説明

化粧料

【課題】メーク落とし時にたれ落ちがしにくく、また使用時には皮膚上でののびが良くさっぱりとした使用効果を有し、さらに高い洗浄効果を与える化粧料を提供する。
【解決手段】(A)HLB8〜13のアルキルエチレンオキサイド型界面活性剤と、(B)油性成分(C)水とを含有するディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相と、該ディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相内に取り込まれている油性成分(B)とは別に存在する(B)油性成分を含有する油相と、を含むことを特徴とする化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化粧料、特に洗浄剤組成物に関し、特に洗浄効果の改善、および使用感の改善に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、皮膚や毛髪の汚れ、メーキャップ化粧料を除去する目的としたクレンジング化粧料やメーク落とし化粧料等は、汚れやメーキャップを溶解、分散する目的で油分が配合されており、両親媒性物質により乳化されているO/WおよびW/O乳化タイプ、数種の油分を混合したオイルタイプ等がある。また、最近では油分を配合せず、中程度のHLBを有する界面活性剤を大量に配合した水性タイプ等もある。
【0003】
しかしながら、O/W乳化タイプメーク落とし化粧料の場合には濡れた手で使用でき、みずみずしい使用感触が得られる一方、多量の油分を含有させることが困難であるため、洗浄力が弱いという問題があった。また、W/O乳化タイプやオイルタイプメーク落としの場合はメーキャップとのなじみや落ちには問題は少ないものの、ティッシュオフや洗顔後に油っぽさが残る等の使用感触上の問題が大きい。また、水性タイプの場合には油っぽさが全くなくさっぱりとした洗い流し感が得られるものの、洗浄力が十分でないという問題があった。
【0004】
以上のようなメーク落としの問題を解決するため、近年特定の非イオン性界面活性剤と粘度の低い油剤と水溶性溶剤及び水を組み合わせて用いることにより、水相及び油相が連続相になるようなバイコンティニュアス構造を有するクレンジング組成物が開発されている(例えば特許文献1,2参照)。しかしながら、上記組成物は上述の連続相を有することから洗浄性は非常に高いが、低粘度液状であるため、メーク落とし時にたれ落ちなどの問題が生じてしまう。
また、親水性非イオン性活性剤とアニオン性界面活性剤と水酸基を有する水溶性化合物と液状油及び水を特定の配合量にて含有するゲル状クレンジング組成物が開発されている(例えば特許文献3参照)。しかしながら、上記組成物は多量の油分を配合しているため、洗い流し時又は洗い流し後に、油膜感、べたつき感があり、使用時のさっぱり感が十分ではないなどの問題が生じている。
【0005】
また、メーク落としとのなじみの良さを改善すべく非イオン性界面活性剤と水酸基を有する水溶性物質とシリコーン油と水を含有し、液晶相及び/または等方性界面活性剤連続相を有する化粧料が開発されている(例えば特許文献4参照)。しかしながら、上記化粧料は、マッサージ中や洗い流し後の肌に対して比較的油性感は感じにくくなっているものの、洗浄作用が十分ではなく、また、皮膚上でののびや汚れとのなじみやすさにおいて満足できるものではない。また、水との相性が悪く、水が原因となって上記組成物や汚れ等を容易に除去できなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2008−184413号公報
【特許文献2】特開2004−217640号公報
【特許文献3】特開平9−175936号公報
【特許文献4】特開2000−256124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は前記従来技術の課題に鑑み行われたものであり、メーク落とし時にたれ落ちがしにくく、また使用時には皮膚上でののびが良くさっぱりとした使用効果を有し、さらに高い洗浄効果を与える化粧料、特に洗浄剤組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者らが前述の問題を解決すべく鋭意研究を行った結果、HLB8〜13の非イオン性界面活性剤、油分及び水を配合したディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相と、該ディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相(I)を外相とし、さらなる油性成分が乳化粒子(内相)として保持されること特徴とするキュービック液晶中油型乳化組成物(O/I)は、メーク落とし時にたれ落ちがしにくく、皮膚上での延びが良くさっぱりとした使用効果を有し、さらに高い洗浄効果を与え、洗い流し時には水との馴染みやすさからさっぱりと洗い流せることを見出し、本発明を完成するに至った。
また、本発明のキュービック液晶中油型乳化組成物(O/I)をその他スキンケア化粧料やヘア化粧料に活用した場合、みずみずしい使用感触を有し、のびがよく、洗い流し性に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0009】
すなわち、本発明にかかる化粧料は、(A)HLB8〜13のアルキルエチレンオキサイド型界面活性剤と、(B)油性成分と(C)水とを含有するディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相を外相とし、該ディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相内に取り込まれている油性成分(B)とは別に存在する(B)油性成分を含有する油相を内相として含むことを特徴とする。
【0010】
また、前記化粧料は、該化粧料中の(B)油性成分の合計質量((B)+(B))が組成物全体に対して80質量%であることが好適である。
【0011】
また、前記化粧料は、成分(A)と成分(C)の質量比が、(A):(C)=20:80〜70:30であることが好適である。
【0012】
また、前記化粧料は、洗浄剤組成物であることが好適である。
【0013】
また、前記洗浄剤組成物は、皮膚又は毛髪洗浄料であることが好適である。
【0014】
また、前記洗浄剤組成物は、メーククレンジング基剤であることが好適である。
【0015】
また、前記化粧料において、さらに、(D)多価アルコール及び/又は糖を含有することが好適である。
また、前記化粧料において、成分(D)が、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、ソルビトールから選択される1種以上を含むことが好適である。
【発明の効果】
【0016】
本発明にかかる化粧料は、(A)HLB8〜13のアルキルエチレンオキサイド型界面活性剤と、(B)油性成分(C)水とを含有するディスコンティニュアスミセルキュービック液晶と、該ディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相によって乳化粒子として保持される(B)油性成分と、を含む化粧料であり、メーク落とし時にたれ落ちがしにくく、皮膚上での延びが良くさっぱりとした使用効果を有し、さらに高い洗浄効果を与え、洗い流し時には水との馴染みやすさからさっぱりと洗い流せる化粧料を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】ミセルキュービック液晶中油(O/I)型乳化組成物の構造を模式的に示した図である。
【図2】実施例1、比較例1および比較例2の成分を用いた疑似3成分系相図(水−界面活性剤−油分)を示す図である。
