説明

半導体装置の製造方法および液状材料の塗布方法

【課題】 貫通配線と半導体基板とを絶縁する絶縁膜を、簡便かつ高歩留で形成することを可能にする。
【解決手段】 半導体基板を貫通する貫通配線を有する半導体装置の製造方法において、半導体基板21に形成される非貫通孔25を樹脂27で塞ぐ印刷工程は、レジストパターン24に非貫通孔25の開口部よりも大きいレジスト開口部24aを形成し、レジスト開口部24aをとおして非貫通孔25の開口部の外縁に位置する表面電極23が露出した状態で、非貫通孔25の開口部を孔版印刷によって樹脂27でキャップ状に塞ぐように行われる。このとき、レジストパターン24、表面電極23および樹脂27が、レジストパターン24と未硬化状態にある樹脂27との接触角が、表面電極23と未硬化状態にある樹脂との接触角よりも大きくなるように選択される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造方法および液状材料の塗布方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機などの携帯情報機器に代表される電子機器は、小形化および軽量化が要求されており、この要求に伴って、電子機器に搭載される半導体装置も小形化および高密度化が図られている。半導体装置を小形化および高密度化するために、複数の半導体装置を積層した積層型半導体モジュール構造が提案されている。
【0003】
図11は、積層型半導体モジュール1の主要な構造を例示する断面図である。積層型半導体モジュール1は、複数の半導体装置2a,2b,2cが積み重ねられ、相互にバンプ電極3によって接続されている。貫通配線を構成する導電プラグ4は、側壁絶縁膜5によって半導体基板6a,6b,6cと絶縁されており、半導体基板6a,6b,6cの一方の面に形成される表面電極7、および他方の面に形成される裏面配線8とに接続している。
【0004】
このような積層型半導体モジュール1を構成する半導体装置2a,2b,2cを製造するためのプロセスとして、以下のような方法が提案されている。まず、半導体基板の半導体素子が形成される側の面(以後、主面と呼ぶことがある)に、半導体基板を貫通しない非貫通孔を形成し、該非貫通孔に臨む半導体基板の内壁に絶縁膜を形成する。次に、非貫通孔に導電ペーストを充填し、非貫通孔内部に導体を形成する。その後、半導体基板の主面の反対側の面である裏面を機械研削などにより後退させ、導体を半導体基板裏面側で外方に露出させるという方法である。
【0005】
上記のプロセスにおける非貫通孔に絶縁膜を形成する方法としては、CVD(Chemical Vapor Deposition;化学蒸着法)によりシリコン酸化膜またはシリコン窒化膜を成膜する方法(特許文献1参照)、またポリイミドなどの樹脂を非貫通孔に充填した後、非貫通孔の中央部分の樹脂をレーザなどのドライエッチングによって除去する方法(特許文献2参照)などが提案されている。
【0006】
しかしながら、特許文献1に開示されるCVDによる絶縁膜形成方法は、成膜速度が遅いという問題がある。また特許文献2に開示される非貫通孔に樹脂を充填した後で非貫通孔の中央部分の樹脂を除去する方法は、レーザを用いる場合、非貫通孔の数だけレーザ照射を行う必要があり、RIE(Reactive Ion Etching; 反応性イオンエッチング)を用いる場合、樹脂材料に対して選択比の大きい銅または白金などの金属でエッチングマスクを形成する必要がある。これらの先行技術に開示される方法は、全てコストが高くなるという問題がある。
【0007】
このような課題を解決するため、樹脂材料を非貫通孔に臨む半導体基板の内壁に塗布して絶縁膜を形成する方法が提案されている。図12は、樹脂材料を非貫通孔に臨む半導体基板の内壁に塗布して絶縁膜を形成する方法を説明する図である。
【0008】
半導体基板6には、主面に半導体素子(不図示)が形成され、主面の表面上に設けられる絶縁膜11および表面電極12を貫通し、半導体基板6を貫通しない非貫通孔13が形成される。絶縁膜11および表面電極12が設けられた半導体基板6は、非貫通孔13の部分を除いてレジストパターン14で覆われる。このレジストパターン14は、非貫通孔13を形成するに際してマスクとして用いられたものである。
【0009】
図12(a)では、非貫通孔13が形成された半導体基板6をチャンバ内に入れ、チャンバ内を大気圧よりも減圧した状態で、印刷マスクを用いて樹脂ペースト15を印刷し、非貫通孔13の開口部を、塗布された樹脂ペースト15によってキャップ状に塞ぐ。図12(b)では、チャンバ内の圧力を大気圧に戻す。非貫通孔13の内部が大気圧よりも低い圧力であり、樹脂ペースト15を介した非貫通孔13の外部が大気圧であることによる圧力差を利用し、樹脂ペースト15を非貫通孔13の内部に吸引させる。図12(c)では、樹脂ペースト15が非貫通孔13内に吸引された結果、非貫通孔13に臨む半導体基板6の内壁が樹脂ペースト15で覆われる。この状態で樹脂ペースト15を加熱し硬化させることによって、非貫通孔13に臨む半導体基板6の内壁が絶縁膜で被覆される。
