説明

半導体装置の製造方法

【課題】虚報の異常検知報告を大幅に削減することにより、異常報告内容の確認時間を短縮する。
【解決手段】半導体製造装置2による半導体ウエハの処理が開始すると、異常検知処理部6は、半導体ウエハの処理時における薬液流量平均値、薬液流量最大値、薬液流量最小値、および装置ログ情報を製造管理システム4から取得し、該半導体製造装置2の薬液流量平均値に異常があるか否かを判定する。薬液流量平均値が正常と判定されると、異常検知処理部6は、薬液流量の最大値、および最小値に異常があるか否かをそれぞれ判定する。薬液流量最大値に異常があると判定した場合、異常検知処理部6は、データベース部5bから、メールアドレスなどの連絡先を検索し、検知結果として、正常と判定された薬液流量平均値、および異常と判定された薬液流量最大値を電子メールなどによって送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置の製造技術に関し、特に、製造装置の異常をリアルタイムで監視し、製造装置の異常に伴った半導体装置の製造不良の防止に有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置の製造工程においては、製造不良を防止するために、たとえば、異常検知システムなどの品質管理を行う管理システムが広く用いられている。
【0003】
異常検知システムは、圧力や雰囲気温度などの半導体製造装置の各種情報を取得し、それら半導体製造装置から取得した情報が、予め設定されたしきい値以上、または以下となった場合に、半導体製造装置に異常があると判断し、該当する半導体製造装置の処理停止、ならびに処理されたロットの流動を停止させることによって、不良の作り込みを防止するシステムである。
【0004】
この種の半導体装置の製造管理技術においては、たとえば、装置パラメータの種類を絞り込むことなく取得し、膨大な装置アラームの中からトラブルと有意な関係にある装置アラームを抽出し、抽出した装置アラームとトラブル発生との関係を示すトレンドチャートを生成してユーザ端末に提示することにより、トラブル発生の原因となる装置アラームを正確かつ簡易に抽出し、製造装置のトラブル復旧を効率的に行うものがある(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2010−87459号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、上記のような半導体装置製造における品質管理技術では、次のような問題点があることが本発明者により見い出された。
【0007】
近年、半導体装置の製造においては、製造装置台数の増加や製品の多様化があり、異常検知設定数は増加の一途を辿っており、それに伴い、エンジニアには、膨大な数の異常検知報告が日ごとに報告されている。
【0008】
一方、製造装置個々がもつ特有の制御パラメータは、製造装置の消耗品交換やメンテナンスで異常検知設定時から変動するため、正常に処理されているが異常値として報告される虚報が増加している。
【0009】
エンジニアは、虚報が含まれている異常検知報告の中から、虚報でない異常検知報告を判別しなければならず、その判別作業に膨大な時間を費やさなければならず、実際に異常のある製造装置への対処が遅れてしまったり、異常のある製造装置を見逃してしまう恐れが生じてしまい、不良流出の危険性が大きくなってしまうという問題がある。
【0010】
本発明の目的は、虚報の異常検知報告を大幅に削減することにより、異常報告内容の確認時間を短縮することのできる技術を提供することにある。
【0011】
本発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴については、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
【0013】
本発明は、コンピュータシステムにより、半導体製造装置による半導体ウエハ加工処理における異常を検知する処理を含む半導体装置の製造方法であって、該半導体製造装置における半導体ウエハ加工時の第1の処理パラメータにおける平均値が正常であるか否かを判定する第1のステップと、半導体製造装置における半導体ウエハ加工時の第1の処理パラメータにおける最大値、または最小値が異常である否かを判定する第2のステップと、第1のステップにおいて平均値が異常と判定された場合、または第2のステップにおいて最大値、または最小値のいずれかが異常と判定された場合に、異常報告を出力する第3のステップとを有し、第2のステップは、第1のステップにおいて平均値が異常と判定されると第1の処理パラメータにおける最大値、または最小値が異常である否かの判定を実施せず、第3のステップは、第1のステップにおいて第1の処理パラメータにおける平均値が異常と判定された際に、異常と判定された第1の処理パラメータの平均値、および半導体製造装置の装置イベントのデータを出力し、第1のステップにおいて第1の処理パラメータにおける平均値が正常と判定され、第2のステップにおいて第1の処理パラメータにおける最大値が異常と判定された際に、異常と判定された第1の処理パラメータの最大値、および半導体製造装置の装置イベントのデータを出力し、第1のステップにおいて第1の処理パラメータにおける平均値が正常と判定され、第2のステップにおいて第1の処理パラメータにおける最小値が異常と判定された際に、異常と判定された第1の処理パラメータの最小値、および半導体製造装置の装置イベントのデータを出力するものである。
【0014】
