説明

医薬としての8−アザプロスタグランジンカーボネートおよびチオカーボネート類似体

本発明は、式I:


[式中、A、Ar、X、Z、n、x、y、RおよびR3は、明細書中に定義するとおりである]
で示される化合物を提供する。本発明の化合物は、緑内障および他のプロスタグランジン関連疾患の処置に有効である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬、例えば緑内障を処置するための医薬としての8−アザプロスタグランジンカーボネートおよびチオカーボネート類似体に関する。
【背景技術】
【0002】
眼圧降下剤は、多様な高眼圧症状、例えば術後およびレーザートラベクレクトミー後の高眼圧や、緑内障の処置において、並びに術前の補助薬として有用である。
【0003】
緑内障は、眼圧の上昇により特徴付けられる眼疾患である。緑内障は、その病因により、原発性または続発性として分類されている。例えば、成人の原発性緑内障(先天性緑内障)は、開放隅角緑内障であるか、または急性もしくは慢性の閉塞隅角緑内障であり得る。続発性緑内障は、ブドウ膜炎、眼内腫瘍または拡大した白内障のような既存の眼疾患から生じる。
【0004】
原発性緑内障の原因は、未だ解明されていない。その眼圧上昇は、房水流出遮断による。慢性開放隅角緑内障においては、前房およびその解剖学的構造は正常に見えるが、房水の排出は妨げられる。急性または慢性の閉塞隅角緑内障においては、前房が浅く、透過角が狭く、虹彩がシュレンム管の入口の小柱網を閉塞し得る。瞳孔の拡張により、虹彩根部が隅角に対して前方に押され、および瞳孔ブロックを起こして、病状を急進し得る。前房隅角の狭い眼は、種々の重篤度の急性閉塞隅角緑内障に患る素因を有する。
【0005】
続発性緑内障は、後房から前房、次いでシュレンム管への房水の流れのいかなる妨害によっても起こる。前房の炎症性疾患は、膨隆虹彩における完全な虹彩後癒着を起こすことにより房水排出を妨げ得、排液路を滲出物で閉塞し得る。他の通常の原因は、眼内腫瘍、拡大した白内障、網膜中心静脈閉塞、眼の外傷、手術操作および眼内出血である。
【0006】
すべての種類を考慮すると、緑内障は、40歳を超えるすべての人の約2%に起こり、視力が急速に損われるまで何年間も無症候性であり得る。手術が指示されない場合、局所用β−アドレナリン受容体拮抗剤が、従来、緑内障処置薬物として選択されている。
【0007】
ある種のエイコサノイドおよびその誘導体は、眼圧降下活性を有することが報告されており、緑内障処置に使用することが推奨されている。エイコサノイドおよび誘導体は、プロスタグランジンおよびその誘導体のような、多くの生物学的に重要な化合物を包含する。プロスタグランジンは、下記式で示されるプロスタン酸の誘導体であるといえる:
【化1】

