説明

包装機

【課題】シート包装紙の包装位置への送り込みに際して該送り込み方向に対する向きがずれても向きを修正して送り込むことができる給紙装置を備えた、シート包装紙を用いる包装機。
【解決手段】シート包装紙送出手段と上流側受け継ぎ移送手段と下流側受け継ぎ移送手段とからなる。上流側受け継ぎ移送手段は、フリーロールを最上部シート包装紙に押し付けてシート包装紙を移送する。下流側受け継ぎ移送手段は、一対のストッパと、各ストッパの上流近傍を吸引保持する一対の吸い口と、各側のストッパと吸い口を一体に支持して移動する手段とを有し、吸い口で最上部シート包装紙を吸引保持して包装部に移送する。シート包装紙の先端が下流側受け継ぎ移送手段により受け継がれる位置に到達したことをセンサが検知したら、フリーロールによるシート包装紙の押し付けを解除し、かつ、センサの検知から僅かな時間送れて吸い口が最上部シート包装紙を吸引保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は、シート包装紙を用いる包装機、例えば、平箱の上包み包装機、胴巻き包装機、熨斗紙巻き付け包装機等の包装機において、特にシート包装紙の包装位置への送り込みに際して該送り込み方向に対する向きがずれても向きを修正して送り込むことができる給紙装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
平箱を対象とする上包み包装機、胴巻き包装機、熨斗紙巻き付け包装機等の、シート紙を用いる包装機は、シート包装紙載置台に積層載置されていてピックアップ移送手段により包装機構へ向かって水平に移送されてくる最上部シート包装紙を、両側に備える一対のサンドイッチコンベアで受け継いで包装機構を構成する一対の側面挟持ガイドの両側に設けられる一対のレール上に移送してレールに付設したストッパに当接させ、もってエレベータにより突き上げられる箱物包装品の上面に対応する位置へ水平に位置させ、エレベータを上昇させて箱物包装品を一対の側面挟持ガイド間に突き上げることにより箱物包装品の上面をシート包装紙の下面に密着させさらにシート包装紙の両側部分を箱物包装品の両側面に密着して折り曲げる包装機構を有している。
【特許文献1】特開2002−019716号公報、
【特許文献2】特開平03−017698号公報、
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記構成のシート包装紙を用いる包装機は、シート包装紙載置台に積層載置されていてピックアップ移送手段により水平に送出される最上部シート包装紙が、送出方向に対して向きが変わってしまった状態になることはしばしば起こり回避できない。シート包装紙が送出方向に対して向きが変わってしまった状態でエレベータの突き上げ位置に供給されると、箱物包装品に対して良好な包装ができなくなるばかりか、シート包装紙が包装機構内に取り残されてしまう場合があり、装置が稼動停止になり、包装機構を傷めてしまうことにも繋がる。
また、上記構成のシート包装紙を用いる包装機は、シート包装紙の大きさに変更がある場合には、シート包装紙載置台にシート包装紙を積層載置する位置の調整が必要になると共に、サンドイッチコンベアの下流側端及びストッパの位置を調整する必要がある。
【0004】
本発明は、上述した点に鑑み案出したもので、シート包装紙を用いる包装機、例えば、平箱の上包み包装機、胴巻き包装機、熨斗紙巻き付け包装機等の包装機において、特にシート包装紙の包装位置への送り込みに際して該送り込み方向に対する向きがずれても向きを修正して送り込むことができる給紙装置を備えた、シート包装紙を用いる包装機を提供することを課題としている。
