説明

半導体部品取付装置及び試験装置

【課題】プラグとソケットとを精度よく嵌合できるコネクタを提供する。
【解決手段】プラグと、プラグと嵌合するソケットとを有するコネクタであって、ソケットがプラグと嵌合する嵌合方向と略垂直な第1の方向に移動することにより、プラグとソケットとを嵌合させる駆動部を備える。駆動部は、第1の方向に形成された第1の溝部と、第1の方向に対して斜行するように形成された第2の溝部とを有し、プラグは、第1の溝部に係合する第1の突起部を有し、ソケットは、第1の溝部に係合する第2の突起部を有する。駆動部が第1の方向に移動した場合に、駆動部は、第2の溝部において、第2の突起部を嵌合方向に押下し、ソケットを嵌合方向に移動させ、プラグと嵌合させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタ、ソケットボード、及び試験装置に関する。特に本発明は、半導体部品を載置するコネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、半導体部品を試験する試験装置等において、半導体部品を載置し信号の入力出力を行うコネクタが用いられている。当該コネクタは、テストヘッド側に設けられるプラグ部と半導体部品を載置するソケット部とを有し、プラグ部とソケット部は、プラグピンとソケットピンを有している。コネクタは、プラグ部とソケット部を嵌合させることにより、プラグピンとソケットピンとを電気的に接続し、テストヘッドと半導体部品を電気的に接続する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来、当該コネクタはzif(Zero Insertion Force)方式のコネクタが用いられている。しかし、従来のコネクタにおいては、プラグ部とソケット部との位置決め精度が悪く、プラグ部とソケット部とを精度よく嵌合させることが困難であった。また、複数のコネクタを同時に精度よく嵌合させることが困難であった。
【0004】
そこで本発明は、上記の課題を解決することのできるコネクタ、ソケットボード、及び試験装置を提供することを目的とする。この目的は特許請求の範囲における独立項に記載の特徴の組み合わせにより達成される。また従属項は本発明の更なる有利な具体例を規定する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
即ち、本発明の第1の形態によると、プラグ部と、プラグ部と嵌合するソケット部とを有するコネクタであって、ソケット部がプラグ部と嵌合する嵌合方向と略垂直な第1の方向に移動することにより、プラグ部とソケット部とを嵌合させる駆動部を備えることを特徴とするコネクタを提供する。
【0006】
駆動部は、第1の方向に形成された第1の溝部を有し、プラグ部は、第1の溝部に係合する第1の突起部を有することが好ましい。また、駆動部は、第1の方向に対して斜行するように形成された第2の溝部を有し、ソケット部は、第1の溝部に係合する第2の突起部を有することが好ましい。
【0007】
駆動部が第1の方向に移動した場合に、駆動部は、第2の溝部において、第2の突起部を嵌合方向に押下してよい。ソケット部は、駆動部の第1方向への移動によって、第2の突起部が押下されることにより、嵌合方向に移動しプラグ部と嵌合してよい。
【0008】
駆動部は、第2の溝部の端部から嵌合方向に延伸する第4の溝部を更に有してよい。駆動部が第1の方向に移動した場合に、駆動部は、第1の溝部において、第1の突起部を嵌合方向と逆方向に押下してよい。
【0009】
プラグ部は、第1の突起部が押下されることにより、嵌合方向と逆方向に移動しソケット部と嵌合してよい。駆動部は、第1の溝部の端部から嵌合方向に延伸する第3の溝部を更に有してよい。
【0010】
プラグ部は、電子部品と電気的に接続される複数のプラグピンと、複数のプラグピンを保持し、第1の突起部が設けられたプラグホルダとを有してよい。ソケット部は、電子部品と電気的に接続される複数のソケットピンと、複数のソケットピンを保持し、第2の突起部が設けられたソケットホルダとを有してよい。
【0011】
駆動部は、嵌合方向における略同じ位置に複数の第1の溝部を有し、プラグ部は、嵌合方向における略同じ位置に、それぞれが複数の第1の溝部のいずれかに係合する複数の第1の突起部を有してよい。駆動部は、嵌合方向における略同じ位置に複数の第2の溝部を有し、ソケット部は、嵌合方向における略同じ位置に、それぞれが複数の第2の溝部のいずれかに係合する複数の第2の突起部を有してよい。
