説明

収納式歩行車

【課題】
座部を使用しない時に安全に容易に座部を収納できる収納式歩行車を提供すること。
【解決手段】
床面(2)を移動できる脚枠(3)と、肘支柱(4)と、肘受(8)と、座部(7)と、座部(7)を支える座部支持部(6)とを有する収納式歩行車(1)において、座部(7)を支える座部支持部(6)の基部(6b)を移動又は折り畳み、座部(7)及び座部支持部(6)を収納式歩行車(1)の歩行エリア(42)の外へ収納する収納式歩行車である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、下肢の機能に障害を持つ人(=以下患者という)に対して歩行運動を行なう収納式歩行車に関する。
【背景技術】
【0002】
前記従来技術には、サドルを昇降させる昇降部がフレームに着脱可能に設けられるサドル着脱昇降式歩行車が開示されている。
【特許文献1】特開2005−21327号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
解決しようとする課題は、サドルを支持する昇降部をフレームから取り外せ、歩行時にサドルが邪魔にならないようにできるが、サドル等を外す作業が面倒であり、又、外したサドル等の保管場所も必要となる点である。
【0004】
本発明の目的は、座部を使用しない時に安全に容易に座部を収納できる収納式歩行車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
即ち本発明は、床面(2)を移動できる脚枠(3)と、肘支柱(4)と、肘受(8)と、座部(7)と、座部(7)を支える座部支持部(6)とを有する収納式歩行車(1)において、座部(7)を支える座部支持部(6)の基部(6b)を移動又は折り畳み、座部(7)及び座部支持部(6)を収納式歩行車(1)の歩行エリア(42)の外へ収納する収納式歩行車である。
又、脚枠(3)に保持体(5)を立設し、保持体(5)にスライド機構(43)を設け、座部支持部(6)を座部アーム(44)と座部支持具(45)とから構成し、座部アーム(44)及び座部支持具(45)をそれぞれ保持体(5)と座部(7)との間に設け、座部アーム(44)の基部はスライド機構(43)でスライド可能に支持され、座部支持具(45)の基部は保持体(5)の下部(5b)に軸支されており、座部(7)を収納する時は、座部アーム(44)の基部を下降スライドさせ座部アーム(44)及び座部支持具(45)を起立させる。
更に、スライド機構(43)は、保持体(5)に設けられる溝(16)と、溝(16)をスライドするスライド軸(25)であり、スライド軸(25)は座部アーム(44)の基部に軸止されるものである。
更に又、座部アーム(44)を四節リンク(19)で構成し、座部支持具(45)を、伸縮とその固定が操作できる伸縮体(20)で構成し、座部(7)を、収納位置へ移動できると共に、使用位置において高さ調節できる。
又、脚枠(3)に回動体(17)を設け、座部支持部(6)の基部(6b)を回動体(17)に取り付け、座部(7)を収納する時は、回動体(17)を回動させて行なう。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、座部7を支える座部支持部6の基部6bを、移動又は折り畳み、座部7及び座部支持部6を収納式歩行車1の歩行エリア42の外へ収納するものであるから、
座部支持部6の基部6bを移動させるという容易・簡単な操作で、座部及び座部支持部を、歩行エリア42外(起立歩行の邪魔にならない箇所)に移動でき、患者の歩行能力レベルに合わせて座部7の有無を切り換えることができ、患者は好適な歩行ができ、好都合である。又、座部7を離脱させないので座部7を置く場所が不要であり、好都合である。
【0007】
本発明に係る座部アーム44の基部はスライド機構43でスライド可能に支持され、座部支持具45の基部は保持体5の下部に軸支されており、座部7を収納する時は、座部アーム44の基部を下降スライドさせ座部アーム44及び座部支持具45を起立させるものであるから、容易な操作でスムーズに安全に収納形態に変更でき、好都合である。
【0008】
本発明に係るスライド機構43は、保持体5に設けられる溝16と、溝16をスライドするスライド軸25であり、スライド軸25は座部アーム44の基部に軸止されているものであるから、スライドに係る構成が簡素であり製作経費が安価である。又、溝16に沿わせてスライド軸25をスライドさせるので、スライドを確実に行なえ、座部7を確実に収納形態に変更でき、好都合である。
【0009】
