説明

印刷装置

【課題】 連続印刷における印刷単位間の隙間を最小限にしうる印刷装置を提供することにある。
【解決手段】 第1画像データと第2画像データを第1の記録媒体と第2の記録媒体に連続して印刷する印刷装置100において、第1の画像データと第2の画像データとの間隔に対応した空白データを作成し、第1の画像データと第2の画像データを連結するデータ作成部135と、記録媒体の位置を検出する検出部30と、検出部30で検出された第1の記録媒体の位置と第2の記録媒体の位置とに基づき、ずれを検出するずれ検出部133と、ずれ検出部133で検出されたずれ量に応じて空白データを補正する空白データ補正部134と、連結された画像データを印刷部40へ転送するデータ転送部140とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定の印刷単位で連続的に印刷を行う印刷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
印刷装置は、画像データに基づいて所定の印刷単位で印刷媒体に印刷を行っている。
例えば、連続紙に印刷を行うときには、1印刷単位分の印刷が終了すると印刷部への画像データの転送を一旦停止して、次印刷単位の先頭位置に合わせて印刷部へ次の画像データの転送を再開し印刷すべく制御を行っている。
【0003】
画像データを受けた印刷部は、画像データに基づいて印刷媒体上に印刷処理を行う。このとき、印刷処理に伴う印刷媒体の搬送制御を機構制御部が行う。
【0004】
特許文献1には、印刷装置としてプリンタが開示されており、記録媒体の伸縮や該媒体の搬送経路における駆動系誤差などで生じたずれを補正することが開示されている。
【特許文献1】特開2003−25656号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の印刷装置は、印刷単位毎に画像データを印刷部に送っており、該印刷部により画像データに基づく印刷処理が行われるとき、印刷ヘッドへの画像データの転送およびそれに伴うヘッド露光が停止されたのち再開されることから、該停止と再開により遊休時間が生じ、該遊休時間に相当する搬送距離の空白部、つまり、印刷単位毎の間隔が必要となる。
【0006】
従来の印刷装置では、例えば、連続紙に100mm/秒の搬送速度で印刷中に、印刷部へ第1の印刷単位の画像データの転送を終了し停止して、第2の印刷単位の先頭位置に合わせて第2の印刷単位の画像データを転送し印刷を再開することから、仮に、停止から再開までの時間が200m秒とすれば、20mm相当の空白部が発生することになる。この200m秒は、停止処理と開始処理(レジスタ書込みや各種計算処理)に必要な時間であり、20mm相当の空白部の発生により第1の印刷単位と第2の印刷単位との間隔(隙間)が拡大することが問題となっていた。
【0007】
従って、本発明の目的は、連続印刷における印刷単位間の隙間を最小限にしうる印刷装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、以上の点を解決するために、次の構成を採用する。
〈構成1〉
第1画像データと第2画像データを第1の記録媒体と第2の記録媒体に連続して印刷する印刷装置において、第1の画像データと第2の画像データとの間隔に対応した空白データを作成し、第1の画像データと第2の画像データを連結するデータ作成部と、記録媒体の位置を検出する検出部と、検出部で検出された第1の記録媒体の位置と第2の記録媒体の位置とに基づき、ずれを検出するずれ検出部と、ずれ検出部で検出されたずれ量に応じて空白データを補正する空白データ補正部と、連結された画像データを印刷部へ転送するデータ転送部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明の印刷装置によれば、データ作成部が第1の印刷単位と前記第2の印刷単位との間隔を空白データとして生成し、該空白データを第1の画像データに付加した第1の画像空白データを生成する。検出部が第1の印刷単位における印刷開始位置を検出すると、印刷部は生成された第1の画像空白データに基づいて印刷媒体に印刷することから、第1の画像データに基づく印刷処理に引き続き、空白データに基づく仮想印刷処理を連続的に印刷部に通知する。
【0010】
