卵移し替え装置及びこれに用いられる移し替え用卵座
【課題】移し替え用卵座に卵を送り込む際に、安定して卵を受け入れることができ、卵の落下を防止することができる卵移し替え装置を提供する。
【解決手段】複列コンベア1から単列コンベア4へと卵を移し替えるときに用いられる卵座30を備え、卵座30は、平面視でC字状に形成された卵搭載部を備え、卵搭載部は、第1腕部30a、第2腕部30b、連結部30cと、開口部30dとによりC字状に形成され、かつ、第1腕部30aが複列コンベア1に近い側、第2腕部30bが複列コンベア1から遠い側に配置され、かつ、開口部30dが単列コンベア4の進行方向側に配置され、第1・第2腕部30a,30b、連結部30cは、夫々、卵を搭載する部分が卵の外形形状に対応したテーパ面30gを備えており、平面視で、テーパ面30gにおける第2腕部30bの角度θが、開口部30dに行くほど狭くなるように設定され、5゜〜11゜の範囲に設定されている。
【解決手段】複列コンベア1から単列コンベア4へと卵を移し替えるときに用いられる卵座30を備え、卵座30は、平面視でC字状に形成された卵搭載部を備え、卵搭載部は、第1腕部30a、第2腕部30b、連結部30cと、開口部30dとによりC字状に形成され、かつ、第1腕部30aが複列コンベア1に近い側、第2腕部30bが複列コンベア1から遠い側に配置され、かつ、開口部30dが単列コンベア4の進行方向側に配置され、第1・第2腕部30a,30b、連結部30cは、夫々、卵を搭載する部分が卵の外形形状に対応したテーパ面30gを備えており、平面視で、テーパ面30gにおける第2腕部30bの角度θが、開口部30dに行くほど狭くなるように設定され、5゜〜11゜の範囲に設定されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数列で卵を搬送する複列コンベアから単列で卵を搬送する単列コンベアへと卵を移し替えるときに用いられる移し替え用卵座と、複列コンベアから送り込まれて移し替え用卵座に搭載された卵を単列コンベアに移し替えるために移し替え用卵座を駆動するための卵座駆動部とを備えた卵移し替え装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鶏卵(卵の一例)を重量データに基づいて自動選別及び包装するシステムは種々公知であり、例えば、本出願人による下記特許文献1に開示されるシステムが知られている。このシステムでは、鶏卵は第1搬送経路に沿って複列コンベアにより6列で搬送される。第1搬送経路の最も下流側には、計量部が設けられており、搬送されてくる各鶏卵の計量を行い重量データを取得する。計量部には、6個のロードセルが設けられており、6個の鶏卵の重量データをまとめて得ることができる。得られた重量データは、制御装置へと送信される。
【0003】
一方、第1搬送経路と直交するように第2搬送経路が設けられており、第2搬送経路では鶏卵は単列コンベアにより単列で搬送される。つまり、複列コンベアで搬送されてきた鶏卵は、計量部で計量され、単列コンベアへと移し替えられる。この鶏卵の移し替えを行うために、卵移し替え装置が設けられており、移し替え装置は鶏卵を搭載する移し替え用卵座を備えている。卵移し替え装置にも種々の構成例があり、例えば、下記特許文献2,3に開示されるものが知られている。
【0004】
移し替え用卵座(以下、単に「卵座」ということがある。)の形状の具体例は、図9に示される。図9は、平面図であるが部分的に断面図が示されている。
【0005】
図9に示すように、卵座100は、平面視でC字状の卵搭載部101を備えている。卵搭載部101は、第1腕部102、第2腕部103、第1腕部102と第2腕部103の根本側を連結する連結部104、第1腕部102と第2腕部103の先端側に形成される開口部105を備えている。図9において、矢印Aは複列コンベアにより鶏卵が搬送されてくる方向であり、矢印Bは単列コンベアにより鶏卵が搬送されていく方向である。第1腕部102は、複列コンベアに近い側に位置し、第2腕部103は、複列コンベアから遠い側に位置する。
【0006】
鶏卵Eは鈍端側E1と鋭端側E2を有しており、図9に想像線で示すように、複列コンベアからは鈍端側E1が図の左側、鋭端側E2が図の右側になるような姿勢で送り込まれてくる。矢印Bの方向は、単列コンベアの進行方向であり、こちらのほうに鶏卵Eの鋭端側E2が向いている。また、卵座100の開口部105も進行方向側が解放されるように形成されている。
【0007】
卵搭載部101の鶏卵Eが搭載される箇所には、鶏卵Eの外形形状に対応したテーパ面Sが形成されている。図9において、第2腕部103の平面視における角度はθ1=30゜であり、テーパ面Sの断面形状におけるテーパ角度θ2=45゜(卵搭載部101の搬送方向視では49.1゜)である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第2716372号
【特許文献2】特開平9−150941号公報
【特許文献3】特開平11−91714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明における課題は以下の通りである。鶏卵自動選別包装システムでは、鶏卵の処理速度をできるだけ高速にしたいという要望があり、現在のシステムで1時間当たり35000個の処理速度を達成することができている。
【0010】
この処理速度を高めるため(例えば、1時間当たり38000個の処理速度)には、前述の複列コンベアや単列コンベアの速度を速くすれば、処理速度は高速になる。しかしながら、処理速度を速くすると、卵座に鶏卵を送り込むときに、鶏卵がうまく搭載されずに卵座から滑り落ちて落下する、という問題が発生する。落下して破損した鶏卵は、包装することはできず廃棄せざるをえなくなり、損失が発生する。また、周辺の装置部分を汚してしまい、メンテナンスに余分な時間が発生するという問題がある。
【0011】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、移し替え用卵座に卵を送り込む際に、安定して卵を受け入れることができ、卵の落下を防止することができる卵移し替え装置及びこれに用いられる移し替え用卵座を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため本発明に係る卵移し替え装置は、
複数列で卵を第1搬送方向に沿って搬送する複列コンベアから、単列で卵を第2搬送方向に沿って搬送する単列コンベアへと卵を移し替えるときに用いられる移し替え用卵座と、複列コンベアから送り込まれて移し替え用卵座に搭載された卵を単列コンベアに移し替えるために移し替え用卵座を駆動するための卵座駆動部とを備えた卵移し替え装置であって、
前記移し替え用卵座は、
送り込まれてきた卵を搭載するための卵搭載部を備え、この卵搭載部は、前記第2搬送方向に沿った形状を有する第1支持部及び第2支持部と、第1支持部と第2支持部を連結する連結部と、を備えると共に、第1支持部が前記複列コンベアに近い側、第2腕部が複列コンベアから遠い側、となるように配置され、
前記第1支持部、第2支持部、連結部は、夫々、卵を搭載する部分が卵の外形形状に対応したテーパ面を備えており、
前記平面視での、前記テーパ面における第2支持部のなす角度が、前記第2搬送方向に対して、5゜〜11゜の範囲に設定されていることを特徴とするものである。
【0013】
