説明

化粧品のスプレー器具

【課題】物質が噴射ガスにより生じるベンチュリ効果により得られる吸引力によって吹き掛けられる自蔵式携帯器具において、長期間にわたって物質が攪拌されず、或いは物質が使用時に適当に攪拌されるに過ぎない場合でも詰まる恐れを生じさせないで、比較的高い割合の固体粒子を含む物質に使用できる器具の提供。
【解決手段】本発明は、角質支持体、特に、皮膚上に化粧品を吹き掛ける単一ユニット型自蔵式器具に関し、この器具は、吹き掛けられるべき製品のリザーバと、ガス入り容器と、弁とを有し、弁は、これを作動させると、製品を吹き掛けることができ、製品は、固体粒子及び少なくとも分散助剤又はゼリー状化材を含有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、角質媒体、特に、皮膚、唇又は指爪に化粧品を吹き掛ける自蔵式携帯器具に関する。
【背景技術】
【0002】
塗料を噴射するための噴射ガス(ベトクルガスともいう)の使用は、長い間にわたって知られており、特に、米国特許第2,635,921号で知られている。この技術は、徹底的な開発が行われており、多くの特許出願の要部となっている。例を挙げると、欧州特許出願公開明細書第208,247号並びに米国特許第5,255,852号及び第5,713,519号を参照されたい。
【0003】
米国特許第1,430,506号は、圧縮空気入口に連結された2つのノズルが固定されているタンクを有し、2つのノズルは、物質供給オリフィス上に位置した領域で合流する空気のジェットを放出するのに適している。かかる器具では、外部圧縮空気源及び供給ホースが必要である。
【0004】
圧縮噴射ガスの筒体に連結されたスプレースタイラス(針状部)を有するエアブラシによってメーキャップを施すことは周知であり、スプレースタイラスは、第1に、噴射ガスを噴出させるノズルと、第2に、吹き掛けられるべき物質の入った容器又はカップとを有し、かかる物質は、ノズルの入口での噴射ガスの速度に起因して生じるベンチュリ効果により生じる吸引力によってカップ内のダクト中に徐々に吸い上げられる。
【0005】
エアブラシ型スプレー法は、特に、処置又は手入れを施したゾーンと処置又は手入れを施さなかったゾーンとの間の境を目にはっきりとは分からないようにして配合を達成し、陰影付けを施し又はボリュームのある印象を与えるようにするために利用できる。
【0006】
必要な手の動作も互いに異なっている。というのは、吹き掛けられる物質は、いったん角質媒体上に付けられると、広げる必要がないからである。
かくして、物質は、指又はアプリケータと接触する必要がないので非常に衛生的なやり方で供給できる。
【0007】
上述した種類の器具は、例えばカナダ国特許出願公開明細書第2,152,406号の要部をなしている。
【0008】
これと類似した器具が、DINAIR社によってBEAUTY ART(登録商標)及びBODY ART(登録商標)として市販されており、この場合、圧縮噴射ガスの筒体に代えて空気圧縮機が用いられている。
【0009】
スプレースタイラスと噴射ガスの力がホースによって相互に連結されていると仮定しても、スプレースタイラスと噴射ガスの力との組合せでは自蔵式構造体を構成しない器具が知られている。これら器具は比較的嵩張っていて、主としてプロフェッショナル用である。これら器具は、従来型メーキャップ付属品のように婦人が自分のハンドバックによって容易に持ち運ぶには不適当である。
【0010】
フランス国特許公開明細書第2,781,208号は、噴射ガスが容器内に液化された形態で存在するメーキャップを吹き掛ける自蔵式携帯器具を開示しており、吹き掛けられるべき物質と噴射ガスは別々に貯蔵される。
【0011】
液化状態で貯蔵されている噴射ガスを利用する場合、器具の使用可能時間は長くなり、噴射ガスの膨張に伴なう冷却により塗布時点でのフレッシュな感覚が得られる。
【0012】
物質をダクトにより、或いは、フェルトの発揮する毛管作用によって噴射ガスに接触させるのがよい。
【0013】
かかる自蔵式携帯器具では、物質の吹き掛けにより多くの問題が生じる。
第1に、物質が噴射ガスによって同伴されるようにするために物質が噴射ガスに接触する速度は、大きすぎてはならない。というのは、もし大きすぎると、スプレーは、サイズが大きすぎ、或いは不揃いの液滴を形成する恐れがあり、また、かかる速度は、小さすぎてもいけない。というのは、この場合、噴射ガスの消費量が急増し、器具を続けて用いることができる時間の長さが、不十分になるからである。
【0014】
フェルトは、物質を噴射ガスに接触させるのに用いる場合が多い。というのは、これにより、物質の流量は、上記の相反する要件にかなりよく適合することができるからである。
【0015】
それにもかかわらず、フェルトを用いることが常に望ましいものであるとは限らず、特に、物質が高い割合の固体粒子を含む場合には特にそうであり、その理由は、この場合フェルトは、固体粒子を保持するフィルタとして挙動しがちだからである。
【0016】
物質の粘性が高すぎるため、或いは、物質中の固体粒子の含有量が高すぎるためにフェルトに代えてダクトを用いた場合、ダクトの断面が小さすぎるとダクトが詰まるようになる恐れがある。しかしながら、用いられるダクトの断面は、大きすぎてはならない。というのは、これにより、逆に、スプレーが大きすぎ又は不揃いなサイズの液滴を生じる恐れが生じ、このためにメーキャップの品質が損なわれるからである。
【0017】
米国特許第4,742,963号は、噴射ガスと物質が互いに接触状態で同一容器内に貯蔵されている別の自蔵式携帯器具を記載している。必要な場合に容器を揺すぶって器具の使用前に物質を均質化させることが推奨される。この公知の器具では、吹き掛けられるべき物質は、ベンチュリ効果により生じる吸引力によっては吸い上げられず、加圧下で噴出ノズル中へ噴出される。上述の問題は生じないが、物質は、噴射ガスが存在しないので噴出ノズルを詰まらせがちである。
【0018】
特開昭63−287711号公報は、吹き掛け用の化粧品乳濁液(エマルション)を記載しており、乳濁液は、塗布を一層一様にするためにレシチンを含有している。この塗布方法は、例えばフランス国特許出願公開明細書第2,781,208号に記載したような自蔵式携帯器具に関する上述の問題点を解決するわけではない。
【0019】
【特許文献1】米国特許第4,742,963号明細書
【特許文献2】特開昭63−287711号公報
【特許文献3】カナダ国特許出願公開明細書第2,152,406号
【特許文献4】フランス国特許公開明細書第2,781,208号
【特許文献5】欧州特許出願公開明細書第208,247号
【特許文献6】米国特許第5,255,852号明細書
【特許文献7】米国特許第5,713,519号明細書
【特許文献8】米国特許第1,430,506号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
したがって、少なくとも0.3重量%の固体粒子を含有した物質を吹き掛けることができ、良好な吹き掛け特性を備え、しかも、良好なメーキャップの結果を得ることができる自蔵式携帯器具を提供することが要望されており、この器具は、誤動作の恐れが低いものでなければならない。
【0021】
特に、具体的には、物質が噴射ガスにより生じるベンチュリ効果により得られる吸引力によって吹き掛けられる自蔵式携帯器具を提供することが要望されており、この器具は、器具が長期間にわたって且つ物質が攪拌されず、或いは物質が使用時に適当に攪拌されるに過ぎない場合でも詰まる恐れを生じさせないで、ユーザの期待及び比較的高い割合の固体粒子を含む物質、例えばファンデーションメーキャップと適合する時間の長さにわたって使用できなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0022】
本発明の一体構造の新規な自蔵式器具は特に、この要望を満足させるのに役立ち、吹き掛けられるべき物質の供給源と、ガス入り容器と、弁とを有し、弁を作動させると物質を吹き掛けることができ、物質は、固体粒子及び少なくとも1種類の分散助剤又はゼリー状化剤を含有していることを特徴とする。
【0023】
自蔵式携帯器具に入れられている物質は、固体粒子を含むだけでなく、分散助剤又はゼリー状化剤をも含むので、固体粒子がスプレーのために物質を通って通るダクト詰まらせやすいような仕方で凝集するのを防止しながら、物質が噴射ガスによるベンチュリ効果により生じる吸引力によって抽出可能なほど十分流動性があるようにすることができる。
【0024】
分散助剤又はゼリー状化剤が設けられていることにより、特に物質が貯蔵中、物質内で新しい相又はクリームが沈降したり、或いは出現するのを回避し又は遅らせることができ、かくして、器具の動作全体を通じて物質の一様な抽出を促進させることができる。
