説明

印刷装置、印刷装置の制御方法、及びプログラム

【課題】 シート保持部に設定されたシートのサイズと、シート保持部に保持されたシートのサイズとが異なっている場合に、ユーザに手間をかけることなく、シート保持部に収納されたシートのサイズの設定を適切に行うことができる。
【解決手段】 搬送手段によって搬送されているシートのサイズを特定し、特定されたシートのサイズを、当該シートの搬送元であるシート保持部に保持されたシートのサイズとして設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷装置、印刷装置の制御方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の印刷装置は、スキャナによって読み取った原稿の画像を印刷するコピー機能や、PC等の外部装置から受信した画像をシートに印刷するプリント機能を有する。印刷装置は、操作部を介して受け付けたコピー要求や、外部装置からネットワークを介して受け付けたプリント要求に応じて、シート保持部からシートを搬送し、搬送されたシートに画像を印刷する。
このような印刷装置は、シート保持部にセンサを有し、シート保持部に保持されたシートのサイズを検知し、検知されたシートのサイズをシート保持部ごとに記憶しておくものがある。このような印刷装置によれば、ユーザが手動で、シート保持部に保持されたシートのサイズを設定せずとも自動的にシートのサイズが管理されるため、ユーザの手間を省くことができる。
一方、シート保持部に保持されたシートのサイズを検知するセンサを備えず、ユーザが手動で、シート保持部に保持されたシートのサイズを設定する印刷装置もある。このような印刷装置によれば、シート保持部にサイズの検知専用のセンサを設ける必要がない。
後者の印刷装置は、あるシート保持部に対して設定されたシートのサイズと、当該シート保持部に実際に保持されているシートのサイズとが異なると、画像がシートからはみ出たり、シートのサイズに対して画像が小さすぎたりする。
そこで、シートのサイズが一致していない状態で印刷要求を受け付け、シート保持部からシートを搬送した場合に、シートの搬送を停止して、シートのサイズが一致していないことをユーザに通知するものがある(特許文献1参照)。ユーザは通知を受けると、ジョブの印刷に必要なシートのサイズと、シート保持部に保持されたシートのサイズを確認し、操作部を介して正しいシートのサイズを設定することによってシートに正しく画像を印刷できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−194012号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の印刷装置の場合、シート保持部に設定されたシートのサイズと、シート保持部に保持されたシートのサイズとが異なっていると、ユーザは、シート保持部のサイズを手動で設定しなければならず、ユーザの手間がかかってしまう。
また、シートのサイズが不一致の状態で停止しているジョブを、ユーザがキャンセルするとエラーは解消される。その場合に、ユーザが、シート保持部に対して設定されているシートのサイズを設定し直すことを忘れてしまうと、別のユーザがシートのサイズが不一致の状態であることに気付かずに次の印刷要求を行ってしまうことがある。
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、ユーザに手間をかけることなく、シート保持部に保持されたシートのサイズの設定を適切に行う仕組みを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
シート保持部に保持されるシートを搬送する搬送手段と、シート保持部に保持されたシートのサイズを記憶する記憶手段と、搬送手段によって搬送されているシートのサイズを特定する特定手段と、特定手段によって特定されたシートのサイズを、当該シートの搬送元であるシート保持部に保持されたシートのサイズとして設定する設定手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、シート保持部に設定されたシートのサイズと、シート保持部に保持されたシートのサイズとが異なっている場合に、ユーザに手間をかけることなく、シート保持部に保持されたシートのサイズの設定を適切に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本実施形態における印刷システムの構成例を示す図である。
【図2】本実施形態における印刷装置を示す図である。
【図3】本実施形態における印刷装置の操作部を示す図である。
【図4】本実施形態における印刷装置の操作画面を示す図である。
【図5】本実施形態における印刷装置の操作画面を示す図である。
【図6】本実施形態における制御例を示すフローチャートである。
【図7】本実施形態における印刷装置の操作画面を示す図である。
【図8】本実施形態における給紙カセットのサイズ情報を管理するテーブルを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を用いて説明する。