また、本発明は、第1の処理パラメータが、半導体ウエハを洗浄するウエハ洗浄装置に用いられる薬液流量よりなるものである。
【0015】
さらに、本発明は、第1の処理パラメータが、半導体ウエハを熱処理するアニール装置における半導体ウエハ処理時の処理室内の温度よりなるものである。
【0016】
また、本願のその他の発明の概要を簡単に示す。
【0017】
本発明は、コンピュータシステムにより、半導体製造装置による半導体ウエハ加工処理における異常を検知する処理を含む半導体装置の製造方法であって、半導体製造装置における半導体ウエハ加工時の第2の処理パラメータの値が正常であるか否かを判定する第4のステップと、半導体製造装置における半導体ウエハ加工時の第3の処理パラメータの値が正常であるか否かを判定する第5のステップと、第4のステップにおいて第2の処理パラメータの値が異常と判定された場合、または第5のステップにおいて第3の処理パラメータが異常と判定された場合に、異常報告を出力する第6のステップとを有し、第5のステップは、第4のステップにおいて第2の処理パラメータの値が異常と判定されると第3の処理パラメータの値の判定を実施せず、第6のステップは、第4のステップにおいて第2の処理パラメータの値が異常と判定された際に、異常と判定された第2の処理パラメータの値、および半導体製造装置の装置イベントのデータを出力し、第4のステップにおいて第2の処理パラメータの値が正常と判定され、第5のステップにおいて第3の処理パラメータの値が異常と判定された際に、異常と判定された第3の処理パラメータの値、および正常と判定された第2の処理パラメータの値を出力するものである。
【0018】
また、本発明は、第2の処理パラメータが、半導体ウエハをエッチングするプラズマエッチング装置における処理室の圧力値であり、第3の処理パラメータが、プラズマエッチング装置における半導体ウエハ処理時の処理室内の温度値よりなるものである。
【発明の効果】
【0019】
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば以下のとおりである。
【0020】
(1)異常報告メール数を大幅に削減することができるので、異常検知報告の確認作業を短時間で行うことができる。
【0021】
(2)また、異常値だけでなく、正常値のデータなどが異常報告メールに追加されるので、正常データの確認漏れなどを防止することができる。
【0022】
(3)上記(1)、(2)により、製造装置の異常解析を効率よく短時間で行いながら、作業負担を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態による異常検知システムの構成の一例を示すブロック図である。
【図2】図1の異常検知システムにおける検知動作の一例を示す説明図である。
【図3】図2(1)の組み合わせ検知の具体的な動作例を示すフローチャートである。
【図4】図2(2)の組み合わせ検知の具体的な動作例を示すフローチャートである。
【図5】図2(3)の組み合わせ検知の具体的な動作例を示すフローチャートである。
【図6】図2(4)の組み合わせ検知の具体的な動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
【0025】
図1は、本発明の実施の形態による異常検知システムの構成の一例を示すブロック図、図2は、図1の異常検知システムにおける検知動作の一例を示す説明図、図3は、図2(1)の組み合わせ検知の具体的な動作例を示すフローチャート、図4は、図2(2)の組み合わせ検知の具体的な動作例を示すフローチャート、図5は、図2(3)の組み合わせ検知の具体的な動作例を示すフローチャート、図6は、図2(4)の組み合わせ検知の具体的な動作例を示すフローチャートである。
【0026】
〈発明の概要〉
本発明の第1の概要は、コンピュータシステム(異常検知システム1)により、半導体製造装置(半導体製造装置2)の半導体ウエハ加工処理における異常を検知する処理を含む半導体装置の製造方法であって、前記半導体製造装置における半導体ウエハ加工時の第1の処理パラメータ(薬液流量、または処理温度)における平均値が正常であるか否かを判定する第1のステップと、前記第1のステップにおいて前記第1の処理パラメータにおける平均値が正常と判定された際に、前記半導体製造装置における半導体ウエハ加工時の前記第1の処理パラメータにおける最大値、または最小値が異常である否かを判定する第2のステップと、前記第1のステップにおいて前記平均値が異常と判定された場合、または前記第2のステップにおいて前記最大値、または前記最小値のいずれかが異常と判定された場合に、異常報告を出力する第3のステップとを有し、前記第3のステップは、前記第1のステップにおいて前記第1の処理パラメータにおける平均値が異常と判定された際に、異常と判定された前記第1の処理パラメータの平均値、および前記半導体製造装置の装置イベントのデータを異常報告として出力し、前記第1のステップにおいて前記第1の処理パラメータにおける平均値が正常と判定され、前記第2のステップにおいて前記第1の処理パラメータにおける最大値が異常と判定された際に、異常と判定された前記第1の処理パラメータの最大値、および前記半導体製造装置の装置イベントのデータを異常報告として出力し、前記第1のステップにおいて前記第1の処理パラメータにおける平均値が正常と判定され、前記第2のステップにおいて前記第1の処理パラメータにおける最小値が異常と判定された際に、異常と判定された前記第1の処理パラメータの最小値、および前記半導体製造装置の装置イベントのデータを異常報告として出力するものである。
【0027】
