説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】狭ピッチで配置された第1及び第2の配線基板のパッドに設けられ、第1の配線基板と第2の配線基板とを電気的に接続する導電部材間におけるショートの発生を防止することのできる半導体装置及びその製造方法を提供する。
【解決手段】第1の配線基板11に設けられた第1のパッド33と第2の配線基板13に設けられた第2のパッド44との間に、第1及び第2のパッド33,34と対向する貫通孔72を有した柱状部材16を設け、第1の導電性ペースト18により、第1のパッド33に柱状部材16(第1の配線基板11と第2の配線基板13とを電気的に接続する導電部材)の第1の端部を固定し、第2の導電性ペースト19により、第2のパッド44に柱状部材16の第2の端部を固定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体装置及びその製造方法に係り、特に、第1の配線基板と、第1の配線基板と対向配置された第2の配線基板と、第1の配線基板と第2の配線基板との間に配置された電子部品と、第1の配線基板と第2の配線基板との間に配置され、第1の配線基板と第2の配線基板とを電気的に接続する導電部材と、を備えた半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の半導体装置には、第1の配線基板と、第1の配線基板と対向配置された第2の配線基板と、第1の配線基板と第2の配線基板との間に配置された電子部品と、第1の配線基板と第2の配線基板との間に配置され、第1の配線基板と第2の配線基板とを電気的に接続する導電部材と、を備えた半導体装置がある(図1参照)。
【0003】
図1は、従来の半導体装置の断面図である。
【0004】
図1を参照するに、従来の半導体装置200は、第1の配線基板201と、電子部品202,204と、第2の配線基板203と、金属コアボール206(導電部材)と、外部接続端子207とを有する。
【0005】
第1の配線基板201は、基板本体211と、基板本体211の上面211Aに設けられた接続パッド213と、基板本体211の下面211Bに設けられ、接続パッド213と電気的に接続されたパッド214とを有する。
【0006】
電子部品202は、第1の配線基板201に設けられた接続パッド213に実装されている。これにより、電子部品202は、第1の配線基板201と電気的に接続されている。電子部品202としては、例えば、半導体チップを用いることができる。この場合、電子部品202と第1の配線基板201との隙間は、アンダーフィル樹脂208により封止されている。
【0007】
第2の配線基板203は、積層された複数の絶縁層、複数の絶縁層に内設されたビア及び配線等により構成された基板本体217と、基板本体217の上面217Aに設けられた接続パッド218と、基板本体217の上面217Aに設けられ、接続パッド218と電気的に接続されたパッド219と、基板本体217の下面217Bに設けられ、接続パッド218及びパッド219と電気的に接続された外部接続用パッド221とを有する。
【0008】
上記構成とされた第2の配線基板203は、パッド219がパッド214と対向するように、第1の配線基板201の下方に配置されている。
【0009】
電子部品204は、第1の配線基板201と第2の配線基板203との間に配置されている。電子部品204は、接続パッド218に実装されている。これにより、電子部品204は、第2の配線基板203と電気的に接続されている。電子部品204としては、例えば、半導体チップを用いることができる。この場合、電子部品204と第2の配線基板203との隙間は、アンダーフィル樹脂209により封止されている。
【0010】
金属コアボール206は、第1の配線基板201と第2の配線基板203との間に配置されている。金属コアボール206は、金属コア223と、はんだ224とを有する。金属コア223は、パッド214とパッド219との間に配置されている。金属コア223は、第1の配線基板201と第2の配線基板203との間隔を所定の間隔に保つための部材である。
【0011】
はんだ224は、金属コア223の表面を覆うように設けられている。はんだ224は、金属コア223とパッド214,219に固定するための部材である。
【0012】
外部接続端子207は、外部接続用パッド221に設けられている。外部接続端子207は、例えば、マザーボード等の実装基板に設けられたパッド(図示せず)と接続される端子である(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】特開2008−10885号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
しかしながら、従来の半導体装置200では、第1及び第2の配線基板201,203に設けられたパッド214,219を狭ピッチで配置した場合、金属コアボール206に設けられたはんだ224を溶融させて、金属コアボール206をパッド214,219に接続(固定)させる際、金属コアボール206に設けられたはんだ224と、該金属コアボール206と隣り合う位置に配設された他の金属コアボール206に設けられたはんだ224とが接触して、ショートが発生してしまうという問題があった。
【0015】
そこで本発明は、上述した問題点に鑑みなされたものであり、対向するように狭ピッチで配置された第1及び第2の配線基板のパッドに設けられた導電部材間におけるショートの発生を防止することのできる半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の一観点によれば、第1の基板本体と、前記第1の基板本体の第1の面に設けられ、第1の接続面を有する第1のパッドと、を有する第1の配線基板と、
