原稿搬送装置
【課題】ユーザに排出トレイに原稿を載置したことを容易に気付かせることができる原稿搬送装置を提供する。
【解決手段】原稿搬送装置3は、原稿を載置する供給トレイ10と、原稿が排出される排出トレイ20と、原稿を供給トレイ10から読取位置Rを経て排出トレイ20に搬送する原稿搬送部30と、排出トレイ20に設けられ、排出トレイ20上の原稿を、原稿搬送部30に向かう方向とは異なる方向に移動させる原稿移動ローラ27とを備えている。
【解決手段】原稿搬送装置3は、原稿を載置する供給トレイ10と、原稿が排出される排出トレイ20と、原稿を供給トレイ10から読取位置Rを経て排出トレイ20に搬送する原稿搬送部30と、排出トレイ20に設けられ、排出トレイ20上の原稿を、原稿搬送部30に向かう方向とは異なる方向に移動させる原稿移動ローラ27とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿を供給トレイから読取位置を経て排出トレイに搬送する原稿搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ADF(Auto Document Feeder)などの原稿搬送装置の中には、排出トレイの上方に配置された供給トレイに原稿を載置するタイプのものや、排出トレイの下方に配置された供給トレイに原稿を載置するタイプのものなどがある(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2006−347684号公報
【特許文献2】特開2007−238252号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、原稿を載置する供給トレイの配置位置が異なる原稿搬送装置が混在している状況では、ユーザは誤って排出トレイに原稿を載置してしまう可能性がある。排出トレイに原稿を載置した場合、スタートボタンなどを操作しても原稿の搬送(読取)は開始されないので、ユーザは排出トレイに原稿を載置したことに気付くまで、原稿の搬送が開始されない原因を1つずつ確認しなければならず、煩わしいという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、ユーザに排出トレイに原稿を載置したことを容易に気付かせることができる原稿搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した目的を達成するため、本発明の原稿搬送装置は、原稿を載置する供給トレイと、原稿が排出される排出トレイと、原稿を前記供給トレイから読取位置を経て前記排出トレイに搬送する原稿搬送部と、前記排出トレイに設けられ、前記排出トレイ上の原稿を、前記原稿搬送部に向かう方向とは異なる方向に移動させる移動機構とを備えたことを特徴とする。
【0007】
このように構成された原稿搬送装置によれば、排出トレイに設けられた移動機構により、誤って排出トレイに載置された原稿を、原稿搬送部に向かう方向とは異なる方向に移動させることができる。これにより、排出トレイ上の原稿は、原稿搬送部に向けて供給される方向とは異なる方向に移動するので、ユーザに排出トレイに原稿を載置したことを容易に気付かせることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の原稿搬送装置によれば、排出トレイに設けられた移動機構によって、排出トレイに原稿を載置したことを容易に気付かせることができる。これにより、原稿の搬送が開始されないときの確認作業の手間を省くことができるので、原稿搬送装置をユーザにとって使いやすいものにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。参照する図面において、図1は本発明の実施形態に係る原稿搬送装置を備えた原稿読取装置の全体構成を示す図であり、図2は原稿搬送部の拡大図である。
【0010】
ここで、以下の説明において、「搬送方向」とは原稿が供給トレイ10から排出トレイ20に向けて搬送される方向(図1の矢印方向)であり、「排出方向」とは原稿が原稿搬送部30から排出トレイ20に排出される方向である。また、搬送方向・搬出方向における上流および下流をそれぞれ単に「上流」および「下流」といい、原稿の搬送方向・排出方向に直交する方向(図1の手前・奥側の方向)を「幅方向」という。
【0011】
図1に示すように、原稿読取装置1は、公知の構成を有するフラットベッドスキャナ2と、原稿を読取位置Rに搬送する原稿搬送装置3と、原稿の読取動作を制御する制御装置4と、ユーザが操作する操作部5とを主に備えている。
【0012】
<フラットベッドスキャナの構成>
フラットベッドスキャナ2は、原稿読取装置1の下部に配置され、原稿を載置する原稿台となるプラテンガラス2Gと、イメージセンサ2S(読取装置)とを主に備えている。このフラットベッドスキャナ2では、イメージセンサ2Sによって、プラテンガラス2Gに載置された原稿を走査しながら読み取ることができるとともに、読取位置Rに搬送された原稿を読み取ることができる。
【0013】
<原稿搬送装置の構成>
原稿搬送装置3は、原稿を読取位置Rに搬送して、原稿の片面または両面を読み取り可能とする装置であり、フラットベッドスキャナ2の上方に配置され、プラテンガラス2Gに対して開閉可能に設けられている。この原稿搬送装置3は、原稿を載置する供給トレイ10と、原稿が排出される排出トレイ20と、原稿を搬送する原稿搬送部30とを主に備えている。
【0014】
[排出トレイの構成]
排出トレイ20は、供給トレイ10の上方に配置され、固定トレイ21と、固定トレイ21の上流側に配置されたフラップ22とから主に構成されている。また、排出トレイ20には、排出トレイ20に排出された原稿を検知する公知の排紙検知センサ23と、移動機構の一例としての原稿移動ローラ27とが設けられている。原稿移動ローラ27の詳細については後述する。
【0015】
固定トレイ21は、原稿搬送部30に対して変位しないように固定されている。
フラップ22は、下流側に設けられた揺動軸22Aを中心として、固定トレイ21に対して上下に揺動可能となるように、原稿搬送装置3の本体フレーム30Aに支持されている。このフラップ22は、上流側の先端部に、下方に屈曲した屈曲部22Cが形成されている。また、フラップ22の上流側の先端部には、カム24が係合している。
【0016】
カム24は、フラップ22の下方で幅方向両端に渡って延びる押上バー24Aと、フラップ22の両側に設けられた軸部24Bと、押上バー24Aの両端と各軸部24Bを連結する連結部24Cとから構成されている。各軸部24Bは本体フレーム30Aに軸支されている。このようなカム24は、制御装置4により制御される図示しない駆動手段によって正逆方向に回動することで、フラップ22を、図1に示す下方にある状態と、図5に示す上方にある状態との間で揺動させる。
【0017】
[原稿搬送部の構成]
図2に示すように、原稿搬送部30には、原稿を供給トレイ10から排出トレイ20に案内する搬送経路31と、原稿をスイッチバックさせるための反転経路32とが形成されている。また、原稿搬送部30には、供給トレイ10に載置された原稿を検知する公知の給紙検知センサ13が設けられている。
【0018】
搬送経路31は、供給トレイ10から略水平に延びる吸入路31Aと、吸入路31Aから斜め下方に向かって延びる傾斜路31Bと、傾斜路31Bから略水平に延びる水平路31Cと、水平路31Cから上方に向かって弧状に延びる湾曲路31Dと、湾曲路31Dから排出トレイ20(外部)に向かって斜め上方に延びる排出路31Eとから構成されている。搬送経路31のうち、水平路31Cの下側は、プラテンガラス2Gを介してイメージセンサ2Sと対向する読取位置Rとなっている。
【0019】
搬送経路31には、原稿を供給トレイ10から読取位置Rを経て排出トレイ20に搬送する搬送機構が設けられている。搬送機構は、吸入路31Aに設けられた吸入ローラ41、吸入ニップ片42、分離ローラ43および分離ニップ片44と、傾斜路31Bに設けられた第1搬送ローラ45と、湾曲路31Dに設けられた第2搬送ローラ47と、排出路31Eに設けられた排出機構の一例としての排紙ローラ49とから主に構成されている。
【0020】
吸入ローラ41と吸入ニップ片42は、供給トレイ10上の原稿を分離ローラ43に寄せる部材であり、分離ローラ43と分離ニップ片44は、原稿を1枚ずつ分離して読取位置Rに送り出す部材である。また、第1搬送ローラ45と第2搬送ローラ47は、搬送経路31において原稿を搬送するローラであり、排紙ローラ49は、読取が終了した原稿を排出トレイ20に排出するローラである。
【0021】
反転経路32は、湾曲路31Dから分岐して外部(図2の右側)に向かって延びる第1反転経路32Aと、第1反転経路32Aの略中央から分岐して斜め下方に延び、傾斜路31Bに合流する第2反転経路32Bとから構成されている。この反転経路32には、スイッチバック時に原稿を搬送したり、ガイドしたりする反転機構が設けられている。
【0022】
反転機構は、第1反転経路32Aに設けられた第3搬送ローラ51およびスイッチバックローラ53と、湾曲路31Dと第1反転経路32Aとの分岐部分に設けられた第1ガイド部材61と、第1反転経路32Aと第2反転経路32Bとの分岐部分に設けられた第2ガイド部材62とから構成されている。
【0023】
第3搬送ローラ51は、第1反転経路32Aにおいて原稿を搬送するローラであり、スイッチバックローラ53は、原稿の一部を外部に排出するローラである。第1ガイド部材61と第2ガイド部材62は、揺動可能に構成され、原稿が搬送される経路を切り替える部材である。
【0024】
<制御装置・操作部の構成>
制御装置4は、図示しないCPU、RAM、ROM、入出力回路などを備えて構成されており、原稿搬送装置3内の適宜な位置に配置されている。この制御装置4は、ROMに記憶されたプログラムやデータ、給紙検知センサ13や排紙検知センサ23、操作部5からの出力などに基づいて、搬送機構や反転機構、原稿移動ローラ27、イメージセンサ2Sなどの駆動を制御する。制御装置4による原稿移動ローラ27の制御については後述する。
【0025】
