説明

医薬組成物

【課題】本発明は気管支喘息、アトピー性皮膚炎等の疾患の予防・治療に有用なCCR4機能調節剤を提供する。
【解決手段】 式


(式中、環Aは複素環を示し、環Bは炭素環、複素環等を示し、G1、G2、G3、G4およびG5はCH、Nを示し、Xは−NH−、−O−、または−CH2−等を示し、Yは−CH2−、−CO−、−SO2−等を示し、Zは単結合、−CO−、−SO2−、−NH−、−CONH−、−SO2NH−等を示し、R2は水素、アルキル、アルコキシ、ハロゲン等を示し、R3は炭素環式基、複素環式基、アルキル等を示す。)
で表される化合物またはその製薬上許容しうる塩からなるCCR4機能調節剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患、炎症性疾患および自己免疫疾患の予防または治療に有用なCCR4あるいはTARCおよび/またはMDCの機能調節作用を有する化合物に関する。
【背景技術】
【0002】
気管支喘息やアトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患は、炎症細胞の浸潤および活性化を伴う慢性の炎症性疾患である(非特許文献1、非特許文献2)。気管支喘息は、気道の炎症と気道過敏性亢進を伴う可逆的な気道閉塞を呈する疾患であり、症状として喘鳴、息切れ、咳などを認める。組織学的には、気道局所への好酸球、リンパ球および肥満細胞の浸潤、粘膜下の浮腫、好酸球由来の組織障害性顆粒蛋白の沈着、気道上皮損傷など、慢性炎症の所見が観察される。また、アトピー性皮膚炎は、強い掻痒を有し、増悪と寛解を繰り返す湿疹を主病変とする皮膚の慢性炎症性疾患である。その病態は皮膚の乾燥を主体とした角層バリア機能の破壊と、免疫細胞のサイトカイン産生異常の両方が関与しているとされる。したがって、これらの慢性炎症を抑制することはアレルギー性疾患の治療における一つのアプローチと考えられている。
【0003】
近年、このアレルギー性炎症の発症過程にヘルパーT(Th)細胞およびTh細胞が産生するサイトカインが重要な役割を担っていることが明らかにされてきた(非特許文献1、非特許文献3)。Th細胞は、そのサイトカイン産生パターンの違いにより、インターフェロンγ(IFN−γ)やインターロイキン2(IL−2)を産生するTh1細胞とインターロイキン4(IL−4)、インターロイキン5(IL−5)を産生するTh2細胞という2つの亜集団に分類されている(非特許文献4)。IFN−γおよびIL−2は、マクロファージやナチュラルキラー(NK)細胞を活性化することで感染防御などの細胞性免疫を調節する。一方、IL−4およびIL−5は、それぞれイムノグロブリン(Ig)E産生および好酸球の活性化に関与していることから、アレルギー性炎症の病態においてはTh2細胞が大きな役割を担っていると考えられている(非特許文献1、非特許文献5、非特許文献6、非特許文献7)。
【0004】
ケモカインは内因性の白血球走化性因子に分類され、白血球の組織集積に重要な役割を果たしている。ケモカインの多くは炎症性刺激などによって炎症局所にて誘導され、白血球に作用して遊走反応を惹起する。現在までに40余りのケモカインが同定され、その構造的な特徴によりCXC、CC、C、CX3Cサブファミリーに分類される。一方、ケモカイン受容体はGタンパク質が共役している7回膜貫通型受容体であり、CXCケモカイン受容体、CCケモカイン受容体、CX3Cケモカイン受容体、Cケモカイン受容体から構成されている。ケモカイン受容体の多くは複数のケモカインが結合し、また多くのケモカインが複数のケモカイン受容体に結合することが知られている。
【0005】
CCケモカイン受容体4(CCR4)遺伝子は、1995年にヒト好塩基球様細胞株KU−812からクローニングされた(非特許文献8)。その後、T細胞を特異的に遊走させるCCケモカインとしてTARC(Thymus and activation-regulated chemokine)/CCL17が、次いで単球、樹状細胞およびNK細胞に対して遊走活性を示すCCケモカインとしてMDC(Macrophage-derived chemokine)/CCL22がそれぞれクローニングされ(非特許文献9、非特許文献10)、これらのケモカインがCCR4のリガンドであることが判明した(非特許文献11、非特許文献12)。CCR4は、胸腺および末梢血リンパ球において強く発現しており(非特許文献8)、さらにリンパ球の中ではTh細胞に比較的限局して発現が認められる(非特許文献11)。CCR4がTh2細胞に選択的に発現しており、TARC/CCL17またはMDC/CCL22の刺激によりTh2細胞の遊走が誘導されることが明らかになるにつれ(非特許文献11〜15)、アレルギー性疾患の発症過程におけるCCR4の役割が注目されるようになった。
【0006】
アレルギー性疾患とCCR4およびそのリガンドであるTARC/CCL17とMDC/CCL22との関係については、(1)CCR4のmRNAを発現したT細胞が慢性気管支喘息患者の気管支粘膜に検出され、その数は抗原曝露後に増加すること(非特許文献16)、(2)アトピー性皮膚炎患者の末梢血T細胞では、CCR4mRNAの発現亢進が認められ、その程度と血中好酸球数、血清中IgE量または皮膚炎の重症度の間には相関関係が認められること(非特許文献17、非特許文献18)、(3)アトピー性皮膚炎患者では、健常人に比べて血清中のTARC/CCL17およびMDC/CCL22濃度上昇が観察されること(非特許文献19、非特許文献20)(4)実験的喘息モデルにおいては、抗TARC抗体または抗MDC抗体を処置することにより気道反応性亢進や気道あるいは肺間質への炎症細胞浸潤が抑制されること(非特許文献21、非特許文献22)等が報告されている。
【0007】
また、CCR4および/またはそのリガンドとアレルギー性疾患、炎症性疾患および自己免疫疾患などとの関係を示すものとして、以下の報告がある。
・皮膚炎(アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎):非特許文献23〜25
・喘息:非特許文献16、26
・鼻炎:非特許文献27
・結膜炎:非特許文献28
・乾癬:非特許文献29
・関節リウマチ:非特許文献30
・全身性エリテマトーデス:非特許文献31〜33
・インスリン依存型糖尿病(IDDM):非特許文献34
・臓器移植時の拒絶反応:非特許文献35
・炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病):非特許文献36
・糸球体腎炎:非特許文献37
・敗血症:非特許文献38
・疼痛:非特許文献39
・成人T細胞白血病(ATL):非特許文献40
・肺線維症:非特許文献41、42
・好酸球性肺炎:非特許文献43
・肺好酸球性肉芽種:非特許文献44
・皮膚T細胞リンパ腫:非特許文献20、45
・強直性脊椎炎:非特許文献46
・冠動脈疾患:非特許文献47
・類天疱瘡:非特許文献48
・ホジキン病:非特許文献49
【0008】
これらの報告は、CCR4およびそのリガンドであるTARC/CCL17およびMDC/CCL22の異常発現がアレルギー性疾患をはじめとする種々の病態の発症に大きく関与していることを示唆するとともに、CCR4およびそのリガンドの機能を制御することにより、これらの病態を治癒または改善しうる可能性を示唆している。
【0009】
現在臨床で使用されている気管支喘息の治療薬としては、β2刺激薬、キサンチン、ステロイド剤、抗アレルギー薬(特にロイコトリエン拮抗薬)などがある。このうち、吸入ステロイド剤が喘息治療の第一選択薬として位置付けられ、現在治療に幅広く使用されている。しかしながら、ステロイド剤は長期投与による副作用の問題が懸念され続けており、高い服薬遵守が維持できていないのが現状である。
また、アトピー性皮膚炎の治療には、炎症を抑制する目的でステロイド剤以外に免疫抑制作用をもつタクロリムスが外用剤として使用されている。ステロイド外用剤は皮膚科疾患においても多毛や皮膚萎縮など副作用の問題がある。一方、タクロリムス外用剤は、ステロイド剤のような副作用は認められていないが、皮膚刺激感の発現や皮膚癌発症との関連性が指摘されている。
【0010】
したがって、ステロイド剤と同等の強い治療効果を有し、新規作用機序に基づく副作用の少ないアレルギー性疾患、炎症性疾患および自己免疫疾患の予防または治療薬の開発が切望されている。また、CCR4拮抗作用またはCCR4機能調節作用を有する化合物は、ステロイドや免疫抑制薬と異なり、Th2細胞の炎症局所への浸潤および活性化を選択的に抑制することから、副作用が少なくかつ経口投与可能な薬剤になる可能性が期待できる。
【0011】
CCR4拮抗作用またはCCR4機能調節作用を有する化合物として、5−シアノピリミジン誘導体(特許文献1)、二環性ピリミジン誘導体(特許文献2)、5−アリールピリミジン誘導体(特許文献3)、二環性化合物(特許文献4)、三環性化合物(特許文献5、6)、縮合二環性ピリミジン誘導体(特許文献7)、置換ピリミジン誘導体(特許文献8)、スルホンアミド化合物(特許文献9〜15)などが知られている。
【特許文献1】WO03/082855
【特許文献2】WO03/104230
【特許文献3】WO2004/074260
【特許文献4】WO2004/020584
【特許文献5】WO2004/007472
【特許文献6】WO2005/023771
【特許文献7】WO2005/082865
【特許文献8】WO2005/085212
【特許文献9】WO2005/021513
【特許文献10】WO2004/108692
【特許文献11】WO2004/108717
【特許文献12】WO2004/108690
【特許文献13】WO03/059893
【特許文献14】WO03/051870
【特許文献15】WO02/30358
【0012】
【非特許文献1】Immunol. Today, 13, 501 (1992)
【非特許文献2】Allergy Clin. Immunol., 94, 1310 (1994)
【非特許文献3】Am. Rev. Respir. Dis., 147, 540 (1993)
【非特許文献4】J. Immunol., 1986, 136, 2348-57
【非特許文献5】Immunol. Today, 12, 256 (1991)
【非特許文献6】N. Eng. J. Med., 326, 298 (1992)
【非特許文献7】Trends. Pharmacol. Sci., 15, 324 (1994)
【非特許文献8】J. Biol. Chem., 270, 19495 (1995)
【非特許文献9】J. Biol. Chem., 271, 21514 (1996)
【非特許文献10】J. Exp. Med., 185, 1595 (1997)
【非特許文献11】J. Biol. Chem., 272, 15036 (1997)
【非特許文献12】J. Biol. Chem., 273, 1764 (1998)
【非特許文献13】J. Exp. Med., 187, 129 (1998)
【非特許文献14】J. Exp. Med., 187, 875 (1998)
【非特許文献15】Int. Immunol., 11, 81 (1999)
【非特許文献16】J. Clin. Invest., 107, 1357 (2001)
【非特許文献17】J. Allergy Clin. Immunol., 107, 353 (2001)
【非特許文献18】J. Invest. Dermatol., 117, 188 (2001)
【非特許文献19】J. Allergy Clin. Immunol., 107, 535 (2001)
【非特許文献20】Eur. J. Immunol., 30, 204 (2000)
【非特許文献21】J. Immunol., 163, 403 (1999)
【非特許文献22】J. Immunol., 166, 2055 (2001)
【非特許文献23】The Journal of Clinical Investigation, 107, 535, 2001
【非特許文献24】Journal of Investigative Dermatology, 115, 640, 2000
【非特許文献25】Journal of Investigative Dermatology, 186, 1052, 2002
【非特許文献26】Allergy, 57, 2, 173, 2002
【非特許文献27】European Journal of Immunology, 32, 7 , 1933, 2002
【非特許文献28】Br J Ophthalmol, 86, 10, 1175, 2002
【非特許文献29】Laboratory Investigation, 81, 335, 2001
【非特許文献30】Arthritis & Rheumatism, 44, 2750, 2001
【0013】
【非特許文献31】Journal of Investigative Dermatology, 124, 1241, 2005
【非特許文献32】Clinical Experimental Immunology, 138, 342, 2004
【非特許文献33】Arthritis & Rheumatism, 46, 735, 2002
【非特許文献34】The Journal of Clinical Investigation, 110, 1675, 2002
【非特許文献35】European Journal of Immunology, 35, 128, 2005
【非特許文献36】Clinical & Experimental Immunology, 132, 332, 2003
【非特許文献37】American Journal of Pathology, 162, 1061, 2003
【非特許文献38】The Journal of Experimental Medicine, 191, 1755, 2000
【非特許文献39】The Journal of Neuroscience, 21, 5027, 2001
【非特許文献40】Cancer Res. 2005 Mar 15, 11(6), 2427-35
【非特許文献41】American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine, Vol. 173, pp. 310-317(2006)
【非特許文献42】The Journal of Immunology, 173, 4692, 2004
【非特許文献43】Clinical Immunology, 116, 83, 2005
【非特許文献44】American Journal of Pathology, 165, 1211, 2004
【非特許文献45】British Journal of Dermatology, 152, 746, 2005
【非特許文献46】Clinical Experimental Immunology, 138, 342, 2004
【非特許文献47】Journal of the American College of Cardiology, 41, 1460, 2003
【非特許文献48】British Journal of Dermatology, 148, 203, 2003
【非特許文献49】International Journal of Cancer, 98, 567, 2002
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明は、副作用が少ない優れたCCR4あるいはTARC/CCL17および/またはMDC/CCL22の機能調節作用を有し、アレルギー性疾患、炎症性疾患および自己免疫疾患などの予防または治療に有用な化合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
前記課題を解決するために本発明者等は鋭意研究の結果、下式により表される化合物が優れたCCR4あるいはTARC/CCL17および/またはMDC/CCL22の機能調節作用を有することを見出し、本発明を完成した。
【0016】
すなわち、本発明は、以下の通りである。
1.式(1)