また本発明は、シート包装紙を用いる包装機、シート包装紙の大きさに変更があるときには、シート包装紙の送り方向後端にシート包装紙載置台に備えたシート包装紙後端押圧板をハンドルを回して密着させるだけで、シート包装紙の包装機構への送り込み位置を同じに修正できる給紙装置を備えた、シート包装紙を用いる包装機を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、シート包装紙載置台に積層載置されていてピックアップ移送手段により水平に移送されてくる最上部シート包装紙を受け継ぎ移送してエレベータにより突き上げられる箱物包装品の上面に対応する位置へ水平に移送するシート包装紙受け継ぎ移送手段を有し、エレベータを上昇させて箱物包装品を一対の側面挟持ガイド間に突き上げることにより箱物包装品の上面をシート包装紙の下面に密着させさらにシート包装紙の両側部分を箱物包装品の両側面に密着させるように折り曲げる包装機構を有する、シート包装紙を用いる包装機において、前記シート包装紙受け継ぎ移送手段は、上流側受け継ぎ移送手段と、下流側受け継ぎ移送手段とからなり、上流側受け継ぎ移送手段は、フリーロールを最上部シート包装紙に押し付けてシート包装紙を移送し、下流側受け継ぎ移送手段は、上流側受け継ぎ移送手段により移送されてくるシート包装紙の移送方向先端の所要間隔が離れた両側部分に当接する一対のストッパと、シート包装紙について各ストッパの上流近傍を吸引保持する一対の吸い口と、各側のストッパと吸い口を一体に支持して移動する手段とを有し、吸い口でシート包装紙を吸引保持して包装部に移送し、シート包装紙の先端が下流側受け継ぎ移送手段により受け継がれる位置に到達したことをセンサが検知したら、フリーロールによるシート包装紙の押し付けを解除し、かつ、センサの検知から僅かな時間送れて吸い口がシート包装紙を吸引保持することを特徴とするシート包装紙を用いる包装機である。
請求項2に記載の発明は、吸い口でシート包装紙を吸引保持し該シート包装紙を包装部へ移送して停止する位置は、該シート包装紙の移送方向先端を検知する第3センサの信号により決定されるようになっていて、シート包装紙載置台に積層載置されるシート包装紙の大きさの変更に伴ってシート包装紙載置台に備えたシート包装紙後端押圧板をハンドルを回してシート包装紙の後面に密着させると、前記第3センサが位置調整される構成であることを特徴とする請求項1に記載のシート包装紙を用いる包装機である。
【発明の効果】
【0006】
本願第1発明の、シート包装紙を用いる包装機によれば、シート包装紙を用いる包装機、例えば、平箱の上包み包装機、胴巻き包装機、熨斗紙巻き付け包装機等の包装機において、特にシート包装紙の包装位置への送り込みに際して該送り込み方向に対する向きがずれても向きを修正して送り込むことができて、包装工程で箱物包装品に被さるシート包装紙の方向がずれて包装不良や包装不能になったり、装置が稼動停止することを防止できる。
本願第2発明の、シート包装紙を用いる包装機によれば、シート包装紙の大きさに変更があるときは、シート包装紙載置台に備えたシート包装紙後端押圧板をハンドルを回してシート包装紙の後面に密着させるだけで、第3センサをシート包装紙の変更後の大きさに適切に対応する位置へ調整できるから、吸い口で最上部シート包装紙を吸引保持し該最上部シート包装紙をエレベータにより突き上げられる箱物包装品の上面に対応する適切な位置へ移送・停止できて、シート包装紙の大きさに変更があるときの位置決め調整が容易である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本願発明のシート包装紙を用いる包装機の実施の形態を説明する。
まず、本願発明のシート包装紙を用いる包装機の概略の構成を説明する。
この包装機は、上包み包装機や胴巻き包装機や熨斗紙包装機等に関する。上包み包装機とは、いわゆるお土産のお菓子等、あるいは贈応品等の平べったい箱物包装品に対してシート包装紙で一巻きにして両側の角筒状の張出部を箱物包装品の端面に密着するように折り畳んで完全に包み込む包装機である。又、胴巻き包装機とは、上包み包装機の過剰な包装を嫌って箱物包装品に対してシート包装紙で一巻きに簡素に包装する包装機である。又、熨斗紙包装機とは、主に冠婚葬祭用の箱物包装品に熨斗を巻き付けるだけの包装機である。
上包み包装機や胴巻き包装機や熨斗紙包装機のいずれの場合でも、包装部と、包装部へ水平に箱物包装品を供給する製品供給手段と、包装部へ供給される箱物包装品の上にシート包装紙を供給するシート包装紙供給手段と、包装部へ供給された箱物包装品を突き上げるエレベータを備えている。
そして、上包み包装機である場合には、包装部は、エレベータで突き上げられた箱物包装品の上面と両側面と下面を一巻きにしてシート包装紙で被い、シート包装紙の両側の角筒状の張出部を箱物包装品の端面に密着するように折り畳んで完全に包み込み、シート包装紙の端縁は重ね合わせて糊付けまたは粘着テープにより接続される。
