早送りで画像や音声が再生されるため、その番組内容を十分に把握することが困難であるし、視聴時間の短縮もそれ程期待できなかった。
【0008】
もっとも、上記特許文献1、2に開示されている技術によっても、記録媒体に記録されているシリーズのある動画像データを再生して視聴しようとしたときの前回の動画像データの再生状況については、事情は同じである。
【0009】
そこで本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、記録媒体に記録されているシリーズのある動画像データを再生して視聴しようとしたときに、前回の動画像データの番組内容を短時間で十分に把握できる動画像再生装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明による動画像再生装置は、記録媒体に記録されている動画像データを読み出して動画像を再生する動画像再生装置において、前記記録媒体に記録されている複数の動画像データのうちから再生対象の動画像データを指定する指定手段と、前記記録媒体に記録されている動画像データを検索し、前記指定手段で指定された動画像データと同一のタイトルを有する動画像データであって、前記指定手段で指定された動画像データよりも記録日時の古い動画像データを選定する選定手段と、この選定手段で選定された動画像データのうちから記録日時の最も新しい動画像データを含む動画像データを特定する特定手段と、この特定手段で特定された動画像データより、この動画像データに基づく動画像の一部に対応する部分動画像データを複数個、順に間引いて読み出し、読み出した部分動画像データに基づく部分動画像を順に再生するとともに、その後、前記指定手段で指定された動画像データを読み出してその動画像データに基づく動画像を再生する再生手段と、を備え、前記部分動画像データは、前記特定手段で特定された動画像データに基づく動画像の序盤、中盤、及び終盤にそれぞれ対応するようになっている。
【0011】
このような構成により、記録媒体に記録されているシリーズのある動画像データを再生して視聴しようとしたときに、未だ視聴していなかったり、内容を忘れてしまったりした前回の動画像データが記録媒体内に存在する場合、先ずその前回の動画像データを部分的に再生することができるため、その前回の動画像データの番組内容を短時間で十分に把握することが可能になる。
【0012】
また、上記目的を達成するための本発明による動画像再生装置は、記録媒体に記録されている動画像データを読み出して動画像を再生する動画像再生装置において、前記記録媒体に記録されている複数の動画像データのうちから再生対象の動画像データを指定する指定手段と、前記記録媒体に記録されている動画像データを検索し、前記指定手段で指定された動画像データと同一のタイトルを有する動画像データであって、前記指定手段で指定された動画像データよりも記録日時の古い動画像データを選定する選定手段と、この選定手段で選定された動画像データのうちから少なくとも記録日時の最も新しい動画像データを含む動画像データを特定する特定手段と、この特定手段で特定された動画像データより、この動画像データに基づく動画像の一部に対応する部分動画像データを複数個、順に間引いて読み出し、読み出した部分動画像データに基づく部分動画像を順に再生するとともに、その後、前記指定手段で指定された動画像データを読み出してその動画像データに基づく動画像を再生する再生手段と、を備える。
【0013】
このような構成により、記録媒体に記録されているシリーズのある動画像データを再生して視聴しようとしたときに、未だ視聴していなかったり、内容を忘れてしまったりした前回の動画像データが記録媒体内に存在する場合、先ずその前回の動画像データを部分的に再生することができるため、その前回の動画像データの番組内容を短時間で十分に把握することが可能になる。
【0014】
ここで、前記部分動画像データは、前記特定手段で特定された動画像データに基づく動画像の少なくとも序盤、中盤、及び終盤にそれぞれ対応することが好ましい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の動画像再生装置によれば、記録媒体に記録されているシリーズのある動画像データを再生して視聴しようとしたときに、その前回の動画像データの番組内容を短時間で十分に把握することが可能になり、その上で、再生対象の動画像データを再生できるため、ストーリーのつながりを理解でき十分に楽しむことが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下に、本発明の動画像再生装置の一実施形態について図面を参照しながら詳述する。図1は本発明の動画像再生装置の一実施形態であるHDDレコーダの概略構成を示すブロック図、図2はそのHDDレコーダにおける再生時の動作の一例を示すフローチャート、図7はそのHDDレコーダにおける再生時の動作の別例を示すフローチャートである。