【0012】
プラグ部は、ソケット部と嵌合するべき面に窪部を有し、ソケット部は、プラグ部と嵌合するべき面に、窪部と係合するガイド突起部を有してよい。プラグ部は、複数の窪部を有し、ソケット部は、それぞれが複数の窪部のいずれかに係合する、複数のガイド突起部を有してよい。
【0013】
本発明の第2の形態においては、半導体部品を載置する半導体部品取付装置であって、第1の基板と、第1の基板に設けられ、半導体部品を載置する複数のICホルダと、第1の基板に設けられ、半導体部品と電気的に接続する複数のプラグ部と、第2の基板と、第2の基板に設けられ、それぞれが複数のプラグ部のいずれかと嵌合する複数のソケット部と、ソケット部がソケット部と嵌合する嵌合方向と略垂直な第1の方向に移動することにより、複数のプラグ部と複数のソケット部とを嵌合させる駆動部とを備えることを特徴とする半導体部品取付装置を提供する。
【0014】
本発明の第3の形態においては、半導体部品を試験する試験装置であって、半導体部品を試験するための試験信号を発生するパターン発生部と、試験信号を整形する波形整形部と、半導体部品に試験信号を供給し、試験信号に基づいて、半導体部品が出力する出力信号を受け取る半導体取付部と、出力信号に基づいて、半導体部品の良否を判定する判定部とを備え、半導体部品取付部は、第1の基板と、第1の基板に設けられ、半導体部品を載置する複数のICホルダと、第1の基板に設けられ、半導体部品と電気的に接続する複数のプラグ部と、第2の基板と、第2の基板に設けられ、それぞれが複数のプラグ部のいずれかと嵌合する複数のソケット部と、ソケット部がプラグ部と嵌合する嵌合方向と略垂直な第1の方向に移動することにより、複数のプラグ部と複数のソケット部とを嵌合させる駆動部とを有することを特徴とする試験装置を提供する。
【0015】
なお上記の発明の概要は、本発明の必要な特徴の全てを列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションも又発明となりうる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によるコネクタによれば、プラグ及びソケットを精度よく嵌合することができる。また、本発明による半導体部品取付部によれば、複数のコネクタを精度よく嵌合することができる。また、本発明による試験装置によれば、複数の電子部品を精度よく且つ効率よく試験することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、発明の実施の形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態はクレームにかかる発明を限定するものではなく、又実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0018】
図1は、本発明に係る試験装置100の構成の一例を示す。試験装置100は、半導体部品30を試験する。試験装置100は、パターン発生部10、波形整形部20、半導体部品取付部50、及び判定部40を備える。
【0019】
パターン発生部10は、半導体部品30を試験するための試験信号を発生する。例えばワークステーション等が、パターン発生部10に、半導体部品30を試験するためのパターンに基づいた試験信号を生成させてよい。パターン発生部10は、試験信号を波形整形部20に供給する。
【0020】
波形整形部20は、受け取った試験信号を整形する。波形整形部20は、試験信号を所望のタイミングで電子デバイス30に供給してよい。波形整形部20は、整形した試験信号を半導体部品取付部50に供給する。
【0021】
半導体部品取付部50は、半導体部品30に前記試験信号を供給し、試験信号に基づいて、半導体部品30が出力する出力信号を受け取る。半導体部品取付部50は、受け取った出力信号を判定部40に供給する。半導体部品取付部50は、第1の基板と、第1の基板の表面に設けられ、半導体部品30を載置する複数のICホルダと、第1の基板の裏面に設けられ、ICホルダと電気的に接続された複数のプラグ部と、第2の基板と、第2の基板に設けられ、それぞれが複数のプラグ部のいずれかと嵌合する複数のソケット部とを有する。
【0022】
判定部40は、受け取った出力信号に基づいて、電子部品30の良否を判定する。判定部40は、受け取った出力信号と、試験信号に基づいて電子部品30が出力するべき出力信号の期待値とを比較することにより、電子部品30の良否を判定してよい。例えば、パターン発生部10は、試験信号に基づいて当該出力信号の期待値を示す期待値信号を生成し、判定部40に供給してよい。この場合、判定部40は、出力信号と期待値信号とを比較し、電子部品30の良否を判定する。
