説明

印刷システム及び画像形成装置

【課題】ユーザが現在地点から目的地にたどり着くために役立つ指標が適切に表示された地図を印刷できるようにする。
【解決手段】サーバは、各地域別の地図データを異なる縮尺からなる複数パターンで記憶する地図データ記憶部と、設置場所情報及びユーザ目的地情報に対応付けられたそれぞれの縮尺及び地域を記憶する対応情報記憶部と、設置場所情報及び目的地情報に対応する縮尺及び地域を対応情報記憶部から読み出し、地図データ記憶部から当該縮尺及び地域の地図データを読み出す制御部と、当該読み出された地図データを、設置場所情報を送信してきた複合機に送信する通信部とを備え、各複合機は、当該装置の設置場所情報を記憶する装置固有情報記憶部と、ユーザから目的地情報が入力される操作部と、設置場所情報及び目的地情報をサーバに送信し、設置場所情報及び目的地情報に対応する地図データをサーバから受信するデータ送受信部と、当該地図データを印刷する印刷部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザ所望の地図データを画像形成装置で印刷する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、コンビニエンスストア等に設置され、ユーザが希望する地図の印刷を可能とした画像形成装置が提案されている(下記特許文献1)。また、ユーザにより指定された領域範囲及び用紙サイズに適した縮尺をもった地図データを、複数の地図データの中から選択し、当該選択した地図データから印刷すべき領域を切り出して印刷する地図画像処理装置も提案されている(下記特許文献2)。
【特許文献1】特開2004−163776号公報
【特許文献2】特開2003−8866号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に示される画像形成装置の場合、外出先のコンビニエンスストアで現在地点の周辺地図を取得できるが、例えば、当該コンビニエンスストアが市街地にある場合には、ユーザが取得した地図に周辺の建物や道路が多く表示され、当該コンビニエンスストアが山間部等にある場合には、当該地図には周辺に建物や道路が殆ど表示されないため、ユーザは、現在地点から目的地にたどり着くために役立つ指標が適切に表示された地図が得られるとは限らない。
【0004】
また、上記特許文献2に示される地図画像処理装置も、ユーザ所望の領域範囲の地図を、ユーザ所望の用紙サイズに収まる大きさ及び縮尺として印刷できるだけであり、この場合も、ユーザは、現在地点から目的地にたどり着くために役立つ指標が適切に表示された地図が得られるとは限らない。
【0005】
本発明は、上記の問題を解決するためになされたもので、ユーザが現在地点から目的地にたどり着くために役立つ指標が適切に表示された地図を印刷できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の請求項1に記載の発明は、ネットワーク上のサーバに記憶されている地図データを、当該サーバとネットワーク接続された1以上の画像形成装置で印刷する印刷システムであって、
前記サーバは、各地域別の地図データを異なる縮尺からなる複数パターンで記憶する地図データ記憶手段と、前記各画像形成装置から送信されてくる設置場所情報及び目的地情報に対応付けられたそれぞれの縮尺及び地域を記憶する対応情報記憶手段と、前記設置場所情報及び目的地情報に対応する縮尺及び地域を前記対応情報記憶手段から読み出し、前記地図データ記憶手段から当該縮尺及び地域の地図データを読み出す制御手段と、当該制御手段によって読み出された地図データを、前記設置場所情報を送信してきた画像形成装置に送信するデータ送信手段とを備え、
前記各画像形成装置は、当該装置の設置場所情報を記憶する設置場所情報記憶手段と、ユーザから目的地情報が入力される目的地情報入力手段と、前記設置場所情報及び目的地情報入力手段に入力された目的地情報を前記サーバに送信する情報送信手段と、当該設置場所情報及び目的地情報に対応する地図データを前記サーバから受信する地図データ受信手段と、当該地図データ受信手段によって受信された地図データを印刷する印刷手段とを備えるものである。
【0007】
また、請求項5に記載の発明は、ネットワーク上のサーバに記憶されている地図データを印刷する画像形成装置であって、
当該装置の設置場所情報を記憶する設置場所情報記憶手段と、
ユーザから目的地情報が入力される目的地情報入力手段と、
前記設置場所情報及び前記目的地情報入力手段に入力された目的地情報を前記サーバに送信する情報送信手段と、
前記設置場所情報及び目的地情報に対応する地図データを前記サーバから受信する地図データ受信手段と、
前記地図データ受信手段によって受信された地図データを印刷する印刷手段と
を備えるものである。
【0008】
これらの構成によれば、画像形成装置は、その設置場所及びユーザ目的地に応じた縮尺及び地域の地図データをサーバから受信して印刷するので、例えば、当該画像形成装置の設置されている地域が市街地である場合には、当該画像形成装置の設置場所周辺には多くの建物や道路が表示されることに対応してユーザにとって現在地及び目的地を把握しやすい縮尺の大きな地図データをサーバから得て印刷するようにしたり、当該画像形成装置の設置されている地域が山間部等である場合には、周辺に建物や道路が殆ど表示されないことに対応してユーザにとって現在地及び目的地を把握しやすい縮尺の小さな地図データをサーバから得て印刷することが可能になる。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の印刷システムであって、前記サーバは、前記地図データ記憶手段に記憶されている地図データに、前記設置場所情報が示す設置場所及び目的地情報が示す目的地を表示する画像のデータを合成する合成手段を備え、
前記地図データ送信手段は、前記合成手段によって前記設置場所及び目的地を表示する画像のデータが合成された地図データを送信するものである。
【0010】
また、請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の画像形成装置であって、前記地図データ受信手段によって前記サーバから受信される地図データは、前記設置場所情報が示す設置場所及び目的地情報が示す目的地を表示する画像のデータが合成された地図データであるものである。
【0011】
