説明

医療画像装置

【課題】重力によって変形した臓器の画像(望ましくは3次元画像)を得ることができる医療画像装置を提供する。
【解決手段】臓器に対して任意の位置、角度で設定した分割軸Lを通る複数の分割面Bnにおいて、被検体の臓器Cの重力による変形を行い、変形後の臓器C’を作成する。これを基にして被検体の臓器領域の重力による変形後の3次元画像を作成し、モニタに表示させる。これにより、変形後の臓器のデータを得ることなく、直接的で容易に立体的な認識が可能な重力によって変形した臓器の画像を得ることができる。また、臓器Cを曲げ、ズレ、膨らみの少なくとも1つの変形形態を用いて変形させるため、重力による臓器の変形を適切に表現することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療画像装置に係り、特に断層像に写っている臓器を変形させる医療画像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
X線CT装置、MR装置、超音波画像装置等の医療画像装置で撮影した被検体の画像を用いて、被検体の臓器等の3次元画像を表示させて、外科手術、診断等を支援する装置が用いられている。
【0003】
しかし、手術時に臓器を手で触れる、臓器を体外へ持ち出す等する場合には臓器が変形し、臓器の状態が医療画像装置に表示されている臓器の3次元画像の状態と異なるという問題がある。
【0004】
これに対応するために、時間の異なる2つの画像データから臓器の変形を示す式を定義し、その式を空間の各点について定義された重み付け関数を用いて3次元空間における変形を定義する方法及び装置が開示されている。
【特許文献1】特開2003−135438号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許文献1では以下のような技術課題に配慮されていなかった。特許文献1では、時間と共に変形し得る臓器の変形を3次元で得る方法であって、重力を考慮した自然な臓器の変形を得るものではない。また、臓器の変形が認識できる2個以上のデータが必要であるため、手術時に臓器を手で触れる、臓器を体外へ持ち出す等する場合の臓器の変形を、実際にデータを得ること無しに得ることはできない。
【0006】
例えば、図11(a)は肝臓が体内にある場合であるが、体外に出した場合は、一般に図11(b)に示すように重力により変形する。図12は、肝臓移植手術の直前に作られて、移植肝臓の切り方などを検討するのに使われている画像であるが、切断のために体外に出した際の重力による変形が考慮されていないため、より正確な手術のシミュレーションの情報が望まれていた。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、重力によって変形した臓器の画像(望ましくは3次元画像)を得ることができる医療画像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の医療画像装置は被検体の臓器領域を含む複数枚の断層像を取得する画像取得手段と、前記画像取得手段によって取得された複数枚の断層像から臓器領域を抽出する臓器抽出手段と、前記抽出された臓器領域を複数の分割面に分割するための基準となる分割軸を設定する分割軸設定手段と、前記分割軸を通る平行な複数の分割面上に前記抽出された臓器領域の第1の断面像を作成する断面像作成手段と、前記断面像作成手段で作成された第1の断面像を重力の影響を受けた第2の断面像に変形させる断面像変形手段と、前記断面像変形手段によって変形させられた複数の第2の断面像に基づいて所望の表示画像を作成する表示画像作成手段と、前記表示画像作成手段によって作成された表示画像を表示する表示手段と、を備えたことを特徴としている。上記の医療画像装置によれば、重力方向と平行な分割軸を通る複数の分割面において被検体の臓器領域の重力による変形を行い、これを基にして被検体の臓器領域の重力による変形後の画像を表示させる。これにより、変形後の臓器のデータを得ることなく、重力によって変形した臓器の画像を得ることができる。
【0009】
請求項2に記載の医療画像装置は、請求項1に記載の医療画像装置において、前記断面像変形手段は、重力による曲げ、ズレ、膨らみのうちの少なくとも1つの変形形態で前記第1の断面像を変形させて前記第2の断面像を作成することを特徴としている。上記の医療画像装置によれば、被検体の臓器領域の重力による変形は、曲げ、ズレ、膨らみのうちの少なくとも1つの変形形態による。これにより、重力による臓器の変形を適切に表現することができる。