【0025】
分散助剤又はゼリー状化剤は好ましくは、周囲温度状態及び種々の使用条件下においてはこれを含有している媒体中で結晶化することがないように選択される。
周囲温度は、極端な使用条件に相当する温度範囲、例えば10℃〜45℃の範囲にわたる。
【0026】
周囲温度状態で媒体中で結晶化する恐れがあり、好ましくは本発明の実施に用いられないゼリー状化剤又は分散助剤としては、ワックス、特に、炭化水素ワックス又はシリコーンワックス(アルキル又はアルコキシジメチコン)、セライド(cerides)及びステライド(sterides)又はグリセロホスホコリン及び脂肪酸エステル、例えばホスホリピドを含む脂肪酸及び脂肪アルコールエステル、並びにアミノ酸及び脂肪酸、特にセラミド(ceramides)が挙げられる。
【0027】
物質の固体粒子含有量は、0.3重量%以上、好ましくは、5重量%〜70重量%、好ましくは、20重量%〜70重量%、特に物質がファンデーションメーキャップである場合、より好ましくは30重量%〜60重量%であり、分散助剤又はゼリー状化剤の含有量は、0.01重量%〜10重量%であり、好ましくは、0.1重量%以上であるのがよい。
【0028】
物質中に含まれている粒子は、着色されたものであっても、着色されていないものであってもよい。
本発明の特定の実施形態では、物質は、顔料、任意的には、互いに異なる色の複数の顔料を含んでいる。
【0029】
物質が互いに異なる色の顔料を含んでいる場合、少なくとも1種類の分散助剤又はゼリー状化剤が存在していることにより、所与の色の顔料の別の色の顔料からの分離を減少させることができ、かくして、時間が経っても一定のままであるトーンのメーキャップを得ることができる。
【0030】
粒子は、顔料、例えば鉄、チタン又は酸化亜鉛、有機ワニス又は無機真珠箔剤、マイカ、チタン、又はチタン−マイカであってよい。
物質は、有機粉末、例えば、特に、ポリアミドの粒子、ポリアクリレートの粒子、メチルメタクリレートの粒子、ポリウレタンの粒子、ポリエチレンの粒子、架橋ポリスチレンの粒子、及びこれらの混合物であってもよい。
【0031】
粒子は、鉱物を原料とする粉末、例えばタルク、クレー、シリカ、窒化硼素及びこれらの混合物の粉末、植物を原料とする粉末、例えばスターチの粉末、動物を原料とする粉末、例えば貝殻の粉末であってもよい。
オイル(油)をゼリー化するためにゼリー状化剤を適宜、有機基で改質するのがよい。
【0032】
粒子は、例えば東芝により“TOSPEARL”という商品名で市販されているメチルセスキオクサン樹脂のビードの形態をしたシリコーン又は架橋シリコーン、特に特に米国特許第5,928,660号に記載されているような水性分散液の形態をした架橋シリコーンであってもよい。
【0033】
粒子は、フッ素含有粉末、例えば粉末状PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)であってもよい。
【0034】
粒子は、ナノメートルサイズのものであってもよく、例えばナノチタン又はナノ酸化鉄(nanoiron oxides)から成っていてもよく、或いは、マイクロメートルサイズのものであってもよい。物質は、マイクロメートルサイズの粒子とナノメートルサイズの粒子の両方から成っていてもよい。
粒子をコーティングするのがよいが、このようにするかどうかは任意である。
【0035】
上述したように、物質は、物質の粘度が、物質をその供給源から抽出する仕方、特に、物質が、ベンチュリ効果によって吸い出されることによって抽出される場合と適合するようにするために好ましくは物質中の他の成分の性状の関数として0.01重量%〜10重量%のゼリー状化剤及び(又は)分散助剤を有する。
【0036】
用いられる分散助剤及び(又は)ゼリー状化剤は、親水性であってもよく、或いは、親油性であってもよい。
【0037】
ゼリー状化剤として、特にポリマー性の親水性ゼリー状化剤、例えば多糖系のゼリー状化剤、特に、キサンタンガム、ゲラン(gellan)ガム、クアール(quar)ラム及びこれらの誘導体、セルロース及びその誘導体、ビニール系、カルボキシビニル系、アクリル系、ポリウレタンのゼリー状化剤、非ポリマー性の鉱物系ゼリー状化剤、例えばクレー、特にバンダービルト(Vanderbilt)社により販売されているビーガム(Veegum:登録商標)、任意的に改質されたレオックス(Rheox)社により販売されているベントン(Bentone :登録商標)及び親水性シリカを使用することができる。
【0038】
特に、親油性ゼリー状化剤として、ポリマー系の薬剤又は「オルガノゼリー状化」型、即ち、ブラッキー・アカデミック・アンド・プロフェッショナルによって発行された本「専門家の界面活性剤(Specialist surfactants)」内で言及されている種類の格子を構成するような仕方で相互作用を生じさせる非ポリマー性のサイズの小さな分子の形態をした薬剤を使用できる。
【0039】
オルガノゼリー状化型のゼリー状化剤として、12ヒドロキシステアリン酸、その塩及び誘導体(エステル又はアミド)、アミノ酸アミド又はN−酸アミノ酸、トリカルホン酸のアミド、ソルビトールジベンジリデン又はアルジトール及びその誘導体について言及することができる。
【0040】
親油性ゼリー化ポリマーの例として、シリコーンポリマー及びその誘導体(10,000以上の高分子量のポリジメチルシロキサン(PDMS))を挙げることができ、かかるシリコーンポリマーは、ダウ・コーニング社から入手できるQ2−1401と称する製品中に含有された線状(「ガム」)シリコーンポリマー又は「樹脂」系の架橋シリコーンポリマー、例えば信越社から入手できるKSG6又は16と称する製品中に含有された架橋シリコーンポリマー、ダウ・コーニング社から入手できるTREFIL505C又は506Cと称する架橋シリコーンポリマー、又はグランシル社からSR−5−CYCという商品名で入手できる架橋シリコーンポリマーであるが、これらは任意である。
【0041】
また、ポリマー系親油性ゼリー状化剤、例えばシリコーン又はアクリル系シリコーンから誘導されたポリマーを用いることができる。
【0042】
また、親油性ゼリー状化ポリマー、例えばポリアミド系の重縮合物又は疎水性鎖を持つ多糖、或いはポリウレタンを用いることができる。
【0043】
1以上の分散助剤を用いる場合、これら分散助剤は、親水性又は疎水性のものであることが必要であり、そして、静電反発又は立体安定性によって働くすることが必要である。
【0044】
親水性分散助剤として、特に、少なくとも1種類の陰イオン充填剤を有する親水性分散助剤、例えばカルボキシル基を持つ分散剤、スルホネート、アクリル酸のターポリマー、ポリアスパルテート、マレイン酸の誘導体を挙げることができず、これら分散助剤は、主として静電反発によって作用する。
【0045】
立体安定性により一層よく作用する分散助剤の中でも、ポリビニルピロリドン(PVP)型分散剤、ポリオキシエチレン及びポリカプロラクトンが挙げられる。
【0046】
油状媒体中に用いられる分散剤は、カルボキシレート、アクリル樹脂、環を持つ炭化水素、特に、スチレン、スクシンイミド系の炭化水素であるのがよい。
【0047】
上述のゼリー状化剤又は分散助剤は、別々に用いられてもよく、或いは、混合物の状態で用いられてもよい。
【0048】
物質は、少なくとも1種類の分散助剤及び少なくとも1種類のゼリー状化剤を含むのがよい。
【0049】
一般に、少なくとも1カ月を超える期間にわたって使用されないとき、物質は有利には、器具内の周囲温度で保存することができるのに十分に密閉された容器内に入れられる。
【0050】
有利には、物質は、着脱自在なカートリッジに入れられる。
変形例として、物質を着脱不能な容器に入れてもよい。
【0051】
物質の粘度は好ましくは、20センチポアズ〜500センチポアズの範囲、即ち、1秒当たり20mPa(mPa/s)〜500mPa/sの範囲にあり、粘度は、配合物の流動性に応じて、“1”、“2”又は“3”型の適当な動作単位を用いる回転型であるレオメトリック・サイエンティフィック社製のRM180レオメータ(流動計)を使用して200/sの剪断速度で10分後に測定され、測定は、25℃の温度で行われる。
【0052】
物質は、従来化粧品中に用いられた通常の配合物のうち任意のもの、特に、親水性又は親油性活性剤、例えばUV遮断剤(フィルタ)及び保湿剤(例えばグリセリン)、ケアオイル、酸化防止剤、保存剤、香水及び消泡剤を更に含有するのがよいが、これらには限定されない。
【0053】
器具は、物質中に浸漬している管を更に有するのがよい。
