説明

半導体発光素子およびその製造方法

【課題】 簡単に製造することができ、発光波長の制約が小さい、発光部端面において光の進行方向を変える機構を有する半導体発光素子およびその製造方法を提供する。
【解決手段】 活性層15を含む半導体発光層領域30を形成する工程と、半導体発光層領域30に隣り合うように、GaN系材料の結晶方位が反転した結晶反転層領域44を形成する工程と、結晶反転層領域をウェットエッチングして複数個の錐体34から構成される錐体配置領域35を形成する工程とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体発光素子およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
GaN系半導体発光素子の中でも、特に半導体レーザ(LD)は、その発光波長が400nm近辺と従来の半導体レーザよりも短波長なことから、高密度記録媒体用の光源として開発が進められてきた。その形態は端面発光型が大多数であり、近年、高出力化が進んできている。
【0003】
一方、面発光型の開発も進められている。垂直共振器構造とする構成においては、通常よく用いられるサファイア基板とGaNとの格子定数不適合により、反射を得る構造が採用される。しかし、反射を得る構造(ミラー)を形成する途中でクラックが発生するなどの問題があるため、未だ十分な発光がなされていないという状況である。
【0004】
また、近年、InP系材料を用い、フォトニック結晶構造により面発光レーザを形成する次のような技術が提案されている(非特許文献1)。光バンドギャップに相当する波長域の光は、光周期構造体中を伝播することはできない。そこでフォトニックバンド構造におけるバンド端の光を発光させ、その光が多方向の面内分布帰還を受けることにより定在波が生じることを利用して作製される面発光素子などが提案されている。
【0005】
一方、上記のように、発光素子から直接に面状発光を得なくても、端面発光の光を進行方向に対して45°に配置したミラーに照射して光の向きを90°変え、面状に出射する面発光素子が提案されている(非特許文献2)。この場合、各単位発光素子は繰り返し面上に配置して面状の発光を得る。この方式によれば、従来から用いられてきた水平共振器または水平共振器の端部領域を改変した曲がり共振器を用いて、容易に面状の光を出射させることができる。
【0006】
しかし、上記の端面発光素子のレーザをGaN系材料で形成した場合、レーザを構成するGaN系材料の表面であるGa面エピタキシャル成長層は、化学的に安定である。このため、上記45°傾斜ミラーの形成にイオンビームを用いる方法が提案されている(非特許文献3)。
【非特許文献1】横山光、野田進「二次元フォトニック結晶面発光レーザー」日本赤外線学会誌、第12巻2号 2003年
【非特許文献2】伊賀健一、小山二三夫「面発光レーザ」オーム社(1990)、p.7
【非特許文献3】T.H.Windhorn and W.D.Goodhue,Appl.Phys.Lett.48(24),16 June 1986 "Monolithic GaAs/AlGaAs diode laser/deflector devices for light emission normal to the surface"
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記非特許文献1に開示された手法は斬新であるが、波長がフォトニックバンド端に限られるという大きな制約を受ける。
【0008】
また、上記非特許文献3に示されたイオンビームを用いる方法では、45°傾斜面を高精度で形成することは容易ではない。一般に、上記非特許文献2に示される45°反射鏡構造は簡単な方法では製造できず、このため反射鏡の必要な位置に別途作製した部材を貼り付けるという手法がとられていた。また別途再成長により反射鏡を形成する方法もあった。このため、上記45°の傾斜の反射鏡を有する発光素子の製造には精度を要する多くの工数を要し、面状発光素子のコスト高をもたらしていた。
【0009】
本発明は、非常に簡単に製造することができ、発光波長の制約が小さい、発光部端面において光の進行方向を変える機構を有する半導体発光素子およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の半導体発光素子の製造方法は、活性層を含む半導体発光層領域を形成する工程と、半導体発光層領域に隣り合うように、GaN系材料の結晶方位が反転した結晶反転層領域を形成する工程とを有する。そして、結晶反転層領域をウェットエッチングして複数個の錐体から構成される錐体配置領域を形成する工程とを備えることを特徴とする。
【0011】
