説明

反射防止構造及び構造体

【課題】反射防止機能を損なうことなく、表面の耐傷付性を向上させることができ、人の手や身体が触れたり、他の部材と接触したりするような部位にも適用することができる反射防止構造を提供する。
【解決手段】基板上に、例えばアルミナやチタニアなどの透明金属酸化物から成る花弁状膜が形成され、さらにこの花弁状膜の上に、例えばSiOやMgF、CaFなどから選ばれた無機酸化物又は無機フッ化物、あるいはこれらの混合物を含む多孔質膜を少なくとも1層の形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、反射防止機能を有し、自動車を始めとする各種車両や船舶、航空機などのメータカバーや窓ガラス、建材用ガラス、眼鏡レンズ、光学機器用のレンズやガラスなどに広く適用される反射防止構造と、このような構造を備えた反射防止構造体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば、液晶パネルなどのディスプレイ装置においては、外光や室内の照明などが画面に映り込むと、表示内容の視認性が著しく損なわれることから、反射防止膜が実用化されており、一般にSi/Ti系の多層膜技術が利用されている。
このような多層膜は膜の層数を増すことによって理論的には反射率を限りなく「0」に近づけることが可能であるが、膜の層数を増すことによって製造コストが嵩むと共に、多層膜は光の入射角依存性が高く、上記した車両や船舶、航空機などのように、光があらゆる角度から入ってくるようなものには効果を示さないという欠点がある。
【0003】
一方、透明アルミナから成る花弁状膜が反射機能を示すことが知られており(特許文献1参照)、このような花弁状膜は、上記多層膜に較べて、安価に製造することができると共に、光の入射角依存性が少ないというメリットがある。
【特許文献1】特開平9−202649号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した花弁状膜は、その表面がナノサイズの凹凸で形成されているため、表面の硬度が低く、傷に対する耐久性に乏しいため、人が触れたり、他の部材と接触したりするような部位への適用は難しく、耐傷付性の向上が必要である。
耐傷付性の向上対策として、樹脂などにおいては、一般にハードコート処理が施される場合があるが、このような処理では反射防止機能が損なわれるため、本来の機能を果さなくなるという問題点がある。
【0005】
本発明は、従来の花弁状膜における上記課題を解決すべくなされたものであって、その目的とするところは、反射防止機能を損なうことなく、表面の耐傷付性を向上させることができ、人の手や身体が触れたり、他の部材と接触したりするような部位にも適用することができる反射防止構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記目的を達成すべく、鋭意検討を重ねた結果、花弁状膜の上に、ハードコート層として、無機酸化物や無機フッ化物を含む多孔質膜を形成することによって上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0007】
本発明は上記知見に基づくものであって、本発明の反射防止構造は、透明金属酸化物から成る花弁状膜が基板上に形成され、この花弁状膜の上に、無機酸化物及び無機フッ化物のいずれか一方又は双方を含む多孔質膜を少なくとも1層積層して成ることを特徴としている。
【0008】
また、本発明の反射防止構造体は、本発明の上記反射防止構造を備えたものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、表面硬度が低く、傷付き易い花弁状膜透明基材の表面に無機酸化物や無機フッ化物を含む多孔質膜が積層してあるため、当該多孔質膜がハードコート層として機能し、花弁状膜による反射防止機能を損なうことなく、当該花弁状膜表面の耐傷付性を向上させることができ、人や物と触れ合う部位への適用が可能なものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明の反射防止構造や、このような構造を適用した反射防止構造体について、その製造方法や実施形態などと共に、さらに詳細に説明する。
【0011】