(式中、環Aは下式からなる群から選ばれる基を示す。

環Bは置換されていてもよい芳香族炭素環または置換されていてもよい複素環を示す。
【0017】
1、G2、G3、G4およびG5は、同一または異なって、それぞれCHまたはNを示す。ただし、G1、G2、G3、G4およびG5のうち、2つ以上はCHを示す。
Qは酸素原子、硫黄原子または−N(R6)−を示す。
mは1または2を示す。nは1〜3の整数を示す。
wは0、1または2を示す。
Xは−N(R7)−、−O−または−C(R8)(R9)−を示す。
Yは−C(R10)(R11)−、−CO−または−SO2−を示す。
Zは単結合、−CO−、−SO2−、−N(R12)−、−CON(R13)−、−SO2N(R13)−、−N(R13)CO−、−N(R13)SO2−、−N(R14)CON(R15)−または−N(R14)SO2N(R15)−を示す。
1は水素、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、カルボキシ、アルコキシカルボニル、置換されていてもよいカルバモイル、置換されていてもよいアミノ、ニトロまたは置換されていてもよいウレイドを示す。
【0018】
2は水素、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、置換されていてもよいカルバモイルまたは置換されていてもよいアミノを示す。
3は置換されていてもよい炭素環式基、置換されていてもよい複素環式基または置換されていてもよいアルキルを示す。
4は水素またはアルキルを示す。
5は水素、アルキルまたは置換されていてもよいアルカノイルを示す。
6は水素、アルキルまたは置換されていてもよいアルカノイルを示す。
7は水素またはアルキルを示す。
8およびR9ならびにR10およびR11は、同一または異なって、それぞれ水素またはアルキルを示す。
12は水素、アルキル、アルカノイルまたはカルボキシアルキルを示す。
13は水素またはアルキルを示す。
14およびR15は、同一または異なって、それぞれ水素またはアルキルを示す。)
により表される芳香族化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0019】
2.環Aが下式からなる群から選ばれる基である前記1に記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。

(式中、各記号は前記と同義である。)
3.環Aが下式からなる群から選ばれる基である前記1または2に記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。

(式中、各記号は前記と同義である。)
4.Zが単結合、−CONH−、−NHCO−または−CO−である前記1〜3のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0020】
5.R3が(1)(a)オキソ、(b)ヒドロキシメチル、(c)アルキル、(d)アルキルでモノもしくジ置換されていてもよいアミノまたは(e)アルキルでモノまたはジ置換されていてもよいカルバモイルで置換されていてもよいピロリジン、(2)アルキル、アルカノイル、シアノ、アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいアミノまたはオキソで置換されていてもよいピペリジン、(3)アルキル置換されていてもよいピペラジン、(4)アルキル置換されていてもよいモルホリン、または(5)アルキルで置換されていてもよいテトラヒドロピリジンである前記1〜4のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
6.Xが−NH−であり、Yが−CH2−、−CH(CH3)−または−C(CH32−であり、環Bがハロゲン、アルキルおよびハロアルキルからなる群から選ばれる1または2個の基で置換されたベンゼンである前記1〜5のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0021】
また、本発明の化合物(I)のうち、別の好ましい実施態様として、例えば、以下の化合物があげられる。
7.式(1)

(式中、環Aは下式からなる群から選ばれる基

を示し、
環Bはハロゲンおよびシアノからなる群から選ばれる同一または異なる1〜3個の基で置換されていてもよい芳香族炭素環を示し、


は、ベンゼン、ピリジンまたはピリミジンを示し、
mは1または2を示し、nは1〜3の整数を示し、
X−Yは、−NH−CH2−または−NH−CH(CH3)−を示し、
Zは、単結合、−CO−または−N(R12)−を示し、
1は水素、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、カルボキシ、アルコキシカルボニル、置換されていてもよいカルバモイル、置換されていてもよいアミノ、ニトロまたは置換されていてもよいウレイドを示し、
2は水素、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、置換されていてもよいカルバモイルまたは置換されていてもよいアミノを示し、
3は置換されていてもよい複素環式基を示し、
4は水素またはアルキルを示す。)
により表される芳香族化合物またはその製薬上許容しうる塩。
【0022】
8.R1が水素である前記7に記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
9.R2が水素、アルキルまたは置換されていてもよいアミノである前記7または8に記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
10.R2が水素である前記7または8に記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
11.R3が置換されていてもよいピロリジン、置換されていてもよいピペリジン、置換されていてもよいピペラジン、置換されていてもよいモルホリンまたは置換されていてもよいテトラヒドロピリジンである前記7〜10のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
12.R3が(1)(a)オキソ、(b)ヒドロキシメチル、(c)アルキル、(d)アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいアミノまたは(e)アルキルでモノまたはジ置換されていてもよいカルバモイルで置換されていてもよいピロリジン、(2)アルキル、アルカノイル、シアノ、アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいアミノまたはオキソで置換されていてもよいピペリジン、(3)アルキル置換されていてもよいピペラジン、(4)アルキル置換されていてもよいモルホリン、または(5)アルキルで置換されていてもよいテトラヒドロピリジンである前記7〜11のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
13.環Bがハロゲンおよびシアノからなる群から選ばれる同一または異なる1〜3個の基で置換されていてもよいベンゼンである前記7〜12のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
14.環

がベンゼンである前記7〜13のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
15.環Aが下式からなる群から選ばれる基

である前記7〜14のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩。
更には以下の態様も本発明の対象である。
16.前記1〜15のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩からなる医薬。
17.前記1〜15のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩を有効成分として含有するCCR4あるいはTARC/CCL17および/またはMDC/CCL22の機能調節剤、あるいはそれを患者に投与することによる該機能調節方法。
18.前記1〜15のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩を有効成分として含有するアレルギー性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患もしくは癌疾患の予防または治療剤、あるいはそれを患者に投与することによる該疾患の治療方法。
19.前記1〜15のいずれかに記載の化合物またはその製薬上許容しうる塩を有効成分として含有する喘息もしくは皮膚炎の予防または治療剤、あるいはそれを患者に投与することによる該疾患の治療方法。
【0023】
以下、本明細書における各記号で表される基について説明する。なお、本明細書において使用される略号は、それぞれ以下の意味を表す。
THF:テトラヒドロフラン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
DMSO:ジメチルスルホキシド
DMA:ジメチルアセタミド
DME:1,2−ジメトキシエタン
LDA:リチウムジイソプロピルアミド
DBU:1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセン
DBN:1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノナ−5−エン
Ac:アセチル
Me:メチル
Et:エチル
Pr:n−プロピル
iPr:イソプロピル
t−Bu:tert−ブチル
Boc:tert−ブトキシカルボニル
Bn:ベンジル
Ph:フェニル
Cy:シクロアルキル
【0024】
「芳香族炭素環」としては、例えば、6〜14員の単環式、二環式または三環式の不飽和炭素環などがあげられ、具体的には、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、アントラセンなどがあげられる。
「複素環」としては、例えば、例えば窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有する3〜15員の単環式または二環式の不飽和複素環、およびその全部または一部が飽和されている複素環などがあげられる。当該不飽和複素環およびその全部または一部が飽和されている複素環の具体例としては、例えば、ピロール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、アゼピン、ジアゼピン、フラン、ピラン、オキセピン、チオフェン、チアピラン、チエピン、オキサゾール、イソキサゾール、チアゾール、イソチアゾール、フラザン、オキサジアゾール、オキサジン、オキサジアジン、オキサゼピン、オキサジアゼピン、チアジアゾール、チアジン、チアジアジン、チアゼピン、チアジアゼピン、インドール、イソインドール、ベンゾフラン、ベンゾチオフェン、インダゾール、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、キナゾリン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ピロリン、ピロリジン、イミダゾリン、イミダゾリジン、ピラゾリン、ピラゾリジン、ジヒドロピリジン、テトラヒドロピリジン、ジヒドロピラジン、テトラヒドロピラジン、ジヒドロピリミジン、テトラヒドロピリミジン、ジヒドロアゼピン、テトラヒドロアゼピン、ジヒドロジアゼピン、テトラヒドロジアゼピン、ジヒドロフラン、テトラヒドロフラン、ジヒドロピラン、テトラヒドロピラン、ジヒドロチオフェン、テトラヒドロチオフェン、ジヒドロチアピラン、テトラヒドロチアピラン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チアモルホリン、ホモピペリジンなどがあげられる。
【0025】
「脂環式複素環」としては、例えば、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる1または2個のヘテロ原子を含有する5〜7員の単環式飽和複素環などがあげられ、具体的には、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、チアモルホリン、ホモピペリジン、テトラヒドロオキサジンなどがあげられる。
「アルキル」としては、例えば、直鎖または分枝鎖状のC1〜C6アルキルなどがあげられ、具体的には、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシルなどがあげられる。
【0026】
「アルコキシ」としては、例えば、直鎖または分枝鎖状のC1〜C6アルコキシなどがあげられ、具体的には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、tert−ブトキシ、ペンチルオキシ、ヘキシルオキシなどがあげられる。
「ハロゲン」としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素があげられる。
「ハロアルキル」としては、例えば、直鎖または分枝鎖状のC1〜C6アルキルに1〜6個のハロゲンが置換したものなどがあげられ、具体的には、フルオロメチル、クロロメチル、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチルなどがあげられる。
【0027】
「アルコキシカルボニル」としては、例えば、直鎖または分枝鎖状のC2〜C7アルコキシカルボニルなどがあげられ、具体的には、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、イソブトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニルなどがあげられる。
【0028】
「アルカノイル」としては、例えば、直鎖または分枝鎖状のC1〜C6アルカノイルなどがあげられ、具体的には、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリル、ペンタノイル、ヘキサノイルなどがあげられる。
「カルボキシアルキル」としては、例えば、直鎖または分枝鎖状のC1〜C6アルキルに1〜2個のカルボキシが置換したものなどがあげられ、具体的には、カルボキシメチル、カルボキシエチル、カルボキシペンチルなどがあげられる。
「アラルキル」としては、例えば、直鎖または分枝鎖状のC1〜C6アルキルに芳香族炭素環(好ましくはベンゼン)が置換したものがあげられ、具体的には、ベンジル、2−フェニルエチル、1−フェニルエチル、3−フェニルプロピルなどがあげられる。
「シクロアルキル」としては、例えば、C3〜C6シクロアルキルなどがあげられ、具体的には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどがあげられる。
【0029】
「アルキルスルホニル」としては、例えば、直鎖または分枝鎖状のC1〜C6アルキルスルホニルなどがあげられ、具体的には、メチルスルホニル、エチルスルホニル、プロピルスルホニル、イソプロピルスルホニル、ブチルスルホニルなどがあげられる。
「炭素環式基」としては、例えば、3〜15員の単環式、二環式または三環式の不飽和炭素環式基、およびその全部または一部が飽和されている炭素環などがあげられる。これら炭素環の具体例としては、例えば、フェニル、ナフチル、フェナントリル、アンスリル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプタジエニル、シクロオクタジエニル、インデニル、インダニル、ジヒドロナフチル、テトラヒドロナフチルなどがあげられる。
【0030】
「複素環式基」としては、例えば、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる1〜4個のヘテロ原子を含有する3〜15員の単環式または二環式の不飽和複素環式基、およびその全部または一部が飽和されている複素環式基などがあげられる。
【0031】
当該不飽和複素環式基およびその全部または一部が飽和されている複素環式基の具体例としては、例えば、ピロリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、アゼピニル、ジアゼピニル、フリル、ピラニル、オキセピニル、チエニル、チアピラニル、チエピニル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、フラザニル、オキサジアゾリル、オキサジニル、オキサジアジニル、オキサゼピニル、オキサジアゼピニル、チアジアゾリル、チアジニル、チアジアジニル、チアゼピニル、チアジアゼピニル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インダゾリル、キノリニル、イソキノリニル、キノキサリニル、キナゾリニル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、ピロリニル、ピロリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、ジヒドロピリジル、テトラヒドロピリジル、ジヒドロピラジニル、テトラヒドロピラジニル、ジヒドロピリミジニル、テトラヒドロピリミジニル、ジヒドロアゼピニル、テトラヒドロアゼピニル、ジヒドロジアゼピニル、テトラヒドロジアゼピニル、ジヒドロフリル、テトラヒドロフリル、ジヒドロピラニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロチエニル、テトラヒドロチエニル、ジヒドロチアピラニル、テトラヒドロチアピラニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チアモルホリニル、ホモピペリジルなどがあげられる。
【0032】
「脂環式複素環式基」としては、例えば、窒素原子、酸素原子および硫黄原子から選ばれる1または2個のヘテロ原子を含有する5〜7員の単環式飽和複素環式基などがあげられ、具体的には、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チアモルホリニル、ホモピペリジル、テトラヒドロオキサジニルなどがあげられる。
環Bにおける「置換されていてもよい芳香族炭素環」および「置換されていてもよい複素環」の置換基としては、例えば、ハロゲン、アルキル、ハロアルキル、水酸基、アルコキシ、シアノ、カルボキシ、アルコキシカルボニル、ニトロなどがあげられ、これら置換基を1〜3個有していてもよい。好ましい置換基としては、ハロゲン、アルキル、ハロアルキルがあげられ、特にハロゲンが好ましい。
1およびR2における「置換されていてもよいカルバモイル」の置換基としては、例えば、水酸基、アルコキシまたはアルキルスルホニルで置換されていてもよいアルキル、アラルキルなどがあげられ、これら同一または異なる置換基を1または2個有していてもよい。また、R1とR2が隣接する窒素原子と共に複素環を形成してもよく、例えばピロリジン、ピペリジン、モルホリン、チアモルホリン、ホモピペリジン等があげられ、オキソ等の置換基を有していてもよい。
【0033】
1およびR2における「置換されていてもよいアミノ」の置換基としては、例えば、アルキル、置換されていてもよいアルカノイル、アルキルスルホニル、置換されていてもよいアルコキシカルボニル、シクロアルキルカルボニル、水酸基などがあげられ、これら同一または異なる置換基を1または2個有していてもよい。ここで、置換されていてもよいアルカノイルおよび置換されていてもよいアルコキシカルボニルの置換基としては、例えば、アルコキシ、水酸基などがあげられる。
1における「置換されていてもよいウレイド」の置換基としては、例えば、アルキルなどがあげられ、この同一または異なる置換基を1または2個有していてもよい。また、2個の置換基が一緒になって、隣接する窒素原子とともに5〜7員の脂環式複素環を形成してもよい。
【0034】
3における「置換されていてもよい炭素環式基」の置換基としては、例えば、オキソで置換されていてもよい脂環式複素環式基、置換されていてもよいアルキル、シアノ、置換されていてもよいアミノ、またはアルキレンジオキシなどがあげられる。ここで、置換されていてもよいアルキルの置換基としては、例えば、シアノなどがあげられる。置換されていてもよいアミノの置換基としては、例えば、アルキルスルホニルなどがあげられる。
3における「置換されていてもよい複素環式基」の置換基としては、例えば、(a)オキソ、(b)カルボキシ、(c)アルコキシカルボニル、(d)アルキルで置換されていてもよい複素環式基置換スルホニル若しくはアルキルでモノまたはジ置換されていてもよいアミノ、(e)オキソ、アルキル、アルキルスルホニル、若しくはアルカノイルで置換されていてもよい複素環式基、(f)フェニルで置換されていてもよいアルキル、(g)アルキルでモノまたはジ置換されていてもよいカルバモイル、(h)アルキルスルホニル、(i)アルカノイル、(j)アルコキシで置換されていてもよいフェニル、(k)ハロゲン、(l)シアノ、(m)水酸基、(n)アルコキシなどがあげられる。
【0035】
3における「置換されていてもよいアルキル」の置換基としては、例えば、ハロゲン、水酸基、アルコキシ、アルキルでモノまたはジ置換されていてもよいアミノ、置換されていてもよい複素環式基などがあげられ、これら同一または異なる置換基を1または2個有していてもよい。ここで、置換されていてもよい複素環式基の置換基としては、R3における置換されていてもよい複素環式基の置換基と同義である。
5およびR6における「置換されていてもよいアルカノイル」の置換基としては、シクロアルキルなどがあげられる。
【0036】
下式