【0017】
図1に示すように、本実施形態での動画像再生装置1は、記録媒体としてハードディスク13を採用したHDDレコーダであって、受信した放送番組を予約録画や録画操作に従ってハードディスク13に動画像データとして記録し、後に、その動画像データを再生操作に基づきモニタ装置30に送出して番組を表示(再生)させて視聴させるものである。また、記録媒体に記録されているある動画像データを再生して視聴しようとしたとき、その再生対象にした動画像データと同じシリーズ(同一タイトル)でその再生対象の動画像データよりも記録日時の古い動画像データが存在する場合、その古い動画像データ(その中でも記録日時の最も新しい前回の動画像データは少なくとも)を先ず、あらすじ再生と呼ぶ部分的な再生で再生する付帯機能を有する。
【0018】
この動画像再生装置1は、大きくは、システム制御回路2と、OSD(On Screen Display)画像生成回路4と、操作部5と、受光部6と、計時回路7と、表示部8と、チューナ9と、MPEG(Moving Picture Experts Group)エンコーダ10と、バッファメモリ11と、ハードディスク装置(HDD)12と、MPEGデコーダ16と、出力部17とを備える。システム制御回路2はメモリ3を含む。HDD12は、ハードディスク13と情報記録ヘッド14とを含む。チューナ9には、アンテナ20が接続される。出力部17には、テレビや表示専用モニタ等のモニタ装置30に接続される。
【0019】
システム制御回路2は、信号の入出力を行ないながら、動画像再生装置1全体の動作を制御する。この動作には、受信された動画像データ(画像情報及び音声情報等より構成される)の記録、記録されたデータの読み出し、同一タイトルのデータの検索及び読み出し等が含まれる。この制御は、例えばメモリ3に予め記憶されたプログラムに基づいて行なわれる。
【0020】
システム制御回路2は、使用者の指示を検出すると、モニタ装置30に所定の画面を表示させるための信号を生成する。この画面には、周期録画や予約録画の設定のための画面、記録された動画像データに基づく動画像が再生される画面(あらすじ再生の際の部分動画像データに基づく部分動画像が再生される画面も含む)、あらすじ再生に関して予め行う設定(待ち受け設定と呼ぶ)や途中段階で行う設定(マニュアル設定と呼ぶ)のための画面、各動画像のインデックス画像やタイトルや記録日や記録時間等が一覧表示される画面等が含まれる。
【0021】
OSD画像生成回路4は、操作部5からの指示、又は受光部6を介して取得したリモコン端末からの指示に基づいて、或いはシステム制御回路2において予め定められた条件に基づいて、メッセージ画像を表示するための信号を生成する。このメッセージ画像とは、チャネル表示、録画設定画面表示、あらすじ再生の待ち受け設定画面表示、あらすじ再生のマニュアル設定画面表示、インデックス一覧表示、タイトル一覧表示、音量表示等の画像であって、HDD12からの動画像とは異なる画像である。OSD画像生成回路4は、このようなメッセージ画像の信号を生成すると、出力部17に出力する。この信号が出力されると、その信号が表すメッセージ画像がモニタ装置30に表示される。
【0022】
操作部5は、使用者が入力した指示を検出する。操作部5は、例えば動画像再生装置1の前面のパネルに設けられた入力ボタンであるが、これに限られない。入力ボタンとしては、再生キー、停止キー、巻戻しキー、早送りキー、コマ送りキー、一時停止キー、スキップキー、録画キー、カーソルキー、決定キー等が含まれる。指示が検出されると、その指示に対応する処理を実行させるための信号が生成される。この信号は、システム制御回路2に出力される。
【0023】
受光部6は、リモコン端末から発せられたリモコン信号を受信する。この信号は、システム制御回路2に出力される。リモコン端末には、入力ボタンとして、再生キー、停止キー、巻戻しキー、早送りキー、コマ送りキー、一時停止キー、スキップキー、録画キー、カーソルキー、決定キー等を含む。
