説明

半導体装置の製造方法

【課題】半導体ウエハに対するウエハ工程がほぼ終了した段階で、ウエハの表面に表面保護テープを貼り付けた状態で、ウエハの裏面に対して、バックグラインディング処理を施し、その後、ウエハの裏面を真空吸着した状態で、表面保護テープ上に剥離用補助テープを貼り付けて、当該剥離用補助テープに張力を付与することにより、ウエハから表面保護テープを剥離することが広く行われている。
【解決手段】本願発明は、ウエハの裏面を真空吸着した状態で、表面保護テープ上に剥離用補助テープを貼り付けて、当該剥離用補助テープに張力を付与することにより、前記ウエハから前記表面保護テープを剥離する工程を含む半導体装置の製造方法に於いて、前記真空吸着に関する真空吸引系を前記ウエハの周辺部を担当する周辺吸引系と、前記ウエハの内部領域を担当する内部吸引系とを含むようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置(または半導体集積回路装置)の製造方法における薄膜ウエハハンドリング技術に適用して有効な技術に関する。
【背景技術】
【0002】
日本特開2010−272755号公報(特許文献1)には、ウエハの不所望な反りを防止するために、貼り付け過程でテープ高さをモニタし、それに基づいて調整することで、保護テープの過剰なテンションを緩和するウエハへの保護テープ貼り付け方法が開示されている。
【0003】
日本特開2005−223190号公報(特許文献2)には、ローラによる加圧が均一になるように、ウエハの幅に対応してローラへの加圧を変化させるウエハへの粘着シートの貼り付け方法が開示されている。
【0004】
日本特開平10−330022号公報(特許文献3)または、これに対応する米国特許第6258198号公報(特許文献4)には、ウエハの不所望な反りを防止するために、垂れ下がりやすい初期は強めのテンションを印加し、その後は、保護フィルムがウエハ面に触れない程度に、弱めのテンションを印加する保護フィルムの貼り付け方法が開示されている。
【0005】
日本特開2007−311735号公報(特許文献5)には、保護テープの端部近傍に上方から比較的幅の狭い剥離用粘着テープを押圧接着し、剥離用粘着テープの外端を、ウエハを縦断する方向に引っ張ることによって、ウエハに貼り付けられた保護テープを剥離する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−272755号公報
【特許文献2】特開2005−223190号公報
【特許文献3】特開平10−330022号公報
【特許文献4】米国特許第6258198号公報
【特許文献5】特開2007−311735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
半導体ウエハに対するウエハ工程がほぼ終了した段階で、ウエハの表面に表面保護テープを貼り付けた状態で、ウエハの裏面に対して、バックグラインディング処理を施し、その後、ウエハの裏面を真空吸着した状態で、表面保護テープ上に剥離用補助テープを貼り付けて、当該剥離用補助テープに張力を付与することにより、ウエハから表面保護テープを剥離することが広く行われている。
【0008】
しかし、本願発明者が検討したところによると、このような剥離方法は、バックグラインディング処理による目標ウエハ厚の薄膜化によって、ウエハ周辺からの真空リークの発生によって、ますます困難となってきていることが明らかとなった。
【0009】
本願発明は、これらの課題を解決するためになされたものである。
【0010】
本発明の目的は、信頼性の高い半導体装置の製造プロセスを提供することにある。
【0011】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0013】
すなわち、本願の一つの発明は、ウエハの裏面を真空吸着した状態で、表面保護テープ上に剥離用補助テープを貼り付けて、当該剥離用補助テープに張力を付与することにより、前記ウエハから前記表面保護テープを剥離する工程を含む半導体装置の製造方法に於いて、前記真空吸着に関する真空吸引系を前記ウエハの周辺部を担当する周辺吸引系と、前記ウエハの内部領域を担当する内部吸引系とを含むようにしたものである。
【発明の効果】
【0014】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
【0015】
すなわち、ウエハの裏面を真空吸着した状態で、表面保護テープ上に剥離用補助テープを貼り付けて、当該剥離用補助テープに張力を付与することにより、前記ウエハから前記表面保護テープを剥離する工程を含む半導体装置の製造方法に於いて、前記真空吸着に関する真空吸引系を前記ウエハの周辺部を担当する周辺吸引系と、前記ウエハの内部領域を担当する内部吸引系とを含むようにしたので、ウエハ周辺からの真空リークの発生による剥離不良を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本願の一実施の形態の半導体装置の製造方法における対象デバイスの一例であるIGBTの要部構造等を説明するための単位セル断面構造図である。
【図2】本願の前記一実施の形態の半導体装置の製造方法の主要プロセスブロックフロー図である。
【図3】本願の前記一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるバックグラインディング用表面保護テープ貼り付け工程開始前の図1に対応する単位セル断面構造図である。
【図4】本願の前記一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるバックグラインディング用表面保護テープ貼り付け工程の一ステップ(BGテープ送り出しステップ)のBGテープ貼り付け装置の模式断面図である。
【図5】本願の前記一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるバックグラインディング用表面保護テープ貼り付け工程の一ステップ(BGテープ戻しステップ)のBGテープ貼り付け装置の模式断面図である。
【図6】本願の前記一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるバックグラインディング用表面保護テープ貼り付け工程の一ステップ(BGテープ貼り付けステップ)のBGテープ貼り付け装置の模式断面図である。
【図7】図6を情報から見た加圧状況の概念説明図である。
【図8】図7におけるウエハ上の各ゾーンにおける圧力分布等を示す図表である。
【図9】本願の前記一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるバックグラインディング用表面保護テープ貼り付け工程の一ステップ(BGテープ切断ステップ)のBGテープ貼り付け装置の模式断面図である。
【図10】BGテープ切断後のウエハとBGテープの全体断面図である。
【図11】図10の単位セル領域3の図1に対応する単位セル断面構造図である。
【図12】本願の前記一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるバックグラインディング工程を説明するための、バックグラインディング工程中における図1に対応する単位セル断面構造図である。
【図13】バックグラインディング工程完了後の平坦ウエハの全体斜視図である。
【図14】バックグラインディング工程完了後の外周リング状肉厚部付ウエハ(ウエハ断面の変形例)の全体斜視図である。
【図15】裏面エッチ工程におけるウエハの全体模式断面図である。