かかる構成による卵移し替え装置の作用・効果を説明する。卵は複列コンベアにより複数列で搬送され、移し替え用卵座に載せられて、単列コンベアに移し替えられる。複列コンベアでの卵の搬送方向は第1搬送方向であり、単列コンベアでの卵の搬送方向は第2搬送方向であり、例えば、第2搬送方向は第1搬送方向に直交する。複列コンベアにより搬送される卵は、例えば、方向揃え(鈍端側と鋭端側の方向を特定の方向に揃える処理)、検卵等の処理が行われて、移し替え用卵座の卵搭載部に搭載される。卵搭載部は、第1支持部、第2支持部、連結部により構成され、第1支持部と第2支持部は共に第2搬送方向に沿った形状を有している。また、複列コンベアから遠い側にある第2支持部の角度(例えば、図5(b)のθ)が、第2搬送方向に対して5゜〜11゜の範囲に設定されている。これにより、処理速度を従来よりも高くすることに成功した。従来の第2支持部の上記角度は30゜であったが、試行錯誤的に実験を行い、上記角度を小さな角度にすることで、卵の落下を防止することを確認することができた。これにより、移し替え用卵座に卵を送り込む際に、安定して卵を受け入れることができ、卵の落下を防止することができる卵移し替え装置を提供することができる。
【0014】
本発明に係る前記第1支持部及び第2支持部は、それぞれ、第1腕部及び第2腕部の形状で形成され、前記卵搭載部は、平面視でC字状に形成され、前記第1腕部と、第2腕部と、それらの根元側を連結する前記連結部と、第1腕部と第2腕部の先端側に形成される開口部とにより前記C字状に形成されることが好ましい。
【0015】
この構成によると、第1・第2支持部は、夫々、第1・第2腕部の形状に形成される。C字状形状は、第1腕部、第2腕部、連結部、開口部から構成されるが、移し替え用卵座に搭載された卵をさらに単列コンベアに移し変えるときに、例えば、上記開口部が下方向になるように姿勢変更をすれば、移し変え動作をスムーズに行うことができる。
【0016】
また、上記構成の場合、複列コンベアから遠い側にある第2腕部の角度(図5(b)のθ)が、開口部に行くほど狭くなるように設定され、かつ、5゜〜11゜の範囲に設定されていることで、処理速度を従来よりも高くすることに成功した。
【0017】
本発明において、前記第2支持部の角度が6.5゜〜9.5゜の範囲に設定されていることが好ましい。これにより、卵の落下をより高い確率で防止することができる。
【0018】
本発明において、前記第2搬送方向視で、第2腕部のテーパ面の傾斜角度(図5(c)のα)が、26゜〜38゜の範囲に設定されていることが好ましい。かかる角度は、従来は49.1゜であったが、これを上記角度に設定することで、卵の落下を防止することを確認することができた。
【0019】
本発明において、前記傾斜角度が、29゜〜35゜の範囲に設定されていることが好ましい。これにより、卵の落下をより高い確率で防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】鶏卵自動選別包装装置の全体構成を概念的に示す平面図
【図2】卵移し替え装置及びその近傍を示す側面図
【図3】卵移し替え装置を含むシステムの一部を単列コンベア側から見た斜視図
【図3A】卵移し替え装置を含むシステムの一部を単列コンベア側から見た斜視図(鶏卵を搬送する時の通常の状態)
【図4】卵移し替え装置を含むシステムの一部を複列コンベア側から見た斜視図
【図5】卵座の形状を説明する図(鶏卵を載せていない状態)
【図6】卵座の形状を説明する図(鶏卵を載せた状態)
【図6A】卵座の別実施形態を示す図
【図6B】卵座の別実施形態を示す図
【図7】卵座駆動部の構成を示すブロック図
【図8A】卵移し替え装置の動作を示す図
【図8B】卵移し替え装置の動作を示す図
【図8C】卵移し替え装置の動作を示す図
【図8D】卵移し替え装置の動作を示す図
【図9】従来技術に係る卵座の構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係る卵移し替え装置の好適な実施形態を図面を用いて説明する。図1は、卵移し替え装置が設けられた鶏卵自動選別包装装置の全体構成を概念的に示す平面図である。
【0022】
<本実施形態に係る卵の自動選別包装装置の全体構成>
この装置は、大きく分けて卵の一例である鶏卵Eを矢印A方向(第1搬送方向に相当)に6列で搬送する給卵搬送部R1と、給卵搬送部R1から鶏卵Eを受け取り矢印B方向(第2搬送方向)に鶏卵Eを一列で搬送する単列搬送部R2と、鶏卵Eのうち不良卵を回収するための不良卵回収ステーションR3と、鶏卵を選別状態にて搬送する選別ステーションR4と、選別された鶏卵Eを実際に包装容器に包装するための包装ステーションR5と、装置の各部の制御を行う制御装置100とを備えている。
【0023】
給卵搬送部R1は、不図示の上流側に、洗浄乾燥部、方向整列部等を備えている。これらの構成は周知であり、鶏舎から供給される鶏卵は、洗浄乾燥部において、洗浄されたのちに、乾燥される。鶏卵は、横向き姿勢で搬送されるが、鈍端側と鋭端側の方向がそろっていない状態で搬送される。これを方向整列部において、鈍端側と鋭端側が特定の方向に向いた姿勢になるように矯正させられる。給卵搬送部R1は、鶏卵Eを6列(複数列)で搬送するための複列コンベア1を備えている。なお、鶏卵Eを何列で搬送するかは、適宜決めることができる。
【0024】
方向整列部の下流側に、図1に示すように、ひび卵、血卵、汚卵、腐敗卵等の不良卵の検査を行う自動検査装置2が設けられている。自動検査装置2は、CCDカメラなどで鶏卵Eの画像情報を取り込み、これを画像処理・解析して不良卵を検出するものである。不良卵であると検出された鶏卵Eは、不良卵ステーションR3に回収すべく、包装対象から外されることになる。
【0025】
卵移し替え装置3は、給卵搬送部R1の複列コンベア1から単列搬送部R2の単列コンベア4に鶏卵Eを移し替えるための装置である。卵移し替え装置3は、卵送り出し機構3Aと卵座群3Bを備えており、さらに卵座群3Bは6つの移し替え用卵座30を備えている。卵送り出し機構3Aの下部には計量装置5が設けられており、鶏卵Eを移し替える途中で、鶏卵Eの重量を1個1個計測する。卵移し替え装置3の詳細は後述する。
【0026】
計量装置5は、搬送されてくる鶏卵Eの重量を測定し、この測定データは制御装置100に送られて重量値に基づいて選別がされる。また、複列コンベア1に連動するエンコーダ1aが設けられており、複列コンベア1上の鶏卵Eが所定距離移動する毎にパルス信号を発生し、複列コンベア1の搬送や自動検査装置2の作動の制御を行う。
【0027】
単列搬送部R2は、鶏卵Eを一列で搬送するための単列コンベア4(第1コンベア)と、単列コンベア4を駆動するための駆動モータ4aと、単列コンベア4に連動するエンコーダ4bと、卵移し替え装置3により移し替えられる鶏卵Eを収納するためのカップ40(図2参照)と、カップから鶏卵Eを落下放出させるキック装置4cとを備えている。カップ40は、例えば、特許第3335576号に開示される構造のものを用いることができる。
【0028】
エンコーダ4bは、単列コンベア4により鶏卵Eが所定距離搬送される毎にパルス信号を発生し、これにより制御装置100は単列コンベア4の搬送制御を行う。また、計量装置5による鶏卵Eの重量値が測定されると制御装置100により選別が行われるが、この時選別ステーションR4における鶏卵Eの放出位置が決定され、計量装置5から単列コンベア4における放出位置までの距離に相当するパルス値が設定される。このパルス値は、鶏卵Eが単列コンベア4により所定距離搬送される毎に、前述したエンコーダ4bから発生するパルスにより減算されていき、設定されたパルス値が0になった時点で鶏卵Eが放出されるように制御される。
【0029】
鶏卵Eの搬送制御やキック装置4cなどの構成は公知のものを採用すればよく、例えば、本出願人が出願した特開平8−82546号公報に開示された技術を利用することができる。
【0030】
