包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を形成する方法及び構造体
【課題】半導体デバイス用の包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を提供する。
【解決手段】粉末金属材料、潤滑剤及び結合剤の第1の混合物からなる第1の素材が準備される。粉末金属材料、潤滑剤及び結合剤の第2の混合物からなる第2の素材であって、各第1及び第2の素材の焼結収縮間の差が1%よりも少ないような第2の素材が準備される。第1及び第2の素材は包囲体形状を有する第1の生の部品及びヒートシンク形状を有する第2の生の部品を形成するようにプレスされる。第1及び第2の粉末スケルトンを形成するように第1及び第2の生の部品から潤滑剤及び結合剤が除去される。包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を完成させるように第1及び第2の粉末スケルトンが焼結される。第1及び第2の粉末スケルトンは焼結中に緊密に接触する。
【解決手段】粉末金属材料、潤滑剤及び結合剤の第1の混合物からなる第1の素材が準備される。粉末金属材料、潤滑剤及び結合剤の第2の混合物からなる第2の素材であって、各第1及び第2の素材の焼結収縮間の差が1%よりも少ないような第2の素材が準備される。第1及び第2の素材は包囲体形状を有する第1の生の部品及びヒートシンク形状を有する第2の生の部品を形成するようにプレスされる。第1及び第2の粉末スケルトンを形成するように第1及び第2の生の部品から潤滑剤及び結合剤が除去される。包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を完成させるように第1及び第2の粉末スケルトンが焼結される。第1及び第2の粉末スケルトンは焼結中に緊密に接触する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体デバイスのための包囲体に関し、特に、接着剤層無しに形成される包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路、ソリッドステート電力増幅器及びアンテナの如き多くの電子デバイスは使用中にかなりの量の熱を発生させる。熱は再分配して、最終的には伝導放出しなければならないか、または、結果として生じる温度上昇が電子デバイスの最大作動温度限界を越えてしまうことがある。それ故、集積回路を収容するために使用される電子包囲体からの熱を伝導放出するためにヒートシンク構造体を設ける必要がしばしばある。
【0003】
ここで図1を参照すると、接着剤層22を使用して取り付けられたヒートシンク18を備えた例示的な従来の半導体包囲体14を示す。集積回路デバイス10は包囲体14に固定される。包囲体14は典型的には集積回路10の半導体材料の熱膨張係数に適合するように低い熱膨張係数を有する材料で構成される。更に、包囲体は湿気及び他の大気状態に対して保護を提供しなければならない。包囲体はまた、内部信号と外部信号との間の干渉を阻止する必要がある。これに対して、ヒートシンク18は典型的には高熱伝導率を有する材料で構成され、典型的には、熱放散フィン(鰭)24を含む。しかし、ヒートシンク18及び包囲体18は著しく異なる熱膨張係数を有することがある。構造体の温度がかなりの量だけ上昇及び下降するような熱サイクルイベント中、大きな熱応力が接着剤層22内に生じる。この熱サイクルのために、熱によるひび割れが接着剤層22内に生じることがある。
【0004】
ここで図2を参照すると、接着剤層38を使用して取り付けられたヒートシンク42を備えた従来の包囲体34の横断面図を示す。包囲体は印刷回路板(PCB)50に取り付けられる。この例においては、集積回路チップ30はガラス層54でシールされる。光学繊維46は包囲体34を介してチップ30に接続される。この場合も、熱サイクルがヒートシンク42に対する接着剤層38のインターフェース58を故障させることがある。
【0005】
いくつかの従来の発明は包囲体及びヒートシンクのパッケージ化を開示している。日本国特許第7,321,261号は低価格のタングステン合金のヒートシンクを開示している。複雑な形状のタングステン合金ヒートシンクは良好な放熱及び熱伝導率を示す。しかし、ヒートシンクは有効に機能するために依然として電子デバイスに接着しなければならない。米国特許第5,878,322号及び同第5,886,407号各明細書は粉末コンパクティングを使用して形成されるマイクロ電子パッケージのためのヒートシンクを開示している。しかし、ヒートシンクを包囲体に接着するために接着剤が依然として必要である。米国特許第6,075,701号明細書は熱放散性能を向上させるために埋設された熱分解黒鉛のヒートシンクを有する電子構造体を開示している。しかし、処理パラメータが包囲体又はコーティングのために使用できる材料の範囲を制限してしまう。アルミニウムの如き低融点材料のみが熱間等静圧プレス処理と両立できる。更に、最適な性能を達成するためには、焼入れや熟成の如き付加的な熱処理を行わなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の主要な目的は、半導体デバイスのための包囲体を形成する有効で極めて製造し易い方法を提供することである。
本発明の別の目的は、コストを減少させ、信頼性を改善するために間に接着剤層を有せずに、ヒートシンクと組み合わされた包囲体を形成するための方法を提供することである。
【0007】
本発明の更に別の目的は、包囲体の低熱膨張及びヒートシンクの高熱伝導率を維持しながら、組み合わせた包囲体及びヒートシンクを形成する方法を提供することである。
本発明の他の目的は、ヒートシンクの熱伝導率を更に改善するために中空の冷却チャンネルをヒートシンク内に形成した、組み合わせた包囲体及びヒートシンクを形成する方法を提供することである。
【0008】
本発明の更に他の目的は、冷却チャンネルが組み合わせ構造体を形成するために使用される焼結工程と同じ焼結工程により形成されるような、組み合わせた包囲体及び中空の冷却チャンネルを備えたヒートシンクを形成する方法を提供することである。
本発明の別の目的は、改善された包囲体及びヒートシンクの構造体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的に従えば、半導体デバイスのための包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体が達成される。粉末金属材料、潤滑剤及び結合剤の第1の混合物からなる第1の素材が準備される。粉末金属材料、潤滑剤及び結合剤の第2の混合物からなる第2の素材が準備され、各第1及び第2の素材の焼結収縮間の差が1%よりも少ないようにする。第1及び第2の素材は包囲体形状を有する第1の生の部品及びヒートシンク形状を有する第2の生の部品を形成するようにプレスされる。第1の粉末スケルトン及び第2の粉末スケルトンを形成するために、第1及び第2の生の部品から潤滑剤及び結合剤が除去される。包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を完成させるために、第1及び第2の粉末スケルトンが焼結される。第1及び第2の粉末スケルトンは焼結中に緊密に接触する。随意として、消失し易いプラスチック構造体を焼結工程中に焼失させることにより、少なくとも1つの中空の冷却チャンネルを組み合わせ構造体内に形成する。
【0010】
また、本発明の目的に従えば、半導体デバイスのための包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体が達成される。構造体は第1の材料で構成された包囲体と、第2の材料で構成されたヒートシンクとを有する。包囲体及びヒートシンクは焼結工程により一緒に結合される。随意として、包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体は少なくとも1つの中空の冷却チャンネルを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
好ましい実施の形態は本発明の半導体デバイスのための新規な包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を開示する。2つの材料で構成される包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を形成する方法が達成される。2つの材料が形成され、接着剤層を使用せずに新規な焼結工程を使用して接合される。本方法及び構造体の一実施の形態は、性能を更に改善するためにヒートシンク内に中空の冷却チャンネルを生じさせる手段を含む。当業者にとっては、本発明の要旨を逸脱することなく、本発明を応用し、拡張できることは明らかである。