【0024】
計時回路7は、動画像再生装置1における時間を計測する。計時回路7は、外部から供給される電源に基づいて作動するが、一時的な停電があっても、予め設定された時間は作動し続けることができる。計時回路7は、時刻データをシステム制御回路2に出力する。また、システム制御回路2からの制御信号が入力される。計時回路7の時刻は、システム制御回路2から信号に基づいて補正される。
【0025】
表示部8は、動画像再生装置1に関する情報を表示する。この情報には、時間、受信チャネル、カウンタ、録画/再生モードその他の項目が含まれる。この表示部8は、例えば動画像再生装置1の前面に設けられたLCD(Liquid Crystal Display)やLED(Light Emitting Diode)であるが、これに限られない。
【0026】
チューナ9は、アナログ放送、デジタル放送等により送信される番組の動画像データをアンテナ20を介して受信する。チューナ9により受信されたデータ信号は、MPEGエンコーダ10に出力される。また、チューナ9は、システム制御回路2からの信号に基づいて受信チャネルを切り換えることができる。
【0027】
MPEGエンコーダ10は、チューナ9から入力されたアナログ信号をMPEG符号化されたデジタル信号に変換して、システム制御回路2に出力する。
【0028】
HDD12は、システム制御回路2からの信号に基づいて、MPEG符号化されたデータを情報記録ヘッド14によりハードディスク13に書き込んだり、ハードディスク13に記憶されたデータを読み出したりする。ここでのハードディスク13は、そのデータ記憶領域として、管理データ領域とオブジェクトデータ領域とを有する。オブジェクトデータ領域には、動画像オブジェクトそのものを表すオブジェクトデータが記録される。一方管理データ領域には、ハードディスク13に記録される各動画像のデータを管理するための管理データが記録される。この管理データとしては、動画像オブジェクトごとのデータ体系に関するデータ、録画チャネルやタイトルや記録日時や記録時間等の属性に関するデータ、インデックス画像に関するデータ、章分け(チャプタ分割)された地点に関するデータ等が含まれる。
【0029】
バッファメモリ11は、システム制御回路2からの信号に基づいて、動画像処理装置1により受信された動画像データを一時的に記録する。一時的に記録されたデータは、順次HDD12へ送出される。
【0030】
MPEGデコーダ16は、HDD12から読み出された、MPEG符号化されたデータを復号化して出力部17に出力する。
【0031】
出力部17は、OSD画像生成回路4からの信号、及びMPEGデコーダ16からの信号をモニタ装置30に出力する。これにより、モニタ装置30には、OSD画像生成回路4により生成された画像メッセージと、HDD12から読み出された動画像とが表示される。
【0032】
続いて、動画像再生装置1による予約録画の設定について説明する。操作部5又はリモコン端末から、予約録画設定の指令を受けると、システム制御回路2により、OSD画像生成回路4を通じてモニタ装置30に録画設定画面が表示される。録画設定画面では、録画対象番組のチャネル、録画開始時刻、録画終了時刻、録画日、毎週録画、毎日録画といった項目が表示される。
【0033】
一定の周期で送信されるシリーズの放送番組を周期録画しようとする場合は、その番組のチャネル、録画開始時刻、録画終了時刻、及び周期録画を指定する毎週録画、毎日録画等について、主にリモコン端末での操作によって設定する。一回限りの予約録画をしようとする場合は、その対象番組のチャネル、録画開始時刻、録画終了時刻、及び録画日等について設定する。
【0034】
このような予約録画に関する入力設定データは、メモリ3に保存される。ここでの周期録画に関するデータは、周期録画が解除されるまでメモリ3に保存され続け、一回限りの予約録画に関するデータは、その録画が完了すると消去される。
【0035】
このようにして設定された予約録画は次のように実行される。システム制御回路2は、メモリ3に保存されている予約録画に関するデータに基づき、所定の開始時間になると、チューナ9からMPEGエンコーダ10を介して所定のチャネルの動画像データを受け付ける。その動画像データは、バッファメモリ11に一時的に記録され、順次HDD12へ送出される。送出されたデータは、情報記録ヘッド14によりハードディスク13に書き込まれて記録されていく。そして所定の終了時間になると、これらの動作を終了して録画が完了する。