【0010】
請求項3に記載の医療画像装置は、請求項1又は2に記載の医療画像装置において、前記表示画像生成手段は、前記複数の第2の断面像から作成した複数の平行な断面像を用いて、又は前記複数の第2の断面像を用いて直接3次元画像を作成し、この3次元画像を表示画像とすることを特徴としている。上記の医療画像装置によれば、被検体の臓器領域の重力による変形後の画像は3次元画像であり、その3次元画像は、複数の第2の断面像から作成した複数の平行な断面像を用いて作成される、又は複数の第2の断面像を用いて直接作成される。これにより、直接的で容易に立体的な認識が可能な重力によって変形した臓器の画像を得ることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、重力によって変形した臓器の画像(望ましくは3次元画像)を得ることができる医療画像装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための最良の形態を添付図面に基づいて説明する。
【0013】
図1は、本発明に係る第1の実施の形態の医療画像装置全体の構成を示すハードウェア構成図である。
【0014】
医療画像装置10は、被検体の画像を撮影する医用画像撮影装置2とLAN3等のネットワークによって接続される。医用画像撮影装置は、例としてX線CT装置を記載したが、MR装置や超音波撮影装置のように被検体の画像(好ましくは3次元画像)を撮影可能な装置により構成される。
【0015】
医療画像装置10は、主として各構成要素の動作を制御する制御装置としての中央処理装置(CPU)11、装置の制御プログラムが格納されたり、プログラム実行時の作業領域となったりする主メモリ12と、オペレーティングシステム(OS)、周辺機器のデバイスドライブ、胸壁の厚さの測定等の処理を行うためのプログラムを含む各種アプリケーションソフト等が格納される磁気ディスク13と、表示用データを一時記憶する表示メモリ14と、この表示メモリ14からのデータに基づいて画像を表示するCRTモニタや液晶モニタ等のモニタ15と、位置入力装置としてのマウス17、マウス17の状態を検出してモニタ15上のマウスポインタの位置やマウス17の状態等の信号をCPU11に出力するコントローラ16と、操作者が支持を入力するためのキーボード18と、上記各構成要素を接続するバス19とから構成される。
【0016】
CPU11は、上記プログラムを磁気ディスク13から読み出して主メモリ12にロードし、実行する。
【0017】
なお、本実施例では、主メモリ12以外の記憶装置として磁気ディスク13が接続されているが、それ以外にハードディスクドライブ等が接続されていてもよい。
【0018】
次に、医療画像装置10の処理の流れを説明する。
【0019】
図2は、医療画像装置10の処理の流れを示すフローチャートである。CPU11は、このフローチャートに従って動作する。以下の処理は、被検体の臓器領域を撮影した画像データ(アキシャル画像等の複数の断層像)が医用画像撮影装置2から医療画像装置10へ読みこまれた後で開始される。
【0020】
ステップS10では、医用画像撮影装置2から入力された複数の画像データから臓器領域を抽出する。図3(a)に示す複数の断層像Aは、臓器領域の抽出後の画像(二値画像)である。複数の断層像Aにより、臓器Cが認識される。
【0021】
ステップS12では、図3(a)に示すように分割軸Lを設定する。分割軸Lは臓器Cに対して任意の位置、角度で設定が可能である。一般に、分割軸Lは、被検体から臓器Cを取り出した場合に臓器Cを乗せる支持物体を通るように設定される。また、臓器Cを手に持った場合は手を通るように設定される。
【0022】
なお、図3(a)においては、認識しやすくするために、臓器に対して任意の位置、角度に設定した分割軸Lが重力方向に平行な向き(垂直下向き)になるように配置した。
【0023】
次に、複数の断層像Aから断面像Cn(n=1〜N)を作成する方法について説明する(ステップS14〜S28)。
【0024】
ステップS14では、n=1に設定する。
【0025】
ステップS16では、分割軸Lを通る平行な分割面Bn(n=1〜N)を設定する。図3(a)においては、分割軸Lが臓器Cの内部を通るように設定されているため、分割面Bn(n=1〜N)は分割軸Lを中心に放射状に設定される。分割面Bnは、分割面B1から時計回りに順番にB1、B2・・・、Bnと設定され、分割軸Lを中心に1周する。
【0026】
ステップS18では、n=n+1に設定する。
【0027】