【図16】本願の前記一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるバックグラインディング用表面保護テープ剥離工程等の一ステップ(剥離用粘着テープ貼り付け開始ステップ)のBGテープ剥離装置の模式断面図である。
【図17】本願の前記一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるバックグラインディング用表面保護テープ剥離工程等の一ステップ(剥離用粘着テープ貼り付け進行ステップ)のBGテープ剥離装置の模式断面図である。
【図18】本願の前記一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるバックグラインディング用表面保護テープ剥離工程等の一ステップ(剥離用粘着テープ貼り付け完了ステップ)のBGテープ剥離装置の模式断面図である。
【図19】本願の前記一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるバックグラインディング用表面保護テープ剥離工程等の一ステップ(BGテープ剥離開始ステップ)のBGテープ剥離装置の模式断面図である。
【図20】本願の前記一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるバックグラインディング用表面保護テープ剥離工程等の一ステップ(BGテープ剥離進行ステップ)のBGテープ剥離装置の模式断面図である。
【図21】図20のウエハ周辺の拡大斜視図(狭幅剥離テープの例)である。
【図22】図20のウエハ周辺の拡大擬似上面図(広幅剥離テープによる変形例)である。
【図23】剥離開始直後のウエハ、各テープおよび吸着ステージの状態を示す上は周辺の模式断面図である。
【図24】本願の前記一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるバックグラインディング用表面保護テープ剥離工程等の一ステップ(BGテープ剥離完了ステップ)のBGテープ剥離装置の模式断面図である。
【図25】本願の前記一実施の形態の半導体装置の製造方法における裏面イオン注入工程等を説明するための図1に対応する単位セル断面構造図である。
【図26】BGテープ剥離工程におけるテープ剥離速度と各真空系の真空度の関係を示すデータプロット図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
〔実施の形態の概要〕
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。
【0018】
1.以下の工程を含む半導体装置の製造方法:
(a)半導体ウエハの第1の主面に半導体素子を形成する工程;
(b)前記工程(a)の後、前記半導体ウエハの前記第1の主面のほぼ全面に表面保護テープを貼り付ける工程;
(c)前記半導体ウエハの前記第1の主面のほぼ全面に前記表面保護テープが貼り付けられた状態で、前記半導体ウエハの第2の主面に対して、バックグラインディング処理を実行する工程;
(d)前記工程(c)の後、前記表面保護テープの外面に、前記表面保護テープの外周近傍から内部領域に亘り、剥離用粘着テープの中間部分を貼り付ける工程;
(e)前記工程(d)の後、前記半導体ウエハの前記第2の主面が真空吸着ステージ上に吸着された状態で、前記中間部分から見て前記剥離用粘着テープの前記外周近傍側の外部延長部分に対して、前記表面保護テープの前記外周近傍に粘着している部分から前記内部領域に向かう分力を含む張力を印加することによって、前記表面保護テープを前記半導体ウエハの前記第1の主面から剥離する工程、
ここで、真空吸着ステージの真空吸引系は、前記外周近傍に対応する周辺吸引系と、前記内部領域に対応する内部吸引系を有する。
【0019】
2.前記1項の半導体装置の製造方法において、前記周辺吸引系は、前記ウエハの外周部の真空吸着を担当しており、前記内部吸引系は、前記ウエハの内部領域の真空吸着を担当している。
【0020】
3.前記1または2項の半導体装置の製造方法において、前記工程(e)における張力の印加は、ピンチローラによって実行されており、前記ピンチローラのトルクは、前記周辺吸引系の真空度をモニタ結果に基づいて、前記周辺吸引系に実質的にリークが発生しないように制御されている。
【0021】
4.前記1から3項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記工程(c)完了時において、前記ウエハは、ほぼ全面が、ほぼ均一な厚さを有する。
【0022】
5.前記1から3項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記工程(c)完了時において、前記ウエハの外周円環状端部が相対的に厚く、前記ウエハの内部領域のほぼ全面が、相対的に薄く、且つほぼ均一な厚さを有する。
【0023】
6.前記1から5項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、更に以下の工程を含む:
(f)前記工程(e)の後、前記半導体ウエハに対してプローブテストを実行する工程;
(g)前記工程(f)の後、前記半導体ウエハの前記第2の主面のほぼ全面にダイシングテープを貼り付ける工程。
【0024】
7.前記1から6項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記半導体装置は、パワー系能動素子を有する。
【0025】
8.前記1から6項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記半導体装置は、IGBTを有する。
【0026】
9.以下の工程を含む半導体装置の製造方法:
(a)半導体ウエハの第1の主面に半導体素子を形成する工程;
(b)前記工程(a)の後、前記半導体ウエハの前記第1の主面のほぼ全面に表面保護テープを貼り付ける工程;
(c)前記半導体ウエハの前記第1の主面のほぼ全面に前記表面保護テープが貼り付けられた状態で、前記半導体ウエハの第2の主面に対して、バックグラインディング処理を実行する工程;
(d)前記工程(c)の後、前記表面保護テープの外面のほぼ全面に、前記ウエハの直径と同等か、又は、それよりも幅の広い剥離用粘着テープの中間部分を貼り付ける工程;
(e)前記工程(d)の後、前記半導体ウエハの前記第2の主面が真空吸着ステージ上に吸着された状態で、前記中間部分から見て前記表面保護テープの外周近傍側の前記剥離用粘着テープの外部延長部分に対して、前記表面保護テープの前記外周近傍に粘着している部分から前記表面保護テープの内部領域に向かう分力を含む張力を印加することによって、前記表面保護テープを前記半導体ウエハの前記第1の主面から剥離する工程。
【0027】
10.前記9項の半導体装置の製造方法において、前記工程(c)完了時において、前記ウエハは、ほぼ全面が、ほぼ均一な厚さを有する。
【0028】
11.前記9項の半導体装置の製造方法において、前記工程(c)完了時において、前記ウエハの外周円環状端部が相対的に厚く、前記ウエハの内部領域のほぼ全面が、相対的に薄く、且つほぼ均一な厚さを有する。
【0029】
12.前記9から11項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、更に以下の工程を含む:
(f)前記工程(e)の後、前記半導体ウエハに対してプローブテストを実行する工程;
(g)前記工程(f)の後、前記半導体ウエハの前記第2の主面のほぼ全面にダイシングテープを貼り付ける工程。
【0030】
