説明

受信側ネットワーク装置、中継装置、送信側ネットワーク装置および通信システム

【課題】信頼性の高いネットワークを構築可能な受信側ネットワーク装置を得ること。
【解決手段】本発明にかかる受信側ネットワーク装置は、L2ネットワーク網#1および#2を介して送信側ネットワーク装置1と接続され、たとえば、受信した信号のデータ量を経路毎に検出する網内劣化検出部22−1および22−2と、受信した信号を通過させるか遮断するかの切り替えを行う信号遮断部24と、2つの経路で検出されたデータ量を比較し、データ量の差が所定の閾値を超える場合に、データ量の少ない一方の経路から受信した信号を遮断するように信号遮断部24を制御する遮断制御部23と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レイヤ2ネットワーク網を介して信号を送受信する通信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の高信頼性ネットワーク装置としては、複数の経路を形成するネットワーク網を介して送信側ネットワーク装置に接続され、送信側ネットワーク装置から冗長化された信号を受信する受信側ネットワーク装置がある(下記、特許文献1参照)。この受信側ネットワーク装置は、受信した信号の劣化を検出し、その結果にしたがって当該ネットワーク網の信号を遮断することにより、高い信頼性を確保している。
【0003】
【特許文献1】特開2008−28671号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の技術における受信側ネットワーク装置は、ネットワーク内でパケットの損失が発生した場合には、その損失を信号劣化として検出できないため、信号損失が発生したネットワークからの信号を受信しつづけてしまう。すなわち、パケットの損失が発生していないネットワークがあるにもかかわらず、信号損失が発生したネットワークからの信号を通過させてしまう、という問題があった。
【0005】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、より信頼性の高いネットワークを構築可能な受信側ネットワーク装置、中継装置、送信側ネットワーク装置および通信システムを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明は、複数の経路を形成するネットワーク網を介して送信側ネットワーク装置と接続され、当該送信側ネットワーク装置から送信される冗長化された信号を受信する受信側ネットワーク装置であって、前記複数の経路から受信した信号のデータ量を経路毎に検出する網内劣化検出手段と、受信した信号を通過させるか遮断するかの切り替えを行う信号遮断手段と、前記網内劣化検出手段による検出結果に基づいて、前記複数の経路で検出されたすべてのデータ量についてそれぞれ他のデータ量との個別比較を行い、データ量の差が所定の閾値を超える経路が存在する場合、比較対象の2つの経路のうちのデータ量の少ない一方の経路から受信した信号を遮断するように前記信号遮断手段を制御する遮断制御手段と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
この発明によれば、通信品質の向上が図られ、より信頼性の高いネットワークを構築できる、という効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に、本発明にかかる通信システムの実施の形態を、図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
【0009】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1の通信システムの構成例を示す図である。図1の通信システムでは、送信側ネットワーク装置1と、受信側ネットワーク装置2とが、レイヤ2ネットワーク網(以下、「L2ネットワーク網」とも記す)に接続されている。L2ネットワーク網は、中継装置3および4により、複数の経路(L2ネットワーク網#1および#2)を形成している。
【0010】
送信側ネットワーク装置1は、パケット(信号)を受信する受信処理部11と、中継装置3および4に対応してパケット(信号)を冗長化して送信する冗長化処理部12とを備える。
【0011】
受信側ネットワーク装置2は、信号劣化検出部21−1および21−2と、網内劣化検出部22−1および22−2と、遮断制御部23と、信号遮断部24と、冗長化処理部25と、送信処理部26とを備える。
【0012】
受信側ネットワーク装置2の信号劣化検出部21−1および21−2は、L2ネットワーク網内のそれぞれ対応する中継装置から受信するパケットの劣化を検出する。また、網内劣化検出部22−1および22−2は、網内劣化に伴うパケット損失を検出するために、入力されたパケットの数をカウントする。遮断制御部23は、各検出部から得られる情報に基づいて信号遮断部24を制御し、信号遮断部24は、劣化したL2ネットワーク網から受信するパケットを遮断する。冗長化処理部25は、L2ネットワーク網から受信する冗長化されたパケットを処理する。送信処理部26は、パケットを端末装置などに送信する。なお、図1において、信号劣化検出部21−1および網内劣化検出部22−1は、L2ネットワーク網#1に、信号劣化検出部21−2および網内劣化検出部22−2は、L2ネットワーク網#2に、それぞれ接続されている。