ステップS20では、n=Nであるかどうか、すなわちすべての分割面Bn(n=1〜N)が作成されたかを判断する。YESの場合はステップS22へ進み、NOの場合はステップS16へ戻る。
【0028】
ステップS22では、n=1に設定する。
【0029】
ステップS24では、分割面Bn(n=1〜N)上に臓器Cの断面像Cn(n=1〜N)を補間演算により作成する。図3(b)に示すように、分割面B1における臓器Cの断面像は断面像C1である。なお、補間演算は既に公知の様々な補間法を用いることができる。
【0030】
ステップS26では、n=n+1に設定する。
【0031】
ステップS28では、n=Nであるかどうか、すなわちすべての分割面Bn(n=1〜N)に対して断面像Cn(n=1〜N)が作成されたかを判断する。YESの場合はステップS30へ進み、NOの場合はステップS24へ戻る。
【0032】
これにより、分割面B1〜BNに対して断面像C1〜CNが作成される。
【0033】
次に、断面像Cn(n=1〜N)を重力の影響を受けた断面像Cn’(n=1〜N)を作成する方法について説明する(ステップS30〜S36)。
【0034】
ステップS30では、n=1に設定する。
【0035】
ステップS32では、断面像Cn(n=1〜N)を重力によって変形された臓器の断面像Cn’(n=1〜N)に変形させる(図3(c)参照)。変形の方法(変形形態)には、曲げ、ズレ、膨らみの3種類があり、上記3種類のうちの少なくとも1つの変形形態により変形が行われる。どの変形形態により変形が行われるかは、臓器の形状、種類、状態等によって決定される。図3(c)の場合には、臓器Cは肝臓であり、曲げと膨らみとの2種類の変形形態によって変形が行われる。
【0036】
臓器Cを支持物体に載せた場合には、支持物体に載せられた部分の重力変形は無視できるので、支持物体の形に合わせて非線形領域を設定する。図4(a)に示すように支持物体を置いた場合には、図4(b)に示すように、支持物体の上部に非変形領域が設定される。非変形領域が設定された場合には、非変形領域以外の領域(変形領域)において、曲げ、ズレ、膨らみのうちの少なくとも1つの変形形態により変形が行われる。なお、上記においては、臓器Cを支持物体に載せた場合について説明したが、臓器Cを手に持った場合についても同様である。また、臓器Cを支持物体に載せた状態で、臓器Cの支持物体に乗せられていない部分を手で持った場合については、臓器Cの支持物体に乗せられた部分と手で保持された部分とを非変形領域と設定すればよい。
【0037】
ステップS34では、n=n+1に設定する。
【0038】
ステップS36では、n=Nであるかどうか、すなわちすべての分割面Bn(n=1〜N)に対して断面像Cn(n=1〜N)が断面像Cn’(n=1〜N)に変形されたかを判断する。YESの場合はステップS30へ進み、NOの場合はステップS24へ戻る。
【0039】
これにより、断面像C1〜CNに対して重力の影響を受けた断面像C1’〜CN’が作成される。
【0040】
次に、重力の影響を受けた断面像Cn’(n=1〜N)を用いてモニタ15に表示させる表示画像である3次元画像を作成する方法について説明する。
【0041】
ステップS38では、変形した断面像Cn’(n=1〜N)から複数の断層像A’を補間演算により作成する(図3(d)参照)。この断層像A’は、断層像Aと平行でもよいし、平行でなくてもよい。なお、補間演算は既に公知の様々な補間法を用いることができる。
【0042】
ステップS40では、断層像A’を用いて臓器Cの3次元画像を作成する。
【0043】
これにより、モニタ15に表示させる表示画像である3次元画像が作成される。なお、ステップS30は省略可能であり、ステップS28でYESの場合には、演算時間は余計にかかるが、断面像Cn’(n=1〜N)から直接3次元画像を作成してもよい。
【0044】
このようにして作成された3次元画像は、図8に示すように、モニタ上に表示される。
【0045】
次に、曲げ、ズレ、膨らみの3種類の変形形態の詳細について説明する。
【0046】
