説明

半導体装置の不良解析方法

【課題】差画像解析を用いた半導体装置の不良解析を短時間で、効率よく高精度に行う。
【解決手段】良品、および不良品サンプルの半導体装置にテストパターンの掃引を開始して顕微鏡により発光画像を取得する。取得した発光画像を囲う反応ボックスを設定してレイアウト座標系の位置データに変換し、良品サンプルの反応ボックスと不良品サンプルの反応ボックスとが重なっている面積を計算する。重なっている面積がしきい値より少ない反応ボックスを差分ボックスと判定し、その差分ボックスを発光解析コントローラに表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の不良解析技術に関し、特に、発光解析における良品と不良品の差分を求める不良解析に有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
不良解析は、半導体装置を製造する各段階において不可欠で、開発段階では開発期間の短縮のために、量産段階では歩留りの早期向上のため、顧客からの返品段階においては顧客と工程へのフィードバックのための解析となる。
【0003】
不良解析の流れは、テスタのフェイルログからソフト的に不良配線を指摘する故障診断に始まり、半導体装置の表面を露出させた非破壊/動作状態での発光解析、OBIRCH(Optical Beam Induced Resistance Change)解析、あるいは、SDL(Soft Defect Localization)解析などによって不良に関連する反応を検出して不良配線を特定し、最終的な不良位置特定のために、半導体チップをパッケージから抜き出した単体として表層を除去した半破壊/非動作状態として、EBAC(Electron Beam Absorbed Current)解析や特定した不良配線に針当てしたOBIRCH解析などによって位置を絞り込んでいる。
【0004】
配線系不良によるショート不良の場合、非破壊解析の段階での発光解析において、通常電流異常を伴うため、その異常電流を発生させるテストパターンを保持して発光を検出する。この時、不良に関連する配線のゲート側が発光することが多く、比較的配線の特定が容易に行える。
【0005】
一方、近年、配線材料として銅(Cu)の採用と多層化に伴って増加しているオープン不良の場合、電流異常を伴わないことや電流異常が不安定であり、テストパターンを保持しても発光が検出できない場合が多い。
【0006】
その場合には、テストパターンを掃引した状態で発光を検出して不良に関連する配線の特定を試みる。ただし、パターンを掃引すると、不良に関連する配線に接続しているゲート以外のゲートもパターン動作に従ってオン/オフを繰り返しているため、同様な発光を生じさせることが多い。
【0007】
この時には多数の発光の中から不良に関連する発光を抜き出すため、不良サンプルと良品サンプルとで発光を検出し、その差画像を解析することにより、不良に関連する配線を特定している。
【0008】
この種の不良解析における差画像解析技術については、たとえば、光源からの光路を開いた時と閉じた時の画像間減算による差分画像を解析して対象物を検査するものが知られている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開平07−243824号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところが、上記のような半導体装置における不良解析技術では、次のような問題点があることが本発明者により見い出された。
【0011】
すなわち、上記した特許文献1においては、光源からの光路を開いた場合と閉じた場合の差画像解析を実施しており、最初に光源からの光路を閉じた時の画像を多値画像メモリに入力しておき、次に光路を開いた時の入力画像から、多値画像メモリの画像を減算している。これは画素毎の減算であり、画像取得の状態設定がほぼ同じである場合には有効な技術である。
【0012】
従って、発光解析において、テストパターンの掃引条件を変化させるとサンプルが良品から不良品に変化するようなマージン性の不良の場合であれば、自動的に画像メモリに納めたデータで入力画像を減算する方式で取得した差画像でも有効な良不良品間の差異情報を取得することが可能となる。
【0013】
しかし、異なるサンプルで発光検出設定条件が必ずしも同一でない場合に、差画像を解析するとなると、画像メモリ内の情報を入力画像から減算しても、減算で残存する発光部分が多く、有効な差画像解析とはならないという問題がある。
【0014】
本発明の目的は、差画像解析を用いた半導体装置の不良解析を短時間で、効率よく高精度に行うことのできる技術を提供することにある。
【0015】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴については、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0017】
本発明は、不良解析システムを用いて半導体装置の不良解析を行う半導体装置の不良解析方法であって、不良解析を行うサンプルにテストパターンを掃引して発光検出を行い、検出した発光像の発光領域を設定する工程と、良品のサンプルにテストパターンを掃引して発光検出を行い、検出した発光像の発光領域を設定する工程と、不良解析を行うサンプルの発光領域と良品のサンプルの発光領域との重なり面積を計算し、その重なり面積に基づいて、不良解析を行うサンプルの発光領域を不良解析対象であるか否かを判定する工程とを有するものである。