また、本発明の第2の概要は、コンピュータシステム(異常検知システム1)により、半導体製造装置(半導体製造装置2)の半導体ウエハ加工処理における異常を検知する処理を含む半導体装置の製造方法であって、前記半導体製造装置における半導体ウエハ加工時の第2の処理パラメータ(処理室の圧力)の値が正常であるか否かを判定する第4のステップと、前記第4のステップにおいて前記第2の処理パラメータの値が正常と判定された際に前記半導体製造装置における半導体ウエハ加工時の第3の処理パラメータ(圧力制御バルブの開閉度)の値が正常であるか否かを判定する第5のステップと、前記第4のステップにおいて前記第2の処理パラメータの値が異常と判定された場合、または前記第5のステップにおいて前記第3の処理パラメータが異常と判定された場合に、異常報告を出力する第6のステップとを有し、前記第6のステップは、前記第4のステップにおいて前記第2の処理パラメータの値が異常と判定された際に、異常と判定された前記第2の処理パラメータの値、および前記半導体製造装置の装置イベントのデータを異常報告として出力し、前記第4のステップにおいて前記第2の処理パラメータの値が正常と判定され、前記第5のステップにおいて前記第3の処理パラメータの値が異常と判定された際に、異常と判定された前記第3の処理パラメータの値、および正常と判定された前記第2の処理パラメータの値を異常報告として出力するものである。
【0028】
以下、上記した概要に基づいて、実施の形態を詳細に説明する。
【0029】
本実施の形態において、異常検知システム1は、半導体装置の製造装置における情報をリアルタイムに判定し、該製造装置の異常を検知した際にエンジニアに対して異常報告を行うシステムである。
【0030】
異常検知システム1には、図1に示すように、複数の半導体製造装置2、および設備管理システム3がそれぞれ接続されている。半導体製造装置2は、たとえば、CVD装置、イオン注入装置、エッチング装置、アニール装置、ウエハ洗浄装置、および露光装置などの半導体装置の各種製造装置からなる。
【0031】
設備管理システム3は、設備履歴データ(稼働率、現在状態など)を監視し、今後のイベント(装置設備、校正など)のスケジューリングを管理する。また、半導体製造装置2には、製造管理システム4が接続されている。製造管理システム4は、半導体装置製造のライン全体における情報を管理する。
【0032】
異常検知システム1は、データベース部5,5a,5b、異常検知処理部6、出力処理部7、および入出力インタフェース8から構成されている。データベース部5は、装置ログ履歴の情報が格納されており、たとえば、製造装置名、チャンバ(処理室)名、製品名/工程名、処理日時、装置ログ種別、および装置ログ値などである。
【0033】
データベース部5aには、半導体製造装置2が異常か否かを判定する判定しきい値管理情報が格納されている。判定しきい値管理情報は、たとえば、製造装置名、チャンバ名、装置ログ種別、製品名/工程名、および各種の判定しきい値などである。
【0034】
また、データベース部5aには、各半導体製造装置2毎に対応するログ情報におけるパラメータの組み合わせを示す組み合わせ検知情報が格納されている。データベース部5bには、半導体製造装置2が異常と判定された際にエンジニアが携帯している携帯電話などに異常報告を送信するためのメールアドレスなどの情報が格納されている。
【0035】
異常検知処理部6は、データベース部5aに格納されている各種の判定しきい値管理情報などに基づいて半導体製造装置2が異常であるか否かを判定する。出力処理部7は、異常検知処理部6が異常判定した際に、エンジニアの携帯電話に異常報告のメールを送信する。入出力インタフェース8は、半導体製造装置2とのインタフェース部である。
【0036】
また、設備管理システム3は、データベース部9,9a、ならびに入出力インタフェース10を有している。データベース部9は、製造装置名、チャンバ名、およびエンジニアが入力したイベント履歴などが格納されており、データベース部9aは、エンジニアが入力したイベントコード、および作業実績などが格納されている。また、入出力インタフェース10は、キーボードなどの入力装置KEYとのインタフェース部となる。
【0037】
次に、本実施の形態における異常検知システム1による動作について説明する。
【0038】
図2は、異常検知システム1における検知動作の一例を示す説明図である。
【0039】
異常検知システム1は、図2に示す(1)〜(4)の組み合わせ検知により、半導体製造装置2が異常か否かを判定する。図2(1)〜(4)の組み合わせ検知は、上記した組み合わせ検知情報としてデータベース部5aに格納されており、異常検知処理部6が、データベース部5aから取得した組み合わせ情報に基づいて組み合わせ検知を決定する。
【0040】
まず、図2の(1)は、半導体製造装置2のログ情報におけるあるパラメータ(A)において、該パラメータ(A)の平均値A_aveがしきい値に対して正常であるが、パラメータ(A)の最大値A_max、または最小値A_minがしきい値に対して異常となっている場合である。
【0041】
異常検知システム1は、パラメータ(A)の平均値A_aveがしきい値に対して正常の場合に、パラメータ(A)の最大値A_maxが異常であると判定すると、異常である最大値A_maxのデータとともに、正常である平均値A_aveのデータを添付して異常報告をメール送信する。
【0042】
また、異常検知システム1は、パラメータ(A)の平均値A_aveがしきい値に対して正常の場合に、パラメータ(A)の最小値A_minが異常であると判定すると、異常である最小値A_minのデータとともに、正常である平均値A_aveのデータを添付して異常報告をメール送信する。
