説明

包装充填装置

【課題】シーリングテープが包装材料の適正な位置に接合され、良好な縦シールを有する包装充填容器を得ることができる包装充填装置を提供する。
【解決手段】帯状包装積層材料1の縁部1aにシーリングテープ2を接合し、帯状包装積層材料を筒状に成形して形成される縦シール部のシーリングテープ2を重ね接合し、内容物を充填して横シールし、筒状包装積層材料を切断分離して容器に包装充填する装置であって、搬送される帯状包装積層材料から一定の距離を置いて、センサヘッド面がシーリングテープ2が接合された帯状包装積層材料の縁部1aを被う第1渦電流式変位センサ16と、センサヘッド面が帯状包装積層材料の中央を被う第2渦電流式変位センサ17と、第1渦電流式変位センサ16と第2渦電流式変位センサ17からの信号に基づいて、帯状包装積層材料の縁部の位置を計測する位置計測手段18とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料などを充填する包装充填装置に関する。
【背景技術】
【0002】
牛乳、ミネラルウォーター、茶、ジュース、スープ、アルコール類等の流動食品を収容する包装容器を製造する場合、ウェブ状(帯状)の包装積層材料が使用され、該包装積層材料がヒートシール、超音波シール等によってシールされることにより、包装容器が形成される。例えば、図2に示すような包装充填装置において、帯状包装積層材料の縁部にシーリングテープを前もって接着し、包装積層材料をチューブ状に成形し、チューブの内側から、包装積層材料の両縁部同士を、シーリングテープと共に押し当てて縦シール装置によって長手方向(縦方向)にシールした後、チューブ状の包装積層材料の中に液体食品を充填しながら、横シール装置によって横方向にシールして切断し、枕状の原型容器を形成し、該原型容器を更に所定の形状に成形して包装容器を完成させる。(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
前記包装充填装置において、まず、帯状包装積層材料の縁部に、第2の帯状包装材料であるシーリングテープを前もって接合する。次いで、チューブ状に成形された包装積層材料の両縁部同士を、縦シール装置によってシーリングテープと共に押し当てて縦シールする。
帯状包装積層材料の縁部面に接合する際、例えば、帯状包装積層材料と第2帯状包装材料とを挟んで、一方側に、プレッシャローラを回転自在に配設して圧し、他方に、プレッシャローラによる圧力を受け、それに対向し、押さえ支持するようにカウンタローラを回転自在に配設する。
したがって、包装積層材料が搬送されるに伴って、前記プレッシャローラ及びカウンタローラが包装積層材料及びシーリングテープなどの第2の帯状包装材料を挟んだ状態で押圧されて回転させ、合せて接着する面がシールされ接着される。
【特許文献1】特開2001−18909号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
包装充填製造装置においては、シーリングテープが適正な位置に貼着されないと、縦シールを良好に行うことができず、容器が不良品となる恐れがある。
包装積層材料は、必ずしも、正確な寸法で裁断されていないので、搬送される包装材料の縁の位置が変化してしまうことがあり、その場合、シーリングテープを適正な位置に貼着することができなくなる恐れがある。
また、リール状に巻かれたシーリングテープが繰り出されると、リール径の大小によって、シーリングテープに加わるテンションが変化する。その結果、包装材料に対するシーリングテープの位置が微妙に変化し、シーリングテープを適正な位置に貼着することができなくなる不都合があり得る。
さらに、シーリングテープは、薄い樹脂フィルムによって形成されるので、ストリップテープが繰り出されるのに伴って、シーリングテープテープの一方の縁が伸びて波打つことがあり、その場合も、シーリングテープを適正な位置に貼着することができなくなる不都合があり得る。
【0005】
包装充填製造装置が製造中の状態で、搬送される包装材料の縁とシーリングテープの端を位置を計測し、この計測値を基に包装材料が進行方向と直角方向にズレた量と同じだけシーリングテープの貼り付け位置を変位させて、相対的に常に一定の包装材料の位置にシーリングテープを貼り付けて制御することが考えられる。
【0006】
包装材料の位置及びシーリングテープの貼付けの制御によっても、シーリングテープの貼り付け位置が基準以上ずれ、容器が不良となる恐れがある。