【0012】
ここで図3を参照すると、包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を形成する方法を示す本発明の第1の好ましい実施の形態が示されている。この方法は粉末冶金として知られる技術に基づく。粉末冶金においては、粉末の形をした金属がモールド成形され、そして、典型的には、構造体を形成するためにプレスされる。次いで、部品は典型的には焼結されて、粒子間の結合を増大させ、粉末金属成形品を強化する。
【0013】
再度図3を参照すると、第1の粉末金属素材がステップ100において準備される。第2の粉末金属素材がステップ104において準備される。当業者にとって周知のように、準備における第1の工程は、粉末の形をした所要の材料を提供することである。典型的には金属粉末であるこの粉末は当業界で十分確立された多数の方法で得ることができる。例えば、スポンジ鉄の場合のように、還元工程は精製オール(oar)、ミルスケール又は加工された酸化物を粉末金属に変換することができる。粉末金属材料はまた、純金属素材の機械的な製粉及び粉砕により作ることができる。
【0014】
本発明においては、次に、粉末材料の第1の混合物が集積回路のための包囲体構造体として形成される。それ故、粉末材料の第1の混合物は、第1の組の特性、詳細には集積回路デバイスの熱膨張係数と実質上類似の熱膨張係数を示すように選択される。好ましくは、粉末材料の第1の混合物は最終構造体において約0.5μm/m℃ないし約25μm/m℃の熱膨張係数を表す。更に、最終構造体が秀れた強度、水の如き大気中の侵入物からの保護及び電気絶縁性を表すことが重要である。これらの特性を達成するため、粉末材料の第1の混合物は、好ましくは、ニッケル、コバルト、鉄、モリブデン、ステンレス鋼、タングステン、タングステン/銅、モリブデン/銅、アルミニウム、窒化アルミニウム、アルミナ及びKovarからなるグループから選択された1又はそれ以上の材料で構成される。Kovarはカーペンター社(Carpenter, Inc.) の商標名であり、約30%のニッケル、約15%のコバルト及び平衡用鉄の化学組成を有する。
【0015】
ステップ100において、この粉末材料の第1の混合物は潤滑剤及び結合剤と組み合わされ、第1の素材を形成する。金属粒子の特性を害するような残留物を残すことなく高い温度で分解する実質上任意の有機材料を使用することができる。好ましい材料はステアリン酸、微粉ワックス、パラフィンワックス及びポリエチレンの如き種々の有機ポリマーである。ステアリン酸は特に潤滑剤として作用し、一方、すべての他の材料は結合剤として使用することができる。粉末に添加される結合剤及び潤滑剤の量及び性質が素材の粘度及び引き続きの焼結工程中に生じる収縮の量を決定することに留意することが重要である。
【0016】
本発明においては、ステップ104で準備された粉末材料の第2の混合物は、次いで、包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体のためのヒートシンクとして形成される。それ故、粉末材料の第2の混合物は、第2の組の特性、詳細には集積回路デバイスから集積回路内に発生する熱を吸引するための高い熱伝導率を示すように選択される。好ましくは、粉末材料の第2の混合物は最終構造体において約50W/mKないし約450W/mKの熱伝導係数を表す。更に、最終のヒートシンクが秀れた強度を表すことが重要である。これらの特性を達成するため、粉末材料の第2の混合物は、好ましくは、アルミニウム、銅、タングステン/銅、モリブデン/銅、窒化アルミニウム(セラミック)、金、ベリリウム、マグネシウム、ケイ素、タングステン、モリブデン、錫、亜鉛、金及び銀からなるグループから選択された1又はそれ以上の材料で構成される。次いで、この粉末材料の第2の混合物は上述の潤滑剤及び結合剤と組み合わされて、ステップ104において第2の素材を形成する。更に、熱分解黒鉛の如き材料を使用することができる。しかし、これらの材料のための熱伝導係数は1950W/mK以上である。
【0017】
焼結工程中の包囲体とヒートシンクとの間の良好な結合の形成が2つの因子に大幅に依存することに留意することが重要である。第1に、焼結中の包囲体及びヒートシンクの収縮はほぼ合致しなければならない。包囲体及びヒートシンクの収縮は、臨界量以上に、相互に異なってはならない。好ましくは、焼結後に素材が収縮する量は、約1%以下だけ、互いに異なる。第2に、ステップ100、104で第1及び第2の素材を形成するために使用される粉末材料は粒子形状、きめ及び寸法分布の如き同様の特徴を共有しなければならない。好ましくは、2つの粉末のタップ寸法は約30%以上異なるべきではなく、一方、両方の粉末のための平均粒子寸法は約1ミクロンないし40ミクロンの範囲内にあるべきである。
【0018】
再度図3を参照すると、ステップ108において、第1及び第2の素材は生の包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を形成するようにモールド内へ共射出される。ここで図4を参照すると、生の包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を横断面図で示す。構造体の包囲体部品150は包囲体形状としてモールド成形され、プレスされた第1の素材からなる。構造体のヒートシンク部品154はヒートシンク形状としてモールド成形され、プレスされた第2の素材からなる。重要な特徴として、包囲体150及びヒートシンク154は符号158により示す境界に沿って互いに緊密に接触する。
【0019】
未焼結構造体は、結合剤及び潤滑剤をまだ含んでいるため、生(green) であると言える。部品は取扱中にその形状を維持するのに十分な機械的強度を有する。この段階で、構造体は、寸法D1、D2で示すように、焼結後のものよりも実質上大きい。
【0020】
再度図3を参照すると、ステップ112において、スケルトン部品を形成するために結合剤及び潤滑剤が除去される。結合材は加熱または溶剤の使用によって除去することができる。次いで、出来上がったスケルトンを焼結炉内に配置する。次いで、ステップ116において、構造体が焼結される。焼結工程はインターフェースにおいて第1及び第2の素材を結合させ、粉末金属材料の機械的強度を大幅に増大させる。焼結工程は好ましくは約1000℃ないし1600℃の温度で約30分ないし180分間遂行される。正確な温度及び時間は焼結されている材料に依存する。一層好ましくは、焼結工程は水素、水素/窒素混合体の雰囲気内又は真空内で遂行される。
【0021】
ここで図5を参照すると、出来上がった構造体を示す。構造体は、第1に、第1の組の特性を有する第1の材料で構成された包囲体170を有する。第2に、ヒートシンク174は第2の組の特性を有する第2の材料で構成される。包囲体170及びヒートシンク174は包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を形成するように緊密に接続される。第1の材料と第2の材料との間の境界178には、いかなる材料も存在しない。
【0022】
焼結工程は、D3、D4で示すように、構造体内に実質的な収縮を生じさせる。D3は図4のD1よりも小さく、D4は図4のD2よりも小さい。この実質的な収縮のため、第1及び第2の素材間の収縮差は厳密に制御しなければならない。再度図5を参照すると、第1の好ましい実施の形態の構造体のヒートシンク区分174は構造体の幅を延びるフィンデザインを有する。
【0023】
ここで、図6を参照すると、完成した構造体の斜視図を示す。包囲体170は集積回路を配置し、接着できる開口を備えた構造的な箱を有する。次いで、必要なら、シーラント及び(又は)包囲用カバーを包囲体の開口の上に配置することができる。ヒートシンク174は新規な工程により包囲体170に恒久的に結合される。
【0024】
ここで、図7を参照すると、構造体の第2の好ましい実施の形態を示す。この実施の形態においては、ヒートシンク184は包囲体180の材料内に収容される。この構造体は第1の実施の形態と同じ方法を使用して形成されるが、そのモールド形状は異なる。更に、この実施の形態のヒートシンクのフィンはシリンダ192に代えることができる。ここで、図8を参照すると、構造体の底面図を示す。ヒートシンクのインサート184は列をなすシリンダ196を有する。新規な方法を使用することにより、本発明の包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体の多くの他の形状及びデザインが可能である。
【0025】