【0008】
プロスタン酸骨格の脂環上の構造および置換基によって、様々な種類のプロスタグランジンが知られている。更なる分類は、側鎖中の不飽和結合数に基づいてなされ、プロスタグランジンの種類の後に数字で示され[例えば、プロスタグランジンE1(PGE1)、プロスタグランジンE2(PGE2)]、また、脂環上の置換基の配置に基づいてもなされ、αまたはβで示される[例えば、プロスタグランジンF(PGF)]。
【0009】
プロスタグランジンはかつて、有効な眼圧上昇剤であると見なされていた; しかし、過去10年間に蓄積された証拠によると、いくつかのプロスタグランジンは非常に有効な眼圧降下剤であり、緑内障の長期処置に好適であることがわかった(例えば、Bito,L.Z.,Biological Protection with Prostaglandins,Cohen,M.M.編,Boca Raton,Fla,CRC Press Inc.,1985,第231〜252頁;並びにBito,L.Z.,Applied Pharmacology in the Medical Treatment of Glaucomas,Drance,S.M.およびNeufeld,A.H.編,New York,Grune & Stratton,1984,第477〜505頁参照)。そのようなプロスタグランジンは、PGF、PGF、PGE2、およびそれらの脂溶性エステル(例えば、1−イソプロピルエステルのようなC1−C2アルキルエステル)を包含する。
【0010】
プロスタグランジンによる眼圧降下の詳しいメカニズムは未だわかっていないが、実験結果により、ブドウ膜強膜流出の増加によるものであることが示された[Nilssonら,Invest.Ophthalmol.Vis.Sci.(suppl),284(1987)]。
【0011】
PGFのイソプロピルエステルは、親化合物よりもはるかに大きい降圧活性を有することがわかっている。これは、角膜透過性がより高いことによると考えられる。1987年にこの化合物は、「かつて報告されたうちで最も強力な眼圧降下剤」であると文献に記載された[例えば、Bito,L.Z.,Arch.Ophthalmol.,105、1036(1987)、およびSieboldら,Prodrug 5、3(1989)参照]。
【0012】
プロスタグランジンは顕著な眼内副作用を持たないと考えられるが、眼表面(結膜)充血および異物感は、ヒトの眼に対するそのような化合物(とりわけPGFおよびそのプロドラッグ、例えば1−イソプロピルエステル)の局所適用に伴って必ず起こる。高眼圧を伴う症状(例えば緑内障)の処置におけるプロスタグランジンの臨床的使用可能性は、上記のような副作用の故に非常に制限されている。
【0013】
Allergan,Inc.に譲渡された一連の同時係属米国特許出願において、眼圧降下活性が高く、副作用は無い、または実質的に副作用の無いプロスタグランジンエステルが開示されている。同時係属米国特許出願第596430号(1990年10月10日出願、米国特許第5446041号に対応)は、ある種の11−アシル−プロスタグランジン、例えば11−ピバロイル、11−アセチル、11−イソブチリル、11−バレリル、および11−イソバレリルPGFに関する。同時係属米国特許出願第175476号(1993年12月29日出願)には、眼圧降下作用を有する15−アシルプロスタグランジンが開示されている。同様に、プロスタグランジンの11,15−、9,15−および9,11−ジエステル、例えば11,15−ジピバロイルPGFも、眼圧降下活性を有することが知られている。同時係属米国特許出願第385645号(1989年7月7日出願、米国特許第4994274号に対応)、第584370号(1990年9月18日出願、米国特許第5028624号に対応)、および第585284号(1990年9月18日出願、米国特許第5034413号に対応)参照。これらすべての特許出願の開示を、特に引用により本発明の一部とする。
【0014】
8−アザプロスタグラン類似体が、PCT出願WO01/46140A1、WO02/042268A2、WO02/24647A1、WO03/007941A1、EP1121939A2、および日本国特許2001−233792に開示されている。
【発明の開示】
【0015】
本発明は、式Iの化合物を含んで成る医薬を提供する:
【化2】

[式中、
波線は、α配置またはβ配置を表し、点線は、二重結合の存在または不存在を表し;
Aは、単結合またはシス二重(アルケン)結合または三重(アルキン)結合を表し;
Xは、CO2R、CONR2、CH2OR、P(O)(OR)2、CONRSO2R、SONR2または
【化3】

であり;
nは、0、または1〜4の整数であり;
xおよびyは、0または1であり、但し、xが1のときyは0、xが0のときyは1であるものとし;
Zは、SまたはOであり;
Rは、HまたはR1であり;
R1は、C1〜5低級アルキルまたはアルケニルであり;
Ar は、4〜10個の炭素原子を有するアリールまたはヘテロアリール基、例えば、フェニル、チエニル、フラニル、ピリジル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ナフチル、および該アリールまたはヘテロアリール基の置換誘導体から成る群から選択され、該置換基は、C1〜5アルキル、ハロゲン、CF3、CN、NO2、NR2、CO2RおよびORから成る群から選択され;
R3は、R、OR、CH2ORまたはCORである]。
【0016】
これらの化合物は、プロスタグランジン類似体での処置に応答しうる、次に例示する疾患および症状を処置するのに有効である:緑内障;心臓血管疾患、例えば、急性心筋梗塞、血栓症、高血圧症、肺高血圧症、虚血性心疾患、鬱血性心不全および狭心症;肺−呼吸器疾患;胃腸疾患;生殖器疾患およびアレルギー性疾患;骨粗鬆症およびショック。
【0017】
他の局面において、本発明は、処置有効量の式(I)(記号は前記の意味を有する)の化合物または医薬的に許容されるその塩を、非毒性の眼科的に許容される液体賦形剤と混合して含んで成る、計量適用に好適な容器に充填された、眼科用液剤に関する。
【0018】
さらに他の局面において、本発明は、下記を含んで成る医薬生成物に関する:
内容物を計量形態でディスペンスするのに好適な容器:および
該容器中の、先に定義した眼科用液剤。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明は、眼圧降下剤として有効な、またはプロスタグランジン類似体での処置に応答しうる他の疾患および症状を処置するのに有効な、8-アザプロスタグランジン類似体に関する。本発明に使用される化合物は、下記の構造式Iによって示される:
【化4】