曲げとは、変形前の断面像D1上のある点pにおいて、線p1が点pを中心にして角度θ回転して線p2へ移動するような変形形態である(図4(b)参照)。曲げの変形形態において、角度θは変形角度であり、この変形角度は臓器の形状、種類、状態等によって所定の値に定められている変形係数に基づいて計算される。例えば、癌領域とそうでない領域とでは変形係数が異なるため、癌領域がある場合(図4(c)参照)と癌領域がない場合(図4(b)参照)とでは、変形角度が異なる。すなわち、変形前の断面図D1、E1が同じ場合において、癌領域がない場合の変形後の断面図D1と’癌領域がある場合の変形後の画像E1’とは異なる。癌領域がある場合には、癌領域がない場合に比べてCT値が異なるため、図5に示すように、変形係数はCT値に対応させて与えるのが分かりやすく便利である。なお、上記において、変形係数がCT値によって異なることを曲げの変形形態を例に説明したが、下記のズレ、膨らみを含む全ての変形形態において、変形係数がCT値によって異なる。また、CT値と変形係数との関係は図5に示す例に限らない。
【0047】
ズレとは、変形前の断面像F1上のあるqnにおいて、重力方向にずり落ちるように距離α移動する変形形態である(図6(c)参照)。図6(a)は変形前の臓器Fを示し、図6(b)は分割面B1上の臓器Fの断面像F1を示し、図6(c)は、断面像F1がズレの変形形態によって移動して断面像F1’に変形したところを示し、図6(d)は変形後の臓器F’を示す。図6は臓器D(例えば乳房)のズレの変形形態のみによって変形する部分を抜き出した例であり、臓器Dの一部分を抜き出しているため、分割軸Lは無限遠方にあると仮定する。よって、図6(a)に示すように、分割面Bn(n=1〜N)が平行になっている。ズレの変形形態において、距離αは変位であり、この変位は臓器の形状、種類、状態等によって所定の値に定められている変形係数に基づいて計算される
膨らみとは、重力による垂直な力によって臓器が横方向に変形を生じるように移動する変形形態である(図7(c)参照)。図7(a)は変形前の臓器Gを示し、図7(b)は分割面B1上の臓器Gの断面像G1を示し、図7(c)は、断面像G1が膨らみの変形形態によって移動して断面像G1’に変形したところを示し、図7(d)は変形後の臓器G’を示す。横方向の変形量βは、変形前の臓器Gと変形後の臓器G’の体積、すなわち変形前の断面像G1の面積と変形後の断面像G1’の面積とが等しくなるように決定される。膨らみの変形形態において、変形量βは変位であり、この変位は臓器の形状、種類、状態等によって所定の値に定められている変形係数に基づいて計算される。
【0048】
なお、上記の変形形態及び変形係数は、図5に示すように、モニタ15に表示させて操作者がマウス17等で支持することにより、設定、変更、選択が可能である。
【0049】
図8は、医療画像装置10において、変形後の画像をモニタ15に表示させた説明図である。モニタ15の左側には変形後の臓器の3次元画像を表示させ、右側にはこの3次元画像を任意の位置で切断したときの切断面での断面像を表示させている。なお、この切断面の位置、方向等はマウス17等により操作者が任意に設定できる。
【0050】
本実施の形態によれば、変形後の臓器のデータを得ることなく、重力によって変形した臓器の画像を得ることができる。また、曲げ、ズレ、膨らみの1つ、又は曲げ、ズレ、膨らみを様々に組み合わせた方法で変形させるため、重力による臓器の変形を適切に表現することができる。また、重力による変形後の臓器の形状を3次元画像で表示させることにより、直接的で容易に立体的な認識が可能な重力によって変形した臓器の画像を得ることができる。
【0051】
なお、本実施の形態では、臓器を変形させるための分割面に分割するための分割軸を1本設定したが、図9に示すように複数設定してもよい。図9は、2個の球状のものが細い円筒状のものでつながっている形状の臓器の変形方法を示す説明図である。図9(a)に示すように、まず、分割軸1を用いて臓器全体(H,I,J)を変形させる。その結果、図9(b)に示すような形状(H’、I’、J’)になる。その後、分割軸2を中心にしてJ’のみ変形させると、図9(c)に示すような形状(H’、I’、J’’)になる。このように、臓器の形状に合わせて複数の分割軸を設定することで、重力による臓器の変形をより適切に表現することができる。
【0052】
また、本実施の形態では、図3に示すように分割軸を設定したが、図10に示す位置を含め、様々な位置、角度で分割軸を設定することができる。なお、分割軸の位置、角度は、操作者が臓器の変形前のみでなく、変形後もモニタ15を確認しながらマウス17等で任意に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明が適用された医療画像装置の第1の実施の形態の全体構成を示す概略図である。
【図2】上記医療画像装置の第1の実施の形態の処理の流れを示すフローチャートである。