第2の基板本体と、前記第1の基板本体の第1の面と対向する前記第2の基板本体の第1の面に設けられた接続パッドと、前記第2の基板本体の第1の面に設けられ、前記第1の接続面と対向するように配置された第2の接続面を有し、前記接続パッドと電気的に接続された第2のパッドと、を有し、前記第1の配線基板と電気的に接続された第2の配線基板と、
前記第1の配線基板と前記第2の配線基板との間に配置され、前記接続パッドに実装された電子部品と、を備えた半導体装置であって、
前記第1のパッドと前記第2のパッドとの間に配置され、前記第1及び第2の接続面と対向する貫通孔を有すると共に、金属材料により構成された柱状部材と、
前記第1の接続面と対向する側の前記柱状部材の第1の端部と前記第1の接続面との間に配置され、前記第1のパッドに前記柱状部材の第1の端部を固定する第1の導電性ペーストと、
前記第2の接続面と対向する側の前記柱状部材の第2の端部と前記第2の接続面との間に配置され、前記第2のパッドに前記柱状部材の第2の端部を固定する第2の導電性ペーストと、を設けたことを特徴とする半導体装置が提供される。
【0017】
本発明によれば、第1の配線基板に設けられた第1のパッドと第2の配線基板に設けられた第2のパッドとの間に、第1及び第2のパッドと対向する貫通孔を有した柱状部材を設け、第1の導電性ペーストにより、第1のパッドに柱状部材の第1の端部を固定し、第2の導電性ペーストにより、第2のパッドに柱状部材の第2の端部を固定することにより、第1及び第2の導電性ペーストを溶融させて、第1及び第2のパッドに柱状部材を固定する際、第1及び第2のパッドと柱状部材との固定に不要な溶融された第1及び第2の導電性ペーストを貫通孔に逃がす(移動させる)ことが可能となる。
【0018】
これにより、第1及び第2のパッドを狭ピッチで配置した場合でも、柱状部材と接触する第1及び第2の導電性ペーストと、該柱状部材と隣り合う位置に配置された他の柱状部材と接触する第1及び第2の導電性ペーストとが接触することがなくなるため、第1の配線基板と第2の配線基板とを電気的に接続する柱状部材間におけるショートの発生を防止することができる。
【0019】
また、請求項1ないし6のうち、いずれか1項記載の半導体装置の製造方法であって、
前記第1の配線基板を形成する第1の配線基板形成工程と、
前記第1のパッドの第1の接続面に、前記第1の導電性ペーストを形成する第1の導電性ペースト形成工程と、
前記第2の配線基板を形成する第2の配線基板形成工程と、
前記接続パッドに前記電子部品を実装する電子部品実装工程と、
前記柱状部材を準備する柱状部材準備工程と、
前記貫通孔が形成された前記柱状部材の第1の端部と前記第1の導電性ペーストとを接触させた状態で、前記第1の導電性ペーストを溶融させ、その後、前記第1の導電性ペーストを硬化させることで、前記第1のパッドに前記柱状部材の第1の端部を固定する第1の端部固定工程と、
前記第1の固定工程後に、前記貫通孔が形成された前記柱状部材の第2の端部に、前記第2の導電性ペーストを形成する第2の導電性ペースト形成工程と、
前記第2の導電性ペーストと前記第2のパッドの第2の接続面とを接触させた状態で、前記第2の導電性ペーストを溶融させ、その後、前記第2の導電性ペーストを硬化させることで、前記第2のパッドに前記柱状部材の第2の端部を固定する第2の端部固定工程と、を含んでもよい。
【0020】
このように、貫通孔が形成された柱状部材の第1の端部と第1の導電性ペーストとを接触させた状態で、第1の導電性ペーストを溶融させ、その後、第1の導電性ペーストを硬化させることで、第1のパッドに柱状部材の第1の端部を固定させ、その後、貫通孔が形成された柱状部材の第2の端部に、第2の導電性ペーストを形成し、次いで、第2の導電性ペーストと第2のパッドの第2の接続面とを接触させた状態で、第2の導電性ペーストを溶融させ、その後、第2の導電性ペーストを硬化させることで、第2のパッドに柱状部材の第2の端部を固定することにより、溶融した第1及び第2の導電性ペーストのうち、柱状部材を第1及び第2のパッドに固定する際に不要な第1及び第2の導電性ペースト(余分な第1及び第2の導電性ペースト)を貫通孔に逃がす(移動させる)ことが可能となる。
【0021】
これにより、第1及び第2のパッドを狭ピッチで配置した場合でも、柱状部材と接触する第1及び第2の導電性ペーストと、該柱状部材と隣り合う位置に配置された他の柱状部材と接触する第1及び第2の導電性ペーストとが接触することがなくなるため、第1の配線基板と第2の配線基板とを電気的に接続する柱状部材間におけるショートの発生を防止することができる。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、狭ピッチで配置された第1及び第2の配線基板のパッドに設けられ、第1の配線基板と第2の配線基板とを電気的に接続する導電部材間におけるショートの発生を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】従来の半導体装置の断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る半導体装置の断面図である。
【図3】図2に示す柱状部材の斜視図である。
【図4】他の柱状部材の例を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その1)である。
【図6】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その2)である。
【図7】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その3)である。
【図8】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その4)である。
【図9】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その5)である。
【図10】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その6)である。