【0013】
つづいて、以上のように構成されたネットワーク装置の動作について説明する。送信側ネットワーク装置1の受信処理部11が、端末装置などから送信されるパケットを受信すると、冗長化処理部12は、そのパケットを冗長化し、冗長化したパケットをL2ネットワーク内の中継装置3および4に向けて送信する。
【0014】
中継装置3および4は、送信側ネットワーク装置1から受信したパケットを、受信側ネットワーク装置2に転送する。
【0015】
受信側ネットワーク装置2の信号劣化検出部21−1および21−2は、それぞれ対応するL2ネットワーク網(#1,#2)からの信号を受信する。信号劣化検出部21−1および21−2は、受信したパケットについて信号劣化の検出処理を行い、劣化が検出されると遮断制御部23に通知する。また、受信した信号を、それぞれ対応する網内劣化検出部(22−1,22−2)に出力する。網内劣化検出部22−1および22−2は、パケットを受信するたびにその数を積算し、積算結果を遮断制御部23に通知する。また、受信した信号を、信号遮断部24に出力する。
【0016】
遮断制御部23は、信号劣化検出部21−1および21−2から通知されるパケットの劣化を監視し、劣化の頻度が所定の閾値を超えた場合には、そのL2ネットワーク網において信号劣化が発生したと判断し、そのネットワークからのパケットを遮断するように、信号遮断部24を制御する。
【0017】
また、遮断制御部23は、網内劣化検出部22−1および22−2から通知されたパケットの積算結果を比較する。そして、遮断制御部23は、積算結果の差が所定の閾値を超えた場合に、積算結果の少ない方のL2ネットワーク網においてパケット損失が発生したと判断し、そのネットワーク網からのパケットを遮断するように、信号遮断部24を制御する。なお、遮断制御部23は、少なくとも一つのL2ネットワーク網からの受信信号は遮断しないように制御するので、信号劣化検出部21−1および21−2からの通知により既にいずれかのL2ネットワーク網を遮断している場合、さらにもう一方のL2ネットワーク網を遮断することはない。
【0018】
信号遮断部24は、網内劣化検出部22−1および22−2から出力されるパケットを受け取り、遮断制御部23による制御にしたがって、パケット損失が発生していないと判断されているL2ネットワーク網からのパケットを冗長化処理部25に出力する。冗長化処理部25は、冗長化されているパケットを処理して送信処理部26に出力し、送信処理部26は、そのパケットを端末装置などに送信する。
【0019】
たとえば、L2ネットワーク網#1内でパケットの損失が発生し、一方で、L2ネットワーク網#2が正常である場合を想定する。この場合、網内劣化検出部22−1が受信するパケット数は、網内劣化検出部22−2が受信するパケット数よりも少なくなる。したがって、信号遮断部24は、網内劣化検出部22−1からのパケットを遮断し、冗長化処理部25には、網内劣化検出部22−2からのパケットのみを転送する。すなわち、受信側ネットワーク装置2は、パケット損失の生じたネットワーク網(L2ネットワーク網#1)の影響を受けることなく、後続の端末装置にパケットを送信することができる。
【0020】
また、L2ネットワーク網の遮断後に、遮断制御部23が、そのL2ネットワーク網が修復されたと判断した場合、信号遮断部24を制御し、遮断を開放して同L2ネットワーク網からのパケットの通過を再開させる。
【0021】
以上説明したように、本実施の形態では、受信側ネットワーク装置が、L2ネットワーク網からパケットを受信するたびにその数を積算し、この積算結果を比較することで各L2ネットワーク網についてのパケット損失を検出し、パケット損失が発生していないと判断したL2ネットワーク網からのパケットを通過させることとした。これにより、受信側ネットワーク装置では、パケット損失が発生したL2ネットワーク網からの信号が選択されず、網内劣化の少ない信号のみを後続の端末装置に送信できるので、通信品質の向上が図られ、より信頼性の高いネットワークを構築できる。
【0022】
また、遮断制御部は、少なくとも1つのL2ネットワーク網からの受信信号は遮断しないように制御するので、網内劣化の影響を抑制しつつ、全てのL2ネットワーク網で網内劣化が生じた場合であっても通信が可能となる。
【0023】
なお、本実施の形態では、網内劣化検出部22−1および22−2がパケットを受信するたびにその数を積算し、その結果を遮断制御部23に通知することとしたが、パケットを検出するたびにその旨を通知し、遮断制御部23が受信パケットの数を積算することとしてもよい。
【0024】
また、本実施の形態では、説明の便宜上、L2ネットワーク網が2つの場合について説明したが、3つ以上の経路の場合にも適用可能である。その場合、遮断制御部は、経路毎に検出されたすべての積算量について、それぞれ他の積算量との個別比較を行う。そして、積算量の差が所定の閾値を超える経路が存在する場合に、積算量の少ない一方の経路からのパケットを遮断するように信号遮断手段を制御する。
【0025】
実施の形態2.