図9ないし図13は、包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体内に中空の冷却チャンネルを形成する方法を示す、本発明の第3の好ましい実施の形態を示す。ここで、特に図9を参照すると、この方法が示される。ステップ250、254において、第1及び第2の素材が準備される。第1及び第2の素材のための準備工程は第1の実施の形態におけるものと実質上同じである。再度、第1の素材は包囲体として引き続いて形成され、一方、第2の素材はヒートシンクとして形成される。
【0026】
上で説明した方法への重要な付加として、この好ましい実施の形態は包囲体及びヒートシンクの一方又は両方内に少なくとも1つの中空の冷却チャンネルを形成する新規な方法を含む。冷却チャンネルは、油の如き流体がヒートシンク又は包囲体を通って流れるのを許容し、もって、高パワー放散イベント中にデバイスから熱を除去する付加的な手段を提供する。
【0027】
本発明の新規な方法は、中空の冷却チャンネルを達成するために、消失し易いプラスチック構造体を利用する。この消失し易いプラスチック構造体はステップ258で準備される。ここで、図10を参照すると、消失し易いプラスチック構造体の例を符号208で示す。この構造体は予想される空間配置で素材内へ最初に挿入できる材料で構成される。次いで、消失し易いプラスチック構造体はモールド成形及びプレス工程中その形状を維持する必要がある。最後に、消失し易いプラスチック構造体は、焼結工程中に残留物を残すことなく蒸発又は焼失できなければならない。焼失後、消失し易いプラスチック構造体が存在していた箇所に、中空の冷却チャンネルが残る。これらの目的を達成するため、消失し易いプラスチック構造体は、好ましくは、熱硬化性ポリマー、熱可塑性ポリマー、セルロース、ワックス、ゼラチン及びグリコールからなるグループから選択されたプラスチック材料で構成される。再度図9を参照すると、消失し易いプラスチック構造体は、例えばプラスチック射出成形を含む、プラスチック部品を形成するために当業界で周知の任意の方法を使用して、ステップ258で準備することができる。
【0028】
第1の実施の形態の工程が使用される場合、第1及び第2の素材並びに消失し易いプラスチック構造体は、ステップ262において、生の包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を形成するようにモールド内へ共射出される。代わりに、焼結工程前に、プラスチックが包囲体内、ヒートシンク内又はその両方内に包まれることができる限りは、ここで開示される任意の他の方法を使うことができる。再度図10を参照すると、生の包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体の頂面図を符号200、204、212として示す。頂面図は生の包囲体区分200を示す。消失し易いプラスチック構造体208はヒートシンク内に挿入され、符号204として破線で示す。消失し易いプラスチック構造体204は包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を横断する。好ましくは、消失し易いプラスチック構造体204の2つの端点は符号212で示すようにヒートシンク形状の外表面で露出する。代わりに、多数の端点又は一層複雑な形状を有する消失し易いプラスチック構造体204を使用することができる。
【0029】
ここで、図11を参照すると、第3の実施の形態の生の包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体の横断面図を示す。消失し易いプラスチック構造体204はヒートシンク210を通って構造体の各縁216へ延びる。消失し易いプラスチック構造体204は第1の素材の包囲体200と第2の素材のヒートシンク210との間のインターフェース214から離れている。
【0030】
再度図9を参照すると、ステップ266において、スケルトン部品を形成するために結合剤及び潤滑剤が除去される。結合剤は、加熱により又は溶剤を使用して、除去することができる。次いで、出来上がったスケルトン部品は焼結炉内に配置される。次いで、構造体はステップ270で焼結される。焼結工程は第1及び第2の素材をインターフェースで結合させ、粉末金属材料の機械的な強度を大幅に増大させる。更に、消失し易いプラスチック構造体は焼結温度で蒸発される。それ故、中空の冷却チャンネルがヒートシンク内に形成される。焼結工程は、好ましくは、約1000℃ないし1600℃の温度で約30分ないし180分間遂行される。再度、精確な温度及び時間は焼結されている材料に依存する。一層好ましくは、焼結工程は水素、水素/窒素混合体の雰囲気内又は真空内で遂行される。
【0031】
ここで、図12を参照すると、出来上がった構造体の頂面図を示す。焼結工程は構造体220により示されるような構造体の寸法に実質的な収縮を生じさせている。同様に、今は消失されたプラスチックにより形成された冷却チャンネル228は元の消失し易いプラスチック構造体よりも小さい。冷却チャンネル228は包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体内に形成される。この例においては、チャンネル228はヒートシンク224内にある。冷却チャンネル228は組み合わせ構造体の縁に位置し、冷却液体の入口及び出口のための開口232を有する。
【0032】
ここで、図13を参照すると、出来上がった構造体の横断面図を示す。包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体は第1の材料で構成された包囲体220と、第2の材料で構成されたヒートシンク224とを有する。包囲体220及びヒートシンク224は焼結工程により一緒に結合される。包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体は少なくとも1つの中空の冷却チャンネル228を含む。中空の冷却チャンネル228はヒートシンク224の縁232まで延び、流体の流れのための入口及び出口点を提供する。
【0033】
ここで、図14を参照すると、本発明の第4の好ましい実施の形態を示す。この場合、第2の素材は第1の生の部品を収容するモールド内へ射出される。粉末金属材料、潤滑剤及び結合剤の第1の混合物で構成される第1の素材はステップ300において準備される。粉末金属材料、潤滑剤及び結合剤の第2の混合物で構成される第2の素材はステップ304において準備される。第1及び第2の素材の焼結収縮間の差は1%よりも少ない。第1の素材は第1のモールド内に射出される。その後、ステップ308において、第1の素材は包囲体形状を有する第1の生の部品を形成するようにプレスされる。第1の生の部品は第2のモールド内に配置される。次いで、第2の素材が第2のモールド内に射出される。ステップ312において、第2の素材は、第1及び第2の生の部品がここで組み合わせ生部品を構成するように、第1及び第2の生の部品を形成するためにプレスされる。ステップ316において、潤滑剤及び結合剤が第1及び第2の生の部品から除去され、粉末スケルトンを形成する。最後に、ステップ320において、粉末スケルトンが焼結され、包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を完成させる。
【0034】
ここで、図15を参照すると、本発明の第5の好ましい実施の形態を示す。この場合、第1及び第2の生の部品は別個にモールド成形され、次いで、結合剤の除去中に一緒に固定される。粉末金属材料、潤滑剤及び結合剤の第1の混合物で構成される第1の素材はステップ330において準備される。粉末金属材料、潤滑剤及び結合剤の第2の混合物で構成される第2の素材はステップ334において準備される。第1及び第2の素材の焼結収縮間の差は1%よりも少ない。第1の素材は第1のモールド内に射出される。その後、ステップ338において、第1の素材は包囲体形状を有する第1の生の部品を形成するようにプレスされる。第2の素材は第2のモールド内に射出される。ステップ342において、第2の素材はヒートシンク形状を有する第2の生の部品を形成するようにプレスされる。ステップ346において、第1及び第2の生の部品は組み合わせ生部品を形成するように一緒に固定される。次いで、ステップ350において、潤滑剤及び結合剤が組み合わせ生部品から除去され、組み合わせ粉末スケルトンを形成する。最後に、ステップ354において、粉末スケルトンが焼結され、包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を完成させる。
【0035】
