医療用混合システムおよび混合方法
軸方向に延びた延長部とピストン(20)を有するシリンダー(22)を含み、このシリンダーに計量された粉体成分(2)を含む第1のピストン/シリンダー構造(1)と、この計量された粉体成分に対応して計量された液体成分(13)を含む別個の容器(12)と、粉体成分と液体成分を混合し、注入するために計量された液体成分をシリンダーに密閉された状態で移送するための手段とを含む少なくとも第1の成分である粉体成分(2)と第2の成分である液体成分(13)を原料とする医療用の注入可能なペースト状の混合物を得るためのシステムおよび方法。第1ピストン/シリンダー構造が第1注入器(1)である。使用者が操作可能な混合エレメント(4)がシリンダー内に位置している。シリンダーへと続く少なくとも1つの気体移送チャネル手段がシリンダーに配置されている。係合手段(8’、18)が液体成分の移送中に第1注入器(1)を別個の容器(12)に接続するために配置されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に従って注入することができる医療用混合物を得るためのシステムおよび請求項16の前提部に記載されている方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ペースト状の種々の物質を医療用、特に整形外科用に導入することが以前から知られている。この分野ではこれらの物質は、骨セメントおよび骨置換材または「骨移植片(bone grafts)」と呼ばれている。これらの物質は、それぞれ異なり、例えば合成材またはセラミック材をベースにしており、骨組織の隙間を埋めるまたは骨組織に締結具またはインプラントを支持するために使用することができる。
【0003】
すでに知られている骨移植片物質または骨セメントは、硬化性合成材をベースに製造され、特にアクリル樹脂−ポリメチルメタクリレート(PMMA)をベースとしており、これは種々の整形外科用途に一般的に使用されている。従来、骨セメントは股関節および膝関節に使用されているが、最近では椎骨の隙間、手首など多くの用途にも使用されている。骨セメントの特徴は、これが2液型の材料であり、出発原料が1つの粉末成分と1つの液体成分とで構成され、これらは良好な結果を得るために正確に測定された量で完全に混合される。
【0004】
硬化は、比較的速く進行し、熱が放出されている間、硬化がさらに促進され、これが骨セメントの混合および適用工程をその効果を損なわないように迅速に行うことが重要であることの理由である。
【0005】
現在、混合は測定された量の上記2つの成分を混合ボウルに入れ、手による撹拌によって混合される場合がよくある。その際、混合物は漏斗および供給パイプを介してピストンシリンダーユニットを含む注入装置に移される。
【0006】
この技術に関しては、骨セメントの調製中にその殺菌に対する厳しい条件を満たすことは困難である。これらの成分から生じる有毒な気体は、これらを扱う人に対して危険因子になる場合がある。
【0007】
また別の一般的な構成では粉体と液体成分が個別に混合装置に入れられ、メカニカルミキサーで撹拌される。
【0008】
先行技術として米国特許第5,435,645号および国際公開第2005/053581号を参照されたい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、上述の問題点を少なくとも軽減する方向で対処する上述のシステムおよび方法を提供することである。
【0010】
この目的は、請求項1の特徴部に記載の特徴によって上述のシステムによって達成される。
【0011】
本発明によってユーザーにとって取り扱いが簡単で、多量の混合物だけでなく、非常に少ない混合物の量、例えば約1〜20mlの非常に少ない量の骨セメントを観血手術並びに最小侵襲手術における狭い凹部に正確に適用することができるシステムが得られる。
【0012】
しかしながら本発明のシステムは、多量の骨セメント並びに医療用途の他の種類の混合物に対しても好適に使用することができる。混合エレメントを設けることによって、適度で且つ完全な混合が行え、よって確実に高品質の混合物が得られる。気体移送チャネル手段を設けることによって、完成した混合物の脱気および粉体成分に殺菌ガスを供給することができる。
【0013】
第1の注射筒と別個の容器を液体成分の移動に関して連結することができる、または「ドッキング」することができる。これにより液体成分を密閉した状態で安全に移送でき、高度な殺菌条件に従って、異なる成分のために第1注入器と第2ピストン/シリンダー構造を別個に扱え、これら異なる成分にとって好適な方法で処理することができる。
【0014】
今日使用されている例えばPMMA系セメントのように2成分系のセメントは、同じ方法で殺菌することができない、なぜなら1つの成分に好適な方法が他の成分にとっては効果がないまたは有害であるからである。そのため市販の異なる複数のセメントに使用することができるシステムは、骨セメントに使用される際に必要に応じて異なる殺菌方法を適用できるように異なる成分用の複数の容器を備えていることが重要である。
【0015】
上述の種類の骨セメントに関し、液体成分には殺菌フィルターを介して無菌充填する一般的な商業的かつ技術的に適用可能な方法がある。粉体成分は、気体殺菌(ETO)または放射線によって殺菌することができる。気体殺菌中、粉体成分は予め注入器に充填され、この注入器は、殺菌ガスに対しては透過性であるが、微生物は透過させないパッケージ材内に密閉され、さらにそのパッケージ用のパッケージ内で粉体成分は、この殺菌ガスを含む大気に晒される。従って殺菌ガスは、パッケージ材を通過し、注入器に到達し、その後気体移送チャネル手段を介して粉体成分に到達し、殺菌する。実際にはパッケージされた注入器は、ある種の気体容器の内側に入れられ、そこで例えば負圧を発生させ、供給された殺菌ガスが注入器に吸い込まれ、気体移送チャネル手段に沿って粉体成分が吸い込まれる。気体による処理の終了後、殺菌ガスは同じチャネル手段を通ってそしてパッケージ材を介してパッケージから抜き出される。
【0016】
シリンダーの内側に移動可能に配置された気体移送チャネル手段、特にシリンダーの軸方向に移動可能に配置された気体移送チャネル手段の口によって、混合が終了した後の混合物の脱気を非常に効果的に行うことができる。混合中、気泡が混合物中に形成され、これは混合物/骨セメントの品質に悪影響を与える。骨セメントは、比較的粘性が高く、従って気泡は、単に振ったりまたは押したりしても取り出すことができない。しかしながら本発明では気体移送チャネル手段をシリンダーの内側で移動させることで、即ち僅かな過圧が第1注入器に行き渡るように第1注入器を同時に活性化させている間に、このような気泡を「探す」ために移動させることができる。従って混合が完了した混合物の脱気を本発明によって非常に効果的に行うことができる。
【0017】
本発明は、ペースト状の混合物を調製するのに特に適しており、通常このような混合物には気泡が残存する。しかしながら本発明は、気泡が混合工程終了後に永久的に残りやすい他の混合物にも適用可能である。本発明は、ジェリー状またはシロップ状の混合物に関しても適用可能である。
【0018】
別個の容器を第2ピストン/シリンダー構造、特に第2注入器に配置することによって、取り扱いが簡単で、経済的に有利な標準的な部品を使用することができる。この構成によって液体成分を極めて正確な量でシリンダー内に導入することができ、高品質の混合物を得ることができる。
【0019】
解除自在な第2係合手段によって、得られた混合物のさらなる取り扱いのために液体成分の移送が完了した後、第1注入器を第2ピストン/シリンダー構造から自由にすることができる。混合エレメントを操作するための手段も上記気体移送手段を含むことが合理的であり、好ましい。これによりこれらの機能を組み込むことが簡単な方法で行うことができ、上記による脱気が簡単に行える。