により表される基の好ましい具体例としては、以下の基があげられる。

【0037】
本発明化合物の製薬上許容しうる塩としては、例えば塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、臭化水素酸塩等の無機酸塩、酢酸塩、フマル酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トシル酸塩、マレイン酸塩等の有機酸塩等が挙げられる。また、カルボキシ等の酸性基を有する場合には塩基との塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリ金属塩、カルシウム塩等のアルカリ土類金属塩、トリエチルアミン塩等の有機塩基塩、リジン塩等のアミノ酸塩等)も挙げられる。
【0038】
本発明化合物またはその製薬上許容しうる塩には、その分子内塩、その水和物等の溶媒和物のいずれもが含まれる。
本発明化合物(I)には不斉炭素に基づく光学異性体が存在しうるが、本発明化合物(I)は、それらいずれの異性体およびそれらの混合物をも包含する。さらに、本発明化合物(I)に二重結合あるいはシクロアルカンジイルを有する場合は、シス体、トランス体が存在し、本発明化合物(I)にはカルボニルなどの不飽和結合に基づく互変異性体が存在しうるが、本発明化合物(I)は、それらいずれの異性体およびそれらの混合物をも包含する。また、本発明の化合物にアミノ基を有する場合には、4級アンモニウム塩も含まれる。
【0039】
本発明の化合物(1)は、以下の方法により製造することができる。
方法1:化合物(1)は、以下の方法により調製される。

(式中、P1はハロゲンまたはアルキルスルホニルオキシなどの脱離基を示し、P2は−B(OH)2、−B(ORA2または−Sn(RA3を示し、RAはアルキルを示し、他の記号は前記と同義である。)
【0040】
化合物(2)を化合物(3)と溶媒(DME、THF、ジオキサン、DMF、DMA、トルエン、ベンゼン、水またはこれらの混合物など)中、パラジウム触媒〔テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド、パラジウム(II)アセテート等の0価または2価のパラジウム触媒〕の存在下で反応させることにより化合物(1−A)が得られる。
2が−B(OH)2または−B(ORA2である化合物(3)を用いる場合は、塩基を加えるのが好ましい。塩基としては、例えば炭酸アルカリ金属、水酸化アルカリ金属、リン酸アルカリ金属、フッ化アルカリ金属等の無機塩基や、トリエチルアミン等の有機塩基などを用いることができる。
本反応の反応温度は、通常室温から150℃であり、反応時間は、通常1〜24時間である。
【0041】
方法2:R3が含窒素複素環式基であり、かつ、Zが−CO−であるか、またはZが−N(R13)CO−である化合物(1)は、以下の方法により調製される。

(式中、環Cは置換されていてもよいピペラジン、置換されていてもよいピペリジン、置換されていてもよいピロリジンなどの全部または一部が飽和された5〜7員の含窒素複素環式基を示し、他の記号は前記と同義である。)
【0042】
本反応は、以下のいずれかの方法により実施される。
(1)化合物(4)をハロゲン化剤(塩化チオニル、塩化オキザリル(必要に応じてDMFを添加してもよい)など)と処理して酸ハライドに変換した後、化合物(5−a)または化合物(5−b)と塩基(炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、トリエチルアミン、ピリジンなど)の存在下、−20〜100℃で30分から24時間反応させることにより、化合物(1−B)または化合物(1−C)が得られる。
【0043】
(2)化合物(4)を必要に応じて溶媒(DMF、THF、ジオキサン、ジクロロメタンなど)中、縮合剤(1,3−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、カルボニルジイミダゾール、シアノリン酸ジエチル、PyBOP〔(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート〕など)の存在下で化合物(5−a)または化合物(5−b)と縮合させることにより、化合物(1−B)または化合物(1−C)が得られる。本反応は通常0℃から100℃で、通常30分から24時間で進行する。なお、縮合剤を用いる反応は、必要に応じて1−ヒドロキシベンズトリアゾール、N−ヒドロキシスクシンイミドなどの存在下で行うこともできる。
【0044】
(3)化合物(4)を混合酸無水物(クロロ炭酸メチル、クロロ炭酸エチルなどとの炭酸エステル、または塩化メシル、塩化トシルなどとのスルホン酸エステルなど)に変換し、当該混合酸無水物を適当な溶媒(THF、トルエン、ニトロベンゼンあるいはこれらの混合溶媒など)中、塩基(トリエチルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、ジエチルアニリン、コリジン、ヒューニッヒ(ジイソプロピルエチルアミン)など)の存在下、室温から溶媒の還流温度で1から24時間、化合物(5)と縮合させることにより化合物(1−B)または化合物(1−C)が得られる。
【0045】
方法3:Zが−CON(R13)−または−SO2N(R13)−である化合物(1)は、以下の方法により調製される。

(式中、各記号は前記と同義である。)
化合物(6)と化合物(7)との反応は、方法2と同様に実施することができる。化合物(6)と化合物(8)との反応は、方法2(1)の酸ハライドの反応と同様に実施することができる。
【0046】
方法4:Zが−N(R14)CON(R15)−であり、R15が水素である化合物(1)は、以下の方法により調製される。

(式中、各記号は前記と同義である。)
【0047】
化合物(6−a)を化合物(9−a)と溶媒(クロロホルム、ジクロロメタン、DMF、DMSO、ジオキサン、THF等)中または無溶媒で、塩基(トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、4−メチルモルホリン、ピリジン等)の存在下で反応させることにより、化合物(1−E)が得られる。本反応は、−40〜100℃、1〜48時間で好適に進行する。
また、化合物(6−a)を化合物(9−b)と溶媒(クロロホルム、ジクロロメタン、DMF、DMSO、ジオキサン、THF等)中で反応させることにより、化合物(1−F)が得られる。本反応は、−40〜100℃、1〜48時間で好適に進行する。
【0048】
方法5:Zが単結合であり、R3が5〜7員の飽和含窒素複素環式基である化合物は、以下の方法により調製される。

(式中、Alkは1〜3個のオキソで置換されていてもよく、1〜3個の窒素原子、酸素原子または硫黄原子が介在していてもよいC2〜C6アルキレンを示し、環Dは置換されていてもよいピロリジン、置換されていてもよいピペリジン、置換されていてもよいピペラジン、置換されていてもよいモルホリン、置換されていてもよいチオモルホリン、置換されていてもよいイミダゾリジン、置換されていてもよいチアゾリジン、置換されていてもよいイソチアゾリジンなどの5〜7員の飽和含窒素複素環式基を示し、他の記号は前記と同義である。)
【0049】
化合物(10)を溶媒(DMF、DMSO、N,N−ジメチルアセトアミド等)中、塩基(水素化ナトリウム、カリウム tert−ブトキシド等)と処理することにより、化合物(1−G)を製造することができる。本反応は、0〜100℃、1〜48時間で好適に進行する。
【0050】
方法6:環Aが基(I)であり、Xが−N(R5)−または−O−である化合物(1)は、以下の方法により調製される。

(式中、R1a、R1bは、それぞれR1と同義であり、Lvはアルキル、置換されていてもよいフェニルまたは置換されていてもよいベンジルを示し、VはCHまたはNを示し、X1は−N(R5)−または−O−を示し、他の記号は前記と同義である。)
【0051】
化合物(11)を3−アミノピラゾールと溶媒(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、THF、ジオキサンなど)中または無溶媒で、酸(塩酸、硫酸などの鉱酸または酢酸などの有機酸など)の存在下、反応させることにより、化合物(12)が得られる。
化合物(12)を溶媒(ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、塩化メチレン、アセトニトリル、DMFなど)中または無溶媒で、必要に応じて塩基(ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、トリエチルアミンなど)の存在下、室温から溶媒の還流温度で1〜12時間ハロゲン化剤(オキシ塩化リン、オキシ臭化リンなど)と反応させることにより、化合物(13)が得られる。
【0052】
化合物(13)を化合物(14)と溶媒(THF、ジオキサン、ジエチルエーテル、DMF、DMSO、メタノール、エタノール、エチレングリコールなど)中、塩基(トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジン、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど)の存在下、0〜150℃で1〜24時間反応させることにより、化合物(1−H)が得られる。
【0053】
方法7:Xが−N(R5)−または−O−である化合物(2)は、以下の方法により調製される。

(式中、P3はハロゲンを示し、他の記号は前記と同義である。)
化合物(15)と化合物(14−a)との反応は、方法6と同様に実施することができる。
【0054】
方法8:環A1が基(C)である化合物(15)は、以下の方法により調製される。

(式中、RAは水素またはアルキルを示し、他の記号は前記と同義である。)
化合物(16)を常法によりアンモニア水と処理して化合物(17)とした後、化合物(17)を、溶媒(例えば、水、メタノール、エタノール、tert−ブチルアルコール、THF、ジオキサン、酢酸エチル、酢酸、キシレン、DMF、DMSOまたはそれらの混合物)中、還元することにより化合物(18)が得られる。還元反応は、例えば水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化アルミニウムリチウム等の還元剤を用いるか、金属(鉄、亜鉛、スズ等)を用いるか、または遷移金属(パラジウム−炭素、酸化白金、ラネーニッケル、ロジウム、ルテニウム等)を用いた接触還元などによっても行うことができる。なお、接触還元を行う場合、水素源はギ酸、ギ酸アンモニウム、1,4−シクロヘキサジエン等であってもよい。本反応は、通常−20〜150℃で、通常30分間から48時間で進行する。
【0055】
化合物(18)を尿素と100〜250℃で1〜12時間反応させることにより、化合物(19)が得られる。
化合物(19)を、溶媒(ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、塩化メチレン、アセトニトリル、DMFなど)中または無溶媒で、必要に応じて塩基(ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、トリエチルアミン、コリジン、ピリジン、ジイソプロピルエチルアミンなど)の存在下、室温から溶媒の還流温度で1〜12時間ハロゲン化剤(オキシ塩化リン、オキシ臭化リンなど)と反応させることにより、化合物(15−A)が得られる。
【0056】
方法9:環A1が基(D)である化合物(15)は、以下の方法により調製される。

(式中、RBおよびR4aはそれぞれアルキルを示し、他の記号は前記と同義である。)
化合物(20)を溶媒(メタノール、エタノールなど)中、強塩基(ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシドなど)で処理することにより生成する3−オキソプロピオニトリル誘導体と、化合物(21)とを弱塩基(酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど)の存在下で反応させることにより、化合物(22)が得られる。
【0057】
化合物(22)を溶媒(メタノール、エタノール、酢酸、水またはその混合物など)中、シアン酸塩(シアン酸ナトリウム、シアン酸カリウムなど)と反応させることにより、化合物(23)が得られる。本反応は、0℃から100℃、好ましくは室温で、1〜12時間で好適に進行する。
化合物(23)を溶媒(水、メタノール、エタノール、DMSO、DMFなど)中、塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなど)と処理することにより、化合物(24)が得られる。本反応は0〜150℃、好ましくは溶媒の還流温度で、1〜12時間で好適に進行する。
化合物(24)を、方法8と同様にハロゲン化剤と反応させることにより、化合物(15−B−1)が得られる。さらに、化合物(15−B−1)を常法によりアルキルハライドと反応させることにより、化合物(15−B−2)が得られる。
【0058】
方法10:環Aが基(I)または(J)である化合物(15)は、以下の方法により調製される。