本発明に係る座部アーム44を四節リンク19で構成し、座部支持具45を、伸縮とその固定が操作できる伸縮体20で構成し、座部7を、収納位置へ移動できると共に、使用位置において高さ調節できるものであるから、伸縮体20の伸縮・固定の操作をしながら、座部7を、収納できると共に、好適な高さに調節でき、二つの機能を実施でき、好都合である。又、運動者ごとの異なる身長に対応でき、好都合である。
【0010】
本発明は、座部支持部6の基部6bを回動体17に取り付け、座部7を収納する時は、回動体17を回動させて行なうものであるから、座部支持部6の基部6bを回動させるという容易な操作で簡単に、座部7と、座部7を支える座部支持部6とを、歩行エリア42外に移動でき、好都合である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
座部7を使用しない時に安全に容易に座部7を収納するという目的を、床面2を移動できる脚枠3と、肘支柱4と、肘受8と、座部7と、座部7を支える座部支持部6とを有する収納式歩行車1において、座部7を支える座部支持部6の基部6bを移動又は折り畳み、座部7及び座部支持部6を収納式歩行車1の歩行エリア42の外へ収納するものにして、実現した。
【実施例1】
【0012】
図1乃至6に本発明の実施例1を示す。
実施例1の収納式歩行車1は、患者が歩行運動及び起立運動を行なう装置である。
収納式歩行車1は、床面2を走行する脚枠3と、脚枠3に立設される肘支柱4と、脚枠3の前部に立設される保持体5と、保持体5に取着される座部支持部6と、座部支持部6の先部に取着される座部7と、肘支柱4に支持される肘受8とからなる。
【0013】
床面2を走行する脚枠3は、下部に車輪9が設けられ平面視U字形の枠体でなる。前記脚枠3は、左辺3a、右辺3b、及び、前辺3cからなる。左辺3a、右辺3bの間であって、保持体5より後方のエリアが歩行アリア42であり、具体的には図3に42で示す歩行アリアである。
【0014】
肘支柱4は左・右肘支柱4a・4bからなり、該左・右肘支柱4a・4bは、それぞれ前記左辺3a及び右辺3bに立設される。肘支柱4は脚枠3に立設される外筒10と、外筒10に内嵌する内筒11とからなる。
内筒11は、外筒10にテレスコープ状に挿通され、前記外筒10には支柱ロック具12が設けられてなる。
介助者が前記肘支柱4を伸縮操作することによって前記肘受8は、適宜な高さに変更・調節できる。
左・右肘支柱4と前辺3cに立設された前枠13とが補強枠14で連結される。
【0015】
保持体5は脚枠3の前記前辺3cに前枠13と共に立設される。
保持体5は、平面視コ字形の筐体であり、スライド機構43が設けられる。
スライド機構43は、保持体5の上部5aと下部5bの間に略垂直方向に連続して形成される溝16と、溝16をスライドするスライド軸25で構成され、スライド軸25は座部支持部6の基部6bに軸止されるものである
【0016】
溝16は、保持体5における対向する二つの側板27(=左・右側板27a・27b)にあけられ、側板27の前部にあけられる前溝16aと、側板27の後部にあけられる後溝16bでなる。前・後溝16a・16bは側板27に略垂直方向に長尺にあけられる。
図5において、前溝16aの上部は後溝16bに接近する方向に湾曲する。後溝16bの上端は前溝16aより低い位置である。
【0017】
座部7が収納式歩行車1中央の使用位置から収納式歩行車1前部の収納位置へ移動する際に、溝16は、座部支持部6の基部6bを保持しこれを従動下降に係るガイドをするものである。
【0018】
座部7は、使用位置では収納式歩行車1の歩行エリア42の平面視略中央に進出される。
座部7は、収納位置では座部支持部6の基部6bを移動し、座部7及び座部支持部6を収納式歩行車の歩行エリア42の外に収納する。
座部支持部6は、その先部6aで座部7を支持し、その基部6bは、収納式歩行車1の前部の保持部5に取着される。座部支持部6は座部アーム44と座部支持具45とから構成される。
【0019】
座部アーム44は、保持体5と座部枠18とに懸け渡され、先部が座部枠18に取り付けられ、基部が保持体5のスライド機構43にスライド可能に取り付けられて構成される四節リンク19である。
座部アーム44の基部をスライド機構43で下降スライドさせると座部支持部6は起立し、座部7及び座部支持部6は歩行エリア42外に収納されるものである。
【0020】
座部支持具45は、保持体5と座部枠18とに懸け渡される伸縮体20である。
伸縮体20には当該伸縮体20の伸縮作用を固定・解除する解除具21が付加設置されてなる。
【0021】
