説明

化粧用および/または医薬用の製剤

本発明は、(a)アルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシドと、(b)アルコキシル化アルコールのヒドロキシカルボン酸部分エステルを含有する、特に穏やかで強起泡性の化粧用および/または医薬用の製剤に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に化粧用製剤、とりわけ、特定の糖界面活性剤をアルコキシル化アルコールのヒドロキシカルボン酸部分エステルと組み合わせて含有する製剤、化粧用および/または医薬用の製剤を製造するための混合物の使用、および該混合物の洗剤における使用に関する。
【背景技術】
【0002】
アルキルオリゴグリコシドは、簡単に言えば、アニオン性界面活性剤の起泡力とノニオン性界面活性剤の皮膚適合性を兼ね備える界面活性剤である。この二つの特性とそれらのほぼ全ての他の化粧品成分との適合性のため、グリコシドは、手動食器洗い用洗剤および特に化粧品の分野において、今やしっかり確立している。そうは言うものの、アルキルオリゴグルコシドは、なお欠点を有している。従って、基本的な泡立ちは十分であるものの、泡安定性は、アルキルエーテル硫酸塩のものより著しく劣っている。また、眼粘膜との適合性を更に改良できると有利であろう。
【0003】
これに関しては、アルキルオリゴグルコシドのヒドロキシカルボン酸、例えばクエン酸または酒石酸によるエステル、およびその化粧品における使用を記載する欧州特許 EP 0258814 B1 (Auschem)が参照される。これらの物質(ヒドロキシ酸のカルボン酸基の一つとグリコシドの第一ヒドロキシル基の間に共有結合を有する)は、穏やかであることが知られているものの、その眼粘膜との適合性において弱点を有している。また、その硬水中での泡安定性は、とりわけ皮脂の存在下では不十分である。
【0004】
アルキル(アルケニル)オリゴグリコシドとC10−18アルコールのヒドロキシカルボン酸部分エステルを含有する化粧用製剤は、DE-A-199 455 78から既知である。これらの化粧用製剤は、良好な起泡速度と相まって、良好な皮膚適合性、とりわけ眼粘膜適合性により区別される。しかし、水性調製物としての当該タイプの界面活性剤混合物は、所望の長続きする透明な外観を有さない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従って、本発明により取り組むべき課題は、向上した皮膚適合性、とりわけ眼粘膜適合性、およびより有利な起泡速度、向上した泡安定性および水性調製物としての透明な外観により区別されるであろうアルキル(アルケニル)オリゴグリコシドをベースとする新規な製剤を提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、
(a)アルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシドと、
(b)アルコキシル化アルコールのヒドロキシカルボン酸部分エステル
を含有する化粧用および/または医薬用の製剤に関する。
【0007】
驚くべきことに、本発明に従う製剤は、優れた皮膚および眼粘膜適合性により区別され、高濃度の脂肪と共にでさえ、硬水中で良好な起泡挙動と高い泡安定性を示すことが判った。該混合物は、長続きする透明調製物を形成することも判明した。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
アルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシド
アルキルおよびアルケニルオリゴグリコシドは、式(I):
【化1】

〔式中、Rは4〜22個の炭素原子を含むアルキルおよび/またはアルケニル基であり、Gは5または6個の炭素原子を含む糖単位であり、pは1〜10の数である。〕
に相当する既知のノニオン性界面活性剤である。これらは合成化学の該当する方法によって得ることができる。この点に関して非常に有用な文献の代表として、ここにEP-A1 0 301 298およびWO 90/03977を挙げる。
【0009】
アルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシドは炭素数が5または6のアルドースまたはケトース、好ましくはグルコースから誘導してよい。従って、好ましいアルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシドはアルキルおよび/またはアルケニルオリゴグルコシドである。一般式(I)中の指数pはオリゴマー化度(DP)、即ちモノ−およびオリゴグリコシドの分布を示し、1〜10の数である。所定の化合物におけるpは常に整数であって、とりわけ1〜6の値と想定してよいが、ある特定のアルキルオリゴグリコシドにとってのp値は分析的に決定される計算量であって一般的には端数である。平均オリゴマー化度pが1.1〜3.0のアルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシドが好ましく用いられる。オリゴマー化度が1.7以下の、とりわけ1.2と1.4の間のアルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシドが用途の観点から好ましい。
【0010】
アルキル基またはアルケニル基Rは炭素数4〜11の、好ましくは炭素数8〜10の第一級アルコールから誘導してよい。通常の例は、ブタノール、カプロンアルコール、カプリルアルコール、カプリンアルコールおよびウンデシルアルコール並びに例えば、Roelenのオキソ合成による工業用脂肪酸メチルエステルの水素化またはアルデヒドの水素化において得られるそれらの工業用混合物である。蒸留により工業用C8−18ヤシ油脂肪アルコールの分離の初留として得られ、6重量%以下のC12アルコールを不純物として含むことのある鎖長がC〜C10(DP=1〜3)のアルキルオリゴグルコシド、並びに工業用C9/11オキソアルコール(DP=1〜3)に基づくアルキルオリゴグルコシドが好ましい。また、アルキル基またはアルケニル基Rは、炭素数12〜22の、好ましくは炭素数12〜14の第一級アルコールから誘導してよい。通常の例は、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルミトレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、アラキルアルコール、ガドレイルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコール、ブラシジルアルコール並びに前記のようにして得られ得るそれらの工業用混合物である。DPが1〜3の水素化C12/14ヤシ油脂肪アルコールに基づくアルキルオリゴグルコシドが好ましい。
【0011】
ヒドロキシカルボン酸部分エステルおよびその塩
アルコキシル化アルコールのヒドロキシカルボン酸部分エステルは、既知のノニオン性界面活性剤である。成分(b)を形成する物質は、好ましくはアルコキシル化アルコールと1〜6個の炭素原子を含有するヒドロキシカルボン酸のエステル、とりわけ乳酸、酒石酸、リンゴ酸およびクエン酸並びにそれらの自己縮合生成物からなる群から選択されるヒドロキシカルボン酸のエステルである。クエン酸の相当するエステルは特に適当である。
【0012】
クエン酸部分エステル(クエン酸アルキルエーテルの別名でも知られる)は、化粧品において既に使用されているよく知られた化合物である。例えば、欧州特許出願 EP 282 289 A1 は、1〜7モルのEOでエトキシル化されたC10−18アルコールのモノアルキルクエン酸塩を含有する化粧用組成物を記載する。
【0013】
公開された欧州特許出願 EP 199 131 A は、1〜20モルのEOでエトキシル化されたC8−20アルコールのクエン酸エステルを記載する。該エステルは、モノ-、ジ-またはトリエステルであってよい。この文献によると、1モルのクエン酸と、7モルのEOでエトキシル化されたC11、C12およびC13アルコールのアルコール混合物2モルから製造されたクエン酸エステルは、低炎症の潜在能力と許容し得る起泡挙動を示す。
【0014】
油を含有する化粧用組成物の洗浄による除去性を向上させるためのクエン酸エステルの使用は、欧州特許 EP 852 944 B1 から既知である。この文献によれば、クエン酸エステルは、5〜30モルのEOでエトキシル化されたC12−18アルコールのエステル(エステルは、モノ-、ジ-および/またはトリエステルであってよい)である。実施例によれば、7または9モルのEOでエトキシル化されたヤシ油アルコール(常に不飽和アルコールも含有する)のモノ-またはジエステルは、特に適当である。
