説明

医用画像処理装置、医用画像処理プログラム、及びX線CT装置

【課題】各体位における画像データについて、視点位置を合わせて仮想内視鏡表示を行う場合に、観察されない領域の発生を抑制することが可能な医用画像処理装置を提供する。
【解決手段】対応付け部6は、仰向け状態において取得されたボリュームデータ100における特徴点121と、うつ伏せ状態において取得されたボリュームデータ200における特徴点221とを対応付け、特徴点122と特徴点222とを対応付ける。規格化部8は、特徴点121と特徴点122との間の距離を規格化し、特徴点221と特徴点222との間の距離を規格化する。画像生成部7は、規格化されたそれぞれの区間において、規格化された距離(距離の比率)が同じ位置に視点を設定したうえで、ボリュームデータ100、200に基づいて各体位における管状組織を内部から表す3次元画像データを生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、X線CT装置やMRI装置などの医用画像診断装置によって得られた画像データに基づいて、管状組織の内部を表す画像データを生成する医用画像処理装置、及び医用画像処理プログラムに関する。また、この発明は、被検体にX線を曝射して得られたX線投影データに基づいて、管状組織の内部を表す画像データを生成するX線CT装置に関する。
【背景技術】
【0002】
X線CT装置などの医用画像取得装置によって取得された画像データに基づいて、いわゆる仮想内視鏡表示(virtual endoscopy;VE)を行うことで、血管、腸、気管支などの管状組織の内部を観察することが行われている。仮想内視鏡表示によると、観察者の視点を管状組織の内部で自由に移動させて管状組織の内部を表示することができ、更に、任意位置における形態情報から腫瘍などの状態を確認して診断を行うことができる。従来、仮想内視鏡表示を実行する場合、管状組織の内部を観察しながら視点を動かし、腫瘍などの領域を探す作業を行っていた。
【0003】
また、X線CT装置を用いて、被検体の体位を撮影によって変えて、被検体の体位を各体位にした状態で大腸を撮影することで、各体位における大腸を3次元的に表わすボリュームデータを取得し、各体位におけるボリュームデータにおいて視点位置を一致させて仮想内視鏡表示を実行する試みがなされている(例えば特許文献1)。このように被検体の体位を変えて撮影することで、大腸に残渣物が残っている場合に、その残渣物を避けて大腸を表す画像データを取得することが可能となる。例えば、被検体を仰向けにした状態で撮影することで取得された大腸を表すボリュームデータと、被検体をうつ伏せにした状態で撮影することで取得された大腸を表すボリュームデータとにおいて、視点位置を合わせて仮想内視鏡表示を実行していた。
【0004】
上記特許文献1に記載されている視点位置を一致させる方法について、図5を参照して説明する。図5は、従来技術において、被検体の体位を変えて撮影を行うことで取得された大腸領域を表す画像を模式的に示す図である。
【0005】
(1)まず、X線CT装置を用いて、被検体の体位を撮影ごとに変えて、被検体の体位を各体位にした状態で大腸を撮影することで、各体位における大腸を表わすボリュームデータを取得する。図5に示す例では、被検体を仰向けにした状態(Supine)で撮影することで、仰向け状態における大腸を表すボリュームデータ800を取得し、被検体をうつ伏せにした状態(Prone)で撮影することで、うつ伏せ状態における大腸を表すボリュームデータ900を取得する。
【0006】
(2)次に、仰向け状態で取得されたボリュームデータ800に基づいて、3次元的な芯線810を抽出する。同様に、うつ伏せ状態で取得されたボリュームデータ900に基づいて、3次元的な芯線910を抽出する。1例として、大腸の中心を通る中心線を芯線として抽出する。
【0007】
(3)次に、各体位における芯線の始点を設定し、芯線に沿って始点からの距離を求める。例えば、大腸における肛門の位置を始点として、芯線に沿って肛門(始点)からの距離を求める。図5に示す例の場合、芯線810の端部の特徴点820を肛門の位置として、特徴点820を始点に設定する。そして、芯線810に沿って始点(特徴点820)からの距離Lを求める。さらに、3次元の直交座標系(x、y、z)を定義し、距離Lと芯線810のx軸上の座標位置xとの関係を曲線で表すグラフ(L−x)、距離Lと芯線810のy軸上の座標位置yとの関係を曲線で表すグラフ(L−y)、及び、距離Lと芯線810のz軸上の座標位置zとの関係を曲線で表すグラフ(L−z)を求める。同様に、芯線910の端部の特徴点920を肛門の位置として、特徴点920を始点に設定する。そして、芯線910に沿って始点(特徴点920)からの距離Lを求める。さらに、距離Lと芯線910のx軸上の座標位置xとの関係を曲線で表すグラフ(L−x)、距離Lと芯線910のy軸上の座標位置yとの関係を曲線で表すグラフ(L−y)、及び、距離Lと芯線910のz軸上の座標位置zとの関係を曲線で表すグラフ(L−z)を求める。
【0008】
(4)次に、(3)で求められた各グラフにおいて、各座標位置x、y、zがピークを形成する距離を求める。具体的には、グラフ(L−x)を対象にして、座標位置xを距離Lで微分することで、座標位置xがピークを形成する距離L1xを求める。同様に、グラフ(L−y)を対象にして、座標位置yを距離Lで微分することで、座標位置yがピークを形成する距離L1yを求める。同様に、グラフ(L−z)を対象にして、座標位置zを距離Lで微分することで、座標位置zがピークを形成する距離L1zを求める。また、グラフ(L−x)を対象にして、座標位置xを距離Lで微分することで、座標位置xがピークを形成する距離L2xを求める。同様に、グラフ(L−y)を対象にして、座標位置yを距離Lで微分することで、座標位置yがピークを形成する距離L2yを求める。同様に、グラフ(L−z)を対象にして、座標位置zを距離Lで微分することで、座標位置zがピークを形成する距離L2zを求める。
【0009】
そして、座標位置xがピークを形成する距離L1xと、座標位置yがピークを形成する距離L1yと、座標位置zがピークを形成する距離L1zとが一致する芯線810上の点を、芯線810における特徴点(大腸の形状が変化している点)として定義する。この方法によって、芯線810上の特徴点821〜824を、大腸の形状が変化している点として定義する。同様に、座標位置xがピークを形成する距離L2xと、座標位置yがピークを形成する距離L2yと、座標位置zがピークを形成する距離L2zとが一致する芯線910上の点を、芯線910における特徴点(大腸の形状が変化している点)として定義する。これにより、芯線910上の特徴点921〜924を、大腸の形状が変化している点として定義する。また、芯線810において、始点として設定された特徴点820とは反対側の端部の点を終点(特徴点825)として定義する。同様に、芯線910において、始点として設定された特徴点920とは反対側の端部の点を終点(特徴点925)として定義する。
【0010】
(5)次に、仰向け状態で取得されたボリュームデータ800における特徴点820〜825と、うつ伏せ状態で取得されたボリュームデータ900における特徴点920〜925とを対応付ける。例えば、始点として設定された特徴点820及び特徴点920は同じ位置にある特徴点であるとして、特徴点820と特徴点920とを対応付ける。また、芯線810に沿って特徴点820の次の特徴点821と、芯線910に沿って次の特徴点921とは、同じ位置にある特徴点であるとして、特徴点821と特徴点921とを対応付ける。同様に、特徴点822と特徴点922とを対応付け、特徴点823と特徴点923とを対応付け、特徴点824と特徴点924とを対応付け、特徴点825と特徴点925とを対応付ける。このようにして、大腸の形状が変化している点(特徴点)の位置を、仰向け状態で取得されたボリュームデータ800と、うつ伏せ状態で取得されたボリュームデータ900とで対応付ける。
【0011】
そして、仰向け状態で取得されたボリュームデータ800と、うつ伏せ状態で取得されたボリュームデータ900とにおいて、視点位置を合わせて仮想内視鏡表示を行う。例えば、ボリュームデータ800において、芯線810に沿って特徴点821から特徴点822まで視点を移動させながら、特徴点821と特徴点822との間の各位置における大腸の内部を仮想内視鏡表示する。一方、ボリュームデータ900においても、芯線910に沿って、特徴点821に対応する特徴点921から、特徴点822に対応する特徴点922に向かって視点を移動させながら、特徴点921と特徴点922との間の各位置における大腸の内部を仮想内視鏡表示する。このようにして、仰向け状態で取得されたボリュームデータ800と、うつ伏せ状態で取得されたボリュームデータ900とにおいて、視点位置を合わせて仮想内視鏡表示を行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】米国特許第7224827号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
しかしながら、上記特許文献1に記載の方法によると、仰向け状態における大腸の長さと、うつ伏せ状態における大腸の長さとで差がある場合に、その差分に相当する領域については、視点位置を合わせて仮想内視鏡表示することが困難である。例えば、ボリュームデータ800においては、特徴点821と特徴点822との間の距離が60cmであり、ボリュームデータ900においては、特徴点921と特徴点922との間の距離が65cmであった場合について説明する。すなわち、ボリュームデータ900に表わされている大腸の方が、ボリュームデータ800に表わされている大腸よりも、対応する区間(特徴点821(921)〜特徴点822(922))において5cm長い場合について説明する。この場合、ボリュームデータ800については、特徴点821(0cm地点)から特徴点822(60cm地点)まで芯線810に沿って視点を移動させながら、特徴点821(0cm地点)と特徴点822(60cm地点)との間の各座標位置における大腸の内部を仮想内視鏡表示する。すなわち、0cmから60cmまでの領域を対象にして仮想内視鏡表示を行う。