操作部5は、ユーザが原稿読取装置1を操作する構成であり、本実施形態では複数の操作ボタン(図1参照)から構成されている。ユーザは、操作部5を操作することで、読取開始の指示(原稿搬送装置3にとっては搬送開始の指示)などを入力することができる。
【0026】
<原稿移動ローラの構成>
次に、本発明の特徴部分である原稿移動ローラ27の構成について説明する。図3は排出トレイと排紙ローラを上から見た図である。
【0027】
図2に示すように、原稿移動ローラ27は、排出トレイ20のうち、排紙検知センサ23の下流側で、上部が排出トレイ20(固定トレイ21)の原稿載置面21Aから突出するように配置されている。この原稿移動ローラ27は、制御装置4により制御される図示しない駆動手段から駆動力が伝達されることで、図2の時計回り方向(矢印方向)に回転駆動する。
【0028】
これにより、誤って排出トレイ20に載置された原稿を、原稿搬送部30に向かう方向とは異なる方向に移動させることができる。ここで、原稿搬送部30に向かう方向とは、供給トレイ10にセットされた原稿が原稿搬送部30内に供給される方向(供給方向)と等しいので、原稿移動ローラ27は、排出トレイ20上の原稿を、供給方向とは異なる方向に移動させることができる。
【0029】
また、図3に示すように、原稿移動ローラ27は、排出方向に対して所定角度傾いた状態で配置されている。これにより、原稿移動ローラ27は、排出トレイ20上の原稿Mを、供給方向(図3の左方向)および排出方向(図3の右方向)とは異なる方向に移動させることができる。具体的に、本実施形態では、原稿移動ローラ27は、排出トレイ20上の原稿Mを、図3の右斜め下方(矢印方向)に向けて移動させることができる。その結果、ユーザが、原稿移動ローラ27によって移動した原稿を、原稿搬送部30から排出された原稿と誤認する可能性を低減することができる。
【0030】
さらに、原稿移動ローラ27は、排紙ローラ49までの距離Lが、原稿搬送部30が搬送可能な最小サイズの原稿の搬送方向(図3の左右方向)における長さよりも短くなるような位置に配置されている。これにより、原稿移動ローラ27は、原稿搬送部30が搬送可能なすべてのサイズの原稿を移動させることができる。
【0031】
<原稿読取装置の動作>
次に、以上のように構成された原稿読取装置1の動作について説明する。図4(a)および(b)は両面読取時の動作を説明するための図であり、図5は片面読取時の動作を説明するための図である。また、図6ないし図10は制御装置による原稿移動ローラ制御のフローチャートである。
【0032】
[両面読取時の動作]
図4(a)に示すように、両面読取時には、原稿M2は、表の読取面P3を下向きにし、裏の読取面P4を上向きにして供給トレイ10上にセットされる。また、ユーザが操作部5を操作して両面読取を選択すると、フラップ22が下方に、第1ガイド部材61が上方に、第2ガイド部材62が下方に、それぞれ揺動する。
【0033】
ユーザが読取開始の指示を入力すると、供給トレイ10上の原稿M2は、読取位置Rに搬送されて読取面P3が読み取られる。その後、湾曲路31Dから第1反転経路32Aに入り、第1反転経路32Aを外部に向けて搬送される。
【0034】
原稿M2のほぼ全部がスイッチバックローラ53から排出されると、スイッチバックローラ53は公知の制御によって一時的に停止する。このとき、図4(b)に示すように、原稿M2は、表の読取面P3を上向きにし、裏の読取面P4を下向きにした状態となる。また、第1ガイド部材61が下方に、第2ガイド部材62が上方に、それぞれ揺動して原稿の経路を切り替える。
【0035】
そして、スイッチバックローラ53が反転することで、原稿M2は、第1反転経路32Aに引き戻されて第2反転経路32Bに入り、再び読取位置Rに搬送されて読取面P4が読み取られる。その後、湾曲路31Dと排出路31Eを通って、表の読取面P3を下向きにし、裏の読取面P4を上向きにした状態で排出トレイ20上に排出される。
【0036】
なお、フラップ22が下方にある状態では、屈曲部22Cが排紙ローラ49よりも下方に位置しているので、屈曲部22C上に載っている既に排出された原稿M1の後端は排紙ローラ49よりも下方に位置することとなる。これにより、後に排出される原稿は、表の読取面を下向きにし、裏の読取面を上向きにして、既に排出された原稿の上に積層するように排出される。このとき、原稿M1,M2のページ順は、下から順にP1,P2,P3,P4と、原稿M1,M2を供給トレイ10上に載置したときのページ順と同じ順番に整列する。
【0037】
[片面読取時の動作]
図5に示すように、片面読取時には、原稿M2は、読取面P2を下向きにして供給トレイ10上にセットされる。また、ユーザが操作部5を操作して片面読取を選択すると、フラップ22が上方に、第1ガイド部材61が下方に、それぞれ揺動する。
【0038】
ユーザが読取開始の指示を入力すると、供給トレイ10上の原稿M2は、読取位置Rに搬送されて読取面P2が読み取られる。その後、湾曲路31Dと排出路31Eを通って、読取面P2を上向きにした状態で排出トレイ20上に排出される。
【0039】
なお、フラップ22が上方にある状態では、屈曲部22Cが一対の排紙ローラ49がニップする位置よりも上方に位置しているので、フラップ22上に載っている既に排出された原稿M1の後端は一対の排紙ローラ49がニップする位置よりも上方に位置することとなる。これにより、後に排出される原稿は、読取面を上向きにして、既に排出された原稿の後端に下方から当接した後、原稿M1の下に潜り込むように排出される。このとき、原稿M1,M2のページ順は、上から順にP1,P2と、原稿M1,M2を供給トレイ10上に載置したときのページ順と同じ順番に整列する。
【0040】
[制御装置による原稿移動ローラ制御]
次に、制御装置4による原稿移動ローラ27の制御について、いくつか例を挙げて説明する。なお、図7ないし図10において、「検知センサON」が、「Yes」とは原稿がトレイ上にある場合であり、「No」とは原稿がトレイ上にない場合である。
【0041】
ここで、以下の説明において、「所定時間」は、原稿移動ローラ27が駆動を開始してから停止するまでの時間であり、制御装置4にデータとして記憶されている。この所定時間は、原稿移動ローラ27の回転駆動によって移動する原稿が、排出トレイ20から落下しないだけの時間となるように予め設定されている。なお、所定時間は、原稿搬送部30で搬送可能な原稿のサイズや、排出トレイ20の大きさ(寸法)などに応じて適宜設定することができるので、制御装置4に記憶させる所定時間は、1つであってもよいし、原稿のサイズに応じて複数であってもよい。
【0042】
〔第1の制御形態〕
まず、第1の制御形態における原稿移動ローラ27の制御について説明する。第1の制御形態は、センサの検知に基づく判断をすることなく、原稿移動ローラ27の駆動を制御するものである。
【0043】
図6に示すように、ユーザが操作する操作部5から読取開始の指示(以下、搬送開始の指示という)が入力される(S101,Yes)と、制御装置4は、原稿移動ローラ27を駆動させる(S102)。これにより、排出トレイ20上の原稿Mを、供給方向および排出方向とは異なる方向に移動させることができるので、ユーザに排出トレイ20に原稿を載置したことを容易に気付かせることができる。
【0044】
そして、制御装置4は、記憶したデータに基づいて所定時間が経過したか否かを判断する(S103)。所定時間が経過していない場合(S103,No)、制御装置4は、原稿移動ローラ27の駆動を続行する。所定時間が経過した場合(S103,Yes)は、制御装置4は、原稿移動ローラ27の駆動を停止させ(S104)、原稿移動ローラ27の制御を終了してステップS101へ戻る。
なお、搬送開始の指示が入力されない場合(S101,No)は、原稿搬送装置3はユーザの指示待ち状態(待機状態)となる。
【0045】
第1の制御形態によれば、センサの検知に基づく判断をすることなく、原稿移動ローラ27の駆動を制御するので、センサの誤検知や故障などに起因する原稿移動ローラ27の誤動作を防止することができる。また、給紙検知センサ13や排紙検知センサ23を備えない原稿搬送装置に対しても原稿移動ローラ27の制御を行うことが可能となる。また、給紙検知センサ13や排紙検知センサ23が不要となるので、コストダウンを図ることができる。
【0046】
さらに、原稿移動ローラ27を排出トレイ20から原稿が落下しないだけの所定時間駆動させて停止させることで、原稿が排出トレイ20から落下することを防止できる。これにより、落下した原稿を拾い集めるなどの手間を省くことができるので、原稿搬送装置3をユーザにとってより使いやすいものにすることができる。
【0047】
〔第2の制御形態〕
次に、第2の制御形態における原稿移動ローラ27の制御について説明する。第2の制御形態は、搬送開始の指示の入力後、給紙検知センサ13の検知に基づいて原稿移動ローラ27の駆動を制御するものである。
【0048】
図7に示すように、ユーザが操作する操作部5から搬送開始の指示が入力される(S201,Yes)と、制御装置4は、給紙検知センサ13の検知に基づいて原稿が供給トレイ10上にある(セットされている)か否かを判断する(S202)。
【0049】
原稿が供給トレイ10上にないと判断した場合(S202,No)、搬送開始の指示が入力されたにもかかわらず、読み取るべき原稿が供給トレイ10にセットされていないということなので、原稿が誤って排出トレイ20上に載置されている可能性がある。そこで、制御装置4は、原稿移動ローラ27を駆動させる(S203)。これにより、排出トレイ20上の原稿Mを、供給方向および排出方向とは異なる方向に移動させることができるので、ユーザに排出トレイ20に原稿を載置したことを容易に気付かせることができる。
【0050】
そして、制御装置4は、所定時間が経過したか否かを判断して(S204)、所定時間が経過していない場合(S204,No)は原稿移動ローラ27の駆動を続行し、所定時間が経過した場合(S204,Yes)は原稿移動ローラ27の駆動を停止させる(S205)。これにより、原稿が排出トレイ20から落下することを防止できる。その後、制御装置4は、原稿移動ローラ27の制御を終了してステップS201へ戻る。