物質は、ガスを収容している容器内部に配置された可撓性袋内に入れられるのがよい。
変形例として、物質は、ガスを収容している容器とは異なる容器内に入れられてもよい。
容器は、少なくとも3つの位置、即ち、休止位置、物質とガスの混合物を小出しすることができる位置及びガスをそれ自体で小出しできるようにする位置を備えた弁を備えるのがよい。
【0054】
スプレー器具は、少なくとも1つの物質供給ダクト及び少なくとも1つ、好ましくは2つのガス供給ダクトを有し、ダクトは、供給ダクトによって送られたガスが、物質供給ダクトから物質を吸い込むのに適した圧力降下を生じさせるような仕方で配置されている。
【0055】
器具は、噴射ガスの供給源と、物質の供給源と流体連通されるのに適した少なくとも1つの物質供給手段とを有し、物質は、噴射ガスの放出により少なくとも1つの物質供給手段の近くで生じる吸引力により供給源から吸い込まれる。
【0056】
器具は、少なくとも1つの物質供給手段と物質供給源との流体連通を妨げるのに適した少なくとも1つのシャッタを更に有するのがよい。
かくして、物質を物質供給源中に保存する条件は改善され、特に、揮発分が逃げ出るのを阻止することができる。
また、例えばハンドバックで見受けられるように器具を水平に又は逆さまの位置で持ち運んでいる間、物質の漏れの恐れを回避することができる。
【0057】
物質供給手段は、少なくとも1つのオリフィスから成るのがよい。
器具は、ガスが放出されている間、少なくとも1つの物質供給手段と物質の供給源との間の流体連通を自動的に再び確立するような仕方で構成されるのがよい。かくして、器具は、噴射ガスの放出が止まるといつでも流体連通を自動的に妨げるような仕方で配置されるのがよい。
【0058】
器具は、ガスディスペンサー弁及びシャッタに直接又は間接的に同時に作用するのに適した押しボタンを有するのがよく、ユーザが押しボタンを押してガスを小出しすると、少なくとも1つの物質供給手段と物質の供給源との間の流体連通が得られる。
【0059】
物質は例えば第1の容器に入れられ、第1の容器は、噴射ガスを収容した第2の容器に固定されている。2つの容器は、少なくとも1つの部分を共通して更に有するのがよく、例えばそれぞれ噴射ガス及び吹き掛けられるべき物質を収容した少なくとも2つのコンパートメントを構成するパーティションを有するのがよい。
【0060】
物質を収容した容器と噴射ガスを収容した容器を、使用中互いに動くことができるようにしないで、固定された関係にするのがよい。例をあげて説明すると、これにより、比較的コンパクトで、特にハンドバックに入れた状態で持ち運びやすい組立体を得ることができる。
【0061】
物質の入った容器は、例えばガスの入った容器に取り付けられた弁を制御するための制御部材を通過させることができる通路、例えば中央通路を後に残すように形状が環状であるのがよい。
【0062】
シャッタは、器具の押しボタンを動かすことにより作動される少なくとも1つの要素に作動的に連結されるのがよい。かかる要素は、例えば中空ロッドからなるのがよく、このロッドは、物質が少なくとも1つの物質供給オリフィスに到達することができるようにする少なくとも1つの内部通路を備え。
【0063】
例を挙げて説明すると、シャッタは、物質をこれが少なくとも1つの物質供給手段に到達するよう流通させることができる少なくとも1つのオリフィスを閉鎖するのに適すると共に物質を小出ししている間、オリフィスを少なくとも部分的に開放するのに適した少なくとも1つのガスケットから成るのがよい。
【0064】
特定の実施形態では、シャッタは、中空ロッドに取り付けられたガスケットによって構成され、中空ロッドは、その底端部が閉鎖され、ガスケットは、その頂面を介してロッドの肩に当接することができる。中空ロッドは、これを貫通した少なくとも1つの物質導入オリフィスを有し、オリフィスは、例えはガスケットの厚さ以下の直径のものである。ガスケットは、中空ロッドを押し下げると、その底面を介して静止状態の支承壁に当接するのに適しており、それにより、ガスケットは圧縮されて導入オリフィスを少なくとも部分的に開放し、かくして、物質が少なくとも1つの物質供給手段に向かって流れることができるようになっている。例を挙げて説明すると、ガスケットはその周囲を介して、ダクトの内面に圧接し、中空ロッドは、軸方向に動いてダクト内に入ることができ、ダクトは、外部と自由に連通することができ、この場合、ガスケットにより、中空ロッドとダクトの内面との間に位置した隙間の漏れ止めクロージャを得ることができる。ダクトの頂端部は、例えば物質の入った容器の頂部を閉鎖するカバーに連結されるのがよい。中空ロッドは、ガスの放出量を制御する押しボタンを動かすことにより作動されるのがよい。ガスケットがその底面を介して当接することができる支承壁内部の空間は、例えば容器の底部端壁に形成された環状チャネルを介して物質の入った容器と連通するのがよい。上述のダクトを、上述の管状支承壁に漏れ止め状態で連結するのがよい。
【0065】
本発明の特徴によれば、底部と頂部を互いに組み付けることにより形成される押しボタンを有するのがよい。底部は、例えば物質を収容した容器内の通路に沿って延びるアクチュエータロッドと一体に形成されたものであるのがよく、物質の入った容器の通路、例えば中央通路内を延びるのがよい。ガスを送り出す弁の制御ロッドは、アクチュエータロッドと嵌合するのがよい。
【0066】
物質の当初の含有量は、例えば5cm3〜200cm3、特に、10cm3〜100cm3であるのがよい。
ガスは、噴射ガスを収容した容器内で少なくとも1つの液相の状態で存在するのがよい。
【0067】
本発明の他の特徴及び利点は、本発明の実施形態ついての非限定的な説明及び添付の図面を参照すると理解されよう。
特許請求の範囲を含む本明細書において、「〜を含む」という表現は、「少なくとも1つを含む」という意味として理解されることが必要である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0068】
図1は、1回分の噴射ガスを収容した第1の容器又は受け具2と、吹き掛けられるべき液体を収容した第2の容器又は受け具3とを有する本発明の第1の実施形態としてのスプレー器具1を示している。
【0069】
この例では、噴射ガスは、容器2内では液化状態で存在し、その性質は、角質媒体、例えば皮膚、指爪又は毛への吹き掛け(スプレー)に適合するように選択されている。
例を挙げると、噴射ガスは、圧縮ガス、特に、空気、ブタン、イソブタン、イソプロパン又はフッ素含有配合物である。
噴射ガスは、液化状態で存在するのがよい。
当然のことながら、他の幾つかの噴射ガス、例えば圧縮窒素を用いることは本発明の範囲から逸脱しない。
【0070】
本発明によれば、容器内に入っている物質は、少なくとも0.3重量%の固体粒子及び少なくとも1種類の分散助剤又はゼリー状化剤を含んでいる。
物質中に存在するのに適した配合物の多くの例が与えられている本明細書の冒頭部分を参照すると有用である。
【0071】
容器2,3に加えて、スプレー器具1は、スプレーヘッド5及び図面には見えない制御弁を作動させるアクチュエータ部材56、例えば押しボタンを有するディスペンサー組立体4を有している。
【0072】
スプレーヘッド5は、容器3に入っている液体を小出しする中央ノズル6及び噴射ガスを噴出させる2つの側方ノズル7を有している。
【0073】
ノズル6,7は、図2に詳細に示されている。
ノズル6は、軸線X上に位置する内部通路8を有し、この軸線は、吹き掛け(スプレー)軸線と一致している。
ノズル7は各々、軸線Y上に位置した内部通路9を有し、これら軸線Yは各々、軸線Xと45°の角度をなし、軸線Xと同一の平面内に位置している。
【0074】
通路8は、容器3に入っている物質と永続的に連通状態にあり、かかる通路は、浸漬管によって容器の内部内へ延長され、通路9は、押しボタン56によって作動される弁を介して容器2内に入っている噴射ガスと連通状態にある。
【0075】
噴射ガスの出口オリフィス14は直径が例えば0.4mmであり、液状物質の出口オリフィス15は直径が例えば0.9mmである。
【0076】
ユーザが押しボタン56を押すと、噴射ガスは通路9に沿って流れ、そしてノズル7を出た際に膨張し、かくして、ノズル6の前でベンチュリ効果による圧力降下が生じ、それにより、物質は通路8内に吸い込まれる。
【0077】
軸線Yの差し向け方に鑑みて、ノズル7によって放出された噴射ガスは互いに出会い、かくして、満足のいくメーキャップの効果を得ることができるのに見合った液滴特性及び全体的なスプレー形状を得ることができる。
【0078】
図2に示す特定の形態では、ノズル6は、デフレクタ形成要素として働き、ノズル7によって前方方向に放出された噴射ガスジェットの各々の何分の1かを逸らす。