シーリングテープを貼り付けた後の状態での包装材料の端位置の計測は、半透明のシーリングテープが存在するために、包装材料の端位置を正確に計測することが難しい。画像センサ、エッジセンサを用いて計測するが、コストと安定性、メンテナンス性、取付工数、寿命などの観点から問題がある。
【0007】
この発明は、上述の不都合を解決して、シーリングテープが包装材料の適正な位置に接合され、良好な縦シールを有する包装充填容器を得ることができる包装充填装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の包装充填装置は、搬送される帯状包装積層材料の縁部に、帯状包装積層材料を筒状に成形して形成される縦シール部の内面を保護するシーリングテープを重ね接合し、内容物を充填して横シールし、筒状包装積層材料を切断分離して容器に包装充填する装置であって、
帯状包装積層材料が、熱可塑性樹脂外層、紙基材層、金属箔層及び熱可塑性樹脂内層とを含み、シーリングテープが、非金属材料からなり、少なくとも片方の外層にシール性材料からなり、
センサヘッド面が、搬送される帯状包装積層材料から一定の距離を置いて、シーリングテープが接合された帯状包装積層材料の縁部の少なくとも辺端を、固定位置から被う第1渦電流式変位センサと、
センサヘッド面が、第1渦電流式変位センサの近傍であって、搬送される帯状包装積層材料から一定の距離を置いて、帯状包装積層材料中央を、固定位置から被う第2渦電流式変位センサと、
第1渦電流式変位センサからの信号と第2渦電流式変位センサからの信号とに基づいて帯状包装積層材料の縁部の位置を計測する位置計測手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
この発明の好ましい態様において、搬送される帯状包装積層材料の近傍の雰囲気温度を計測する温度センサを有し、位置計測手段が、温度センサからの信号と、第1渦電流式変位センサからの信号と第2渦電流式変位センサからの信号とに基づいて帯状包装積層材料の縁部の位置を計測する。
【0010】
この発明の好ましい態様において、位置計測手段からの出力に基づいて、包装充填装置で連続的に製造された容器から、不良品を排出する排出手段を有する。
【0011】
この発明の好ましい態様において、シーリングテープが接合される直前の帯状包装積層材料の縁部の辺端を、検出する第1の検出部と、帯状包装積層材料の縁部に接合される直前のシーリングテープの辺端を、検出する第2の検出部と、第1、第2の検出部の出力に基づいて、シーリングテープ及び/又は帯状包装積層材料の位置を計算して位置矯正を判定する矯正判定手段と、矯正判定手段の判定結果に基づいて、シーリングテープ及び/又は帯状包装積層材料の位置を矯正する位置矯正処理手段とを有する。
【発明の効果】
【0012】
この発明による包装充填装置は、搬送される帯状包装積層材料の縁部に、帯状包装積層材料を筒状に成形して形成される縦シール部の内面を保護するシーリングテープを重ね接合し、内容物を充填して横シールし、筒状包装積層材料を切断分離して容器に包装充填する。
この装置において、帯状包装積層材料が連続的に装置に供給され、連続的に、内容物が充填され成形された容器が製造される。
【0013】
本発明の包装充填装置の特徴において、帯状包装積層材料が、熱可塑性樹脂外層、紙基材層、金属箔層及び熱可塑性樹脂内層とを含み、シーリングテープが、非金属材料からなり、少なくとも片方の外層にシール性材料からなる。
帯状包装積層材料の各層が、包装容器の機械的強度、シール性及び防水性などを付与すると共に、金属箔層がガスバリア性及び遮光性を付与し、シーリングテープが筒状包装積層材料の縦シール部の内面を保護して、端面から内容物が浸透することを防止する。更に、後述するように、帯状包装積層材料が金属層を有し、シーリングテープが非金属からなることを渦電流式変位センサ計測に利用する。
【0014】
本発明の包装充填装置の特徴において、センサヘッド面が、搬送される帯状包装積層材料から一定の距離を置いて、シーリングテープが接合された帯状包装積層材料の縁部の少なくとも辺端を、固定位置から被う第1渦電流式変位センサを有する。
渦電流式変位センサは、非接触変位センサの一種である。コイルとコンデンサで構成した共振回路で作った高周波数の磁界によって測定対象物(金属)に渦電流を発生させ,この渦電流によって磁界が変化することを利用して変位を測定する。コイルと対象物の距離によって決まる磁界の強さを,コイルのインピーダンスの変化として検出する。