これらの構成によれば、画像形成装置の設置場所、すなわち、ユーザが当該画像形成装置で地図を印刷している時の現在位置と、ユーザの向かう目的地とが、当該画像形成装置で印刷される地図上に示されるので、ユーザは、当該地図上における現在位置及び訪問目的地を容易に理解することができる。
【0012】
また、請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の印刷システムであって、前記合成手段は、前記設置場所及び目的地を表示する画像のデータを合成すると共に、当該設置場所から目的地まで道のりを表示する画像を合成し、
前記地図データ送信手段は、前記合成手段によって前記設置場所、目的地及び道のりを表示する画像のデータが合成された地図データを送信するものである。
【0013】
この構成によれば、ユーザが当該画像形成装置で地図を印刷している時の現在位置から訪問目的地までの道のりが地図上に示されるため、ユーザは、当該画像形成装置によって印刷される地図に基づいて、現在位置から訪問目的地までの道のりを容易に理解することができる。
【0014】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の印刷システムであって、前記画像形成装置は、前記地図データ受信手段によって受信された前記地図データを記憶する対応地図データ記憶手段と、ユーザからの地図データ印刷指示が入力される印刷指示入力手段と、当該印刷指示入力手段に印刷指示が入力されたときに前記対応地図データ記憶手段に記憶されている前記地図データを前記印刷手段に印刷させる制御手段とを備えるものである。
【0015】
また、請求項7に記載の発明は、請求項5又は請求項6に記載の画像形成装置であって、前記地図データ受信手段によって受信された前記地図データを記憶する対応地図データ記憶手段と、
ユーザからの地図データ印刷指示が入力される印刷指示入力手段と、
前記該印刷指示入力手段に印刷指示が入力されたときに前記対応地図データ記憶手段に記憶されている前記地図データを前記印刷手段に印刷させる制御手段と
を備えるものである。
【0016】
これらの構成によれば、画像形成装置は、その設置場所に応じた縮尺及び地域の地図データをサーバから受信して対応地図データ記憶手段に記憶しておき、この対応地図データ記憶手段から地図データを読み出して印刷するので、地図データの印刷の度にサーバにアクセスすることなく、例えば、当該画像形成装置の設置されている地域が市街地である場合には、当該画像形成装置の設置場所周辺には多くの建物や道路が表示されることに対応してユーザにとって現在地及び目的地を把握しやすい縮尺の大きな地図データをサーバから得て印刷するようにしたり、当該画像形成装置の設置されている地域が山間部等である場合には、周辺に建物や道路が殆ど表示されないことに対応してユーザにとって現在地及び目的地を把握しやすい縮尺の小さな地図データをサーバから得て印刷することが可能になる。
【発明の効果】
【0017】
請求項1及び請求項5に記載の発明によれば、ユーザにとって現在地及び目的地を把握しやすい縮尺の地図データをサーバから得て印刷することが可能になるため、ユーザに対して、現在地点から目的地にたどり着くために役立つ指標が適切に表示された地図を提供することが可能になる。
【0018】
請求項2及び請求項6に記載の発明によれば、画像形成装置の設置場所、すなわち、ユーザが当該画像形成装置で地図を印刷している時の現在位置と、ユーザの訪問目的地とが、当該画像形成装置で印刷される地図上に示されるので、ユーザは、当該地図上における現在位置及び訪問目的地を容易に理解することができる。
【0019】
請求項3に記載の発明によれば、ユーザが当該画像形成装置で地図を印刷している時の現在位置から訪問目的地までの道のりが地図上に示されるため、ユーザは、当該画像形成装置によって印刷される地図に基づいて、現在位置から訪問目的地までの道のりを容易に理解することができる。
【0020】
請求項4及び請求項7に記載の発明によれば、画像形成装置は、その設置場所に応じた縮尺及び地域の地図データをサーバから受信して対応地図データ記憶手段に記憶しておき、ユーザからの印刷指示の入力に応じて、この対応地図データ記憶手段から地図データを読み出して印刷するので、地図データの印刷の度にサーバにアクセスすることなく、例えば、当該画像形成装置の設置されている地域が市街地である場合には、当該画像形成装置の設置場所周辺には多くの建物や道路が表示されることに対応してユーザにとって現在地及び目的地を把握しやすい縮尺の大きな地図データをサーバから得て印刷するようにしたり、当該画像形成装置の設置されている地域が山間部等である場合には、周辺に建物や道路が殆ど表示されないことに対応してユーザにとって現在地及び目的地を把握しやすい縮尺の小さな地図データをサーバから得て印刷することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の一実施形態に係る印刷システム及び画像形成装置について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態に係る印刷システムの全体構成図である。本発明の一実施形態に係る印刷システム1は、サーバ2に蓄積された印刷データ(地図データ及び画像データからなる)を、インターネットを介して、遠隔地のコンビニエンスストア4、プリントステーション5、及びホテル6等に設置された各複合機(本発明の一実施形態に係る画像形成装置の一例)が受信して印刷するものである。
【0022】
サーバ2は、例えば、各種の情報が蓄積されたデータベースを有するサーバである。サーバ2は、例えば、コンビニエンスストア等の販売業者が顧客サービスの一環として、顧客に提供する印刷データを蓄積して一元的に管理することを目的としたサーバや、製造物の販売業者等が広告宣伝のために用いる印刷データを配信するサーバ等である。サーバ2は、複合機41,51,61(以下、複合機41等という)から受信する印刷データ送信要求に従って、当該印刷データ送信を要求送信してきた複合機41等に印刷データを送信する。なお、サーバ2は、上記印刷データを複合機41等で印刷できるように、複合機41等に適合したプリンタドライバを有している。
【0023】
複合機41等は、インターネットを介して、サーバ2との間で、データ送受信が可能とされている。複合機41等は、サーバ2に対して印刷データ送信要求指示を送信して、対応する印刷データを受信する機能を備えている(詳細は後述)。
【0024】