【0015】
最後に、R. Diezらの論文:会報、第4回世界界面活性剤会議、バルセロナ(1996年)、第2巻、第129頁以下参照、によると、クエン酸アルキルエーテルは、化粧品用途に適当なアニオン性界面活性剤である。様々な程度にエトキシル化(3、6および9)されたラウリルアルコールのクエン酸エステルであって、モノ-、ジ-および/またはトリエステルとして存在し得るものが研究された。この論文に引用されたモノエステルは、モノ-およびジエステルの5:1比率での混合物である。該エステルは、例えば、適度な起泡挙動を示し、3および6モルのエチレンオキシドでエトキシル化されたラウリルアルコールのモノエステルはジエステルよりも良好な起泡挙動を示すのに対して、9モルのエチレンオキシドによるエステルはジエステルとしての方がモノエステルより良好である。
【0016】
本発明に従い存在する部分エステル(成分b)は、アニオン性界面活性剤、即ち、主として、少なくとも1つの遊離カルボキシル基を更に含有する化合物である。よって、それらは酸性エステルまたはその中性化生成物であってよい。部分エステルは、好ましくは、それらのアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウムおよび/またはグルカンモニウム塩の形態で存在する。部分エステル、特にクエン酸の部分エステルは、好適には、少なくとも1つの遊離カルボキシル基を更に含有する化合物を55重量%より多く、好ましくは65重量%より多く(混合物に基づく)含有する混合物である。最も好適なある態様では、クエン酸部分エステルは、凡そ、モノエステル25〜60重量%、ジエステル10〜40重量%およびトリエステル5〜15重量%を含有する混合物である。10重量%までは、遊離ヒドロキシカルボン酸として存在してよい。最も適当なクエン酸部分エステルの混合物は、モノエステルとジエステルの重量比率が3:1〜10:1、とりわけ、5:1〜8:1である。
【0017】
ヒドロキシカルボン酸部分エステルは、アルコキシル化アルコール、好ましくはアルコキシル化脂肪族C6−22脂肪アルコールに由来する。それらは好適には、エトキシル化C6−22アルコール、とりわけ、一般式(II):
【化2】

〔式中、Rは6〜22個の炭素原子を含む直鎖または分枝状のアルキルおよび/またはアルケニル基であり、nは1〜50の数である。〕
に相当するアルコールに由来する。エトキシ化度nが1〜20である式(II)の化合物は好適である。典型例は、カプロンアルコール、カプリルアルコール、2−エチルヘキシルアルコール、カプリンアルコール、ラウリルアルコール、イソトリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、パルミトレイルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、エライジルアルコール、ペトロセリニルアルコール、アラキルアルコール、ガドレイルアルコール、ベヘニルアルコール、エルシルアルコールおよびブラシジルアルコール、並びに、例えば、脂肪および油またはRoelenのオキソ合成によるアルデヒドに基づく工業用メチルエステルの高圧水素化において、および不飽和脂肪アルコールの二量化におけるモノマー画分として得られる工業用混合物への、平均1〜20、好ましくは1〜10、とりわけ1〜8モルのエチレンオキシド付加生成物である。例えばヤシ油、パーム油、パーム核油または獣脂脂肪アルコールのような工業用C12−18脂肪アルコールとの、エチレンオキシド1〜10モル付加生成物は好適である。特に適当な脂肪アルコール混合物は、C12が65〜75重量%、C14が20〜30重量%、C16が0〜5重量%およびC18が0〜5重量%のアルコールを含有する。このアルコール混合物は、例えば、Cognis Deutschland GmbH & Co. KGからDehydol LSTMとして市販されている。特に適当な別の脂肪アルコール混合物は、C12が45〜60重量%、C14が15〜30重量%、C16が5〜15重量%およびC18が8〜20重量%のアルコールを含有する。このアルコール混合物も、例えば、Cognis Deutschland GmbH & Co. KGからDehydol LTTMとして市販されている。
【0018】
最後に、本発明による化粧用製剤は、アルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシド(成分a)とアルコキシル化アルコールのヒドロキシカルボン酸部分エステル(成分b)を1:99〜99:1、好ましくは5:95〜95:5、より好ましくは10:90〜90:10、最も好ましくは25:75〜75:25、および、ある最も好適な態様では、40:60〜60:40、の重量比率で含有してよい。該製剤は、一般には、固形分(活性物質含量または非水成分に相当)が5〜50重量%、好ましくは10〜35重量%、とりわけ15〜25重量%の、水性の溶液またはペーストとして存在する。
【0019】
商業的適用
本発明による、(a)アルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシドと(b)ヒドロキシカルボン酸部分エステルの混合物は、特に皮膚および眼粘膜適合性により区別され、硬水中でさえ、何らの分離の兆候もなく、透明に調製することができる。よって、本発明は、0.1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%、とりわけ2〜15重量%の量で存在し得る化粧用および/または医薬用の製剤の製造のためのその使用にも関する。
本発明による製剤は、それが0.1〜50重量%、好ましくは1〜30重量%、とりわけ2〜15重量%の量で存在し得る洗剤組成物において使用することもできる。
【0020】
化粧用および/または医薬用または洗剤用の製剤
本発明による混合物は、例えば、ヘアーシャンプー、ヘアーローション、フォームバス、シャワーバス、クリーム、ジェル、ローション、アルコール性および水性アルコール性溶液、エマルジョン、ワックス/脂肪化合物、スティック製剤、パウダーまたは軟膏のような、化粧用および/または医薬用の製剤の製造用に、または洗剤組成物の製造用に使用することができる。これらの製剤は、穏やかな界面活性剤、油成分、乳化剤、過脂化剤、真珠光沢ワックス、コンシステンシー調整剤、増粘剤、ポリマー、シリコーン化合物、脂肪、ワックス、レシチン、リン脂質、安定剤、生体活性物質、脱臭剤、発汗抑制剤、フケ防止剤、皮膚形成剤、膨張剤、UV保護剤、抗酸化剤、ヒドロトロープ、防腐剤、防虫剤、日焼け剤、チロシン抑制剤(脱色剤)、可溶化剤、香油、染料なども、更なる助剤および添加剤として含有し得る。
【0021】
適当な穏やかな(すなわち特に皮膚科学的に適合性の)界面活性剤の通常の例は、脂肪アルコールポリグリコールエーテルスルフェート、モノグリセリドスルフェート、モノ−および/またはジアルキルスルホスクシネート、脂肪酸イセチオネート、脂肪酸サルコシネート、脂肪酸タウリド、脂肪酸グルタメート、α−オレフィンスルホネート、エーテルカルボン酸、脂肪酸グルカミド、アルキルアミドベタイン、および/またはタンパク質脂肪酸縮合物(好ましくは小麦タンパク質由来のもの)である。
【0022】
適当な油性成分は、例えば、炭素数6〜18(好ましくは炭素数8〜10)の脂肪アルコールに基づくゲルベアルコール、直鎖C6-22脂肪酸と直鎖C6-22脂肪アルコールとのエステル、分枝状C6-13カルボン酸と直鎖C6-22脂肪アルコールとのエステル、例えばミリスチル ミリステート、ミリスチル パルミテート、ミリスチル ステアレート、ミリスチル イソステアレート、ミリスチル オレエート、ミリスチル ベヘネート、ミリスチル エルケート、セチル ミリステート、セチル パルミテート、セチル ステアレート、セチル イソステアレート、セチル オレエート、セチル ベヘネート、セチル エルケート、ステアリル ミリステート、ステアリル パルミテート、ステアリル ステアレート、ステアリル イソステアレート、ステアリル オレエート、ステアリル ベヘネート、ステアリル エルケート、イソステアリル ミリステート、イソステアリル パルミテート、イソステアリル ステアレート、イソステアリル イソステアレート、イソステアリル オレエート、イソステアリル ベヘネート、イソステアリル オレエート、オレイル ミリステート、オレイル パルミテート、オレイル ステアレート、オレイル イソステアレート、オレイル オレエート、オレイル ベヘネート、オレイル エルケート、ベヘニル ミリステート、ベヘニル パルミテート、ベヘニル ステアレート、ベヘニル イソステアレート、ベヘニル オレエート、ベヘニル ベヘネート、ベヘニル エルケート、エルシル ミリステート、エルシル パルミテート、エルシル ステアレート、エルシル イソステアレート、エルシル オレエート、エルシル ベヘネート、およびエルシル エルケートである。