【0051】
一方、原稿が供給トレイ10上にあると判断した場合(S202,Yes)は、原稿が供給トレイ10にセットされているということなので、制御装置4は、搬送機構を駆動して原稿の搬送(読取)を実行する(S206)。原稿の搬送が終了した(S207)後、制御装置4は、ステップS201へ戻る。
なお、搬送開始の指示が入力されない場合(S201,No)は、原稿搬送装置3は待機状態となる。
【0052】
第2の制御形態によれば、給紙検知センサ13の検知に基づいて原稿移動ローラ27の駆動を制御することで、不要な原稿移動ローラ27の駆動を防止することができる。また、供給トレイ10上に原稿がある場合には、原稿移動ローラ27を駆動させることなく、速やかに原稿の搬送(読取)を開始することができる。さらに、排紙検知センサ23を備えない原稿搬送装置に対しても原稿移動ローラ27の制御を行うことが可能となる。
【0053】
〔第3の制御形態〕
次に、第3の制御形態に係る原稿移動ローラ27の制御について説明する。第3の制御形態は、搬送開始の指示の入力後、排紙検知センサ23の検知に基づいて原稿移動ローラ27の駆動を制御するものである。
【0054】
図8に示すように、ユーザが操作する操作部5から搬送開始の指示が入力される(S301,Yes)と、制御装置4は、排紙検知センサ23の検知に基づいて原稿が排出トレイ20上にあるか否かを判断する(S302)。
【0055】
原稿が排出トレイ20上にあると判断した場合(S302,Yes)、原稿が誤って排出トレイ20上に載置されている可能性があるので、制御装置4は、原稿移動ローラ27を駆動させる(S303)。これにより、排出トレイ20上の原稿Mを、供給方向および排出方向とは異なる方向に移動させることができるので、ユーザに排出トレイ20に原稿を載置したことを容易に気付かせることができる。
【0056】
そして、制御装置4は、所定時間が経過したか否かを判断して(S304)、所定時間が経過していない場合(S304,No)は原稿移動ローラ27の駆動を続行し、所定時間が経過した場合(S304,Yes)は原稿移動ローラ27の駆動を停止させる(S305)。これにより、原稿が排出トレイ20から落下することを防止できる。その後、制御装置4は、原稿移動ローラ27の制御を終了してステップS301へ戻る。
【0057】
一方、原稿が排出トレイ20上にないと判断した場合(S302,No)、制御装置4は、給紙検知センサ13の検知に基づいて原稿が供給トレイ10上にあるか否かを判断する(S306)。原稿が供給トレイ10上にあると判断した場合(S306,Yes)は、原稿が供給トレイ10にセットされているということなので、制御装置4は、原稿の搬送(読取)を実行する(S307)。原稿の搬送が終了した(S308)後、制御装置4は、ステップS301へ戻る。
【0058】
原稿が供給トレイ10上にないと判断した場合(S306,No)は、原稿が供給トレイ10にセットされていないということなので、制御装置4は、ステップS301へ戻る。なお、この場合、イメージセンサ2Sを走査させて、プラテンガラス2Gに載置された原稿の読取を実行した後、ステップS301へ戻るように制御してもよい。
ステップS301において、搬送開始の指示が入力されない場合(S301,No)は、原稿搬送装置3は待機状態となる。
【0059】
第3の制御形態によれば、排紙検知センサ23の検知に基づいて原稿移動ローラ27の駆動を制御するので、搬送開始の指示の入力後に原稿が排出トレイ20上にあると判断されるとき、すなわち、原稿が誤って排出トレイ20上に載置されている可能性が高い場合に、原稿移動ローラ27を確実に駆動させることができる。これにより、ユーザに排出トレイ20に原稿を載置したことを確実に気付かせることができる。また、給紙検知センサ13を備えない原稿搬送装置に対しても原稿移動ローラ27の制御を行うことが可能となる。
【0060】
〔第4の制御形態〕
次に、第4の制御形態に係る原稿移動ローラ27の制御について説明する。第4の制御形態は、排紙検知センサ23の検知状態の変化に基づいて原稿移動ローラ27の駆動を制御するものである。ここで、排紙検知センサ23の検知状態の変化とは、排紙検知センサ23の検知状態が、原稿が排出トレイ20上にある状態からない状態に変化したこと、または、原稿が排出トレイ20上にない状態からある状態に変化したことをいう。
【0061】
図9に示すように、制御装置4は、排紙検知センサ23の検知状態に変化があるか否かを確認する(S401)。そして、読取の終了した原稿が排出トレイ20上に排出されたり、ユーザが排出トレイ20上に原稿を置いたりすることで、原稿が排出トレイ20上にあると判断される状態となった場合(S401,Yes)、制御装置4は、再度排紙検知センサ23の検知状態に変化があるか否かを確認する(S402)。
【0062】
ステップS402において、原稿が排出トレイ20上にないと判断される状態となった場合(S402,No)は、ユーザによって排出トレイ20上の原稿が取り除かれたということなので、制御装置4は、ステップS403に進む。
【0063】
ステップS403では、制御装置4は、もう一度排紙検知センサ23の検知状態に変化があるか否かを確認する。原稿が排出トレイ20上にあると判断される状態となった場合(S403,Yes)は、原稿が誤って排出トレイ20上に載置されたということなので、制御装置4は、原稿移動ローラ27を駆動させる(S404)。これにより、排出トレイ20上の原稿Mを、供給方向および排出方向とは異なる方向に移動させることができるので、ユーザに排出トレイ20に原稿を載置したことを容易に気付かせることができる。
【0064】
そして、制御装置4は、所定時間が経過したか否かを判断して(S405)、所定時間が経過していない場合(S405,No)は原稿移動ローラ27の駆動を続行し、所定時間が経過した場合(S405,Yes)は原稿移動ローラ27の駆動を停止させる(S406)。これにより、原稿が排出トレイ20から落下することを防止できる。その後、制御装置4は、原稿移動ローラ27の制御を終了して図示しないメインルーチンへ戻る。
【0065】
なお、ステップS401〜S403において、排紙検知センサ23の検知状態に変化がない場合(S401,No、S402,YesまたはS403,No)は、制御装置4は、排紙検知センサ23の検知状態に変化があるか否かの確認を続行する。
【0066】
第4の制御形態によれば、排紙検知センサ23の検知状態の変化に基づいて原稿移動ローラ27の駆動を制御するので、原稿が排出トレイ20から取り除かれた後、再び排出トレイ20上にあると判断されるとき、すなわち、原稿が誤って排出トレイ20上に載置された場合に、原稿移動ローラ27を確実に駆動させることができる。これにより、ユーザに排出トレイ20に原稿を載置したことを確実に気付かせることができる。
【0067】
〔第5の制御形態〕
最後に、第5の制御形態に係る原稿移動ローラ27の制御について説明する。第5の制御形態は、排紙検知センサ23の検知状態の変化と搬送機構の駆動状態とに基づいて原稿移動ローラ27の駆動を制御するものである。具体的には、「排紙検知センサON」となったときに、読取が終了した原稿が排出トレイ20上に排出される場合を除いて、原稿移動ローラ27を駆動する制御形態である。
【0068】
図10に示すように、制御装置4は、排紙検知センサ23の検知状態に変化があるか否かを確認する(S501)。原稿が排出トレイ20上にあると判断される状態となった場合(S501,Yes)、制御装置4は、搬送機構の駆動状態を確認する(S502)。
【0069】
搬送機構が駆動中である場合、または、搬送機構が駆動を停止した後一定時間内である場合(S502,Yes)において、原稿が排出トレイ20上にある状態になったのは、搬送機構によって供給トレイ10から読取位置Rに搬送された原稿(読取が終了した原稿)が排出トレイ20上に排出されたからである。したがって、原稿が誤って排出トレイ20上に載置された場合ではないので、制御装置4は、原稿移動ローラ27を駆動することなく、制御を終了して図示しないメインルーチンへ戻る。
【0070】
ここで、一定時間とは、例えば、原稿を1枚だけ搬送する場合において、原稿の全部が排紙ローラ49から排出されて排紙ローラ49(搬送機構)が停止した後、排紙検知センサ23が原稿を検知するまでに要する予め設定された時間である。この一定時間は、制御装置4にデータとして記憶されている。なお、搬送機構が停止する前に、排紙検知センサ23が原稿を検知する構成では、一定時間は0としてもよい。
【0071】
搬送機構が駆動していない場合(駆動停止後一定時間内を除く)(S502,No)において、原稿が排出トレイ20上にある状態になったのは、原稿が誤って排出トレイ20上に載置された可能性が高いということなので、制御装置4は、原稿移動ローラ27を駆動させる(S503)。これにより、排出トレイ20上の原稿Mを、供給方向および排出方向とは異なる方向に移動させることができるので、ユーザに排出トレイ20に原稿を載置したことを容易に気付かせることができる。
【0072】
そして、制御装置4は、所定時間が経過したか否かを判断して(S504)、所定時間が経過していない場合(S504,No)は原稿移動ローラ27の駆動を続行し、所定時間が経過した場合(S504,Yes)は原稿移動ローラ27の駆動を停止させる(S505)。これにより、原稿が排出トレイ20から落下することを防止できる。その後、制御装置4は、原稿移動ローラ27の制御を終了して図示しないメインルーチンへ戻る。
【0073】
なお、ステップS501において、排紙検知センサ23の検知状態に変化がない場合(S501,No)は、制御装置4は、排紙検知センサ23の検知状態に変化があるか否かの確認を続行する。
【0074】
第5の制御形態によれば、排紙検知センサ23の検知状態の変化と搬送機構の駆動状態とに基づいて原稿移動ローラ27の駆動を制御するので、原稿が誤って排出トレイ20上に載置されている可能性が高い場合に、原稿移動ローラ27を確実に駆動させることができる。これにより、ユーザに排出トレイ20に原稿を載置したことを確実に気付かせることができる。
【0075】