換言すると、各噴射ガスジェットの少なくとも一部は、ノズル6にあたり、次に、吹き掛け軸線の方向に近い方向をとる。
ノズル6は、母線が吹き掛け軸線Xと、軸線Yの各々と軸線Xとのなす角度よりも小さい角度をなす中空切頭円錐形部分11を備えていることが分かろう。
図2に示す例では、ノズル6は、平らであって軸線Xに垂直な端面12を有し、各ノズル7の軸線Yは、端面12の円形縁部13と交差している。
ノズル6の端面12と各ノズル7の前面の縁部16との間の距離Hは、例えば約1.7mmである。
図1及び図2の実施形態では、ノズル6,7は、別々の継手によって構成されている。
【0079】
当然のことながら、物質及び噴射ガスの出口オリフィスを、図3に示すように単一部品で作られた内部通路の端部によって構成することは本発明の範囲を逸脱しない。
【0080】
図3では、噴射ガスと連通状態にある側方通路21及び液体物質と連通状態にあり、軸線X上に位置したオリフィス24を介して外部に対向した中央通路22が穴開けされたスプレーヘッド20が見える。
通路21は、軸線Xと交差した軸線Y上の別々のオリフィス23を介して外部に開口している。
図3の実施形態では、通路21によって放出された噴射ガスジェットは、デフレクタ形成要素、例えば上述のノズル6によって先立って逸らされることなく、互いに直接に当たる。
【0081】
本発明は、1種類の液体物質を小出しする技術には限定されず、本発明の範囲を逸脱しないで、少なくとも2種類の物質の混合物を小出しすることができ、これら物質のうちの一方は、例えば噴射ガスの入っている容器内に入れられ、これに同伴される。
【0082】
また、2種類の物質を各々、それぞれ別々の容器内に入れることも可能であり、両方の容器は、噴射ガスを収容した容器とは異なっている。
【0083】
かかる条件下において、液体物質を図4に示すように2つの別々の経路を経て送ることができる。
図4では、通路22に代えて、それぞれが2つの互いに異なる物質、例えば別々に包装し、即座に互いに混ぜ合わされる必要のある2種類の物質のそれぞれと連通状態にある2つの通路30,31が用いられている。
通路30,31のオリフィス32,33の軸線Zは、吹き掛け軸線Xに平行である。
吹き掛け軸線Xは、水平であってもよく、或いは、スプレー器具の問え扱いの仕方及び処置又は手入れが施されるゾーンの場所に応じて別のある向きを有していてもよい。
スプレー器具は、ヘッドを上にして動作するよう設計されたものであってもよく、或いは、ヘッドを下にして動作するよう設計されたものであってもよい。
【0084】
物質を、図5を参照して以下に説明するように着脱自在な容器内に入れることができる。
図5は、噴射ガスを入れた容器41及び1回分の物質Pを入れた容器42を有する器具40を示している。
本発明によれば、この物質Pは、固体粒子及び少なくとも1種類のゼリー状化剤又は分散助剤を含んでいる。
容器41は、ねじ山付きネック43を備えている。
スプレーヘッド45が、容器41の一部をなす弁の中空制御ロッド46に固定されている。
容器42は、ねじ山付きネック43に螺着するよう構成された環状組立て用スカート47を有している。
容器42は、カバー48によって頂部が漏れ止め状態で閉じられている。
【0085】
押しボタン45は、互いに角度をなした2つの噴射ガス小出しオリフィス48を備え、これらオリフィスは、図5の例では容器42の底部まで下方に浸漬した管によって構成された液体物質を供給する部材50上で実質的に垂直方向に互いに交差した軸線Yを有している。
管50は、カバー48を漏れ止め状態で通過している。
【0086】
管50の頂端部はユーザが押しボタン45を押したときに噴射ガスをオリフィス48を通って噴出させることにより生じる吸引力の作用下で液体物質が流出できるようにするオリフィス51を備えている。
【0087】
容器42を容器41に着脱自在に固定することにより、ユーザは、液体物質をいったん使いきると、空の容器42を物質で一杯の新品の容器で置き換えるだけで液体物質の供給を再び得ることができるようになる。
【0088】
また、容器42を容器41に着脱自在に取り付けることにより、ユーザは、互いに異なる物質、例えば互いに異なる色の物質の入った複数の容器から特定の容器42を選択することができる。
【0089】
かくして、ユーザは、互いに異なる物質の入った複数の容器から選択された容器と関連した噴射ガスを入れた単一の容器41を使用することができる。
容器42は、管50の内部の通路以外に空気取入れオリフィスを備える必要はないことは理解されるべきである。
【0090】
押しボタン55を作動させたときに物質が小出しされると、容器42内に吸引力が生じ、小出しが止まると、容器42内での平衡圧力への戻りに伴なって管50内の物質が下方に移動し、かくして、管50の或る程度の自己クリーニングが達成され、管の詰まる恐れが制限される。
【0091】
図6〜図8に示す器具101は、フランス国特許出願公開明細書第2,781,208号に詳細に説明されている。
【0092】
この器具101は、加圧状態のガス、特に空気を収容した容器102を有している。容器102は、底部104によって閉鎖された一端部を備えた本体103を有する缶によって構成されている。缶の底部から遠くに位置するその端部には弁105が取り付けられており、この弁は、押し下げられることによって作動される形式の突出ロッド106を有している。弁105は、圧着により容器102に固定されたカップ107によって支持されている。弁105はそれ自体、圧着によりカップ107に取り付けられている。
【0093】
環状タンク−キャリヤ部材111が、容器102上で自由に回転することができるよう取り付けられており、この部材は、各々がスプレー用の化粧品を入れた2つのタンク112を構成している。
それぞれのダクト118が各タンク内に浸漬している。
フープ130が、容器102にスナップ留めされている。
【0094】
このフープ130は、具体的には締り嵌めされることにより容器に対して回転しないようになっており、このフープは、タンクキャリヤ111が軸方向に動くのを阻止する。
フープ130は、タンク112のダクト118を外部から隔離するようこれらダクトを覆うのに適した環状チャネル133を有している。
【0095】
噴射ガス小出し通路134が、突起141の内部に形成されていて、出口オリフィス130を通って側方を外部に開口している。
【0096】
通路134は、容器102の軸線に垂直に延びるフィルムヒンジ136を介して押しボタン135に連結されている。
【0097】
出口オリフィス140は、ダクト118の頂端部にできるだけ近接して位置できるような仕方で配置されている。例を挙げると、この距離は、約1mmであるのがよい。
突起141は、キャッチ137によって容器102に直にスナップ留めされている。
【0098】
タンクキャリヤ111は、ボール152及びばねを有し、設けられているタンク112と同数の割出し位置をもたらす割出し機構により噴射ガスの出口オリフィス140に対して正確に位置決めされている。
【0099】
有利には、割出し位置決め機構は、90°間隔を置いて位置した4つの割出し位置、即ち、出口オリフィス140をダクト118のうち一方又は他方と位置合わせする180°の間隔を置いて位置した2つの第1の位置と、出口オリフィス140がダクト118の何れとも位置が符合しない2つの中間又は貯蔵位置をもたらし、2つの中間位置は、第1の2つの位置に対して90°の角度をなしている。
【0100】
各ダクト118は、対応関係にあるタンク112の底部内へ浸漬した底端部117を有し、その他方の端部は、タンク112から出ている。
通路134は、各ダクト118の軸線に実質的に垂直に延びている。
【0101】
選択されたタンク112(そのダクト118は、オリフィス140の近くに位置している)に入っている物質は、ユーザが押しボタン135を押すと図8に示すように吹き掛けられる。
【0102】
図1〜図8を参照して説明する例では、物質は、噴射ガスによるベンチュリ効果によって得られる吸引力により吹き掛けられる。
【実施例1】
【0103】
以下の表1に示す組成を有するノンオイルのファンデーションメーキャップを用いて図1及び図2の器具につき最終的な試験を行なった。
表1
BY 29−119 40%
(ダウコーニング・トーレイ社から市販されて
いる水性分散液の状態の架橋シリコーン)
顔料(酸化鉄及び二酸化チタン) 7%
(固体粒子)
ロキデングリコール 7%
リセリン 4%
カルボキシメチルセルロース(ゼリー状化剤) 0.1%
澱粉粉末(固体粒子) 2.5%
親水性改質タルク(固体粒子) 2.5%
防腐剤 q.s.