【0018】
また、本発明は、不良解析対象であるかの判定が、計算した重なり面積としきい値とを比較し、該しきい値よりも重なり面積が小さい場合に、不良解析対象であるか否かを判定し、差画像結果として表示するものである。
【0019】
さらに、本発明は、不良解析を行うサンプルの発光像における発光領域の設定が、不良解析を行うサンプルの発光を検出した顕微鏡の座標と不良解析を行うサンプルにおけるレイアウトデータの座標とを対応させ、不良解析を行うサンプルに発光領域を正方形状の反応ボックスとして設定してレイアウト座標の位置データに変換し、良品のサンプルに発光像における発光領域の設定は、良品のサンプルの発光を検出した顕微鏡の座標と良品のサンプルにおけるレイアウトデータの座標とを対応させ、良品のサンプルに発光領域を正方形状の反応ボックスとして設定してレイアウト座標の位置データに変換し、不良解析を行うサンプルの発光領域と良品のサンプルの発光領域との重なり面積の計算は、位置データに変換された不良解析を行うサンプルの反応ボックスと位置データに変換された良品のサンプルの反応ボックスとが重なっている面積を求めるものである。
【0020】
また、本発明は、位置データに変換された良品のサンプルにおける反応ボックスを格納する工程を有し、格納された反応ボックスを用いて位置データに変換された不良解析を行うサンプルの反応ボックスとの重なり面積を計算するものである。
【0021】
さらに、本願のその他の発明の概要を簡単に示す。
【0022】
本発明は、不良解析を行うサンプルから取り込んだレイアウト画像と良品のサンプルから取り込んだレイアウト画像との領域を一致させた後に不良解析を行うサンプルの発光領域と良品のサンプルの発光領域との重なり面積を計算するものである。
【0023】
また、本発明は、さらに、差画像結果として表示された発光領域を通過する配線情報に基づいて、発光領域を通過した回数を検出し、検出した回数から不良の可能性の高い発光領域を検出する工程を有するものである。
【0024】
さらに、本発明は、半導体装置の不良解析履歴であるフェイルログから抽出した不良候補の配線情報と差画像結果として表示された発光領域を通過する配線情報とを対比させ、一致した配線情報が不良にからむ配線と判定する工程を有するものである。
【発明の効果】
【0025】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0026】
(1)半導体装置の不良解析における不良の特定を短時間で、効率よく高精度に行うことができる。
【0027】
(2)それにより、信頼性の高い半導体装置を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
【図1】本発明の実施の形態による不良解析システムにおける構成の一例を示す説明図である。
【図2】図1の不良解析システムにおける一例を示すブロック図である。
【図3】図2の不良解析システムによる解析技術の一例を示すフローチャートである。
【図4】図2の不良解析システムによる具体的な故障診断の対照の一例を示す説明図である。
【図5】図2の不良解析システムによる発光情報をレイアウト座標系のデータに変換する座標系ロックの一例を示す説明図である。
【図6】図2の不良解析システムによる具体的な故障診断の対照の他の例を示す説明図である。
【図7】図2の不良解析システムに設けられた発光解析コントローラの差分ボックス解析機能による差分ボックスの判定の一例を示す説明図である。
【図8】取得したレイアウト画像の領域のずれを発光解析コントローラが修正する際の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0030】
図1は、本発明の実施の形態による不良解析システムにおける構成の一例を示す説明図、図2は、図1の不良解析システムにおける一例を示すブロック図、図3は、図2の不良解析システムによる解析技術の一例を示すフローチャート、図4は、図2の不良解析システムによる具体的な故障診断の対照の一例を示す説明図、図5は、図2の不良解析システムによる発光情報をレイアウト座標系のデータに変換する座標系ロックの一例を示す説明図、図6は、図2の不良解析システムによる具体的な故障診断の対照の他の例を示す説明図、図7は、図2の不良解析システムに設けられた発光解析コントローラの差分ボックス解析機能による差分ボックスの判定の一例を示す説明図、図8は、取得したレイアウト画像の領域のずれを発光解析コントローラ5が修正する際の一例を示す説明図である。
【0031】
《発明の概要》
本発明の概要は、不良解析システム(不良解析システム1)を用いて半導体装置(半導体装置10)の不良解析を行うものである。
【0032】
そして、不良解析を行うサンプルにテストパターンを掃引して発光検出を行い、検出した発光像の発光領域を設定する工程と、良品のサンプルにテストパターンを掃引して発光検出を行い、検出した発光像の発光領域を設定する工程と、前記不良解析を行うサンプルの発光領域(反応ボックス16)と前記良品のサンプルの発光領域(反応ボックス19)との重なり面積を計算し、前記重なり面積に基づいて、前記不良解析を行うサンプルの発光領域が不良解析対象であるか否かを判定し、不良解析対象と判定した前記発光領域(差分ボックス21,22)を差画像結果として表示する工程とを有するものである。
