説明

医用画像化手順の一部として造影剤を調剤する前に患者の腎臓機能を評価するための、医用画像化システム、調剤システム、方法およびコンピュータプログラム製品

医用画像化手順の一部として、生物学的流体化学成分を分析するための、医用画像化システム、調剤システム、方法およびコンピュータプログラム製品が提供される。本発明のシステムは、医用画像化手順の一部として注入され得る造影剤を、血管系から安全に処理し、かつクリアーする患者の能力を示す特定なコンポーネントの存在に対して生物学的流体サンプルを分析するよう構成される生物学的流体分析器(130)を提供する。生物学的流体化学成分を分析するための、医用画像化システム、調剤システムおよび方法がさらに、医用画像化手順および/または医用画像化室(100)の一部として提供され、注入される造影剤を安全にクリアーする患者の能力を、リアルタイムで決定することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般的に、造影剤の注入を必要とする医用画像化手順の前の、患者の生物学的流体化学成分の分析に関する。より詳細には、本発明は、医用画像化手順において使用される造影剤の注入の前に、患者においてありえる腎臓機能における欠損を示す生物学的流体化学成分危険因子の分析に関する。本発明は、造影剤の注入の前に、患者においてありえる腎臓機能における欠損を示す生物学的流体化学成分危険因子を分析するための医用画像化室に統合され得る、システム、方法および装置を提供する。
【背景技術】
【0002】
医用画像化手順はしばしば、画像化されるべき生物学的組織の中に注入される造影剤の使用に依存し、それにより、医用画像化手順は医用画像の分析に責任のある放射線技師または他の医療職員に対して、さらに詳細な情報を提供する。造影剤はしばしば、医用画像化手順の前に、患者の血管系に注入され、それにより、患者の腎臓系はその後、患者の血流から造影剤をクリアーする仕事を課される。
【0003】
例えばX線手順のような従来のX線撮影診断画像化技術によると、X線は、ターゲット対象を通過し、下にある写真用フィルムを露光する。現像されるフィルムは、対象の放射線密度パターンの画像を提供する。放射線密度のより低いエリアは、フィルムがより黒くなり、放射線密度のより高い、骨組織は、より薄い画像を生成する。X線に対する効果的な造影剤は、体組織よりも放射線密度が低いか、あるいは放射線密度がより高いか、いずれかであり得る。放射線密度がより低い薬品は、空気および他のガスを含み、放射線密度のより高い造影材料の例は硫酸バリウム懸濁液またはヨウ素化注入可能剤である。
【0004】
コンピュータ断層撮影(CT)は、きわめて高い解像度で、ターゲット対象のX,YまたはZ軸に沿った特定の点、線または平面における対象の連続した薄い部分を画像化する能力において従来のX線撮影より優れている。しかしながら、この手順もまた、放射線密度における相違の検出に基礎づいているので、CTにおける造影剤の要件は本質的に従来のX線撮影の要件と同じである。
【0005】
身体の画像化のための磁気共鳴画像化(MRI)システムは、異なる物理学的原理で作用する。一般的に、MRIは組織が無線周波数放射で走査される場合、組織における陽子の原子特性(核共鳴)に依存する。わずかに異なる周波数で共鳴する、組織における陽子は、1つの組織を別の組織から見分けるため、コンピュータが使用する信号を生成する。MRIは詳細な3次元の軟組織画像を提供する。
【0006】
蛍光透視法画像化システムは、画像化された対象のコンポーネントの放射線密度における相違に基づいて、体内構造のX線画像をリアルタイムで提供し得る。X線手順におけるのと同様、蛍光透視法は、画像化される対象に注入され得る放射線密度のより高い造影剤の使用によって高められ得る。例えば、血管造影手順において、血管系を通る血液の経路をたどり、かつ例えば、心臓血管系における封鎖の場所を決定するために、放射線密度の高い造影剤が心臓血管系に注入され得る。
【0007】
現在、例えば、CT、MRI、超音波および/または血管造影法/蛍光透視法医用画像化手順における造影剤の調剤のために使用される注入システムは、インターフェース制御および医用画像化室内での造影剤の配剤(delivery)に限定される特徴を含む。さらに、たいていの造影剤は、画像化手順の向上のために患者の血管系に注入され、正常な腎臓機能を介して腎臓系によって生理学的にクリアーされる。患者の身体から造影剤がクリアーされる間、血清によって運ばれる造影剤は、クリアーされるまで腎臓機能に追加的な負担をかける。造影剤を使用して医用画像化手順を受ける患者が、弱まるかまたは損なわれた腎臓機能の前歴または未知の既存条件を有する場合、注入される造影剤をクリアーすることに関連する負担は腎臓および/または腎臓系の他のコンポーネントにさらなる損害を及ぼし得る。さらに、いくつかの深刻な場合、ヨウ素化造影剤をクリアーすることに関連する負担は腎臓機能全体を破壊する。
【0008】
しかしながら、血中尿素窒素(BUN)およびクレアチニンレベルが、腎臓機能および、造影剤を安全にクリアーすることのできる患者の能力を評価するための方法として測定され得る血液テストを実行することは可能である。しかしながら、例えば現存する医用画像化室における造影剤注入装置のような現在の医用画像化システムは、造影剤注入のための患者を前もって選別および/または資格付けるためのBUNおよびクレアチニンの臨床生物学的流体化学成分測定を提供しない。加えて、BUNおよびクレアチニンレベルの測定は、医用画像化室において、医用画像化手順の一部として、実質的にリアルタイムを基礎としてはなされない。
【0009】
例えば、現在の入院患者病院の現場においては、臨床化学成分実験室は通常、放射線医学課から離れた、病院の異なるエリアに位置している。従って、患者かまたは患者からの生物学的流体サンプルかいずれかが、処理のために臨床化学成分実験室へ転送されなければならない。生物学的流体サンプルが臨床実験室へ移送される場合、追加的な、瀉血専門医の時間および費用がかさむ。その後、結果は報告されなければならず、かつ実験室から放射線技師へ直接的に伝送されるかまたは最初にX線撮影試験を処方する、委託する側の医師を通して放射線技師へ間接的に伝送されるか、いずれかでなくてはならない。要するに、患者の回送ならびにBUNおよびクレアチニンに対する患者の実験室結果の伝送のロジスティック(logistics)は厄介である。外来患者放射線実行における、造影が高められるX線撮影試験を受ける前に、前もって資格付ける生物学的流体BUN/クレアチニン分析を必要とする患者にとっても同様の障害が遭遇される。この場合、臨床実験室および放射線医学事務室は、長い地理的距離的によって隔てられた個別の建物に存在し得る。