次に、本発明の一実施形態に係る印刷システム1における、複合機41等及びサーバ2との間におけるデータ通信の概略について説明する。図2は複合機41等及びサーバ2間でのデータ通信の概略を示す図である。
【0025】
ユーザが、例えばコンビニエンスストア4の複合機41(複合機51,61の場合も同様)に、地図を印刷させる指示を入力すると、(1)複合機41は、サーバ2に対して、地図データ送信要求と、ユーザによる操作が行われた当該複合機41が設置されている場所を示す設置地域情報とを送信する。
【0026】
(2)サーバ2は、複合機41から上記地図データ送信要求及び設置地域情報を受信すると、当該受信した設置地域情報に関連付けられている縮尺及び地域の情報を、対応情報記憶部202(後述の図4)から読み出し、当該縮尺及び地域の地図データと、当該縮尺及び地域に対応させて記憶されている広告等の画像データとを複合機41に送信する。なお、サーバ2は、上記地図データからなる地図画像に、当該設置地域情報を送信してきた複合機41の設置位置を示す画像を、当該地図画像上の当該設置位置に対応する箇所に合成する。
【0027】
(3)複合機41は、上記地図データ及び画像データをサーバ2から受信すると、地図データを表面に印刷し、画像データをその裏面に印刷する。
【0028】
次に、複合機41等の内部構成の概略を説明する。各複合機の内部構成の要部は同様であるので、以下には複合機41を例にして説明する。図3は本発明の一実施例に係る複合機41の内部構成の概略を示すブロック図である。
【0029】
複合機41は、表示部411と、操作部412と、データ送受信部413と、印刷部(印刷手段)414と、料金受付部415と、制御部416とを備えている。表示部411は、LCD(liquid crystal display)等を有し、複合機41の操作に必要な各種のメッセージ(地図を印刷する旨の指示の入力を促すメッセージや、印刷時請求料金の情報等)を表示する。操作部(印刷指示入力手段)412は、印刷時に必要な操作指示(地図を印刷する旨の指示等)をユーザから受け付けるキー群や、上記表示部411に備えられたタッチパネル等を有する。データ送受信部(設置地域情報送信手段、地図データ受信手段、画像データ受信手段)413は、サーバ2との間で地図データ送信指示や印刷データ等の各種データの送受信を行う。印刷部(印刷手段)414は、受信した印刷データに基づく画像形成(例えば電子写真方式)を記録紙の両面に対して印刷可能な構成を有する。料金受付部415は、印刷料金として投入される紙幣や硬貨を受け付けて回収し、余剰金を排出する機構である。制御部(制御手段、判別手段)416は、データ送受信部413によるサーバ2とのデータ送受信制御や、料金受付部415の動作制御等、装置全体の動作を制御する。
【0030】
さらに、複合機41は、HDD417と、減算部419とを備える。
【0031】
HDD417は、印刷データ記憶部4171と、装置固有情報記憶部4172と、料金情報記憶部4173とを備える。印刷データ記憶部(対応地図データ記憶手段)4171は、サーバ2から受信した印刷データ(複合機41の設置地域情報に対応する地図データ及び画像データ)を記憶する。装置固有情報記憶部(設置地域情報記憶手段)4172は、当該複合機41の設置地域情報や、当該複合機41での印刷に用いられる用紙の最大サイズの情報を記憶する。料金情報記憶部4173は、各印刷内容(周辺地図、2つの縮尺からなる周辺地図、目的地までの地図、その他の地域の地図)が無料であるか有料であるかの料金情報と、各印刷内容分の料金情報とを記憶する。
【0032】
減算部419は、料金受付部415によって受け付けられた料金から、地図データの印刷分相当額の印刷料金を減算する。
【0033】
また、複合機41は、画像読取部430と、画像メモリ431と、画像処理部432とを備える。画像読取部430は、原稿画像を読み取るスキャナ等を有する。画像メモリ431は、画像読取部430によって読み取られた原稿画像のデータや、データ送受信部413によってサーバ2から受信された印刷データ等を一時的に記憶する。画像処理部432は、上記原稿画像のデータや印刷データ等の編集/加工(符/復号処理、拡大/縮小処理、圧縮/伸長処理)処理等を行う。
【0034】
次に、サーバ2の内部構成の概略を説明する。図4はサーバ2の内部構成の概略を示すブロック図である。サーバ2は、地図データ記憶部201、対応情報記憶部202、通信部203、制御部204、画像合成部205、及び画像データ記憶部(画像データ記憶手段)206を備えている。
【0035】
地図データ記憶部(地図データ記憶手段)201は、日本全国又は世界各国の各地域別の地図データを記憶している。地図データ記憶部201には、上記各地域別の地図データが、それぞれ異なる縮尺からなる複数パターンで記憶されている。対応情報記憶部(対応情報記憶手段)202は、各複合機41等の設置地域情報毎に対応付けられたそれぞれの縮尺及び地域を記憶している。なお、当該地図データは、例えば、住宅名や駅名、公共施設名等が記された住宅地図である。
【0036】
制御部(制御手段)204は、サーバ2の全体動作の制御を司るものである。制御部204は、通信部203によって受信された上記設置地域情報に対応する縮尺及び地域を対応情報記憶部202から読み出す。また、制御部204は、当該読み出した縮尺及び地域の地図データを地図データ記憶部201から読み出し、更に設置地域情報に対応する画像データを画像データ記憶部206から読み出す。
【0037】
画像合成部(合成手段)205は、制御部204によって読み出された上記地図データが示す地図画像に、当該設置地域情報を送信してきた複合機41等の設置位置を示す画像を、当該地図画像上の当該設置位置に対応する箇所に合成する。
【0038】
通信部(データ送信手段)203は、複合機41等から地図データ送信要求及び設置地域情報を受信すると共に、上記画像合成部205による合成処理後の地図データと、制御部によって読み出された画像データとを、上記当該設置地域情報を送信してきた複合機41等に送信する。
【0039】
画像データ記憶部206は、上記設置地域情報が示す各地域別に対応付けられた広告等の各画像データが、それぞれ異なる縮尺からなる複数パターンで記憶されている。この画像データは、例えば、複合機41等の設置地域についての、航空写真、公共交通機関の時刻表、高速道路マップ、抜け道情報、道路混雑情報、登山道、山岳マップ、地形図、つり場マップ、潮汐表、釣果情報、特売広告や情報等である。
【0040】