【0033】
以下、上記した概要に基づいて、実施の形態を詳細に説明する。
【0034】
本実施の形態において、不良解析システム1は、テストパターンを掃引することにより、半導体装置中に流れる微弱電流から検出される多数の発光から不良に関連する発光を、良品サンプルと不良品サンプルとによる発光の差画像から検出して半導体装置の不良を解析(差画像解析)するシステムである。
【0035】
不良解析システム1は、図1に示すように、テスタ制御用PC(Personal Computer)2、テスタ本体3、発光解析装置4、発光解析コントローラ5、およびEDA(Electronic Design Automation)用ワークステーション6から構成されている。
【0036】
テスタ本体3と発光解析装置4とは、ケーブル7によって接続されており、該テスタ本体3からケーブル7を介して発光解析装置4にテストパターンが供給される。発光解析装置4は、受け取ったテストパターンに基づいて半導体装置を動作させ、その動作に伴って発生する極微弱な光を検出する。
【0037】
発光解析装置4が検出した発光データは、通信ケーブル8を介して発光解析コントローラ5に取り込まれ、発光データの解析が行われる。また、発光解析コントローラ5は、イーサネット(登録商標)などの通信ケーブル9を介してEDA用ワークステーション6に接続されている。EDA用ワークステーション6は、EDAツールを用いて半導体や電気回路の設計を自動的に行うシステムであり、本発明では半導体装置のレイアウト情報を提供する役割を担っている。
【0038】
図2は、図1の不良解析システム1のハードウェアイメージを機能別に示した一例を示すブロック図である。
【0039】
テスタ制御用PC2には、テスタ本体3を制御するテスタ制御ソフトウェアSW1がインストールされており、該テスタ制御用PC2は、テスタ制御ソフトウェアSW1によってテストプログラムを作成する。
【0040】
テスタ本体3は、テスタ制御用PC2が生成したテストプログラムに基づいて、テストパターンを生成する。テストパターンは、半導体装置10の故障の有無などを検査するためのテスト信号群である。
【0041】
発光解析装置4(図1)は、テストパターンに基づいて、該発光解析装置4に設けられているボード、およびソケット(図示せず)にセットされた解析対象サンプルとなる半導体装置10の発光解析を行う。
【0042】
テストパターンが供給されることにより、発光する半導体装置10の発光LUMを発光解析装置4に備えられた顕微鏡11が検出して、その情報を発光解析コントローラ5に出力する。発光解析コントローラ5は、該発光解析コントローラ5にインストールされている解析装置制御ソフトウェアSW2によって、受け取った情報を画像として表示する。
【0043】
この解析装置制御ソフトウェアSW2は、発光検出操作機能K1、ならびに発光データ操作機能K2を含んでいる。発光検出操作機能K1は、顕微鏡11のステージ(図示せず)の移動、発光検出条件の設定(例えば、解析する視野の大きさと位置や発光検出に要する時間)、ならびに発光検出を開始/停止する。
【0044】
発光データ操作機能K2は、発光データの保存/読み込みを実行する。なお、発光検出操作機能K1、ならびに発光データ操作機能K2は、ハードウェアによって構成するようにしてもよい。
【0045】
また、発光解析コントローラ5には、解析支援ソフトウェアSW3もインストールされている。解析装置制御ソフトウェアSW2と解析支援ソフトウェアSW3とは、ソフトウェア同士の制御プロトコルで通信している。
【0046】
解析支援ソフトウェアSW3は、発光データ操作機能K3、座標系ロック機能K4、反応ボックス操作機能K5、反応ボックス解析機能K6、および差分ボックス解析機能K7を含んでいる。
【0047】
発光データ操作機能K3は、発光解析コントローラ5が処理した発光データの保存/読み込みを実行する。座標系ロック機能K4は、顕微鏡11の座標系(顕微鏡11が取り込んだ画像の座標位置)とレイアウトデータの座標系(レイアウトパターン上の座標位置)とを対応させる処理を行う。
【0048】
反応ボックス操作機能K5は、発光箇所を囲う反応ボックスを設定してレイアウト座標系の位置データへの変換とデータのレイアウトビューア(後述する)への送信、および発光解析コントローラ5への保存/発光解析コントローラ5からの読み込みなどを実行する。
【0049】
反応ボックス解析機能K6は、反応ボックスを通過するネット抽出指示と抽出結果の受信と表示を実行する差分ボックス解析機能K7は、2つ以上の反応ボックス情報に対してボックスの重なり面積しきい値を設定・重なり面積を計算・差分ボックスの抽出を実行する。
【0050】
ここでも、発光データ操作機能K3、座標系ロック機能K4、反応ボックス操作機能K5、反応ボックス解析機能K6、ならびに差分ボックス解析機能K7は、ハードウェアによって構成するようにしてもよい。
【0051】
また、解析支援ソフトウェアSW3とEDA用ワークステーション6にインストールされたレイアウトビューアSW4とはイーサネット(登録商標)などを介して通信している。レイアウトビューアSW4は、座標データ操作機能K8、およびネットデータ操作機能K9を含んでいる。