【図11】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その7)である。
【図12】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その8)である。
【図13】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その9)である。
【図14】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その10)である。
【図15】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その11)である。
【図16】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その12)である。
【図17】本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図(その13)である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面に基づいて本発明の実施の形態について説明する。
【0025】
(実施の形態)
図2は、本発明の実施の形態に係る半導体装置の断面図である。
【0026】
図2を参照するに、本実施の形態の半導体装置10は、第1の配線基板11と、電子部品12,15と、第2の配線基板13と、柱状部材16と、第1の導電性ペースト18と、第2の導電性ペースト19と、外部接続端子21とを有する。
【0027】
第1の配線基板11は、第1の基板本体25と、接続パッド26と、配線27,34と、ソルダーレジスト層28,36と、貫通電極31と、第1のパッド33とを有する。
【0028】
第1の基板本体25は、板状とされている。第1の基板本体25としては、例えば、ガラスエポキシ基板を用いることができる。
【0029】
なお、図2では、第1の基板本体25としてガラスエポキシ基板を用いた場合を例に挙げて図示したが、第1の基板本体25は、これに限定されない。具体的には、第1の基板本体25としては、例えば、コア付きビルドアップ基板やコアレス基板等を用いてもよい。
【0030】
接続パッド26は、第1の基板本体25の面25B(第1の基板本体25の面25A(第1の面)の反対側に位置する第1の基板本体25の面)に設けられている。接続パッド26は、電子部品12の実装領域に対応する部分の第1の基板本体25の面25Bに配置されている。接続パッド26の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0031】
配線27は、第1の基板本体25の面25Bに設けられている。配線27は、接続パッド26と接続されている。配線27の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0032】
ソルダーレジスト層28は、配線27を覆うように、第1の基板本体25の面25Bに設けられている。ソルダーレジスト層28は、接続パッド26を露出する開口部28Aを有する。
【0033】
貫通電極31は、第1の基板本体25を貫通するように設けられている。貫通電極31の一方の端部は、配線27と接続されている。貫通電極31の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0034】
第1のパッド33は、第1の基板本体25の面25Aに設けられている。第1のパッド33は、第1の導電性ペースト18が形成される第1の接続面33Aを有する。第1のパッド33は、狭ピッチで配置されている。具体的には、第1のパッド33の配設ピッチは、例えば、250μmとすることができる。第1のパッド33の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0035】
配線34は、第1の基板本体25の面25Aに設けられている。配線34は、第1のパッド33と接続されている。配線34は、貫通電極31の他方の端部と接続されている。これにより、配線34は、貫通電極31を介して、第1のパッド33と接続パッド26及び配線27とを電気的に接続している。配線34の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0036】
ソルダーレジスト層36は、配線34を覆うように、第1の基板本体25の面25Aに設けられている。ソルダーレジスト層36は、第1のパッド33の第1の接続面33Aを露出する開口部36Aを有する。
【0037】
電子部品12は、接続パッド26に実装されている。これにより、電子部品12は、第1の配線基板11と電気的に接続されている。電子部品12としては、例えば、半導体チップやチップ部品(チップキャパシタやチップ抵抗等)等を用いることができる。なお、図2では、電子部品12として半導体チップを用いた場合を例に挙げて図示している。この場合、図2に示すように、電子部品12と第1の配線基板11との隙間をアンダーフィル樹脂22で封止するとよい。
【0038】
第2の配線基板13は、第2の基板本体41と、接続パッド43と、第2のパッド44と、配線45と、ソルダーレジスト層47,51と、外部接続用パッド48とを有する。
【0039】
第2の基板本体41は、積層体53と、配線パターン55とを有する。積層体53は、絶縁層56と、絶縁層57と、絶縁層58とが順次積層された構成とされている。絶縁層56〜58としては、例えば、絶縁樹脂層(例えば、エポキシ樹脂層)を用いることができる。
【0040】
配線パターン55は、積層体53に内設されている。配線パターン55は、配線61,62と、ビア63〜65とを有する。配線61は、絶縁層57の面57A(絶縁層58と接触する側の絶縁層57の面)に設けられている。配線62は、絶縁層57の面57B(絶縁層57の面57Aの反対側に位置する絶縁層57の面)に設けられている。