ここで、図16を参照すると、本発明の第6の好ましい実施の形態が示され、ここでは、第1及び第2のスケルトン部品が別個に形成され、次いで、焼結中に一緒に固定される。粉末金属材料、潤滑剤及び結合剤の第1の混合物で構成される第1の素材はステップ360において準備される。粉末金属材料、潤滑剤及び結合剤の第2の混合物で構成される第2の素材はステップ364において準備される。第1及び第2の素材の焼結収縮間の差は1%よりも少ない。第1の素材は第1のモールド内に射出される。その後、ステップ368において、第1の素材は包囲体形状を有する第1の生の部品を形成するようにプレスされる。第2の素材は第2のモールド内に射出される。ステップ372において、第2の素材はヒートシンク形状を有する第2の生の部品を形成するようにプレスされる。次いで、ステップ376において、潤滑剤及び結合剤が第1の生の部品から除去され、第1の粉末スケルトンを形成する。ステップ380において、潤滑剤及び結合剤が第2の生の部品から除去され、第2の粉末スケルトンを形成する。ステップ384において、第1の粉末スケルトンが焼結され、第1の部品を形成する。ステップ388において、第2の粉末スケルトンが焼結され、第2の部品を形成する。最後に、ステップ392において、第1及び第2の部品が一緒に固定され、次いで、一緒に焼結されて、包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を完成させる。
【0036】
図17は本発明の第7の好ましい実施の形態を示し、ここでは、第2の素材は第1の生の部品を収容したダイスセット内に射出される。粉末金属材料、潤滑剤及び結合剤の第1の混合物で構成される第1の素材はステップ400において準備される。粉末金属材料、潤滑剤及び結合剤の第2の混合物で構成される第2の素材はステップ404において準備される。第1及び第2の素材の焼結収縮間の差は1%よりも少ない。第1の素材は第1のモールド内に射出される。その後、ステップ408において、第1の素材は包囲体形状を有する第1の生の部品を形成するようにプレスされる。第1の生の部品は第2のモールド内に配置される。次いで、第2の素材が第2のモールド内に射出される。ステップ412において、第2の素材は、第1及び第2の生の部品がここで組み合わせ生部品を構成するように、第1及び第2の生の部品を形成するためにプレスされる。ステップ416において、潤滑剤及び結合剤が第1及び第2の生の部品から除去され、粉末スケルトンを形成する。最後に、ステップ420において、粉末スケルトンが焼結され、包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を完成させる。
【0037】
ここで、図18を参照すると、ヒートシンクロッドが包囲体内に圧入され、次いで、適所に共焼結されるような本発明の第8の好ましい実施の形態が示される。本発明のこの実施の形態は第6の実施の形態の方法を使用して形成される。第6の実施の形態の方法においては、図16に示すように、包囲体及びヒートシンクは別個に形成される。次いで、ステップ392において、2つの部品は一緒に固定され、共焼結される。再度図18を参照すると、包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体は、例えば、Kovar又は低熱膨張合金で構成される包囲体を有する。ヒートシンクはタングステン/銅ロッドを有する。
【0038】
本発明は半導体デバイスのための包囲体を形成する有効で、極めて製造し易い方法を提供する。この方法は間に接着剤を伴わずにヒートシンクと組み合わされた包囲体を形成し、コストを減少させ、信頼性を改善する。組み合わされた包囲体及びヒートシンクは包囲体における低熱膨張及びヒートシンクにおける高熱伝導率を維持する。更に、ヒートシンクの熱伝導率を更に改善するために中空の冷却チャンネルが構造体内に形成されるような包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を形成する方法が提供される。冷却チャンネルは、焼結中に蒸発する消失し易いプラスチック構造体を使用して、組み合わせ構造体を形成するために使用されるものと同じ焼結工程により形成される。改善された包囲体及びヒートシンクの構造体が提供される。
【0039】
好ましい実施の形態において示したように、ここに開示された、新規な包囲体及びヒートシンクの方法、並びに、構造体は有効で、製造し易い従来のものの代替え物を提供する。
好ましい実施の形態について本発明を特に図示し、説明したが、当業者なら、本発明の要旨を逸脱することなく、形及び詳細における種々の変更が可能であることを理解できよう。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】接着剤層を使用して取り付けられたヒートシンクを備えた例示的な従来の半導体包囲体を示す図である。
【図2】接着剤層を使用して取り付けられたヒートシンクを備え、印刷回路板(PCB)に取り付けられた従来の包囲体の横断面図である。
【図3】包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を形成する方法を示す、本発明の第1の好ましい実施の形態を示す図である。
【図4】包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を形成する方法を示す、本発明の第1の好ましい実施の形態を示す図である。
【図5】包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を形成する方法を示す、本発明の第1の好ましい実施の形態を示す図である。
【図6】包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を形成する方法を示す、本発明の第1の好ましい実施の形態を示す図である。
【図7】くぼみに収容されたヒートシンクを示す、本発明の第2の好ましい実施の形態を示す図である。
【図8】くぼみに収容されたヒートシンクを示す、本発明の第2の好ましい実施の形態を示す図である。
【図9】ヒートシンク内に中空の冷却チャンネルを形成する方法を示す、本発明の第3の好ましい実施の形態を示す図である。
【図10】ヒートシンク内に中空の冷却チャンネルを形成する方法を示す、本発明の第3の好ましい実施の形態を示す図である。
【図11】ヒートシンク内に中空の冷却チャンネルを形成する方法を示す、本発明の第3の好ましい実施の形態を示す図である。
【図12】ヒートシンク内に中空の冷却チャンネルを形成する方法を示す、本発明の第3の好ましい実施の形態を示す図である。
【図13】ヒートシンク内に中空の冷却チャンネルを形成する方法を示す、本発明の第3の好ましい実施の形態を示す図である。
【図14】第2の素材が第1の生の部品を収容するモールド内へ射出されるような、本発明の第4の好ましい実施の形態を示す図である。
【図15】第1及び第2の生の部品が別個にモールド成形され、次いで結合剤除去中に一緒に固定されるような、本発明の第5の好ましい実施の形態を示す図である。
【図16】第1及び第2のスケルトン部品が別個に形成され、次いで焼結中に一緒に固定されるような、本発明の第6の好ましい実施の形態を示す図である。
【図17】第2の素材が第1の生の部品を収容するダイスセット内へ射出されるような、本発明の第7の好ましい実施の形態を示す図である。
【図18】ヒートシンクロッドが包囲体内へ圧入され、次いで適所に共焼結されるような、本発明の第8の好ましい実施の形態を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
150、170、180、200、220 包囲体
154、174、184、210、224 ヒートシンク
192、196 シリンダ
204、208 消失し易いプラスチック構造体
228 冷却チャンネル
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体デバイスのための包囲体に関し、特に、接着剤層無しに形成される包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体に関する。
【背景技術】
【0002】
集積回路、ソリッドステート電力増幅器及びアンテナの如き多くの電子デバイスは使用中にかなりの量の熱を発生させる。熱は再分配して、最終的には伝導放出しなければならないか、または、結果として生じる温度上昇が電子デバイスの最大作動温度限界を越えてしまうことがある。それ故、集積回路を収容するために使用される電子包囲体からの熱を伝導放出するためにヒートシンク構造体を設ける必要がしばしばある。
【0003】
ここで図1を参照すると、接着剤層22を使用して取り付けられたヒートシンク18を備えた例示的な従来の半導体包囲体14を示す。集積回路デバイス10は包囲体14に固定される。包囲体14は典型的には集積回路10の半導体材料の熱膨張係数に適合するように低い熱膨張係数を有する材料で構成される。更に、包囲体は湿気及び他の大気状態に対して保護を提供しなければならない。包囲体はまた、内部信号と外部信号との間の干渉を阻止する必要がある。これに対して、ヒートシンク18は典型的には高熱伝導率を有する材料で構成され、典型的には、熱放散フィン(鰭)24を含む。しかし、ヒートシンク18及び包囲体18は著しく異なる熱膨張係数を有することがある。構造体の温度がかなりの量だけ上昇及び下降するような熱サイクルイベント中、大きな熱応力が接着剤層22内に生じる。この熱サイクルのために、熱によるひび割れが接着剤層22内に生じることがある。