【0052】
座標データ操作機能K8は、任意の製品のレイアウトデータを開いてオペレータがポインタなどで指定した座標を送信あるいは座標データを受信してレイアウト上に表示する。ネットデータ操作機能K9は、指定された座標データ上の領域を通過するネット(結線情報)を抽出する。座標データ操作機能K8、およびネットデータ操作機能K9は、ハードウェアによって構成するようにしてもよい。
【0053】
次に、本実施の形態における不良解析システム1による解析技術の一例について、図2、および図3のフローチャートを用いて説明する。
【0054】
半導体装置の不良解析を進める工程は、大きく分けると、発光検出工程、反応ボックス設定工程、差分ボックス解析工程の3工程とからなる。
【0055】
《発光検出工程》
まず、発光検出工程について説明する。
【0056】
不良品サンプルの半導体装置10の発光解析を行うために、不良サンプルの半導体装置10を発光解析装置4の顕微鏡11にロードする(ステップS101)。そして、テスタ制御ソフトウェアSW1によってテストプログラムが作成され、該テストプログラムに基づいて生成された発光解析装置4に入力されるテストパターンのテスト条件(電圧や周波数など)が設定される(ステップS102)。
【0057】
続いて、発光検出操作機能K1が発光検出条件を設定し(ステップS103)、テストパターンの掃引を開始して(ステップS104)、顕微鏡11により発光を検出する(ステップS105)。
【0058】
顕微鏡11により発光の検出が終了すると、テスタ本体3は、テストパターンの出力を停止し(ステップS106)、発光解析コントローラ5の発光データ操作機能K2によって検出した発光像を発光解析コントローラ5に保存し(ステップS107)、不良サンプルの半導体装置10を発光解析装置4の顕微鏡11からアンロードする(ステップS108)。
【0059】
ここまでの一連の作業(ステップS101〜S108の処理)で不良品サンプルの半導体装置10における発光画像の取得処理が終了する。
【0060】
その後、ステップS109〜S116の処理に移行する。これらステップS109〜S116の処理では、良品の半導体装置10を顕微鏡11にロードして発光画像を取得する以外は、上記したステップS101〜S108の発光画像の取得処理と同様であるので、説明は省略する。以上により、発光検出工程が終了となる。
【0061】
《反応ボックス設定工程》
続いて、反応ボックス設定工程について説明する。
【0062】
ステップS107の処理において取得した不良品サンプルの半導体装置10の発光画像、およびステップS115の処理において取得した良品サンプルの半導体装置の発光画像をレイアウト座標系のデータに変換するために、EDA用ワークステーション6からレイアウトビューアSW4を起動する(ステップS117)。
【0063】
そして、発光解析コントローラ5は、不良品サンプルの半導体装置10における発光画像を読み込み(ステップS118)、座標系ロック機能K4によって顕微鏡の座標系とレイアウトデータの座標系とを対応させる座標系ロックを行い(ステップS119)、不良品反応ボックスの設定を行う(ステップS120)。このステップS120の処理は、反応ボックス操作機能K5により発光箇所を囲う反応ボックスを設定してレイアウト座標系の位置データに変換する。
【0064】
続いて、反応ボックス操作機能K5は、反応ボックスの位置データをレイアウトビューアへ送信して、発光解析コントローラ5に保存する(ステップS121)。その後、ステップS118〜S121の処理と同じ処理を、良品サンプルの半導体装置10における発光画像についても実行する(ステップS122〜S125)。
【0065】
この段階でレイアウト座標系の数値データとして記述された不良品と良品の半導体装置10における反応ボックスデータが準備できる。
【0066】
《差分ボックス解析工程》
ここから、不良品と良品の半導体装置10における反応ボックスデータを読み込み、互いの差分を求める差分ボックス解析の処理に入る。
【0067】
まず、発光解析コントローラ5における反応ボックス操作機能K5は、ステップS121,S125の処理において保存されている不良品の半導体装置10の反応ボックスデータと良品の半導体装置10の反応ボックスデータとを読み込む(ステップS126)。
【0068】
差分ボックス解析機能K7は、不良品の半導体装置10における反応ボックスデータと良品の半導体装置10における反応ボックスデータとがどれだけ重なった場合に発光が一致していると判断するかを決める重なり面積しきい値を設定する(ステップS127)。
【0069】
この重なり面積しきい値の設定は、予め発光解析コントローラ5に格納されているデータを読み込みようにしてもよいし、オペレータが任意の値を入力することにより設定するようにしてもよい。
【0070】
続いて、差分ボックス解析機能K7は、不良品の半導体装置10における反応ボックスデータと良品の半導体装置10における反応ボックスデータとが重なっている面積を計算し(ステップS128)、計算した面積が重なり面積しきい値より少ない反応ボックスを差分ボックスと判定する(ステップS129)。
【0071】
この場合、不良品では発光しているが、良品では発光していない側を差分ボックスとすることが通常であるが、逆のケースで解析する場合もあり、どちらでも選択可能とする。