13.前記9から12項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記半導体装置は、パワー系能動素子を有する。
【0031】
14.前記9から12項のいずれか一つの半導体装置の製造方法において、前記半導体装置は、IGBTを有する。
【0032】
15.以下の工程を含む半導体装置の製造方法:
(a)半導体ウエハの第1の主面に半導体素子を形成する工程;
(b)前記工程(a)の後、表面保護テープに張力を付与しながらローラにより押し付けることにより、前記半導体ウエハの前記第1の主面のほぼ全面に、前記表面保護テープを貼り付ける工程;
(c)前記半導体ウエハの前記第1の主面のほぼ全面に前記表面保護テープが貼り付けられた状態で、前記半導体ウエハの第2の主面に対して、バックグラインディング処理を実行する工程;
(d)前記工程(c)の後、前記表面保護テープの外面に、剥離用粘着テープの中間部分を貼り付ける工程;
(e)前記工程(d)の後、前記半導体ウエハの前記第2の主面が真空吸着ステージ上に吸着された状態で、前記中間部分から見て前記表面保護テープの外周近傍側の前記剥離用粘着テープの外部延長部分に対して、前記表面保護テープの前記外周近傍に粘着している部分から前記表面保護テープの内部領域に向かう分力を含む張力を印加することによって、前記表面保護テープを前記半導体ウエハの前記第1の主面から剥離する工程、
ここで、前記工程(b)は、前記ローラの位置に対応して、前記表面保護テープにしわが発生しない程度に前記張力を制御しながら実行される。
【0033】
16.前記15項の半導体装置の製造方法において、前記工程(b)において、前記ローラへの加圧力は、前記ローラの単位長さあたりの圧力が、ほぼ均一になるように制御されている。
【0034】
17.前記15または16項の半導体装置の製造方法において、前記工程(c)完了時において、前記ウエハは、ほぼ全面が、ほぼ均一な厚さを有する。
【0035】
18.前記15または16項の半導体装置の製造方法において、前記工程(c)完了時において、前記ウエハの外周円環状端部が相対的に厚く、前記ウエハの内部領域のほぼ全面が、相対的に薄く、且つほぼ均一な厚さを有する。
【0036】
〔本願における記載形式、基本的用語、用法の説明〕
1.本願において、実施の態様の記載は、必要に応じて、便宜上複数のセクションに分けて記載する場合もあるが、特にそうでない旨明示した場合を除き、これらは相互に独立別個のものではなく、単一の例の各部分、一方が他方の一部詳細または一部または全部の変形例等である。また、原則として、同様の部分は繰り返しを省略する。また、実施の態様における各構成要素は、特にそうでない旨明示した場合、理論的にその数に限定される場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、必須のものではない。
【0037】
更に、本願において、「トランジスタ」、「半導体装置」または「半導体集積回路装置」というときは、主に、各種トランジスタ(能動素子)単体、および、それらを中心に、抵抗、コンデンサ等を半導体チップ等(たとえば単結晶シリコン基板)上に集積したものをいう。ここで、各種トランジスタの代表的なものとしては、IGBT(Insulated gate Bipolar Transistor)や、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)に代表されるMISFET(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)を例示することができる。なお、本願においては、「MOSFET」というときは、ゲート絶縁膜が酸化膜であるもののみでなく、それ以外の絶縁膜をゲート絶縁膜として使用するものを含むものとする。
【0038】
2.同様に実施の態様等の記載において、材料、組成等について、「AからなるX」等といっても、特にそうでない旨明示した場合および文脈から明らかに、そうでない場合を除き、A以外の要素を主要な構成要素のひとつとするものを排除するものではない。たとえば、成分についていえば、「Aを主要な成分として含むX」等の意味である。たとえば、「シリコン部材」等といっても、純粋なシリコンに限定されるものではなく、SiGe合金やその他シリコンを主要な成分とする多元合金、その他の添加物等を含む部材も含むものであることはいうまでもない。同様に、「酸化シリコン膜」、「酸化シリコン系絶縁膜」等と言っても、比較的純粋な非ドープ酸化シリコン(Undoped Silicon Dioxide)だけでなく、FSG(Fluorosilicate Glass)、TEOSベース酸化シリコン(TEOS-based silicon oxide)、SiOC(Silicon Oxicarbide)またはカーボンドープ酸化シリコン(Carbon-doped Silicon oxide)またはOSG(Organosilicate glass)、PSG(Phosphorus Silicate Glass)、BPSG(Borophosphosilicate Glass)等の熱酸化膜、CVD酸化膜、SOG(Spin ON Glass)、ナノクラスタリングシリカ(Nano-Clustering Silica:NCS)等の塗布系酸化シリコン、これらと同様な部材に空孔を導入したシリカ系Low-k絶縁膜(ポーラス系絶縁膜)、およびこれらを主要な構成要素とする他のシリコン系絶縁膜との複合膜等を含むことは言うまでもない。
【0039】
3.同様に、図形、位置、属性等に関して、好適な例示をするが、特にそうでない旨明示した場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、厳密にそれに限定されるものではないことは言うまでもない。
【0040】
4.さらに、特定の数値、数量に言及したときも、特にそうでない旨明示した場合、理論的にその数に限定される場合および文脈から明らかにそうでない場合を除き、その特定の数値を超える数値であってもよいし、その特定の数値未満の数値でもよい。
【0041】
5.「ウエハ」というときは、通常は半導体装置(半導体集積回路装置、電子装置も同じ)をその上に形成する単結晶シリコンウエハを指すが、エピタキシャルウエハ、SOI基板、LCDガラス基板等の絶縁基板と半導体層等の複合ウエハ等も含むことは言うまでもない。
【0042】
6.本願において、「パワー系半導体」というときは、数ワット以上の電力を扱うことができる半導体デバイスを言う。パワー系半導体の内、パワー系MOSFET、パワー系IGBT(Insulated gate Bipolar Transistor)等は、「絶縁ゲート型パワー系トランジスタ」の範疇に属する。従って、通常のパワー系IGBT、パワーMOSFET等は、全てこれに含まれる。
【0043】
IGBTは、構造的にトレンチゲート型IGBTとプレーナ型IGBTに分類される。以下の実施の形態では、説明の便宜上、主にトレンチゲート型IGBTを例に取り具体的に説明する。
【0044】
〔実施の形態の詳細〕
実施の形態について更に詳述する。各図中において、同一または同様の部分は同一または類似の記号または参照番号で示し、説明は原則として繰り返さない。
【0045】
また、添付図面においては、却って、煩雑になる場合または空隙との区別が明確である場合には、断面であってもハッチング等を省略する場合がある。これに関連して、説明等から明らかである場合等には、平面的に閉じた孔であっても、背景の輪郭線を省略する場合がある。更に、断面でなくとも、空隙でないことを明示するために、ハッチングを付すことがある。
【0046】
1.本願の一実施の形態の半導体装置の製造方法における対象デバイスの一例であるIGBTの要部構造等の説明(主に図1)