【0010】
図12に示す従来技術の絶縁膜の形成方法には、以下のような問題がある。図13および図14は、従来技術の絶縁膜の形成方法における問題点を説明する図である。
【0011】
図13(a)では、レジストパターン14と樹脂ペースト15との濡れ性が悪いために、樹脂ペースト15がレジストパターン14からはじかれる結果となり、非貫通孔13の開口部13a近傍を樹脂ペースト15で覆いきれない状態を示す。図13(b)では、印刷時に不図示の印刷マスクと非貫通孔13との位置がずれたために、非貫通孔13の開口部13aを樹脂ペースト15でキャップ状に塞ぐことができない状態を示す。
【0012】
図14は、逆に、樹脂ペースト15がレジストパターン14によく濡れたために、非貫通孔13の開口部13aをキャップ状に塞ぐ樹脂ペースト15の厚みが薄くなり、樹脂ペースト15が非貫通孔13の底部に達する前に、樹脂ペースト15の一部15aが切れてしまう状態を示す。その結果、樹脂ペースト15が、非貫通孔13の底部にまで吸引され得ず、非貫通孔13に臨む半導体基板6の内壁の一部を覆うにとどまってしまう。
【0013】
【特許文献1】特許第3537447号公報
【特許文献2】特許第2847890号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
本発明の目的は、貫通配線と半導体基板とを絶縁する絶縁膜を、簡便かつ高歩留で形成することができる半導体装置の製造方法を提供することである。
【0015】
また本発明のもう一つの目的は、半導体装置の製造方法に好適に用いられる液状材料の塗布方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、半導体基板を貫通する貫通配線を有する半導体装置の製造方法において、
半導体基板の一方の面であって、半導体素子と第1の層と第1の層に対する下層として形成される第2の層とが形成された面の側から半導体基板に非貫通孔を形成する非貫通孔形成工程と、
大気圧よりも低い内部圧力を有するチャンバ内に載置される半導体基板の非貫通孔の開口部を、孔版印刷によって樹脂でキャップ状に塞ぐ印刷工程と、
チャンバの内部圧力を印刷工程よりも高くし、非貫通孔の開口部をキャップ状に塞ぐ樹脂を非貫通孔の内部に吸引し、非貫通孔に臨む半導体基板の内壁に樹脂を塗布する内壁塗布工程と、
樹脂を硬化して絶縁膜を形成する樹脂硬化工程と、
絶縁膜が形成された非貫通孔に導体を充填する導体充填工程と、
半導体基板の非貫通孔が形成された面と反対側の面を、導体が外方に露出するまで後退させる貫通配線形成工程とを含み、
前記印刷工程は、
第1の層に非貫通孔の開口部よりも大きい開口部を形成し、第1の層の開口部をとおして非貫通孔の開口部および非貫通孔の開口部の外縁に位置する第2の層が外方に露出した状態で、非貫通孔の開口部を孔版印刷によって樹脂でキャップ状に塞ぐように行われ、
第1の層と未硬化状態にある樹脂との接触角が、第2の層と未硬化状態にある樹脂との接触角よりも大きいことを特徴とする半導体装置の製造方法である。
【0017】
また本発明は、第1の層と未硬化の状態にある樹脂との接触角が50°以上90°未満であり、
第2の層と未硬化の状態にある樹脂との接触角が50°未満であることを特徴とする。
【0018】
また本発明は、非貫通孔形成工程は、
半導体基板上に形成された第2の層の上にフォトレジストによって第1の層を形成する工程と、第1の層と第2の層とをマスクとして半導体基板をエッチングする工程とを含むことを特徴とする。
【0019】
また本発明は、非貫通孔形成工程は、フッ化物を含むガスを用いて半導体基板をエッチングすることによって行われ、
第2の層は、Al、Cr、Au、Fe、InおよびNiからなる群より選択される1または2以上の元素を含有する合金層を含むことを特徴とする。
また本発明は、第2の層は、表面電極であることを特徴とする。
【0020】
また本発明は、前記印刷工程におけるチャンバの内部圧力が、
1.0kPa以上5.0kPa以下であることを特徴とする。
【0021】
また本発明は、第1の層と第1の層に対する下層として形成される第2の層とを有する基板に形成される非貫通孔に臨む基板の内壁に液状材料を塗布する液状材料塗布方法において、
大気圧よりも低い内部圧力を有するチャンバ内に載置される基板の非貫通孔の開口部を、孔版印刷によって液状材料でキャップ状に塞ぐ印刷工程と、
チャンバ内の内部圧力を印刷工程よりも高くし、非貫通孔の開口部をキャップ状に塞ぐ液状材料を非貫通孔の内部に吸引し、非貫通孔に臨む基板の内壁に液状材料を塗布する内壁塗布工程と、
液状材料を硬化する液状材料硬化工程とを含み、
前記印刷工程は、
第1の層に非貫通孔の開口部よりも大きい開口部を形成し、第1の層の開口部をとおして非貫通孔の開口部および非貫通孔の開口部の外縁に位置する第2の層が外方に露出した状態で、非貫通孔の開口部を孔版印刷によって液状材料でキャップ状に塞ぐように行われ、