【0023】
他の適当な油性成分の例は、直鎖C6-22脂肪酸と分枝状アルコール(とりわけ2−エチルヘキサノール)とのエステル、ヒドロキシカルボン酸と直鎖または分枝状C6-22脂肪アルコールとのエステル(とりわけジオクチルマレート)、直鎖および/または分枝状脂肪酸と多価アルコール(例えば、プロピレングリコール、二量体ジオールまたは三量体トリオール)および/またはゲルベアルコールとのエステル、C6-10脂肪酸に基づくトリグリセリド、C6-18脂肪酸に基づく液体モノ−/ジ−/トリグリセリド混合物、C6-22脂肪アルコールおよび/またはゲルベアルコールと芳香族カルボン酸(とりわけ安息香酸)とのエステル、C2-12ジカルボン酸と直鎖もしくは分枝状C1-22アルコールまたはヒドロキシル基数2〜6のC2-10ポリオールとのエステル、植物油、分枝状第一級アルコール、置換シクロヘキサン、直鎖および分枝状C6-22脂肪アルコールカーボネート、ゲルベカーボネート、安息香酸と直鎖および/または分枝状C6-22アルコールとのエステル(例えばFinsolv(登録商標)TN)、直鎖もしくは分枝状の対称もしくは非対称ジアルキルエーテル(各アルキル基の炭素原子数6〜22)、エポキシ化脂肪酸エステルのポリオールによる開環生成物、シリコーン油および/または脂肪族もしくはナフテン族炭化水素(例えばスクアラン、スクアレンまたはジアルキルシクロヘキサン)である。
【0024】
適当な乳化剤の例は、下記群の少なくとも一つから選択するノニオン性界面活性剤である:
・直鎖C8-22脂肪アルコール、C12-22脂肪酸、アルキル基の炭素数8〜15のアルキルフェノール、およびアルキル基の炭素数8〜22のアルキルアミンの、エチレンオキシド2〜30モルおよび/またはプロピレンオキシド0〜5モル付加物;
・ヒマシ油および/または水素化ヒマシ油のエチレンオキシド1〜15モル付加物;
・ヒマシ油および/または水素化ヒマシ油のエチレンオキシド15〜60モル付加物;
・不飽和直鎖または飽和分枝状C12-22脂肪酸および/またはC3-18ヒドロキシカルボン酸の、グリセロール部分エステルおよび/またはソルビタン部分エステル、並びにそれらのエチレンオキシド1〜30モル付加物;
【0025】
・ポリグリセロール(平均自己縮合度2〜8)、ポリエチレングリコール(分子量400〜5000)、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、糖アルコール(例えばソルビトール)、アルキルグルコシド(例えばメチルグルコシド、ブチルグルコシド、ラウリルグルコシド)およびポリグルコシド(例えばセルロース)と、飽和および/または不飽和の直鎖または分枝状C12-22脂肪酸、および/またはC3-18ヒドロキシカルボン酸との部分エステル、並びにそれらのエチレンオキシド1〜30モル付加物;
・DE−PS1165574による、ペンタエリスリトール、脂肪酸、クエン酸および脂肪アルコールの混合エステル、および/またはC6-22脂肪酸、メチルグルコースおよびポリオール(好ましくはグリセロールまたはポリグリセロール)の混合エステル;
・モノ−、ジ−およびトリアルキルホスフェート、およびモノ−、ジ−および/またはトリ−PEG−アルキルホスフェート、並びにそれらの塩;
・羊毛ワックスアルコール;
・ポリシロキサン−ポリアルキル−ポリエーテルコポリマーおよび対応する誘導体;
・ポリアルキレングリコール;および
・グリセロールカーボネート。
【0026】
脂肪アルコール、脂肪酸、アルキルフェノール、またはヒマシ油の、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシド付加物は、既知の市販生成物である。それらは同族体混合物であって、その平均アルコキシル化度は、付加反応を行う基質化合物とエチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドとの量比に対応する。グリセロールのエチレンオキシド付加物のC12/18脂肪酸モノエステルおよびジエステルは、DE−PS2024051により、化粧品製剤用の再脂肪化剤として知られている。
【0027】
適当な部分グリセリドの通常の例は、ヒドロキシステアリン酸モノグリセリド、ヒドロキシステアリン酸ジグリセリド、イソステアリン酸モノグリセリド、イソステアリン酸ジグリセリド、オレイン酸モノグリセリド、オレイン酸ジグリセリド、リシノール酸モノグリセリド、リシノール酸ジグリセリド、リノール酸モノグリセリド、リノール酸ジグリセリド、リノレン酸モノグリセリド、リノレン酸ジグリセリド、エルカ酸モノグリセリド、エルカ酸ジグリセリド、酒石酸モノグリセリド、酒石酸ジグリセリド、クエン酸モノグリセリド、クエン酸ジグリセリド、リンゴ酸モノグリセリド、リンゴ酸ジグリセリド、およびそれらの工業用混合物であって、その製法の副生成物としての少量のトリグリセリドを含有していてもよい。上記部分グリセリドのエチレンオキシド1〜30モル(好ましくは5〜10モル)付加物も適当である。
【0028】
適当なソルビタンエステルは、ソルビタン モノイソステアレート、ソルビタン セスキイソステアレート、ソルビタン ジイソステアレート、ソルビタン トリイソステアレート、ソルビタン モノオレエート、ソルビタン セスキオレエート、ソルビタン ジオレエート、ソルビタン トリオレエート、ソルビタン モノエルケート、ソルビタン セスキエルケート、ソルビタン ジエルケート、ソルビタン トリエルケート、ソルビタン モノリシノレート、ソルビタン セスキリシノレート、ソルビタン ジリシノレート、ソルビタン トリリシノレート、ソルビタン モノヒドロキシステアレート、ソルビタン セスキヒドロキシステアレート、ソルビタン ジヒドロキシステアレート、ソルビタン トリヒドロキシステアレート、ソルビタン モノタートレート、ソルビタン セスキタートレート、ソルビタン ジタートレート、ソルビタン トリタートレート、ソルビタン モノシトレート、ソルビタン セスキシトレート、ソルビタン ジシトレート、ソルビタン トリシトレート、ソルビタン モノマレエート、ソルビタン セスキマレエート、ソルビタン ジマレエート、ソルビタン トリマレエート、およびそれらの工業用混合物である。上記ソルビタンエステルのエチレンオキシド1〜30モル(好ましくは5〜10モル)付加物も適当である。
【0029】
適当なポリグリセロールエステルの通常の例は、ポリグリセリル-2 ジポリヒドロキシステアレート (Dehymuls(登録商標) PGPH)、ポリグリセリン-3-ジイソステアレート (Lameform(登録商標) TGI)、ポリグリセリル-4 イソステアレート (Isolan(登録商標) GI 34)、ポリグリセリル-3 オレエート、ジイソステアロイル ポリグリセリル-3 ジイソステアレート (Isolan(登録商標) PDI)、ポリグリセリル-3 メチルグルコース ジステアレート (Tego Care(登録商標) 450)、ポリグリセリル-3 蜜蝋 (Cera Bellina(登録商標))、ポリグリセリル-4 カプレート (Polyglycerol Caprate T2010/90)、ポリグリセリル-3 セチルエーテル(Chimexane(登録商標) NL)、ポリグリセリル-3 ジステアレート (Cremophor(登録商標) GS 32) およびポリグリセリル ポリリシノレート (Admul(登録商標) WOL 1403)、ポリグリセリル ダイメレート イソステアレート、並びにそれらの混合物である。
他の適当なポリオールエステルの例は、トリメチロールプロパンまたはペンタエリスリトールと、ラウリン酸、ヤシ油脂肪酸、獣脂脂肪酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、ベヘン酸などとのモノ、ジおよびトリエステルであって、場合によりエチレンオキシド1〜30モルと反応したものである。
【0030】