【0020】
また上記気体移送チャネル手段は、第2のピストン/シリンダー構造から液体成分を移送するための移送チャネル手段で構成されるのが好ましく、これにより異なる機能をさらにシステムに組み込むことができる。
【0021】
また混合エレメントを操作するための手段が上記移送チャネル手段を含むことが好ましい。
【0022】
第1および場合によっては第2の注射器筒が単独使用の物品である場合、これらの部品の洗浄および再使用に関わる問題は避けられ、これらが標準的な部品で構成されている場合、経済的な利点が得られる。
【0023】
本発明のシステムは、骨セメントを患者に施術するために適用させることが好ましいが、気泡を溜める性状を有し、処方する前に脱気する必要のある医療用混合物などの他の医療用途にも適用可能である。
【0024】
対応する利点は、本発明による方法によって得られる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明を添付の図面を参照した実施態様をもとに以下に具体的に説明する。
【図1a】粉体成分を殺菌し、第1注入器内に充填する工程を示す。
【図1b】粉体成分を殺菌し、第1注入器内に充填する工程を示す。
【図1c】粉体成分を殺菌し、第1注入器内に充填する工程を示す。
【図1d】針状の取り外し自在のホルダー手段を示す。
【図2a】液体成分を第2注入器内に充填する2つの工程の内の1つを示す。
【図2b】液体成分を第2注入器内に充填する2つの工程の内の1つを示す。
【図3a】処方する前に成分を混合する工程の1つを示す。
【図3b】処方する前に成分を混合する工程の1つを示す。
【図3c】処方する前に成分を混合する工程の1つを示す。
【図3d】処方する前に成分を混合する工程の1つを示す。
【図3e】処方する前に成分を混合する工程の1つを示す。
【図3f】処方する前に成分を混合する工程の1つを示す。
【図4a】第1注入器の変形例を示す。
【図4b】第1注入器の変形例を示す。
【図4c】第1注入器の変形例を示す。
【図5a】僅かに変形された第2注入器の充填を示す。
【図5b】僅かに変形された第2注入器の充填を示す。
【図5c】充填用のアダプターの拡大図である。
【図6】変形された第2注入器に接続された変形された第1注入器を示す。
【図7】本発明のシステムに使用される注射針を示す。
【図8】変形された第1注入器とその関連部品を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
異なる態様において同じまたは類似の部材には同じ参照番号を付してある。
【0027】
図1aから1cには第1の注入器1内で粉体成分2を殺菌する工程を示している。図1aは第1充填段階を略式に示しており、投与充填装置3が計量された粉体成分2を移送するために配置されており、この粉体成分は、第1注入器1のシリンダー22内に落下する。
【0028】
この第1の注入器は混合エレメント4が設けられたステーションとして示されており、この混合エレメントは、これを回転させることができ、かつ、後の混合作業中にこのエレメントをシリンダーの軸方向に移動させることができる操作手段7、8に連結している。
【0029】
内部にチャネルを有する操作手段7、8の管状部分7は、混合エレメント4から接続部分5の通路(図示せず)を介して回転部分8の最も外側の外方のスレッド状の第1係合手段へと延びている。接続部分5は、混合物が注射される際に選択される注射針を後で取り付けるための外方の雄ねじをその外側に有する。
【0030】
図1dには針状のエレメント30である取り外し自在の保持手段28を示し、これは接続部分5の上述の雄ねじなどの対応する締結手段と協働するための内側に設けられた雌ねじなどの手段を有するスリーブ状のエレメント29である締結エレメントに強固に接続される。またバイオネット差し込み手段などの他の締結方法も利用可能である。
【0031】
取り外し自在の保持手段28の目的は、粉体成分が充填された後、そして2つの成分の混合が行われるまで、粉体成分が気体移送およびその後の液体成分の移送のための管状部分7を塞いでしまう場合があるので、粉体成分が管状部分7の内側のチャネル内に入り込まないようにすることである。図1dに示す態様では、取り外し自在な保持手段28の針状エレメント30は、その全長に亘って中空であり、凹部31を有するスリーブ状のエレメント29と伴に取り外し自在な保持手段28を介して気体が通ることができる接続部を形成し、これにより気体が殺菌のために第1注入器の外側から内側へと移動することができる。特定のガスの移動も針状エレメント30の隠れた面と管状部分7のチャネル壁の間で行うことができる。
【0032】
図1bには第2の段階を示し、第1のピストン/シリンダー構造を形成するための粉体成分2が充填されている注入器1のシリンダーの自由端にピストン20がそれを操作するためのピストンロッド21と伴に導入されている。
【0033】
図1cには第3の段階を示し、ここでは粉体成分が充填された第1注入器1がパッケージに入れられ、チャンバー9内に置かれ、このチャンバーには気体容器10から気体導管11を介して殺菌ガスが供給される。上記したように殺菌ガスは、凹部31から第1注入器の内部に移動することができる。殺菌が完了した後、第1注入器の使用の準備が整う。ここで注目すべきことは、気体移送を行うための他の手段、例えば非中空の針状エレメント30の周囲面と管状部分7のチャネル壁の間で行われる全ての気体移送も本発明の範囲内に入る。
【0034】
本発明の異なる使用において他の公知の殺菌方法も本発明の範囲内である。従ってイオン化放射線または例えば目的に合った充分なパワーを有する特定の電磁放射線による放射線殺菌も使用することができる。また特定の場合、乾熱または乾熱雰囲気における加熱を使用することもできる。
【0035】
図2aには第2の注入器12に液体成分13を充填するための第1の工程を示す。ここでは第1注入器1の充填の場合と対応するように、供給部16内の液体成分13を計量された量だけ供給ポンプ15を介して受けるために第2注入器12が配置され、供給ポンプはその計量された液体成分を液体導管17および殺菌フィルター14を介して第2注入器12内に供給するために配置されている。
【0036】
図2aに示すように第2注入器の下方には内部ネジ(図示せず)形状の第2係合手段18を有する封止部19が設けられている。
【0037】
図2bには第2の段階を示し、ここでは液体成分が充填された第2注入器12にピストン23が設けられており、このピストンはこれを操作するためのピストンロッド24を有する。気体透過性のプラスチックバッグ(図示せず)に第2注入器を入れて外側を殺菌した後、この第2注入器の使用の準備が整う。
【0038】
液体成分の他の殺菌方法も本発明の範囲内である。従って殺菌する材料によって、他の公知の方法、例えばイオン化放射線または例えば用途に合った充分なパワーを有する特定の電磁放射線による放射線殺菌も使用することができる。また特定の用途において、湿った熱によるオートクレービングを使用することができる。
【0039】
図3a−fは、この例では注入可能な骨セメントの混合物を得るために2つの成分を混合する順序を示している。図3aはそれぞれの殺菌パッケージから取り出され、第1および第2係合手段8’、18を介して接続されようとする第1注入器1と第2注入器12を示している。これらの係合手段は、第1注入器1については回転部分8の外側のネジ山であり、第2注入器12については符号18で示す内部に設けられたネジ山である。図1dに示した取り外し自在な保持手段28は、ここでは既に第1注入器から取り外されており、液体成分を導入するための操作手段7、8内のチャネルが残っている。
【0040】
図3bは互いに接続されている第2注入器と第1注入器を示している。図3cはピストン23を押し込むことによって第2注入器12から第1注入器1へと液体成分を供給する工程を示している。
【0041】