【0014】
一方、ボリュームデータ900については、特徴点921(0cm地点)から特徴点922(65cm地点)に向かって芯線910に沿って視点を移動させながら、特徴点921(0cm地点)と特徴点922(65cm地点)との間の各座標位置における大腸の内部を仮想内視鏡を行う。この場合において、仰向け状態で取得されたボリュームデータ800と、うつ伏せ状態で取得されたボリュームデータ900とにおいて、視点位置を合わせて0cm地点から60cm地点まで仮想内視鏡表示を行おうとすると、ボリュームデータ900については、60cmの地点(仮想点930)までしか、仮想内視鏡表示を行わないことになる。つまり、ボリュームデータ800については、特徴点821(0cm地点)から特徴点822(60cm地点)までの区間すべてを対象にして仮想内視鏡表示が行われるが、ボリュームデータ900については、その区間に対応するのは、特徴点921(0cm地点)から仮想点930(60cm地点)までの区間であるため、特徴点921(0cm地点)から仮想点930(60cm地点)までの区間についてのみ仮想内視鏡表示を行うことになる。
【0015】
従って、仰向け状態で取得されたボリュームデータ800と、うつ伏せ状態で取得されたボリュームデータ900とで、視点位置を合わせて仮想内視鏡表示を行う場合、うつ伏せ状態で取得されたボリュームデータ900については、60cmから65cmまでの領域において、仰向け状態で取得されたボリュームデータ800に対応させて仮想内視鏡表示が行われないことになる。その結果、従来技術に係る方法では、仰向け状態で取得されたボリュームデータ800に対応させて、うつ伏せ状態で取得されたボリュームデータ900において表示されない領域が発生することになる。そのことにより、被検体の体位を各体位にした状態で大腸を撮影して、各体位で取得されたボリュームデータにおいて視点位置を合わせて仮想内視鏡表示を行う場合に、いずれかのボリュームデータにおいて観察されない領域が発生するおそれがあった。つまり、大腸を仮想内視鏡表示で観察する場合に、その観察において見落としが発生するおそれがあった。
【0016】
この発明は上記の問題を解決するものであり、被検体の体位を撮影ごとに変えて同じ撮影対象を撮影することで取得された各体位における画像データについて、視点位置を合わせて仮想内視鏡表示を行う場合に、各体位における画像データにおいて、観察されない領域の発生を抑制することが可能な医用画像処理装置、医用画像処理プログラム、及びX線CT装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
請求項1に記載の発明は、管状組織がそれぞれ異なる状態で表わされた第1ボリュームデータと第2ボリュームデータとを受けて、前記第1ボリュームデータから前記管状組織の第1芯線を抽出し、前記第2ボリュームデータから前記管状組織の第2芯線を抽出する芯線抽出手段と、前記第1芯線が表す前記管状組織の形状に基づいて前記管状組織の第1の特徴点を特定し、前記第2芯線が表す前記管状組織の形状に基づいて前記管状組織の第2の特徴点を特定する特定手段と、前記第1芯線上に設定された始点から前記第1の特徴点までの距離と、前記第2芯線上に設定された始点から前記第2の特徴点までの距離との差が、予め設定された所定距離以内に含まれる前記第1の特徴点と前記第2の特徴点とを対応付ける対応付け手段と、隣り合う前記第1の特徴点間の距離を規格化し、隣り合う前記第2の特徴点間の距離を規格化し、前記規格化された隣り合う前記第1の特徴点の間の第1区間と、前記第1の特徴点と対応付けられた隣り合う前記第2の特徴点の間の第2区間とにおいて、前記規格化された距離が同じ位置にそれぞれ視点を設定し、前記第1ボリュームデータと前記第2ボリュームデータとに対してボリュームレンダリングを施すことで、前記第1ボリュームデータに基づく前記管状組織の内部を表す第1の3次元画像データと前記第2ボリュームデータに基づく前記管状組織の内部を表す第2の3次元画像データとを生成する画像生成手段と、前記第1の3次元画像データに基づく第1の3次元画像と、前記第2の3次元画像データに基づく第2の3次元画像とを並べて表示手段に表示させる表示制御手段と、を有することを特徴とする医用画像処理装置である。
また、請求項6に記載の発明は、コンピュータに、管状組織がそれぞれ異なる状態で表わされた第1ボリュームデータと第2ボリュームデータとを受けて、前記第1ボリュームデータから前記管状組織の第1芯線を抽出し、前記第2ボリュームデータから前記管状組織の第2芯線を抽出する芯線抽出機能と、前記第1芯線が表す前記管状組織の形状に基づいて前記管状組織の第1の特徴点を特定し、前記第2芯線が表す前記管状組織の形状に基づいて前記管状組織の第2の特徴点を特定する特定機能と、前記第1芯線上に設定された始点から前記第1の特徴点までの距離と、前記第2芯線上に設定された始点から前記第2の特徴点までの距離との差が、予め設定された所定距離以内に含まれる前記第1の特徴点と前記第2の特徴点とを対応付ける対応付け機能と、隣り合う前記第1の特徴点間の距離を規格化し、隣り合う前記第2の特徴点間の距離を規格化し、前記規格化された隣り合う前記第1の特徴点の間の第1区間と、前記第1の特徴点と対応付けられた隣り合う前記第2の特徴点の間の第2区間とにおいて、前記規格化された距離が同じ位置にそれぞれ視点を設定し、前記第1ボリュームデータと前記第2ボリュームデータとに対してボリュームレンダリングを施すことで、前記第1ボリュームデータに基づく前記管状組織の内部を表す第1の3次元画像データと前記第2ボリュームデータに基づく前記管状組織の内部を表す第2の3次元画像データとを生成する画像生成機能と、前記第1の3次元画像データに基づく第1の3次元画像と、前記第2の3次元画像データに基づく第2の3次元画像とを並べて表示手段に表示させる表示制御機能と、を実行させることを特徴とする医用画像処理プログラムである。
また、請求項7に記載の発明は、管状組織を有する被検体の体位を第1体位にした状態で前記被検体を撮影することで、前記第1体位における前記被検体を表す第1ボリュームデータを取得し、前記被検体の体位を前記第1体位とは異なる第2体位にした状態で前記被検体を撮影することで、前記第2体位における前記被検体を表す第2ボリュームデータを取得する画像取得手段と、前記第1ボリュームデータから前記管状組織の第1芯線を抽出し、前記第2ボリュームデータから前記管状組織の第2芯線を抽出する芯線抽出手段と、前記第1芯線が表す前記管状組織の形状に基づいて前記管状組織の第1の特徴点を特定し、前記第2芯線が表す前記管状組織の形状に基づいて前記管状組織の第2の特徴点を特定する特定手段と、前記第1芯線上に設定された始点から前記第1の特徴点までの距離と、前記第2芯線上に設定された始点から前記第2の特徴点までの距離との差が、予め設定された所定距離以内に含まれる前記第1の特徴点と前記第2の特徴点とを対応付ける対応付け手段と、隣り合う前記第1の特徴点間の距離を規格化し、隣り合う前記第2の特徴点間の距離を規格化し、前記規格化された隣り合う前記第1の特徴点の間の第1区間と、前記第1の特徴点と対応付けられた隣り合う前記第2の特徴点の間の第2区間とにおいて、前記規格化された距離が同じ位置にそれぞれ視点を設定し、前記第1ボリュームデータと前記第2ボリュームデータとに対してボリュームレンダリングを施すことで、前記第1ボリュームデータに基づく前記管状組織の内部を表す第1の3次元画像データと前記第2ボリュームデータに基づく前記管状組織の内部を表す第2の3次元画像データとを生成する画像生成手段と、前記第1の3次元画像データに基づく第1の3次元画像と、前記第2の3次元画像データに基づく第2の3次元画像とを並べて表示手段に表示させる表示制御手段と、を有することを特徴とするX線CT装置である。
【発明の効果】
【0018】
この発明によると、第1区間の距離と、その第1区間に対応する第2区間の距離とを規格化し、第1区間と第2区間とにおいて、規格化された距離が同じ位置にそれぞれ視点を設定して、第1ボリュームデータと第2ボリュームデータとに対してボリュームレンダリングを施すことで、第1ボリュームデータと第2ボリュームデータとで、それぞれ対応する位置における3次元画像データを生成して表示することが可能となる。そのことにより、第1区間の長さと第2区間の長さとが異なっていても、第1区間及び第2区間の全体に亘って3次元画像データを生成して表示することが可能となる。その結果、管状組織がそれぞれ異なる状態で表わされた第1の3次元画像と第2の3次元画像とにおいて、管状組織の観察における見落としの発生を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】この発明の実施形態に係る医用画像処理装置を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施形態において、被検体の体位を変えて撮影を行うことで取得された大腸領域を表す画像を模式的に示す図である。
【図3】この発明の実施形態に係る医用画像処理装置によって、大腸の形状が変化している箇所を特定する処理を説明するためのグラフである。
【図4】この発明の実施形態に係る医用画像処理装置によって、大腸の形状が変化している箇所を特定する処理を説明するためのグラフである。
【図5】従来技術において、被検体の体位を変えて撮影を行うことで取得された大腸領域を表す画像を模式的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
この発明の実施形態に係る医用画像処理装置について、図1を参照して説明する。図1は、この発明の実施形態に係る医用画像処理装置を示すブロック図である。
【0021】
この発明の実施形態に係る医用画像処理装置1は、画像データ記憶部2、芯線抽出部3、グラフ作成部4、特徴点特定部5、対応付け部6、画像生成部7、表示制御部9、及び表示部10を備えている。また、医用画像処理装置1は、医用画像診断装置50に接続されている。
【0022】
(医用画像診断装置50)