双性イオン性界面活性剤もまた、乳化剤として使用してよい。双性イオン性界面活性剤は、分子中に少なくとも1個の第四級アンモニウム基および少なくとも1個のカルボキシレートおよびスルホネート基を有する界面活性化合物である。特に適当な双性イオン性界面活性剤は、いわゆるベタイン、例えば、アルキルまたはアシル基の炭素数8〜18の、N−アルキル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート(例えばヤシ油アルキルジメチルアンモニウムグリシネート)、N−アシルアミノプロピル−N,N−ジメチルアンモニウムグリシネート(例えばヤシ油アシルアミノプロピルジメチルアンモニウムグリシネート)、および2−アルキル−3−カルボキシメチル−3−ヒドロキシエチルイミダゾリン、並びにヤシ油アシルアミノエチルヒドロキシエチルカルボキシメチルグリシネートである。CTFA名コカミドプロピルベタインとして既知の脂肪酸アミド誘導体が、特に好ましい。
【0031】
他の適当な乳化剤は、両性界面活性剤である。両性界面活性剤は、分子中に、C8/18アルキルまたはアシル基に加えて、少なくとも1個の遊離アミノ基および少なくとも1個の−COOHまたは−SO3H基を有する界面活性化合物であり、分子内塩を形成し得る。適当な両性界面活性剤の例は、アルキル基の炭素数約8〜18の、N−アルキルグリシン、N−アルキルプロピオン酸、N−アルキルアミノ酪酸、N−アルキルイミノジプロピオン酸、N−ヒドロキシエチル−N−アルキルアミドプロピルグリシン、N−アルキルタウリン、N−アルキルサルコシン、2−アルキルアミノプロピオン酸およびアルキルアミノ酢酸である。特に好ましい両性界面活性剤は、N−ヤシ油アルキルアミノプロピオネート、ヤシ油アシルアミノエチルアミノプロピオネート、およびC12/18アシルサルコシンである。
【0032】
最後に、他の適当な乳化剤はカチオン性界面活性剤であり、エステルクォート型のもの(好ましくはメチル第四級化ジ脂肪酸トリエタノールアミンエステル塩)は特に好ましい。
【0033】
使用される過脂肪剤は、例えば、ラノリン、レシチン、ポリエトキシル化もしくはアシル化ラノリンおよびレシチン誘導体、ポリオール脂肪酸エステル、モノグリセリド、および脂肪酸アルカノールアミドのような物質であってよく、脂肪酸アルカノールアミドは、泡安定剤としても機能する。
【0034】
適当な真珠光沢ワックスの例は、アルキレングリコールエステル、とりわけエチレングリコールジステアレート;脂肪酸アルカノールアミド、とりわけヤシ油脂肪酸ジエタノールアミド;部分グリセリド、とりわけステアリン酸モノグリセリド;多塩基性の(場合によりヒドロキシ置換した)カルボン酸と、炭素数6〜22の脂肪アルコールとのエステル、とりわけ酒石酸の長鎖エステル;脂肪物質、例えば脂肪アルコール、脂肪ケトン、脂肪アルデヒド、脂肪エーテルおよび脂肪カーボネート(総炭素数が少なくとも24のもの)、とりわけラウロンおよびジステアリルエーテル;脂肪酸、例えばステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸またはベヘン酸;炭素数12〜22のオレフィンエポキシドの、炭素数12〜22の脂肪アルコールおよび/または炭素数2〜15/ヒドロキシル基数2〜10のポリオールによる開環生成物;並びにそれらの混合物である。
【0035】
使用されるコンシステンシー調節剤は、主として、炭素数12〜22(好ましくは16〜18)の脂肪アルコールもしくはヒドロキシ脂肪アルコール、および部分グリセリド、脂肪酸もしくはヒドロキシ脂肪酸である。このような物質は、同鎖長のアルキルオリゴグルコシドおよび/または脂肪酸N−メチルグルカミド、および/またはポリグリセロールポリ−12−ヒドロキシステアレートと組み合せて使用することが好ましい。
【0036】
適当な増粘剤の例は、Aerosil種(親水性シリカ)、多糖、とりわけキサンタンガム、グアー、寒天、アルギネート、チロース、カルボキシメチルセルロースおよびヒドロキシエチルセルロース、比較的高分子量の脂肪酸ポリエチレングリコールモノ−およびジエステル、ポリアクリレート(例えばCarbopols(登録商標)[Goodrich]またはSynthalens(登録商標)[Sigma])、ポリアクリルアミド、ポリビニルアルコールおよびポリビニルピロリドン、界面活性剤、例えばエトキシル化脂肪酸グリセリド、脂肪酸とポリオール(例えばペンタエリスリトールまたはトリメチロールプロパン)とのエステル、同族体分布の狭い脂肪アルコールエトキシレートまたはアルキルオリゴグルコシド、並びに電解質、例えば塩化ナトリウムおよび塩化アンモニウムである。
【0037】
適当なカチオン性ポリマーの例は、カチオン性セルロース誘導体、例えば第四級化ヒドロキシエチルセルロース[Polymer JR 400(登録商標);Amerchol]、カチオン性デンプン、ジアリルアンモニウム塩およびアクリルアミドのコポリマー、第四級化ビニルピロリドン/ビニルイミダゾールポリマー、例えばLuviquat(登録商標)(BASF)、ポリグリコールおよびアミンの縮合生成物、第四級化コラーゲンポリペプチド、例えばラウリルジモニウム・ヒドロキシプロピル加水分解コラーゲン[Lamequat(登録商標)L;Gruenau]、第四級化小麦ポリペプチド、ポリエチレンイミン、カチオン性シリコーンポリマー、例えばアモジメチコン、アジピン酸およびジメチルアミノヒドロキシプロピルジエチレントリアミンのコポリマー[Cartaretine(登録商標);Sandoz]、アクリル酸とジメチルジアリルアンモニウムクロリドとのコポリマー[Merquat(登録商標)550;Chemviron]、ポリアミノポリアミド、例えばFR2252840Aに記載のもの、およびその架橋水溶性ポリマー、カチオン性キチン誘導体、例えば第四級化キトサン(場合により、微結晶分布したもの)、ジハロアルキル(例えばジブロモブタン)とビス−ジアルキルアミン(例えばビス−ジメチルアミノ−1,3−プロパン)との縮合生成物、カチオン性グアーガム、例えばJaguar(登録商標)CBS、Jaguar(登録商標)C−17、Jaguar(登録商標)C−16(Celanese)、並びに第四級化アンモニウム塩ポリマー、例えばMirapol(登録商標)A−15、Mirapol(登録商標)AD−1、Mirapol(登録商標)AZ−1(Miranol)である。
【0038】
適当なアニオン性、双性イオン性、両性およびノニオン性ポリマーは、例えば酢酸ビニル/クロトン酸コポリマー、ビニルピロリドン/アクリル酸ビニルコポリマー、酢酸ビニル/マレイン酸ブチル/アクリル酸イソボルニルコポリマー、メチルビニルエーテル/無水マレイン酸コポリマーおよびそのエステル、未架橋ポリアクリル酸およびポリオール架橋ポリアクリル酸、アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド/アクリレートコポリマー、オクチルアクリルアミド/メタクリル酸メチル/メタクリル酸t−ブチルアミノエチル/メタクリル酸2−ヒドロキシプロピルコポリマー、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、ビニルピロリドン/メタクリル酸ジメチルアミノエチル/ビニルカプロラクタムターポリマー、並びに場合により誘導体化したセルロースエーテル、およびシリコーンである。
【0039】
適当なシリコーン化合物は、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、環状シリコーン、並びにアミノ−、脂肪酸−、アルコール−、ポリエーテル−、エポキシ−、フッ素−、グリコシド−および/またはアルキル−修飾シリコーン化合物(室温で液状または樹脂様であり得るもの)である。他の適当なシリコーン化合物は、ジメチルシロキサン単位数200〜300の平均鎖長を有するジメチコンと水素化シリケートとの混合物であるシメチコンである。適当な揮発性シリコーンに関しては、Toddら、Cosm. Toil. 91、27(1976)に更に詳細に記載されている。
【0040】
脂肪の通常の例はグリセリドであり、適当なワックスはとりわけ、天然ワックス、例えばカンデリラ蝋、カルナウバ蝋、木蝋、エスパルト蝋、コルク蝋、グアルマ蝋(Guarumawachs)、米糠蝋、サトウキビ蝋、オーリキュリ蝋(Ouricurywachs)、モンタン蝋、蜜蝋、シェラック蝋、鯨蝋、ラノリン(羊毛蝋)、尾脂(Buerzelfett)、セレシン、オゾケライト(地蝋)、ワセリン、パラフィン蝋および微結晶ワックス;化学修飾ワックス(硬蝋)、例えばモンタンエステル蝋、サソール蝋、水素化ホホバ蝋、並びに合成ワックス、例えばポリアルキレンワックスおよびポリエチレングリコールワックスである。