なお、第5の制御形態の変形例として、制御装置4が、まず搬送機構の駆動状態を確認し、搬送機構が駆動していない(駆動停止後一定時間内を除く)ときに、原稿が排出トレイ20上にあると判断される状態となったら、原稿移動ローラ27を駆動するように制御してもよい(すなわち、図10に示すステップS501とステップS502を逆の順番で実行してもよい)。
【0076】
以上のように構成された原稿搬送装置3(原稿読取装置1)によれば、以下のような効果を得ることができる。
排出トレイ20に設けられた原稿移動ローラ27が、排出トレイ20上の原稿を、供給方向とは異なる方向に移動させるので、ユーザに排出トレイ20に原稿を載置したことを容易に気付かせることができる。これにより、原稿の搬送が開始されないときの確認作業の手間を省くことができるので、原稿搬送装置3をユーザにとって使いやすいものにすることができる。
【0077】
特に本実施形態では、原稿移動ローラ27が、排出トレイ20上の原稿を、排出方向とは異なる方向(図3の右斜め下方)に移動させるので、ユーザに排出トレイ20に原稿を載置したことを容易かつ確実に気付かせることができる。また、図11に示すように、原稿を重ねて排出トレイ20に載置した場合、原稿移動ローラ27によって、少なくとも最も下にある原稿M1が右斜め下方(矢印方向)に向かって移動する。その結果、移動した原稿M1は、移動しなかった原稿M2に対して斜めにずれるので、排出方向にずれた場合と比較して、見た目のずれ具合を大きくすることができる。これにより、ユーザに排出トレイ20に原稿を載置したことをより確実に気付かせることができる。
【0078】
排紙ローラ49と原稿移動ローラとの距離Lが、原稿搬送部30が搬送可能な最小サイズの原稿の搬送方向における長さよりも短いので、原稿移動ローラ27によって、原稿搬送部30が搬送可能なすべてのサイズの原稿を移動させることができる。これにより、どのようなサイズの原稿であっても、ユーザに排出トレイ20に原稿を載置したことを容易に気付かせることができる。
【0079】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記した実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【0080】
前記した実施形態では、移動機構の一例としての原稿移動ローラ27を、排出トレイ20に1つ設けた構成を示したが、本発明はこれに限定されず、複数設けた構成としてもよい。この場合、複数の原稿移動ローラを、排出方向に並べて配置してもよいし、幅方向に並べて配置してもよい。
【0081】
前記した実施形態では、移動機構の一例としてローラ(原稿移動ローラ27)を採用した例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、無端状のベルトなどを採用してもよい。なお、本実施形態のように、ローラを採用することで、ベルトなどを採用した場合と比較して、移動機構や排出トレイを小型かつ軽量とすることができるとともに、移動機構の構成やメンテナンスを簡略化することができる。
【0082】
前記した実施形態では、原稿移動ローラ27が、排出トレイ20上の原稿を排出方向とは異なる方向(図3の右斜め下方)に移動させる構成を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、排出方向(図3の右方向)に移動させる構成としてもよい。
【0083】
前記した実施形態では、排出トレイ20が供給トレイ10の上方に配置される原稿搬送装置3に本発明を適用した例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、排出トレイが供給トレイの下方に配置される原稿搬送装置に本発明を適用してもよいし、排出トレイと供給トレイとが原稿搬送部を挟むように配置される原稿搬送装置に本発明を適用してもよい。
【0084】
前記した実施形態では、搬送開始の指示を入力する構成として、複数の操作ボタンから構成された操作部5を採用した例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、タッチパネルを採用してもよい。また、搬送開始の指示を入力する構成は、装置自体に設けられるものに限定されず、例えば、装置外部に設けられたパーソナルコンピュータやリモートコントローラーなどであってもよい。
【0085】
前記した実施形態で示した原稿搬送部30の構成は一例であり、本発明はこれに限定されず、例えば、原稿の片面のみを読取可能とする構成としてもよい。すなわち、搬送経路の断面形状や反転経路の有無、各ローラの数・配置などは適宜変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の実施形態に係る原稿搬送装置を備えた原稿読取装置の全体構成を示す図である。
【図2】原稿搬送部の拡大図である。
【図3】排出トレイと排紙ローラを上から見た図である。
【図4】(a)および(b)は両面読取時の動作を説明するための図である。
【図5】片面読取時の動作を説明するための図である。
【図6】第1の制御形態における制御装置による原稿移動ローラ制御のフローチャートである。
【図7】第2の制御形態における制御装置による原稿移動ローラ制御のフローチャートである。
【図8】第3の制御形態における制御装置による原稿移動ローラ制御のフローチャートである。
【図9】第4の制御形態における制御装置による原稿移動ローラ制御のフローチャートである。
【図10】第5の制御形態における制御装置による原稿移動ローラ制御のフローチャートである。
【図11】原稿を重ねて排出トレイに載置した場合における原稿移動ローラによる原稿の移動の様子を示す図である。
【符号の説明】
【0087】
3 原稿搬送装置
4 制御装置
5 操作部
10 供給トレイ
13 給紙検知センサ
20 排出トレイ
23 排紙検知センサ
27 原稿移動ローラ
30 原稿搬送部
41 吸入ローラ
42 吸入ニップ片
43 分離ローラ
44 分離ニップ片
45 第1搬送ローラ
47 第2搬送ローラ
49 排紙ローラ
L 距離
M 原稿
M1 原稿
M2 原稿
R 読取位置
【技術分野】
【0001】
本発明は、原稿を供給トレイから読取位置を経て排出トレイに搬送する原稿搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ADF(Auto Document Feeder)などの原稿搬送装置の中には、排出トレイの上方に配置された供給トレイに原稿を載置するタイプのものや、排出トレイの下方に配置された供給トレイに原稿を載置するタイプのものなどがある(例えば、特許文献1,2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2006−347684号公報
【特許文献2】特開2007−238252号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、原稿を載置する供給トレイの配置位置が異なる原稿搬送装置が混在している状況では、ユーザは誤って排出トレイに原稿を載置してしまう可能性がある。排出トレイに原稿を載置した場合、スタートボタンなどを操作しても原稿の搬送(読取)は開始されないので、ユーザは排出トレイに原稿を載置したことに気付くまで、原稿の搬送が開始されない原因を1つずつ確認しなければならず、煩わしいという問題があった。
【0005】
そこで、本発明は、ユーザに排出トレイに原稿を載置したことを容易に気付かせることができる原稿搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した目的を達成するため、本発明の原稿搬送装置は、原稿を載置する供給トレイと、原稿が排出される排出トレイと、原稿を前記供給トレイから読取位置を経て前記排出トレイに搬送する原稿搬送部と、前記排出トレイに設けられ、前記排出トレイ上の原稿を、前記原稿搬送部に向かう方向とは異なる方向に移動させる移動機構とを備えたことを特徴とする。
【0007】
このように構成された原稿搬送装置によれば、排出トレイに設けられた移動機構により、誤って排出トレイに載置された原稿を、原稿搬送部に向かう方向とは異なる方向に移動させることができる。これにより、排出トレイ上の原稿は、原稿搬送部に向けて供給される方向とは異なる方向に移動するので、ユーザに排出トレイに原稿を載置したことを容易に気付かせることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の原稿搬送装置によれば、排出トレイに設けられた移動機構によって、排出トレイに原稿を載置したことを容易に気付かせることができる。これにより、原稿の搬送が開始されないときの確認作業の手間を省くことができるので、原稿搬送装置をユーザにとって使いやすいものにすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
次に、本発明の実施形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。参照する図面において、図1は本発明の実施形態に係る原稿搬送装置を備えた原稿読取装置の全体構成を示す図であり、図2は原稿搬送部の拡大図である。
【0010】
ここで、以下の説明において、「搬送方向」とは原稿が供給トレイ10から排出トレイ20に向けて搬送される方向(図1の矢印方向)であり、「排出方向」とは原稿が原稿搬送部30から排出トレイ20に排出される方向である。また、搬送方向・搬出方向における上流および下流をそれぞれ単に「上流」および「下流」といい、原稿の搬送方向・排出方向に直交する方向(図1の手前・奥側の方向)を「幅方向」という。
【0011】
図1に示すように、原稿読取装置1は、公知の構成を有するフラットベッドスキャナ2と、原稿を読取位置Rに搬送する原稿搬送装置3と、原稿の読取動作を制御する制御装置4と、ユーザが操作する操作部5とを主に備えている。
【0012】
<フラットベッドスキャナの構成>