不良卵回収ステーションR3は、回収容器Pと、この回収容器Pを矢印C方向に搬送する回収コンベア110とを備えている。自動検査装置2で不良卵であると判定された鶏卵Eは、計量装置5による測定結果のいかんに関わらず、この不良卵回収ステーションR3にて回収される。回収コンベア110は単列コンベア4と直交する状態に配置されており、図1においては1本のみ示されているが、不良卵の種類に応じて複数本設けることも可能である。例えば、再利用不能なヒビ卵と、再利用可能な汚卵とは別々の回収コンベア110にて回収するようにすれば、その後の処理が簡単になり好ましいことがあるからである。
【0031】
選別ステーションR4は、図1では第1〜第4選別ステーションR41、R42,R43,R44の4つが示されているが、選別ステーションの設置数は適宜変更可能であり、任意に設定できるものである。各ステーションR41〜R44はいずれも同じ構成であり、基本的な構成は充填容器Paを循環経路に沿って矢印C方向に循環搬送させる充填コンベア120を備えている。充填容器Paは鶏卵Eを6個横並びに収納できる。なお、充填容器Paにおける鶏卵Eの収納個数は適宜設定できるものである。
【0032】
包装ステーションR5は、包装容器の一例である透明樹脂のパックPbを搬送するためのパック用コンベア130と、同じく包装容器の一例である紙製のトレイPcを搬送するためのトレイ用コンベア131とを備えている。パックPb及びトレイPcは矢印F方向に搬送される。図1ではパックPbは鶏卵Eを2×6=12個収納でき、トレイPcは鶏卵Eを5×6= 30個収納できるが、これはあくまでも一例であって種々の包装容器を利用することができる。また、図1において、包装ステーションR5として、包装容器搬送用コンベアを2本設けているが、もちろん本数設定も任意である。
【0033】
また、充填容器Paに収納された鶏卵EをパックPbやトレイPcに移送するための卵移送手段として機能する鶏卵吸引装置140が設けられている。鶏卵吸引装置140は、各ステーションを横切るように配置されたガイドレール141に沿って矢印E方向に移動するガイド部142に支持されており、更に不図示の昇降機構により上下方向 (図1の紙面に垂直な方向) にも移動できるように構成されている。
【0034】
制御装置100は、自動選別包装装置の各部の作動を制御し、CPUなどのハードウェアの部分と作動プログラムのソフトウェアとで構成されている。
【0035】
<卵移し替え装置の構成>
次に、卵移し替え装置30の詳細な構成を説明する。図2は、卵移し替え装置30及びその近傍を示す側面図である。図3は、卵移し替え装置30を含むシステムの一部を示す単列コンベア側から見た斜視図であり、図4は、同じく複列コンベア側から見た斜視図である。図3、図4は、図示の都合上、鶏卵を少しだけ搭載した状態を示しているが、実際には図3Aに示すような状態で鶏卵が搬送される。
【0036】
複列コンベア1は、不図示の駆動モータにより駆動される無端チェーン10と、この無端チェーン10に連結される多数の保持ローラ11を備えている。保持ローラ11は、搬送幅方向に沿って6つ設けられており、6列で鶏卵Eを搬送させることができる。保持ローラ11は、夫々、収容凹部11aを備えており、図2に示すように、前後の収容凹部11aにまたがるように鶏卵Eが保持される。
【0037】
複列コンベア11の終端部には、図2に示すように、計量位置5が設けられており、計量センサー部5aと、演算処理部5bを備えている。計量センサー5aは、ひずみゲージ等によるセンサーにより構成され、計量センサー5aの上に鶏卵Eが搭載されると、重量に応じた信号を出力する。演算処理部5bは、出力された信号の増幅、A/D変換等の処理を行い、制御装置100へ計測された重量値のデータを送信する。
【0038】
計量位置5の下流側には、移し替え用卵座30(以下、「卵座」と省略)が設けられており、計量済みの鶏卵Eを受け取る。卵座30の詳細は後述する。この卵座30から、さらに、単列コンベア4のカップ40へと移載される。カップ40は、保持レバー41と、これを開方向に駆動するためのギヤ付きレバー42を備えている。ギヤ付きレバー42を駆動することで、一対の保持レバー41が開き、鶏卵Eを充填容器Paに放出することができる。
【0039】
送り出し機構3Aとして、断面X字形の送り出し部材31が設けられており、円周方向に等間隔で4枚の羽根31aを備えている。送り出し部材31は、中心に設けられた回転軸31d周りに回転駆動され、羽根31aにより鶏卵Eを複列コンベア1から卵座30へと送り出す機能を有する。複列コンベア1は6列で鶏卵Eを搬送するのに対応して、羽根31aも6列分設けられている。図3等にも図示するように、羽根31aの先端31bは、さらに二股に分かれている。また、先端31bは、少し折れ曲がっており、鶏卵Eに係合しやすいように形成されている。送り出し部材31は、モータ31c(図3参照)により駆動され、複列コンベア1と同期して駆動される。
【0040】
<卵座の構成>
次に卵座30の形状を説明する。図5(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は(b)において矢視B’(第2搬送方向視)から見た図である。図6は、同じ図であるが、鶏卵Eを搭載した状態で図示している。
【0041】
卵座30は、平面視でC字状に形成されており、複列コンベア1から送り込まれてきた鶏卵Eを搭載する卵搭載部を備えている。卵搭載部は、第1腕部30a(第1支持部に相当)、第2腕部30b(第2支持部に相当)、第1腕部30aと第2腕部30bの根元側を連結する連結部30cと、第1腕部30aと第2腕部30bの先端側に形成される開口部30dとを備えている。
【0042】
第1腕部30aが複列コンベア1に近い側であり、矢印Aの方向から鶏卵Eが搬送されてくる。第2腕部30bは、複列コンベア1から遠い側に位置している。開口部30dは、単列コンベア4の進行方向側(矢印B)が開口するように形成されている。第1腕部30aも第2腕部30bも腕の伸びる方向が単列コンベア4における鶏卵Eの搬送方向(第2搬送方向:矢印B)に沿っている。これにより、複列コンベア1からの鶏卵Eを確実に受け止めるものである。
【0043】
第1腕部30aには、凹部30eが形成されており、図3に示すように、計量位置5側に設けられた係合部5cが係合することができる。鶏卵Eを受け入れるときは、係合部5cが凹部30eに係合することで、卵座30の位置決めを行うことができ、安定した状態で鶏卵Eを受け入れることができる。第2腕部30bの側に、取り付け部30fが設けられている。
【0044】
C字状を形成する第1腕部30a、第2腕部30b、連結部30cは、夫々、卵を搭載する部分が卵の外形形状に対応したテーパ面30gを備えている。図6(c)に鶏卵Eを搭載した状態の側面図が図示されているが、鶏卵Eの外形形状に対応したテーパ面30gが形成されていることが理解できる。
【0045】
図5(b)に示す平面視で、テーパ面30gにおける第2腕部30bの角度θ(第2腕部30bを構成するテーパ面30gの端部(下端部))が、開口部30dに行くほど狭くなるように設定されている。具体的には8゜である。
【0046】
鶏卵Eは矢印A方向から送り込まれてくるが、その送り込まれてくる速度(勢い)は、複列コンベア1での搬送速度に依存する。鶏卵Eを高速で処理するためには、搬送速度を上げればよいが、あまり上げすぎると、送り込まれてくる勢いで卵座30にうまく搭載できず、卵座30から落下する確率が高くなる。したがって、鶏卵Eが落下しないような卵座30の形状が要求される。
【0047】
そこで、上記のような角度θ=8゜に設定することで、鶏卵Eの落下を防止できることを見出したものである。θの好ましい範囲は、5゜〜11゜の範囲であり、より好ましい範囲は、6.5°〜9.5°である。
【0048】