【図3】本発明の化粧料及び従来のクレンジング化粧料とのメーク落とし効果について示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について詳述する。
アルキルエチレンオキサイド型界面活性剤
本発明に用いられる(A)アルキルエチレンオキサイド型界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンイソセチルエーテル、ポリオキシエチレンイソステアリルエーテル等が挙げられる。また、これらの界面活性剤は、本発明の化粧料において1種又は2種以上を任意に選択して用いることができる。
【0019】
本発明のアルキルエチレンオキサイド型界面活性剤はHLBが8から13の間、特に8から10の間であることが望ましい。一般にHLBは7であるとき水への溶解性と、油への溶解性が釣り合うことを示していることが知られている。すなわち本発明で好適な界面活性剤は、油/水溶解性が中間程度からやや親水性のものである。HLBが8未満ではディスコンティニュアスミセルキュービック液晶を得ることができず、洗浄剤の洗い流し時に良好な洗い流し性が得られず、のびや洗浄効果も不十分である。HLBが13を超えると多量の油分を取り込んだディスコンティニュアスミセルキュービック液晶を得ることができず、良好な洗浄効果を得ることができない。
【0020】
市販品としては、日本エマルジョン株式会社製のEMALEX(登録商標)705(ポリオキシエチレン(5モル)ラウリルエーテル、HLB;10)、EMALEX707(ポリオキシエチレン(7モル)ラウリルエーテル、HLB;10)、EMALEX709(ポリオキシエチレン(9モル)ラウリルエーテル、HLB;11)、EMALEX712(ポリオキシエチレン(12モル)ラウリルエーテル、HLB;13)、EMALEX105(ポリオキシエチレン(5モル)セチルエーテル、HLB8)、EMALEX107(ポリオキシエチレン(7モル)セチルエーテル、HLB;10)、EMALEX110(ポリオキシエチレン(10モル)セチルエーテル、HLB;11)、EMALEX112(ポリオキシエチレン(12モル)セチルエーテル、HLB;12)、EMALEX115(ポリオキシエチレン(15モル)セチルエーテル、HLB;13)、EMALEX506(ポリオキシエチレン(6モル)オレイルエーテル、HLB;8)、EMALEX508(ポリオキシエチレン(8モル)オレイルエーテル、HLB;10)、EMALEX510(ポリオキシエチレン(10モル)オレイルエーテル、HLB;11)、EMALEX512(ポリオキシエチレン(12モル)オレイルエーテル、HLB;11)、EMALEX515(ポリオキシエチレン(15モル)オレイルエーテル、HLB;12)、EMALEX603(ポリオキシエチレン(3モル)ステアリルエーテル、HLB;10)、EMALEX605(ポリオキシエチレン(5モル)ステアリルエーテル、HLB;8)、EMALEX606(ポリオキシエチレン(6モル)ステアリルエーテル、HLB;8)、EMALEX611(ポリオキシエチレン(11モル)ステアリルエーテル、HLB;11)、EMALEX615(ポリオキシエチレン(15モル)ステアリルエーテル、HLB;12)、EMALEX1605(ポリオキシエチレン(5モル)イソセチルエーテル、HLB;8)、EMALEX1610(ポリオキシエチレン(10モル)イソセチルエーテル、HLB;11)、EMALEX1615(ポリオキシエチレン(15モル)イソセチルエーテル、HLB;13)、EMALEX1805(ポリオキシエチレン(5モル)イソステアリルエーテル、HLB;8)、EMALEX1810(ポリオキシエチレン(10モル)イソステアリルエーテル、HLB;11)、EMALEX1815(ポリオキシエチレン(15モル)イソステアリルエーテル、HLB;12)、EMALEX1820(ポリオキシエチレン(20モル)イソステアリルエーテル、HLB;13)等が挙げられる。
また、本発明においては、上記したポリオキシエチレンアルキルエーテル型界面活性剤が特に好適に用いられるが、ディスコンティニュアスミセルキュービック液晶を形成し得るものであれば、例えばイソステアリン酸PEG−8グリセリル等のエステル型のものも、本発明のアルキルエチレンオキサイド型界面活性剤として用いることができる。
【0021】
成分(A)のHLB8〜13のアルキルエチレンオキサイド型界面活性剤の配合量としては組成物全量に対して好ましくは0.1〜60質量%、特に好ましくは0.5〜50質量%、さらに好ましくは0.5〜30質量%である。0.1質量%未満ではディスコンティニュアスミセルキュービック液晶が形成されず、目的とする相状態とならない場合が生じ、60重量%を超えて配合すると皮膚への刺激が強くなる場合がある。
【0022】
油性成分
(B)油性成分としては、通常化粧品、医薬部外品等に使用される炭化水素油、高級脂肪酸、高級アルコール、合成エステル油、液体油脂、シリコーン油などが挙げられ、一種または二種以上の油分を用いることができる。
【0023】
炭化水素系油分としては、例えばイソドデカン、イソヘキサデカン、イソパラフィン、パラフィン、流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、セレシン等が挙げられる。
【0024】
高級脂肪酸としては、例えばラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、オレイン酸、ウンデシレン酸、トール酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)等が挙げられる。
【0025】
高級アルコールとしては、例えば直鎖アルコール(例えば、ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ミリスチルアルコール、オレイルアルコール、セトステアリルアルコール等);分枝鎖アルコール(例えば、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、2−デシルテトラデシノール、ラノリンアルコール、コレステロール、フィトステロール、ヘキシルドデカノール、イソステアリルアルコール、オクチルドデカノール等)等が挙げられる。
【0026】
合成エステル油としては、例えばミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、2−エチルヘキサン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ラウリン酸ヘキシル、ミリスチン酸ミリスチル、オレイン酸デシル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、酢酸ラノリン、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソセチル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリン、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、パルミチン酸2−エチルヘキシル、トリミリスチン酸グリセリン、トリ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセライド、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、オレイン酸オレイル、アセトグリセライド、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、アジピン酸ジイソブチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、エチルラウレート、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、セバシン酸ジイソプロピル、コハク酸2−エチルヘキシル、クエン酸トリエチル等が挙げられる。