フラットベッドスキャナ2は、原稿読取装置1の下部に配置され、原稿を載置する原稿台となるプラテンガラス2Gと、イメージセンサ2S(読取装置)とを主に備えている。このフラットベッドスキャナ2では、イメージセンサ2Sによって、プラテンガラス2Gに載置された原稿を走査しながら読み取ることができるとともに、読取位置Rに搬送された原稿を読み取ることができる。
【0013】
<原稿搬送装置の構成>
原稿搬送装置3は、原稿を読取位置Rに搬送して、原稿の片面または両面を読み取り可能とする装置であり、フラットベッドスキャナ2の上方に配置され、プラテンガラス2Gに対して開閉可能に設けられている。この原稿搬送装置3は、原稿を載置する供給トレイ10と、原稿が排出される排出トレイ20と、原稿を搬送する原稿搬送部30とを主に備えている。
【0014】
[排出トレイの構成]
排出トレイ20は、供給トレイ10の上方に配置され、固定トレイ21と、固定トレイ21の上流側に配置されたフラップ22とから主に構成されている。また、排出トレイ20には、排出トレイ20に排出された原稿を検知する公知の排紙検知センサ23と、移動機構の一例としての原稿移動ローラ27とが設けられている。原稿移動ローラ27の詳細については後述する。
【0015】
固定トレイ21は、原稿搬送部30に対して変位しないように固定されている。
フラップ22は、下流側に設けられた揺動軸22Aを中心として、固定トレイ21に対して上下に揺動可能となるように、原稿搬送装置3の本体フレーム30Aに支持されている。このフラップ22は、上流側の先端部に、下方に屈曲した屈曲部22Cが形成されている。また、フラップ22の上流側の先端部には、カム24が係合している。
【0016】
カム24は、フラップ22の下方で幅方向両端に渡って延びる押上バー24Aと、フラップ22の両側に設けられた軸部24Bと、押上バー24Aの両端と各軸部24Bを連結する連結部24Cとから構成されている。各軸部24Bは本体フレーム30Aに軸支されている。このようなカム24は、制御装置4により制御される図示しない駆動手段によって正逆方向に回動することで、フラップ22を、図1に示す下方にある状態と、図5に示す上方にある状態との間で揺動させる。
【0017】
[原稿搬送部の構成]
図2に示すように、原稿搬送部30には、原稿を供給トレイ10から排出トレイ20に案内する搬送経路31と、原稿をスイッチバックさせるための反転経路32とが形成されている。また、原稿搬送部30には、供給トレイ10に載置された原稿を検知する公知の給紙検知センサ13が設けられている。
【0018】
搬送経路31は、供給トレイ10から略水平に延びる吸入路31Aと、吸入路31Aから斜め下方に向かって延びる傾斜路31Bと、傾斜路31Bから略水平に延びる水平路31Cと、水平路31Cから上方に向かって弧状に延びる湾曲路31Dと、湾曲路31Dから排出トレイ20(外部)に向かって斜め上方に延びる排出路31Eとから構成されている。搬送経路31のうち、水平路31Cの下側は、プラテンガラス2Gを介してイメージセンサ2Sと対向する読取位置Rとなっている。
【0019】
搬送経路31には、原稿を供給トレイ10から読取位置Rを経て排出トレイ20に搬送する搬送機構が設けられている。搬送機構は、吸入路31Aに設けられた吸入ローラ41、吸入ニップ片42、分離ローラ43および分離ニップ片44と、傾斜路31Bに設けられた第1搬送ローラ45と、湾曲路31Dに設けられた第2搬送ローラ47と、排出路31Eに設けられた排出機構の一例としての排紙ローラ49とから主に構成されている。
【0020】
吸入ローラ41と吸入ニップ片42は、供給トレイ10上の原稿を分離ローラ43に寄せる部材であり、分離ローラ43と分離ニップ片44は、原稿を1枚ずつ分離して読取位置Rに送り出す部材である。また、第1搬送ローラ45と第2搬送ローラ47は、搬送経路31において原稿を搬送するローラであり、排紙ローラ49は、読取が終了した原稿を排出トレイ20に排出するローラである。
【0021】
反転経路32は、湾曲路31Dから分岐して外部(図2の右側)に向かって延びる第1反転経路32Aと、第1反転経路32Aの略中央から分岐して斜め下方に延び、傾斜路31Bに合流する第2反転経路32Bとから構成されている。この反転経路32には、スイッチバック時に原稿を搬送したり、ガイドしたりする反転機構が設けられている。
【0022】
反転機構は、第1反転経路32Aに設けられた第3搬送ローラ51およびスイッチバックローラ53と、湾曲路31Dと第1反転経路32Aとの分岐部分に設けられた第1ガイド部材61と、第1反転経路32Aと第2反転経路32Bとの分岐部分に設けられた第2ガイド部材62とから構成されている。
【0023】
第3搬送ローラ51は、第1反転経路32Aにおいて原稿を搬送するローラであり、スイッチバックローラ53は、原稿の一部を外部に排出するローラである。第1ガイド部材61と第2ガイド部材62は、揺動可能に構成され、原稿が搬送される経路を切り替える部材である。
【0024】
<制御装置・操作部の構成>
制御装置4は、図示しないCPU、RAM、ROM、入出力回路などを備えて構成されており、原稿搬送装置3内の適宜な位置に配置されている。この制御装置4は、ROMに記憶されたプログラムやデータ、給紙検知センサ13や排紙検知センサ23、操作部5からの出力などに基づいて、搬送機構や反転機構、原稿移動ローラ27、イメージセンサ2Sなどの駆動を制御する。制御装置4による原稿移動ローラ27の制御については後述する。
【0025】
操作部5は、ユーザが原稿読取装置1を操作する構成であり、本実施形態では複数の操作ボタン(図1参照)から構成されている。ユーザは、操作部5を操作することで、読取開始の指示(原稿搬送装置3にとっては搬送開始の指示)などを入力することができる。
【0026】
<原稿移動ローラの構成>
次に、本発明の特徴部分である原稿移動ローラ27の構成について説明する。図3は排出トレイと排紙ローラを上から見た図である。
【0027】
図2に示すように、原稿移動ローラ27は、排出トレイ20のうち、排紙検知センサ23の下流側で、上部が排出トレイ20(固定トレイ21)の原稿載置面21Aから突出するように配置されている。この原稿移動ローラ27は、制御装置4により制御される図示しない駆動手段から駆動力が伝達されることで、図2の時計回り方向(矢印方向)に回転駆動する。
【0028】
これにより、誤って排出トレイ20に載置された原稿を、原稿搬送部30に向かう方向とは異なる方向に移動させることができる。ここで、原稿搬送部30に向かう方向とは、供給トレイ10にセットされた原稿が原稿搬送部30内に供給される方向(供給方向)と等しいので、原稿移動ローラ27は、排出トレイ20上の原稿を、供給方向とは異なる方向に移動させることができる。
【0029】
また、図3に示すように、原稿移動ローラ27は、排出方向に対して所定角度傾いた状態で配置されている。これにより、原稿移動ローラ27は、排出トレイ20上の原稿Mを、供給方向(図3の左方向)および排出方向(図3の右方向)とは異なる方向に移動させることができる。具体的に、本実施形態では、原稿移動ローラ27は、排出トレイ20上の原稿Mを、図3の右斜め下方(矢印方向)に向けて移動させることができる。その結果、ユーザが、原稿移動ローラ27によって移動した原稿を、原稿搬送部30から排出された原稿と誤認する可能性を低減することができる。
【0030】
さらに、原稿移動ローラ27は、排紙ローラ49までの距離Lが、原稿搬送部30が搬送可能な最小サイズの原稿の搬送方向(図3の左右方向)における長さよりも短くなるような位置に配置されている。これにより、原稿移動ローラ27は、原稿搬送部30が搬送可能なすべてのサイズの原稿を移動させることができる。
【0031】
<原稿読取装置の動作>
次に、以上のように構成された原稿読取装置1の動作について説明する。図4(a)および(b)は両面読取時の動作を説明するための図であり、図5は片面読取時の動作を説明するための図である。また、図6ないし図10は制御装置による原稿移動ローラ制御のフローチャートである。
【0032】
[両面読取時の動作]
図4(a)に示すように、両面読取時には、原稿M2は、表の読取面P3を下向きにし、裏の読取面P4を上向きにして供給トレイ10上にセットされる。また、ユーザが操作部5を操作して両面読取を選択すると、フラップ22が下方に、第1ガイド部材61が上方に、第2ガイド部材62が下方に、それぞれ揺動する。
【0033】
ユーザが読取開始の指示を入力すると、供給トレイ10上の原稿M2は、読取位置Rに搬送されて読取面P3が読み取られる。その後、湾曲路31Dから第1反転経路32Aに入り、第1反転経路32Aを外部に向けて搬送される。
【0034】
原稿M2のほぼ全部がスイッチバックローラ53から排出されると、スイッチバックローラ53は公知の制御によって一時的に停止する。このとき、図4(b)に示すように、原稿M2は、表の読取面P3を上向きにし、裏の読取面P4を下向きにした状態となる。また、第1ガイド部材61が下方に、第2ガイド部材62が上方に、それぞれ揺動して原稿の経路を切り替える。
【0035】
そして、スイッチバックローラ53が反転することで、原稿M2は、第1反転経路32Aに引き戻されて第2反転経路32Bに入り、再び読取位置Rに搬送されて読取面P4が読み取られる。その後、湾曲路31Dと排出路31Eを通って、表の読取面P3を下向きにし、裏の読取面P4を上向きにした状態で排出トレイ20上に排出される。
【0036】
なお、フラップ22が下方にある状態では、屈曲部22Cが排紙ローラ49よりも下方に位置しているので、屈曲部22C上に載っている既に排出された原稿M1の後端は排紙ローラ49よりも下方に位置することとなる。これにより、後に排出される原稿は、表の読取面を下向きにし、裏の読取面を上向きにして、既に排出された原稿の上に積層するように排出される。このとき、原稿M1,M2のページ順は、下から順にP1,P2,P3,P4と、原稿M1,M2を供給トレイ10上に載置したときのページ順と同じ順番に整列する。
【0037】
[片面読取時の動作]
図5に示すように、片面読取時には、原稿M2は、読取面P2を下向きにして供給トレイ10上にセットされる。また、ユーザが操作部5を操作して片面読取を選択すると、フラップ22が上方に、第1ガイド部材61が下方に、それぞれ揺動する。
【0038】