この発明において、帯状包装積層材料が金属を有し、シーリングテープが非金属からなる。また、包装積層材料から一定の距離を置いて設置される。従って、この発明において、第1渦電流式変位センサは、帯状包装積層材料のみを測定対象にし、センサヘッド面に対向する金属面積の変化を、すなわち、センサヘッド面に対向する包装積層材料の面積、言い換えれば、包装積層材料の縁部の辺端の変動を検知することができる。
【0015】
本発明の包装充填装置の特徴において、センサヘッド面が、第1渦電流式変位センサの近傍であって、搬送される帯状包装積層材料から一定の距離を置いて、帯状包装積層材料中央を、固定位置から被う第2渦電流式変位センサを有する。
第2渦電流式変位センサは、上記の第1渦電流式変位センサとほぼ同様の作用機能を有する。ここで、帯状包装積層材料中央とは、包装積層材料の縁部の辺端を含まない意味であり、包装積層材料の縁部を含みこともある。従って、この発明において、第2渦電流式変位センサは、帯状包装積層材料のみを測定対象にし、センサヘッド面に対向する金属面積の変化を、すなわち、センサヘッド面に対向する包装積層材料の面積、言い換えれば、第1渦電流式変位センサの参照としての変動しない包装積層材料を検知する。
【0016】
本発明の包装充填装置の特徴において、第1渦電流式変位センサからの信号と第2渦電流式変位センサからの信号とに基づいて帯状包装積層材料の縁部の位置を計測する位置計測手段とを有する。
第1渦電流式変位センサからの信号は、変動する包装積層材料の縁部の辺端の位置に対応する信号である。第2渦電流式変位センサからの信号は、変動しない包装積層材料に対応する信号であり、参照として用いることができる。位置計測手段は、包装積層材料の縁部にシーリングテープが接合されていても、それに影響されず、帯状第1渦電流式変位センサからの信号と第2渦電流式変位センサからの信号とに基づいて帯状包装積層材料の縁部の辺端の位置を計測することができる。
【0017】
この発明の好ましい態様の特徴において、搬送される帯状包装積層材料の近傍の雰囲気温度を計測する温度センサを有し、位置計測手段が、温度センサからの信号と、第1渦電流式変位センサからの信号と第2渦電流式変位センサからの信号とに基づいて帯状包装積層材料の縁部の位置を計測する。
渦電流式変位センサの外乱要因として温度があり、搬送される帯状包装積層材料の近傍の雰囲気温度を温度センサで計測し、この温度要因を排除することができる。
【0018】
この発明の好ましい態様の特徴において、位置計測手段からの出力に基づいて、包装充填装置で連続的に製造された容器から、不良品を排出する排出手段を有する。
不良品を自動的に製造ラインから排除することができるので、効率的な製造が可能になり、また検査要員を省略することができる。
【0019】
この発明の好ましい態様の特徴において、シーリングテープが接合される直前の帯状包装積層材料の縁部の辺端を、検出する第1の検出部と、帯状包装積層材料の縁部に接合される直前のシーリングテープの辺端を、検出する第2の検出部と、第1、第2の検出部の出力に基づいて、シーリングテープ及び/又は帯状包装積層材料の位置を計算して位置矯正を判定する矯正判定手段と、矯正判定手段の判定結果に基づいて、シーリングテープ及び/又は帯状包装積層材料の位置を矯正する位置矯正処理手段とを有する。
第1、第2の検出部、矯正判定手段、位置矯正処理手段によって、シーリングテープが包装材料の適正な位置に接合され、良好な縦シールを有する包装充填容器を得ることができ、もし、シーリングテープが包装材料の適正な位置に接合されなくても、不都合を検知することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1は、この発明による一実施例の包装充填装置の要部の概念ブロック図である。図2は、一実施例の包装充填装置を示す概略斜視図である。図3は、シーリングテープ貼着装置を示す包装充填装置の部分図である。図4は、実施例の動作を説明する包装充填装置の概念部分図である。
【0021】
図2に示されるように、ウェブ状の帯状包装積層材料1は、リールの状態で包装充填装置に収容される。包装積層材料1は、紙基材、及び該紙基材の両面にポリエチレン樹脂が積層された可撓性の積層体から成り、紙基材とフィルムとの間にアルミニウム箔等から成る金属箔層が形成され、包装容器14の表面に相当する部分にあらかじめ外装用の印刷が施される。