【0010】
このようにして、医用画像化手順が計画されている患者における腎臓機能を評価するため、医用画像化手順の一部として生物学的流体サンプルコンポーネントの存在を決定するための医用画像化システム、調剤システムおよび方法の必要性が存在する。医用画像化室内で利用され得る医用画像化システム、調剤システムおよび方法に対する必要性がさらに存在し、それにより、医用画像化手順の前におよび/または医用画像化手順の間に患者に調剤される造影剤の注入およびその後のクリアーによって悪化し得る、弱まったおよび/または損なわれたあり得る腎臓機能に対して、将来の(prospective)医用画像化患者が前もって選別され、好ましくはリアルタイムで選別され得るようになる。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0011】
(発明の概要)
患者に調剤される造影剤を使用して患者の画像を提供するように構成される医用画像化装置を含む医用画像化システム、患者に造影剤を調剤するように構成される調剤装置、および患者から生物学的流体サンプルを受け取りかつ分析し、生物学的流体サンプルの少なくとも1つの物質のレベルを決定するように適合されている分析装置を含む医用画像化システムを一実施形態において提供する本発明によって、上記のおよび他の必要性は満たされる。分析装置はさらに、システムのオペレータに少なくとも1つの物質のレベルについて知らせ、かつ少なくとも1つの物質のレベルが選択された範囲内である場合、造影剤を調剤することをオペレータに助言するように適合され得る。その少なくとも1つの物質は、いくつかの実施形態においては、BUN、クレアチニン、およびそれらの組み合わせを含み得、それにより、本発明のシステムおよび方法は、医用画像化手順の一部として造影剤を調剤する前に患者の腎臓機能を評価する手助けをなし得る。
【0012】
他の有利な実施形態によると、分析装置はさらに、調剤装置と通信して、少なくとも1つの物質のレベルを調剤装置へ送るように構成され得る。さらに、調剤装置は、少なくとも1つの物質のレベルを受け取り、かつ少なくとも1つの物質のレベルが選択された範囲内である場合、患者に造影剤を調剤するように構成され得る。いくつかの実施形態においては、医用画像化装置、調剤装置および分析装置は、医用画像化室内で同じ場所に位置し得、医用画像化手順の前に、医用画像化室において少なくとも1つの物質のレベルを決定し得る。
【0013】
追加的な実施形態において、分析装置はさらに、生物学的流体サンプルと流体連絡するように構成される試験装置を含み得、それにより、試験装置は、システムのオペレータに、選択された範囲に対する少なくとも1つの物質のレベルについて知らせるための視覚的なインディシアを提供し得る。別の実施形態において、分析装置はさらに、生物学的流体サンプルを受け取りかつ生物学的流体サンプルと流体連絡するように構成される試験装置、および試験装置を受け取り、試験装置と作用可能に係合し、生物学的流体サンプル中の少なくとも1つの物質のレベルを決定するように構成されるコンピュータ装置を含み得る。
【0014】
本発明のいくつかの実施形態はまた、医用画像化手順に使用される造影剤を調剤するように適合される調剤システムを提供し得る。調剤システムは、例えば、患者に造影剤を調剤するように構成される調剤装置、および患者から生物学的流体サンプルを受け取りかつ分析し、生物学的流体サンプル中の少なくとも1つの物質のレベルを決定するように適合される分析装置を含み得る。なおかつ、分析装置はさらに、システムのオペレータに少なくとも1つの物質のレベルについて知らせ、少なくとも1つの物質のレベルが選択された範囲内である場合、造影剤を調剤するようにオペレータに助言するように適合され得る。
【0015】
本発明の方法およびコンピュータプログラム製品実施形態によると、医用画像化手順の一部として造影剤を調剤する前に、患者の腎臓機能を評価する方法が提供される。方法は、患者から生物学的流体サンプルを集めるステップ、医用画像化室に位置する分析装置を使用して患者の生物学的流体サンプル中の少なくとも1つの物質のレベルを決定するステップ、医用画像化室に位置する分析装置を使用して、少なくとも1つの物質のレベルを、少なくとも1つの物質のレベルの選択された範囲と比較するステップ、およびレベルが選択された範囲内であるかどうかについて、分析装置のオペレータに知らせ、それにより、オペレータは、腎臓機能試験のために、患者および/または生物学的流体サンプルを医用画像化室の外に出す必要なく、造影剤を調剤する前に、患者の腎臓機能について知らされ得るステップを含む。
【0016】
他の方法実施形態によると、少なくとも1つの物質のレベルが選択された範囲内にあり、それにより、患者が、造影剤を調剤する前に、実質的に正常な腎臓機能に選別される場合、方法はさらに、患者に造影剤を調剤するステップを含み得る。他の方法実施形態によると、決定ステップはさらに、例えば糸球体濾過レート(GFR)の計算のような、当技術分野で公知の定量技術を使用して、例えば、患者の腎臓機能を評価する目的で生物学的流体サンプル中の血中尿素窒素(BUN)、クレアチニンまたはそれらの組み合わせのレベルを決定することを含み得る。
【0017】
そのような実施形態は、本明細書に記述され、かつ別に論じられているように重要な利点を提供する。
【0018】
このように一般的な見地から本発明を記述したので、ここで添付の図面が参照されるが、これらの図面は必ずしも一定の比率で描かれていない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】

ここで、本発明はこれから、添付の図面を参照してさらに完全に記述されるが、その図面において、本発明のいくつかの実施形態が示され、すべての実施形態が示されるわけではない。実際、これらの発明は多くの異なる形式において具体化され得、本明細書に示される実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろこれらの実施形態は、適用法の要件を本開示が満足するように提供される。同じ番号は、同じ要素を指す。