図3dは実際の混合工程を示しており、ここでは混合エレメント4が操作手段7、8を操作することによってシリンダー22の軸方向に移動するのと同時に回転する。この工程の最後には混合物は、操作手段7、8(混合エレメント4に接続されている)が軸方向に移動するのと同時にシリンダー内に僅かな過圧を発生させるために、ピストンロッド21によってピストン20に加えられる僅かな圧力によって脱気される。本発明による方法のこの重要な工程中、過圧下にある混合物は、混合物中の気泡が口25によって、この場合管状の操作手段7、8内に位置する脱気チャネルへと導かれることによって効果的に脱気される。脱気チャネルは、2つ以上の口25、例えば管状の操作手段の対向する側に2つの口25を有してもよい。第2注入器12は、まだこの時点では第1注入器に接続されているので、捕捉された、多くの場合有害な気体が第2注入器内に受け取られ、これら有害な気体は、作業者の呼吸器官に吸い込まれることはない。
【0042】
図3eは混合が完了した後、混合エレメント4用の操作手段7、8を第1注入器から操作手段7、8全体を単に軸方向に引き抜くことによって取り外した状態を示している。
【0043】
実際の操作においては、混合物が不透明(骨セメント)であるために上述のいくつかの工程では混合エレメントは、見えない。しかしながら、図中で理解しやすいように混合エレメントを示している。
【0044】
その後図3fに示すように選択された注射針26、この場合フィンガーグリップ27が取り付けられているものが第1注入器に装着され、これにより第1注入器を骨セメントの注入に使用することができる。
【0045】
図4から8に示す第2の態様では、システムに僅かな変更が加えられている。図4aに示す第1注入器1には成分の混合を良好に行うために、その出口方向に複数、この場合4つの混合ウイング4’とその反対方向に複数、この場合4つのピン4’’を有する混合エレメント4が設けられている。ピン4’’’は、リング形状の安定化エレメントであり、これは混合エレメント4が軸方向に移動する間、混合成分が容易に混合エレメントを通過できるようにするための軸方向の開口部を形成している。シリンダー22の出口端部にはワイパープレート32が配されており、これは管状部分をシリンダー22から出し入れする際に管状部分からの粉体成分を拭き取るために操作手段7の管状部分に対して密に配置されている。これにより粉体材料が注入器1の出口領域に達するのを防ぎ、混合物の一部にはならない。この領域の粉体材料は、この領域の操作手段の管状部分と注入器との間の摩擦を不必要に増加させる。
【0046】
図4bは第1注入器のピストンロッド側を示し、注入器の取り扱いを容易にするための第1のグリップ44が係止ワッシャー46を介して注入器に強固に嵌め込まれており、このワッシャーは、半径方向外方に延びたウイング(図において実線で示している)を有する第1グリップの凹部にスナップ式に嵌め込むことができ、これにより係止ワッシャー46は、第1注入器の端部フランジ45に対して軸方向に位置する。
【0047】
第1グリップ44は、この端部フランジ45の第2の側に対して位置する部分50を有する。係止ワッシャー46は、さらにシリンダー22の内側に半径方向に延びた部分(図示せず)を有し、これによりこれらの部分は、ストッパーとして機能し、第1注入器1のピストンがシリンダーから外れるのを防ぐ。符号8で示しているのは、混合エレメント4の操作手段のための回転部分である。図4cは第1の態様で上述したのと同じように取り外し可能な保持手段28が取り外された第1注入器1を示している。
【0048】
図5aには第2注入器12を充填するための構成を示し、ここではこの注入器がアダプター33の第1の側に接続され、アダプターのもう一方の側は、液体成分を含むバイアル34を受けるように構成されている。さらに図5aには第2注入器12用の第2グリップ35を示し、このグリップは、出口端部からピストンロッド端部の方へと軸方向に端部フランジ51(図5b)に対して位置している。この第2グリップ35は、ストッパー36を有し、これは第2注入器12内に導入可能なピストンロッドの端部と係合するためのフック37をピストンロッドの最外端に有する。このストッパー36の目的は、後で第2注入器12を使用する際にその中のピストンが後述する過圧が生じることによって軸方向外方に移動するのを防ぐためである。
【0049】
図5bには図5aの構成の断面を示し、ここではバイアル34がその封止端部を折って開口部39を有する状態に示されている。符号38で示しているのは、アダプター33内の所定の位置にバイアルを密閉式に確実に保持するための密閉/保持リングである。アダプター33は、さらにバイアルの開口端部を折った際に発生するガラス粒子などの不純物を取り除くための液体フィルター40を有する。さらにアダプター33は、換気管42を有する換気チャネルを有し、これはバイアル内に挿入されるように配置されている。空気フィルター41が換気チャネルを介して供給される空気を確実に殺菌するために換気チャネルに設けられている。
【0050】
アダプターを使用する際、バイアル34内の液体成分が所定の量、第2注入器に注入されるまで、ピストンを軸方向に引っ張ることによって第2注入器が充填されるようにストッパー36が解除される。その後第2注入器は、好ましくはこの注入器とアダプターを接続しているネジを緩めることによってアダプター33から取り外される。図5cにバイアルおよび第2注入器から取り付けられる前のアダプター33を詳しく示す。アダプターの第2注入器と接続される側にはこれらを相互に確実に接続するためのネジ(図示せず)が設けられている。
【0051】
図6には第2注入器12から第1注射器筒1へと液体成分が供給される前のこれらが互いに接続した状態を示す。第2注入器12のピストンロッドが、上述したようにストッパー36によって係止されるまで軸方向内方に押し込まれる。このように内方に押し込む間、接続ユニットに過圧が生じ、もしこの過圧が生じないとピストン23が最も内方の位置から軸方向に移動した場合、一定量の液体が簡単に戻ってしまう。これによって成分が誤って混合されることになり、混合物の性状に悪影響を与える。図7に例えば骨セメントが注入される患者の椎骨に挿入される注射針26を有する注射針ユニットを示す。この注射針26はユニットを挿入しやすくするための挿入ポイントを有する。符号27は、ユニットのフィンガーグリップを示し、符号49はプレス部を示し、これによってユニットが案内される。ユニットの挿入に関連して、ユニットは挿入方向に叩打されるが、これはプレス部49を取り外して、そこにねじ込み式に嵌め込まれる特定の叩打受けエレメントを取り付けて行われる。
【0052】
図8に第1注入器1を混合エレメント4用の操作手段7、8およびこれに挿入される取り外し自在な保持手段28並びに注射針26を有する注入ユニット、そこから取り外された挿入ポイント48およびプレス部39と伴に示す。ここに示した操作手段は、混合エレメントとの係合のためのネジ山を有しているが、溝と係合する軸方向に延びたリッジなどの他の解除自在な接続手段を使用することも可能である。
【0053】
本発明は、以下の特許請求の範囲内で変更が可能である。粉体成分と液体成分の充填は、自動で行うのが好ましいが、手動で別々に行うことも可能である。さらに接続手段/係合手段の構成を変えてもよく、また気体移送チャネルの構成を図1aからcに示したものと代えてもよい。脱気のための気体移送チャネルを図示した混合エレメント用の操作手段7、8から分離することもできるが、機能を単純化し、経済性の点からこれらは一体化するのが好ましい。
【0054】