【0041】
ビア63は、配線61と配線62との間に位置する部分の絶縁層57を貫通するように設けられている。ビア63の一方の端部は、配線61と接続されており、ビア63の他方の端部は、配線62と接続されている。
【0042】
ビア64は、第2のパッド44と配線61との間に位置する部分の絶縁層58を貫通するように設けられている。ビア64の一方の端部は、第2のパッド44と接続されており、ビア64の他方の端部は、配線61と接続されている。これにより、ビア64は、第2のパッド44と配線61とを電気的に接続している。
【0043】
ビア65は、配線62と外部接続用パッド48との間に位置する部分の絶縁層56を貫通するように設けられている。ビア65の一方の端部は、配線62と接続されており、ビア65の他方の端部は、外部接続用パッド48と接続されている。
【0044】
上記構成とされた配線パターン55は、第2のパッド44と外部接続用パッド48とを電気的に接続している。配線パターン55の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0045】
接続パッド43は、絶縁層58の面58A(第2の基板本体41の第1の面)に設けられている。接続パッド43は、電子部品15の実装領域に対応する部分の絶縁層58の面58Aに配置されている。接続パッド43の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0046】
第2のパッド44は、絶縁層58の面58Aに設けられている。第2のパッド44は、第1の配線基板11に設けられた第1のパッド33と対向するように配置されている。第2のパッド44は、第2の導電性ペースト19が形成される第2の接続面44Aを有する。第2のパッド44は、狭ピッチで配置されている。第2のパッド44の配設ピッチは、第1のパッド33の配設ピッチと略等しくなるように構成されている。具体的には、第2のパッド44の配設ピッチは、例えば、250μmとすることができる。第2のパッド44の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0047】
配線45は、絶縁層58の面58Aに設けられている。配線45は、第2のパッド44及び接続パッド43と接続されている。これにより、配線45は、第2のパッド44と接続パッド43とを電気的に接続している。配線45の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0048】
ソルダーレジスト層47は、配線45を覆うように、絶縁層58の面58Aに設けられている。ソルダーレジスト層47は、接続パッド43を露出する開口部47Aと、第2のパッド44の第2の接続面44Aを露出する開口部47Bとを有する。
【0049】
外部接続用パッド48は、ビア65の形成領域に対応する部分の絶縁層56の面56A(第2の基板本体41の第2の面)に設けられている。外部接続用パッド48は、外部接続端子21が配設される接続面48Aを有する。外部接続用パッド48の材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0050】
ソルダーレジスト層51は、絶縁層56の面56Aに設けられている。ソルダーレジスト層51は、外部接続用パッド48の接続面48Aを露出する開口部51Aを有する。
【0051】
上記構成とされた第2の配線基板13は、第2のパッド44が第1の配線基板11に設けられた第1のパッド33と対向するように、第1の配線基板11の下方に配置されている。
【0052】
電子部品15は、接続パッド43に実装されている。これにより、電子部品15は、第2の配線基板13と電気的に接続されている。電子部品15は、第1の配線基板11と第2の配線基板13との間に配置されている。電子部品15としては、例えば、半導体チップやチップ部品(チップキャパシタやチップ抵抗等)等を用いることができる。なお、図2では、電子部品15として半導体チップを用いた場合を例に挙げて図示している。この場合、図2に示すように、電子部品15と第2の配線基板13との隙間をアンダーフィル樹脂23で封止するとよい。
【0053】
図3は、図2に示す柱状部材の斜視図である。
【0054】
図2及び図3を参照するに、柱状部材16は、対向配置された第1のパッド33と第2のパッド44との間に設けられている。
【0055】
柱状部材16は、柱状部材本体71と、貫通孔72とを有する。柱状部材本体71は、円柱形状とされている。柱状部材本体71の一方の端面71Aは、第1のパッド33の第1の接続面33Aと対向するように配置されている。柱状部材本体71の一方の端面71Aは、平坦な面とされている。端面71Aを構成する部分の柱状部材本体71(柱状部材16の第1の端部)は、第1の導電性ペースト18を介して、第1のパッド33に固定されている。これにより、柱状部材16は、第1の導電性ペースト18を介して、第1の配線基板11及び電子部品12と電気的に接続されている。
【0056】
柱状部材本体71の他方の端面71Bは、第2のパッド44の第2の接続面44Aと対向するように配置されている。柱状部材本体71の他方の端面71Bは、平坦な面とされている。端面71Bを構成する部分の柱状部材本体71(柱状部材16の第2の端部)は、第2の導電性ペースト19を介して、第2のパッド44に固定されている。これにより、柱状部材16は、第2の導電性ペースト19を介して、第2の配線基板13及び電子部品15と電気的に接続されている。
【0057】
柱状部材本体71の半径Rは、例えば、0.2mmとすることができる。柱状部材本体71の高さHは、第2の配線基板13に実装された電子部品15と第1の配線基板11とが接触しない高さとされている。柱状部材本体71の高さHは、例えば、0.2mmとすることができる。
【0058】
柱状部材本体71は、例えば、第1及び第2の導電性ペースト18,19よりも融点の高い金属材料により構成するとよい。