【0022】
繰り出された包装積層材料1は、搬送手段としての送り装置によって連続的に搬送され、ベンディングローラ、ダンパローラ等を経て、シーリングテープ貼着装置3に送られ、シーリングテープ貼着装置によって包装積層材料1の一方の縁部に沿ってシーリングテープ2が貼着される。
帯状包装積層材料1の縁部にシーリングテープ2を前もって接合する際、帯状包装積層材料とシーリングテープ2とを挟んで、一方側に、プレッシャローラを回転自在に配設して圧し、他方に、プレッシャローラによる圧力を受け、それに対向し、押さえ支持するようにカウンタローラを回転自在に配設する。
包装積層材料が搬送されるに伴って、プレッシャローラ及びカウンタローラが包装積層材料及びシーリングテープを挟んだ状態で押圧されて回転させ、縦シール部の合せ面がシールされ接着される。
【0023】
続いて、包装積層材料1は、必要に応じて、プルタブ貼着装置によってプルタブが貼着されてる。包装積層材料1は、殺菌槽4に送られ、殺菌槽4において過酸化水素等の殺菌液によって殺菌される。包装積層材料1は、エアナイフ5に送られ、エアナイフ5によって乾燥させられた後、無菌室40に送られる。そして、包装積層材料1は、上部成形リング6、その他の成形リングによって徐々に変形させられてチューブ状(筒状)の形状にされる。包装積層材料1は、縦シール装置8によって縦方向にシールされ、充填パイプ7を介して供給された流動性食品が包装積層材料1内に充填される。
【0024】
チューブ状に成形された包装積層材料の両縁部同士を、縦シール装置によってシーリングテープと共に押し当てて縦シールする際、帯状包装積層材料の一の縁部と他方の縁部とを挟んで、一方側に、プレッシャローラを回転自在に配設して圧し、他方に、プレッシャローラによる圧力を受け、それに対向し、押さえ支持するようにカウンタローラを回転自在に配設する。包装積層材料が搬送されるのに伴って、プレッシャローラ及びカウンタローラが包装積層材料の縁部同士を挟んだ状態で押圧されて回転させ、縦シール部の合せ面がシールされ接着される。
【0025】
チューブ状包装積層材料は、ローラによって案内され、横シール装置10に送られ、挟まれて横方向にシールされ、横シールされた包装積層材料12は、ナイフなどで切断されて枕状の原型容器13が形成される。そして、原型容器13は、最終成形搬送装置15によって搬送されて最終の形状に成形され、流動性食品を収容する包装容器14が完成する。
【0026】
包装充填装置例のシーリングテープ貼着装置を図3に示す。
包装積層材料1は、ベンディングローラ、ダンパローラによって連続的に搬送され、シーリングテープ貼着装置3に送られる。包装積層材料1の縁部が1aが加熱装置31によって予熱され、シーリングテープ貼着装置によってその縁部に沿ってシーリングテープ2が貼着される。
帯状包装積層材料1とシーリングテープ2とを挟んで、一方側に、プレッシャローラ20を回転自在に配設して圧し、他方に、プレッシャローラによる圧力を受け、それに対向し、押さえ支持するようにカウンタローラを回転自在に配設する。
包装積層材料が搬送されるに伴って、プレッシャローラ及びカウンタローラが押圧して回転し、縦シール部の合せ面がシールされ接着される。
【0027】
好ましい態様の特徴において、図3に図示されていないが、第1の検出部で、シーリングテープが接合される直前の帯状包装積層材料の縁部の辺端を検出し、第2の検出部で、帯状包装積層材料の縁部に接合される直前のシーリングテープの辺端を検出し、矯正判定手段において、第1、第2の検出部の出力に基づいて、シーリングテープ及び/又は帯状包装積層材料の位置を計算して位置矯正を判定し、位置矯正処理手段が、矯正判定手段の判定結果に基づいて、シーリングテープ及び/又は帯状包装積層材料の位置を矯正する。
【0028】
この発明による一実施例の包装充填装置の要部の概念ブロック図を図1に示す。
この実施例において、センサヘッド面が、矢印の方向に搬送される帯状包装積層材料1から一定の距離を置いて、シーリングテープ2が接合された帯状包装積層材料の縁部1aの辺端を、固定位置から被う第1渦電流式変位センサ16を有する。
渦電流式変位センサは、高周波磁界を利用し、センサヘッド内部のコイルに高周波電流を流して、高周波磁界を発生させる。この磁界内に測定対象物(金属)があると、電磁誘導作用によって、対象物表面に磁束の通過と垂直方向の渦電流が流れて、センサコイルのインピーダンスが変化する。渦電流式変位センサは、この現象による発振状態の変化により、距離を測定する。