【0043】
続いて、図2の(2)は、パラメータ(A)の平均値A_aveがしきい値に対して異常の場合である。この場合、異常検知システム1は、パラメータ(A)の平均値A_aveがしきい値に対して異常であることを検出すると、パラメータ(A)の最大値A_max、および最小値A_minがしきい値に対して異常であるか否かの検出を行わずに、設備管理システム3のデータベース部5に格納されたイベント履歴から装置イベント(クリーニング、部品交換、設定変更などの情報)を取得し、該装置イベントのデータを添付して異常報告をメール送信する。
【0044】
また、図2の(3)、(4)は、半導体製造装置2のログ情報の異なったパラメータ(B)、ならびにパラメータ(C)に対する組み合わせ検知を行うものである。
【0045】
まず、図2の(3)では、パラメータ(B)がしきい値に対して正常である場合に、パラメータ(C)がしきい値に対して異常と判定された場合である。この場合、異常検知システム1は、異常となったパラメータ(C)のデータとともに、正常なパラメータ(B)のデータを添付して異常報告をメール送信する。
【0046】
続いて、図2の(4)では、パラメータ(B)がしきい値に対して異常と判定された場合である。この場合、異常検知システム1は、パラメータ(C)がしきい値に対して異常か否かの判定を行わずに、データベース部5から取得した装置イベント(クリーニング、部品交換、設定変更など)を取得し、異常となったパラメータ(B)のデータとともに取得した該装置イベントのデータを添付して異常報告をメール送信する。
【0047】
次に、上述した図2に示す(1)〜(4)の組み合わせ検知の具体的な動作について、図3〜図6のフローチャートを用いて説明する。
【0048】
図3は、図2の(1)における異常検知システム1の動作の一例を示すフローチャートである。図3において、異常検知システム1が異常を検知する半導体製造装置2は、半導体ウエハを洗浄するウエハ洗浄装置である。
【0049】
また、該異常検知システム1はウエハ洗浄装置の薬液流量をモニタしており、薬液流量平均値は、変動幅しきい値内であるが、薬液流量の最大値が上限しきい値に対して異常となった場合を示している。
【0050】
まず、異常検知システム1の異常検知処理部6は、製造管理システム4から異常検知処理の対象となる製造装置情報、およびチャンバ情報を取得する(ステップS101)。製造装置情報としては、たとえば、製造装置の名称(またはコード名)がある。
【0051】
また、チャンバ(処理を行う室)情報としては、たとえば、チャンバの名称(またはコード名)がある。製造装置の種類によっては、同一の製造装置に複数のチャンバを有するものと、製造装置に単一のチャンバしか存在しないものがある。単一チャンバから構成される製造装置に関しては、チャンバ情報はなくてもよい。
【0052】
そして、異常検知処理部6は、取得した製造装置情報、およびチャンバ情報から、処理毎に出力される装置ログ毎の複数種類の判定しきい値を算出する(ステップS102)。算出する判定しきい値は、薬液流量平均値における変動幅しきい値(上限しきい値、および下限しきい値)、薬液流量最大値の上限しきい値、および薬液流量最小値の下限しきい値などからなる。
【0053】
ここで、ステップS102の処理における判定しきい値の算出について説明する。
【0054】
まず、異常検知処理部6は、ステップS101の処理において取得した製造装置情報、およびチャンバ情報に対応するログ履歴データ情報の検索方法をデータベース部5から取得し、データベース部5に格納されている薬液流量平均値が3σ(σ=標準偏差)で管理されている情報を取得する。
【0055】
続いて、異常検知処理部6は、データベース部5に格納されている過去の装置ログ履歴データから、処理毎の薬液流量平均値を取得し、その取得した薬液流量平均値から、装置の異常などが発生した際の薬液流量平均値を削除する。
【0056】
そして、異常検知処理部6は、異常が発生した際の薬液流量平均値を削除した薬液流量平均値のデータを用いて、3σの情報に基づいて、薬液流量平均値における変動幅しきい値(上限しきい値、および下限しきい値)をそれぞれ決定し、データベース部5aに格納する。
【0057】
また、異常検知処理部6は、薬液流量最大値の上限しきい値、および薬液流量最小値の下限しきい値についても決定し、データベース部5aに格納する。
【0058】
そして、異常検知処理部6がステップS102の処理において決定した判定しきい値をデータベース部5aに格納すると、半導体製造装置2による半導体ウエハの処理が開始となる(ステップS103)。
【0059】
異常検知処理部6は、半導体ウエハの処理時における薬液流量平均値、薬液流量最大値、薬液流量最小値、および装置ログ情報を製造管理システム4から取得する(ステップS104)。この装置ログ情報は、製造装置、およびチャンバから出力される装置ログデータだけでなく、処理を実施した製品名、工程名、ならびにレシピ名などが含まれる。
【0060】
続いて、異常検知処理部6は、データベース部5aに格納されている組み合わせ検知情報を取得し、検知する組み合わせを設定する(ステップS105)。
【0061】
組み合わせ検知情報は、たとえば、主検知設定と従検知設定とからなり、ウエハ洗浄装置の場合には、パラメータが薬液流量であり、該パラメータの主検知設定が薬液流量の平均値であり、従検知設定が薬液流量の最大値と最小値となる。
【0062】