さらに、単列コンベア4の搬送方向視で、第2腕部30bのテーパ面30gの傾斜角度αは32゜に設定されており、上記の角度θの設定と合わせて、鶏卵Eの落下を防止できることを見出したものである。傾斜角度は、図5(c)に示すように、垂直軸に対しての角度である。αの好ましい範囲は、26゜〜38゜の範囲であり、より好ましい範囲は、29゜〜35゜の範囲である。
【0049】
図6は、鶏卵Eを搭載した状態を示すが、図6(b)に示すように、連結部30c側に鈍端側E1が位置し、開口部30d側に鋭端側E2が位置するように、鶏卵Eが搭載される。
【0050】
<卵座の別実施形態>
次に、卵座30の別実施形態を説明する。図5,6に示した実施形態は、開口部30dを有する構成であるが、開口部30dは無くてもよい。図6Aは、開口部30dがなく、第1支持部30a’と第2支持部30b’の両側に連結部30cが形成される構成例である。また、開口部30dについては、図6Bに示すように、単列コンベア4の進行方向側(矢印B)と反対側が開口するように形成されてもよい。この場合も複列コンベア1から搬送されてくる鶏卵Eの姿勢は図6の場合と同じである。
【0051】
<卵座駆動部の構成>
次に卵座駆動部の構成を図7により説明する。卵座30は、その取り付け部30fが支持部材33に取り付けられている。支持部材33は、平面視でコの字状に形成されたプレートである。また、卵押えレバー32が支持部材33に回転軸32aにより回転自在に取り付けられている。卵押えレバー32は、押え部32bを備えており、解放位置と押え位置の間を回動可能に支持される。図7は、解放位置の状態を示しており、矢印Rの方向に回転させることで、卵座30に搭載された鶏卵Eを挟むようにして押さえる。卵押えレバー32は、第1駆動部34により駆動される。第1駆動部34は、卵座駆動部として機能し、エアシリンダ、モーター等の公知の駆動機構により構成することができる。
【0052】
支持部材33には、駆動軸33aが一体的に取り付けられており、卵座30および卵押えレバー32を一体的に回転駆動させ、鶏卵Eの姿勢を水平姿勢から垂直姿勢へと切り替え駆動させる。垂直姿勢では、鶏卵Eの鋭端側E2が下方に位置し、鈍端側E1が上方に位置するような姿勢に切り替わる。卵座30は、第2駆動部35により駆動される。第2駆動部35は、卵座駆動部として機能し、モーター、リンク機構等により構成することができる。
【0053】
制御装置100は、複列コンベア1、単列コンベア4、第1駆動部34、第2駆動部35を制御し、複列コンベア1、単列コンベア4、卵座30、卵押えレバー32が同期して駆動されるように制御する。
【0054】
<卵移し替え装置の動作>
次に、卵移し替え装置の動作について、図8A〜8Dにより説明する。図8Aは、複列コンベア1により搬送されてきた鶏卵Eが、計量装置5により計量され、送り出し部材31により送り出されて、卵座30に搭載された状態を示す。次に、第1駆動部34により卵押えレバー32を回転駆動し、図8Bに示すように、鶏卵Eを押さえる。これにより、鶏卵Eを卵座30と卵押えレバー32により挟み込むようにして保持する。なお、鶏卵Eは水平姿勢で保持される。
【0055】
次に、図8Cに示すように、鶏卵Eを押えた状態で卵座30の姿勢を垂直姿勢になるように第2駆動部35を駆動する。鶏卵Eを卵押えレバー32で押さえ付けているので、垂直姿勢にしても鶏卵Eは下方に落下しない。垂直姿勢では、鶏卵Eの鋭端側E2が下を向くように変換させられる。次に、卵押えレバー32による鶏卵Eの押さえ付け状態を解除する。これにより、図8Dに示すように、鶏卵Eは落下しカップ40に収容される。このとき、開口部30dが下方向を向くように姿勢変換させられるので、鶏卵Eの落下をスムーズに行うことができる。カップ40に収容された鶏卵Eは、単列コンベア4により搬送され、所定の選別ステーションにおいて放出される。
【0056】
なお、図6Bの卵座30の場合も卵座を垂直姿勢に変換する場合の回転方向は同じである。この場合、開口部30dが上方向を向くように変換させられる。また、図6Aの卵座30の場合も回転方向は同じである。ただし、本発明としては、回転方向を上記とは逆にしてもかまわない。
【0057】
<実験例>
次に、本発明に係る卵座30の作用・効果を実証するための実験を行った。本発明に係る卵座と従来技術に係る卵座(図9参照)とを比較するための実験データをとった。表1に結果を示す。
【表1】
【0058】
鶏卵の処理速度は1時間当たり38000個に設定した。従来の卵座(比較例)の場合は、8時間運転したところ、鶏卵の落下個数は103個、77個であったが、本発明の場合、0個であった。本発明の卵座の効果は実験データからも明確である。なお、実験データにおいて、平面視で、テーパ面30gにおける第2腕部30bの角度θは、本発明ではθ=8゜であり、比較例はθ=30゜(図9ではθ1で示される)である。また、単列コンベア4の進行方向Bにおける縦断面視で、第2腕部30bのテーパ面30gの傾斜角度αは、本発明ではα=32゜であり、比較例はα=49.1゜(図9ではθ2=45゜である)である。
【0059】
<別実施形態>
本発明に係る卵座が応用される鶏卵自動選別包装装置は、本実施形態の構成に限定されるものではない。複列コンベア1は6列で鶏卵Eを搬送しているが6列に限定されるものではない。単列コンベア4に設けられているカップ40の構成は、種々の変形例が考えられる。
【符号の説明】
【0060】
E 鶏卵
E1 鈍端側
E2 鋭端側
θ 角度
α 角度
1 複列コンベア
3 卵移し替え装置
3A 卵送り出し機構
3B 卵座群
4 単列コンベア
30 移し替え用卵座
30a 第1腕部
30b 第2腕部
30c 連結部
30d 開口部
30g テーパ面
31 送り出し部材
32 卵押えレバー
33 支持部材
34 第1駆動部
35 第2駆動部
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数列で卵を搬送する複列コンベアから単列で卵を搬送する単列コンベアへと卵を移し替えるときに用いられる移し替え用卵座と、複列コンベアから送り込まれて移し替え用卵座に搭載された卵を単列コンベアに移し替えるために移し替え用卵座を駆動するための卵座駆動部とを備えた卵移し替え装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鶏卵(卵の一例)を重量データに基づいて自動選別及び包装するシステムは種々公知であり、例えば、本出願人による下記特許文献1に開示されるシステムが知られている。このシステムでは、鶏卵は第1搬送経路に沿って複列コンベアにより6列で搬送される。第1搬送経路の最も下流側には、計量部が設けられており、搬送されてくる各鶏卵の計量を行い重量データを取得する。計量部には、6個のロードセルが設けられており、6個の鶏卵の重量データをまとめて得ることができる。得られた重量データは、制御装置へと送信される。
【0003】
一方、第1搬送経路と直交するように第2搬送経路が設けられており、第2搬送経路では鶏卵は単列コンベアにより単列で搬送される。つまり、複列コンベアで搬送されてきた鶏卵は、計量部で計量され、単列コンベアへと移し替えられる。この鶏卵の移し替えを行うために、卵移し替え装置が設けられており、移し替え装置は鶏卵を搭載する移し替え用卵座を備えている。卵移し替え装置にも種々の構成例があり、例えば、下記特許文献2,3に開示されるものが知られている。
【0004】
移し替え用卵座(以下、単に「卵座」ということがある。)の形状の具体例は、図9に示される。図9は、平面図であるが部分的に断面図が示されている。
【0005】