次に、印刷システム1による地図データ印刷処理の第1実施形態を説明する。図5は印刷システム1による地図データ印刷処理の第1実施形態を示すフローチャートである。
【0041】
複合機41等において、ユーザによる操作部412の操作で、操作部412に地図の印刷指示が入力されると(F1でYES)、データ送受信部413は、装置固有情報記憶部4172から、当該複合機41等の設置地域情報を読み出し(F2)、地図データ送信要求及び設置地域情報を、インターネットを介してサーバ2に送信する(F3)。
【0042】
サーバ2では、その通信部203が、地図データ送信要求及び設置地域情報を受信すると(C1)、制御部204は、当該受信された設置地域情報に対応する縮尺及び地域を対応情報記憶部202から読み出す(C2)。そして、制御部204は、当該読み出した縮尺及び地域の地図データを地図データ記憶部201から読み出し(C3)、更に設置地域情報に対応する画像データを画像データ記憶部206から読み出す(C4)。なお、この地図データには、地図の画像の他、複合機41等が設置されているコンビニエンスストア等の店舗情報(店舗の屋号を示すロゴや、店舗キャラクタ画像等)が含まれていてもよい。
【0043】
続いて、画像合成部205は、上記読み出された地図データからなる地図画像に、上記設置地域情報を送信してきた複合機41等の設置位置を示す画像を、当該地図画像上の当該設置位置に対応する箇所に合成する(C5)。通信部203は、当該画像合成部205による合成処理後の地図データと、上記読み出された画像データとを、上記地図データ送信要求及び設置地域情報を送信してきた複合機41等に送信する(C6)。
【0044】
複合機41等では、データ送受信部413が、上記合成処理後の地図データと上記画像データとを受信すると(F4)、制御部416が、印刷部414に、記録紙の片面に、当該地図データからなる画像を印刷させ、当該記録紙の裏面に当該画像データを印刷させる(F5)。
【0045】
これにより、印刷システム1によれば、ユーザが複合機41等の操作部412に、地図の印刷指示を入力すれば、当該複合機41等が、その設置地域に対応し、かつ、ユーザの現在位置(複合機41等の設置位置)が記された地図データを印刷するので、ユーザは、現在位置の把握が容易になる。このとき、複合機41等は、当該設置地域に対応する縮尺の地図を印刷するので、例えば、当該複合機41等の設置されている地域が、市街地である場合には、複合機41等は、狭い範囲に密集する建物が細かに記載された縮尺の大きな地図を印刷し、当該複合機41等の設置されている地域が、山間部等の建物が少ない地域である場合には、複合機41等が、広い範囲が表示されて指標となる建物等が現れやすい縮尺の小さな地図を印刷する等、ユーザにとって、複合機41等の設置されている地域を把握しやすい地図を印刷してユーザに提供することが可能になる。
【0046】
また、複合機41等は、上記地図データと共に画像データをサーバ2から受信して印刷するので、例えば、この画像データからなる画像を企業の広告画像としておけば、ユーザに対して、当該地図の印刷料金を課金しない等の処理が可能になる。
【0047】
次に、印刷システム1による地図データ印刷処理の第2実施形態を説明する。図6は印刷システム1による地図データ印刷処理の第2実施形態を示すフローチャートである。なお、図5に示した処理と同様の処理は説明を省略する。
【0048】
上記第1実施形態では、複合機41等は、サーバ2から、設置地域情報に対応する地図データ及び画像データを受信して印刷するが、第2実施形態では、複合機41等は、設置地域情報に対応する2つの縮尺からなるそれぞれの地図データを受信して記録紙の各面に印刷する。
【0049】
図6に沿って説明すると、複合機41等のデータ送受信部413が、地図データ送信要求及び設置地域情報をサーバ2に送信すると(F23)、サーバ2では、制御部204が、当該設置地域情報に対応させて対応情報記憶部202に記憶されている地域及び当該地域に関連付けられている2種類の縮尺情報を読み出す(C22)。そして、制御部204は、当該地域の地図データであって、上記読み出された2種類の縮尺からなるそれぞれの地図データを地図データ記憶部201から読み出す(C23)。なお、第1実施形態とは異なり、制御部204は、設置地域情報に対応する画像データを画像データ記憶部206から読み出す処理は行わない。
【0050】
続いて、画像合成部205は、上記読み出された2種類の縮尺からなるそれぞれの地図データが示す地図画像に、上記設置地域情報を送信してきた複合機41等の設置位置を示す画像を、当該各地図画像上の当該設置位置に対応する箇所に合成する(C25)。通信部203は、当該画像合成部205による合成処理後の各地図データを、上記地図データ送信要求及び設置地域情報を送信してきた複合機41等に送信する(C26)。
【0051】
複合機41等では、データ送受信部413が、上記合成処理後の各地図データを受信すると(F24)、制御部416が、印刷部414に、記録紙の片面に、一方の縮尺からなる地図データの画像を印刷させ、当該記録紙の裏面にもう一方の縮尺からなる地図データを印刷させる(F25)。
【0052】
これによれば、当該複合機41等は、その設置地域情報に応じた地域の地図データを2種類の縮尺で入手し、それぞれの地図データを記録紙の各面に印刷するので、複合機41等の請求項土地域に適した地図のデータを提供できると共に、ユーザに対して2種類の縮尺で地図を提供することができる。
【0053】
次に、印刷システム1による地図データ印刷処理の第3実施形態を説明する。図7は複合機41等及びサーバ2間でのデータ通信の概略を示す図である。
【0054】
第3実施形態では、ユーザが、コンビニエンスストア4の複合機41等に、地図を印刷させる指示と、ユーザが向かおうとする目的地を示す目的地情報とを入力すると、(1)複合機41等は、サーバ2に対して、当地図データ送信要求及び設置地域情報に加えて上記目的地情報を送信する。
【0055】
(2)サーバ2は、複合機41等から上記地図データ送信要求、設置地域情報及び目的地情報を受信すると、当該受信した設置地域情報に関連付けられている縮尺及び地域の情報と、当該受信した設置地域情報及び目的地情報からなるエリア情報に関連付けられている縮尺及び地域の情報とを対応情報記憶部202から読み出し、これら縮尺及び地域の各地図データを複合機41等に送信する。なお、サーバ2は、上記エリア情報に対応する縮尺及び地域の地図データからなる地図画像に、当該設置地域情報を送信してきた複合機41等の設置地域と、目的地情報が示す目的地と、当該設置地域から目的地までの道のりを示す各画像を、当該地図画像における上記設置地域、目的地、及び設置地域から目的地までの道路に対応する箇所に合成する。