【0027】
液体油脂としては、アマニ油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリーブ油、アボガド油、サザンカ油、ヒマシ油、サフラワー油、ホホバ油、ヒマワリ油、アルモンド油、ナタネ油、ゴマ油、大豆油、落花生油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリン等がある。
【0028】
また、シリコーン油としては、たとえばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等の鎖状シリコーン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状シリコーンがある。
【0029】
なお、油性成分の配合量は組成物全量に対して20〜80質量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは40〜80質量%である。油性成分の配合量が20質量%未満では十分な洗浄効果が得られず、使用時ののびが良好でない場合があり、90質量%を超えると安定性に欠ける場合がある。特に、ディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相内のミセルに取り込まれている油分(B)は、5〜30質量%であることが洗浄性、のびのよさの点でより好適である。
【0030】
本発明に用いられる(C)水の配合量は、特に限定されるものではないが、化粧料を生成する際に、用いられる(A),(B)の種類や配合量に応じて、ディスコンティニュアスミセルキュービック液晶が形成される領域内となるように、配合量を適宜調整する必要があり、(A):(C)=20:80〜70:30、好ましくは20:80〜45:55となるように配合することが好ましい。この範囲を超えて成分(A)を配合した場合には、使用時にべたつきを生じる場合があり、また安全性上好ましくない場合がある。また、これを下回る配合量の場合には、目的の乳化状態を得られない場合がある。
【0031】
多価アルコール及び/又は糖
また、本発明にかかる化粧料には、さらに(D)成分として多価アルコール及び/又は糖を配合することが好ましい。
多価アルコール及び/又は糖の配合により、本発明にかかる化粧料の外相であるディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相の弾性が低下し、組成物に軟らかく、伸び易い使用感触を付与することができる。
また、(C)水性成分からなる連続相へ前記(D)成分を添加すると、該連続相中に球状ミセルの立方晶が形成されてなるディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相(すなわち外相)の屈折率が上昇し、(B)油性成分からなる油相(B)との屈折率差が低減する。この屈折率差の低減は、すなわち、組成物の透明性の上昇を伴う。したがって、O/I乳化物を基礎とする本発明の化粧料は、通常、白濁したクリーム状の態様を有しているところ、(D)成分の配合に応じて透明性の高いジェル状の外観となる。
上記のような使用感触や透明性を付与する程度は、本発明の用途や使用目的などに応じ、使用する(D)成分の組み合わせや配合量などによって、所望する効果となるよう配合調整すればよい。
【0032】
本発明に使用する多価アルコール及び糖は、化粧品や医薬部外品に通常用いられるものであれば特に限定されない。
多価アルコールとしては、例えば、2価アルコール(例えば、ジプロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、エチレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等)、3価アルコール(例えば、グリセリン、トリメチロールプロパン等)、4価アルコール(例えば、ジグリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール等のペンタエリスリトール等)、5価アルコール(例えば、キシリトール、トリグリセリン等)、6価アルコール(例えば、ソルビトール、マンニトール等)、多価アルコール重合体(例えば、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等)、2価のアルコールアルキルエーテル類(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルエチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノ2−メチルヘキシルエーテル、エチレングリコールイソアミルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル等)、2価アルコールアルキルエーテル類(例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル等)、2価アルコールエーテルエステル(例えば、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、エチレングリコールジアジベート、エチレングリコールジサクシネート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノフェニルエーテルアセテート等)、グリセリンモノアルキルエーテル(例えば、キミルアルコール、セラキルアルコール、バチルアルコール等)、糖アルコール(例えば、マルトトリオース、マンニトール、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解糖、マルトース、デンプン分解糖還元アルコール等)、グリソリッド、テトラハイドロフルフリルアルコール、POE−テトラハイドロフルフリルアルコール、POP−ブチルエーテル、POP・POE−ブチルエーテル、トリポリオキシプロピレングリセリンエーテル、POP−グリセリンエーテル、POP−グリセリンエーテルリン酸、POP・POE−ペンタエリスリトールエーテル、ポリグリセリン、ポリオキシエチレンメチルグルコシド(グルカムE−10)、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド(グルカムP−10)等が挙げられる。
【0033】
糖としては、例えば、単糖、オリゴ糖、多糖等が挙げられる。
単糖としては、例えば、三単糖(例えば、D−グリセリルアルデヒド、ジヒドロキシアセトン等)、四単糖(例えば、D−エリトロース、D−エリトルロース、D−トレオース、エリスリトール等)、五単糖(例えば、L−アラビノース、D−キシロース、L−リキソース、D−アラビノース、D−リボース、D−リブロース、D−キシルロース、L−キシルロース等)、六単糖(例えば、D−グルコース、D−タロース、D−ブシコース、D−ガラクトース、D−フルクトース、L−ガラクトース、L−マンノース、D−タガトース等)、七単糖(例えば、アルドヘプトース、ヘプロース等)、八単糖(例えば、オクツロース等)、デオキシ糖(例えば、2−デオキシ−D−リボース、6−デオキシ−L−ガラクトース、6−デオキシ−L−マンノース等)、アミノ糖(例えば、D−グルコサミン、D−ガラクトサミン、シアル酸、アミノウロン酸、ムラミン酸等)、ウロン酸(例えば、D−グルクロン酸、D−マンヌロン酸、L−グルロン酸、D−ガラクツロン酸、L−イズロン酸等)等が挙げられる。
【0034】
オリゴ糖としては、例えば、ショ糖、ゲンチアノース、ウンベリフェロース、ラクトース、プランテオース、イソリクノース類、α,α−トレハロース、ラフィノース、リクノース類、ウンビリシン、スタキオース、ベルバスコース類等が挙げられる。