図9に示すように、卵座100は、平面視でC字状の卵搭載部101を備えている。卵搭載部101は、第1腕部102、第2腕部103、第1腕部102と第2腕部103の根本側を連結する連結部104、第1腕部102と第2腕部103の先端側に形成される開口部105を備えている。図9において、矢印Aは複列コンベアにより鶏卵が搬送されてくる方向であり、矢印Bは単列コンベアにより鶏卵が搬送されていく方向である。第1腕部102は、複列コンベアに近い側に位置し、第2腕部103は、複列コンベアから遠い側に位置する。
【0006】
鶏卵Eは鈍端側E1と鋭端側E2を有しており、図9に想像線で示すように、複列コンベアからは鈍端側E1が図の左側、鋭端側E2が図の右側になるような姿勢で送り込まれてくる。矢印Bの方向は、単列コンベアの進行方向であり、こちらのほうに鶏卵Eの鋭端側E2が向いている。また、卵座100の開口部105も進行方向側が解放されるように形成されている。
【0007】
卵搭載部101の鶏卵Eが搭載される箇所には、鶏卵Eの外形形状に対応したテーパ面Sが形成されている。図9において、第2腕部103の平面視における角度はθ1=30゜であり、テーパ面Sの断面形状におけるテーパ角度θ2=45゜(卵搭載部101の搬送方向視では49.1゜)である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許第2716372号
【特許文献2】特開平9−150941号公報
【特許文献3】特開平11−91714号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明における課題は以下の通りである。鶏卵自動選別包装システムでは、鶏卵の処理速度をできるだけ高速にしたいという要望があり、現在のシステムで1時間当たり35000個の処理速度を達成することができている。
【0010】
この処理速度を高めるため(例えば、1時間当たり38000個の処理速度)には、前述の複列コンベアや単列コンベアの速度を速くすれば、処理速度は高速になる。しかしながら、処理速度を速くすると、卵座に鶏卵を送り込むときに、鶏卵がうまく搭載されずに卵座から滑り落ちて落下する、という問題が発生する。落下して破損した鶏卵は、包装することはできず廃棄せざるをえなくなり、損失が発生する。また、周辺の装置部分を汚してしまい、メンテナンスに余分な時間が発生するという問題がある。
【0011】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、移し替え用卵座に卵を送り込む際に、安定して卵を受け入れることができ、卵の落下を防止することができる卵移し替え装置及びこれに用いられる移し替え用卵座を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するため本発明に係る卵移し替え装置は、
複数列で卵を第1搬送方向に沿って搬送する複列コンベアから、単列で卵を第2搬送方向に沿って搬送する単列コンベアへと卵を移し替えるときに用いられる移し替え用卵座と、複列コンベアから送り込まれて移し替え用卵座に搭載された卵を単列コンベアに移し替えるために移し替え用卵座を駆動するための卵座駆動部とを備えた卵移し替え装置であって、
前記移し替え用卵座は、
送り込まれてきた卵を搭載するための卵搭載部を備え、この卵搭載部は、前記第2搬送方向に沿った形状を有する第1支持部及び第2支持部と、第1支持部と第2支持部を連結する連結部と、を備えると共に、第1支持部が前記複列コンベアに近い側、第2腕部が複列コンベアから遠い側、となるように配置され、
前記第1支持部、第2支持部、連結部は、夫々、卵を搭載する部分が卵の外形形状に対応したテーパ面を備えており、
前記平面視での、前記テーパ面における第2支持部のなす角度が、前記第2搬送方向に対して、5゜〜11゜の範囲に設定されていることを特徴とするものである。
【0013】
かかる構成による卵移し替え装置の作用・効果を説明する。卵は複列コンベアにより複数列で搬送され、移し替え用卵座に載せられて、単列コンベアに移し替えられる。複列コンベアでの卵の搬送方向は第1搬送方向であり、単列コンベアでの卵の搬送方向は第2搬送方向であり、例えば、第2搬送方向は第1搬送方向に直交する。複列コンベアにより搬送される卵は、例えば、方向揃え(鈍端側と鋭端側の方向を特定の方向に揃える処理)、検卵等の処理が行われて、移し替え用卵座の卵搭載部に搭載される。卵搭載部は、第1支持部、第2支持部、連結部により構成され、第1支持部と第2支持部は共に第2搬送方向に沿った形状を有している。また、複列コンベアから遠い側にある第2支持部の角度(例えば、図5(b)のθ)が、第2搬送方向に対して5゜〜11゜の範囲に設定されている。これにより、処理速度を従来よりも高くすることに成功した。従来の第2支持部の上記角度は30゜であったが、試行錯誤的に実験を行い、上記角度を小さな角度にすることで、卵の落下を防止することを確認することができた。これにより、移し替え用卵座に卵を送り込む際に、安定して卵を受け入れることができ、卵の落下を防止することができる卵移し替え装置を提供することができる。
【0014】
本発明に係る前記第1支持部及び第2支持部は、それぞれ、第1腕部及び第2腕部の形状で形成され、前記卵搭載部は、平面視でC字状に形成され、前記第1腕部と、第2腕部と、それらの根元側を連結する前記連結部と、第1腕部と第2腕部の先端側に形成される開口部とにより前記C字状に形成されることが好ましい。
【0015】
この構成によると、第1・第2支持部は、夫々、第1・第2腕部の形状に形成される。C字状形状は、第1腕部、第2腕部、連結部、開口部から構成されるが、移し替え用卵座に搭載された卵をさらに単列コンベアに移し変えるときに、例えば、上記開口部が下方向になるように姿勢変更をすれば、移し変え動作をスムーズに行うことができる。
【0016】
また、上記構成の場合、複列コンベアから遠い側にある第2腕部の角度(図5(b)のθ)が、開口部に行くほど狭くなるように設定され、かつ、5゜〜11゜の範囲に設定されていることで、処理速度を従来よりも高くすることに成功した。
【0017】
本発明において、前記第2支持部の角度が6.5゜〜9.5゜の範囲に設定されていることが好ましい。これにより、卵の落下をより高い確率で防止することができる。
【0018】
本発明において、前記第2搬送方向視で、第2腕部のテーパ面の傾斜角度(図5(c)のα)が、26゜〜38゜の範囲に設定されていることが好ましい。かかる角度は、従来は49.1゜であったが、これを上記角度に設定することで、卵の落下を防止することを確認することができた。
【0019】
本発明において、前記傾斜角度が、29゜〜35゜の範囲に設定されていることが好ましい。これにより、卵の落下をより高い確率で防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】鶏卵自動選別包装装置の全体構成を概念的に示す平面図
【図2】卵移し替え装置及びその近傍を示す側面図
【図3】卵移し替え装置を含むシステムの一部を単列コンベア側から見た斜視図
【図3A】卵移し替え装置を含むシステムの一部を単列コンベア側から見た斜視図(鶏卵を搬送する時の通常の状態)
【図4】卵移し替え装置を含むシステムの一部を複列コンベア側から見た斜視図
【図5】卵座の形状を説明する図(鶏卵を載せていない状態)
【図6】卵座の形状を説明する図(鶏卵を載せた状態)
【図6A】卵座の別実施形態を示す図
【図6B】卵座の別実施形態を示す図
【図7】卵座駆動部の構成を示すブロック図
【図8A】卵移し替え装置の動作を示す図
【図8B】卵移し替え装置の動作を示す図
【図8C】卵移し替え装置の動作を示す図
【図8D】卵移し替え装置の動作を示す図
【図9】従来技術に係る卵座の構成を示す図