上記した別個の容器を第2ピストンシリンダー構造に組み入れるのが好ましく、そしてそれは注射針形状のものであるのが好ましい。しかしながら、異なる構造の例えば先端を折って開封できるアンプルまたは液体成分を加圧する手段のない別個の容器も本発明の範囲内である。1つの態様ではこのようなアンプルであるまたはアンプルを含む別個の容器は、一方の側で第1注入器に接続され、別の側では挿入のためのピストンシリンダー装置または他の圧力を発生させる装置に接続されるまたは接続可能であり、これにより液体成分が第1注入器の第1シリンダー内に導入されるように加圧が発生する。別の態様では第1注入器のシリンダー内に負圧を発生させてもよく、これにより液体成分がこのシリンダー内に吸引される。
【0055】
本発明は、他の医療用の混合物に使用可能であるが、骨セメントのような骨置換材などの高粘度またはペースト状の混合物に好ましく使用される。しかしながら、空気囲いが形成される特徴を有し、従って脱気する必要のある低粘度の混合物にも本発明は適用可能である。
【0056】
本発明のシステムを他の混合物に使用する場合、上記のものとは異なる殺菌方法の使用が想定できる。例えば粉体成分を乾燥高温雰囲気中または湿潤高温雰囲気下の液体中で殺菌することができる。
【0057】
本発明のさらなる変形も可能であり、その一例として混合が完了した時期を示すものを加えてもよく、その手段として一定の粘度に到達し、それに対応する混合物の撹拌抵抗に達した際に解除される連結手段を操作手段と混合エレメントの間に設けることが一例として挙げられる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に従って注入することができる医療用混合物を得るためのシステムおよび請求項16の前提部に記載されている方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ペースト状の種々の物質を医療用、特に整形外科用に導入することが以前から知られている。この分野ではこれらの物質は、骨セメントおよび骨置換材または「骨移植片(bone grafts)」と呼ばれている。これらの物質は、それぞれ異なり、例えば合成材またはセラミック材をベースにしており、骨組織の隙間を埋めるまたは骨組織に締結具またはインプラントを支持するために使用することができる。
【0003】
すでに知られている骨移植片物質または骨セメントは、硬化性合成材をベースに製造され、特にアクリル樹脂−ポリメチルメタクリレート(PMMA)をベースとしており、これは種々の整形外科用途に一般的に使用されている。従来、骨セメントは股関節および膝関節に使用されているが、最近では椎骨の隙間、手首など多くの用途にも使用されている。骨セメントの特徴は、これが2液型の材料であり、出発原料が1つの粉末成分と1つの液体成分とで構成され、これらは良好な結果を得るために正確に測定された量で完全に混合される。
【0004】
硬化は、比較的速く進行し、熱が放出されている間、硬化がさらに促進され、これが骨セメントの混合および適用工程をその効果を損なわないように迅速に行うことが重要であることの理由である。
【0005】
現在、混合は測定された量の上記2つの成分を混合ボウルに入れ、手による撹拌によって混合される場合がよくある。その際、混合物は漏斗および供給パイプを介してピストンシリンダーユニットを含む注入装置に移される。
【0006】
この技術に関しては、骨セメントの調製中にその殺菌に対する厳しい条件を満たすことは困難である。これらの成分から生じる有毒な気体は、これらを扱う人に対して危険因子になる場合がある。
【0007】
また別の一般的な構成では粉体と液体成分が個別に混合装置に入れられ、メカニカルミキサーで撹拌される。
【0008】
先行技術として米国特許第5,435,645号および国際公開第2005/053581号を参照されたい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、上述の問題点を少なくとも軽減する方向で対処する上述のシステムおよび方法を提供することである。
【0010】
この目的は、請求項1の特徴部に記載の特徴によって上述のシステムによって達成される。
【0011】
本発明によってユーザーにとって取り扱いが簡単で、多量の混合物だけでなく、非常に少ない混合物の量、例えば約1〜20mlの非常に少ない量の骨セメントを観血手術並びに最小侵襲手術における狭い凹部に正確に適用することができるシステムが得られる。
【0012】
しかしながら本発明のシステムは、多量の骨セメント並びに医療用途の他の種類の混合物に対しても好適に使用することができる。混合エレメントを設けることによって、適度で且つ完全な混合が行え、よって確実に高品質の混合物が得られる。気体移送チャネル手段を設けることによって、完成した混合物の脱気および粉体成分に殺菌ガスを供給することができる。
【0013】
第1の注射筒と別個の容器を液体成分の移動に関して連結することができる、または「ドッキング」することができる。これにより液体成分を密閉した状態で安全に移送でき、高度な殺菌条件に従って、異なる成分のために第1注入器と第2ピストン/シリンダー構造を別個に扱え、これら異なる成分にとって好適な方法で処理することができる。
【0014】
今日使用されている例えばPMMA系セメントのように2成分系のセメントは、同じ方法で殺菌することができない、なぜなら1つの成分に好適な方法が他の成分にとっては効果がないまたは有害であるからである。そのため市販の異なる複数のセメントに使用することができるシステムは、骨セメントに使用される際に必要に応じて異なる殺菌方法を適用できるように異なる成分用の複数の容器を備えていることが重要である。
【0015】
上述の種類の骨セメントに関し、液体成分には殺菌フィルターを介して無菌充填する一般的な商業的かつ技術的に適用可能な方法がある。粉体成分は、気体殺菌(ETO)または放射線によって殺菌することができる。気体殺菌中、粉体成分は予め注入器に充填され、この注入器は、殺菌ガスに対しては透過性であるが、微生物は透過させないパッケージ材内に密閉され、さらにそのパッケージ用のパッケージ内で粉体成分は、この殺菌ガスを含む大気に晒される。従って殺菌ガスは、パッケージ材を通過し、注入器に到達し、その後気体移送チャネル手段を介して粉体成分に到達し、殺菌する。実際にはパッケージされた注入器は、ある種の気体容器の内側に入れられ、そこで例えば負圧を発生させ、供給された殺菌ガスが注入器に吸い込まれ、気体移送チャネル手段に沿って粉体成分が吸い込まれる。気体による処理の終了後、殺菌ガスは同じチャネル手段を通ってそしてパッケージ材を介してパッケージから抜き出される。
【0016】
シリンダーの内側に移動可能に配置された気体移送チャネル手段、特にシリンダーの軸方向に移動可能に配置された気体移送チャネル手段の口によって、混合が終了した後の混合物の脱気を非常に効果的に行うことができる。混合中、気泡が混合物中に形成され、これは混合物/骨セメントの品質に悪影響を与える。骨セメントは、比較的粘性が高く、従って気泡は、単に振ったりまたは押したりしても取り出すことができない。しかしながら本発明では気体移送チャネル手段をシリンダーの内側で移動させることで、即ち僅かな過圧が第1注入器に行き渡るように第1注入器を同時に活性化させている間に、このような気泡を「探す」ために移動させることができる。従って混合が完了した混合物の脱気を本発明によって非常に効果的に行うことができる。
【0017】
本発明は、ペースト状の混合物を調製するのに特に適しており、通常このような混合物には気泡が残存する。しかしながら本発明は、気泡が混合工程終了後に永久的に残りやすい他の混合物にも適用可能である。本発明は、ジェリー状またはシロップ状の混合物に関しても適用可能である。
【0018】
別個の容器を第2ピストン/シリンダー構造、特に第2注入器に配置することによって、取り扱いが簡単で、経済的に有利な標準的な部品を使用することができる。この構成によって液体成分を極めて正確な量でシリンダー内に導入することができ、高品質の混合物を得ることができる。
【0019】