【0059】
このように、第1及び第2の導電性ペースト18,19よりも融点の高い金属材料により柱状部材本体71を構成することで、第1及び第2の導電性ペースト18,19を溶融させて、柱状部材16を第1及び第2のパッド33,44に固定する際、柱状部材本体71が溶融して、隣り合う位置に配置された柱状部材本体71が接触してショートすることを防止できる。
【0060】
第1及び第2の導電性ペースト18,19として、例えば、融点が220度のはんだやAgペーストを用いる場合、柱状部材本体71を構成する金属材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0061】
貫通孔72は、柱状部材本体71の中央及び柱状部材本体71の端面71A,71Bを貫通するように形成されている。端面71A側に位置する貫通孔72の端部は、第1のパッド33の第1の接続面33Aと対向している。また、端面71B側に位置する貫通孔72の端部は、第2のパッド44の第2の接続面44Aと対向している。
【0062】
このような貫通孔72を柱状部材16に設けることにより、第1及び第2の導電性ペースト18,19を溶融させて、柱状部材16を第1及び第2のパッド33,44に固定する際、柱状部材16と第1及び第2のパッド33,44との固定に不要な第1及び第2の導電性ペースト18,19(言い換えれば、余分な第1及び第2の導電性ペースト18,19)を貫通孔72に逃がす(移動させる)ことが可能となる。
【0063】
これにより、第1及び第2のパッド33,44を狭ピッチで配置した場合でも、柱状部材16と接触する第1及び第2の導電性ペースト18,19と、該柱状部材16と隣り合う位置に配置された他の柱状部材16と接触する第1及び第2の導電性ペースト18,19とが接触することがなくなるため、第1の配線基板11と第2の配線基板13とを電気的に接続する柱状部材16間におけるショートの発生を防止することができる。
【0064】
なお、図2に示す貫通孔72内に存在する第1及び第2の導電性ペースト18,19が、柱状部材16と第1及び第2のパッド33,44との固定に不要な第1及び第2の導電性ペースト18,19である。
【0065】
上記構成とされた柱状部材16は、第1及び第2の導電性ペースト18,19を介して、第1の配線基板11及び電子部品12と第2の配線基板13及び電子部品15とを電気的に接続している。柱状部材16は、第1の配線基板11と第2の配線基板13とを電気的に接続する導電部材である。
【0066】
第1の導電性ペースト18は、第1のパッド33の第1の接続面33Aと、端面71Aが形成された側に位置する柱状部材16の第1の端部(端面71A側に配置された部分の貫通孔72も含む)との間に配置されている。第1の導電性ペースト18は、柱状部材16の第1の端部を第1のパッド33に固定すると共に、柱状部材16と第1のパッド33とを接続するための部材である。第1の導電性ペースト18としては、例えば、はんだ(融点は、例えば、220度)やAgペースト等を用いることができる。
【0067】
第2の導電性ペースト19は、第2のパッド44の第2の接続面44Aと、端面71B側に位置する柱状部材16の第2の端部(端面71B側に配置された部分の貫通孔72も含む)との間に配置されている。第2の導電性ペースト19は、柱状部材16の他方の端部を第2のパッド44に固定すると共に、柱状部材16と第2のパッド44とを接続するための部材である。第2の導電性ペースト19としては、例えば、はんだ(融点は、例えば、220度)やAgペースト等を用いることができる。
【0068】
外部接続端子21は、外部接続用パッド48の接続面48Aに設けられている。外部接続端子21は、半導体装置10をマザーボード等の実装基板(図示せず)に実装する際、実装基板に設けられたパッド(図示せず)と接続される端子である。外部接続端子21としては、例えば、はんだボールを用いることができる。
【0069】
本実施の形態の半導体装置によれば、第1の配線基板11に設けられた第1のパッド33と第2の配線基板13に設けられた第2のパッド44との間に、第1及び第2のパッド33,34と対向する貫通孔72を有した柱状部材16を設け、第1の導電性ペースト18により、第1のパッド33に柱状部材16の第1の端部を固定し、第2の導電性ペースト19により、第2のパッド44に柱状部材16の第2の端部を固定することにより、第1及び第2の導電性ペースト18,19を溶融させて、柱状部材16を第1及び第2のパッド33,44に固定する際、柱状部材16と第1及び第2のパッド33,44との固定に不要な第1及び第2の導電性ペースト18,19(言い換えれば、余分な第1及び第2の導電性ペースト18,19)を貫通孔72に逃がす(移動させる)ことが可能となる。
【0070】
これにより、第1及び第2のパッド33,44を狭ピッチで配置した場合でも、柱状部材16と接触する第1及び第2の導電性ペースト18,19と、該柱状部材16と隣り合う位置に配置された他の柱状部材16と接触する第1及び第2の導電性ペースト18,19とが接触することがなくなるため、第1の配線基板11と第2の配線基板13とを電気的に接続する柱状部材16間におけるショートの発生を防止することができる。
【0071】
図4は、他の柱状部材の例を示す斜視図である。図4において、図3に示す柱状部材16と同一構成部分には、同一符号を付す。
【0072】
なお、本実施の形態では、第1の配線基板11と第2の配線基板13との間に、円柱形状とされた柱状部材16を配置することで、第1の配線基板11と第2の配線基板13とを電気的に接続する場合を例に挙げて説明したが、柱状部材16の代わりに、図4に示す四角柱とされた柱状部材75を用いてもよい。この場合、本実施の形態の半導体装置10と同様な効果を得ることができる。
【0073】
ここで、図4を参照して、四角柱とされた柱状部材75について説明する。柱状部材75は、図3に示す柱状部材16に設けられた柱状部材本体71の代わりに、柱状部材本体76を設けた以外は、柱状部材16と同様に構成される。