上記方法によれば、半導体発光層の種類を問わず、その端面から出射された光は、錐体配置領域の錐体に当たって進路を変えられ、またその照射範囲を少し広げられる場合もあり、錐体配置領域から基板面に交差する方向に放射される。錐体配置領域は、GaN系材料の結晶方位が反転した結晶反転層領域(N面領域)をウェットエッチングすることにより簡単に形成することができる。上記の錐体配置領域および半導体発光層領域は、これを1単位として繰り返し面に配列することができる。このため、面倒な手順を経ることなく面状の発光素子を形成することができる。
【0012】
本発明の別の半導体発光素子の製造方法は、基板上にパターンマスクを形成する工程と、基板上に、活性層を含む複数のGaN系半導体層をエピタキシャル成長してパターンマスク上には複数のGaN系半導体層それぞれの結晶反転層を形成する工程とを備える。そして、結晶反転層領域をアルカリ性液剤でウェットエッチングして複数個の錐体から構成される錐体配置領域を形成する工程とを備えることを特徴とする。
【0013】
この方法によれば、活性層にGaN系半導体層を用いた上で、結晶反転領域にN面領域を形成して、ウェットエッチングにより簡単にN面領域から錐体配置領域を形成することができる。この方法では、結晶反転領域と半導体発光層領域とを同じ機会に成膜できるので、非常に効率的に面状の半導体発光素子を形成することができる。なお、パターンマスクは、当然、開口部分を有し、GaN系半導体層をエピタキシャル成長したときそのエピタキシャル成長層は開口部分の基板上に形成され、またそれらGaN系半導体層の結晶反転層はパターンマスク材料層の上に形成される。繰り返し説明しないが以後でも同様である。パターンマスク材料層の材料は周囲の開口部におけるエピタキシャル層の結晶反転層が成長できる材料であればどのような材料であってもよい。
【0014】
本発明のさらに別の半導体発光素子の製造方法は、基板上に錐体配置領域用パターンマスクおよびフォトニック結晶用パターンマスクを有するパターンマスクを形成する工程と、基板上に、活性層を含む複数のGaN系半導体層をエピタキシャル成長してパターンマスク上には複数のGaN系半導体層それぞれの結晶反転層を形成する工程とを備える。また、本製造方法は、フォトニック結晶用パターンマスク上の結晶反転層領域の複数のGaN系半導体層それぞれをアルカリ性液剤でウェットエッチングして除去する工程と、錐体配置領域用パターンマスク上の結晶反転層領域をアルカリ性液剤でウェットエッチングして複数個の錐体から構成される錐体配置領域を形成する工程とを備えることを特徴とする。
【0015】
上記方法により、フォトニック結晶で囲まれた発光層の錐体配置領域に面する端面から光を層に沿うように出射し、複数個の錐体によって反射して向きを変えて、錐体が伸び立つ方向に光を出すことができる。上記の構成では、フォトニック結晶中に2次元周期性がない発光層領域(光伝播領域)を設け、その発光層領域を上記端面以外は周囲を囲むようにフォトニック結晶を配置することができる。このため、上記端面に対向する側の端面に反射層を設けなくても、光は上記端面から錐体配置領域に向けて出射されるので、反射層形成の工数を省略することができる。なお、フォトニック結晶中の結晶反転領域をアルカリ性液剤でウェットエッチングして除去する工程では、錐体配置領域のパターンマスク上の結晶反転領域(複数のGaN系半導体層)は保護しておく。
【0016】
本発明の半導体発光素子は、活性層を含み、端面から光を出射させる半導体発光層領域と、半導体発光層領域の端面に面して、複数個の錐体が配置された錐体配置領域とを備えることを特徴とする。
【0017】
この構造により、半導体発光層領域の端面から出射された光は、錐体によって進路を変えられて、基板面に交差する方向の照射光となる。上記の構成を1単位として面上に繰り返し配列することにより面状発光素子をシンプルな構成で得ることができる。また製造は簡単化されて、製造コスト低減や半導体発光素子の小型化を得ることができる。
【0018】
本発明の別の半導体発光素子は、基板上に位置するパターンマスクと、基板上に位置する活性層を含むGaN系半導体層と、GaN系半導体層の結晶反転層材料で形成され、GaN系半導体層の端面に面して、パターンマスク上に位置する複数の錐体を含む錐体配置領域とを備えることを特徴とする。上記「基板上に位置する活性層を含むGaN系半導体層」は、パターンマスクの開口部において露出した基板に接してエピタキシャル成長されるGaN系半導体層をさす。
【0019】
この構造によれば、パターンマスク上にはGaN系半導体層のN面領域を、またパターンマスクのない開口部の基板(GaN系基板)上には直接、GaN系半導体層をエピタキシャル成長させて活性層を含む発光層領域を、同じ成膜機会に形成することができる。ウェットエッチングに対して、GaN系半導体層のGa面領域は安定であり、またN面領域は容易にエッチングされて特徴的な錐体形状を有するようにされる。とくに角錐形状にされる。このため、簡単に面状の半導体発光素子を得ることが可能となる。
【0020】