(式中、VはCHまたはNを示し、他の記号は前記と同義である。)
化合物(25)をマロン酸ジアルキルエステルと溶媒(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールなど)中、塩基(ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムメトキシドなど)の存在下、室温から溶媒の還流温度で1〜48時間反応させることにより、化合物(26)が得られる。
化合物(26)を方法8のハロゲン化反応と同様に反応させることにより化合物(15−C)が得られる。
【0059】
方法11:環Aが基(A)または(B)である化合物(15)は、以下の方法により調製される。

(式中、各記号は前記と同義である。)
【0060】
化合物(27−a)または化合物(27−b)を尿素と100〜250℃で1〜12時間反応させることにより、化合物(28−a)または化合物(28−b)が得られる。
化合物(28−a)または化合物(28−b)を、方法8のハロゲン化反応と同様に反応させることにより、化合物(15−D)または化合物(15−E)が得られる。
【0061】
方法12:環Aが基(F)である化合物(15)は、以下の方法により調製される。

(式中、Gはカルボキシまたはシアノを示し、他の記号は前記と同義である。)
化合物(29)は、Tetrahedron, 58, (2002) 3155-3158またはWO95/32205に記載の方法に準じて調製される。すなわち、(1)Gがシアノである化合物(29)を二酸化炭素と溶媒(DMF、DMSO、THFなど)中、過剰量の塩基(DBU、DBNなど)の存在下、室温から100℃で1〜48時間反応させるか、または(2)Gがカルボキシである化合物(29)を尿素と100〜250℃で1〜12時間反応させることにより、化合物(30)が得られる。
化合物(30)を方法8のハロゲン化反応と同様に反応させることにより、化合物(15−F)が得られる。
【0062】
方法13:環Aが基(E)である化合物(15)は、以下の方法により調製される。

(式中、各記号は前記と同義である。)
【0063】
本反応は特開昭58−146586に記載の方法に準じて調製される。すなわち、化合物(31)を化合物(32)またはその塩(塩酸塩、硫酸塩など)と溶媒(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、DMF、DMSOなど)中、塩基(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水素化ナトリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシドなど)の存在下、室温から100℃で1〜12時間反応させることにより、化合物(33)が得られる。
化合物(33)を溶媒(含水メタノール、含水エタノール、水など)中、酸(酢酸、塩酸、硫酸など)またはアルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなど)と室温から溶媒の還流温度で1時間から3日間反応させることにより、化合物(34)が得られる。
化合物(34)を方法8のハロゲン化反応と同様に反応させることにより、化合物(15−G)が得られる。
【0064】
方法14:Gがシアノであり、R1aがアルコキシカルボニルである化合物(29)は、以下の方法により調製される。

(式中、各記号は前記と同義である。)
化合物(35)を溶媒(ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロホルム、塩化メチレンなど)中、アクリロニトリルと室温から溶媒の還流温度で1〜24時間反応させることにより、化合物(36)が得られる。
化合物(36)を三フッ化ホウ素・ジエチルエーテル錯体と好ましくは還流温度で1〜12時間反応させることにより、化合物(29−a)が得られる。
【0065】
方法15:環Aが基(G)であり、Xが−N(R7)−または−O−であり、Yが−C(R10)(R11)−である化合物(1)は、以下の方法により調製される。

(式中、RCは脱離基(トリフルオロメタンスルホニル等)を示し、他の記号は前記と同義である。)
【0066】
化合物(37)を溶媒(THF、ジエチルエーテル、ジオキサンなど)中、−78℃から氷冷下で、塩基(n−ブチルリチウム、LDAなど)と処理した後、同温度で1〜12時間二酸化炭素と反応させることにより、化合物(38)が得られる。
化合物(38)を方法6と同様に化合物(39)と反応させることにより、化合物(40)が得られる。
化合物(40)とR4NH2との反応は、方法2と同様に実施することができる。なお、化合物(40)の酸ハライドは、常法により、ハロゲン化剤(塩化チオニルなど)と処理して調製される。
化合物(41)を溶媒(THF、ジエチルエーテル、ジオキサンなど)中、0℃から溶媒の還流温度で1時間〜10日間アンモニアと反応させることにより、化合物(42)が得られる。
化合物(42)をオルトギ酸トリアルキル(オルトギ酸トリメチル、オルトギ酸トリエチル、オルトギ酸トリプロピル、オルトギ酸トリブチルなど)と酸(酢酸、無水酢酸、塩酸、硫酸など)の存在下、室温から150℃で1〜12時間反応させることにより、化合物(43)が得られる。
【0067】
化合物(43)を方法13と同様に加水分解してRCが水素の化合物とした後、常法により無水トリフルオロメタンスルホン酸などと処理して脱離基に変換することにより、化合物(44)が得られる。
化合物(44)を方法1と同様に化合物(45)と反応させることにより、化合物(1−I)が得られる。
【0068】
方法16:環Aが基(H)であり、Xが−N(R7)−または−O−であり、Yが−C(R10)(R11)−である化合物(1)は、以下の方法により調製される。

(式中、各記号は前記と同義である。)
【0069】
化合物(46)をDMFおよびオキシ塩化リンまたはオキシ臭化リンと室温から溶媒の還流温度で1〜12時間反応させることにより、化合物(47)が得られる。
化合物(47)と化合物(48)との反応は、方法6と同様に実施することができる。
【0070】
化合物(49)を化合物(50)と溶媒(メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、クロロホルム、塩化メチレン、DMF、DMSO、THF、ジオキサンなど)中、必要に応じて酸(塩酸、硫酸、酢酸、トリフルオロ酢酸など)の存在下、還元剤(水素化ホウ素ナトリウム、水素化シアノホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムなど)と反応させることにより、化合物(51)が得られる。本反応は室温から溶媒の還流温度で30分から2日間実施することができる。
化合物(51)を溶媒(THF、ジオキサン、ジエチルエーテル、DMF、DMSOなど)中、塩基(トリエチルアミン、ピリジン、水素化ナトリウム、カリウムt−ブトキシド、ナトリウムt−ブトキシドなど)の存在下、室温から溶媒の還流温度で1〜24時間処理することにより、化合物(52)が得られる。
化合物(52)を方法15と同様に反応させることにより、化合物(53)が得られる。
方法1と同様に、化合物(53)を化合物(54)と反応させることにより、化合物(1−J)が得られる。
【0071】
方法17:化合物(1)は、以下の化合物(55)を用いて、有機合成化学の分野で通常用いられる官能基の変換を行うことにより、本発明の化合物(1)を調製することもできる。

(式中、P4はカルボキシ、アルコキシカルボニル、アミノまたは脱離基(ハロゲン、メタンスルホニル、トリフルオロメタンスルホニルなど)などを示し、他の記号は前記と同義である。)
なお、化合物(55)は、対応する原料化合物を用いて、上記製造法と同様に反応させることにより調製される。
【0072】
方法18:上記方法において、本発明化合物、中間体化合物、原料化合物等に官能基(水酸基、アミノ、カルボキシ等)を有する場合は、Protective Groups in Organic Synthesis” T. W. Greene, P. M. G. Wuts, John Wiley and Sons 1991に記載の方法に準じて、有機合成化学において通常用いる保護基で保護し、反応後、当該保護基を除去することにより、目的とする化合物を得ることができる。保護基としては、同書に記載された有機合成化学において通常用いる保護基があげられ、例えば、水酸基の保護基としては、例えばテトラヒドロピラニル、トリメチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、ベンジル、メトキシメチル、アセチル等が挙げられ、アミノの保護基としては、例えばtert−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、9−フルオレニルメトキシカルボニル、2,2,2−トリクロロエトキシカルボニル、tert−アミルオキシカルボニル等が挙げられ、カルボキシの保護基としては、例えばメチル、エチル等のアルキル、ベンジル等が挙げられる。
また、上記方法に従って本発明化合物、中間体化合物を製造した後、官能基を常法に従って変換または修飾することもできる。具体的には以下の方法が挙げられる。
【0073】
(1)アミノのアミドへの変換
アミノをアシルハライドと反応させるか、カルボキシを縮合剤存在下でアミンと反応させることにより、対応するアミドに変換することができる。
(2)カルボキシまたはそのエステルのカルバモイルへの変換
カルボキシをアシルハライドに変換した後アミンと反応させるか、カルボキシに縮合剤の存在下でアミンを反応させるか、あるいはそのエステルにアミンを反応させることにより、対応するカルバモイルに変換することができる。
(3)エステルの加水分解
エステルをアルカリ(水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等)または酸(塩酸、硫酸等)で加水分解することにより、対応するカルボキシに変換することができる。
(4)カルバモイルのニトリルへの変換
カルバモイルをオキシ塩化リンまたは無水トリフルオロ酢酸と反応させることで、対応するニトリルに変換することができる。
【0074】
(5)N−アルキル化、N−フェニル化
アミノをアルキルハライドまたはフェニルハライドと反応させることにより、対応するモノまたはジアルキル置換アミノまたはフェニル置換アミノに変換することができる。
(6)N−スルホニル化
アミノをアルキルスルホニルハライドまたはフェニルスルホニルハライドと反応させることにより、対応するアルキルスルホニルアミノまたはフェニルスルホニルアミノに変換することができる。また、アミノを還元的アミノ化反応に付することにより、対応するモノまたはジアルキル置換アミノに変換することができる。
(7)アミノのウレイドへの変換
アミノをアルキルイソシアネートと反応させることにより、アルキルウレイドに変換することができる。また、アミノをカルバモイルハライドと反応させるか、あるいはアミノをイソシアネートにした後、アミンと反応させることにより、ウレイドに変換することもできる。
【0075】
(8)芳香族ニトロの芳香族アミンへの変換
芳香族ニトロを、常法により、還元剤〔例えば水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化アルミニウムリチウム等の金属還元試薬、金属(鉄、亜鉛、スズ、塩化スズ(II)、チタン等)による還元、遷移金属(パラジウム−炭素、白金、ラネーニッケル等)を用いた接触還元〕と処理することにより、芳香族アミンへ変換することができる。なお、接触還元を行う場合、水素源としてギ酸アンモニウム、ヒドラジン等を使用することもできる。
また、上記の製造において、製造される本発明化合物および各中間体は、通常の方法、例えばカラムクロマトグラフィー、再結晶等で精製することができる。再結晶溶媒としては例えばメタノール、エタノール、2−プロパノール等のアルコール溶媒、ジエチルエーテル等のエーテル溶媒、酢酸エチル等のエステル溶媒、トルエン等の芳香族溶媒、アセトン等のケトン溶媒、ヘキサン等の炭化水素溶媒、水等またはこれらの混合溶媒等が挙げられる。また、本発明化合物は常法に従って製薬上許容される塩にすることができ、その後再結晶等を行うこともできる。
【発明の効果】
【0076】
本発明化合物またはその製薬上許容しうる塩は、CCR4あるいはTARC/CCL17および/またはMDC/CCL22の機能調節作用を有することから、アレルギー性疾患、炎症性疾患、自己免疫疾患または癌疾患〔例えば、喘息(気管支喘息など)、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、花粉症、皮膚炎(アトピー性皮膚炎、接触性皮膚炎など)、乾癬、関節リウマチ、全身性エリテマトーデス、多発性硬化症、インスリン依存型糖尿病(IDDM)、臓器移植時の拒絶反応、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎、クローン病など)、間質性膀胱炎、糸球体腎炎、敗血症、疼痛、成人T細胞白血病(ATL)、悪性腫瘍、肺線維症、好酸球性肺炎、肺好酸球性肉芽種、皮膚T細胞リンパ腫、強直性脊椎炎、冠動脈疾患、類天疱瘡、ホジキン病など〕などに対する予防または治療薬として有用である。
【0077】
本発明の化合物またはその製薬上許容しうる塩は、当該化合物の治療上有効量および製薬上許容される担体からなる医薬組成物に製剤化することができる。製薬上許容される担体としては、希釈剤、結合剤(シロップ、アラビアゴム、ゼラチン、ソルビット、トラガカント、ポリビニルピロリドン)、賦形剤(乳糖、ショ糖、コーンスターチ、リン酸カリウム、ソルビット、グリシン)、滑沢剤(ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、シリカ)、崩壊剤(バレイショデンプン)および湿潤剤(ラウリル硫酸ナトリウム)等を挙げることができる。
【0078】
本発明化合物またはその製薬上許容しうる塩は、経口的または非経口的に投与することができ、適当な医薬製剤として用いることができる。経口投与用の適当な医薬製剤としては、例えば、錠剤、顆粒剤、カプセル剤、散剤などの固体製剤、あるいは溶液製剤、懸濁製剤または乳化製剤などが挙げられる。非経口投与用の適当な医薬製剤としては、坐剤、注射用蒸留水、生理食塩水またはブドウ糖水溶液などを用いた注射剤または点滴製剤、あるいは吸入剤等が挙げられる。
本発明化合物またはその製薬上許容し得る塩の投与量は、投与方法、患者の年令、体重、状態によっても異なるが、通常、1日当り約0.003〜100mg/kg、好ましくは約0.01〜30mg/kg、とりわけ約0.05〜10mg/kg程度とするのが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0079】
以下、本発明を実施例、参考例により詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
【実施例】
【0080】
実施例1

(1)テレフタル酸モノメチルエステル10gのTHF185ml溶液に氷冷下でN,N’−カルボニルジイミダゾール9.9gを加え、室温下で終夜攪拌した。反応液に氷冷下でマロン酸モノ(p‐ニトロベンジル)エステルマグネシウム塩30.6gを加え、50〜60℃で4時間攪拌した。反応液に酢酸エチル500mlを加え、塩酸、水、飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣にジイソプロピルエーテルとヘキサンを加えて固化した。固形物を濾取し、ヘキサン/酢酸エチル(4/1)で洗浄して乾燥し、4−[2−(4−ニトロ−ベンジルオキシカルボニル)−アセチル]−ベンゼンカルボン酸メチルエステル17.2gを無色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):358[M+H]+