【0072】
そして、反応ボックス操作機能K5は、ステップS129の処理において判定した差分ボックスを発光解析コントローラ5のモニタなどに表示して(ステップS130)、オペレータが状況を確認した上で、該差分ボックスのデータをEDA用ワークステーション6のレイアウトビューアSW4に送る(ステップS131)。レイアウトビューアSW4は、差分ボックスのデータを受け取り、差分ボックスの座標を取り込む。
【0073】
続いて、レイアウトビューアSW4は、ネットデータ操作機能K9によって取り込んだ座標の領域を通過するネットを抽出して(ステップS132)リストアップし、リストアップしたデータを発光解析コントローラ5の解析支援ソフトウェアSW5に送り返す。
【0074】
発光解析コントローラ5は、リストアップされたデータに基づいて、ネットを通過する差分ボックスの数をヒストグラムとして表示する(ステップS133)。なお、このステップS133の処理は、ヒストグラムではなく、たとえば、ネットのリストとして表示するようにしてもよい。
【0075】
最後に、オペレータ、または解析支援ソフトウェアSW5は、ヒストグラムとして表示されたネットのリストを見て最も不良に絡む可能性が高いと推定できるネットを特定する(ステップS134)。
【0076】
なお、図3に示したフローチャートは、一例であり、不良品と良品はどちらを先に解析しても構わないし、良品は予めデータを取得して良品反応ボックスデータとして記憶装置に保存しておき、それを読み込んでも構わない。
【0077】
また、差分ボックスを通過するネットのリストとテスタ制御用PC2に保存されたフェイルログ(半導体装置の不良解析履歴)からソフト的に不良の可能性のあるネットを推定する故障診断の結果とを対照させれば、さらに不良の的中率を向上させることができる。
【0078】
次に、具体的な故障診断の対照実施技術について、図4の説明図を用いて説明する。
【0079】
図4において、左上方の発光画像12は、不良品サンプルの半導体装置10における発光画像(ステップS107の処理において取得した不良品サンプルの半導体装置10の発光画像)を示している。
【0080】
発光画像12の下方に示す発光画像13は、良品サンプルの半導体装置10における発光画像(ステップS115の処理において取得した良品サンプルの半導体装置の発光画像)を示している。
【0081】
まず、発光画像12における複数の発光点14について、座標系ロックによりレイアウト像15上においての反応ボックス16を設定する。座標系ロックは、座標系ロック機能K4によって顕微鏡11の座標系とレイアウトデータの座標系とを対応させる処理である。また、反応ボックスとは、前述したように発光箇所を囲う形成されたボックスのことであり、たとえば、発光像を四角形状の領域によって囲んだものである。
【0082】
同じように、良品サンプルの半導体装置10における発光画像13における複数の点光源17につても座標系ロックを行い、レイアウト像18上においての反応ボックス19を設定する。
【0083】
そして、レイアウト像15とレイアウト像18を重ね合わせ、反応ボックス16と反応ボックス19の重なり面積を計算し、(図3、ステップS128)、計算した重なりの面積値が、重なり面積しきい値よりも小さい反応ボックスを差分ボックスとして判定する(図3、ステップS129)。
【0084】
この図4では、たとえば、レイアウト像15とレイアウト像18を重ね合わせたレイアウト像20(図4のレイアウト像15,18の右側に示す)において、重なり面積しきい値よりも重なり面積が小さな2つの反応ボックスが、差分ボックス21,22として判定されているものとする。
【0085】
レイアウト像20において、差分ボックス21,22の領域を通過するネット23(図4のレイアウト像20の右側)は、たとえば4本あるというように差分ボックス21,22に絡むネットが求まる(図3、ステップS132)。
【0086】
一方、テスタのフェイルログ24(図4の左側下方に示す)をEDA用ワークステーション6(図4のフェイルログ24の右側に示す)にインストールしたソフトに読み込ませて解析することで、不良の候補ネットを抽出する故障診断と呼ばれる手法がある。
【0087】
この手法で抽出した不良候補ネット25をレイアウト像20(図4のEDA用ワークステーション6の右側に示す)に表示した場合、この例では6本のネットが不良候補ネット25に相当することになっている。
【0088】
この不良候補ネット25を上記で求めた差分ボックス21,22を通過するネット23と対照させると、この場合、図4の右側に示すように、1本のネット26が一致することになる。
【0089】
一方が発光から求めた不良の候補ネット、一方がテスタフェイルログから求めた不良の候補ネットであり、異なった手法で求めた候補ネットが一致した場合、このネットが不良に絡む最も怪しいネットである可能性が高く、この対照方法で不良の的中率の向上を見込むことができる。
【0090】
次に、顕微鏡11が検出した発光情報をレイアウト座標系のデータに変換する座標系ロックの一例について、図5を用いて説明する。
【0091】
この場合、発光を取得している発光解析装置4における顕微鏡11が取得した特定のパターン像とレイアウト上の同一パターンを使って、座標系を互いに対応させる。
【0092】