更に詳しくは、対象物とセンサヘッドの距離が近くなるにつれ、発振の振幅は小さく、基準波形との位相ズレは大きくなり、この振幅と位相の変化を検出することにより、距離とほぼ比例した値が得られる方法である。
帯状包装積層材料1がアルミニウム箔を有し、シーリングテープ2がポリエチレン樹脂からなる。また、包装積層材料1から一定の距離を置いて設置される。従って、第1渦電流式変位センサ16は、アルミニウム箔のみを測定対象にし、センサヘッド面に対向する金属面積の変化を、すなわち、センサヘッド面に対向する包装積層材料の面積、言い換えれば、包装積層材料の縁部1aの辺端の変動を検知する。
【0029】
この実施例において、図1に示すように、センサヘッド面が、第1渦電流式変位センサ16の近傍であって、矢印の方向に搬送される帯状包装積層材料1から一定の距離を置いて、帯状包装積層材料中央部付近を、固定位置から被う第2渦電流式変位センサ17を有する。
第2渦電流式変位センサ17は、上記の第1渦電流式変位センサ16とほぼ同じものであり、同様の作用機能を有する。第2渦電流式変位センサ17は、帯状包装積層材料1のみを測定対象にし、センサヘッド面に対向するアルミニウム箔面積の変化を、すなわち、センサヘッド面に対向するアルミニウム箔の面積、言い換えれば、第1渦電流式変位センサの参照としての変動しない包装積層材料を検知する。
【0030】
図4に、渦電流式変位センサの機能作用の説明を示す。
帯状包装積層材料1は、ポリエチレン樹脂外層1c、アルミニウム箔層1d、及びポリエチレン樹脂内層1eからなる。ポリエチレン樹脂のシーリングテープ2は、包装積層材料の縁部1aの辺端1bの内層側に接合される。渦電流式変位センサ16、17のセンサヘッドは、包装積層材料1から一定の距離、すなわち、アルミニウム箔層1dからの距離Aを置いて設置される。従って、渦電流式変位センサ16、17は、アルミニウム箔のみを測定対象にし、センサヘッド面に対向する金属面積の変化を検知する。すなわち、第1渦電流式変位センサ16は包装積層材料の縁部1aの辺端の変動を検知する。第2渦電流式変位センサ17は、第1渦電流式変位センサの参照としての変動しない包装積層材料を検知する。
【0031】
この実施例において、図1に示すように、第1渦電流式変位センサ16からの信号と第2渦電流式変位センサ17からの信号とに基づいて帯状包装積層材料の縁部の位置を計測する位置計測手段18とを有する。
第1渦電流式変位センサ16からの信号は、包装積層材料の縁部の辺端1bの位置に対応する信号である。第2渦電流式変位センサ17からの信号は、参照として用いる。位置計測手段18は、包装積層材料の縁部1aにシーリングテープ2が接合されていても、それに影響されず、帯状包装積層材料の縁部の辺端1bの位置を計測することができる。
【0032】
この実施例において、渦電流式変位センサは、本来的には、金属物体表面とセンサの計測表面との距離を計量するためのものであるが、金属物体とセンサの計測面が一定の距離にある場合には、センサの計測面を金属物体が覆った面積比率のちがいにおいても有効な指示(変位)を計量することが可能である。
第1渦電流式変位センサ16は、包装材料が基準位置にある状態において、計測面が半分包装材料で覆われる位置(縁部の辺端1bの位置)に設置する。好ましい態様において、センサの計測面と包装材料のアルミ面との距離を常に一定に保つ為、センサの先端に、スペーサなどのアタッチメントを設けることもできる。
第2渦電流式変位センサ17は、包装材料が大きく蛇行した場合においても常に計測面が包装材料のアルミ面で覆われる位置に設置する。
これらセンサからの信号をアンプ19、20で増幅、補正することができる。アンプ19からは第1渦電流式変位センサ16の計量面が包装材料で覆われた量に対応する量の信号が出力される。また、アンプ19、20からは第2渦電流式変位センサ17が計量している包装材料のアルミの厚さに応じた量の信号が出力される。位置計測手段18は演算器とすることができる。。
【0033】
この実施例において、帯状包装積層材料1の近傍の雰囲気温度を計測する温度センサ21を有し、気温に対応する量の信号を得る。位置計測手段18が、温度センサ21からの信号と、第1渦電流式変位センサからの信号と第2渦電流式変位センサからの信号とに基づいて帯状包装積層材料の縁部の位置を計測する。