【0056】
(3)複合機41等は、上記各地図データをサーバ2から受信すると、設置地域情報に関連付けられている縮尺及び地域の地図データを表面に印刷し、エリア情報に関連付けられている縮尺及び地域の地図データをその裏面に印刷する。
【0057】
図8は印刷システム1による地図データ印刷処理の第3実施形態を示すフローチャート、図9は表示部411の表示画面例を示す図である。なお、図5及び図6に示した処理と同様の処理は図示及び説明を省略する。
【0058】
複合機41等において、ユーザによる操作部412の操作で、操作部412に地図の印刷指示及び目的地情報が入力されると(F51でYES)、データ送受信部413は、地図データ送信要求、設置地域情報及び目的地情報をサーバ2に送信する(F52,F53)。例えば、ユーザが地図の印刷指示を操作部412に入力すると、制御部416は、当該目的地までの地図の印刷指示を受け付けると共に、表示部411の表示画面を図9に示す表示画面に切り換える。制御部416は、この表示画面に、目的地の地名を入力可能にするためのキーボードを表示させる。そして、ユーザが各キーを押下すると、タッチパネル機能により各キーに対応付けられている各文字が入力され、制御部416が、入力された文字群で構成される地名を目的地情報として受け付けるようになっている。
【0059】
サーバ2において、通信部203が、地図データ送信要求、設置地域情報及び目的地情報を受信すると(C51)、制御部204は、当該受信された設置地域情報に対応する縮尺及び地域を対応情報記憶部202から読み出すと共に、当該設置地域情報及び目的地情報からなるエリア情報に対応する縮尺及び地域を対応情報記憶部202から読み出す(C52)。さらに、制御部204は、当該読み出したそれぞれの縮尺及び地域の各地図データを地図データ記憶部201から読み出す(C53)。
【0060】
なお、対応情報記憶部202には、例えば、設置地域情報が示す場所と、目的地情報が示す場所とを含む地域であって、最も大きな縮尺からなる縮尺及び地域の組合せが記憶されている。例えば、複合機41等での印刷に用いられる各サイズの用紙に地図を印刷できるそれぞれの縮尺が対応情報記憶部202に記憶されており、エリア情報及び用紙サイズに応じて制御部204により読み出される(この場合、複合機41等は、データ送受信部413からサーバ2に、地図データ送信要求及びエリア情報に加えて、印刷に使用する用紙サイズ情報も送信する)。
【0061】
続いて、画像合成部205は、設置地域情報に対応する縮尺及び地域の地図データからなる地図画像に、上記設置地域情報を送信してきた複合機41等の設置位置を示す画像を、当該地図画像上の当該設置位置に対応する箇所に合成し、さらに、エリア情報に対応する縮尺及び地域の地図データからなる地図画像には、当該設置地域情報が示す複合機41の設置地域と、目的地情報が示す目的地と、当該設置地域から目的地までの道のりを示す各画像を、当該地図画像における上記設置位置、目的地、及び設置地域から目的地までの道路に対応する箇所に合成する(C54)。
【0062】
なお、画像合成部205は、上記設置位置、目的地、及び設置地域から目的地までの道路に対応する箇所以外の部分を、上記合成後の地図データから削除するようにしてもよい。この場合、ユーザにとって、設置地域から目的地まで辿り着くために必要な指標以外のものが、複合機41等で印刷されないようにすることができる。
【0063】
通信部203は、当該画像合成部205による合成処理後の各地図データを、上記地図データ送信要求、設置地域情報及び目的地を送信してきた複合機41等に送信する(C56)。
【0064】
複合機41等では、データ送受信部413が、上記各地図データを受信すると(F54)、制御部416が、印刷部414に、記録紙の片面に、設置地域情報に関連付けられている縮尺及び地域の地図データを表面に印刷し、エリア情報に関連付けられている縮尺及び地域の地図データをその裏面に印刷させる(F55)。
【0065】
これにより、ユーザが複合機41等の操作部412に、地図の印刷指示及び目的地情報を入力すれば、現在地及び目的地を把握しやすい適切な縮尺からなる地図データもサーバから得て印刷することが可能になるため、ユーザに対して、現在地点から目的地にたどり着くために役立つ指標が適切に表示された地図を提供することが可能になる。また、複合機41の設置地域、すなわち、ユーザが当該画像形成装置で地図を印刷している時の現在位置から訪問目的地までの道のりが地図上に示されるため、ユーザは、当該地図に基づいて、現在位置から訪問目的地までの道のりを容易に理解することができる。
【0066】
なお、ユーザによって操作部412に目的地情報として入力された目的地の入力回数をカウントするカウンタを複合機41等に設け、当該カウンタが示すカウンタ値が予め定めておいた値以上に達した場合は、その旨を示す情報をデータ送受信部413がサーバ2に送信し、サーバ2の通信部203が当該情報を受信すると、画像合成部205が、地図データに合成する上記目的地を示す画像を、標準の画像とは異なる色にする等の処理を行って、目的地を示す画像が強調されるようにしてもよい。
【0067】
次に、印刷システム1による地図データ印刷処理の第4実施形態を説明する。図10は複合機41等及びサーバ2間でのデータ通信の概略を示す図である。
【0068】
第4実施形態では、ユーザが、複合機41等に地図を印刷させる指示を入力すると、(1)複合機41等は、サーバ2に対して、当地図データ送信要求及び設置地域情報に加えて、装置固有情報記憶部4172に記憶されている、複合機41で印刷可能な最大の用紙のサイズ情報(以下、最大用紙サイズ情報という)を送信する。
【0069】
(2)サーバ2は、複合機41等から上記地図データ送信要求、設置地域情報及び最大用紙サイズ情報を受信すると、当該受信した設置地域情報及び最大用紙サイズ情報からなる装置別サイズ情報に関連付けられている縮尺及び地域の情報を対応情報記憶部202から読み出し、当該縮尺及び地域の地図データと、当該縮尺及び地域に対応させて記憶されている広告等の画像データとを複合機41等に送信する。なお、サーバ2は、上記装置別サイズ情報に対応する縮尺及び地域の地図データからなる地図画像に、当該設置地域情報を送信してきた複合機41等の設置地域を示す各画像を、当該地図画像における上記設置地域に対応する箇所に合成する。