本発明の反射防止構造は、上記したように、基板上に透明金属酸化物から成る花弁状膜が形成され、この上に無機酸化物若しくは無機フッ化物、またはこれらの混合物を含む多孔質膜が少なくとも1層積層されたものである。
【0012】
ここで、花弁状膜とは、例えば、後述するようにアルミニウムアルコキシドと安定化剤を含む塗布液によるゾルゲル法によって形成される透明なアルミナから成り、表面が花弁状の微細な凸部と、孔状の微細な凹部とがランダムに集合体化した特異な形状を有するものであって、このような微細凹凸によって表面付近に屈折率の傾斜構造が形成されることから、その反射率が大幅に低減されることになる。
【0013】
本発明においては、上記のような透明金属酸化物から成る花弁状膜の上に、無機酸化物や無機フッ化物を含む多孔質膜が形成されており、当該多孔質膜は硬質で透明であることから、ハードコート層として機能し、花弁状膜を保護して、花弁状膜の傷発生が効果的に防止されることになる。
これら多孔質の酸化物やフッ化物は、比較的小さな屈折率を有し、花弁状膜を形成する微結晶よりも小さな屈折率の物質で覆うことによって、基材から表面に至る方向に屈折率が徐々に小さくなる構造を形成することができ、反射防止機能が向上することになる。
【0014】
本発明の反射防止構造に使用される花弁状膜を形成する透明金属酸化物としては、とくに限定されず、上記したアルミナ以外にも、ベーマイトやチタン酸、チタニア、あるいはAl−ZnO、Al−MgO、Al−NiOのような3価−2価の金属酸化物の混合物などを用いることができ、これら酸化物は、針状結晶を形成し、花弁状膜となり易いことから好ましい。
【0015】
上記花弁状膜として、例えば透明花弁状アルミナ膜を形成するには、次の方法がある。
すなわち、まず、基板上に、少なくともアルミニウムアルコキシドと安定化剤を含む塗布液とし、該塗布液を例えばディッピング法によって塗布し、乾燥し、約600℃程度以下で焼成することによってアモルファス状を呈する透明アルミナ膜を成膜する。このとき、アモルファスアルミナ膜を形成したのは、アルミニウムアルコキシドが空気中の水分と素早く反応してゲル化し、白濁化するのを安定化材を用いて防止するようにしたことによる。
【0016】
上記アルミニウムアルコキシドとしては、例えばアルミニウムエトキシド、アルミニウムイソプロポキシド、アルミニウム−n−ブトキシド、アルミニウム−sec−ブトキシド、アルミニウム−tert−ブトキシド、アルミニウムアセチルアセトナートなどを用いることができる。
【0017】
また、ここで使用される安定化剤としては、例えばアセチルアセトンやアセト酢酸エチル等のβ−ジケトン類、モノエタノールアミンやジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン類、さらには公知の一般的な金属アルコキシドの安定化剤などを挙げることができる。
そして、上記塗布液に用いられる希釈溶媒としては、例えばメチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、さらには一般的なゾルゲル法において用いられる希釈溶媒などを挙げることができる。
【0018】
また、少なくともアルミニウムアルコキシドと安定化剤を含む上記塗布液としては、上記したように、アルミニウムアルコキシドが空気中の水分と反応してゲル化し、白濁するのに対して、これを防止する効果がある安定化剤、例えばβ−ジケトン類やアルカノールアミン類などの安定化剤を、例えばモル比で1以上を加え、各種アルコール類などの希釈溶媒によって、塗布しやすい濃度、例えばディッピング法による塗布では、希釈アルコールのアルミニウムアルコキシドの比をモル比で約10以上、好ましくは20以上となるように希釈し、触媒として少量の水を加えることによって、塗布液とすることができる。
なお、これらの好ましい混合割合としては、モル比でアルミニウムアルコキシド:希釈溶媒:安定化剤:水=1:10〜100:0.5〜2:0〜5の範囲の比を例示することができる。
【0019】
さらに、成膜するため上記塗布液の塗布方法としては、ディッピング法、スピンコート法、ノズルフローコート法、スプレー法、リバースコート法、フレキソ法、印刷法、フローコート法等と共に、これらの併用など既知の塗布手段を適宜採用することができる。