即ち、印刷部は第1の画像データに基づく印刷処理に引き続き、空白データに基づく仮想印刷処理を行い、更に第2の画像データに基づく印刷処理を間断なく行うことができ、駆動系及び搬送系の動作を停止する必要がなく、連続して印刷処理を行うことから、画像データの印刷部への転送停止および転送再開がないので、第1の印刷単位と前記第2の印刷単位との間隔を最小限まで狭くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施形態について、図を用いて詳細に説明する。以下の説明では、各実施の形態に用いる図面について同一の構成要素は同一の符号を付し、かつ重複する説明は可能な限り省略する。
【実施例1】
【0012】
以下、本発明の実施形態について図を用いて詳細に説明する。
実施例1の印刷装置100を図1の機能ブロックを用いて詳細に説明するに先立ち、印刷装置100の機構概要を図2の断面図を用いて説明する。
印刷装置100は、連続紙を給紙する連続紙格納部10と、該給紙された連続紙を印刷部40に搬送する搬送路20と、連続紙上のラベルの先頭位置(または、マーク)を検出する先端検出部30と、画像データに基づいて連続紙に画像形成を行う印刷部40と、該印刷部の下流に連続紙を巻き取る巻取り部50と、を備える。
【0013】
先端検出部30は、光学センサ(図示せず)を備えており、該センサが、連続紙上へ光を照射し、該連続紙からの反射光の強度を測定し、例えば、連続紙上に等間隔に設けられたラベルによる段差からの反射光の強度の変化によりラベルの先端位置を検出する。
先端検出部30は、該検出されたラベルの先端位置を示す先端位置信号を生成し、生成された先端位置信号をずれ検出部133へ出力する。
【0014】
印刷部40は、画像データに基づいてトナー画像を形成し、該トナー画像を連続紙に転写する現像転写部41と、前記転写されたトナー像を連続紙上に定着させる定着部42を備えている。現像転写部41は、画像データに基づいて感光体上に静電潜像を形成するヘッドと、感光体上の静電潜像にトナー供給を行い、トナー画像として現像を行う現像器と、トナー画像を印刷媒体に鏡像する転写部とを備える。
【0015】
ところで、印刷部40は、各感光体に対してそれぞれヘッドが設けられ、各ヘッドを各感光体に位置決めする位置決め機構と、該ヘッドにより静電潜像が形成される円筒形の感光体を回転する回転機構および印刷媒体を決められた位置に搬送する搬送機構を有しており、前記位置決め機構によるヘッドの位置ずれ、前記回転機構による感光体ドラムの位置ずれおよび前記搬送機構による印刷媒体の位置ずれが発生する虞がある。
【0016】
尚、形成されるトナー画像において、例えばA4サイズにおける短手方向を先頭に用紙を搬送した場合の短手方向、すなわち列(横)方向に形成されるドット列をラインと称し、以降の説明を行う。また、白ラインとは、トナー像が形成されないドット列である。
【0017】
印刷装置100の機能ブロック構成は、図1に示されるように、ホストコンピュータ(図示せず)から印刷データを受信する受信部110と、該受信部110で受信した印刷データを所定の印刷単位に編集する編集部120と、第1の画像データおよび第2の画像データを連結すべく、第1の印刷単位と第2の印刷単位との間隔を空白データとして生成し、第1の画像データに空白データを付加した第1の画像空白データを生成する画像データ連結部130と、画像データを印刷部40のヘッド411に送信する画像転送部140と、印刷媒体の規格に応じて印刷媒体の搬送制御を行う機構制御部150と、からなる。
【0018】
ところで、連続紙格納部10に格納する連続紙は、図3に示されるように、連続した用紙上に等間隔に複数のラベル71、72、73、・・・が設けられており、各ラベルのそれぞれの位置を示すマーク71a、72a、73a、・・・が同様の等間隔で付されている。各ラベルの位置は、連続紙70と各ラベルとの段差によって認識しても良いし、またはマーク71a、72a、73a、・・・の検出によって認識しても良い。
【0019】
各ラベルの位置は、連続紙上の前記した所定の印刷単位に対応しており、具体的には、1ラベルに対する印刷処理を1印刷単位として行われる。
ところで、図示しない操作部を介して、連続紙サイズ、ラベルサイズやラベル間隔などを示す設定情報が設定されており、この設定情報にはラベルサイズやラベル間隔に対応する印刷単位などの情報が含まれている。
機構制御部150は、各ヘッドの走査機構、感光体の回転機構および印刷媒体の搬送機構を総括して制御するとともに、設定情報に基づいて、所定の印刷単位を示す信号を後述するずれ検出部133に送出する。
【0020】