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明に係る卵移し替え装置の好適な実施形態を図面を用いて説明する。図1は、卵移し替え装置が設けられた鶏卵自動選別包装装置の全体構成を概念的に示す平面図である。
【0022】
<本実施形態に係る卵の自動選別包装装置の全体構成>
この装置は、大きく分けて卵の一例である鶏卵Eを矢印A方向(第1搬送方向に相当)に6列で搬送する給卵搬送部R1と、給卵搬送部R1から鶏卵Eを受け取り矢印B方向(第2搬送方向)に鶏卵Eを一列で搬送する単列搬送部R2と、鶏卵Eのうち不良卵を回収するための不良卵回収ステーションR3と、鶏卵を選別状態にて搬送する選別ステーションR4と、選別された鶏卵Eを実際に包装容器に包装するための包装ステーションR5と、装置の各部の制御を行う制御装置100とを備えている。
【0023】
給卵搬送部R1は、不図示の上流側に、洗浄乾燥部、方向整列部等を備えている。これらの構成は周知であり、鶏舎から供給される鶏卵は、洗浄乾燥部において、洗浄されたのちに、乾燥される。鶏卵は、横向き姿勢で搬送されるが、鈍端側と鋭端側の方向がそろっていない状態で搬送される。これを方向整列部において、鈍端側と鋭端側が特定の方向に向いた姿勢になるように矯正させられる。給卵搬送部R1は、鶏卵Eを6列(複数列)で搬送するための複列コンベア1を備えている。なお、鶏卵Eを何列で搬送するかは、適宜決めることができる。
【0024】
方向整列部の下流側に、図1に示すように、ひび卵、血卵、汚卵、腐敗卵等の不良卵の検査を行う自動検査装置2が設けられている。自動検査装置2は、CCDカメラなどで鶏卵Eの画像情報を取り込み、これを画像処理・解析して不良卵を検出するものである。不良卵であると検出された鶏卵Eは、不良卵ステーションR3に回収すべく、包装対象から外されることになる。
【0025】
卵移し替え装置3は、給卵搬送部R1の複列コンベア1から単列搬送部R2の単列コンベア4に鶏卵Eを移し替えるための装置である。卵移し替え装置3は、卵送り出し機構3Aと卵座群3Bを備えており、さらに卵座群3Bは6つの移し替え用卵座30を備えている。卵送り出し機構3Aの下部には計量装置5が設けられており、鶏卵Eを移し替える途中で、鶏卵Eの重量を1個1個計測する。卵移し替え装置3の詳細は後述する。
【0026】
計量装置5は、搬送されてくる鶏卵Eの重量を測定し、この測定データは制御装置100に送られて重量値に基づいて選別がされる。また、複列コンベア1に連動するエンコーダ1aが設けられており、複列コンベア1上の鶏卵Eが所定距離移動する毎にパルス信号を発生し、複列コンベア1の搬送や自動検査装置2の作動の制御を行う。
【0027】
単列搬送部R2は、鶏卵Eを一列で搬送するための単列コンベア4(第1コンベア)と、単列コンベア4を駆動するための駆動モータ4aと、単列コンベア4に連動するエンコーダ4bと、卵移し替え装置3により移し替えられる鶏卵Eを収納するためのカップ40(図2参照)と、カップから鶏卵Eを落下放出させるキック装置4cとを備えている。カップ40は、例えば、特許第3335576号に開示される構造のものを用いることができる。
【0028】
エンコーダ4bは、単列コンベア4により鶏卵Eが所定距離搬送される毎にパルス信号を発生し、これにより制御装置100は単列コンベア4の搬送制御を行う。また、計量装置5による鶏卵Eの重量値が測定されると制御装置100により選別が行われるが、この時選別ステーションR4における鶏卵Eの放出位置が決定され、計量装置5から単列コンベア4における放出位置までの距離に相当するパルス値が設定される。このパルス値は、鶏卵Eが単列コンベア4により所定距離搬送される毎に、前述したエンコーダ4bから発生するパルスにより減算されていき、設定されたパルス値が0になった時点で鶏卵Eが放出されるように制御される。
【0029】
鶏卵Eの搬送制御やキック装置4cなどの構成は公知のものを採用すればよく、例えば、本出願人が出願した特開平8−82546号公報に開示された技術を利用することができる。
【0030】
不良卵回収ステーションR3は、回収容器Pと、この回収容器Pを矢印C方向に搬送する回収コンベア110とを備えている。自動検査装置2で不良卵であると判定された鶏卵Eは、計量装置5による測定結果のいかんに関わらず、この不良卵回収ステーションR3にて回収される。回収コンベア110は単列コンベア4と直交する状態に配置されており、図1においては1本のみ示されているが、不良卵の種類に応じて複数本設けることも可能である。例えば、再利用不能なヒビ卵と、再利用可能な汚卵とは別々の回収コンベア110にて回収するようにすれば、その後の処理が簡単になり好ましいことがあるからである。
【0031】
選別ステーションR4は、図1では第1〜第4選別ステーションR41、R42,R43,R44の4つが示されているが、選別ステーションの設置数は適宜変更可能であり、任意に設定できるものである。各ステーションR41〜R44はいずれも同じ構成であり、基本的な構成は充填容器Paを循環経路に沿って矢印C方向に循環搬送させる充填コンベア120を備えている。充填容器Paは鶏卵Eを6個横並びに収納できる。なお、充填容器Paにおける鶏卵Eの収納個数は適宜設定できるものである。
【0032】
包装ステーションR5は、包装容器の一例である透明樹脂のパックPbを搬送するためのパック用コンベア130と、同じく包装容器の一例である紙製のトレイPcを搬送するためのトレイ用コンベア131とを備えている。パックPb及びトレイPcは矢印F方向に搬送される。図1ではパックPbは鶏卵Eを2×6=12個収納でき、トレイPcは鶏卵Eを5×6= 30個収納できるが、これはあくまでも一例であって種々の包装容器を利用することができる。また、図1において、包装ステーションR5として、包装容器搬送用コンベアを2本設けているが、もちろん本数設定も任意である。
【0033】
また、充填容器Paに収納された鶏卵EをパックPbやトレイPcに移送するための卵移送手段として機能する鶏卵吸引装置140が設けられている。鶏卵吸引装置140は、各ステーションを横切るように配置されたガイドレール141に沿って矢印E方向に移動するガイド部142に支持されており、更に不図示の昇降機構により上下方向 (図1の紙面に垂直な方向) にも移動できるように構成されている。
【0034】
制御装置100は、自動選別包装装置の各部の作動を制御し、CPUなどのハードウェアの部分と作動プログラムのソフトウェアとで構成されている。
【0035】
<卵移し替え装置の構成>
次に、卵移し替え装置30の詳細な構成を説明する。図2は、卵移し替え装置30及びその近傍を示す側面図である。図3は、卵移し替え装置30を含むシステムの一部を示す単列コンベア側から見た斜視図であり、図4は、同じく複列コンベア側から見た斜視図である。図3、図4は、図示の都合上、鶏卵を少しだけ搭載した状態を示しているが、実際には図3Aに示すような状態で鶏卵が搬送される。
【0036】
複列コンベア1は、不図示の駆動モータにより駆動される無端チェーン10と、この無端チェーン10に連結される多数の保持ローラ11を備えている。保持ローラ11は、搬送幅方向に沿って6つ設けられており、6列で鶏卵Eを搬送させることができる。保持ローラ11は、夫々、収容凹部11aを備えており、図2に示すように、前後の収容凹部11aにまたがるように鶏卵Eが保持される。
【0037】
複列コンベア11の終端部には、図2に示すように、計量位置5が設けられており、計量センサー部5aと、演算処理部5bを備えている。計量センサー5aは、ひずみゲージ等によるセンサーにより構成され、計量センサー5aの上に鶏卵Eが搭載されると、重量に応じた信号を出力する。演算処理部5bは、出力された信号の増幅、A/D変換等の処理を行い、制御装置100へ計測された重量値のデータを送信する。