以下の例では、ノンパンチスルー型IGBT(パワー系能動素子)を例に取り具体的に説明するが、パンチスルー型IGBTにも適用できることは言うまでもない。
【0047】
図1は本願の一実施の形態の半導体装置の製造方法における対象デバイスの一例であるIGBTの要部構造等を説明するための単位セル断面構造図である。これに基づいて、本願の一実施の形態の半導体装置の製造方法における対象デバイスの一例であるIGBTの要部構造等を説明する。
【0048】
一般にIGBTデバイスチップは、例えば、数ミリメートル角の半導体チップであって、そのデバイス面1a(図1)すなわちエミッタメタル電極のある面は、内部領域のほとんどを占めるセル領域およびその周辺のチップ周辺構造方構成されている。デバイス面上には、通常、エミッタメタル電極とゲートメタル電極があり、これと反対の裏面には、コレクタメタル電極がある。セル領域は、たとえば多数の細長い単位セル領域3(図1)の1次元周期パターンから構成されている。すなわち、単位セル領域3部分のチップ2の断面を図1に示す。図1に示すように、チップ2の裏面1上には、ほぼ全面に裏面メタル電極4が設けられており、裏面1内部には、P+型コレクタ領域5が設けられている。P+型コレクタ領域5の上方の比較的厚い層は、N型ドリフト領域6であり、N型ドリフト領域6のデバイス面1a側には、P型ボディ領域7(チャネル領域)が設けられている。P型ボディ領域7のデバイス面1a側の表面領域は、N+型エミッタ領域8となっており、P型ボディ領域7およびN+型エミッタ領域8を表面からN型ドリフト領域6に向かって貫通するように、トレンチ10が設けられている。また、N+型エミッタ領域8を表面からP型ボディ領域7に向かって貫通するように、P+型ボディコンタクト領域9が設けられている。トレンチ10内には、ゲート絶縁膜11を介して、ゲート電極12が設けられており、デバイス面1a上には、たとえば、アルミニウム系金属電極層すなわちエミッタメタル電極14が設けられている。
【0049】
2.本願の前記一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるバックグラインディング用表面保護テープ貼り付け工程等の説明(主に図2から図11)
以下では、FZ(Floating Zone Melting)法による単結晶シリコンウエハを初期材料とするプロセスを例に取り具体的に説明するが、CZ(Czochralski)法による単結晶シリコンウエハを初期材料とするプロセスを用いてもよいことは言うまでもない。
【0050】
また、以下では、直径が150Φのウエハを用いたプロセスについて具体的に説明するが、ウエハの直径は、150Φのほか、100Φ、200Φ、300Φ、450Φ等、利用できる限り、いずれであっても良い。なお、以下では、耐圧が300ボルトから600ボルト程度のものを例に取り具体的に説明するが、それ以外の耐圧のデバイスについても、ドリフト領域の厚さ等を変更する等の対応で、ほぼそのまま適用できることは言うまでもない。
【0051】
図2は本願の前記一実施の形態の半導体装置の製造方法の主要プロセスブロックフロー図である。図3は本願の前記一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるバックグラインディング用表面保護テープ貼り付け工程開始前の図1に対応する単位セル断面構造図である。図4は本願の前記一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるバックグラインディング用表面保護テープ貼り付け工程の一ステップ(BGテープ送り出しステップ)のBGテープ貼り付け装置の模式断面図である。図5は本願の前記一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるバックグラインディング用表面保護テープ貼り付け工程の一ステップ(BGテープ戻しステップ)のBGテープ貼り付け装置の模式断面図である。図6は本願の前記一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるバックグラインディング用表面保護テープ貼り付け工程の一ステップ(BGテープ貼り付けステップ)のBGテープ貼り付け装置の模式断面図である。図7は図6を情報から見た加圧状況の概念説明図である。図8は図7におけるウエハ上の各ゾーンにおける圧力分布等を示す図表である。図9は本願の前記一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるバックグラインディング用表面保護テープ貼り付け工程の一ステップ(BGテープ切断ステップ)のBGテープ貼り付け装置の模式断面図である。図10はBGテープ切断後のウエハとBGテープの全体断面図である。図11は図10の単位セル領域3の図1に対応する単位セル断面構造図である。これらに基づいて、本願の前記一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるバックグラインディング用表面保護テープ貼り付け工程等を説明する。
【0052】
ここでは、ウエハプロセスの内、原則として、ファイナルパッシベーション膜形成およびファイナルパッシベーション膜への必要な開口形成(ゲート開口、エミッタ開口)以降について具体的に説明する(図3には、位置の関係上、ファイナルパッシベーション膜は描かれていない)。なお、ファイナルパッシベーション膜は、たとえば、ポリイミド系樹脂膜のような有機膜とすることができるほか、酸化シリコン系絶縁膜、窒化シリコン系絶縁膜のような無機膜、または、これら無機膜の複合膜、ないしは、有機膜(上層)と無機膜(下層)の複合膜とすることもできる。
【0053】
先ず、図3の構造にいたる過程を同図により簡単に説明する。たとえば、150ファイのN型単結晶シリコンウエハ1s(たとえば、厚さ700マイクロメートル程度)を準備する。次に、たとえば、半導体ウエハ1s(1)の表面1a(第1の主面)に、異方性ドライエッチング等により、トレンチ10を形成し、そこに、ゲート絶縁膜11を介して、エッチバックや酸化膜形成を組み合わせてポリシリコン等の電極材料をトレンチ10内に埋め込むことで、ゲート電極12を形成する。次に、たとえば、半導体ウエハ1s(1)の表面1a(第1の主面)側からのイオン注入により、P型ボディ領域7を形成し、N+型エミッタ領域8およびP+型ボディコンタクト領域9を順次、形成する。次に、半導体ウエハ1の表面1a側に、たとえば、TiW膜等のバリアメタル膜を介して、たとえばスパッタリング成膜によりアルミニウム系メタル膜を形成し、これらのバリアメタル膜およびアルミニウム系メタル膜を、通常のリソグラフィによりパターニングして、エミッタメタル電極14を形成する。その後、ファイナルパッシベーション膜形成およびファイナルパッシベーション膜への必要な開口形成(ゲート開口、エミッタ開口)を実施すると、図3のようになる。これで、図2の素子形成工程101が完了したことになる。
【0054】
次に、BGテープ15(表面保護テープ)の貼り付け工程102(図2)を説明する。図4に示すように、図3の状態のウエハ1は、BGテープ貼り付け装置上のウエハ吸着ステージ32上に、デバイス面1aを上に向けて、真空吸着されている。この状態で、BGテープ送り出し部34に巻かれたBGテープ15と分離テープ33からなる複合テープは、まず、分離前テープチャック35を経由して、分離バー36において、BGテープ15と分離テープ33に分離され、分離テープ33は、分離テープ巻取り部37に巻き取られる。一方、BGテープ15は、テンション調整機構39により、ウエハ1のデバイス面1aの上方に供給される。その後、BGテープ15は、テンション調整機構39、BGテープ排出テープチャック40およびBGテープ巻取り中継バー41を経由して、BGテープ巻取り部42に巻き取られるようになっている。このようにして、BGテープ15の新しい部分の供給が完了すると、テンション調整機構39がBGテープ15をチャックして、ウエハ1から遠ざかる方向に水平移動することにより、BGテープ15に一定のテンションを付与する。この状態で、BGテープ供給テープチャック38およびBGテープ排出ピンチローラテープチャック40が開く。