【0081】
(2)4−[2−(4−ニトロ−ベンジルオキシカルボニル)−アセチル]−ベンゼンカルボン酸メチルエステル17.2g、3−アミノピラゾール3.8gの酢酸82ml溶液を加熱還流下で2.5時間攪拌した。反応液を室温で1晩放置後、再び加熱還流下で2.5時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、酢酸エチル200mlを加え、不溶物を濾取し、減圧乾燥して、4−(7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−イル)−ベンゼンカルボン酸メチルエステル12.3gを淡褐色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):270[M+H]+

【0082】
(3)4−(7−オキソ−4,7−ジヒドロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−イル)−ベンゼンカルボン酸メチルエステル7.1gにジエチルアニリン8.5ml、オキシ塩化リン20.6gを加え、80℃で3時間攪拌した。反応液を放冷し、ジエチルエーテルを加えて不溶物を洗浄した。不溶物をクロロホルムに溶かし、飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。析出した結晶をジエチルエーテルで洗浄し、減圧乾燥して4−(7−クロロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−イル)−ベンゼンカルボン酸メチルエステル6.30gを黄色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):288/290[M+H]+

【0083】
(4)4−(7−クロロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−イル)−ベンゼンカルボン酸メチルエステル6.3gの1,4−ジオキサン40ml溶液に2,4−ジクロロベンジルアミン4.6g、ジイソプロピルエチルアミン3.8mlを加え、60℃で3時間、90℃で4時間攪拌した。放冷後、反応液にクロロホルムを加え、飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣にジイソプロピルエーテルを加えた後、結晶を濾取し、減圧乾燥して4−[7−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−イル]−ベンゼンカルボン酸メチルエステル9.1gを淡黄色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):427/429[M+H]+

【0084】
(5)4−[7−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−イル]−ベンゼンカルボン酸メチルエステル9.1gのメタノール250ml溶液に2N水酸化ナトリウム水溶液50mlを加え、50〜60℃で終夜攪拌した。反応液を放冷し、クエン酸100g/水溶液1.5Lに注いで30分攪拌した。不溶物を濾取し、水および酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルで洗浄し、乾燥して4−[7−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−イル]−ベンゼンカルボン酸8.4gを淡褐色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):413/415[M+H]+

【0085】
(6)4−[7−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−イル]−ベンゼンカルボン酸124mg、メチルピペラジン50mgのDMF1.5ml溶液に、室温でジエチルホスホロシアニデート79mg、トリエチルアミン51mgを滴下し、室温で終夜攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和重曹水、水および飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。酢酸エチル/ジイソプロピルエーテルから再結晶し、{4−[7−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−イル]−フェニル}−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン148mgを淡黄色結晶として得た。
APCI−MS(m/e):495/497[M+H]+
【0086】
実施例2〜29
前述および後述の実施例並びに参考例と同様に反応、処理することにより、以下の化合物を得た。

【0087】

【0088】



【0089】
実施例30

[5−(4−アミノ−フェニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−(2,4−ジクロロ−ベンジル)−アミン100mg、(R)−ピログルタミン酸34mgをDMF1mlに溶かし、氷冷下で1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩65mg、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール・1水和物51mgを加え、室温下で終夜攪拌した。反応液にクロロホルムを加え、飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0→95/5)で精製し、5−オキソ−ピロリジン−2−カルボン酸{4−[7−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−イル]−フェニル}−アミド86mgを淡黄色固形物として得た。
APCI−MS(m/e):495/497[M+H]+
【0090】
実施例31

実施例30と同様に反応、処理することにより、上記化合物を得た。
APCI−MS(m/e):482/484[M+H]+
【0091】
実施例32

(1)[5−(4−アミノ−フェニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−(2,4−ジクロロ−ベンジル)−アミン200mgのDMF1ml溶液に2−クロロエチルイソシアネート88μlを加え、室温で4日間攪拌した。反応液にクロロホルムを加え、飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣固形物に酢酸エチルおよびジエチルエーテルを加えて粉砕後、乾燥し、1−(2−クロロ−エチル)−3−{4−[7−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−イル]−フェニル}−ウレア128mgを淡黄色固形物として得た。
APCI−MS(m/e):489/491[M+H]+

【0092】
(2)1−(2−クロロ−エチル)−3−{4−[7−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−イル]−フェニル}−ウレア120mgをDMF2mlに溶かし、氷冷下で水素化ナトリウム(60%)50mgを加え、室温で終夜攪拌した。反応液に飽和重曹水を加え、クロロホルムで抽出した。飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣固形物にメタノールおよびジエチルエーテルを加えて粉砕し、1−{4−[7−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−イル]−フェニル}−イミダゾリジン−2−オン64mgを淡黄色固形物として得た。
APCI−MS(m/e):453/455[M+H]+
【0093】
実施例33

(1)[5−(4−アミノ−フェニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−(2,4−ジクロロ−ベンジル)−アミン96mgのTHF5ml溶液に3−クロロプロピルスルホニルクロリド885mgを加え、40℃で1日間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、水洗し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0→60/40)で精製し、酢酸エチル/ヘキサンで結晶化した後、乾燥させ、3−クロロ−プロパン−1−スルホン酸{4−[7−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−イル]−フェニル}−アミド23mgを微黄色結晶として得た。
APCI−MS(m/e):524/526[M+H]+

(2)化合物(1)を実施例32(2)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):488/490[M+H]+
【0094】
実施例34

[5−(4−アミノ−フェニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−(2,4−ジクロロ−ベンジル)−アミン115mgのピリジン1ml溶液にジメチルアミノカルバモイルクロリド129mgを加え、室温下で1日間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、クエン酸水溶液、水、飽和重曹水および飽和食塩水で順次洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=90/10→20/80)で精製し、酢酸エチル/ヘキサンで固化した後、乾燥させ、3−{4−[7−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5−イル]−フェニル}−1,1−ジメチル−ウレア62mgを淡褐色固形物として得た。
APCI−MS(m/e):455/457[M+H]+
【0095】
実施例35〜43
前述および後述の実施例並びに参考例と同様に反応、処理することにより、以下の化合物を得た。

【0096】
実施例44

(2−クロロ−チエノ[3,2−d]ピリミジン−4−イル)−(2,4−ジクロロ−ベンジル)−アミン150mg、4−(4−エチル−モルホリン−2−イル)ボロン酸135mgをジメトキシエタン7mlおよびエタノール1mlの混液に溶かし、この溶液に窒素雰囲気下、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム203mgおよび1M炭酸ナトリウム水溶液1mlを加え、80℃で終夜攪拌した。放冷後、反応液に2N塩酸を加えて弱酸性とし、炭酸カリウムを加えて液性を塩基性に戻した後に酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Siカラム:ヘキサン/酢酸エチル=70/30→0/100,NHカラム:ヘキサン/酢酸エチル=100/0→60/40)で2回精製し、(2,4−ジクロロ−ベンジル)−{2−[4−(4−エチル−モルホリン−2−イル)−フェニル]−チエノ[3,2−d]ピリミジン−4−イル}−アミン94mgを白色固体として得た。
APCI−MS(m/e):499/501[M+H]+
【0097】
実施例45

化合物(1)を実施例44と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):513/515[M+H]+
【0098】
実施例46

(1)化合物(1)を実施例44と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):582/584[M+H]+

【0099】
(2)(2,4−ジクロロ−ベンジル)−{5−[4−(4−エチル−モルホリン−2−イル)−フェニル]−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル}−カルバミン酸tert−ブチルエステル122mgを塩化メチレン2mlに溶かし、氷冷下でトリフルオロ酢酸1mlを加え、2時間攪拌した。更にトリフルオロ酢酸1mlを加え、3時間攪拌した。反応液に飽和重曹水を加え、クロロホルムで3回抽出した。有機層を合わせ硫酸マグネシウムで乾燥し溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル100/0→50/50)で精製し、(2,4−ジクロロ−ベンジル)−{5−[4−(4−エチル−モルホリン−2−イル)−フェニル]−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル}−アミン77mgを淡黄色油状物として得た。
APCI−MS(m/e):482/484[M+H]+
【0100】
実施例47

(1)化合物(1)を実施例44と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):430/432[M+H]+

【0101】
(2)2−{4−[4−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−イル]フェニル}−エタノール76mgのTHF1ml溶液に0℃で塩化メタンスルホニル21μM、トリエチルアミン49μlを加え、室温で1時間攪拌した。塩化メタンスルホニル10.5μM,トリエチルアミン30μlを追加し、室温で30分間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、水および飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣固形物に酢酸エチルを加えて粉砕化を行った後、乾燥させ、メタンスルホン酸 2−{4−[4−(2,4−ジクロロ−ベンジルアミノ)−チエノ[3,2−d]ピリミジン−2−イル]フェニル}−エチルエステル65mgを無色固形物として得た。
APCI−MS(m/e):508/510[M+H]+

(3)化合物(1)を実施例1(4)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):483/485[M+H]+
【0102】
実施例48〜62
前述および後述の実施例並びに参考例と同様に反応、処理することにより、以下の化合物を得た。



【0103】
実施例63

(1)イソキサゾール75gのエタノール300溶液mlに、ナトリウムエトキシド(21w%エタノール溶液)369gを8℃以下で2時間かけてゆっくり加え、そのまま45分攪拌した。反応液に4〜6℃で酢酸22.5g、2−アミノマロン酸ジエチル塩酸塩143gおよび酢酸ナトリウム61.4gを順次加え、室温で終夜攪拌した。減圧濃縮後、残渣にクロロホルムを加えて水洗後、乾燥した。残渣にエタノール1.14L、ナトリウムエトキシド(21w%エタノール溶液)262mlを加え、終夜攪拌した。反応液に酢酸42.2gを加えて減圧濃縮した。残渣に水を加えた後、飽和重曹水を加えてpH7とし、クロロホルムを用いて抽出した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、3−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステルを60.7g得た。
APCI−MS(m/e):155(M+H)+

【0104】
(2)3−アミノ−1H−ピロール−2−カルボン酸エチルエステル82.6gを酢酸500mlおよび水50mlの溶液に溶解し、シアン酸カリウム130.4gの250ml水溶液を1時間かけて加え、更に室温で1時間攪拌した。減圧濃縮し、水500ml、酢酸エチル200mlを加えた後、炭酸カリウムを加えて中和した。析出物をろ取し、水、酢酸エチルで洗浄、乾燥し、3−ウレイド−1H−ピロロ−2−カルボン酸エチルエステルを63.8g得た。
APCI−MS(m/e):198(M+H)+

(3)3−ウレイド−1H−ピロロ−2−カルボン酸エチルエステル69.4gに6%水酸化ナトリウム水溶液950mlを加え、加熱還流下で30分攪拌した。放冷後、反応液に濃塩酸を加えてpH6とし、攪拌後に析出物をろ取した。少量の水とメタノールで洗浄後、減圧濃縮し、トルエンで共沸し、1,5−ジヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−2,4−ジオンを32.0g得た。
APCI−MS(m/e):152(M+H)+

【0105】
(4)1,5−ジヒドロ−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−2,4−ジオン35.0gに1N水酸化ナトリウム水溶液231mlを加え、しばらく攪拌後に減圧濃縮し、残渣にトルエンを加えて共沸した。残渣にフェニルホスホニックジクロリド239gをゆっくり加えた後、180℃に昇温し、混合物を3時間攪拌した。更に、フェニルホスホニックジクロリド100gをゆっくり追加し、終夜攪拌した。反応液を攪拌中の氷水にゆっくり注ぎ、酢酸エチルを加えて抽出した。有機層を重曹水で洗浄し、乾燥後、減圧濃縮した。残渣に酢酸エチル/ジイソプロピルエ−テルを加えて結晶化し、2,4−ジクロロ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジンを19.96g得た。
APCI−MS(m/e):188/190(M+H)+

【0106】
(5)2,4−ジクロロ−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン19.9gのアセトニトリル530ml溶液に、氷冷下で60%水素化ナトリウム5.08gをゆっくり加え、室温で30分攪拌した。反応液に8℃でヨウ化メチル18.03gを滴下し、室温で終夜攪拌した。不溶物をセライトでろ過し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をジイソプロピルエーテルで洗浄し、2,4−ジクロロ−5−メチル−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジンを11.0g得た。
APCI−MS(m/e):202/204(M+H)+

(6)2,4−ジクロロ−5−メチル−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジンを実施例1(3)と同様に反応・処理することにより、(2−クロロ−5−メチル−5H−ピロロ[3,2−d]ピリミジン−4−イル)−(2,4−ジクロロ−ベンジル)−アミンを20.6g得た。
APCI−MS(m/e):341/343(M+H)+

【0107】
(7)化合物(1)および化合物(2)を実施例44と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):441/443(M+H)+

(8)化合物(1)を実施例1(5)と同様に反応、処理して、対応するカルボン酸化合物とした後、実施例1(6)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):523/525(M+H)+
【0108】
実施例64

(1)4−ニトロ−3−ピラゾール(1)51.06gのメタノール515ml懸濁液に、濃硫酸10.1mlを加え、加熱還流下で終夜攪拌した。反応液を氷冷し、飽和重曹水を加えて液性をアルカリ性とし、溶液中のメタノールを減圧留去した。残渣から酢酸エチルで6回抽出し、有機層を合わせて乾燥後、溶媒留去した。残渣を酢酸エチル/ヘキサンで粉砕し、乾燥し、化合物(2)47.61gを無色粉末として得た。
ESI−MS(m/e):170(M−H)-