【0023】
図2は、半導体部品取付部50における第1の基板52の表面図の一例を示す。当該表面は、試験するべき電子部品30が載置される面である。半導体部品取付部50は、第1の基板52と、第1の基板52の表面に設けられた複数のソケットボード54と、ソケットボード54の表面に設けられた複数のICホルダ58と、配線56と、コネクタを有する。当該コネクタは、プラグ部と、プラグ部と嵌合するソケット部とを有する。当該プラグ部は第1の基板52に設けられ、当該ソケット部は後述する第2の基板に設けられる。
【0024】
第1の基板52は、例えば金属製のフレームであってよい。第1の基板52は、ソケットボード54を載置するための溝部を有してよい。また、第1の基板52は、ICホルダ58及び配線56が配置されるべき位置に、開口部62を有する。つまり、第1の基板52の裏面において、ICホルダ58及び配線56が配置されたソケットボード54の面の裏面が表出する。また、第1の基板52と、ソケットボード54とは、ネジ等により接合されてよい。
【0025】
ソケットボード54は、第1の基板52に載置される。ソケットボード54は、表面に複数のICホルダ58、複数の配線56、及び複数の端子60を有する。ICホルダ58は、試験するべき電子部品30が載置される。配線56は、端子60と電子部品30とを電気的に接続する。端子60は、図3において後述するプラグ部と電気的に接続される。当該プラグ部は、ソケットボード54の裏面に設けられる。つまり、当該プラグ部は、第1の基板52の裏面側に設けられる。
【0026】
図3は、半導体部品取付部50における第1の基板52の裏面図の一例を示す。当該裏面は、図2において説明した表面の裏面である。半導体部品取付部50は、ソケットボード54の裏面に設けられた複数のプラグ部64を更に有する。プラグ部64は、第1の基板52の表面に設けられたICホルダ58と対応する位置に設けられる。本例において図3に示すように、半導体部品取付部50は、1つのICホルダ58に対して2つのプラグ部64を有する。それぞれのプラグ部64は、プラグホルダ90と、複数の第1の突起部66と、複数の窪部68と、複数のプラグピン70とを有する。
【0027】
プラグピン70は、電子部品と電気的に接続される。本例において、プラグピン70は、ソケットボード54の表面に設けられた端子60と電気的に接続され、それぞれのプラグピン70は、対応する端子60を介して半導体部品30と電気的に接続される。
【0028】
窪部68は、後述するソケット部のガイド突起部と係合する。窪部68は、ソケットボード54の裏面と略垂直な方向に所定の深さを有する窪部である。窪部68及び当該ガイド突起部を係合させることにより、プラグ部64とソケット部との嵌合位置を定めることができる。
【0029】
第1の突起部66は、ソケットボード54の裏面と略平行な方向に突出する。第1の突起部66は、後述する駆動部の第1の溝部と係合する。第1の突起部66は、当該駆動部がソケットボード54と略平行な方向に移動した場合に、プラグ部64と後述するソケット部とが嵌合するように押下される。
【0030】
プラグホルダ90は、複数のプラグピン70を保持する。プラグホルダ90の、ソケットボード54の裏面と略垂直な裏面に、複数の窪部68が設けられ、ソケットボード54の裏面と略平行な側面に、複数の第1の突起部66が設けられる。図3に示すように、プラグ部64は、プラグホルダ90の複数の側面に設けられた複数の第1の突起部66を有してよい。
【0031】
図4は、半導体部品取付部50の側面図の一例を示す。図4は、図3におけるA−A'断面における、プラグ部64の側面図を示す。プラグ部64は、ソケットボード54の裏面に設けられる。ソケットボード54は、図4に示すように、プラグ部64を載置するための溝部72を裏面に有してよい。
【0032】
プラグ部64のプラグホルダ90は、第1の基板54の裏面と略同一の高さにおける裏面を有してよい。また、プラグホルダ90は、ソケットボード54の裏面と略同一の高さにおける面を有してよい。つまり、ソケットボード54の溝部72の深さは、溝部72の深さ方向におけるプラグホルダ90の長さと略同一であってよい。また、ソケットボード54の溝部72の深さは、溝部72の深さ方向におけるプラグホルダ90の長さより長くてもよい。つまり、ソケットボード54の裏面の一部は、プラグホルダ90の裏面より突出してよい。