【0009】
<第1の実施形態>
図1は、本発明の実施形態を示す印刷システムの構成の例を示す図である。
【0010】
本実施形態に係る印刷システムは、外部装置の一例であるPC101と印刷装置の一例であるMFP102とを有する。PC101とMFP102は、ネットワーク103を介して接続されている。なお、ネットワーク103は、有線LANや無線LANであってもよいし、インターネットを介するものであってもよい。
【0011】
PC101は、CPU104、ROM105、RAM106、ネットワーク通信部107、メモリ部108、表示部109、操作部110等を有する。
【0012】
CPU104は、ROM105からプログラム(例えば、文書作成アプリケーションやプリンタドライバ等)を読み出して実行する。RAM106は、CPU104の作業領域として用いられる。
【0013】
ネットワーク通信部107は、ネットワーク103を介して送受信されるデータのインタフェース制御を行うものである。
【0014】
メモリ部108は、不揮発性のメモリであり、文書作成アプリケーションで作成された画像データを記憶する。
【0015】
表示部109は、液晶ディスプレイ、CRTディスプレイ等であり、各種操作画面やメッセージを表示する。
【0016】
操作部110は、キーボードやマウス等であり、ユーザがPC101に対して行う操作を受け付けるためのものである。
【0017】
このようなPC101は、文書作成アプリケーションで作成された画像データに従ってプリンタドライバで印刷データを生成し、生成した印刷データを印刷設定とともに、ネットワーク103を介してMFP102に送信する。また、PC101は、MFP102からMFP102のステータス情報や印刷結果を受信し、受信したステータス情報や印刷結果を表示部に表示する。
【0018】
MFP102は、CPU120、ROM121、RAM122、ネットワーク通信部123、メモリ部124、操作部125、スキャナ部126、プリンタ部127を備える。
【0019】
CPU120は、ROM121に記憶されたプログラムを読み出して、実行することによって、MFP102を統括的に制御する。RAM122は、CPU120の作業領域として用いられる。
【0020】
ネットワーク通信部123は、ネットワーク103を介して送受信されるデータのインタフェース制御を行うものである。
【0021】
スキャナ部126は、原稿台に載置された原稿を読み取り、読み取った原稿の画像を示す画像データを出力する。また、スキャナ部126は、ADF(自動原稿搬送装置)を有し、ADF上に載置された複数枚の原稿を1枚ずつ搬送し、搬送された原稿の画像を読み取ることができる。
【0022】
メモリ部124は、スキャナ部126によって読み取った原稿の画像や、PC101から受信した印刷データ及び印刷設定を記憶する。また、メモリ部124は、印刷データが展開されることによって生成される画像データを記憶する。
【0023】
操作部125は、ハードキーとタッチパネルから構成される。タッチパネルは、液晶ディスプレイと、当該液晶ディスプレイに貼られたタッチパネルシートとからなる。操作部125は、タッチパネルに、ユーザに対する各種メッセージを表示する。また、操作部125は、ハードキーまたはタッチパネルを介してユーザからの操作指示を受け付ける。
【0024】
プリンタ部127は、CPUからの指示に従って、給紙カセットからシートを給紙し、給紙されたシートに画像を印刷する。
【0025】
このプリンタ部127は、センサ128、給紙カセット129、画像形成部130、排紙トレイ131を有する。センサ128は、MFP102のシート搬送路を搬送される印刷用紙を検知し、検知した結果をCPU120に通知する。
【0026】
タイマ132は、現在の時刻を管理する。
【0027】
給紙カセット129は、印刷に用いられるシートを保持する。給紙カセット129の数は単数であっても複数であってもよい。また、給紙カセット129は、手差しトレイや給紙デッキ等であってもよく、シートを保持するシート保持部として機能するものであればよい。
【0028】
画像形成部130は、給紙カセット129から給紙されたシートに画像を形成する。排紙トレイ131は、画像形成部130によって画像が形成されたシートを積載しておくトレイである。
【0029】
このMFP102は、コピージョブや、プリントジョブ等の複数種類のジョブを実行する。
【0030】
コピージョブを実行する場合、CPU120は、操作部125から印刷開始指示を受け付けたことに従ってコピージョブを生成する。このとき、操作部125を介して、印刷レイアウトや印刷倍率等の指定がある場合、CPU120は、それらの印刷設定に従ってコピージョブを生成する。そして、CPU120は、スキャナ部126に原稿を読み取るよう指示し、スキャナ部126によって読み取られた原稿の画像を示す画像データをメモリ部124に記憶する。その後、CPU120は、メモリ部124に記憶された画像データをプリンタ部127に送り、プリンタ部127に当該画像データに基づく印刷を実行させる。