水 q.s.p.100%
【0104】
このファンデーションメーキャップを調製するため、顔料をプロピレングリコール、グリセリン中に分散させ、カルボキシメチルセルロース、水及び防腐剤でゼリー(ジェル)を作る。
【0105】
ゼリーを、低温状態のままで(約25℃)10分間、適度にかき混ぜる。
依然として低温状態で固体粒子、即ち、BY 29−119配合物、タルク及び澱粉をこの中に分散させ、混合物を10分間かき混ぜる。
これにより、非常に流動性が高く、通常の保存条件下で時間が経っても、具体的には45℃で2ヶ月間安定性のあるファンデーションが得られる。
その粘度は、上述の条件下で測定して50センチポアズである。
操作中、中央ノズル6の詰まりは観察されなかった。
【実施例2】
【0106】
ボディメーキャップに適した組成物の別の例は以下の表2に示す通りである。
表2
顔料(固体粒子) 7%
真珠箔剤(固体粒子) 3%
プロピレングリコール 2.65%
キサンタン(多糖タイプのゼリー状化剤) 0.5%
着色分散助剤:ユニケマ社によって市販されて 0.18%
いるARLANTONE 3315(水とプロピレンの
混合物(50/50)中の40%のアクリ
レートコポリマー及びプロピレングリコール、
及びナトリウム塩)
BYK−019 0.06%
ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
の状態でBYK−CERA社によって市販されている
ジメチコンコポリル(消泡剤)
水 q.s.p.100%
当然のことながら、本発明は、上述の実施形態には限定されない。
【0107】
特に、固体粒子含有物質を自蔵式携帯器具、例えば図1〜図8を参照して説明した器具のうち任意の1つを用いて吹き掛ける場合にはいつでも分散助剤又はゼリー状化剤を固体粒子を含有した物質中に用いるのが特に有利であるが、物質中にゼリー状化剤又は分散助剤が存在していることも又、物質を加圧下でノズル中へ送ることにより吹き掛けるときに有利であることが判明しており、この物質は任意的に、噴射ガスと混ぜ合わされる。
【0108】
例を挙げると、図9は、エアゾール缶タイプの容器202を有する器具201を示しており、この容器は、小出しされるべき物質Pの入った袋203を収容し、袋203の外部に位置するが容器202の内部に位置する空間は、ガスG、例えば圧縮空気で満たされている。
【0109】
エアゾール缶202の底部は、これに圧縮空気を補給することができるようにする弁204を備え、容器202の頂部は、袋203内に入っている物質Pを小出しするのに適した面205を有している。
【0110】
弁205は、ノズル208が取り付けられた押しボタン207を備えている制御ロッドを有している。
【0111】
ノズル208は、多くの形態のものであってよく、これは、図面が分かりやすくなるようにするために概略的に示されているに過ぎない。
【0112】
ユーザが押しボタン207を押し、それにより制御棒が下方に動くと、袋203内に入っている物質Pは、加圧下でノズル208に送り出され、好ましくはガラスと混合される。
物質をガスと混合しないで吹き掛けることは本発明の範囲から逸脱しない。
【0113】
物質を噴射ガスと混合しながら吹き掛ける場合、例えば図10及び図11に概略的に示すように少なくとも3つの位置を持つ弁を用いることが可能であり、この場合、かかる弁は、欧州特許出願公開明細書第709,305号に詳細に記載されている。
【0114】
この弁は、オリフィス301を介して底端部が物質と連通した本体300を有している。
【0115】
密封リング303を備えた部材302が、ばね308からの付勢力に抗して本体300の内部で動くことができる。
部材302は、弁の制御ロッド304と一体に形成されており、物質又は噴射ガスを送り出す通路305を備えている。
【0116】
通路305は、弁が休止状態にあるときにガスケット310で閉鎖される側方オリフィス311を介して底部の近くで外部に開口する。
本体300は、製品ガスを本体の頂部の近くで導入するためのオリフィス306を備えている。
【0117】
物質の入っている袋は、オリフィス306を閉鎖しないで本体300に固定されている。
部材302は、Oリング303を備えている。
環状溝309が、本体300の内面に形成されている。
【0118】
休止状態では、Oリング303は環状溝309の上方で本体300の内面に当接し、したがってダクト305がガス取り入れオリフィス306を介してのみ容器の内部と連通するようになっている。
【0119】
制御ロッド304をその下方行程の第1の部分にわたって押し下げられると、Oリング303は、オリフィス311がガスケット310の下で外部に開口した状態で、本体300の内面に漏れ止め状態で当接し、かくして、噴射ガスだけが図10に示すようにオリフィス306を通過することができる。
【0120】
制御ロッド304を更に押し下げると、Oリング303は、溝309に達し、本体300の内面への圧接をやめ、かくして、物質と噴射ガスの両方が図11に示すように同時に通ることができる。
【0121】
図10の位置は、弁をその休止位置に戻すのに先立ってディスペンサー回路中に入っている物質をパージするのに使用できる。
【0122】
図12に示すスプレー器具1100は、液化形態の噴射ガス、例えばブタン、イソプロパン、イソブタン又は弗素化化合物の入った加圧容器1101と、押しボタン1103及び上述した物質Pの入った容器1104から成るディスペンサー組立体1102とを有している。
【0123】
図示の例では、容器1104は、軸線Wの回りに形状が全体として環状であるキャビティ1105を有し、このキャビティ1105は、物質Tを収容していて、外部が半径方向において第1の管状壁1105aにより且つ内部が半径方向に第2の管状壁1105bによって構成されている。壁1105a,1105bは、底部のところが底部端壁1105cにより一体化され、この底部端壁は、軸線Wの回りに環状チャネル1107を有しており、この機能については以下に説明する。
【0124】
キャビティ1105の頂部は、ダクト1111を備えたカバー1110によって閉鎖され、このダクト1111は、軸線Wに平行なその軸線を有し、カバーの底面に連結されている。カバー1110は、壁1105aの頂端部のところに形成された肩1112に当接できる。
【0125】
ダクト1111は、キャビティ1105の実質的に高さ全体にわたって延び、その底端部は、壁1114に取り付けられ、この壁は、チャネル1107上で垂直方向に底壁1105cから上方に突出している。ダクト1111を壁1114に、例えば一方を他方の中に嵌合させることにより取り付けるのがよい。上述の壁1114は、連続であってもよく、或いは不連続であってもよく、例えばこれはスタッドによって構成できる。
【0126】
ダクト1111及びカバー1110を例えば互いに一体に形成してもよい。
押しボタン1103は例えば、頂部1103aと底部1103bを互いに組み付けることにより作られる。図示の例では、底壁は、加圧容器1101の弁を作動させるための中空ロッド1120と一体に形成されており、この中空ロッドは、壁1105bの内側で摺動できる。
【0127】
この弁はそれ自体、ロッド1120の底端部に嵌め込まれ、ノズル1120の底部端面に肩を介して当接する中空制御ロッド1121を有するのがよい。
【0128】
押しボタン1103を軸線Wに沿って動かすと、これは制御ロッド1121に作用することができ、かくして、噴射ガスがロッド1120の内側でダクトに沿って流れてキャビティ1125に達するようになり、このキャビティ1125は、図14で分かるように、噴射ガス出口オリフィス1127a,1127bを介して押しボタンの外部に対向した2つの内部ダクト1126a,1126bと連通状態にある。オリフィス1127a,1127bは、例えば互いに実質的に垂直な軸線Za,Zbを有し、これら軸線はそれぞれ、例えば吹き掛け方向に対し約45°の角度をなしている。