解除自在な第2係合手段によって、得られた混合物のさらなる取り扱いのために液体成分の移送が完了した後、第1注入器を第2ピストン/シリンダー構造から自由にすることができる。混合エレメントを操作するための手段も上記気体移送手段を含むことが合理的であり、好ましい。これによりこれらの機能を組み込むことが簡単な方法で行うことができ、上記による脱気が簡単に行える。
【0020】
また上記気体移送チャネル手段は、第2のピストン/シリンダー構造から液体成分を移送するための移送チャネル手段で構成されるのが好ましく、これにより異なる機能をさらにシステムに組み込むことができる。
【0021】
また混合エレメントを操作するための手段が上記移送チャネル手段を含むことが好ましい。
【0022】
第1および場合によっては第2の注射器筒が単独使用の物品である場合、これらの部品の洗浄および再使用に関わる問題は避けられ、これらが標準的な部品で構成されている場合、経済的な利点が得られる。
【0023】
本発明のシステムは、骨セメントを患者に施術するために適用させることが好ましいが、気泡を溜める性状を有し、処方する前に脱気する必要のある医療用混合物などの他の医療用途にも適用可能である。
【0024】
対応する利点は、本発明による方法によって得られる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明を添付の図面を参照した実施態様をもとに以下に具体的に説明する。
【図1a】粉体成分を殺菌し、第1注入器内に充填する工程を示す。
【図1b】粉体成分を殺菌し、第1注入器内に充填する工程を示す。
【図1c】粉体成分を殺菌し、第1注入器内に充填する工程を示す。
【図1d】針状の取り外し自在のホルダー手段を示す。
【図2a】液体成分を第2注入器内に充填する2つの工程の内の1つを示す。
【図2b】液体成分を第2注入器内に充填する2つの工程の内の1つを示す。
【図3a】処方する前に成分を混合する工程の1つを示す。
【図3b】処方する前に成分を混合する工程の1つを示す。
【図3c】処方する前に成分を混合する工程の1つを示す。
【図3d】処方する前に成分を混合する工程の1つを示す。
【図3e】処方する前に成分を混合する工程の1つを示す。
【図3f】処方する前に成分を混合する工程の1つを示す。
【図4a】第1注入器の変形例を示す。
【図4b】第1注入器の変形例を示す。
【図4c】第1注入器の変形例を示す。
【図5a】僅かに変形された第2注入器の充填を示す。
【図5b】僅かに変形された第2注入器の充填を示す。
【図5c】充填用のアダプターの拡大図である。
【図6】変形された第2注入器に接続された変形された第1注入器を示す。
【図7】本発明のシステムに使用される注射針を示す。
【図8】変形された第1注入器とその関連部品を示す。
【発明を実施するための形態】
【0026】
異なる態様において同じまたは類似の部材には同じ参照番号を付してある。
【0027】
図1aから1cには第1の注入器1内で粉体成分2を殺菌する工程を示している。図1aは第1充填段階を略式に示しており、投与充填装置3が計量された粉体成分2を移送するために配置されており、この粉体成分は、第1注入器1のシリンダー22内に落下する。
【0028】
この第1の注入器は混合エレメント4が設けられたステーションとして示されており、この混合エレメントは、これを回転させることができ、かつ、後の混合作業中にこのエレメントをシリンダーの軸方向に移動させることができる操作手段7、8に連結している。
【0029】
内部にチャネルを有する操作手段7、8の管状部分7は、混合エレメント4から接続部分5の通路(図示せず)を介して回転部分8の最も外側の外方のスレッド状の第1係合手段へと延びている。接続部分5は、混合物が注射される際に選択される注射針を後で取り付けるための外方の雄ねじをその外側に有する。
【0030】
図1dには針状のエレメント30である取り外し自在の保持手段28を示し、これは接続部分5の上述の雄ねじなどの対応する締結手段と協働するための内側に設けられた雌ねじなどの手段を有するスリーブ状のエレメント29である締結エレメントに強固に接続される。またバイオネット差し込み手段などの他の締結方法も利用可能である。
【0031】
取り外し自在の保持手段28の目的は、粉体成分が充填された後、そして2つの成分の混合が行われるまで、粉体成分が気体移送およびその後の液体成分の移送のための管状部分7を塞いでしまう場合があるので、粉体成分が管状部分7の内側のチャネル内に入り込まないようにすることである。図1dに示す態様では、取り外し自在な保持手段28の針状エレメント30は、その全長に亘って中空であり、凹部31を有するスリーブ状のエレメント29と伴に取り外し自在な保持手段28を介して気体が通ることができる接続部を形成し、これにより気体が殺菌のために第1注入器の外側から内側へと移動することができる。特定のガスの移動も針状エレメント30の隠れた面と管状部分7のチャネル壁の間で行うことができる。
【0032】
図1bには第2の段階を示し、第1のピストン/シリンダー構造を形成するための粉体成分2が充填されている注入器1のシリンダーの自由端にピストン20がそれを操作するためのピストンロッド21と伴に導入されている。
【0033】
図1cには第3の段階を示し、ここでは粉体成分が充填された第1注入器1がパッケージに入れられ、チャンバー9内に置かれ、このチャンバーには気体容器10から気体導管11を介して殺菌ガスが供給される。上記したように殺菌ガスは、凹部31から第1注入器の内部に移動することができる。殺菌が完了した後、第1注入器の使用の準備が整う。ここで注目すべきことは、気体移送を行うための他の手段、例えば非中空の針状エレメント30の周囲面と管状部分7のチャネル壁の間で行われる全ての気体移送も本発明の範囲内に入る。
【0034】
本発明の異なる使用において他の公知の殺菌方法も本発明の範囲内である。従ってイオン化放射線または例えば目的に合った充分なパワーを有する特定の電磁放射線による放射線殺菌も使用することができる。また特定の場合、乾熱または乾熱雰囲気における加熱を使用することもできる。
【0035】
図2aには第2の注入器12に液体成分13を充填するための第1の工程を示す。ここでは第1注入器1の充填の場合と対応するように、供給部16内の液体成分13を計量された量だけ供給ポンプ15を介して受けるために第2注入器12が配置され、供給ポンプはその計量された液体成分を液体導管17および殺菌フィルター14を介して第2注入器12内に供給するために配置されている。
【0036】
図2aに示すように第2注入器の下方には内部ネジ(図示せず)形状の第2係合手段18を有する封止部19が設けられている。
【0037】
図2bには第2の段階を示し、ここでは液体成分が充填された第2注入器12にピストン23が設けられており、このピストンはこれを操作するためのピストンロッド24を有する。気体透過性のプラスチックバッグ(図示せず)に第2注入器を入れて外側を殺菌した後、この第2注入器の使用の準備が整う。
【0038】
液体成分の他の殺菌方法も本発明の範囲内である。従って殺菌する材料によって、他の公知の方法、例えばイオン化放射線または例えば用途に合った充分なパワーを有する特定の電磁放射線による放射線殺菌も使用することができる。また特定の用途において、湿った熱によるオートクレービングを使用することができる。
【0039】
図3a−fは、この例では注入可能な骨セメントの混合物を得るために2つの成分を混合する順序を示している。図3aはそれぞれの殺菌パッケージから取り出され、第1および第2係合手段8’、18を介して接続されようとする第1注入器1と第2注入器12を示している。これらの係合手段は、第1注入器1については回転部分8の外側のネジ山であり、第2注入器12については符号18で示す内部に設けられたネジ山である。図1dに示した取り外し自在な保持手段28は、ここでは既に第1注入器から取り外されており、液体成分を導入するための操作手段7、8内のチャネルが残っている。
【0040】