医用画像診断装置50は例えばX線CT装置やMRI装置であり、被検体を撮影することで、撮影対象を3次元的に表わすボリュームデータを取得する。例えば、医用画像診断装置50としてX線CT装置を用いて、被検体の体位を撮影ごとに変えて、被検体の大腸(管状組織)を撮影することで、各体位における大腸領域を含む組織を3次元的に表すボリュームデータを取得する。この実施形態では、1例として、医用画像診断装置50によって、被検体を仰向けにした状態(Supine)で撮影することで、仰向け状態における大腸領域を含む組織を表すボリュームデータを取得する。また、医用画像診断装置50によって、被検体をうつ伏せにした状態(Prone)で撮影することで、うつ伏せ状態における大腸領域を含む組織を表すボリュームデータを取得する。なお、仰向け状態の体位が、この発明の「第1体位」の1例に相当し、うつ伏せ状態の体位が、この発明の「第2体位」の1例に相当する。また、仰向け状態におけるボリュームデータが、この発明の「第1ボリュームデータ」の1例に相当し、うつ伏せ状態におけるボリュームデータが、この発明の「第2ボリュームデータ」の1例に相当する。
【0023】
医用画像診断装置50は、各体位におけるボリュームデータを医用画像処理装置1に出力する。この実施形態では、医用画像診断装置50は、仰向け状態における大腸領域を含む組織を表すボリュームデータと、うつ伏せ状態における大腸領域を含む組織を表すボリュームデータとを医用画像処理装置1に出力する。
【0024】
(画像データ記憶部2)
画像データ記憶部2は、医用画像診断装置50から画像データを受けて、その画像データを記憶する。この実施形態では、画像データ記憶部2は、仰向け状態で取得された大腸領域を含む組織を表すボリュームデータと、うつ伏せ状態で取得された大腸領域を含む組織を表すボリュームデータとを記憶する。なお、画像データ記憶部2は、ハードディスクやメモリなどの記憶装置によって構成されている。
【0025】
(芯線抽出部3)
芯線抽出部3は、大腸領域を含む組織を表わすボリュームデータを画像データ記憶部2から読み込んで、大腸領域を含む組織を表すボリュームデータから、大腸領域を3次元的に表すボリュームデータを抽出する。この実施形態では、芯線抽出部3は、仰向け状態で取得された大腸領域を含む組織を表すボリュームデータから、仰向け状態における大腸領域を表すボリュームデータを抽出する。また、芯線抽出部3は、うつ伏せ状態における大腸領域を含む組織を表すボリュームデータから、うつ伏せ状態における大腸領域を含む組織を表すボリュームデータを抽出する。大腸領域を表すボリュームデータを抽出方法は、公知の抽出方法を採用することができる。例えば、芯線抽出部3は、ボリュームデータを形成する画素の画素値について閾値処理を実行することで、大腸に相当する画像領域(大腸領域)を抽出する。閾値処理で用いる閾値は、医用画像処理装置1に設けられている図示しない記憶装置に予め記憶させておけば良い。
【0026】
ここで、大腸領域を表す画像について、図2を参照して説明する。図2は、この発明の実施形態において、被検体の体位を変えて撮影を行うことで取得された大腸領域を表す画像を模式的に示す図である。例えば図2に示すように、芯線抽出部3は、仰向け状態(Supine)における大腸領域を表すボリュームデータ100と、うつ伏せ状態(Prone)における大腸領域を表すボリュームデータ200とをそれぞれ抽出する。
【0027】
さらに、芯線抽出部3は、仰向け状態で取得されたボリュームデータ100に基づいて、3次元的な芯線110を抽出する。同様に、芯線抽出部3は、うつ伏せ状態で取得されたボリュームデータ200に基づいて、3次元的な芯線210を抽出する。1例として、芯線抽出部3は、大腸領域の中心を通る中心線を芯線として、芯線110と芯線210とを抽出する。例えば、特開2006−246941号公報に記載の方法や、特開2004−230086号公報に記載の方法によって、大腸領域を表すボリュームデータから芯線を抽出することができる。なお、大腸領域において、途絶している領域がある場合には、芯線抽出部3は、その途絶している区間を直線で繋げることで芯線を抽出する。そして、芯線抽出部3は、仰向け状態における芯線110の座標情報と、うつ伏せ状態における芯線210の座標情報とを、グラフ作成部4と画像生成部7とに出力する。なお、芯線110が、この発明の「第1芯線」の1例に相当し、芯線210が、この発明の「第2芯線」の1例に相当する。また、芯線抽出部3が、この発明の「芯線抽出手段」の1例に相当する。
【0028】
(グラフ作成部4)
グラフ作成部4は、始点設定部41と距離算出部42とを備えている。グラフ作成部4は、芯線抽出部3によって抽出された芯線の座標情報に基づいて、芯線上の各座標位置と芯線の長さとの関係を曲線で表すグラフを作成する。以下、グラフ作成部4の詳細を説明する。
【0029】
(始点設定部41)
始点設定部41は、芯線抽出部3によって抽出された各体位における芯線に対して、始点を設定する。図2に示す例の場合、始点設定部41は、芯線110の端部の位置にある特徴点120を始点として設定する。同様に、始点設定部41は、芯線210の端部にある特徴点220を始点として設定する。なお、特徴点120及び特徴点220は、大腸における肛門の位置に相当する。このように、始点設定部41は、芯線110と芯線210とにおいて、同じ位置に始点を設定する。例えば、始点設定部41は、芯線110において特徴点120を始点に設定した場合、特徴点120の座標位置と、芯線210における特徴点220及び特徴点225の座標位置とを比べて、座標位置が特徴点120と比較的近い特徴点を、芯線210における始点として設定する。座標位置が比較的近い場合には、芯線210において特徴点120と同じ位置を示していると推定されるからである。図2に示す例の場合、特徴点220の座標位置が特徴点120の座標位置と比較的近いため、始点設定部41は、特徴点220を芯線210における始点に設定する。なお、始点設定部41は、芯線110において、特徴点120とは反対側の端部にある特徴点125を始点として設定し、芯線210において、特徴点220とは反対側の端部にある特徴点225を始点として設定しても良い。または、始点設定部41は、図示しない操作部によって操作者が指定した点を始点として設定しても良い。
【0030】
(距離算出部42)
距離算出部42は、各体位における芯線に沿って始点からの距離を求める。具体的には、距離算出部42は、仰向け状態における芯線110に沿って、始点設定部41によって設定された始点(特徴点120)からの距離Lを求める。同様に、距離算出部42は、うつ伏せ状態における芯線210に沿って、始点設定部41によって設定された始点(特徴点220)からの距離Lを求める。
【0031】
以上のように距離L及び距離Lが求められると、グラフ作成部4は、芯線上の各座標位置と芯線の長さ(距離L、距離L)との関係を曲線で表すグラフを作成する。具体的には、グラフ作成部4は、3次元の直交座標系(x、y、z)を定義し、距離Lと芯線110のx軸上の座標位置xとの関係を曲線で表すグラフ(L−x)を求める。同様に、グラフ作成部4は、距離Lと芯線110のy軸上の座標位置yとの関係を曲線で表すグラフ(L−y)を求め、距離Lと芯線110のz軸上の座標位置zとの関係を曲線で表すグラフ(L−z)を求める。また、グラフ作成部4は、距離Lと芯線210のx軸上の座標位置xとの関係を曲線で表すグラフ(L−x)、距離Lと芯線210のy軸上の座標位置yとの関係を曲線で表すグラフ(L−y)、及び、距離Lと芯線210のz軸上の座標位置zとの関係を曲線で表すグラフ(L−z)を求める。
【0032】
グラフ作成部4によって作成された各グラフを図3及び図4に示す。図3及び図4は、この発明の実施形態に係る医用画像処理装置によって、大腸の形状が変化している箇所を特定する処理を説明するためのグラフである。図3には、距離Lと芯線110の各軸の座標位置との関係を示すグラフが示されている。また、図4には、距離Lと芯線210の各軸の座標位置との関係を示すグラフが示されている。
【0033】
図3において、グラフ300は、距離Lとx軸上の座標位置xとの関係を曲線で表すグラフ(L−x)であり、グラフ310は、距離Lとy軸上の座標位置yとの関係を曲線で表すグラフ(L−y)であり、グラフ320は、距離Lとz軸上の座標位置zとの関係を曲線で表すグラフ(L−z)である。一方、図4において、グラフ400は、距離Lとx軸上の座標位置xとの関係を曲線で表すグラフ(L−x)であり、グラフ410は、距離Lとy軸上の座標位置yとの関係を曲線で表すグラフ(L−y)であり、グラフ420は、距離Lとz軸上の座標位置zとの関係を曲線で表すグラフ(L−z)である。
【0034】
以上のようにして、グラフ作成部4は、仰向け状態における芯線110に基づいて、各軸上の座標位置と距離Lとの関係を曲線で表すグラフを作成し、また、うつ伏せ状態における芯線210に基づいて、各軸上の座標位置と距離Lとの関係を曲線で表すグラフを作成する。そして、グラフ作成部4は、各グラフの曲線を示す情報を特徴点特定部5に出力する。なお、グラフ300、310、320が、この発明の「第1グラフ」の1例に相当し、グラフ300、310、320にそれぞれ表わされた曲線が、この発明の「第1曲線」に相当する。また、グラフ400、410、420が、この発明の「第2グラフ」の1例に相当し、グラフ400、410、420にそれぞれ表わされた曲線が、この発明の「第2曲線」に相当する。また、グラフ作成部4が、この発明の「グラフ作成手段」の1例に相当する。
【0035】
(特徴点特定部5)
特徴点特定部5は、微分処理部51と、個別ピーク点特定部52と、個別変化点特定部55と、形状変化点特定部58とを備えている。特徴点特定部5は、グラフ作成部4によって作成されたグラフが表す曲線に基づいて、大腸の形状が変化している箇所(特徴点)を特定する。例えば、特徴点特定部5は、各グラフが表す曲線のピーク点を特定し、そのピーク点を大腸の形状が変化している箇所(特徴点)として定義する。また、特徴点特定部5は、各グラフが表す曲線の傾きの変化量が予め設定された閾値以上となっている点を、大腸の形状が変化している箇所(特徴点)として定義する。以下、特徴点特定部5の各部について説明する。
【0036】
(微分処理部51)