【0041】
脂肪のほかに、脂肪様物質、例えばレシチンおよびリン脂質は適当な添加剤である。「レシチン」は、脂肪酸、グリセロール、リン酸およびコリンからエステル化によって生成するグリセロリン脂質を意味するものとして当業者に知られる。すなわちレシチンはしばしばホスファチジルコリン(PC)とも称される。天然レシチンの例はケファリンで、これはホスファチジン酸とも称され、1,2−ジアシル−sn−グリセロール−3−リン酸の誘導体である。一方、「リン脂質」は通例、リン酸とグリセロールとのモノエステルおよび好ましくはジエステル(グリセロールホスフェート)を意味すると理解され、通常脂肪として分類される。スフィンゴシンおよびスフィンゴ脂質も適当である。
【0042】
脂肪酸の金属塩、例えばステアリン酸またはリシノール酸のマグネシウム塩、アルミニウム塩および/または亜鉛塩を安定剤として使用してよい。
【0043】
本発明において生体活性物質とは、例えばトコフェロール、トコフェロールアセテート、トコフェロールパルミテート、アスコルビン酸、デオキシリボ核酸、レチノール、ビサボロール、アラントイン、フィタントリオール、パンテノール、AHA酸、アミノ酸、セラミド、プソイドセラミド、精油、植物抽出物およびビタミン複合体を意味すると理解される。
【0044】
化粧品防臭剤は、体臭を打ち消すか、マスクするか、または抑制する。体臭は、アポクリン汗に皮膚細菌が作用して不快臭のある分解産物を形成することによって生じる。従って、防臭剤は、抗菌剤、酵素阻害剤、臭気吸収剤または臭気マスキング剤として作用する活性成分を含有する。
【0045】
基本的に、適当な抗菌剤はグラム陽性菌に対して作用する任意の物質、例えば4−ヒドロキシ安息香酸並びにその塩およびエステル、N−(4−クロロフェニル)−N’−(3,4−ジクロロフェニル)−尿素、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル(トリクロサン)、4−クロロ−3,5−ジメチルフェノール、2,2’−メチレン−ビス−(6−ブロモ−4−クロロフェノール)、3−メチル−4−(1−メチルエチル)−フェノール、2−ベンジル−4−クロロフェノール、3−(4−クロロフェノキシ)−プロパン−1,2−ジオール、3−ヨード−2−プロピニル ブチル カルバメート、クロルヘキシジン、3,4,4’−トリクロロカルバニリド(TTC)、抗菌性香料、チモール、タイム油、オイゲノール、丁子油、メントール、ミント油、ファルネソール、フェノキシエタノール、グリセロールモノラウレート(GML)、ジグリセロールモノカプレート(DMC)、サリチル酸−N−アルキルアミド、例えばサリチル酸−n−オクチルアミドまたはサリチル酸−n−デシルアミドである。
【0046】
適当な酵素阻害剤の例は、エステラーゼ阻害剤である。エステラーゼ阻害剤は好ましくは、クエン酸トリアルキル、例えばクエン酸トリメチル、クエン酸トリプロピル、クエン酸トリイソプロピル、クエン酸トリブチル、およびとりわけクエン酸トリエチル[Hydagen(登録商標)CAT、Henkel KGaA、デュッセルドルフ、FRG]である。エステラーゼ阻害剤は、酵素活性を阻害することにより、臭気の生成を抑制する。他のエステラーゼ阻害剤には、ステロールスルフェートまたはホスフェート、例えばラノステロール、コレステロール、カンペステロール、スチグマステロールおよびシトステロールのスルフェートまたはホスフェート、ジカルボン酸およびそのエステル、例えばグルタル酸、グルタル酸モノエチルエステル、グルタル酸ジエチルエステル、アジピン酸、アジピン酸モノエチルエステル、アジピン酸ジエチルエステル、マロン酸およびマロン酸ジエチルエステル、ヒドロキシカルボン酸およびそのエステル、例えばクエン酸、リンゴ酸、酒石酸または酒石酸ジエチルエステル、およびグリシン酸亜鉛がある。
【0047】
適当な臭気吸収剤は、臭気生成化合物を吸収し、概ね保持することのできる物質である。そのような臭気吸収剤は、各成分の分圧を低下させ、それにより各成分の拡散率も低下する。これに関して重要な条件は、香料が損なわれず維持されなければならないということである。臭気吸収剤は細菌に対して有効ではない。臭気吸収剤は例えば、リシノール酸の錯亜鉛塩、または当業者に「Fixateure」として知られる、あまり香気のない特殊な香料、例えばラブダナムまたはエゴノキの抽出物、またはある種のアビエチン酸誘導体を、主成分として含有する。
【0048】
臭気マスキング剤は、臭気をマスクする機能を有すると共に、防臭剤に香気を付与する香料または香油である。適当な香油は、例えば、天然および合成香料の混合物である。天然香料には、花、茎および葉、果実、果皮、根、木、ハーブおよび草、針葉および枝、樹脂およびバルサムの抽出物が含まれる。動物性原料、例えばシベットおよびビーバーも用い得る。合成香料化合物は通例、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールおよび炭化水素型の生成物である。エステル型香料化合物の例は、ベンジルアセテート、p−t−ブチルシクロヘキシルアセテート、リナリルアセテート、フェニルエチルアセテート、リナリルベンゾエート、ベンジルホルメート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、スチラリルプロピオネート、およびベンジルサリチレートである。エーテルは例えば、ベンジルエチルエーテルを包含し、アルデヒドは例えば、炭素数8〜18の直鎖アルカナール、シトラール、シトロネラル、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラル、リリアールおよびブルゲオナールを包含する。適当なケトンは例えば、イオノン類、およびメチルセドリルケトンを包含する。適当なアルコールは、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコールおよびテルピネオールを包含する。炭化水素は主として、テルペン類およびバルサム類を包含する。しかし、共同で快い香を発する種々の香料化合物の混合物を使用することが好ましい。
【0049】
他の適当な香油は、芳香成分として用いられることの多い比較的揮発性の低い精油である。その例は、セージ油、カモミール油、丁子油、メリッサ油、ミント油、シナモン葉油、ライム花油、ジュニパーベリー油、ベチベル油、乳香油、ガルバヌム油、ラブダヌム油およびラバンジン油である。下記のものを単独で、または混合物として使用することが好ましい:ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアール、リラール、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α−ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、ボイサムブレンフォルテ、アンブロキサン、インドール、ヘジオン(Hedione)、サンデリス(Sandelice)、シトラス油、マンダリン油、オレンジ油、アリルアミルグリコレート、シクロベルタル(Cyclovertal)、ラバンジン油、クラリー油、β−ダマスコン、ゼラニウム油バーボン、シクロヘキシルサリチレート、ベルトフィックスクアー(Vertofix Coeur)、イソ−E−スパー(Iso-E-Super)、フィクソリドNP(Fixolide NP)、エベルニル、イラルデイン(Iraldein)ガンマ、フェニル酢酸、酢酸ゲラニル、酢酸ベンジル、ローズオキシド、ロミラート(Romilat)、イロチル(Irotyl)およびフロラマート(Floramat)。
【0050】
制汗剤はエクリン汗腺の働きに作用することによって、発汗を抑制して、腋下の湿りおよび体臭を消す。水性または水不含有の制汗製剤は通例、下記成分を含有する:
・収斂性成分、
・油成分、
・ノニオン性乳化剤、
・補助乳化剤、
・コンシステンシー調節剤、
・助剤、例えば増粘剤または錯化剤、および/または
・非水性溶媒、例えばエタノール、プロピレングリコールおよび/またはグリセロール。
【0051】