第1の層と液状材料との接触角が、第2の層と液状材料との接触角よりも大きいことを特徴とする液状材料塗布方法である。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、樹脂と濡れ性の悪い第1の層を用いて半導体基板上を被覆し、第1の層の開口部の内方には樹脂と濡れ性の良い第2の層を露出させ、さらに第1の層の開口部の略中央部に非貫通孔が形成されるようにして、孔版印刷によって樹脂で非貫通孔の開口部をキャップ状に塞ぐ。このことによって、大気圧よりも減圧されたチャンバ内で、非貫通孔の開口部とその周囲に樹脂を印刷すると、第1の層と樹脂との濡れ性の悪さを利用して、非貫通孔の開口部を閉塞する樹脂のキャップを厚く形成することができる。また、チャンバ内の圧力を大気圧に戻して非貫通孔の内部に樹脂を吸引する際に、樹脂と第1の層との濡れ性は悪いので、第1の層上の樹脂のほとんどが非貫通孔側に引き寄せられる。また、樹脂と第2の層との濡れ性が良いので、樹脂によって形成されたキャップが破れることなく、非貫通孔の底部まで樹脂を充分に吸引させ、第2の層の表面と非貫通孔に臨む半導体基板の内壁(以後、便宜上非貫通孔の内壁と呼ぶことがある)との全体に樹脂を充分に塗布することができる。したがって、低コストで高い歩留を有するプロセスによって、貫通配線を有する半導体装置、該装置を組合わせた積層型半導体モジュールを実現することができる。
【0023】
また本発明によれば、非貫通孔形成工程が、半導体基板上に形成された第2の層の上にフォトレジストによって第1の層を形成し、第1の層と第2の層とをマスクとして半導体基板をエッチングすることによって行われるので、簡便かつ高精度で非貫通孔を形成することが可能である。
【0024】
また本発明によれば、非貫通孔形成工程が、フッ化物を含むガスを用いて半導体基板をエッチングすることによって行われ、第2の層が、Al、Cr、Au、Fe、InおよびNiからなる群より選択される1または2以上の元素を含有する合金層を含む。このとこによって、第2の層がエッチングガスで加工されることがないので、高い孔径精度で非貫通孔をエッチング形成することができるとともに、第1の層の開口部内方で露出する第2の層が樹脂と接触する領域を減少させることなく保たれる。
【0025】
また本発明によれば、第2の層が表面電極を構成するので、非貫通孔に樹脂を充填する場合に樹脂を保持するための層と、半導体基板表面における導通のための電極層とを、個別に形成しなくても良くなり、生産効率の向上に寄与することができる。
【0026】
また本発明によれば、印刷工程におけるチャンバの内部圧力が、1.0kPa以上5.0kPa以下に設定されるので、樹脂を非貫通孔に吸引するとき、第1の層に樹脂が残存することなく、かつ非貫通孔の底部に間隙を残すことなく樹脂を充填することができる。
【0027】
また本発明によれば、非貫通孔の内壁に絶縁膜を形成することに好適に用いることのできる液状材料塗布方法が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
本発明は、半導体基板を貫通する貫通配線を有する半導体装置の製造方法において、半導体基板の一方の面であって半導体素子が形成され第1の層と第1の層に対する下層として形成される第2の層とが積層された面の側から非貫通孔を形成する非貫通孔形成工程と、大気圧よりも低い内部圧力を有するチャンバ内に載置される半導体基板の非貫通孔の開口部を、孔版印刷によって樹脂でキャップ状に塞ぐ印刷工程と、チャンバの内部圧力を印刷工程よりも高くし、非貫通孔の開口部をキャップ状に塞ぐ樹脂を非貫通孔の内部に吸引し、非貫通孔に臨む半導体基板の内壁に樹脂を塗布する内壁塗布工程と、樹脂を硬化して絶縁膜を形成する樹脂硬化工程と、絶縁膜が形成された非貫通孔に導体を充填する導体充填工程と、半導体基板の非貫通孔が形成された面と反対側の面を、導体が外方に露出するまで後退させる貫通配線形成工程とを含み、前記印刷工程は、第1の層に非貫通孔の開口部よりも大きい開口部を形成し、第1の層の開口部をとおして非貫通孔の開口部および非貫通孔の開口部の外縁に位置する第2の層が外方に露出した状態で、非貫通孔の開口部を孔版印刷によって樹脂でキャップ状に塞ぐように行われ、第1の層と未硬化状態にある樹脂との接触角が、第2の層と未硬化状態にある樹脂との接触角よりも大きいことを特徴とする半導体装置の製造方法である。
【0029】
以下、図に基づいて上記の本発明の半導体装置の製造方法について説明する。図1は、半導体装置20の基礎的部分の構成を示す切断端面図である。基礎的部分において半導体装置20は、半導体基板21と、半導体基板21の主面である一方の表面上に形成される表面絶縁膜22と、表面絶縁膜22の上に形成される第2の層である表面電極23とを含む。
【0030】
半導体基板21は、たとえば単結晶ケイ素であり、特にその面方位は限定されるものではない。この半導体基板21の主面には図示しない半導体素子が作りこまれ、半導体回路が形成されている。表面絶縁膜22は、たとえば二酸化ケイ素で構成され、半導体基板21および半導体基板21に形成される半導体回路と、表面電極23とを絶縁するために形成される。表面絶縁膜22は、表面電極23の端部、また表面電極23に繋がる配線部(図示せず)上を保護するようにして形成されている場合もあるが、説明および図示を省略する。