【0074】
柱状部材75は、第1及び第2のパッド33,34の間に配置されている。柱状部材本体76の形状は、四角柱とされている。柱状部材本体76の一方の端面76Aは、第1のパッド33の第1の接続面33Aと対向するように配置される。柱状部材本体76の端面76Aは、平坦な面とされている。端面76Aを構成する部分の柱状部材本体76(柱状部材75の第1の端部)は、第1の導電性ペースト18を介して、第1のパッド33に固定されている。これにより、柱状部材75は、第1の導電性ペースト18を介して、第1の配線基板11及び電子部品12と電気的に接続されている。
【0075】
柱状部材本体76の他方の端面76Bは、第2のパッド44の第2の接続面44Aと対向するように配置される。柱状部材本体76の端面76Bは、平坦な面とされている。端面76Bを構成する部分の柱状部材本体76(柱状部材75の第2の端部)は、第2の導電性ペースト19を介して、第2のパッド44に固定されている。これにより、柱状部材75は、第2の導電性ペースト19を介して、第2の配線基板13及び電子部品15と電気的に接続されている。
【0076】
柱状部材本体76の幅W,Wは、例えば、0.2mmとすることができる。柱状部材本体76の高さHは、第2の配線基板13に実装された電子部品15と第1の配線基板11とが接触しない高さとされている。柱状部材本体76の高さHは、例えば、0.2mmとすることができる。柱状部材本体76は、先に説明した柱状部材本体71と同様な金属材料により構成されている。
【0077】
また、本実施の形態では、第1の基板本体25の面25B側に電子部品12を設けた場合を例に挙げて説明したが、第1の基板本体25の面25A側に、第1の配線基板11に実装される他の電子部品(図示せず)を設けてもよい。
【0078】
図5〜図17は、本発明の実施の形態に係る半導体装置の製造工程を示す図である。図5〜図17において、本実施の形態の半導体装置10と同一構成部分には、同一符号を付す。また、図5,図6,図10〜13では、図2に示す第1の配線基板11の向きを上下反転させた状態で、第1の配線基板11を図示する。
【0079】
図5〜図17を参照して、本実施の形態の半導体装置10の製造方法について説明する。
【0080】
始めに、図5に示す工程では、周知の手法(例えば、ビルドアップ工法)により、第1の基板本体25と、接続パッド26と、配線27,34と、ソルダーレジスト層28,36と、貫通電極31と、第1のパッド33とを有した第1の配線基板11を形成する(第1の配線基板形成工程)。
【0081】
第1の基板本体25としては、例えば、ガラスエポキシ基板を用いることができる。なお、本実施の形態では、第1の基板本体25としてガラスエポキシ基板を用いた場合を例に挙げて図示するが、第1の基板本体25としては、例えば、コア付きビルドアップ基板やコアレス基板等を用いてもよい。
【0082】
次いで、図6に示す工程では、第1の配線基板11に設けられた第1のパッド33の第1の接続面33Aに第1の導電性ペースト18を形成する(第1の導電性ペースト形成工程)。
【0083】
第1の導電性ペースト18は、例えば、印刷法により形成することができる。第1の導電性ペースト18としては、例えば、はんだ(融点は、例えば、220度)やAgペースト等を用いることができる。
【0084】
次いで、図7に示す工程では、周知の手法(例えば、ビルドアップ工法)により、第2の基板本体41と、接続パッド43と、第2のパッド44と、配線45と、ソルダーレジスト層47,51と、外部接続用パッド48とを有した第2の配線基板13を形成する(第2の配線基板形成工程)。
【0085】
次いで、図8に示す工程では、第2の配線基板13に設けられた接続パッド43に、電子部品15を実装する(電子部品実装工程)。
【0086】
これにより、電子部品15は、第2の配線基板13と電気的に接続される。電子部品15としては、例えば、半導体チップやチップ部品(チップキャパシタやチップ抵抗等)等を用いることができる。
【0087】
なお、図8では、電子部品15として半導体チップを用いた場合を例に挙げて図示している。この場合、図8に示すように、電子部品15と第2の配線基板13との隙間を封止するアンダーフィル樹脂23を形成するとよい。
【0088】
次いで、図9に示す工程では、複数の柱状部材16を準備する(柱状部材準備工程)。
【0089】
具体的には、例えば、円柱形状とされた図示していない金属部材(柱状部材本体71の母材)の中央部に、レーザを照射して貫通孔72を形成することで、柱状部材本体71及び貫通孔72を備えた柱状部材16を複数形成する。
【0090】
柱状部材本体71の半径Rは、例えば、0.2mmとすることができる。また、柱状部材本体71の高さHは、例えば、0.2mmとすることができる。
【0091】
柱状部材本体71は、例えば、第1及び第2の導電性ペースト18,19よりも融点の高い金属材料により構成するとよい。
【0092】
このように、第1及び第2の導電性ペースト18,19よりも融点の高い金属材料により柱状部材本体71を構成することで、第1及び第2の導電性ペースト18,19を溶融させて、柱状部材16を第1及び第2のパッド33,44に固定する際、柱状部材本体71が溶融して、隣り合う位置に配置された柱状部材本体71が接触してショートすることを防止できる。
【0093】
第1及び第2の導電性ペースト18,19として、例えば、融点が220度のはんだやAgペーストを用いる場合、柱状部材本体71を構成する金属材料としては、例えば、Cuを用いることができる。
【0094】
次いで、図10に示す工程では、端面17Aに対応する部分の柱状部材16の端部(柱状部材16の第1の端部)と図6に示す第1の導電性ペースト18とを接触させた状態で、第1の導電性ペースト18を溶融させ、その後、第1の導電性ペースト18を硬化させることで、第1のパッド33に柱状部材16の第1の端部を固定する(第1の端部固定工程)。