【0129】
押しボタン1103は又、例えば吹き掛け方向と一致した軸線Zcを有する物質供給オリフィス1130を更に有している。オリフィス1130は、例えば中空ロッド1140の内部と連通し、この中空ロッドは、図16で分かるようにその底端部が壁1141によって閉鎖されており、この中空ロッドにはシャッタ形成環状ガスケット1150が嵌着されており、ガスケット1150は、例えばエラストマーで作られている。
【0130】
図示の例では、ガスケット1150は、その平らな頂面1151を介してロッド1140の環状リブ1142に当接している。ロッド1140は、少なくとも1つの物質導入オリフィス1145を有し、その直径は、ロッド1140の軸線に沿って測定されたガスケット1150の公称厚さ以下である。オリフィス1145は、ガスケット1150が休止状態でリブ1142に当接すると、オリフィス1145を完全に覆ってキャビティ1105内の物質Pがオリフィス1145を介してロッド1140内へ入るのを阻止するように位置決めされている。
【0131】
例を挙げると、ロッド1140は、その頂端部を介して押しボタン1103のハウジング1160内に固定され、ユーザが押しボタン1103を押すと、ロッド1120と一緒に動くことができる。ロッド1140を押し下げると、ガスケット1150は壁1114とリブ1142との間で圧縮され、かかる圧縮は、その厚さを減少させ、オリフィス1145を少なくとも部分的に開放する作用効果を有しており、したがって、キャビティ1105内の物質はオリフィス1155を通りロッド1140の上方に流れて物質供給オリフィス1130に達することが出来るようになっている。
【0132】
押しボタン1103を離すと、ロッド1140は押しボタンと一緒に上昇し、ガスケット1150が、ガスケットの形状記憶のためにオリフィス1145を閉鎖するのに十分な厚さに戻ることができるようになっている。
【0133】
器具1100の作用は次の通りである。物質Pを吹き掛けるため、ユーザは押しボタン1103を押し、それにより容器の弁のロッド1121を押し下げ、噴射ガスがロッド1120の内部の通路内へ放出されるようにする。噴射ガスは、ロッド1126a,1126bを経て流れてオリフィス1127a,1127bを経て流出し、それにより、ベンチュリ効果により物質供給オリフィス1130の前に吸引力を生じさせる。また、押しボタン1103を押し下げると、ロッド1140を動かしてガスケット1150を上述したように圧縮する作用効果も得られる。次に、オリフィス1145を少なくとも部分的に開放し、するとキャビティ1105内の物質Pは、ロッド1140の内側の通路を上方に流れて上述した吸引力の作用によりオリフィス1130に達することができる。次に、物質は、ユーザが引き続き押しボタン1103を押す限り、軸線Zcの方向に沿って吹き掛けられる。押しボタンを離すと、押しボタンは、上昇してその休止位置に戻ることができる。というのは、制御ロッド1121が容器1101に専用の弾性手段によってその初期位置に戻されるからであり、しかもガスケット1150がそれ自体の弾性を有しているからである。ガスケットは、その初期形状に戻ることにより、オリフィス1145を閉鎖し、したがって、たとえ器具1100を水平又は逆さまにした位置で持ち運んでも、物質Pはキャビティ1105の内部に封じ込められたままであり、物質供給オリフィス1130を通って漏れ出る恐れがないようになる。
【0134】
例を挙げると、容器1100を噴射ガスの入っている容器に着脱自在に固定し、物質を使いきったときに容器1104を適宜交換できるようにする。また、これにより、容器1101を交換することができ、或いは、単一の容器1101を用いて互いに異なる物質を連続して吹き掛けることができる。
【0135】
図12〜図17に対応する実施形態では、物質供給手段は、押しボタン内に形成されたダクトの端部によって構成されるが、物質供給手段が毛管作用により物質を吸収できる材料、例えばウィック、フェルト又は焼結材料から成ることは本発明の範囲から逸脱しない。
【0136】
また、フランス国特許出願公開明細書第2,781,208号に記載されているのと類似した仕方で回転筒体の室のそれぞれの中に設けられた複数の互いに異なる物質の供給手段を用いることが可能であり、かかるフランス国特許出願の開示内容を本明細書の一部を形成するものとしてここに引用する。
【0137】
当然のことながら、本発明は、上述の実施形態には限定されず、一般に、上述のシャッタに代えて任意適当なシャッタ手段、例えば互いに対して動くことができ、そしてシャッタを構成する2つの同軸壁1201,1202から成る図17に示すようなシャッタ手段を用いてもよい。
【0138】
例を挙げると、内側壁1202を押しボタンに固定されていて、底端部が閉鎖された中空ロッドによって形成するのがよい。物質は、噴射ガスの放出により吸引力が生じるとこの中空ロッドの内側を上昇することができる。
【0139】
外側壁1201は静止状態にあり、これは押しボタンが休止位置にあるときに壁1202を貫通して設けられたオリフィス1203を閉鎖するのに適している。壁1202は、押しボタンを押し下げるとオリフィス1103と位置が符合するのに適したオリフィス1204を有し、それにより、オリフィス1203を少なくとも部分的に開放して物質が物質供給手段に到達することができる。
【0140】
例えばボールの形をしていて、押しボタンを動かすことにより開かれるのに適した逆止弁も又、図18に示すように用いることができる。かかる逆止弁は、押しボタンをユーザが離すと、閉鎖位置をとることができる。図示の例では、逆止弁は、ばね1211によって閉鎖位置に押圧されるシャッタ形成ボール1210を有している。アクチュエータロッド1212が、押しボタンを押し下げると、下方に動かされるように配置されている。すると、物質は、ダクト1213を経て流れて吸引力を生じているゾーンに到達することができ、それによりこれを吹き掛けることができる。
【0141】
変形実施形態では、例えば物質が壁114に形成された開口部及びダクト1111の底端部に形成された開口部を通って壁1114の内部の空間に達するようになっていれば、環状チャネル1107を省いてもよい。
【0142】
噴射ガスの放出により生じる吸引力が単一のオリフィスを通って得られるようにすることは、本発明の範囲から逸脱しない。
【0143】
また、噴射ガスの入っている容器の制御ロッド1121により、軸線Wに対して傾斜させることにより噴射ガスを小出しすることができる。ただし、押しボタンをそれに応じて設計することを条件とする。
【0144】
容器1104を、特に長期間の使用が想定されている場合、空気取入れ口を設けないで製作してもよく、或いは空気取入れ口を備えた状態で製作してもよい。
【0145】
空気を取り入れることができるようにするために、微少漏れ口1230を例えば図19に示すようにカバー1110を貫通して、或いは、図20に示す例に対応してカバーと容器1104の壁1105aとの間に設けるのがよい。かかる微少漏れ口は、特に器具を横にして置いている場合、物質が微少漏れ口を通過するのを阻止するが、空気がこれを通過できるように作られている。
【0146】
例を挙げると、図21に示すように空気取り入れオリフィス1241を閉鎖するのに適した弁1240を更に設けるのがよい。弁1240は、物質の入った容器の内部の圧力が減少した場合に開き、そうでなければオリフィス1241を閉鎖する。
【0147】