ユーザが読取開始の指示を入力すると、供給トレイ10上の原稿M2は、読取位置Rに搬送されて読取面P2が読み取られる。その後、湾曲路31Dと排出路31Eを通って、読取面P2を上向きにした状態で排出トレイ20上に排出される。
【0039】
なお、フラップ22が上方にある状態では、屈曲部22Cが一対の排紙ローラ49がニップする位置よりも上方に位置しているので、フラップ22上に載っている既に排出された原稿M1の後端は一対の排紙ローラ49がニップする位置よりも上方に位置することとなる。これにより、後に排出される原稿は、読取面を上向きにして、既に排出された原稿の後端に下方から当接した後、原稿M1の下に潜り込むように排出される。このとき、原稿M1,M2のページ順は、上から順にP1,P2と、原稿M1,M2を供給トレイ10上に載置したときのページ順と同じ順番に整列する。
【0040】
[制御装置による原稿移動ローラ制御]
次に、制御装置4による原稿移動ローラ27の制御について、いくつか例を挙げて説明する。なお、図7ないし図10において、「検知センサON」が、「Yes」とは原稿がトレイ上にある場合であり、「No」とは原稿がトレイ上にない場合である。
【0041】
ここで、以下の説明において、「所定時間」は、原稿移動ローラ27が駆動を開始してから停止するまでの時間であり、制御装置4にデータとして記憶されている。この所定時間は、原稿移動ローラ27の回転駆動によって移動する原稿が、排出トレイ20から落下しないだけの時間となるように予め設定されている。なお、所定時間は、原稿搬送部30で搬送可能な原稿のサイズや、排出トレイ20の大きさ(寸法)などに応じて適宜設定することができるので、制御装置4に記憶させる所定時間は、1つであってもよいし、原稿のサイズに応じて複数であってもよい。
【0042】
〔第1の制御形態〕
まず、第1の制御形態における原稿移動ローラ27の制御について説明する。第1の制御形態は、センサの検知に基づく判断をすることなく、原稿移動ローラ27の駆動を制御するものである。
【0043】
図6に示すように、ユーザが操作する操作部5から読取開始の指示(以下、搬送開始の指示という)が入力される(S101,Yes)と、制御装置4は、原稿移動ローラ27を駆動させる(S102)。これにより、排出トレイ20上の原稿Mを、供給方向および排出方向とは異なる方向に移動させることができるので、ユーザに排出トレイ20に原稿を載置したことを容易に気付かせることができる。
【0044】
そして、制御装置4は、記憶したデータに基づいて所定時間が経過したか否かを判断する(S103)。所定時間が経過していない場合(S103,No)、制御装置4は、原稿移動ローラ27の駆動を続行する。所定時間が経過した場合(S103,Yes)は、制御装置4は、原稿移動ローラ27の駆動を停止させ(S104)、原稿移動ローラ27の制御を終了してステップS101へ戻る。
なお、搬送開始の指示が入力されない場合(S101,No)は、原稿搬送装置3はユーザの指示待ち状態(待機状態)となる。
【0045】
第1の制御形態によれば、センサの検知に基づく判断をすることなく、原稿移動ローラ27の駆動を制御するので、センサの誤検知や故障などに起因する原稿移動ローラ27の誤動作を防止することができる。また、給紙検知センサ13や排紙検知センサ23を備えない原稿搬送装置に対しても原稿移動ローラ27の制御を行うことが可能となる。また、給紙検知センサ13や排紙検知センサ23が不要となるので、コストダウンを図ることができる。
【0046】
さらに、原稿移動ローラ27を排出トレイ20から原稿が落下しないだけの所定時間駆動させて停止させることで、原稿が排出トレイ20から落下することを防止できる。これにより、落下した原稿を拾い集めるなどの手間を省くことができるので、原稿搬送装置3をユーザにとってより使いやすいものにすることができる。
【0047】
〔第2の制御形態〕
次に、第2の制御形態における原稿移動ローラ27の制御について説明する。第2の制御形態は、搬送開始の指示の入力後、給紙検知センサ13の検知に基づいて原稿移動ローラ27の駆動を制御するものである。
【0048】
図7に示すように、ユーザが操作する操作部5から搬送開始の指示が入力される(S201,Yes)と、制御装置4は、給紙検知センサ13の検知に基づいて原稿が供給トレイ10上にある(セットされている)か否かを判断する(S202)。
【0049】
原稿が供給トレイ10上にないと判断した場合(S202,No)、搬送開始の指示が入力されたにもかかわらず、読み取るべき原稿が供給トレイ10にセットされていないということなので、原稿が誤って排出トレイ20上に載置されている可能性がある。そこで、制御装置4は、原稿移動ローラ27を駆動させる(S203)。これにより、排出トレイ20上の原稿Mを、供給方向および排出方向とは異なる方向に移動させることができるので、ユーザに排出トレイ20に原稿を載置したことを容易に気付かせることができる。
【0050】
そして、制御装置4は、所定時間が経過したか否かを判断して(S204)、所定時間が経過していない場合(S204,No)は原稿移動ローラ27の駆動を続行し、所定時間が経過した場合(S204,Yes)は原稿移動ローラ27の駆動を停止させる(S205)。これにより、原稿が排出トレイ20から落下することを防止できる。その後、制御装置4は、原稿移動ローラ27の制御を終了してステップS201へ戻る。
【0051】
一方、原稿が供給トレイ10上にあると判断した場合(S202,Yes)は、原稿が供給トレイ10にセットされているということなので、制御装置4は、搬送機構を駆動して原稿の搬送(読取)を実行する(S206)。原稿の搬送が終了した(S207)後、制御装置4は、ステップS201へ戻る。
なお、搬送開始の指示が入力されない場合(S201,No)は、原稿搬送装置3は待機状態となる。
【0052】
第2の制御形態によれば、給紙検知センサ13の検知に基づいて原稿移動ローラ27の駆動を制御することで、不要な原稿移動ローラ27の駆動を防止することができる。また、供給トレイ10上に原稿がある場合には、原稿移動ローラ27を駆動させることなく、速やかに原稿の搬送(読取)を開始することができる。さらに、排紙検知センサ23を備えない原稿搬送装置に対しても原稿移動ローラ27の制御を行うことが可能となる。
【0053】
〔第3の制御形態〕
次に、第3の制御形態に係る原稿移動ローラ27の制御について説明する。第3の制御形態は、搬送開始の指示の入力後、排紙検知センサ23の検知に基づいて原稿移動ローラ27の駆動を制御するものである。
【0054】
図8に示すように、ユーザが操作する操作部5から搬送開始の指示が入力される(S301,Yes)と、制御装置4は、排紙検知センサ23の検知に基づいて原稿が排出トレイ20上にあるか否かを判断する(S302)。
【0055】
原稿が排出トレイ20上にあると判断した場合(S302,Yes)、原稿が誤って排出トレイ20上に載置されている可能性があるので、制御装置4は、原稿移動ローラ27を駆動させる(S303)。これにより、排出トレイ20上の原稿Mを、供給方向および排出方向とは異なる方向に移動させることができるので、ユーザに排出トレイ20に原稿を載置したことを容易に気付かせることができる。
【0056】
そして、制御装置4は、所定時間が経過したか否かを判断して(S304)、所定時間が経過していない場合(S304,No)は原稿移動ローラ27の駆動を続行し、所定時間が経過した場合(S304,Yes)は原稿移動ローラ27の駆動を停止させる(S305)。これにより、原稿が排出トレイ20から落下することを防止できる。その後、制御装置4は、原稿移動ローラ27の制御を終了してステップS301へ戻る。
【0057】
一方、原稿が排出トレイ20上にないと判断した場合(S302,No)、制御装置4は、給紙検知センサ13の検知に基づいて原稿が供給トレイ10上にあるか否かを判断する(S306)。原稿が供給トレイ10上にあると判断した場合(S306,Yes)は、原稿が供給トレイ10にセットされているということなので、制御装置4は、原稿の搬送(読取)を実行する(S307)。原稿の搬送が終了した(S308)後、制御装置4は、ステップS301へ戻る。
【0058】
原稿が供給トレイ10上にないと判断した場合(S306,No)は、原稿が供給トレイ10にセットされていないということなので、制御装置4は、ステップS301へ戻る。なお、この場合、イメージセンサ2Sを走査させて、プラテンガラス2Gに載置された原稿の読取を実行した後、ステップS301へ戻るように制御してもよい。
ステップS301において、搬送開始の指示が入力されない場合(S301,No)は、原稿搬送装置3は待機状態となる。
【0059】
第3の制御形態によれば、排紙検知センサ23の検知に基づいて原稿移動ローラ27の駆動を制御するので、搬送開始の指示の入力後に原稿が排出トレイ20上にあると判断されるとき、すなわち、原稿が誤って排出トレイ20上に載置されている可能性が高い場合に、原稿移動ローラ27を確実に駆動させることができる。これにより、ユーザに排出トレイ20に原稿を載置したことを確実に気付かせることができる。また、給紙検知センサ13を備えない原稿搬送装置に対しても原稿移動ローラ27の制御を行うことが可能となる。
【0060】
〔第4の制御形態〕
次に、第4の制御形態に係る原稿移動ローラ27の制御について説明する。第4の制御形態は、排紙検知センサ23の検知状態の変化に基づいて原稿移動ローラ27の駆動を制御するものである。ここで、排紙検知センサ23の検知状態の変化とは、排紙検知センサ23の検知状態が、原稿が排出トレイ20上にある状態からない状態に変化したこと、または、原稿が排出トレイ20上にない状態からある状態に変化したことをいう。
【0061】
図9に示すように、制御装置4は、排紙検知センサ23の検知状態に変化があるか否かを確認する(S401)。そして、読取の終了した原稿が排出トレイ20上に排出されたり、ユーザが排出トレイ20上に原稿を置いたりすることで、原稿が排出トレイ20上にあると判断される状態となった場合(S401,Yes)、制御装置4は、再度排紙検知センサ23の検知状態に変化があるか否かを確認する(S402)。
【0062】