本発明のさらに別の半導体発光素子は、第1および第2の領域を有して基板上に位置するパターンマスクと、基板上に位置する活性層を含むGaN系半導体発光層とを有する。そして、活性層を含むGaN系半導体発光層の端面に面してパターンマスクの第1の領域上に位置し、GaN系半導体発光層の結晶反転材料で形成された錐体が複数個配置された錐体配置領域とを備え、GaN系半導体発光層には、パターンマスクの第2の領域上に位置して2次元周期パターンを構成する空隙部を有するGaN系フォトニック結晶が形成されていることを特徴とする。
【0021】
上記の構成により、フォトニック結晶中に発光層である光伝播領域を形成することにより漏れなく光を錐体配置領域に導き、錐体が伸び立つ方向に進行方向を変えることができる。このような構成を、面にわたって繰り返し設けることにより、効率のよい面状発光素子を得ることができる。なお、上記のフォトニック結晶の端面等の2次元周期性のない領域は発光層領域(光伝播領域)となりうる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に図面を用いて本発明の実施の形態について説明する。
【0023】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における半導体発光素子を示す断面図である。また、図2はその平面図である。図1および図2を参照して、半導体発光素子は、発光層領域30と、反射領域である錐体配置領域35とを有する。基板1上にはクラッド層14、16で挟まれた活性層15が形成され、2つの電極21、22の間に電圧が印加されて電流が導入されることにより光が端面30aから側方外部に出射される。
【0024】
活性層15の下にはn型クラッド層14が配置されるが、n型クラッド層14の下にn型バッファ層を、またn型クラッド層14の上にn型ガイド層などを配置してもよい。また、活性層15の上にp型クラッド層16を配置するが、その下にp型電子ブロック層を、またp型クラッド層16の上にp型コンタクト層を形成してもよい。活性層15は、GaN/InGaN量子井戸構造などを用いることができる。
【0025】
錐体配置領域35における錐体34は、パターンマスク32上に、上方に伸び立つように位置している。この錐体34の下面(パターンマスク32と接する面)はGa面となっている。錐体の形状は通常は6角錐状であるが6角錐状に限定されない。端面30aから出射された光は、錐体に照射して反射され上方(錐体が伸び立つ、基板表面に対して交差する方向)に放射される。図2に示す半導体発光素子は、所定の面積にわたって平面的に繰り返し構成される。すなわち、図2の半導体発光素子は、面状発光素子の各発光点(箇所)を表わす。
【0026】
次に上記半導体発光素子の製造方法について、その製造原理も含めて説明する。
【0027】
(製造原理)
図3は、GaNの結晶構造の模式図である。図3を参照して、ウルツ鉱構造のc軸に垂直にGa面とN面とが交互に配置される。c軸は成長方向でもあり、単結晶基板、高配向基板またはエピタキシャル層はc軸に垂直な表面を形成しやすい。c軸方向に関して、GaとNとの結合は、図3に示す点線部B1、B2で切れやすいため、GaN基板はその上面(表面)1aでたとえばGa面の極性を、また下面(裏面)1bでN面の極性を有する。結晶反転領域のN面領域ではアルカリ液によって腐食されやすく、Ga面領域は非常に安定であり腐食されにくい。アルカリ液によるウェットエッチングを行なったあとのGaN基板のN面の状態(図4)と、Ga面の状態(図5)とは大きな相違がある。
【0028】
図4に示すように、N面では角錐状となるようにエッチングされるのに比して、Ga面では図5に示すようにほとんどエッチングされず、元の表面が維持される。図4の状態の後、さらにアルカリ液によるエッチングを続行すると錐体もエッチングにより除去されて空隙とされる。本実施の形態では、GaN系半導体層の結晶反転領域(N面領域)をアルカリ液でエッチングすることにより、発光層の端面に面する領域に錐体を形成することにポイントがある。
【0029】
もう一つのポイントは、パターンマスクを形成した後の基板上にGaN系半導体層をエピタキシャル成長したとき、パターンマスクの開口部に露出する基板上にはGaN系半導体層がエピタキシャル成長し、パターンマスク上にはGaN系半導体の結晶反転層が形成される点にある。したがって基板上におけるエピタキシャル層表面にはGa面が表れ、またパターンマスク上におけるエピタキシャル層表面にはN面が表れる。このため、基板表面にパターンマスクを形成した場合、表面側をアルカリ溶液でエッチングすると、パターンマスク上の部分がエッチングされ、錐体が形成され、パターンマスク上にない部分ではGa面がエッチングされずに維持される。パターンマスクは、基板上にGaN系半導体層を形成する際にパターンマスク材料上にその結晶反転層が形成されるものであれば何でもよい。
【0030】
(製造方法)
図6に示す基板1の表面1aに、図7に示すパターンマスク32を形成する。パターンマスク32は、錐体構造領域35に形成され、他の領域(発光層領域)30においては基板1の表面1aを露出している。図8は、図7におけるVIII-VIII線に沿う断面図である。パターンマスク32は、Siを含む酸化物または窒化物で形成されることができる。