【0031】
また、プリントジョブを実行する場合、CPU120は、ネットワーク通信部123を介してPC101から印刷データ(PDLデータ)と印刷設定を受信し、受信した印刷データと印刷設定をプリントジョブとしてメモリ部124に記憶する。その後、CPU120は、メモリ部124から各プリントジョブに応じた印刷データと印刷設定を読み出して、印刷データを印刷設定に従って画像データに展開し、展開した画像データに基づく印刷をプリンタ部127に実行させる。
【0032】
本実施形態では、印刷装置の例として、MFP(Multi Functional Peripheral)を例にあげて説明するが、印刷装置は、単機能のみを有するSFP(Signle Functional Peripheral)であってもよい。また、印刷装置は、ファクシミリ装置や複写機であってもよい。
【0033】
次に図2のMFP102の断面図を用いて、MFP102の構成について説明する。
【0034】
MFP102のスキャナ部126は、自動原稿搬送装置301(ADF)を有する。自動原稿搬送装置301(ADF)に積載された原稿は、その積載順に従って、先頭から順次1枚ずつプラテンガラス302上へ搬送される。その後、原稿はプラテンガラス302上でスキャンされ、排出トレイ303に排出される。
【0035】
原稿を誘導する原稿搬送路には、ステッピングモータによって駆動される搬送ローラ305、原稿の先端、後端を検知する原稿検知センサ306が設けられている。
【0036】
自動原稿搬送装置301に積載された原稿は、ステッピングモータによって駆動される搬送ローラ305によって、原稿流し読み位置を一定の速度で通過する。この場合、光学ユニット307は、原稿流し読み位置に移動し、等速で搬送される原稿を光源によって照射する。原稿からの反射光は、複数のミラー308、309、310、及び、レンズ311を介してCCDイメージセンサ(以下、「CCD」と称する。)312へ導かれる。これにより、走査された原稿の画像がCCD312によって読み取られる。CCD312によって随時読み取ることで色ごと(R、G、B)の画像データが生成され、当該画像データは保存または印刷のためにメモリ部124に転送される。
【0037】
プリンタ部127は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)のトナーによって画像を形成するための4つの現像ユニットを有し、カラー画像及びモノクロ画像を形成する。
【0038】
プリンタ部127は、レーザ露光部401、回転多面鏡(ポリゴンミラー)406、感光ドラム402、作像部403、定着部404、フラッパ405、反転用パス408を有する。また、プリンタ部は、給紙カセット410、給紙カセット411を有する。
【0039】
レーザ露光部401は、画像データに応じて変調されたレーザ光などの光線を等角速度で回転する回転多面鏡(ポリゴンミラー)406に入射させ、反射走査光として感光ドラム402に照射する。
【0040】
作像部403は、感光ドラム402を回転駆動し、帯電器によって帯電させた後、レーザ露光部401によって感光ドラム402上に形成された潜像をトナーによって現像する。そして、そのトナー像をシートに転写し、その際に転写されずに感光ドラム402上に残った微小トナーを回収するといった一連の電子写真プロセスの現像ユニット(現像ステーション)を4つ持つことで実現している。シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)の順に並べられた4つの現像ユニットは、シアンの現像ユニットによる作像開始から所定時間経過後に、マゼンタ、イエロー、ブラックの現像ユニットによる作像を順次実行していく。このタイミング制御によって、シート上に色ずれのないカラー画像が転写される。
【0041】
定着部404は、ローラやベルトの組み合わせによって構成され、ハロゲンヒータなどの熱源を内蔵し、作像部403によってトナー像が転写されたシート上のトナーを、熱と圧力によって溶解、定着させる。
【0042】
給紙カセット410〜411は、それぞれシートを保持することができる。本実施形態では、給紙カセット410及び給紙カセット411に保持可能なシートのサイズは、A5、A4、B5、LTR、LEGALであるものとする。また、本実施形態におけるMFP102は、シートの短辺が搬送方向の先端になるようにシートを搬送する給紙(ショートエッジフィード)のみ実行可能である。
【0043】
MFP102は、給紙カセット410〜411のうちのいずれかからシートを給紙し、給紙されたシートに対して、作像部403で作像された画像を転写する。そして、転写された画像を定着部404によってシートに定着させる。そして、MFP102は、画像が形成された面を下に向けてシートを排紙する場合(フェイスダウン排紙をする場合)、フラッパ407によってシートを反転パス405に導き、反転させたシートを排紙トレイ415に排紙する。一方、画像が形成された面を上に向けてシートを排紙する場合(フェイスアップ排紙をする場合)、フラッパ407によってシートを反転パス405に導かずに排紙トレイ415に排紙する。