多糖としては、例えば、セルロース、クインスシード、デンプン、ガラクタン、デルマタン硫酸、グリコーゲン、アラビアガム、ヘパラン硫酸、トラガントガム、ケラタン硫酸、コンドロイチン、キサンタンガム、グアガム、デキストラン、ケラト硫酸、ローカストビーンガム、サクシノグルカン等が挙げられる。
【0035】
本発明においては、上記のような多価アルコール及び/又は糖の中から、1種又は2種以上を選択して用いることができる。
上記のうち、本発明においては、特に、三価以上の多価アルコールの使用が好ましく、さらに(D)成分として1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、ソルビトールから選択される1種以上を含むことが好ましい。
【0036】
また、本発明において(D)成分を配合する場合、(C)成分との質量比は、(C):(D)=10:90〜60:40の範囲とすることが好ましく、この範囲で十分に組成物の透明性の調整を行うことができるが、(D)成分の比が(C)成分に対し10:90に満たないと、透明性付与の効果が得られないことがある。
また、特に、(C):(D)=80:20〜50:50とすることで、前記透明性の付与に加え、組成物ののびのよさを向上することができる。
【0037】
本発明の化粧料には、本発明の効果を損なわない範囲で上記必須成分の他に必要に応じて通常使用可能なものを配合することができる。
保湿剤としては、1,3−ブチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、グリセリン、ジグリセリン、キシリトール、マルチトール、マルトース、D−マンニット等が挙げられる。
水溶性高分子としては、アラビアゴム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、デンプン、アルゲコロイド(褐藻エキス)等の植物系高分子、デキストラン、プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、ゼラチン等の動物系高分子、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、アルギン酸ナトリウム等のアルギン酸系高分子、カルボキシビニルポリマー(CARBOPOLなど)等のビニル系高分子、ポリオキシエチレン系高分子、ポリオキエチレンポリオキシプロピレン共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ベントナイト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ラポナイト等の無機系水溶性高分子等が挙げられる。
【0038】
紫外線吸収剤としては、パラアミノ安息香酸等の安息香酸系紫外線吸収剤、アントラミル酸メチル等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、サリチル酸オクチル、サリチル酸フェニル等のサリチル酸系紫外線吸収剤、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル、パラメトキシケイ皮酸オクチル、ジパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル等のケイ皮酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ウロカニン酸、2−(2'−ヒドロキシ−5'−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、4−tert−ブチル−4'−メトキシベンゾイルメタン等が挙げられる。
【0039】
金属イオン封鎖剤としては、エデト酸ナトリウム塩、メタリン酸ナトリウム、リン酸等が挙げられる。
酸化防止剤としては、アスコルビン酸、α−トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール等が挙げられる。
薬剤としては、ビタミンA油、レチノール、パルミチン酸レチノール、イノシット、塩酸ピリドキシン、ニコチン酸ベンジル、ニコチン酸アミド、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、アスコルビン酸リン酸マグネシウム、アスコルビン酸2-グルコシド、ビタミンD2(エルゴカシフェロール)、dl−α−トコフェロール2−Lアスコルビン酸リン酸ジエステルカリウム塩、dl−α−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、パントテン酸、ビオチン等のビタミン類、アラントイン、アズレン等の坑炎症剤、アルブチン等の美白剤、酸化亜鉛、タンニン酸等の収斂剤、イオウ、塩化リゾチーム、塩酸ピリドキシン、γ−オリザノール等が挙げられる。
また、上記薬剤は遊離の状態で使用されるほか、造塩可能なものは酸または塩基の塩の型で、またカルボン酸基を有するものはそのエステルの形で使用することができる。
【0040】
本発明の化粧料では、乳化組成物の外相がディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相となることが必要である。
すなわち、界面活性剤/油性成分/水の混合物が形成する会合状態は大きく分けて、ミクロエマルションと液晶に大別される。さらにそこに過剰の水または油が添加されると、油中水型乳化組成物または水中油型乳化組成物が生成する場合がある。
【0041】
また、ミクロエマルションとしては、
〔1〕ミセル水溶液(L
〔2〕逆ミセル油溶液(L
〔3〕バイコンティニュアスミクロエマルジョン(L
などがよく知られている。
ミセル水溶液は、界面活性剤および油分濃度が低いことから、その洗浄効果に劣る。また逆ミセル油溶液は、粘度が低くたれ落ちし、親油性が高いことから水による洗い流し性にやや劣る。バイコンティニュアスミクロエマルジョンは、水・油の両連続構造を有することから洗浄性および洗い流し性は非常に高いが、低粘度液状であるため、メーク落とし時にたれ落ちなどの問題が生じてしまう。
【0042】
乳化組成物は極めて一般的であり、化粧品等の多くはこれに分類されるが、クリーム、乳液に代表されるように白濁したものがほとんどであり、水中油型乳化組成物は、多量の油分を配合することが困難である場合が多く、洗浄剤として用いた場合、洗浄力が弱い。一方、油中水型乳化組成物は、洗浄剤として用いた場合洗い流しにくくさっぱりとした使用感を得ることができない。
【0043】
また、液晶構造は
〔I〕ミセルキュービック(ディスコンティニュアスキュービック)液晶相(I
〔II〕ヘキサゴナル液晶相(H
〔III〕バイコンティニュアスキュービック液晶(V
〔IV〕ラメラ液晶相(Lα
〔V〕バイコンティニュアスキュービック液晶(V
〔VI〕逆ヘキサゴナル液晶相(H
〔VII〕逆ミセルキュービック(ディスコンティニュアスキュービック)液晶相(I
などがよく知られている。
以上のうち、ラメラ液晶相(Lα)は、界面活性剤濃度が高いことが多く、皮膚への刺激が見受けられる。逆ヘキサゴナル液晶相や、逆ミセルキュービック液晶相は、親油性が高いことから洗い流し性に欠ける。また、ヘキサゴナル液晶相(H)は、使用時ののびが良好でない。
【0044】
本発明者らは、水での洗い流し性に優れ、メーク落とし時にたれ落ちがしにくく使用時ののびが良好であるメーククレンジング基剤を得るため、ディスコンティニュアスキュービック(ミセルキュービック)液晶相に着目した。