四節リンク19は、二本の平行アーム(=上・下平行アーム22・23)と、該平行アーム22・23の各先部が軸止される座部枠18と、平行アーム22・23の各基部が軸止される縦片24とからなる。
縦片24の上端に上平行アーム22の基部が上スライド軸25aで軸止される。縦片24の下端に下平行アーム23の基部が下スライド軸25bで軸止される。
【0022】
図4及び図5に示す通り、両側板27a・27bの前溝16aに上スライド軸25aが貫通して嵌り、両側板27a・27bの後溝16bに下スライド軸25bが貫通して嵌る。
上・下平行アーム22・23は保持体5の内側に嵌って有り、縦片24は保持体5の外側に有り、上・下平行アーム22・23と縦片24は上スライド軸25a及び下スライド軸25bで連結される。
前・後溝16a・16bは、座部7を収納位置に変更するとき、上・下スライド軸25a・25bを下方へ誘導し、上・下スライド軸25a・25bが下降するに伴い四節リンク19は収納式歩行車1の前部へ移動し収納される。
【0023】
保持体5の側板27に、鉤凹部28が形成された平行リンクストッパー29が回動可能に軸止される。図5において、前記鉤凹部28は平行リンクストッパー29を右回動させると上スライド軸25aに掛かる位置に形成される。
平行リンクストッパー29を右回動させ上スライド軸25aに前記鉤凹部28を掛けると該上スライド軸25aが移動不自在に固定される。上スライド軸25aを固定することによって四節リンク19及び座部7は使用状態に固定される。
縦片24の側部にはこれをスライドさせる時に掴むノブ30が突設される。
【0024】
平行リンクストッパー29の側部にはこれを回動させる時に掴む取手31が設けられる。
下平行アーム23には延設中途部に収納固定ピン32が突設される。収納固定ピン32は、下平行アーム23の基部が下限まで下降した時平行リンクストッパー29の鉤凹部28が嵌る位置に突設される。
【0025】
伸縮体20の上下端は、座部枠18と保持体5の下部5bとに懸け渡され軸支される。
伸縮体20は、伸縮する部材であり、該伸縮体20の伸縮をロックするロック機構(図示省略)が内蔵されている。伸縮体20は、ロックを解除すると伸展方向に付勢力を有し、座部枠18を上方へ付勢する。伸縮体20の具体例は、ガススプリングである。
【0026】
解除具21は、座部枠18に設けられ、介助者が片手で座部7と一緒に掴める位置にある。
解除具21は、伸縮体20と座部枠18が連結される部位に構成され、レバー34と、リンク金具35とからなる。リンク金具35はレバー34によって回動させられ、前記伸縮体20のプッシュロッド(図示省略)を押圧し伸縮体20のロック作用を解除するものである。
【0027】
解除具21を上方へ移動させると、リンク金具35が伸縮体20のプッシュロッドを押し退入させ、伸縮体20は伸縮自在状態になる。
解除具21を放し下方へ移動させると、リンク金具35が伸縮体20のプッシュロッドから離れプッシュロッドは突出し戻り、伸縮体20の伸縮作用は不自在状態(ロックした状態)となる。
【0028】
前記座部7は、座部支持部6の先部に取着された座部枠18と座部枠18の上部に取着される座面部33とからなり、患者が座るものである。座部7の平面視形状は、略三角フラスコの正面視形状に相似した形である。
座部7は、四節リンク19と伸縮体20とでなる座部支持部6で支持され、収納式歩行車1の中央の歩行エリア42に進出した使用位置と、収納式歩行車1の前部へ寄せた収納位置とに、移動可能に構成される。
【0029】
又、上・下平行アーム22・23はその各基部を中心に垂直方向に回動でき、その回動により上・下平行アーム22・23の各先部に取り付けられる座部7は昇降する。
伸縮体20は、操作者により、座部7を下降させるほどに縮小し、座部7を上昇させるほどに伸長するものである。
解除具21は、常時は伸縮しない伸縮体20の固定作用を、座部7の高さを変更する時に解除するものである。
座部7は、使用位置から収納位置へ移動できると共に、使用位置において高さ調節できるものである。
【0030】
肘受8は、患者が肘を乗せるものであり、肘支柱4の頂部に肘受8が、前方に僅か下降する前傾に(=前傾姿勢)、且つ、内側方にも僅か下降傾斜状に(=内傾姿勢)取着される。
肘受8の前部左右に、患者が握る握り部36が斜状に設けられる。
【0031】
肘受8の後部に、患者の背部位置に有って適宜患者の背部に接触し背部を支える背部サポート37が設けられる。
尚、図4中、39はスペーサー、40はストッパー用軸、41は捻りばねである。
【0032】