例を挙げると、弁1240をカバー1110に埋め込み成形するのがよいが、別の方法で形成してもよく、これは本発明の範囲から逸脱しない。
【図面の簡単な説明】
【0148】
【図1】本発明の第1の実施形態のスプレー器具の概略斜視図である。
【図2】図1のスプレーヘッドの部分概略平面図である。
【図3】スプレーヘッドの一形態を示す部分断面図である。
【図4】スプレーヘッドの別の形態を示す部分断面図である。
【図5】本発明の第2の実施形態のスプレー器具の部分断面略図である。
【図6】本発明の第3の実施形態のスプレー器具を示す軸方向部分端面略図である。
【図7】図6のスプレー器具の平面図である。
【図8】物質をスプレーしている間の器具を示す図6と類似した図である。
【図9】本発明の第4の実施形態の器具を示す概略軸方向断面図である。
【図10】3つの位置を持つ弁を示す概略軸方向断面図である。
【図11】3つの位置を持つ弁を示す概略軸方向断面図である。
【図12】スプレー器具の別の実施形態を示す図13のXII−XIIにおける部分概略軸方向矢視断面図である。
【図13】図12の矢印XIIIに沿って見た概略部分平面図である。
【図14】図13のXIV−XIVにおける部分断面軸方向断面図である。
【図15】図12の器具の部分で概略分解斜視図である。
【図16】図12の詳細部XVIを示す拡大図である。
【図17】シャッタの他の例を示す略図である。
【図18】シャッタの他の例を示す略図である。
【図19】微小漏れ口の一例の略図である。
【図20】空気取入れ弁の一例の略図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
角質媒体、特に皮膚に化粧用物質を吹き掛ける一体構造の自蔵式器具(1;101;201;1100)であって、器具は、吹き掛けられるべき物質の供給源と、ガス入り容器と、弁とを有し、弁を作動させると物質を吹き掛けることができ、物質は、固体粒子及び少なくとも1種類の分散助剤又はゼリー状化剤を含有していることを特徴とする器具。
【請求項2】
分散助剤又はゼリー状化剤は、周囲温度状態ではこれを含有している媒体中で結晶化することがないように選択されていることを特徴とする請求項1記載の器具。
【請求項3】
分散助剤又はゼリー状化剤は、次に列記する薬剤、即ちワックス、特に、炭化水素ワックス又はシリコーンワックス(アルキル又はアルコキシジメチコン)、セライド(cerides)及びステライド(sterides)又はグリセロホスホコリン及び脂肪酸エステル、例えばホスホリピドを含む脂肪酸及び脂肪アルコールエステル、並びにアミノ酸及び脂肪酸、特にセラミド(ceramides)から成る薬剤には含まれない薬剤から選択されていることを特徴とする請求項2記載の器具。
【請求項4】
物質の固体粒子含有量は、3重量%以上、好ましくは、5重量%〜70重量%、好ましくは、20重量%〜70重量%、特に物質がファンデーションメーキャップである場合、より好ましくは30重量%〜60重量%であり、分散助剤又はゼリー状化剤の含有量は、0.01重量%〜10重量%であり、好ましくは、0.1重量%以上であることを特徴とする請求項1〜3のうち何れか一に記載の器具。
【請求項5】
物質は、顔料を含有していることを特徴とする請求項1〜4のうち何れか一に記載の器具。
【請求項6】
顔料は、鉄、チタン及び酸化亜鉛、有機ワニス、無機真珠箔剤、特に、マイカ、チタン又はチタン−マイカ及びこれらの混合物から選択されていることを特徴とする請求項5に記載の器具。
【請求項7】
物質は、有機粉末、特に、ポリアミドの粒子、ポリアクリレートの粒子、メチルメタクリレートの粒子、ポリウレタンの粒子、ポリエチレンの粒子、架橋ポリスチレンの粒子、及びこれらの混合物、鉱物を原料とする粉末、例えばタルク、クレー、シリカ、窒化硼素及びこれらの混合物の粉末、植物を原料とする粉末、例えばスターチの粉末、動物を原料とする粉末、例えば貝殻の粉末、メチルセスキオクサン樹脂のビードの形態をしたシリコーン、フッ素含有粉末、例えばPTFE粉末及びこれらの混合物から成る群から選択された粒子を含有していることを特徴とする請求項1〜6のうち何れか一に記載の器具。
【請求項8】
粒子は、マイクロメートルサイズ(個々の粒度)のものであることを特徴とする請求項1〜7のうち何れか一に記載の器具。
【請求項9】
粒子は、ナノメートルサイズのものであることを特徴とする請求項1〜7のうち何れか一に記載の器具。
【請求項10】
用いられる分散助剤及び(又は)ゼリー状化剤は、親水性であることを特徴とする請求項1〜9のうち何れか一に記載の器具。
【請求項11】
用いられる分散助剤及び(又は)ゼリー状化剤は、親油性であることを特徴とする請求項1〜9のうち何れか一に記載の器具。
【請求項12】
物質は、ポリマー性の親水性ゼリー状化剤、例えば多糖系のゼリー状化剤、特に、キサンタンガム、ゲラン(gellan)ガム、クアール(quar)ラム及びこれらの誘導体、セルロース及びその誘導体、ビニール系、カルボキシビニル系、アクリル系、ポリウレタンのゼリー状化剤、非ポリマー性の鉱物系ゼリー状化剤、例えばクレー、特に、ビーガム(Veegum:登録商標)、任意的に改質されたベントン(Bentone:登録商標)及び親水性シリカ並びにこれの混合物から選択された少なくとも1種類の親水性ゼリー状化剤を含有していることを特徴とする請求項10記載の器具。
【請求項13】
物質は、ポリマー系ゼリー状化剤又は「オルガノゼリー状化(organo-jelling)」型のゼリー状化剤、線状シリコーンポリマー又は架橋シリコーンポリマー及びこれらの誘導体、シリコンから誘導されたポリマー、アクリル系シリコーン、ポリアミド系重縮合物、疎水性鎖を有する多糖、ポリウレタン、及びこれらの混合物から成る群から選択された親油性ゼリー状化剤を含有していることを特徴とする請求項11記載の器具。
【請求項14】
物質は、オイルをゼリー化するために有機基によって任意的に改質された無機ゼリー状化剤を含有していることを特徴とする請求項1〜13のうち何れか一に記載の器具。
【請求項15】
物質は、少なくとも1種類の分散助剤及び少なくとも1種類のゼリー状化剤を含有していることを特徴とする請求項10又は11記載の器具。
【請求項16】
物質は、少なくとも1種類の陰イオン系充填剤を有する分散助剤、特に、カルボキシル基を持つ分散助剤、スルホネート、アクリル酸のターポリマー、ポリアスパルテート、マレイン酸の誘導体及びこれらの混合物から成る群から選択された少なくとも1種類の親水性分散助剤を含有していることを特徴とする請求項15記載の器具。
【請求項17】
物質は、カルボキシレート、アクリル樹脂、環を持つ炭化水素、特に、スチレン、スクシンイミド系の炭化水素から成る群から選択された少なくとも1種類の親油性分散助剤を含有していることを特徴とする請求項1〜16のうち何れか一に記載の器具。
【請求項18】
物質は、少なくとも1カ月を超える期間にわたって使用されないとき、物質を器具内の周囲温度で保存することができるのに十分に密閉された容器内に入れられていることを特徴とする請求項1〜17のうち何れか一に記載の器具。
【請求項19】
物質の粘度は、20センチポアズ〜500センチポアズであることを特徴とする請求項1〜18のうち何れか一に記載の器具。
【請求項20】
物質は、親水性又は親油性活性剤、例えばUV遮断剤(フィルタ)及び保湿剤、ケアオイル、酸化防止剤、保存剤及び消泡剤を含有していることを特徴とする請求項1〜19のうち何れか一に記載の器具。
【請求項21】
物質は、着脱自在なカートリッジ内に入れられていることを特徴とする請求項1〜20のうち何れか一に記載の器具。
【請求項22】
物質は、着脱不能な容器内に入れられていることを特徴とする請求項1〜20のうち何れか一に記載の器具。