【0109】
(2)乾燥したメタノール830mlに金属ナトリウム6.71gを注意深くゆっくり加え、金属ナトリウム片が溶解した後に氷冷した。この溶液に化合物(1)43.61gを加え、次いでヨウ化メチル43.64mlを加えて60〜70℃で4時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣にクロロホルムを加え、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄、乾燥し、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1→1:1)で精製し、化合物(2)17.0gを黄色油状物として、化合物(3)26.8gを無色粉末として得た。
化合物(2):
APCI−MS(m/e):186(M+H)+
1HNMR(500MHZ/DMSO−d6)δ(ppm):3.95(s,3H),4.00(s,3H),8.37(s,1H)
化合物(3):
APCI−MS(m/e):186(M+H)+
1HNMR(500MHZ/DMSO−d6)δ(ppm):3.94(s,3H),4.00(s,3H),8.95(s,1H)

【0110】
(3)28%アンモニア水285mlに化合物(1)17.0gを加え、60℃で6時間攪拌した。反応液を放冷し、減圧濃縮して、化合物(2)16.0gを無色固体として得た。
ESI−MS(m/e):169(M−H)-

(4)化合物(1)19.8gのメタノール350ml懸濁液に、10%パラジウム−炭素を加え、中圧還元装置を用いて、室温、水素ガス下(50psi)で終夜攪拌した。4N塩酸/酢酸エチル120mlに反応液を注ぎ、不溶物をセライトを用いてろ過した。ろ液を減圧濃縮し、残渣に酢酸エチルを加えて粉砕、乾燥し、化合物(2)19.95gを淡橙色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):141(M+H)+

【0111】
(5)化合物(1)17.3gとウレア32.9gを反応容器に加え、200℃に加熱下1時間攪拌した。放冷後、温めた1N水酸化ナトリウム水溶液330mlを加え、原料が溶解した後に氷冷し、酢酸55mlを加えて液性をpH4とした。析出結晶をろ取し、水で3回、ジエチルエーテルで1回洗浄し、乾燥し、化合物(2)12.6gを無色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):189(M+Na)+

(6)化合物(1)14.0gとオキシ塩化リン84mlの懸濁液に、ジエチルアニリン16.9mlをゆっくり加え、加熱還流下で22時間攪拌した。反応液を放冷し、減圧濃縮し、トルエンで2回共沸した。残渣を氷水中にゆっくり注ぎ、クロロホルムを加えて攪拌した。混合物を分液し、クロロホルム層を飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1→2:1)で精製し、化合物(2)15.3gを黄色固形物として得た。
APCI−MS(m/e):203/205(M+H)+

【0112】
(7)化合物(1)14.3gの1,4−ジオキサン260ml溶液に、氷冷下で2,4−ジクロロベンジルアミン(2)18.6g、トリエチルアミン17.8gを順次加え、室温で4時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1→1:2)で精製した。ジエチルエーテルで粉砕し、乾燥し、化合物(2)20.0gを無色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):342/344(M+H)+

(8)化合物(1)および化合物(2)を実施例44と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):442/444(M+H)+

【0113】
(9)化合物(1)を実施例1(5)と同様に反応、処理して、対応するカルボン酸化合物とした後、実施例1(6)と同様に2(S)−シアノピロリジンと反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):524/526(M+H)+
【0114】
実施例65〜72
前述および後述の実施例並びに参考例と同様に反応、処理することにより、以下の化合物を得た。

【0115】
実施例73

(1)試薬(3)7.8mg、化合物(4)6.7mgおよびtert−ブトキシナトリウム15mgに、窒素置換下で、化合物(1)50mg、化合物(2)41μlの1,4−ジオキサン3ml溶液を滴下後、80℃で終夜攪拌した。放冷後、反応液に酢酸エチルを加え、水、飽和食塩水で洗浄後に乾燥し、溶媒留去した。NH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=83:17→65:35)で精製し、化合物(5)31mgを黄色アモルファスとして得た。
APCI−MS(m/e):597/599(M+H)+

(2)化合物(1)を実施例46と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):497/499(M+H)+
【0116】
実施例74

化合物(1)100mgをTHF2mlおよび塩化メチレン2mlの溶液に溶解し、ヨウ化メチル71mgを加えて、室温で2日間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、黄色固形物を得た。メタノール/酢酸エチルから再結晶を行い、化合物(2)92mgを無色結晶として得た。
ESI−MS(m/e):482/484(M−H)-
【0117】
実施例75〜82
前述および後述の実施例並びに参考例と同様に反応、処理することにより、以下の化合物を得た。

【0118】
実施例83

化合物(1)94mgのエタノール0.8mlおよび水0.2mlの溶液にビス(2−クロロエチル)エーテル28μl、ヨウ化ナトリウム31mg、炭酸カリウム83mgを加え、マイクロウエーブ装置を用い、150℃で2時間照射した。反応液を濃縮後、残渣にクロロホルムを加えて水洗し、乾燥後に溶媒留去した。薄層シリカゲルプレート精製(クロロホルム:メタノール=9:1)を行い、化合物(2)36mgを淡緑色固形物として得た。
APCI−MS(m/e):551/553(M+H)+
【0119】
実施例84

(1)化合物(1)を実施例44と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):495/497(M+H)+

(2)化合物(1)120mgの1,4―ジオキサン2ml溶液に、濃塩酸2mlを加え、60℃で終夜攪拌した。更に100℃で終夜攪拌した。反応液減圧濃縮し、ジイソプロピルエーテル/エタノールで粉砕し、化合物(2)95mgを橙色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):414/416(M−H)

(3)化合物(1)45mg、(L)−プロリンアミド13.7mgのDMF2ml溶液に、室温でジエチルホスホロシアニデート24.5mg、トリエチルアミン24.5mgを順次加え、終夜攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄、乾燥し、溶媒留去した。NH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0→95:5)にて精製し、化合物(2)38.2mgを黄色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):510/512(M+H)+
【0120】
実施例85から128
前述および後述の実施例並びに参考例と同様に反応、処理することにより、以下の化合物を得た。

【0121】



【0122】



【0123】
実施例129

2,4−ジクロロベンジルアルコール39mgのTHF1ml溶液に60%水素化ナトリウム14mgを0℃で加え、1時間攪拌した。反応液に化合物(1)50mgのTHF1ml溶液を加え、室温で終夜攪拌した。反応液に重曹水を加えて酢酸エチルで抽出し、乾燥し、溶媒留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0→92:8)で精製し、化合物(2)32mgを無色固形物として得た。
APCI−MS(m/e):482/484(M+H)+
【0124】
実施例130から153
前述および後述の実施例並びに参考例と同様に反応、処理することにより、以下の化合物を得た。

【0125】



【0126】
実施例154

参考例30の化合物(1)70mg、(1−エトキシシクロプロポキシ)トリメチルシラン123μlのメタノール2ml溶液に酢酸90μl、水素化シアノホウ素ナトリウム38.6mg、モレキュラーシーブMS3Aを加え、加熱還流下で4時間攪拌した。放冷後、反応液に酢酸エチルを加え、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄、乾燥し、溶媒留去した。残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=80:20→67:33)で精製し、化合物(2)35.6mgを微黄色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):495/497(M+H)+
【0127】
実施例155

(1)5−ブロモ−2−クロロピリミジン(1)3.87gのエタノール50ml溶液に、ナトリウムメタンチオレート1.68gを加え、室温で4時間、60℃で2.5時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に酢酸エチルを加え、水、飽和食塩水で洗浄後、乾燥し、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0→91:9)で精製し、化合物(2)3.02gを無色固形物として得た。
APCI−MS(m/e):205/207(M+H)+

【0128】
(2)化合物(1)を参考例22(2)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):253(M+H)+

(3)化合物(1)、化合物(2)を実施例44と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):517/519(M+H)+

(4)化合物(1)2.07gの塩化メチレン40ml溶液にメタ−クロロ過安息香酸(25%含水)2.30gを加え、室温で2.5時間攪拌した。メタ−クロロ過安息香酸(25%含水)0.45gを追加し、室温で1時間攪拌した。反応液に塩化メチレンを加え、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄し、乾燥後に溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=75:25→60:40)で精製し、化合物(2)1.23gを黄色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):549/551(M+H)+

【0129】
(5)化合物(1)45mgの1,4−ジオキサン3mlの溶液に3−ジメチルアミノピロリジン18.7mgを加え、80℃で終夜攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、水、飽和食塩水で洗浄し、乾燥後に溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=96:4→92:8)で精製し、化合物(2)42mgを褐色アモルファスとして得た。
APCI−MS(m/e):583/585(M+H)+

(6)化合物(1)を実施例46(2)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):483/485(M+H)+
【0130】
実施例156〜171
前述および後述の実施例並びに参考例と同様に反応、処理することにより、以下の化合物を得た。

【0131】

【0132】
実施例172

(1)化合物(1)、化合物(2)を実施例44と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):639/641(M+H)+

【0133】
(2)化合物(1)を実施例1(5)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):625/627(M+H)+

(3)化合物(1)100mgのTHF5ml溶液にN,N’−カルボニルジイミダゾール162mgを加え、室温で14時間攪拌した。反応液に28%アンモニア水5mlを加え、室温で3時間激しく攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和食塩水で洗浄後、乾燥し、溶媒留去した。残渣に4N塩酸/1,4−ジオキサン10mlを加えて、室温で5時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に重曹水を加えて、酢酸エチルで抽出後、乾燥し、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0→94:6)で精製し、酢酸エチル/イソプロピルエーテルから再結晶し、化合物(2)36mgを無色結晶として得た。
APCI−MS(m/e):524/526(M+H)+
【0134】
実施例173

(1)化合物(1)250mg、化合物(2)168mg、グリシン15.8mg、ヨウ化銅(I)およびリン酸カリウム粉末222mgを1,4−ジオキサン0.84mlに加えて、100℃で終夜攪拌した。放冷後に不溶物をろ去し、ろ液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=70:30→45:55)で精製し、化合物(3)158mgを淡黄色アモルファスとして得た。
APCI−MS(m/e):667/669(M+H)+

【0135】
(2)化合物(1)を実施例46と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):467/469(M+H)+

(3)化合物(1)50mgの塩化メチレン3ml溶液に、酢酸6.1μl、水素化トリアセトキシホウ素ナトリウム68mg、アセトアルデヒド12μlを室温で順次加え、3時間攪拌した。反応液に酢酸エチルを加え、飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄し、乾燥後に溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール100:0→95:5)にて精製し、tert−ブタノールを用いて凍結乾燥し、化合物(2)24mgを微黄色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):495/497(M+H)+
【0136】
実施例174

(1)化合物(1)および化合物(2)を実施例73と同様に反応、処理することにより、化合物(3)を得た。
APCI−MS(m/e):637/639(M+H)+

(2)化合物(1)を実施例46と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):437/439(M+H)+
【0137】
実施例175

化合物(1)を実施例46と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):481/483(M+H)+
【0138】
実施例176〜189
上記実施例および参考例と同様に反応、処理することにより、以下の化合物を得た。

【0139】

【0140】

【0141】
参考例1

4−クロロスルホニル−ベンゼンカルボン酸9.19gのTHF100ml溶液に、氷冷下でエチルピペラジン5.14gおよび炭酸カリウム5.53gの水溶液100mlを加え、氷冷下で2時間激しく攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に塩酸を加えて中和し、析出結晶を濾取した。結晶を水、メタノールおよびジエチルエーテルで順次洗浄後、乾燥させて、4−(4−エチル−ピペラジン−1−スルホニル)−ベンゼンカルボン酸9.08gを無色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):299[M+H]+
【0142】
参考例2

化合物(1)を参考例1と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):299[M+H]+
【0143】
参考例3

モノメチルイソフタレート5gのTHF100ml溶液に氷冷下でN,N’−カルボニルジイミダゾール4.87gを加え、室温下で2時間攪拌した。反応液に氷冷下でマロン酸モノエチルエステル マグネシウム塩30.6gを加え、室温下で終夜攪拌した。反応液を濃縮し、残渣に酢酸エチルを加え、塩酸、水、飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を瑠去した。放置により固化し、3−(2−エトキシカルボニル−アセチル)−ベンゼンカルボン酸メチルエステル3.55gを微黄色固形物として得た。
APCI−MS(m/e):251[M+H]+
【0144】
上記参考例3と同様に反応、処理することにより、以下の化合物を得た。
参考例4

APCI−MS(m/e):369[M+H]+
【0145】
参考例5

APCI−MS(m/e):369[M+H]+
実施例1(2)と同様に反応、処理することにより、以下の化合物を得た。
【0146】
参考例6

APCI−MS(m/e):270[M+H]+
【0147】
参考例7

APCI−MS(m/e):388[M+H]+
参考例8

APCI−MS(m/e):388[M+H]+
【0148】
参考例9

APCI−MS(m/e):257[M+H]+
参考例10

APCI−MS(m/e):257[M+H]+
【0149】
実施例1(3)と同様に反応、処理することにより、以下の化合物を得た。
参考例11

APCI−MS(m/e):288/290[M+H]+
参考例12

APCI−MS(m/e):406/408[M+H]+
【0150】
参考例13

APCI−MS(m/e):406/408[M+H]+
参考例14

APCI−MS(m/e):275/277[M+H]+
【0151】
参考例15

APCI−MS(m/e):275/277[M+H]+
【0152】
実施例1(4)と同様に反応、処理することにより、以下の化合物を得た。
参考例16

APCI−MS(m/e):427/429[M+H]+
参考例17

APCI−MS(m/e):414/416[M+H]+
【0153】
参考例18

APCI−MS(m/e):414/416[M+H]+
参考例19

実施例1(5)と同様に反応、処理することにより、上記化合物を得た。
APCI−MS(m/e):413/415[M+H]+
【0154】
参考例20

(2,4−ジクロロ−ベンジル)−[5−(4−ニトロ−フェニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−アミン6.60g、塩化第一スズ12.6gにエタノール160mlを加え、加熱還流下で1.5時間攪拌した。室温まで冷却後、反応液に飽和重曹水を加え、不溶物をセライトで濾去した。濾液にクロロホルム500mlを加え、飽和食塩水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を留去した。酢酸エチルで結晶化し、得られた結晶を少量のメタノールとクロロホルムで洗浄後、乾燥させ、[5−(4−アミノ−フェニル)−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル]−(2,4−ジクロロ−ベンジル)−アミン2.50gを淡黄色結晶として得た。
APCI−MS(m/e):384/386[M+H]+
【0155】
参考例21
参考例20と同様に反応、処理することにより、以下の化合物を得た。