【0031】
次いでこの状態の基板上にGaN系半導体層を積層することにより、図9を参照して、活性層15を挟むようにクラッド層14、16を形成する。この際、塩素(塩素系ガス)を導入した雰囲気中でGaN系半導体層をエピタキシャル成長させることにより、パターンマスク32の上にはこれら複数のGaN系半導体層の結晶反転層44が積層される。図9における結晶反転層44では、上記の各GaN系半導体層14、15、16の結晶反転層を区別して表示してはいないが、これらGaN系半導体層14、15、16の結晶反転層が含まれていることはいうまでもない。
【0032】
図9の状態の基板1を、裏面1bを保護した上でアルカリ溶液を用いてエッチングを行なうと、上面がN面となる結晶反転層44のみが選択的に除去されて、図10に示すような錐体34が結晶反転層44から形成される。図11は、電極形成前の半導体発光素子の基本単位を示す図である。錐体34は発光層領域30の端面30aに、その側面が面するように形成される。このため、端面30aから基板面に沿うように出射された光は、錐体34により基板面に交差する方向、すなわち錐体が伸び立つ方向に進行方向を変えられる。なお、GaN系半導体層のGa面はアルカリ溶液に安定であり、エッチングされない。
【0033】
上記のエッチングの後、図12を参照して、裏面の防護層を除去して、表裏面に電極層21、22を形成する。次いで図13に示すように錐体34の表面に反射膜37を形成する。
【0034】
端面発光素子は、レーザ(LD:Laser Diode)の場合は共振構造を形成するために端面30aに部分反射鏡を、また他方の端面に反射鏡を配置することができる。本発明の半導体発光素子によれば、既存のどのような端面発光素子を用いても、錘体34により光の進行方向を容易に基板面に交差する方向に変えることができ、面発光の半導体発光素子を得ることができる。
【0035】
本実施の形態の製造方法は、包括的に述べれば、活性層を含む半導体発光層領域30を形成する工程と、半導体発光層領域30に隣り合うように、GaN系材料の結晶方位が反転した結晶反転層領域44を形成する工程と、結晶反転層領域をウェットエッチングして複数個の錐体34から構成される錐体配置領域35を形成する工程とを備える、ということができる。また、本実施の形態の製造方法は、より具体的には、基板1上にパターンマスク32を形成する工程と、基板1上に、活性層15を含む複数のGaN系半導体層14、15、16をエピタキシャル成長してパターンマスク32上には複数のGaN系半導体層のそれぞれの結晶反転層44を形成する工程と、結晶反転層44領域をアルカリ性液剤でウェットエッチングして複数個の錐体34から構成される錐体配置領域35を形成する工程とを備える、ということができる。
【0036】
また、本実施の形態における半導体発光素子は、包括的に述べれば、活性層15を含み、端面から光を出射させる半導体発光層領域30と、半導体発光層領域の端面30aに面して、複数個の錐体34が配置された錐体配置領域35とを備える、ということができる。また、本実施の形態の発光素子は、より具体的には、基板1上に位置するパターンマスク32と、基板上に位置する活性層15を含むGaN系半導体層14、15、16と、GaN系半導体層の結晶反転層材料で形成され、GaN系半導体層の端面30aに面して、パターンマスク32上に位置する複数の錐体34を含む錐体配置領域35とを備える、ということができる。
【0037】
(実施の形態2)
図14は本発明の実施の形態2における半導体発光素子を示す平面図であり、図15は図14の半導体発光素子の発光層領域において電極を省略して示す平面図である。図14を参照して、本実施の形態における半導体発光素子は、発光層領域30がフォトニック結晶を含むことに特徴がある。この発光層領域30には、n型クラッド層14と活性層15とp型クラッド層とを含むGaN系半導体層14、15、16が形成されている。そして発光層領域30のGaN系半導体層14、15、16には空隙5が平面的に見て2次元周期配列(たとえば三角格子配列)をなすように形成されることで、フォトニック結晶が構成されている。
【0038】
ただし、電極21の下には、図15に示すように空隙5が周期配列されていない、GaN系半導体層14、15、16からなる光伝播領域27が形成されている。空隙5は、光伝播領域27を取り囲むように配置されている。つまり、GaN系半導体層14、15、16の空隙5が形成された領域がフォトニック結晶領域となり、空隙5が形成されていない領域が光伝播領域27となる。
【0039】
図16は、図15に示すXVI−XVI線に沿う断面図である。図16を参照して、空隙5は、図9と同様、パターンマスク32上に配置されている。図16では、光は模式的に追加して描かれている。
【0040】