実施例1の印刷装置100では、図4の(a)に示されるように、連続紙に画像1および画像2の組を連続して3組印刷する例を説明する。その印刷結果は、図4の(b)に示されるように、画像1および画像2ともにそれぞれのラベルの範囲内に正確に収まっている。
【0021】
画像データ連結部130は、編集部からのデータを、所定の印刷単位における印刷順序を管理する管理部131と、所定の印刷単位のデータからビットマップ画像データを作成する展開部132と、先端検出部30からの信号を受けて連続紙媒体の位置のずれを検出するずれ検出部133と、該ずれた位置から正規の位置に戻すための補正値を算出し、該補正値を出力するずれ補正部134と、予め保持する初期値とずれ補正部134からの補正値とに基づいて印刷結果において白ラインとなる後述する空白データを作成し、画像データに追加するデータ作成部135と、を備えている。
【0022】
管理部131は、印刷単位に編集されたデータを、印刷順に管理するとともに印刷位置の補正によって発生したページ数の過不足を管理する。
【0023】
展開部132は、印刷単位のデータからビットマップ画像データを作成する。1番目のビットマップ画像データを作成して、該作成したビットマップ画像データをデータ作成部135に送出した後、続いて2番目のビットマップ画像データの作成を開始する。2番目のビットマップ画像データを作成し送出したら、続いて3番目のビットマップ画像データの作成を開始するように、管理部131からのデータがある限り上記の処理を繰り返してビットマップ画像データをデータ作成部135に途切れることなく送出する。
【0024】
ずれ検出部133は、機構制御部150から印刷媒体の搬送速度sと、ラベル先端から次のラベル先端までの距離Dを示す印刷単位信号を受けると、標準時間差T(=D/s)を取得する。ずれ検出部133は、先端検出部30により検出された連続紙のラベルの先頭位置を示す先頭位置信号を受けると、該先頭位置信号から次の先頭位置信号までの検出時間差tを取得し、該検出時間差tと前記標準時間差T(=D/s)との差(時間差Δt=T−t)を算出する。ずれ検出部133は、該時間差Δtをずれ信号としてずれ補正部134へ出力する。
【0025】
ずれ補正部134は、ずれ検出部133からのずれ信号を受けると、該ずれ信号(時間差Δt)と連続紙の搬送速度sとに基づいて、ずれ(距離=s*Δt)を算出する。即ち、ずれ補正部134は、算出されたずれ(距離=s*Δt)を補正値としてデータ作成部135へ送出する。
【0026】
データ作成部135は、前記ずれ補正部134から補正値(距離=s*Δt)を受けると、補正値(距離=s*Δt)に応じた白ライン分のビットマップ画像データ(空白を示すビットマップ画像データ)を空白データとして生成し、該作成された空白データをビットマップ画像データの後端に連結した画像空白データ(第1の画像空白データ)を生成する。さらに、データ作成部135は、作成された画像空白データ(第1の画像空白データ)の後端に2番目のビットマップ画像データを連結する。
また、データ作成部135は、1印刷単位分の画像空白データを作成すると、印刷媒体の搬送タイミングと、印刷部40における印刷処理のタイミングとの整合を図るべく管理部131にその旨を通知する。
【0027】
ここで、データ作成部135の動作例を具体的に説明する。
印刷装置100は、400dpiの印刷解像度の能力であり、連続紙のずれ(距離)が+1/100inchのとき、400dpi*1/100inch=4となり、4ライン分の白ラインを増加すべく、該4ライン分の空白を示すビットマップ画像データを空白データとして生成する。
【0028】
実施例1の印刷装置100の動作について、図5に沿って説明する。
受信部110は、上位装置からの印刷データを受信し、該印刷データを編集部120に送る(S1001)。編集部120は、前記印刷データを受けると、印刷データを所定の印刷単位(ラベルサイズ)に編集する(S1002)。
【0029】
展開部132は、所定の印刷単位に編集されたデータを受けると、該データを元に、イメージ展開を行い、画像データを作成する(S1003)。ずれ検出部133は、連続紙媒体の位置にずれがあるか否かを機構制御部150からの印刷単位信号と先端検出部30からの先頭位置信号に基づいて判断する(S1004)。尚、印刷単位信号は、印刷媒体の用紙規格(サイズ)に基づいて生成されている。たとえば、図3に示されるように、連続した用紙上に等間隔に複数のラベル71、72、73、・・・が設けられている場合、各ラベルのサイズおよびラベルとラベルの間隔に基づいて生成される。