これには、例えば、図5(a)に示す顕微鏡11が取得した顕微鏡像の十字パターン27の中心と図5(b)に示すレイアウト像(レイアウトデータ)の十字パターン28の中心とを、座標系ロック機能K4を用いて指定して対応させる。
【0093】
また、十字パターン27,28は、たとえば、半導体チップ上に既存するパターンと次工程の設計パターンを最適な相対位置関係にする位置合わせマークとなる、いわゆるアライメントマークなどである。さらに、対応させるパターンは、十字パターン27,28などのアライメントマーク以外であってもよく、両方の画像で認識可能なパターンであればよい。
【0094】
そして、同様に、上記した操作を別の位置に形成されているパターン、たとえば、図5(c)に示す顕微鏡11が取得した像における4つの正方形状のブロックパターン29の集合の中心と図5(d)に示すレイアウト像における4つの正方形状のブロックパターン30の集合の中心とを座標系ロック機能K4を用いて対応させることで座標系ロックを行う。
【0095】
この時、半導体チップが平坦な面に載置されているのであれば、上記した2パターンの座標系ロックにて十分であるが、半導体チップに垂直方向の傾きがあると考えられる場合には、たとえば、3パターンの位置を対応させる座標系ロックの操作が必要となる。
【0096】
ここで、パターン像には通常その画像を取得した時のステージ座標データが組み込まれており、サンプルを空間的に移動させないで、また、顕微鏡11の対物レンズ倍率を変えないで取得した複数のパターン像を選択しても構わない。
【0097】
この状態で同様にステージ座標データが組み込まれた図5(e)に示す発光像31〜33を表示させ、これら発光像31〜33を反応ボックス操作機能K5を用いて、図5(f)に示すように反応ボックス34〜36として設定する。また、反応ボックス34〜36の設定は、手動によって行うようにしてもよい。
【0098】
設定された反応ボックス34〜36の座標は、レイアウト座標系の座標に対応しているため、この時点で反応ボックスは図5(g)のレイアウト像中のレイアウト座標系の数値で表された領域情報となる。
【0099】
以上の操作で得られた反応ボックス34〜36の数値は、レイアウト座標系の数値であり、そのレイアウトの製品では共通の位置を示している。よって、良品サンプルの反応ボックスの設定は、毎回行わなくてもよく、発光解析コントローラ5に保存された良品の反応ボックスデータを用いるようにすればよい。
【0100】
それによって、図3におけるステップS109〜S116,S112〜S125の処理を1回行うだけでよいことになる。
【0101】
たとえばテストパターンを掃引しないで、テスタで異常に大きな電流が流れるような特定のステップにパターンを保持して発光を取得した場合には、図6(a)に示すように、顕微鏡11が取得した顕微鏡像に良品でも発光するしきい値電圧が異なったトランジスタを含む回路37やダイナミック回路38などが含まれていれば、それは図6(b)に示す発光像39のように毎回同じ箇所での発光となり、図6(c)に示すように、これら発光像39を囲った不良サンプルの反応ボックス40を設定する。
【0102】
これにより、反応ボックス40は、図6(d)に示すように、レイアウト像中のレイアウト座標系での領域情報となる。これに対して、予め良品サンプルにて取得して発光解析コントローラ5などに格納されているレイアウト座標系のテキストとしての反応ボックスの座標を示す情報41を読み込む。
【0103】
この時、必ずしも必要ではないが、操作者の確認のために、図6(e)に示すレイアウト像のように良品サンプルの反応ボックス42を表示してもよい。この段階で不良品サンプルの反応ボックス40から良品サンプルの反応ボックス42の差分を、図6(f)に示すように、レイアウト像として表示すると、領域が一致した反応ボックス43と不一致の反応ボックス44とを認識することができる。
【0104】
そして、不一致の反応ボックス44を差分ボックスとして、図6(g)に示すようにレイアウト像に表示し、この差分ボックスについての解析を進める。これにより、毎回良品と不良品の画像を取得することなく、不良品の画像を取得するだけで解析を進めることが可能となり、大量の不良品サンプルを解析する場合に、解析時間を短縮して効率よく行うことができる。
【0105】
図7は、発光解析コントローラ5の差分ボックス解析機能K7による差分ボックスの判定の一例を示す説明図である。
【0106】
図7において、実線で示すボックスは、不良品サンプルの反応ボックス45を示しており、点線で示すボックスは、良品サンプルの反応ボックス46を示している。
【0107】
差分ボックス解析機能K7は、反応ボックス45と反応ボックス46とが重なり合っている領域(網掛けで示す領域)の面積を求め、求めた面積が、重なり面積しきい値の面積よりも小さい場合に差分ボックスと判定する。
【0108】
なお、反応ボックス45と反応ボックス46の重なり方には、図7に示した重なり形状だけでなく、いくつもの重なりタイプがあり、それぞれのタイプに分けて重なり領域の面積を計算し、その面積が重なり面積しきい値よりも小さいか否かを判定することにより、反応ボックス間の一致/不一致を判定している。
【0109】
また、サンプルが異なる場合には、取得した画像の領域がずれていることもある。その時、そのまま差画像解析を実施すると、ずれが生じている領域(お互いに重なっていない領域)は差分有と判定されてしまうが、実際には解析対象外であり、間違った情報を与えることになる。このような場合には、解析者が注意していれば不一致領域を考慮から外すことも可能だが、解析支援ソフトウェアから適当な指示を出すことが望ましい。