【0004】
ここで図2を参照すると、接着剤層38を使用して取り付けられたヒートシンク42を備えた従来の包囲体34の横断面図を示す。包囲体は印刷回路板(PCB)50に取り付けられる。この例においては、集積回路チップ30はガラス層54でシールされる。光学繊維46は包囲体34を介してチップ30に接続される。この場合も、熱サイクルがヒートシンク42に対する接着剤層38のインターフェース58を故障させることがある。
【0005】
いくつかの従来の発明は包囲体及びヒートシンクのパッケージ化を開示している。日本国特許第7,321,261号は低価格のタングステン合金のヒートシンクを開示している。複雑な形状のタングステン合金ヒートシンクは良好な放熱及び熱伝導率を示す。しかし、ヒートシンクは有効に機能するために依然として電子デバイスに接着しなければならない。米国特許第5,878,322号及び同第5,886,407号各明細書は粉末コンパクティングを使用して形成されるマイクロ電子パッケージのためのヒートシンクを開示している。しかし、ヒートシンクを包囲体に接着するために接着剤が依然として必要である。米国特許第6,075,701号明細書は熱放散性能を向上させるために埋設された熱分解黒鉛のヒートシンクを有する電子構造体を開示している。しかし、処理パラメータが包囲体又はコーティングのために使用できる材料の範囲を制限してしまう。アルミニウムの如き低融点材料のみが熱間等静圧プレス処理と両立できる。更に、最適な性能を達成するためには、焼入れや熟成の如き付加的な熱処理を行わなければならない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の主要な目的は、半導体デバイスのための包囲体を形成する有効で極めて製造し易い方法を提供することである。
本発明の別の目的は、コストを減少させ、信頼性を改善するために間に接着剤層を有せずに、ヒートシンクと組み合わされた包囲体を形成するための方法を提供することである。
【0007】
本発明の更に別の目的は、包囲体の低熱膨張及びヒートシンクの高熱伝導率を維持しながら、組み合わせた包囲体及びヒートシンクを形成する方法を提供することである。
本発明の他の目的は、ヒートシンクの熱伝導率を更に改善するために中空の冷却チャンネルをヒートシンク内に形成した、組み合わせた包囲体及びヒートシンクを形成する方法を提供することである。
【0008】
本発明の更に他の目的は、冷却チャンネルが組み合わせ構造体を形成するために使用される焼結工程と同じ焼結工程により形成されるような、組み合わせた包囲体及び中空の冷却チャンネルを備えたヒートシンクを形成する方法を提供することである。
本発明の別の目的は、改善された包囲体及びヒートシンクの構造体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的に従えば、半導体デバイスのための包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体が達成される。粉末金属材料、潤滑剤及び結合剤の第1の混合物からなる第1の素材が準備される。粉末金属材料、潤滑剤及び結合剤の第2の混合物からなる第2の素材が準備され、各第1及び第2の素材の焼結収縮間の差が1%よりも少ないようにする。第1及び第2の素材は包囲体形状を有する第1の生の部品及びヒートシンク形状を有する第2の生の部品を形成するようにプレスされる。第1の粉末スケルトン及び第2の粉末スケルトンを形成するために、第1及び第2の生の部品から潤滑剤及び結合剤が除去される。包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を完成させるために、第1及び第2の粉末スケルトンが焼結される。第1及び第2の粉末スケルトンは焼結中に緊密に接触する。随意として、消失し易いプラスチック構造体を焼結工程中に焼失させることにより、少なくとも1つの中空の冷却チャンネルを組み合わせ構造体内に形成する。
【0010】
また、本発明の目的に従えば、半導体デバイスのための包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体が達成される。構造体は第1の材料で構成された包囲体と、第2の材料で構成されたヒートシンクとを有する。包囲体及びヒートシンクは焼結工程により一緒に結合される。随意として、包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体は少なくとも1つの中空の冷却チャンネルを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
好ましい実施の形態は本発明の半導体デバイスのための新規な包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を開示する。2つの材料で構成される包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を形成する方法が達成される。2つの材料が形成され、接着剤層を使用せずに新規な焼結工程を使用して接合される。本方法及び構造体の一実施の形態は、性能を更に改善するためにヒートシンク内に中空の冷却チャンネルを生じさせる手段を含む。当業者にとっては、本発明の要旨を逸脱することなく、本発明を応用し、拡張できることは明らかである。
【0012】
ここで図3を参照すると、包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を形成する方法を示す本発明の第1の好ましい実施の形態が示されている。この方法は粉末冶金として知られる技術に基づく。粉末冶金においては、粉末の形をした金属がモールド成形され、そして、典型的には、構造体を形成するためにプレスされる。次いで、部品は典型的には焼結されて、粒子間の結合を増大させ、粉末金属成形品を強化する。
【0013】
再度図3を参照すると、第1の粉末金属素材がステップ100において準備される。第2の粉末金属素材がステップ104において準備される。当業者にとって周知のように、準備における第1の工程は、粉末の形をした所要の材料を提供することである。典型的には金属粉末であるこの粉末は当業界で十分確立された多数の方法で得ることができる。例えば、スポンジ鉄の場合のように、還元工程は精製オール(oar)、ミルスケール又は加工された酸化物を粉末金属に変換することができる。粉末金属材料はまた、純金属素材の機械的な製粉及び粉砕により作ることができる。
【0014】
本発明においては、次に、粉末材料の第1の混合物が集積回路のための包囲体構造体として形成される。それ故、粉末材料の第1の混合物は、第1の組の特性、詳細には集積回路デバイスの熱膨張係数と実質上類似の熱膨張係数を示すように選択される。好ましくは、粉末材料の第1の混合物は最終構造体において約0.5μm/m℃ないし約25μm/m℃の熱膨張係数を表す。更に、最終構造体が秀れた強度、水の如き大気中の侵入物からの保護及び電気絶縁性を表すことが重要である。これらの特性を達成するため、粉末材料の第1の混合物は、好ましくは、ニッケル、コバルト、鉄、モリブデン、ステンレス鋼、タングステン、タングステン/銅、モリブデン/銅、アルミニウム、窒化アルミニウム、アルミナ及びKovarからなるグループから選択された1又はそれ以上の材料で構成される。Kovarはカーペンター社(Carpenter, Inc.) の商標名であり、約30%のニッケル、約15%のコバルト及び平衡用鉄の化学組成を有する。
【0015】
ステップ100において、この粉末材料の第1の混合物は潤滑剤及び結合剤と組み合わされ、第1の素材を形成する。金属粒子の特性を害するような残留物を残すことなく高い温度で分解する実質上任意の有機材料を使用することができる。好ましい材料はステアリン酸、微粉ワックス、パラフィンワックス及びポリエチレンの如き種々の有機ポリマーである。ステアリン酸は特に潤滑剤として作用し、一方、すべての他の材料は結合剤として使用することができる。粉末に添加される結合剤及び潤滑剤の量及び性質が素材の粘度及び引き続きの焼結工程中に生じる収縮の量を決定することに留意することが重要である。
【0016】