これらのうち、ディッピング法における塗布液からの引き上げ速度としては、必要な膜厚に応じて適宜選択すべきことではあるが、例えば、浸漬後約0.1〜3.0mm/秒程度の静かな均一速度で引き上げることが好ましい。
【0020】
焼成温度としては、例えば600℃程度以下、好ましくは約550℃程度以下の温度で、約5〜60分程度の時間焼成する。なお、焼成の下限温度としては、50℃程度とすることが望ましい。
【0021】
次いで、得られたアモルファスアルミナ膜を熱水、例えば50〜100℃の熱水に浸漬処理する。すなわち、例えば100℃程度にボイルさせた熱水中に、上記アモルファスアルミナ膜付基板を親戚することによって、アモルファスアルミナ膜の表層部が解膠作用等を受け、微小な孔状空隙を有する特異な花弁状をなす形成物がランダムに集合体化した表面を有するものとなり、特異な花弁状凸部と空隙を有する所期の形状とすることができ、その特性をより効果的に発揮する構造とすることができる。
なお、当該熱水処理時間としては、5分間程度から24時間程度である。
【0022】
そして、100℃前後の温度で、10分間程度の乾燥を行なうことによって、あるいはこの乾燥に続いて、さらに約300〜500℃程度の温度において10分間程度の焼成を行なうことによって、花弁状をなす透明アルミナ膜を得ることができる。
なお、このような花弁状透明アルミナ膜の膜厚としては、50〜400nm程度が好ましい。すなわち、この膜厚が50nmに満たない場合には、十分な凹凸形状が形成されないため、反射防止機能が発現しなくなり、400nmを超えるとクラックが生じる可能性が高く、また、下地層の厚みが大きくなるために、大きな干渉を生じる可能性がある。
【0023】
上記においては、アルミナから成る花弁状膜の形成方法について説明したが、他の透明金属から成る花弁状膜についても、基本的に同様な方法によって成膜することができる。
例えば、Al−ZnOやAl−MgO、Al−NiO系などについては、酢酸亜鉛や酢酸マグネシウムをそれぞれの酸化物の出発原料に用いて、2成分の薄膜を作製し、同じように温水処理することによって表面に微細な結晶を析出させることができる。
【0024】
本発明において、上記花弁状膜の表面については、その平均粗さRaが17nm以上であることが望ましい。すなわち、花弁状膜の表面粗さRaが17nm未満であると、十分な反射防止効果が得られなくなる傾向があることによる。一方、上記Raの値が極端に大きくなると、例えば100μmを超えると、ヘイズなどの問題が生じることは言うまでもない。
【0025】
本発明において、上記花弁状膜の表面にハードコート層として形成する多孔質膜としては、上記したように無機酸化物若しくは無機フッ化物、又はこれらの混合物を含むものであるが、これらの酸化物やフッ化物の具体例として、SiO、MgF、CaF、BaF、NaAlF、NaF、LiFなどを挙げることができる。
このような多孔質膜の屈折率は1.5以下であることが望ましく、1.5を超えると当該多孔質膜からの反射率が高くなって、花弁状膜による本来の反射防止機能が損なわれることがあるため好ましくない。
【0026】
また、上記多孔質膜の膜厚については、1〜200nmの範囲内であることが望ましく、特に20〜150nmとすることがより望ましい。
すなわち、多孔質膜の膜厚が1nmに満たない場合は、花弁状膜の凹凸がそのまま残ってしまい、ハードコート機能を発現することができない。一方、200nmを超えると、積層膜全体の反射率に対する多硬質膜の支配力が大きくなって、花弁状膜の反射防止効果が損なわれることがあることによる。
【0027】
さらに、当該多孔質膜の表面粗さについて、その平均粗さRaが上記花弁状膜表面の平均粗さRaよりも小さく(平滑)なっていることが望ましく、これによって傷に対する耐久性が向上することになる。
【0028】
そして、このような多孔質膜は、例えば、花弁状膜と同様にゾルゲル法によって形成することができ、多孔質化することによって、膜の屈折率を下げることができる。
なお、本発明において多孔質膜とは、膜の中に微細な空孔を少なくとも2個備えた膜を意味する。微細な空孔の大きさとしては、直径800nm以下であることが望ましい。
【0029】