【0070】
(3)複合機41等は、上記地図データ及び画像データをサーバ2から受信すると、設置地域情報に関連付けられている縮尺及び地域の地図データを表面に印刷し、装置別サイズ情報に関連付けられている画像データをその裏面に印刷する。
【0071】
図11は印刷システム1による地図データ印刷処理の第4実施形態を示すフローチャートである。なお、図5乃至図8に示した処理と同様の処理は図示及び説明を省略する。
【0072】
複合機41等において、ユーザによる操作部412の操作で、操作部412に地図の印刷指示が入力されると(F61でYES)、データ送受信部413は、装置固有情報記憶部4172から最大用紙サイズ情報を読み出し、地図データ送信要求、設置地域情報及び最大用紙サイズ情報をサーバ2に送信する(F62,F63)。例えば、(1)装置固有情報記憶部4172には、当該複合機41での印刷に使用可能とされている記録紙の最大サイズ情報が記憶されており、当該最大サイズの記録紙が給紙カセットに装填されていることを示す記録紙検出信号が、当該最大サイズの用紙装填用の給紙カセットに設けられている光センサ等からなる記録紙検出センサから制御部416に送られてきた場合に、制御部416が当該最大用紙サイズ情報をサーバ2に送信するようにしてもよいし、(2)各サイズの記録紙が装填されているそれぞれの給紙カセットに設けられた各記録紙検出センサから制御部416に送られてくる記録紙検出信号に基づいて、制御部416が、ユーザから地図の印刷指示の入力された時点において当該複合機41で印刷可能な最大の記録紙のサイズを判断して装置固有情報記憶部4172に記憶させておき、当該記憶されている最大用紙サイズ情報をデータ送受信部413がサーバ2に送信するようにしてもよい。
【0073】
サーバ2において、通信部203が、地図データ送信要求、設置地域情報及び最大用紙サイズ情報を受信すると(C61)、制御部204は、当該受信された設置地域情報及び最大用紙サイズ情報からなる装置別サイズ情報に対応する縮尺及び地域を対応情報記憶部202から読み出す(C63)。さらに制御部204は、当該装置別サイズ情報に対応する画像データを画像データ記憶部206から読み出す(C64)。
【0074】
続いて、画像合成部205は、上記読み出した地図データが示す地図画像に、上記設置地域情報を送信してきた複合機41等の設置位置を示す画像を、当該地図画像上の当該設置位置に対応する箇所に合成する(C65)。通信部203は、当該画像合成部205による合成処理後の地図データと、上記画像データとを、上記地図データ送信要求、設置地域情報及び最大用紙サイズ情報を送信してきた複合機41等に送信する(C66)。
【0075】
複合機41等では、データ送受信部413が、上記地図データ及び画像データを受信すると(F64)、制御部416が、印刷部414に、上記最大サイズからなる記録紙の片面に当該地図データを印刷させ、当該画像データをその裏面に印刷させる(F65)。
【0076】
これにより、複合機41は、その設置地域及び最大用紙サイズに応じた縮尺及び地域の地図データをサーバから受信して印刷するので、ユーザに対して、当該複合機41による印刷でユーザに最も見やすくなると想定される地図を印刷して提供することができる。
【0077】
なお、上記では、複合機41に地図の印刷指示がユーザから入力されたとき、データ送受信部413が、地図データの送信要求指示と共に最大用紙サイズをサーバ2に送信するが、この処理に代えて、ユーザによる操作部412の操作で入力されたユーザ所望の用紙サイズの情報を、データ送受信部413がサーバ2に送信し、サーバ2から設置地域情報及び当該ユーザ所望の用紙サイズ情報に対応する縮尺及び地域の地図データをデータ送受信部413が受信して、制御部416が、印刷部414に印刷させるようにしてもよい。
【0078】
次に、印刷システム1による地図データ印刷処理の第5実施形態を説明する。図12は印刷システム1による地図データ印刷処理の第5実施形態を示すフローチャートである。なお、図5乃至図11に示した処理と同様の処理は図示及び説明を省略する。
【0079】
上記第1乃至第4実施形態では、複合機41等は、操作者から地図の印刷指示が入力される毎に、サーバ2から、設置地域情報に対応する地図データや画像データを受信して印刷するが、第5実施形態では、複合機41等は、データ送受信部413が地図データ送信要求及び設置地域情報(必要に応じて目的地情報又は最大用紙サイズ情報も送信)をサーバ2に送信し(F11)、この設置地域情報(及び目的地情報又は最大用紙サイズ情報)に対応する縮尺及び地域の地図データや、当該設置地域情報に対応する画像データをサーバ2から一旦受信すると(F12)、制御部416が、当該受信した地図データや画像データを印刷データ記憶部4171に記憶させておく。なお、この場合のデータ送受信部413による地図データ送信要求及び設置地域情報のサーバ2への送信は(F11)、ユーザからの地図の印刷指示が操作部412に初めて入力されたときに行われるものでも、複合機41等のコンビニエンスストア4への導入初期に、メンテナンス作業員(導入作業者)が、操作部412を操作することで行われるものであってもよい。
【0080】
上記のようにして地図データや画像データが印刷データ記憶部4171に蓄積された後に、ユーザから地図の印刷指示(必要に応じて目的地情報も入力される)が操作部412に入力されると(F14でYES)、制御部416が、印刷データ記憶部4171から、設置地域情報、目的地情報、最大用紙サイズ情報に対応する上記地図データや画像データを読み出し(F15)、当該読み出した各データを印刷部414に記録紙の各面に印刷させる(F16)。
【0081】
この第5実施形態によれば、複合機41等は、操作者から地図の印刷指示が入力される毎にサーバ2にアクセスする必要がないので、当該複合機41等の設置地域情報に対応した縮尺及び地域の地図等、簡単な制御で迅速に印刷してユーザに提供することができる。
【0082】
なお、この第5実施形態では、複合機41等は、印刷に必要な各種データをサーバ2から得ているが、複合機41等に印刷に必要な各種データが記憶された記憶媒体を接続し(又は記憶媒体を読み取らせ)、印刷に必要な各種データを、当該記憶媒体から印刷データ記憶部4171に書き込むようにしてもよいし、さらには、画像読取部430によって読み取られた画像のデータを、印刷データ記憶部4171に書き込み、上記印刷に必要な各種データとして用いるようにしてもよい。