ディスコンティニュアスミセルキュービック液晶はその構造から高い粘弾性を有するため、ミセルキュービック液晶構造中に取り込める限界濃度以上の油分を加えることでその油分を乳化粒子滴として保持することが可能である。すなわちキュービック液晶中油型乳化組成物を得ることができる。このディスコンティニュアスミセルキュービック液晶を外相とし、内相にさらなる油性成分(B)を乳化粒子として保持させたキュービック液晶中油型乳化組成物を洗浄剤組成物として用いることを考えた場合、洗浄力を高めるためには多量の油分を含有させることが必要である。しかしながら乳化粒子として安定に保持できる油分(B)には限界があるため、より多量の油分を含有した乳化組成物を得るためには外相であるキュービック液晶構造中にも多量の油分(B)を含有させることが望ましい。すなわち、油分総量B(=B+B)を高めるためにはBだけでなくBも高めることが重要である。
ディスコンティニュアスキュービック液晶相は、液晶構造中の疎水性領域と親水性領域のうち、一方の領域が連続的な構造を取っているが、もう一方の領域は球状に閉じた構造となっているものである。ミセルキュービック液晶相(I)は、ディスコンティニュアスキュービックのうち、親水性領域が連続的な構造を取っているが、疎水性領域は球状に閉じた構造となっているものである。すなわち、界面活性剤分子がその疎水性領域を内側に親水性領域を外側に向けて集合した会合体を形成し、この会合体がさらに3次元に規則的に配列して液晶構造を形成しているものである。しかしながら、このディスコンティニュアスミセルキュービック液晶は、従来、高濃度の油分を配合させることは困難であると考えられていた。
【0045】
そこで本発明者らは、水(水性成分)連続相中に中HLBからやや高HLB(中極性からやや親水性)のアルキルエチレンオキサイド型界面活性剤のミセルによる立方晶構造を配列せしめたディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相(I)を形成し、さらに、該液晶相を外相とし、内相として油分を保持したミセルキュービック液晶中油(O/I)型乳化組成物を開発した。
図1は、ディスコンティニュアスミセルキュービック液晶構造及びミセルキュービック液晶中油相を表した図である。図1に示すように、本発明の組成物において、油分(油性成分)は個々のミセル内部(B)に含まれるものと、液晶中に分散する乳化粒子(B)であるものとの2種類が存在する。本発明は、これら各油分の可溶化量を高める条件を特定し、高い洗浄力と使用感触の向上を実現したのである。
【0046】
本発明の化粧料が形成するミセルキュービック液晶中油(O/I)型乳化組成物は、I相の組成物を経て形成することが好ましい。例えば、上記した構成成分(A)〜(C)を混合する際に(B)成分を徐々に加えると、初めにIが形成され、さらに(B)成分を加えていくと、過剰な(B)成分が液晶中に分散し、O/Iとなる。
続いて、ディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相の判定方法について以下に記載する。
【0047】
サンプル作製
(1)界面活性剤とイオン交換水および油分をサンプル管に秤量し、強せん断力にて攪拌する。
(2)(1)のサンプルが十分に攪拌されない場合、70℃付近まで温度をあげ、攪拌する。さらに室温に戻したのち、再度攪拌する。
(3)十分な時間遠心分離をし、気泡の除去を行う。
(4)得られたサンプルがディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相であるかどうかは、「外観による判定」、「偏光顕微鏡観察およびX線構造解析」、「相平衡図の作成」、「電気伝導度測定」、「NMRによる自己拡散係数の測定」、「フリーズフラクチャー法を用いて調製したレプリカの電子顕微鏡観察」等により決定できる。いずれの方法により決定してもよい。
【0048】
外観による判定
外観による判定では、ディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相(I)は透明〜半透明な1相領域であり光学的には等方である。光学的異方性の判定は偏光板2枚を90度の位相差で組み合わせた間にサンプルを保持し、光の透過があることを確認することで可能である。
なお、ミセルキュービック液晶中油(O/I)型乳化組成物は、通常不透明であるが、多価アルコール及び/又は糖の添加によりI相に近い透明に調整し得る。
このような場合、I及びO/Iは、X線構造解析(SAXS)により求められたキュービックミセル間距離dから判別できる。すなわち、系の油濃度を変化させた際に、d値が変化する領域はIであり、変化しなくなる領域はO/Iであると判定される。
【0049】
偏光顕微鏡観察およびX線構造解析
偏光顕微鏡観察およびX線構造解析によれば、異方性の帯状模様が観察され、層間隔に対応する散乱ピークが出る場合はラメラ液晶相と考えられる。また、異方性の筋状模様が観察され、六方晶の棒状ミセル間隔周期に鋭い散乱ピークが出る場合はヘキサゴナル液晶相と考えられる。偏光顕微鏡観察で暗視野であり、キュービック対称性のスポットが出る場合は、キュービック液晶相と考えられる。
【0050】
相平衡図の作成
相平衡図の作成では、水/油性成分/界面活性剤で構成される3成分系の相平衡図を作成すると、ディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相が生成する濃度範囲は、ヘキサゴナル液晶相と隣接する領域である等の特長を有していることで同定可能であるが、この特長は構成される系(成分)によって異なる。
【0051】
電気伝導度測定
電気伝導度測定では、液晶相は、それぞれの相の流動性や構造の連続性、異方性に起因する特長的な電気的性質を有するため、適切な条件下で伝導度測定を行うことにより相に関する情報を得ることが可能である。水連続型の液晶構造体(ディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相はこれに該当)では高い電気伝導性が確認できる。したがって、例えば、電気伝導性がその1/3程度であるバイコンティニュアスキュービック液晶相との判別が可能である。
【0052】
NMRによる自己拡散係数の測定
NMRによる自己拡散係数測定は、LindmanらによりJ. Colloid Interface Sci.1981,83,569等に詳しく記載されている方法である。
【0053】
フリーズフラクチャー法を用いて調製したレプリカの電子顕微鏡観察
フリーズフラクチャー法を用いて調製した相サンプルの電子顕微鏡観察によれば、ディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相の像を得ることが可能である。この像によればヘキサゴナル液晶相やラメラ液晶相、他の相で得られる会合体像との区別が容易である。この方法については、今栄らによる文献Colloid polym.Sci.1994,272,604に詳しく記載されている。
【0054】
これらから、本組成物の成分(A)アルキルエチレンオキサイド型界面活性剤と成分(C)水分の質量比が20:80〜70:30であり、適量の油分を含有し、光学的に等方で透明性の高い粘弾性体が形成された場合、上述の各種手法を用いることでディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相であることを確認できる。
【0055】
また、本発明にかかる化粧料は、洗浄剤組成物、スキンケア化粧料、ヘア化粧料、メーキャップ化粧料として各種用途に広く利用することが可能である。さらに洗浄剤組成物として、従来より適用されている各種用途に広く利用することが可能である。例えば、シャンプー、ボディー洗浄料、洗顔料、ウェットティッシュ(洗浄用)、ウェットティッシュ(洗顔用)、メーキャップリムーバー(マスカラ、アイシャドー、ファンデーション用)等が挙げられる。スキンケア化粧料としては、マッサージクリーム、マッサージジェル、ボディクリーム、ボディジェル、パック等が挙げられる。ヘア化粧料としてはヘアトリートメント、リンス、ヘアスタイリング剤、染毛剤等が挙げられる。また、本発明の化粧料は洗い流し性が良好であるので、洗い流すタイプの化粧料にも好適である。