制汗剤の適当な収斂性活性成分はとりわけ、アルミニウム、ジルコニウムまたは亜鉛の塩である。この種の適当な制汗成分は、例えば、アルミニウムクロリド、アルミニウムクロロヒドレート、アルミニウムジクロロヒドレート、アルミニウムセスキクロロヒドレート、およびそれらと例えば1,2−プロピレングリコールとの錯化合物、アルミニウムヒドロキシアラントイネート、アルミニウムクロリドタートレート、アルミニウムジルコニウムトリクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロヒドレート、アルミニウムジルコニウムペンタクロロヒドレート、およびそれらと例えばアミノ酸(例えばグリシン)との錯化合物である。発汗抑制剤中で典型的に用いる油溶性および水溶性の助剤も、比較的少量で存在してよい。そのような油溶性助剤は、例えば、
・炎症抑制性、皮膚保護性、または香気を有する精油、
・合成皮膚保護活性剤、および/または
・油溶性香油
を包含する。
【0052】
通常の水溶性添加剤の例は、保存剤、水溶性香料、pH調節剤、例えば緩衝剤混合物、水溶性増粘剤、例えば水溶性の天然または合成ポリマー(例えばキサンタンガム、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルピロリドンまたは高分子量ポリエチレンオキシド)である。
【0053】
適当なフケ防止剤は、Octopirox(登録商標)(1-ヒドロキシ-4-メチル-6-(2,4,4-トリメチルペンチル)-2-(1H)-ピリジノン モノエタノールアミン塩)、Baypival、ピロクトン・オラミン、Ketoconazol(登録商標)(4-アセチル-1-{4-[2-(2,4-ジクロロフェニル) r-2-(1H-イミダゾール-1-イルメチル)-1,3-ジオキシラン-c-4-イル]メトキシフェニル}-ピペラジン)、二硫化セレン、コロイド硫黄、硫黄ポリエチレングリコールソルビタンモノオレエート、硫黄リシノールポリエトキシレート、硫黄タール蒸留物、サリチル酸(またはヘキサクロロフェンとの組み合わせ)、ウンデシレン酸、モノエタノールアミド スルホスクシネート Na塩、Lamepon(登録商標)UD(タンパク質/ウンデシレン酸縮合物)、ジンクピリチオン、アルミニウムピリチオン、およびマグネシウムピリチオン/ジピリチオン マグネシウムスルフェートである。
【0054】
通常のフィルム形成剤は、例えばキトサン、微結晶キトサン、第四級化キトサン、ポリビニルピロリドン、ビニルピロリドン/酢酸ビニルコポリマー、アクリル酸系ポリマー、第四級セルロース誘導体、コラーゲン、ヒアルロン酸およびその塩、並びに同様の化合物である。
【0055】
水相用の適当な膨潤剤は、モンモリロナイト、粘土鉱物、Pemulen、およびアルキル修飾Carbopol種(Goodrich)である。他の適当なポリマーおよび膨潤剤は、R.Lochhead、Cosm.Toil.108、95(1993)に記載されている。
【0056】
UV光保護剤は、例えば、室温で液状または結晶であり、紫外線を吸収して、その吸収したエネルギーをより長波長の放射線(例えば熱)として放出することのできる有機物質(光保護フィルター)を包含する。UV−Bフィルターは、油溶性または水溶性であり得る。油溶性物質を以下例示する:
【0057】
・3−ベンジリデンカンファーまたは3−ベンジリデンノルカンファーおよびそれらの誘導体、例えば3−(4−メチルベンジリデン)−カンファー(EP0693471B1に記載されている);
・4−アミノ安息香酸誘導体、好ましくは4−(ジメチルアミノ)−安息香酸−2−エチルヘキシルエステル、4−(ジメチルアミノ)−安息香酸−2−オクチルエステル、および4−(ジメチルアミノ)−安息香酸アミルエステル;
・桂皮酸エステル、好ましくは4−メトキシ桂皮酸−2−エチルヘキシルエステル、4−メトキシ桂皮酸プロピルエステル、4−メトキシ桂皮酸イソアミルエステル、2−シアノ−3,3−フェニル桂皮酸−2−エチルヘキシルエステル[オクトクリレン(Octocrylene)];
・サリチル酸エステル、好ましくはサリチル酸−2−エチルヘキシルエステル、サリチル酸−4−イソプロピルベンジルエステル、サリチル酸ホモメンチルエステル;
・ベンゾフェノン誘導体、好ましくは2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4'−メチルベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン;
・ベンザルマロン酸エステル、好ましくは4−メトキシベンザルマロン酸ジ−2−エチルヘキシルエステル;
・トリアジン誘導体、例えば2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2'−エチル−1'−ヘキシルオキシ)−1,3,5−トリアジン、およびオクチル・トリアゾン(EP0818450A1に記載されている)、またはジオクチル・ブタミド・トリアゾン[Uvasorb(登録商標)HEB];
・プロパン−1,3−ジオン、例えば1−(4−t−ブチルフェニル)−3−(4'−メトキシフェニル)−プロパン−1,3−ジオン;
・ケトトリシクロ(5.2.1.0)デカン誘導体(EP0694521B1に記載されている)。
【0058】
適当な水溶性物質は、次のような物質である:
・2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸並びにそのアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アルキルアンモニウム塩、アルカノールアンモニウム塩およびグルカンモニウム塩;
・ベンゾフェノンのスルホン酸誘導体、好ましくは2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸およびその塩;
・3−ベンジリデンカンファーのスルホン酸誘導体、例えば4−(2−オキソ−3−ボルニリデンメチル)−ベンゼンスルホン酸および2−メチル−5−(2−オキソ−3−ボルニリデン)−スルホン酸並びにそれらの塩。
【0059】
通常のUV−Aフィルターはとりわけ、ベンゾイルメタン誘導体、例えば1−(4'−t−ブチルフェニル)−3−(4'−メトキシフェニル)−プロパン−1,3−ジオン、4−t−ブチル−4'−メトキシジベンゾイルメタン(Parsol1789)または1−フェニル−3−(4'−イソプロピルフェニル)−プロパン−1,3−ジオン、およびDE19712033A1(BASF)に記載されたエナミン化合物である。UV−AフィルターとUV−Bフィルターを混合物として使用しても当然よい。
【0060】
上記可溶性物質のほかに、不溶性顔料、すなわち、微分散金属酸化物または塩も、この目的のために使用し得る。適当な金属酸化物の例は、とりわけ、酸化亜鉛、二酸化チタン、および鉄、ジルコニウム、ケイ素、マンガン、アルミニウムおよびセリウムの酸化物、並びにそれらの混合物である。塩としては、ケイ酸塩(タルク)、硫酸バリウムおよびステアリン酸亜鉛を使用し得る。このような酸化物および塩は、皮膚の手入れおよび保護用エマルジョン並びに装飾的化粧品中に、顔料として使用される。
このような粒子の平均直径は、100nm未満、好ましくは5〜50nm、より好ましくは15〜30nmとすべきである。粒子は球形であり得るが、楕円形粒子または他の非球形粒子を使用してもよい。顔料は、表面処理(すなわち、親水化または疎水化)してもよい。通常の例は、コーティングした二酸化チタン、例えばTitandioxid T805(Degussa)またはEusolex(登録商標)T2000(Merck)である。適当な疎水性コーティング材料はとりわけ、シリコーンおよび特にトリアルコキシオクチルシランまたはシメチコンである。日焼け止め製剤中には、いわゆるマイクロピグメントまたはナノピグメントを使用することが好ましい。微粉化した酸化亜鉛を使用することが好ましい。他の適当なUV光保護フィルターは、P.Finkel、SOEFW−Jounal、122、543(1996)に記載されている。
【0061】