【0083】
次に、複合機41による印刷対象データの種別に応じた印刷料金の徴収処理について説明する。図13は複合機41による印刷料金の徴収処理を示すフローチャート、図14乃至図16は複合機41の操作部412を示す図である。なお、図5乃至図11で示した処理と同様の処理は説明を省略する。
【0084】
印刷待機状態では、制御部416が、コピー動作及び地図の印刷動作が可能であり、コピー又は印刷指示の入力をユーザに対して促す旨のメッセージを表示部411に表示させている(図14参照)。なお、複合機41の操作部412には、表示部411の他、地図の印刷を選択するための地図ボタン412A、観光マップの印刷を選択するための観光マップボタン412B、印刷指示を入力するためのスタートボタン412Cが設けられている。
【0085】
複合機41が上記印刷待機状態にあるときに、ユーザによって地図ボタン412A又は観光マップボタン412Bが押下されて、制御部416に地図又は観光マップを選択する指示が受け付けられると(F31でYES)、制御部416は、印刷内容の選択を促す旨のメッセージを表示部411に表示させる(F32)。
【0086】
例えば、ユーザによる地図ボタン412Aの押下で地図の印刷が選択された場合、制御部416は、表示部411に、周辺地図(当該複合機41が設置されている場所の周辺地域の地図)と、2つの縮尺からなる周辺地図と、目的地までの地図と、その他の地域の地図のいずれを印刷するかの指示の入力を促すために、図15に示すような表示画面を表示させる。例えば、表示部411には、これら各地図の印刷指示を入力するためのボタン411A、411B、411C、411Dが表示される。なお、ユーザによって観光マップボタン412Bが押下されて観光マップの印刷が選択された場合、制御部416は、図16に示すように、周辺地図の印刷指示を入力するためのボタン411Aに代えて、観光マップの印刷指示を入力するためのボタン411Eを表示部411に表示させる。
【0087】
さらに、制御部416は、図15及び図16に示すように、表示部411に表示する各ボタンに、各地図の印刷が無料であるか有料であるかの旨を示すメッセージも表示させる。表示部411の表示画面部分には、タッチパネルが設けられており、ユーザがボタン411A乃至411Eのいずれかを押下すると、それぞれの指示が操作部412に入力されて、制御部416に受け付けられる。
【0088】
そして、ユーザによりボタン411A、411B、411C、411D、411Eのいずれかが押下された後、スタートボタン412Cが押下されることで、印刷する内容の選択及びその内容での印刷指示が入力されると(F33でYES)、制御部416は、指示された印刷が無料であるか有料であるかを判断する(F34)。HDD417内の料金情報記憶部4173には、各印刷内容(周辺地図、2つの縮尺からなる周辺地図、目的地までの地図、その他の地域の地図)が無料であるか有料であるかの料金情報と、各印刷内容分の料金情報とが記憶されており、制御部416は、当該料金情報に基づいて上記判断を行う。
【0089】
ユーザによって選択された印刷内容が無料である場合は(F34でNO)、データ送受信部413が地図データ送信要求と設置地域情報とをサーバ2に対して送信する(F40)。この送信後、データ送受信部413がサーバ2から地図データ及び画像データを受信すると(F41)、制御部416が印刷部414に当該地図データ及び画像データを記録紙の各面にそれぞれ印刷させる(F42)。
【0090】
なお、ユーザにより観光マップの印刷指示を入力するためのボタン411Eが押下された場合、データ送受信部413は、地図データの送信要求と設置地域情報とをサーバ2に対して送信する。サーバ2の画像データ記憶部206には、上述した縮尺及び地域に対応する各観光マップのデータが記憶されており、複合機41等のデータ送受信部413は、観光マップのデータを、上述した画像データとしてサーバ2から受信する。
【0091】
また、ユーザによって選択された印刷内容が有料である場合(F34でYES)、制御部416は、表示部411に当該印刷内容分の印刷料金の投入を促すメッセージを表示させ、印刷内容分の料金に相当する額の料金が複合機41に投入されて料金受付部415に受け付けられたか否かを判断する(F35)。
【0092】
なお、F34で、ユーザによりボタン411B又は411Cが押下された場合は、制御部416は、表示部411に、図9に示したようなキーボードを表示させ、目的地やその他地域の情報を入力可能な状態にする。ユーザにより、目的地やその他地域の情報が入力された後、終了ボタン411Gが押下されると、F35の処理に移る。
【0093】
料金受付部415に上記額の料金が受け付けられた場合(F35でYES)、データ送受信部413は、ユーザから指示された内容の地図データの送信要求と設置地域情報(必要に応じて、更に目的地情報や、ユーザ所望のその他地域を示すその他地域情報も送信)とをサーバ2に対して送信する(F36)。
【0094】
この送信後、データ送受信部413がサーバ2から、対応する地図データや画像データを受信すると(F37)、制御部416が、印刷部414に当該地図データや画像データを記録紙の各面にそれぞれ印刷させる(F38)。この後、減算部419が、上記ユーザによって投入された料金から地図印刷料金相当額を減算し、制御部416は、料金受付部415に、減算後の残金相当額を排出させる(F39)。
【0095】
この印刷料金徴収処理によれば、ユーザ所望の印刷内容が有料か無料か、また、印刷に必要な印刷料金が投入されたか否かに応じて、サーバ2に対して地図データの送信要求を送信するタイミングや、地図データの送信要求を送信するか否かを判断して制御するので、複合機41等とサーバ2との間で必要なデータ送受信のみを効率良く行うことが可能である。
【0096】
本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。例えば、上記各実施形態では、複合機41等が、サーバ2から、当該複合機41等の設置地域情報に応じた縮尺及び地域の地図データを受信して印刷するようにしているが、複合機41等のデータ送受信部413が、この地図データの受信時に、当該地図データの縮尺を示す縮尺情報も一緒にサーバ2から受信し、制御部416が、印刷部414に、当該地図データと共に、当該地図データの縮尺も記録紙に印刷させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の一実施形態に係る印刷システムの全体構成図である。