【0030】
ずれが無い場合、データ作成部135はラベル間隔距離と搬送速度から算出される標準のライン数の白ラインを画像データの後端に追加し、1印刷単位の画像データとする(S1005)。
ずれがある場合、データ作成部135は距離(=時間差×搬送速度)に相当するライン数を前記標準のライン数に対して増減させた白ラインに対応するデータを画像データの後端に追加し、1印刷単位分の画像データとして作成する(S1006)。
【0031】
管理部131は、データ作成部135の白ラインの増減により、印刷単位に過不足が生じたか否かを判断する(S1007)。印刷単位に過不足が生じた場合、管理部131は、印刷単位(ページ)の追加および削除を行い、上位装置からのページ数と印刷のページ数の差分を算出する(S1008)。
ここで、4ページの印刷データを印刷しているとき、管理部131が、印刷単位(ページ)の不足と判断し、印刷単位(ページ)を追加した例を説明する。
管理部131は、例えば、ラベルと次のラベルの隙間(白ライン数)が2mmの場合、連続紙の滑りにより、1ページにつき1mmの滑りが生じると、4ページ目で補正値が3mmとなり、受信データで指定されたページ数では、画像データを収納できないことから、内部的に1ページを追加し、受信データのページ数と印刷のページ数と異なってくるので、別管理する。
【0032】
印刷部40は、作成した画像データを印刷単位として印刷を行う。(S1009)
管理部131は、上位装置からの印刷データに基づく全ての印刷処理が終了したか否かを確認する(S1010)。
全ての印刷データの印刷が完了していた場合、終了となる。印刷が完了していない場合、
残りのデータを印刷するためステップS1002に戻って、以降の処理を残りのデータが無くなるまで繰り返す。
【0033】
尚、本実施例では連続紙印刷が設定されていることから、次の処理が行われる(図5(b)参照)。
先ず、第1の印刷単位で印刷処理を行うために、印刷処理の準備のために連続紙の給紙が行われる(S1101)。
給紙がされ、先端検出部30は、連続紙の最初のラベルの先頭位置を検出すると(S1102)、先頭位置信号を印刷部へ出力する。
印刷部40は、先端検出部30から先頭位置信号を受けると、データ作成部135で作成された第1の印刷単位分の画像データに基づいて最初のラベル上に印刷処理を行う(S1103)。
【0034】
つぎに、第2の印刷単位の印刷処理を行うために、先端検出部30は、連続紙の第2のラベルの先頭位置を検出する(S1104)。先端検出部30からの先頭位置を示す先頭位置信号を受けたずれ検出部133は、機構制御部150からの前記印刷単位信号と前記先頭位置信号とに基づいて、第2のラベルの先頭位置信号に時間差(ずれ)があるか否かを判断する(S1105)。
【0035】
ずれが無い場合、前記した標準の白ラインの追加処理が行われた第2の印刷単位の画像データに基づいて印刷処理が印刷部40で行われる。一方、ずれがある場合、ずれ補正部134は距離(=時間差×搬送速度)を算出する(S1106)。データ作成部135は該距離に相当するライン数を増減させた白ライン処理を行って、第2の印刷単位に対応する画像データを1印刷単位分の画像データとして作成する(S1107)。
【0036】
印刷部40は、該作成された画像データに基づいて印刷処理を行う。
1印刷単位の印刷処理が終了したとき、管理部131は次の印刷単位の画像データがあるか否かを確認する。画像データがある場合、1印刷単位の画像データを受け取り、該画像データに基づいて印刷処理を行う。画像データが無い場合、連続紙印刷を終了するため、連続紙の切断処理に移行する(S1108)。
印刷処理を終了させるため、給紙している連続紙の切断を行う(S1109)。
切断された用紙が排出されるのを確認し、印刷処理は終了となる。(S1110)。
【0037】
実施例1の印刷装置100によれば、画像データ連結部130がラベルの先頭位置の時間差(ずれ)に基づいてライン数を増減させた白ライン処理を行って、1印刷単位の画像データ(画像空白データ)を作成し印刷部40へ通知することから、画像データ+空白データ+画像データ+空白データ+・・・と印刷部の印刷ヘッドへ連続して転送するので、最小限のラベル間隔で印刷することが可能となる。
【0038】