【0044】
また、シートの両面に画像を印刷する場合、フラッパ407によってシートを反転パス405に導き、シートの後端をローラ409によって挟持させた後、そのシートを両面搬送パス408に導く。両面搬送パス408に導かれたシートは、再び作像部403まで搬送され、シートの裏面に作像部403によって画像が印刷される。裏面に画像が印刷されたシートは、排紙トレイ415に排紙される。
【0045】
このようにして、MFP102は、シートに画像を印刷する印刷処理を実行する。
【0046】
本実施形態におけるMFP102は、搬送されるシートを検知するためのセンサS1〜13を備える。これらのセンサS1〜S13は、シート搬送路に設けられ、CPU120はセンサS1〜S13からの信号に従って、搬送されるシートの位置を認識する。
【0047】
また、CPU120は、センサS1〜S13からの信号に従ってシートのジャムを検知する。具体的に、CPU120は、あるセンサを通過したシートが、次に通過すべきセンサを通過しないで所定の時間が経過した場合にシートのジャムが発生したと判定する。そして、CPU120は、シートが通過したセンサと、当該シートが次に通過すべきセンサとの間でシートのジャムが発生したと判定する。そして、CPU120は、操作部125に、シートがジャムを起こした位置をユーザが特定することができるための画面を表示する。
【0048】
また、本実施形態に係るCPU120は、センサS2をシートの先端が通過した時の時刻T1をタイマ132から取得してメモリ部124に記憶する。次に、CPU120は、センサS2をシートの後端が通過した時の時刻T2をタイマ132から取得してメモリ部124に記憶する。そして、CPU120は、時刻T2と時刻T1との差と、予めメモリ部124に登録されたシートの搬送速度との積を求め、求めた積をシートの搬送方向の長さ(副走査長)として決定する。なお、シートの搬送方向の長さ(副操作長)を決定する方法は他の方法であってもよい。例えば、シートを搬送するためにステッピングモータを用いる場合、1ステップあたりのシートの搬送量を予めメモリ部124に登録しておく。そして、CPU120は、時刻T1から時刻T2までの間に回転したステップ数をカウントし、カウントされたステップ数と、1ステップ辺りのシートの搬送量との積を求め、求めた積をシートの搬送方向の長さ(副走査長)として決定してもよい。また、モータの回転量を特定できる場合には、CPU120は、時刻T1から時刻T2までのモータの回転量をシートの搬送方向の長さ(副走査長)として決定してもよい。
【0049】
このMFP102は、シートの短辺が搬送方向の先端になるようにシートを搬送する給紙(ショートエッジフィード)のみ可能であるため、シートの搬送方向の長さからシートのサイズを一意に特定することができる。給紙カセット410、給紙カセット411にセット可能なシートのサイズは、A5、A4、B5、LTR、LEGALである。例えば、CPU120は、シートの搬送方向の長さが210mmであればシートのサイズがA5であると判定し、シートの搬送方向の長さが297mmであればシートのサイズがA4であると判定することができる。同様に、CPU120は、シートの搬送方向の長さが257mmであればシートのサイズがB5であると判定することができる。また、シートの搬送方向の長さが279.4mmであればシートのサイズがLTRであると判定することができ、シートの搬送方向の長さが355.6mmであればシートのサイズがLEGALであると判定することができる。このように、シートの搬送方向の長さが決定すれば、シートのサイズを一意に決めることができる。
【0050】
このように、本実施形態に係るCPU120は、ジャムの発生をユーザに通知するためにシートの位置を検知する処理と、シートのサイズを特定するための処理の2つの処理のためにセンサS2を用いる。
【0051】
次に、図3を用いて、図2に示したMFP102が有する操作部125について説明する。
【0052】
操作部125は、ハードキーによるユーザ操作を受付けるキー入力部901、ソフトキー(表示キー)を表示可能で、当該ソフトキーによるユーザ操作を受付けるタッチパネル部902を有する。
【0053】
まず、キー入力部901について説明する。図3に示すように、キー入力部901は、操作部電源スイッチ903を備える。MFP102が、スタンバイモード(通常動作状態)のときに、操作部電源スイッチ903がユーザによって押されると、CPU120は、MFP102を、スタンバイモードからスリープモード(消費電力を抑えている状態)に切り替える。一方、MFP102が、スリープモードのときに、操作部電源スイッチ903がユーザによって押されると、CPU120は、MFP102を、スリープモードからスタンバイモードに切り替える。
【0054】
スタートキー905は、コピー動作や、データの送信動作を、MFP102に実行させる指示をユーザから受付けるためのキーである。
【0055】