また、胴巻き包装機である場合には、包装部は、エレベータで突き上げられた箱物包装品の上面と両側面と下面を一巻きにしてシート包装紙で被い、シート包装紙の両端が箱物包装品の下面のほぼ中央で重ねて糊付けまたは粘着テープにより接続される。
さらに、熨斗紙包装機である場合には、包装部は、エレベータで突き上げられた箱物包装品の上面と両側面とをシート包装紙(熨斗紙)で被うように包装する。包装が一層優れている熨斗紙包装機である場合には、熨斗紙の両端が箱物包装品の下面へ折り込まれる。
上記構成の、上包み包装機や胴巻き包装機や熨斗紙包装機は、いずれも、包装部に供給する箱物包装品の上面近傍にシート包装紙を供給する手段を備えている点では共通している。
本願発明のシート包装紙を用いる包装機は、上包み包装機や胴巻き包装機や熨斗紙包装機のいずれの場合も含むもので、包装部が、箱物包装品の少なくとも上面と両側面とをシート包装紙で被うように包装する構成であり、シート包装紙を包装部へ供給する給紙装置を有している。
【0008】
本願発明のシート包装紙を用いる包装機は、給紙装置に特徴がある。権利範囲に関係している特徴は、最上部シート包装紙を送出した後のシート包装紙受け継ぎ移送手段にある。
給紙装置は、シート包装紙載置台に設備されているピックアップ移送手段が、シート包装紙載置台に積層載置されているシート包装紙のうちの最上部シート包装紙を包装部へ向けて水平に送り込むように構成され、そして、シート包装紙受け継ぎ移送手段が、シート包装紙の先端縁が送り込み方向に対して直角ではなくてずれてピックアップされたときにこのずれを直して包装部に送り込むことができる構成であり、また、シート包装紙の大きさが変更になったときには、シート包装紙のシート包装紙載置台への位置決めを行えた、シート包装紙の大きさが変更に対応してシート包装紙の包装部に送り込むみ位置を同時にアジャストできる構成である。
【0009】
以下、本願発明のシート包装紙を用いる包装機は、給紙装置を中心に図面を参照して説明する。
図1は、シート包装紙を用いる包装機(熨斗紙包装機)の概略の平面図である。
図2は、給紙装置の概略を示すため側面図である。
図1において、機枠1の左位置でレール2,2上に積層される箱物包装品Wは、チェーン巻き掛け装置のエンドレスチェーン3に付設された爪4により一方の側面を押動され側面ガイド5,5に案内されてレール2,2上を走行し一対のエレベータ6,6の上に給送される。
【0010】
上述した箱物包装品Wの包装部への給送と並行して、給紙装置により、シート包装紙(熨斗紙)Sが包装部の箱物包装品Wの給送位置の上側近傍に給送される。箱物包装品Wの包装部への給送方向と、シート包装紙(熨斗紙)Sの包装部への給送方向は、平面方向に見て90度相違している。
給紙装置は、シート包装紙載置台7とピックアップロール12を含んで構成されるシート包装紙送出手段Aと、6個のフリーロール16とベルトコンベア17を含んで構成される上流側受け継ぎ移送手段Bと、両側にストッパ18と吸い口19を備えた往復移動手段により構成される下流側受け継ぎ移送手段Cとで構成され、シート包装紙を受け継ぎ移送して包装部へ給送する。
【0011】
シート包装紙送出手段Aは、シート包装紙載置台7と、ハンドル8を回すことにより移動されてシート包装紙載置台7上に積層載置されるシート包装紙Sに対してその送り出し方向後端に当接されるシート包装紙後端押圧板9と、ハンドル10を回すことにより間隔中央を基準に接近移動されてシート包装紙載置台7上に積層載置されるシート包装紙Sに対してその側端を揃えるための一対のシート包装紙側端押圧板11,11と、最上部シート包装紙を送り出すシート包装紙送出手段であるピックアップロール12を備えている。
【0012】
シート包装紙載置台7は、四隅を縦ガイドロッド13に案内されていて、下側にサーボモータを駆動源として回転を直動にする運動変換伝達手段が有って(図示しない)、最上部シート包装紙を1枚送り出す毎にシート包装紙1枚分の厚さだけ上昇するように構成されている。