微分処理部51は、グラフ作成部4によって作成された各グラフが表す曲線を示す情報を受けて、各グラフが表す曲線に対して距離による微分処理を行う。この実施形態では、微分処理部51は、各グラフが表す曲線に対して距離による1次微分と2次微分とを行う。そして、微分処理部51は、微分処理によって得られた1次微分値と2次微分値とを、個別ピーク点特定部52と個別変化点特定部55とに出力する。
【0037】
例えば、微分処理部51は、距離Lとx軸上の座標位置xとの関係を曲線で表すグラフ300に対して、距離Lによる1次微分処理と2次微分処理とを行い、1次微分値と2次微分値とを個別ピーク点特定部52と個別変化点特定部55とに出力する。同様に、微分処理部51は、距離Lとy軸上の座標位置yとの関係を曲線で表すグラフ310に対して、距離Lによる1次微分処理と2次微分処理とを行い、1次微分値と2次微分値とを個別ピーク点特定部52と個別変化点特定部55とに出力する。同様に、微分処理部51は、距離Lとz軸上の座標位置zとの関係を曲線で表すグラフ320に対して、距離Lによる1次微分処理と2次微分処理とを行い、1次微分値と2次微分値とを個別ピーク点特定部52と個別変化点特定部55とに出力する。また、微分処理部51は、距離Lとx軸上の座標位置xとの関係を曲線で表すグラフ400に対して、距離Lによる1次微分処理と2次微分処理とを行い、1次微分値と2次微分値とを個別ピーク点特定部52と個別変化点特定部55とに出力する。同様に、微分処理部51は、距離Lとy軸上の座標位置yとの関係を曲線で表すグラフ410に対して、距離Lによる1次微分処理と2次微分処理とを行い、1次微分値と2次微分値とを個別ピーク点特定部52と個別変化点特定部55とに出力する。同様に、微分処理部51は、距離Lとz軸上の座標位置zとの関係を曲線で表すグラフ420に対して、距離Lによる1次微分処理と2次微分処理とを行い、1次微分値と2次微分値とを個別ピーク点特定部52と個別変化点特定部55とに出力する。
【0038】
(個別ピーク点特定部52)
個別ピーク点特定部52は、ピーク点特定部53とピーク点推定部54とを備えている。個別ピーク点特定部52は、各グラフの1次微分値と2次微分値とを微分処理部51から受けて、各グラフが表す曲線において座標位置x、y、zがそれぞれピークを形成するピーク点(グラフの傾きの符号が変化する点)を特定する。
【0039】
(ピーク点特定部53)
ピーク点特定部53は、各グラフが表す曲線において、2次微分値が「0」となる点をピーク点として特定する。具体的には、ピーク点特定部53は、グラフ300が表す曲線の2次微分値が「0」となる点301(L1xa、X1a)をピーク点として特定する。また、ピーク点特定部53は、グラフ300が表す曲線の2次微分値が「0」となる点303をピーク点として特定する。同様に、ピーク点特定部53は、グラフ310が表す曲線の2次微分値が「0」となる点311(L1ya、Y1a)をピーク点として特定する。同様に、ピーク点特定部53は、グラフ320が表す曲線の2次微分値が「0」となる点321(L1za、Z1a)をピーク点として特定する。このように、ピーク点特定部53は、仰向け状態における大腸の長さ(距離L)と、座標位置x、y、zとの関係に基づいて、仰向け状態において座標位置x、y、zのそれぞれがピークを形成するピーク点を特定する。
【0040】
さらに、ピーク点特定部53は、グラフ400が表す曲線の2次微分値が「0」となる点401(L2xa、X2a)をピーク点として特定する。また、ピーク点特定部53は、グラフ400が表す曲線の2次微分値が「0」となる点403をピーク点として特定する。同様に、ピーク点特定部53は、グラフ410が表す曲線の2次微分値が「0」となる点411(L2ya、Y2a)をピーク点として特定する。同様に、ピーク点特定部53は、グラフ420が表す曲線の2次微分値が「0」となる点421(L2za、Z2a)をピーク点として特定する。このように、ピーク点特定部53は、うつ伏せ状態における大腸の長さ(距離L)と、座標位置x、y、zとの関係に基づいて、うつ伏せ状態において座標位置x、y、zのそれぞれがピークを形成するピーク点を特定する。
【0041】
(ピーク点推定部54)
一方、ピーク点推定部54は、各グラフが表す曲線の2次微分値が予め設定された第1閾値以下となる距離の範囲を特定し、その距離の範囲において中心となる距離の点をピーク点として推定する。例えば、各グラフが表す曲線において明確なピーク点を特定することが困難な場合には、ピーク点推定部54によって各グラフが表す曲線のピーク点を推定すれば良い。具体的には、ピーク点推定部54は、グラフ300が表す曲線の2次微分値が第1閾値以下となる距離の範囲ΔLを特定し、その距離の範囲ΔLにおいて中心となる距離L1xaの点301(L1xa、X1a)をピーク点として推定する。同様に、ピーク点推定部54は、グラフ310が表す曲線の2次微分値が第1閾値以下となる距離の範囲ΔLを特定し、その距離の範囲ΔLにおいて中心となる距離L1yaの点311(L1ya、Y1a)をピーク点として推定する。同様に、ピーク点推定部54は、グラフ320が表す曲線の2次微分値が第1閾値以下となる距離の範囲ΔLを特定し、その距離の範囲ΔLにおいて中心となる距離L1zaの点321(L1za、Z1a)をピーク点として推定する。このように、ピーク点推定部54は、仰向け状態における大腸の長さ(距離L)と、座標位置x、y、zとの関係に基づいて、座標位置x、y、zのそれぞれがピークを形成するピーク点を推定する。
【0042】
さらに、ピーク点推定部54は、グラフ400が表す曲線の2次微分値が第1閾値以下となる距離の範囲ΔLを特定し、その距離の範囲ΔLにおいて中心となる距離L2xaの点401(L2xa、X2a)をピーク点として推定する。同様に、ピーク点推定部54は、グラフ410が表す曲線の2次微分値が第1閾値以下となる距離の範囲ΔLを特定し、その距離の範囲ΔLにおいて中心となる距離L2yaの点411(L2ya、Y2a)をピーク点として推定する。同様に、ピーク点推定部54は、グラフ420が表す曲線の2次微分値が第1閾値以下となる距離の範囲ΔLを特定し、その距離の範囲ΔLにおいて中心となる距離L2zaの点421(L2za、Z2a)をピーク点として推定する。このように、ピーク点推定部54は、うつ伏せ状態における大腸の長さ(距離L)と、座標位置x、y、zとの関係に基づいて、座標位置x、y、zのそれぞれがピークを形成するピーク点を推定する。なお、第1閾値、距離の範囲ΔL、及び距離の範囲ΔLは、経験的に求められる値であり、図示しない記憶部に予め記憶されている。
【0043】
この実施形態においては、ピーク点特定部53によって2次微分値が「0」となる点をピーク点として特定しても良いし、ピーク点推定部54によってピーク点を推定しても良い。以上のようにして、各座標位置x、y、zのそれぞれがピークを形成するピーク点が特定又は推定されると、個別ピーク点特定部52は、各ピーク点の距離と座標位置とを示す情報を形状変化点特定部58に出力する。すなわち、個別ピーク点特定部52は、仰向け状態における座標位置x、y、zのそれぞれのピーク点の距離と座標位置とを示す情報を形状変化点特定部58に出力する。具体的には、個別ピーク点特定部52は、点301(L1xa、X1a)を示す情報、点311(L1ya、Y1a)を示す情報、及び点321(L1za、Z1a)を示す情報を形状変化点特定部58に出力する。また、個別ピーク点特定部52は、うつ伏せ状態における座標位置x、y、zのそれぞれのピーク点の距離と座標位置とを示す情報を形状変化点特定部58に出力する。具体的には、個別ピーク点特定部52は、点401(L2xa、X2a)を示す情報、点411(L2ya、Y2a)を示す情報、及び点421(L2za、Z2a)を示す情報を形状変化点特定部58に出力する。
【0044】
(個別変化点特定部55)
個別変化点特定部55は、変化点特定部56と変化点推定部57とを備えている。個別変化点特定部55は、各グラフの1次微分値と2次微分値を微分処理部51から受けて、各グラフの傾きの変化量が閾値以上となっている箇所を、大腸の形状が変化している箇所(変化点)として定義する。
【0045】
(変化点特定部56)
変化点特定部56は、各グラフが表す曲線において、1次微分値の変化量が大きい点を大腸の形状が変化している箇所(変化点)として定義する。例えば、変化点特定部56は、各グラフが表す曲線において、2次微分値がピークを形成する点を特定する。具体的には、変化点特定部56は、グラフ300が表す曲線の2次微分値がピークを形成する点302(L1xb、X1b)を特定する。同様に、変化点特定部56は、グラフ310が表す曲線の2次微分値がピークを形成する点312(L1yb、Y1b)を特定する。同様に、変化点特定部56は、グラフ320が表す曲線の2次微分値がピークを形成する点322(L1zb、Z1b)を特定する。このように、変化点特定部56は、仰向け状態における大腸の長さ(距離L)と、座標位置x、y、zとの関係に基づいて、仰向け状態における大腸の形状(芯線の形状)が変化している箇所(変化点)を特定する。
【0046】
さらに、変化点特定部56は、グラフ400が表す曲線の2次微分値がピークを形成する点402(L2xb、X2b)を特定する。同様に、変化点特定部56は、グラフ410が表す曲線の2次微分値がピークを形成する点412(L2yb、Y2b)を特定する。同様に、変化点特定部56は、グラフ420が表す曲線の2次微分値がピークを形成する点422(L2zb、Z2b)を特定する。このように、変化点特定部56は、うつ伏せ状態における大腸の長さ(距離L)と、座標位置x、y、zとの関係に基づいて、うつ伏せ状態における大腸の形状(芯線の形状)が変化している箇所(変化点)を特定する。
【0047】
(変化点推定部57)