【0055】
次に、図5に示すように、BGテープ供給テープチャック38側のBGテープ15がウエハ1に接触すると、BGテープ供給テープチャック38を閉じる。この後、テンション調整機構39がBGテープ15をチャックして、ウエハ1に近づく方向に水平移動することにより、BGテープ15に付与されたテンションを緩和する。
【0056】
次に、図6に示すように、貼り付けローラ43が、BGテープ供給テープチャック38側からBGテープ排出テープチャック40側へ水平移動しながらBGテープ15をウエハ1のデバイス面1aに貼り付ける。このとき、BGテープ排出テープチャック40は、更に開いるが、テンション調整機構39の方は、BGテープ15へのテンションが一定の緩和状態になるように、ウエハ1に近づく方向に水平移動する等の動作を行う。すなわち、図5から図6の過程(ローラによる貼り付け動作の全過程)に於いては、表面保護テープ15にしわが発生しない程度に、表面保護テープ15に対するテンション(張力)を比較的低い値に制御する。逆に言うと、ローラによる貼り付け動作の全過程においては、表面保護テープ15に対して、しわが発生しない程度の張力を付与しながら、貼り付けを実行する。
【0057】
この貼り付けの際の貼り付けローラ43への荷重は、一定でも良いが、図7および図8に示すようにすることによって、貼り付け後のBGテープ15に残留する内部歪を低減することができる。すなわち、ローラの位置に対応して、ローラの長さあたりの圧力が、ほぼ均一になるように、ローラに対する加圧を制御するのである。BGテープ15の内部歪の低減は、グラインディング後のウエハ1の反りの低減に有効である。
【0058】
この貼り付けローラ43への荷重方式は、以下のように説明することができる。すなわち、貼り付けローラ43は、加圧された結果、一定の歪が生じするので、ウエハ1(厳密には、BGテープ15の上面)との接触面積は、貼り付けローラ43が横切るウエハ1の弦の長さに比例する。つまり、貼り付けローラ43に一定の荷重をかけていると、弦の長さに反比例して、ウエハ1上の場所によって、単位面積当たりの加圧が変動することになる。従って、この例では、ノッチ部17を横に見るようにして、貼り付けローラ43を移動させる場合には、図7に示すように、ウエハ1の上面1aを、たとえば同一幅(この例では、はば約30ミリメートル)の5領域20a,20b,20c,20d,20eに分け、たとえば、図8に示すように、単位面積当たりの加圧がほぼ均一な値になるように、貼り付けローラ43への加圧値を決めている。なお、この例では、ウエハ1の上面1aを、ゾーン1(20a)、ゾーン2(20b)、ゾーン3(20c)、ゾーン4(20de)およびゾーン5(20)の5ゾーンに分けたが、ゾーン分の数は自由であり、同一幅とする必要もなく、荷重を連続的に変化させても良い。また、ノッチ部17の配向はいずれでも良い。
【0059】
次に、貼り付けローラ43による貼り付けが完了すると、図9に示すように、テープカッタ44によって、BGテープ15の本体(GBテープ巻取り部42に巻き取られる部分)とウエハ1に貼り付けられた部分との分離が実行される。
【0060】
次に、BGテープ15の本体から分離されたBGテープ15とウエハ1の全体の模式断面を図10に示す。図10に示すように、BGテープ15の重層構造の一例を示すとすれば、以下のごとくである。すなわち、基材層は、最上層のPET基材層15a(たとえば厚さ25マイクロメートル程度)と中間層のEVA基材層15b(たとえば厚さ120マイクロメートル程度)から構成されており、最上層は高い構成を有しており、中間層は比較的合成は低いが、曲がり癖をとる効果がある。基材層15a、15bの下には、クッション層であるアクリル柔軟層15c(たとえば厚さ80マイクロメートル程度)があり、最下層、すなわち、粘着層は、アクリル粘着層15d(たとえば厚さ10マイクロメートル程度)で構成されている。なお、BGテープ15の重層構造は、自由に構成することができるが、ここに示したような高剛性基材層を含むものを用いると、グラインディング後のウエハ1の反りの低減に有効である。
【0061】
図10のチップ領域2のセル領域の一部である単位セル領域3の断面図を図11(図1に対応する断面)に示す。図11に示すように、図3とほぼ同じであるが、表面1a側に、BGテープ15が粘着されている。
【0062】
3.本願の前記一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるバックグラインディング工程等の説明(主に図2および図12から図15)
バックグラインディング後のウエハの断面形状については、以下では、主に平坦ウエハ方式(図13)について説明するが、周辺リング状肉厚方式(図14)でもよいことはいうまでもない。
【0063】
図12は本願の前記一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるバックグラインディング工程を説明するための、バックグラインディング工程中における図1に対応する単位セル断面構造図である。図13はバックグラインディング工程完了後の平坦ウエハの全体斜視図である。図14はバックグラインディング工程完了後の外周リング状肉厚部付ウエハ(ウエハ断面の変形例)の全体斜視図である。図15は裏面エッチ工程におけるウエハの全体模式断面図である。これらに基づいて、本願の前記一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるバックグラインディング工程等を説明する。
【0064】
図11の状態のウエハ1は、上下反転され、図2の裏面研削工程103に入る。すなわち、図12に示すように、BGテープ15側をグラインディング装置のウエハ吸着ステージ32に吸着されたウエハ1の裏面1bは、グラインディングブレード31等の回転ブレードによって、研削され、上端部分16が、除去される。ここで、ウエハ1の厚さは、耐圧等にもよるが、60マイクロメートル程度(好適な範囲としては50マイクロメートルから150マイクロメートル程度)にされる。
【0065】
このバックグラインディング工程後におけるウエハ1の形状は、図13に示すように、ほぼ全面が、ほぼ均一な厚さを有するものとすることができる(これを「平坦ウエハ方式」という)。一方、このバックグラインディング工程後におけるウエハ1の形状は、図14に示すようにもすることができる(これを「環状周辺肉厚ウエハ方式」という)。環状周辺肉厚ウエハ方式においては、ウエハ1の裏面1bの研削は、内部領域18(バックグラインディング工程後の厚さは、たとえば、60マイクロメートル程度)についてのみ実行される結果、ウエハ1の周辺には、厚い外周円環状端部19(厚さは、たとえば、700マイクロメートル程度)が残る。すなわち、内部領域18は、ほぼ全面が、相対的に薄く、且つ、ほぼ均一な厚さを有する。
【0066】
このような、厚い外周円環状端部19があると、BGテープ15を剥離した後でも、ウエハ1のハンドリングが容易になるメリットがある。ただし、これに伴い、バックグラインディング工程等は若干複雑になる。また、通常、ダイシング直前に外周円環状端部19を除去する必要がある。