【0033】
また、プラグ部64は、前述したように複数の第1の突起部66及び複数の窪部68を有する。複数の第1の突起部66は、プラグホルダ90の側面に設けられる。本例において、プラグ部64は、プラグホルダ90の対向する2つの側面のそれぞれに、2つの第1の突起部66を有する。また、本例において、プラグ部64は、プラグホルダ90の裏面に2つの窪部68を有する。プラグ部64は、プラグホルダ90の裏面の端部に窪部68を有してよい。
【0034】
図5は、半導体部品取付部50における第2の基板74の表面図の一例を示す。半導体部品取付部50は、前述したように第2の基板74、及び複数のソケット部76を有する。複数のソケット部76は、ソケットボード54(図3参照)の裏面と対向する、第2の基板74の表面に設けられる。第2の基板74は、複数の開口部82を有し、ソケット部76はそれぞれ開口部82に載置される。ソケット部76は、第1の基板52の裏面に設けられたプラグ部64と対応する位置に設けられる。それぞれのソケット部76は、複数の第2の突起部78と、複数のソケットピン84と、ガイド突起部86と、ソケットホルダ92とを有する。また、半導体取付部50は、駆動部80を更に有する。駆動部80は、複数の溝部を有し、当該溝部はプラグ部64の第1の突起部66及びソケット部76の第2の突起部78と係合する。
【0035】
ソケットピン84は、電子部品と電気的に接続される。本例において、ソケットピン84は、波形整形部20(図1参照)の端子と電気的に接続される。また、ソケットピン84は、ソケット部76がプラグ部64と嵌合した場合に、プラグピン70と電気的に接続される。波形整形部20は、ソケットピン84及びプラグピン70を介して半導体部品30に試験信号を供給する。また、判定部40(図1参照)は、プラグピン70及びソケットピン84を介して半導体部品30から出力信号を受け取る。
【0036】
ガイド突起部86は、前述したプラグ部64の窪部68と係合する。ガイド突起部86は、第2の基板74の表面と略垂直な方向に所定の高さを有する突起である。ガイド突起部86及び窪部68を係合させることにより、プラグ部64とソケット部76との嵌合位置を定めることができる。
【0037】
第2の突起部78は、第2の基板74の表面と略平行な方向に突出する。第2の突起部78は、後述する駆動部80の第2の溝部と係合する。第2の突起部78は、駆動部80が第2の基板74の表面と略平行な方向に移動した場合に、ソケット部76がプラグ部64と嵌合するように押下される。
【0038】
ソケットホルダ92は、複数のソケットピン84を保持する。ソケットホルダ92の、第2の基板74の表面と略平行な裏面に、複数のガイド突起部86が設けられ、第2の基板74の表面と略垂直な側面に、複数の第2の突起部78が設けられる。図5に示すように、ソケット部76は、ソケットホルダ92の複数の側面に設けられた複数の第2の突起部66を有してよい。
【0039】
図6は、ソケット部76の側面図の一例を示す。図6は、図5におけるB−B'断面における、ソケット部76の断面図を示す。ソケット部76は、第2の基板74の表面に設けられる。第2の基板74は、図6に示すように、ソケット部76を載置するための開口部82を表面に有してよい。また、第2の基板74は、図6に示すように、開口部82の側面に溝部94を有する。
【0040】
ソケット部76のソケットホルダ92は、第2の基板74の溝部94と係合する支持部88を有する。溝部94は、ソケット部76がプラグ部64と嵌合する嵌合方向に、所定の高さxを有する。このため、ソケット部76は、溝部94の高さxだけ、当該嵌合方向に移動することができる。
【0041】
また、ソケット部76は、前述したように複数の第2の突起部78及び複数のガイド突起部86を有する。複数の第2の突起部78は、ソケットホルダ92の側面に設けられる。本例において、ソケット部76は、ソケットホルダ92の対向する2つの側面のそれぞれに、2つの第2の突起部78を有する。また、本例において、ソケット部76は、ソケットホルダ92の表面に2つのガイド突起部86を有する。ソケット部76は、ソケットホルダ92の表面の端部にガイド突起部86を有してよい。ソケット部76は、プラグ部64の窪部68と対応する位置に、ガイド突起部86を有する。
【0042】
図7は、駆動部80の構成の一例を説明する図である。図7(a)は、嵌合方向から見た、駆動部80とソケット部76との関係を示す。駆動部80は、図7(a)に示すように、第2の突起部78が設けられたソケットホルダ92の側面と略平行な2つの面と、第2の突起部78が設けられたソケットホルダ92の側面と略垂直な2つの面とを有する。