ステップS402において、原稿が排出トレイ20上にないと判断される状態となった場合(S402,No)は、ユーザによって排出トレイ20上の原稿が取り除かれたということなので、制御装置4は、ステップS403に進む。
【0063】
ステップS403では、制御装置4は、もう一度排紙検知センサ23の検知状態に変化があるか否かを確認する。原稿が排出トレイ20上にあると判断される状態となった場合(S403,Yes)は、原稿が誤って排出トレイ20上に載置されたということなので、制御装置4は、原稿移動ローラ27を駆動させる(S404)。これにより、排出トレイ20上の原稿Mを、供給方向および排出方向とは異なる方向に移動させることができるので、ユーザに排出トレイ20に原稿を載置したことを容易に気付かせることができる。
【0064】
そして、制御装置4は、所定時間が経過したか否かを判断して(S405)、所定時間が経過していない場合(S405,No)は原稿移動ローラ27の駆動を続行し、所定時間が経過した場合(S405,Yes)は原稿移動ローラ27の駆動を停止させる(S406)。これにより、原稿が排出トレイ20から落下することを防止できる。その後、制御装置4は、原稿移動ローラ27の制御を終了して図示しないメインルーチンへ戻る。
【0065】
なお、ステップS401〜S403において、排紙検知センサ23の検知状態に変化がない場合(S401,No、S402,YesまたはS403,No)は、制御装置4は、排紙検知センサ23の検知状態に変化があるか否かの確認を続行する。
【0066】
第4の制御形態によれば、排紙検知センサ23の検知状態の変化に基づいて原稿移動ローラ27の駆動を制御するので、原稿が排出トレイ20から取り除かれた後、再び排出トレイ20上にあると判断されるとき、すなわち、原稿が誤って排出トレイ20上に載置された場合に、原稿移動ローラ27を確実に駆動させることができる。これにより、ユーザに排出トレイ20に原稿を載置したことを確実に気付かせることができる。
【0067】
〔第5の制御形態〕
最後に、第5の制御形態に係る原稿移動ローラ27の制御について説明する。第5の制御形態は、排紙検知センサ23の検知状態の変化と搬送機構の駆動状態とに基づいて原稿移動ローラ27の駆動を制御するものである。具体的には、「排紙検知センサON」となったときに、読取が終了した原稿が排出トレイ20上に排出される場合を除いて、原稿移動ローラ27を駆動する制御形態である。
【0068】
図10に示すように、制御装置4は、排紙検知センサ23の検知状態に変化があるか否かを確認する(S501)。原稿が排出トレイ20上にあると判断される状態となった場合(S501,Yes)、制御装置4は、搬送機構の駆動状態を確認する(S502)。
【0069】
搬送機構が駆動中である場合、または、搬送機構が駆動を停止した後一定時間内である場合(S502,Yes)において、原稿が排出トレイ20上にある状態になったのは、搬送機構によって供給トレイ10から読取位置Rに搬送された原稿(読取が終了した原稿)が排出トレイ20上に排出されたからである。したがって、原稿が誤って排出トレイ20上に載置された場合ではないので、制御装置4は、原稿移動ローラ27を駆動することなく、制御を終了して図示しないメインルーチンへ戻る。
【0070】
ここで、一定時間とは、例えば、原稿を1枚だけ搬送する場合において、原稿の全部が排紙ローラ49から排出されて排紙ローラ49(搬送機構)が停止した後、排紙検知センサ23が原稿を検知するまでに要する予め設定された時間である。この一定時間は、制御装置4にデータとして記憶されている。なお、搬送機構が停止する前に、排紙検知センサ23が原稿を検知する構成では、一定時間は0としてもよい。
【0071】
搬送機構が駆動していない場合(駆動停止後一定時間内を除く)(S502,No)において、原稿が排出トレイ20上にある状態になったのは、原稿が誤って排出トレイ20上に載置された可能性が高いということなので、制御装置4は、原稿移動ローラ27を駆動させる(S503)。これにより、排出トレイ20上の原稿Mを、供給方向および排出方向とは異なる方向に移動させることができるので、ユーザに排出トレイ20に原稿を載置したことを容易に気付かせることができる。
【0072】
そして、制御装置4は、所定時間が経過したか否かを判断して(S504)、所定時間が経過していない場合(S504,No)は原稿移動ローラ27の駆動を続行し、所定時間が経過した場合(S504,Yes)は原稿移動ローラ27の駆動を停止させる(S505)。これにより、原稿が排出トレイ20から落下することを防止できる。その後、制御装置4は、原稿移動ローラ27の制御を終了して図示しないメインルーチンへ戻る。
【0073】
なお、ステップS501において、排紙検知センサ23の検知状態に変化がない場合(S501,No)は、制御装置4は、排紙検知センサ23の検知状態に変化があるか否かの確認を続行する。
【0074】
第5の制御形態によれば、排紙検知センサ23の検知状態の変化と搬送機構の駆動状態とに基づいて原稿移動ローラ27の駆動を制御するので、原稿が誤って排出トレイ20上に載置されている可能性が高い場合に、原稿移動ローラ27を確実に駆動させることができる。これにより、ユーザに排出トレイ20に原稿を載置したことを確実に気付かせることができる。
【0075】
なお、第5の制御形態の変形例として、制御装置4が、まず搬送機構の駆動状態を確認し、搬送機構が駆動していない(駆動停止後一定時間内を除く)ときに、原稿が排出トレイ20上にあると判断される状態となったら、原稿移動ローラ27を駆動するように制御してもよい(すなわち、図10に示すステップS501とステップS502を逆の順番で実行してもよい)。
【0076】
以上のように構成された原稿搬送装置3(原稿読取装置1)によれば、以下のような効果を得ることができる。
排出トレイ20に設けられた原稿移動ローラ27が、排出トレイ20上の原稿を、供給方向とは異なる方向に移動させるので、ユーザに排出トレイ20に原稿を載置したことを容易に気付かせることができる。これにより、原稿の搬送が開始されないときの確認作業の手間を省くことができるので、原稿搬送装置3をユーザにとって使いやすいものにすることができる。
【0077】
特に本実施形態では、原稿移動ローラ27が、排出トレイ20上の原稿を、排出方向とは異なる方向(図3の右斜め下方)に移動させるので、ユーザに排出トレイ20に原稿を載置したことを容易かつ確実に気付かせることができる。また、図11に示すように、原稿を重ねて排出トレイ20に載置した場合、原稿移動ローラ27によって、少なくとも最も下にある原稿M1が右斜め下方(矢印方向)に向かって移動する。その結果、移動した原稿M1は、移動しなかった原稿M2に対して斜めにずれるので、排出方向にずれた場合と比較して、見た目のずれ具合を大きくすることができる。これにより、ユーザに排出トレイ20に原稿を載置したことをより確実に気付かせることができる。
【0078】
排紙ローラ49と原稿移動ローラとの距離Lが、原稿搬送部30が搬送可能な最小サイズの原稿の搬送方向における長さよりも短いので、原稿移動ローラ27によって、原稿搬送部30が搬送可能なすべてのサイズの原稿を移動させることができる。これにより、どのようなサイズの原稿であっても、ユーザに排出トレイ20に原稿を載置したことを容易に気付かせることができる。
【0079】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記した実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。
【0080】
前記した実施形態では、移動機構の一例としての原稿移動ローラ27を、排出トレイ20に1つ設けた構成を示したが、本発明はこれに限定されず、複数設けた構成としてもよい。この場合、複数の原稿移動ローラを、排出方向に並べて配置してもよいし、幅方向に並べて配置してもよい。
【0081】
前記した実施形態では、移動機構の一例としてローラ(原稿移動ローラ27)を採用した例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、無端状のベルトなどを採用してもよい。なお、本実施形態のように、ローラを採用することで、ベルトなどを採用した場合と比較して、移動機構や排出トレイを小型かつ軽量とすることができるとともに、移動機構の構成やメンテナンスを簡略化することができる。
【0082】
前記した実施形態では、原稿移動ローラ27が、排出トレイ20上の原稿を排出方向とは異なる方向(図3の右斜め下方)に移動させる構成を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、排出方向(図3の右方向)に移動させる構成としてもよい。
【0083】
前記した実施形態では、排出トレイ20が供給トレイ10の上方に配置される原稿搬送装置3に本発明を適用した例を示したが、これに限定されるものではない。例えば、排出トレイが供給トレイの下方に配置される原稿搬送装置に本発明を適用してもよいし、排出トレイと供給トレイとが原稿搬送部を挟むように配置される原稿搬送装置に本発明を適用してもよい。
【0084】
前記した実施形態では、搬送開始の指示を入力する構成として、複数の操作ボタンから構成された操作部5を採用した例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、タッチパネルを採用してもよい。また、搬送開始の指示を入力する構成は、装置自体に設けられるものに限定されず、例えば、装置外部に設けられたパーソナルコンピュータやリモートコントローラーなどであってもよい。
【0085】
前記した実施形態で示した原稿搬送部30の構成は一例であり、本発明はこれに限定されず、例えば、原稿の片面のみを読取可能とする構成としてもよい。すなわち、搬送経路の断面形状や反転経路の有無、各ローラの数・配置などは適宜変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の実施形態に係る原稿搬送装置を備えた原稿読取装置の全体構成を示す図である。
【図2】原稿搬送部の拡大図である。
【図3】排出トレイと排紙ローラを上から見た図である。