【図2】複合機及びサーバ間でのデータ通信の概略を示す図である。
【図3】本発明の一実施例に係る複合機の内部構成の概略を示すブロック図である。
【図4】サーバの内部構成の概略を示すブロック図である。
【図5】印刷システムによる地図データ印刷処理の第1実施形態を示すフローチャートである。
【図6】印刷システムによる地図データ印刷処理の第2実施形態を示すフローチャートである。
【図7】印刷システムによる地図データ印刷処理の第3実施形態において、複合機及びサーバ間でのデータ通信の概略を示す図である。
【図8】印刷システムによる地図データ印刷処理の第3実施形態を示すフローチャートである。
【図9】表示部の表示画面例を示す図である。
【図10】印刷システムによる地図データ印刷処理の第4実施形態において、複合機及びサーバ間でのデータ通信の概略を示す図である。
【図11】印刷システムによる地図データ印刷処理の第4実施形態を示すフローチャートである。
【図12】印刷システムによる地図データ印刷処理の第5実施形態を示すフローチャートである。
【図13】複合機による印刷料金の徴収処理を示すフローチャートである。
【図14】複合機の操作部を示す図である。
【図15】複合機の操作部を示す図である。
【図16】複合機の操作部を示す図である。
【符号の説明】
【0098】
1 印刷システム
2 サーバ
201 地図データ記憶部
202 対応情報記憶部
203 通信部
204 制御部
205 画像合成部
206 制御部
41,51,61 複合機
412 操作部
413 データ送受信部
414 印刷部
415 料金受付部
416 制御部
419 減算部
417 HDD
4171 印刷データ記憶部
4172 装置固有情報記憶部
4173 料金情報記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワーク上のサーバに記憶されている地図データを、当該サーバとネットワーク接続された1以上の画像形成装置で印刷する印刷システムであって、
前記サーバは、各地域別の地図データを異なる縮尺からなる複数パターンで記憶する地図データ記憶手段と、前記各画像形成装置から送信されてくる設置場所情報及び目的地情報に対応付けられたそれぞれの縮尺及び地域を記憶する対応情報記憶手段と、前記設置場所情報及び目的地情報に対応する縮尺及び地域を前記対応情報記憶手段から読み出し、前記地図データ記憶手段から当該縮尺及び地域の地図データを読み出す制御手段と、当該制御手段によって読み出された地図データを、前記設置場所情報を送信してきた画像形成装置に送信するデータ送信手段とを備え、
前記各画像形成装置は、当該装置の設置場所情報を記憶する設置場所情報記憶手段と、ユーザから目的地情報が入力される目的地情報入力手段と、前記設置場所情報及び目的地情報入力手段に入力された目的地情報を前記サーバに送信する情報送信手段と、当該設置場所情報及び目的地情報に対応する地図データを前記サーバから受信する地図データ受信手段と、当該地図データ受信手段によって受信された地図データを印刷する印刷手段とを備える印刷システム。
【請求項2】
前記サーバは、前記地図データ記憶手段に記憶されている地図データに、前記設置場所情報が示す設置場所及び目的地情報が示す目的地を表示する画像のデータを合成する合成手段を備え、
前記地図データ送信手段は、前記合成手段によって前記設置場所及び目的地を表示する画像のデータが合成された地図データを送信する請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記合成手段は、前記設置場所及び目的地を表示する画像のデータを合成すると共に、当該設置場所から目的地まで道のりを表示する画像を合成し、
前記地図データ送信手段は、前記合成手段によって前記設置場所、目的地及び道のりを表示する画像のデータが合成された地図データを送信する請求項2に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記画像形成装置は、前記地図データ受信手段によって受信された前記地図データを記憶する対応地図データ記憶手段と、ユーザからの地図データ印刷指示が入力される印刷指示入力手段と、当該印刷指示入力手段に印刷指示が入力されたときに前記対応地図データ記憶手段に記憶されている前記地図データを前記印刷手段に印刷させる制御手段とを備える請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の印刷システム。
【請求項5】
ネットワーク上のサーバに記憶されている地図データを印刷する画像形成装置であって、
当該装置の設置場所情報を記憶する設置場所情報記憶手段と、
ユーザから目的地情報が入力される目的地情報入力手段と、
前記設置場所情報及び前記目的地情報入力手段に入力された目的地情報を前記サーバに送信する情報送信手段と、
前記設置場所情報及び目的地情報に対応する地図データを前記サーバから受信する地図データ受信手段と、
前記地図データ受信手段によって受信された地図データを印刷する印刷手段と
を備える画像形成装置。
【請求項6】
前記地図データ受信手段によって前記サーバから受信される地図データは、前記設置場所情報が示す設置場所及び目的地情報が示す目的地を表示する画像のデータが合成された地図データである請求項5に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記地図データ受信手段によって受信された前記地図データを記憶する対応地図データ記憶手段と、
ユーザからの地図データ印刷指示が入力される印刷指示入力手段と、
前記該印刷指示入力手段に印刷指示が入力されたときに前記対応地図データ記憶手段に記憶されている前記地図データを前記印刷手段に印刷させる制御手段と
を備える請求項5又は請求項6に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−172537(P2008−172537A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−3836(P2007−3836)
【出願日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(000006150)京セラミタ株式会社 (13,173)
【Fターム(参考)】