ストップキー904は、コピー動作や、データの送信動作を中断する指示をユーザから受付けるためのキーである。
【0056】
テンキー906は、各種設定の置数の設定をユーザにより実行するためのキーである。
【0057】
次に、タッチパネル部902について説明する。タッチパネル部902は、LCD(Liquid Crystal Display:液晶表示部)と、その上に貼られた透明電極からなるタッチパネルシートとを有する。当該タッチパネル部902は、ユーザからの各種設定を受付ける機能と、ユーザに情報を提示する機能とを有する。
【0058】
図4に示す初期画面500は、タッチパネル部902に表示される初期画面500である。
【0059】
初期画面500は、応用モードキー501、濃度調整キー502、用紙選択キー503、倍率設定キー504、仕上げキー505、両面設定キー506、カラーモード設定キー507を有する。ユーザは、これらのキーを押下することによってジョブの設定を行うことが可能となる。
【0060】
応用モードキー501は、読み取った複数枚の原稿の画像を1枚のシートの上に並べて印刷する縮小レイアウト機能や、読み取った原稿の画像を印刷前にタッチパネル部902に表示するプレビュー機能の設定を行うためのキーである。
【0061】
濃度調整キー502は、印刷濃度を調整するためのキーである。
【0062】
用紙選択キー503は、図7に示す用紙選択画面1000を表示するためのキーである。用紙選択画面1000は、印刷用紙の給紙元(搬送元)となる給紙カセットを決めるための設定をユーザから受け付けるための画面である。
【0063】
ここで、先に図7の説明をする。図7の自動用紙選択キー1000は、原稿の画像のサイズに従って、CPU120が印刷に使用する給紙カセットを選択する自動用紙選択機能を有効にするためのキーである。
【0064】
給紙カセット選択キー1002〜1003は、給紙カセット1002〜1003のうち、印刷に使用したい給紙カセットを、MFP102に選択させるのではなく、ユーザが直接指定するためのキーである。なお、図7(a)に示す画面のカセット1は、給紙カセット410に対応する。また、図7(a)に示す画面のカセット2は、給紙カセット411に対応する。
【0065】
図4の画面の説明に戻る。倍率設定キー504は、印刷倍率を設定するためのキーである。仕上げキー505は、後処理の設定を行うためのキーである。例えば、仕上げキー505が押された場合に表示される画面によって、ユーザは、画像が印刷されたシートを、部ごとにシフトして排紙するシフトソート機能の設定を行うことができる。両面キー506は、両面印刷を行うよう設定するためのキーである。
【0066】
カラーモード設定キー507は、原稿の画像の色の判別方法を決定するためのキーである。カラーモード設定キー507によってカラーが選択されると、CPU120は、読み取った原稿の画像を全てカラー画像として認識する。また、カラーモード設定キー507によって白黒が選択されると、CPU120は、読み取った原稿の画像を全てモノクロ画像として認識する。自動カラー選択が選択されると、CPU120は、読み取った原稿の画像にカラー画素が含まれるか否かを判定し、カラー画素が含まれる場合に原稿の画像がカラー画像であると認識し、カラー画素が含まれない場合に原稿の画像がモノクロ画像であると認識する。
【0067】
MFP102のCPU120は、以上のような画面によって印刷設定を受け付けた後、スタートキー905が押されたことに従って印刷を行う。
【0068】
本実施形態に係るMFP102は、給紙カセット410、411に、シートのサイズを検知するための機構(用紙ガイドや、用紙ガイドの位置を検知するセンサ等)を設けない。それによって、MFP102のコストを下げることができる。
【0069】
また、本実施形態に係るMFP102は、給紙カセット410、411に、シートのサイズを検知するための機構を設けない代わりに、給紙カセット410、411にセットされるシートのサイズを、機器の設定としてユーザから受け付けるようになっている。CPU120は、受け付けたシートのサイズを、給紙カセット410、411のサイズ情報として図8に示すようなテーブルの形式で不揮発性のメモリ部124に保持する。
【0070】
CPU120は、これらの設定を、図5(a)(b)の画面を介してユーザから受け付ける。
【0071】
図5(a)の画面600は、シートのサイズを設定したい給紙カセットをユーザが選択するための画面である。この図5(a)の画面は、図3の操作部125のユーザモードキーが押された場合に表示される。
【0072】
図5(a)のキー601は給紙カセット410に対応する。CPU120は、図8に示すテーブルを参照して、キー601上に、給紙カセット410に対して設定されているシートのサイズA4を表示する。
【0073】
また、キー602は給紙カセット411に対応する。CPU120は、図8に示すテーブルを参照して、キー602上に、給紙カセット411に対して設定されているシートのサイズA5を表示する。
【0074】