【0031】
第2の層である表面電極23は、半導体回路と外部装置との接続端子として設けられる。表面電極23は、単層膜または多層膜のいずれであってもよい。ただし、単層である場合には該層が、また多層である場合には少なくとも1つの層が、Al、Cr、Au、Fe、InおよびNiからなる群より選択される1または2以上の元素を含有する合金層であることが好ましく、特にAlを含む合金層であることが好ましい。Alを含む合金層は、電気伝導性に優れるとともに比較的簡単にスパッタ成膜することができ、また後述するように、単結晶ケイ素のドライエッチングで用いるラジカルによってエッチングされないので、表面電極23を構成する層として最も望ましい。
【0032】
本発明の方法で製造される半導体装置20において、表面電極23の構成について例示すると、表面絶縁膜22の側から外方へ向かって、Ti、TiN、AlCu合金、TiNの4層多層膜を有する。このような表面電極23の大きさは、たとえば一辺が115μmの正方形である。
【0033】
以下、本発明による半導体装置20の製造方法を説明する。半導体装置の製造に用いられる半導体基板の形態は、一般には、デバイスチップ複数個から成る半導体ウエハであるけれども、特に限定されることなく、半導体ウエハを個片化したチップ形態であってもよい。本実施態様においては、上記の両者を特に区別することなく、半導体基板と称することにする。
【0034】
図2は、半導体基板21にレジストパターン24を形成した状態を示す図である。表面絶縁膜22および表面電極23が形成された半導体基板21に、フォトレジスト液を塗布して露光現像を行い、ハードベークを行うことによって、非貫通孔の形成位置に対応する位置にレジスト開口部24aを有するレジストパターン24を得る。このレジストパターン24が、第1の層を構成する。レジストパターン24を形成するためのフォトレジスト液には、一般的なポジ型レジストを用いることができ、ポジ型レジストとしてはたとえばノボラック・ジアゾナフトキノン系のものが挙げられる。フォトレジスト液は、半導体基板21にスピンコート法を用いて塗布される。スピンコート法で塗布されて形成されるレジストパターン24は、たとえば8μm程度の厚みを有する。レジスト開口部24aは、たとえば直径75μmφの円形に形成される。
【0035】
レジストパターン24のレジスト開口部24aに臨む周縁部分は、曲率を有するように、またはテーパを有するように形成される。このような形状は、露光し現像した後のレジストに対して、追加の熱処理を行い、いわゆるレジストリフロー処理を施すことによって実現される。または、露光時に直進光ではなく若干の拡散光とすることによって、フォトレジスト液の深さ方向の露光量を異ならせることによって、現像後においてテーパ形状とすることができる。
【0036】
レジストパターン24を形成後、表面電極23のエッチングを行う。図3は、表面電極23をエッチングした後の状態を示す図である。レジストパターン24のレジスト開口部24aを介して露出する部分の表面電極23が、ウエットエッチングによって除去される。AlCu合金膜の除去には、一般的なリン酸、酢酸、硝酸の混合水溶液を用いることができる。Ti膜およびTiN膜の除去には、一般的な過酸化水素とフッ酸との混合液を用いることができる。なおTiN膜の除去については、NaOH、H、ならびに有機化合物の混合水溶液を用いてもよい。また、表面電極23のエッチングは、上記のウエットエッチングに限定されることなく、ドライエッチングの手法を用いることも可能である。
【0037】
表面電極23を除去した後、表面絶縁膜22の除去を行う。図4は、表面絶縁膜22を除去して半導体基板21を露出させた状態を示す図である。表面絶縁膜22の除去は、ドライエッチングまたはウエットエッチングなど公知の手法で実現することができる。たとえばフッ酸緩衝溶液を用いたウエットエッチングなどが好適に用いられる。表面絶縁膜22の除去によって、レジスト開口部24aをとおして半導体基板21が露出される。
【0038】
次に半導体基板21に非貫通孔25を形成する非貫通孔形成工程が行われる。図5は、半導体基板21に非貫通孔25を形成した状態を示す図である。半導体基板21に対する非貫通孔25の形成は、反応性イオンエッチング法などのドライエッチング法で行うことができる。反応性イオンエッチングに用いるエッチングガスとしては、フッ化物を含むガスを用いることが好ましい。フッ化物を含むガスとしては、たとえば六フッ化硫黄(分子式:SF)と酸素(分子式:O)との混合ガスが好適に用いられる。またSFとOとの混合ガスにアルゴン(分子式:Ar)を混合したものを用いてもよい。
【0039】