【0043】
駆動部80は、ソケット部76がプラグ部64と嵌合する嵌合方向と略垂直で、第2の突起部78が設けられたソケットホルダ92の側面と略平行な第1の方向であるスライド方向に移動することにより、プラグ部64とソケット部76とを嵌合させる。駆動部80は、ソケット部76の第2の突起部78と、プラグ部64の第1の突起部66と係合する溝部を有する。当該溝部は、第1の突起部66が設けられたプラグホルダ90の側面及び第2の突起部78が設けられたソケットホルダ92の側面と略平行な2つの面に設けられる。当該溝部は、図7(a)に示すように、駆動部80の側面を貫通する溝部であってよく、また、駆動部80の側面を貫通しない溝部であってもよい。
【0044】
図7(b)は、駆動部80の側面の一例を示す。駆動部80は、第1の溝部96、第2の溝部102、第3の溝部98、及び第4の溝部104を有する。第1の溝部96は、第1の方向に形成される。つまり、第1の溝部96は、第1の方向に所定の長さを有し、嵌合方向に所定の幅を有する。ここで、嵌合方向はソケット部76がプラグ部64と嵌合するべく移動する方向を指す。駆動部80は、第1の溝部96の第1の方向における長さより、短い距離移動することが好ましい。また、第1の溝部96、及び第3の溝部98は、第1の突起部66の幅より大きい幅を有してよい。プラグ部64の第1の突起部66は、第1の溝部96及び第3の溝部98に係合する。
【0045】
第3の溝部98は、第1の溝部96の端部から嵌合方向に延伸する。本例において、第3の溝部98は、第1の溝部96の一の端部から、駆動部80の側面の端部まで延伸する。プラグ部64とソケット部76が嵌合する場合、プラグ部64の第1の突起部66は、まず駆動部80の側面の端部から第3の溝部98に係合し、第1の溝部96の一の端部まで移動する。次に、駆動部80が第1の方向に移動した場合に、第1の突起部66は第1の溝部96の他の端部まで移動する。
【0046】
第2の溝部102は、第1の方向に対して斜行して形成される。第2の溝部102は、第1の方向と、嵌合方向に対してそれぞれ所定の角度で斜行する。第2の溝部102は、第1の方向において、第1の溝部96と略同一の長さを有する。また、第1の溝部96の一の端部と第2の溝部102の一の端部とは、第1の方向において略同一の位置に形成され、第1の溝部96の他の端部と第2の溝部102の他の端部とは、第1の方向において略同一の位置に形成されてよい。また、第2の溝部102の一の端部と、第2の溝部102の他の端部とは、嵌合方向において異なる位置に形成される。
【0047】
第4の溝部104は、第2の溝部102の端部から嵌合方向と逆方向に延伸する。本例において、第4の溝部104は、第2の溝部102の一の端部から、駆動部80の側面の端部まで延伸する。プラグ部64とソケット部76が嵌合する場合、ソケット部76の第2の突起部78は、まず駆動部80の側面の端部から第4の溝部104に係合し、第2の溝部102の一の端部まで移動する。次に、駆動部80が第1の方向に移動した場合に、第2の突起部78は第2の溝部102の他の端部まで移動する。第1の溝部96の他の端部から第2の溝部102の他の端部までの距離は、第1の溝部96の一の端部から第2の溝部102の一の端部までの距離より小さいため、駆動部80が第1の方向に移動した場合、プラグ部64とソケット部76との距離が減少し、プラグ部64とソケット部76とが嵌合する。
【0048】
また、駆動部80は図7(b)に示すように、複数のプラグ部64及び複数のソケット部76に対応する複数の第1の溝部96、第2の溝部102、第3の溝部98、及び第4の溝部104を有する。駆動部80を第1の方向に移動させることにより、複数のプラグ部64及び複数のソケット部76を同時に嵌合させることができる。駆動部80は、嵌合方向における略同位置に複数の第1の溝部96を有する。また、駆動部80は、嵌合方向における略同位置に複数の第2の溝部102を有する。プラグ部64は、嵌合方向における略同位置にそれぞれが複数の第1の溝部96のいずれかに係合する複数の第1の突起部66を有する。また、ソケット部76は、嵌合方向における略同位置に、それぞれが複数の第2の溝部102のいずれかに係合する複数の第2の突起部78を有する。
【0049】