【0020】
医用画像化手順の前に患者の腎臓の機能を評価するための、医用画像化システム、調剤システムおよび方法の実施形態が、生物学的流体サンプルにおける少なくとも1つの物質のレベルを決定することを介して腎臓の機能を評価するという背景において、以下に記述されるが、本発明の実施形態が、医用画像化手順を受ける前に、造影剤の注入を安全に摂取し、および/または受けることができる患者の能力を評価するために、生物学的流体サンプルに存在し得るさまざまな物質のレベルおよび/または存在を決定するためにも利用され得ることは、理解されるべきである。本発明のシステムおよび方法実施形態は、例えば医用画像化手順の前に将来の(prospective)患者を前もって選別する際に起こり得る遅延を最小にするために、例えば医用画像化設備内で、生物学的サンプル中のさまざまな物質のレベルおよび/または存在を決定する能力を、決定が実質的にリアルタイムで起こり得るように、提供するために使用され得る。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態による医用画像化システムを図示するが、医用画像化装置110は、病院、医療施設および/または研究施設の医用画像化室100内に位置する。本発明の医用画像化装置は、画像化装置110によって生成される画像の質を高めるために、医用画像化手順を実行する前に、患者に造影剤を調剤することを必要とし得るコンピュータ断層撮影(CT)スキャナ、蛍光透視鏡、陽子射出断層撮影(PET)スキャナ、磁気共鳴(MR)スキャナ、超音波装置および/または他の画像化装置を含み得る。本明細書に使用される場合、「医用画像化室」100という用語は、一般的に、医用画像化システムの多様なコンポーネントが位置し得る、例えば病院または他の医療施設内の部屋または部屋の集合を指す。医用画像化室100は、例えば、医用画像化システムのオペレータが配置され得る制御室150、ならびに医用画像化装置110および医用画像化手順に関連した他の装置が位置し得る画像化室160をさらに含み得る。医用画像化装置110は、例えば医用画像化室の制御室150に位置し得る、例えば遠隔コントローラコンピュータ装置を介して医用画像化装置110の作動を制御するために、医用画像化装置と作用可能に係合するコンピュータ装置をさらに含み得ることを当業者は理解するであろう。従って、医用画像化装置110は、医用画像化システムのオペレータによって遠隔制御され得、医用画像化装置はさらに、画像が医用画像化システムのオペレータによって観察されるようにかつ/または制御室150におけるコントローラコンピュータ装置と作用可能に係合する記憶装置に格納されるように適合され得るように、医用画像化装置によって提供される画像がコントローラコンピュータ装置に送られ得るように、有線接続および/または無線方法を介して、コンピュータネットワークと通信し得る。以下に記述されるように、医用画像化装置110はさらに、所与の患者および/または医用画像化手順に関するデータが、本発明の医用画像化システムのコンポーネントの間で、および/またはコンピュータネットワークと接続されるかまたは別の方法で通信する他の電子装置へ伝えられ得るように、例えばコンピュータネットワークを介して、本発明の医用画像化システムの他のコンポーネントと通信するように構成され得る。
【0022】
図1はまた、医用画像化手順を受ける前に、患者に造影剤を投与するための、画像化室160内に位置する調剤装置120を図示する。調剤装置120は、例えば液体ヨウ素のような、医用画像化手順を受ける患者によって経口的に摂取されるように適合される造影剤を調剤するように構成され得る。調剤装置120は、いくつかの有利な実施形態においては、医用画像化手順の開始前に患者の血管系に直接的に造影剤を注入するように構成される、例えば動力注入器のような注入装置であり得る。いくつかの実施形態においては、調剤装置120はさらに、それと作用可能に係合するコンピュータ装置を含み得、そのコンピュータ装置は、コンピュータネットワークへ有線接続または無線方法を介して接続されるように構成され得る。このように、調剤装置120は、例えばコントローラコンピュータ装置によって、医用画像化システムのオペレータを介して遠隔操縦され得るが、画像化室160に隣接するかまたは医用画像化室100内の別の場所に位置する、例えば制御室150から医用画像化システムのオペレータが調剤装置120を制御し得る間、調剤装置120が、画像化室160に位置し得るように、上記コントローラコンピュータ装置は、コンピュータネットワークを介して調剤装置120と通信するように、構成される。
【0023】
図1にはまた、医用画像化室100内に、医用画像化装置110および調剤装置120と同じ場所に位置する、分析装置130が図示されている。分析装置130は、本発明の実施形態によると、例えば調剤装置120によって造影剤を調剤する前に、生物学的流体サンプルにおける少なくとも1つの物質のレベルを決定するために、患者からの生物学的流体サンプルを受け取り、分析するように適合され得る。生物学的流体サンプルは、分析装置130における分析に適した、例えば血液サンプル、尿サンプル、唾液サンプルおよび/または他の生物学的流体サンプルを含み得る。いくつかの有利な実施形態においては、分析装置130はさらに、少なくとも1つの物質のレベルが選択された範囲内および/または選択されたしきい値レベルよりも上もしくは下であれば、システムのオペレータに、少なくとも1つの物質のレベルについて知らせ、かつ、(例えば調剤装置120または別法として画像化装置110を介して)造影剤を調剤するようにオペレータに助言するように適合され得る。従って、分析装置130は、いくつかの有利な実施形態においては、医用画像化手順の開始の前に、例えば患者が造影剤を安全に注入される能力を医用画像化システムのオペレータ(および/または他の医療職員)が評価することができるように、少なくとも1つの物質のレベルに対する実質的にリアルタイムの決定を提供し得る。