本実施の形態における活性層は、フォトニック結晶のバンドギャップ域内の波長の光を発光するように設定されており、光はフォトニック結晶中を伝播できない。このため、光伝播領域27においてのみ光が伝播され、その端面30aから、錐体配置領域35に向けて出射される。発光層領域30の端面30aには反射防止膜25が形成されているが、反射防止膜25はなくてもよい。上記のフォトニック結晶で囲まれた光伝播領域27では、上記波長域の光を発光し、この発光領域はたとえば帯状に形成し、その一方の端が露出して錐体配置領域35に面し、他方の端はフォトニック結晶内に接している。
【0041】
本実施の形態では、光導波路にフォトニック結晶に囲まれた光伝播領域27を用いることにより、反射鏡などを用いることなく光を錐体配置領域35に出射することができる。図14に示す半導体発光素子では、フォトニック結晶は錐体配置領域35にその1端面を向けるように配置されている。しかし、錐体配置領域35の2辺、3辺に接して、または四周を取り囲むように光伝播領域27とその上の電極21を配置して、それを取り囲むようにその2辺、3辺または4辺に沿うようにフォトニック結晶を配置してもよい。上記の半導体発光素子を、1単位として縦横にわたって繰り返して配置することにより、面発光の半導体発光素子を容易に得ることができる。
【0042】
(製造方法)
上記の錐体配置領域の形成は、図6〜図10に示す工程で行なうことができる。ここで、フォトニック結晶の作製は、錐体配置領域35の錐体34の形成と同時に行なわれる。つまり図7に示すパターンマスク32の形成の際に、錐体配置領域35に形成された錐体34形成用のパターン(第1の領域)と、発光層領域30に形成された図17または図20に示すフォトニック結晶形成用のパターン(第2の領域)とを有するパターンマスクを形成する。この後、活性層15を含むGaN系半導体層14、15、16を積層する。このとき、パターンマスクがない基板上にはGaN系半導体層14、15、16が形成され、第1の領域のパターンマスク上および第2の領域のパターンマスク上に、ともに結晶反転層が積層される。図17に示すパターンマスク32を用いた場合、第2の領域では、図18に示すようにパターンマスク32上には結晶反転層44が形成され、それ以外の領域上ではGaN系半導体層3(14、15、16)が形成される。また図20に示すパターンマスクを用いた場合、第2の領域では、図21に示すようにパターンマスク32上には結晶反転層44が形成され、それ以外の領域上にはGaN系半導体層3(14、15、16)が形成される。なお、図17、図18および図20、図21では、第2の領域のフォトニック結晶部分の光伝播領域を含まないパターン部分を示している。
【0043】
次いで、第1の領域(錐体配置領域)の結晶反転領域を保護した上でアルカリ溶液でエッチングして第2の領域(フォトニック結晶領域)のパターンマスク上の結晶反転層を除去する。このエッチングにより活性層を含むGaN系半導体層14、15、16は除去され、これにより2次元周期配列された空隙が形成される。
【0044】
図19および図22は、エッチング後の第2の領域におけるフォトニック結晶を示す図であり、光伝播領域27を含む図である。図17および図18の工程を経て形成されたフォトニック結晶では、図19に示すようにパターンマスク上に孔(空隙)が離散的に周期配列されたものとなる。また図20および図21の工程を経て形成されたフォトニック結晶では、図22に示すようにパターンマスク32上に空隙が形成され、この空隙で取囲まれることによりGaN系半導体層3(14、15、16)が柱状構造を構成するように周期配列されている。また図22に示すフォトニック結晶では、柱状構造のGaN系半導体層3(14、15、16)は光伝播領域27のGaN系半導体層14、15、16と空隙により分離している。
【0045】
このあと第1の領域(錐体配置領域)のパターンマスク上の上記結晶反転層44の防護層を除いてアルカリ溶液でエッチングすることにより、錐体配置領域35に錐体34を形成する。
【0046】
本実施の形態では、フォトニック結晶を用いることにより光伝播領域27を反射層などを用いることなく発光層を形成することができる。このため、単位となる半導体発光素子を、非常に簡単に面上に繰り返し配列した面状発光素子を形成することができる。この半導体発光素子は反射面などによるロスがないため効率に優れている。
【0047】
本実施の形態の製造方法は、包括的に述べれば、基板1上に錐体配置領域用パターンマスクおよびフォトニック結晶用パターンマスクを有するパターンマスク32を形成する工程と、基板上に活性層を含む複数のGaN系半導体層14,15、16をエピタキシャル成長してパターンマスク上には複数のGaN系半導体層それぞれの結晶反転層44を形成する工程とを有する。そして、フォトニック結晶用パターンマスク上の結晶反転層領域の複数のGaN系半導体層それぞれをアルカリ性液剤でウェットエッチングして除去する工程と、錐体配置領域用パターンマスク上の結晶反転層領域をアルカリ性液剤でウェットエッチングして複数個の錐体34から構成される錐体配置領域35を形成する工程とを備える、ということができる。