図7(c)は、駆動部80の側面の他の例を示す。駆動部80は、図7(b)において説明した駆動部80の構成に加え、第5の溝部106を更に有する。第5の溝部106は、第2の溝部102の他の端部から、第1の方向と逆方向に延伸して形成される。この場合、第1の溝部96は、第2の溝部102及び第5の溝部106の、第1の方向における長さと略等しい長さを有する。
【0050】
駆動部80が第1の方向に移動した場合、第2の突起部78は第5の溝部106の端部まで移動する。プラグ部64とソケット部76とが嵌合した状態において、嵌合方向と垂直な第5の溝部106の端部に第2の突起部78を移動させることにより、プラグ部64とソケット部76との嵌合を安定に保つことができる。
【0051】
図8は、プラグ部64の構成の他の例を示す。図8において、図4と同一の符号を付したものは、図4に関連して説明したものと同一又は同様の機能及び構成を有する。プラグ部64は、図4において説明したプラグ部64に対して、窪部68の代わりにガイド突起部86を有する。ガイド突起部86は、図6において説明したガイド突起部86と同一又は同様の機能及び構成を有する。
【0052】
図9は、ソケット部76の構成の他の例を示す。図9において、図6と同一の符号を付したものは、図6に関連して説明したものと同一又は同様の機能及び構成を有する。ソケット部76は、図6において説明したソケット部76に対して、ガイド突起部86の代わりに窪部68を有する。窪部68は、図4において説明した窪部68と同一又は同様の機能及び構成を有する。
【0053】
図10は、嵌合前のプラグ部64、ソケット部76、及び駆動部80の一例を示す図である。本例において、プラグ部64は、図8において説明したプラグ部64と同一の構成を有し、ソケット部76は図9において説明したソケット部76と同一の構成を有する。駆動部80は、第2の基板74に載置され、ソケット部76の第2の突起部78は、駆動部80の第2の溝部の一の端部と係合する。
【0054】
嵌合時において、第1の基板54は図10に示す嵌合方向と逆の方向に移動され、プラグ部64のガイド突起部86が、ソケット部76の窪部68と係合する。第1の基板54は、プラグ部64の第1の突起部66が、駆動部80の第1の溝部96の一の端部と係合するまで、嵌合方向と逆の方向に移動する。次に、駆動部80が第1の方向に移動し、プラグ部64とソケット部76とを嵌合させる。以下、嵌合時におけるプラグ部64及びソケット部76の動作について説明する。
【0055】
図11は、嵌合時におけるプラグ部64及びソケット部76の動作について説明する図である。図11(a)は、図10において説明した嵌合前のプラグ部64、ソケット部76、及び駆動部80を示す。次に、図11(b)に示すように嵌合方向と逆方向に基板54が移動し、プラグ部64のガイド突起部86を、ソケット部76の窪部68に近接させる。このとき、プラグ部64の第1の突起部66は、駆動部80の第3の溝部98に近接される。
【0056】
次に、図11(c)に示すように基板54が、嵌合方向と逆方向に更に移動し、ガイド突起部86を、窪部68に挿入する。このとき、プラグ部64の第1の突起部66は、駆動部80の第1の溝部96の一の端部に係合する。つまり、基板54は、第1の突起部66が、第1の溝部96の一の端部に係合するまで、嵌合方向と逆方向に移動する。
【0057】
次に、図11(d)に示すように駆動部80が第1の方向に移動し、プラグ部64とソケット部76とを嵌合させる。駆動部80が第1の方向に移動した場合、第1の突起部66は、第1の溝部96の他の端部と係合し、第2の突起部78は、第2の溝部102の他の端部と係合する。このため、駆動部80は、第2の溝部102において、第2の突起部78を嵌合方向に押下し、第1の溝部96において、第1の突起部66を嵌合方向と逆方向に押下する。つまり、駆動部80は、第1の溝部96及び第2の溝部102において、プラグ部64とソケット部76とが嵌合する方向に、プラグ部64及びソケット部76を押下する。
【0058】
ソケット部76は、第2の基板74の溝部94の領域において、嵌合方向に移動可能である。このため、ソケット部76は、第2の突起部78が押下されることにより、嵌合方向に移動しプラグ部64と嵌合する。また、第1の突起部66が押下されることにより、プラグ部64が嵌合方向と逆方向に移動し、ソケット部76と嵌合してもよい。
【0059】
本例における半導体部品取付部50によれば、プラグ部64及びソケット部76を有する複数のコネクタを精度よく且つ容易に嵌合することができる。また、本例においては、駆動部80が複数の溝部(96、98、102、104)を有し、プラグ部64及びソケット部76が複数の突起部(66、78)を有していたが、他の例においては、駆動部80が複数の突起部(66、78)を有し、プラグ及びソケット部76が複数の溝部(96、98、102、104)を有していてもよい。