戻るキー604は、画面600で行われた設定を反映せずに、画面600を閉じるためのキーである。画面600が閉じられると、画面500が表示される。
【0075】
ユーザは、キー601またはキー602のうち、シートのサイズを設定したいキーを押下する。キー601またはキー602が押下されると、CPU120は、押下されたキーを選択状態にする。その後、設定キー603が押下されると、CPU120は、図5(b)に示す画面700をタッチパネル部902に表示する。画面700は、画面600で設定キー603が押されたときに選択状態にあったキーに対応する給紙カセットに対して、シートのサイズの設定を行うための画面である。
【0076】
画面700には、キー701〜705が表示されており、それぞれ、A5、A4、B5、LTR、LEGALを設定するためのキーである。キー701〜705のうち、ユーザが設定したいサイズのキーを押下すると、CPU120は、押下されたキーを選択状態にする。キー701〜705のうち、いずれかのキーが押下された状態でOKキー706が押下されると、CPU120は、画面600で選択状態にあった給紙カセットに対して、画面700で押下されたキーに対応するシートのサイズを設定する。ここで、CPU120は、図8に示すテーブルを更新するとともに、新たに設定されたシートのサイズを図5(a)の画面に表示する。
【0077】
戻るキー707は、画面700で行われた設定を反映せずに、画面700を閉じるためのキーである。画面700が閉じられると、画面600が表示される。
【0078】
このように、給紙カセット410、411にセットされるシートのサイズを、機器の設定としてユーザから受け付ける場合、ユーザによって設定されたサイズと、実際に給紙カセット410、411にセットされるシートのサイズとが異なることがある。ユーザによって設定されたサイズと、実際に給紙カセット410、411にセットされるシートのサイズとが異なると、MFP102は、ユーザの意図した通りのサイズのシートを給紙することができない。例えば、給紙カセット410にA5のシートが保持されているにも関わらず、給紙カセット410のサイズ情報(属性情報)としてA4が設定されている場合を想定する。この場合、MFP102は、A4のシートに画像を印刷するよう指定されたジョブを実行した場合に、給紙カセット410からシートを給紙して、A4の画像を印刷するが、実際に給紙されるシートのサイズはA5であるため、画像がシートからはみ出してしまう。また、別の例として、給紙カセット410にA4のシートが保持されているにも関わらず、給紙カセット410のサイズ情報としてA5が設定されている場合を想定する。この場合、MFP102は、A5のシートに画像を印刷するよう指定されたジョブを実行した場合に、給紙カセット410からシートを給紙して、A5の画像を印刷する。しかしながら、実際に給紙されるシートのサイズはA4のサイズであるため、ユーザの意図しない印刷結果となってしまう。
【0079】
図6は、本実施形態におけるMFP102で実行される処理を示すフローチャートである。このフローチャートに示す処理は、CPU120が、ROM121に記憶されたプログラムを読み出して実行することによって行われる。
【0080】
まず、S801で、CPU120は、図7(a)に示す画面を介して印刷に用いるシートのサイズの選択を受け付ける。また、CPU120は、縮小レイアウトの設定等の印刷設定を受け付ける。
【0081】
そして、S802で、CPU120は、印刷開始指示を受け付けたか否かを判断する。コピージョブの場合、CPU120は、操作部125スタートキー905が押された場合に印刷開始指示を受け付けたと判断する。印刷開始指示を受け付けるまで、CPU120は、S801とS802に示す処理を繰り返し実行する。印刷開始指示を受け付けたと判断した場合、CPU120は、S803に処理を進める。
【0082】
次に、S803で、CPU120は、スキャナ部126に原稿の読取指示を出し、スキャナ部126に原稿を読み取らせる。原稿が複数枚ある場合、スキャナ部126は、ADFによって搬送される原稿を順に読み取る。なお、原稿の読み取りは、S803で開始された後、S804以降で行われる処理に並行して実行される。
【0083】
S804で、CPU120は、使用する給紙カセットを決定する。例えば、図7(a)の画面を介してキー1002が選択されている場合、CPU120は、実行するジョブのために、給紙カセット410を使用するよう決定する。また、キー1003が押されている場合、CPU120は、給紙カセット411を使用するよう決定する。また、キー1001が選択されている場合、CPU120は、スキャナ部126によって読み取った原稿の画像のサイズと一致するサイズのシートが保持された給紙カセットを、図8のテーブルを参照して特定し、特定された給紙カセットを使用するよう決定する。
【0084】
S805で、CPU120は、プリンタ部127に対して給紙指示を発行し、使用するよう決定された給紙カセットからシートを給紙するための指示をプリンタ部127に送信する。
【0085】