そして、異常検知処理部6は、主検知設定のログ検知を行う(ステップS106)。異常検知処理部6は、ステップS104の処理において取得した主検知設定である薬液流量平均値に異常があるか否かを判定する(ステップS107)。
【0063】
ステップS107の処理では、ステップS104の処理において取得した薬液流量平均値とステップS102の処理において決定した変動幅しきい値とを比較し、取得した該薬液流量平均値が変動幅しきい値内に収まっているか否かを判定する。
【0064】
ステップS107の処理において、取得した該薬液流量平均値が正常と判定されると、異常検知処理部6は、従検知設定のログ検知を行う(ステップS108,S109)。ここでは、ステップS104の処理において取得した従検知設定である薬液流量最大値に異常があるか否か、およびステップS104の処理において取得した薬液流量最小値に異常があるか否かをそれぞれ判定する(ステップS110,S111)。
【0065】
ステップS110の処理は、ステップS104の処理において取得した薬液流量最大値とステップS102の処理において決定した薬液流量の上限しきい値とを比較し、取得した薬液流量最大値が上限しきい値以上でないかを判定する。
【0066】
また、ステップS111の処理は、ステップS104の処理において取得した薬液流量最小値とステップS102の処理において決定した薬液流量の下限しきい値とを比較し、取得した薬液流量最小値が下限しきい値以下でないかを判定する。
【0067】
そして、薬液流量最小値に異常がなく、薬液流量最大値に異常があると判定した場合、異常検知処理部6は、データベース部5bから、該当するエンジニアの連絡先(メールアドレスなど)を検索し、検知結果として、正常と判定された薬液流量平均値、および異常と判定された薬液流量最大値を、たとえば、電子メールなどによって担当者の携帯電話などに発報し(ステップS112)、処理が終了となる。
【0068】
このように、薬液流量最大値のみが異常となった場合において、異常となった薬液流量最大値のデータとともに正常と判定された薬液流量平均値を検知結果に含めて担当者に送信することにより、異常検知後のアクションとして薬液流量平均値をエンジニアが検索する作業などを不要とすることができ、異常原因の解析時間を短縮することができると共に、エンジニアの作業負担を軽減することができる。
【0069】
なお、図3では、薬液流量最大値が異常で薬液流量最小値が正常の場合について記載したが、たとえば、ステップS109,S110の処理において、薬液流量最大値が正常で薬液流量最小値が異常と判定した場合、異常検知処理部6は、データベース部5bから、該当する担当者の連絡先を検索し、検知結果として、正常と判定された薬液流量平均値、および異常と判定された薬液流量最小値をそれぞれ発報する。
【0070】
図4は、図2の(2)における異常検知システム1の動作の一例を示すフローチャートである。この図4において、異常検知システム1が異常を検知する半導体製造装置2は、たとえば、アニール装置などである。
【0071】
アニール装置は、赤外線、ハロゲンランプ、あるいはヒータなどの各種の熱源を利用して、試料(半導体ウエハ)の熱処理を行う装置である。
【0072】
また、異常検知システム1は、アニール装置などの半導体製造装置2における処理室の半導体ウエハ処理時の温度をモニタし、該ウエハ処理時の温度の平均値がしきい値に対して異常となった場合を示している。
【0073】
まず、異常検知処理部6は、図3の場合と同様に、製造管理システム4から異常検知処理の対象となる製造装置情報、およびチャンバ(処理室)情報を取得する(ステップS201)。
【0074】
そして、異常検知処理部6は、取得した製造装置情報、およびチャンバ情報から、処理毎に出力される装置ログ毎の判定しきい値を算出する(ステップS202)。ここでの判定しきい値は、算出した半導体ウエハにおける処理時の平均温度の変動幅しきい値(上限しきい値、下限しきい値)、処理時の最高温度の上限しきい値、ならびに処理時の最低温度の下限しきい値などである。
【0075】
ここで、ステップS202の処理における判定しきい値を算出について説明する。
【0076】
まず、異常検知処理部6は、ステップS201の処理において取得した製造装置情報、およびチャンバ情報に対応するログ履歴データ情報の検索方法をデータベース部5から取得し、データベース部5に格納されている温度の平均値が5%幅で管理されている情報を取得する。
【0077】
続いて、異常検知処理部6は、データベース部5に格納されている過去の装置ログ履歴データから、処理毎の温度の平均値を取得し、その取得した温度の平均値から、装置の異常などが発生した際の温度の平均値を削除する。
【0078】
そして、異常検知処理部6は、異常が発生した際の温度の平均値を削除した温度の平均値のデータを用いて、5%幅の情報に基づいて、温度の平均値における変動幅しきい値(上限しきい値、および下限しきい値)をそれぞれ決定し、データベース部5aに格納する。
【0079】
また、異常検知処理部6は、温度の最大値の上限しきい値、および温度の最小値の下限しきい値についても決定し、データベース部5aに格納する。
【0080】
そして、異常検知処理部6が、ステップS202の処理において算出した判定しきい値をデータベース部5aにそれぞれ格納すると、半導体製造装置2による半導体ウエハの処理が開始される(ステップS203)。
【0081】
異常検知処理部6は、半導体ウエハの処理時における温度の平均値、温度の最大値、温度の最小値、および装置ログ情報を製造管理システム4から取得する(ステップS204)。この装置ログ情報は、製造装置、およびチャンバから出力される装置ログデータだけでなく、処理を実施した製品名、工程名、ならびにレシピ名などが含まれる。