【0020】
本発明の化合物の好ましい群は、下記の構造式IIの化合物を包含する:
【化5】

[式中、C-12位の三角形はβ配置を表す]。
【0021】
より好ましい化合物群は、下記の構造式IIIを有する:
【化6】

【0022】
前記の式において、置換基および記号は前記のように定義される。
前記の式において、
好ましくはXはCO2Rであり、より好ましくはRはHまたはCH3であり;
好ましくは、nは0または1であり、Arはフェニルであるか、またはnは3であり、xは0であり;
好ましくは、R3はHである。
【0023】
前記の本発明化合物は、当分野で既知の方法によるか、または下記の実施例によって製造しうる。下記の化合物は、本発明化合物の特に好ましい例である:
7-((R)-2-オキソ-5-フェネチルチオカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-イン酸メチルエステル;
7-((R)-2-オキソ-5-フェネチルチオカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-イン酸;
(Z)-7-((R)-2-オキソ-5-フェネチルチオカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-エン酸メチルエステル;
(Z)-7-((R)-2-オキソ-5-フェネチルチオカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-エン酸;
7-((R)-2-オキソ-5-フェネチルチオカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタン酸メチルエステル;
7-((R)-2-オキソ-5-フェネチルチオカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタン酸;
【0024】
7-((R)-2-オキソ-5-フェネチルカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-イン酸メチルエステル;
7-((R)-2-オキソ-5-フェネチルカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-イン酸;
(Z)-7-((R)-2-オキソ-5-フェネチルカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-エン酸メチルエステル;
(Z)-7-((R)-2-オキソ-5-フェネチルカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-エン酸;
7-((R)-2-オキソ-5-フェネチルカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタン酸メチルエステル;
7-((R)-2-オキソ-5-フェネチルカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタン酸;
【0025】
7-((R)-2-ベンジルカルバモイルオキシメチル-5-オキソ-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-イン酸メチルエステル;
7-((R)-2-ベンジルカルバモイルオキシメチル-5-オキソ-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-イン酸;
(Z)-7-((R)-2-ベンジルカルバモイルオキシメチル-5-オキソ-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-エン酸メチルエステル;
(Z)-7-((R)-2-ベンジルカルバモイルオキシメチル-5-オキソ-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-エン酸;
7-((R)-2-ベンジルカルバモイルオキシメチル-5-オキソ-ピロリジン-1-イル)-ヘプタン酸メチルエステル;
7-((R)-2-ベンジルカルバモイルオキシメチル-5-オキソ-ピロリジン-1-イル)-ヘプタン酸;
【0026】
7-((R)-2-オキソ-5-ペンチルカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-イン酸メチルエステル;
7-((R)-2-オキソ-5-ペンチルカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-イン酸;
(Z)-7-((R)-2-オキソ-5-ペンチルカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-エン酸メチルエステル;
(Z)-7-((R)-2-オキソ-5-ペンチルカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-エン酸;
7-((R)-2-オキソ-5-ペンチルカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタン酸メチルエステル;
7-((R)-2-オキソ-5-ペンチルカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタン酸。
【0027】
上記化合物を含有する医薬組成物は、少なくとも1種の本発明化合物または医薬的に許容し得るその酸付加塩の処置有効量を活性成分として、眼科的に許容し得る通常の薬剤賦形剤と組み合わせることによって、および単位用量形態を形成することによって調製し得る。処置有効量は通例、液体製剤中約0.0001〜5%(w/v)、好ましくは約0.001〜1.0%(w/v)である。
【0028】
眼科的な適用のためには、主な賦形剤として生理食塩液を用いて液剤を調製することが好ましい。そのような眼用液剤のpHは、適当な緩衝系によって6.5〜7.2に保つことが好ましい。このような製剤は、医薬的に許容し得る通常の保存剤、安定剤および界面活性剤をも含有し得る。
【0029】
本発明の医薬組成物中に使用し得る好ましい保存剤は、塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、チメロサール、酢酸フェニル水銀および硝酸フェニル水銀を包含するが、これらに限定されるものではない。好ましい界面活性剤は、例えば、Tween 80である。同様に、本発明の眼用製剤中に種々の好ましい賦形剤を使用し得る。このような賦形剤は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポロキサマー、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロースおよび精製水を包含するが、これらに限定されるものではない。
【0030】
必要に応じて、または好都合に、浸透圧調整剤を添加し得る。浸透圧調整剤は、塩、とりわけ塩化ナトリウム、塩化カリウム、マンニトールおよびグリセリンを包含するが、これらに限定されるものではなく、眼科的に許容し得る他の適当な浸透圧調整剤も使用し得る。
【0031】
眼科的に許容し得る製剤が得られるのであれば、pH調整のためにどのような緩衝剤および手段を用いてもよい。緩衝剤は、酢酸、クエン酸、リン酸およびホウ酸の緩衝剤を包含する。製剤のpHを調整するために、必要に応じて酸または塩基を使用し得る。
【0032】
同様に、本発明において使用するための眼科的に許容し得る抗酸化剤は、メタ重亜硫酸ナトリウム、チオ硫酸ナトリウム、アセチルシステイン、ブチル化ヒドロキシアニソールおよびブチル化ヒドロキシトルエンを包含するが、それらに限定されるものではない。
【0033】
本発明の眼用製剤が含有し得る他の佐剤成分はキレート剤である。好ましいキレート剤はエデト酸二ナトリウムであるが、その代わりに、またはそれと組み合わせて他のキレート剤も使用し得る。
【0034】
上記成分は通例、次のような量で使用する:

【0035】
本発明の活性化合物の実際の用量は、化合物によって、および処置する症状によって異なる。当業者はその知識の範囲内で、適当な用量を選択することができる。
本発明の眼用製剤は、眼への適用を容易にするよう、計量適用に適した形態(例えばドロッパー付き容器)に充填することが好都合である。滴下適用に適した容器は通例、不活性で無毒性の適当なプラスチック材料製であり、液剤を通例約0.5〜15ml収容する。
本発明を以下の実施例によってさらに説明するが、実施例は本発明を制限するものではない。
【実施例1】
【0036】
7-((R)-2-オキソ-5-フェネチルチオカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-イン酸メチルエステル(5)
段階1. アミド1をアルキル化して3を生成する
水素化ナトリウム(油中60%分散物、233mg、5.81mmol)を、DMF(10mL)中のアミド1(1.33g、5.81mmol)の溶液に添加した。反応混合物を室温で1時間撹拌し、次に、沃化物2(1.54g、5.81mmol)をDMF(3mL)中の溶液としてカニューレで添加した。反応を90℃で21時間加熱し、次に、室温に冷却した。HCl水溶液(1.0M、50mL)を添加し、混合物をEtOAc(3x75mL)で抽出した。合わした有機相をブライン(3x50mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、真空濃縮した。シリカ上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(100%CH2Cl2→1%MeOH/CH2Cl2勾配)によって残渣を精製して、3(910mg、43%)を得た。
【0037】
段階2. 3を脱保護して4を生成する
HF-ピリジン(4.0mL)を、プラスチック製シンチレーションバイアルにおいて、MeCN(8.0mL)中のシリルエーテル3(857mg、2.33mmol)の溶液に添加した。室温で5時間後、反応をNaHCO3飽和水溶液(50mL)で鎮め、混合物をEtOAc(3x50mL)で抽出した。合わした有機相をブライン(50mL)で洗浄し、乾燥し(Na2SO4)、濾過し、真空濃縮した。シリカ上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(100%CH2Cl2→2%MeOH/CH2Cl2勾配)によって残渣を精製して、4(570mg、97%)を得た。
【0038】
段階3. 4をチオカルバモイル化して5を生成する
フェネチルイソチオシアネート(70μL、0.47mmol)およびDABCO(66mg、0.59mmol)を、THF(1.5mL)中のアルコール4(99mg、0.39mmol)の溶液に添加した。反応を6時間にわたって加熱還流し、次に、室温に冷却し、真空濃縮した。シリカ上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(100%CH2Cl2→20%EtOAc/CH2Cl2→2%MeOH/CH2Cl2)によって残渣を精製して、標記化合物(5)(22mg、14%)を得た。
【実施例2】
【0039】
7-((R)-2-オキソ-5-フェネチルチオカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-イン酸(6)
ウサギ肝臓エステラーゼ(134単位/mg、1mg)、エステル5(6.0mg、0.015mmol)、MeCN(0.1mL)およびpH7.2燐酸塩緩衝液(2.0mL)を、室温で一晩撹拌した。MeCN(5.0mL)を添加し、反応を真空濃縮した。シリカ上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(100%CH2Cl2→2%MeOH/CH2Cl2勾配)によって残渣を精製して、標記化合物(6)(3.2mg、55%)を得た。
【実施例3】
【0040】
(Z)-7-((R)-2-オキソ-5-フェネチルチオカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-エン酸メチルエステル(8
段階1. 4を還元して7を生成する
炭素上のパラジウム(10mol%、5mg)を、MeOH(1.5mL)中のアルキン4(27mg、0.11mmol)の溶液に添加した。フラスコを排気し、水素(3x)で再び満たし、反応混合物を、水素のバルーン下に1.3時間にわたって勢いよく撹拌した。次に、混合物をセライトで濾過し、MeOH(5mL)で洗浄し、濾液を真空濃縮して、アルケン7(26mg、95%)を得た。
【0041】
段階2. 7をチオカルバモイル化して8を生成する
実施例1の段階3にしたがって、7(26mg、0.10mmol)を変換して、クロマトグラフィー(100%CH2Cl2→60%EtOAc/CH2Cl2勾配)後に標記化合物(8)(35mg、83%)を得た。
【実施例4】
【0042】
(Z)-7-((R)-2-オキソ-5-フェネチルチオカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-エン酸(9)
実施例2にしたがって、8(11mg、0.026mmol)を標記化合物(9)(7.4mg、70%)に変換した。
【実施例5】
【0043】
7-((R)-2-オキソ-5-フェネチルチオカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタン酸メチルエステル(11)
段階1. 4を還元して10を生成する
炭素上のパラジウム(10mol%、10mg)を、MeOH(1.5mL)中のアルキン4(47mg、0.19mmol)の溶液に添加した。フラスコを排気し、水素(3x)で再び満たし、反応混合物を、水素のバルーン下に21時間にわたって勢いよく撹拌した。次に、混合物をセライトで濾過し、MeOH(5mL)で洗浄し、濾液を真空濃縮して、アルカン10(42mg、88%)を得た。
【0044】
段階2. 10をチオカルバモイル化して11を生成する