【0036】
次に、動画像再生装置1による再生時の動作について、先ず図2を参照しながら説明する。ここでは、あらすじ再生に関する設定を待ち受け設定で予め行う場合を示す。ステップ#5において、使用者からの主にリモコン端末の操作により、あらすじ再生の設定が行われる。
【0037】
具体的には、使用者からあらすじ再生の設定を行うべく操作入力を受けると、システム制御回路2からの指令により、あらすじ再生の待ち受け設定に関する初期画面(図3参照)がモニタ装置30に先ず表示される。ここであらすじ再生の設定を行うか否かの入力操作を待ち、あらすじ再生の設定を行う「はい」の入力操作を受けると、モニタ装置30の表示画面が番組選択のためのメニュー画面(図4参照)に切り替わる。ここでは、あらすじ再生の対象にする動画像データ(番組)を如何なるものにするかの選択肢の入力操作を待つ。選択肢としては、例えば、項目1として「前回の番組のみの再生」、項目2として「前々回の番組から前回の番組まで順に再生」、項目3として「前回の番組まですべて順に再生」が代表的である。ここでの選択肢としては、これに限るわけではないが、前回の番組についての再生は少なくとも含まれる。
【0038】
その番組選択のメニュー画面での選択肢の中から1つ項目が決定され、その入力操作を受けると、モニタ装置30の表示画面が時間選択のためのメニュー画面(図5参照)に切り替わる。ここでは、あらすじ再生の対象にした動画像データ一つ一つをどの位の時間で再生するかの選択肢の入力操作を待つ。選択肢としては、例えば、項目1として「番組総時間に対する半分程度(総時間が60分のときは30分)の再生」、項目2として「番組総時間に対する1/4程度(総時間が60分のときは15分)の再生」、項目3として「番組総時間に対する1/12程度(総時間が60分のときは5分)の再生」が代表的である。ここでの選択肢としては、これに限るわけではなく、その他に、項目4として「1.5倍速での再生」が加えられても構わない。
【0039】
その時間選択のメニュー画面での選択肢の中から1つの項目が決定され、その入力操作を受けると、あらすじ再生の待ち受け設定が完了する。
【0040】
続くステップ#10において、使用者から主にリモコン端末を通じ、ハードディスク13に記録されている動画像データのインデックス一覧表示画面やタイトル一覧表示画面等より、これから再生して視聴しようとする再生対象の動画像データが1つ指定される。
【0041】
その入力操作を受けると、ハードディスク13に記録されているすべての動画像データが検索され、先ずステップ#15において、ステップ#10で指定された再生対象の動画像データと同一タイトルの動画像データすなわちシリーズの動画像データがあるか否かが判断される。シリーズの動画像データが無い場合は、ステップ#35に進み、システム制御回路2からの信号により、HDD12が駆動してハードディスク13からステップ#10で指定された再生対象の動画像データが読み出され、読み出されたデータは、MPEGデコーダ16を介して出力部17へ出力される。こうして、モニタ装置30にステップ#10で指定された再生対象の動画像データに基づく動画像が表示され、通常の再生が行われる。
【0042】
一方、ステップ#15での判断でシリーズの動画像データが有った場合は、ステップ#20において、そのシリーズの動画像データのうちから、ステップ#10で指定された再生対象の動画像データよりも記録日時の古い動画像データがあるか否かが判断される。記録日時の古いシリーズの動画像データが無い場合は、ステップ#35に進み、上記と同様に、モニタ装置30にステップ#10で指定された再生対象の動画像データに基づく動画像が表示され、通常の再生が行われる。
【0043】
一方、ステップ#20での判断で記録日時の古いシリーズの動画像データが有った場合は、ステップ#25において、その記録日時の古いシリーズの動画像データのうちから、ステップ#5で設定されたあらすじ再生の待ち受け設定での番組選択の内容に従って、あらすじ再生の対象にする動画像データが特定される。例えば、ステップ#5での番組選択で項目1(図4参照)が設定されていれば、その記録日時の古いシリーズの動画像データのうちから記録日時の最も新しい動画像データ、すなわちステップ#10で指定された再生対象の動画像データに対する前回の動画像データのみが特定される。項目2(図4参照)が設定されていれば、その記録日時の古いシリーズの動画像データのうちから、ステップ#10で指定された再生対象の動画像データに対する前々回と前回の動画像データが特定される。項目3(図4参照)が設定されていれば、その記録日時の古いシリーズの動画像データすべてが特定される。