【0110】
図8は、取得したレイアウト画像の領域のずれを発光解析コントローラ5が修正する際の一例を示す説明図である。
【0111】
図8(a)において、実線で示す領域は、不良品サンプルの反応ボックスを取得するレイアウト像領域47を示しており、点線で示す領域は、良品サンプルの反応ボックスを取得するレイアウト像領域48を示している。
【0112】
このように、レイアウト像領域47とレイアウト像領域48とがずれて取得された場合には、図8(b)に示すように、レイアウト像領域48における反応ボックス50の座標、および図8(c)に示すように、レイアウト像領域47における反応ボックス49の座標が求められる。
【0113】
しかし、図8(d)に示すように、反応ボックス49,50の差分を計算すると、レイアウト像領域47とレイアウト像領域48とが一致している部分(重なり合っている領域)においては、反応ボックス49、および反応ボックス50の判定を正常に行うことができる。
【0114】
一方、レイアウト像領域47とレイアウト像領域48とがずれている部分(重なり合っていない領域)では、レイアウト像領域47における重なり合っていない領域の反応ボックス49aに対照データがないために差分と判定されてしまうことになる。
【0115】
これら反応ボックス49aは、図8(e)において、無視すべき反応ボックスとしてマーク付けしないと、解析での誤情報を生むことになる。このため、それぞれのレイアウト像領域47,48のエッジを認識し、重なった領域のみを抽出する。
【0116】
たとえば、レイアウト像領域47,48の左下のコーナ部の基準点47a,48aとレイアウト像領域47,48の右上のコーナ部の基準点47b,48bは座標系ロックが終了した時点で、レイアウト座標系での座標値が判明しているので、その大小関係から、図8(f)に示すように、差分判定する領域を設定する。
【0117】
たとえば、両領域について、基準点47a,48aの座標では、座標値が大きい方のx座標とy座標を選択する。図8(f)の場合には、レイアウト像領域48の基準点48aがこれに相当する。
【0118】
一方、右上の基準点の座標では座標値が小さい方のx座標とy座標となり、こちらはレイアウト像領域47の基準点47bの座標となり、左辺側、および下辺側はレイアウト像領域48の境界51、右辺側、および上辺側はレイアウト像領域47の境界52を解析すべき領域の境界と設定することになる。
【0119】
領域の判定では、レイアウト領域の左下辺、右上辺の組み合わせ以外に、逆の組み合わせも可能であり、レイアウト領域の画像中心とx寸法、y寸法でも可能で、各種の方式で実現可能である。
【0120】
以上、説明したように不良品サンプルと良品サンプルとにおいて不一致(重なっている面積が、重なり面積しきい値以下)と判定された反応ボックス(差分ボックス)は不良に関連する可能性の高い配線となる。この場合、不一致ボックス(差分ボックス)を多く通過すれば、その可能性が高まる。
【0121】
さらに、テスタ制御用PC2に保存されたフェイルログを使って実行する故障診断の結果と対照させて、上記で抽出した配線(ネット)と同じ配線があれば、これも高い確率で不良に関連する配線と判断できる。これにより、オープン不良における不良解析にかかる時間を短縮することができる
それにより、本実施の形態によれば、反応ボックスをデジタル情報に変換した後に重なり評価を行うので、差画像不良解析の効率を向上させることができ、解析時間を短縮しながら、高精度な不良解析を行うことができる。
【0122】
さらに、本実施の形態では、一致していない反応ボックスの抽出について記載したが、この判定方法は一致している反応ボックスを抽出して使う場合もある。たとえば、OBIRCH解析で取得した反応が、発光解析取得した反応と一致している否かを判定し、一致した箇所に注目して、次の解析を進めるような場合である。
【0123】
これはOBIRCH反応の数は少ないが、発光解析の方はテストパターンを掃引した発光取得で多くの良品発光が混在していて、その中からOBIRCH反応と一致した箇所を捜す場合に有効である。
【0124】
手法としては、図4で説明したように、その場で2画像の発光/反応をレイアウト座標系の反応ボックスに変換して、それら反応ボックスの重なり面積の割合によって判定する方式、あるいは図6にて説明した予め取得しておいた反応ボックスデータを読み出して重なりを判定する方式のどちらでも採用可能である。
【0125】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0126】
本発明は、差画像解析を用いた半導体装置の不良解析技術に適している。
【符号の説明】
【0127】
1 不良解析システム
2 テスタ制御用PC
3 テスタ本体
4 発光解析装置
5 発光解析コントローラ
6 EDA用ワークステーション
7 ケーブル
8 通信ケーブル
9 通信ケーブル
10 半導体装置
11 顕微鏡
12 発光画像
13 発光画像
14 発光点
15 レイアウト像
16 反応ボックス
17 点光源
18 レイアウト像
19 反応ボックス
20 レイアウト像
21 差分ボックス
22 差分ボックス