【0067】
次に、図15に示すように、裏面研削工程後の裏面エッチ工程104(図2)を実行する。これは、裏面研削後には、ウエハの裏面に、ミクロンオーダの厚みを有する変質層が形成されているからである。従ってエッチング厚さは、1マイクロメートルから数マイクロメートル程度となる。すなわち、図15に示すように、ウエハ1のBGテープ15側をスピンエッチング装置のウエハ吸着スピンステージ47に吸着された状態で、ウエハ1は、自転する。このとき、ウエハ1の裏面1bには、薬液ノズル48から、たとえば弗硝酸(弗酸と硝酸の混合水溶液)等のウエットエッチング液49が供給され、エッチングが進行する。エッチング完了後、ウエハ1は水洗等の洗浄処理が行われる。
【0068】
4.本願の前記一実施の形態の半導体装置の製造方法における裏面イオン注入工程等の説明(主に図2および図25)
ここでは、裏面からP型不純物を導入して、コレクタ領域を作る例を具体的に説明するが、P型基板上にエピタキシャル成長でN型領域等を形成する等の方法でもよいことはいうまでもない。ただし、以下に示すように、単結晶基板を用いて、裏面からイオン注入することにより、製造コストを大幅に削減することが可能である。
【0069】
図25は本願の前記一実施の形態の半導体装置の製造方法における裏面イオン注入工程等を説明するための図1に対応する単位セル断面構造図である。これに基づいて、本願の前記一実施の形態の半導体装置の製造方法における裏面イオン注入工程等を説明する。
【0070】
図2の裏面エッチ工程104が完了したウエハ1に対して、図25に示すように、裏面イオン注入工程105(図2)が実行される。これは、ウエハ1の裏面1b側から、たとえば、ボロンイオンをイオン注入することにより、P+型コレクタ領域5が形成される。その後、必要な活性化アニールが実行される。次に、たとえば、スパッタリング成膜により、裏面メタル電極4が形成される(図2の裏面メタル電極形成工程106)。
【0071】
5.本願の前記一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるバックグラインディング用表面保護テープ剥離工程等の説明(主に図2、図16から図24および図26)
このセクションでは、主に狭幅剥離テープ方式(図21)について説明するが、広幅剥離テープ方式(図22)でもよいことはいうまでもない。
【0072】
図16は本願の前記一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるバックグラインディング用表面保護テープ剥離工程等の一ステップ(剥離用粘着テープ貼り付け開始ステップ)のBGテープ剥離装置の模式断面図である。図17は本願の前記一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるバックグラインディング用表面保護テープ剥離工程等の一ステップ(剥離用粘着テープ貼り付け進行ステップ)のBGテープ剥離装置の模式断面図である。図18は本願の前記一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるバックグラインディング用表面保護テープ剥離工程等の一ステップ(剥離用粘着テープ貼り付け完了ステップ)のBGテープ剥離装置の模式断面図である。図19は本願の前記一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるバックグラインディング用表面保護テープ剥離工程等の一ステップ(BGテープ剥離開始ステップ)のBGテープ剥離装置の模式断面図である。図20は本願の前記一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるバックグラインディング用表面保護テープ剥離工程等の一ステップ(BGテープ剥離進行ステップ)のBGテープ剥離装置の模式断面図である。図21は図20のウエハ周辺の拡大斜視図(狭幅剥離テープの例)である。図22は図20のウエハ周辺の拡大擬似上面図(広幅剥離テープによる変形例)である。図23は剥離開始直後のウエハ、各テープおよび吸着ステージの状態を示す上は周辺の模式断面図である。図24は本願の前記一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるバックグラインディング用表面保護テープ剥離工程等の一ステップ(GBテープ剥離完了ステップ)のBGテープ剥離装置の模式断面図である。図26はBGテープ剥離工程におけるテープ剥離速度と各真空系の真空度の関係を示すデータプロット図である。これらに基づいて、本願の前記一実施の形態の半導体装置の製造方法におけるバックグラインディング用表面保護テープ剥離工程等を説明する。
【0073】
図2の裏面メタル電極形成工程106が完了したウエハ1に対して、BGテープ剥離工程107が実行される。図16に剥離用粘着テープ46の貼り付け開始直前のBGテープ剥離装置の模式断面を示す。図16に示すように、ウエハ1は、BGテープ15側を上に向けて、BGテープ剥離装置のウエハ吸着ステージ32上に真空吸着保持されている。剥離用粘着テープ46(強粘着テープ)は、テープ送り出し部34から供給され、剥離用ピンチローラ45によって、ウエハ1上のBGテープ15上に供給される。剥離用粘着テープ46は、その後、剥離用ピンチローラ45、テープ排出ピンチローラ40等を介して、テープ巻取り部42に巻き取られる。
【0074】
剥離用粘着テープ貼り付け開始ステップにおいては、貼り付けローラ43が、剥離用粘着テープ46を押し下げながらウエハ1に近づき、ウエハ1上のBGテープ15よりも低い位置に降下して行く。
【0075】
次に、図17に示すように、剥離用粘着テープ貼り付け進行ステップに於いては、貼り付けローラ43は、ウエハ1の一方の端部外のウエハ吸着ステージ32の上面からウエハ1上のBGテープ15上面を押し下げながら、ウエハ1の他方の端部外に向けて、凹凸に沿うように上下動しながら移動する。この動作によって、図18に示すように、剥離用粘着テープ貼り付け完了ステップにいたる。以上、図16から図18の過程において、表面保護テープの外面に、前記表面保護テープの外周近傍から内部領域に亘り、剥離用粘着テープの中間部分(テープ送り出し部34とテープ巻取り部42の中間部分)を貼り付けるのである。
【0076】
次に、図19に示すように、BGテープ剥離開始ステップに於いては、テープ排出テープチャック40が開き剥離用粘着テープ46をテープ巻き取り部42に巻き取り、同時に、剥離用ピンチローラ45がウエハ1を横断する方向に移動開始する。
【0077】
次に、図20に示すように、BGテープ剥離進行ステップに於いては、BGテープ15の剥離が相当程度進んで、剥離用ピンチローラ45は、ウエハ1上方をすでに通過しているが、なお、完全に剥離が完了するまで、ウエハ1から遠ざかる方向に移動を続ける。このBGテープ剥離完了ステップの状況を図24に示す。
【0078】
ここで使用する剥離用粘着テープ46は、図21に示すように、ウエハ1の直径よりも狭いもの(狭幅剥離テープ方式)であってもよい。また、図22に示すように、剥離用粘着テープ46は、その幅が、ウエハ1の直径と同等か、または、それよりも幅が広いもの(広幅剥離テープ方式)であっても良い。広幅剥離テープ方式の場合は、剥離がスムースに行えるメリットがある。一方、狭幅剥離テープ方式では、剥離テーププロセスの制御が簡単になるメリットがある。
【0079】