上記二群の主な光保護物質のほかに、抗酸化剤タイプの副次的日焼け止め剤をも使用し得る。抗酸化剤タイプの副次的日焼け止め剤は、UV線が皮膚に侵入すると開始される光化学反応鎖を断つものである。適当な抗酸化剤の典型例を次に挙げる:非常に少量のよく調整された用量(例えば、pmol〜μmol/kg)での、アミノ酸(例えばグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびその誘導体、イミダゾール(例えばウロカニン酸)およびその誘導体、ペプチド、例えばD,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシンおよびそれらの誘導体(例えばアンセリン)、カロチノイド、カロテン(例えばα−カロテン、β−カロテン、リコペン)およびその誘導体、クロロゲン酸およびその誘導体、リポン酸およびその誘導体(例えばジヒドロリポン酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよび他のチオール(例えばチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン、それらのグリコシル、N−アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル、ラウリル、パルミトイル、オレイル、γ−リノレイル、コレステリルおよびグリセリルエステル)およびそれらの塩、ジラウリルチオジプロピオネート、ジステアリルチオジプロピオネート、チオジプロピオン酸およびその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシドおよび塩)、スルホキシミン化合物(例えばブチオニンスルホキシミン、ホモシステインスルホキシミン、ブチオニンスルホン、ペンタ−、ヘキサ−およびヘプタ−チオニンスルホキシミン)、更に、(金属)キレート剤(例えばα−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α−ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTAおよびそれらの誘導体、不飽和脂肪酸およびその誘導体(例えばγ−リノレン酸、リノール酸、オレイン酸)、葉酸およびその誘導体、ユビキノン、ユビキノールおよびそれらの誘導体、ビタミンCおよびその誘導体(例えばアスコルビルパルミテート、Mgアスコルビルホスフェート、アスコルビルアセテート)、トコフェロールおよび誘導体(例えばビタミンEアセテート)、ビタミンAおよび誘導体(ビタミンAパルミテート)、ベンゾイン樹脂のコニフェリルベンゾエート、ルチン酸およびその誘導体、α−グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤク樹脂酸、ノルジヒドログアヤレト酸、トリヒドロキシブチロフェノン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、スーパーオキシド−ジスムターゼ、亜鉛およびその誘導体(例えばZnO、ZnSO4)、セレンおよびその誘導体(例えばメチオニンセレン)、スチルベンおよびその誘導体(例えば酸化スチルベン、酸化トランススチルベン)、並びに本発明の目的に適当な上記活性物質の誘導体(塩、エステル、エーテル、糖、ヌクレオチド、ヌクレオシド、ペプチドおよび脂質)。
【0062】
更に、流動性を改善するために、ヒドロトロープ、例えばエタノール、イソプロピルアルコール、またはポリオールを使用してもよい。適当なポリオールは、好ましくは炭素数2〜15で、少なくとも2個のヒドロキシル基を有する。ポリオールは、他の官能基、特にアミノ基を含んでもよく、窒素により改質されてもよい。典型的な例は、次のとおりである。
・グリセロール;
・アルキレングリコール、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、および平均分子量100〜1000ダルトンのポリエチレングリコール;
・自己縮合度1.5〜10の工業用オリゴグリセロール混合物、例えばジグリセロール含量40〜50重量%の工業用ジグリセロール混合物;
・メチロール化合物、例えばとりわけトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、トリメチロールブタン、ペンタエリスリトールおよびジペンタエリスリトール;
・低級アルキルグルコシド(特に、アルキル基の炭素数1〜8のもの)、例えばメチルおよびブチルグルコシド;
・炭素数5〜12の糖アルコール、例えばソルビトールまたはマンニトール;
・炭素数5〜12の糖、例えばグルコースまたはスクロース;
・アミノ糖、例えばグルカミン;
・ジアルコールアミン、例えばジエタノールアミンまたは2−アミノ−1,3−プロパンジオール
【0063】
適当な防腐剤は、例えば、フェノキシエタノール、ホルムアルデヒド溶液、パラベン、ペンタンジオールまたはソルビン酸、およびKosmetikverordnungの補遺6、パートAおよびBに挙げられた種類の他の化合物である。
適当な防虫剤は、N,N−ジエチル−m−トルアミド、ペンタン−1,2−ジオールまたはエチルブチルアセチルアミノプロピオネートである。
適当な日焼け剤はジヒドロキシアセトンである。メラニンの生成を抑制し、脱色剤として使用する適当なチロシン抑制剤の例は、アルブチン、コウジ酸、クマリン酸およびアスコルビン酸(ビタミンC)である。
【0064】
適当な香油は、天然および合成香料の混合物である。天然香料は、下記植物の抽出物を包含する:花(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、ネロリ、イラン−イラン)、茎および葉(ゼラニウム、パチョリ、プチグレン)、果実(アニス、コリアンダー、キャラウェー、ビャクシン)、果皮(ベルガモット、レモン、オレンジ)、根(ナツメグ、アンゼリカ、セロリ、カルダモン、コスタス、アヤメ、ショウブ)、木(マツ、ビャクダン、グアヤク、シーダー、シタン)、ハーブおよび草(タラゴン、レモングラス、セージ、タイム)、針葉および枝(トウヒ、モミ、マツ、低木マツ)、樹脂およびバルサム(ガルバヌム、エレミ、ベンゾイン、ミルラ、乳香、オポパナクス)。動物性原料、例えばシベットおよびビーバーも使用できる。
【0065】
合成香料化合物は通例、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコールおよび炭化水素型の生成物である。エステル型香料化合物の例は、ベンジルアセテート、フェノキシエチルイソブチレート、p−t−ブチルシクロヘキシルアセテート、リナリルアセテート、ジメチルベンジルカルビニルアセテート、フェニルエチルアセテート、リナリルベンゾエート、ベンジルホルメート、エチルメチルフェニルグリシネート、アリルシクロヘキシルプロピオネート、スチラリルプロピオネート、ベンジルサリチレートである。エーテルは例えば、ベンジルエチルエーテルを包含し、アルデヒドは例えば、炭素数8〜18の直鎖アルカナール、シトラール、シトロネラル、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラル、リリアールおよびブルゲオナールを包含する。適当なケトンは例えば、イオノン類、α−イソメチルイオノンおよびメチルセドリルケトンを包含する。適当なアルコールは、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコールおよびテルピネオールを包含する。炭化水素は主として、テルペン類、バルサム類を包含する。しかし、共同で快い香を発する種々の香料化合物の混合物を使用することが好ましい。
【0066】
他の適当な香油は、芳香成分として用いられることの多い比較的揮発性の低い精油である。その例は、セージ油、カモミール油、丁子油、メリッサ油、ミント油、シナモン葉油、ライム花油、ジュニパーベリー油、ベチベル油、乳香油、ガルバヌム油、ラブダヌム油およびラバンジン油である。下記のものを単独で、または混合物として使用することが好ましい:ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアール、ライラール、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α−ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、ボイサムブレンフォルテ、アンブロキサン、インドール、ヘジオン(Hedione)、サンデリス(Sandelice)、シトラス油、マンダリン油、オレンジ油、アリルアミルグリコレート、シクロバータル(Cyclovertal)、ラバンジン油、クラリー油、β−ダマスコン、ゼラニウム油バーボン、シクロヘキシルサリチレート、ベルトフィックスクアー(Vertofix Coeur)、イソ−E−スパー(Iso-E-Super)、フィクソリドNP(Fixolide NP)、エバニル、イラルデイン(Iraldein)ガンマ、フェニル酢酸、ゲラニルアセテート、ベンジルアセテート、ローズオキシド、ロミラート(Romilat)、イロチル(Irotyl)およびフロラマート(Floramat)。
【0067】