半導体基板21に形成される非貫通孔25の深さDeを例示すると、たとえば150μmである。このとき、レジストパターン24は、プラズマによるダメージによって膜厚が減少するとともに、曲率を有する形状またはテーパ形状の一部が失われて、レジスト開口部24aに臨む周縁部が後退し、レジスト開口部24aの直径が拡大して約95μmの円形となった。
【0040】
しかしながら、表面電極23は、Alを含む合金層であるため、SFを含んだガスを用いたドライエッチングによって侵されることがなく、その表面電極開口部23aは直径75μmの円形のままであった。
【0041】
したがって、第1の層であるレジストパターン24に表面電極開口部23aの直径よりも大きい直径を有するレジスト開口部24aを形成し、レジスト開口部24aをとおして、非貫通孔25の開口部および非貫通孔25の開口部の外縁に位置する第2の層である表面電極23が外方に露出した状態になる。本実施態様について例示すれば、レジスト開口部24aの直径が95μmであり、表面電極開口部23aの直径が75μmであるので、露出した状態の表面電極23の領域幅Aが、10μm[=(95−75)/2]となる。表面電極23を構成する合金層としては、Alを含む合金層以外にも、たとえばCr、Au、Fe、In、Niなどを含む合金層であってもよく、これらの合金層はAlを含む合金層と同様の効果を得ることができる。
【0042】
次に、大気圧よりも低い内部圧力を有するチャンバ内に載置される半導体基板21の非貫通孔25の開口部を、孔版印刷によって樹脂27でキャップ状に塞ぐ印刷工程が行われる。
【0043】
図6は、印刷工程の概要を説明する図である。印刷工程では、まず不図示のチャンバ内に設けられる印刷用ステージ上に半導体基板21を固定し、非貫通孔25の中心が、印刷マスク26のマスク開口部26aの中心と略一致するように、印刷マスク26と印刷用ステージとの位置を調整する。印刷マスク26は、たとえば厚さ60μmのステンレス鋼製であり、テープとスクリーンとを介して、ステンレス鋼の版枠に取り付けられた構造であるため、弾性変形が可能である。印刷マスク26のマスク開口部26aは、印刷マスク26を厚さ方向に貫通して円錐台形状に形成され、半導体基板21を臨む側の直径が85μm、その反対側の直径が75μmである。
【0044】
なお、印刷マスクは、上記のようなステンレス鋼からなるメタルマスクに限定されることなく、スクリーンマスクであっても良い。
【0045】
次に、印刷マスク26と半導体基板21上のレジストパターン24とが接触せず、100〜200μmのクリアランスが得られるように、印刷用ステージの高さを調整する。樹脂27の印刷はチャンバ内で行われ、このときのチャンバ内の圧力は、大気圧(約100kPa)よりも低い1.0kPa以上、5.0kPa以下であることが好ましい。この圧力の範囲限定理由については後述する。
【0046】
印刷にはペースト状の樹脂27が用いられる。樹脂27は、たとえば芳香族アミン系硬化剤または酸無水物硬化剤を添加したビスフェノールA型樹脂などのエポキシ系樹脂であり、平均粒径が約5μmの二酸化ケイ素がフィラとして含まれる。
【0047】
樹脂27は、スキージ28を用いて、印刷マスク26上に供給される。このとき、スキージ28による押圧力を利用して印刷マスク26が半導体基板21に向かって下降されるので、印刷マスク26が半導体基板21上のレジストパターン24に接触し、図6(a)に示すように、非貫通孔25の開口部とその周囲に樹脂27が印刷される。
【0048】
印刷マスク26は、前述のように弾性変形することができるので、スキージ28が通過すると、図6(b)に示すように印刷マスク26が、上昇して半導体基板21から離反する。樹脂27の印刷が終了すると、印刷用ステージを下降させる。このとき、樹脂27は、図6(c)に示すように、表面張力の作用によって非貫通孔25の開口部に残留し、開口部をキャップ状に閉塞する。
【0049】
上記のように、樹脂27の印刷工程は、第1の層であるレジストパターン24に非貫通孔25の開口部よりも大きいレジスト開口部24aを形成し、レジスト開口部24aをとおして非貫通孔25の開口部および非貫通孔25の開口部の外縁に位置する第2の層である表面電極23が外方に露出した状態、すなわち本実施態様では、表面電極23が、10μmの幅を有する円環状の領域を露出させた状態で、非貫通孔25の開口部を孔版印刷によって樹脂27でキャップ状に塞ぐように行われる。
【0050】
このとき、第1の層であるレジストパターン24と樹脂27との関係、また第2の層である表面電極23と樹脂27との関係が、以下の関係を満足するように、それぞれが選択される。レジストパターン24と未硬化状態にある樹脂27との接触角が、表面電極23と未硬化状態にある樹脂27との接触角よりも大きくなるように、好ましくはレジストパターン24と未硬化の状態にある樹脂27との接触角が50°以上90°未満であり、かつ表面電極23と未硬化の状態にある樹脂27との接触角が50°未満であるように選択される。このことは、レジストパターン24に対して樹脂27が濡れにくく、表面電極23に対して樹脂27が濡れやすいことを意味する。
【0051】