例えば、いくつかの実施形態においては、本発明の分析装置130は、将来の患者の腎臓系に損傷を及ぼさずに脈管系から造影剤を安全にクリアーし得る将来の患者の能力を評価するために、将来の患者から採取される血液サンプル中の血中尿素窒素(BUN)および/またはクレアチニンのレベルを決定し得る。BUNおよび/またはクレアチニンレベルが決定されると、医療職員は将来の患者の腎臓機能を評価することができ、それによって、調剤される造影剤を患者の腎臓系を介してクリアーすることのできる将来の患者の能力を、予備的に決定することができることを、当業者は理解するであろう。いくつかの例においては、そのような評価は、測定されたクレアチニンレベルおよび患者データを使用して、糸球体濾過レート(GFR)の計算を介して達成され得る。しかしながら、分析装置はさらに、将来の患者から採取される生物学的流体サンプル内のさまざまな物質のレベルを検知および/または決定するように構成され得、この結果、患者または患者に関連する生物学的流体サンプルを医用画像化室100の外に出す必要なく、特定のタイプの医用画像化手順を受けることのできる患者の適合性が評価できる。
【0024】
図1に示されているように、本発明の分析装置130は、いくつかの実施形態においては、医用画像化室100の制御室150にも位置し得、それによって医用画像化システムのオペレータは、例えば画像化室160に位置する将来の患者から、生物学的流体サンプルを獲得し得、その後、生物学的流体サンプルを制御室150内の分析装置130と接触させ得、それによって造影剤を調剤し始める前に生物学的流体サンプル中の少なくとも1つの物質のレベルを決定し得るようにする。上記のように、少なくとも1つの物質のレベルが選択された範囲内である場合、(例えば、調剤装置120または別法として画像化装置110を介して)分析装置130はさらに、造影剤を調剤するようにオペレータに助言するように適合され得る。選択された範囲は、例えば、患者が実質的に通常の腎臓機能を有することを示す少なくとも1つの物質のレベルの範囲を示し得ると、患者は血流から造影剤を安全にクリアーすることができる。この実施形態によると、少なくとも1つの物質のレベルが選択された範囲内である場合、患者に造影剤を調剤するために、例えば、調剤装置120を遠隔操縦することによって、かつその後患者の画像を提供するために医用画像化装置110を遠隔操縦することによって、オペレータは、制御室150から医用画像化手順を遠隔から開始し得る。この実施形態は、例えば、画像を提供するために、医用画像化手順が放射能放出を利用する場合、および/または調剤される造影剤が放射性物質を含む実施形態において、オペレータが不必要な放射に曝されることを最小にするために適し得る。
【0025】
図2は、本発明の一実施形態による分析装置130の概略な表現を図示する。図示されるように、分析装置はさらに、将来の患者から採取された生物学的流体サンプルを受け取り、かつこれと流体連絡するように構成される試験装置210、および生物学的流体サンプル中の少なくとも1つの物質のレベルを決定するために試験装置210を受け取りかつこれと作用可能に係合するように構成されるコンピュータ装置220を含み得る。試験装置210はさらに、例えば、生物学的流体サンプルコレクション貯槽211、少なくとも1つの物質と相互に作用するように構成される少なくとも1つの試薬213、およびコンピュータ装置220と通信することにより、コンピュータ装置220はさらに、生物学的流体サンプル中の少なくとも1つの物質のレベルを決定し得るように構成される接続(これは技術的見地からより良き言葉の選択であり得る)装置215を含み得る。生物学的流体サンプルコレクション貯槽はさらに、例えば、生物学的流体サンプルを受け取るように、かつ少なくとも1つの物質のレベルを決定する目的で、その生物学的流体サンプルと反応するために適する少なくとも1つの試薬213または他の生物化学物質を含む生物学的流体サンプルコレクション貯槽211の一部へ、例えば毛管引力を介して、その生物学的サンプルを移送するように、構成される複数の毛細管を含み得る。例えば、いくつかの実施形態においては、試薬213は、試験装置210内で色の変化および/またはイオン化および/または電気化学反応を生成するように、生物学的流体サンプルと反応し得、この結果、接続装置215は、例えば、(以下にさらに完全に記述される通りに)試験装置内で起こりつつある色の変化および/またはイオン化および/または電気化学反応の度合いを、コンピュータ装置220へ、例えば電気的および/または電気光学的および/または電気化学的方法を介して伝送し得るので、コンピュータ装置220は、生物学的流体サンプル中の少なくとも1つの物質のレベルを決定し得る。いくつかの実施形態によると、試験装置210は、上記のように生物学的流体サンプルコレクション貯槽211、試薬213および接続装置215をさらに含む消費可能な試験片を含み得るので、各試験装置210は、所与の生物学的流体サンプル中の少なくとも1つの物質のレベルを決定したあと捨て去られ得る。このようにして、新しい消費可能な試験片が、医用画像化室100に入る各将来の患者からの生物学的流体サンプルを分析するために使用され得る。
【0026】
また、図2に示されているように、分析装置130はさらに、概ね上記のように、コンピュータ装置220を含み得、これは再使用され得、かつ医用画像化室100に入る各将来の患者に関する生物学的流体サンプルに対応する試験装置210を受け取るように構成され得る。コンピュータ装置220はさらに、例えば、試験装置210と作用可能に係合される伝送装置215を介して試験装置210と通信するように構成され得る。上記のように、コンピュータ装置は、電気的および/または電気光学的および/または電気化学的方法を介して試験装置210と通信し得るので、試薬213の生物学的流体サンプルとの反応の度合いを決定し得、この結果、生物学的流体サンプル中の少なくとも1つの物質のレベルを決定し得る。また、図2に示されるように、コンピュータ装置220はさらに、ディスプレイ221および入力装置223を含み得る。コンピュータ装置220はさらに、記憶装置を含み得るので、医用画像化システムのオペレータは、患者情報、少なくとも1つの物質のレベルの選択された範囲および/または医用画像化手順に関する他の情報を含む医用画像化手順に関するデータを、例えば入力装置223を介して入力し得る。