【0095】
この際、溶融した第1の導電性ペースト18は貫通孔72により露出されているため、溶融した第1の導電性ペースト18のうち、柱状部材16を第1のパッド33に固定する際に不要な第1の導電性ペースト18(言い換えれば、余分な第1の導電性ペースト18)を貫通孔72に逃がす(移動させる)ことが可能となる。
【0096】
これにより、第1のパッド33を狭ピッチで配置した場合でも、柱状部材16と接触する第1の導電性ペースト18と、該柱状部材16と隣り合う位置に配置された他の柱状部材16と接触する第1の導電性ペースト18とが接触することがなくなるため、ショートの発生を防止することができる。
【0097】
次いで、図11に示す工程では、図10に示す構造体に設けられた複数の柱状部材16の端面17Bに、貫通部82を有した印刷用マスク81を載置する。
【0098】
このとき、貫通部82が貫通孔72を露出するように、印刷用マスク81を配置する。印刷用マスク81の材料としては、例えば、金属を用いることができる。印刷用マスク81の厚さは、例えば、30μmとすることができる。
【0099】
印刷用マスク81を複数の柱状部材本体71の端面71Bに配置する場合の印刷用マスク81の位置ずれを考慮して、貫通部82の直径Rは、貫通孔72の直径Rよりも大きくするとよい。具体的には、貫通孔72の直径Rが100μmの場合、貫通部82の直径Rは、例えば、150μmとすることができる。
【0100】
次いで、図12に示す工程では、貫通孔72の一部、及び貫通部82を充填するように、柱状部材16の第2の端部に第2の導電性ペースト19を形成する(第2の導電性ペースト形成工程)。
【0101】
具体的には、第2の導電性ペースト19は、例えば、印刷法により形成する。第2の導電性ペースト19としては、例えば、はんだ(融点は、例えば、220度)やAgペースト等を用いることができる。
【0102】
次いで、図13に示す工程では、図12に示す印刷用マスク81を除去する。なお、図11〜図13に示す工程が、「第2の導電性ペースト形成工程」に相当する工程である。
【0103】
次いで、図14に示す工程では、図13に示す構造体(具体的には、第1及び第2の導電性ペースト18,19及び柱状部材16が設けられた第1の配線基板11)を上下反転させ、図8に示す構造体(具体的には、電子部品15が実装された第2の配線基板13)の上方に配置する。このとき、図13に示す構造体に設けられた第2の導電性ペースト19と、図8に示す構造体に設けられた第2のパッド44の第2のパッド接続面44Aとを接触させる。
【0104】
次いで、図15に示す工程では、第2の導電性ペースト19と第2のパッド44の第2の接続面44Aとを接触させた状態で、第2の導電性ペースト19を溶融させ、その後、第2の導電性ペースト19を硬化させることで、第2のパッド44に柱状部材16の第2の端部を固定する(第2の端部固定工程)。
【0105】
これにより、第1及び第2の導電性ペースト18,19及び柱状部材16を介して、第1の配線基板11と第2の配線基板13とが電気的に接続される。
【0106】
また、図15に示す工程において、第2の配線基板13に柱状部材16の第2の端部を固定する際、溶融した第2の導電性ペースト19は貫通孔72により露出されているため、溶融した第2の導電性ペースト19のうち、柱状部材16を第2のパッド44に固定する際に不要な第2の導電性ペースト19(言い換えれば、余分な第2の導電性ペースト19)を貫通孔72に逃がす(移動させる)ことが可能となる。
【0107】
これにより、第2のパッド44を狭ピッチで配置した場合でも、柱状部材16と接触する第2の導電性ペースト19と、該柱状部材16と隣り合う位置に配置された他の柱状部材16と接触する第2の導電性ペースト19とが接触することがなくなるため、ショートの発生を防止することができる。
【0108】
なお、図14及び図15に示す工程が、「第2の端部固定工程」に相当する工程である。
【0109】
次いで、図16に示す工程では、第1の配線基板11に設けられた接続パッド26に、電子部品12を実装する。
【0110】
これにより、電子部品12は、第1の配線基板11と電気的に接続される。電子部品12としては、例えば、半導体チップやチップ部品(チップキャパシタやチップ抵抗等)等を用いることができる。
【0111】
なお、図16では、電子部品12として半導体チップを用いた場合を例に挙げて図示している。この場合、図16に示すように、電子部品12と第1の配線基板11との隙間を封止するアンダーフィル樹脂22を形成するとよい。
【0112】
次いで、図17に示す工程では、第2の配線基板13に設けられた外部接続用パッド48の接続面48Aに、外部接続端子21を形成する。外部接続端子21としては、例えば、はんだボールを用いることができる。これにより、本実施の形態の半導体装置10が製造される。
【0113】
本実施の形態の半導体装置の製造方法によれば、貫通孔72を有する柱状部材16の第1の端部と第1の導電性ペースト18とを接触させた状態で、第1の導電性ペースト18を溶融させ、その後、第1の導電性ペースト18を硬化させることで、第1の配線基板11に設けられた第1のパッド33に柱状部材16の第1の端部を固定させ、その後、貫通孔72を有する柱状部材16の第2の端部に、第2の導電性ペースト19を形成し、次いで、第2の導電性ペースト19と第2のパッド44の第2の接続面44Aとを接触させた状態で、第2の導電性ペースト19を溶融させ、その後、第2の導電性ペースト19を硬化させることで、第2のパッド44に柱状部材16の第2の端部を固定することにより、溶融した第1及び第2の導電性ペースト18,19のうち、柱状部材16を第1及び第2のパッド33,34に固定する際に不要な第1及び第2の導電性ペースト18,19(言い換えれば、余分な第1及び第2の導電性ペースト18,19)を貫通孔72に逃がす(移動させる)ことが可能となる。
【0114】