実施の形態1では、受信側ネットワーク装置が、L2ネットワーク網からパケットを受信するたびにその数を積算し、網毎の積算結果を比較することで網内劣化に伴うパケット損失を検出することとした。本実施の形態では、中継装置がパケット損失情報を送信する場合について説明する。なお、前述した実施の形態1と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0026】
図2は、実施の形態2の通信システムの構成例を示す図である。図2の通信システムは、図1の通信システムと比較すると、受信側ネットワーク装置2の代わりに受信側ネットワーク装置2Bを、中継装置3の代わりに中継装置3Bを、中継装置4の代わりに中継装置4Bを備える。以下では、代表して中継装置3Bを例にとって本実施の形態の特徴を説明するが、中継装置4Bも中継装置3Bと同じ機能を備えている。
【0027】
受信側ネットワーク装置2Bは、網内劣化検出部22−1および22−2の代わりに網内劣化検出部27−1および27−2を、遮断制御部23の代わりに遮断制御部23Bを備えている。遮断制御部23Bは、信号劣化検出部(21−1,21−2)および網内劣化検出部(27−1,27−2)から得られる情報に基づいて、信号遮断部24を制御する。網内劣化検出部27−1および27−2は、網内劣化検出部22−1および22−2とは異なり、中継装置から送信される信号損失情報を検出する。
【0028】
中継装置3Bは、送信側ネットワーク装置1から受信したパケットを中継する装置であり、信号劣化検出部31と、信号損失情報発信部32と、信号転送部33とを備えている。信号劣化検出部31は、パケットを受信して信号転送部33に出力する。また、信号劣化検出部31は、受信したパケットの劣化を検出した場合に、そのパケットを廃棄し、検出結果を信号損失情報発信部32に通知する。信号損失情報発信部32は、信号劣化検出部31からの検出結果に基づいてパケットが損失していることを示す信号損失情報を作成し、信号転送部33に出力する。信号転送部33は、受信したパケットを中継し、また、信号損失情報を送信する。
【0029】
つづいて、以上のように構成された通信システムの動作を説明する。送信側ネットワーク装置1からパケットが送信されると、中継装置3Bの信号劣化検出部31は、受信したパケットを信号転送部33に出力する。このとき、信号劣化検出部31は、受信したパケットについてパリティチェックなどを行い、所定の基準に基づいて劣化していると判断した場合にはこのパケットを破棄し、その旨を信号損失情報発信部32に通知する。なお、ここでの信号劣化の検出方法は、実施の形態1における信号劣化検出部21−1および21−2による処理と同じであってもよく、また、他の方法を用いてもよい。信号損失情報発信部32は、信号劣化検出部31からの通知を受けた場合に、信号損失情報を生成し、信号転送部33に出力する。信号転送部33は、受信したパケットおよび信号損失情報を受信側ネットワーク装置2Bに向けて送信する。以降、本実施の形態では、一例として、中継装置3Bが受信側ネットワーク装置2Bに向けて信号損失情報を送信する場合について記載する。
【0030】
受信側ネットワーク装置2Bの網内劣化検出部27−1は、中継装置3Bからの信号損失情報を検出すると、その旨を遮断制御部23Bに通知する。遮断制御部23Bは、網内劣化検出部27−1から、信号損失情報を検出した旨の通知を受けると、対応するL2ネットワーク網(L2ネットワーク網#1)からのパケットを遮断するように信号遮断部24を制御する。なお、遮断制御部23Bは、少なくとも1つのL2ネットワーク網からの受信信号は遮断しないように制御するので、信号劣化検出部からの通知により既にいずれかのL2ネットワーク網を遮断している場合、さらにもう一方のL2ネットワーク網を遮断することはない。
【0031】
このように、中継装置3Bが検出した信号劣化は、信号損失情報として受信側ネットワーク装置2Bに通知され、信号遮断部24は、この通知に基づきL2ネットワーク網#1のパケットを遮断する。したがって、L2ネットワーク網#2からのパケットのみが、信号遮断部24より冗長化処理部25に出力され、送信処理部26を介して外部の端末装置等に送信される。
【0032】
以上説明したように、本実施の形態では、L2ネットワーク内の中継装置が信号損失情報を受信側ネットワーク装置に通知することで、信号損失が発生したことを検出することとした。これにより、受信側ネットワーク装置では、網内劣化が発生したL2ネットワーク網からの信号が選択されず、網内劣化の少ない信号を後続の端末装置に送信できるので、通信品質の向上が図られる。なお、本実施の形態の処理は、経路が3つ以上の場合にも同様に適用可能である。
【0033】
実施の形態3.