本発明においては、ステップ104で準備された粉末材料の第2の混合物は、次いで、包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体のためのヒートシンクとして形成される。それ故、粉末材料の第2の混合物は、第2の組の特性、詳細には集積回路デバイスから集積回路内に発生する熱を吸引するための高い熱伝導率を示すように選択される。好ましくは、粉末材料の第2の混合物は最終構造体において約50W/mKないし約450W/mKの熱伝導係数を表す。更に、最終のヒートシンクが秀れた強度を表すことが重要である。これらの特性を達成するため、粉末材料の第2の混合物は、好ましくは、アルミニウム、銅、タングステン/銅、モリブデン/銅、窒化アルミニウム(セラミック)、金、ベリリウム、マグネシウム、ケイ素、タングステン、モリブデン、錫、亜鉛、金及び銀からなるグループから選択された1又はそれ以上の材料で構成される。次いで、この粉末材料の第2の混合物は上述の潤滑剤及び結合剤と組み合わされて、ステップ104において第2の素材を形成する。更に、熱分解黒鉛の如き材料を使用することができる。しかし、これらの材料のための熱伝導係数は1950W/mK以上である。
【0017】
焼結工程中の包囲体とヒートシンクとの間の良好な結合の形成が2つの因子に大幅に依存することに留意することが重要である。第1に、焼結中の包囲体及びヒートシンクの収縮はほぼ合致しなければならない。包囲体及びヒートシンクの収縮は、臨界量以上に、相互に異なってはならない。好ましくは、焼結後に素材が収縮する量は、約1%以下だけ、互いに異なる。第2に、ステップ100、104で第1及び第2の素材を形成するために使用される粉末材料は粒子形状、きめ及び寸法分布の如き同様の特徴を共有しなければならない。好ましくは、2つの粉末のタップ寸法は約30%以上異なるべきではなく、一方、両方の粉末のための平均粒子寸法は約1ミクロンないし40ミクロンの範囲内にあるべきである。
【0018】
再度図3を参照すると、ステップ108において、第1及び第2の素材は生の包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を形成するようにモールド内へ共射出される。ここで図4を参照すると、生の包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を横断面図で示す。構造体の包囲体部品150は包囲体形状としてモールド成形され、プレスされた第1の素材からなる。構造体のヒートシンク部品154はヒートシンク形状としてモールド成形され、プレスされた第2の素材からなる。重要な特徴として、包囲体150及びヒートシンク154は符号158により示す境界に沿って互いに緊密に接触する。
【0019】
未焼結構造体は、結合剤及び潤滑剤をまだ含んでいるため、生(green) であると言える。部品は取扱中にその形状を維持するのに十分な機械的強度を有する。この段階で、構造体は、寸法D1、D2で示すように、焼結後のものよりも実質上大きい。
【0020】
再度図3を参照すると、ステップ112において、スケルトン部品を形成するために結合剤及び潤滑剤が除去される。結合材は加熱または溶剤の使用によって除去することができる。次いで、出来上がったスケルトンを焼結炉内に配置する。次いで、ステップ116において、構造体が焼結される。焼結工程はインターフェースにおいて第1及び第2の素材を結合させ、粉末金属材料の機械的強度を大幅に増大させる。焼結工程は好ましくは約1000℃ないし1600℃の温度で約30分ないし180分間遂行される。正確な温度及び時間は焼結されている材料に依存する。一層好ましくは、焼結工程は水素、水素/窒素混合体の雰囲気内又は真空内で遂行される。
【0021】
ここで図5を参照すると、出来上がった構造体を示す。構造体は、第1に、第1の組の特性を有する第1の材料で構成された包囲体170を有する。第2に、ヒートシンク174は第2の組の特性を有する第2の材料で構成される。包囲体170及びヒートシンク174は包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を形成するように緊密に接続される。第1の材料と第2の材料との間の境界178には、いかなる材料も存在しない。
【0022】
焼結工程は、D3、D4で示すように、構造体内に実質的な収縮を生じさせる。D3は図4のD1よりも小さく、D4は図4のD2よりも小さい。この実質的な収縮のため、第1及び第2の素材間の収縮差は厳密に制御しなければならない。再度図5を参照すると、第1の好ましい実施の形態の構造体のヒートシンク区分174は構造体の幅を延びるフィンデザインを有する。
【0023】
ここで、図6を参照すると、完成した構造体の斜視図を示す。包囲体170は集積回路を配置し、接着できる開口を備えた構造的な箱を有する。次いで、必要なら、シーラント及び(又は)包囲用カバーを包囲体の開口の上に配置することができる。ヒートシンク174は新規な工程により包囲体170に恒久的に結合される。
【0024】
ここで、図7を参照すると、構造体の第2の好ましい実施の形態を示す。この実施の形態においては、ヒートシンク184は包囲体180の材料内に収容される。この構造体は第1の実施の形態と同じ方法を使用して形成されるが、そのモールド形状は異なる。更に、この実施の形態のヒートシンクのフィンはシリンダ192に代えることができる。ここで、図8を参照すると、構造体の底面図を示す。ヒートシンクのインサート184は列をなすシリンダ196を有する。新規な方法を使用することにより、本発明の包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体の多くの他の形状及びデザインが可能である。
【0025】
図9ないし図13は、包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体内に中空の冷却チャンネルを形成する方法を示す、本発明の第3の好ましい実施の形態を示す。ここで、特に図9を参照すると、この方法が示される。ステップ250、254において、第1及び第2の素材が準備される。第1及び第2の素材のための準備工程は第1の実施の形態におけるものと実質上同じである。再度、第1の素材は包囲体として引き続いて形成され、一方、第2の素材はヒートシンクとして形成される。
【0026】
上で説明した方法への重要な付加として、この好ましい実施の形態は包囲体及びヒートシンクの一方又は両方内に少なくとも1つの中空の冷却チャンネルを形成する新規な方法を含む。冷却チャンネルは、油の如き流体がヒートシンク又は包囲体を通って流れるのを許容し、もって、高パワー放散イベント中にデバイスから熱を除去する付加的な手段を提供する。
【0027】
本発明の新規な方法は、中空の冷却チャンネルを達成するために、消失し易いプラスチック構造体を利用する。この消失し易いプラスチック構造体はステップ258で準備される。ここで、図10を参照すると、消失し易いプラスチック構造体の例を符号208で示す。この構造体は予想される空間配置で素材内へ最初に挿入できる材料で構成される。次いで、消失し易いプラスチック構造体はモールド成形及びプレス工程中その形状を維持する必要がある。最後に、消失し易いプラスチック構造体は、焼結工程中に残留物を残すことなく蒸発又は焼失できなければならない。焼失後、消失し易いプラスチック構造体が存在していた箇所に、中空の冷却チャンネルが残る。これらの目的を達成するため、消失し易いプラスチック構造体は、好ましくは、熱硬化性ポリマー、熱可塑性ポリマー、セルロース、ワックス、ゼラチン及びグリコールからなるグループから選択されたプラスチック材料で構成される。再度図9を参照すると、消失し易いプラスチック構造体は、例えばプラスチック射出成形を含む、プラスチック部品を形成するために当業界で周知の任意の方法を使用して、ステップ258で準備することができる。
【0028】
第1の実施の形態の工程が使用される場合、第1及び第2の素材並びに消失し易いプラスチック構造体は、ステップ262において、生の包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を形成するようにモールド内へ共射出される。代わりに、焼結工程前に、プラスチックが包囲体内、ヒートシンク内又はその両方内に包まれることができる限りは、ここで開示される任意の他の方法を使うことができる。再度図10を参照すると、生の包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体の頂面図を符号200、204、212として示す。頂面図は生の包囲体区分200を示す。消失し易いプラスチック構造体208はヒートシンク内に挿入され、符号204として破線で示す。消失し易いプラスチック構造体204は包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を横断する。好ましくは、消失し易いプラスチック構造体204の2つの端点は符号212で示すようにヒートシンク形状の外表面で露出する。代わりに、多数の端点又は一層複雑な形状を有する消失し易いプラスチック構造体204を使用することができる。
【0029】