実施例1の段階3にしたがって、10(19mg、0.074mmol)を変換して、クロマトグラフィー(100%CH2Cl2→50%EtOAc/CH2Cl2勾配)後に、標記化合物(11)(28mg、90%)を得た。
【実施例6】
【0045】
7-((R)-2-オキソ-5-フェネチルチオカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタン酸(12)
実施例2にしたがって、11(17mg、0.040mmol)を標記化合物(12)(11mg、67%)に変換した。
【実施例7】
【0046】
7-((R)-2-オキソ-5-フェネチルカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-イン酸メチルエステル(13)
THF(1.5mL)中の4(52mg、0.21mmol)、DABCO(35mg、0.32mmol)およびイソシアン酸フェネチル(60μL、0.43mmol)の溶液を、22.5時間にわたって加熱還流した。反応を室温に冷却し、次に、真空濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(100%CH2Cl2→50%EtOAc/CH2Cl2勾配)によって残渣を精製して、標記化合物(13)86mg(定量的)を得た。
【実施例8】
【0047】
7-((R)-2-オキソ-5-フェネチルカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-イン酸(14)
実施例2にしたがって、13(16mg、0.040mmol)を標記化合物(14)(11mg、72%)に変換した。
【実施例9】
【0048】
(Z)-7-((R)-2-オキソ-5-フェネチルカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-エン酸メチルエステル(15)
95%エタノール(1.0mL)を、窒素下に、塩化ニッケル(II)(86mg、0.66mmol)および水素化硼素ナトリウム(12mg、0.33mmol)のゆっくり撹拌した混合物に添加した。混合物がすぐに黒色になった。15分後、エチレンジアミン(70μL、1.04mmol)を添加した。さらに15分後、95%エタノール(1.0mL)中のアルキン13(53mg、0.13mmol)の溶液を添加した。フラスコを排気し、水素(3x)で再び満たし、反応混合物を、水素のバルーン下に22時間にわたって勢いよく撹拌した。次に、混合物をセライトで濾過し、MeOH(5mL)で洗浄し、濾液を真空濃縮した。シリカ上でのフラッシュカラムクロマトグラフィー(100%CH2Cl2→50%EtOAc/CH2Cl2勾配)によって残渣を精製して、標記化合物(15)(30mg、56%)を得た。
【実施例10】
【0049】
(Z)-7-((R)-2-オキソ-5-フェネチルカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-エン酸(16)
実施例2にしたがって、15(17mg、0.042mmol)を標記化合物(16)(12mg、73%)に変換した。
【実施例11】
【0050】
7-((R)-2-オキソ-5-フェネチルカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタン酸メチルエステル(17)
THF(1.0mL)中の10(22mg、0.085mmol)、DABCO(14mg、0.13mmol)およびイソシアン酸フェネチル(14μL、0.10mmol)の溶液を、22.5時間にわたって加熱還流した。反応を室温に冷却し、次に、真空濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(100%CH2Cl2→50%EtOAc/CH2Cl2勾配)によって残渣を精製して、標記化合物(17)(34mg、98%)を得た。
【実施例12】
【0051】
7-((R)-2-オキソ-5-フェネチルカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタン酸(18)
実施例2にしたがって、17(17mg、0.042mmol)を標記化合物(18)(8mg、48%)に変換した。
【実施例13】
【0052】
7-((R)-2-ベンジルカルバモイルオキシメチル-5-オキソ-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-イン酸メチルエステル(19)
DABCO(51mg、0.45mmol)およびイソシアン酸ベンジル(45μL、0.36mmol)を、THF(2.0mL)中の4(76mg、0.30mmol)の溶液に添加した。反応を一晩にわたって加熱還流した。18時間後、反応を室温に冷却し、真空濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(2回:第1回 100%CH2Cl2→2%MeOH/CH2Cl2勾配、次に、第2回 10%EtOAc/CH2Cl2→50%EtOAc/CH2Cl2勾配)によって残渣を精製して、標記化合物(19)(105mg、91%)を得た。
【実施例14】
【0053】
7-((R)-2-ベンジルカルバモイルオキシメチル-5-オキソ-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-イン酸(20)
実施例2にしたがって、19(14mg、0.036mmol)を変換して、クロマトグラフィー(100%CH2Cl2→40%EtOAc/CH2Cl2→2%MeOH/CH2Cl2勾配)後に、を標記化合物(20)(2mg、15%)を得た。
【実施例15】
【0054】
(Z)-7-((R)-2-ベンジルカルバモイルオキシメチル-5-オキソ-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-エン酸メチルエステル(21)
実施例9にしたがって、19(82mg、0.021mmol)を変換して、クロマトグラフィー(10%→50%EtOAc/CH2Cl2)後に標記化合物(21)(71mg、86%)を得た。
【実施例16】
【0055】