このようにして、コンピュータ装置220は、試験装置210によって決定される通りの、生物学的流体サンプル中の少なくとも1つの物質のレベルを、医用画像化システムのオペレータによって入力される選択された範囲と比較し得るので、オペレータが患者に安全に造影剤を調剤し得るかどうかを、例えばディスプレイ221を介して、医用画像化システムのオペレータに助言し得る。コンピュータ装置220は、例えば(ラップトップパーソナルコンピュータを含む)パーソナルコンピュータ、PDA、パームトップコンピュータ装置および/または基地局225および/または試験装置210と作用可能に係合することに適する他のコンピュータ装置を含むさまざまな電子装置を含み得る。加えて、ディスプレイ221は、例えば陰極線管(CRT)、LCD、LCDタッチスクリーン、またはテキスト、イメージ、グラフィックスおよび/もしくは医用画像化手順ならびに例えば医用画像化システムのオペレータによって入力された選択された範囲に対する生物学的流体サンプル中の少なくとも1つの物質のレベルに関する数値データを表示するために適する他の表示装置を含み得る。
【0027】
図2および図3に示されるように、コンピュータ装置220は、基地局225と作用可能に係合するように構成され得、このためコンピュータ装置220は、基地局から除去され得、かつ例えば医用画像化システムのオペレータによって搬送され得る。このようにして、この実施形態においては、コンピュータ装置は、医用画像化システムのオペレータによって搬送され得るので、オペレータは、将来の患者から生物学的流体サンプルを獲得し、かつ医用画像化室100内で実質的にリアルタイムで生物学的流体サンプル中の少なくとも1つの物質のレベルを決定することができる。オペレータは次に、コンピュータ装置を、基地局225と作用可能に係合する状態に戻し得る。他の有利な実施形態によると、基地局は無線ネットワークノードであり得るので、コンピュータ装置は、コンピュータ装置220が医用画像化室100でいたるところ搬送される場合でも、基地局と通信状態を保ち得る。基地局225はまた、例えばネットワークノードおよび/またはルータのようなさまざまなタイプのネットワーク装置を含み得、それによりコンピュータ装置220が基地局225と作用可能に係合するようになる場合、コンピュータ装置220はさらに、コンピュータネットワーク300と通信するように構成され得る。図3に示されるように、コンピュータ装置220はまた、例えばコンピュータネットワーク300を介して、医用画像化装置110および/または調剤装置120と通信するように構成され得る。さらに、いくつかの実施形態によると、分析装置130(および関連したコンピュータ装置220)はさらに、調剤装置120と(例えばコンピュータネットワーク300を介して)通信するように構成され得るので、調剤装置120へ少なくとも1つの物質のレベルを送り得る。さらに、調剤装置120は、少なくとも1つの物質のレベルを受け取り、かつ少なくとも1つの物質のレベルが選択された範囲内であれば、造影剤を患者に調剤するように構成され得る。この実施形態はまた、オペレータにロックアウト特徴を提供し得るので、例えば、少なくとも1つの物質の決定されたレベルが、選択された範囲外である(これは、将来の患者が造影剤を受け取るのに適していないことを示し得る)のに、オペレータが造影剤を調剤しおよび/または医用画像化手順を開始しようと試みる場合、分析装置130は調剤装置120にロックアウト信号を送信し得るので、オペレータは、オーバーライドコードを入力する前に造影剤を調剤しない場合がある。ロックアウト特徴は、例えば、生物学的流体サンプル中の少なくとも1つの物質のレベルが、所与の造影剤を安全にクリアーすることのできる患者の能力に対応する選択された範囲外であるという電子信号を、コンピュータネットワーク300を介してコンピュータ装置220から調剤装置120へ(またはそれと作用可能に係合するコンピュータ装置)送信することによって達成され得る。本発明の他の実施形態によると、電子信号はまた、コンピュータネットワーク300を介して、コンピュータ装置220から医用画像化装置110へ送られ得、生物学的流体サンプル中の少なくとも1つの物質のレベルが、所与の造影剤を安全にクリアーすることのできる患者の能力に対応する選択された範囲外である場合、医用画像化システムのオペレータをロックアウトし得る。これらのロックアウト特徴は、いくつかの実施形態へ追加的な安全特徴を提供し得、選択された範囲外に少なくとも1つの物質のレベルを示し、例えば腎臓系を介して血流から安全に造影剤をクリアーすることが困難であることを示す将来の患者へ造影剤を調剤することを防ぎ得る。
【0028】
いくつかの実施形態においては、本発明の医用画像化システムはさらに、個々の患者の履歴に関するデータ、患者を過去選別したときの生物学的流体サンプル中の少なくとも1つの物質のレベルを格納し、かつ実質的に正常な腎臓機能を選別するのに適する選択された範囲データおよび/または医用画像化手順の一部として造影剤を受け入れることのできる将来の患者の適格性を評価することに関する他の生理学的な情報を格納するように構成されるデータベース310を含み得る。そのようなデータは、特定な患者のための糸球体濾過レート(GFR)を計算するために、クレアチニンの決定されたレベルと組み合わせて使用される(例えば身長、体重、人種/民族集団、性別、年齢、および患者の他の特徴などのような)患者データを含み得ることを当業者は理解するであろう。データベース310は、コンピュータ装置に関連したメモリに格納され得、コンピュータ装置は、図3に示されるように、コンピュータネットワーク300と通信し得る。このようにして、データベース310は、例えば画像化装置110、調剤装置120および/または分析装置130によって応答指令信号を送られ得るので、医用画像化システムおよび本発明の調剤システムのオペレータは、データベース310に格納されるデータへのアクセスを取得し得る。このようにして、例えば、患者が複数の医用画像化手順を受けなくてはならないいくつかの場合において、調剤装置120は、データベース310に応答指令信号を送ることにより、最初の医用画像化手順の前に、患者から採取される生物学的流体サンプル中の少なくとも1つの物質のレベルを決定し得る。さらに、データベースは、例えば患者の腎臓機能および/または医用画像化手順の履歴に関する患者の履歴を求める医療専門家によって応答指令信号を送られ得る。