【0060】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることができる。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明に係る試験装置100の構成の一例を示す図である。
【図2】半導体部品取付部50における第1の基板52の表面図の一例を示す図である。
【図3】半導体部品取付部50における第1の基板52の裏面図の一例を示す図である。
【図4】プラグ部64の側面図の一例を示す図である。
【図5】半導体部品取付部50における第2の基板74の表面図の一例を示す図である。
【図6】ソケット部76の側面図の一例を示す図である。
【図7】駆動部80の構成及び動作の一例を説明する図である。図7(a)は、駆動部80とソケット部76との関係を示す図である。図7(b)は、駆動部80の側面の一例を示す図である。図7(c)は、駆動部80の側面の他の例を示す図である。
【図8】プラグ部64の構成の他の例を示す図である。
【図9】ソケット部76の構成の他の例を示す図である。
【図10】嵌合前のプラグ部64、ソケット部76、及び駆動部80の一例を示す図である。
【図11】嵌合時におけるプラグ部64及びソケット部76の動作について説明する図である。図11(a)は、図10において説明した嵌合前のプラグ部64、ソケット部76、及び駆動部80を示す図である。図11(b)は、嵌合方向と逆方向に基板54が移動した場合を示す図である。図11(c)は、嵌合方向と逆方向に基板54が更に移動した場合を示す図である。図11(d)は、嵌合状態を示す図である。
【符号の説明】
【0062】
10・・・パターン発生部、20・・・波形整形部、30・・・電子部品、40・・・判定部、50・・・半導体部品取付部、52・・・第1の基板、54・・・ソケットボード、56・・・配線、58・・・ICホルダ、60・・・端子、62・・・溝部、64・・・プラグ、66・・・第1の突起部、68・・・窪部、70・・・プラグピン、72・・・溝部、74・・・第2の基板、76・・・ソケット、78・・・第2の突起部、80・・・駆動部、82・・・開口部、84・・・ソケットピン、86・・・ガイド突起部、88・・・支持部、90・・・プラグホルダ、92・・・ソケットホルダ、94・・・溝部、96・・・第1の溝部、98・・・第3の溝部、100・・・試験装置、102・・・第2の溝部、104・・・第4の溝部、106・・・第5の溝部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラグ部と、前記プラグ部と嵌合するソケット部とを有するコネクタであって、
前記ソケット部が前記プラグ部と嵌合する嵌合方向と略垂直な第1の方向に移動することにより、前記プラグ部と前記ソケット部とを嵌合させる駆動部を備えることを特徴とするコネクタ。
【請求項2】
前記駆動部は、前記第1の方向に形成された第1の溝部を有し、
前記プラグ部は、前記第1の溝部に係合する第1の突起部を有することを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記駆動部は、前記第1の方向に対して斜行するように形成された第2の溝部を有し、
前記ソケット部は、前記第1の溝部に係合する第2の突起部を有することを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記駆動部が前記第1の方向に移動した場合に、前記駆動部は、前記第2の溝部において、前記第2の突起部を前記嵌合方向に押下することを特徴とする請求項3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記ソケット部は、前記駆動部の前記第1方向への移動によって、前記第2の突起部が押下されることにより、前記嵌合方向に移動し前記プラグ部と嵌合することを特徴とする請求項4に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記駆動部は、前記第2の溝部の端部から前記嵌合方向に延伸する第4の溝部を更に有することを特徴とする請求項5に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記駆動部が前記第1の方向に移動した場合に、前記駆動部は、前記第1の溝部において、前記第1の突起部を前記嵌合方向と逆方向に押下することを特徴とする請求項2に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記プラグ部は、前記第1の突起部が押下されることにより、前記嵌合方向と逆方向に移動し前記ソケット部と嵌合することを特徴とする請求項7に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記駆動部は、前記第1の溝部の端部から前記嵌合方向に延伸する第3の溝部を更に有することを特徴とする請求項8に記載のコネクタ。