【0082】
続いて、異常検知処理部6は、データベース部5aに格納されている組み合わせ検知情報を取得し、検知する組み合わせを設定する(ステップS205)。
【0083】
組み合わせ検知情報は、たとえば、アニール装置の場合、処理室における半導体ウエハの処理温度がパラメータとなり、該パラメータの主検知設定が処理温度の平均値であり、従検知設定が処理温度の最大値と最小値となる。
【0084】
そして、異常検知処理部6は、主検知設定のログ検知を行う(ステップS206)。異常検知処理部6は、ステップS204の処理において取得した主検知設定である処理温度の平均値と平均温度の変動幅しきい値(上限しきい値、下限しきい値)とを比較し、主検知設定である処理温度の平均値に異常があるか否かを判定する(ステップS207)。
【0085】
ステップS207の処理において、異常検知処理部6は、処理温度の平均値が異常と判定すると、データベース部5aから該当する半導体製造装置2のイベント履歴を取得する(ステップS208)。
【0086】
続いて、異常検知処理部6は、データベース部5bから、該当するエンジニアの連絡先を検索し、検知結果として、異常と判定した処理温度の平均値、ならびにステップS208の処理によって取得したイベント履歴のデータを添付した異常報告をメール送信する(ステップS209)。
【0087】
図4では、半導体ウエハの処理温度の平均値のみを検知し、半導体ウエハの処理温度の最大値、および最小値を検出しないことにより、エンジニアに対する異常報告のメール送信数を大幅に低減することができる。
【0088】
それによって、エンジニアの異常報告メールの確認時間を大幅に短縮することができる。さらに、異常検知後のアクションとして、エンジニアは、異常報告メールに添付された装置イベントを確認することができるので、エンジニアが装置イベントを検索するなどの作業が不要となり、解析時間の短縮を可能としながら、担当者の作業負担を軽減することができる。
【0089】
図5は、図2の(3)における異常検知システム1の動作の一例を示すフローチャートである。この図5において、異常検知システム1が異常を検知する半導体製造装置2は、たとえば、プラズマエッチング装置などである。
【0090】
プラズマエッチング装置は、ドライエッチング装置の一種であり、減圧下の反応ガスプラズマを利用して、半導体ウエハ表面などに形成された薄膜の全面または特定した場所を食刻する装置である。
【0091】
異常検知システム1は、プラズマエッチング装置である半導体製造装置2における処理室(チャンバ)の圧力、および処理室の減圧調整を行う圧力制御バルブの開閉度(開閉角度)をモニタし、該圧力制御バルブがしきい値に対して異常となった場合を示している。
【0092】
まず、異常検知処理部6は、図3の場合と同様に、製造管理システム4から異常検知処理の対象となる製造装置情報、およびチャンバ(処理室)情報を取得する(ステップS301)。
【0093】
そして、異常検知処理部6は、取得した製造装置情報、およびチャンバ情報から、処理毎に出力される装置ログ毎の複数種類の判定しきい値を算出する(ステップS302)。
【0094】
ここで、ステップS302の処理における判定しきい値を算出について説明する。
【0095】
まず、異常検知処理部6は、ステップS301の処理において取得した製造装置情報、およびチャンバ情報に対応するログ履歴データ情報の検索方法をデータベース部5から取得し、データベース部5に格納されているチャンバ圧力が6σで管理されている情報を取得する。
【0096】
続いて、異常検知処理部6は、データベース部5に格納されている過去の装置ログ履歴データから、処理毎のチャンバ圧力の平均値を取得し、その取得したチャンバ圧力の平均値から、装置の異常などが発生した際のチャンバ圧力の平均値を削除する。
【0097】
そして、異常検知処理部6は、異常が発生した際のチャンバ圧力の平均値を削除したチャンバ圧力の平均値のデータを用いて、6σの情報に基づいて、チャンバ圧力の平均値における変動幅しきい値(上限しきい値、および下限しきい値)をそれぞれ決定し、データベース部5aに格納する。
【0098】
また、異常検知処理部6は、圧力制御バルブの開閉度についても決定し、データベース部5aに格納する。
【0099】
ステップS302の処理において、半導体ウエハにおける処理時の圧力しきい値、圧力制御バルブの開閉度のしきい値がそれぞれ決定され、データベース部5aに格納されると、半導体製造装置2が半導体ウエハの処理を開始する(ステップS303)。
【0100】
そして、異常検知処理部6は、半導体ウエハの処理時における処理室内の圧力値、圧力制御バルブの開閉度、および装置ログ情報を製造管理システム4から取得する(ステップS304)。この装置ログ情報は、製造装置、およびチャンバから出力される装置ログデータだけでなく、処理を実施した製品名、工程名、ならびにレシピ名などが含まれる。
【0101】
続いて、異常検知処理部6は、データベース部5aに格納されている組み合わせ検知情報を取得し、検知する組み合わせを設定する(ステップS305)。プラズマエッチング装置の場合には、主検知設定が処理室の圧力値であり、従検知設定が圧力制御バルブの開閉度の値となる。
【0102】
そして、異常検知処理部6は、主検知設定のログ検知を行う(ステップS306)。異常検知処理部6は、ステップS304の処理において取得した主検知設定である圧力値と圧力しきい値とを比較し、取得した圧力値に異常があるか否かを判定する(ステップS307)。
【0103】