画像データ連結部130は、前記白ライン処理により複数の印刷単位の画像データを連結すべく1印刷単位の画像データを作成して、該作成された画像データを第1の印刷単位から順に連続的に印刷部40へ送り駆動系および搬送系を停止せずに印刷処理する時間は、駆動系および搬送系を停止そして再開するように制御して印刷処理する時間より短く、タイムラグがないので、高速で連続印刷が可能となり、印刷時間を短縮することができる。
【実施例2】
【0039】
実施例2の印刷装置200の機構概要を図6の断面図を用いて説明する。
印刷装置200は、連続紙を給紙する連続紙格納部10と、該給紙された連続紙を印刷部40に搬送する搬送路20と、連続紙上のラベルの先頭位置(または、マーク)を検出する先端検出部30と、連続紙に画像データに基づいて画像形成を行う印刷部40と、該印刷部の下流に連続紙を巻き取る巻取り部50と、を備える。
【0040】
ここで本実施例の特徴を説明する。
連続紙上のラベルの先頭(または、マーク)を検出する先端検出部30は印刷部40に連続紙を搬送する搬送路において、前記印刷部40から一定距離L(先行検出距離)離れて配置されており、印刷処理に先立ちラベルの先頭位置(ページ印刷時は印刷媒体の先頭位置)を検出する。これにより、先行するラベルに印刷準備処理を施している間に、後続のラベルの先頭位置のずれを算出し、空白データに反映することができる。
【0041】
画像データ連結部130は、先端検出部30から先行するラベルの先頭位置信号と、後続するラベルの先頭位置信号とを受けると、先行するラベルと後続ラベルの先頭位置の時間差tを求め、該時間差tと標準時間差T(=D/s)とのずれ量を算出し、算出したずれ量に基づいて必要な白ライン数の増減補正を先行するラベルへ印刷準備処理を施している間に行う。
【0042】
ここで、一定距離L(先行検出距離)について説明する。
画像データ連結部130が、先端検出部30からの先行するラベルの先端検出信号を受けてから、後続のラベルの先端検出信号を受けて、先行するラベルと後続ラベルの先頭位置の時間差tを求め、該時間差tと標準時間差T(=D/s)とのずれ量を算出し、算出したずれ量に基づいて必要な白ライン数を増減させた白ライン処理を行って、先行の1印刷単位の画像データ(画像空白データ)を作成し、画像転送部140を介して印刷部40へ通知するまでに要する時間をT2とし、連続紙の搬送速度をsとすれば、一定距離L=s*T2で算定される。
【0043】
次に、実施例2の印刷装置200の動作を、特に本実施例の特徴である連続紙における印刷処理を図7のフローチャートに沿って説明する。
【0044】
先ず、第1の印刷単位で印刷処理を行うために、印刷処理の準備のために連続紙の給紙が行われる(S1201)。
給紙がされ、先端検出部30は、連続紙の第1のラベルの先頭位置を検出する(S1202)。
【0045】
ところで、前記した画像データは、実施例1で説明した白ライン処理が施される前の画像データであり、該画像データに基づく印刷準備処理を行っている間に、白ライン処理が行われる。結果的には、印刷装置200は白ライン処理が施された画像データに基づいて印刷処理を行う。
【0046】
ここで、白ライン処理を中心に印刷処理の動作を説明する。
先ず、先端検出部30は、連続紙の第2のラベルの先頭位置を検出する(S1203)。先端検出部30から第2の先頭位置信号を受けたずれ検出部133は、前記第1の先頭位置信号と第2の先頭位置信号との時間差を求め、該求めた時間差と、所定の基準単位時間とを比較し、求めた時間差が基準単位時間からずれているか否かを判断する(S1204)。ところで、前記した基準単位時間は印刷単位信号として供給されており、該信号と前記第1の先頭位置信号と第2の先頭位置信号との時間差を示す信号とに基づいて比較判定が行われている。
【0047】
ずれが無い場合、前記した白ラインの追加処理が行われた第1の印刷単位の画像データに基づいて印刷処理が印刷部40で行われる。一方、ずれがある場合、ずれ補正部134は距離(=時間差×搬送速度)を算出する(S1205)。データ作成部135は該距離に相当するライン数を増減させた白ライン処理を行って、第1の印刷単位に対応する画像データを1印刷単位分の画像データとして作成する(S1206)。
【0048】
画像データ連結部130は、データ作成部135で作成した第1の印刷単位分の画像データを印刷部に出力する。画像データを受けた印刷部40は、第1の印刷単位の画像データに基づいて最初のラベル上に印刷処理を開始する(S1207)。
印刷部40は、受けた画像データに基づいて印刷処理を行う。
【0049】
管理部131による印刷処理の終了判定が行われ(S1208)、全ての印刷処理が終了していないとき、前記したステップS1204からの処理が繰り返される。