ピックアップロール12は、最上部シート包装紙に押圧され図示しないサーボモータにより回転駆動されて摩擦により最上部シート包装紙を送り出す。シート包装紙がざらざらしていてシート包装紙間の摩擦抵抗が大きいためにピックアップロールでは最上部シート包装紙1枚のみを送り出すことが難しく重送や未送出が起きるトラブルが生じる場合には、ピックアップロールに替えてバキューム式ピックアップ移送手段が採用されるほか、最上部シート包装紙1枚のみを下に重ねるシート包装紙と切り離すシート包装紙捌き機構が付設される。
【0013】
上流側受け継ぎ移送手段Bは、アクチュエータ14により昇降自在に設けられたブラケット15に枢着された6個のフリーロール16がベルトコンベア17の搬送面であるベルト上面部に対峙している。
上流側受け継ぎ移送手段Bは、ベルトコンベア17の搬送面であるベルト上面部にシート包装紙が移送されてくるとき、これに先立って第1のセンサ(反射式光電センサ)23によりシート包装紙の先端が検知され、所要のディレート時間を経て、アクチュエータ14が作動してフリーロール16が下降してシート包装紙押し付けられ、もってシート包装紙を受け継ぎ移送する。
【0014】
下流側受け継ぎ移送手段Cは、上流側受け継ぎ移送手段Bにより移送されてくるシート包装紙の先端を両側のストッパ18で当接停止して該シート包装紙の先端縁の方向を受け継ぎ送り方向に対して直角になるようにしてから各側のストッパ18と一体の吸い口19で吸引保持し、両側のストッパ18と吸い口19が一体に移動してシート包装紙Sを包装部へ移送する構成である。包装部には、移送された箱物包装品Wがエレベータ6,6により突き上げられるときに、該箱物包装品Wの両側面に摺接して該箱物包装品Wの上動を案内する両側の折り下げガイド8,8が設けられている。そして、各折り下げガイド8の下側に紙ガイドレール30が設けられており、折り下げガイド8と紙ガイドレール30との数mmの隙間にシート包装紙Sが下流側受け継ぎ移送手段Cによって引き込まれ、僅かな時間だけ、シート包装紙Sが紙ガイドレール30に支持される。エレベータ6,6が上動して箱物包装品Wを突き上げると、シート包装紙Sは折り下げガイド8と紙ガイドレール30との隙間から抜けていく。
各側のストッパ18と吸い口19を一体に支持して移動する手段は、ストッパ18と吸い口19を一体に支持するブラケットに対して吸い口19と連通するようにパイプ20を設けて、該パイプ20を巻き掛け機構のエンドレスタイミングベルト21に付設したランナ22に支持させるとともに、該パイプ20を図示しない可撓性チューブを介して負圧発生手段に接続し、エンドレスタイミングベルト21をサーボモータ29により往復走行するようになっている。
【0015】
そうして、上流側受け継ぎ移送手段Bにより移送されるシート包装紙Sの先端が下流側受け継ぎ移送手段Cにより受け継がれる位置に到達することを検知するセンサ24を備えている。第2のセンサ(反射型光電センサ)24がシート包装紙Sを検知したら、フリーロール16を上昇させてシート包装紙Sへの押圧を解除する。これにより、シート包装紙Sの移送がベルトコンベア17の搬送面であるベルト上面部の摩擦による搬送だけで行われるようになる。センサ24の検知から僅かな時間遅れて吸い口19がシート包装紙Sを吸引保持する。
【0016】
第2のセンサ24の検知から僅かな時間送れて吸い口19がシート包装紙Sを吸引保持するというタイムラグがあることは、以下に述べる重要な意義がある。
シート包装紙送出手段Aが最上部シート包装紙をピックアップして上流側受け継ぎ移送手段Bへ送出する場合において、シート包装紙の先端縁が送り込み方向に対して直角ではなくてずれてピックアップされて送出してしまうことは一定の確率で起きてしまい、回避することはできない。上流側受け継ぎ移送手段Bは、そのままの傾きを受け継いで下流側受け継ぎ移送手段Cへシート包装紙Sを移送することになるが、センサ24がシート包装紙Sを検知したら、フリーロール16を上昇させてシート包装紙Sへの押圧を解除するから、シート包装紙Sの移送がベルトコンベア17の搬送面であるベルト上面部の摩擦による搬送だけで行われ、傾きがあるために先側となるシート包装紙Sの片側先端がストッパ18に当接して停止すると、引き続いて、シート包装紙Sの移送がベルトコンベア17の搬送面であるベルト上面部の摩擦による搬送だけで行われるために、傾きがあるために後側となるシート包装紙Sの他側先端がストッパ18に当接して停止する。すなわち、シート包装紙の先端縁が送り込み方向に対して直角ではなくてずれているとき、このずれを修正することができる。