【0048】
また、上記製造方法において、フォトニック結晶用パターンマスクは、錐体配置領域35に面する部分に、活性層を含む複数のGaN系半導体層14、15、16を光伝播領域とするための部分を含むようにできる。
【0049】
また、本実施の形態における半導体発光素子は、包括的に述べれば、第1および第2の領域を有して基板上に位置するパターンマスク32と、基板上に位置する活性層を含むGaN系半導体発光層14、15、16とを有する。そして、活性層を含むGaN系半導体発光層の端面30aに面してパターンマスクの第1の領域上に位置し、GaN系半導体発光層の結晶反転材料で形成された錐体34が複数個配置された錐体配置領域とを備え、GaN系半導体発光層には、パターンマスクの第2の領域上に位置して2次元周期パターンを構成する空隙部5を有するGaN系フォトニック結晶が形成されている、ということができる。
【0050】
また、上記半導体発光素子において、錐体配置領域35に面する端面30aを有してフォトニック結晶に囲まれるように位置する活性層を有するGaN系半導体発光層を有する構成をとることができる。この構成により、簡単に発光領域を形成することができる。
【0051】
上記実施の形態1および2において、上記のパターンマスク32がSiを含む材料層で形成されるようにできる。とくにSiO2およびSi34の少なくとも1つで形成されるようにできる。この構成により、既存の成膜装置を用いて簡単にパターンマスクを形成することができる。またパターンマスク32はPtやWを含む材料層で形成されるようにもできる。
【0052】
また、上記の錐体34の表面に反射膜37を形成することができる。この構成により高効率の面状発光素子を得ることができる。
【0053】
また、上記基板が、単結晶Si(111)面基板、単結晶GaAs(111)面基板、単結晶GaN(0001)面基板、高配向GaN(0001)面基板、およびサファイア(0001)面基板のうちから選ばれた基板としてもよい。この構成により、基板上にGa面のGaN系半導体層を、またパターンマスク上にその結晶反転層を形成することができる。
【0054】
また、結晶反転層領域はGaN系材料のN面方位(000−1)の領域であり、その端面がGa面方位(0001)が主である領域の端面に面しているようにできる。この構成により、GaN系発光層に隣り合うように錐体配置領域を簡単に形成することができる。
【0055】
錐体は、GaN系半導体層の結晶反転層から形成されることができる。この構成により、基板面に沿うように端面から出射された光を基板面に交差する方向に進路を変える錐体を、非常に簡単に配置することができる。
【0056】
上記のパターンマスクは、その開口端部が、平面的に見て、活性層を含む複数のGaN系半導体層端面に沿うような部分を有することができる。この構成により、その開口部に錐体を形成して錐体配置領域を簡単に設けることができる。
【0057】
上記のGaN系半導体層の結晶反転領域のウェットエッチングに、NaOHおよびKOHのうちの1種を含む液剤を用いることができる。GaN結晶のN面領域を優先的にエッチングすることができる。
【0058】
GaN系半導体層の形成方法は、有機金属CVD法、CVD法、各種の真空蒸着法などを用いることができる。これら既存の装置を用いて、GaN系半導体層を基板に、またパターンマスク上にその結晶反転層を簡単に形成することができる。
【0059】
パターンマスクが形成された基板上にGaN系半導体層を形成したのち、内部に大きなダメージを与えない方法として通常知られている任意の平坦化方法を用いてもよい。
【実施例】
【0060】
次に実施例について説明する。本実施例では、図14に示す半導体発光素子を1単位として繰り返し配置した面状発光素子を形成した。
【0061】
30mmのn型GaN(0001)基板を用意した。その基板を洗浄した後、基板のGa面全面にスパッタ蒸着で厚さ0.1μmのSiO2膜をつけた。次いで、露光技術により、錐体配置領域(第1の領域)と、光伝播領域を含むフォトニック結晶領域(第2の領域)とを備えるパターンマスク32を作製した。第2の領域は、径0.3μm、ピッチ0.5μmのパターンを所定の配置で形成した。第1の領域は全面にマスク材料層を形成した。
【0062】
このパターンマスクの上に有機金属CVD法で順にn型GaNバッファ層、n型AlGaNクラッド層14、n型GaNガイド層、GaN/InGaNからなる量子井戸構造の活性層15、p型AlGaNクラッド層16、p型GaNコンタクト層をエピタキシャル成長させた。マスク材料層の上には上記の各GaN系半導体層の結晶反転層が積層される。
【0063】