位置計測手段18の演算器には、センサ周辺の気温を計量する温度計21が接続されており、これらの信号を、1つの演算器18で相関演算することによって、シーリングテープが付いた状態での包装材料の端位置を導き出し、計測結果とする。
【0034】
渦電流式変位センサは有寿命部品ではないため、メンテナンスフリーであり、包装材料の紙粉、ほこり、水分、日光など、外乱が非金属であれば、影響を受けない利点を有する。
上記実施例で実証されるように、不都合を解決して、シーリングテープが包装材料の適正な位置に接合され、良好な縦シールを有する包装充填容器を得ることができる。
【0035】
なお、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形させることが可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【産業上の利用可能性】
【0036】
この発明の包装充填装置によって、牛乳、ジュース、ミネラルウォーターなどの飲料、流動食品などの包装容器を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】この発明による一実施例の包装充填装置の要部の概念ブロック図である。
【図2】実施例の包装充填装置を示す概略斜視図である。
【図3】シーリングテープ貼着装置を示す包装充填装置の部分図である。
【図4】実施例の動作を説明する包装充填装置の概念部分図である。
【符号の説明】
【0038】
1 包装積層材料
2 シーリングテープ
16 第1渦電流式変位センサ
17 第2渦電流式変位センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送される帯状包装積層材料の縁部に、該帯状包装積層材料を筒状に成形して形成される縦シール部の内面を保護するシーリングテープを重ね接合し、内容物を充填して横シールし、該筒状包装積層材料を切断分離して容器に包装充填する装置であって、
帯状包装積層材料が、熱可塑性樹脂外層、紙基材層、金属箔層及び熱可塑性樹脂内層とを含み、
シーリングテープが、非金属材料からなり、少なくとも片方の外層にシール性材料からなり、
センサヘッド面が、搬送される帯状包装積層材料から一定の距離を置いて、該シーリングテープが接合された該帯状包装積層材料の縁部の少なくとも辺端を、固定位置から被う第1渦電流式変位センサと、
センサヘッド面が、該第1渦電流式変位センサの近傍であって、搬送される帯状包装積層材料から一定の距離を置いて、該帯状包装積層材料中央を、固定位置から被う第2渦電流式変位センサと、
該第1渦電流式変位センサからの信号と第2渦電流式変位センサからの信号とに基づいて該帯状包装積層材料の縁部の位置を計測する位置計測手段と、
を有することを特徴とする包装充填装置。
【請求項2】
搬送される該帯状包装積層材料の近傍の雰囲気温度を計測する温度センサを有し、該位置計測手段が、温度センサからの信号と、該第1渦電流式変位センサからの信号と第2渦電流式変位センサからの信号とに基づいて該帯状包装積層材料の縁部の位置を計測する、請求項1記載の包装充填装置。
【請求項3】
該位置計測手段からの出力に基づいて、包装充填装置で連続的に製造された容器から、不良品を排出する排出手段を有する、請求項1記載の包装充填装置。
【請求項4】
該シーリングテープが接合される直前の該帯状包装積層材料の縁部の辺端を、検出する第1の検出部と、
該帯状包装積層材料の縁部に接合される直前のシーリングテープの辺端を、検出する第2の検出部と、
該第1、第2の検出部の出力に基づいて、該シーリングテープ及び/又は該帯状包装積層材料の位置を計算して位置矯正を判定する矯正判定手段と、
該矯正判定手段の判定結果に基づいて、該シーリングテープ及び/又は該帯状包装積層材料の位置を矯正する位置矯正処理手段とを有する、請求項1記載の包装充填装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−143561(P2008−143561A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−332719(P2006−332719)
【出願日】平成18年12月11日(2006.12.11)
【出願人】(000229232)日本テトラパック株式会社 (259)
【Fターム(参考)】