S806で、プリンタ部127は、給紙したシートの先端を検知した時刻T1と、当該シートの後端を検知した時刻T2をタイマ132から取得し、取得した時刻T1とT2との差を搬送速度で割り、割った結果をシートの副走査長とする。そして、CPU120は、そのシートの副走査長から、そのシートの給紙元である給紙カセットに保持されているシートのサイズを特定する。具体的に、CPU120は、A5、A4、B5、LTR、LEGALの中から1つのサイズを特定する。
【0086】
S807で、CPU120は、S806で特定されたシートのサイズと、当該シートの給紙元である給紙カセットに設定されているシートのサイズとが異なっているか否かを判定する。それらのサイズが異なっていないと判定した場合、CPU120は、S808に処理を進め、それらのサイズが異なっていると判定した場合、CPU120は、S810に処理を進める。
【0087】
S808で、CPU120は、給紙されたシートに、プリンタ部127によって画像を印刷させ、S809に処理を進める。S809で、CPU120は、最後のページまで印刷が完了したか否かを判定し、印刷が完了していないと判定された場合、S804に処理を進め、印刷が完了したと判定された場合、処理を終了する。
【0088】
一方、S807からS810に処理を進めた場合、S810で、CPU120は、印刷動作を停止する。ここで、CPU120は、MFP102のシート搬送路内に存在するシートを機外に排紙する。
【0089】
そして、S811で、CPU120は、給紙カセットにシートがないことを示す用紙無しエラーメッセージを操作部125のタッチパネル部902に表示する。
【0090】
S812で、CPU120は、S806で特定されたシートのサイズを、当該シートの給紙元である給紙カセットの設定情報として、図8に示すテーブルを更新する。具体的に、カセット1に対して設定されている設定情報がA4で、実際にカセット1に保持されているシートのサイズがA5であった場合、S812で、CPU120は、カセット1のA5という情報をA4に自動的に書き変えて、処理を終了する。書き変えた後のテーブルを、図8(b)に示す。その後、ユーザが別のジョブで用いる給紙カセットを選択するために自動用紙選択キー503を押下した場合に、図7(a)ではなく、図7(b)を表示する。
【0091】
以上のように制御することによって、給紙カセットに対して設定されたサイズ情報と、給紙カセットに実際にセットされているシートとが異なっている場合に、自動的に正しいサイズが設定される。それによって、ユーザは、わざわざ給紙カセットのサイズを設定し直さなくても、再度同じジョブを投入することによって、正しいサイズが設定された給紙カセットのシートを用いて印刷を実行させることができる。
【0092】
また、ユーザが給紙カセットのサイズを設定し直すことを忘れたために、別のユーザがMFP102を使用して間違った給紙カセットを選択してしまうことを防ぐことができる。
【0093】
<その他の実施形態>
なお、S810で印刷動作を停止した場合、停止したジョブの印刷データと印刷設定とをメモリ部124に退避させておいてもよい。そして、図6のフローチャートに示す処理の終了後に、印刷再開キーを含む初期画面を表示し、当該印刷再開キーが押されたら、CPU102は、退避された印刷データと印刷設定に従って印刷を再開すればよい。それによって、ユーザは、容易に印刷を再開させることができる。また、初期画面ではなく、S811で、表示されるエラーメッセージに、退避された印刷データと印刷設定とを用いて印刷をやり直すためのキーを設けてもよい。
【0094】
また、本実施形態では、給紙カセットに対して設定されたシートのサイズと、センサS2からの信号に従って算出したシートのサイズとが違っている場合に、CPU120が必ず、給紙カセットに対して設定されたシートのサイズを変更する例を説明した。これに限らず、給紙カセットに対して設定されたシートのサイズと、センサS2からの信号に従って算出したシートのサイズとが違っている場合に、次のように制御してもよい。例えば、CPU120は、給紙カセットに対して設定されたシートのサイズを、S806で特定されたサイズに変更するか否かをユーザが指定できるようにしてもよい。その場合、ユーザによって給紙カセットに対して設定されたシートのサイズを変更するよう指定された場合に、CPU120は、給紙カセットに対して設定されたシートのサイズをS806で特定されたサイズに変更するとよい。一方、CPU120は、給紙カセットに対して設定されたシートのサイズを別のサイズに変更するための画面を表示し、画面を介して受け付けた設定に従ってシートのサイズを別のサイズに変更するようにしてもよい。
【0095】
なお、本実施形態では、MFP102が、ショートエッジフィードのみを実行可能である場合を例に説明したが、MFP102が、印刷用紙の長辺が搬送方向の先端になるように印刷用紙を搬送するロングエッジフィードに対応していても本発明を適用できる。その場合、給紙したシートの主走査幅を検知可能な主走査幅検知センサをMFP102の搬送経路上に設ければよい。その場合、上記の方法で算出した印刷用紙の副走査幅と、主走査幅検知センサを用いて検知された主走査幅とに基づいて、印刷用紙のサイズを特定することができる。