本発明実施例1の収納式歩行車1を用いて歩行運動及び起立運動を行なう。
実施例1を歩行運動に使用する時は、患者は座部7に座り、前傾姿勢且つ内傾姿勢に設定した肘受8に肘を乗せる。
【0033】
肘受8の高さを調整し、患者を歩行に好適な立位姿勢になし、歩行運動を行なう。
肘受8の高さ調節は、支柱ロック具12のロック作用を解除しておいて、内筒11を自在に昇降させる。肘受8を好適高さに調節して、支持ロック具12を作用させ、内筒11を外筒10で締付け、肘受8の動きを固定する。
【0034】
座部支持部6は座部7を昇降可能に支持する。
座部7の高さの調節は、操作者が、レバー34を僅か持ち上げ伸縮体20のロックを解除しておいて、座部7を、上方へ持ち上げ或いは押し下げ、好適な高さに調節し、その後、レバー34を放して当該高さに固定する。
【0035】
この時、座部7は四節リンク19の平行移動作用によりその座面部33は水平を維持して移動し、又、レバー34の座部7に対する相対位置は、座部7の高さに関係なく一定である。
患者が歩行すると、車輪9が回転し実施例1の歩行車は歩行を補助する。
【0036】
患者の歩行能力がハイレベルであって、歩行運動時に座部7が邪魔になれば、該座部7を収納式歩行車1の前部へ寄せ収納位置に移動する。
座部7を収納位置に移動する時は、平行リンクストッパー29の取手31を持ち上げ、平行リンクストッパー29の鉤凹部28から上スライド軸25aを外し、四節リンク19の固定を解除する。
【0037】
座部支持部6の基部6bを溝16に従動状に下降スライドさせる。座部支持部6が起立し、座部7及び座部支持部6が歩行エリア42の外へ移動し収納位置へ至る。
即ち、ノブ30を持ち、縦片24を前・後溝16a・16bに沿って下げる。
縦片24を最下まで下げると、四節リンク19は変形しつつ移動し、上・下平行アーム22・23は縦状になる。
上記態勢の上・下平行アーム22・23の頂部に座部7が至り座面部33は垂直状になる。
【0038】
下平行アーム23に付いている収納固定ピン32に平行リンクストッパー29の鉤凹部28を掛け、上・下平行アーム22・23を縦状にして鉤止めし、四節リンク19をロックする。この状態で座部7及び座部支持部6は収納位置となる。
【0039】
実施例1を起立運動に使用する時は、車輪9の回転をロックし、患者は座部7に座り、肘受8に肘を乗せる。
患者は、握り部36を握り、上体を前に移行しながら起立し、座姿勢から起立姿勢に移行する。続いて、起立姿勢から座姿勢に移行する。これらの動作を適宜繰り返し行なう。
【0040】
図7に示す実施例2は、実施例1のスライド機構43を回動体17に代えたものである。
実施例2では、脚枠3の前部へ円筒部材でなる回動体17を回動可能に立設する。
該回動体17に座部支持部6の基部6bを軸48で軸着する。
座部7及び座部支持部6を収納する時は、回動体17を左回転又は右回転させて、座部7を収納式歩行車1の左側又は右側へ移動させて行なう。或いは、座部7を上限まで上昇させた後、回動体17を左回転又は右回転させて、座部7を収納式歩行車1の左側又は右側へ移動させて収納してもよい。
【0041】
図8に示す実施例3は、実施例2の回動体17を横向けに設ける横形回動体52に代えたものである。
実施例3では、脚枠3の前部へ横形回動体52を回動可能に水平方向に取り付ける。
該横形回動体52に座部支持部6の基部6bを取り付ける。座部7及び座部支持部6を収納する時は、横形回動体52を回動させ、座部7を上限まで上昇させて収納する。
座部7が収納位置にある時は、座部支持部6の突起部55が脚枠3に当って固定される。座部7が使用位置にある時は、座部支持部6の基部6bをアーム支持具26で支持し前記基部6bの回動を阻止している。
【0042】
図9に示す実施例4は、実施例1の座部アーム44を、折り畳み腕53でなる座部止め具46に代えたものである。
実施例4では、前枠13の上部と座部支持具45の上部との間に座部止め具46が取り付けられ、前枠13の下部と座部7との間に座部支持具45が取り付けられる。座部止め具46はその張設中途部で折れ曲り可能である。
【0043】
座部7の下部にはスライドパイプ49が垂下取着される。該スライドパイプ49は、座部支持具45の頂部に垂直方向に摺動可能に設けられ、締め具50で適宜位置に固定される。スライドパイプ49の固定位置を調節して座部7の高さを変更・設定する。
座部7及び座部支持部6を収納する時は、座部7を上前方向へ回動させ、座部支持部6をキャッチ具54に捕捉させ、座部7及び座部支持部6を収納式歩行車1の歩行エリア42の外へ収納する。座部収納時には、座部止め具46はその張設中途部で折れ曲がる。