タイムラグが適切な時間として設定されることにより、両側の吸い口19は、両側のストッパ18にシート包装紙Sが当接停止した段階で該シート包装紙Sを吸引保持する。
【0017】
図3は、シート包装紙の先端縁が送り込み方向に対して直角ではなくてずれているとき、このずれを修正して移送する状況を示す。
図3(a)のように、シート包装紙Sの先端縁が送り込み方向に対して直角ではない角度で送られて来ると、第2のセンサ24によりシート包装紙Sの先端縁が検出され、検出信号がコントローラに送られ、アクチュエータ14が縮小作動してブラケット15に枢着された6個のフリーロール16がベルトコンベア17の搬送面であるベルト上面部に対して離間する。しかし、ベルトコンベア17は走行を続ける。第2のセンサ24によりシート包装紙Sの先端縁を検出した信号をコントローラが入力しても、該コントローラが両側の吸い口19に対して直ちには吸引作動する処理を行わないで、タイムラグを有してから両側の吸い口19に対して吸引作動する処理を行わせる。従って、図3(a)のように、シート包装紙Sの先になる側の先端縁がストッパ18に先に当接して停止し、引き続いて、図3(b)のように、反対側の先端縁もストッパ18に当接して停止する。このため、シート包装紙Sの先端縁が送り込み方向に対して直角になる修正が行われる。タイムラグは、この修正時間の確保のためにある。タイムラグが経過すると、図3(c)のように、両側の吸い口19がシート包装紙Sを吸引保持し、図3(d)のように、包装部へ移送する。
【0018】
包装部での作用を説明する。
包装部に箱物包装品W及びシート包装紙Sの給送が行われると、一対のエレベータ6,6が上昇して箱物包装品Wの下面両側縁近傍に当接して箱物包装品Wを上のシート包装紙Sとともに一対の折り下げガイド8,8の間に突き上げる。これによって、シート包装紙(熨斗紙)Sが箱物包装品Wの上面と両側面に密着する。包装紙(熨斗紙)Sは、上流側受け継ぎ移送手段Bの両側に配設された一対の糊噴射ノズル25により糊付けが行われる。この糊付けの位置は、包装紙(熨斗紙)Sの下面の側端縁に沿った数カ所であり、包装紙(熨斗紙)Sを箱物包装品Wの両側面に対して重なる下方部位で接着される。
包装部にシート包装紙Sが傾いて給送されると、エレベータ6,6により箱物包装品Wが突き上げられても、包装紙(熨斗紙)Sが給送された位置に取り残されるトラブルが起こったり、包装が行われてもやり直しになるが、上記のように、シート包装紙Sの先端縁が送り込み方向に対して直角になる修正が行われると、トラブルが略皆無になる。
【0019】
シート包装紙Sを包装部へ給送して停止する位置は、第3のセンサにより制御される。第3のセンサは、LED26aとフォトトランジスタ26bとからなり、シート包装紙Sの移送方向先端の位置をLED26aの位置で決めて、シート包装紙Sとともに移送するフォトトランジスタ26bがLED26aの光を受光し、センサ信号を図示しないコントローラへ送ってから十数mmの移動があってからシート包装紙Sの移送が停止するようになっている。シート包装紙後端押圧板9を移動するねじ軸27と、LED26aを移動するねじ軸28とは、フレキシブルシャフト31及び二分の一減速回転となる歯車列(図示しない)とで接続されていて、LED26aの位置は、シート包装紙載置台7に備えたハンドル8を回してシート包装紙後端押圧板9を移動していくと同時に自動調整されるようになっていて、シート包装紙後端押圧板9をシート包装紙Sの後面に密着させるとLED26aが位置調整が終了する。これによって、箱物包装品の変更に対応してシート包装紙の大きさに変更が生じると、変更後のシート包装紙をシート包装紙載置台7にセットしなおせば、同時にシート包装紙を包装部へ給送位置の調整が終了する。従来では、独立して調整を行っていて面倒であった。
【0020】
本願発明は、箱物包装品の包装部への給送方向を、給紙方向と対向する方向とする機種にも適用される。