【0029】
他の実施形態によると、図4に示される通り、本発明の医用画像化システムの分析装置130は、別法として、生物学的流体サンプル410と流体連絡するように構成される独立型消費可能試験装置130を含み得る。さらに、試験装置130はさらに、選択された範囲に対する少なくとも1つの物質のレベルをについて、システムのオペレータに知らせるための視覚的インディシア400を提供するように構成され得る。独立型消費可能試験装置130はさらに、将来の患者から生物学的流体サンプル410を受け取るように構成される毛細管を含み得る。独立型消費可能試験装置はさらに、生物学的流体サンプル410中の少なくとも1つの物質と反応するように適合される試薬を含み得、これにより、例えば色の変化および/または少なくとも1つの物質のレベルは選択された範囲内にあるので、造影剤が、医用画像化手順に際して患者に安全に調剤され得ることを示すための象徴的なインディシアのような視覚的なインディシア400を試薬は生成し得る。本発明の医用画像化システムのこの実施形態によると、複数の独立型消費可能試験装置130は、医用画像化室100において入手可能とされ得るので、医用画像化システムのオペレータは、特定の患者が、医用画像化手順において使用される造影剤の投与を安全に受けることに適合し得るかどうかを、独立型消費可能試験装置130を介して、すばやく決定し得る。(図4に示されるように)独立型消費可能試験装置130を含む本発明の医用画像化システムおよび/または調剤システムの実施形態は、現存する医用画像化室が、ネットワーク能力のない医用画像化装置110および/または調剤装置120を有して存在するか、または経費制限のためにコンピュータ装置を基礎とする分析装置130を購入することができない病院において使用されることが好ましくあり得る。
【0030】
本発明はまた、医用画像化手順の一部として造影剤を調剤する前に患者の腎臓機能を評価するための方法実施形態を提供するので、将来の患者および/または将来の患者に関する生物学的流体サンプルを医用画像化室100の外に出さずに評価が起こり得る。一実施形態によると、方法は、患者から生物学的流体サンプルを集めるステップ、医用画像化室100に位置する分析装置130を使用して患者の生物学的流体サンプル中の少なくとも1つの物質のレベルを決定するステップ、医用画像化室100に位置する分析装置130を使用して、少なくとも1つの物質のレベルを、少なくとも1つの物質のレベルの選択された範囲と比較するステップ、および医用画像化手順の一部として造影剤を調剤する前に患者の腎臓機能についてオペレータが知らされ得るように、レベルが選択された範囲内であるかどうかについて、分析装置のオペレータに知らせるステップとを含む。
【0031】
他の方法実施形態によると、方法はさらに、少なくとも1つの物質のレベルが選択された範囲内にある場合、調剤装置120を使って患者に造影剤を調剤するステップを含み得る。従って、方法のこの実施形態は、調剤装置120を介して造影剤を調剤する前に、実質的に正常な腎臓機能について、患者を前もって選別し得る。他の方法実施形態によると、決定ステップはさらに、生物学的流体サンプル中の血中尿素窒素(BUN)、クレアチニンまたはこれらの組み合わせのレベルを決定することを含み得る。
【0032】
本発明はまた、本発明のさまざまな方法ステップを実行することのできるコンピュータプログラム製品実施形態を提供する。いくつかの実施形態によると、コンピュータプログラム製品は、コンピュータ装置220、調剤装置120および/または画像化装置110上で実行可能である。本発明のコンピュータプログラム実施形態はさらに、例えば身長、体重、性別、年齢、既存の医療条件、患者特定情報および医用画像化手順に関連し得る他のデータなどのようなパラメータを含むが、これに限定されない患者の生理学的データを受け取るように構成され得る。そのようなデータはまた、いくつかの実施形態においては、例えば時間、日付、医用画像化手順の場所、さまざまな調合薬、造影剤もしくは医用画像化手順において使用される他の医療品のロット番号および/または医用画像化手順に関係する他のデータなどのような他の情報を含み得る。
【0033】
いくつかの実施形態においては、上記のデータは、データベース310から、または例えばキーボード、マウス、タッチスクリーンもしくはコンピュータ装置220、調剤装置120および/もしくは画像化装置110と作用可能に係合するか、および/もしくは(有線もしくは無線方法を介して)通信し得る他のユーザインターフェースなどのようなユーザインターフェースから、コンピュータプログラム製品実施形態を介して、コンピュータ装置220、調剤装置120および/または画像化装置110によって受け取られ得る。コンピュータプログラム製品実施形態はまた、分析装置130によって決定され得、かつ例えば、1つ以上の造影剤の代わる代わるの体積、タイプ、濃縮および/または組み合わせが調剤装置120によって患者に正しく安全に投与され、造影剤は、患者の腎臓機能によって安全にクリアーされ得るかどうかを受け取られるデータに基づいて決定し得る、生物学的流体サンプル中の(例えば血中尿素窒素(BUN)、クレアチニンまたはそれらの組み合わせなどのような)少なくとも1つの物質のレベルを受け取るように構成され得る。
【0034】
本発明の多くの変容例および他の実施形態が、前述の記述および関連の図面において提示された教示の賜物として、本発明が関係する当業者に思い浮かぶであろう。例えば、本明細書に開示されるシステム、方法およびコンピュータプログラム製品はまた、生物学的流体サンプル中の少なくとも1つの物質のレベルを決定するために使用され得るので、患者に正しく安全に投与され得、患者の腎臓機能によって安全にクリアーされ得る1つ以上の造影剤の対応する体積、タイプ、濃縮および/または組み合わせをさらに決定することができることを当業者は理解するであろう。従って、本発明は開示される特定の実施形態に限定されず、変容例と他の実施形態が、添付される特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図されていることを理解されるべきである。本明細書には特殊な用語が使用されているが、それらは一般的および記述的意味でのみ使用され、限定する目的では使用されていない。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】医用画像化装置、調剤装置および分析装置が、医用画像化室内の同じ場所に位置する、本発明の医用画像化システムの一実施形態を図示する。