また、本発明は、例えば、洗顔などによって外部から水を加えることによって、所望の相状態を得るタイプの製品にも適用することができる。
【実施例】
【0056】
本発明については、以下に実施例を挙げてさらに詳述するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。配合量は特記しない限り、その成分が配合される系に対する質量%で示す。
【0057】
<会合状態>
本発明の化粧料の外相の会合状態を評価した。評価方法は評価方法は上述の外観観察・偏光顕微鏡観察・X線構造解析および相平衡図の作成などによって判定した。
:ディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相の会合状態をとっている。
α:ラメラ液晶相の会合状態をとっている。
:ヘキサゴナル液晶相の会合状態をとっている。
:逆ミセル油溶液相の会合状態をとっている。
【0058】
<洗浄効果>
本発明の化粧料の洗浄効果を確認するため、以下の洗浄効果テストを行った。
「人工汚れの作成」
人工汚れ1:赤色色素スダンIIIを含むワセリンとステアリン酸を1:1の割合で、80℃で混合し自然冷却して作成した。
人工汚れ2:人工汚れ1に対し、さらに疎水化処理粉末を30%添加し、80℃で混合し自然冷却して作成した。
「洗浄効果評価法」
人工皮革にあらかじめ2cm×2cmの領域を設定し、人工汚れ0.1gを均一に塗布した。化粧料を100mlスクリュー管に50mL入れ、人工汚れの塗布された人工皮革を洗浄液中に浸漬し、激しく5分間浸透した。そののち静かに人工皮革を引き上げ、人工汚れ残存量を色差計にて判定した。
「洗浄効果」の判定基準
◎:人工汚れ残存量が5%以下である。
○:人工汚れ残存量が20%以下である。
△:人工汚れ残存量が50% 以下である。
×:人工汚れ残存量が50% を越える。
【0059】
<たれ落ちのなさ>
本発明の化粧料の使用性の良し悪しを確認するため、専門パネル8名によるたれ落ちの判定を行った。
「たれ落ち」の判定基準
○:8名中7〜8名が、使用時にたれ落ちがなく使用性が良好であると回答。
△:8名中5〜6名が、使用時にたれ落ちがなく使用性が良好であると回答。
×:8名中4名以上が、使用時にたれ落ちし使用性が良好でないと回答。
【0060】
<のびのよさ>
本発明の化粧料の使用性の良し悪しを確認するため、専門パネル8名による使用時ののびの判定を行った。
「のびのよさ」の判定基準
○:8名中7〜8名が、使用時にのびがよく使用性が良好であると回答。
△:8名中5〜6名が、使用時ののびがよく使用性が良好であると回答。
×:8名中4名以上が、使用時ののびが悪く使用性が良好でないと回答。
【0061】
<皮膚刺激性>
本発明の化粧料の皮膚刺激の有無を確認するため、専門パネル8名による皮膚への刺激感の判定を行った。
「皮膚刺激」の判定基準
◎:8名中8名が、刺激が感じられないと回答。
○:8名中7名が、刺激が感じられないと回答。
△:8名中6名が、刺激が感じられないと回答。
×:8名中3名以上が、刺激が感じられると回答。
【0062】
<洗い流しやすさ>
本発明の化粧料の洗い流しやすさを確認するため、専門パネル8名による洗い流しやすさの判定を行った。
「洗い流しやすさ」の判定基準
○:8名中7〜8名が、メーク落とし後の水洗時に洗い流しやすいと回答。
△:8名中5〜6名が、メーク落とし後の水洗時に洗い流しやすいと回答。
×:8名中4名以上が、メーク落とし後の水洗時に洗い流しにくいと回答。
【0063】
<経時安定性>
本発明の化粧料の安定性を確認するため、1ヶ月経時安定性の評価を行った。
「経時安定性」の判定基準
○:まったく油浮き、分離、その他の外観変化が見られない。
△:若干の油浮きは見られるが、分離やその他の外観変化は見られない。
×:顕著な油浮きや油層分離、粘度変化等大きな外観変化を生じている。
【0064】
以下の表1に示す処方で化粧料を調製した。実施例1、比較例1および比較例2の成分を用いた擬似3成分系相図(水−界面活性剤−油分)は図2のようになる。油分を50%含有する実施例1、比較例1および比較例2からはいずれも液晶中油型乳化組成物を得られたが、図2の相平衡図から、実施例1の乳化組成物の外相はディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相、比較例1の乳化組成物の外相はヘキサゴナル液晶相、比較例2の乳化組成物の外相はラメラ液晶相であることが分かった。
また上記評価基準に基づいて、化粧料を評価した。その結果を併せて表1に示す。
【0065】
【表1】

*1:EMALEX1810(日本エマルジョン社製)
【0066】
製法:(A)POE(10)イソステアリルエーテル、成分(C)水を混合し、約70℃に加熱して溶解させた後、撹拌しながら成分(B)の油性成分を徐々に添加し、撹拌・混合する。その後、調製した組成物の外観を確認する。
【0067】
表1及び図2に示した例においては、(A)アルキルエチレンオキサイド型界面活性剤と、(C)水分の比がX領域にある場合に、油性成分(18〜32%)を加えるとディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相(I)領域に達する。すなわち、図2の成分構成の場合、POE(10)イソステアリルエーテル:水=28:72〜38:62の範囲がX領域であることが理解される。
なお、この油性成分を加えるとI領域に達する(A)及び(C)成分の質量比(すなわち、X領域)は、使用する界面活性剤や他成分の構成によって変動する。本発明者らがさらに詳細に調査した結果、前記質量比(A):(C)は、20:80〜70:30、好ましくは20:80〜45:55であった。
【0068】
表1の結果より、HLBが11の界面活性剤を含有し、油分を50質量%含有する実施例1の化粧料は、外相がディスコンディニュアスキュービック液晶相を示し、たれ落ちしにくく、洗浄効果が高く、さっぱりと洗い流すことができ、高い安定性を有する優れたものであることがわかった。しかしながら、外相がヘキサゴナル液晶相を示す比較例1においては使用時ののびが良好でなく、また安定性に問題が見られた。外相がラメラ液晶相を示す比較例2においては界面活性剤の含有量が高くやや皮膚刺激が見られ、使用時ののびも良好ではなく、また安定性も低いものであった。
次に本発明者らは、(A)アルキルエチレンオキサイド型界面活性剤の至適HLBの関係について検討を行った。
【0069】
【表2】

*2:EMALEX105(日本エマルジョン社製)
*3:EMALEX705(日本エマルジョン社製)
*4:EMALEX707(日本エマルジョン社製)
*5:EMALEX709(日本エマルジョン社製)
*6:EMALEX712(日本エマルジョン社製)
*7:EMALEX715(日本エマルジョン社製)
*8:EMALEX102(日本エマルジョン社製)
【0070】
製法:各種(A)アルキルエチレンオキサイド型界面活性剤、成分(C)水を混合し、約70℃に加熱して溶解させた後、撹拌しながら成分(B)の油性成分を徐々に添加し、撹拌・混合する。その後、調整した組成物の外観を確認する。
【0071】
表2の結果より、HLBが8〜13のアルキルエチレンオキサイド型界面活性剤、イソドデカン50質量%を含有する製造例1−1〜1−4の化粧料は、外相がディスコンディニュアスキュービック液晶相とするミセルキュービック液晶中油(O/I)型乳化組成物であり、たれ落ちしにくく、洗浄効果が高く、さっぱりと洗い流すことのできる優れた化粧料であることが分かった。特に、HLB8〜10の界面活性剤を用いた製造例1−1〜1−3では、ミセル内部(B1)に5〜30質量%もの油分を保持させることができ、HLBが13のアルキルエチレンオキサイド型界面活性剤を用いた製造例1−4の場合に比べ、洗浄効果の著しい向上が認められた。