【0038】
計量位置5の下流側には、移し替え用卵座30(以下、「卵座」と省略)が設けられており、計量済みの鶏卵Eを受け取る。卵座30の詳細は後述する。この卵座30から、さらに、単列コンベア4のカップ40へと移載される。カップ40は、保持レバー41と、これを開方向に駆動するためのギヤ付きレバー42を備えている。ギヤ付きレバー42を駆動することで、一対の保持レバー41が開き、鶏卵Eを充填容器Paに放出することができる。
【0039】
送り出し機構3Aとして、断面X字形の送り出し部材31が設けられており、円周方向に等間隔で4枚の羽根31aを備えている。送り出し部材31は、中心に設けられた回転軸31d周りに回転駆動され、羽根31aにより鶏卵Eを複列コンベア1から卵座30へと送り出す機能を有する。複列コンベア1は6列で鶏卵Eを搬送するのに対応して、羽根31aも6列分設けられている。図3等にも図示するように、羽根31aの先端31bは、さらに二股に分かれている。また、先端31bは、少し折れ曲がっており、鶏卵Eに係合しやすいように形成されている。送り出し部材31は、モータ31c(図3参照)により駆動され、複列コンベア1と同期して駆動される。
【0040】
<卵座の構成>
次に卵座30の形状を説明する。図5(a)は斜視図、(b)は平面図、(c)は(b)において矢視B’(第2搬送方向視)から見た図である。図6は、同じ図であるが、鶏卵Eを搭載した状態で図示している。
【0041】
卵座30は、平面視でC字状に形成されており、複列コンベア1から送り込まれてきた鶏卵Eを搭載する卵搭載部を備えている。卵搭載部は、第1腕部30a(第1支持部に相当)、第2腕部30b(第2支持部に相当)、第1腕部30aと第2腕部30bの根元側を連結する連結部30cと、第1腕部30aと第2腕部30bの先端側に形成される開口部30dとを備えている。
【0042】
第1腕部30aが複列コンベア1に近い側であり、矢印Aの方向から鶏卵Eが搬送されてくる。第2腕部30bは、複列コンベア1から遠い側に位置している。開口部30dは、単列コンベア4の進行方向側(矢印B)が開口するように形成されている。第1腕部30aも第2腕部30bも腕の伸びる方向が単列コンベア4における鶏卵Eの搬送方向(第2搬送方向:矢印B)に沿っている。これにより、複列コンベア1からの鶏卵Eを確実に受け止めるものである。
【0043】
第1腕部30aには、凹部30eが形成されており、図3に示すように、計量位置5側に設けられた係合部5cが係合することができる。鶏卵Eを受け入れるときは、係合部5cが凹部30eに係合することで、卵座30の位置決めを行うことができ、安定した状態で鶏卵Eを受け入れることができる。第2腕部30bの側に、取り付け部30fが設けられている。
【0044】
C字状を形成する第1腕部30a、第2腕部30b、連結部30cは、夫々、卵を搭載する部分が卵の外形形状に対応したテーパ面30gを備えている。図6(c)に鶏卵Eを搭載した状態の側面図が図示されているが、鶏卵Eの外形形状に対応したテーパ面30gが形成されていることが理解できる。
【0045】
図5(b)に示す平面視で、テーパ面30gにおける第2腕部30bの角度θ(第2腕部30bを構成するテーパ面30gの端部(下端部))が、開口部30dに行くほど狭くなるように設定されている。具体的には8゜である。
【0046】
鶏卵Eは矢印A方向から送り込まれてくるが、その送り込まれてくる速度(勢い)は、複列コンベア1での搬送速度に依存する。鶏卵Eを高速で処理するためには、搬送速度を上げればよいが、あまり上げすぎると、送り込まれてくる勢いで卵座30にうまく搭載できず、卵座30から落下する確率が高くなる。したがって、鶏卵Eが落下しないような卵座30の形状が要求される。
【0047】
そこで、上記のような角度θ=8゜に設定することで、鶏卵Eの落下を防止できることを見出したものである。θの好ましい範囲は、5゜〜11゜の範囲であり、より好ましい範囲は、6.5°〜9.5°である。
【0048】
さらに、単列コンベア4の搬送方向視で、第2腕部30bのテーパ面30gの傾斜角度αは32゜に設定されており、上記の角度θの設定と合わせて、鶏卵Eの落下を防止できることを見出したものである。傾斜角度は、図5(c)に示すように、垂直軸に対しての角度である。αの好ましい範囲は、26゜〜38゜の範囲であり、より好ましい範囲は、29゜〜35゜の範囲である。
【0049】
図6は、鶏卵Eを搭載した状態を示すが、図6(b)に示すように、連結部30c側に鈍端側E1が位置し、開口部30d側に鋭端側E2が位置するように、鶏卵Eが搭載される。
【0050】
<卵座の別実施形態>
次に、卵座30の別実施形態を説明する。図5,6に示した実施形態は、開口部30dを有する構成であるが、開口部30dは無くてもよい。図6Aは、開口部30dがなく、第1支持部30a’と第2支持部30b’の両側に連結部30cが形成される構成例である。また、開口部30dについては、図6Bに示すように、単列コンベア4の進行方向側(矢印B)と反対側が開口するように形成されてもよい。この場合も複列コンベア1から搬送されてくる鶏卵Eの姿勢は図6の場合と同じである。
【0051】
<卵座駆動部の構成>
次に卵座駆動部の構成を図7により説明する。卵座30は、その取り付け部30fが支持部材33に取り付けられている。支持部材33は、平面視でコの字状に形成されたプレートである。また、卵押えレバー32が支持部材33に回転軸32aにより回転自在に取り付けられている。卵押えレバー32は、押え部32bを備えており、解放位置と押え位置の間を回動可能に支持される。図7は、解放位置の状態を示しており、矢印Rの方向に回転させることで、卵座30に搭載された鶏卵Eを挟むようにして押さえる。卵押えレバー32は、第1駆動部34により駆動される。第1駆動部34は、卵座駆動部として機能し、エアシリンダ、モーター等の公知の駆動機構により構成することができる。
【0052】
支持部材33には、駆動軸33aが一体的に取り付けられており、卵座30および卵押えレバー32を一体的に回転駆動させ、鶏卵Eの姿勢を水平姿勢から垂直姿勢へと切り替え駆動させる。垂直姿勢では、鶏卵Eの鋭端側E2が下方に位置し、鈍端側E1が上方に位置するような姿勢に切り替わる。卵座30は、第2駆動部35により駆動される。第2駆動部35は、卵座駆動部として機能し、モーター、リンク機構等により構成することができる。
【0053】
制御装置100は、複列コンベア1、単列コンベア4、第1駆動部34、第2駆動部35を制御し、複列コンベア1、単列コンベア4、卵座30、卵押えレバー32が同期して駆動されるように制御する。
【0054】
<卵移し替え装置の動作>
次に、卵移し替え装置の動作について、図8A〜8Dにより説明する。図8Aは、複列コンベア1により搬送されてきた鶏卵Eが、計量装置5により計量され、送り出し部材31により送り出されて、卵座30に搭載された状態を示す。次に、第1駆動部34により卵押えレバー32を回転駆動し、図8Bに示すように、鶏卵Eを押さえる。これにより、鶏卵Eを卵座30と卵押えレバー32により挟み込むようにして保持する。なお、鶏卵Eは水平姿勢で保持される。
【0055】
次に、図8Cに示すように、鶏卵Eを押えた状態で卵座30の姿勢を垂直姿勢になるように第2駆動部35を駆動する。鶏卵Eを卵押えレバー32で押さえ付けているので、垂直姿勢にしても鶏卵Eは下方に落下しない。垂直姿勢では、鶏卵Eの鋭端側E2が下を向くように変換させられる。次に、卵押えレバー32による鶏卵Eの押さえ付け状態を解除する。これにより、図8Dに示すように、鶏卵Eは落下しカップ40に収容される。このとき、開口部30dが下方向を向くように姿勢変換させられるので、鶏卵Eの落下をスムーズに行うことができる。カップ40に収容された鶏卵Eは、単列コンベア4により搬送され、所定の選別ステーションにおいて放出される。