APCI−MS(m/e):384/386[M+H]+
【0156】
参考例22

(1)N−エチルアミノエタノールに氷冷下でギ酸をゆっくり加え、これに4‐ブロモフェナシルブロミド9.37gを加え、100〜110℃で終夜攪拌した。反応液を放冷し、酢酸エチルと水を加えて分液した。水層に炭酸カリウムを加え、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせた後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0→90/10)で精製し、2−(4−ブロモ−フェニル)−4−エチル−モルホリン5.90gを淡黄色油状物として得た。
APCI−MS(m/e):270/272[M+H]+

【0157】
(2)2−(4−ブロモ−フェニル)−4−エチル−モルホリン3.0g、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン パラジウム(II)クロリド272mg、酢酸カリウム3.27g、ビス(ピナコレート)ジボラン4.23gにDMSO30mlを加え、窒素雰囲気下、80℃で4時間、100℃で終夜攪拌した。反応液を放冷し、飽和重曹水を加えて酢酸エチルで抽出した。抽出液を硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をNH−シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0→70/30)で2回精製し、4−エチル−2−「4−(4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキサボロラン−2−イル)−フェニル」−モルホリン2.44gを淡黄色油状物として得た。
1HNMR(400Mz/CDCl3)δ(ppm):1.10(t,3H,J=7.2Hz),1.34(s,12H),1.99(t,1H,J=10.5Hz),2.21(dt,1H,J=3.4,11.5Hz),2.44(d,2H),2.83(d,1H),2.95(d,1H),3.85(dt,1H,J=2.3,10.2Hz),4.06(br d,1H),4.59(dd,1H,J=2.3,10.2Hz),7.37(d,2H),7.78(d,2H)
【0158】
参考例23

2−(4−ブロモ−フェニル)−4−エチル−モルホリン2.99gのTHF溶液30mlに窒素雰囲気下、−78℃でn−ブチルリチウム(1.7Mヘキサン溶液)7.2mlをゆっくり滴下し、30分攪拌した。反応液にトリメチルボレート2.48mlをゆっくり加えた後攪拌し、その後ゆっくりと室温まで上昇し、終夜攪拌した。反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加え、室温で1時間攪拌した。リン酸緩衝液(0.5M、pH8.0)を加え、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を合わせた後、硫酸マグネシウムで乾燥し、溶媒を留去した。残渣にジエチルエーテルを加えて固化し、乾燥させ、4−(4−エチル−モルホリン−2−イル)ボロン酸795mgを橙色固形物として得た。この粗生成物は、精製せずに実施例44の反応に使用した。
1HNMR(400Mz/CDCl3)δ(ppm):1.11(t,3H),2.07(br,1H),2.23(t,1H,J=11.0Hz),2.48(d,2H,J=5.6Hz),2.84(d,1H,J=10.2Hz),2.97(d,1H,J=10.2Hz),3.84(t,1H,J=11.3Hz),3.87(br,1H),4.59(d,1H,J=10.0Hz),7.33(br s,3H),7.74(br s,1H),7.79(br s,2H)
【0159】
参考例24

(1)4−ヨードベンゼンスルホニルクロリド4.54gのクロロホルム溶液30mlに0℃でエチルピペラジン1.83gおよびトリエチルアミン2.02gのクロロホルム溶液20mlをゆっくりと滴下し、0℃で1時間、室温で終夜攪拌した。反応液にクロロホルムを加え、飽和重曹水および飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0→90/10)で精製し、酢酸エチルから再結晶を行い、1−エチル−4−(4−ヨード−ベンゼンスルホニル)−ピペラジン5.36gを無色結晶として得た。
APCI−MS(m/e):381[M+H]+

(2)化合物(1)を参考例23と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
1HNMR(400Mz/DMSO−d6)δ(ppm):0.94(t,3H,J=6.6Hz),2.23−2.60(br,6H),2.85(br s,4H),7.69(d,2H,J=8.2Hz),8.02(d,2H,J=8.2Hz),8.46(s,2H)
【0160】
参考例25

化合物(1)を参考例22(2)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
1HNMR(400Mz/CDCl3)δ(ppm):1.34(s,12H),2.89(t,2H,J=6.7Hz),3.86(t,2H,J=6.7Hz),7.25(d,2H,J=7.9Hz),7.77(d,2H,J=7.9Hz)
【0161】
参考例26

(1)4−ブロモベンゾイルクロリド37.37gを塩化メチレン150ml/THF50ml混液に溶かし、氷冷下でメチルピペリジン18.95gのTHF10ml溶液およびトリエチルアミン47mlをゆっくり加え、30分間攪拌した。反応液に炭酸カリウム水溶液を加え、クロロホルム/メタノール(9/1)で3回抽出した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥後、溶媒を留去した。残渣をNHシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル100/0→50/50)で2回精製を行い、(4−ブロモフェニル)−(4−メチル−ピペラジン−1−イル)−メタノン45.51gを淡黄色固形物として得た。
APCI−MS(m/e):283/285[M+H]+

【0162】
(2)化合物(1)を参考例22(2)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。得られた化合物(2)の粗生成物は、精製せずに実施例51の反応に使用した。
1HNMR(400Mz/CDCl3)δ(ppm):1.35(s,12H),2.31(s,3H),2.48(br s,2H),2.62(s,2H),3.39(br s,2H),3.80(br s,2H),7.38(d,2H,J=8.2Hz),7.84(d,2H,J=8.2Hz)
【0163】
参考例27

(1)(5−クロロピラゾロ[1、5−a]ピリミジン−7−イル)−(2、4−ジクロロベンジル)アミン655mgのクロロホルム7ml溶液にジ−tert−ブチルジカルボネート437mgおよび4−ジメチルアミノピリジン24mgを加え、還流下、1.5時間攪拌した。さらに反応液にジ−tert−ブチルジカルボネート83mgを加え、還流下、30分攪拌した後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:0→10:1)にて精製し、(5−クロロ−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−7−イル)−(2,4−ジクロロ−ベンジル)−カルバミン酸 tert−ブチルエステル953.3mgを無色粘体として得た。
APCI−MS(m/e):427/429[M+H]+

【0164】
(2)化合物(1)を実施例44と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):469/471[M+H]+

(3)化合物(1)を実施例46(2)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):369/371[M+H]+
【0165】
参考例28

(1)アミノピラゾール16gおよびマロン酸ジメチル26.4gのメタノール500ml溶液に、ナトリウムメトキシド(28%メタノール溶液)77.2gを滴下し、加熱還流下で18時間攪拌した。反応液を放冷した後、減圧濃縮し、析出物をろ取して少量のメタノールで洗浄した。得られた粉末を水500mlに溶かし、濃塩酸を加えてpH3〜4とし、析出結晶をろ取した。水、エタノールおよびジエチルエーテルで洗浄後に乾燥し、4H−ピラゾロ[1,5−a]ピリミジン−5,7−ジオンを無色粉末22.1gとして得た。
APCI−MS(m/e):152(M+H)+

(2)化合物(1)を実施例1(3)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):188/190(M+H)+
【0166】

(3)化合物(1)10.85gの1,4−ジオキサン200ml溶液に2,4−ジクロロベンジルアミン15.2g、トリエチルアミン14.6gを室温下で加え、終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に酢酸エチルを加えた。混合物を飽和重曹水、飽和食塩水で洗浄し、乾燥後、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、化合物(2)18.0gを無色粉末として得た。
APCI−MS(m/e):327/329(M+H)+
【0167】
参考例29

(1)化合物(1)を参考例34と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):151(M+H)+

(2)化合物(1)を実施例1(3)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):187/189(M+H)+
【0168】
参考例30

(1)化合物(1)を参考例34と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):224(M+H)+

(2)化合物(1)を実施例1(3)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):260/262(M+H)+
上記参考例と同様にして、以下の化合物を得た。
【0169】
参考例31

APCI−MS(m/e):341/343(M+H)+
参考例32

APCI−MS(m/e):311/313(M+H)+
【0170】
参考例33

APCI−MS(m/e):328/330(M+H)+
参考例34

APCI−MS(m/e):310/312(M+H)+
【0171】
参考例35

APCI−MS(m/e):383/385(M+H)+
上記参考例と同様に反応、処理することにより、以下の化合物を得た。
【0172】
参考例36

APCI−MS(m/e):427/429(M+H)+
【0173】
参考例37

APCI−MS(m/e):441/443(M+H)+
参考例38

APCI−MS(m/e):411/413(M+H)+
参考例39

APCI−MS(m/e):428/430(M+H)+
【0174】
参考例40

APCI−MS(m/e):412/414(M+H)+
参考例41

APCI−MS(m/e):483/485(M+H)+
【0175】
参考例42

APCI−MS(m/e):637/639(M+H)+
参考例43

APCI−MS(m/e):529/531(M−H)-
参考例44

APCI−MS(m/e):545/547(M−H)-
【0176】
参考例45

APCI−MS(m/e):545/547(M+H)+
参考例46

APCI−MS(m/e):531/533(M+H)+
【0177】
参考例47

APCI−MS(m/e):431/433(M+H)+
参考例48

APCI−MS(m/e):541/543(M+H)+
参考例49

APCI−MS(m/e):527/529(M+H)+
【0178】
参考例50

APCI−MS(m/e):427/429(M+H)+
参考例51

APCI−MS(m/e):430/432(M+H)+
【0179】
参考例52

APCI−MS(m/e):444/446(M+H)+
【0180】
参考例53

(1)化合物(1)を実施例68(1)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
1HNMR(400MHZ/CDCl3)δ(ppm):3.94(s,3H),7.77(dd,1H,J=1.8Hz,9.0Hz),7.71(dd,1H,J=1.8Hz,10.2Hz),7.64(dd,1H,J=6.7Hz,8.5Hz)

(2)化合物(1)を参考例22(2)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
1HNMR(400MHZ/CDCl3)δ(ppm):1.37(s,12H),3.93(s, 3H), 7.86(d,1H,J=10.0Hz),7.80−7.81(m,2H)
【0181】
参考例54

APCI−MS(m/e):277(M+H)+
参考例55

(1)4−ブロモ−ヨードベンゼン40.0g、N−エチルピペラジン32.3gの2−プロパノール400ml溶液に、エチレングリコール26.3g、ヨウ化銅(I)5.39g、リン酸カリウム粉末91.9gを加え、加熱還流下で終夜攪拌した。放冷後、不溶物をろ去し、ろ液を減圧濃縮した。残渣に酢酸エチルを加え、飽和重曹水で洗浄、乾燥し、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0→95:5)で精製し、1−(4−ブロモ−フェニル)−4−エチル−ピペラジン(2)30.1gを無色固形物として得た。
APCI−MS(m/e):269/271(M+H)+

(2)化合物(1)を参考例23と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):235(M+H)+
【0182】
参考例56

APCI−MS(m/e):307(M+H)+
参考例57

APCI−MS(m/e):338(M+H)+
【0183】
参考例58

APCI−MS(m/e):339(M+H)+
参考例59

APCI−MS(m/e):356/358(M+H)+
【0184】
参考例60

APCI−MS(m/e):357/359(M+H)+
参考例61

APCI−MS(m/e):495/497(M+H)+
【0185】
参考例62

APCI−MS(m/e):595/597(M+H)+
【0186】
参考例63

メチルアクリロニトリル40gに45℃で臭素を2時間かけてゆっくり滴下し、更に2時間攪拌した。水酸化カリウム67.4gのメタノール500ml溶液に、0℃で先の反応液を30分かけてゆっくり滴下し、2時間後に室温に昇温し、1日攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に水を加え、ジエチルエーテルで2回抽出した。有機層を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過し、溶媒を留去した。残渣にエタノール50ml、飽水ヒドラジン35.8gを加え、80℃で1日攪拌した。ヒドラジン10gを追加し、80℃で更に1日攪拌した。反応液を減圧濃縮後、残渣をクロロホルム/メタノール(9/1)混液に溶解し、シリカゲルを加えて放置後に濾過した。濾液を減圧濃縮し、4−メチル−1H−ピラゾール−3−イルアミンを暗紫色油状物46.7gとして得た。
APCI−MS(m/e):98[M+H]+
【0187】
参考例64

(1)化合物(1)20.0g、化合物(2)32.0gのジメチルアセトアミド90ml溶液に炭酸カリウム粉末27.6gを加え、150℃で終夜攪拌した。反応液を放冷後、酢酸エチルを加え、水、飽和食塩水で洗浄、乾燥し、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=100:0→95:5)にて精製し、黄橙色固形物を得た。ジイソプロピルエーテル/ヘキサンから再結晶を行い、化合物(3)25.8gを黄色晶として得た。化合物(3)を6N塩酸120mlに溶解し、加熱還流下で9時間攪拌した。反応液を氷冷し、2時間放置後、析出結晶をろ取し、少量の冷水で洗浄後乾燥し、化合物(4)15.9gを淡黄色固形物として得た。
APCI−MS(m/e):235(M+H)+

【0188】
(2)化合物(1)を参考例3と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):305(M+H)+

(3)化合物(1)を実施例1(2)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):338(M+H)+

(4)化合物(1)を実施例1(3)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):356/358(M+H)+
【0189】
上記参考例と同様にして、以下の化合物を得た。
参考例65