ここで、図11を参照すると、第3の実施の形態の生の包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体の横断面図を示す。消失し易いプラスチック構造体204はヒートシンク210を通って構造体の各縁216へ延びる。消失し易いプラスチック構造体204は第1の素材の包囲体200と第2の素材のヒートシンク210との間のインターフェース214から離れている。
【0030】
再度図9を参照すると、ステップ266において、スケルトン部品を形成するために結合剤及び潤滑剤が除去される。結合剤は、加熱により又は溶剤を使用して、除去することができる。次いで、出来上がったスケルトン部品は焼結炉内に配置される。次いで、構造体はステップ270で焼結される。焼結工程は第1及び第2の素材をインターフェースで結合させ、粉末金属材料の機械的な強度を大幅に増大させる。更に、消失し易いプラスチック構造体は焼結温度で蒸発される。それ故、中空の冷却チャンネルがヒートシンク内に形成される。焼結工程は、好ましくは、約1000℃ないし1600℃の温度で約30分ないし180分間遂行される。再度、精確な温度及び時間は焼結されている材料に依存する。一層好ましくは、焼結工程は水素、水素/窒素混合体の雰囲気内又は真空内で遂行される。
【0031】
ここで、図12を参照すると、出来上がった構造体の頂面図を示す。焼結工程は構造体220により示されるような構造体の寸法に実質的な収縮を生じさせている。同様に、今は消失されたプラスチックにより形成された冷却チャンネル228は元の消失し易いプラスチック構造体よりも小さい。冷却チャンネル228は包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体内に形成される。この例においては、チャンネル228はヒートシンク224内にある。冷却チャンネル228は組み合わせ構造体の縁に位置し、冷却液体の入口及び出口のための開口232を有する。
【0032】
ここで、図13を参照すると、出来上がった構造体の横断面図を示す。包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体は第1の材料で構成された包囲体220と、第2の材料で構成されたヒートシンク224とを有する。包囲体220及びヒートシンク224は焼結工程により一緒に結合される。包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体は少なくとも1つの中空の冷却チャンネル228を含む。中空の冷却チャンネル228はヒートシンク224の縁232まで延び、流体の流れのための入口及び出口点を提供する。
【0033】
ここで、図14を参照すると、本発明の第4の好ましい実施の形態を示す。この場合、第2の素材は第1の生の部品を収容するモールド内へ射出される。粉末金属材料、潤滑剤及び結合剤の第1の混合物で構成される第1の素材はステップ300において準備される。粉末金属材料、潤滑剤及び結合剤の第2の混合物で構成される第2の素材はステップ304において準備される。第1及び第2の素材の焼結収縮間の差は1%よりも少ない。第1の素材は第1のモールド内に射出される。その後、ステップ308において、第1の素材は包囲体形状を有する第1の生の部品を形成するようにプレスされる。第1の生の部品は第2のモールド内に配置される。次いで、第2の素材が第2のモールド内に射出される。ステップ312において、第2の素材は、第1及び第2の生の部品がここで組み合わせ生部品を構成するように、第1及び第2の生の部品を形成するためにプレスされる。ステップ316において、潤滑剤及び結合剤が第1及び第2の生の部品から除去され、粉末スケルトンを形成する。最後に、ステップ320において、粉末スケルトンが焼結され、包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を完成させる。
【0034】
ここで、図15を参照すると、本発明の第5の好ましい実施の形態を示す。この場合、第1及び第2の生の部品は別個にモールド成形され、次いで、結合剤の除去中に一緒に固定される。粉末金属材料、潤滑剤及び結合剤の第1の混合物で構成される第1の素材はステップ330において準備される。粉末金属材料、潤滑剤及び結合剤の第2の混合物で構成される第2の素材はステップ334において準備される。第1及び第2の素材の焼結収縮間の差は1%よりも少ない。第1の素材は第1のモールド内に射出される。その後、ステップ338において、第1の素材は包囲体形状を有する第1の生の部品を形成するようにプレスされる。第2の素材は第2のモールド内に射出される。ステップ342において、第2の素材はヒートシンク形状を有する第2の生の部品を形成するようにプレスされる。ステップ346において、第1及び第2の生の部品は組み合わせ生部品を形成するように一緒に固定される。次いで、ステップ350において、潤滑剤及び結合剤が組み合わせ生部品から除去され、組み合わせ粉末スケルトンを形成する。最後に、ステップ354において、粉末スケルトンが焼結され、包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を完成させる。
【0035】
ここで、図16を参照すると、本発明の第6の好ましい実施の形態が示され、ここでは、第1及び第2のスケルトン部品が別個に形成され、次いで、焼結中に一緒に固定される。粉末金属材料、潤滑剤及び結合剤の第1の混合物で構成される第1の素材はステップ360において準備される。粉末金属材料、潤滑剤及び結合剤の第2の混合物で構成される第2の素材はステップ364において準備される。第1及び第2の素材の焼結収縮間の差は1%よりも少ない。第1の素材は第1のモールド内に射出される。その後、ステップ368において、第1の素材は包囲体形状を有する第1の生の部品を形成するようにプレスされる。第2の素材は第2のモールド内に射出される。ステップ372において、第2の素材はヒートシンク形状を有する第2の生の部品を形成するようにプレスされる。次いで、ステップ376において、潤滑剤及び結合剤が第1の生の部品から除去され、第1の粉末スケルトンを形成する。ステップ380において、潤滑剤及び結合剤が第2の生の部品から除去され、第2の粉末スケルトンを形成する。ステップ384において、第1の粉末スケルトンが焼結され、第1の部品を形成する。ステップ388において、第2の粉末スケルトンが焼結され、第2の部品を形成する。最後に、ステップ392において、第1及び第2の部品が一緒に固定され、次いで、一緒に焼結されて、包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を完成させる。
【0036】
図17は本発明の第7の好ましい実施の形態を示し、ここでは、第2の素材は第1の生の部品を収容したダイスセット内に射出される。粉末金属材料、潤滑剤及び結合剤の第1の混合物で構成される第1の素材はステップ400において準備される。粉末金属材料、潤滑剤及び結合剤の第2の混合物で構成される第2の素材はステップ404において準備される。第1及び第2の素材の焼結収縮間の差は1%よりも少ない。第1の素材は第1のモールド内に射出される。その後、ステップ408において、第1の素材は包囲体形状を有する第1の生の部品を形成するようにプレスされる。第1の生の部品は第2のモールド内に配置される。次いで、第2の素材が第2のモールド内に射出される。ステップ412において、第2の素材は、第1及び第2の生の部品がここで組み合わせ生部品を構成するように、第1及び第2の生の部品を形成するためにプレスされる。ステップ416において、潤滑剤及び結合剤が第1及び第2の生の部品から除去され、粉末スケルトンを形成する。最後に、ステップ420において、粉末スケルトンが焼結され、包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を完成させる。
【0037】
ここで、図18を参照すると、ヒートシンクロッドが包囲体内に圧入され、次いで、適所に共焼結されるような本発明の第8の好ましい実施の形態が示される。本発明のこの実施の形態は第6の実施の形態の方法を使用して形成される。第6の実施の形態の方法においては、図16に示すように、包囲体及びヒートシンクは別個に形成される。次いで、ステップ392において、2つの部品は一緒に固定され、共焼結される。再度図18を参照すると、包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体は、例えば、Kovar又は低熱膨張合金で構成される包囲体を有する。ヒートシンクはタングステン/銅ロッドを有する。
【0038】