本実施態様において用いたレジストパターン24および表面電極23(AlCu合金層)と、未硬化状態の樹脂27との接触角を測定した結果を、表1に例示する。表1には、半導体基板21と未硬化状態の樹脂27との接触角についても例示する。表1に例示する接触角は、レジストパターン24、表面電極23および半導体基板21を構成する材料をそれぞれ平板状に形成した試片とし、大気圧中、室温下(25℃)で、該試片の表面に対して予め定める量の未硬化の樹脂を滴下し、側面から樹脂の形状を観察して測定したデータである。
【0052】
表1に示すような物性を持つ材料を、レジストパターン24、表面電極23、半導体基板21および樹脂27としてそれぞれ選択することによって、非貫通孔25の開口部とその周辺に印刷される樹脂27は、非貫通孔25の内壁および表面電極23には濡れ広がりやすく、レジストパターン24上には濡れ広がりにくくなるので、非貫通孔25の開口部を中心に厚いキャップを形成することが可能になる。
【0053】
【表1】

【0054】
次に、印刷工程実行時におけるチャンバ内の圧力範囲限定理由について説明する。チャンバ内の圧力を0.5kPa〜10.0kPaまで変化させて印刷した樹脂27を、チャンバ内圧力を大気圧に戻して非貫通孔25内へ吸引し、さらに硬化させた後の状態を調べた結果を表2に示す。
【0055】
チャンバ内の圧力を0.5kPaにして樹脂27を印刷すると、チャンバ内の圧力を大気圧に戻して樹脂27を非貫通孔25の内部に吸引させる際、樹脂27に含まれるフィラはレジストパターン24上に残らないけれども、エポキシ成分はレジストパターン24上に残るので、後の工程でレジストパターン24を剥離することができなかった。チャンバ内の圧力を10.0kPaにして樹脂27を印刷すると、樹脂27を硬化させて形成した絶縁膜と非貫通孔25の底部との間に高さが5〜10μmの空間が残存し、後の工程で導電ペーストを充填する空隙の容積が不足した。印刷時のチャンバ内の圧力を1.0kPa〜5.0kPaに設定した場合、後工程におけるレジストパターン24剥離の不具合および導電ペースト充填容積不足の問題が全く生じなかった。このことから、樹脂27の印刷工程におけるチャンバ内の圧力は、1.0〜5.0kPaが望ましい。
【0056】
【表2】

【0057】
印刷工程の後、チャンバの内部圧力を印刷工程よりも高くし、非貫通孔25の開口部をキャップ状に塞ぐ樹脂27を非貫通孔25の内部に吸引し、非貫通孔25の内壁に樹脂27を塗布する内壁塗布工程が行われる。図7は、内壁塗布工程の概要を説明する図である。
【0058】
図7(a)では、チャンバ内の圧力を大気圧に徐々に戻し、樹脂27によって閉塞された非貫通孔25の内部の空間の圧力が、チャンバ内の圧力よりも小さくなる圧力差を利用し、樹脂27を非貫通孔25の底部に向かって吸引する。図7(b)では、樹脂27が非貫通孔25の内部へ吸引されることによって、非貫通孔25の内壁全体に樹脂27が塗布される。
【0059】
樹脂27が非貫通孔25の底部へ吸引される際、樹脂27に対する濡れの良い表面電極23が非貫通孔25の開口部近傍に存在するので、樹脂27に対する濡れ性に乏しいレジストパターン24にはじかれた樹脂27が表面電極23に濡れることができる。またレジストパターン24の樹脂27に対する濡れ性を乏しくし、表面電極23の樹脂27に対する濡れ性を良くすることによって、樹脂27を非貫通孔25の底部に向かって吸引する際、レジストパターン24上にわずかに付着していた樹脂27の大部分が非貫通孔25に向かって吸引され、表面電極23上に付着した樹脂27がアンカーとなるので、非貫通孔25開口部に近い内壁部分を露出することなく非貫通孔25の内壁全体を覆うことができる。
【0060】
また、印刷マスク26のマスク開口部26aの中心と、非貫通孔25の開口部の中心との位置がずれた場合であっても、樹脂27が表面電極23上に濡れ広がりやすく、レジストパターン24上に濡れ広がりにくいので、供給された樹脂27がレジストパターン24上から表面電極23側に戻るようになり、非貫通孔25の開口部を樹脂27で確実に閉塞することができる。
【0061】
なお、表1に示す各対象物と未硬化の樹脂27との接触角を、確実に発現させるために、非貫通孔25を形成するドライエッチングの後、ドライエッチング中に発生した反応生成物を除去するクリーニング工程を設けることが望ましい。
【0062】
図7(c)では、非貫通孔25の内壁全体に樹脂27が塗布された状態を上面図で示す。レジストパターン24は樹脂27に対する濡れ性が乏しいので、レジストパターン24上に樹脂27がほとんど残存しないけれども、レジストパターン24のレジスト開口部24aの内方で露出していた表面電極23は、樹脂27との濡れ性が良いので、その全体に樹脂27が塗布され、非貫通孔25の内部には、導電ペーストを充填する充分な容積の空隙29が形成される。
【0063】
ところで、レジストパターン24のレジスト開口部24aの内方で露出している表面電極23の領域幅Aが小さい場合、樹脂27が濡れる対象が小さいので、非貫通孔の開口部の周辺に印刷される樹脂27の量が少なくなり、非貫通孔の開口部を閉塞することができなくなる。