シート包装紙(熨斗紙)に糊付けする糊は、包装後にシート包装紙を剥がしたときに、箱物包装品又は箱物包装品を包んでいる包装紙にワックスが残るが傷みが生じない微粘着の度合いであるものを選択することが好ましい。このようにすると、葬儀等で余った品物は熨斗紙を外して再び熨斗掛けすることができて、従来のように、上包み包装紙まで取り除く必要が回避される。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】シート包装紙を用いる包装機の概略の平面図であって、最上部シート包装紙をピックアップして送出しているとともに、包装部で包装が行われている状態を示す。
【図2】給紙装置のみの概略構成を示すため側面図である。
【図3】シート包装紙の先端縁が送り込み方向に対して直角ではなくてずれているとき、このずれを修正して移送する状況を示す工程図。
【符号の説明】
【0022】
W…箱物包装品、S…シート包装紙、A…シート包装紙送出手段、B…上流側受け継ぎ移送手段、C…下流側受け継ぎ移送手段、1…機枠、2…レール、3…エンドレスチェーン、4…爪、5…側面ガイド、6…エレベータ、7…シート包装紙載置台、8…ハンドル、9…シート包装紙後端押圧板、10…ハンドル、11…シート包装紙側端押圧板、12…ピックアップロール、13…縦ガイドロッド、14…アクチュエータ、15…ブラケット、16…フリーロール、17…ベルトコンベア、18…ストッパ、19…吸い口、20…パイプ、21…エンドレスタイミングベルト、22…ランナ、23…第1のセンサ、24…第2のセンサ、25…糊噴射ノズル、26a,26b…第3のセンサ(26a…LED、26b…フォトトランジスタ)、27…ねじ軸、28…ねじ軸、29…サーボモータ、30…紙ガイドレール、31…フレキシブルシャフト、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート包装紙載置台に積層載置されていてピックアップ移送手段により水平に移送されてくる最上部シート包装紙を受け継ぎ移送してエレベータにより突き上げられる箱物包装品の上面に対応する位置へ水平に移送するシート包装紙受け継ぎ移送手段を有し、エレベータを上昇させて箱物包装品を一対の側面挟持ガイド間に突き上げることにより箱物包装品の上面をシート包装紙の下面に密着させさらにシート包装紙の両側部分を箱物包装品の両側面に密着させるように折り曲げる包装機構を有する、シート包装紙を用いる包装機において、
前記シート包装紙受け継ぎ移送手段は、上流側受け継ぎ移送手段と、下流側受け継ぎ移送手段とからなり、
上流側受け継ぎ移送手段は、フリーロールを最上部シート包装紙に押し付けてシート包装紙を移送し、
下流側受け継ぎ移送手段は、上流側受け継ぎ移送手段により移送されてくるシート包装紙の移送方向先端の所要間隔が離れた両側部分に当接する一対のストッパと、シート包装紙について各ストッパの上流近傍を吸引保持する一対の吸い口と、各側のストッパと吸い口を一体に支持して移動する手段とを有し、吸い口でシート包装紙を吸引保持して包装部に移送し、
シート包装紙の先端が下流側受け継ぎ移送手段により受け継がれる位置に到達したことをセンサが検知したら、フリーロールによるシート包装紙の押し付けを解除し、かつ、センサの検知から僅かな時間送れて吸い口がシート包装紙を吸引保持することを特徴とするシート包装紙を用いる包装機。
【請求項2】
吸い口でシート包装紙を吸引保持し該シート包装紙を包装部へ移送して停止する位置は、該シート包装紙の移送方向先端を検知する第3センサの信号により決定されるようになっていて、シート包装紙載置台に積層載置されるシート包装紙の大きさの変更に伴ってシート包装紙載置台に備えたシート包装紙後端押圧板をハンドルを回してシート包装紙の後面に密着させると、前記第3センサが位置調整される構成であることを特徴とする請求項1に記載のシート包装紙を用いる包装機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−44760(P2006−44760A)
【公開日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−230257(P2004−230257)
【出願日】平成16年8月6日(2004.8.6)
【出願人】(502418860)株式会社ラッピングサービス ピー・エル・シー研究所 (2)
【Fターム(参考)】