本発明は半導体デバイスのための包囲体を形成する有効で、極めて製造し易い方法を提供する。この方法は間に接着剤を伴わずにヒートシンクと組み合わされた包囲体を形成し、コストを減少させ、信頼性を改善する。組み合わされた包囲体及びヒートシンクは包囲体における低熱膨張及びヒートシンクにおける高熱伝導率を維持する。更に、ヒートシンクの熱伝導率を更に改善するために中空の冷却チャンネルが構造体内に形成されるような包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を形成する方法が提供される。冷却チャンネルは、焼結中に蒸発する消失し易いプラスチック構造体を使用して、組み合わせ構造体を形成するために使用されるものと同じ焼結工程により形成される。改善された包囲体及びヒートシンクの構造体が提供される。
【0039】
好ましい実施の形態において示したように、ここに開示された、新規な包囲体及びヒートシンクの方法、並びに、構造体は有効で、製造し易い従来のものの代替え物を提供する。
好ましい実施の形態について本発明を特に図示し、説明したが、当業者なら、本発明の要旨を逸脱することなく、形及び詳細における種々の変更が可能であることを理解できよう。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】接着剤層を使用して取り付けられたヒートシンクを備えた例示的な従来の半導体包囲体を示す図である。
【図2】接着剤層を使用して取り付けられたヒートシンクを備え、印刷回路板(PCB)に取り付けられた従来の包囲体の横断面図である。
【図3】包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を形成する方法を示す、本発明の第1の好ましい実施の形態を示す図である。
【図4】包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を形成する方法を示す、本発明の第1の好ましい実施の形態を示す図である。
【図5】包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を形成する方法を示す、本発明の第1の好ましい実施の形態を示す図である。
【図6】包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を形成する方法を示す、本発明の第1の好ましい実施の形態を示す図である。
【図7】くぼみに収容されたヒートシンクを示す、本発明の第2の好ましい実施の形態を示す図である。
【図8】くぼみに収容されたヒートシンクを示す、本発明の第2の好ましい実施の形態を示す図である。
【図9】ヒートシンク内に中空の冷却チャンネルを形成する方法を示す、本発明の第3の好ましい実施の形態を示す図である。
【図10】ヒートシンク内に中空の冷却チャンネルを形成する方法を示す、本発明の第3の好ましい実施の形態を示す図である。
【図11】ヒートシンク内に中空の冷却チャンネルを形成する方法を示す、本発明の第3の好ましい実施の形態を示す図である。
【図12】ヒートシンク内に中空の冷却チャンネルを形成する方法を示す、本発明の第3の好ましい実施の形態を示す図である。
【図13】ヒートシンク内に中空の冷却チャンネルを形成する方法を示す、本発明の第3の好ましい実施の形態を示す図である。
【図14】第2の素材が第1の生の部品を収容するモールド内へ射出されるような、本発明の第4の好ましい実施の形態を示す図である。
【図15】第1及び第2の生の部品が別個にモールド成形され、次いで結合剤除去中に一緒に固定されるような、本発明の第5の好ましい実施の形態を示す図である。
【図16】第1及び第2のスケルトン部品が別個に形成され、次いで焼結中に一緒に固定されるような、本発明の第6の好ましい実施の形態を示す図である。
【図17】第2の素材が第1の生の部品を収容するダイスセット内へ射出されるような、本発明の第7の好ましい実施の形態を示す図である。
【図18】ヒートシンクロッドが包囲体内へ圧入され、次いで適所に共焼結されるような、本発明の第8の好ましい実施の形態を示す図である。
【符号の説明】
【0041】
150、170、180、200、220 包囲体
154、174、184、210、224 ヒートシンク
192、196 シリンダ
204、208 消失し易いプラスチック構造体
228 冷却チャンネル
【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体デバイスのための包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を形成する方法において、
粉末金属材料、潤滑剤及び結合剤の第1の混合物からなる第1の素材を準備する工程と;
粉末金属材料、潤滑剤及び結合剤の第2の混合物からなる第2の素材であって、各上記第1及び第2の素材の焼結収縮間の差が1%よりも少ないような第2の素材を準備する工程と;
上記第1の素材及び上記第2の素材を組み合わせモールド内に射出する工程と;
その後、包囲体形状及びヒートシンク形状を有する接着剤なしに緊密に接触された組み合わせ生部品を形成するように上記第1の素材及び上記第2の素材をプレスする工程と;
組み合わせ粉末スケルトンを形成するように上記組み合わせ生部品から上記潤滑剤及び上記結合剤を除去する工程と;
上記包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を完成させるように上記粉末スケルトンを焼結する焼結工程と;
を有し、
消失し易いプラスチック構造体が上記組み合わせ粉末スケルトンにより包まれ、上記消失し易いプラスチック構造体が上記焼結工程中に焼失されて、上記包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体内に少なくとも1つの中空の冷却チャンネルを形成することを特徴とする方法。
【請求項2】
上記消失し易いプラスチック構造体が熱硬化性ポリマー、熱可塑性ポリマー、セルロース、ワックス、ゼラチン及びグリコールからなるグループから選択されたプラスチック材料で構成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項1】
半導体デバイスのための包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を形成する方法において、
粉末金属材料、潤滑剤及び結合剤の第1の混合物からなる第1の素材を準備する工程と;
粉末金属材料、潤滑剤及び結合剤の第2の混合物からなる第2の素材であって、各上記第1及び第2の素材の焼結収縮間の差が1%よりも少ないような第2の素材を準備する工程と;
上記第1の素材及び上記第2の素材を組み合わせモールド内に射出する工程と;
その後、包囲体形状及びヒートシンク形状を有する接着剤なしに緊密に接触された組み合わせ生部品を形成するように上記第1の素材及び上記第2の素材をプレスする工程と;
組み合わせ粉末スケルトンを形成するように上記組み合わせ生部品から上記潤滑剤及び上記結合剤を除去する工程と;
上記包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体を完成させるように上記粉末スケルトンを焼結する焼結工程と;
を有し、
消失し易いプラスチック構造体が上記組み合わせ粉末スケルトンにより包まれ、上記消失し易いプラスチック構造体が上記焼結工程中に焼失されて、上記包囲体及びヒートシンクの組み合わせ構造体内に少なくとも1つの中空の冷却チャンネルを形成することを特徴とする方法。
【請求項2】
上記消失し易いプラスチック構造体が熱硬化性ポリマー、熱可塑性ポリマー、セルロース、ワックス、ゼラチン及びグリコールからなるグループから選択されたプラスチック材料で構成されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2008−223142(P2008−223142A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−103075(P2008−103075)
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【分割の表示】特願2002−45988(P2002−45988)の分割
【原出願日】平成14年2月22日(2002.2.22)
【出願人】(500167146)アドヴァンスト・マテリアルズ・テクノロジーズ・ピーティーイー・リミテッド (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年4月11日(2008.4.11)
【分割の表示】特願2002−45988(P2002−45988)の分割
【原出願日】平成14年2月22日(2002.2.22)
【出願人】(500167146)アドヴァンスト・マテリアルズ・テクノロジーズ・ピーティーイー・リミテッド (4)
【Fターム(参考)】
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