APCI−MS(m/e):338(M+H)+
参考例66

APCI−MS(m/e):324(M+H)+
【0190】
参考例67

APCI−MS(m/e):339(M+H)+
参考例68

APCI−MS(m/e):356/358(M+H)+
【0191】
参考例69

APCI−MS(m/e):342/344(M+H)+
【0192】
参考例70

化合物(1)624mgのTHF30ml溶液に60%水素化ナトリウム145mgを加えて30分攪拌後、イミノジカルボン酸−ジ-tert-ブチルエステル788mgを加え、55℃で1時間攪拌した。さらに、イミノジカルボン酸−ジ−tert−ブチルエステル788mgを加えて、55℃で終夜攪拌した。反応液を放冷後、酢酸エチルを加え、水洗後、乾燥し、溶媒留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=100:0→95:5)で精製し油状物を得た。得られた油状物の酢酸エチル溶液に4N塩酸/酢酸エチル20mlを加えて、室温で1.5時間攪拌し、反応液を減圧濃縮した。残渣にジエチルエーテル/ヘキサンを加えて固形物を粉砕し、乾燥させて、化合物(2)490mgを無色固形物として得た。
APCI−MS(m/e):194/196(M+H)+
【0193】
参考例71

(1)5−クロロ−2−メチルベンゾニトリル7.8gの四塩化炭素50ml溶液にN−ブロモスクシンイミド9.26g、過酸化ベンゾイル515mgを加え、加熱還流下で終夜攪拌した。反応液を放冷し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=30:1)で精製し、化合物(2)8.87gを黄色透明油状物として得た。
1HNMR(400MHZ/CDCl3)δ(ppm):4.60(s,2H),7.50(d,1H,J=8.5HZ),7.57(dd,1H,J=2.3,8.5HZ),7.65(d,1H,J=2.3HZ

(2)化合物(1)を参考例70と同様に反応、処理し、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):167/169(M+H)+
【0194】
参考例72

(1)4−クロロ−2−フルオロベンズアルデヒド26.2g、(S)(−)−2−メチル−2−プロパンスルホンアミド21.0gのTHF940ml溶液に室温下でチタニウム(IV)エトキシド80.9gをゆっくり滴下し、加熱還流下で2.5時間攪拌した。放冷後、反応液を冷した飽和食塩水に攪拌しながらゆっくり注ぎ、セライトを用いて不溶物をろ去した。ろ液に塩化メチレン1800mlを加えて分液し、乾燥後、溶媒留去し、化合物(2)42.3gを無色固形物として得た。
APCI−MS(m/e):262/264(M+H)+

(2)メチルマグネシウムブロミド(ジエチルエーテル3M溶液)81mlに窒素置換下、ドライアイス/アセトン浴で冷却下(内温:−30〜―5℃)で、化合物(1)42.3gのTHF1.2L溶液を40分かけて滴下し、室温まで昇温しながら終夜攪拌した。反応液に塩化アンモニウム水溶液を氷冷下でゆっくり加え、塩化メチレンで抽出し、乾燥後、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1→1:0)で精製し、ヘキサンから再結晶を行うことにより、化合物(2)44.5gを無色晶として得た。
APCI−MS(m/e):278/280(M+H)+

(3)化合物(1)36.9gのメタノール216ml溶液に、氷冷下で4N塩酸/1,4−ジオキサン溶液216mlを加え、室温で2時間攪拌した。反応液を濃縮し、残渣にジエチルエーテルを加えて粉砕後、乾燥し、化合物(2)27.7gを無色固形物として得た。
APCI−MS(m/e):174/176(M+H)+
【0195】
上記参考例と同様にして、以下の化合物を得た。
参考例73

APCI−MS(m/e):176(M+H)+
【0196】
参考例74

(1)化合物(1)を参考例27と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):375/377(M+H)+

(2)化合物(1)525mgの1,4−ジオキサン8.4ml溶液に、ビス(ピナコレート)ジボラン498mg、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム48.3mg、トリシクロヘキシルホスフィンテトラフルオロボレート68mg、酢酸カリウム207mgを加え、窒素置換下、80℃で終夜攪拌した。反応液に水および酢酸エチルを加え、不溶物をろ去した。ろ液を酢酸エチルで抽出し、乾燥後に溶媒留去した。残渣をジエチルエーテル/イソプロピルエーテルで結晶化し、目的物(2)459mgを無色晶として得た。
APCI−MS(m/e):467(M+H)+
【0197】
上記参考例と同様にして、以下の化合物を得た。
参考例75

APCI−MS(m/e):434(M+H)+
【0198】
参考例76

(1)化合物(1)3.0gにピペラジン7.83g、N,N−ジメチルアセトアミド10mlを加え、130℃で終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣にジエチルエーテルを加えて粉砕後、少量の水で洗浄後に乾燥し、化合物(2)3.11gを黄色固形物として得た。
APCI−MS(m/e):313/315(M+H)+

(2)化合物(1)3.03gのメタノール250ml溶液に濃硫酸10mlを加え、加熱還流下で4時間攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に水、炭酸カリウムを加え、液性をpH9とした。ジエチルエーテルで2回抽出し、乾燥した後、溶媒を留去し、化合物(2)2.61gを淡褐色カラメルとして得た。
APCI−MS(m/e):327/329(M+H)+

(3)化合物(1)を参考例22(2)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):375(M+H)+
【0199】
参考例77

(1)5−ブロモ−2−クロロピリミジン2.90g、1−tert−ブトキシカルボニルピペラジン4.19gの1,4−ジオキサン70ml溶液に炭酸カリウム3.73gを加え、加熱還流下で1.5時間攪拌した。反応液に水を加え、ジエチルエーテルで2回抽出した。有機層を合わせて乾燥し、溶媒留去した。シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=15:1→8:1)で精製し、化合物(2)5.09gを無色固形物として得た。
APCI−MS(m/e):343/345(M+H)+

(2)化合物(1)を参考例22(2)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):391(M+H)+
【0200】
参考例78

(1)化合物(1)29.6g、エチルピペラジン11.4gのトルエン150ml溶液に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム1.83g、キサントフォス3.46g、tert‐ブトキシナトリウム14.9gを加え、窒素置換下、100℃で3時間攪拌した。反応液を放冷後、酢酸エチルを加えて水洗した。有機層を塩酸で2回抽出し、先の水層を合わせてジエチルエーテルで2回洗浄後、炭酸カリウムを加えて液性を弱アルカリ性とした後に、酢酸エチルで2回抽出した。有機層を合わせて乾燥後、溶媒留去し、化合物(2)18.1gを淡橙色固形物として得た。
APCI−MS(m/e):270/272(M+H)+

(2)化合物(1)を参考例22(2)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):318(M+H)+
【0201】
参考例79

(1)化合物(1)4.0gのDMSO60ml溶液に氷冷下、60%水素化ナトリウム1.35gをゆっくりと加え、0℃で1時間攪拌した。反応液にN‐tert−ブトキシカルボニル−N,N−ビス(2−クロロエチル)アミン4.59gのDMSO30ml溶液を滴下し、室温で3時間攪拌した。反応液を氷水中に注ぎ、塩化メチレンで抽出し、水洗し、乾燥し、溶媒留去した。残渣をNH−シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン/酢酸エチル=100/0→100/20)で精製し、化合物(2)2.03gを黄色油状物として得た。
APCI−MS(m/e):265/267(M+2H―BOC)+

(2)化合物(1)1.0gの塩化メチレン6.0ml溶液に、トリフルオロ酢酸3.0mlを加え、室温下で終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮後、残渣に飽和重曹水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、乾燥し、溶媒留去した。残渣のDMF10ml溶液に、0℃で60%水素化ナトリウム134mgを加え、室温で30分攪拌した後、0℃でヨウ化エチル592μlを加え、室温で終夜攪拌した。反応液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を乾燥後、溶媒留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム/メタノール=100/0→91/9)で精製し、化合物(2)403mgを無色油状物として得た。
APCI−MS(m/e):293/295(M+H)+

(3)化合物(1)を参考例22(2)と同様に反応、処理することにより、化合物(2)を得た。
APCI−MS(m/e):341(M+H)+
【0202】
実験例1:MDC誘発マウスT細胞遊走に対する阻害作用
マウス(雄性Balb/c)より摘出した脾臓を2%FBS含有RPMI−1640培地中にてすりつぶし、脾臓細胞懸濁液を得た。塩化アンモニウム溶血処理により脾細胞懸濁液中の赤血球を除き、さらにマウスT細胞分離カラム(R&D Systems)を用いてT細胞に精製した。精製したT細胞を,IL−2(20 ng/mL、R&D Systems)を含む10%FCS含有RPMI−1640培地に懸濁し、抗CD3抗体を固相化した6ウエルプレート内で37℃、5%COの条件下で4日間培養した。培養終了後、T細胞を0.5%ウシ血清アルブミン、25mM HEPESを含むRPMI−1640培地(アッセイバッファー)に懸濁し、T細胞懸濁液とした。
24ウエルトランスウエルプレート(コーニング)の上室に、ジメチルスホキシド(DMSO)に溶解しアッセイバッファーで希釈した被験化合物とT細胞懸濁液(5×10個/ウエル)を添加した。なお、トランスウエルは、あらかじめゼラチン(新田ゼラチン)とフィブロネクチン(シグマ)で固相化したものを用いた。下室には、上室と同一濃度になるように調製した被験化合物とアッセイバッファーに溶解したマウスMDC(最終濃度30 ng/mL)を添加した。上室を下室に重ね、37℃、5%COの条件下で90分間反応させた。反応終了後、下室に遊走した細胞数を、フローサイトメーター(ベクトン・ディッキンソン)を用いて計測した。
被験化合物の遊走反応に対する阻害率(%)は、以下の計算式より算出した。
【0203】
結合阻害率(%)={1−(A−B)/(C−B)}×100
A;被験化合物存在下でMDCを添加したウエルの細胞数
B;被験化合物非存在下でMDCを添加しなかったウエルの細胞数
C;被験化合物非存在下でMDC添加したウエルの細胞数

被験化合物の各濃度における抑制率を計算し、阻害曲線から抑制率50%を示す化合物濃度(IC50値)を求めた。その結果を表1に示す。
【0204】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0205】
本発明化合物またはその製薬上許容しうる塩は、優れたCCR4あるいはTARCおよび/またはMDC機能調節作用を有し、気管支喘息、アトピー性皮膚炎などのアレルギー性疾患、炎症性疾患または自己免疫疾患等の予防または治療薬として有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1)

(式中、環Aは下式からなる群から選ばれる基

を示し、
環Bは置換されていてもよい芳香族炭素環または置換されていてもよい複素環を示し、
1、G2、G3、G4およびG5は、同一または異なって、それぞれCHまたはNを示し、(ただし、G1、G2、G3、G4およびG5のうち、2つ以上はCHを示す。)
Qは酸素原子、硫黄原子または−N(R6)−を示し、
mは1または2を示し、nは1〜3の整数を示し、wは0、1または2を示し、
Xは−N(R7)−、−O−または−C(R8)(R9)−を示し、
Yは−C(R10)(R11)−、−CO−または−SO2−を示し、
Zは単結合、−CO−、−SO2−、−N(R12)−、−CON(R13)−、−SO2N(R13)−、−N(R13)CO−、−N(R13)SO2−、−N(R14)CON(R15)−または−N(R14)SO2N(R15)−を示し、
1は水素、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、カルボキシ、アルコキシカルボニル、置換されていてもよいカルバモイル、置換されていてもよいアミノ、ニトロまたは置換されていてもよいウレイドを示し、
2は水素、アルキル、アルコキシ、ハロゲン、ハロアルキル、カルボキシ、アルコキシカルボニル、置換されていてもよいカルバモイルまたは置換されていてもよいアミノを示し、
3は置換されていてもよい炭素環式基、置換されていてもよい複素環式基または置換されていてもよいアルキルを示し、
4は水素またはアルキルを示し、
5は水素、アルキルまたは置換されていてもよいアルカノイルを示し、
6は水素、アルキルまたは置換されていてもよいアルカノイルを示し、
7は水素またはアルキルを示し、
8およびR9ならびにR10およびR11は、同一または異なって、それぞれ水素またはアルキルを示し、
12は水素、アルキル、アルカノイルまたはカルボキシアルキルを示し、
13は水素またはアルキルを示し、そして
14およびR15は、同一または異なって、それぞれ水素またはアルキルを示す。)
により表される芳香族化合物またはその製薬上許容しうる塩からなる医薬。
【請求項2】
環Aが下式からなる群から選ばれる基である請求項1に記載の医薬。

(式中、各記号は請求項1における意義と同義である。)
【請求項3】
環Aが下式からなる群から選ばれる基である請求項1または2に記載の医薬。

(式中、各記号は請求項1における意義と同義である。)
【請求項4】
Zが単結合、−CONH−、−NHCO−または−CO−である請求項1〜3のいずれかに記載の医薬。
【請求項5】
3が(1)(a)オキソ、(b)ヒドロキシメチル、(c)アルキル、(d)アルキルでモノもしくはジ置換されていてもよいアミノまたは(e)アルキルでモノまたはジ置換されていてもよいカルバモイルで置換されていてもよいピロリジン、(2)アルキル、アルカノイル、シアノ、アルキルでモノもしくジ置換されていてもよいアミノまたはオキソで置換されていてもよいピペリジン、(3)アルキル置換されていてもよいピペラジン、(4)アルキル置換されていてもよいモルホリン、または(5)アルキルで置換されていてもよいテトラヒドロピリジンである請求項1〜4のいずれかに記載の医薬。
【請求項6】
Xが−NH−であり、Yが−CH2−、−CH(CH3)−または−C(CH32−であり、環Bがハロゲン、アルキルおよびハロアルキルからなる群から選ばれる1または2個の基で置換されたベンゼンである請求項1〜5のいずれかに記載の医薬。

【公開番号】特開2009−7342(P2009−7342A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−138904(P2008−138904)
【出願日】平成20年5月28日(2008.5.28)
【出願人】(000002956)田辺三菱製薬株式会社 (225)
【Fターム(参考)】