図3bは互いに接続されている第2注入器と第1注入器を示している。図3cはピストン23を押し込むことによって第2注入器12から第1注入器1へと液体成分を供給する工程を示している。
【0041】
図3dは実際の混合工程を示しており、ここでは混合エレメント4が操作手段7、8を操作することによってシリンダー22の軸方向に移動するのと同時に回転する。この工程の最後には混合物は、操作手段7、8(混合エレメント4に接続されている)が軸方向に移動するのと同時にシリンダー内に僅かな過圧を発生させるために、ピストンロッド21によってピストン20に加えられる僅かな圧力によって脱気される。本発明による方法のこの重要な工程中、過圧下にある混合物は、混合物中の気泡が口25によって、この場合管状の操作手段7、8内に位置する脱気チャネルへと導かれることによって効果的に脱気される。脱気チャネルは、2つ以上の口25、例えば管状の操作手段の対向する側に2つの口25を有してもよい。第2注入器12は、まだこの時点では第1注入器に接続されているので、捕捉された、多くの場合有害な気体が第2注入器内に受け取られ、これら有害な気体は、作業者の呼吸器官に吸い込まれることはない。
【0042】
図3eは混合が完了した後、混合エレメント4用の操作手段7、8を第1注入器から操作手段7、8全体を単に軸方向に引き抜くことによって取り外した状態を示している。
【0043】
実際の操作においては、混合物が不透明(骨セメント)であるために上述のいくつかの工程では混合エレメントは、見えない。しかしながら、図中で理解しやすいように混合エレメントを示している。
【0044】
その後図3fに示すように選択された注射針26、この場合フィンガーグリップ27が取り付けられているものが第1注入器に装着され、これにより第1注入器を骨セメントの注入に使用することができる。
【0045】
図4から8に示す第2の態様では、システムに僅かな変更が加えられている。図4aに示す第1注入器1には成分の混合を良好に行うために、その出口方向に複数、この場合4つの混合ウイング4’とその反対方向に複数、この場合4つのピン4’’を有する混合エレメント4が設けられている。ピン4’’’は、リング形状の安定化エレメントであり、これは混合エレメント4が軸方向に移動する間、混合成分が容易に混合エレメントを通過できるようにするための軸方向の開口部を形成している。シリンダー22の出口端部にはワイパープレート32が配されており、これは管状部分をシリンダー22から出し入れする際に管状部分からの粉体成分を拭き取るために操作手段7の管状部分に対して密に配置されている。これにより粉体材料が注入器1の出口領域に達するのを防ぎ、混合物の一部にはならない。この領域の粉体材料は、この領域の操作手段の管状部分と注入器との間の摩擦を不必要に増加させる。
【0046】
図4bは第1注入器のピストンロッド側を示し、注入器の取り扱いを容易にするための第1のグリップ44が係止ワッシャー46を介して注入器に強固に嵌め込まれており、このワッシャーは、半径方向外方に延びたウイング(図において実線で示している)を有する第1グリップの凹部にスナップ式に嵌め込むことができ、これにより係止ワッシャー46は、第1注入器の端部フランジ45に対して軸方向に位置する。
【0047】
第1グリップ44は、この端部フランジ45の第2の側に対して位置する部分50を有する。係止ワッシャー46は、さらにシリンダー22の内側に半径方向に延びた部分(図示せず)を有し、これによりこれらの部分は、ストッパーとして機能し、第1注入器1のピストンがシリンダーから外れるのを防ぐ。符号8で示しているのは、混合エレメント4の操作手段のための回転部分である。図4cは第1の態様で上述したのと同じように取り外し可能な保持手段28が取り外された第1注入器1を示している。
【0048】
図5aには第2注入器12を充填するための構成を示し、ここではこの注入器がアダプター33の第1の側に接続され、アダプターのもう一方の側は、液体成分を含むバイアル34を受けるように構成されている。さらに図5aには第2注入器12用の第2グリップ35を示し、このグリップは、出口端部からピストンロッド端部の方へと軸方向に端部フランジ51(図5b)に対して位置している。この第2グリップ35は、ストッパー36を有し、これは第2注入器12内に導入可能なピストンロッドの端部と係合するためのフック37をピストンロッドの最外端に有する。このストッパー36の目的は、後で第2注入器12を使用する際にその中のピストンが後述する過圧が生じることによって軸方向外方に移動するのを防ぐためである。
【0049】
図5bには図5aの構成の断面を示し、ここではバイアル34がその封止端部を折って開口部39を有する状態に示されている。符号38で示しているのは、アダプター33内の所定の位置にバイアルを密閉式に確実に保持するための密閉/保持リングである。アダプター33は、さらにバイアルの開口端部を折った際に発生するガラス粒子などの不純物を取り除くための液体フィルター40を有する。さらにアダプター33は、換気管42を有する換気チャネルを有し、これはバイアル内に挿入されるように配置されている。空気フィルター41が換気チャネルを介して供給される空気を確実に殺菌するために換気チャネルに設けられている。
【0050】
アダプターを使用する際、バイアル34内の液体成分が所定の量、第2注入器に注入されるまで、ピストンを軸方向に引っ張ることによって第2注入器が充填されるようにストッパー36が解除される。その後第2注入器は、好ましくはこの注入器とアダプターを接続しているネジを緩めることによってアダプター33から取り外される。図5cにバイアルおよび第2注入器から取り付けられる前のアダプター33を詳しく示す。アダプターの第2注入器と接続される側にはこれらを相互に確実に接続するためのネジ(図示せず)が設けられている。
【0051】
図6には第2注入器12から第1注射器筒1へと液体成分が供給される前のこれらが互いに接続した状態を示す。第2注入器12のピストンロッドが、上述したようにストッパー36によって係止されるまで軸方向内方に押し込まれる。このように内方に押し込む間、接続ユニットに過圧が生じ、もしこの過圧が生じないとピストン23が最も内方の位置から軸方向に移動した場合、一定量の液体が簡単に戻ってしまう。これによって成分が誤って混合されることになり、混合物の性状に悪影響を与える。図7に例えば骨セメントが注入される患者の椎骨に挿入される注射針26を有する注射針ユニットを示す。この注射針26はユニットを挿入しやすくするための挿入ポイントを有する。符号27は、ユニットのフィンガーグリップを示し、符号49はプレス部を示し、これによってユニットが案内される。ユニットの挿入に関連して、ユニットは挿入方向に叩打されるが、これはプレス部49を取り外して、そこにねじ込み式に嵌め込まれる特定の叩打受けエレメントを取り付けて行われる。
【0052】
図8に第1注入器1を混合エレメント4用の操作手段7、8およびこれに挿入される取り外し自在な保持手段28並びに注射針26を有する注入ユニット、そこから取り外された挿入ポイント48およびプレス部39と伴に示す。ここに示した操作手段は、混合エレメントとの係合のためのネジ山を有しているが、溝と係合する軸方向に延びたリッジなどの他の解除自在な接続手段を使用することも可能である。
【0053】
本発明は、以下の特許請求の範囲内で変更が可能である。粉体成分と液体成分の充填は、自動で行うのが好ましいが、手動で別々に行うことも可能である。さらに接続手段/係合手段の構成を変えてもよく、また気体移送チャネルの構成を図1aからcに示したものと代えてもよい。脱気のための気体移送チャネルを図示した混合エレメント用の操作手段7、8から分離することもできるが、機能を単純化し、経済性の点からこれらは一体化するのが好ましい。
【0054】