一方、変化点推定部57は、各グラフが表す曲線の傾きの変化量が予め設定された第2閾値以上となる距離の範囲を特定し、その距離の範囲において中心となる距離の箇所を、大腸の形状が変化している箇所(変化点)として推定する。具体的には、変化点推定部57は、各グラフが表す曲線の2次微分値が予め設定された第2閾値以上となる距離の範囲を特定し、その距離の範囲において中心となる距離の箇所を、大腸の形状が変化している箇所(変化点)として推定する。例えば、各グラフにおいて明確な変化点を特定することが困難な場合には、変化点推定部57によって各グラフが表す曲線の変化点を推定すれば良い。具体的には、変化点推定部57は、グラフ300が表す曲線の2次微分値が第2閾値以上となる距離の範囲ΔLを特定し、その距離の範囲ΔLにおいて中心となる距離L1xbの点302(L1xb、X1b)を変化点として推定する。同様に、変化点推定部57は、グラフ310が表す曲線の2次微分値が第2閾値以上となる距離の範囲ΔLを特定し、その距離の範囲ΔLにおいて中心となる距離L1ybの点312(L1yb、Y1b)を変化点として推定する。同様に、変化点推定部57は、グラフ320が表す曲線の2次微分値が第2閾値以上となる距離の範囲ΔLを特定し、その距離の範囲ΔLにおいて中心となる距離L1zbの点322(L1zb、Z1b)を変化点として推定する。このように、変化点推定部57は、仰向け状態における大腸の長さ(距離L1)と、座標位置x、y、zとの関係に基づいて、仰向け状態における大腸の形状(芯線の形状)が変化している箇所(変化点)を推定する。
【0048】
さらに、変化点推定部57は、グラフ400が表す曲線の2次微分値が第2閾値以上となる距離の範囲ΔLを特定し、その距離の範囲ΔLにおいて中心となる距離L2xbの点402(L2xb、X2b)を変化点として推定する。同様に、変化点推定部57は、グラフ410が表す曲線の2次微分値が第2閾値以上となる距離の範囲ΔLを特定し、その距離の範囲ΔLにおいて中心となる距離L2ybの点412(L2yb、Y2b)を変化点として推定する。同様に、変化点推定部57は、グラフ420が表す曲線の2次微分値が第2閾値以上となる距離の範囲ΔLを特定し、その距離の範囲ΔLにおいて中心となる距離L2zbの点422(L2zb、Z2b)を変化点として推定する。このように、変化点推定部57は、うつ伏せ状態における大腸の長さ(距離L)と、座標位置x、y、zとの関係に基づいて、うつ伏せ状態における大腸の形状(芯線の形状)が変化している箇所(変化点)を推定する。なお、第2閾値、距離の範囲ΔL、及び距離の範囲ΔLは、経験的に求められる値であり、図示しない記憶部に予め記憶されている。
【0049】
この実施形態においては、変化点特定部56によって2次微分値がピークを形成する点を変化点として特定しても良いし、変化点推定部57によって変化点を推定しても良い。以上のように、変化点が特定又は推定されると、個別変化点特定部55は、各変化点の距離と座標位置とを示す情報を形状変化点特定部58に出力する。すなわち、個別変化点特定部55は、仰向け状態における変化点の距離と座標位置とを示す情報を形状変化点特定部58に出力する。具体的には、個別変化点特定部55は、点302(L1xb、X1b)を示す情報、点312(L1yb、Y1b)を示す情報、点322(L1zb、Z1b)を示す情報を形状変化点特定部58に出力する。また、個別変化点特定部55は、うつ伏せ状態における変化点の距離と座標位置とを示す情報を形状変化点特定部58に出力する。具体的には、個別変化点特定部55は、点402(L2xb、X2b)を示す情報、点412(L2yb、Y2b)を示す情報、及び点422(L2zb、Z2b)を示す情報を形状変化点特定部58に出力する。
【0050】
(形状変化点特定部58)
形状変化点特定部58は、個別ピーク点特定部52によって求められた各座標軸(x、y、z)のピーク点に基づいて、3次元空間において大腸の形状が変化している箇所(特徴点)を特定する。すなわち、形状変化点特定部58は、仰向け状態における各座標軸のピーク点に基づいて、仰向け状態において大腸の形状が変化している箇所(特徴点)を特定する。また、形状変化点特定部58は、うつ伏せ状態における各座標軸のピーク点に基づいて、うつ伏せ状態において大腸の形状が変化している箇所(特徴点)を特定する。
【0051】
例えば、形状変化点特定部58は、ピーク点の距離が3つの座標軸で一致している座標位置(x、y、z)を、3次元空間における大腸の特徴点として特定する。例えば、形状変化点特定部58は、仰向け状態における座標位置xのピーク点の距離L1xa、座標位置yのピーク点の距離L1ya、及び座標位置zのピーク点の距離L1zaが一致している場合に(距離L1xa=距離L1ya=距離L1za)、その距離L1xaの座標位置(X1a、Y1a、Z1a)を、3次元空間において大腸の形状が変化している特徴点として特定する。また、形状変化点特定部58は、ピーク点の距離が2つの座標軸で一致している場合に、その一致している距離の座標位置(x、y、z)を、3次元空間において大腸の形状が変化している特徴点として特定する。例えば、形状変化点特定部58は、仰向け状態における座標位置xのピーク点の距離L1xaと、座標位置yのピーク点の距離L1yaとが一致している場合に(距離L1xa=距離L1ya)、その距離L1xaの座標位置(X1a、Y1a、z)を、3次元空間において大腸の形状が変化している特徴点として特定する。
【0052】
同様に、形状変化点特定部58は、うつ伏せ状態における座標位置xのピーク点の距離L2xa、座標位置yのピーク点の距離L2ya、及び座標位置zのピーク点の距離L2zaが一致している場合(距離L2xa=距離L2ya=距離L2za)、その距離L2xaの座標位置(X2a、Y2a、Z2a)を、3次元空間において大腸の形状が変化している特徴点として特定する。また、形状変化点特定部58は、うつ伏せ状態における座標位置xのピーク点の距離L2xaと、座標位置yのピーク点の距離L2yaとが一致している場合に(距離L2xa=距離L2ya)、その距離L2xaの座標位置(X2a、Y2a、z)を、3次元空間において大腸の形状が変化している特徴点として特定しても良い。
【0053】
また、形状変化点特定部58は、ピーク点の距離が3つの座標軸で一致していない場合であっても、3つの座標軸におけるピーク点の距離が予め設定された所定距離の範囲内に含まれている場合に、3つの座標軸におけるピーク点の距離の平均距離を算出し、その平均距離の座標位置(x、y、z)を、3次元空間における大腸の特徴点として定義しても良い。例えば、形状変化点特定部58は、3つの座標軸におけるピーク点の距離の差を求め、その距離の差が予め設定された距離差ΔL以内となる場合に、3つの座標軸におけるピーク点の距離の平均距離を求め、その平均距離の座標位置(x、y、z)を大腸の特徴点として定義する。なお、距離差ΔLは、経験的に求められる値であり、図示しない記憶部に予め記憶されている。
【0054】
1例として、仰向け状態における座標位置xのピーク点の距離L1xa、座標位置yのピーク点の距離L1ya、及び座標位置zのピーク点の距離L1zaが一致していない場合について説明する。この場合、形状変化点特定部58は、距離L1xa、距離L1ya、及び距離L1zaのそれぞれの差を求める。そして、形状変化点特定部58は、その距離の差が予め設定された距離差ΔL以内となる場合に、距離L1xa、距離L1ya、及び距離L1zaの平均距離を求め、その平均距離の座標位置(x、y、z)を仰向け状態における大腸の特徴点として定義する。また、うつ伏せ状態における座標位置xのピーク点の距離L2xa、座標位置yのピーク点の距離L2ya、及び座標位置zのピーク点の距離L2zaが一致していない場合も、形状変化点特定部58は、距離L2xa、距離L2ya、及び距離L2zaのそれぞれの差を求める。そして、形状変化点特定部58は、その距離の差が予め設定された距離差ΔL以内となる場合に、距離L2xa、距離L2ya、及び距離L2zaの平均距離を求め、その平均距離の座標位置(x、y、z)をうつ伏せ状態における大腸の特徴点として定義する。
【0055】
また、形状変化点特定部58は、2つの座標軸におけるピーク点の距離の差を求め、その距離の差が予め設定された距離差ΔL以内となる場合に、その2つの座標軸におけるピーク点の距離の平均距離を求め、その平均距離の座標位置(x、y、z)を大腸の特徴点として定義しても良い。
【0056】
例えば、形状変化点特定部58は、仰向け状態における距離L1xa、距離L1ya、及び距離L1zaのそれぞれの差を求める。そして、形状変化点特定部58は、距離L1xaと距離L1yaとの差が予め設定された距離差ΔL以内となる場合に、距離L1xaと距離L1yaとの平均距離を求め、その平均距離の座標位置(x、y、z)を仰向け状態における大腸の特徴点として定義しても良い。同様に、形状変化点特定部58は、うつ伏せ状態における距離L2xa、距離L2ya、及び距離L2zaのそれぞれの差を求める。そして、形状変化点特定部58は、距離L2xaと距離L2yaとの差が予め設定された距離差ΔL以内となる場合に、距離L2xaと距離L2yaとの平均距離を求め、その平均距離の座標位置(x、y、z)をうつ伏せ状態における大腸の特徴点として定義しても良い。
【0057】
また、形状変化点特定部58は、個別変化点特定部55によって求められた各座標軸(x、y、z)の変化点に基づいて、3次元空間において大腸の形状が変化している特徴点を特定する。すなわち、形状変化点特定部58は、仰向け状態における各座標軸の変化点に基づいて、仰向け状態において大腸の形状が変化している特徴点を特定する。また、形状変化点特定部58は、うつ伏せ状態における各座標軸の変化点に基づいて、うつ伏せ状態において大腸の形状が変化している特徴点を特定する。
【0058】
例えば、形状変化点特定部58は、変化点の距離が3つの座標軸で一致している座標位置(x、y、z)を、3次元空間における大腸の特徴点として定義する。例えば、形状変化点特定部58は、仰向け状態における座標位置xの変化点の距離L1xb、座標位置yの変化点の距離L1yb、及び座標位置zの変化点の距離L1zbが一致している場合に(距離L1xb=距離L1yb=距離L1zb)、その距離L1xbの座標位置(X1b、Y1b、Z1b)を、3次元空間において大腸の形状が変化している特徴点として定義する。また、形状変化点特定部58は、変化点の距離が2つの座標軸で一致している場合に、その一致している距離の座標位置(x、y、z)を、3次元空間において大腸の形状が変化している特徴点として定義しても良い。例えば、形状変化点特定部58は、仰向け状態における座標位置xの変化点の距離L1xbと、座標位置yの変化点の距離L1ybとが一致している場合に(距離L1xb=距離L1yb)、その距離L1xbの座標位置(X1b、Y1b、z)を、3次元空間において大腸の形状が変化している特徴点として定義する。