【図4】(a)および(b)は両面読取時の動作を説明するための図である。
【図5】片面読取時の動作を説明するための図である。
【図6】第1の制御形態における制御装置による原稿移動ローラ制御のフローチャートである。
【図7】第2の制御形態における制御装置による原稿移動ローラ制御のフローチャートである。
【図8】第3の制御形態における制御装置による原稿移動ローラ制御のフローチャートである。
【図9】第4の制御形態における制御装置による原稿移動ローラ制御のフローチャートである。
【図10】第5の制御形態における制御装置による原稿移動ローラ制御のフローチャートである。
【図11】原稿を重ねて排出トレイに載置した場合における原稿移動ローラによる原稿の移動の様子を示す図である。
【符号の説明】
【0087】
3 原稿搬送装置
4 制御装置
5 操作部
10 供給トレイ
13 給紙検知センサ
20 排出トレイ
23 排紙検知センサ
27 原稿移動ローラ
30 原稿搬送部
41 吸入ローラ
42 吸入ニップ片
43 分離ローラ
44 分離ニップ片
45 第1搬送ローラ
47 第2搬送ローラ
49 排紙ローラ
L 距離
M 原稿
M1 原稿
M2 原稿
R 読取位置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
原稿を載置する供給トレイと、
原稿が排出される排出トレイと、
原稿を前記供給トレイから読取位置を経て前記排出トレイに搬送する原稿搬送部と、
前記排出トレイに設けられ、前記排出トレイ上の原稿を、前記原稿搬送部に向かう方向とは異なる方向に移動させる移動機構とを備えたことを特徴とする原稿搬送装置。
【請求項2】
前記移動機構は、前記排出トレイ上の原稿を、前記原稿搬送部からの原稿の排出方向とは異なる方向に移動させることを特徴とする請求項1に記載の原稿搬送装置。
【請求項3】
前記移動機構の駆動を制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、搬送開始指示が入力されたときに、前記移動機構を駆動させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の原稿搬送装置。
【請求項4】
前記供給トレイに載置された原稿を検知する給紙検知センサと、
前記移動機構の駆動を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、搬送開始指示が入力されたときに、前記給紙検知センサの検知に基づき原稿が前記供給トレイ上にないと判断される場合は前記移動機構を駆動させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の原稿搬送装置。
【請求項5】
前記排出トレイに排出された原稿を検知する排紙検知センサと、
前記移動機構の駆動を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、搬送開始指示が入力されたときに、前記排紙検知センサの検知に基づき原稿が前記排出トレイ上にあると判断される場合は前記移動機構を駆動させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の原稿搬送装置。
【請求項6】
前記排出トレイに排出された原稿を検知する排紙検知センサと、
前記移動機構の駆動を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記排紙検知センサの検知に基づき、原稿が前記排出トレイ上にあると判断される状態から原稿が前記排出トレイ上にないと判断される状態となった後、再び原稿が前記排出トレイ上にあると判断される状態になった場合は前記移動機構を駆動させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の原稿搬送装置。
【請求項7】
前記原稿搬送部に設けられ、原稿を搬送する搬送機構と、
前記排出トレイに排出された原稿を検知する排紙検知センサと、
前記移動機構および前記搬送機構の駆動を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記排紙検知センサの検知に基づき原稿が前記排出トレイ上にあると判断される状態となったときに、前記搬送機構の駆動停止後一定時間内を除いて前記搬送機構が駆動していない場合は前記移動機構を駆動させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の原稿搬送装置。
【請求項8】
前記制御装置は、前記移動機構を前記排出トレイから原稿が落下しないだけの所定時間駆動させて停止させることを特徴とする請求項3から請求項7のいずれか1項に記載の原稿搬送装置。
【請求項9】
前記原稿搬送部に設けられ、原稿を排出トレイに排出する排出機構を備え、
前記排出機構と前記移動機構との距離は、前記原稿搬送部が搬送可能な最小の原稿の搬送方向における長さよりも短いことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の原稿搬送装置。
【請求項10】
前記移動機構は、少なくとも一部が前記排出トレイから突出するように設けられたローラであることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の原稿搬送装置。
【請求項1】
原稿を載置する供給トレイと、
原稿が排出される排出トレイと、
原稿を前記供給トレイから読取位置を経て前記排出トレイに搬送する原稿搬送部と、
前記排出トレイに設けられ、前記排出トレイ上の原稿を、前記原稿搬送部に向かう方向とは異なる方向に移動させる移動機構とを備えたことを特徴とする原稿搬送装置。
【請求項2】
前記移動機構は、前記排出トレイ上の原稿を、前記原稿搬送部からの原稿の排出方向とは異なる方向に移動させることを特徴とする請求項1に記載の原稿搬送装置。
【請求項3】
前記移動機構の駆動を制御する制御装置を備え、
前記制御装置は、搬送開始指示が入力されたときに、前記移動機構を駆動させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の原稿搬送装置。
【請求項4】
前記供給トレイに載置された原稿を検知する給紙検知センサと、
前記移動機構の駆動を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、搬送開始指示が入力されたときに、前記給紙検知センサの検知に基づき原稿が前記供給トレイ上にないと判断される場合は前記移動機構を駆動させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の原稿搬送装置。
【請求項5】
前記排出トレイに排出された原稿を検知する排紙検知センサと、
前記移動機構の駆動を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、搬送開始指示が入力されたときに、前記排紙検知センサの検知に基づき原稿が前記排出トレイ上にあると判断される場合は前記移動機構を駆動させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の原稿搬送装置。
【請求項6】
前記排出トレイに排出された原稿を検知する排紙検知センサと、
前記移動機構の駆動を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記排紙検知センサの検知に基づき、原稿が前記排出トレイ上にあると判断される状態から原稿が前記排出トレイ上にないと判断される状態となった後、再び原稿が前記排出トレイ上にあると判断される状態になった場合は前記移動機構を駆動させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の原稿搬送装置。
【請求項7】
前記原稿搬送部に設けられ、原稿を搬送する搬送機構と、
前記排出トレイに排出された原稿を検知する排紙検知センサと、
前記移動機構および前記搬送機構の駆動を制御する制御装置とを備え、
前記制御装置は、前記排紙検知センサの検知に基づき原稿が前記排出トレイ上にあると判断される状態となったときに、前記搬送機構の駆動停止後一定時間内を除いて前記搬送機構が駆動していない場合は前記移動機構を駆動させることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の原稿搬送装置。
【請求項8】
前記制御装置は、前記移動機構を前記排出トレイから原稿が落下しないだけの所定時間駆動させて停止させることを特徴とする請求項3から請求項7のいずれか1項に記載の原稿搬送装置。
【請求項9】
前記原稿搬送部に設けられ、原稿を排出トレイに排出する排出機構を備え、
前記排出機構と前記移動機構との距離は、前記原稿搬送部が搬送可能な最小の原稿の搬送方向における長さよりも短いことを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の原稿搬送装置。
【請求項10】
前記移動機構は、少なくとも一部が前記排出トレイから突出するように設けられたローラであることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の原稿搬送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−76901(P2010−76901A)
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−247724(P2008−247724)
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年4月8日(2010.4.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月26日(2008.9.26)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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