一方、HLBが14の界面活性剤を含有する製造例1−5においては外相がディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相である乳化物は得られるものの、ミセル内に保持できる油分量(B1)が少なかったため、のびが良好でなく、経時での安定性にも若干問題がみられた。HLBが5の界面活性剤を含有する製造例1−6においてはディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相が形成されず、十分な洗浄効果、使用性、洗い流しやすさ、安定性を得ることができなかった。
したがって、本発明において、(A)アルキルエチレンオキサイド型界面活性剤のHLBは8〜13、より好ましくは8〜10である。
次に本発明者らは、本発明の化粧料に配合し得る(B)油性成分の配合量について検討を行った。
【0072】
【表3】

*4:EMALEX707(日本エマルジョン社製)
*5:EMALEX709(日本エマルジョン社製)
【0073】
製法:(A)アルキルエチレンオキサイド型界面活性剤、成分(C)水を混合し、約70℃に加熱して溶解させた後、撹拌しながら成分(B)の油性成分を徐々に添加し、撹拌・混合し、外相をディスコンディニュアスキュービック液晶相とするミセルキュービック液晶中油(O/I)型乳化組成物を得た。
【0074】
表3に示すように、油分を40質量%以上含有させた製造例2−2〜2−5の化粧料は、たれ落ちしにくく、洗浄効果が高く、さっぱりと洗い流すことのできる優れた使用性を有していた。
したがって、本発明において、化粧料に含有させる油分の総量は20〜80質量%、好ましくは40〜80質量%である。
【0075】
次に本発明者らは、本発明にかかる化粧料である実施例2、及び従来の水系クレンジングジェルメーク落としである比較例3、従来のクレンジングオイルである比較例4の組成をその評価と共に、表4及び図3に示す。
<メーク落とし効果>
本発明の化粧料のメーク落とし効果を確認するため、肌上に(1)W/O乳化ファンデーション、(2)油性リップスティック、(3)少量水分含有油性マスカラをそれぞれ肌上に塗布し、メーク落ちを視感評価した。
「メーク落とし効果」の判定基準
◎:肌上にほとんどメーク汚れ残りが見られない。
○:肌上にわずかにメーク汚れ残りが見られる。
△:肌上にややメーク汚れ残りが見られる。
×:肌上にメーク汚れ残りが見られる。
【0076】
実施例2
(配合成分) (質量%)
(1)POE(10)イソステアリルエーテル 10
(EMALEX1810:日本エマルジョン社製)
(2)イソドデカン 50
(3)2−エチルヘキサン酸セチル 20
(4)香料 適量
(5)イオン交換水 残余
【0077】
比較例3 クレンジングジェル
(配合成分) (質量%)
(1)ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 5
(2)ジプロピレングリコール 3
(3)1,3−ブチレングリコール 10
(4)ポリエチレングリコール1500 1
(5)ポリオキシエチレンメチルグルコシド 1
(6)ジイソステアリン酸ポリエチレングリコール 5
(7)グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
(8)コラ・デ・カバロエキス 0.1
(9)エデト酸三Na 0.01
(10)ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.8
(11)カルボキシビニルポリマーカリウム 0.4
(12)パラオキシ安息香酸エステル 適量
(13)精製水 残余
【0078】
比較例4 クレンジングオイル
(配合成分) (質量%)
(1)流動パラフィン 49
(2)2−エチルヘキサン酸セチル 20
(3)POE(8)イソステアレート(HLB=9、液状) 30
(4)イソステアリン酸 5
(5)精製水 1
(6)BHT 適量
(7)香料 適量
【0079】
【表4】

【0080】
上記表4及び図3より、本発明の化粧料は従来の水系クレンジングジェルメーク落とし(比較例2)に比べて極めて高いメーク落とし効果を有することが明らかとなった。また、本発明の化粧料は、従来のクレンジングオイル(比較例4)と同程度の洗浄効果を有しながら、洗い流し性に優れたものであることが明らかとなった。
【0081】
さらに、(D)多価アルコールの配合について次の検討を行った。
下記表5に示す処方による各製造例(メーク落とし)について実使用試験を行い、上記評価基準及び下記評価基準(基剤透明性)に従ってそれぞれを評価した。結果を表5に示す。
<組成物の透明性>
分光光度計(日立U3510)による波長600nmでの可視光透過率(光路長0.5cm)を測定し、下記基準により各製造例の組成物の透明性を評価した。
A:透過率が80%以上である。
B:透過率が60%以上80%未満である。
C:透過率が30%以上60%未満である。
D:透過率が10%以上30%未満である。
E:透過率が10%未満である。
【0082】
【表5】

製法:成分(A)、成分(C)、成分(D)を混合し、約70℃に加熱して溶解させた後、攪拌しながら成分(B)を徐々に添加し、攪拌・混合して外相をディスコンディニュアスキュービック液晶相とするミセルキュービック液晶中油(O/I)型乳化組成物を得た。
【0083】
表5に示すとおり、多価アルコールであるグリセリンが組成物へ添加されるほど、組成物の透明性は上昇し、多価アルコール無配合の製造例3−1ではクリーム状を示した組成物の外観は、製造例3−5、3−6では透明ジェル状となった。
さらに、水に対する多価アルコールの比を20%以上とした製造例3−3〜3−6では、他の例に比べ、のびのよさが向上した。
以上のことから、本発明において、(D)成分として多価アルコールを配合することにより、洗浄効果や使用感触を維持しながら、組成物の外観(透明性)を変化させることができる。また、多価アルコールの配合量は、(C):(D)=90:10〜60:40とすることで十分に外観を変化させることが可能であるが、特に、(C):(D)=80:20〜50:50とすることで、より一層のびのよい化粧料を得ることができる。
【0084】
続いて、下記表6に示す処方による各製造例(メーク落とし)について実使用試験を行い、上記評価基準に従ってそれぞれを評価した。結果を表6に示す。
【表6】

製法:成分(A)、成分(C)、成分(D)を混合し、約70℃に加熱して溶解させた後、攪拌しながら成分(B)を徐々に添加し、攪拌・混合して外相をディスコンディニュアスキュービック液晶相とするミセルキュービック液晶中油(O/I)型乳化組成物を得た。
【0085】
表6に示すとおり、その種類に関わらず、多価アルコールを配合した組成物の透明性は上昇し、透明〜半透明ジェル状となった。また、添加によるのびのよさの改善も、多価アルコールを配合した全ての例で認められた。一方、一価アルコール(エタノール)を配合した製造例4−1では、他の製造例に比べ、同量の添加で透明性の変化はほとんど認められず、使用感触にも変化はなかった。
以上のことから、本発明において、多価アルコール、特に1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、ソルビトールを好適に配合することができる。
【0086】
以下に本発明の実施例を示す。
実施例3 メーク落とし
(配合成分) (質量%)
(1)POE(10)イソステアリルエーテル 12
(EMALEX1810:日本エマルジョン社製)
(2)POE(15)イソステアリルエーテル 3
(EMALEX1815:日本エマルジョン社製)
(3)流動パラフィン 20
(4)イソドデカン 10
(5)2−エチルヘキサン酸セチル 12
(6)防腐剤 適量
(7)香料 適量
(8)イオン交換水 残余
(製法)