一方、全ての印刷処理が終了すると、給紙している連続紙の切断を行う(S1209)。
切断された用紙が排出されて印刷処理が終了する。(S1210)。
【0050】
実施例2の印刷装置200によれば、先行する第1のラベルの印刷準備処理中に、後続する第2のラベルの先頭位置を検出し、第1のラベルの先頭位置の検出信号と、第2のラベルの先頭位置の検出信号とに基づいて第1のラベルにおける印刷単位に対応する時間を求め、求めた時間と所定の基準単位時間とのずれを判定することにより、1印刷単位におけるずれ(量)に応じて白ライン処理を行って、第1のラベルの印刷処理中に白ラインの増減補正を行うことができる。
また、1印刷単位における印刷処理の完了前に印刷媒体の1印刷単位の長さを測定できることから、折り畳み紙などのように、ミシン目で不等間隔に区切られた媒体が使用される場合でも、印刷前に前記1印刷単位の長さを測定できることから、位置ずれなく印刷処理を行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0051】
以上の実施例1および実施例2では、連続紙への印刷処理について説明したが、複数枚の単票、例えばA4用紙を短い紙間で連続して印刷するページ印刷にも本発明を適用することができる。
また、マークの付与数および付与場所についても、1ラベルにつきラベルの先頭位置に1マークを付与した例を説明したが、位置の検出精度を高めるために適宜付与数と付与場所を定めても良い。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】実施例1の印刷装置の機能ブロック図である。
【図2】実施例1の印刷装置の断面図である。
【図3】印刷媒体(連続紙)の1例を示す図である。
【図4】印刷される画像例と印刷結果を示す図である。
【図5】実施例1の印刷装置のフローチャートである。
【図6】実施例2の印刷装置の断面図である。
【図7】実施例2の印刷装置の第1の印刷単位の印刷処理動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0053】
100、200 印刷装置
10 連続用紙格納部
20 用紙搬送路
30 先端検出部
40 印刷部
41 現像転写部
42 定着部
50 巻取り部
110 受信部
120 編集部
130 画像データ連結部
131 ページ管理部
132 展開部
133 ずれ検出部
134 ずれ補正部
135 データ作成部
140 画像転送部
150 機構制御部
70 連続紙
71、72、73 ラベル
71a、72a、73a マーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1画像データと第2画像データを第1の記録媒体と第2の記録媒体に連続して印刷する印刷装置において、
前記第1の画像データと前記第2の画像データとの間隔に対応した空白データを作成し、前記第1の画像データと第2の画像データを連結するデータ作成部と、
前記記録媒体の位置を検出する検出部と、
前記検出部で検出された前記第1の記録媒体の位置と第2の記録媒体の位置とに基づき、ずれを検出するずれ検出部と、
前記ずれ検出部で検出されたずれ量に応じて、前記空白データを補正する空白データ補正部と、
前記連結された画像データを印刷部へ転送するデータ転送部とを備えることを特徴とする印刷装置。
【請求項2】
前記空白データ補正部は、予め設定された印刷解像度に基づいて、ずれ補正のためのライン数を増減して前記空白データを補正することを特徴とする請求項1記載の印刷装置。
【請求項3】
前記検出部は、前記印刷部に連続紙を搬送する搬送路において、前記印刷部から一定距離離れて配置されており、先行する記録媒体に印刷処理を施している間に、後続の記録媒体の先頭位置を検出することを特徴とする請求項1記載の印刷装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−253535(P2007−253535A)
【公開日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−83201(P2006−83201)
【出願日】平成18年3月24日(2006.3.24)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【出願人】(594202361)株式会社沖データシステムズ (259)
【Fターム(参考)】