ステップS307の処理において、圧力値に異常がない場合、異常検知処理部6は、従検知設定のログ検知を行い(ステップS308)、ステップS304の処理において取得した従検知設定である圧力制御バルブの開閉度の値としきい値とを比較し、圧力制御バルブの開閉度に異常があるか否かを判定する(ステップS309)。
【0104】
このステップS309の処理において、圧力制御バルブの開閉度の値に異常があると、異常検知処理部6は、データベース部5bから、該当するエンジニアの連絡先を検索し、検知結果として、ステップS306で検知した圧力値、ステップS309で異常と判定された圧力制御バルブの開閉度の値、ならびにデータベース部5から取得した該当する半導体製造装置2のイベント履歴のデータを添付した異常報告をメール送信する(ステップS310)。
【0105】
このように、エンジニアに送信する異常報告メールに、異常となった圧力制御バルブの開閉度の値だけでなく、異常でない処理室の圧力値を加えて送信することにより、エンジニアによる解析時間の短縮を可能としながら、作業負担を軽減することができる。
【0106】
図6は、図2の(4)における異常検知システム1の動作の一例を示すフローチャートである。この図6において、異常検知システム1が異常を検知する半導体製造装置2は、図5と同様に、プラズマエッチング装置などである。
【0107】
この場合、異常検知システム1は、プラズマエッチング装置である半導体製造装置2における処理室(チャンバ)の圧力のみをモニタし、該圧力値がしきい値に対して異常となった場合を示している。
【0108】
まず、異常検知処理部6は、図3の場合と同様に、製造管理システム4から異常検知処理の対象となる製造装置情報、およびチャンバ(処理室)情報を取得し(ステップS401)、取得した製造装置情報、およびチャンバ情報から、処理毎に出力される装置ログ毎の判定しきい値を算出する(ステップS402)。
【0109】
ここで、ステップS402の処理における判定しきい値を算出について説明する。
【0110】
まず、異常検知処理部6は、ステップS401の処理において取得した製造装置情報、およびチャンバ情報に対応するログ履歴データ情報の検索方法をデータベース部5から取得し、データベース部5に格納されているチャンバ圧力が6σで管理されている情報を取得する。
【0111】
続いて、異常検知処理部6は、データベース部5に格納されている過去の装置ログ履歴データから、処理毎のチャンバ圧力の平均値を取得し、その取得したチャンバ圧力の平均値から、装置の異常などが発生した際のチャンバ圧力の平均値を削除する。
【0112】
そして、異常検知処理部6は、異常が発生した際のチャンバ圧力の平均値を削除したチャンバ圧力の平均値のデータを用いて、6σの情報に基づいて、チャンバ圧力の平均値における変動幅しきい値(上限しきい値、および下限しきい値)をそれぞれ決定し、データベース部5aに格納する。
【0113】
また、異常検知処理部6は、圧力制御バルブの開閉度についても決定し、データベース部5aに格納する。
【0114】
ステップS402の処理において、半導体ウエハにおける処理時の圧力しきい値が決定され、データベース部5aに格納されると、半導体製造装置2が半導体ウエハの処理を開始する(ステップS403)。
【0115】
そして、異常検知処理部6は、半導体ウエハの処理時における処理室内の圧力値、圧力制御バルブの開閉度、および装置ログ情報を製造管理システム4から取得する(ステップS404)。この装置ログ情報は、製造装置、およびチャンバから出力される装置ログデータだけでなく、処理を実施した製品名、工程名、ならびにレシピ名などが含まれる。
【0116】
続いて、異常検知処理部6は、データベース部5aに格納されている組み合わせ検知情報を取得し、検知する組み合わせを設定する(ステップS405)。この場合には、主検知設定として処理室の圧力値を検知する。
【0117】
そして、異常検知処理部6は、主検知設定のログ検知を行う(ステップS406)。異常検知処理部6は、ステップS406の処理において取得した主検知設定である圧力値とステップS402の処理で算出した圧力しきい値とを比較し、圧力値に異常があるか否かを判定する(ステップS407)。
【0118】
ステップS407の処理において、圧力値に異常があると、異常検知処理部6は、データベース部5から該当する半導体製造装置2のイベント履歴を取得する(ステップS408)とともに、データベース部5bから該当するエンジニアの連絡先を検索する。
【0119】
そして、検知結果として、ステップS407で異常となった圧力値、およびステップS408で取得した半導体製造装置2のイベント履歴のデータを添付した異常報告をメール送信する(ステップS409)。
【0120】
図6の場合には、圧力制御バルブの開閉度の検知は行わずに、処理室の圧力値のみを検知することにより、担当者に対する異常報告のメール送信数を大幅に低減することができる。
【0121】
また、異常報告メール数が減少することにより、該異常報告メールの確認時間を大幅に短縮することができ、異常報告メールの確認漏れなどを防止することができる。さらには、異常報告メールによって装置イベントの確認も行うことができるので、解析時間の短縮を可能としながら、エンジニアの作業負担を軽減することができる。
【0122】
それにより、本実施の形態によれば、エンジニアに送信される異常報告メール数を大幅に削減することができるので、異常検知報告の確認作業を低減することができる。
【0123】
また、送信された異常報告メールに、異常値だけでなく、正常値のデータや装置イベントなどが追加されるので、異常報告メールを受け取った後に他のデータを取得するなどのイベントが不要となり、半導体製造装置2の異常解析を効率よく短時間で行いながら、エンジニアの作業負担を軽減することができる。