【0056】
なお、図6Bの卵座30の場合も卵座を垂直姿勢に変換する場合の回転方向は同じである。この場合、開口部30dが上方向を向くように変換させられる。また、図6Aの卵座30の場合も回転方向は同じである。ただし、本発明としては、回転方向を上記とは逆にしてもかまわない。
【0057】
<実験例>
次に、本発明に係る卵座30の作用・効果を実証するための実験を行った。本発明に係る卵座と従来技術に係る卵座(図9参照)とを比較するための実験データをとった。表1に結果を示す。
【表1】
【0058】
鶏卵の処理速度は1時間当たり38000個に設定した。従来の卵座(比較例)の場合は、8時間運転したところ、鶏卵の落下個数は103個、77個であったが、本発明の場合、0個であった。本発明の卵座の効果は実験データからも明確である。なお、実験データにおいて、平面視で、テーパ面30gにおける第2腕部30bの角度θは、本発明ではθ=8゜であり、比較例はθ=30゜(図9ではθ1で示される)である。また、単列コンベア4の進行方向Bにおける縦断面視で、第2腕部30bのテーパ面30gの傾斜角度αは、本発明ではα=32゜であり、比較例はα=49.1゜(図9ではθ2=45゜である)である。
【0059】
<別実施形態>
本発明に係る卵座が応用される鶏卵自動選別包装装置は、本実施形態の構成に限定されるものではない。複列コンベア1は6列で鶏卵Eを搬送しているが6列に限定されるものではない。単列コンベア4に設けられているカップ40の構成は、種々の変形例が考えられる。
【符号の説明】
【0060】
E 鶏卵
E1 鈍端側
E2 鋭端側
θ 角度
α 角度
1 複列コンベア
3 卵移し替え装置
3A 卵送り出し機構
3B 卵座群
4 単列コンベア
30 移し替え用卵座
30a 第1腕部
30b 第2腕部
30c 連結部
30d 開口部
30g テーパ面
31 送り出し部材
32 卵押えレバー
33 支持部材
34 第1駆動部
35 第2駆動部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数列で卵を第1搬送方向に沿って搬送する複列コンベアから、単列で卵を第2搬送方向に沿って搬送する単列コンベアへと卵を移し替えるときに用いられる移し替え用卵座と、複列コンベアから送り込まれて移し替え用卵座に搭載された卵を単列コンベアに移し替えるために移し替え用卵座を駆動するための卵座駆動部とを備えた卵移し替え装置であって、
前記移し替え用卵座は、
送り込まれてきた卵を搭載するための卵搭載部を備え、この卵搭載部は、前記第2搬送方向に沿った形状を有する第1支持部及び第2支持部と、第1支持部と第2支持部を連結する連結部と、を備えると共に、第1支持部が前記複列コンベアに近い側、第2腕部が複列コンベアから遠い側、となるように配置され、
前記第1支持部、第2支持部、連結部は、夫々、卵を搭載する部分が卵の外形形状に対応したテーパ面を備えており、
前記平面視での、前記テーパ面における第2支持部のなす角度が、前記第2搬送方向に対して、5゜〜11゜の範囲に設定されていることを特徴とする卵移し替え装置。
【請求項2】
前記第1支持部及び第2支持部は、それぞれ、第1腕部及び第2腕部の形状で形成され、
前記卵搭載部は、平面視でC字状に形成され、前記第1腕部と、第2腕部と、それらの根元側を連結する前記連結部と、第1腕部と第2腕部の先端側に形成される開口部とにより前記C字状に形成されることを特徴とする請求項1に記載の卵移し替え装置。
【請求項3】
前記第2支持部の角度が6.5゜〜9.5゜の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の卵移し替え装置。
【請求項4】
前記第2搬送方向視で、第2支持部のテーパ面の傾斜角度が、26゜〜38゜の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の卵移し替え装置。
【請求項5】
前記傾斜角度が、29゜〜35゜の範囲に設定されていることを特徴とする請求項4に記載の卵移し替え装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の卵移し替え装置に用いられる移し替え用卵座。
【請求項1】
複数列で卵を第1搬送方向に沿って搬送する複列コンベアから、単列で卵を第2搬送方向に沿って搬送する単列コンベアへと卵を移し替えるときに用いられる移し替え用卵座と、複列コンベアから送り込まれて移し替え用卵座に搭載された卵を単列コンベアに移し替えるために移し替え用卵座を駆動するための卵座駆動部とを備えた卵移し替え装置であって、
前記移し替え用卵座は、
送り込まれてきた卵を搭載するための卵搭載部を備え、この卵搭載部は、前記第2搬送方向に沿った形状を有する第1支持部及び第2支持部と、第1支持部と第2支持部を連結する連結部と、を備えると共に、第1支持部が前記複列コンベアに近い側、第2腕部が複列コンベアから遠い側、となるように配置され、
前記第1支持部、第2支持部、連結部は、夫々、卵を搭載する部分が卵の外形形状に対応したテーパ面を備えており、
前記平面視での、前記テーパ面における第2支持部のなす角度が、前記第2搬送方向に対して、5゜〜11゜の範囲に設定されていることを特徴とする卵移し替え装置。
【請求項2】
前記第1支持部及び第2支持部は、それぞれ、第1腕部及び第2腕部の形状で形成され、
前記卵搭載部は、平面視でC字状に形成され、前記第1腕部と、第2腕部と、それらの根元側を連結する前記連結部と、第1腕部と第2腕部の先端側に形成される開口部とにより前記C字状に形成されることを特徴とする請求項1に記載の卵移し替え装置。
【請求項3】
前記第2支持部の角度が6.5゜〜9.5゜の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の卵移し替え装置。
【請求項4】
前記第2搬送方向視で、第2支持部のテーパ面の傾斜角度が、26゜〜38゜の範囲に設定されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の卵移し替え装置。
【請求項5】
前記傾斜角度が、29゜〜35゜の範囲に設定されていることを特徴とする請求項4に記載の卵移し替え装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の卵移し替え装置に用いられる移し替え用卵座。
【図1】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図4】
【図5】
【図6】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9】
【図2】
【図3】
【図3A】
【図4】
【図5】
【図6】
【図6A】
【図6B】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図8D】
【図9】
【公開番号】特開2011−173714(P2011−173714A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−40686(P2010−40686)
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(000162238)共和機械株式会社 (9)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【出願人】(000162238)共和機械株式会社 (9)
【Fターム(参考)】
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