上記した別個の容器を第2ピストンシリンダー構造に組み入れるのが好ましく、そしてそれは注射針形状のものであるのが好ましい。しかしながら、異なる構造の例えば先端を折って開封できるアンプルまたは液体成分を加圧する手段のない別個の容器も本発明の範囲内である。1つの態様ではこのようなアンプルであるまたはアンプルを含む別個の容器は、一方の側で第1注入器に接続され、別の側では挿入のためのピストンシリンダー装置または他の圧力を発生させる装置に接続されるまたは接続可能であり、これにより液体成分が第1注入器の第1シリンダー内に導入されるように加圧が発生する。別の態様では第1注入器のシリンダー内に負圧を発生させてもよく、これにより液体成分がこのシリンダー内に吸引される。
【0055】
本発明は、他の医療用の混合物に使用可能であるが、骨セメントのような骨置換材などの高粘度またはペースト状の混合物に好ましく使用される。しかしながら、空気囲いが形成される特徴を有し、従って脱気する必要のある低粘度の混合物にも本発明は適用可能である。
【0056】
本発明のシステムを他の混合物に使用する場合、上記のものとは異なる殺菌方法の使用が想定できる。例えば粉体成分を乾燥高温雰囲気中または湿潤高温雰囲気下の液体中で殺菌することができる。
【0057】
本発明のさらなる変形も可能であり、その一例として混合が完了した時期を示すものを加えてもよく、その手段として一定の粘度に到達し、それに対応する混合物の撹拌抵抗に達した際に解除される連結手段を操作手段と混合エレメントの間に設けることが一例として挙げられる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に延びた延長部とピストン(20)を有するシリンダー(22)を含み、このシリンダーに計量された粉体成分(2)を含む第1のピストン/シリンダー構造(1)と、
前記粉体成分に対応して計量された液体成分(13)を含む別個の容器(12)と、
前記粉体成分と液体成分を混合し、注入するために前記計量された液体成分をシリンダーに密閉された状態で移送するための手段と
を含む少なくとも第1の成分である粉体成分(2)と第2の成分である液体成分(13)を原料とする医療用の注入可能なペースト状の混合物を得るためのシステムにおいて、
前記第1ピストン/シリンダー構造が第1注入器(1)であり、
使用者が操作可能な混合エレメント(4)がシリンダー内に位置し、
前記シリンダーへと続く少なくとも1つの気体移送チャネル手段がシリンダーに配置され、
この気体移送チャネル手段は、シリンダー内で移動自在に配置されており、
係合手段(8’、18)が液体成分の移送中に第1注入器(1)を別個の容器(12)に接続するために配置されていることを特徴とするシステム。
【請求項2】
シリンダー内の前記気体移送チャネル手段の口が脱気のために軸方向に移動可能であることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記別個の容器が第2の注入器(12)形状の第2ピストンシリンダー構造(12)に含まれていることを特徴とする請求項1または2記載のシステム。
【請求項4】
前記第2注入器(12)がそのシリンダーのピストンの軸方向の移動を防ぐためのストッパー(36)を有することを特徴とする請求項3記載のシステム。
【請求項5】
第2注入器(12)と接続するための第1の側と、液体を含むバイアルと接続し、このバイアルから液体成分を第2注入器(12)に移送するための第2の側とを有するアダプター(33)を含むことを特徴とする請求項3または4記載のシステム。
【請求項6】
アダプター(33)に液体成分の移送中に不純物を取り除くための液体フィルター(40)が設けられていることを特徴とする請求項5記載のシステム。
【請求項7】
アダプター(33)が換気チャネルとその内部に配されたエアーフィルター(41)を有し、液体成分の移送中にこの換気チャネルを通過する空気を殺菌することを特徴とする請求項5または6記載のシステム。
【請求項8】
前記係合手段(8’、18)が取り外し自在であることを特徴とする請求項1乃至7いずれか1項記載のシステム。
【請求項9】
混合エレメント(4)を操作するための手段(7、8)が前記気体移送チャネル手段を含むことを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項記載のシステム。
【請求項10】
前記気体移送チャネル手段が前記別個の容器から液体成分を移送するための移送チャネル手段で構成されていることを特徴とする請求項1乃至9いずれか1項記載のシステム。
【請求項11】
混合エレメント(4)を操作するための手段(7、8)が前記移送チャネル手段を含むことを特徴とする請求項9記載のシステム。
【請求項12】
前記第1注入器が混合エレメント(4)を操作するための手段(7、8)に対して作動するワイパープレートを含むことを特徴とする請求項1乃至11いずれか1項記載のシステム。
【請求項13】
第1および第2注入器が単独使用の物品であり、標準的な部材であることを特徴とする請求項1乃至12いずれか1項記載のシステム。
【請求項14】
前記混合物が骨置換材、骨セメント、薬剤からなる群から選択されることを特徴とする請求項1乃至13いずれか1項記載のシステム。
【請求項15】
第1注入器(1)がシリンダーからピストンが外れるのを防ぐためのストッパー(46)を有することを特徴とする請求項1乃至14いずれか1項記載のシステム。
【請求項16】
軸方向に延びた延長部とピストンを有するシリンダーを含む第1ピストン/シリンダー構造(1)に計量された粉体成分が供給され、
別個の容器に粉体成分に対応する計量された液体成分(13)が供給され、
前記粉体成分と液体成分を混合し、注入するために前記計量された液体成分がシリンダーに密閉された状態で移送される少なくとも第1の成分である粉体成分と第2の成分である液体成分(13)を原料とする医療用の注入可能なペースト状の混合物を得る方法であって、
粉体成分(2)が注入器(1)である第1ピストン/シリンダー構造に供給され、
液体成分(13)が前記シリンダーへ導入するために前記別個の容器に供給され、
前記粉体成分と液体成分がユーザーによって操作される混合エレメント(4)によってシリンダー内で混合され、
前記混合物が前記シリンダーへと続く少なくとも1つの気体移送チャネル手段を介して脱気され、
前記気体移送チャネル手段を脱気中に前記シリンダー内で移動させ、
前記第1注入器と別個の容器が係合手段を介して液体成分を移送するために相互に接続されることを特徴とする方法。
【請求項17】
前記気体移送チャネル手段の口を脱気中にシリンダーの軸方向に移動させることを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項18】
前記液体成分(13)が第2注入器である第2のピストン/シリンダー構造を介してシリンダーに供給され、圧縮されることを特徴とする請求項16または17記載の方法。
【請求項19】
前記別個の容器(12)と第1注入器(1)が液体成分(13)を移送するために取り外し自在に相互に連結されていることを特徴とする請求項16乃至18いずれか1項記載のシステム。
【請求項20】
前記混合物が骨置換材、骨セメント、薬剤からなる群から選択されることを特徴とする請求項16乃至19いずれか1項記載の方法。
【請求項21】
混合される前の粉体成分が前記気体移送チャネル手段、照射、乾燥加熱からなる群からなるいずれか1つによって殺菌されることを特徴とする請求項16乃至20いずれか1項記載の方法。
【請求項22】
混合される前の粉体成分が殺菌フィルターにより無菌充填、オートクレービング(湿式加熱)、照射殺菌からなる群からなるいずれか1つによって殺菌されることを特徴とする請求項16乃至21いずれか1項記載の方法。
【請求項23】
アダプター(33)を介して液体成分がバイアルから別個の容器を形成する第2注入器へと移送されることを特徴とする請求項16乃至21いずれか1項記載の方法。
【請求項1】