【図2】分析装置は調剤装置と通信する、本発明の医用画像化システムおよび調剤システムの一実施形態を図示する。
【図3】分析装置が、調剤装置、医用画像化装置および/または記憶装置と、ネットワークを介して通信する、本発明の医用画像化システムの一実施形態を図示する。
【図4】分析装置が独立型消費可能試験片を含む、本発明の医用画像化システムおよび調剤システムの一実施形態を図示する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者に調剤される造影剤を使用して、該患者の画像を提供するように構成される医用画像化装置と、
該患者に該造影剤を調剤するように構成される調剤装置と、
該患者から生物学的流体サンプルを受け取りかつ分析して、該生物学的流体サンプル中の少なくとも1つの物質のレベルを決定するように適合される分析装置であって、該分析装置は、システムのオペレータに該少なくとも1つの物質の該レベルについて知らせるように適合され、さらに、該少なくとも1つの物質の該レベルが選択された範囲内にある場合、該オペレータに助言するように適合される分析装置と
を含む、医用画像化システム。
【請求項2】
前記分析装置はさらに、前記少なくとも1つの物質の前記レベルが前記選択された範囲内にある場合、前記造影剤を調剤するように前記オペレータに助言するように適合される、請求項1に記載の医用画像化システム。
【請求項3】
前記分析装置はさらに、前記調剤装置と通信して、該調剤装置に前記少なくとも1つの物質の前記レベルを送るように構成され、該調剤装置はさらに、該少なくとも1つの物質の該レベルを受け取り、該少なくとも1つの物質の該レベルが前記選択された範囲内である場合、前記患者に前記造影剤を調剤するように構成される、請求項1に記載の医用画像化システム。
【請求項4】
前記少なくとも1つの物質は、
血中尿素窒素(BUN)、
クレアチニン、または、
それらの組み合わせから成る群から選択される、請求項1に記載の医用画像化システム。
【請求項5】
前記医用画像化装置、前記調剤装置および前記分析装置は、医用画像化室において同じ場所に位置し、これにより医用画像化手順の前に、該医用画像化室において前記少なくとも1つの物質の前記レベル決定するようにされている、請求項1に記載の医用画像化システム。
【請求項6】
前記分析装置はさらに、前記生物学的流体サンプルと流体連絡するように構成される試験装置を含み、それにより、試験装置はさらに、前記選択された範囲に対する前記少なくとも1つの物質の前記レベルについて、前記システムのオペレータに知らせるための視覚的なインディシアを提供するように構成されるようにされている、請求項1に記載の医用画像化システム。
【請求項7】
前記分析装置はさらに、
前記生物学的流体サンプルを受け取り、該生物学的流体サンプルと流体連絡するように構成される試験装置と、
該試験装置を受け取り、該試験装置と作用可能に係合して、該生物学的流体サンプル中の前記少なくとも1つの物質の前記レベルを決定するように構成されるコンピュータ装置と
を含む、請求項1に記載の医用画像化システム。
【請求項8】
前記試験装置はさらに、生物学的流体サンプルコレクション貯槽、前記少なくとも1つの物質と相互作用するように構成される少なくとも1つの試薬、および前記コンピュータ装置と通信するように構成される接続装置を含み、該コンピュータ装置はさらに、該試験装置と通信して該少なくとも1つの物質の該レベルを決定するように構成される、請求項7に記載の医用画像化システム。
【請求項9】
前記コンピュータ装置はさらに、ディスプレイであって、視覚的インディシアを提供して、前記少なくとも1つの物質の前記レベルについて、前記システムのオペレータに知らせるように構成されるディスプレイを含む、請求項8に記載の医用画像化システム。
【請求項10】
前記コンピュータ装置はさらに、
前記患者に関するデータと、
前記選択された範囲に関するデータと、
それらの組み合わせと
から成る群から選択されるデータを受け取るように構成される入力装置を含む、請求項8に記載の医用画像化システム。
【請求項11】
前記コンピュータ装置は、前記受け取ったデータおよび前記少なくとも1つの物質の前記レベルを使用して、糸球体濾過レートを計算することができるように構成される、請求項10に記載の医用画像化システム。
【請求項12】
医用画像化手順において使用される造影剤を調剤するように適合される調剤システムであって、該調剤システムは、
患者に該造影剤を調剤するように構成される調剤装置と、
該患者から生物学的流体サンプルを受け取りかつ分析して、該生物学的流体サンプル中の少なくとも1つの物質のレベルを決定するように適合される分析装置であって、該分析装置は、システムのオペレータに該少なくとも1つの物質の該レベルについて知らせるように適合され、さらに、該少なくとも1つの物質の該レベルが選択された範囲内にある場合、該オペレータに助言するように適合される分析装置と
を含む、調剤システム。
【請求項13】
前記分析装置はさらに、前記少なくとも1つの物質の前記レベルが前記選択された範囲内にある場合、前記造影剤を調剤するように前記オペレータに助言するように適合される、請求項12に記載の調剤システム。
【請求項14】
前記分析装置はさらに、前記調剤装置と協働するように構成され、それにより、該調剤装置はさらに、前記少なくとも1つの物質の前記レベルを受け取り、該少なくとも1つの物質の該レベルが前記選択された範囲内である場合、前記患者に前記造影剤を調剤するように構成されるようにされている、請求項12に記載の調剤システム。
【請求項15】
前記少なくとも1つの物質は、
血中尿素窒素(BUN)、
クレアチニン、または、
それらの組み合わせから成る群から選択される、請求項12に記載の調剤システム。
【請求項16】
前記調剤装置および前記分析装置は、医用画像化室において、同じ場所に位置し、それにより、医用画像化手順のために前記造影剤を調剤する前に、該医用画像化室において、前記少なくとも1つの物質の前記レベルを決定するようにされている、請求項12に記載の調剤システム。
【請求項17】