【図3】上記医療画像装置の第1の実施の形態において臓器を重力の影響を受けた形状に変形させる方法を説明する説明図であり、(a)は分割軸、分割面の設定方法を示し、(b)は所定の分割面における断面像を示し、(c)は(b)に示す断面像を重力による影響を受けた断面像に変形させた状態を示し、(d)は重力によって変形された後の臓器を示す。
【図4】上記医療画像装置の第1の実施の形態において曲げの変形形態により臓器を重力の影響を受けた形状に変形させる方法を説明する説明図であり、(a)は臓器を支持物体の上に設置した状態を示し、(b)は所定の分割面における断面像、およびその断面像を重力による影響を受けた断面像に変形させた状態を示し、(c)は臓器の中に癌の領域があった場合に所定の分割面における断面像を重力による影響を受けた断面像に変形させた状態を示す。
【図5】上記医療画像装置の第1の実施の形態のCT値に変形係数を割り当てたものを画面に表示させたで説明図である。
【図6】上記医療画像装置の第1の実施の形態においてズレの変形形態により臓器を重力の影響を受けた形状に変形させる方法を説明する説明図であり、(a)は分割軸、分割面の設定方法を示し、(b)は所定の分割面における断面像を示し、(c)は(b)に示す断面像を重力による影響を受けた断面像に変形させた状態を示し、(d)は重力によって変形された後の臓器を示す。
【図7】上記医療画像装置の第1の実施の形態において膨らみの変形形態により臓器を重力の影響を受けた形状に変形させる方法を説明する説明図であり、(a)は分割軸、分割面の設定方法を示し、(b)は所定の分割面における断面像を示し、(c)は(b)に示す断面像を重力による影響を受けた断面像に変形させた状態を示し、(d)は重力によって変形された後の臓器を示す。
【図8】上記医療画像装置の第1の実施の形態の画面の表示例である。
【図9】上記医療画像装置の第1の実施の形態において複数の分割軸を用いて臓器を重力の影響を受けた臓器の形状に変形させる方法を説明する説明図であり、(a)は分割軸1を設定した場合を示し、(b)は分割軸1により臓器を変形させた場合を示し、(c)は分割軸2により臓器を変形させた場合を示す。
【図10】上記医療画像装置の第1の実施の形態において臓器を重力の影響を受けた臓器の形状に変形させる方法を説明する説明図である。
【図11】臓器の3次元画像であり、(a)は臓器が体内にある場合(変形前)を示し、(b)は臓器が体外にある場合(変形後)を示す。
【図12】従来の実施の形態の画面の表示例である。
【符号の説明】
【0054】
10:医療画像装置、15:モニタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の臓器領域を含む複数枚の断層像を取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段によって取得された複数枚の断層像から臓器領域を抽出する臓器抽出手段と、
前記抽出された臓器領域を複数の分割面に分割するための基準となる分割軸を設定する分割軸設定手段と、
前記分割軸を通る平行な複数の分割面上に前記抽出された臓器領域の第1の断面像を作成する断面像作成手段と、
前記断面像作成手段で作成された第1の断面像を重力の影響を受けた第2の断面像に変形させる断面像変形手段と、
前記断面像変形手段によって変形させられた複数の第2の断面像に基づいて所望の表示画像を作成する表示画像作成手段と、
前記表示画像作成手段によって作成された表示画像を表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする医療画像装置。
【請求項2】
前記断面像変形手段は、重力による曲げ、ズレ、膨らみのうちの少なくとも1つの変形形態で前記第1の断面像を変形させて前記第2の断面像を作成することを特徴とする請求項1に記載の医療画像装置。
【請求項3】
前記表示画像生成手段は、前記複数の第2の断面像から作成した複数の平行な断面像を用いて、又は前記複数の第2の断面像を用いて直接3次元画像を作成し、この3次元画像を表示画像とすることを特徴とする請求項1又は2に記載の医療画像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−29415(P2008−29415A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−203649(P2006−203649)
【出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【出願人】(000153498)株式会社日立メディコ (1,613)
【Fターム(参考)】