【0059】
同様に、形状変化点特定部58は、うつ伏せ状態における座標位置xの変化点の距離L2xb、座標位置yの変化点の距離L2yb、及び座標位置zの変化点の距離L2zbが一致している場合(距離L2xb=距離L2yb=距離L2zb)、その距離L2xbの座標位置(X2b、Y2b、Z2b)を、3次元空間において大腸の形状が変化している特徴点として定義する。また、形状変化点特定部58は、うつ伏せ状態における座標位置xの変化点の距離L2xbと、座標位置yの変化点の距離L2ybとが一致している場合に(距離L2xb=距離L2yb)、その距離L2xbの座標位置(X2b、Y2b、z)を、3次元空間において大腸の形状が変化している特徴点として定義しても良い。
【0060】
また、形状変化点特定部58は、変化点の距離が3つの座標軸で一致していない場合であっても、3つの座標軸における変化点の距離が予め設定された所定距離の範囲内に含まれている場合に、3つの座標軸における変化点の距離の平均距離を算出し、その平均距離の座標位置(x、y、z)を、3次元空間における大腸の特徴点として定義しても良い。例えば、形状変化点特定部58は、3つの座標軸における変化点の距離の差を求め、その距離の差が予め設定された距離差ΔL以内となる場合に、3つの座標軸における変化点の距離の平均距離を求め、その平均距離の座標位置(x、y、z)を大腸の特徴点として定義する。
【0061】
1例として、仰向け状態における座標位置xの変化点の距離L1xb、座標位置yの変化点の距離L1yb、及び座標位置zの変化点の距離L1zaが一致していない場合について説明する。この場合、形状変化点特定部58は、距離L1xb、距離L1yb、及び距離L1zbのそれぞれの差を求める。そして、形状変化点特定部58は、その距離の差が予め設定された距離差ΔL以内となる場合に、距離L1xb、距離L1yb、及び距離L1zbの平均距離を求め、その平均距離の座標位置(x、y、z)を仰向け状態における大腸の特徴点として定義する。また、うつ伏せ状態における座標位置xの変化点の距離L2xb、座標位置yの変化点の距離L2yb、及び座標位置zの変化点の距離L2zbが一致していない場合も、形状変化点特定部58は、距離L2xb、距離L2yb、及び距離L2zbのそれぞれの差を求める。そして、形状変化点特定部58は、その距離の差が予め設定された距離差ΔL以内となる場合に、距離L2xb、距離L2yb、及びL2zbの平均距離を求め、その平均距離の座標位置(x、y、z)をうつ伏せ状態における大腸の特徴点として定義する。
【0062】
また、形状変化点特定部58は、2つの座標軸における変化点の距離の差を求め、その距離の差が予め設定された距離差ΔL以内となる場合に、その2つの座標軸における変化点の距離の平均距離を求め、その平均距離の座標位置(x、y、z)を大腸の特徴点として定義しても良い。
【0063】
例えば、形状変化点特定部58は、仰向け状態における距離L1xb、距離L1yb、及び距離L1zbのそれぞれの差を求める。そして、形状変化点特定部58は、距離L1xbと距離L1ybとの差が予め設定された距離差ΔL以内となる場合に、距離L1xbと距離L1ybとの平均距離を求め、その平均距離の座標位置(x、y、z)を仰向け状態における大腸の特徴点として定義しても良い。同様に、形状変化点特定部58は、うつ伏せ状態における距離L2xb、距離L2yb、及び距離L2zbのそれぞれの差を求める。そして、形状変化点特定部58は、距離L2xbと距離L2ybとの差が予め設定された距離差ΔL以内となる場合に、距離L2xbと距離L2ybとの平均距離を求め、その平均距離の座標位置(x、y、z)をうつ伏せ状態における大腸の特徴点として定義しても良い。
【0064】
以上のようにして、特徴点特定部5は、大腸の形状が変化している特徴点を、異なる体位で取得されたボリュームデータについてそれぞれ求める。この実施形態では、特徴点特定部5は、大腸の形状が変化している特徴点を、仰向け状態のボリュームデータとうつ伏せ状態のボリュームデータとについてそれぞれ求める。そして、特徴点特定部5は、仰向け状態における大腸の特徴点の位置を示す位置情報と、うつ伏せ状態における大腸の特徴点の位置を示す位置情報とを対応付け部6に出力する。特徴点の位置を示す位置情報には、3次元直交座標系で表わされる座標情報(位置x、位置y、位置z)と、芯線の始点からの距離とが含まれている。
【0065】
特徴点特定部5によって特定された特徴点について、図2を参照して説明する。仰向け状態におけるボリュームデータ100については、特徴点121、特徴点122、特徴点123、及び特徴点124が、特徴点特定部5によって特定された特徴点である。なお、ボリュームデータ100において、特徴点120は、始点設定部41にて設定された芯線110の始点であり、特徴点125は芯線110の終点である。また、うつ伏せ状態におけるボリュームデータ200については、特徴点221、特徴点222、特徴点223、及び特徴点224が、特徴点特定部5によって特定された特徴点である。なお、ボリュームデータ200において、特徴点220は、始点設定部41にて設定された芯線210の始点であり、特徴点225は芯線210の終点である。
【0066】
この実施形態においては、特徴点特定部5は、仰向け状態における特徴点120、特徴点121、特徴点122、特徴点123、特徴点124、及び特徴点125の位置を示す位置情報(xyzの座標情報と始点からの距離とを含む情報)と、うつ伏せ状態における特徴点220、特徴点221、特徴点222、特徴点223、特徴点224、及び特徴点225の位置を示す位置情報とを、対応付け部6に出力する。なお、仰向け状態における特徴点120、特徴点121、特徴点122、特徴点123、特徴点124、及び特徴点125が、この発明の「第1の特徴点」の1例に相当する。また、うつ伏せ状態における特徴点220、特徴点221、特徴点222、特徴点223、特徴点224、及び特徴点225が、この発明の「第2の特徴点」の1例に相当する。また、特徴点特定部5が、この発明の「特徴点特定手段」の1例に相当する。また、グラフ作成部4と特徴点特定部5とによって、この発明の「特定手段」の1例を構成する。
【0067】
(対応付け部6)
対応付け部6は、異なる体位における大腸の特徴点を、異なる体位同士で対応付ける。この実施形態では、対応付け部6は、仰向け状態における大腸の特徴点と、うつ伏せ状態における大腸の特徴点とを対応付ける。具体的には、対応付け部6は、仰向け状態における特徴点の位置情報に含まれる始点からの距離と、うつ伏せ状態における特徴点の位置情報に含まれる始点からの距離とを比べて、仰向け状態における特徴点の距離とうつ伏せ状態における特徴点の距離との差が、予め設定された距離差ΔL以内に含まれる特徴点同士を対応付ける。仰向け状態における特徴点の距離と、うつ伏せ状態における特徴点の距離の差が、距離差ΔL以内であれば、2つの特徴点は大腸において同一部位の位置を示していると考えられるため、対応付け部6は、距離の差が距離差ΔL以内となる2つの特徴点同士を対応付ける。なお、距離差ΔLは、経験的に求められる値であり、図示しない記憶部に予め記憶されている。
【0068】
例えば図2に示すように、対応付け部6は、仰向け状態における特徴点121と、うつ伏せ状態における特徴点221とを対応付ける。すなわち、芯線110に沿って始点(特徴点120)から特徴点121までの距離と、芯線210に沿って始点(特徴点220)から特徴点221までの距離との差が、距離差ΔL以内となっているため、対応付け部6は、特徴点121と特徴点221とを対応付ける。同様に、対応付け部6は、仰向け状態における特徴点122と、うつ伏せ状態における特徴点222とを対応付ける。また、対応付け部6は、仰向け状態における特徴点123と、うつ伏せ状態における特徴点223とを対応付ける。また、対応付け部6は、仰向け状態における特徴点124と、うつ伏せ状態における特徴点224とを対応付ける。また、対応付け部6は、仰向け状態における特徴点125と、うつ伏せ状態における特徴点225とを対応付ける。対応付け部6は、特徴点の対応関係を示す対応情報を作成する。1例として、対応付け部6は、仰向け状態における特徴点121と、うつ伏せ状態における特徴点221とが対応していることを示す対応情報を作成する。
【0069】
そして、対応付け部6は、仰向け状態における各特徴点の位置を示す位置情報と、うつ伏せ状態における各特徴点の位置を示す位置情報と、特徴点の対応関係を示す対応情報とを、画像生成部7に出力する。なお、対応付け部6が、この発明の「対応付け手段」の1例に相当する。
【0070】
(画像生成部7、規格化部8)
画像生成部7は、規格化部8を備えている。規格化部8は、同じ体位における各特徴点について、互いに隣り合う特徴点の間の距離を規格化する。すなわち、規格化部8は、芯線に沿って互いに隣り合う特徴点の間の距離を規格化することで、特徴点間の全体の距離を100%として、一方の特徴点を距離が0%の地点とし、他方の特徴点を距離が100%の地点とする。具体的には、規格化部8は、仰向け状態における各特徴点の位置を示す位置情報に基づいて、互いに隣り合う特徴点の間の距離を規格化する。同様に、規格化部8は、うつ伏せ状態における各特徴点の位置を示す位置情報に基づいて、互いに隣り合う特徴点の間の距離を規格化する。
【0071】
例えば図2に示すように、規格化部8は、仰向け状態における特徴点121と特徴点122との間の第1区間について、芯線110に沿った距離を規格化する。すなわち、規格化部8は、特徴点121と特徴点122との間の全体の距離を100%とし、特徴点121を距離が0%の地点とし、特徴点122を距離が100%の地点とする。また、規格化部8は、うつ伏せ状態における特徴点221と特徴点222との間の第2区間について、芯線210に沿った距離を規格化する。すなわち、規格化部8は、特徴点221と特徴点222との間の全体の距離を100%とし、特徴点221を距離が0%の地点とし、特徴点222を距離が100%の地点とする。