ここで、図19と図20の間であって、ウエハ1からBGテープ15が剥離し始める初期剥離期間における詳細状況を図23に説明する。図23に示すように、ウエハ吸着ステージ32内部には、平面的に見て、円形の円形中央吸引室VCと、その外側にあって平面的に見て円環状の円環状周辺吸引室VPがあり、それぞれに多数の真空吸引孔VHが設けられている。円形中央吸引室VCは、対応する真空吸引孔VH、真空計PG1および真空ソースVS1に連結されており、これらで、内部吸引系50cを構成している。一方、円環状周辺吸引室VPは、対応する真空吸引孔VH、真空計PG2および真空ソースVS2に連結されており、これらで、周辺吸引系50pを構成している。すなわち、真空吸引系50は、内部吸引系50cと周辺吸引系50pを有している。すなわち、内部吸引系50cは、ウエハ1の内部領域の真空吸引を担当しており、周辺吸引系50pは、ウエハ1の外周部の真空吸引を担当している。
【0080】
すなわち、少なくとも剥離動作の初期に於いては、BGテープ15の中間部分(ウエハ1に貼り付けられている部分)から見て前記剥離用テープ46のウエハ外周近傍側の外部延長部分に対して、BGテープ15の外周近傍に粘着している部分から内部領域に向かう分力52を含む張力51を印加することによって、BGテープ15をウエハ1の第1の主面1aから剥離するのである。
【0081】
このようにする理由は、BGテープ15を剥離する際のウエハ1は、すでに極めて薄いので、剥離用粘着テープ46に強い張力がかかり、その張力がBGテープ15に伝わると、その下のウエハ1の端部は、容易に持ち上がり、その結果、ウエハ吸着ステージ32の上面とウエハ1の下面との間に、容易に隙間が発生する恐れがある。このウエハ吸着ステージ32の上面とウエハ1の下面との間の隙間は、真空吸引系のリークにつながり、真空吸引系が単一系統の場合は、容易に、全体の吸引力を低下される事態となる。
【0082】
しかし、この例では、真空吸引系は2系統(一般に、複数系統でも良い)に分かれているので、端部すなわち、周辺吸引系50pにリークが発生しても、内部吸引系50cには影響をほとんど与えないので、このリークが、後の剥離動作を阻害することはない。また、周辺吸引系50pの真空度を真空計PG2によりモニタして、リークを検知すると、剥離用ピンチローラトルク制御系RTCが剥離用ピンチローラ45のトルクを下げて、テープ剥離速度を下げるようにすれば、ウエハ1のウエハ吸着ステージ32の上面からの不所望な剥離を防止することができる。
【0083】
これを示したのが、図26である。すなわち、前記のような真空吸引系の構成(2系統)では、内部吸引系50cは常に高い吸引能力(高い真空度)を示しており、周辺吸引系50pは、これよりも低いが、テープ剥離速度が6mm/秒よりも低速では、吸着可能下限値(−18kPa)以上の値を示している。従って、剥離用ピンチローラトルク制御系RTCによって、剥離用ピンチローラ45のトルクを制御することによって、テープ剥離速度が6mm/秒よりも低速に保持されるように制御すればよいことがわかる。なお、テープ剥離速度をたとえば、2mm/秒よりも低速に保持すると、リークはほぼ完全に問題なくなるが、剥離速度が極めて遅くなるデメリットがある。
【0084】
次に、図24に示すように、BGテープ15の剥離が完了すると、ウエハ1に対して、その後の処理が開始される。すなわち、図2に示すように、プローバを用いたウエハプローブテスト工程108が実施される。この場合、環状周辺肉厚ウエハ方式においては、ウエハ1の表面1aと裏面1bの両方に直接プローブ針を当てて試験することが容易であり、エミッタ−コレクタ間の特性試験に有効である。平坦ウエハ方式に於いては、たとえば、ウエハ1の裏面1bを導電性の真空チャックで吸着した状態で、ウエハ1の表面1aに直接プローブ針を当てて同様の試験することが可能である。
【0085】
次に、図2に示すように、ウエハ1の裏面1bをダイシングテープに貼り付ける(ダイシングテープ貼り付け工程109)。続いて、たとえば、回転ブレードにより、ダイシングを実行して、ウエハ1を個々のチップ2に分離する(ダイシング工程110)。このダイシング工程110は、回転ブレードによるほか、レーザダイシングによる方法でもよく、更に、これらを組み合わせた方法を用いてもよい。その後、各チップ2に対して、組立工程111(必要によりワイヤボンディング工程、ダイボンディング工程、封止工程等)を実施する。
【0086】
6.サマリ
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本願発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0087】
例えば、前記実施の形態に於いては、パワー系半導体の内、パワー系IGBTを例に取り具体的に説明したが、本願発明はそれに限定されるものではなく、パワー系MOSFET等にも適用できることは言うまでもない。
【0088】
更に、前記実施の形態に於いては、パワー系IGBTの一例として、トレンチゲート型のIGBTを例に取り具体的に説明したが、本願発明はそれに限定されるものではなく、プレーナ型IGBTその他の絶縁ゲート型パワー系トランジスタ等にも適用できることは言うまでもない。
【0089】
また、前記実施の形態では、主にNチャネル型デバイスについて、具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、Pチャネル型デバイスにも、ほぼそのまま適用できることは言うまでもない。
【0090】
また、前記実施の形態では、主に単体デバイスについて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、絶縁ゲート型パワー系トランジスタを組み込んだ複合半導体チップ(半導体装置)にも、ほぼそのまま適用できることは言うまでもない。
【0091】
更に、前記実施の形態では、主にシリコン系デバイスについて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、SiC系,GaN系などのその他の系統に属する基板材料を使用したデバイスにも、ほぼそのまま適用できることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0092】
1 半導体ウエハ
1a ウエハ又はチップの表面(第1の主面)
1b ウエハ又はチップの裏面(第2の主面)
1s N型半導体基板(半導体基板部)
2 半導体チップ又はチップ領域
3 単位セル領域
4 裏面メタル電極
5 P+型コレクタ領域
6 N型ドリフト領域
7 P型ボディ領域
8 N+型エミッタ領域
9 P+型ボディコンタクト領域
10 トレンチ
11 ゲート絶縁膜
12 ゲート電極
14 エミッタメタル電極
15 BGテープ(表面保護テープ)
15a PET基材層
15b EVA基材層
15c アクリル柔軟層
15d アクリル粘着層
16 研削で除去された部分
17 ノッチ部
18 ウエハの内部領域
19 ウエハの外周円環状端部
20a ウエハ上のゾーン1
20b ウエハ上のゾーン2
20c ウエハ上のゾーン3
20d ウエハ上のゾーン4
20e ウエハ上のゾーン5
31 グラインディングホイール
32 ウエハ吸着ステージ
33 分離テープ
34 テープ送り出し部
35 分離前テープチャック
36 分離バー
37 分離テープ巻取り部
38 テープ供給テープチャック
39 テンション調整機構
40 テープ排出テープチャック
41 GBテープ巻取り中継バー
42 テープ巻取り部
43 貼り付けローラ
44 テープカッタ
45 剥離用ピンチローラ
46 剥離用粘着テープ
47 ウエハ吸着スピンステージ
48 薬液ノズル
49 エッチング液
50 真空吸引系
50c 内部吸引系
50p 周辺吸引系