実施の形態1では、L2ネットワーク網からパケットを受信するたびにその数を積算して比較することで、パケット損失が発生しているL2ネットワーク網を検出することとした。本実施の形態では、送信側ネットワーク装置が送信パケット数を示す情報を送信する場合について説明する。なお、前述した実施の形態1と同様の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0034】
図3は、実施の形態3の通信システムの構成例を示す図である。図3の通信システムは、図1の通信システムと比較すると、送信側ネットワーク装置1の代わりに送信側ネットワーク装置1Cを、受信側ネットワーク装置2の代わりに受信側ネットワーク装置2Cを備える。
【0035】
送信側ネットワーク装置1Cは、送信側ネットワーク装置1の構成要素に加えて、自身が送信するパケットの数を示す送信信号情報を送信する信号情報送信部13を備える。
【0036】
受信側ネットワーク装置2Cは、受信側ネットワーク装置2と比較すると、網内劣化検出部22−1および22−2の代わりに網内劣化検出部28−1および28−2を、遮断制御部23の代わりに遮断制御部23Cを備える。網内劣化検出部28−1および28−2は、網内劣化検出部22−1および22−2と同様、入力されたパケットの数をカウントすることに加えて、送信信号情報を取得し、遮断制御部23Cに通知する。遮断制御部23Cは、網内劣化検出部28−1および28−2から通知される送信信号情報と、受信したパケット数とを比較し、比較結果に基づいて信号遮断部24を制御する。
【0037】
つづいて、以上のように構成された通信システムの動作を説明する。送信側ネットワーク装置1Cの信号情報送信部13は、冗長化処理部12からパケットを受け取ると、そのパケットを送信する。また、自身が送信したパケット数を算出し、その数を格納した送信信号情報を作成して送信する。図3では、代表してL2ネットワーク網#2上に送信信号情報を示している。
【0038】
受信側ネットワーク装置2Cの網内劣化検出部28−1および28−2は、パケットを受信するたびにその数を積算する。また、受信した送信信号情報から送信パケット数を取得する。そして、それらを遮断制御部23Cに通知する。遮断制御部23Cは、網内劣化検出部28−1および28−2からの通知に基づいて、L2ネットワーク網毎に、送信パケット数に対する受信パケット数(積算結果)の比率を算出する。
【0039】
遮断制御部23Cは、算出した比率が所定の閾値を下回った場合に、対応するL2ネットワーク網においてパケット損失が発生していると判断する。たとえば、L2ネットワーク網#2においてパケット損失が発生していると判断した場合、遮断制御部23Cは、網内劣化検出部28−2が受信するL2ネットワーク網#2からのパケットを遮断するように信号遮断部24を制御する。なお、遮断制御部23Cは、少なくとも1つのL2ネットワーク網からの受信信号は遮断しないように制御するので、信号劣化検出部からの通知により既にいずれかのL2ネットワーク網を遮断している場合、さらにもう一方のL2ネットワーク網を遮断することはない。
【0040】
また、送信信号情報に格納するパケット数は、たとえば、IPアドレスとパケットの順序逆転が発生しないVLAN(Virtual LAN)等の単位で計算する。
【0041】
以上説明したように、本実施の形態では、送信側ネットワーク装置が送信パケット数を示す情報を送信し、受信側ネットワーク装置が、実際に受信したパケット数と比較することで、網内劣化の発生を検出することとした。これにより、網内劣化を精度よく検出でき、通信品質の向上が図られる。なお、本実施の形態の処理は、経路が3つ以上の場合にも同様に適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0042】
以上のように、本発明にかかる通信システムは、レイヤ2ネットワーク網を介して信号を送受信するシステムに有用であり、特に、高信頼性ネットワークの構築に適している。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】実施の形態1の通信システムの構成例を示す図である。
【図2】実施の形態2の通信システムの構成例を示す図である。
【図3】実施の形態3の通信システムの構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
1,1C 送信側ネットワーク装置
2,2B,2C 受信側ネットワーク装置
3,3B,4,4B 中継装置
11 受信処理部
12,25 冗長化処理部
13 信号情報送信部
21−1,21−2 信号劣化検出部
23,23B,23C 遮断制御部
24 信号遮断部
25 冗長化処理部
26 送信処理部
22−1,22−2,27−1,27−2,28−1,28−2 網内劣化検出部
31 信号劣化検出部
32 信号損失情報発信部