【0072】
画像生成部7は、ボリュームデータを画像データ記憶部2から読み出して、そのボリュームデータにボリュームレンダリングを施すことで、組織を立体的に表す表示用の3次元画像データを生成する。この実施形態では、画像生成部7は、ボリュームデータに対していわゆる透視投影法に従ったボリュームレンダリングを施すことで、組織の内腔を仮想内視鏡的に表す3次元画像データを生成する。このような透視投影法によれば、血管、腸、気管支などの管状組織を内面から観察しているかのような3次元画像データを生成することができる。
【0073】
画像生成部7は、仰向け状態におけるボリュームデータ100を画像データ記憶部2から読み出して、芯線110上に視点を設定して、ボリュームデータ100に対して透視投影法に従ったボリュームレンダリングを施すことで、その視点から見て大腸の内部を仮想内視鏡的に表す3次元画像データ(パースペクティブ画像データ)を生成する。これにより、仰向け状態における大腸の内腔を3次元的に表す画像データが生成される。同様に、画像生成部7は、うつ伏せ状態におけるボリュームデータ200を画像データ記憶部2から読み出して、芯線210上に視点を設定して、ボリュームデータ200に対して透視投影法に従ったボリュームレンダリングを施すことで、その視点から見て大腸の内部を仮想内視鏡的に表す3次元画像データを生成する。これにより、うつ伏せ状態における大腸の内腔を3次元的に表す画像データが生成される。
【0074】
例えば、画像生成部7は、仰向け状態におけるボリュームデータ100を対象にして、特徴点121から特徴点122まで芯線110に沿って視点130を移動させながら、各視点130において透視投影法に従ったボリュームレンダリングを実行することで、各視点130から見て大腸の内部を仮想内視鏡的に表す3次元画像データを生成する。また、画像生成部7は、うつ伏せ状態におけるボリュームデータ200を対象にして、特徴点121に対応する特徴点221から、特徴点122に対応する特徴点222まで芯線210に沿って視点230を移動させながら、各視点230において透視投影法に従ったボリュームレンダリングを実行することで、各視点230から見て大腸の内部を仮想内視鏡的に表す3次元画像データを生成する。
【0075】
仰向け状態において互いに隣り合う特徴点間の距離は規格化部8によって規格化され、うつ伏せ状態において互いに隣り合う特徴点間の距離は規格化部8によって規格化されている。上記の例では、特徴点121から特徴点122までの第1区間の長さが規格化され、その第1区間に対応する特徴点221から特徴点222までの第2区間の長さが規格化されている。画像生成部7は、特徴点121から特徴点122までの規格化された第1区間と、特徴点221から特徴点222までの規格化された第2区間とにおいて、それぞれ規格化された距離(距離の比率)が同じ位置に視点を設定して、ボリュームデータ100とボリュームデータ200とに対して透視投影法に従ったボリュームレンダリングを施すことで、仰向け状態における3次元画像データとうつ伏せ状態における3次元画像データとを生成する。
【0076】
例えば図2に示すように、画像生成部7は、特徴点121と特徴点122との間の第1区間において全体の50%の距離の地点に視点130を設定した場合、特徴点221と特徴点22との間の第2区間において全体の50%の距離の地点に視点230を設定する。このように、画像生成部7は、ボリュームデータ100とボリュームデータ200とにおいて、それぞれ規格化された距離(距離の比率)が同じ位置に視点を設定して、透視投影法に従ったボリュームレンダリングを実行することで、仰向け状態とうつ伏せ状態とでそれぞれ対応する位置における3次元画像データを生成する。
【0077】
また、画像生成部7は、特徴点121と特徴点122との間の区間において、全体の0%の距離の地点(特徴点121)に視点130を設定した場合、特徴点221と特徴点222との間の第1区間において、全体の0%の距離の地点(特徴点221)に視点230を設定する。そして、画像生成部7は、視点130を芯線110に沿って特徴点121から特徴点122に向けて移動させながら、各視点130において透視投影法に従ったボリュームレンダリングを実行することで、各視点130から見て大腸の内部を仮想内視鏡的に表す3次元画像データを生成する。また、画像生成部7は、視点130の移動に合わせて、特徴点221と特徴点222との間の第2区間において、特徴点121と特徴点122との間の第1区間における視点130の位置と規格化された距離(距離の比率)が同じ位置に視点230を設定して、各視点230において透視投影法に従ったボリュームレンダリングを実行することで、各視点230から見て大腸の内部を仮想内視鏡的に表す3次元画像データを生成する。
【0078】
以上のように、画像生成部7は、仰向け状態におけるボリュームデータ100とうつ伏せ状態におけるボリュームデータ200とを対象にして、特徴点が対応する第1区間と第2区間とにおいて、区間内の距離の比率(規格化された距離)がそれぞれ同じ位置に視点を設定して、ボリュームデータ100とボリュームデータ200とに透視投影法に従ったボリュームレンダリングを施すことで、仰向け状態における3次元画像データとうつ伏せ状態における3次元画像データとを生成する。そして、画像生成部7は、仰向け状態における大腸の内部を仮想内視鏡的に表す3次元画像データと、うつ伏せ状態における大腸の内部を仮想内視鏡的に表す3次元画像データとを表示制御部9に出力する。なお、画像生成部7が、この発明の「画像生成手段」の1例に相当する。また、仰向け状態における3次元画像データが、この発明の「第1の3次元画像データ」の1例に相当し、うつ伏せ状態における3次元画像データが、この発明の「第2の3次元画像データ」の1例に相当する。
【0079】
(表示制御部9、表示部10)
表示制御部9は、3次元画像データを画像生成部7から受けて、仰向け状態における3次元画像とうつ伏せ状態における3次元画像とを並べて表示部10に表示させる。例えば、表示制御部9は、仰向け状態における特徴点121から特徴点122までの第1区間内に設定された各視点130における3次元画像(パースペクティブ画像)と、うつ伏せ状態における特徴点221から特徴点222までの第2区間内に設定された各視点230における3次元画像(パースペクティブ画像)とを、視点ごとに順次、表示部10に表示させる。なお、表示制御部9が、この発明の「表示制御手段」の1例に相当する。
【0080】
この実施形態によると、特徴点121から特徴点122までの第1区間と、特徴点221から特徴点222までの第2区間とにおいて、規格化された距離(距離の比率)が同じ位置にそれぞれ視点が設定されているため、第1区間の長さと第2区間の長さとが異なっていても、第1区間及び第2区間の全体に亘って3次元画像データを生成して、3次元画像を表示することが可能となる。そのことにより、仰向け状態における3次元画像とうつ伏せ状態における3次元画像とにおいて、大腸(管状組織)の観察における見落としの発生を抑制することが可能となる。その結果、見落とされた箇所を探すための作業を軽減することが可能となるため、診断時間の短縮を図ることが可能となる。
【0081】
なお、芯線抽出部3、グラフ作成部4、特徴点特定部5、対応付け部6、画像生成部7、及び表示制御部9は、それぞれ図示しないCPUと、ROM、RAM、HDDなどの記憶装置とによって構成されていても良い。記憶装置には、芯線抽出部3の機能を実行するための芯線抽出プログラムと、グラフ作成部4の機能を実行するためのグラフ作成プログラムと、特徴点特定部5の機能を実行するための特徴点特定プログラムと、対応付け部6の機能を実行するための対応付けプログラムと、画像生成部7の機能を実行するための画像生成プログラムと、表示制御部9の機能を実行するための表示制御プログラムとが記憶されている。また、グラフ作成プログラムには、始点設定部41の機能を実行するための始点設定プログラムと、距離算出部42の機能を実行するための距離算出プログラムとが含まれている。また、特徴点特定プログラムには、微分処理部51の機能を実行するための微分処理プログラムと、個別ピーク点特定部52の機能を実行するための個別ピーク点特定プログラムと、個別変化点特定部55の機能を実行するための個別変化点特定プログラムと、形状変化点特定部58の機能を実行するための形状変化点特定プログラムとが含まれている。また、個別ピーク点特定プログラムには、ピーク点特定部53の機能を実行するためのピーク点特定プログラムと、ピーク点推定部54の機能を実行するためのピーク点推定プログラムとが含まれている。また、個別変化点特定プログラムには、変化点特定部56の機能を実行するための変化点特定プログラムと、変化点推定部57の機能を実行するための変化点推定プログラムとが含まれている。また、画像生成プログラムには、規格化部8の機能を実行するための規格化プログラムが含まれている。そして、CPUが各プログラムを実行することで、各部の機能を実行する。なお、芯線抽出プログラムと、グラフ作成プログラムと、特徴点特定プログラムと、対応付けプログラムと、画像生成プログラムと、表示制御プログラムとによって、この発明の「画像処理プログラム」の1例を構成する。
【0082】
また、医用画像診断装置50に医用画像処理装置1を含ませても良い。例えば、医用画像診断装置50としてX線CT装置を用い、そのX線CT装置に医用画像処理装置1を含ませても良い。X線CT装置は、X線を曝射するX線管球と、被検体を間にしてX線管球と対向して配置されたX線検出器と、再構成処理部とを備え、X線管球からX線を曝射しながらX線管球とX線検出器とを被検体の周りで回転させることで、X線投影データを収集する。そして、再構成処理部は、収集されたX線投影データを再構成することで、被検体を表すボリュームデータを生成する。なお、X線管球、X線検出器、及び再構成部によって、この発明の「画像取得手段」の1例を構成する。
【0083】