(1)(2)(6)(8)を秤量し70℃まで加熱して溶解させたのち、攪拌しながら(3)〜(5)、(7)を徐々に添加し、攪拌・混合する。その後、外相がディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相であることを確認する。
【0087】
実施例4 メーク落とし
(配合成分) (質量%)
(1)POE(15)イソセチルエーテル 18
(EMALEX1615:日本エマルジョン社製)
(2)エタノール 2
(3)イソドデカン 55
(4)デカメチルシクロペンタシロキサン 5
(5)防腐剤 適量
(6)香料 適量
(7)イオン交換水 残余
(製法)
(1)(2)(5)(7)を秤量し70℃まで加熱して溶解させたのち、攪拌しながら(3)(4)、(6)を徐々に添加し、攪拌・混合する。その後、外相がディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相であることを確認する。
【0088】
実施例5 メーク落とし
(配合成分) (質量%)
(1)POE(5)ラウリルエーテル、 10
(EMALEX705:日本エマルジョン社製)
(2)POE(7)ラウリルエーテル 0.5
(EMALEX707:日本エマルジョン社製)
(3)イソドデカン 50
(4)イソヘキサデカン 20
(5)トリ−2−エチルヘキサン酸グリセリル 2
(6)防腐剤 適量
(7)香料 適量
(8)イオン交換水 残余
(製法)
(1)(2)(6)(8)を秤量し70℃まで加熱して溶解させたのち、攪拌しながら(3)〜(5)、(7)を徐々に添加し、攪拌・混合する。その後、外相がディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相であることを確認する。
【0089】
実施例6 リンス
(配合成分) (質量%)
(1)POE(10)セチルエーテル 15
(EMALEX110:日本エマルジョン社製)
(2)イソドデカン 40
(3)2−エチルヘキサン酸エチル 10
(4)ジメチルポリシロキサン 2
(5)ステアリルアルコール 2
(6)ベヘニルアルコール 2
(7)グリセリン 1.5
(8)パルミチン酸オクチル 1
(9)ポリオキシエチレンステアリルエーテル 0.2
(10)クエン酸 0.05
(11)パラオキシ安息香酸エステル 適量
(12)フェノキシエタノール 適量
(13)ヒドロキシエチルセルロース 0.1
(14)塩化ステアリルトリメチルアンモニウム 1
(15)高重合メチルポリシロキサン 1.5
(16)精製水 残余
(17)香料 適量
【0090】
実施例7 クリーム
(配合成分) (質量%)
(1)POE(10イソステアリルエーテル 12
(EMALEX1810:日本エマルジョン社製)
(2)流動パラフィン 50
(3)2−エチルヘキサン酸セチル 10
(4)ワセリン 1
(5)ジメチルポリシロキサン 1
(6)グリセリン 8
(7)ジプロピレングリコール 5
(8)マカデミアナッツ油 2
(9)硬化油 3
(10)スクワラン 6
(11)ヒドロキシステアリン酸コレステリル 0.5
(12)ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
(13)ヘキサメタリン酸ナトリウム 0.05
(14)トリメチルグリシン 2
(15)α−トコフェロール
2−L−アスコルビン酸リン酸ジエステルカリウム 2
(16)酢酸トコフェロール 0.1
(17)甜茶エキス 0.1
(18)パラベン 適量
(19)エデト酸3ナトリウム 0.05
(20)4−t−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタン 0.05
(21)ジパラメトキシ桂皮酸モノ−2−
エチルヘキサン酸グリセリル 0.05
(22)色剤 適量
(23)精製水 残余
【0091】
実施例8 染毛料
(配合成分) (質量%)
(1)POE(12)オレイルエーテル 20
(EMALEX512:日本エマルジョン社製)
(2)流動パラフィン 28
(3)パルミチン酸イソプロピル 12
(4)ジメチルポリシロキサン 0.5
(5)プロピレングリコール 5
(6)ステアリン酸 3
(7)オレイン酸 4
(8)強アンモニア水 6.6
(9)エタノールアミン 1.4
(10)アスコルビン酸 0.6
(11)カチオン化シルクタンパク 0.1
(12)エデト酸2ナトリウム 0.2
(13)レゾルシン 0.1
(14)精製水 残余
(15)香料 適量
【0092】
実施例9 メーク落としジェル
(配合成分) (質量%)
(1)POE(10)イソステアリルエーテル 7.88
(EMALEX1810:日本エマルジョン社製)
(2)POE(10)セチルエーテル 2.63
(EMALEX110:日本エマルジョン社製)
(3)グリセリン 1.46
(4)ポリエチレングリコール 0.50
(5)1,3−ブチレングリコール 4.39
(6)イソドデカン 49.00
(7)ポリメチルシロキサン 7.00
(8)2−エチルヘキサン酸セチル 14.00
(9)防腐剤 適量
(10)香料 適量
(11)イオン交換水 残余
(製法)
(1)〜(5)、(9)、(11)を秤量し、70℃まで加熱して溶解させたのち、攪拌しながら(6)〜(8)、(10)を徐々に添加し、攪拌・混合する。その後、外相がディスコンティニュアスミセルキュービック液晶であることを確認する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)HLB8〜13のアルキルエチレンオキサイド型界面活性剤と、
(B)油性成分と
(C)水と
を含有するディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相を外相とし、
該ディスコンティニュアスミセルキュービック液晶相内に取り込まれている油性成分(B)とは別に存在する(B)油性成分を含有する油相を内相として含むことを特徴とする化粧料。
【請求項2】
請求項1に記載の化粧料において、該化粧料中の(B)油性成分の合計質量((B)+(B))が化粧料全体に対して20〜80質量%であることを特徴とする化粧料。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の化粧料において、成分(A)と成分(C)の質量比が、(A):(C)=20:80〜70:30であることを特徴とする化粧料。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかの記載の化粧料において、該化粧料が洗浄剤組成物であることを特徴とする化粧料。
【請求項5】
請求項4に記載の化粧料において、該洗浄剤組成物が、皮膚又は毛髪洗浄料であることを特徴とする化粧料。
【請求項6】
請求項4に記載の化粧料において、該洗浄剤組成物が、メーククレンジング基剤であることを特徴とする化粧料。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の化粧料において、さらに、(D)多価アルコール及び/又は糖を含有することを特徴とする化粧料。
【請求項8】
請求項7に記載の化粧料において、成分(D)が、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、ソルビトールから選択される1種以上を含むことを特徴とする化粧料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2011−1360(P2011−1360A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−115819(P2010−115819)
【出願日】平成22年5月19日(2010.5.19)
【出願人】(000001959)株式会社資生堂 (1,748)
【Fターム(参考)】