【0096】
なお、本実施形態では、コピージョブを実行する場合について説明したが、PC101から印刷データと印刷設定を受信して、受信した印刷データと印刷設定に従って画像を印刷するプリントジョブに適用してもよい。その場合、印刷設定、及び印刷開始指示は、PC101の操作部110を介してなされる。PC101にて印刷開始指示がなされると、PC101が印刷データと印刷設定とを含むプリントジョブを生成してMFP102に送信する。MFP102は、プリントジョブを受信すると、S804以降の処理を実行する。この場合、図4や図7で示した操作画面によって設定できる印刷設定を、PC101の操作部110を介して設定できるようにすればよい。また、図5に示す操作画面をPC101の表示部109に表示し、操作部110を介して受け付けた給紙カセットの設定情報をMFP102が受信して、給紙カセットの情報として設定すればよい。さらに、図6のフローチャートに示す処理の終了後に、印刷再開キーを含む初期画面をPC101の表示部109に表示し、当該印刷再開キーが操作部110によって指定されたら、CPU102は、退避された印刷データと印刷設定に従って印刷を再開すればよい。
【0097】
本実施形態におけるフローチャートに示す機能は、ネットワーク又は各種記憶媒体を介して取得したソフトウエア(プログラム)をコンピュータパソコン等の処理装置(CPU、プロセッサ)にて実行することでも実現できる。
【符号の説明】
【0098】
102 MFP
120 CPU
127 プリンタ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート保持部に保持されるシートを搬送する搬送手段と、
前記シート保持部に保持されたシートのサイズを記憶する記憶手段と、
前記搬送手段によって搬送されているシートのサイズを特定する特定手段と、
前記特定手段によって特定されたシートのサイズを、当該シートの搬送元であるシート保持部に保持されたシートのサイズとして設定する設定手段とを有することを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
指定されたシートのサイズと、前記特定手段によって特定されたシートのサイズが同じであるか否かを判断する判断手段をさらに有し、
前記判断手段によって前記指定されたシートのサイズと、前記特定手段によって特定されたシートのサイズが同じでないと判定された場合に、前記設定手段は、前記特定手段によって特定されたシートのサイズを、当該シートの搬送元であるシート保持部に保持されたシートのサイズとして設定することを特徴とする請求項1に記載の印刷装置。
【請求項3】
前記搬送手段によって搬送されるシートの搬送路に設けられ、当該シートの位置を検知するセンサをさらに備え、
前記特定手段は、前記センサを用いて前記搬送手段によって搬送されているシートのサイズを特定することを特徴とする請求項1または2に記載の印刷装置。
【請求項4】
前記特定手段は、前記センサによって前記搬送手段によって搬送されるシートの先端を検知した時間、前記センサによって当該シートの後端を検知した時間、及び、前記搬送手段によってシートを搬送する搬送速度に従って、前記シートのサイズを特定することを特徴とする請求項3に記載の印刷装置。
【請求項5】
前記搬送手段によって搬送されるシートの搬送路に設けられ、当該シートの位置を検知するセンサをさらに備え、
前記搬送手段によって搬送されるシートにジャムが発生した場合に、前記センサからの情報に従って前記ジャムが発生した位置をユーザに通知する通知手段をさらに備え、
前記特定手段は、前記センサを用いて前記搬送手段によって搬送されているシートのサイズを特定することを特徴とする請求項1または2に記載の印刷装置。
【請求項6】
前記設定手段によって設定されたシートのサイズを表示する表示手段をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項7】
シート保持部に保持されるシートを搬送する搬送手段と、前記シート保持部に保持されたシートのサイズを記憶する記憶手段とを備える印刷装置の制御方法であって、
前記搬送手段によって搬送されているシートのサイズを特定する特定工程と、
前記特定工程で特定されたシートのサイズを、当該シートの搬送元であるシート保持部に保持されたシートのサイズとして設定する設定工程とを有することを特徴とする印刷装置の制御方法。
【請求項8】
請求項7に記載された印刷装置の制御方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate


【公開番号】特開2012−250463(P2012−250463A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−125346(P2011−125346)
【出願日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】