【0044】
続いてステップ#30において、システム制御回路2からの信号により、HDD12が駆動してハードディスク13からステップ#25で特定されたあらすじ再生対象の動画像データが読み出され、読み出されたデータは、MPEGデコーダ16を介して出力部17へ出力される。その際、あらすじ再生対象の動画像データは、ステップ#5で設定されたあらすじ再生の待ち受け設定での時間選択の内容に従って、ハードディスク13から部分的に間引いて読み出される。
【0045】
具体的には、あらすじ再生対象の動画像データに基づく動画像が、例えば、図6に示すように、予め5分ごとにチャプタ分割された12個のチャプタより成る総時間60分の番組である場合、ステップ#5での番組選択で項目1(図5参照)が設定されていれば、番組総時間に対する半分程度の30分となるように、チャプタ番号2,4,6,8,10,11の組合せや、チャプタ番号3,5,7,9,10,11の組合せ等で、各チャプタに対応する部分動画像データが順に間引いて読み出される。項目2(図5参照)が設定されていれば、番組総時間に対する1/4程度の15分となるように、チャプタ番号2,6,10の組合せや、チャプタ番号3,7,11の組合せ等で、各チャプタに対応する部分動画像データが順に間引いて読み出される。項目3(図5参照)が設定されていれば、番組総時間に対する1/12程度の5分となるように、チャプタ番号10や、チャプタ番号11等の各チャプタに対応する部分動画像データが間引いて読み出される。なお、ここでは、チャプタ番号1〜4はあらすじ再生対象の動画像データに基づく動画像の序盤に相当し、そのうちのチャプタ番号1には当該動画像による番組に対する前回の番組のあらすじが大概は含まれている。チャプタ番号5〜8はその中盤に相当する。チャプタ番号9〜12はその終盤に相当し、そのうちのチャプタ番号12には当該動画像による番組に対する次回の予告編が大概は含まれ、チャプタ番号10、11には次回の番組のストーリーにつながる内容が大概は含まれている。
【0046】
こうして、モニタ装置30にステップ#25で特定されたあらすじ再生対象の動画像データに基づく部分動画像が順に表示され、部分的なあらすじ再生が行われる。なお、あらすじ再生対象の動画像データが複数特定されている場合には、記録日時の古いものから前回の動画像データまで順にあらすじ再生される。なお、あらすじ再生の途中で、使用者からスキップの入力操作がされたときには、次の動画像データのあらすじ再生に移行する。
【0047】
前回の動画像データのあらすじ再生が終わると、ステップ#35に進み、上記と同様に、モニタ装置30にステップ#10で指定された再生対象の動画像データに基づく動画像が表示され、通常の再生が行われる。
【0048】
次に、動画像再生装置1による再生時の動作の別例について、図7を参照しながら説明する。ここでは、あらすじ再生に関する設定を途中段階のマニュアル設定で行う場合を示す。なお、図7中、上記した図2のフローチャートでのステップと同じ動作が行われるステップでは同じステップ番号を付し、重複する説明は適宜簡素化する。
【0049】
先ずステップ#10において、使用者から主にリモコン端末を通じ、ハードディスク13に記録されている動画像データのうちから、これから再生して視聴しようとする再生対象の動画像データが1つ指定される。
【0050】
その入力操作を受けると、ハードディスク13に記録されているすべての動画像データが検索され、先ずステップ#15において、ステップ#10で指定された再生対象の動画像データと同じシリーズの動画像データがあるか否かが判断される。シリーズの動画像データが無い場合は、ステップ#35に進み、モニタ装置30にステップ#10で指定された再生対象の動画像データに基づく動画像が表示され、通常の再生が行われる。
【0051】
一方、ステップ#15での判断でシリーズの動画像データが有った場合は、ステップ#20において、そのシリーズの動画像データのうちから、ステップ#10で指定された再生対象の動画像データよりも記録日時の古い動画像データがあるか否かが判断される。記録日時の古いシリーズの動画像データが無い場合は、ステップ#35に進み、モニタ装置30にステップ#10で指定された再生対象の動画像データに基づく動画像が表示され、通常の再生が行われる。