(Z)-7-((R)-2-ベンジルカルバモイルオキシメチル-5-オキソ-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-エン酸(22)
実施例2にしたがって、21(18mg、0.046mmol)を標記化合物(22)(17mg、98%)に変換した。
【実施例17】
【0056】
7-((R)-2-ベンジルカルバモイルオキシメチル-5-オキソ-ピロリジン-1-イル)-ヘプタン酸メチルエステル(23)
炭素上のパラジウム(10mol%、7mg)を、MeOH(2.5mL)中のアルケン21(39mg、0.10mmol)の溶液に添加した。フラスコを排気し、水素(3x)で再び満たし、反応混合物を、水素のバルーン下に3.5時間にわたって勢いよく撹拌した。次に、混合物をセライトで濾過し、MeOH(5mL)で洗浄し、濾液を真空濃縮して、標記化合物(23)(33mg、85%)を得た。
【実施例18】
【0057】
7-((R)-2-ベンジルカルバモイルオキシメチル-5-オキソ-ピロリジン-1-イル)-ヘプタン酸(24)
実施例2にしたがって、23(19mg、0.049mmol)を標記化合物(24)(18mg、98%)に変換した。
【実施例19】
【0058】
7-((R)-2-オキソ-5-ペンチルカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-イン酸メチルエステル(25)
DABCO(41mg、0.36mmol)およびイソシアン酸ペンチル(37μL、0.28mmol)を、THF(2.0mL)中の4(60mg、0.24mmol)の溶液に添加した。反応を一晩にわたって加熱還流した。21時間後、反応を室温に冷却し、真空濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(100%CH2Cl2→50%EtOAc/CH2Cl2勾配)によって残渣を精製して、標記化合物(25)(82mg、94%)を得た。
【実施例20】
【0059】
7-((R)-2-オキソ-5-ペンチルカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-イン酸(26)
実施例2にしたがって、25(9mg、0.025mmol)を標記化合物(26)(5mg、58%)に変換した。
【実施例21】
【0060】
(Z)-7-((R)-2-オキソ-5-ペンチルカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-エン酸メチルエステル(27)
実施例9にしたがって、25(54mg、0.15mmol)を標記化合物(27)(48mg、88%)に変換した。
【実施例22】
【0061】
(Z)-7-((R)-2-オキソ-5-ペンチルカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-エン酸(28)
実施例2にしたがって、27(16mg、0.043mmol)を標記化合物(28)(15mg、98%)に変換した。
【実施例23】
【0062】
7-((R)-2-オキソ-5-ペンチルカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタン酸メチルエステル(29)
炭素上のパラジウム(10mol%、5mg)を、MeOH(2.0mL)中のアルケン27(24mg、0.065mmol)の溶液に添加した。フラスコを排気し、水素(3x)で再び満たし、反応混合物を、水素のバルーン下に5時間にわたって勢いよく撹拌した。次に、混合物をセライトで濾過し、MeOH(5mL)で洗浄し、濾液を真空濃縮して、標記化合物(29)(24mg、99%)を得た。
【実施例24】
【0063】
7-((R)-2-オキソ-5-ペンチルカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタン酸(30)
実施例2にしたがって、29(17mg、0.046mmol)を標記化合物(30)(8mg、49%)に変換した。
【0064】
本発明化合物は、哺乳動物、例えばヒトにおける、高眼圧の降下、ならびに、プロスタグランジン類似体での処置に応答しうる他の疾患および症状の処置、例えば、緑内障;心臓血管疾患、例えば、急性心筋梗塞、血栓症、高血圧症、肺高血圧症、虚血性心疾患、鬱血性心不全および狭心症;肺−呼吸器疾患;胃腸疾患;生殖器疾患およびアレルギー性疾患;骨粗鬆症およびショックの処置に有効である。
【0065】
先の記載は、本発明を実施するのに使用しうる特定の方法および組成物を説明するものであり、考えられる最良の様式を示すものである。しかし、所望の薬理学的特性を有する他の化合物を同様の方法で製造することができ、開示した化合物を種々の出発化合物から種々の化学反応によって得ることもできることは、当業者に明らかである。同様に、種々の医薬組成物を製造し、使用して、実質的に同じ結果を得ることもできる。従って、本文における先の記載がいかに詳細なものであっても、それは全般的範囲を限定するものと解すべきでなく、むしろ、本発明の範囲は、特許請求の範囲の法的解釈によってのみ制限されるものとする。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の化合物の製造の概略図であり、該図において、番号を付した化合物および中間体は、実施例の番号を付した化合物および中間体に対応する。
【図2】本発明の化合物の製造の概略図であり、該図において、番号を付した化合物および中間体は、実施例の番号を付した化合物および中間体に対応する。
【図3】本発明の化合物の製造の概略図であり、該図において、番号を付した化合物および中間体は、実施例の番号を付した化合物および中間体に対応する。
【図4】本発明の化合物の製造の概略図であり、該図において、番号を付した化合物および中間体は、実施例の番号を付した化合物および中間体に対応する。
【図5】本発明の化合物の製造の概略図であり、該図において、番号を付した化合物および中間体は、実施例の番号を付した化合物および中間体に対応する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:

[式中、
波線は、α配置またはβ配置を表し、点線は、二重結合の存在または不存在を表し;
Aは、単結合またはシス二重(アルケン)結合または三重(アルキン)結合を表し;
Xは、CO2R、CONR2、CH2OR、P(O)(OR)2、CONRSO2R、SONR2または

であり;
nは、0、または1〜4の整数であり;
xおよびyは、0または1であり、但し、xが1のときyは0、xが0のときyは1であるものとし;
Zは、SまたはOであり;
Rは、HまたはR2であり;
【化1】

R1は、H、R2、フェニル、またはCOR2であり;
R2は、C1〜5低級アルキルまたはアルケニルであり;
Ar は、4〜10個の炭素原子を有するアリールおよびヘテロアリール基、および該アリールおよびヘテロアリール基の置換誘導体から成る群から選択され、該置換基は、C1〜5アルキル、ハロゲン、CF3、CN、NO2、NR2、CO2RおよびORから成る群から選択され;
R3は、R、OR、CH2ORまたはCORである]
で示される化合物。
【請求項2】
式II:
【化2】

[式中、三角形の線はβ配置を表す]
で示される請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
式III:
【化3】

で示される請求項2に記載の化合物。
【請求項4】
XがCO2Rである請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
RがHまたはCH3である請求項4に記載の化合物。
【請求項6】
nが0または1であり、R3がフェニルである請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
nが3であり、xが0である請求項5に記載の化合物。
【請求項8】
RがHである請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
RがCH3である請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
下記化合物から成る群から選択される請求項1に記載の化合物:
7-((R)-2-オキソ-5-フェネチルチオカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-イン酸メチルエステル;
7-((R)-2-オキソ-5-フェネチルチオカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-イン酸;
(Z)-7-((R)-2-オキソ-5-フェネチルチオカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-エン酸メチルエステル;
(Z)-7-((R)-2-オキソ-5-フェネチルチオカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-エン酸;
7-((R)-2-オキソ-5-フェネチルチオカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタン酸メチルエステル;
7-((R)-2-オキソ-5-フェネチルチオカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタン酸;
7-((R)-2-オキソ-5-フェネチルカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-イン酸メチルエステル;
7-((R)-2-オキソ-5-フェネチルカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-イン酸;
(Z)-7-((R)-2-オキソ-5-フェネチルカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-エン酸メチルエステル;
(Z)-7-((R)-2-オキソ-5-フェネチルカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-エン酸;
7-((R)-2-オキソ-5-フェネチルカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタン酸メチルエステル;
7-((R)-2-オキソ-5-フェネチルカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタン酸;
7-((R)-2-ベンジルカルバモイルオキシメチル-5-オキソ-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-イン酸メチルエステル;
7-((R)-2-ベンジルカルバモイルオキシメチル-5-オキソ-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-イン酸;