次いで錐体配置領域(第1の領域)をレジスト膜で保護した上でフォトニック結晶用領域(第2の領域)をアルカリ溶液でエッチングして孔(空隙)を2次元周期配列して、光伝播領域27を含むフォトニック結晶を作製した。このあと、上記基板のGaN基板面(第2の領域)をレジストで保護しながら、5規定のKOHアルカリ液中で1時間エッチング処理した。取り出すとエピタキシャル成長し形成した端面発光型レーザの出射面の位置に、直線状の溝が形成され、さらに出射端前方に六角錐状の突起34が、その側面が出射端を向くように作製できた。すなわち錐体配置領域に、溝および六角錐34が形成された。
【0064】
この基板の表裏面にそれぞれp型電極とn型電極を形成した。また、六角錐の反射側面にAl反射膜37を、発振端部にAl23で反射防止膜25を形成した。こうして作製した端面発光型レーザのチップはAlN製のサブマウントに搭載し、発振試験を実施した。この結果、基板面の上方への発振を確認できた。
【0065】
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明の半導体発光素子およびその製造方法を用いることにより、発光波長の制約が小さく、簡単に製造することが可能な面状の半導体発光素子を得ることが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の実施の形態1における半導体発光素子を示す図である。
【図2】図1の半導体発光素子の平面図である。
【図3】GaN半導体層の結晶構造を示す図である。
【図4】GaN基板のN面をアルカリ溶液でエッチングしたあとの状態を示す図である。
【図5】図4の状態におけるGaN基板のGa面を示す図である。
【図6】図1の半導体発光素子の製造における基板を示す図である。
【図7】基板上にパターンマスクを形成した状態を示す図である。
【図8】図7におけるVIII-VIII線に沿う断面図である。
【図9】基板上にGaN系半導体層を形成してパターンマスク上にはその結晶反転層を形成した状態を示す図である。
【図10】結晶反転層をアルカリ溶液でエッチングして垂体を形成した状態を示す図である。
【図11】電極形成前の半導体発光素子の1単位を示す図である。
【図12】電極を形成した状態を示す図である。
【図13】錐体に反射膜を形成した状態を示す図である。
【図14】本発明の実施の形態2における半導体発光素子を示す図である。
【図15】図14の半導体発光素子の電極を除いた状態を示す図である。
【図16】図15のXVI-XVI線に沿う断面図である(光は追加的に記載)。
【図17】フォトニック結晶の空隙を孔パターンとするパターンマスクを示す図である。
【図18】GaN系半導体層を基板にエピタキシャル成長して図17のパターンマスク上にその結晶反転層を形成した状態を示す図である。
【図19】空隙が孔パターンのフォトニック結晶を示す図である。
【図20】フォトニック結晶の空隙が柱状構造における空間となるパターンマスクを示す図である。
【図21】GaN系半導体層を基板にエピタキシャル成長して図20のパターンマスク上にその結晶反転層を形成した状態を示す図である。
【図22】空隙が柱状構造における空間であるフォトニック結晶を示す図である。
【符号の説明】
【0068】
1 基板、1a 基板表面、1b 基板裏面、3 フォトニック結晶中のGaN系半導体層、5 フォトニック結晶空隙部、14,16 クラッド層、15 活性層、21,22 電極、25 反射防止膜、27 光伝播領域、30 発光層領域、30a 端面、32 パターンマスク、34 錐体、35 錐体配置領域、37 反射膜、44 GaN系半導体の結晶反転層。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
活性層を含む半導体発光層領域を形成する工程と、
前記半導体発光層領域に隣り合うように、GaN系材料の結晶方位が反転した結晶反転層領域を形成する工程と、
前記結晶反転層領域をウェットエッチングして複数個の錐体から構成される錐体配置領域を形成する工程とを備える、半導体発光素子の製造方法。
【請求項2】
基板上にパターンマスクを形成する工程と、
前記基板上に、活性層を含む複数のGaN系半導体層をエピタキシャル成長して前記パターンマスク上には前記複数のGaN系半導体層それぞれの結晶反転層を形成する工程と、
前記結晶反転層領域をアルカリ性液剤でウェットエッチングして複数個の錐体から構成される錐体配置領域を形成する工程とを備える、半導体発光素子の製造方法。
【請求項3】
基板上に錐体配置領域用パターンマスクおよびフォトニック結晶用パターンマスクを有するパターンマスクを形成する工程と、
基板上に活性層を含む複数のGaN系半導体層をエピタキシャル成長してパターンマスク上には複数のGaN系半導体層それぞれの結晶反転層を形成する工程と、
前記フォトニック結晶用パターンマスク上の結晶反転層領域の複数のGaN系半導体層それぞれをアルカリ性液剤でウェットエッチングして除去する工程と、
前記錐体配置領域用パターンマスク上の結晶反転層領域をアルカリ性液剤でウェットエッチングして複数個の錐体から構成される錐体配置領域を形成する工程とを備える、半導体発光素子の製造方法。