101 素子形成
102 BGテープ貼り付け工程
103 裏面研削工程
104 ウエハ裏面エッチ工程
105 ウエハ裏面イオン注入工程
106 裏面メタル電極形成工程
107 BGテープ剥離工程
108 ウエハプローブテスト工程
109 ダイシングテープ貼り付け工程
110 ダイシング工程
111 組立工程
PG1,PG2 真空計
RTC 剥離用ピンチローラトルク制御系
VC 円形中央吸引室
VH 真空吸引孔
VP 円環状周辺吸引室
VS1,VS2 真空ソース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程を含む半導体装置の製造方法:
(a)半導体ウエハの第1の主面に半導体素子を形成する工程;
(b)前記工程(a)の後、前記半導体ウエハの前記第1の主面のほぼ全面に表面保護テープを貼り付ける工程;
(c)前記半導体ウエハの前記第1の主面のほぼ全面に前記表面保護テープが貼り付けられた状態で、前記半導体ウエハの第2の主面に対して、バックグラインディング処理を実行する工程;
(d)前記工程(c)の後、前記表面保護テープの外面に、前記表面保護テープの外周近傍から内部領域に亘り、剥離用粘着テープの中間部分を貼り付ける工程;
(e)前記工程(d)の後、前記半導体ウエハの前記第2の主面が真空吸着ステージ上に吸着された状態で、前記中間部分から見て前記剥離用粘着テープの前記外周近傍側の外部延長部分に対して、前記表面保護テープの前記外周近傍に粘着している部分から前記内部領域に向かう分力を含む張力を印加することによって、前記表面保護テープを前記半導体ウエハの前記第1の主面から剥離する工程、
ここで、真空吸着ステージの真空吸引系は、前記外周近傍に対応する周辺吸引系と、前記内部領域に対応する内部吸引系を有する。
【請求項2】
請求項1の半導体装置の製造方法において、前記周辺吸引系は、前記ウエハの外周部の真空吸着を担当しており、前記内部吸引系は、前記ウエハの内部領域の真空吸着を担当している。
【請求項3】
請求項2の半導体装置の製造方法において、前記工程(e)における張力の印加は、ピンチローラによって実行されており、前記ピンチローラのトルクは、前記周辺吸引系の真空度をモニタ結果に基づいて、前記周辺吸引系に実質的にリークが発生しないように制御されている。
【請求項4】
請求項3の半導体装置の製造方法において、前記工程(c)完了時において、前記ウエハは、ほぼ全面が、ほぼ均一な厚さを有する。
【請求項5】
請求項3の半導体装置の製造方法において、前記工程(c)完了時において、前記ウエハの外周円環状端部が相対的に厚く、前記ウエハの内部領域のほぼ全面が、相対的に薄く、且つほぼ均一な厚さを有する。
【請求項6】
請求項1の半導体装置の製造方法において、更に以下の工程を含む:
(f)前記工程(e)の後、前記半導体ウエハに対してプローブテストを実行する工程;
(g)前記工程(f)の後、前記半導体ウエハの前記第2の主面のほぼ全面にダイシングテープを貼り付ける工程。
【請求項7】
請求項6の半導体装置の製造方法において、前記半導体装置は、パワー系能動素子を有する。
【請求項8】
請求項6の半導体装置の製造方法において、前記半導体装置は、IGBTを有する。
【請求項9】
以下の工程を含む半導体装置の製造方法:
(a)半導体ウエハの第1の主面に半導体素子を形成する工程;
(b)前記工程(a)の後、前記半導体ウエハの前記第1の主面のほぼ全面に表面保護テープを貼り付ける工程;
(c)前記半導体ウエハの前記第1の主面のほぼ全面に前記表面保護テープが貼り付けられた状態で、前記半導体ウエハの第2の主面に対して、バックグラインディング処理を実行する工程;
(d)前記工程(c)の後、前記表面保護テープの外面のほぼ全面に、前記ウエハの直径と同等か、又は、それよりも幅の広い剥離用粘着テープの中間部分を貼り付ける工程;
(e)前記工程(d)の後、前記半導体ウエハの前記第2の主面が真空吸着ステージ上に吸着された状態で、前記中間部分から見て前記表面保護テープの外周近傍側の前記剥離用粘着テープの外部延長部分に対して、前記表面保護テープの前記外周近傍に粘着している部分から前記表面保護テープの内部領域に向かう分力を含む張力を印加することによって、前記表面保護テープを前記半導体ウエハの前記第1の主面から剥離する工程。
【請求項10】
請求項9の半導体装置の製造方法において、前記工程(c)完了時において、前記ウエハは、ほぼ全面が、ほぼ均一な厚さを有する。
【請求項11】
請求項9の半導体装置の製造方法において、前記工程(c)完了時において、前記ウエハの外周円環状端部が相対的に厚く、前記ウエハの内部領域のほぼ全面が、相対的に薄く、且つほぼ均一な厚さを有する。
【請求項12】
請求項9の半導体装置の製造方法において、更に以下の工程を含む:
(f)前記工程(e)の後、前記半導体ウエハに対してプローブテストを実行する工程;
(g)前記工程(f)の後、前記半導体ウエハの前記第2の主面のほぼ全面にダイシングテープを貼り付ける工程。
【請求項13】
請求項12の半導体装置の製造方法において、前記半導体装置は、パワー系能動素子を有する。
【請求項14】
請求項12の半導体装置の製造方法において、前記半導体装置は、IGBTを有する。
【請求項15】
以下の工程を含む半導体装置の製造方法:
(a)半導体ウエハの第1の主面に半導体素子を形成する工程;
(b)前記工程(a)の後、表面保護テープに張力を付与しながらローラにより押し付けることにより、前記半導体ウエハの前記第1の主面のほぼ全面に、前記表面保護テープを貼り付ける工程;
(c)前記半導体ウエハの前記第1の主面のほぼ全面に前記表面保護テープが貼り付けられた状態で、前記半導体ウエハの第2の主面に対して、バックグラインディング処理を実行する工程;
(d)前記工程(c)の後、前記表面保護テープの外面に、剥離用粘着テープの中間部分を貼り付ける工程;
(e)前記工程(d)の後、前記半導体ウエハの前記第2の主面が真空吸着ステージ上に吸着された状態で、前記中間部分から見て前記表面保護テープの外周近傍側の前記剥離用粘着テープの外部延長部分に対して、前記表面保護テープの前記外周近傍に粘着している部分から前記表面保護テープの内部領域に向かう分力を含む張力を印加することによって、前記表面保護テープを前記半導体ウエハの前記第1の主面から剥離する工程、
ここで、前記工程(b)は、前記ローラの位置に対応して、前記表面保護テープにしわが発生しない程度に前記張力を制御しながら実行される。
【請求項16】
請求項15の半導体装置の製造方法において、前記工程(b)において、前記ローラへの加圧力は、前記ローラの単位長さあたりの圧力が、ほぼ均一になるように制御されている。
【請求項17】
請求項16の半導体装置の製造方法において、前記工程(c)完了時において、前記ウエハは、ほぼ全面が、ほぼ均一な厚さを有する。
【請求項18】
請求項16の半導体装置の製造方法において、前記工程(c)完了時において、前記ウエハの外周円環状端部が相対的に厚く、前記ウエハの内部領域のほぼ全面が、相対的に薄く、且つほぼ均一な厚さを有する。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2013−84765(P2013−84765A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−223665(P2011−223665)
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(302062931)ルネサスエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】