(Z)-7-((R)-2-ベンジルカルバモイルオキシメチル-5-オキソ-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-エン酸メチルエステル;
(Z)-7-((R)-2-ベンジルカルバモイルオキシメチル-5-オキソ-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-エン酸;
7-((R)-2-ベンジルカルバモイルオキシメチル-5-オキソ-ピロリジン-1-イル)-ヘプタン酸メチルエステル;
7-((R)-2-ベンジルカルバモイルオキシメチル-5-オキソ-ピロリジン-1-イル)-ヘプタン酸;
7-((R)-2-オキソ-5-ペンチルカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-イン酸メチルエステル;
7-((R)-2-オキソ-5-ペンチルカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-イン酸;
(Z)-7-((R)-2-オキソ-5-ペンチルカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-エン酸メチルエステル;
(Z)-7-((R)-2-オキソ-5-ペンチルカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタ-5-エン酸;
7-((R)-2-オキソ-5-ペンチルカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタン酸メチルエステル;および
7-((R)-2-オキソ-5-ペンチルカルバモイルオキシメチル-ピロリジン-1-イル)-ヘプタン酸。
【請求項11】
式I:
【化4】

[式中、
波線は、α配置またはβ配置を表し、点線は、二重結合の存在または不存在を表し;
Aは、単結合またはシス二重(アルケン)結合または三重(アルキン)結合を表し;
Xは、CO2R、CONR2、CH2OR、P(O)(OR)2、CONRSO2R、SONR2または
【化5】

であり;
nは、0、または1〜4の整数であり;
xおよびyは、0または1であり、但し、xが1のときyは0、xが0のときyは1であるものとし;
Zは、SまたはOであり;
Rは、HまたはR2であり;
R1は、H、R2、フェニル、またはCOR2であり;
R2は、C1〜5低級アルキルまたはアルケニルであり;
Ar は、4〜10個の炭素原子を有するアリールおよびヘテロアリール基、および該アリールおよびヘテロアリール基の置換誘導体から成る群から選択され、該置換基は、C1〜5アルキル、ハロゲン、CF3、CN、NO2、NR2、CO2RおよびORから成る群から選択され;
R3は、R、OR、CH2ORまたはCORである]
で示される化合物を処置有効量で含有する眼科用液剤。
【請求項12】
内容物を計量形態でディスペンスするのに好適な容器:および
該容器中の、請求項11に記載の眼科用液剤
を含んで成る医薬生成物。
【請求項13】
高眼圧または緑内障を処置する方法であって、式I:
【化6】

[式中、
波線は、α配置またはβ配置を表し、点線は、二重結合の存在または不存在を表し;
Aは、単結合またはシス二重(アルケン)結合または三重(アルキン)結合を表し;
Xは、CO2R、CONR2、CH2OR、P(O)(OR)2、CONRSO2R、SONR2または
【化7】

であり;
nは、0、または1〜4の整数であり;
xおよびyは、0または1であり、但し、xが1のときyは0、xが0のときyは1であるものとし;
Zは、SまたはOであり;
Rは、HまたはR2であり;
R1は、H、R2、フェニル、またはCOR2であり;
R2は、C1〜5低級アルキルまたはアルケニルであり;
Ar は、4〜10個の炭素原子を有するアリールおよびヘテロアリール基、および該アリールおよびヘテロアリール基の置換誘導体から成る群から選択され、該置換基は、C1〜5アルキル、ハロゲン、CF3、CN、NO2、NR2、CO2RおよびORから成る群から選択され;
R3は、R、OR、CH2ORまたはCORである]
で示される化合物を処置有効量で、高眼圧または緑内障の動物に投与することを含んで成る方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2006−526637(P2006−526637A)
【公表日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−514957(P2006−514957)
【出願日】平成16年5月25日(2004.5.25)
【国際出願番号】PCT/US2004/016479
【国際公開番号】WO2004/108669
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(591018268)アラーガン、インコーポレイテッド (293)
【氏名又は名称原語表記】ALLERGAN,INCORPORATED
【Fターム(参考)】