なお、本発明の反射防止構造においては、花弁状膜の上に、上記多孔質膜を1層形成するだけで、十分な効果を発揮するものであるが、必要に応じて当該多孔質膜を種類の異なる多層構造や気孔率の異なる多層構造とすることもでき、これによって傷に対する耐久性が向上するという優れた効果が得られる。
【0030】
本発明の反射防止構造に用いる基板について、特に制限はなく、ガラスやプラスチックなどの透明体のみならず、金属などあらゆるものを使用することができる。
【実施例】
【0031】
以下に、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されないことは言うまでもない。
【0032】
(実施例1)
アルミニウムトリセカンダリーブトキシドをイソプロピルアルコールに溶解し、20分間攪拌した。この溶液に、アセト酢酸エチルを加え、さらに20分間攪拌した。
この溶液に、イソプロピルアルコールで希釈した水を加え、1時間攪拌して、アルミナ膜の前躯体溶液とした。
【0033】
このゾルに、ガラス基板を浸漬し、3mm/sの速度で引き上げ、当該ガラス基板上にゲル膜を形成した後、室温で10分間乾燥し、400℃で1時間熱処理した。
この処理によって得られた多孔質アルミナ膜を60℃の熱水に15分間浸漬したのち、400℃で30分間熱処理することによって花弁状透明アルミナ膜を形成した。上記コーティング溶液の組成は、モル比でアルミニウムブトキシド:2−プロパノール:アセト酢酸エチル:水=1:20:1:1とした。
【0034】
一方、テトラエトキシシランをエタノール(エタノール1)に溶解し、3.6質量%の塩酸(HCl)を含む水を加えて30時間攪拌し、これにエタノール(エタノール2)を加えて希釈した。
さらに、分子量600のポリエチレングリコールを添加し、1時間攪拌してコーティング溶液とした。このときの出発原料のモル比は、テトラエトキシシラン:エタノール1:水:エタノール2:PEG600の比を1:5:4:20:0.1735とした。
【0035】
この溶液を用いて、花弁状透明アルミナ膜を形成した上記ガラス基板上にコーティング膜を形成し、400℃で熱処理することによって、多孔質シリカ膜を形成した。
【0036】
(実施例2)
花弁状透明アルミナ膜の形成に際して、熱水処理時間を5分としたこと以外は、上記実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の試料を作製した。
【0037】
(実施例3)
花弁状透明アルミナ膜の形成に際して、熱水処理時間を30分としたこと以外は、上記実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の試料を作製した。
【0038】
(実施例4)
多孔質シリカ膜用のコーティング液の作製に際して、分子量1000のポリエチレングリコールを用いたこと以外は、上記実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の試料を作製した。
【0039】
(実施例5)
多孔質シリカ膜用のコーティング液の作製に際して、エタノール2を添加しないこと、すなわち希釈しなかったこと以外は、上記実施例1と同様の操作を繰り返し、本例の試料を作製した。
【0040】
(比較例1)
上記実施例1と同様の操作を繰り返すことによって花弁状透明アルミナ膜を形成し、多孔質シリカ膜を形成することなく、そのまま本例の試料とした。
【0041】
(比較例2)
チタンブトキシドをエタノールに溶解し、10分間攪拌した後、3.6重量%の塩酸(HCl)を含む水を加えて、さらに1時間攪拌することによって第1のコーティング溶液とした。このときのモル比は、チタンブトキシド:エタノール:水=1:50:4とした。
一方、上記チタンブトキシドをテトラエトキシランに代えると共に、塩酸濃度を0.36重量%としたことを除いて、上記同様の操作を繰り返すことによって第2のコーティング溶液とした。
【0042】
そして、ガラス基板上に、ディップコーティング法によって、まず第1のコーティング溶液を塗布し、室温で乾燥後、120℃×10分の熱処理を施し、その後、同様に第1のコーティング溶液を塗布し、最終的に400℃で熱処理することによって、第1層としてのチタニア膜の上にシリカ膜を備えた多層構造の試料を得た。
【0043】
〈評価方法〉