これにより、第1及び第2のパッド33,34を狭ピッチで配置した場合でも、柱状部材16と接触する第1及び第2の導電性ペースト18,19と、該柱状部材16と隣り合う位置に配置された他の柱状部材16と接触する第1及び第2の導電性ペースト18,19とが接触することがなくなるため、第1の配線基板11と第2の配線基板13とを電気的に接続する柱状部材16間におけるショートの発生を防止することができる。
【0115】
なお、本実施の形態の半導体装置10の製造方法では、図3に示す円柱形状とされた柱状部材16を用いた場合を例に挙げて説明したが、柱状部材16の代わりに、図4に示す四角柱とされた柱状部材75を用いて、半導体装置10を製造してもよい。
【0116】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0117】
10 半導体装置
11 第1の配線基板
12,15 電子部品
13 第2の配線基板
16,75 柱状部材
18 第1の導電性ペースト
19 第2の導電性ペースト
21 外部接続端子
22,23 アンダーフィル樹脂
25 第1の基板本体
25A,25B,56A,57A,57B,58A 面
26,43 接続パッド
27,34,45,61,62 配線
28,36,47,51 ソルダーレジスト層
28A,36A,47A,47B,51A 開口部
31 貫通電極
33 第1のパッド
33A 第1の接続面
41 第2の基板本体
44 第2のパッド
44A 第2の接続面
48 外部接続用パッド
48A 接続面
53 積層体
55 配線パターン
56〜58 絶縁層
63〜65 ビア
71,76 柱状部材本体
71A,71B,76A,76B 端面
72 貫通孔
81 印刷用マスク
82 貫通部
,R,R 直径
,H 高さ
,W

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の基板本体と、前記第1の基板本体の第1の面に設けられ、第1の接続面を有する第1のパッドと、を有する第1の配線基板と、
第2の基板本体と、前記第1の基板本体の第1の面と対向する前記第2の基板本体の第1の面に設けられた接続パッドと、前記第2の基板本体の第1の面に設けられ、前記第1の接続面と対向するように配置された第2の接続面を有し、前記接続パッドと電気的に接続された第2のパッドと、を有し、前記第1の配線基板と電気的に接続された第2の配線基板と、
前記第1の配線基板と前記第2の配線基板との間に配置され、前記接続パッドに実装された電子部品と、を備えた半導体装置であって、
前記第1のパッドと前記第2のパッドとの間に配置され、前記第1及び第2の接続面と対向する貫通孔を有すると共に、金属材料により構成された柱状部材と、
前記第1の接続面と対向する側の前記柱状部材の第1の端部と前記第1の接続面との間に配置され、前記第1のパッドに前記柱状部材の第1の端部を固定する第1の導電性ペーストと、
前記第2の接続面と対向する側の前記柱状部材の第2の端部と前記第2の接続面との間に配置され、前記第2のパッドに前記柱状部材の第2の端部を固定する第2の導電性ペーストと、を設けたことを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
前記金属材料の融点は、前記第1及び第2の導電性ペーストの融点よりも高いことを特徴とする請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
前記貫通孔には、前記第1及び第2の導電性ペーストが存在することを特徴とする請求項1または2記載の半導体装置。
【請求項4】
前記柱状部材の高さは、前記電子部品と前記第1の配線基板とが接触しない高さであることを特徴とする請求項1ないし3のうち、いずれか1項記載の半導体装置。
【請求項5】
前記柱状部材の形状は、円柱又は四角柱であることを特徴とする請求項1ないし4のうち、いずれか1項記載の半導体装置。
【請求項6】
前記第2の配線基板は、前記第2の基板本体の第1の面の反対側に位置する前記第2の基板本体の第2の面に、前記接続パッド及び前記第2のパッドと電気的に接続された外部接続用パッドを有することを特徴とする請求項1ないし5のうち、いずれか1項記載の半導体装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のうち、いずれか1項記載の半導体装置の製造方法であって、
前記第1の配線基板を形成する第1の配線基板形成工程と、
前記第1のパッドの第1の接続面に、前記第1の導電性ペーストを形成する第1の導電性ペースト形成工程と、
前記第2の配線基板を形成する第2の配線基板形成工程と、
前記接続パッドに前記電子部品を実装する電子部品実装工程と、
前記柱状部材を準備する柱状部材準備工程と、
前記貫通孔が形成された前記柱状部材の第1の端部と前記第1の導電性ペーストとを接触させた状態で、前記第1の導電性ペーストを溶融させ、その後、前記第1の導電性ペーストを硬化させることで、前記第1のパッドに前記柱状部材の第1の端部を固定する第1の端部固定工程と、
前記第1の固定工程後に、前記貫通孔が形成された前記柱状部材の第2の端部に、前記第2の導電性ペーストを形成する第2の導電性ペースト形成工程と、
前記第2の導電性ペーストと前記第2のパッドの第2の接続面とを接触させた状態で、前記第2の導電性ペーストを溶融させ、その後、前記第2の導電性ペーストを硬化させることで、前記第2のパッドに前記柱状部材の第2の端部を固定する第2の端部固定工程と、を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2011−9488(P2011−9488A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−151832(P2009−151832)
【出願日】平成21年6月26日(2009.6.26)
【出願人】(000190688)新光電気工業株式会社 (1,516)
【Fターム(参考)】