【0124】
以上、本発明者によってなされた発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0125】
本発明は、製造装置による処理時の異常を効率よく検知する技術に適している。
【符号の説明】
【0126】
1 異常検知システム
2 半導体製造装置
3 設備管理システム
4 製造管理システム
5 データベース部
5a データベース部
5b データベース部
6 異常検知処理部
7 出力処理部
8 入出力インタフェース
9 データベース部
9a データベース部
10 入出力インタフェース
KEY 入力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータシステムにより、半導体製造装置による半導体ウエハ加工処理における異常を検知する処理を含む半導体装置の製造方法であって、
前記半導体製造装置における半導体ウエハ加工時の第1の処理パラメータにおける平均値が正常であるか否かを判定する第1のステップと、
前記第1のステップにおいて、前記第1の処理パラメータにおける平均値が正常と判定された際に、前記半導体製造装置における半導体ウエハ加工時の前記第1の処理パラメータにおける最大値、または最小値が異常であるか否かを判定する第2のステップと、
前記第1のステップにおいて前記平均値が異常と判定された場合、または前記第2のステップにおいて前記最大値、または前記最小値のいずれかが異常と判定された場合に、異常報告を出力する第3のステップとを有し、
前記第3のステップは、
前記第1のステップにおいて前記第1の処理パラメータにおける平均値が異常と判定された際に、異常と判定された前記第1の処理パラメータの平均値、および前記半導体製造装置の装置イベントのデータを異常報告として出力し、
前記第1のステップにおいて前記第1の処理パラメータにおける平均値が正常と判定され、前記第2のステップにおいて前記第1の処理パラメータにおける最大値が異常と判定された際に、異常と判定された前記第1の処理パラメータの最大値、および前記半導体製造装置の装置イベントのデータを異常報告として出力し、
前記第1のステップにおいて前記第1の処理パラメータにおける平均値が正常と判定され、前記第2のステップにおいて前記第1の処理パラメータにおける最小値が異常と判定された際に、異常と判定された前記第1の処理パラメータの最小値、および前記半導体製造装置の装置イベントのデータを異常報告として出力することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項2】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1の処理パラメータは、
半導体ウエハを洗浄するウエハ洗浄装置に用いられる薬液流量であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項3】
請求項1記載の半導体装置の製造方法において、
前記第1の処理パラメータは、
半導体ウエハを熱処理するアニール装置における半導体ウエハ処理時の処理室内の温度であることを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項4】
コンピュータシステムにより、半導体製造装置による半導体ウエハ加工処理における異常を検知する処理を含む半導体装置の製造方法であって、
前記半導体製造装置における半導体ウエハ加工時の第2の処理パラメータの値が正常であるか否かを判定する第4のステップと、
前記第4のステップにおいて前記第2の処理パラメータの値が正常と判定された際に、前記半導体製造装置における半導体ウエハ加工時の第3の処理パラメータの値が正常であるか否かを判定する第5のステップと、
前記第4のステップにおいて前記第2の処理パラメータの値が異常と判定された場合、または前記第5のステップにおいて前記第3の処理パラメータが異常と判定された場合に、異常報告を出力する第6のステップとを有し、
前記第6のステップは、
前記第4のステップにおいて前記第2の処理パラメータの値が異常と判定された際に、異常と判定された前記第2の処理パラメータの値、および前記半導体製造装置の装置イベントのデータを異常報告として出力し、
前記第4のステップにおいて前記第2の処理パラメータの値が正常と判定され、前記第5のステップにおいて前記第3の処理パラメータの値が異常と判定された際に、異常と判定された前記第3の処理パラメータの値、および正常と判定された前記第2の処理パラメータの値を異常報告として出力することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【請求項5】
請求項4記載の半導体装置の製造方法において、
前記第2の処理パラメータは、
半導体ウエハをエッチングするプラズマエッチング装置における処理室の圧力値であり、
前記第3の処理パラメータは、
前記プラズマエッチング装置における半導体ウエハ処理時の処理室内の温度値であることを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−199365(P2012−199365A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62165(P2011−62165)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】