適当な色素は、例えば“Kosmetische Faerbemittel”、Farbstoffkommission der Deutschen Forschungsgemeinschaft、Verlag Chemie、Weinheim、1984年、第81〜106頁に挙げられているような、化粧品の目的に適当で承認された任意の物質である。これらの色素は通例、混合物全体に対して0.001〜0.1重量%の濃度で使用する。
【0068】
助剤および添加剤の全含有率は、ある特定の製剤に対し1〜50重量%であってよく、好ましくは5〜40重量%である。製剤は、標準的な冷却または加熱方法により製造してよく、好ましくは、相反転温度法により製造する。
【実施例】
【0069】
使用物質:
a)C12/14ココアルキルオリゴグルコシド(Plantacare 1200UPTMとしてCognis Deutschland GmbH & Co. KGから入手可能)
b)C12−18アルコールのクエン酸エステル+7EO。
【0070】
撹拌反応器中で、水を含有しないクエン酸28.05kg(0.146mol)とDehydol LT 7TM(Cognis Deutschland GmbH & Co. KGの製品)(以下の鎖分布(重量%):<C12:0−3%;C12:48−58%;C14:18−24%;C16:8−12%;C18:11−15%;>C18:0−1%を有し、エチレンオキシド7モルでエトキシル化された脂肪アルコール混合物)75.16kg(0.146Kmol)を、窒素下に160℃へ加熱し、理論量の水が放出されるまで(5.5時間)その温度で撹拌した。以下の特性を有する淡黄色で透明な液体生成物が得られた:
鹸化価:222、酸価:132、遊離クエン酸:2.8重量%。
【0071】
a)C12/14アルコールのクエン酸エステル+4EO:
b)と同様にして、水を含有しないクエン酸1.3molとDehydol LS 4TM(以下の鎖分布(重量%):<C10:0−2%;C12:70−75%;C14:24−30%;C16:0−2%)を有し、エチレンオキシド4モルでエトキシル化された脂肪アルコール混合物)1.3molを、撹拌反応器中で窒素下に160℃へ加熱し、理論量の水が放出されるまで(2時間)その温度で撹拌した。以下の特性を有する淡黄色の透明な液体生成物が得られた:
鹸化価:303、酸価:202、遊離クエン酸:4.1重量%。
【0072】
b)C12/14アルコールのクエン酸エステル(比較)
c)と同様にして、クエン酸とDehydol LSからエステルを製造した。以下の特性を有する淡黄色の濁った分離液が得られた:
鹸化価:385、酸価:234、遊離クエン酸:3.4重量%。
【0073】
鹸化価(SV)は、DGF C-V3に従って決定した。
酸価(AV)は、DIN 53402に従って決定した。
【0074】
〔実施例1〕
12/14ココアルキルオリゴグルコシド+C12/14アルコールのクエン酸エステル+4EO
c)に記載されたように製造したクエン酸エステル10gとPlantacare 1200UPTM 20gを、蒸留水170g中に溶解させた(活性物質含量20重量%)。クエン酸でpHを6.5に調節した。透明で鮮やかな液体が得られた。
【0075】
〔比較例1〕
12/14ココアルキルオリゴグルコシド+C12/14アルコールのクエン酸エステル
d)に記載されたように製造したクエン酸エステル10gとPlantacare 1200UPTM20.0gを、蒸留水170g中に溶解させた(活性物質含量20重量%)。クエン酸でpHを6.3に調節した。濁った分離ペーストが得られた。
【0076】
〔実施例2〕
12/14ココアルキルオリゴグルコシド+C12/18アルコールのクエン酸エステル+7EO
実施例1と同様にして、b)に記載されたように製造したクエン酸エステル10gとPlantacare 1200UPTM20gを、蒸留水170g中に溶解させた(活性物質含量20重量%)。クエン酸でpHを6.4に調節した。透明で鮮やかな液体が得られた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)アルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシドと、
(b)アルコキシル化アルコールのヒドロキシカルボン酸部分エステル
を含有する化粧用および/または医薬用の製剤。
【請求項2】
成分(a)として、式(I):
【化1】

〔式中、Rは4〜22個の炭素原子を含むアルキルおよび/またはアルケニル基であり、Gは5または6個の炭素原子を含む糖単位であり、pは1〜10の数である。〕
に相当するアルキルおよびアルケニルオリゴグリコシドを含有することを特徴とする請求項1に記載の製剤。
【請求項3】
成分(b)として、アルコキシル化アルコールのC1−6ヒドロキシカルボン酸部分エステルを含有することを特徴とする請求項1または2に記載の製剤。
【請求項4】
成分(b)として、アルコキシル化アルコールのクエン酸部分エステルを含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の製剤。
【請求項5】
成分(b)として、ヒドロキシカルボン酸のアルコキシル化脂肪族C6−22アルコールとの部分エステルを含有することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の製剤。
【請求項6】
成分(b)として、式(II):
【化2】

〔式中、Rは6〜22個の炭素原子を含む直鎖または分枝状のアルキルおよび/またはアルケニル基であり、nは1〜50の数である。〕
に相当するヒドロキシカルボン酸のエトキシル化アルコールとの部分エステルを含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の製剤。
【請求項7】
成分(b)として、アルコキシル化アルコールと、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アルキルアンモニウム、アルカノールアンモニウムまたはグルカンモニウム塩として存在するヒドロキシカルボン酸との部分エステルを含有することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の製剤。
【請求項8】
アルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシドと、アルコキシル化アルコールのヒドロキシカルボン酸部分エステルを、1:99〜99:1の重量比率で含有することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の製剤。
【請求項9】
マイルドな界面活性剤、油成分、乳化剤、過脂化剤、真珠光沢ワックス、コンシステンシー調整剤、増粘剤、ポリマー、シリコーン化合物、脂肪、ワックス、レシチン、リン脂質、安定剤、生体活性物質、脱臭剤、発汗抑制剤、フケ防止剤、皮膚形成剤、膨張剤、UV保護剤、抗酸化剤、ヒドロトロープ、防腐剤、防虫剤、日焼け剤、チロシン抑制剤、可溶化剤、香油および/または染料をさらに含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の製剤。
【請求項10】
(a)アルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシドと、
(b)アルコキシル化アルコールのヒドロキシカルボン酸部分エステル
の混合物の、化粧用および/または医薬用の製剤を製造するための使用。
【請求項11】
(a)アルキルおよび/またはアルケニルオリゴグリコシドと、
(b)アルコキシル化アルコールのヒドロキシカルボン酸部分エステル
の混合物の、洗剤における使用。

【公表番号】特表2006−524651(P2006−524651A)
【公表日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−505207(P2006−505207)
【出願日】平成16年4月21日(2004.4.21)
【国際出願番号】PCT/EP2004/004207
【国際公開番号】WO2004/096963
【国際公開日】平成16年11月11日(2004.11.11)
【出願人】(505066718)コグニス・アイピー・マネージメント・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (191)
【氏名又は名称原語表記】Cognis IP Management GmbH
【Fターム(参考)】