【0044】
図10に示す実施例5は、実施例4の折り畳み腕53を鎖51に代えたものである。
実施例5では、前枠13の上部にフック47を設け、座部支持具45の上部に鎖51の基端を取着し、鎖51の先端をフック47に掛ける。座部支持具45の上部とフック47の間に張られる鎖51の長さを適宜調節することによって、座部7の高さを調節できる。
【0045】
座部7の前後傾斜は傾斜締め具38で調節・固定し、座部7の高さは締め具50で調節・固定する。
座部7及び座部支持部6を収納する時は、座部7を上前方向へ回動させ、座部支持部6をキャッチ具54に捕捉させて収納する。座部収納時には、鎖51は垂下状に保持される。
【産業上の利用可能性】
【0046】
床面2を移動できる脚枠3と、肘支柱4と、肘受8と、座部7と、座部7を支える座部支持部6とを有する収納式歩行車1において、座部7を支える座部支持部6の基部6bを移動又は折り畳み、座部7及び座部支持部6を収納式歩行車の歩行エリア42の外へ収納するものに、適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の実施例1の右側面図である。
【図2】本発明の実施例1の正面図である。
【図3】本発明の実施例1の平面図である。
【図4】本発明の実施例1に係る保持体を示す図である。
【図5】本発明の実施例1に係る保持体を示す図である。
【図6】本発明の実施例1に係る座部を示す図である。
【図7】本発明の実施例2の右側面図である。
【図8】本発明の実施例3の右側面図である。
【図9】本発明の実施例4の右側面図である。
【図10】本発明の実施例5の右側面図である。
【符号の説明】
【0048】
1 収納式歩行車
2 床面
3 脚枠
4 肘支柱
5 保持体
5b下部
6 座部支持部
6a先部
6b基部
7 座部
8 肘受
16 溝
16a前溝
16b後溝
17 回動体
18 座部枠
19 四節リンク
20 伸縮体
21 解除具
22 上平行アーム
23 下平行アーム
24 縦片
25 スライド軸
25a上スライド軸
42 歩行エリア
43 スライド機構
44 座部アーム
45 座部支持具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面(2)を移動できる脚枠(3)と、肘支柱(4)と、肘受(8)と、座部(7)と、座部(7)を支える座部支持部(6)とを有する収納式歩行車(1)において、
座部(7)を支える座部支持部(6)の基部(6b)を移動又は折り畳み、座部(7)及び座部支持部(6)を収納式歩行車(1)の歩行エリア(42)の外へ収納する収納式歩行車。
【請求項2】
脚枠(3)に保持体(5)を立設し、保持体(5)にスライド機構(43)を設け、
座部支持部(6)を座部アーム(44)と座部支持具(45)とから構成し、座部アーム(44)及び座部支持具(45)をそれぞれ保持体(5)と座部(7)との間に設け、
座部アーム(44)の基部はスライド機構(43)でスライド可能に支持され、座部支持具(45)の基部は保持体(5)の下部(5b)に軸支されており、
座部(7)を収納する時は、座部アーム(44)の基部を下降スライドさせ座部アーム(44)及び座部支持具(45)を起立させることを特徴とする請求項2記載の収納式歩行車。
【請求項3】
スライド機構(43)は、保持体(5)に設けられる溝(16)と、溝(16)をスライドするスライド軸(25)であり、スライド軸(25)は座部アーム(44)の基部に軸止されるものであることを特徴とする請求項2記載の収納式歩行車。
【請求項4】
座部アーム(44)を四節リンク(19)で構成し、座部支持具(45)を、伸縮とその固定が操作できる伸縮体(20)で構成し、
座部(7)を、収納位置へ移動できると共に、使用位置において高さ調節できることを特徴とする請求項3記載の収納式歩行車。
【請求項5】
脚枠(3)に回動体(17)を設け、
座部支持部(6)の基部(6b)を回動体(17)に取り付け、座部(7)を収納する時は、回動体(17)を回動させて行なうことを特徴とする請求項1記載の収納式歩行車。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2007−54206(P2007−54206A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−241765(P2005−241765)
【出願日】平成17年8月23日(2005.8.23)
【出願人】(000103471)オージー技研株式会社 (109)
【Fターム(参考)】