この実施形態では、X線CT装置は、被検体を仰向けにした状態で大腸を撮影することで、仰向け状態における大腸を表すボリュームデータを生成する。また、X線CT装置は、被検体をうつ伏せにした状態で大腸を撮影することで、うつ伏せ状態における大腸を表すボリュームデータを生成する。そして、X線CT装置に含まれる医用画像処理装置1によって、仰向け状態における大腸の特徴点とうつ伏せ状態における大腸の特徴点とを特定し、仰向け状態における大腸の特徴点とうつ伏せ状態における大腸の特徴点とを対応付ける。さらに、X線CT装置に含まれる医用画像処理装置1によって、同じ体位において互いに隣り合う特徴点間の距離を規格化し、規格化された区間内において、仰向け状態とうつ伏せ状態とで規格化された距離(距離の比率)が同じ位置にそれぞれ視点を設定して、仰向け状態におけるボリュームデータとうつ伏せ状態におけるボリュームデータとに対して、透視投影法に従ったボリュームレンダリングを施すことで、仰向け状態における3次元画像データとうつ伏せ状態における3次元画像データとを生成する。このように、仰向け状態とうつ伏せ状態とにおいて、規格化された距離(距離の比率)が同じ位置に視点を設定して3次元画像データを生成しているため、仰向け状態における3次元画像とうつ伏せ状態における3次元画像とにおいて、大腸(管状組織)の観察における見落としの発生を抑制することが可能となる。
【符号の説明】
【0084】
1 医用画像処理装置
2 画像データ記憶部
3 芯線抽出部
4 グラフ作成部
5 特徴点特定部
6 対応付け部
7 画像生成部
8 規格化部
9 表示制御部
10 表示部
41 始点設定部
42 距離算出部
51 微分処理部
52 個別ピーク点特定部
53 ピーク点特定部
54 ピーク点推定部
55 個別変化点特定部
56 変化点特定部
57 変化点推定部
58 形状変化点特定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
管状組織がそれぞれ異なる状態で表わされた第1ボリュームデータと第2ボリュームデータとを受けて、前記第1ボリュームデータから前記管状組織の第1芯線を抽出し、前記第2ボリュームデータから前記管状組織の第2芯線を抽出する芯線抽出手段と、
前記第1芯線が表す前記管状組織の形状に基づいて前記管状組織の第1の特徴点を特定し、前記第2芯線が表す前記管状組織の形状に基づいて前記管状組織の第2の特徴点を特定する特定手段と、
前記第1芯線上に設定された始点から前記第1の特徴点までの距離と、前記第2芯線上に設定された始点から前記第2の特徴点までの距離との差が、予め設定された所定距離以内に含まれる前記第1の特徴点と前記第2の特徴点とを対応付ける対応付け手段と、
隣り合う前記第1の特徴点間の距離を規格化し、隣り合う前記第2の特徴点間の距離を規格化し、前記規格化された隣り合う前記第1の特徴点の間の第1区間と、前記第1の特徴点と対応付けられた隣り合う前記第2の特徴点の間の第2区間とにおいて、前記規格化された距離が同じ位置にそれぞれ視点を設定し、前記第1ボリュームデータと前記第2ボリュームデータとに対してボリュームレンダリングを施すことで、前記第1ボリュームデータに基づく前記管状組織の内部を表す第1の3次元画像データと前記第2ボリュームデータに基づく前記管状組織の内部を表す第2の3次元画像データとを生成する画像生成手段と、
前記第1の3次元画像データに基づく第1の3次元画像と、前記第2の3次元画像データに基づく第2の3次元画像とを並べて表示手段に表示させる表示制御手段と、
を有することを特徴とする医用画像処理装置。
【請求項2】
前記芯線抽出手段は、前記管状組織を有する被検体の体位を第1体位にした状態で前記被検体が撮影されることで取得された前記第1体位における前記被検体を表すボリュームデータを前記第1ボリュームデータとして受け、前記被検体の体位を前記第1体位とは異なる第2体位にした状態で前記被検体が撮影されることで取得された前記第2体位における前記被検体を表すボリュームデータを前記第2ボリュームデータとして受けて、前記第1ボリュームデータから前記管状組織の前記第1芯線を抽出し、前記第2ボリュームデータから前記管状組織の前記第2芯線を抽出し、
前記特定手段は、
前記第1芯線上に始点を設定し、前記第1芯線上の位置と前記第1芯線に沿った前記始点からの距離との関係を第1曲線で表した第1グラフと、前記第2芯線上に始点を設定し、前記第2芯線上の位置と前記第2芯線に沿った前記始点からの距離との関係を第2曲線で表した第2グラフとを求めるグラフ作成手段と、
前記第1曲線の傾きに基づいて前記第1曲線の特徴点を前記第1の特徴点として特定し、前記第2曲線の傾きに基づいて前記第2曲線の特徴点を前記第2の特徴点として特定する特徴点特定手段と、を有し、
前記画像生成手段は、前記第1ボリュームデータと前記第2ボリュームデータとに対してボリュームレンダリングを施すことで、前記第1体位における前記管状組織の内部を表す前記第1の3次元画像データと前記第2体位における前記管状組織の内部を表す前記第2の3次元画像データとを生成することを特徴とする請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項3】
前記特徴点特定手段は、前記第1曲線の傾きに基づいて前記第1曲線のピーク点を前記第1の特徴点として特定し、前記第2曲線の傾きに基づいて前記第2曲線のピーク点を前記第2の特徴点として特定することを特徴とする請求項2に記載の医用画像処理装置。
【請求項4】
前記特徴点特定手段は、前記第1曲線を前記第1芯線における距離によって2次微分することで得られた2次微分値が、予め設定された第1閾値以下となる前記第1芯線上の位置を前記第1の特徴点として特定し、前記第2曲線を前記第2芯線における距離によって2次微分することで得られた2次微分値が、前記第1閾値以下となる前記第2芯線上の位置を前記第2の特徴点として特定することを特徴とする請求項2に記載の医用画像処理装置。
【請求項5】
前記特徴点特定手段は、前記第1曲線の傾きの変化量が予め設定された第2閾値以上となる前記第1芯線上の位置を前記第1の特徴点として特定し、前記第2曲線の傾きの変化量が前記第2閾値以上となる前記第2芯線上の位置を前記第2の特徴点として特定することを特徴とする請求項2に記載の医用画像処理装置。
【請求項6】
コンピュータに、
管状組織がそれぞれ異なる状態で表わされた第1ボリュームデータと第2ボリュームデータとを受けて、前記第1ボリュームデータから前記管状組織の第1芯線を抽出し、前記第2ボリュームデータから前記管状組織の第2芯線を抽出する芯線抽出機能と、
前記第1芯線が表す前記管状組織の形状に基づいて前記管状組織の第1の特徴点を特定し、前記第2芯線が表す前記管状組織の形状に基づいて前記管状組織の第2の特徴点を特定する特定機能と、
前記第1芯線上に設定された始点から前記第1の特徴点までの距離と、前記第2芯線上に設定された始点から前記第2の特徴点までの距離との差が、予め設定された所定距離以内に含まれる前記第1の特徴点と前記第2の特徴点とを対応付ける対応付け機能と、
隣り合う前記第1の特徴点間の距離を規格化し、隣り合う前記第2の特徴点間の距離を規格化し、前記規格化された隣り合う前記第1の特徴点の間の第1区間と、前記第1の特徴点と対応付けられた隣り合う前記第2の特徴点の間の第2区間とにおいて、前記規格化された距離が同じ位置にそれぞれ視点を設定し、前記第1ボリュームデータと前記第2ボリュームデータとに対してボリュームレンダリングを施すことで、前記第1ボリュームデータに基づく前記管状組織の内部を表す第1の3次元画像データと前記第2ボリュームデータに基づく前記管状組織の内部を表す第2の3次元画像データとを生成する画像生成機能と、
前記第1の3次元画像データに基づく第1の3次元画像と、前記第2の3次元画像データに基づく第2の3次元画像とを並べて表示手段に表示させる表示制御機能と、
を実行させることを特徴とする医用画像処理プログラム。
【請求項7】
管状組織を有する被検体の体位を第1体位にした状態で前記被検体を撮影することで、前記第1体位における前記被検体を表す第1ボリュームデータを取得し、前記被検体の体位を前記第1体位とは異なる第2体位にした状態で前記被検体を撮影することで、前記第2体位における前記被検体を表す第2ボリュームデータを取得する画像取得手段と、
前記第1ボリュームデータから前記管状組織の第1芯線を抽出し、前記第2ボリュームデータから前記管状組織の第2芯線を抽出する芯線抽出手段と、
前記第1芯線が表す前記管状組織の形状に基づいて前記管状組織の第1の特徴点を特定し、前記第2芯線が表す前記管状組織の形状に基づいて前記管状組織の第2の特徴点を特定する特定手段と、
前記第1芯線上に設定された始点から前記第1の特徴点までの距離と、前記第2芯線上に設定された始点から前記第2の特徴点までの距離との差が、予め設定された所定距離以内に含まれる前記第1の特徴点と前記第2の特徴点とを対応付ける対応付け手段と、
隣り合う前記第1の特徴点間の距離を規格化し、隣り合う前記第2の特徴点間の距離を規格化し、前記規格化された隣り合う前記第1の特徴点の間の第1区間と、前記第1の特徴点と対応付けられた隣り合う前記第2の特徴点の間の第2区間とにおいて、前記規格化された距離が同じ位置にそれぞれ視点を設定し、前記第1ボリュームデータと前記第2ボリュームデータとに対してボリュームレンダリングを施すことで、前記第1ボリュームデータに基づく前記管状組織の内部を表す第1の3次元画像データと前記第2ボリュームデータに基づく前記管状組織の内部を表す第2の3次元画像データとを生成する画像生成手段と、
前記第1の3次元画像データに基づく第1の3次元画像と、前記第2の3次元画像データに基づく第2の3次元画像とを並べて表示手段に表示させる表示制御手段と、
を有することを特徴とするX線CT装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−24913(P2011−24913A)
【公開日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−175877(P2009−175877)
【出願日】平成21年7月28日(2009.7.28)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】