【0064】
また、領域幅Aが大きい場合、樹脂27の大半がレジストパターン24のレジスト開口部24aの内方で露出している表面電極23上に印刷され、非貫通孔25の開口部をキャップ状に閉塞する樹脂27の厚さが薄くなるので、チャンバ内の圧力を大気圧に戻して樹脂27が非貫通孔25の内部に吸引されるとき、樹脂27によって形成されたキャップが破れ、非貫通孔25の底まで樹脂27が達しないという問題が生じる。
【0065】
非貫通孔形成工程におけるドライエッチングプロセスの時間を変更することによって、領域幅Aを変えて非貫通孔25を形成したサンプルを用いて、非貫通孔25の内壁に樹脂27を塗布する工程を行い、樹脂27が非貫通孔25の底まで塗布できる確率すなわち歩留を調べた。図8は、領域幅Aと歩留との関係を示す図である。領域幅Aが10〜15μmの場合、99.5%以上の歩留で樹脂27を非貫通孔25に塗布することができるけれども、領域幅Aが10μm未満または15μmを超えると歩留が低下することを確認した。
【0066】
したがって、表1に示した表面電極23の材料を用いて、たとえば直径75μmの円形の開口部を有する非貫通孔25の開口部周辺に樹脂27を印刷する場合、レジスト開口部24aと表面電極23の表面電極開口部23aとによって形成される前記領域幅Aが、10μm以上15μm以下となるように、レジストパターン24の厚さと非貫通孔25の深さDeとを調整することが望ましい。
【0067】
また、前記領域幅Aを所望の値に広げることが難しい場合、表面電極23を形成する際に予め直径75μmの表面電極開口部23aをパターニングしておき、現像直後のレジストパターン24のレジスト開口部24aの直径を75μm超えとすることによって、前記領域幅Aが所望の値になるように制御しても良い。
【0068】
内壁塗布工程の後、加熱によって樹脂27を硬化させて絶縁膜を形成する樹脂硬化工程が行われる。樹脂硬化工程においては、非貫通孔25の内壁に樹脂27が塗布された半導体基板21を、160℃に加熱したオーブンに投入し、1時間加熱して樹脂27を硬化させ、絶縁膜が形成される。
【0069】
樹脂硬化工程の後、絶縁膜が形成された非貫通孔25に導体を充填する導体充填工程が行われる。図9は、導体充填工程の概要を説明する図である。
【0070】
図9(a)では、非貫通孔25の内壁が樹脂27の硬化した絶縁膜27aによって被覆されている状態を示す。図9(b)では、導電プラグ形成を行うために、非貫通孔25内部の空隙29へ導体30を充填する。導体30としては、たとえば数μmから十数μm程度の粒径を有するAg粒子を含有するAgペーストが用いられる。Agペーストを非貫通孔25内部の空隙29へ印刷供給し、160℃程度の温度で加熱硬化を行うことによって導電プラグ30aを形成した。
【0071】
図10は、キャップ金属層31が形成された状態を示す図である。導電プラグ30aを形成した後、レジストパターン24を剥離し、キャップ金属層31を形成し、さらにパターニングを実施する。これらは、公知の手法により実現することができる。たとえば、市販のレジスト剥離液を用いてレジストパターン24の剥離を行った後、スパッタ法を用いて、Alなどの金属層を付着させ、さらにレジストを形成してウエットエッチング法で必要箇所以外の金属層を除去し、次いでレジストを除去することによって、キャップ金属層31とした。
【0072】
このキャップ金属層31まで形成された半導体基板21の裏面を、導電プラグ30aが外方に露出するまで後退させる貫通配線形成工程を行う。この貫通配線形成工程は、公知の方法を用いて実行することができ、その概要を説明する図を省略する。貫通配線形成工程では、ビア深さ(=非貫通孔25の深さ)が150μm程度であるので、裏面研削によって半導体基板21の厚さを100μm程度にした。貫通配線形成工程を行った後、裏面絶縁膜形成、裏面配線形成、裏面バンプ電極形成などの裏面工程を実施して前述の図11に示すのと同様の半導体装置を得る。
【0073】
得られた半導体装置を積層接続して積層型半導体モジュールを得る。この積層半導体モジュールは、100μm程度にまで薄くした半導体基板を有する半導体装置が複数個積層されたものであるので、電子機器回路モジュールの省スペース化に大きく寄与できる。ひいては、その電子機器回路モジュールを搭載した電子機器、たとえば携帯情報機器の性能向上に大きく寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】半導体装置20の基礎的部分の構成を示す切断端面図である。
【図2】半導体基板21にレジストパターン24を形成した状態を示す図である。
【図3】表面電極23をエッチングした後の状態を示す図である。
【図4】表面絶縁膜22を除去して半導体基板21を露出させた状態を示す図である。
【図5】半導体基板21に非貫通孔25を形成した状態を示す図である。
【図6】印刷工程の概要を説明する図である。
【図7】内壁塗布工程の概要を説明する図である。
【図8】領域幅Aと歩留との関係を示す図である。
【図9】導体充填工程の概要を説明する図である。