【請求項4】
前記フォトニック結晶用パターンマスクは、前記錐体配置領域に面する部分に、前記活性層を含む複数のGaN系半導体層を発光層領域とするための部分を含む、請求項3に記載の半導体発光素子の製造方法。
【請求項5】
パターンマスクがSiを含む材料層で形成されている、請求項2〜4のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法。
【請求項6】
前記Siを含む材料層がSiO2およびSi34の少なくとも1つで形成される、請求項5に記載の半導体発光素子の製造方法。
【請求項7】
前記錐体の表面に反射膜を形成する工程を備える、請求項1〜6のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法。
【請求項8】
前記基板が、単結晶Si(111)面基板、単結晶GaAs(111)面基板、単結晶GaN(0001)面基板、高配向GaN(0001)面基板、およびサファイア(0001)面基板のうちから選ばれた基板である、請求項2〜7のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法。
【請求項9】
前記結晶反転層領域はGaN系材料のN面方位(000−1)の領域であり、その端面がGa面方位(0001)が主である領域の端面に面している、請求項2〜8のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法。
【請求項10】
前記パターンマスクは、その開口端部が、平面的に見て、前記活性層を含む複数のGaN系半導体層端面に沿うような部分を有する、請求項2〜9のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法。
【請求項11】
前記GaN系半導体層の結晶反転領域のウェットエッチングに、NaOHおよびKOHのうちの1種を含む液剤を用いる、請求項1〜10のいずれかに記載の半導体発光素子の製造方法。
【請求項12】
活性層を含み、端面から光を出射させる半導体発光層領域と、
前記半導体発光層領域の端面に面して、複数個の錐体が配置された錐体配置領域とを備える、半導体発光素子。
【請求項13】
基板上に位置するパターンマスクと、
前記基板上に位置する活性層を含むGaN系半導体層と、
前記GaN系半導体層の結晶反転層材料で形成され、前記GaN系半導体層の端面に面して、前記パターンマスク上に位置する複数の錐体を含む錐体配置領域とを備える、半導体発光素子。
【請求項14】
第1および第2の領域を有して基板上に位置するパターンマスクと、
前記基板上に位置する活性層を含むGaN系半導体発光層と、
前記活性層を含むGaN系半導体発光層の端面に面して前記パターンマスクの第1の領域上に位置し、前記GaN系半導体発光層の結晶反転材料で形成された錐体が複数個配置された錐体配置領域とを備え、
前記GaN系半導体発光層には、前記パターンマスクの第2の領域上に位置して2次元周期パターンを構成する空隙部を有するGaN系フォトニック結晶が形成されている、半導体発光素子。
【請求項15】
前記錐体配置領域に面する端面を有して、前記フォトニック結晶に囲まれるように位置する前記活性層を有するGaN系半導体発光層を有する、請求項14に記載の半導体発光素子。
【請求項16】
パターンマスクがSiを含む材料層で形成されている、請求項13〜15のいずれかに記載の半導体発光素子。
【請求項17】
前記Siを含む材料層がSiO2およびSi34の少なくとも1つで形成される、請求項16に記載の半導体発光素子。
【請求項18】
前記錐体配置領域の錐体の表面に反射膜が形成されている、請求項12〜17のいずれかに記載の半導体発光素子。
【請求項19】
前記基板が、単結晶Si(111)面基板、単結晶GaAs(111)面基板、単結晶GaN(0001)面基板、高配向GaN(0001)面基板、およびサファイア(0001)面基板のうちから選ばれた基板である、請求項13〜18のいずれかに記載の半導体発光素子。
【請求項20】
前記錐体配置領域の錐体が、前記GaN系半導体層の結晶反転層から形成されている、請求項13〜19のいずれかに記載の半導体発光素子。
【請求項21】
前記パターンマスクは、その開口端部が、平面的に見て、前記活性層を含む複数のGaN系半導体層端面に沿うような部分を有する、請求項13〜20のいずれかに記載の半導体発光素子。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2006−165396(P2006−165396A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−357190(P2004−357190)
【出願日】平成16年12月9日(2004.12.9)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】