23 ネット
24 フェイルログ
25 不良候補ネット
26 ネット
27 十字パターン
28 十字パターン
29 ブロックパターン
30 ブロックパターン
31 発光像
32 発光像
33 発光像
34 反応ボックス
35 反応ボックス
36 反応ボックス
37 回路
38 ダイナミック回路
39 発光像
40 反応ボックス
41 情報
42 反応ボックス
43 反応ボックス
44 反応ボックス
45 反応ボックス
46 反応ボックス
47 レイアウト像領域
47a 基準点
47b 基準点
48 レイアウト像領域
48a 基準点
48b 基準点
49 反応ボックス
49a 反応ボックス
50 反応ボックス
51 境界
52 境界
SW1 テスタ制御ソフトウェア
SW2 解析装置制御ソフトウェア
K1 発光検出操作機能
K2 発光データ操作機能
SW3 解析支援ソフトウェア
K3 発光データ操作機能
K4 座標系ロック機能
K5 反応ボックス操作機能
K6 反応ボックス解析機能
K7 差分ボックス解析機能
SW4 レイアウトビューア
K8 座標データ操作機能
K9 ネットデータ操作機能
SW5 解析支援ソフトウェア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
不良解析システムを用いて半導体装置の不良解析を行う半導体装置の不良解析方法であって、
不良解析を行うサンプルにテストパターンを掃引して発光検出を行い、検出した発光像の発光領域を設定する工程と、
良品のサンプルにテストパターンを掃引して発光検出を行い、検出した発光像の発光領域を設定する工程と、
前記不良解析を行うサンプルの発光領域と前記良品のサンプルの発光領域とが重なっている重なり面積を計算し、前記重なり面積に基づいて、前記不良解析を行うサンプルの発光領域が不良解析対象であるか否かを判定する工程とを有することを特徴とする半導体装置の不良解析方法。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置の不良解析方法において、
前記不良解析対象であるかの判定は、
計算した前記重なり面積としきい値とを比較し、前記しきい値よりも前記重なり面積が小さい場合に、不良解析対象であるか否かを判定し、差画像結果として表示することを特徴とする半導体装置の不良解析方法。
【請求項3】
請求項1記載の半導体装置の不良解析方法において、
前記不良解析を行うサンプルの発光像における発光領域の設定は、
前記不良解析を行うサンプルの発光を検出した顕微鏡が取り込んだ顕微鏡像の座標と前記不良解析を行うサンプルにおけるレイアウトデータの座標とを対応させ、前記不良解析を行うサンプルに発光領域を反応ボックスとして設定してレイアウト座標の位置データに変換し、
前記良品のサンプルの発光像における発光領域の設定は、
前記良品のサンプルの発光を検出した顕微鏡が取り込んだ顕微鏡像の座標と前記良品のサンプルにおけるレイアウトデータの座標とを対応させ、前記良品のサンプルに発光領域を反応ボックスとして設定してレイアウト座標の位置データに変換し、
前記不良解析を行うサンプルの発光領域と前記良品のサンプルの発光領域との重なり面積の計算は、
位置データに変換された前記不良解析を行うサンプルの反応ボックスと位置データに変換された前記良品のサンプルの反応ボックスとが重なっている面積を求めることを特徴とする半導体装置の不良解析方法。
【請求項4】
請求項3記載の半導体装置の不良解析方法において、
さらに、位置データに変換された前記良品のサンプルにおける反応ボックスを格納する工程を有し、
格納された前記反応ボックスを用いて位置データに変換された前記不良解析を行うサンプルの反応ボックスとの重なり面積を計算することを特徴とする半導体装置の不良解析方法。
【請求項5】
請求項3記載の半導体装置の不良解析方法において、
前記不良解析を行うサンプルから取り込んだレイアウト画像と前記良品のサンプルから取り込んだレイアウト画像との領域を一致させた後に前記不良解析を行うサンプルの発光領域と前記良品のサンプルの発光領域との重なり面積を計算することを特徴とする半導体装置の不良解析方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の半導体装置の不良解析方法において、
さらに、差画像結果として表示された前記発光領域を通過する配線情報に基づいて、前記発光領域を通過した回数を検出し、検出した前記回数から不良の可能性の高い前記発光領域を検出する工程を有することを特徴とする半導体装置の不良解析方法。
【請求項7】
請求項6記載の半導体装置の不良解析方法において、
さらに、半導体装置の不良解析履歴であるフェイルログから抽出した不良候補の配線情報と差画像結果として表示された前記発光領域を通過する配線情報とを対比させ、一致した配線情報が不良にからむ配線と判定する工程を有することを特徴とする半導体装置の不良解析方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−137466(P2012−137466A)
【公開日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−291761(P2010−291761)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】