上記によって作製した実施例及び比較例の各試料について、花弁状アルミナ膜及び多孔質シリカ層の表面粗さ(平均粗さ)Raをそれぞれ測定すると共に、多孔質シリカ層の膜厚及び屈折率をそれぞれ測定した。なお、表面粗さ及び膜厚の測定には、原子間力顕微鏡(AFM)を用い、膜厚は、断面の電子顕微鏡観察により決定した。また、屈折率は、透過率測定によって得られたスペクトルから計算によって求めた。
【0044】
また、各試料の反射率を分光光度計によって測定すると共に、反射防止膜としての角度依存性を入射角を変化させて分光光度測定することによって調査し、50°以上のものを「○」、40°〜50°未満のものを「△」、40°未満のものを「×」と評価した。
そして、膜表面の硬度について鉛筆硬度によって調査し、H以上のものを「○」、3B以上のものを「△」、3B未満〜6Bのものを「×」とそれぞれ評価した。これらの結果を表1に併せて示す。なお、耐傷付性は、膜の表面硬度に依存する。
【0045】
【表1】

【0046】
その結果、花弁状透明アルミナ膜の上に多孔質シリカ膜を成膜して成る本発明の実施例の反射防止構造に較べて、花弁状透明アルミナ膜のみから成る比較例1においては、反射防止性能については優れているものの、表面硬度に劣り、傷が付き易く、花弁状透明アルミナ膜性に代えてTiO/SiO2層膜を成膜した比較例2においては、反射率も低く、表面硬度が高くて耐傷付性に優れるものの、入射光の角度依存性が顕著であることが確認された。
【0047】
一方、実施例の中では、花弁状透明アルミナ膜の表面粗さが小さい(細かい)実施例2では反射防止機能において、花弁状透明アルミナ膜の表面粗さが大きい(粗い)実施例3及び多孔質シリカ膜の表面粗さが花弁状透明アルミナ膜よりも粗い実施例4では表面硬度において、さらに多孔質シリカ膜の厚さが大きい実施例5では角度依存性において、最良の性能を示した実施例1に較べて、それぞれ僅かに劣る傾向が認められた。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明金属酸化物から成り、基板上に形成された花弁状膜の上に、無機酸化物及び/又は無機フッ化物を含む多孔質膜を少なくとも1層積層して成ることを特徴とする反射防止構造。
【請求項2】
上記多孔質膜の屈折率が1.5以下であることを特徴とする請求項1に記載の反射防止構造。
【請求項3】
上記多孔質膜の厚さが1〜200nmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の反射防止構造。
【請求項4】
上記多孔質膜の表面粗さRaが上記花弁状膜よりも細かいことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の反射防止構造。
【請求項5】
上記多孔質膜がSiO、MgF、CaF、BaF、NaAlF、NaF及びLiFから成る群から選ばれた少なくとも1種の化合物を含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の反射防止構造。
【請求項6】
上記花弁状膜がベーマイト、アルミナ、チタン酸、チタニア、又は3価−2価の金属酸化物の混合物から成ることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つの項に記載の反射防止構造。
【請求項7】
上記花弁状膜の表面粗さRaが17nm以上であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つの項に記載の反射防止構造。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか1つの項に記載の反射防止構造を備えたことを特徴とする反射防止構造体。

【公開番号】特開2007−241177(P2007−241177A)
【公開日】平成19年9月20日(2007.9.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−67226(P2006−67226)
【出願日】平成18年3月13日(2006.3.13)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【出願人】(505127721)公立大学法人大阪府立大学 (688)
【Fターム(参考)】