【0052】
一方、ステップ#20での判断で記録日時の古いシリーズの動画像データが有った場合は、ステップ#22において、システム制御回路2からの指令により、あらすじ再生のマニュアル設定に関する初期画面(図8参照)がモニタ装置30に表示される。ここであらすじ再生の設定を行うか否かの入力操作を待ち、あらすじ再生の設定を行わない「いいえ」の入力操作を受けると、ステップ#35に進み、モニタ装置30にステップ#10で指定された再生対象の動画像データに基づく動画像が表示され、通常の再生が行われる。
【0053】
これとは逆に、ステップ#22であらすじ再生の設定を行う「はい」の入力操作を受けると、ステップ#24において、使用者からの主にリモコン端末の操作により、あらすじ再生の設定(あらすじ再生対象の動画像データの特定も含む)が行われる。
【0054】
具体的には、モニタ装置30の表示画面が番組選択のためのメニュー画面(図9参照)に切り替わる。この画面では、ステップ#15、#20で検索された記録日時の古いシリーズの動画像データがインデックス一覧やタイトル一覧で表示される。そして、使用者からの入力操作により、その中からあらすじ再生の対象にする動画像データが特定される。ここでは、その記録日時の古いシリーズの動画像データのうちから記録日時の最も新しい動画像データ、すなわちステップ#10で指定された再生対象の動画像データに対する前回の動画像データは必ず特定されるが、これに加えて、前々回等の動画像データを特定しても構わない。
【0055】
あらすじ再生対象の動画像データを特定する入力操作を受けると、モニタ装置30の表示画面が時間選択のためのメニュー画面(図10参照)に切り替わる。そして、その時間選択のメニュー画面での選択肢の中から1つの項目が決定され、その入力操作を受けると、あらすじ再生のマニュアル設定が完了する。
【0056】
続いてステップ#30において、システム制御回路2からの信号により、ハードディスク13からステップ#24での設定で特定されたあらすじ再生対象の動画像データが読み出され、読み出されたデータは、MPEGデコーダ16を介して出力部17へ出力される。その際、あらすじ再生対象の動画像データは、ステップ#24で設定されたあらすじ再生のアニュアル設定での時間選択の内容に従って、ハードディスク13から部分的に間引いて読み出される。
【0057】
こうして、モニタ装置30にステップ#24での設定で特定されたあらすじ再生対象の動画像データに基づく部分動画像が順に表示され、部分的なあらすじ再生が行われる。
【0058】
前回の動画像データのあらすじ再生が終わると、ステップ#35に進み、モニタ装置30にステップ#10で指定された再生対象の動画像データに基づく動画像が表示され、通常の再生が行われる。
【0059】
このような再生動作により、ハードディスク13に記録されているシリーズのある動画像データを再生して視聴しようとしたときに、未だ視聴していなかったり、内容を忘れてしまったりした前回の動画像データがハードディスク13内に存在する場合、先ずその前回の動画像データを部分的に再生することができるため、その前回の動画像データの番組内容を短時間で十分に把握することが可能になる。特に、前回の動画像データの部分的な再生が、その前回の動画像データに基づく動画像の序盤、中盤、及び終盤にそれぞれ対応すれば、その番組内容の把握がより一層高まる。その上で、再生対象の動画像データを再生できるため、ストーリーのつながりを理解でき十分に楽しむことが可能になる。
【0060】
その他本発明は上記の実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更が可能である。例えば、上記の実施形態では、動画像データを部分的にあらすじ再生する際、ハードディスク13から読み出す部分の指標をチャプタに基づいているが、トラック数に基づいても構わない。また、上記の実施形態では、動画像再生装置としてHDDレコーダを例に挙げて説明したが、記録媒体としてDVDを採用したDVDレコーダや、これらの複合機であっても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明は、ハードディスクやDVD等の記録媒体に動画像のデータを記録し、記録されたそのデータを読み出して動画像を再生する動画像再生装置に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の動画像再生装置の一実施形態であるHDDレコーダの概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態の動画像再生装置における再生時の動作の一例を示すフローチャートである。