【請求項10】
前記プラグ部は、
電子部品と電気的に接続される複数のプラグピンと、
前記複数のプラグピンを保持し、前記第1の突起部が設けられたプラグホルダと
を有することを特徴とする請求項9に記載のコネクタ。
【請求項11】
前記ソケット部は、
電子部品と電気的に接続される複数のソケットピンと、
前記複数のソケットピンを保持し、前記第2の突起部が設けられたソケットホルダと
を有することを特徴とする請求項4に記載のコネクタ。
【請求項12】
前記駆動部は、前記嵌合方向における略同じ位置に複数の前記第1の溝部を有し、
前記プラグ部は、前記嵌合方向における略同じ位置に、それぞれが前記複数の第1の溝部のいずれかに係合する複数の前記第1の突起部を有することを特徴とする請求項2に記載のコネクタ。
【請求項13】
前記駆動部は、前記嵌合方向における略同じ位置に複数の前記第2の溝部を有し、
前記ソケット部は、前記嵌合方向における略同じ位置に、それぞれが前記複数の第2の溝部のいずれかに係合する複数の前記第2の突起部を有することを特徴とする請求項3に記載のコネクタ。
【請求項14】
前記プラグ部は、前記ソケット部と嵌合するべき面に窪部を有し、
前記ソケット部は、前記プラグ部と嵌合するべき面に、前記窪部と係合するガイド突起部を有することを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
【請求項15】
前記プラグ部は、複数の前記窪部を有し、
前記ソケット部は、それぞれが前記複数の窪部のいずれかに係合する、複数の前記ガイド突起部を有することを特徴とする請求項14に記載のコネクタ。
【請求項16】
半導体部品を載置する半導体部品取付装置であって、
第1の基板と、
前記第1の基板に設けられ、前記半導体部品を載置する複数のICホルダと、
前記第1の基板に設けられ、前記半導体部品と電気的に接続する複数のプラグ部と、
第2の基板と、
前記第2の基板に設けられ、それぞれが前記複数のプラグ部のいずれかと嵌合する複数のソケット部と、
前記ソケット部が前記ソケット部と嵌合する嵌合方向と略垂直な第1の方向に移動することにより、前記複数のプラグ部と前記複数のソケット部とを嵌合させる駆動部と
を備えることを特徴とする半導体部品取付装置。
【請求項17】
半導体部品を試験する試験装置であって、
前記半導体部品を試験するための試験信号を発生するパターン発生部と、
前記試験信号を整形する波形整形部と、
前記半導体部品に前記試験信号を供給し、前記試験信号に基づいて、前記半導体部品が出力する出力信号を受け取る半導体取付部と、
前記出力信号に基づいて、前記半導体部品の良否を判定する判定部と
を備え、
前記半導体部品取付部は、
第1の基板と、
前記第1の基板に設けられ、前記半導体部品を載置する複数のICホルダと、
前記第1の基板に設けられ、前記半導体部品と電気的に接続する複数のプラグ部と、
第2の基板と、
前記第2の基板に設けられ、それぞれが前記複数のプラグ部のいずれかと嵌合する複数のソケット部と、
前記ソケット部が前記プラグ部と嵌合する嵌合方向と略垂直な第1の方向に移動することにより、前記複数のプラグ部と前記複数のソケット部とを嵌合させる駆動部と
を有することを特徴とする試験装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−64783(P2009−64783A)
【公開日】平成21年3月26日(2009.3.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−260984(P2008−260984)
【出願日】平成20年10月7日(2008.10.7)
【分割の表示】特願2002−172005(P2002−172005)の分割
【原出願日】平成14年6月12日(2002.6.12)
【出願人】(390005175)株式会社アドバンテスト (1,005)
【Fターム(参考)】