【請求項23】
物質中に浸漬している管を更に有していることを特徴とする請求項1〜22のうち何れか一に記載の器具。
【請求項24】
物質は、ガスを収容している容器とは異なる容器内に入れられていることを特徴とする請求項1〜23のうち何れか一に記載の器具。
【請求項25】
物質は、ガスを収容している容器内部に配置された可撓性袋内に入れられていることを特徴とする請求項1〜11のうち何れか一に記載の器具。
【請求項26】
弁は、少なくとも3つの位置、即ち、休止位置、物質とガスの混合物を小出しすることができる位置及びガスをそれ自体で小出しできるようにする位置を有していることを特徴とする請求項1〜25のうち何れか一に記載の器具。
【請求項27】
少なくとも1つの物質供給ダクト(22)及び少なくとも1つ、好ましくは2つのガス供給ダクト(21)を有し、ダクトは、供給ダクトによって送られたガスが、物質供給ダクトから物質を吸い込むのに適した圧力降下を生じさせるような仕方で配置されていることを特徴とする請求項1〜24のうち何れか一に記載の器具。
【請求項28】
ガスは、ガスを収容した容器(2)の内部に少なくとも液相の状態で存在していることを特徴とする請求項1〜27のうち何れか一に記載の器具。
【請求項29】
前記器具は、ガスの供給源と、前記物質の供給源と流体連通されるのに適した少なくとも1つの物質供給手段とを有し、物質は、前記ガスの放出により前記少なくとも1つの物質供給手段の近くで生じる吸引力により供給源から吸い込まれ、前記器具は、前記少なくとも1つの物質供給手段と物質供給源との流体連通を妨げるのに適した少なくとも1つのシャッタ(1150;1201;1210)を更に有していることを特徴とする請求項1記載の器具。
【請求項30】
物質供給手段は、少なくとも1つのオリフィス(1130)から成ることを特徴とする請求項29記載の器具。
【請求項31】
前記器具は、ガスが放出されている間、前記少なくとも1つの物質供給手段と物質の供給源との間の流体連通を自動的に再び確立するような仕方で構成されていることを特徴とする請求項29又は30記載の器具。
【請求項32】
前記器具は、ガスディスペンサー弁及びシャッタに直接又は間接的に同時に作用するのに適した押しボタンを有し、ユーザが押しボタンを押してガスを小出しすると、前記少なくとも1つの物質供給手段と物質の供給源との間の流体連通が得られることを特徴とする請求項1〜31のうち何れか一に記載の器具。
【請求項33】
前記器具は、第1の容器(1104)を有し、該容器は、ガスを収容した第2の容器(1101)に固定されていることを特徴とする請求項1〜32のうち何れか一に記載の器具。
【請求項34】
物質入り容器とガス入り容器は、これらが使用中互いに動くのを阻止するような仕方で互いに固定されていることを特徴とする請求項29〜33のうち何れか一に記載の器具。
【請求項35】
物質の入った容器(1104)は、ガスの入った容器に取り付けられた弁を制御するための制御部材(1120)を通過させることができる通路を後に残すように形状が環状であることを特徴とする請求項1〜34のうち何れか一に記載の器具。
【請求項36】
シャッタ(1150;1201;1202;1210)は、器具の押しボタンを動かすことにより作動される少なくとも1つの要素に作動的に連結されていることを特徴とする請求項1〜35のうち何れか一に記載の器具。
【請求項37】
前記要素は、物質が前記少なくとも1つの物質供給オリフィスに到達することができるようにする少なくとも1つの内部通路を備えた中空ロッド(1140)から成ることを特徴とする請求項36記載の器具。
【請求項38】
シャッタは、物質をこれが前記少なくとも1つの物質供給手段に到達するよう流通させることができる少なくとも1つのオリフィス(1145)を閉鎖するのに適すると共に物質を小出ししている間、前記オリフィスを少なくとも部分的に開放するのに適した少なくとも1つのガスケット(1150)から成ることを特徴とする請求項1〜37のうち何れか一に記載の器具。
【請求項39】
シャッタは、中空ロッド(1140)に取り付けられたガスケット(1150)によって構成され、前記中空ロッドは、その底端部が閉鎖され、ガスケットは、その頂面を介してロッドの肩に当接することができ、中空ロッドは、これを貫通した少なくとも1つの物質導入オリフィス(1145)を有し、オリフィスは、ガスケット(1150)の厚さ以下の直径のものであり、前記ガスケットは、中空ロッドを押し下げると、その底面を介して静止状態の支承壁(1114)に当接するのに適しており、それにより、ガスケットは圧縮されて導入オリフィス(1145)を少なくとも部分的に開放し、かくして、物質が前記少なくとも1つの物質供給手段に向かって流れることができるようになっていることを特徴とする請求項38記載の器具。
【請求項40】
ガスケット(1150)はその周囲を介して、ダクト(1111)の内面に当接し、中空ロッド(1140)は、軸方向に動いてダクト内に入ることができ、ダクトは、外部と自由に連通することができることを特徴とする請求項39記載の器具。
【請求項41】
中空ロッド(1140)は、ガスの放出量を制御する押しボタン(1103)を動かすことにより作動されることを特徴とする請求項39又は40記載の器具。
【請求項42】
ガスケットがその底面を介して当接することができる支承壁(1114)内部の空間は、前記容器の底部端壁(1105 C)に形成された環状チャネルを介して物質の入った容器と連通することを特徴とする請求項39〜41のうち何れか一に記載の器具。
【請求項43】
底部(1103b)と頂部(1103a)を互いに組み付けることにより形成される押しボタン(1103)を有していることを特徴とする請求項1〜42のうち何れか一に記載の器具。
【請求項44】
底部(1103b)は、物質を収容した容器内の通路に沿って延びるアクチュエータロッド(1120)と一体に形成されてることを特徴とする請求項43記載の器具。
【請求項45】
ガスを送り出す弁の制御ロッド(1121)は、アクチュエータロッド(1120)と嵌合することを特徴とする請求項44記載の器具。
【請求項46】
ガスは、少なくとも1つのガス出口オリフィス(1127b)を経て放出されることを特徴とする請求項29〜45のうち何れか一に記載の器具。
【請求項47】
ガスは、少なくとも2つのガス出口オリフィス(1127a;1127b)を通って放出され、前記オリフィスは、オリフィスによって放出されたガスジェットが出会うような仕方で選択されている部分を有していることを特徴とする請求項46記載の器具。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
角質媒体、特に皮膚に化粧用物質を吹き掛ける一体構造の自蔵式器具(1;101;201;1100)であって、器具は、吹き掛けられるべき物質の供給源と、ガス入り容器と、弁とを有し、弁を作動させると物質を吹き掛けることができ、物質は、固体粒子及び少なくとも1種類の分散助剤又はゼリー状化剤を含有していることを特徴とする器具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2006−314832(P2006−314832A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−211218(P2006−211218)
【出願日】平成18年8月2日(2006.8.2)
【分割の表示】特願2002−549194(P2002−549194)の分割
【原出願日】平成13年11月22日(2001.11.22)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】