【図10】キャップ金属層31が形成された状態を示す図である。
【図11】積層型半導体モジュール20の主要な構造を例示する断面図である。
【図12】樹脂材料を非貫通孔に臨む半導体基板の内壁に塗布して絶縁膜を形成する方法を説明する図である。
【図13】従来技術の絶縁膜の形成方法における問題点を説明する図である。
【図14】従来技術の絶縁膜の形成方法における問題点を説明する図である。
【符号の説明】
【0075】
20 半導体装置
21 半導体基板
22 表面絶縁膜
23 表面電極
24 レジストパターン
25 非貫通孔
26 印刷マスク
27 樹脂

【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板を貫通する貫通配線を有する半導体装置の製造方法において、
半導体基板の一方の面であって、半導体素子と第1の層と第1の層に対する下層として形成される第2の層とが形成された面の側から半導体基板に非貫通孔を形成する非貫通孔形成工程と、
大気圧よりも低い内部圧力を有するチャンバ内に載置される半導体基板の非貫通孔の開口部を、孔版印刷によって樹脂でキャップ状に塞ぐ印刷工程と、
チャンバの内部圧力を印刷工程よりも高くし、非貫通孔の開口部をキャップ状に塞ぐ樹脂を非貫通孔の内部に吸引し、非貫通孔に臨む半導体基板の内壁に樹脂を塗布する内壁塗布工程と、
樹脂を硬化し絶縁膜を形成する樹脂硬化工程と、
絶縁膜が形成された非貫通孔に導体を充填する導体充填工程と、
半導体基板の非貫通孔が形成された面と反対側の面を、導体が外方に露出するまで後退させる貫通配線形成工程とを含み、
前記印刷工程は、
第1の層に非貫通孔の開口部よりも大きい開口部を形成し、第1の層の開口部をとおして非貫通孔の開口部および非貫通孔の開口部の外縁に位置する第2の層が外方に露出した状態で、非貫通孔の開口部を孔版印刷によって樹脂でキャップ状に塞ぐように行われ、
第1の層と未硬化状態にある樹脂との接触角が、第2の層と未硬化状態にある樹脂との接触角よりも大きいことを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
第1の層と未硬化の状態にある樹脂との接触角が50°以上90°未満であり、
第2の層と未硬化の状態にある樹脂との接触角が50°未満であることを特徴とする請求項1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項3】
非貫通孔形成工程は、
半導体基板上に形成された第2の層の上にフォトレジストによって第1の層を形成する工程と、
第1の層と第2の層とをマスクとして半導体基板をエッチングする工程とを含むことを特徴とする請求項1または2記載の半導体装置の製造方法。
【請求項4】
非貫通孔形成工程は、フッ化物を含むガスを用いて半導体基板をエッチングすることによって行われ、
第2の層は、Al、Cr、Au、Fe、InおよびNiからなる群より選択される1または2以上の元素を含有する合金層を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
第2の層は、表面電極であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項6】
前記印刷工程におけるチャンバの内部圧力が、
1.0kPa以上5.0kPa以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の半導体装置の製造方法。
【請求項7】
第1の層と第1の層に対する下層として形成される第2の層とを有する基板に形成される非貫通孔に臨む基板の内壁に液状材料を塗布する液状材料塗布方法において、
大気圧よりも低い内部圧力を有するチャンバ内に載置される基板の非貫通孔の開口部を、孔版印刷によって液状材料でキャップ状に塞ぐ印刷工程と、
チャンバ内の内部圧力を印刷工程よりも高くし、非貫通孔の開口部をキャップ状に塞ぐ液状材料を非貫通孔の内部に吸引し、非貫通孔に臨む基板の内壁に液状材料を塗布する内壁塗布工程と、
液状材料を硬化する液状材料硬化工程とを含み、
前記印刷工程は、
第1の層に非貫通孔の開口部よりも大きい開口部を形成し、第1の層の開口部をとおして非貫通孔の開口部および非貫通孔の開口部の外縁に位置する第2の層が外方に露出した状態で、非貫通孔の開口部を孔版印刷によって液状材料でキャップ状に塞ぐように行われ、
第1の層と液状材料との接触角が、第2の層と液状材料との接触角よりも大きいことを特徴とする液状材料塗布方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−147870(P2006−147870A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−336276(P2004−336276)
【出願日】平成16年11月19日(2004.11.19)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】