【図3】図2におけるあらすじ再生の設定に関する初期画面の一例を示す図である。
【図4】図2におけるあらすじ再生の設定での番組選択のためのメニュー画面の一例を示す図である。
【図5】図2におけるあらすじ再生の設定での時間選択のためのメニュー画面の一例を示す図である。
【図6】動画像データの構成の一例を模式的に示す図である。
【図7】本発明の一実施形態の動画像再生装置における再生時の動作の一例を示すフローチャートである。
【図8】図7におけるあらすじ再生の設定に関する初期画面の一例を示す図である。
【図9】図7におけるあらすじ再生の設定での番組選択のためのメニュー画面の一例を示す図である。
【図10】図7におけるあらすじ再生の設定での時間選択のためのメニュー画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0063】
1 動画像再生装置
2 システム制御回路
3 メモリ
4 OSD画像生成回路
5 操作部
6 受光部
7 計時回路
8 表示部
9 チューナ
10 MPEGエンコーダ
11 バッファメモリ
12 ハードディスク装置
13 ハードディスク
14 情報記録ヘッド
16 MPEGデコーダ
17 出力部
20 アンテナ
30 モニタ装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録媒体に記録されている動画像データを読み出して動画像を再生する動画像再生装置において、
前記記録媒体に記録されている複数の動画像データのうちから再生対象の動画像データを指定する指定手段と、
前記記録媒体に記録されている動画像データを検索し、前記指定手段で指定された動画像データと同一のタイトルを有する動画像データであって、前記指定手段で指定された動画像データよりも記録日時の古い動画像データを選定する選定手段と、
この選定手段で選定された動画像データのうちから記録日時の最も新しい動画像データを含む動画像データを特定する特定手段と、
この特定手段で特定された動画像データより、この動画像データに基づく動画像の一部に対応する部分動画像データを複数個、順に間引いて読み出し、読み出した部分動画像データに基づく部分動画像を順に再生するとともに、その後、前記指定手段で指定された動画像データを読み出してその動画像データに基づく動画像を再生する再生手段と、を備え、
前記部分動画像データは、前記特定手段で特定された動画像データに基づく動画像の序盤、中盤、及び終盤にそれぞれ対応することを特徴とする動画像再生装置。
【請求項2】
記録媒体に記録されている動画像データを読み出して動画像を再生する動画像再生装置において、
前記記録媒体に記録されている複数の動画像データのうちから再生対象の動画像データを指定する指定手段と、
前記記録媒体に記録されている動画像データを検索し、前記指定手段で指定された動画像データと同一のタイトルを有する動画像データであって、前記指定手段で指定された動画像データよりも記録日時の古い動画像データを選定する選定手段と、
この選定手段で選定された動画像データのうちから少なくとも記録日時の最も新しい動画像データを含む動画像データを特定する特定手段と、
この特定手段で特定された動画像データより、この動画像データに基づく動画像の一部に対応する部分動画像データを複数個、順に間引いて読み出し、読み出した部分動画像データに基づく部分動画像を順に再生するとともに、その後、前記指定手段で指定された動画像データを読み出してその動画像データに基づく動画像を再生する再生手段と、を備えることを特徴とする動画像再生装置。
【請求項3】
前記部分動画像データは、前記特定手段で特定された動画像データに基づく動画像の少なくとも序盤、中盤、及び終盤にそれぞれ対応することを特徴とする請求項2に記載の動画像再生装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−295424(P2007−295424A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−122904(P2006−122904)
【出願日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】