33 信号転送部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の経路を形成するネットワーク網を介して送信側ネットワーク装置と接続され、当該送信側ネットワーク装置から送信される冗長化された信号を受信する受信側ネットワーク装置であって、
前記複数の経路から受信した信号のデータ量を経路毎に検出する網内劣化検出手段と、
受信した信号を通過させるか遮断するかの切り替えを行う信号遮断手段と、
前記網内劣化検出手段による検出結果に基づいて、前記複数の経路で検出されたすべてのデータ量についてそれぞれ他のデータ量との個別比較を行い、データ量の差が所定の閾値を超える経路が存在する場合、比較対象の2つの経路のうちのデータ量の少ない一方の経路から受信した信号を遮断するように前記信号遮断手段を制御する遮断制御手段と、
を備えることを特徴とする受信側ネットワーク装置。
【請求項2】
中継装置を経由した複数の経路を形成するネットワーク網を介して送信側ネットワーク装置と接続され、当該送信側ネットワーク装置から送信される冗長化された信号を受信する受信側ネットワーク装置であって、
前記中継装置が送信する信号の中から、信号が損失していることを示す信号損失情報を経路毎に検出する網内劣化検出手段と、
受信した信号を通過させるか遮断するかの切り替えを行う信号遮断部と、
前記網内劣化検出手段により前記信号損失情報が検出された場合に、対応する経路から受信した信号を遮断するように前記信号遮断手段を制御する遮断制御手段と、
を備えることを特徴とする受信側ネットワーク装置。
【請求項3】
複数の経路を形成するネットワーク網を介して送信側ネットワーク装置と接続され、当該送信側ネットワーク装置から送信される冗長化された信号を受信する受信側ネットワーク装置であって、
前記複数の経路から受信した信号のデータ量を経路毎に検出し、さらに、前記送信側ネットワーク装置が送信した信号の中から、送信データ量を示す信号情報を検出する網内劣化検出手段と、
受信した信号を通過させるか遮断するかの切り替えを行う信号遮断手段と、
前記網内劣化検出手段による検出結果に基づいて、前記複数の経路で検出されたすべてのデータ量についてそれぞれ前記送信データ量に対する比率を算出し、当該比率が所定の閾値を下回る経路が存在する場合、当該経路から受信した信号を遮断するように前記信号遮断手段を制御する遮断制御手段と、
を備えることを特徴とする受信側ネットワーク装置。
【請求項4】
前記遮断制御手段は、さらに、少なくとも1つの経路から受信した信号を通過させるように、前記信号遮断手段を制御することを特徴とする請求項1、2または3に記載の受信側ネットワーク装置。
【請求項5】
前記遮断制御手段は、いずれかの経路から受信した信号を遮断した後に、当該経路から受信した信号の劣化が回復したと判断した場合、当該経路から受信した信号を通過させるように前記信号遮断手段を制御することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の受信側ネットワーク装置。
【請求項6】
複数の経路を形成するネットワーク網を介して接続される受信側ネットワーク装置と送信側ネットワーク装置との間で冗長化された信号を中継する中継装置であって、
受信した信号の劣化を検出した場合に当該信号を破棄する信号劣化検出手段と、
前記信号劣化検出手段により信号が破棄された場合に、信号が損失していることを示す信号損失情報を生成する信号損失情報生成手段と、
前記信号劣化検出手段により劣化が検出されていない信号を転送し、さらに、前記信号損失情報を送信する送信手段と、
を備えることを特徴とする中継装置。
【請求項7】
複数の経路を形成するネットワーク網を介して受信側ネットワーク装置と接続され、冗長化された信号を送信する送信側ネットワーク装置であって、
前記信号の送信データ量を示す信号情報を送信する信号情報送信手段、
を備えることを特徴とする送信側ネットワーク装置。
【請求項8】
複数の経路を形成するネットワーク網に向けて冗長化された信号を送信する送信側ネットワーク装置と、
請求項1に記載の受信側ネットワーク装置と、
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項9】
複数の経路を形成するネットワーク網に向けて冗長化された信号を送信する送信側ネットワーク装置と、
請求項2に記載の受信側ネットワーク装置と、
請求項6に記載の中継装置と、
を備えることを特徴とする通信システム。
【請求項10】
請求項3に記載の受信側ネットワーク装置と、
請求項7に記載の送信側ネットワーク装置と、
を備えることを特徴とする通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2009−302875(P2009−302875A)
【公開日】平成21年12月24日(2009.12.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−154661(P2008−154661)
【出願日】平成20年6月12日(2008.6.12)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】