軸方向に延びた延長部とピストン(20)を有するシリンダー(22)を含み、このシリンダーに計量された粉体成分(2)を含む第1のピストン/シリンダー構造(1)と、
前記粉体成分に対応して計量された液体成分(13)を含む別個の容器(12)と、
前記粉体成分と液体成分を混合し、注入するために前記計量された液体成分をシリンダーに密閉された状態で移送するための手段と
を含む少なくとも第1の成分である粉体成分(2)と第2の成分である液体成分(13)を原料とする医療用の注入可能なペースト状の混合物を得るためのシステムにおいて、
前記第1ピストン/シリンダー構造が第1注入器(1)であり、
使用者が操作可能な混合エレメント(4)がシリンダー内に位置し、
前記シリンダーへと続く少なくとも1つの気体移送チャネル手段がシリンダーに配置され、
この気体移送チャネル手段は、シリンダー内で移動自在に配置されており、
係合手段(8’、18)が液体成分の移送中に第1注入器(1)を別個の容器(12)に接続するために配置されていることを特徴とするシステム。
【請求項2】
シリンダー内の前記気体移送チャネル手段の口が脱気のために軸方向に移動可能であることを特徴とする請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記別個の容器が第2の注入器(12)形状の第2ピストンシリンダー構造(12)に含まれていることを特徴とする請求項1または2記載のシステム。
【請求項4】
前記第2注入器(12)がそのシリンダーのピストンの軸方向の移動を防ぐためのストッパー(36)を有することを特徴とする請求項3記載のシステム。
【請求項5】
第2注入器(12)と接続するための第1の側と、液体を含むバイアルと接続し、このバイアルから液体成分を第2注入器(12)に移送するための第2の側とを有するアダプター(33)を含むことを特徴とする請求項3または4記載のシステム。
【請求項6】
アダプター(33)に液体成分の移送中に不純物を取り除くための液体フィルター(40)が設けられていることを特徴とする請求項5記載のシステム。
【請求項7】
アダプター(33)が換気チャネルとその内部に配されたエアーフィルター(41)を有し、液体成分の移送中にこの換気チャネルを通過する空気を殺菌することを特徴とする請求項5または6記載のシステム。
【請求項8】
前記係合手段(8’、18)が取り外し自在であることを特徴とする請求項1乃至7いずれか1項記載のシステム。
【請求項9】
混合エレメント(4)を操作するための手段(7、8)が前記気体移送チャネル手段を含むことを特徴とする請求項1乃至8いずれか1項記載のシステム。
【請求項10】
前記気体移送チャネル手段が前記別個の容器から液体成分を移送するための移送チャネル手段で構成されていることを特徴とする請求項1乃至9いずれか1項記載のシステム。
【請求項11】
混合エレメント(4)を操作するための手段(7、8)が前記移送チャネル手段を含むことを特徴とする請求項9記載のシステム。
【請求項12】
前記第1注入器が混合エレメント(4)を操作するための手段(7、8)に対して作動するワイパープレートを含むことを特徴とする請求項1乃至11いずれか1項記載のシステム。
【請求項13】
第1および第2注入器が単独使用の物品であり、標準的な部材であることを特徴とする請求項1乃至12いずれか1項記載のシステム。
【請求項14】
前記混合物が骨置換材、骨セメント、薬剤からなる群から選択されることを特徴とする請求項1乃至13いずれか1項記載のシステム。
【請求項15】
第1注入器(1)がシリンダーからピストンが外れるのを防ぐためのストッパー(46)を有することを特徴とする請求項1乃至14いずれか1項記載のシステム。
【請求項16】
軸方向に延びた延長部とピストンを有するシリンダーを含む第1ピストン/シリンダー構造(1)に計量された粉体成分が供給され、
別個の容器に粉体成分に対応する計量された液体成分(13)が供給され、
前記粉体成分と液体成分を混合し、注入するために前記計量された液体成分がシリンダーに密閉された状態で移送される少なくとも第1の成分である粉体成分と第2の成分である液体成分(13)を原料とする医療用の注入可能なペースト状の混合物を得る方法であって、
粉体成分(2)が注入器(1)である第1ピストン/シリンダー構造に供給され、
液体成分(13)が前記シリンダーへ導入するために前記別個の容器に供給され、
前記粉体成分と液体成分がユーザーによって操作される混合エレメント(4)によってシリンダー内で混合され、
前記混合物が前記シリンダーへと続く少なくとも1つの気体移送チャネル手段を介して脱気され、
前記気体移送チャネル手段を脱気中に前記シリンダー内で移動させ、
前記第1注入器と別個の容器が係合手段を介して液体成分を移送するために相互に接続されることを特徴とする方法。
【請求項17】
前記気体移送チャネル手段の口を脱気中にシリンダーの軸方向に移動させることを特徴とする請求項15記載の方法。
【請求項18】
前記液体成分(13)が第2注入器である第2のピストン/シリンダー構造を介してシリンダーに供給され、圧縮されることを特徴とする請求項16または17記載の方法。
【請求項19】
前記別個の容器(12)と第1注入器(1)が液体成分(13)を移送するために取り外し自在に相互に連結されていることを特徴とする請求項16乃至18いずれか1項記載のシステム。
【請求項20】
前記混合物が骨置換材、骨セメント、薬剤からなる群から選択されることを特徴とする請求項16乃至19いずれか1項記載の方法。
【請求項21】
混合される前の粉体成分が前記気体移送チャネル手段、照射、乾燥加熱からなる群からなるいずれか1つによって殺菌されることを特徴とする請求項16乃至20いずれか1項記載の方法。
【請求項22】
混合される前の粉体成分が殺菌フィルターにより無菌充填、オートクレービング(湿式加熱)、照射殺菌からなる群からなるいずれか1つによって殺菌されることを特徴とする請求項16乃至21いずれか1項記載の方法。
【請求項23】
アダプター(33)を介して液体成分がバイアルから別個の容器を形成する第2注入器へと移送されることを特徴とする請求項16乃至21いずれか1項記載の方法。
【図1a】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図3e】
【図3f】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6】
【図7】
【図8】
【図1b】
【図1c】
【図1d】
【図2a】
【図2b】
【図3a】
【図3b】
【図3c】
【図3d】
【図3e】
【図3f】
【図4a】
【図4b】
【図4c】
【図5a】
【図5b】
【図5c】
【図6】
【図7】
【図8】
【公表番号】特表2011−500134(P2011−500134A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−528829(P2010−528829)
【出願日】平成20年10月10日(2008.10.10)
【国際出願番号】PCT/SE2008/000552
【国際公開番号】WO2009/048366
【国際公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(507394835)オルトヴィヴァ アーベー (3)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月10日(2008.10.10)
【国際出願番号】PCT/SE2008/000552
【国際公開番号】WO2009/048366
【国際公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【出願人】(507394835)オルトヴィヴァ アーベー (3)
【Fターム(参考)】
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