前記分析装置はさらに、前記生物学的流体サンプルと流体連絡するように構成される試験装置を含み、それにより、該試験装置はさらに、前記システムの前記オペレータに、前記選択された範囲に対する、前記少なくとも1つの物質の前記レベルについて知らせるための視覚的インディシアを提供するように構成されるようにされている、請求項12に記載の調剤システム。
【請求項18】
前記分析装置はさらに、
前記生物学的流体サンプルを受け取り、該生物学的流体サンプルと流体連絡するように構成される試験装置と、
該試験装置を受け取り、該試験装置と作用可能に係合して、該生物学的流体サンプル中の前記少なくとも1つの物質の前記レベルを決定するように構成されるコンピュータ装置と
を含む、請求項12に記載の調剤システム。
【請求項19】
前記試験装置はさらに、生物学的流体サンプル貯槽、前記少なくとも1つの物質と相互作用するように構成される少なくとも1つの試薬、および前記コンピュータ装置と通信するように構成される伝送装置を含み、該コンピュータ装置はさらに、該試験装置と通信して該少なくとも1つの物質の該レベルを決定するように構成される、請求項18に記載の調剤システム。
【請求項20】
前記コンピュータ装置はさらに、ディスプレイであって、視覚的インディシアを提供して、前記少なくとも1つの物質の前記レベルについて、前記システムのオペレータに知らせるように構成されるディスプレイを含む、請求項19に記載の調剤システム。
【請求項21】
前記コンピュータ装置はさらに、
前記患者に関するデータと、
前記選択された範囲に関するデータと、
それらの組み合わせと
から成る群から選択されるデータを受け取るように構成される入力装置を含む、請求項19に記載の調剤システム。
【請求項22】
医用画像化手順の一部として、造影剤を調剤する前に、患者の腎臓機能を評価するための方法であって、該方法は、
該患者から生物学的流体サンプルを集めることと、
医用画像化室に位置する分析装置を使用して、該患者の該生物学的流体サンプル中の少なくとも1つの物質のレベルを決定することと、
該医用画像化室に位置する該分析装置を使用して、該少なくとも1つの物質の該レベルを、該少なくとも1つの物質のレベルの選択された範囲と比較することと、
該レベルが該選択された範囲内にあるかどうかについて、該分析装置のオペレータに助言することと
を含む、方法。
【請求項23】
前記少なくとも1つの物質の前記レベルが前記選択された範囲内にあることによって前記患者が、前記造影剤を調剤する前に実質的に正常な腎臓機能に選別される場合、該患者に該造影剤を調剤することをさらに含む、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記決定ステップは、前記生物学的流体サンプル中の物質であって、
血中尿素窒素(BUN)、
クレアチニン、または
それらの組み合わせから成る群から選択される物質のレベルを決定することをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記少なくとも1つの物質の前記レベルが、前記選択された範囲外にある場合、変更される造影剤が、調剤後に前記患者の腎臓機能によってクリアーされ得るように該変更される造影剤を生成するために、該造影剤の特性を調節することをさらに包含する、請求項22に記載の方法。
【請求項26】
前記造影剤の前記特性は、
該造影剤の体積、
該造影剤の配剤レート、
該造影剤の濃度、
該造影剤の型、または
それらの組み合わせから成る群から選択される、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
医用画像化手順の一部として造影剤を調剤する前に、患者の腎臓機能を評価するために、医用画像化室内に位置する分析装置および調剤装置を制御することのできるコンピュータプログラム製品であって、該コンピュータプログラム製品は、コンピュータ読み取り可能なプログラムコード部を格納したコンピュータ読み取り可能な格納媒体を含んでおり、該コンピュータ読み取り可能なプログラムコード部は、
該分析装置を使用して、該患者から採取される生物学的流体サンプル中の少なくとも1つの物質のレベルを決定するための実行可能部と、
該分析装置を使用して、該少なくとも1つの物質の該レベルを該少なくとも1つの物質のレベルの選択された範囲と比較するための実行可能部と、
該レベルが、該選択された範囲内にあるかどうかについて、該分析装置のオペレータに助言するための実行可能部と
を含む、コンピュータプログラム製品。
【請求項28】
前記少なくとも1つの物質の前記レベルが前記選択された範囲内にあることによって前記患者が、前記造影剤を調剤する前に実質的に正常な腎臓機能に選別される場合、前記調剤装置を使用して、該患者に該造影剤を調剤するための実行可能部をさらに含む、請求項27に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項29】
前記少なくとも1つの物質の前記レベルが、前記選択された範囲外にある場合、変更される造影剤が、調剤後に患者の腎臓機能によってクリアーされ得るように該変更される造影剤を生成するために、前記調剤装置を使用して、該造影剤の特性を調節するための実行可能部をさらに含む、請求項27に記載のコンピュータプログラム製品。
【請求項30】
前記造影剤の前記特性は、
該造影剤の体積、
該造影剤の配剤レート、
該造影剤の濃度、
該造影剤の型、または
それらの組み合わせから成る群から選択される、請求項29に記載のコンピュータプログラム製品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2008−522641(P2008−522641A)
【公表日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−535833(P2007−535833)
【出願日】平成17年10月5日(2005.10.5)
【国際出願番号】PCT/US2005/036113
【国際公開番号】WO2006/042093
【国際公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【出願人】(507110958)イー−ズィー−エム, インコーポレイテッド (1)
【Fターム(参考)】